これは美少女マトリョーシカ映画だ! 酒井麻衣監督の商業デビュー作『はらはらなのか。』の配役が素晴しい件

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『はらはらなのか。』で商業デビューを飾る酒井麻衣監督。女の子のイノセントな魅力を引き出す天才!
 全力歯ぎしり、レッツゴー♪ 園子温監督の半自伝的映画『地獄でなぜ悪い』(13年)は当時17歳だった二階堂ふみが火傷しそうなほどにラブリーだったが、二階堂ふみ演じるミツコの少女時代に扮したのが、2003年生まれの原菜乃華だった。園子温作詞作曲のCMソングを天真爛漫に歌い踊り、ヤクザ役の堤真一にメンチを切る少女時代のミツコを見て、「この娘は大物になる!」と予感した人は少なくないだろう。原菜乃華はその後も『おはスタ』(テレビ東京系)のおはガールに選ばれるなど、美少女への階段を順調にステップアップ中。  そんな成長過程にある彼女の撮影時12歳の魅力がみっちり詰まった主演映画が、酒井麻衣監督の商業デビュー作『はらはらなのか。』だ。その道の巨匠・大林宣彦監督の名作『時をかける少女』(83年)や『さびしんぼう』(85年)を思わせる、現実世界とフィクションがせめぎあうドキュメンタリータッチのファンタジー映画となっている。  原案となっているのは原菜乃華主演の舞台『まっ透明なASOべんきょ~』。2015年に中野・ザ・ポケットで上演された劇団Z-lionの公演をベースに、初めて舞台に主演することになった少女のナイーブな心情をクローズアップした多重構造の作品へと酒井監督によってアレンジされている。ジュニアアイドルから本格的に芸能界に羽ばたこうとする原菜乃華のイノセントな輝きは今だけのもの。素顔の原菜乃華もかわいいが、作品の世界に足を踏み入れ、役にハマった瞬間の表情は何とも言えない愛らしさがある。フィクションの世界に同化する演者としての恍惚感を、どうやら彼女はすでに知っているようだ。  本作に主演した原菜乃華をサポートするキャストも気になる配役ぞろい。父親(川瀬陽太)とケンカして家を飛び出したナノカ(原菜乃華)を優しく見守る喫茶店の若い店長・リナには元SKE48の松井玲奈。SKE卒業後、初の映画出演となる松井玲奈だが、本作では前にグイグイと出る役ではなく、舞台デビューを控えて揺れ動くナノカの心情を理解する落ち着いたお姉さんキャラ。SKE時代も松井珠理奈という好対象な存在があったからこそ “ダブル松井”としてファンの印象に残った。松井玲奈には夜道を照らすお月さまのような穏やかな魅力がある。ナノカが通い始める中学校の生徒会長には、16歳の新進アーティスト・吉田凛音を起用。吉田が学校内で明るく歌い踊るミュージカルシーンも見せ場のひとつだ。それぞれのキャストに合わせて“当て書き”された脚本ゆえ、松井玲奈も吉田凛音も等身大にのびのびと振る舞っている。  キャストの自然な魅力を引き出した酒井麻衣監督も1991年生まれの注目の逸材。インディーズ映画の登竜門「MOOSIC LAB 2015」でグランプリ&最優秀女優賞&観客賞ほか6冠に選ばれた前作『いいにおいのする映画』(15年)はスクリーンからは伝わらないはずの“匂い”をモチーフにしたユニークなファンタジー映画だった。本作はナノカ主演の舞台をベースに、二重三重のマトリョーシカふうドラマに仕立ててある。ナノカの若くして亡くなった母親役を魔法アニメ『シュガシュガルーン』(テレビ東京系)などの人気声優としても活躍した松本まりかが演じており、松本まりか、松井玲奈、原菜乃華と世代の異なる女優たちが“演じることの面白さ”をバトンリレーしていくことになる。女優陣のそれぞれのキャリアと実年齢を活かした配役の妙が楽しい。  酒井麻衣監督の前作『いいにおいのする映画』は魔法使いなることを夢見る女子高生の物語だったが、京都造形芸術大学映画学科を卒業し、一度は就職も経験した酒井監督にとって、映画製作の現場こそが魔法の国だった。『はらはらなのか。』の製作発表会見で酒井監督は「『いいにおいがする映画』のときは周りのプロのスタッフさんを魔法使いだと思っていた。今回は菜乃華ちゃんや凛音ちゃんを輝かせる魔法使いの側でいたい。シンデレラになってほしいです」と語っている。シンデレラ誕生の瞬間に立ち会いたい。 (文=長野辰次)
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酒井監督と『いいにおいのする映画』に続いての出演となったmicci the mistake。ホラー映画ではありません。
『はらはらなのか。』 監督・脚本/酒井麻衣 音楽・主題歌/チャラン・ポ・ランタン 出演/原菜乃華、吉田凛音、粟島瑞丸、チャン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン、micci the mistake、上野優華、広瀬斗史輝、水橋研二、松本まりか、川瀬陽太、松井玲奈  配給/SPOTTED PRODUCTIONS 4月1日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー  http://haraharananoka.com

「この出産じゃ愛着生まれない」『ドラゴンボール超』でのブルマの出産方法が物議を醸す!

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東映アニメーション公式YouTubeチャンネルより
 死んでも死んでも、生き返ることが当たり前の『ドラゴンボール』(作:鳥山明/集英社)の世界で、いまさら倫理観についての議論がネット上で行われている。なんでも作中での出産方法が一部視聴者から反感を買っているようなのだ。  3月26日放送の『ドラゴンボール超』(フジテレビ系)第83話「第7宇宙代表チームを結成せよ!最強の10人は誰だ!?」では、宇宙の代表者を集めて戦う「力の大会」に備えて、孫悟空たちが自身の住む第7宇宙のメンバーを集める展開が描かれた。 「力の大会」は、代表者が負けたら宇宙ごと消されてしまうという宇宙丸ごとの命運を賭けた試合のため、当然最強のメンバーを集めたいと思う悟空たち。クリリン、人造人間17号、18号、亀仙人などの名前を挙げる中、悟空は当然のようにベジータも誘った。しかしベジータはなんとこれを断ったのである。  戦闘が大好きなベジータが、宇宙の強者と戦えるチャンスを見送ろうとしていることに驚く悟空。破壊神ビルスは「お前も参加しろ! これは命令だ!」と、ベジータに詰め寄るが、ベジータは妻のブルマが出産間近ということを理由に断固拒否する。  するとこのようすを見かねてビルスの付き人である天使・ウイスがブルマの元へ行き、呪文を唱えてお腹から赤ん坊をあっという間に取り出してしまったのだ。ウイスはドヤ顔で「ベジータさん。これで出場できますね」と言い、ブルマも「ありがとう、楽で助かったわ」「またウイスさんにお願いしようかしら」と喜んでいたが、これに一部視聴者が違和感を覚えたよう。 「こんなのやっちゃって良いのか?」「この出産じゃ実感なくて愛着生まれないんじゃないかな」「安全で良いといえば良いんだけどなんだこのモヤモヤ感は」「死が軽い世界だけど誕生まで軽くなっちゃったか」といった声が上がっている。  しかし一方で「ドラゴンボールでリアルな出産シーンされても冷めるだけだし」「このドライ感こそ、俺が好きなドラゴンボールというか鳥山明の世界観だ」「ブルマが受け入れてんだから部外者がとやかく言うなよ」と擁護の声も上がっている。また「これ批判してるの男だよね。女なら出産の苦労がなくて最高じゃんという感想がでるんですけど」「私も助産師さんウイスさんが良かった」といった声も。この出産にツッコミを入れるのは野暮かもしれない。

アニメを作るのが得意なフレンズ、たつき監督に『けものフレンズ』の“すごーい!”ところを聞いてみた!!

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(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA 
 1月から放送が始まったTVアニメたちの中で、一際大きな存在感を放つ『けものフレンズ』(テレビ東京系)。ネットやSNS上で「すごーい!」「たのしー!」という “フレンズ”のセリフを見ない日はないというほどだが、果たして放送前にこれほどの人気を獲得すると誰が予想していただろうか?  一見すると、子ども向けCGアニメのようにも感じられる裏に、“考察”が大好きなアニメファンたちを唸らせる、ストーリー展開と数々の謎や秘密はどんな意図で用意されたのか。そして、一度ハマってしまえば癖になる『けものフレンズ』独特の掛け合いの間や、聞いているとポジティブになれるサーバルちゃんをはじめとするフレンズたちの演技は、どうやって作り出せたものなのか。  そして何より、先週放送された第11話「せるりあん」では、サーバルちゃんをかばったかばんちゃんが大セルリアンに飲み込まれるという衝撃の展開が描かれたが、最終話は果たしてどうなってしまうのか。  そこんところを聞くべく、3月5日に行われた「一挙上映会」に登壇、キャスト陣とのトークショーを終えたたつき監督を直撃! 制作も最終盤に差し掛かったところ、しかも慣れないイベント出演直後とあってお疲れっぽい様子であったが、『けものフレンズ』に漂う独特でなんだか面白いあの“間”を漂わせつつ、取材に応じてくれたたつき監督のインタビューを余すことなくお伝えする! ■「思ったよりも情報伝達が早くて……」(たつき監督) ―― イベントに参加されてみて、いかがでしたか? たつき監督(以下、「たつき」) 放送が始まってから、『けものフレンズ』のファンというお客さんと対面するのは初めてに近いので、ありがたいなぁというのがまずは正直な感想ですね。  ネット上やSNSで盛り上がってもらっているとは聞いていても、どこか他人事というか(笑)。(盛り上がりとの)距離を図りかねているというか、別の作品で起きていることのようにチラ見しつつ、現場ではひたすら修羅場続きで(笑)。
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第3話「こうざん」で登場したトキ。強いインパクトを残した(いろいろ意味で) 
―― Twitterでもそのような発言をされていましたね(笑)。感想を言い合うだけでなく、ファンがいろいろ考察を重ねることでより盛り上がるという現象が起きていますが、監督からして「これを拾われたのは意外だった」という仕掛けはありますか? たつき (フレンズの目の)ハイライトまわりでしょうか。もともとゲームの頃からこっそりと仕込まれていることだったんです。ただ、あれをTVアニメで敷きはじめたころは、拾ってもらえるかどうか、際のところだなと思っていて。ですから、そこまでいけばすごいなあというくらいのつもりで、視聴者の方が気づかない、拾われなくても成立するように構成していたんです。 ※『けものフレンズ』に登場するフレンズたちのうち、絶滅、絶滅が危惧されている動物をモデルとしているフレンズは、目にハイライトが入らないという処理がなされている。  こちらの当初の感覚では、あそこに気づいていただけるのって、百人に一人か、千人に一人と考えていたんです。最初の感覚でゆるやかに放送されていたら気づかないまま過ぎて、放送が終わって何年か後で「もしかしたら言ってくれる人がいるかな」というレベルのつもりだったんですけど。 ―― 放送直後からTwitterなどで指摘しているファンもいたようです。 たつき 思ったより(視聴者の)分母が大きかったですし、情報の伝達も早かったですよね。もうちょっと連鎖に一話ちょいくらいかかるかなと思っていたんですけど、たぶん一日未満ぐらいでバババババっと何か起きていたなと。 ―― 2話のエンディング、続けてそういったハイライトなどの細かい演出で、「ただ子ども向けアニメじゃないぞ」と、アニメファンが一斉に気づきましたよね。その後も物語が進む中で、少しずつ「ジャパリパーク」の秘密が明かされていくストーリー展開がすごくおもしろいです。『けものフレンズ』のストーリーは、どのように構築されたんでしょうか? たつき イベントでも少し触れましたが、まず大まかなストーリーがあって、そこから舞台となる各“ちほー”を決め、そこから“ちほー”に住むフレンズ=登場キャラクターを決めていく、という過程で固めていきました。  もともとアニメ制作のほうはお仕事……アニメーション技能、CG技術でやらせてもらっていて、趣味としてアニメ全体のお話まわりからの制作をやっているという感じで、それぞれやっている感覚だったんですけど、その延長線上、ミックスしているような感じで『けものフレンズ』はやっているかもしれないです。  作り方は普通のアニメ作品とほぼ変わらないと思います。ただ、その工程が普通のアニメより、前後に少し無駄に余分をもっていたり、話数を縦になるべくたくさん持つことで、お話の中での連携やこぼし(エピソードを次話以降に持ち込む)を意識している部分が多いかもしれませんね、他作との差分をということであれば。
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2人の出会い。物語の軸にはブレがなくとも、2人は結構成長しましたよね 
―― お話の縦軸をより意識している、ということですね。たしかに『けものフレンズ』は、7話までだったら「図書館へ行く」、8話以降であれば「港に行く」という縦軸がブレていません。またストーリーに加えて、舞台とキャラクターたちも魅力的だなと思います。 たつき 物語の軸はありますね。あとはその中でも「キャラ先論」「話先論」があると思うんです。そこをまったく同じパーセンテージか、行き来をすごく増やして、キャラ優先なのか、お話優先なのか、わからないレベルでその2つが有機接合できるといいなと考えていました。 『けものフレンズ』はキャラも魅力的なデザインの子がたくさんおりましたから、キャラクター作りもぐいぐいできましたし、TVアニメで作ろうとしていたお話の下地みたいなところとも相性が合って、よかったなという感じですね(笑)。 ■天然とねり込んだお芝居プランのハイブリッドが、「すごーい!」のパワーを産んでいた!? ―― 転がっていくといえば、キャラ同士の掛け合いも独特で可愛いし、楽しいです。『てさぐれ!部活もの』もそうでしたけど、この会話の“間”はたつき監督の独特のものだなぁと思ったんですが。 たつき 間は良し悪しがありつつですが(笑)、キャラ同士の掛け合いを考えて脚本を書くのは好きですし、こだわっている部分があって。キャラクターはおもしろい子が多いので、なるべくイキイキしたまま転がってほしい。ですから各キャラの語尾や、この子はここはタメ口であるといった設定には神経質かもしれませんが、こだわっていますね。 ―― そのキャストさんたちとはどんなお話をされたんですか。サーバル役の尾崎由香さんをはじめ、比較的若いキャストさんが多い印象です。 たつき レギュラーは若い方が中心ですが、各話のゲストには中堅・ベテランの方が多くて。お力を借りて、うまく持ち上げていただけたと思います。主軸の方は、お芝居ももちろん、声がキャラにフィットしているかどうかを意識してキャスティングさせていただきました。その感覚が今よく出ているのかなぁと思います。  加えてお芝居は、現場で音響監督さん(阿部信行)に結構丁寧に追いかけていただいているので、穴――キャリアが浅いゆえの欠けがあれば、しっかり追いかけていただいているので、いいところだけが残っているという手応えを感じてます。
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「みゃみゃみゃみゃみゃみゃ!」について質問するのを忘れてました… 
―― 各レギュラーキャラを演じるキャストさんに、監督がどんな演出をお願いしたのか。全キャラお聞きしたいところですが、ここは絞って、サーバルちゃんを演じるにあたって、尾崎さんとはどんなお話をされたか、教えてください。 たつき やっぱり元気な子。だいたい今お客さんが挙げてくれるようなところが魅力ですよね、かばんちゃんと一緒にパークをまわっていきますが、そこを殺しすぎないようにと。  あと、これはあまり言ったことないかもですが、素のときがサーバルっぽい子なんですよ、尾崎さんって。ところがお芝居に入ると上手く演じようとされるから少し遠ざかってしまう。でもそこから粘って芝居を練ると、次第にまたサーバルっぽくなっていくという。 ですから、ちょっと遠ざかったなというときは、地の方に戻すか、芝居をさらに練り込むというようなことをしていますね。 ―― あちこちで取り上げられていますが、尾崎さんの「すごーい!」「たのしーい!」といったセリフたちはパワーがありますよね。 たつき ハイブリットが出るときがあって。 ―― 黄金配分になるときがあると。 たつき はい。ガチ作りでも放りっぱなしでもダメで、程よくキメつつ、遊んでもらうっていう。「すごーい!」はキメ寄り、「たのしーい!」は遊び寄りかもしれません。アホなことを台本に落とすのが割と好きな方なので、台本通りやっていただいた時点で、結構生き生きしているはずなんです。  台本どおりにしっかり作っても、100点を越えて120、30点がたまに出るキャラになってくれたと思いますが、それとは別でちょっと暴れてもらって、それがうまくキャラにフィットして上積みできそうなら後工程で吸収してしまいますね。 福原慶匡プロデューサー(以下、「福原」) それは、監督がある意味役者の自由にさせる「プレスコ」を、これまでの作品で経験してきたからかもしれませんね。本来は台本どおり演じるのが当然というところで、かなり幅を持てるチームではあるので、「ここまでは遊んでOK!」みたいな限度がわかっているんじゃないですかね。  限度がわかんないと、バチバチに「絶対はみ出るな!」ってなるけど、はみ出ていいけど、はみ出すぎたら当然収まらないし。「はい、ここまでが安全エリア」っていうのがちゃんと掴んでいるというか、海水浴のブイのように明確に見えているというか。
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さすがは金田朋子さん、アドリブであの歌声か……
たつき オールフリーにすると、「もういいから!」ってお客さんもなっちゃうんですよね。「それは声優さん遊びすぎ。話もちゃんと追ってくれ」となる……。あくまでお話ベース、かつ、ギリギリのところをちょっとだけ採用するような。  台本の時点でわりと、遊び箇所がコントロールのパーセンテージとともに決まっている感覚は持っているんです。たとえばトキ(演:金田朋子)が登場すると決めた時点で、歌うところは絶対に面白くなるなと。なのであそこはなるべく自由にやってもらうつもりで構成しつつも、話のおさえどころとキーワードだけは外さないようにしないとと思っていました。  あの歌は歌詞も曲もなくその場で歌ってもらいましたが、その後の6、7話のことも踏まえて、トキが絶滅しているっていう匂いを必ず出してもらわなくてはいけない。ですから、「仲間を探している」っていうフレーズを入れてもらったんですが、あれがやっぱり「なんとなく見ている」という方たちにも残って、後の6、7話でギョッとしてもらえるという、いい感じのバランスになったのかなと。おもしろいですね。
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PPPのライブシーンから。「どっちかって言うと」というレベルには見えません 
■「たしかに脚好きですね。肉付きフェチでもあるんですけど」(たつき監督) ―― イベント会場の大きなスクリーンで第8話、PPPのダンスシーンを見ていて、たつき監督は女性キャラの脚がお好きなんだろうなと思ったんですが。 たつき あははは(笑)。 ―― 太ももを舐めるようなカットも多かったし、しかもちゃんと脚を描きわけていますよね? たつき たしかに脚好きですね。どっちかって言うと(笑)。 福原 あれ結構、モデルとかも見る人が見れば分かると思います。結構、普通の筋肉の付き方とかも……。 たつき ですね。去年頭ごろ“脚”ブームがきて(笑)。肉付きフェチもあるんですけど、筋肉のラインを一回全部覚えておこうかなってときに、ちょうどまぁあのへんの作業が重なったこともありまして、ああいう脚になりました。 (吉崎観音)先生にも同じようなこと言っていただいたんですけど、先生のデザインというのが、もともと「可愛い」と「肉付き」をわりと両取りできやすい頭身なんです。 ―― たしかに吉崎先生の『ケロロ軍曹』の夏美ちゃんとかは…… たつき めっちゃ可愛いしエロいですよね。ただ先生はどっちかって言うと、上半身とむっちり感がお好きなんじゃないかと思いますね、なんとなく……。僕は多分筋肉寄りなのかも……(笑)。 福原 今だと結構ニーハイソックスのニーハイの上に肉を余らせる、少し乗っかっているという描写を、もう当然ファンも見てくるようになりましたよね。昔はそれをこだわってるだけでもすごい!って言われてたのに、もうやってないと怒られるレベルになってるじゃないですか。そして今はもうさらに上の話というか、みんなたぶん言語化はまだできないけど、グッと来る表現、リアルを感じる演出もあって……また、数年経つといろんなの作品でその表現を取り入れるだろうか、またそれがどんどん言語化されて、常識化していくんでしょうけど。 たつき 結構その言語化のところで、まだ世の中に出ていないパラメーターって結構ある気はするんですよね。見たことはあるけど、これをなんて言い表せばいいかっていう……そういうところをもっと出せるといいですよね。
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中央2人がアライグマとフェネック
■「ハッピーエンドでも鬱でも、全然それはもうどっちになってもいい」(たつき監督) ―― 11話でとうとう追いつきましたが、それまでは毎話のラストで、アライグマとフェネックが2話前のゲストキャラと出会うという構成になっていました。たった2週間前なのに懐かしく感じられて楽しかったです。あの構成はどういうところから生まれたアイディアだったんでしょうか? たつき やっぱり今仰っていたそのものを見たかったというところですね、旅の再確認というか。加えて物語の構成上、「アライグマとフェネックたちを定期的に出す」必要性もありまして。ではどうするか、ミニコーナーで完全に分けちゃうっていうアイデアもありましたけど、追跡者の形にすると、『けもの』は1話ごとに舞台も全部変わりますし、ゲストキャラも変わるので、結構豪華な使い方をしているんですけど、それらをもう一回見ることができる。そうなると自分でもうれしいのと、ちょうど忘れた頃の感じは、その後も描けていいかなとうのもあったんですよね。 ―― いろんなロードムービーがあって、もちろん重要キャラが再登場する作品も多いですけど、登場したキャラクターが定期的に出てきてくれるっていうのは、今までありそうでなかったので、すごくおもしろいと思いました。 たつき あ、そうですか、それはうれしいです! 実は映画などをあまり数見るほうではないんですけど、『けものフレンズ』とかでたまに今言っていただけたようなこと、「ここ今まであまりなかった」とか、「やり口として新しい」とか言っていただけることがちょこちょこあって、それはすごいうれしいですね。 ―― あんまりこってり見る人だと、どっかで見たようなお話になってしまうのかもしれませんね。 たつき よく福原も言っているんですが、ガラパゴス感というか(笑)。ほどよく鎖国している感じが、「なんでこうなったん!?」というコモドドラゴン的なところがあるかもしれませんね。外敵からほどよくほっとかれた結果、わけわからん進化をしているのは、珍獣としては、外から見ごたえがあるかもしれませんね(笑)。 ―― 天然が生んだアイディアだったんですね。 たつき はい、全くもってそうですね、変に捻ろうとしたわけではなく。あまり悪意で転がしてやろうというのはなくて、「こうするとおいしいはず!」という感じでやっているんで、そこからそういうのが出てくるとうれしいですね。 ―― 最後に、お話が進むにつれて、“人”“島であるということ”“セルリアン”などの秘密が明るみになっていって。鬱エンドか、ディストピア作品だったのかと身構えているファンも多いようですが、最終話の見どころを紹介していただけますか? たつき これはイベントでも触れましたが、放送開始前のどこかで「ほんわか」って言っちゃってるんでみんな大丈夫やと思っているかもしれませんけど、あれちょっと意図と違う伝わり方してるかもでして。僕自身は、ハッピーエンドでも鬱でも、お話やキャラクターが旅した素直な結果であれば、全然それはもうどっちになっても良いと思っていますから。  ただ、予想を超える反響、好評をいただいたからといって、当初予定していた物語を揺らがすようなことは全くありません。どっちに転んだとしても、それは最初にキャラが決めた通りのシーンになっておりますから、そこを楽しんでもらえればと思います。 ■TVアニメ『けものフレンズ』 ・公式サイト http://kemono-friends.jp/ ・最終第12話「ゆうえんち」が明日3月28日 深夜25時35分より放送! ・テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、AT-X、dアニメストアほかにて放送、配信中 (C)けものフレンズプロジェクト/KFPA

アニメを作るのが得意なフレンズ、たつき監督に『けものフレンズ』の“すごーい!”ところを聞いてみた!!

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(C)けものフレンズプロジェクト/KFPA 
 1月から放送が始まったTVアニメたちの中で、一際大きな存在感を放つ『けものフレンズ』(テレビ東京系)。ネットやSNS上で「すごーい!」「たのしー!」という “フレンズ”のセリフを見ない日はないというほどだが、果たして放送前にこれほどの人気を獲得すると誰が予想していただろうか?  一見すると、子ども向けCGアニメのようにも感じられる裏に、“考察”が大好きなアニメファンたちを唸らせる、ストーリー展開と数々の謎や秘密はどんな意図で用意されたのか。そして、一度ハマってしまえば癖になる『けものフレンズ』独特の掛け合いの間や、聞いているとポジティブになれるサーバルちゃんをはじめとするフレンズたちの演技は、どうやって作り出せたものなのか。  そして何より、先週放送された第11話「せるりあん」では、サーバルちゃんをかばったかばんちゃんが大セルリアンに飲み込まれるという衝撃の展開が描かれたが、最終話は果たしてどうなってしまうのか。  そこんところを聞くべく、3月5日に行われた「一挙上映会」に登壇、キャスト陣とのトークショーを終えたたつき監督を直撃! 制作も最終盤に差し掛かったところ、しかも慣れないイベント出演直後とあってお疲れっぽい様子であったが、『けものフレンズ』に漂う独特でなんだか面白いあの“間”を漂わせつつ、取材に応じてくれたたつき監督のインタビューを余すことなくお伝えする! ■「思ったよりも情報伝達が早くて……」(たつき監督) ―― イベントに参加されてみて、いかがでしたか? たつき監督(以下、「たつき」) 放送が始まってから、『けものフレンズ』のファンというお客さんと対面するのは初めてに近いので、ありがたいなぁというのがまずは正直な感想ですね。  ネット上やSNSで盛り上がってもらっているとは聞いていても、どこか他人事というか(笑)。(盛り上がりとの)距離を図りかねているというか、別の作品で起きていることのようにチラ見しつつ、現場ではひたすら修羅場続きで(笑)。
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第3話「こうざん」で登場したトキ。強いインパクトを残した(いろいろ意味で) 
―― Twitterでもそのような発言をされていましたね(笑)。感想を言い合うだけでなく、ファンがいろいろ考察を重ねることでより盛り上がるという現象が起きていますが、監督からして「これを拾われたのは意外だった」という仕掛けはありますか? たつき (フレンズの目の)ハイライトまわりでしょうか。もともとゲームの頃からこっそりと仕込まれていることだったんです。ただ、あれをTVアニメで敷きはじめたころは、拾ってもらえるかどうか、際のところだなと思っていて。ですから、そこまでいけばすごいなあというくらいのつもりで、視聴者の方が気づかない、拾われなくても成立するように構成していたんです。 ※『けものフレンズ』に登場するフレンズたちのうち、絶滅、絶滅が危惧されている動物をモデルとしているフレンズは、目にハイライトが入らないという処理がなされている。  こちらの当初の感覚では、あそこに気づいていただけるのって、百人に一人か、千人に一人と考えていたんです。最初の感覚でゆるやかに放送されていたら気づかないまま過ぎて、放送が終わって何年か後で「もしかしたら言ってくれる人がいるかな」というレベルのつもりだったんですけど。 ―― 放送直後からTwitterなどで指摘しているファンもいたようです。 たつき 思ったより(視聴者の)分母が大きかったですし、情報の伝達も早かったですよね。もうちょっと連鎖に一話ちょいくらいかかるかなと思っていたんですけど、たぶん一日未満ぐらいでバババババっと何か起きていたなと。 ―― 2話のエンディング、続けてそういったハイライトなどの細かい演出で、「ただ子ども向けアニメじゃないぞ」と、アニメファンが一斉に気づきましたよね。その後も物語が進む中で、少しずつ「ジャパリパーク」の秘密が明かされていくストーリー展開がすごくおもしろいです。『けものフレンズ』のストーリーは、どのように構築されたんでしょうか? たつき イベントでも少し触れましたが、まず大まかなストーリーがあって、そこから舞台となる各“ちほー”を決め、そこから“ちほー”に住むフレンズ=登場キャラクターを決めていく、という過程で固めていきました。  もともとアニメ制作のほうはお仕事……アニメーション技能、CG技術でやらせてもらっていて、趣味としてアニメ全体のお話まわりからの制作をやっているという感じで、それぞれやっている感覚だったんですけど、その延長線上、ミックスしているような感じで『けものフレンズ』はやっているかもしれないです。  作り方は普通のアニメ作品とほぼ変わらないと思います。ただ、その工程が普通のアニメより、前後に少し無駄に余分をもっていたり、話数を縦になるべくたくさん持つことで、お話の中での連携やこぼし(エピソードを次話以降に持ち込む)を意識している部分が多いかもしれませんね、他作との差分をということであれば。
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2人の出会い。物語の軸にはブレがなくとも、2人は結構成長しましたよね 
―― お話の縦軸をより意識している、ということですね。たしかに『けものフレンズ』は、7話までだったら「図書館へ行く」、8話以降であれば「港に行く」という縦軸がブレていません。またストーリーに加えて、舞台とキャラクターたちも魅力的だなと思います。 たつき 物語の軸はありますね。あとはその中でも「キャラ先論」「話先論」があると思うんです。そこをまったく同じパーセンテージか、行き来をすごく増やして、キャラ優先なのか、お話優先なのか、わからないレベルでその2つが有機接合できるといいなと考えていました。 『けものフレンズ』はキャラも魅力的なデザインの子がたくさんおりましたから、キャラクター作りもぐいぐいできましたし、TVアニメで作ろうとしていたお話の下地みたいなところとも相性が合って、よかったなという感じですね(笑)。 ■天然とねり込んだお芝居プランのハイブリッドが、「すごーい!」のパワーを産んでいた!? ―― 転がっていくといえば、キャラ同士の掛け合いも独特で可愛いし、楽しいです。『てさぐれ!部活もの』もそうでしたけど、この会話の“間”はたつき監督の独特のものだなぁと思ったんですが。 たつき 間は良し悪しがありつつですが(笑)、キャラ同士の掛け合いを考えて脚本を書くのは好きですし、こだわっている部分があって。キャラクターはおもしろい子が多いので、なるべくイキイキしたまま転がってほしい。ですから各キャラの語尾や、この子はここはタメ口であるといった設定には神経質かもしれませんが、こだわっていますね。 ―― そのキャストさんたちとはどんなお話をされたんですか。サーバル役の尾崎由香さんをはじめ、比較的若いキャストさんが多い印象です。 たつき レギュラーは若い方が中心ですが、各話のゲストには中堅・ベテランの方が多くて。お力を借りて、うまく持ち上げていただけたと思います。主軸の方は、お芝居ももちろん、声がキャラにフィットしているかどうかを意識してキャスティングさせていただきました。その感覚が今よく出ているのかなぁと思います。  加えてお芝居は、現場で音響監督さん(阿部信行)に結構丁寧に追いかけていただいているので、穴――キャリアが浅いゆえの欠けがあれば、しっかり追いかけていただいているので、いいところだけが残っているという手応えを感じてます。
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「みゃみゃみゃみゃみゃみゃ!」について質問するのを忘れてました… 
―― 各レギュラーキャラを演じるキャストさんに、監督がどんな演出をお願いしたのか。全キャラお聞きしたいところですが、ここは絞って、サーバルちゃんを演じるにあたって、尾崎さんとはどんなお話をされたか、教えてください。 たつき やっぱり元気な子。だいたい今お客さんが挙げてくれるようなところが魅力ですよね、かばんちゃんと一緒にパークをまわっていきますが、そこを殺しすぎないようにと。  あと、これはあまり言ったことないかもですが、素のときがサーバルっぽい子なんですよ、尾崎さんって。ところがお芝居に入ると上手く演じようとされるから少し遠ざかってしまう。でもそこから粘って芝居を練ると、次第にまたサーバルっぽくなっていくという。 ですから、ちょっと遠ざかったなというときは、地の方に戻すか、芝居をさらに練り込むというようなことをしていますね。 ―― あちこちで取り上げられていますが、尾崎さんの「すごーい!」「たのしーい!」といったセリフたちはパワーがありますよね。 たつき ハイブリットが出るときがあって。 ―― 黄金配分になるときがあると。 たつき はい。ガチ作りでも放りっぱなしでもダメで、程よくキメつつ、遊んでもらうっていう。「すごーい!」はキメ寄り、「たのしーい!」は遊び寄りかもしれません。アホなことを台本に落とすのが割と好きな方なので、台本通りやっていただいた時点で、結構生き生きしているはずなんです。  台本どおりにしっかり作っても、100点を越えて120、30点がたまに出るキャラになってくれたと思いますが、それとは別でちょっと暴れてもらって、それがうまくキャラにフィットして上積みできそうなら後工程で吸収してしまいますね。 福原慶匡プロデューサー(以下、「福原」) それは、監督がある意味役者の自由にさせる「プレスコ」を、これまでの作品で経験してきたからかもしれませんね。本来は台本どおり演じるのが当然というところで、かなり幅を持てるチームではあるので、「ここまでは遊んでOK!」みたいな限度がわかっているんじゃないですかね。  限度がわかんないと、バチバチに「絶対はみ出るな!」ってなるけど、はみ出ていいけど、はみ出すぎたら当然収まらないし。「はい、ここまでが安全エリア」っていうのがちゃんと掴んでいるというか、海水浴のブイのように明確に見えているというか。
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さすがは金田朋子さん、アドリブであの歌声か……
たつき オールフリーにすると、「もういいから!」ってお客さんもなっちゃうんですよね。「それは声優さん遊びすぎ。話もちゃんと追ってくれ」となる……。あくまでお話ベース、かつ、ギリギリのところをちょっとだけ採用するような。  台本の時点でわりと、遊び箇所がコントロールのパーセンテージとともに決まっている感覚は持っているんです。たとえばトキ(演:金田朋子)が登場すると決めた時点で、歌うところは絶対に面白くなるなと。なのであそこはなるべく自由にやってもらうつもりで構成しつつも、話のおさえどころとキーワードだけは外さないようにしないとと思っていました。  あの歌は歌詞も曲もなくその場で歌ってもらいましたが、その後の6、7話のことも踏まえて、トキが絶滅しているっていう匂いを必ず出してもらわなくてはいけない。ですから、「仲間を探している」っていうフレーズを入れてもらったんですが、あれがやっぱり「なんとなく見ている」という方たちにも残って、後の6、7話でギョッとしてもらえるという、いい感じのバランスになったのかなと。おもしろいですね。
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PPPのライブシーンから。「どっちかって言うと」というレベルには見えません 
■「たしかに脚好きですね。肉付きフェチでもあるんですけど」(たつき監督) ―― イベント会場の大きなスクリーンで第8話、PPPのダンスシーンを見ていて、たつき監督は女性キャラの脚がお好きなんだろうなと思ったんですが。 たつき あははは(笑)。 ―― 太ももを舐めるようなカットも多かったし、しかもちゃんと脚を描きわけていますよね? たつき たしかに脚好きですね。どっちかって言うと(笑)。 福原 あれ結構、モデルとかも見る人が見れば分かると思います。結構、普通の筋肉の付き方とかも……。 たつき ですね。去年頭ごろ“脚”ブームがきて(笑)。肉付きフェチもあるんですけど、筋肉のラインを一回全部覚えておこうかなってときに、ちょうどまぁあのへんの作業が重なったこともありまして、ああいう脚になりました。 (吉崎観音)先生にも同じようなこと言っていただいたんですけど、先生のデザインというのが、もともと「可愛い」と「肉付き」をわりと両取りできやすい頭身なんです。 ―― たしかに吉崎先生の『ケロロ軍曹』の夏美ちゃんとかは…… たつき めっちゃ可愛いしエロいですよね。ただ先生はどっちかって言うと、上半身とむっちり感がお好きなんじゃないかと思いますね、なんとなく……。僕は多分筋肉寄りなのかも……(笑)。 福原 今だと結構ニーハイソックスのニーハイの上に肉を余らせる、少し乗っかっているという描写を、もう当然ファンも見てくるようになりましたよね。昔はそれをこだわってるだけでもすごい!って言われてたのに、もうやってないと怒られるレベルになってるじゃないですか。そして今はもうさらに上の話というか、みんなたぶん言語化はまだできないけど、グッと来る表現、リアルを感じる演出もあって……また、数年経つといろんなの作品でその表現を取り入れるだろうか、またそれがどんどん言語化されて、常識化していくんでしょうけど。 たつき 結構その言語化のところで、まだ世の中に出ていないパラメーターって結構ある気はするんですよね。見たことはあるけど、これをなんて言い表せばいいかっていう……そういうところをもっと出せるといいですよね。
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中央2人がアライグマとフェネック
■「ハッピーエンドでも鬱でも、全然それはもうどっちになってもいい」(たつき監督) ―― 11話でとうとう追いつきましたが、それまでは毎話のラストで、アライグマとフェネックが2話前のゲストキャラと出会うという構成になっていました。たった2週間前なのに懐かしく感じられて楽しかったです。あの構成はどういうところから生まれたアイディアだったんでしょうか? たつき やっぱり今仰っていたそのものを見たかったというところですね、旅の再確認というか。加えて物語の構成上、「アライグマとフェネックたちを定期的に出す」必要性もありまして。ではどうするか、ミニコーナーで完全に分けちゃうっていうアイデアもありましたけど、追跡者の形にすると、『けもの』は1話ごとに舞台も全部変わりますし、ゲストキャラも変わるので、結構豪華な使い方をしているんですけど、それらをもう一回見ることができる。そうなると自分でもうれしいのと、ちょうど忘れた頃の感じは、その後も描けていいかなとうのもあったんですよね。 ―― いろんなロードムービーがあって、もちろん重要キャラが再登場する作品も多いですけど、登場したキャラクターが定期的に出てきてくれるっていうのは、今までありそうでなかったので、すごくおもしろいと思いました。 たつき あ、そうですか、それはうれしいです! 実は映画などをあまり数見るほうではないんですけど、『けものフレンズ』とかでたまに今言っていただけたようなこと、「ここ今まであまりなかった」とか、「やり口として新しい」とか言っていただけることがちょこちょこあって、それはすごいうれしいですね。 ―― あんまりこってり見る人だと、どっかで見たようなお話になってしまうのかもしれませんね。 たつき よく福原も言っているんですが、ガラパゴス感というか(笑)。ほどよく鎖国している感じが、「なんでこうなったん!?」というコモドドラゴン的なところがあるかもしれませんね。外敵からほどよくほっとかれた結果、わけわからん進化をしているのは、珍獣としては、外から見ごたえがあるかもしれませんね(笑)。 ―― 天然が生んだアイディアだったんですね。 たつき はい、全くもってそうですね、変に捻ろうとしたわけではなく。あまり悪意で転がしてやろうというのはなくて、「こうするとおいしいはず!」という感じでやっているんで、そこからそういうのが出てくるとうれしいですね。 ―― 最後に、お話が進むにつれて、“人”“島であるということ”“セルリアン”などの秘密が明るみになっていって。鬱エンドか、ディストピア作品だったのかと身構えているファンも多いようですが、最終話の見どころを紹介していただけますか? たつき これはイベントでも触れましたが、放送開始前のどこかで「ほんわか」って言っちゃってるんでみんな大丈夫やと思っているかもしれませんけど、あれちょっと意図と違う伝わり方してるかもでして。僕自身は、ハッピーエンドでも鬱でも、お話やキャラクターが旅した素直な結果であれば、全然それはもうどっちになっても良いと思っていますから。  ただ、予想を超える反響、好評をいただいたからといって、当初予定していた物語を揺らがすようなことは全くありません。どっちに転んだとしても、それは最初にキャラが決めた通りのシーンになっておりますから、そこを楽しんでもらえればと思います。 ■TVアニメ『けものフレンズ』 ・公式サイト http://kemono-friends.jp/ ・最終第12話「ゆうえんち」が明日3月28日 深夜25時35分より放送! ・テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、AT-X、dアニメストアほかにて放送、配信中 (C)けものフレンズプロジェクト/KFPA

永野芽郁、白濱亜嵐とのツーショットに嫉妬の声! 女優業での勢い止まらず、「本田翼の仕事をごっそりと?」

永野芽郁、白濱亜嵐とのツーショットに嫉妬の声! 女優業での勢い止まらず、「本田翼の仕事をごっそりと?」の画像1
永野芽郁公式インスタグラムより
 21日、女優の永野芽郁が自身のインスタグラムに、「公開まであと3日 馬村と縁側」と、24日から公開中の主演映画『ひるなかの流星』で共演しているGENERATIONS from EXILE TRIBEの白濱亜嵐と、古民家の縁側に並んで腰かけてのツーショット画像をアップ。双方のファンから、「いい雰囲気だな、おい!」「俺と交代してくれ!」などと、嫉妬の声が飛び交っている。 「『ひるなかの流星』は、永野が演じる女子高生と、白濱が演じる男子高生、三浦翔平が演じる高校教師の三角関係を描いた人気少女コミックの映画化作品。永野はこれまでに何度か、自身のSNS上に、撮影中の合間に撮った白濱や三浦とのツーショット画像をアップしては、それぞれのファンから羨む声が寄せられていたのですが、21日にアップされた白濱との画像は特にムードがあり反響を呼んでいました。また永野は赤い半纏を着ているのですが、これがファンからは、『可愛すぎる!』『芽郁ちゃんの素朴な魅力が放出されてて最高』などと称賛の声が殺到しています」(芸能関係者)  永野は、2015年に公開された映画『俺物語!!』でヒロインを務め、昨年7月に放送された連続ドラマ『こえ恋』(テレビ東京系)で初主演を飾ったことで、以前から業界内ではブレーク候補に名前が挙がることも多かった。そして今年に入り出演映画が5本と、急激に露出度がアップ。その勢いは止まりそうにない。  永野は昨年8月から女性ファッション雑誌「Seventeen」(集英社)の専属モデルに抜擢されたのだが、今年に入ってからの活躍ぶりには、同誌の先輩モデルである広瀬すずが昨年ブレークを果たした時の勢いを彷彿とさせるものがある。これはもちろん、永野自身の魅力や努力によって勝ち得た部分が大きいのだが、ネット上では、「本田翼の仕事が回ってきているのでは?」と指摘する声も少なくない。 「本田と永野は、大手芸能事務所・スターダストプロモーションの先輩・後輩という間柄です。本田もかつては『Seventeen』の専属モデルを務めていた時期がありました。12年頃からは女優業に進出し、事務所からプッシュされたものの、『棒演技』と酷評されることが多く、15年7月に放送された月9ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)でヒロイン役に抜擢されたものの、女優としての評価は上がらず。ちょうどそのタイミングで永野の躍進が始まっただけに、ネット上では、『本田を諦め、永野を推していく方向にチェンジ?』『月9が最後の試金石だったのかな?』などといった声が少なからず広まってしまっているようです」(同)  最近の映画・ドラマ業界は、原作のビジュアルや年齢設定などを無視して、人気に火が点いた女優や俳優をゴリ押しする傾向が強まっているだけに、永野は今年、人気を不動のものにすれば、来年はさらに露出が増える可能性が高い。

「声優という道は考えなかった」 佐倉綾音と結婚したくてお笑いの道へ――ピン芸人・山ノ内の“あやねる愛”に迫る!

「声優の佐倉綾音さんと結婚したくて、近づくための方法を考えた結果、お笑いならラジオとかで会えるかなって」――。好きな声優と結婚するために、お笑いの道を目指したという、とんでもない芸人が先月ネットを中心に話題を集めた。  そのお笑い芸人は、ピンで活動する山ノ内。彼は今春に吉本興業のNSC(吉本総合芸能学院)大阪校を卒業する第39期生で、先月行われたお笑いバトル「NSC大ライブOSAKA2017」で見事優勝を果たした有望株だ。
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“佐倉綾音さんと結婚したい”山ノ内。
 佐倉綾音(あやねる)と結婚するために芸人になったと告白したことで、「ガチ恋すぎる」「応援するわ」などと、オタクからもいろんな意味で注目を浴びることとなった山ノ内。今回は、そんな彼に“佐倉綾音と結婚したい”発言の真意を聞いてみた。 ■“山ノ内”として佐倉綾音さんに会いたい
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「B.L.T.VOICE GIRLS Vol.25」(東京ニュース通信社)
――まず、佐倉綾音さんを好きになったきっかけを教えてください。 山ノ内 高校生の時に見たアニメ『恋愛ラボ』(2013年)の榎本結子の声が一瞬で好きになって、すぐネットで誰が演じているのか調べて、佐倉綾音さんが演じていると知って、それで好きになりました。本当に佐倉さんの声が好きなんです。 ――声で一目惚れしたという部分は、声優にとってはうれしいかもしれませんね。ちなみに、プライベートな話題ですみませんが、これまでに恋愛経験はあるのでしょうか? 山ノ内 プライベートでの恋愛経験はほとんどありませんね。これがほぼ初恋と言えるかと。 ――佐倉綾音さん以外に、好きな声優はいるのでしょうか? 山ノ内 声優さんは基本“箱推し”です。強いて言えば、男性声優なら細谷佳正さん、最近の若手声優ならTVアニメ『月刊少女野崎くん』で佐倉千代役を演じていた小澤亜李さんが気になります。 ――声優を“箱推し”するほど好きなら、お笑いではなく声優を目指せば良いのでは? 山ノ内 声優という道は、考えませんでした。(声優という存在が)崇高すぎて。もし、その世界に入って、嫌なことがあって嫌いになりたくなかったんです。 ――なら、声優と近い場所で仕事をする音響監督など裏方として佐倉綾音さんに近づく手段もあったのでは? 山ノ内 裏方は裏方じゃないですか。“山ノ内”として佐倉綾音さんに出会いたいんです。 ――「NSC大ライブOSAKA2017」では、声優たちとラジオで共演するオタク系お笑い芸人・天津の向清太朗が憧れの芸人と答えていましたね。 山ノ内 本当に憧れの存在です。僕もそのポジションになれるといいのですが……。 ■別れてくれるまで待ちます ――「NSC大ライブOSAKA2017」では、まだ生で佐倉綾音さんを見たことがないとも言っていましたね。 山ノ内 そこでも言ったように、行動力がないっていうのもあるんですが、ファンとしてではなく、本当に山ノ内として佐倉綾音さんに会いたいんです。 ――もし、大阪で佐倉綾音さんが出演するイベントがあっても? 山ノ内 う~ん……行きません! ――あくまで芸人として、山ノ内として、佐倉綾音さんと出会いたいんですね。では、佐倉綾音さんと会うことがかなったら? 山ノ内 もし、もし会うことができたら、頭が真っ白になりそう。でも、真っ先に連絡先を交換したいとか思いますけど。 ――行動派ですね! 佐倉綾音さんは主に都内で活躍されていると思いますが、当分は大阪を拠点に活動していくのでしょうか? 山ノ内 そこが悩みどころなんですよ。当分は大阪で頑張っていきたいんですけど、東京に出ようか悩んでいます。だって東京のほうが声優さんと仕事をする機会は多いじゃないですか。早めに行動しないと、会う前に佐倉綾音さんが結婚してしまうかもしれないですし。 ――最近にも、人気声優の花澤香菜さんと小野賢章さんの熱愛が報じられ話題になったばかりですし、たしかに早めに行動しといたほうのが良いかもしれないです。でももし、佐倉綾音さんの熱愛報道が飛び出すようなことがあったら……? 山ノ内 こういうのはアレかもしれないですが……。別れてくれるまで待ちます。結婚報道だったらそれまでに結婚式に呼ばれるまでの仲になっておきたいです。 ■とにかく佐倉綾音さんへの愛がすごい ――これからお笑い芸人として、そして佐倉綾音さんと会うために活動していくことになると思いますが、もし「人気番組のレギュラー出演」と「佐倉綾音とラジオで共演」の仕事が同時に舞い込んできて“どちらしか選べない場合”、どっちを取りますか? 山ノ内 そりゃ佐倉さんとの共演です。逆にそっちを取らないと意味がないですから。 ――(すごい)。では最後に佐倉綾音さんへメッセージをお願いします。 山ノ内 う~ん……。公の場で佐倉さんの名前を出して、このようにお騒がせしてしまい、すみませんでした。  山ノ内は大阪にいるため、今回は電話口でのインタビューになったが、全体を通して佐倉綾音に対する本気度はかなり高いと感じた。ここまで思いを募らせる山ノ内が、近い将来佐倉綾音に出会えることを願っています! (編集部) NSC(吉本総合芸能学院)では2017年度4月入学生を絶賛募集中!! 詳しくは下記ホームページまで! 芸人目指すならNSC http://www.yoshimoto.co.jp/nsc/ スタッフ目指すならYCC http://ycc.yoshimoto.co.jp/

月曜日は巨乳に癒されたかった!?『月曜日のたわわ』が大ブレイク、2016年同人事情を「とらのあな」担当者が語ります<男性向け編>

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『艦これ』『アイマス』『ガルパン』、各「とらのあな」特設サイトトップページ
■安定度抜群『艦これ』『アイマス』『ガルパン』 オリジナル作『月曜日のたわわ』も大健闘  こんにちは! とらのあな通信販売部門の担当者・とら山(仮名)です。まずは2016年大変お世話になりました。業界に携わる者として充実の1年を過ごさせていただきました。さて、同人はファンの熱意が育てる表現の場です。つまりユーザーの盛り上がりがダイレクトに勢いとなる。ということでそんな同人業界の2016年をユーザーの熱意とともに振り返ってみたいと思います。  まずは人気ジャンルについて。各種多用なアニメカルチャーが盛り上がった2016年ですが、同人でも様々な2次創作ジャンルが1年を彩りました。  年間を通して振り返って、まず強かったのが『艦隊これくしょん-艦これ-』関連作品たちです。本家のブラウザゲームのサービス稼動からおよそ3年が経ちますが、アーケードゲーム稼動時の盛況ぶりなどからも分かるように人気に陰りは見えません。それは同人でも同じく、個性豊かな艦娘たちが依然多くの提督を掴んで離さない模様です。  これに追随するのが『アイドルマスター』シリーズです。開始から10年以上経ちますが、アニメ化もされた『アイドルマスター シンデレラガールズ』の一連の作品や、ゲーム『アイドルマスター ミリオンライブ!』など新機軸のコンテンツが新たなファンを獲得し続けています。アニメ、ゲーム、ライブなど柱の多いアイマス。所謂“中の人”にスポットライトを当てた作品も少なくなく、ファンの熱量の高さを感じさせます。  最後に、盛り上がりという観点から見ると『ガールズ&パンツァー』も強いです。「ガルパンおじさん」なるものが至るところに出現、とり付かれた様に爆音上映を繰り返し見に行ったり、大洗を訪ねてみたりと手間を惜しまない。ガルパンに関しては作品を愛しているファンが多い気がします。クセの強い同人作品も多いので同人を通して愛が熟成されていく感を感じます。
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『月曜日のたわわ』(比村乳業)
 オリジナル作品に目を向けますと、16年を語る上で外せないのが比村奇石先生でしょうか。もともと元気があったサークル様ではありますが、今年は出す本全てが人気。 【サークル】比村乳業様の『月曜日のたわわ』がアニメ化、Blu-ray化と、ファンの熱量に後押しされるかのように次々と企画が展開され、盛り上がりを見せました。  胸の大きな女の子の優しく、ちょっとエッチは日常を切り取った作品群は、多くのファンの胸をもだえさせました。大きくて可愛い。本当にありがとうございます。
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上:『罵られながら足で踏まれたい本』(村上水軍)、下:『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』(アニマルシーン)
 また、【サークル】村上水軍様の『罵られながら足で踏まれたい本』、【サークル】アニマルマシーン様、『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』など、女子が羞恥あるいは軽蔑を抱きながら不本意な辱めを受けるあるいは受けさせるというフェティッシュな作品にも大きな注目が集まりました。これももまた大変個人的な話で恐縮なのですが、上記2作品との出会いは「そうか、オレにはこんな性癖が隠されていたのか」と己が性癖と向き合うきっかけを与えてくれました。おかげで色々捗ります。本当にありがとうございました。  オリジナルの同人作品を振り返ってみるとアダルトではなくてちょっとエッチと言いますか、フェチズムを刺激する作品の人気ぶりが目立った1年でもあったように思えます。 ■2016年、人気だった同人作家に島本和彦先生も参入!?  古今東西、様々なクリエーターの皆様が入り混じる同人作品。  そんな同人作品において、個人的に、2016年に注目された作家様を上げるなら、まず【サークル】新幹線と腕相撲をするお空間様の“新幹線と腕相撲をするおじいさん”先生でしょうか。
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『さちことみく』(サークル新幹線と腕相撲をするお空間)
 前川さんを始め、『シンデレラガールズ』を独自の解釈と共にギャグ化し見事な描写とツボをつくギャグが相まってファンから絶大な支持を受けています。  また個人的な話ですが、元々みくにゃん1推しフレデリカ、2推しの僕が、ここ1カ月ほど森久保が気になって仕方なくなってます。原因に色々心当たりはありますが、大きな要因のひとつは間違いなく新幹線と腕相撲をするおじいさん先生にあります。最近はその予兆が七海にも出ています。このままのペースで推しが増えれば僕はそう遠くない未来に破産するかともすればアイドルになってしまうかもしれません(錯乱)。本当にありがとうございます。  他にも、『デレマス本』のかめれおん先生や『意識の高いドM提督』の山本アリフレッド先生、『実録本』の【TENCAL】のはっち先生や『FGOで遊ぶセイバーさん』の九十九先生。  アダルト作品では【サークル】SHISのZトン先生、【サークル】ピアニッシモのピジャ先生、 【サークル】魔太郎の魔太郎先生、【サークル】Ink Complexの智弘カイ先生が人気をじわりと上げてきている印象です。
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『アンノ対ホノオ』(島本和彦)
 また注目の……と言うにはあまりに大御所すぎますが、島本和彦先生の『シン・ゴジラ』関連の同人誌は、発行が2016年12月31日なので、「とらのあな」では2017年からの取り扱いになりましたが、年末年始から大きな話題になりました。  全体的に見て、twitterやPixivなどSNSを火種に、破裂するように一気に人気を獲得して、人気同人作家となる方が2016年に限らず、ここ最近では多い傾向かなと思います。 ■【とらのあなWebSite】通販TOP http://www.toranoana.jp/mailorder/

祝・2期放送決定!『信長の忍び』の制作から販売&配信まで、丸ごと石山桂一PDインタビュー!!

 西暦1555年、戦国の世において「乱世を終わらせる!」という夢を抱いた青年・織田信長。彼のでっかい夢に魅せられた、とある少女は「私、信長様の忍びになります!!」と、彼とともに生きることを決意する――可愛くてコミカルなストーリーとテンポの良いギャグで人気マンガの『信長の忍び』(重野なおき/白泉社)。  昨年10月から放送開始となったTVアニメも好評を博し、2クールの放送が終了する前から第2期シリーズの制作が決定! さらに空白期間を置かず、4月7日から早くも第2期シリーズが放送開始となる。  このイケイケな姿勢について、放送前にもインタビュー記事に登場していただいた石山桂一プロデューサーを直撃!(記事参照) 第2期シリーズの見どころから宣伝、お金に関することまで、丸ごといろいろ聞いてみた。
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(C)重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会
■続編を制作するためのPDが用意した手法の数々は ―― TVアニメ第2期の制作が、2月24日に公式サイトやTwitterで発表されました。かなり早いタイミングでの発表だと思うのですが、あらかじめ決まっていたことなんですか? それとも1期放送中にかなり頑張られた結果なのでしょうか? 石山桂一プロデューサー(以下、「石山」) どちらかというと後者ですね。もちろん、当初の予定としてまるでないというわけではないのですが、初動=第0、1話を配信・放送してみた反応――内容的に続けてやっていけば、もっともっと広がっていく作品であるという反応をいただけて。また、これは以前、インタビューしてもらった際にも触れましたが、僕らの中では『信長の忍び』を“大河ドラマ”にしたいと思っていましたから。それにはやはり、時間を開けたくなかったんです。  ただ当初は26話で終わる予定でしたから。続けるためにはどうするかっていったら、やっぱり数字しかないんです。その数字をしっかり見せるためにどうしようと考えたときに、早めの段階で原作コミックに、DVD同梱版を作ろうと考えたんです。昨今、単発のDVD、BDBlu-ray(以下、「BD」)の数字は伸びないですし(※原作単行本11巻にて、TVアニメDVDつき初回限定版が発売されることに)。 ―― 苦戦されている作品が多いですよね。 石山 ですから、普通にBDやDVDをリリースした時の数字でプレゼンしても通らないだろう、通すための数字を出したい――ということで、白泉社さんにもご協力していただいて、1クール分をアニメ1巻にまとめて、同梱版とさせていただきたいというお話はさせていただいて。これがまた発売時期、予約の時期もちょうど良かったんです。 ―― 16年10月からTVアニメ放送開始、DVD同梱版の予約が12月中旬まで、発売が17年2月末でした。 石山 受注生産ですから、具体的な数字がすぐ出るんですよね。DVD同梱版の単行本の数字を見て、2期をどうするかジャッジするという体制をあらかじめ整えたんです。  昨年8月くらいの時点で、ある程度白泉社さんに話していたんです。昨今のこの業界では、よほどのビックタイトルか、イベントの優先抽選券などを用意しないと、なかなかDVDの数字が動かない。今後はイベントもやっていく予定ですが、昨年8月の段階ではこの作品に、どんなお客さんがついてくれるのか予測しきれない部分もあって。
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基本ボケだが、極稀に凛としたところも見せてくれる帰蝶
―― 歴史小説や重野なおき先生の作品が好きという人以外のファン層がどうかと。 石山 そうなんです、重野さんファン、歴史ファンは応援してくれるだろうとは思っていたんです。ただ、それ以外はどんな人が見てくれるのかが読めなくて。 ―― DVDをコミック同梱版という形で出す準備をされつつ、加えて実際にTVアニメ第1話、2話を放送してみて、その時の手応え次第で(2期放送への)ゴーサインを出す、となっていたんですね。 石山 そうです。深夜のTVアニメ放送は視聴率が出ないケースもありますが、ネット配信では動画が再生された数字が出ますよね。そういった数字も、プレゼンの対象になります。そういった社内で読み取れる全数字、先ほどの同梱版単行本の数字もあわせて、プレゼンして2期制作が決まって。1月上旬にあった最終話のアフレコ時に、キャストさんがたにもお伝えできました。 ―― 水瀬いのりさん、羽多野渉さん……これだけのメンツですから、キャストさんがたのスケジュールを抑えるのも大変そうです。 石山 皆さん、人気の方ばかりなのでかなりスケジュールは埋まっていて。ただ、この作品が続くのがうれしかったみたいで、すごいいい反応をしてくれたんですよ。昨今、1クールや2クール、キャラに馴染んできたかな、というところで終わってしまう作品が多い中で、2クールやってきて、さらに今後も作品が続く。継続していく作品というのは、キャラへの思いも強くなりますしキャストさんたちもスケジュール調整も前向きに取り組んでいただけています。  1期はかなり早めの段階でキャスティングを固めていたので、いわゆる抜き録り(アフレコ現場に出られなかったキャストの音声を個別に収録すること)がほとんどなかったんです。2期に関してはさすがに急だったのもあって、それでも今のところ、ほんの数回程度の抜き撮りでいけそうです。ただ、今後さらに3期以降も続けられるのなら、もっと早めに言っとかないと、と思いますが。  ただ、山口勝平さん(秀吉役)だけは這ってでも来てくれるだろうなと(笑)。みなさん、“忍び愛”がすごい方たちが多いんですけど、勝平さんはとりわけ大好きですから。実はキャスティングを固めていく際、勝平さんにアドバイスをいただいたんですよ。もちろんメインどころに関しては重野先生や大地丙太郎監督からのご指名を優先していきましたけど、勝平さんと雑談しながら決めさせていただいたところもありますね。 ―― その結果、若手、ベテラン、中堅が入り混ざったキャスティングとなりましたが、収録現場の雰囲気がいかがですか? 石山 これがすごくいいんです。大体の作品は主人公の方が座長を務める事になるのですが大御所ばかりの現場という事もあり勝平さん、たかはし智秋さん(帰蝶役)が演技の上でも、収録現場のムードメーカーとしても活躍してくださっています、あと収録後の飲みでも(笑)。  そういった現場のムード作りは大地監督もさすがに上手ですから。第1話からいい感じでチームになっていて、水瀬さんも先輩だらけですけど、スッと入っていけたと思います。 ■お膝元・岐阜城とのタイアップも今後はさらに強固に ―― 話をちょっと戻しますが、無事2期につながったということは、DVD同梱版のコミックの予約受注数の数字はかなり良かったということですか? 石山 そうですね、はい、おかげ様で。通常、大体1割ぐらいらしいんですよ、同梱版の予約本数というのは。たとえば1万部発行しているコミックであればDVD同梱版は1,000部ぐらいであると。ところが2~3割ぐらいの数字が出たんですよね。普段、『信長の忍び』のコミックは6、7万部ぐらい発行されていますから……。 ―― 1万枚以上も売れているじゃないですか!  石山 ありがとうございます。『信長の忍び』はサイズや価格が手ごろだったんだと思います。5分枠のアニメですから13話収録といっても、1時間以内で収められますし。うまく2期への足がかりを作ることができた取り組みだと思うんですが、ただ、僕の中で1期ではやり残してしまったなと考えているのが宣伝なんです。  今後2期ではそこに力を入れたいなと思っています、イベントや上映会、あとは地方とのタイアップですね。現在、岐阜城とタイアップを進めています、やはりご当地感を広めたいですし。あと商品化、グッズの制作も2期からは進めていければと思っています。 ―― そういえば可愛らしい絵柄なのに、あまり関連グッズを見かけなかったような……。 石山 そうなんですよ。事前に作って、在庫を抱えてしまうというのも、今はなかなかできませんから。ただ、2期ではECサイトなんかも作って、色々なグッズを皆さんにお届けできればいいなと思っています。 ―― 放送開始前はわからなかった、この辺にボールを投げればいいんだというところを大分掴んできたということですね。 石山 意外と放送前の予想からブレていませんでした。まずはやっぱり重野さんファン、歴史ファンが一番で、あと「京まふ」(「京都国際マンガ・アニメフェア」。16年9月17、18日開催)でも感じていましたが、水瀬さんというか、千鳥ファンも多いです。あとなんと言うか……信長たちには賞味期限がないじゃないですか。 ―― ないですね。肖像権もありませんし。 石山 戦国武将たちそのものが持つ魅力も強いわけです。千鳥や助蔵といった『信長の忍び』オリジナルキャラ、歴史的な記述が少ない帰蝶なんかはかなり自由に動かしていますが、重野さんが描かれる戦国武将は、歴史好きから見てもしっかり描かれているのに、キャラクターとしてとっつきやすい。だから岐阜城などとしっかりタイアップしつつ、TVアニメも3年5年と長く続けていって、キャラをしっかりと根付かせることができればと思っています。 ―― 歴史をしっかり抑えているのは、『信長の忍び』のすごいところですよね。 石山 そうですね、各キャラクターを面白おかしく描いていますが、実はほぼ歴史は曲げてないというところが評価されていますし。織田信長を取り扱った小説にだって、記述がないようなキャラクターもしっかり抑えていますからね。  そういう『信長の忍び』なら、オフィシャル的な動きにも参加できると考えています。たとえば今年2017年は岐阜で「岐阜市信長公450プロジェクト」が立ち上がって盛り上がっていますが、そういった動きにも参加できると思うんです。残念ながら「岐阜市信長公450プロジェクト」には、時期的に『信長の忍び』は準備が整えられなくて参加できなかったんですが(※「450プロジェクト」は1567年の織田信長の岐阜城・入城から450周年を迎えることを記念したプロジェクト)。  ただ、『信長の忍び』は2クールも放送してきて、さらに今後もさらに続きますから、そういった交渉もしやすくなりました。色んな形で『信長の忍び』を目にしていただく機会も増えると思います。
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常に3人セットで登場する美濃三人衆
―― 岐阜県は『君の名は。』の飛騨市、『聲の形』の大垣市もありますし、アニメに対しても理解がありそうですね。 石山 ありますね。それに紙上だけのものではなく、すでにキャラクターが動いて話すTVアニメがあるのも大きかったと思います。岐阜市の方とかにも説明しやすかったですね。それに『信長の忍び』のキャラクターデザインは可愛いは可愛いんですけど、萌え萌えな美少女美少年というデザインではないので、そういった意味でも相性がいいかなと思います。  いずれ、岐阜周辺ではイベントもぜひ開催しみたいですし、そこにはお膝元ですから落合福嗣さん(今川氏真、安藤守就役ほか)にも登場してもらえたらな、と思っているんですよ。愛知や岐阜県ではやっぱり知名度が高いですから(笑)。 ―― 知名度抜きにしても、ああいう太いタイプの声質の声優さんは、若手では意外と少ないタイプと思いますから貴重ですよね。 石山 そうなんですよ。それに実は芸達者で。今、「美濃三人衆」を演じていただいていますが、2期で登場する「三好三人衆」も、同じ3人に演じてもらうことになってまして(森嶋秀太、高橋伸也)。これがまたかなり楽しい感じで演じてくれましたし、この3人にはいろんなキャラを演じてもらっていますので、楽しみにしていただければと思います。 ■パッケージ売り上げだけに頼らない多様なスタイルを作りたい ―― DVD同梱版単行本やタイアップされた主題歌も好評で、2期制作も決定。今後グッズや宣伝も力を入れられるということで、うまく回り始めているように見えますが……。 石山 でも、実はまだ目標の数字には届いてないんです。DVDだけでは回収できていなくて、これからの作業になるんです。『信長の忍び』でちょっと新しいビジネススタイルを、何か作れればいいなとは思っています。このDVD同梱版単行本というのも、TVシリーズを同梱で収録するというのはなかなか珍しい形態だと思いますし。 ―― TV放送後、新しくOVAを製作して、それを原作コミックに同梱するというのは、ちょいちょいありますけど。ただ、原作コミックではないですけど、今クールで人気がえらいことになっている『けものフレンズ』も普通にDVDをリリースするのではなく、オフィシャルブックにBlu-rayを同梱するということをやられていて。個人的に興味を持っている放送中の2作品が同じようなことを新しくやられているのが面白いなと思いまして。 石山 全然示し合わせたわけでもないんですけど、そういう偶然が起きることってありますよね。ただ『信長の忍び』は5分アニメだからできることではあるんですけど。  5分アニメは、アニメそのもので収益を得るのではなく、原作のゲームであったりコミックの宣伝のために制作するというケースも多いと思いますが、5分アニメでもそこから脱したいというか、『信長の忍び』という作品ならそれができると思いますから。もっともっといろいろなことをやって、一つのモデルケースにすることができればと。 ―― 5分アニメでもしっかり、内容があるものを制作して、ちゃんと収益を得ることができるスタイルを確立したいと。 石山 それが一番いいですからね。というのも昨今は、30分・13本のアニメでも提供費、製作費を集めるのはすごく大変なんですよ。あとは全国で放送するというのはすごく強いことなのですが、それにはやはり相当なお金を使わないといけない。  そこまでやって、回収できるかっていったら、皆が皆できるわけでありませんから。ではどうするかという時、やっぱり短い尺で、ネットも駆使しつつ、キー局は抑えてという売り方でどこまでもっていけるか。これが現状では、一つ可能性があるスタイルなのかなと思うんです。30分のTVアニメ単体で直ぐに黒字になる作品なんて、1クールごとに始まる新作の中で、多分1割あるかどうかだと思うんですよ。 ―― オリコンのBD、DVDの売り上げなどを見ても5千、1万本を越えるような作品は1クールに数本ぐらいですよね。 石山 パッケージよりも、基本今はもう配信と海外番販(番組販売)なんです。もちろん、作品によって違いはあるんですけど、基本はそこになりつつあって、パッケージだけでは、もうなかなか戦えないんですよね。番販だとかなり高額で売れるケースもありますし、買い取りですから結果もすぐに出ます。最近はそっちに寄り始めているケースが増えているんですが、『信長の忍び』で苦労したところは、“5分枠”がなかったんですよ(笑)。 ―― なるほど、5分という配信・放送枠のやり取りがそもそも少なかったと。 石山 国内番販が特に少ないですね、テレビ局で5分枠を扱っているところがなかなか少ないのと、あと配信も意外となかったんですよ。 ―― あんなに多数の5分アニメを放送するのはTOKYO MXさんぐらいだったりとか? 石山 MXさんぐらいかもしれませんね。他地方になると5分枠になるとど深夜、愛知での放送は27時20分ですから。 ―― 深夜というか、もう明け方ですね……。 石山 明け方ですよね(笑)。でも視聴率は1%前後なんですよ、いつも。意外に見ていただけることはあるので、そこはかなりうれしいんですけど、やっぱり実際には5分枠の国内番販は、配信も含めてかなり厳しかったんです。でも当初は無料配信という形もあったんですけど、徐々に伸びてくれて。 ―― ネットでアニメを見るって時には、短い尺の方が相性は良さそうな感じもするんですけどね。 石山 ところが、配信もここ何年かで定着してきたばかりですから、5分アニメの枠が少なくて。僕らが『信長の忍び』を営業したのは、去年の5、6月でしたが、今はまだちょっと……という配信元さんが多かったんです。結果的にU-NEXTさんをはじめいろんなサイトさんで配信してもらっていますが、当初はままならなかったですね。 ■少数精鋭だからこそ作れる“小さな大河ドラマ”を、本能寺まで! ―― 制作スタッフさんたちも、すんなりと2期制作に取り掛かれたものですか? 石山 ずっと「2期は絶対やるから」と言っていましたから。ほぼ空白を挟まず、作業に入っていただいています。大地監督とはもう一つ別の作品もご一緒しておりまして、絵コンテインは2月からでしたが(笑)。きついことはきついでんですけど、無理ではないレベルというか。もうチームは出来上がっていたのが大きいです。5分アニメでスタッフ数は少ないけど、その分、腕達者な方に国内限定で集まっていただくと。  ここはこう作りたい、ああしたいという部分を、グロスでご依頼するスタジオさん含めて、作画さんから動画さんから仕上げさんまで、皆さんが理解してやっていただいていると感じてます。意思統一として、ちゃんと作ってもらえるっていうのが効果的だったと思います。指示の齟齬なんかも出づらいですからね。 ―― 少人数ならではの強みですね。 石山 そうですね。それにこの作品のためにっていう……もちろん同時進行で他作品も皆さんやっているんですけど、この作品をまかされたという意識がスタッフさんがたの中で生まれるというのもあると思います。そういう相乗効果がクオリティにつながっているんじゃないかなと。 ―― ネット上でファンの感想を見ていたら、ショートアニメで、現状グッズもあまり出してない、なのに声優は豪華、画も崩れない。この作品は予算があるのかないのか、よくわかんないというのがあったんですが(笑)。 石山 実際にはそれほどないんですよ(笑)。いや、通常の5分アニメよりは少し多めかもしれません。ただ、キャストさんといいスタッフといい、この人たちで作って放送するのには結構ギリギリなレベルなんです。音楽もかなりお金使っていますし……。  ただ、これは先ほども触れましたし、大地監督も他誌さんのインタビューで言っておられたんですけど、小さな大河ドラマを作りたいというのがあるんですよ、最高の5分アニメを作りたいなって思ったんです。5分アニメでもこのくらいのものができるってことを出したかったという挑戦ですね。
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TV第1期シリーズ後期のOPより。
―― そういった思いが、前期も後期でもやたらと格好いいOPに出ているわけですね。 石山 そうですね。OP動画はひとつのチームの方にやってもらってるんですよ。大島りえさんが絵コンテや原画を、遊佐かずしげさんがデジタルコンポジットというチームにお願いしています。『信長の忍び』の世界観をかなり深く理解してくださってますから。大地監督から大まかなイメージを伝えてもらって、あとはほぼもうお任せですが、いいものを仕上げていただいて、本当に感謝してます。  あとこれも以前のインタビューでお伝えしたかもしれないですけど、我々は主要キャラでも死を迎えるドラマから逃げないぞ、というところをOPから伝えなければいけないと思っていましたから。 ―― 特に1期のクライマックスからどんどんそのシリアスさ、ハードさが増していくわけですもんね。 石山 2期なんてほとんど合戦――織田家は四方八方が敵となり、合戦シーンが連続することになります。特に北畠家との戦いで千鳥の一対一でバトルもあって、かなり盛り上がると思いますし、金ヶ崎の戦いという、桶狭間にも並ぶような有名な合戦もあれば、戦国時代を代表するような有名武将がどんどん出てきますから、期待してほしいです。 ―― 織田家にピンチがどんどんやってきますし、結構ダークなところも出てきます。 石山 そういうところで女性陣、寧々や特に帰蝶なんかは重要な役回りを担います。信長がダークサイドに落ちそうなところを、帰蝶のああいうキャラクター性で救うみたいなところもありますから。
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この信長はどうやって、そしてどこまで描かれるのか。期待したい
―― そういったところ、信長を主人公に据えた物語で、みんながいろんな解釈でいろんな物語を描いているので、見比べるのも非常に楽しいですよね。 石山 そうですね、物語の数だけ信長像があると思いますが、重野さんが描く信長像はやはり魅力的だと思うんですよ。歴史ファンとしてこうだったらいいなっていうところを、あんまり甘すぎない程度に描かれているというか。重野さんが今後、伊賀攻めや伊勢・長島攻め、そして本能寺をどう描くんだろうというのは、すごく楽しみですし。 ―― ただ、思い入れも出きてきて、本能寺の信長と千鳥を見たいけど見たくないような気持ちにもなりつつあるんですが……。 石山 アニメ1期の最後のほうで、もちろん原作コミックでも千鳥が「信長様が、こういう方だったというのを伝えたい」といったセリフがあるんです。個人的な解釈ですが、あのセリフが最後に生かされるんじゃないかなと思っているんですけど……。  僕らの中では最後まで、本能寺の変までやりたいという野望があります。制作スタッフとしてはもう全員がやる気でいるんですが、それにはビジネス側の頑張りにかかっている部分も大きいですから。何とか実現できるように、両方をしっかりと頑張っていきたいです。 ■TVアニメ『信長の忍び~伊勢・金ヶ崎篇~』 ・公式サイト:http://nobunaga-no-shinobi.com/ ・公式Twitter:‎@shinobinobunaga ・放送情報  第1期シリーズ最終話が3月28日(火)より放送・配信開始  TOKYO MX 3月28日(火)21時55分~  テレビ愛知 4月1日(土)深夜27時20分~   ・TVアニメ第2期シリーズ4月7日より放送・配信開始  TOKYO MX 4月7日(金)深夜25時35分~  テレビ愛知 4月8日(土)深夜27時20分~  KBS京都:4月5日より毎週水曜25:00~(※第1期より放送) ・配信情報  U-NEXT 4月7日(金)より 毎週金曜25時35分~   アニメ放題、楽天SHOWTIME、ひかりTV、ビデオマーケット、ニコニコチャンネル、GYAO!、TSUTAYA TVなど、  各配信サイトでも随時配信  月1での配信 ニコニコ生放、dアニメストア、J:COMなど (C)重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会

祝・2期放送決定!『信長の忍び』の制作から販売&配信まで、丸ごと石山桂一PDインタビュー!!

 西暦1555年、戦国の世において「乱世を終わらせる!」という夢を抱いた青年・織田信長。彼のでっかい夢に魅せられた、とある少女は「私、信長様の忍びになります!!」と、彼とともに生きることを決意する――可愛くてコミカルなストーリーとテンポの良いギャグで人気マンガの『信長の忍び』(重野なおき/白泉社)。  昨年10月から放送開始となったTVアニメも好評を博し、2クールの放送が終了する前から第2期シリーズの制作が決定! さらに空白期間を置かず、4月7日から早くも第2期シリーズが放送開始となる。  このイケイケな姿勢について、放送前にもインタビュー記事に登場していただいた石山桂一プロデューサーを直撃!(記事参照) 第2期シリーズの見どころから宣伝、お金に関することまで、丸ごといろいろ聞いてみた。
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(C)重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会
■続編を制作するためのPDが用意した手法の数々は ―― TVアニメ第2期の制作が、2月24日に公式サイトやTwitterで発表されました。かなり早いタイミングでの発表だと思うのですが、あらかじめ決まっていたことなんですか? それとも1期放送中にかなり頑張られた結果なのでしょうか? 石山桂一プロデューサー(以下、「石山」) どちらかというと後者ですね。もちろん、当初の予定としてまるでないというわけではないのですが、初動=第0、1話を配信・放送してみた反応――内容的に続けてやっていけば、もっともっと広がっていく作品であるという反応をいただけて。また、これは以前、インタビューしてもらった際にも触れましたが、僕らの中では『信長の忍び』を“大河ドラマ”にしたいと思っていましたから。それにはやはり、時間を開けたくなかったんです。  ただ当初は26話で終わる予定でしたから。続けるためにはどうするかっていったら、やっぱり数字しかないんです。その数字をしっかり見せるためにどうしようと考えたときに、早めの段階で原作コミックに、DVD同梱版を作ろうと考えたんです。昨今、単発のDVD、BDBlu-ray(以下、「BD」)の数字は伸びないですし(※原作単行本11巻にて、TVアニメDVDつき初回限定版が発売されることに)。 ―― 苦戦されている作品が多いですよね。 石山 ですから、普通にBDやDVDをリリースした時の数字でプレゼンしても通らないだろう、通すための数字を出したい――ということで、白泉社さんにもご協力していただいて、1クール分をアニメ1巻にまとめて、同梱版とさせていただきたいというお話はさせていただいて。これがまた発売時期、予約の時期もちょうど良かったんです。 ―― 16年10月からTVアニメ放送開始、DVD同梱版の予約が12月中旬まで、発売が17年2月末でした。 石山 受注生産ですから、具体的な数字がすぐ出るんですよね。DVD同梱版の単行本の数字を見て、2期をどうするかジャッジするという体制をあらかじめ整えたんです。  昨年8月くらいの時点で、ある程度白泉社さんに話していたんです。昨今のこの業界では、よほどのビックタイトルか、イベントの優先抽選券などを用意しないと、なかなかDVDの数字が動かない。今後はイベントもやっていく予定ですが、昨年8月の段階ではこの作品に、どんなお客さんがついてくれるのか予測しきれない部分もあって。
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基本ボケだが、極稀に凛としたところも見せてくれる帰蝶
―― 歴史小説や重野なおき先生の作品が好きという人以外のファン層がどうかと。 石山 そうなんです、重野さんファン、歴史ファンは応援してくれるだろうとは思っていたんです。ただ、それ以外はどんな人が見てくれるのかが読めなくて。 ―― DVDをコミック同梱版という形で出す準備をされつつ、加えて実際にTVアニメ第1話、2話を放送してみて、その時の手応え次第で(2期放送への)ゴーサインを出す、となっていたんですね。 石山 そうです。深夜のTVアニメ放送は視聴率が出ないケースもありますが、ネット配信では動画が再生された数字が出ますよね。そういった数字も、プレゼンの対象になります。そういった社内で読み取れる全数字、先ほどの同梱版単行本の数字もあわせて、プレゼンして2期制作が決まって。1月上旬にあった最終話のアフレコ時に、キャストさんがたにもお伝えできました。 ―― 水瀬いのりさん、羽多野渉さん……これだけのメンツですから、キャストさんがたのスケジュールを抑えるのも大変そうです。 石山 皆さん、人気の方ばかりなのでかなりスケジュールは埋まっていて。ただ、この作品が続くのがうれしかったみたいで、すごいいい反応をしてくれたんですよ。昨今、1クールや2クール、キャラに馴染んできたかな、というところで終わってしまう作品が多い中で、2クールやってきて、さらに今後も作品が続く。継続していく作品というのは、キャラへの思いも強くなりますしキャストさんたちもスケジュール調整も前向きに取り組んでいただけています。  1期はかなり早めの段階でキャスティングを固めていたので、いわゆる抜き録り(アフレコ現場に出られなかったキャストの音声を個別に収録すること)がほとんどなかったんです。2期に関してはさすがに急だったのもあって、それでも今のところ、ほんの数回程度の抜き撮りでいけそうです。ただ、今後さらに3期以降も続けられるのなら、もっと早めに言っとかないと、と思いますが。  ただ、山口勝平さん(秀吉役)だけは這ってでも来てくれるだろうなと(笑)。みなさん、“忍び愛”がすごい方たちが多いんですけど、勝平さんはとりわけ大好きですから。実はキャスティングを固めていく際、勝平さんにアドバイスをいただいたんですよ。もちろんメインどころに関しては重野先生や大地丙太郎監督からのご指名を優先していきましたけど、勝平さんと雑談しながら決めさせていただいたところもありますね。 ―― その結果、若手、ベテラン、中堅が入り混ざったキャスティングとなりましたが、収録現場の雰囲気がいかがですか? 石山 これがすごくいいんです。大体の作品は主人公の方が座長を務める事になるのですが大御所ばかりの現場という事もあり勝平さん、たかはし智秋さん(帰蝶役)が演技の上でも、収録現場のムードメーカーとしても活躍してくださっています、あと収録後の飲みでも(笑)。  そういった現場のムード作りは大地監督もさすがに上手ですから。第1話からいい感じでチームになっていて、水瀬さんも先輩だらけですけど、スッと入っていけたと思います。 ■お膝元・岐阜城とのタイアップも今後はさらに強固に ―― 話をちょっと戻しますが、無事2期につながったということは、DVD同梱版のコミックの予約受注数の数字はかなり良かったということですか? 石山 そうですね、はい、おかげ様で。通常、大体1割ぐらいらしいんですよ、同梱版の予約本数というのは。たとえば1万部発行しているコミックであればDVD同梱版は1,000部ぐらいであると。ところが2~3割ぐらいの数字が出たんですよね。普段、『信長の忍び』のコミックは6、7万部ぐらい発行されていますから……。 ―― 1万枚以上も売れているじゃないですか!  石山 ありがとうございます。『信長の忍び』はサイズや価格が手ごろだったんだと思います。5分枠のアニメですから13話収録といっても、1時間以内で収められますし。うまく2期への足がかりを作ることができた取り組みだと思うんですが、ただ、僕の中で1期ではやり残してしまったなと考えているのが宣伝なんです。  今後2期ではそこに力を入れたいなと思っています、イベントや上映会、あとは地方とのタイアップですね。現在、岐阜城とタイアップを進めています、やはりご当地感を広めたいですし。あと商品化、グッズの制作も2期からは進めていければと思っています。 ―― そういえば可愛らしい絵柄なのに、あまり関連グッズを見かけなかったような……。 石山 そうなんですよ。事前に作って、在庫を抱えてしまうというのも、今はなかなかできませんから。ただ、2期ではECサイトなんかも作って、色々なグッズを皆さんにお届けできればいいなと思っています。 ―― 放送開始前はわからなかった、この辺にボールを投げればいいんだというところを大分掴んできたということですね。 石山 意外と放送前の予想からブレていませんでした。まずはやっぱり重野さんファン、歴史ファンが一番で、あと「京まふ」(「京都国際マンガ・アニメフェア」。16年9月17、18日開催)でも感じていましたが、水瀬さんというか、千鳥ファンも多いです。あとなんと言うか……信長たちには賞味期限がないじゃないですか。 ―― ないですね。肖像権もありませんし。 石山 戦国武将たちそのものが持つ魅力も強いわけです。千鳥や助蔵といった『信長の忍び』オリジナルキャラ、歴史的な記述が少ない帰蝶なんかはかなり自由に動かしていますが、重野さんが描かれる戦国武将は、歴史好きから見てもしっかり描かれているのに、キャラクターとしてとっつきやすい。だから岐阜城などとしっかりタイアップしつつ、TVアニメも3年5年と長く続けていって、キャラをしっかりと根付かせることができればと思っています。 ―― 歴史をしっかり抑えているのは、『信長の忍び』のすごいところですよね。 石山 そうですね、各キャラクターを面白おかしく描いていますが、実はほぼ歴史は曲げてないというところが評価されていますし。織田信長を取り扱った小説にだって、記述がないようなキャラクターもしっかり抑えていますからね。  そういう『信長の忍び』なら、オフィシャル的な動きにも参加できると考えています。たとえば今年2017年は岐阜で「岐阜市信長公450プロジェクト」が立ち上がって盛り上がっていますが、そういった動きにも参加できると思うんです。残念ながら「岐阜市信長公450プロジェクト」には、時期的に『信長の忍び』は準備が整えられなくて参加できなかったんですが(※「450プロジェクト」は1567年の織田信長の岐阜城・入城から450周年を迎えることを記念したプロジェクト)。  ただ、『信長の忍び』は2クールも放送してきて、さらに今後もさらに続きますから、そういった交渉もしやすくなりました。色んな形で『信長の忍び』を目にしていただく機会も増えると思います。
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常に3人セットで登場する美濃三人衆
―― 岐阜県は『君の名は。』の飛騨市、『聲の形』の大垣市もありますし、アニメに対しても理解がありそうですね。 石山 ありますね。それに紙上だけのものではなく、すでにキャラクターが動いて話すTVアニメがあるのも大きかったと思います。岐阜市の方とかにも説明しやすかったですね。それに『信長の忍び』のキャラクターデザインは可愛いは可愛いんですけど、萌え萌えな美少女美少年というデザインではないので、そういった意味でも相性がいいかなと思います。  いずれ、岐阜周辺ではイベントもぜひ開催しみたいですし、そこにはお膝元ですから落合福嗣さん(今川氏真、安藤守就役ほか)にも登場してもらえたらな、と思っているんですよ。愛知や岐阜県ではやっぱり知名度が高いですから(笑)。 ―― 知名度抜きにしても、ああいう太いタイプの声質の声優さんは、若手では意外と少ないタイプと思いますから貴重ですよね。 石山 そうなんですよ。それに実は芸達者で。今、「美濃三人衆」を演じていただいていますが、2期で登場する「三好三人衆」も、同じ3人に演じてもらうことになってまして(森嶋秀太、高橋伸也)。これがまたかなり楽しい感じで演じてくれましたし、この3人にはいろんなキャラを演じてもらっていますので、楽しみにしていただければと思います。 ■パッケージ売り上げだけに頼らない多様なスタイルを作りたい ―― DVD同梱版単行本やタイアップされた主題歌も好評で、2期制作も決定。今後グッズや宣伝も力を入れられるということで、うまく回り始めているように見えますが……。 石山 でも、実はまだ目標の数字には届いてないんです。DVDだけでは回収できていなくて、これからの作業になるんです。『信長の忍び』でちょっと新しいビジネススタイルを、何か作れればいいなとは思っています。このDVD同梱版単行本というのも、TVシリーズを同梱で収録するというのはなかなか珍しい形態だと思いますし。 ―― TV放送後、新しくOVAを製作して、それを原作コミックに同梱するというのは、ちょいちょいありますけど。ただ、原作コミックではないですけど、今クールで人気がえらいことになっている『けものフレンズ』も普通にDVDをリリースするのではなく、オフィシャルブックにBlu-rayを同梱するということをやられていて。個人的に興味を持っている放送中の2作品が同じようなことを新しくやられているのが面白いなと思いまして。 石山 全然示し合わせたわけでもないんですけど、そういう偶然が起きることってありますよね。ただ『信長の忍び』は5分アニメだからできることではあるんですけど。  5分アニメは、アニメそのもので収益を得るのではなく、原作のゲームであったりコミックの宣伝のために制作するというケースも多いと思いますが、5分アニメでもそこから脱したいというか、『信長の忍び』という作品ならそれができると思いますから。もっともっといろいろなことをやって、一つのモデルケースにすることができればと。 ―― 5分アニメでもしっかり、内容があるものを制作して、ちゃんと収益を得ることができるスタイルを確立したいと。 石山 それが一番いいですからね。というのも昨今は、30分・13本のアニメでも提供費、製作費を集めるのはすごく大変なんですよ。あとは全国で放送するというのはすごく強いことなのですが、それにはやはり相当なお金を使わないといけない。  そこまでやって、回収できるかっていったら、皆が皆できるわけでありませんから。ではどうするかという時、やっぱり短い尺で、ネットも駆使しつつ、キー局は抑えてという売り方でどこまでもっていけるか。これが現状では、一つ可能性があるスタイルなのかなと思うんです。30分のTVアニメ単体で直ぐに黒字になる作品なんて、1クールごとに始まる新作の中で、多分1割あるかどうかだと思うんですよ。 ―― オリコンのBD、DVDの売り上げなどを見ても5千、1万本を越えるような作品は1クールに数本ぐらいですよね。 石山 パッケージよりも、基本今はもう配信と海外番販(番組販売)なんです。もちろん、作品によって違いはあるんですけど、基本はそこになりつつあって、パッケージだけでは、もうなかなか戦えないんですよね。番販だとかなり高額で売れるケースもありますし、買い取りですから結果もすぐに出ます。最近はそっちに寄り始めているケースが増えているんですが、『信長の忍び』で苦労したところは、“5分枠”がなかったんですよ(笑)。 ―― なるほど、5分という配信・放送枠のやり取りがそもそも少なかったと。 石山 国内番販が特に少ないですね、テレビ局で5分枠を扱っているところがなかなか少ないのと、あと配信も意外となかったんですよ。 ―― あんなに多数の5分アニメを放送するのはTOKYO MXさんぐらいだったりとか? 石山 MXさんぐらいかもしれませんね。他地方になると5分枠になるとど深夜、愛知での放送は27時20分ですから。 ―― 深夜というか、もう明け方ですね……。 石山 明け方ですよね(笑)。でも視聴率は1%前後なんですよ、いつも。意外に見ていただけることはあるので、そこはかなりうれしいんですけど、やっぱり実際には5分枠の国内番販は、配信も含めてかなり厳しかったんです。でも当初は無料配信という形もあったんですけど、徐々に伸びてくれて。 ―― ネットでアニメを見るって時には、短い尺の方が相性は良さそうな感じもするんですけどね。 石山 ところが、配信もここ何年かで定着してきたばかりですから、5分アニメの枠が少なくて。僕らが『信長の忍び』を営業したのは、去年の5、6月でしたが、今はまだちょっと……という配信元さんが多かったんです。結果的にU-NEXTさんをはじめいろんなサイトさんで配信してもらっていますが、当初はままならなかったですね。 ■少数精鋭だからこそ作れる“小さな大河ドラマ”を、本能寺まで! ―― 制作スタッフさんたちも、すんなりと2期制作に取り掛かれたものですか? 石山 ずっと「2期は絶対やるから」と言っていましたから。ほぼ空白を挟まず、作業に入っていただいています。大地監督とはもう一つ別の作品もご一緒しておりまして、絵コンテインは2月からでしたが(笑)。きついことはきついでんですけど、無理ではないレベルというか。もうチームは出来上がっていたのが大きいです。5分アニメでスタッフ数は少ないけど、その分、腕達者な方に国内限定で集まっていただくと。  ここはこう作りたい、ああしたいという部分を、グロスでご依頼するスタジオさん含めて、作画さんから動画さんから仕上げさんまで、皆さんが理解してやっていただいていると感じてます。意思統一として、ちゃんと作ってもらえるっていうのが効果的だったと思います。指示の齟齬なんかも出づらいですからね。 ―― 少人数ならではの強みですね。 石山 そうですね。それにこの作品のためにっていう……もちろん同時進行で他作品も皆さんやっているんですけど、この作品をまかされたという意識がスタッフさんがたの中で生まれるというのもあると思います。そういう相乗効果がクオリティにつながっているんじゃないかなと。 ―― ネット上でファンの感想を見ていたら、ショートアニメで、現状グッズもあまり出してない、なのに声優は豪華、画も崩れない。この作品は予算があるのかないのか、よくわかんないというのがあったんですが(笑)。 石山 実際にはそれほどないんですよ(笑)。いや、通常の5分アニメよりは少し多めかもしれません。ただ、キャストさんといいスタッフといい、この人たちで作って放送するのには結構ギリギリなレベルなんです。音楽もかなりお金使っていますし……。  ただ、これは先ほども触れましたし、大地監督も他誌さんのインタビューで言っておられたんですけど、小さな大河ドラマを作りたいというのがあるんですよ、最高の5分アニメを作りたいなって思ったんです。5分アニメでもこのくらいのものができるってことを出したかったという挑戦ですね。
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TV第1期シリーズ後期のOPより。
―― そういった思いが、前期も後期でもやたらと格好いいOPに出ているわけですね。 石山 そうですね。OP動画はひとつのチームの方にやってもらってるんですよ。大島りえさんが絵コンテや原画を、遊佐かずしげさんがデジタルコンポジットというチームにお願いしています。『信長の忍び』の世界観をかなり深く理解してくださってますから。大地監督から大まかなイメージを伝えてもらって、あとはほぼもうお任せですが、いいものを仕上げていただいて、本当に感謝してます。  あとこれも以前のインタビューでお伝えしたかもしれないですけど、我々は主要キャラでも死を迎えるドラマから逃げないぞ、というところをOPから伝えなければいけないと思っていましたから。 ―― 特に1期のクライマックスからどんどんそのシリアスさ、ハードさが増していくわけですもんね。 石山 2期なんてほとんど合戦――織田家は四方八方が敵となり、合戦シーンが連続することになります。特に北畠家との戦いで千鳥の一対一でバトルもあって、かなり盛り上がると思いますし、金ヶ崎の戦いという、桶狭間にも並ぶような有名な合戦もあれば、戦国時代を代表するような有名武将がどんどん出てきますから、期待してほしいです。 ―― 織田家にピンチがどんどんやってきますし、結構ダークなところも出てきます。 石山 そういうところで女性陣、寧々や特に帰蝶なんかは重要な役回りを担います。信長がダークサイドに落ちそうなところを、帰蝶のああいうキャラクター性で救うみたいなところもありますから。
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この信長はどうやって、そしてどこまで描かれるのか。期待したい
―― そういったところ、信長を主人公に据えた物語で、みんながいろんな解釈でいろんな物語を描いているので、見比べるのも非常に楽しいですよね。 石山 そうですね、物語の数だけ信長像があると思いますが、重野さんが描く信長像はやはり魅力的だと思うんですよ。歴史ファンとしてこうだったらいいなっていうところを、あんまり甘すぎない程度に描かれているというか。重野さんが今後、伊賀攻めや伊勢・長島攻め、そして本能寺をどう描くんだろうというのは、すごく楽しみですし。 ―― ただ、思い入れも出きてきて、本能寺の信長と千鳥を見たいけど見たくないような気持ちにもなりつつあるんですが……。 石山 アニメ1期の最後のほうで、もちろん原作コミックでも千鳥が「信長様が、こういう方だったというのを伝えたい」といったセリフがあるんです。個人的な解釈ですが、あのセリフが最後に生かされるんじゃないかなと思っているんですけど……。  僕らの中では最後まで、本能寺の変までやりたいという野望があります。制作スタッフとしてはもう全員がやる気でいるんですが、それにはビジネス側の頑張りにかかっている部分も大きいですから。何とか実現できるように、両方をしっかりと頑張っていきたいです。 ■TVアニメ『信長の忍び~伊勢・金ヶ崎篇~』 ・公式サイト:http://nobunaga-no-shinobi.com/ ・公式Twitter:‎@shinobinobunaga ・放送情報  第1期シリーズ最終話が3月28日(火)より放送・配信開始  TOKYO MX 3月28日(火)21時55分~  テレビ愛知 4月1日(土)深夜27時20分~   ・TVアニメ第2期シリーズ4月7日より放送・配信開始  TOKYO MX 4月7日(金)深夜25時35分~  テレビ愛知 4月8日(土)深夜27時20分~  KBS京都:4月5日より毎週水曜25:00~(※第1期より放送) ・配信情報  U-NEXT 4月7日(金)より 毎週金曜25時35分~   アニメ放題、楽天SHOWTIME、ひかりTV、ビデオマーケット、ニコニコチャンネル、GYAO!、TSUTAYA TVなど、  各配信サイトでも随時配信  月1での配信 ニコニコ生放、dアニメストア、J:COMなど (C)重野なおき/白泉社・信長の忍び弐部製作委員会

デビュー40周年!“アニソン界のプリンス”影山ヒロノブの「衝撃を受けたアーティスト」と「続けられた理由」

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デビュー40周年を迎える影山ヒロノブ
『ドラゴンボールZ』(フジテレビ系)の主題歌「CHA-LA HEAD-CHA-LA」、『電撃戦隊チェンジマン』(テレビ朝日系)などのスーパー戦隊シリーズ、アニメソングの第一線で活躍してきた“アニソン界のプリンス”こと影山ヒロノブが今年、デビュー40周年を迎える。  この40年間、影山はアーティストとして、アニソンの魂を伝えんと、遠藤正明や奥井雅美らと共に「JAM Project」としても活動。また、アニソン系情報番組のはしりともいえるCS・キッズステーションの番組『アニぱら音楽館』には2001年以来、出演を続けている(1999年より放送の現番組の前身となる『アニメぱらだいす』内、コーナー番組時代から出演)。今年5月7日には、スペシャルライブ『アニぱら音楽館~KAGEYA-MATSURI~』も開催される。  そんな影山のメジャーデビューは1977年、ロックバンド「LAZY」のボーカリストとしてであった。以来40年間にわたって、走り続けてくることができた理由を知るべく、話を聞いた。  * * * ──まずは、最初の音楽との出会いをお伺いしてよろしいですか? 影山 最初は、小学校6年のときです。クラスメイトと高崎晃(注:LAZYのギタリスト。後にメタルバンド「LOUDNESS」を結成し、世界的なギタリストとなった)くんと一緒にフォークソングをやったのが始まりですね。 ──最初はロックではなく、フォークだったんですね。 影山 当時はフォークが流行っていたんです。それに、そもそも子どもにはエレキを手にするのが難しかったんですよ。 ──なるほど。フォークギターは持っていたのですか? 影山 いや、持っていなかったです。高崎君だけ、お兄ちゃんとお姉ちゃんがいて、家に楽器があったんですけど、ボクや友達はアルバイトして、1万円台のアコギを買いましたね。 ──小学校6年生でバイトですか。そのときは、なんのアルバイトを? 影山 ボクは、家の近所の小さい時から知ってる八百屋さんの配達をやりましたね……と、ここから、話しているとメッチャ長くなりますよ~。 ──そうですね。では、少し飛ばして。高崎さんらとLAZYを結成して、そこからスカウトされ、メジャーデビューに至った。 影山 高校1年生のときに『ハロー・ヤング』(朝日放送)という番組で。この番組には週に一回、アマチュアが出ることができるコーナーがあったんです。そこに出演したときに、司会をしていたかまやつひろしさんから「東京でやらないか!!」と声をかけていただきまして、そこからデビューに至りました。
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──LAZYはアイドルロックバンドという形だったと思いますが、今思い返すと、どういう時代だったのでしょうか。 影山 かまやつさんは、ロックやろうぜ、という気持ちで東京に呼んでくれたんです。けれども、実際にボクたちを動かすレコード会社やプロデューサーは和製「ベイ・シティー・ローラーズ(スコットランド出身の世界的アイドルロックバンド)」をつくりたいと考えていました。  それは、ボクらが思い描いていた形とは違うスタイルでした、でも、大阪から出てきて、とにかく成功しなきゃ始まらないということは自分たちでもわかっていた。まずは、売れることを第一に考えようということで、アイドルっぽい曲を演奏していました。 ──当初から、ロックをやりたいという思いが強かったと思うのですが、そこからアニソンを歌うことになった経緯は? 影山 LAZYは、4年間の活動の後に、1980年に解散しました。その後ソロになったのですが、鳴かず飛ばずで……。レコード会社やプロダクションをたらい回しになった時期がありました。  そんな時期もあって、ようやく落ち着いた頃に、日本コロムビアの学芸部の方が『電撃戦隊チェンジマン』の主題歌で声をかけてくれたんです。 ──なぜ、影山さんに声をかけたのでしょう? 影山 これは、自分の推測なんですが、それまでのアニソン歌手というのは、ロックシンガーじゃないんですよね。やっぱり、水木一郎さんとか、ささきいさおさんなど、もっと悠々と歌うスタイルのポピュラーシンガーがアニソンを歌っていました。  でも、80年代も中盤になるとエンターテインメントシーンは変化していて、若い人の聴く音楽はロックばかりになっていた。そこでアニソンも、ぼちぼちロックだろうという思惑もあって、声をかけてくたんだろうと思います。  当時は、日本のアニメや特撮とかの技術が進歩して、リアルで迫力のある作品が増えていく過渡期でした。そういう作品に合うのは、スピード感に優れたロックしかないと考えていたのではないでしょうか。
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──ソロになった頃、やりたいと考えたものにアニソンはマッチしていたんでしょうか? 影山 ソロになって、ボクは自分でも悩みながら曲をつくってライブをしていたのです。だから、アニソンが好みとかどうかなんて、そもそも考えられる状況じゃなかった。久々の自分を必要としてくれた人からの仕事の依頼だったから、なんとしても、その人の期待に応えたい! その一心でした。  * * *  その後、アニメソングシンガーの第一人者としてキャリアを重ねていった影山だが、多くの人との出会いの中で、その歩みを進めてきた。  * * * ──40年間の活動の中で、印象に残っているミュージシャンはいらっしゃいますか。 影山 まずは、かまやつさんです。かまやつさんが、いなければデビューはしていませんから。  次は、松崎しげるさんです。松崎さんの自宅には3カ月くらい住んでいたこともあるのですが、男として一生懸命仕事することの意味を教えてもらいました。  例えば、スタジオに長時間いるのを嫌うシンガーも多いんですよ。窓もないし、煮詰まると苦しい空間ですよね。  でも、松崎さんと気持ちが通じ合ったのは、お互いにスタジオにずっといても平気だったからなんですね。  二十歳の頃でしたけど「カゲ(影山)も俺も、スタジオの中に何時間いても平気だものなあ~」と松崎さんにいわれて、自分もそう思ったんです。だって、煮詰まっていてもスタジオで音楽を作っているのは楽しい。ギターはずっと弾いていて楽しいじゃないですか。  それをきっかけに、俺ももっと一人前になったら、松崎さんみたいに、堂々とわたっていける人になりたいと、考えるようになりました。 ──ライバルとして意識した同世代のミュージシャンもいたのではないですか? 影山 一番、衝撃を受けたのはサザンオールスターズですね。  初めて、テレビ番組で一緒になったときに「音が小さいのに、なんでこんなに迫力があるんだろう」と思いました。  LAZYは、もともとハードロック色が強いからギターアンプもしっかり鳴らすし、ドラムもすごいパワフルなんです。ところが、サザンオールスターズって、ギターとかもフェンダーのアンプ(フェンダー社製ギターアンプはあまりひずまないサウンドに適している)。いい音だけど、音量も小さいしドラムも小さい。ボーカルもシャウトしない。それなのに……すごい迫力があったんです!「……これは、本物だ」と思いましたよ。  それまで、ロックは、大きな音でガツンとぶつけるものだと思っていたのに、それだけではないことに気づかされたんですから。「人には言えないけれど、この人たちは自分たちよりも何倍もすごい」と思いましたよ。 ──ひとつの目標になったということですか。 影山 自分は、そう思いました。「音がデカいけど負けてる」と。もっと、ルーツから辿ってロックのことをわかっていないと自分のスタイルは築けないなと。それがLAZYではなく、ソロでやっていこうと思った、ひとつのきっかけでもあります。 ──影山さんは後進の育成にも積極的ですが、後輩にあたるシンガーの中に、びっくりした方は? 影山 知れば知るほどすごいのは、奥井雅美ですね。奥井って、わかりやすく上手く見えるタイプのシンガーと比べると、「普通」に見られやすい。でも、そこがすさまじいところなんです。基礎的な部分のレベルがとにかく高い。ぶっちゃけ、誰よりも上手いと思いますよ。  奇をてらったことをしなくても、何でもできる珍しいシンガーだと思っています。 ──それは、先ほどのサザンオールスターズに衝撃を受けたことと似た印象を受けます。 影山 近いと思います。ボクも、そういうことをやりたいと思っているんですけど、なかなか奥井のようにはできない。  シンガーには、音程やリズムのキープ力、声量、音域の広さなど、さまざまな基礎スキルが必要じゃないですか。それがわかる人が聴けば、奥井は男女の別なく、もっともすごいと思います。あんなのできる人は、ほかにいませんよ。 ──こうして40年続けてこられたわけですけど、ここまで続いてきた理由をどう考えていますか? 影山 案外、人と上手くやっていける気さくなところが、自分にはあったのかなと思っています。 ──やはり、人とのつながりが大切ということでしょうか。 影山 例えば、すごい実力の人がいても事務所とうまく関係を築けなかったり、スタッフが離れていく人は大成しないと思いますよ。  自分は、今のスタイルの運営になって15年。その前の事務所も25年いたんですよね。いいときも悪いときもありましたけど、それも含めて25年続けられる人間関係を(前所属事務所と)つくれたのが、長くやってこられた理由だと思います。 ──そのキャリアの中で『アニぱら音楽館』も今年で17年目。アニソンの情報番組というもの自体が黎明期でしたから、相当な手探り感があったのではありませんか。 影山 声優さんたちのムーブメントと同時にアニソンが来ていたころなので、やることは、たくさんありました。いい意味での手探り感を感じていました。 ──なんでも試せる自由さが魅力的だったということでしょうか。 影山 そうです、まだキッズステーションも小さかったし。例えば、野川さくらをデビューさせて、自分がプロデュースをすることになって……。  それこそ、中野サンプラザでのライブあたりまでは、ランティスと一緒に曲を作ったりサポートをしたり。そういう、実験的なことがなんでもできる雰囲気がありました。 ──5月7日には『アニぱら音楽館』による記念コンサートも予定されています。どういった内容を考えていらっしゃるんでしょうか。 影山 今回の自分はお祝いしてもらうほうなので……どのようなものになるのか楽しみにしています。でも、ただのコンサートにはならないだろうと、考えています。  キッズステーションでの放送も含めて、全国の人にもライブの模様を見てもらうことが大事じゃないですか。  アニパラ精神にも溢れていて、自分や自分たちがこれまでやってきたような、みんなでハッピーにやっていける雰囲気に溢れたものにしたいですね。  * * *  40周年という節目も、影山にとってはただの通過地点に過ぎないのだろう。しかし、我々リスナーにとって、2017年の影山は、二度と見ることのできないメモリアルイヤーの影山である。これまでの歩みとこれから、その折り返し地点に立つその姿を、その目に焼き付けるチャンスは、今しかないのである。 (取材・文=昼間たかし) ■アニぱら音楽館~KAGEYA-MATSURI~ 5月7日(日)豊洲PITにて、アニ音スペシャルライブ開催決定! 影山ヒロノブさんのデビュー40周年をみんなで盛上げよう! タイトル:アニぱら音楽館 ~KAGEYA-MATSURI~ 出演  :影山ヒロノブ / 遠藤正明 / きただにひろし / angela / 織田かおり / Gero /サイキックラバー/流田Project、他 会場  :豊洲PIT(東京都江東区豊洲6-1-23) 日時  :2017年5月7日(日)16:00開場/17:00開演 料金  :7,500円(税込)+ドリンク代500円(税込) ※オールスタンディング(整理番号順入場) チケット先行発売: ●イープラス 3月17日(金)10:00~3月27日(月)23:59 http://eplus.jp/kageyamatsuri/ ●スタイルショップにてチケット先行受付中! http://anisonglive.jp/ チケット一般発売: 4月1日(土) 10:00より各プレイガイドにてお求めいただけます! ●チケットぴあ http://w.pia.jp/t/anion/ 0570-02-9999 (Pコード: 325-340) ●ローソンチケット http://l-tike.com/anion0507/ 0570-084-003 (Lコード:77723) ●イープラス http://eplus.jp/kageyamatsuri/ お問い合わせ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(全日10:00-18:00) ■アニぱら音楽館~KAGEYA-MATSURI~ リクエスト募集! 5/7(日)豊洲PITで開催する影山さんの40周年を盛上げるアニ音スペシャルライブでの楽曲リクエストを募集します! ライブで聴きたい影山ヒロノブさんの楽曲、影山さんに歌って欲しいアニソンをリクエストしてください。 お寄せいただいた方の中から抽選で3名様に、5/7のライブ出演者の寄書きサイン色紙をプレゼント!! リクエストはこちらから! 締切:3月31日(金)18時まで ※5/7のライブで発表される結果もお楽しみに~(*^^)v