『ドラゴンボール』悟空の蘇生方法が『ワンピース』クロコダイル戦のルフィにそっくり?

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東映アニメーション公式YouTubeチャンネルより。
 12月25日に放送されたアニメ『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)で、孫悟空がぶっ飛んだ蘇生法をして話題になっている。  前回の放送で殺し屋・ヒットの謎の攻撃で心臓付近にダメージを受けて、一撃で死んでしまった悟空。悟空は倒れる間際、ヒットに向けて打ち放つはずだった、手に溜めた気弾を上空に打ち放っていた。  ドラゴンボールの世界で、悟空クラスの戦闘力を持つキャラが放つ気弾は、地球を簡単に破壊できてしまう。この行為は悟空が地球を気遣ったものと推測する声、または仲間にSOSを知らせるための最期の行為だと推測する声が、この時点では多かった。  だが今回の放送で明らかになった答えはそのどちらでもなく、“蘇生”するためだったのだ。なんと死んでいる悟空の元に、上空に放った気弾が落ちてきて、その衝撃で悟空は生き返ったのだ。この悟空のめちゃくちゃな行為に「悟空はやはり戦闘の天才」「このぶっ飛び方がドラゴンボールらしくてよい」と絶賛の声が上がることに。  しかし思い返すと、実は『ワンピース』(作:尾田栄一郎/集英社)のルフィも悟空と全く同じような蘇生法をしている。  ルフィはアラバスタ編でクロコダイルと合計3回戦ったのだが、その2回目の時、触れたものを乾かす能力を持つクロコダイルに首を掴まれたルフィは、体の水分をどんどん枯らされてしまう。その時ルフィは咄嗟にお腹に溜めた水を銃弾のように上空に放った。ルフィはそのまま水分を完全に抜き取られミイラ姿になってしまったのだが、クロコダイルが去った後に先ほど放った水が上空から落ちてきてルフィは復活したのだ。正確にはルフィは死ぬ一歩手前までいっただけだが、この蘇生法は今回の悟空とそっくり。 「週刊少年ジャンプ」(集英社)の新旧看板主人公が同じ発想で戦闘をしているとは、なかなか感慨深いものだ。

「石田さんと関さん!? 何それ岩井って神なの!?」ハライチ岩井が「コミケ91」に出品するコントCDにファン大興奮!

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『スプーキーE』公式サイトより。
 お笑いコンビ「ハライチ」の岩井勇気が、12月29日から31日にかけて行われる「コミックマーケット91」(以下、「コミケ91」)の最終日でコントCDを販売することを明かした。コントCDには声優の石田彰と関智一という豪華なキャストが出演しているとあり、ネット上では「石田さんと関さんのコントCD!? なにそれ、ハライチ岩井って神なの!?」「どえぇぇぇ! むちゃくちゃほしいんだが!」と歓喜の声が響いている。  岩井は12月24日に自身のTwitter(@iwaiyu_ki)を更新し「ハライチ岩井勇気、書き下ろしコントCDをコミケ91にて委託頒布致します! 出演は声優の石田彰さん、関智一さん!! サークル名は『スプーキーE』、委託先は『SUVIVE』です」とコントCDの告知を投稿。人気芸人が人気声優をキャスティングし、同人でコンとCD作成し、頒布するというニュースにネット上は当然大盛り上がり。  CDにはコント「裏カジノ」「通販」「死亡管理室」の他、石田、関、岩井によるスペシャルトークコーナーも収録されているもよう。これには「ハライチ岩井がコミケ91に出店することも驚きだけど、このCDの豪華さに脳みそ沸騰しそうだわ」「ふわぁぁぁ~! 石田さまと関さまがコントとか絶対欲しいんだが! 確実に争奪戦になるな」と豪華さに度肝を抜かれている人が続出。また、価格が2,000円ということで「安すぎる!! もう1つゼロ足してでも手に入れたい(切実)」と金に糸目をつけないというファンの声も。  11月28日には岩井が「今日は自作のコントCDの収録をしてきたが、CD内で何役も演じていただいた石田彰さんと関智一さんの演技が素晴らしかった」と出来の良さを呟いており、クオリティの高さにも期待できそうだ。争奪戦となりそうだが、ぜひとも死者が出ないよう、安全に参戦していただきたい。

「放送局違うのに!! この回は貴重すぎるわ」『ドラえもん』に『月曜から夜ふかし』的番組が映りマツコ&視聴者大興奮!

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『ドラえもん』公式サイトより。
 日本が誇る世界的人気アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)で、なんとバラエティ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)とおぼしき番組の映像が流れ、「すげぇぇ! 局の壁を越えたコラボ!」と大反響が上がっている。  この事件が発覚したのは、12月19日放送の『月曜から夜ふかし』に投稿された1通のメールから。投稿者が『ドラえもん』を見ていた時に『月曜から夜ふかし』らしき番組が登場したというのだ。『月曜から夜ふかし』では、大人の事情で該当する『ドラえもん』のエピソードを流すことはできなかったが、再現VTRで内容を確認。MCのマツコ・デラックスは「確定かどうかはわからないけど、もしそうだとしたらうれしいわぁ」「ドラえもんだよ! しずかちゃんちのテレビよ!」と大興奮だった。  該当するのは10月21日放送の「みえないボディガード」という話だろう。両親が外出したため1人で留守番することになった“しずかちゃん”こと源静香(みなもとしずか)が、羽根を伸ばしテレビの深夜番組を見るというシーンだ。テレビのチャンネルをつけた一発目で映し出された映像が、『月曜から夜ふかし』に似ていると話題に。 ちょいちょい細部は異なるものの、画面右側のソファに座るマツコらしき太った女性(?)、左側に立つ茶色っぽいスーツを着た「関ジャニ∞」の村上信五らしき男といい、ほぼパーフェクトに再現している。極めつけは2人の会話。男が「ほんまでっか?」と胡散臭い調子で言い、「ウソじゃないわよ~」と女性が応える様子は村上とマツコのやり取りそのものだ。  同放送で気づいた人は多かったようで「おわぁぁ! ドラえもんに月曜から夜ふかし出てるやんけ!」「マツコと村上らしきキャラが出ててビビったwww」「放送局違うのに!! この回は貴重すぎるわ」と興奮の声が続出。  これまで『ドラえもん』は、『アメトーーク!』や『クイズプレゼンバラエティー Qさま!!』など同じテレビ朝日系の番組ではコラボしたことがあったが、他局番組とのコラボはおそらく初めて。貴重な回を見ることができた人は幸運といっていいだろう。

指原莉乃ならトップ合格!? ずる賢いアイドルを決めるデスゲーム(?) 『堕イドル』レビュー

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『堕イドル』(講談社)
『別冊少年マガジン』にて連載中のマンガ『堕イドル』(原作:ガクキリオ、漫画:山口アキ/ともに講談社)の第1巻が12月9日に発売された。各誌でデスゲームマンガも展開されるようになり、やや食傷気味という人もいるが、そこにアイドルという要素を入れることでやや新鮮さも出ている。  主人公はマイナーアイドルユニットでリーダーを務める・銀山幸(かなやまこう)。ある日、「堕ちたアイドル」を集めて行われる「堕イドル・オーディション」に強制参加させられてしまう。銀山が参加することになった理由は、街でたまたま少ししゃべっただけの男・灰峰を彼氏だと勘違いされ、「アイドルのくせに彼氏とはけしからん!」という感じ。 ゲーム主催者の意図も正体もまだ明かされていないが、彼氏がいるという理由だけで“落ちた”扱いし、アイドルを命を賭けたゲームに参加させるという狂いっぷりは、ちょっとしたことでネットやSNS上が炎上してしまったりする、現実のオタクとどこか重なるところを感じて少し怖い。主催者側は、理屈が通じないヤバいやつである、という表現にうまくつながっている部分もあると思う。  さて、そんな成り行きで、銀山は灰峰と共にオーディションという名のデスゲームに挑んでいく。ゲーム内容は説明されるが、クリア条件は明示されない。これこそが『堕イドル』の醍醐味。出題者の意図を読み取り、適切な行動をとってゲームを行うことこそがクリアのカギになるのだ。 「歌やダンスなど何かをしてアイドルとしての魅力をアピールしてください」と出題されても、ただ上手に歌ってダンスをすればクリアになるわけじゃない。「カラオケで歌って」と出題されても、高得点をだせばクリアになるわけじゃない。“堕イドル”らしいふるまいを考えなければならない。ここで銀山を助けるのは、これまた実は超キレ者だった灰峰。すぐさまゲームの意図を見抜いて、銀山に的確な助言をしていく。  ただのデスゲームとは違い、明確な答えがないようなクイズは、深読みをするならば、バラエティ番組などでアイドルがどう対処すればいいのか、握手会でどう対応すればいいのか、そんな答えがない現実のアイドル世界とリンクするように思える。作中での堕イドル”らしいふるまいとは、言い換えればずる賢く世渡り上手な行動をすることみたいになっているので、多分、指原莉乃が「堕イドル・オーディション」に参加したらトップ合格するような感じ。峯岸みなみもいい感じ、ぱるるとかはヤバいかも。ここらへんがただのデスゲーム漫画とは違う楽しめるポイントだろう。  しかし、明確な答えがないクイズはかなり作者の力量を問われる。こじつけなり、ハッタリを上手にかまして説得力を出していかないと、ご都合主義的な展開に読者は急に冷めてしまうことだろう。デスゲームは必勝法なり、答えが明かされる瞬間が一番気持ちのいいところ。しっかりゲームのルールがあるデスゲームならばそこに問題はないが『堕イドル』はその点が難しい。万人が納得する。“堕イドル”らしいふるまいを考えるのは至難の業だ。正直、カラオケの答えはかなり怪しいところがあった。今後もどれだけ上手い答えを用意できることか……。  分担作業だけあって作画はかなり丁寧で綺麗。女の子もしっかり描き分けられていて表情も豊かでかなりかわいい。となると、デスゲームでお決まりのエロやグロを期待してしまうが、残念ながら1巻ではエロは下着姿、グロは泡とよだれを吹いて倒れる程度。せっかく男付きでアイドルたちはゲームに参加しているのだから、もっとこう……、魅せてくれないと!  世にあふれるデスゲームマンガの中で『堕イドル』はいかに地位を確立し、人気を獲得することができるのか。今後の展開に期待したい。 (文・白子しろこ)

地上波初登場の『ラブライブ!』劇場版に、『Fate/Grand Order』も! 年末年始SPアニメがアツい!

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左:『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』、右:『ラブライブ!』、各公式サイトより
 年末を控えて何かと忙しい時期ですが、明日からはクリスマス、クリスマスイブを含めた3連休。きっとおたぽる読者の皆さんもアニメを観たり、ゲームをしたり、イベントに参加したり、HDDを整理したり、大掃除に勤しんでみたりとお忙しいことでしょう。  そんな忙しい読者の皆さんのために、年案年始に放送される新作スペシャルアニメ、劇場版アニメをまとめて紹介してみようと思います(※総集編、振り返り一挙放送などは除く)。視聴や録画の参考にしてみください。 ■12月24日 『ミルキィホームズがロケに出ちゃうよ~大薩摩紀行~前編』 おなじみの人気声優ユニット・ミルキィホームズの三森すずこ、徳井青空、佐々木未来、橘田いずみが一泊二日のお泊りロケ! 本人たちのTwitterなどによると、意外にも初めてのお泊りロケとあってテンションも高く、鹿児島の街を楽しくめぐる! 放送:22時30分~ TBS CS TBS CS番組公式サイト http://www.tbs.co.jp/tbs-ch/item/a0235/
■12月25日 『GRAVITY DAZE The Animation ~Ouverture~』 PS4用アクションアドベンチャー「GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択」の前日譚を、スタジオカラーがフル3Dアニメーションとして制作。特別番組「オレの人生にこのアニメあり ~日本のクリエイティブの重力~」内で放送される。 放送:25時5分~ テレビ東京 『GRAVITY DAZE 2』公式サイト http://www.jp.playstation.com/scej/title/gravitydaze/2/ ■12月30日 『6HP Six Hearts Princess』 現代アーティスト・村上隆が原作、mebaeがキャラクターデザインを務めるプロジェクト「6HP」が3DCGアニメとしてTV放送決定! 今年秋には、「未完成版のまま放送される」という村上氏のインタビューが他誌で掲載されていたりもしたが、果たして……!?。 放送:19時~ TOKYO MX 『6HP Six Hearts Princess』公式サイト http://poncotan.jp/
■12月31日 『劇場版 青の祓魔師』 12年12月28日に劇場公開された、人気シリーズ『青の祓魔師』の劇場版がBS11に登場!TVアニメの後日譚を映画オリジナルのストーリーで描く。 放送:20時~ BS11 BS11 番組公式サイト http://www.bs11.jp/anime/ao-ex-movie/
『Fate/Grand Order ‐First Order‐』 TYPE-MOONが新たな『Fate』シリーズとして手がけたスマホアプリのRPG『Fate/Grand Order』のスペシャルアニメ。人類の未来を取り戻す物語を監督:難波日登志、脚本:関根アユミが手がける。アニメーション制作はLay-duce。 放送:22時~ TOKYO MXほか 『Fate/Grand Order ‐First Order‐』公式ホームページ http://anime.fate-go.jp/ 『探偵オペラ ミルキィホームズ ファンファンパーリーナイト♪ ~ケンとジャネットの贈り物~』 特殊能力を持った怪盗と探偵が活躍する大探偵時代を舞台に、名探偵を目指す少女達と怪盗の対決を描く人気シリーズの最新作。直前の24日には主役声優4人による特別番組も23時30分からTBSで放送。 放送:未表記 TVアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』シリーズ公式ホームページ http://milky-holmes.com/anime/
■2017年1月1日 『リトルウィッチアカデミア 魔法仕掛けのパレード』 1月8日から放送開始となるTVアニメシリーズに先駆けて、15年10月に限定公開された劇場版が登場! TVシリーズと同じく監督:吉成曜、アニメーション制作:TRIGEGERによる楽しく可愛く鮮烈な魔女ったちの活躍を、17年の初アニメにしてみては? 放送:20時~ TOKYO MX 『リトルウィッチアカデミア』公式サイト http://tv.littlewitchacademia.jp/
■17年1月3日 『ラブライブ!The School Idol Movie』 TVアニメ『ラブライブ!』の続編として、15年6月に公開。累計興行収入約28億円を突破した大ヒット劇場版アニメが、地上波初放送! 廃校を免れたものの、3年生の卒業とともに活動を終了するつもりだったμ’sが、初の海外でのパフォーマンスに挑むことに。 放送:17時~ NHK Eテレ 『ラブライブ!』公式サイト http://www.lovelive-anime.jp/

【劇場アニメレビュー】カラフルな映像とポップなダンスと“東映カラー”が映える、東映アニメ60周年記念作『ポッピンQ』レビュー!

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(C)東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016
 東映アニメーション60周年記念作品『ポッピンQ』は、それぞれ心の悩みを抱えた4人の中学3年生の少女たちが、突然異世界“時の谷”へ迷い込み、それぞれの少女たちと心を通わすことができるポッピン族の“同位体”と力を合わせ、時の谷の危機を救おうというものである。原作ものではなく、オリジナル・ストーリーの映画化という点もどことなくうれしい。  まずは冒頭、少女たちの青春描写のリアルさに目を見開かされる。黒星紅白によるキャラクター原案が愛らしくも作品世界に見合っており、それだけで既に「今」を生きる少女たちの思春期独自の心情の揺れなどが巧みに醸し出されているように思えるほど。またこれまで「プリキュア」シリーズの3DCGダンス映像演出などを手掛けてきた宮原直樹監督の目線も瑞々しくも繊細で、予備知識も何もないまま本作に接する観客は、青春映画以外の何物でもないと勘違いしてしまうことであろう。  しかし、リアルな現実から急転直下して、彼女たちはファンタジックな世界へ迷い込み、まるで「プリキュア」の妖精たちのような小っちゃくも愛くるしい同位体キャラが登場するに及び、「いったいこの作品は何?」と、戸惑いを覚えてしまった。正直なところ、現実世界での繊細な青春ストーリーをそのまま展開させていったほうがいいのに!? といった気分にも囚われてしまい、急に作品世界へ入り込めなくなってしまう。そんな時間がしばらく続いた。  しかし、時の谷の危機を救うため、少女たちがダンスを習うという、一見素っ頓狂にも思える設定が登場した瞬間、はたと気づかされるものがあった。  本作は少女と妖精のコンビネーションの妙で毎回魅了し続ける『プリキュア』シリーズを卒業した女の子たちに、続けてアニメーション映画の楽しさを伝えるために作られたものに他ならないのではないか。  リアル青春ストーリーと『プリキュア』的ファンタジー世界、そしてローティーンの女の子なら誰もが興味を持つであろうダンスの導入。それは3DCGダンス描写を得意とする宮原監督の個性にも即したものであり、また『プリキュア』から一段成長したかのような衣裳の可愛らしさなども特筆的なものもある。  そうこう考えていくと、こうした多彩な要素を融合させることによって、ちょうどファミリー向けアニメから離れがちな小学生の中高学年から中学生にかけての観客層を再び映画館に呼び戻し、ひいては今後もその愉しさに浸り続けてもらいたいという、若きアニメ・ファンの育成目的(いじわるな見方をすれば、アニメヲタク少女をもっと増やしましょうとでもいった、まるで『プリキュア』シリーズの悪漢たちを彷彿させる思惑……いや、それはウソです!?)で作られたものとみた。
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(C)東映アニメーション / 「ポッピンQ」Partners 2016
 また現実世界で素直になれない少女たちは、非現実世界に身を置くことで、ようやく自分に素直になり、それぞれの苦難の要素と対峙する勇気を持ち合わせていくようになる。 「ファンタジーとは逃避のメディアである」とは、かつて某巨匠監督が発した厳しいお言葉ではあるが、逃避することによって初めて見出せるものもあることは、2016年における久々の人気TVドラマとなった『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)にならうわけではないものの、この世知辛い現代社会を生きる、特に若者層は理屈ではなく、肌で感じていることでもあるだろう。そう思うに、本作の現実と虚構の融合は決してマイナス要素をもたらすものではない。  さらには英語タイトル“POP IN Q”が示すように、カラフルな映像世界とポップなダンスの躍動感は,今を生きる少女たちをさらに引き立たせ、いつしか非現実の中での青春リアリティといったものまで描出されていく。  惜しむらくはストーリーそのものにさほどの新味がないことで、先の展開が読みやすいといったきらいもあるのだが、それもまた、実写も含めて一つのパターンを重んじる東映カラーと甘く捉えることにした。  正直、『白蛇伝』に始まる東映アニメーションの歴史のほとんどにつきあってきている身にとすれば、この題材で60周年記念作品と銘打つことにちょっと物足りなさも感じてしまうのが本心でもあるのだが、一方で東映アニメーションは一貫して子どもたちのための作品をメインに作り続けてきた。そう振り返ってみると、決して今回もそのラインを外れていない安定感を買ってもいいのかなとも思う。  若い声優陣が揃う中、羽佐間道夫のような大ベテランがさりげなく登場したかと思えば、ヒロインの母親役・島崎和歌子の素人丸出しの発声ながら高知弁のイントネーションだけは誰にも負けてないといった個性にヘタウマの好感を抱く。  続編を作るなり、TVシリーズを始めるなり、そういった展開も期待してみたい、気持ちのいい佳作である。 (文・増當竜也)

コミケで内閣府防災の人が執筆した『シン・ゴジラ』災害対策本販売予定! ガチ過ぎる内容に購入希望者続出!

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『後藤隆昭』のTwitter(@ryu_)より。
 内閣府の防災で勤務していると自称する後藤隆昭氏が、シン・ゴジラの災害対策本を12月29日のコミックマーケットで販売することをTwitterで宣伝し、大きな話題になっている。  本のタイトルは『虚構と防災』。後藤氏は映画『シン・ゴジラ』を鑑賞し、“霞が関の中の人”として「危機管理センター」「緊参チーム」「緊急災害対策本部」など日頃からよく耳にする言葉が劇中で飛び交っているのを見て、庵野秀明監督のセンスに笑い転げたという。そして普段、一般の目に触れない緊急事態の政府の対処を眺めるのに良い素材だと思ったそうで、災害対策法制の観点から国家的危機の際にどう対処すべきか考えるきっかけにしようと本を執筆したとのこと。さらに同書をきっかけに多くの人が危機管理を考えるようになればとしている。  後藤氏のTwitter(@ryu_)では本の一部が掲載されているのだが、ガッツリと文字だらけ、しかも専門用語やいかにも“官”の言い回しが並ぶ内容に「ちょっとこれはガチすぎるwww」「もう論文じゃねえかこれ!」「霞ヶ関の中の人がガチでシン・ゴジラを考察するとこうなるのか……」と驚きの声が上がっている。  しかし多くのファンが「これは絶対に買いたい!」「今回はコミケを見送ろうと思ってたけどこれのためだけに行くわ!」「俺の狙い商品が定まった。まずはこれを買いに直行しよう」と購入を決意している模様。  本の概要はB5サイズで44ページ。値段は500円となっており、後藤氏のほかにも、行政各分野の執筆陣が総力特集しているそう。宅配対応も行う予定とアナウンスされており、すでに後藤氏のTwitterには「はじめまして。宅配をお願いしたいです」「お手数をお掛けして申し訳ありませんが、宅配を希望します」「私も宅配をお願いしたいです!」と何件も注文が寄せられている。ツイートは3,000件以上リツイートされているが、一体当日はどうなってしまうのか、そして肝心の内容は……? 今回のコミケの話題作の1つとなりそうだ。

コミケで内閣府防災の人が執筆した『シン・ゴジラ』災害対策本販売予定! ガチ過ぎる内容に購入希望者続出!

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『後藤隆昭』のTwitter(@ryu_)より。
 内閣府の防災で勤務していると自称する後藤隆昭氏が、シン・ゴジラの災害対策本を12月29日のコミックマーケットで販売することをTwitterで宣伝し、大きな話題になっている。  本のタイトルは『虚構と防災』。後藤氏は映画『シン・ゴジラ』を鑑賞し、“霞が関の中の人”として「危機管理センター」「緊参チーム」「緊急災害対策本部」など日頃からよく耳にする言葉が劇中で飛び交っているのを見て、庵野秀明監督のセンスに笑い転げたという。そして普段、一般の目に触れない緊急事態の政府の対処を眺めるのに良い素材だと思ったそうで、災害対策法制の観点から国家的危機の際にどう対処すべきか考えるきっかけにしようと本を執筆したとのこと。さらに同書をきっかけに多くの人が危機管理を考えるようになればとしている。  後藤氏のTwitter(@ryu_)では本の一部が掲載されているのだが、ガッツリと文字だらけ、しかも専門用語やいかにも“官”の言い回しが並ぶ内容に「ちょっとこれはガチすぎるwww」「もう論文じゃねえかこれ!」「霞ヶ関の中の人がガチでシン・ゴジラを考察するとこうなるのか……」と驚きの声が上がっている。  しかし多くのファンが「これは絶対に買いたい!」「今回はコミケを見送ろうと思ってたけどこれのためだけに行くわ!」「俺の狙い商品が定まった。まずはこれを買いに直行しよう」と購入を決意している模様。  本の概要はB5サイズで44ページ。値段は500円となっており、後藤氏のほかにも、行政各分野の執筆陣が総力特集しているそう。宅配対応も行う予定とアナウンスされており、すでに後藤氏のTwitterには「はじめまして。宅配をお願いしたいです」「お手数をお掛けして申し訳ありませんが、宅配を希望します」「私も宅配をお願いしたいです!」と何件も注文が寄せられている。ツイートは3,000件以上リツイートされているが、一体当日はどうなってしまうのか、そして肝心の内容は……? 今回のコミケの話題作の1つとなりそうだ。

本作を「(笑)」付きでディスることこそ、SWファンの礼儀 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

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(C)2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
「前半いらなくね?」だの、「画面が暗くて狭っ苦しくね?」だの、「ローグ・ワンの6人、ドニー・イェン以外キャラ立ってなくね?」だの、「内容的に90分のTVスペシャルでよくね?」だの、「戦艦がレゴっぽくね?」だのといった憎まれ口の最後には、必ず「(笑)」を付けるのがファンの礼儀。そんな『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、副題が示すように「スター・ウォーズ(以下SW)」シリーズの外伝である。時系列的には、現在まで7作が製作されているナンバリングシリーズのうち、『エピソード3/シスの復讐』(2005年)と『エピソード4/新たなる希望』(1977年)の間に位置する物語だ。  なお、本作は『エピソード4』の開始10分前時点までを描くため、『エピソード4』序盤の状況を頭に入れてから鑑賞に挑まないと、魅力が8割がた減退するので注意が必要だ。さらに、Wikipedia日本語版には最終シーン、ラストカットのセリフまで書かれており(2017年12月20日現在)、読んでしまうと9割がた感動が目減りするので、こちらも十分に注意されたい。  プロットは、今までのSWシリーズのなかでは飛び抜けてシンプルだ。惑星ごと破壊できる兵器を備えた帝国軍の宇宙要塞「デス・スター」の弱点が記されている設計図を奪うべく、反乱軍の即席チーム「ローグ・ワン」が帝国軍のお膝元惑星に出撃する話。以上だ。  多少付け加えるなら、設計図情報をリークしたのは良心の呵責に耐えかねた帝国軍の科学者ゲイレン・アーソ。その彼の娘であるジン・アーソが、ローグ・ワンを率いる本作の主人公だ。なお「ローグ(rogue)」とは「ごろつき、悪党」の意。彼らが反乱軍の反対を振り切って出撃する際、管制塔からの通信に対して適当に名乗ったコールサインが「ローグ・ワン」である。  SWファンが冒頭のように笑いながら毒づくのは、基本的に作品愛あってのこと。でなければ、会社を早退してまで金曜日(12月16日)の公開初日に劇場へ行き、終電ギリギリまで飲み屋で感想戦にヒートアップしたりはしない。  実際、オタク気質なオジサンたちにとって、本作は酒の肴要素がテンコ盛りだ。前身黒づくめの帝国軍機動歩兵「デス・トルーパー」は、押井守監督の『ケルベロス-地獄の番犬』のプロテクトギアを彷彿とさせる。『エピソード5』ほかで登場する四足歩行兵器「AT-AT」の前身メカ「AT-ACT」とのコンバット戦は、PS4あたりのオープンワールド系FPSっぽい。主人公たちのお供をするドロイド・K-2SOも、コメディリリーフとして先代C-3POの影を踏まないようけなげに頑張っている。いやはや、酒が進む、進む。  なかでも最高に笑える……もとい、カッコイイのが、座頭市とランボーのスペックをあわせ持つ盲目のバトル僧侶、チアルート・イムウェだ。演じるのは、世界最高峰の美しい殺陣を披露する香港映画界の至宝、ドニー・イェン。さすがに殺陣の完成度は文句なしだが、念仏のように「フォースは我と共に 我はフォースと共に」を唱えるとアーラ不思議、敵の弾が当たらないって……なんだそりゃ。突っ込みがてら、ハイボールもう1杯!
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 無論、SWシリーズならではの小ネタ詰め合わせもぬかりない。『エピソード4』に登場したモス・アイズリーの酒場で右腕を斬り落とされた奴(ポンダ・バーバ)が登場しているとか、おなじみのセリフ「嫌な予感がする」を全部言わせてもらえないK-2SOとか、帝国軍のターキン総督(演じた俳優は故人)が復活しているとか、「デス・スター」の設計図の3Dワイヤーフレームがちゃんと『エピソード4』どおりのチープな代物である、とか。  しかし小ネタは小ネタ。物語の本筋には関係ない。ぶっちゃけ、いまいちパンチに欠ける展開だなあ……と思いながら終盤を迎えると、そのモヤモヤは一気に晴れる。誤解を恐れず言うなら、この映画は「『エピソード4』に直結するラスト10数分のカタルシスのために、その前の約2時間を耐え忍ぶ」作品なのだ。  そう、我々はラスト10数分でダース・ベイダー無双に心踊らされ、“例のアノ人”の登場に驚愕する。ふたりともSW前期三部作世界を代表する顔だ。  「10数分のために2時間」。まるでエベレスト登山である。  エベレスト登山は、たった数人をたった数分間だけ山頂に滞在させるために、何十人ものサポートと数百万円という費用、約2カ月という準備時間を要する。多くの人の手を借りてベースキャンプまで食料や道具を荷上げし、天候を見ながら出発日を虎視眈々とうかがい、いざ出発となれば現地のシェルパ(登山ガイド)にルートを確保してもらい、山頂まで1日で往復できる高度までなんとか到達したらテントを設営し、そこからやっと頂上にアタックするのだ。  エベレストの登頂成功者はヒーローとして栄光を手にするが、その裏には現地で雇われた多くの熟練シェルパたちの存在がある。当地の気候に精通した彼らが天気を読み、最適なルートを工作・指南し、ガイドとして同行する。そのアシストがなければ、いかに著名登山家といえど山頂に到達するのは難しい。  『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、ダース・ベイダーと“例のアノ人”が最後にすべてオイシイところを持っていく。後世に名を残す登山家として、頂を制したのだ。  いっぽう、名前も残らない多数のシェルパ、いわば無名の戦士にあたるのが、ローグ・ワンの6人(ドロイドのK-2SO含む)である。実際、ラスト10数分のインパクトは、その前2時間を完全に上書きしてしまう。エンドロール後、ローグ・ワンのメンバー全員の名前を間違えずに言える観客が、一体どれほどいるだろうか?
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 そんな「名もなき縁の下の力持ち」を記憶にとどめ、語り部として後世に伝える任務を背負っているのが誰かといえば、会社を早退してまで金曜日の初日に劇場へ行き、終電ギリギリまで飲み屋で感想戦をヒートアップさせる輩どもであろう。ローグ・ワンの面々は、多方面からディスって話題にでもしなければ忘れ去られてしまう。さながら無名のシェルパたちのように。酒を飲みながら「(笑)」つきで本作をディスるのは、むしろファンの礼儀、屈折したリスペクトの証しなのだ。  そして我々は、今日も喜々として『ローグ・ワン』をディスる。「今どき設計図が物理メディア(っぽい何か)に収められて、倉庫(っぽい何か)に収納ってないよなー」などと。もちろん、最後に「(笑)」を忘れずに。 (文・稲田豊史)

本作を「(笑)」付きでディスることこそ、SWファンの礼儀 『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』

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「前半いらなくね?」だの、「画面が暗くて狭っ苦しくね?」だの、「ローグ・ワンの6人、ドニー・イェン以外キャラ立ってなくね?」だの、「内容的に90分のTVスペシャルでよくね?」だの、「戦艦がレゴっぽくね?」だのといった憎まれ口の最後には、必ず「(笑)」を付けるのがファンの礼儀。そんな『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は、副題が示すように「スター・ウォーズ(以下SW)」シリーズの外伝である。時系列的には、現在まで7作が製作されているナンバリングシリーズのうち、『エピソード3/シスの復讐』(2005年)と『エピソード4/新たなる希望』(1977年)の間に位置する物語だ。  なお、本作は『エピソード4』の開始10分前時点までを描くため、『エピソード4』序盤の状況を頭に入れてから鑑賞に挑まないと、魅力が8割がた減退するので注意が必要だ。さらに、Wikipedia日本語版には最終シーン、ラストカットのセリフまで書かれており(2017年12月20日現在)、読んでしまうと9割がた感動が目減りするので、こちらも十分に注意されたい。  プロットは、今までのSWシリーズのなかでは飛び抜けてシンプルだ。惑星ごと破壊できる兵器を備えた帝国軍の宇宙要塞「デス・スター」の弱点が記されている設計図を奪うべく、反乱軍の即席チーム「ローグ・ワン」が帝国軍のお膝元惑星に出撃する話。以上だ。  多少付け加えるなら、設計図情報をリークしたのは良心の呵責に耐えかねた帝国軍の科学者ゲイレン・アーソ。その彼の娘であるジン・アーソが、ローグ・ワンを率いる本作の主人公だ。なお「ローグ(rogue)」とは「ごろつき、悪党」の意。彼らが反乱軍の反対を振り切って出撃する際、管制塔からの通信に対して適当に名乗ったコールサインが「ローグ・ワン」である。  SWファンが冒頭のように笑いながら毒づくのは、基本的に作品愛あってのこと。でなければ、会社を早退してまで金曜日(12月16日)の公開初日に劇場へ行き、終電ギリギリまで飲み屋で感想戦にヒートアップしたりはしない。  実際、オタク気質なオジサンたちにとって、本作は酒の肴要素がテンコ盛りだ。前身黒づくめの帝国軍機動歩兵「デス・トルーパー」は、押井守監督の『ケルベロス-地獄の番犬』のプロテクトギアを彷彿とさせる。『エピソード5』ほかで登場する四足歩行兵器「AT-AT」の前身メカ「AT-ACT」とのコンバット戦は、PS4あたりのオープンワールド系FPSっぽい。主人公たちのお供をするドロイド・K-2SOも、コメディリリーフとして先代C-3POの影を踏まないようけなげに頑張っている。いやはや、酒が進む、進む。  なかでも最高に笑える……もとい、カッコイイのが、座頭市とランボーのスペックをあわせ持つ盲目のバトル僧侶、チアルート・イムウェだ。演じるのは、世界最高峰の美しい殺陣を披露する香港映画界の至宝、ドニー・イェン。さすがに殺陣の完成度は文句なしだが、念仏のように「フォースは我と共に 我はフォースと共に」を唱えるとアーラ不思議、敵の弾が当たらないって……なんだそりゃ。突っ込みがてら、ハイボールもう1杯!
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 無論、SWシリーズならではの小ネタ詰め合わせもぬかりない。『エピソード4』に登場したモス・アイズリーの酒場で右腕を斬り落とされた奴(ポンダ・バーバ)が登場しているとか、おなじみのセリフ「嫌な予感がする」を全部言わせてもらえないK-2SOとか、帝国軍のターキン総督(演じた俳優は故人)が復活しているとか、「デス・スター」の設計図の3Dワイヤーフレームがちゃんと『エピソード4』どおりのチープな代物である、とか。  しかし小ネタは小ネタ。物語の本筋には関係ない。ぶっちゃけ、いまいちパンチに欠ける展開だなあ……と思いながら終盤を迎えると、そのモヤモヤは一気に晴れる。誤解を恐れず言うなら、この映画は「『エピソード4』に直結するラスト10数分のカタルシスのために、その前の約2時間を耐え忍ぶ」作品なのだ。  そう、我々はラスト10数分でダース・ベイダー無双に心踊らされ、“例のアノ人”の登場に驚愕する。ふたりともSW前期三部作世界を代表する顔だ。  「10数分のために2時間」。まるでエベレスト登山である。  エベレスト登山は、たった数人をたった数分間だけ山頂に滞在させるために、何十人ものサポートと数百万円という費用、約2カ月という準備時間を要する。多くの人の手を借りてベースキャンプまで食料や道具を荷上げし、天候を見ながら出発日を虎視眈々とうかがい、いざ出発となれば現地のシェルパ(登山ガイド)にルートを確保してもらい、山頂まで1日で往復できる高度までなんとか到達したらテントを設営し、そこからやっと頂上にアタックするのだ。  エベレストの登頂成功者はヒーローとして栄光を手にするが、その裏には現地で雇われた多くの熟練シェルパたちの存在がある。当地の気候に精通した彼らが天気を読み、最適なルートを工作・指南し、ガイドとして同行する。そのアシストがなければ、いかに著名登山家といえど山頂に到達するのは難しい。  『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、ダース・ベイダーと“例のアノ人”が最後にすべてオイシイところを持っていく。後世に名を残す登山家として、頂を制したのだ。  いっぽう、名前も残らない多数のシェルパ、いわば無名の戦士にあたるのが、ローグ・ワンの6人(ドロイドのK-2SO含む)である。実際、ラスト10数分のインパクトは、その前2時間を完全に上書きしてしまう。エンドロール後、ローグ・ワンのメンバー全員の名前を間違えずに言える観客が、一体どれほどいるだろうか?
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 そんな「名もなき縁の下の力持ち」を記憶にとどめ、語り部として後世に伝える任務を背負っているのが誰かといえば、会社を早退してまで金曜日の初日に劇場へ行き、終電ギリギリまで飲み屋で感想戦をヒートアップさせる輩どもであろう。ローグ・ワンの面々は、多方面からディスって話題にでもしなければ忘れ去られてしまう。さながら無名のシェルパたちのように。酒を飲みながら「(笑)」つきで本作をディスるのは、むしろファンの礼儀、屈折したリスペクトの証しなのだ。  そして我々は、今日も喜々として『ローグ・ワン』をディスる。「今どき設計図が物理メディア(っぽい何か)に収められて、倉庫(っぽい何か)に収納ってないよなー」などと。もちろん、最後に「(笑)」を忘れずに。 (文・稲田豊史)