カープファンは暴れないし、ヤクザも抗争してない広島 高上優里子『キャラ屋さんの遅い青春』

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『キャラ屋さんの遅い青春(1)』(KADOKAWA)
 高上優里子『キャラ屋さんの遅い青春』(KADOKAWA)。まず書店で手に取った理由は、表紙に描かれたヒロインの美しさ。そして、オビのキャッチである。 きみに遅い初恋をする──。 制服時代のドキドキ、それは忘れていた青春の追体験……。  これ、作品の紹介というより青春が暗かった編集者の心の叫びに見えてしまうのだけど、いかがだろうか。  でも、この作品。そんな叫びと悶絶を生み出すのも当然の、激烈に爽やかな、遅れてきた青春が描かれるのだ。  作品として尖っているポイントの第一は、物語を作者である高上氏の故郷でもある広島に設定していること。ここに描かれる広島は、普段、広島人以外がイメージする広島とは、まったく異なる爽やかな広島である。  日本の戦争責任を叫ぶ人々は出てこないし、ヤクザは抗争していないし、カープが負けて暴れる群衆もいない。ああ、よくよく読むと、具体的な地名は横川程度で、流川(注:広島の歓楽街)なんて絶対に出てこない。極めつけは、みんな標準語である。まあ、今どき日本のどこにいっても、絵に描いたような方言を話す人なんていないわけで、当然といえば当然か。  そう、本編の前提として讃えたいのは、出身者によって、こうして今までになかった新たな広島像が描かれていることにある。なんというか、同じ広島県でも、広島市=危険、尾道市=青春みたいな要素があったわけだけど、尾道市的な青春要素を、すべて広島に置き換えているのが、この作品なのである。  そんな、見たこともない広島で、作品の舞台となるのは、ゆるキャラのプロモーションをしている会社。そこで、ずっとキャラクターデザイナーをしてきた伽羅谷は30代の男。そんな男の職場に、会社創立50周年のゆるキャラをデザインした15歳の女学生・清瀬歩がやってきた。  この2人が、ものづくりを一緒にしながら距離を縮めていくのが、この物語。いやいや、いろいろとツッコミどころは満載である。いくらなんでも30代と15歳とか、通報したほうが、ええじゃろう……。でも、ページをめくるごとに、このファンタジーの世界に俺も入り込みたいと願ってしまう。そんな繊細な描き方がされているのである。  何せ、キャラデザに人生を注いできた男と、物心ついたときからキャラを愛し続けてきた少女。年齢差はあっても、シンクロしないほうがオカシイだろう。もう年齢という壁など、2人の間ではどうでもいいのだ。現状なら年齢差は事案発生だけど、10年経ったら、単なる年の差カップルに過ぎないだろう。  とにかく性的に目覚めてがいないがゆえに、無防備な少女の魅力が全開なので悶絶する読者も多いのではなかろうか。  今後の2人の距離感の変化が気になる作品である。 (文=是枝了以)

ドラマ「FF光のお父さん」で大杉漣が「ファイナルファンタズィー……」を再現! 30周年発表会なのにVII情報がなぜかてんこ盛り!?

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『ファイナルファンタジー』30周年記念ポータルサイトより。
 1987年に『ファイナルファンタジー』が発売、今年で30周年を迎える『ファイナルファンタジー』シリーズ。その今後の展開を発表するアニバーサリーイベント『ファイナルファンタジー生誕30周年 Opening Celemony』が先月31日、開催された(記事参照 http://otapol.jp/2017/02/post-9556_entry.html)。  残念ながらシリーズの生みの親である坂口博信はインフルエンザのためダウンしてしまったため来場はなかったものの、会場には作曲家の植松伸夫やイラストレーターの天野喜孝に加え、スクウェア・エニックスの関係者が多数訪れ、シリーズ各作品の制作秘話や裏話を連発し、来場者を喜ばせたとか。 「アプリゲーム『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』のコーナーでは、突如翌2月1日から配信開始と発表があったんです。藤原仁プロデューサーが『去年から2月1日と決めていましたが、いきなりの発表になりました』と発言すると、田畑端ディレクターは『俺はそんな状態から2カ月延びた』と、苦笑まじりに実感のこもりまくったコメントをし、場内は爆笑でしたね」(イベントに参加した30代男性)  さらに、ファイナルファンタジーとドラゴンクエストがコラボしたPS4/PSVita向けボードゲーム『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』がキャラクターボイスに対応することも明かされ、その一部プレイ動画の初お披露目も。 「『XV』からはノクティス、『VI』からケフカが参戦するようなんですが、キャラの声がどう聞いても千葉繁さんなんですよ。三宅有エグゼクティブプロデューサーも『千葉さんですね』と、笑いながら明かしていました。さらにフローラにも声が当てられていました。記載はなかったんですけど、花澤香菜さんのように聴こえましたが……」(前出の30代男性)  また、先日、話題となった実写ドラマ『ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん』では、主人公・アキオを千葉雄大、60歳を越えてオンラインゲームにはまっていく父・博太郎を大杉漣が演じると話題となっていたが、こちらの映像も先出し上映されたのだとか。 「吉田直樹プロデューサーから『製作委員会の方に無理を言って』とワンシーンのみ、15秒だけの公開でした。大杉さんが千葉さんから『XIV』のソフトを渡され、『ファイナルファンタズィー……』と原作にもあるセリフを言う場面だったのですが、そのイントネーションに場内を爆笑でしたよ。セリフが使われる場面こそ原作と少々違う感じはしましたけど、原作のイメージそのままに再現している感じがしましたね。それと、実写ドラマ部分だけでなく、ゲームパートになるエオルゼアパートにも監督を立てて、演技指導が入るそうです」(前出の30代男性)  しかし、そんな発表会後半では、“ある単語”が何度も聞こえるものだったそうで……。 「なぜか良く『ファイナルファンタジーVII』の話を聞いた印象が強いです。『ファイナルファンタジーVII リメイク』の話題があるといえばあるのですが、たとえば、アプリゲーム『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』ではクラウド、ティファ、ユフィの参戦、『メビウスファイナルファンタジー』でも『VII』とのコラボイベント、『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』も2月6日からクラウドが参戦、『さっぽろ雪まつり』の雪像もVIIのものだったりして……。『VII』がいまだに人気があると、改めて思い知った気分です」(30代男性)  来年2018年には30周年を記念した展覧会も開催を予定するなど、アニバーサリーイヤーの1年は何かと盛り上がりを見せそうな『ファイナルファンタジー』。今後、どんなコラボや施策が飛び出してくるのか、ファンのみならず楽しみなところだろう。

『プリキュア』最新映画オールスターズじゃないワケは“成長の喜び共有”!? アフレコ現場は藤田咲が大活躍?

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東映アニメーション公式Twitter(@toeianime_info)より
 いよいよ2017年も2月に突入し、冬アニメも一段落つく時期となってきたが、『プリキュア』シリーズは、この2月から新作『キラキラ☆プリキュアアラモード』がいよいよスタートとなる。2月1日、その『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)と、恒例の春休み映画『映画プリキュアドリームスターズ!』(3月18日公開)の合同記者会見が行われ、新プリキュアに抜擢された5人が緊張の面持ちで登壇した。 「会見は、キャストたちは自分が演じるプリキュア(のマスコット)と手をつないで登場するところからという、プリキュアらしさが出る演出が印象的でした。キャストはそれぞれプリキュアへの憧れなど熱を込めて語っていましたし、発言しているキャストを壇上の残り4人が熱心に聞いている姿もいい雰囲気でした。ただ、カメラを構えているプレスからすると、横を向いているようになってしまいますから、関係者からハンドサインで、なるべく正面を向くように指示が入ったりしていましたね(笑)」(アニメ関係者)  どうやら、キャストは会見用にコメントは用意していたようだが、随所に初々しさが見え隠れしていたとか。 「すでに4話までアフレコが行われているそうです。ただ1話では出番がないキャストもいたようですが、それでもアフレコには5人全員が集合したとコメントしていました。とくに琴爪ゆかり/キュアマカロン役の藤田咲は『心配になって行きます! と、言って』と、使命感も感じていた様子でした。何でも声優経験が浅い主人公の宇佐美いちか/キュアホイップ役の美山加恋にマイクに入るタイミングなどを教えていたりと、5人の中ではキャリアが長い藤田が、現場でリーダーシップを発揮しているのが、舞台からも伝わってくるようでした」(前出のアニメ関係者)  一方、『映画プリキュアドリームスターズ!』の会見では、女優の木村佳乃や南海キャンディーズ・山里亮太が参加することになり注目が集まっていたというのだが……。 「現場には比率的には芸能マスコミが多く、木村登場まで熱心にメモをとっている記者も少なかったです。そんな中、鷲尾天プロデューサーは劇場版のテーマを、『話せる』『盛り上がれる』『覚えられる』の3つと明かしていました。 『話せる』は文字通り映画館でプリキュアと対話できるらしくて、いままでにない試みに挑戦するそうです。『盛り上がれる』は桜が咲く季節的なこととスイーツを楽しんでほしいというもの。 そして『覚えられる』という話になった際には、鷲尾プロデューサーはプリキュアが14年続き、プリキュアだけでも50人を超えた前置きをしつつ、3世代で映画を観たという想定で、『お爺ちゃんおばあちゃんが子どもに誰が好きだったと聞いたら、子どもは全員といって全部名前を挙げようとするんです。それで12人だったら全部言える。その全部言えたときの子どもの嬉しさ、喜び、お爺ちゃんおばあちゃんが成長の喜びを共有することが目的の1つ』と。スケールの大きなことを考えているのだなと感じました」(前出のアニメ関係者)  これまでの劇場版のように、懐かしいプリキュアたちを見ることができないのは寂しい限りだが、物理的に厳しいレベルになっていたのも事実。50人はよい区切りだったかもしれない。新体制となった劇場版、そして『キラキラ☆プリキュアアラモード』の新たなプリキュアたちがどんな活躍を見せていくことになるのか、今後が楽しみなところだ。

ついにドラマ版でも“手コキ”シーン! 実写ドラマ『クズの本懐』にテニミュファンが思ったこと

 フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送中のアニメ『クズの本懐』。高校生のベロチューにセックス寸前のエロシーン、そして百合と、攻めた内容が話題を呼んでいますが、同局でアニメと同時進行で放送中の実写ドラマ版も「よく実写化したな」と話題です。
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ドラマ『クズの本懐』公式サイトより。
 放送が深夜枠(毎週水曜・25時55分~)なので、実写版もなかなか過激。複雑な関係にある安楽岡花火と粟屋麦はドラマでも何度もくちびるを重ねるし、濡れ場だって健在。花火がブラの上から胸を揉まれたり、麦と上裸で抱き合ったりと、かなり攻めています。  花火を演じているのは女優の吉本実憂。アイドルグループ「X21」のリーダーで、しかも恋愛禁止のルールで知られるオスカープロモーション所属ということで、ファンはどんな心境で見ているんだろうなぁと思う次第ですが、今回はそのお相手役・麦を演じる俳優の桜田通に注目してみたいと思います。なんたって、1日放送の第3話はアニメでも話題騒然の“手コキ”回だったのですから……!  近年は映画『orange-オレンジ-』や、現在放送中のドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系)などの出演で注目を集める桜田くんですが、およそ10年前はミュージカル『テニスの王子様』で主演の越前リョーマを演じていました。当時は14~15歳でした。テニミュ卒業後もさまざまな舞台や映画、ドラマに出演する桜田くんですが、テニミュファンな筆者は“リョーマだった桜田くん”が今も印象に残っています。  そんな中で見るドラマ『クズの本懐』です。現在25歳とすっかり大人になった桜田くんは、作中でクールな麦を演じているのですが、前述の通り吉本さん演じる花火とキスしたり、胸を揉んだりするんです。彼は今を頑張っているのですから、過去のことを引きずるのはあんまり良くないなぁと思ってはいるんですが、やっぱり“リョーマだった桜田くん”が頭の片隅にあるんですよね。「あんなにあどけなかったのに、こんなことを……!」って、どの親目線で思ってしまうワケです。しかも、彼にとって本作が濡れ場初挑戦ということで、なおさら。  問題の第3話は、池上紗理依演じる“えっちゃん”こと絵鳩早苗と花火の百合シーンからスタート。ベッドの上でくちびるを重ねる美女2人にドギマギします。そして中盤に、いよいよ問題の手コキシーンです。アニメでは中学時代の初体験の夢を見て、麦のアレがおっ立ってしまうのですが、ドラマでJCのエロシーンは無理だったのか、夢の内容が憧れの茜先生(谷間付き)に差し替わっていました。
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ドラマ『クズの本懐』公式サイトより。
 そしてようやく手コキシーンです。アニメと同じく不用心にベッドの中に入ってきた花火に対し麦は驚くのですが、麦のアレの状態を知った花火に「触ってみる?」って言うんです。吉本さんはたぶん桜田くんのアレには触っていないんだろうけど、桜田くんは吐息で“そういう”演技をするんですよね。ひゃ~~!  アニメと比べると、(倫理的な問題もあるのか)セリフなどが短縮されていて、エロさはアニメのほうが勝っていたかなと感じた手コキシーンですが、生身の人間が演じているだけあってリアル感がすごい。全体を通して、アニメにはない生々しさがドラマの見どころなのかなと感じた次第です。  話は麦を演じる桜田くんに戻しますが、彼の濡れ場を見ていると、筆者の頭にはなぜかある曲が思い浮かびます。「ミュージカル『テニスの王子様』Absolute King 立海 feat. 六角 ~First Service」より、「NEXT」です。 「最後までわからないのが勝負 誰にも予測できないのが結末 今日勝っても 明日勝てないかもしれない そう勝負に絶対はない」 「NEXT いつも NEXT 大切なのは次の試合で勝利すること NEXT そうさ NEXT 肝心なのはこれからどうするか? 見極めろ!」  この曲を歌っていた当時、リョーマ役にしては高身長になってしまったため、足を大きく開いて身長を低く見せようとしていた(と言われる)桜田くん。それから10年、彼の濡れ場を見ることになるなんて、どのテニミュファンが想像していたでしょうか……。 (文/西れおな)

日本国家ならではの「現実的」かつ「妥当」な判決──CG児童ポルノ裁判・控訴審判決を読み解く

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イメージ画像:「裁判所」公式HPより。
 1月24日、CG児童ポルノ裁判の控訴審判決が下され、東京高裁の朝山芳史裁判長は、執行猶予付き懲役刑を下した一審判決を破棄し、罰金30万円とする判決を言い渡した。  これまで、本サイトでも長らく報じて来たこの事件。2013年7月に、CGで描かれた少女のヌードをめぐり、岐阜県在住のデザイナー・高橋証さんが児童ポルノ法違反容疑で逮捕されたものだ。「過去に販売されていた少女ヌードの写真集をスキャンし、加工して販売した」とする捜査当局に対して、高橋さんは写真集は参考に使った程度で、実際には想像をめぐらせて描いたものであるとして無罪を主張してた。  しかし、2016年3月、東京地裁では検察が児童ポルノにあたるとしたCG34点のうち、31点は無罪。残り3点は児童ポルノにあたるとして、懲役1年・罰金30万円・執行猶予3年を下していた。  高裁判決では、罰金30万円に減刑した理由として、児童ポルノとされるCGが3点だけ。かつ1982年から84年頃に「児童ポルノとして製造」されたもので、児童の具体的な権利侵害は想定されず、悪質性はないため刑は重すぎると判断している。また、高橋さんが販売したCG集『聖少女伝説』『聖少女伝説2』のうち、前者については、児童ポルノが含まれないために完全に無罪であるとした。  また、妥当性が論点となった、第二次性徴期の身体の発達度合いで年齢を識別する「タナー法」については、問題点を指摘しながらも妥当と判断。  そうした上で、CGで描いた少女はポーズも異なり実在していないという主張に対しては、まったく同一の姿態、ポーズでなくても被写体をもとに描いた場合には、その児童の権利侵害が生ずるため、処罰の対象となるとしている。  この裁判の論点となったのは、第一に絵で描いた少女ヌードが児童ポルノにあたるか否かという点である。検察も主張したように、確かに過去、少女ヌード写真集の被写体になった少女には似ている。販売時に高橋さんも、売り文句として似ていることを強調したことからも、否定はできない。  だが、長期間の裁判を通じて見えてきたのは、このCGを児童ポルノであるとして罪に問うことの妥当性だ。有罪となったものも含めて、高橋さんの作成したCG集で性的に興奮できるのは、相当のマニアであり変態である。わざわざ罪に問うようなものとは思えない。こんなものに捜査を行う警察当局も、判決文を書く裁判所も、相当暇なのではなかろうか。  地裁・高裁と多くの言葉が費やされているが、判決の大前提にあるのは国家の体裁を守ることにある。たとえ、一部のマニアや変態しか興奮しないものであっても、お上にとってけしからんものについては、相応の罰を与える。法律上は、まったく別の概念であるはずの「ワイセツ」と通底する意識が、そこには働いている。  地裁判決で、裁判官が最後に「今後は、気をつけてください」と高橋さんに述べた。この一言に、そうした思想が顔を覗かせているのだ。  一応、裁判はいまだ上告審を残している。けれども「まだ、最高裁があるんだ」と映画『真昼の暗黒』のごとき言葉は吐けない。もはや、国家の体面のために結果は見えているからである。  末尾にこれまでの記事のまとめを記すが、この事件の裁判の取材は2013年12月の東京地裁での初公判以来、長期間に及んだ。  この間、2014年7月には改定・児童ポルノ法が施行されるなど言論/表現の自由をめぐるトピックは絶えることがなかった。  にもかかわらず、この裁判に対する世間の関心は徐々に薄れていった。同時期に始まった、「アート」のワイセツ性をめぐって争われている「ろくでなし子」裁判で、逮捕起訴された、ろくでなし子氏が、無名の芸術家から言論/表現の自由をめぐる問題で史上もっとも注目を浴びた人になったのとは、好対照である。  巷の創作に励む人々も、いつなんどき国家権力からの弾圧を受けるかはわからない。この二つの裁判は、いざ、逮捕された時に自分は、どっちに振るか教えてくれているものだと思う。  こうした裁判を通して、児童ポルノからワイセツまで、国家は不明瞭な理由のままに「けしからん」と思うものに弾圧を加えてくる。  それによって国民国家の社会秩序を維持せんとしているものであることを、改めて明らかにしている。  けれども、裁判の判決内容云々に対する批判はあれども、国民国家が継続する限り、こうした判決が繰り返されることに気づいている人は少ないように思える。  この裁判の数年間の間に、マンガ・アニメを愛好する人々の政治に対する意識は高まった。けれども、その政治意識は、政治家にお願いをすることだけに集約してしまっている。政権与党に属する議員の、マンガ・アニメを愛好するしているといった発言に歓喜し、そうした人々とのつながりによって、自分たちの幸せな世界が継続すると信じて止まない。  行政機関やら何やらが行うイベントだとか表彰だとかにも、自分たちの「文化」が崇高な芸術として認められたかのような意識を抱いて、一喜一憂しているのだ。  そうした人々は、自分たちこそが、不条理な判決を下す国民国家のシステムを補強していることには気づかない。みんな、支援者になったり、フィクサーになったり、なんかの御用の看板をもらおうと大忙しだ。  隆盛しているマンガ・アニメは、決して至高の芸術なんかではない。単なる読み捨てられるポンチ絵である。その矜恃が急速に失われていると改めて思った。  ともあれ、上告審の判決を残して、ほぼすべてが終わったCG児童ポルノ裁判。今後気になるのは、また新たな創作を志向している高橋さんの作品が、どういうものになるかの一点である。 (取材・文=昼間たかし http://t-hiruma.jp/) 【詳報あり】pixivやメロンブックスへ飛び火する恐れも…CG児童ポルノ裁判の初公判「私は無実です」 http://otapol.jp/2013/12/post-321.html 【詳報付き】写実的な少女イラストは児童ポルノか? CG児童ポルノ裁判・第二回公判で問われた定義 http://otapol.jp/2014/02/post-563.html 【速報】CG児童ポルノ裁判第三回公判が開廷! メロンブックス社長の証人出廷も濃厚に http://otapol.jp/2014/05/post-935.html CG児童ポルノ裁判・第四回公判 弁護側の冒頭陳述書全文を公開 http://otapol.jp/2014/06/post-1044.html 次回は非公開で公判前整理に…セオリー外れも続出するCG児童ポルノ裁判・第四回公判【詳報】 http://otapol.jp/2014/06/post-1049.html 証拠開示を拒否する検察官…CG児童ポルノ裁判は予想外の長期化へ http://otapol.jp/2014/07/post-1252.html 公判再開は来年以降に持ち越しか…さらに長期化する様相を見せるCG児童ポルノ裁判 http://otapol.jp/2014/11/post-1918.html 【詳報】1年2カ月ぶり! CG児童ポルノ裁判第五回公判・警視庁捜査官が証人出廷「PSDファイルのレイヤーに…」 http://otapol.jp/2015/10/post-4201.html 【詳報】警察の創作? 疑われる元社員の証言および供述調書の信憑性―CG児童ポルノ裁判第7回公判 http://otapol.jp/2015/10/post-4243.html 延々と続く検察側からの質問……でも立証できるのか? CG児童ポルノ裁判第八・九回公判 http://otapol.jp/2015/11/post-4495.html 裁判官も「終わんないなァ」とボヤき始めた……CG児童ポルノ裁判第10回公判 http://otapol.jp/2015/11/post-4630.html 求刑は懲役2年、罰金100万円──CG児童ポルノ裁判が結審、来年3月判決へ http://otapol.jp/2015/12/post-5180.html CG児童ポルノ裁判。 論告/弁論要旨全文公開 http://otapol.jp/2016/01/post-5254.html 【速報】CG児童ポルノ裁判で有罪判決!! http://otapol.jp/2016/03/post-6016.html 【速報2】CG児童ポルノ裁判に懲役1年・罰金30万円判決! 児童ポルノ認定はCG34枚中3枚だけ、一冊は丸ごと無罪 http://otapol.jp/2016/03/post-6025.html 【速報3】CG児童ポルノ裁判記者会見 堂々と不当判決を批判する被告に、今後の創作活動も聞いた http://otapol.jp/2016/03/post-6030.html 「最近は静物画を描いています」「最初は人体解剖図から」いよいよ始まったCG児童ポルノ裁判控訴審、たったの7分で結審 http://otapol.jp/2016/12/post-8911_entry.html

「パックマンの父」よ、永遠なれ──『ゲームセンターあらし』が描いた『パックマン』の伝説と衝撃

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『ゲームセンターあらし (4)』(小学館)
『パックマン』などでお馴染み、ナムコ(現バンダイナムコエンターテイメント)の創業者、中村雅哉氏が22日に亡くなった。 「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス認定もされている名作ゲーム『パックマン』。開発者は岩谷徹氏であるが、外国では創業者の中村氏が「パックマンの父」と呼ばれているため、少々紛らわしい。ある意味どちらも正しいのだ。  ボタンなし、シューティングなし。レバー1本のみで操作するというシンプルながら奥深い操作法や、今までにないユーモラスなキャラクターが受け、インベーダーブームの少し後、大ヒットした。  というわけで唐突だが、今回は漫画『ゲームセンターあらし』(すがやみつる著)に『パックマン』が登場した印象的な回を紹介したい。 『ゲームセンターあらし』は、少年誌「コロコロコミック」(小学館)で1980年前後に連載され、当時小学生を中心に爆発的ブームになったテレビゲーム漫画。いわゆるホビー系漫画の元祖で、これがなければ『プラモ狂四郎』も『ダッシュ!四駆郎』も『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』も、下手したら『遊戯王』だって『ポケットモンスター』だってなかったかもしれない。野球やボクシングではなく、テレビゲームというかつてない題材に命をかける主人公・石野あらしの登場は衝撃的だった。もちろん『ゲームセンターCX』のネーミングはここからだ。  ここでいう「テレビゲーム」とは、ほぼアーケードゲームのこと。ファミコンどころかゲーム&ウオッチも普及する以前、まだ、「家でテレビゲームができる」なんてことが夢だった時代に『あらし』は始まったのだ。 『スペースインベーダー』アーケード版発売/1978年6月 『あらし』読み切り「コロコロ」9号に掲載/1978年11月 『あらし』「コロコロ」連載開始/1979年8月 任天堂「ゲーム&ウオッチ」発売/1980年4月 アーケード版『パックマン』発売/1980年5月 任天堂「ファミリーコンピュータ」発売/1983年7月 『あらし』「コロコロ」連載終了/1983年10月 ■パックマン初登場。第4巻「テレビゲームスパイ大作戦」  この『ゲームセンターあらし』という漫画、小学生の主人公がテレビゲームで敵を倒していくストーリーが受けて人気が出たのだが、そもそも「ゲームセンター」が不良のたまり場と認識されていた時代に、児童がそこに遊びに訪れることが問題となってしまう。そのため連載の早いうちから、「縁日でのゲーム屋台」や、「大会場でのゲーム大会」など、「ゲームセンター」ではない「合法的に」小学生のあらしでも訪れ、ゲームができる場所での対決にシフトしていった。  今回も町の会館での新春ゲーム大会でプレイするあらし。『スペースインベーダー』や『ギャラクシーウォーズ』、『ギャラクシアン』、そして『平安京エイリアン』などはこれまでも何度も出てきていたが、ここで満を持しての『パックマン』初登場となった。  初めて登場するゲームの際は、やったことが少ないであろう小学生読者のためなのか、あらしがゲームの解説を叫びながらプレイしてくれる。 「パックマンは、せめよせるモンスターの攻撃をかわしながら画面のドット(点)を消していくゲーム!」 「あやうくなったらこの実を食べて、エネルギーアップだ!」(パワーエサのこと) 「パックマンよ、ワープで逃げろ~っ!」(必殺技・炎のコマ使用時)  など、今の「ゲーム実況」の走りかもしれない。  しかし、とある誤解から大会途中でマフィアに誘拐され、悪のアジト連れ去られるあらし。時限爆弾の仕掛けられた部屋にゲーム仲間と閉じ込められて、このまま死を迎えるかと思いきや、「わしも、もともとゲーム狂、お前たちに最後のチャンスをやろう」と、今では少年雑誌に使わないであろう単語を用いてまで、なぜかチャンスをくれるマフィアのボス。  監禁されている部屋の両壁に映し出された2台の『パックマン』で、合計50万点出せば扉が開くという。しかし途中でモンスターの数が増え、あらしの友人(月影一平太)がミスしてしまう。残り10秒!  ここであらしが繰り出したのは、コントロールレバーのついた2つの台の中間に立ち、一人で両手にレバーを掴み、回転しながら同時に2台を操作するというもの。 「くらえ、正義のテレビゲーム必殺技!! 両手大車輪だ~~~っ!!」  見事クリアで脱出成功。ちなみに、この年の前年がモスクワ五輪だった。 ■パックマンで恐竜を操縦! 第5巻「黄金のテレビゲーム」  アマゾン(通販じゃないほう)の黄金の遺跡から発掘された、大きなインベーダー型のテレビのような謎の物体。直感でテレビゲームだと感じたあらしが操作すると、画面の中に吸い込まれ、パラレルワールドにワープしてしまう。「月刊コロコロコミック」と並行して連載されていた「別冊コロコロコミック」では、この手のファンタジー系の長編が多かった。  プテラノドンの首に装着する「パックマン画面付きのコントローラー」を使い、自らプテラノドンの背中に乗り込み操縦、他の大型恐竜から逃げ回る。  途中、Pのマークの木の実を食べると、追いかけてきていたティラノザウルスなどが急に弱くなり、素手で倒せるようになるという、野生の『パックマン』ルール。  2015年にバドライトのCMで、巨大なパックマンの迷路に等身大のまま人が入り込み、バーチャルなパックマンワールドを楽しむという映像があったが、あれのジュラシック版だ。
 ゲームがシンプルで完成度が高かった分、パロディーにしやすかったのだろう。 ■地獄で鬼と対決 第6巻「天国を救え!」  ゲーム大会中に突然、死亡したあらし。霊魂を迎えに来た天使によると、神様が地獄のエンマ大王にテレビゲームに負けて天国を取られそうだから、あらしにゲームでエンマに勝ち、天国を取り返してほしいとのこと。  三途の川で、おばけうなぎをギャラクシアン(これもナムコ)で倒した後、巨大な地獄の門を通るため、その門に設置された特大画面のパックマンで、門番の大鬼と対決する。あらし側の画面のモンスターは鬼の顔、鬼側のモンスターはあらしの顔だ。  うちでの小づちで大きくなったあらしに対し、鬼は金棒をぶん回し、叩きつけてレバーを操作する、その名も「秘技 鬼に金棒~っ!」で攻撃。しかし、納豆を投げつけ鬼が弱った隙に(節分の理論)、あらしは必殺技「真空ハリケーン撃ち」でパワーエサを一気に四つ食べ鬼を撃破。  その際、あらしのパックマンは、口からあらしのシンボルである出っ歯が生てくるという無双ぶりだった。 ■おっぱいでレバーを操作! 第6巻「あらし最大の弱点は!?」  あらしが打ち出した街中のゲーム機の最高得点が、謎の人物にことごとく破られた。  その名も「文部省推薦のゲーム戦士 インベーダーウーマン」。インベーダーマークの覆面に、モンペに長靴、そしてやけに豊満な胸と豊満なボディ。ゲームばかりして勉強しない悪い子を懲らしめるらしい。電脳ナマハゲといったところか。  児童公園での金網デスマッチで、『パックマン』で対決をすることになるが、狭い金網の中で必殺技が繰り出せず苦戦するあらし。  しかも、よく見るとインベーダーウーマンはまったく手を使っていない。巨大なおっぱいを生き物のように揺さぶり、レバーに叩きつけて操作する必殺技「ノーブラボイン撃ち」だ。  まるで寄生獣のそれのように変幻自在にボインを操るインベーダーウーマン。  さらに乳房を交差させて撃つ「ノーブラボイン撃ちクロスアタック!」で、あらしを苦しめる。  しかしあらしは、金網を出っ歯で切り裂き、必殺技を繰り出す。  なんとか辛勝したあらしだったが、その正体が息子のためを思い行動した実の母親だったと気付き、ひとり涙を流すのだった。というまさかの、いい話。  * * * 「パックマンの父」こと中村氏が「ノーブラボイン撃ちパックマン」を見たら、どう思ったのか。現実だけでなく漫画の中でも我々を楽しませてくれた『パックマン』。中村氏のご冥福をお祈りしたい。 (文=西瓜一)

「パックマンの父」よ、永遠なれ──『ゲームセンターあらし』が描いた『パックマン』の伝説と衝撃

「パックマンの父」よ、永遠なれ──『ゲームセンターあらし』が描いた『パックマン』の伝説と衝撃の画像1
『ゲームセンターあらし (4)』(小学館)
『パックマン』などでお馴染み、ナムコ(現バンダイナムコエンターテイメント)の創業者、中村雅哉氏が22日に亡くなった。 「最も成功した業務用ゲーム機」としてギネス認定もされている名作ゲーム『パックマン』。開発者は岩谷徹氏であるが、外国では創業者の中村氏が「パックマンの父」と呼ばれているため、少々紛らわしい。ある意味どちらも正しいのだ。  ボタンなし、シューティングなし。レバー1本のみで操作するというシンプルながら奥深い操作法や、今までにないユーモラスなキャラクターが受け、インベーダーブームの少し後、大ヒットした。  というわけで唐突だが、今回は漫画『ゲームセンターあらし』(すがやみつる著)に『パックマン』が登場した印象的な回を紹介したい。 『ゲームセンターあらし』は、少年誌「コロコロコミック」(小学館)で1980年前後に連載され、当時小学生を中心に爆発的ブームになったテレビゲーム漫画。いわゆるホビー系漫画の元祖で、これがなければ『プラモ狂四郎』も『ダッシュ!四駆郎』も『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』も、下手したら『遊戯王』だって『ポケットモンスター』だってなかったかもしれない。野球やボクシングではなく、テレビゲームというかつてない題材に命をかける主人公・石野あらしの登場は衝撃的だった。もちろん『ゲームセンターCX』のネーミングはここからだ。  ここでいう「テレビゲーム」とは、ほぼアーケードゲームのこと。ファミコンどころかゲーム&ウオッチも普及する以前、まだ、「家でテレビゲームができる」なんてことが夢だった時代に『あらし』は始まったのだ。 『スペースインベーダー』アーケード版発売/1978年6月 『あらし』読み切り「コロコロ」9号に掲載/1978年11月 『あらし』「コロコロ」連載開始/1979年8月 任天堂「ゲーム&ウオッチ」発売/1980年4月 アーケード版『パックマン』発売/1980年5月 任天堂「ファミリーコンピュータ」発売/1983年7月 『あらし』「コロコロ」連載終了/1983年10月 ■パックマン初登場。第4巻「テレビゲームスパイ大作戦」  この『ゲームセンターあらし』という漫画、小学生の主人公がテレビゲームで敵を倒していくストーリーが受けて人気が出たのだが、そもそも「ゲームセンター」が不良のたまり場と認識されていた時代に、児童がそこに遊びに訪れることが問題となってしまう。そのため連載の早いうちから、「縁日でのゲーム屋台」や、「大会場でのゲーム大会」など、「ゲームセンター」ではない「合法的に」小学生のあらしでも訪れ、ゲームができる場所での対決にシフトしていった。  今回も町の会館での新春ゲーム大会でプレイするあらし。『スペースインベーダー』や『ギャラクシーウォーズ』、『ギャラクシアン』、そして『平安京エイリアン』などはこれまでも何度も出てきていたが、ここで満を持しての『パックマン』初登場となった。  初めて登場するゲームの際は、やったことが少ないであろう小学生読者のためなのか、あらしがゲームの解説を叫びながらプレイしてくれる。 「パックマンは、せめよせるモンスターの攻撃をかわしながら画面のドット(点)を消していくゲーム!」 「あやうくなったらこの実を食べて、エネルギーアップだ!」(パワーエサのこと) 「パックマンよ、ワープで逃げろ~っ!」(必殺技・炎のコマ使用時)  など、今の「ゲーム実況」の走りかもしれない。  しかし、とある誤解から大会途中でマフィアに誘拐され、悪のアジト連れ去られるあらし。時限爆弾の仕掛けられた部屋にゲーム仲間と閉じ込められて、このまま死を迎えるかと思いきや、「わしも、もともとゲーム狂、お前たちに最後のチャンスをやろう」と、今では少年雑誌に使わないであろう単語を用いてまで、なぜかチャンスをくれるマフィアのボス。  監禁されている部屋の両壁に映し出された2台の『パックマン』で、合計50万点出せば扉が開くという。しかし途中でモンスターの数が増え、あらしの友人(月影一平太)がミスしてしまう。残り10秒!  ここであらしが繰り出したのは、コントロールレバーのついた2つの台の中間に立ち、一人で両手にレバーを掴み、回転しながら同時に2台を操作するというもの。 「くらえ、正義のテレビゲーム必殺技!! 両手大車輪だ~~~っ!!」  見事クリアで脱出成功。ちなみに、この年の前年がモスクワ五輪だった。 ■パックマンで恐竜を操縦! 第5巻「黄金のテレビゲーム」  アマゾン(通販じゃないほう)の黄金の遺跡から発掘された、大きなインベーダー型のテレビのような謎の物体。直感でテレビゲームだと感じたあらしが操作すると、画面の中に吸い込まれ、パラレルワールドにワープしてしまう。「月刊コロコロコミック」と並行して連載されていた「別冊コロコロコミック」では、この手のファンタジー系の長編が多かった。  プテラノドンの首に装着する「パックマン画面付きのコントローラー」を使い、自らプテラノドンの背中に乗り込み操縦、他の大型恐竜から逃げ回る。  途中、Pのマークの木の実を食べると、追いかけてきていたティラノザウルスなどが急に弱くなり、素手で倒せるようになるという、野生の『パックマン』ルール。  2015年にバドライトのCMで、巨大なパックマンの迷路に等身大のまま人が入り込み、バーチャルなパックマンワールドを楽しむという映像があったが、あれのジュラシック版だ。
 ゲームがシンプルで完成度が高かった分、パロディーにしやすかったのだろう。 ■地獄で鬼と対決 第6巻「天国を救え!」  ゲーム大会中に突然、死亡したあらし。霊魂を迎えに来た天使によると、神様が地獄のエンマ大王にテレビゲームに負けて天国を取られそうだから、あらしにゲームでエンマに勝ち、天国を取り返してほしいとのこと。  三途の川で、おばけうなぎをギャラクシアン(これもナムコ)で倒した後、巨大な地獄の門を通るため、その門に設置された特大画面のパックマンで、門番の大鬼と対決する。あらし側の画面のモンスターは鬼の顔、鬼側のモンスターはあらしの顔だ。  うちでの小づちで大きくなったあらしに対し、鬼は金棒をぶん回し、叩きつけてレバーを操作する、その名も「秘技 鬼に金棒~っ!」で攻撃。しかし、納豆を投げつけ鬼が弱った隙に(節分の理論)、あらしは必殺技「真空ハリケーン撃ち」でパワーエサを一気に四つ食べ鬼を撃破。  その際、あらしのパックマンは、口からあらしのシンボルである出っ歯が生てくるという無双ぶりだった。 ■おっぱいでレバーを操作! 第6巻「あらし最大の弱点は!?」  あらしが打ち出した街中のゲーム機の最高得点が、謎の人物にことごとく破られた。  その名も「文部省推薦のゲーム戦士 インベーダーウーマン」。インベーダーマークの覆面に、モンペに長靴、そしてやけに豊満な胸と豊満なボディ。ゲームばかりして勉強しない悪い子を懲らしめるらしい。電脳ナマハゲといったところか。  児童公園での金網デスマッチで、『パックマン』で対決をすることになるが、狭い金網の中で必殺技が繰り出せず苦戦するあらし。  しかも、よく見るとインベーダーウーマンはまったく手を使っていない。巨大なおっぱいを生き物のように揺さぶり、レバーに叩きつけて操作する必殺技「ノーブラボイン撃ち」だ。  まるで寄生獣のそれのように変幻自在にボインを操るインベーダーウーマン。  さらに乳房を交差させて撃つ「ノーブラボイン撃ちクロスアタック!」で、あらしを苦しめる。  しかしあらしは、金網を出っ歯で切り裂き、必殺技を繰り出す。  なんとか辛勝したあらしだったが、その正体が息子のためを思い行動した実の母親だったと気付き、ひとり涙を流すのだった。というまさかの、いい話。  * * * 「パックマンの父」こと中村氏が「ノーブラボイン撃ちパックマン」を見たら、どう思ったのか。現実だけでなく漫画の中でも我々を楽しませてくれた『パックマン』。中村氏のご冥福をお祈りしたい。 (文=西瓜一)

「やべぇぇぇえ! 初期の作画思い出して胸アツなんだが!」『DB超』の作画がまるで『ドラゴンボールZ』に戻ったと話題

「やべぇぇぇえ! 初期の作画思い出して胸アツなんだが!」『DB超』の作画がまるで『ドラゴンボールZ』に戻ったと話題の画像1
『ドラゴンボール超』公式サイトより。
『ドラゴンボール超』(以下、『DB超』/フジテレビ系)の1月29日放送回にて、次回2月5日放送回・第77話から突入する新章「宇宙サバイバル編」の予告が放送されたのだが、その作画に「やべえぇぇぇ! なんだかめっちゃ懐かしい感じになってるやんけ!」と大興奮の声が上がっている。  次回予告では、悟空が全王様に武道大会を開いてもらおうと訴える様子が、悟空のナレーションで説明されている。さらにその音声バックでは悟空が荒野のようなところで銃を持つ男と戦うシーンや、ブルマの2度目の妊娠&ベジータの慌てている様子、悟空とウイスが戦っている姿などが描かれているのだが、その作画の綺麗さに「ぐわぁぁぁ! 次回の作画すんばらしいじゃねーか!」「なんか久しぶりにグッと来た」と絶賛の声が相次いでいる。  そしてただ作画が良いわけではなく、どことなく『ドラゴンボールZ』に近いものを感じるといった声も。確かに超サイヤ人に変身する際の色の塗り方や、悟空が戦っている際の線の感じが初期のアニメを彷彿させると、ファンの間で「DBZの頃の作画思い出して胸アツなんだが」「あぁぁ! 作画が昔みたいになってて楽しみで仕方ない!」「いつものヌルテカじゃなくて、90年代の放映時みたいな感じが嬉しすぎるぅぅう!」と、話題になっているようだ。  実は作画の良さは「宇宙サバイバル編」の予告PVでも叫ばれていた。悟空と狼のような新キャラクターが激しく組み合うシーンや、ベジータがピンク色の太ったキャラクターと接戦を繰り広げる場面など迫力ある場面が次々と繰り広げられたのだが、これには「ウハーーー! これ今までで最高に作画いけてんじゃね?」「なんか今までと作画違う。金を使うことにしたのか!? かなり良い!」と、重々しく格好いい音楽の相まって、ファンは興奮状態となっていた。  2015年夏に放送がスタートし、序盤では何かと作画について散々批判が上がっていたことも記憶に新しい『DB超』。ベジータの親指の位置が間違っていたり、戦闘シーンでの動きのぎこちなさに「こいつはひでぇ……目も当てられん」「俺の好きなDBはこんなじゃなかったはずだ」と落胆の声が上がることも。しかしいつしか作画は回復し、「未来トランクス編」では不満の声もほぼ聞かれず、ギャグをちりばめた内容に毎回絶賛が相次ぐほど。  そこにきて期待を煽る今回の次回予告だ。『DB超』は一体どこまで我々を夢中にさせてくれるのか、「宇宙サバイバル編」で超人気アニメの底力を見せていただきたい。

PTAには絶対見つかってほしくない!? 「コロコロコミック」の次期看板候補マンガ『イタズラくん』

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『やりすぎ!!! イタズラくん』(作:吉野あすみ)
『おぼっちゃまくん』(作:小林よしのり)などに始まり、平成世代にとっては『学級王ヤマザキ』『コロッケ!』(ともに作:樫本学ヴ)、『ポケットモンスター』(作:穴久保幸作)、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(作:こしたてつひろ)、『うちゅう人 田中太郎』(作:ながとしやすなり)、『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(作:曽山一寿)など、キッズ向けながら結構過激だったり、シュールだったりで、強いインパクトを残してきた歴代の「コロコロコミック」ギャグマンガたち。そして今、また新たな看板候補の作品が頭角を現しつつある。  そのマンガが『別冊コロコロコミック』にて連載中の『やりすぎ!!! イタズラくん』(作:吉野あすみ)だ。2016年12月28日に単行本第1巻が発売されたばかりという新作。小学館の公式サイトでは「別冊コロコロに登場してすぐさま人気爆発!  次世代のコロコロを代表するギャグまんがです!」と記載されるなど、「コロコロコミック」の看板候補にしたい! という出版社の期待がうかがえる。  さて、『やりすぎ!!! イタズラくん』がどんなマンガかというと、小学生男子の「イタズラくん」がさまざまなアイデアで先生などにイタズラをしかけていくというもの。イタズラの内容はボーリングの球に見せかけたビーチボールを投げて驚かせたり、血を吐いたと思ったらトマトジュースだったり、という初歩的なものから、スマホの音声や豆電球などを組み合わせて“かめはめ波”っぽいものを再現したり、地面に跳び箱の踏み台を入れて相手を飛ばしたりといった手の込んだものがある。  イタズラに使った道具や方法が全て作中に記載されており、また身近な道具を使っているため、子どもならばきっと真似したくなるだろう。ギャグマンガとして読んでも楽しめるがイタズラのハウツー本としても十分に楽しめる。毎話違ったイタズラが数個仕掛けられるのは大人でも素直に関心してしまうかも。アイデアを出し続けるのがなかなか大変そうだ。  設定からして既に面白いので、確かに将来コロコロの看板を背負ってもおかしくなさそう。ただ心配なのが、基本は先生など身の回りの人に“やりすぎ”なイタズラをして怒らせるといった内容だということ。人気がどんどん出た時にPTAに見つかり苦情を言われるような予感も。そして小学館はよくこんな時代にこのマンガを「コロコロ」に載せる英断をしたなと感心すらしてしまう。
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YouTube「コロコロチャンネル」より
 またYouTubeの「コロコロチャンネル」には【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画も配信されており、お笑い芸人のあばれる君や、アイクぬわら、『おはスタ』(テレビ東京系)のおはガールにイタズラくんのようなドッキリをしかけている。シュークリームの中身がからし、ベイブレードを渡すとみせかけムカデのおもちゃを渡すといったドッキリは問題ないのだが、アイクぬわらに仕掛けたサランラップのいたずらが少し気になった。  これはマンガ本編でもよく登場するいたずらで、イタズラの標的が勢いよく走ってきた先に実はサランラップが貼られていて、顔がラップにひっかかり潰れて面白い顔になるというもの。これを現実でぬわらに仕掛けたところ、ラップの中央が破けて、端っこだけが残り、若干首を絞めるような形になっていたのだ。これを危険だと感じる人は多かったのか、【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画でこの回だけが高評価と低評価の数が拮抗している。(他の動画は高評価が断然多い)  まあ何はともあれ、いちいち真似されると危険だからなんて考えていたら、せっかくの面白いマンガが台無しになる。とりあえず問題になるまでは突っ走っていき、 (雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は小学館。文中、敬称略) (文・白子しろこ)

PTAには絶対見つかってほしくない!? 「コロコロコミック」の次期看板候補マンガ『イタズラくん』

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『やりすぎ!!! イタズラくん』(作:吉野あすみ)
『おぼっちゃまくん』(作:小林よしのり)などに始まり、平成世代にとっては『学級王ヤマザキ』『コロッケ!』(ともに作:樫本学ヴ)、『ポケットモンスター』(作:穴久保幸作)、『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(作:こしたてつひろ)、『うちゅう人 田中太郎』(作:ながとしやすなり)、『絶体絶命でんぢゃらすじーさん』(作:曽山一寿)など、キッズ向けながら結構過激だったり、シュールだったりで、強いインパクトを残してきた歴代の「コロコロコミック」ギャグマンガたち。そして今、また新たな看板候補の作品が頭角を現しつつある。  そのマンガが『別冊コロコロコミック』にて連載中の『やりすぎ!!! イタズラくん』(作:吉野あすみ)だ。2016年12月28日に単行本第1巻が発売されたばかりという新作。小学館の公式サイトでは「別冊コロコロに登場してすぐさま人気爆発!  次世代のコロコロを代表するギャグまんがです!」と記載されるなど、「コロコロコミック」の看板候補にしたい! という出版社の期待がうかがえる。  さて、『やりすぎ!!! イタズラくん』がどんなマンガかというと、小学生男子の「イタズラくん」がさまざまなアイデアで先生などにイタズラをしかけていくというもの。イタズラの内容はボーリングの球に見せかけたビーチボールを投げて驚かせたり、血を吐いたと思ったらトマトジュースだったり、という初歩的なものから、スマホの音声や豆電球などを組み合わせて“かめはめ波”っぽいものを再現したり、地面に跳び箱の踏み台を入れて相手を飛ばしたりといった手の込んだものがある。  イタズラに使った道具や方法が全て作中に記載されており、また身近な道具を使っているため、子どもならばきっと真似したくなるだろう。ギャグマンガとして読んでも楽しめるがイタズラのハウツー本としても十分に楽しめる。毎話違ったイタズラが数個仕掛けられるのは大人でも素直に関心してしまうかも。アイデアを出し続けるのがなかなか大変そうだ。  設定からして既に面白いので、確かに将来コロコロの看板を背負ってもおかしくなさそう。ただ心配なのが、基本は先生など身の回りの人に“やりすぎ”なイタズラをして怒らせるといった内容だということ。人気がどんどん出た時にPTAに見つかり苦情を言われるような予感も。そして小学館はよくこんな時代にこのマンガを「コロコロ」に載せる英断をしたなと感心すらしてしまう。
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YouTube「コロコロチャンネル」より
 またYouTubeの「コロコロチャンネル」には【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画も配信されており、お笑い芸人のあばれる君や、アイクぬわら、『おはスタ』(テレビ東京系)のおはガールにイタズラくんのようなドッキリをしかけている。シュークリームの中身がからし、ベイブレードを渡すとみせかけムカデのおもちゃを渡すといったドッキリは問題ないのだが、アイクぬわらに仕掛けたサランラップのいたずらが少し気になった。  これはマンガ本編でもよく登場するいたずらで、イタズラの標的が勢いよく走ってきた先に実はサランラップが貼られていて、顔がラップにひっかかり潰れて面白い顔になるというもの。これを現実でぬわらに仕掛けたところ、ラップの中央が破けて、端っこだけが残り、若干首を絞めるような形になっていたのだ。これを危険だと感じる人は多かったのか、【イタズラくん爆笑ドッキリ】シリーズの動画でこの回だけが高評価と低評価の数が拮抗している。(他の動画は高評価が断然多い)  まあ何はともあれ、いちいち真似されると危険だからなんて考えていたら、せっかくの面白いマンガが台無しになる。とりあえず問題になるまでは突っ走っていき、 (雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は小学館。文中、敬称略) (文・白子しろこ)