「30代半ばから10年が性欲のピーク」岩井志麻子が語る、女の深~いセックス事情

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岩井志麻子氏が登場!

 濡れない、感じにくい、性交痛があるなどのセックスの悩み。性欲はあるけどパートナーがいない、相手が乗り気じゃない、といったセックスレスの悩み。セックスは楽しいもの、楽しまなければ損、と煽る世間の声は、こうした悩みを抱える女性を追い込んでいきます。そこで今回、性の権威である岩井志麻子さんに、自身のセックスとの付き合い方についてインタビューを敢行。年齢とともに変化する性欲について、そしてワールドワイドな性体験から見えてきた日本男子の意外なテクニシャンぶりなど、大いに話していただきました。

■20~50代で性欲の質が変わる!?

――最近、気になるセックス関連事情はありますか?

義父が「子供を作れ」としつこく言ってきます…

●jiji(35)

初めてKENJIさん。いつも楽しく読ませてもらっています! 私は結婚7年目で、子供はいません。なぜなら夫婦共々「子供は作らないでおこう」という意見でまとまっているからです。しかし、家から徒歩5分の場所に住んでいる義父がうるさくてうるさくて……。誰もいない時にこそっと言ってきます。義母や義姉(2人)に相談したところ「そんな気はしてた」そうですが……。旦那に相談しても「俺も言われる。注意しとくわ」と言ってはくれるものの、本当に注意してくれているのかもわかりませんし、効果はありません。どうにかして黙ってもらいたいのですが、もう言わせておくしかないんですかね? KENJIさんのアドバイスをお待ちしてます。

―――

ごきげんよう。汚(お)ブス研究家のKENJIよ。

なるほど。
“義父を黙らせるにはどうすればいいですか”って?
そうね~。
でも、義父の気持ちもわからなくもないわ。
多くの親は「孫をこの手で抱き上げたい!」なんて夢を見るものよ。

もしかして「子供を作らない」という結論は、夫婦間だけで完結させてないかしら?
なのに、「周り(義父以外)も了承してくれている」って勝手に思っているのだとしたら……
ちょっと!!!!!!
そんな都合のいい話があるわけないじゃないの!!
「なぜ子供を作らないのか」ということを面と向かって話したの!?

KENJI美ンタ!! ビターーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
「いつまで一方通行のコミュニケーションを続ける気よ!」

「まぁーまぁー」
「こっちにも事情があるんだから」
「そのうちね」
って、言っていないかしら?
こんな言葉を並べても、理解できる人は少ないわ。
特に殿方にはね!!

大切なことは、愚直なまでにドストレートに言わなきゃダメ!!
ちゃんとそういう場を設けて、真剣に話し合いをしないと相手には伝わらないのよ。

KENJI美タミン注入〜!!
「人を黙らせるには、しっかり納得させること」

「いくら言ってもダメなんです〜ぅ」って言っている人ほど、相手に納得させる説明ができていないの。
旦那の注意の仕方も“ただ間を取り持つだけ”になっているんじゃないかしら。

家族の全体会議を開いてその場で義父を納得させなさい。
血の通ったコミュニケーションを取らなきゃダメよ。

KENJI拝

アイドルが強制猥褻被害を報告 セカンドレイプはもうやめよう

 7月25日に、講談社が主催するアイドルオーディション・ミスiD2015で吉田豪賞(unofficial)を受賞した、はのはなよさんが、強制猥褻の被害にあったとツイートし話題になっています(吉田豪賞については、ミスiD wikipediaとはのはなよさんのブログに詳しい)。

 はのはなよさんによると、25日26時頃に強制猥褻の被害に遭い、警察で任意の被害届を提出。口腔内のDNAを採取、下着の提出なども済み、供述調書の作成は後日となったとのこと。詳細はtogetterにまとめられています。

◎性暴力を受けるのは売名行為なの?

 togetterの冒頭には、提出届けの提出までの手順がまとめられています。ここで気になった点が3つほどありました。

・被害に遭ったはのはなよさんに対して、警察が被害内容を繰り返し話させること
・はのはなよさんのいた部屋の外から、「供述調書、必要?」という警察官(男性)の声が聞こえたということ
・対応した警察官がすべて男性だったこと

 先日、東京都が始めたワンストップ支援「性暴力救済ダイヤルNaNa」を紹介する記事がmessyに掲載されていますが、精神的・肉体的なダメージを負った女性に、余計な負担をかけるのは望ましくないことです。性暴力被害者の相談を受けている事業の中には、女性の相談員が配置していることを明示しているところもあります。これは同性だからこそ安心して相談できるという側面があるからでしょう。男性の警察官が、繰り返し被害内容を供述させたという点で、警察の対応は望ましくないものだったという印象を受けます。

 また、こうした告発が注目されるとセカンドレイプ発言が必ずといっていいほど出てきます。今回も残念ながらそれに該当する発言が見られました。

 セカンドレイプ発言でお馴染みのキーワードが「売名行為」。被害者は被害者らしく、しおらしくしていないといけないし、芸能人は「被害」に遭ってでも名前を売りたいと思っていると勘違いしている人がいるようです。

 そういえば、今年6月に、Jリーガーから「強制猥褻」を受けたとして被害届を出したグラビアアイドルの藍田未央さんも、後日、自身のブログで被害届を提出した経緯などをお書きになっていますが、彼女もまた「売名行為だ」とバッシングを受けていました。

◎24時間365日防犯意識?

 はのはなよさんは一連のツイートの中で、警察の対応や女性が気をつけるべき点を紹介されています(前述のtogetterを参照して下さい)。被害に遭ったばかりなのに、こうした対応をまとめるのは大変な苦労だったと思います。

 「売名行為乙」といった発言のほかに、「被害者が油断していた」「露出のある服を着ていた」といった発言も、セカンドレイプの中ではよくみられるものですが、これは「防犯意識が弱い人は被害にあって当然だ」という意識があるのだと思います。

 しかし、少し立ち止まって考えればわかることですが、なぜ加害者ではなく、被害者を咎めるのでしょう。犯罪が起きなければ、自衛の必要はありません。もちろん、これ以上被害者を増やさないために、はのはなよさんのように有効な自衛方法を紹介することは大切なことです。しかし、そもそもなぜ自衛が必要なのかを考えれば、自衛の有無をことさらに取り上げるのは論点がズレていることが分かります。

 今月初めに、コスプレイヤーの叶恵まそらさんとAV女優の河西あみさんが自宅に不審者が侵入されたことをツイートされていましたが、自宅ですら犯罪に遭うリスクがあるということは、24時間365日、常に防犯意識を持ちながら生きていかなくてはいけないということです。それが望ましいことだとは私には到底思えません。

 前述のtogetterには、アイドルの西田藍さんのツイートも多く参照されています。

はなよちゃんのツイート、実際参考になる、でも、じゃあ夜道を一人歩きを完全に避けることは不可能だし、ずっとずっと注意して気を張って24時間生活することも、女の子だけが自分を完全に自分を守ることは不可能。関係ないって思ってる人も防犯意識をちょっとでも持ってくれたらいいな。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

わいせつ被害に遭わないって思ってる人でも、自分の住む地域でそういう犯罪が頻発したら気分よくはないじゃん? 試しに防犯意識を高めて欲しいんだけど、みんな怪しく見えるし、日常生活では難しい。。 犯罪ゆるすまじな目で、生活しよう。。 よくあることで済ますのはやめよう。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

もし全裸で女性が寝ていたとしてもそれに乗じて犯罪をする人が100%悪いのです。。もちろんリスクは減らしたいって私も思うしなるべく工夫する。。でも、万全な対策なんてないのだ。。ゼロリスク信仰やめよう。。犯罪はゆるさないって強く思おう。。悪いことは悪い。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

 以前messyに書きましたが、個人に対して防犯意識を押し付けるだけでは被害をなくすことはできません。自身が被害に遭わないために、そして他の誰かが被害を遭わないために、社会全体で防犯意識を考えなくてはいけないのだと思います。
(門田ゲッツ)

レスや長年のセフレに感じる“気恥ずかしさ”を解消!「喘ぎ声」の重要性

 長年、同じ相手とセックスしていると、徐々に慣れが生じて「なんだかエッチなことをするのが恥ずかしい」と思っちゃうことはありませんか?

 私は5年以上、3カ月に1回~半年に1回というローペースでセックスしているセフレがおり、最近そんな感情を抱くようになりました。

 セックスにおいて「恥ずかしい」という感情は、一種の興奮に繋がることもあると思います。私を含めMっ気のある方なら「こんな体勢にさせられて恥ずかしいけど、もっとこのまま愛撫されたい」と感じるシチュエーションは最高なんじゃないでしょうか?  しかし、そうではなく「お互いに慣れ過ぎて友達感覚が強くなり、エッチなムードになるのが恥ずかしい」という感情は、セックスレスに繋がる恐れもあります。

 セフレなのにセックスレスの心配をするのはなんだかおかしな話だし、新たなセフレを見つけて新鮮な気分でセックスすればいいのかもしれません。ただ、セフレといえども長年の付き合いによって情が湧いているし、体の相性が悪いワケではないので、会えばなんとなくセックスする、でも妙に恥ずかしくてセックスに没頭できない……という不完全燃焼感があった私。どうすればいいんだろう……と直近のセフレとのセックスを振り返ってみたところ、「恥ずかしさを感じるセックスでは喘げていない」ことに気づきました。

◎喘ぎ声のコツ

 喘ぎ声とは「気持ちよさの表現」という役割があると思います。基本的には、感じた時に自然と出てしまうものですよね。しかし私は「喘ぐ=エロい=エロいことをしている自分が恥ずかしい」といった感覚なのか、感じていても喘げなくなっていました。セックスをしているのにエロいことをするのが恥ずかしいとは、なんとも矛盾した感情ですね。ただ、喘ぐことには自分と相手の興奮を高める作用もあると思います。声を押し殺しながらセックスしなければならない状況でもない限り、無音のセックスは味気ないものですよね。

 それに気づいて、思い切って「ああんッ!」といつもより大きめに喘いでみたところ、気分が乗ってくるのが自分でもわかりました。この時「私、喘いじゃってるよ……」「いまの『あんッ!』、犬の鳴き声っぽいような……」等と、喘いでいる自分を客観視してしまうと、また恥じらいが出てしまう可能性が高いので、できるだけ感じて喘ぐことのみに集中するのがコツかもしれません。自分の喘ぎ声を振り返ってはいけません。無理に喘ぐ必要はありませんが、感じた時には女優になったつもりでどんどん喘ぐべき!

 こうして喘ぎに力を入れたところ、心なしかセフレの勃起力も高まったようで、挿入時にはいつもよりも固いような気がしました。聴覚からの性的刺激、バカにできませんね。

■Lollipop-Rumiko(ロリポップ-ルミコ)/通称ロリルミ。中学1年で済ませた初体験を皮切りにビッチ街道を突っ走ってきたが、ここ数年それに疑問を感じ始めている26歳。しかしまだ完全にビッチを卒業することはできず。好きな男性のタイプは、ちょっとSなクンニスト。最近の悩みは、夕方になるにつれてクッキリしてくるほうれい線と、過度の飲酒と白米の食べ過ぎによってできた腰回りのぜい肉。

大幅な減量をしても皮膚がたるまないコツとは【メシ子本気のダイエット/汗と涙の記録12】

 今回は体重-1kg、体脂肪も-0.4%でした! プロテインのみの夕食の効果が出てきているようです。

 前回の記事に「それだけ痩せられると普通は皮膚のたるみができると思うのですが、どうでしょうか?写真見る限り無くて…何かケアされてますか?」とのコメントをくださった読者の方がいましたが、皮膚のたるみに関してはほとんど何もしていません。たま~にお風呂あがりにホットジェルで脚や二の腕をマッサージするくらいです。私自身も、ピーク時はかなり太っていたので「ダイエットしたら皮膚がダルダルになってしまうのでは……」と心配したことがありましたが、週2ペースでトレーニングしていることや、1カ月で-3~4kgずつという無理のない減量ペースだと、たるみが出ないのかもしれません。

 そして先日、ついに前撮りを行ってきました。実際の写真を見ると、まず「二の腕、太っ!」という感想を抱きました。二の腕の肉、ホントに落ちません……。トレーナーさんにも相談したのですが、やはり背中やお腹まわりに比べて、脚や腕は長期間ダイエットを続けないと贅肉が落ちにくいそうです。もっと前からダイエットを始めておけばよかったなと後悔しましたが、以前の体型よりはだいぶマシになっているとは思いますし、残り少ない結婚式までの期間も気を緩めずに頑張りたいです!

 また、結婚式と生理予定日がかぶっていたので、婦人科で薬をもらい生理が前倒しになるよう調節しています。中用量ピルを10日間続けて飲むことで生理を早められるとのことでしたが、飲み始めてからというものむくみと倦怠感が出てきてしまいました。なので自宅でのトレーニングのやる気はやや下降気味……。早く投薬期間を終えて結婚式前に生理を終わらせておきたいものです。

【24/7・11回目後の体型データ】
身長160.2㎝(±0)
体重54.4g(-5.6kg)
体脂肪率28.3%(-2.0%)
バスト94㎝(-2㎝)
ウエスト80㎝(-3㎝)
ヒップ87㎝(-1㎝)
太もも周囲43㎝(-1㎝)
二の腕周囲26㎝(±0)

(リオネル・メシ子)

『バケモノの子』『おおかみこどもの雨と雪』『サマーウォーズ』細田守作品における女性ヒロインと家父長制

 細田守監督作品『バケモノの子』を観てきました。

 映像がきれい(とりわけ、光と影を映す鏡面としての水の描写が美しい)で、ストーリーもまあ面白かったものの、観終わった第一の感想は、「細田作品のヒロインって、毎度のことだがすぐ妊娠しそうだな……」でした。

◎あなたと私の共依存

 「すぐ妊娠しそう……」というのは、自己評価が低いゆえに共依存スイッチが入りやすく、辛くても脳内麻薬で認識をゆがめて「私とっても幸せ!」と言って周りの助言を突っぱねてしまうので、取り返しのつかないところまで加速しやすいタイプの女性を表した言葉です(すべての妊娠や出産そのものを、共依存の結果だと見ているわけではありませんので悪しからず)。

 『サマーウォーズ』のヒロイン篠原夏希も、『おおかみこどもの雨と雪』の花と雪も、『バケモノの子』のヒロイン楓も、本当に21世紀の女性を描いたのだろうか? とびっくりするくらい内面がなくて、「男のために存在する」以外のアイデンティティが与えられていません。

 『サマーウォーズ』の篠原夏希は主人公の通う高校においてアイドル的存在ながら、美しいことと若いことしか取り柄がありません。作品内で唯一の彼女の見せ場は花札バトルの代表として戦うシーンですが、花札好きの親族が大勢いる中でなぜ彼女が代表に選ばれたのか、理由は明かされません。彼女の行動に賛同し、花札の賭け金がわりの命を(アカウント)を託す大勢の人々が現れたことも、親戚のおじさんは「(夏希が)美しいからだ」と評すなど、典型的なトロフィーワイフです。

 『おおかみこどもの雨と雪』の花は、頑張って国立大学に入学したのにおおかみ男と恋愛して妊娠し、大学に行けなくなってしまいます。花の場合、両親がおらずアルバイトで生計を立て学費も捻出しなければならない苦学生だったから……と理由付けされているのかもしれませんが、友人らしき影が皆無です。学生が学業をおろそかにすること事態そもそも問題ですが、学業以外の交友関係がオオカミ男との恋愛関係だけという共依存環境は、学生でなくても避けるべきです。娘の雪も、出自や思春期の悩みを抱えてはいますが、彼女の悩みは「好きな男の子に受け入れてもらえた」というただ一つの理由で雲散霧消してしまいます。

 最新作『バケモノの子』のヒロイン楓は、前二作のヒロインに比べて登場時間が短いゆえに、ジェンダースタディーズ的な視点から叩かれることは少なそうですが、それでも、短い登場時間の中で彼女が「主人公の少年・九太(蓮)のため」以外に存在することはありませんでした。母子家庭の一人っ子だった蓮は9歳で母と死に別れ、バケモノの世界に迷い込みます。めちゃくちゃ強い熊のバケモノに弟子入りし“九太”という名前をもらい、修行を詰んで成長します。17歳で人間界とバケモノ界を偶然にも行き来することが出来るようになった九太は、進学校の女子高生・楓と出会うのです。

 楓は九太のために勉強を教え受験の準備をし、八つ当たりされてもやさしく受けとめ、夜分に呼び出されたらすぐ向かう。いつでもどこでも手数料もなしにプライスレスなケアが引き出せるATMみたいです。

 『時をかける少女』は別としても、これら作品のヒロインたちは、「共依存スイッチ」を押しやすいタイプの女性として描かれているように見えました。

◎関係性が「壊れない」前提

 彼女たちはみな、友達がいません。

 同性異性問わず、悩みを相談したり、話を聞いてもらったり、話を聞いたりするような関係の友達が一人もいないのです。

 篠原夏希に友達がいれば、自らのプライドのために夏希に気がある後輩に「恋人ごっこ」をさせることの残酷さを忠告されたでしょうし、花に友達がいれば、妊娠した時、出産する時、大学を辞める時など、様々なアドバイスや受けられる支援サービスなどの情報が得られたかも知れません。少なくとも恋人の死後、シングルマザーとして近所のすべてから孤立する事態には陥らなかったのではないかと思います。

 クラスでいじめられている上、親ともうまくいっていない状態である楓に、恋人以外の人間関係も重要であると説いても伝わらないかもしれませんが、視点や場所を変えれば新しい友達に出会うことは可能です。なにより、一人しかいてはいけない(ことになっている)恋人だけに依存するよりも、複数の異なる友達から意見を聞く方が、彼女が抱える悩みや問題解決の近道であると思います。

 困ったときに頼れる人、力になってくれる人が一人もいないことも、一人しかいないことも、同様に問題があります。

 親子、兄妹、友達、恋人、関係性が壊れることなんて当たり前にあるからこそ、自分が頼れる人は一人でも多い方が良いと思うのです。

 なのになぜ、彼女たちには友達がいないのでしょうか?

 それは物語上は、たった一人の恋人との関係性をドラマチックに盛り上げるために他なりません。

 彼女たちはきっと、恋人に嘘偽りなく「あなたしかいない」と言うでしょう。友達がいないし親子関係も良くない(『サマーウォーズ』はちょっと違いますが)、依存できる先が恋人しかないのだから当然です。

 また、「家族だから、恋人だから全力で力を合わせなければならない/合わせられるはず」というものでもありません。前述のように、関係性が壊れるのはよくあることですが、細田作品においては、「絶対に壊れないもの」として描かれています。それ自体がファンタジーであるとしても、「家族や恋人には壊れない強い絆がある」と断定してしまうことは危険ですし誤りです。

◎保守的な家族・親子・恋愛観

 『サマーウォーズ』が描いた「日本の田舎いいなあ、大家族っていいなあ~」の中身が「女は家事育児/男は仕事と遊び」「田舎にプライバシーなし」「親族で悪いことをするのは妾の子」「少年は能力、少女は若さと美しさが評価される」というものであったことには大きな問題があります。

 保守的なジェンダー観のノスタルジーを伴う全肯定は、ジェンダーギャップ指数世界104位である現在の日本が、子供の集客も多く見込んだ映画作品で描くべきことではないと思いますし、どんな人にも尊重されるべきプライバシーがあります。婚外子差別は論外ですし、「身内の尻拭いは親族の務め」という考えは、報復や私刑を産む豊かな土壌です。少女が若さと美しさしか評価されないということは言うまでもなく人権蹂躙です。

 細田監督は『バケモノの子』公式サイトに寄せたメッセージで、「現代社会の変容とともに家族観も変化するのは必然」「旧来の伝統的な家族観はもはや参考にならず、私たちは家族の新しいあり方を模索しなければならない瀬戸際に立たされている」と述べています。そのうえで、この作品を「ひとりぼっちの不幸な少年が、強いけれど身勝手な独り身のバケモノと出会い~~本当の親子にも負けない強い絆を得る物語です」と説明しているのですが、「本当の親子は強い絆があって当然」だと考えている監督は、「旧来の伝統的な家族観」に囚われたままなのでしょう。細田監督には家族観の変容を十分に受け止めることが出来ていないのではないでしょうか。

 監督は「家族」というものに幻想を抱いていますし、同様に「恋人」という関係性についても「愛し合っていれば絆は壊れない」と思い込んでいるようです。『バケモノの子』の楓は、「登場時間が短いゆえに、ジェンダースタディーズ的な視点から叩かれることは少なそう」と先ほど述べましたが、九太と楓の恋愛関係の描かれ方には疑問が残ります。

◎恋人さえいれば…

 バケモノの世界で暮らす人間は、九太だけではありません。バケモノ界の強者ツートップは熊と猪なのですが、猪には2人の息子がいます。次男は猪ですが、長男の一郎彦は、赤ん坊の頃に捨てられ、猪に拾われて育てられた人間です。この一郎彦が物語のクライマックスとなる大事件を起こすのですが、ここから先はネタバレとなりますので、知りたくない方はご遠慮ください。

 バケモノ界に生きる人間・九太と一郎彦も、人間界で暮らす楓も、それぞれ「親子関係」に悩みを抱き、心に闇を抱えます。

 九太は人間の親(実父が存命です)とバケモノの親(熊)の間で板挟みになります。一郎彦は、バケモノのような成長(性徴)が表れない自分に不安と負い目を抱き、顔を隠すようになります。楓は親からの期待に必死で答え続け自らを抑圧してきたことのむなしさと、期待に答えられなかったら見捨てられるかもしれないという不安を抱いています。

 バケモノ界の頂点を決めるバトルが大騒動に発展し、九太と一郎彦は心の闇が暴走しそうになりますが、九太は楓のおかげで心の闇を暴走させずコントロールすることができるようになりました。心の闇を暴走させた一郎彦は、半透明の大きな鯨になり、人間界を混乱に陥れます。物語にも出てくるメルヴィルの『白鯨』では、巨大な白いマッコウクジラ「モビィ・ディック」が片足を失った捕鯨船の船長エイハブにとって復讐するべき悪の象徴となりますが、半透明の大きな鯨になった一郎彦も、まるで悪の象徴であるかのように無差別な破壊を続けます。

 心の闇を暴走させた一郎彦とさせなかった九太の一番大きな違いは、献身的に支えてくれる恋人がいたか否かでした。親子関係がつらいときに献身的に支えてくれる恋人がいなかったゆえに無差別に街を破壊する一郎彦と、「恋人がいればこんなことはしなかった」と後に語る、秋葉原の街にレンタルトラックでつっこみ無差別殺人を犯した加藤智大の心理はどこかにているように思います。

 細田作品の主人公の男性たちは、どこか、「つらくても恋人さえいればがんばれる!」と無邪気に思っているのではないでしょうか。細田作品は、「恋人さえいれば世界はなんとかなる」という無邪気な信頼によって成立していると思うのです。

 そうであった場合、「恋人さえいれば世界はなんとかなる」という無邪気な世界を成立させるために捧げられる供物は、「男のために存在する以外のアイデンティティがない女性」と「恋人がいないから無差別破壊をする男性(=悪)」に他なりません。

 『サマーウォーズ』で人々を混乱に陥れた人工知能「ラブマシーン」を開発したのは陣内家の妾の子である陣内侘助であり、『バケモノの子』で心の闇を暴走させ街を無差別に破壊したのは父の息子である自信を失っている一郎彦でした。

 細田作品に、「映像は奇麗なんだけど……」という違和感を感じる人が少なくないのは、この、とんでもなく大きく保守的なヘテロモノガミーとリア充感を、女性の無条件無尽蔵な献身と、物語の中で家父長になれない男の暴走によって描いているからではないでしょうか。

■ 柴田英里(しばた・えり)/ 現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。Twitterアカウント@erishibata

世界的人気のドイツ製ラブグッズ。イケメン広報が語る、人気の秘密とは?

 私のなかでドイツ=性の先進国というイメージが強いです。〈Gスポット〉を発見したのは、ドイツの医師、エルンスト・グレフェンベルクで、Gというのは彼の頭文字……という逸話も、そのイメージ形成に影響していますが、それよりもラブグッズ・ブランド「ファンファクトリー」の存在が大きいですね。

 カラフルでスタイリッシュなデザインのバイブから、超ハイテク機能を搭載し、なんとピストンして膣の奥をずんずん突くバイブ、ビアンカップル用の双頭バイブ、女性の健康をサポートする膣トレグッズまで……とにかくラインナップが豊富! 世界広しといえど、ここまで品ぞろえのあるブランドを私はほかに知りません

 私と同ブランドとの出会いは、2009年ごろ。もこもことした雲のような愛らしい形状で、手で触れると肌が吸いつくようなマットな質感。ぷにぷにとした弾力もよさげで、使用する前から「絶対に気持ちいいはず」と思わせてくれる要素が満載でした。

 そのとき以来のファンですが、このたび、同ブランドのスタッフから直接、話を聞けるという幸運な機会をいただきました。7月某日、都会の秘宝館こと「バイブバー・ワイルドワン」にやってきたのは、ファンファクトリー本社の広報・セールスマネージャー、トーマス・ボーダイス氏。若い! イケメン! 訊きたいこといっぱいありますよ~。

トーマス「私たちの創業は、1996年。当時、国内にあったバイブレーターというのは、ペニスをかたどったもので、色も黒が主流。それは女性ユーザーが心から欲しいと思えるもの、愉しんで使えるものではないと考え、ペニス型を離れて、見ただけでハッピーな気分になるブライトカラーのバイブを開発したのです」

 黒々としたペニス型バイブ……。日本ではいまだそういうバイブが数多く販売されています。「こんなもの挿れられて、気持ちよがってんのか!」的なプレイのために作られたもので、すなわち男性が興奮させるのがその用途。これは日本特有の現象だと思いきや、ドイツも同じだったのですね。

トーマス「ドイツの本社、支社においては女性スタッフのほうが多く、そのライフスタイルや性に対する考えが商品化に色濃く反映されています。デザイン以上に私たちが重視しているのは、安全性。そして技術面です。たとえば、私たちのバイブには〈ロックボタン〉が搭載されています。収納しているとき、持ち歩くときに突然スイッチが入ると誰だってびっくりしますよね。それを防ぎます。また、バッテリーの残量がわかる機能も、ファンファクトリーならでは。ハイエンドモデルだけでなくカジュアルでお手頃価格のモデルにも、できるだけ同じ機能を搭載することにしています」

 安全性と使い勝手のよさは当たり前、という気概が伝わってきます。当然、品質管理は徹底していて、すべて自国内の工場で生産しているとのこと。そんな信頼度の高い商品が多数そろうなかでも、トーマスのイチオシ・バイブはこちら。

「ストロングトイズ・アインス」は、なんとピストンするバイブ! 私も使ったことありますが、ほんとうに奥を突かれる感じなんです。しかも、振動といい、そのピストンといい、ずっしりと重たい。なるほど、骨太なゲルマン民族らしい力強さです。

トーマス「開発に3年をかけた、私たちの自信作です。女性にまるでセックスしているようなリアルな快感を味わっていただきたくて製作しました」

 そんなファンファクトリー、ドイツ国内で3店のショップがあります。ベルリン店の写真を見せてもらうと、まるでアパレルのセレクトショップのよう。モノトーンを貴重とした空間に、ファンファクトリーの真骨頂であるポップカラーが見事に映えています。

トーマス「カップルだけでなく女友だち同士、女性ひとりなど、いろんなお客さまがいらっしゃいます。ランジェリーやフェティッシュファッションのアイテムもあるので、後ろめたさや恥ずかしさを感じる方はいないでしょうね。店内が広いのでゆったりとした気分で、グッズを手にとっていただけますよ」

 うらやましい! 日本のアダルトショップ、まだまだ女性にとっては入りにくいところばかりですが、店内がむっちゃ狭い。所狭しと商品が並べられていて、それはそれで目で愉しめるのかもしれませんが、通路で人と人とがすれ違えないほど……というのは、やはり閉口します。ファンファクトリーの場合はブランド直営店だからこそ、こうしたぜいたくな作りが可能なのでしょうが、ラブグッズショッピングを時間と空間ごと愉しめるショップはまだ日本にほとんどありません。

 最後に、トーマスに直接、質問をする機会をもらいました。

ーーファンファクトリーはLGBT向けの商品も多いですね。社内にも、いろんなセクシャリティの方が多いのですか?

トーマス「社員のセクシャリティは多様です。私たちが目指しているのは、『ファンファクトリーには自分用の商品がない』という方をゼロにすること。だから、あらゆるセクシャリティの方に使ってもらえるグッズを提案していきますし、価格についても同じです。ハイエンドモデルはどうしても高額になるのでなかなか購入できないという人も多いですよね。そこで、カジュアルなラインも用意し、お買い求めいただきやすい価格設定にしています」

ーー300本超のバイブが居並ぶバイブバーをどう思いましたか?

トーマス「これはすばらしいアイデアですよね! こじんまりしていて、なぜか心が落ち着き、くつろげます。しかも、ここは女性のためのお店と聞いています。女性たちが安心してバイブを手にとり、話ができる空間というのはたいへん貴重ですね」

 性への感心が高く、よりよい快感を積極的に求めるオープンな空気と、ドイツらしい真摯な物作りへの姿勢。終始、紳士的かつフレンドリーに接してくれたトーマスは、まさにファンファクトリーという会社そのものを体現しているようでした。バイブコレクターとして、これからも同ブランドを応援します! その気持ちを表すためにも、何か買おうかな。買ったらまた当コラムでレポします。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

半年間毎日連絡を取って、会えたのは2回…彼の気持ちがわかりません

●Mミ(29)

はじめまして。初めて投稿させていただきます。私には半年前に飲み会で知り合ってから、毎日連絡を取り合っている2歳下の男性がいます。普段はめんどくさいのでメールを長く続けられないのですが、彼とはとても楽しくて続けていたいと感じます。しかし、その間に会ったのは飲み会の日を除いて2回だけです。いつも私からご飯に誘い、「また行こうね」と言ってはくれるものの、「仕事が忙しいから」となかなか会える日を提示してくれません。

私は彼のことを好きになってしまったのですが、彼には結婚願望がないらしく「結婚適齢期の女性とは付き合いたくない」と言っていたので私の気持ちはバレないように隠しています。

そんな彼が、なぜ毎日私に連絡をくれるのか不思議でなりません。一度、彼の仕事がすごく忙しそうだったので、「落ち着いたらメールしてね」と身を引いたのですが、「気遣いありがとう、でも大丈夫!」と普通にメールを続けてくれました。

彼は私のことをどう思っているのでしょうか? ただの暇潰しの相手なのでしょうか?

―――

Mミさん
ごきげんよう。汚(お)ブス研究家のKENJIよ。

「暑いですね〜」が挨拶になりつつある今日この頃。
いかがお過ごしかしら。

そんな、お暑い中……
殿方とのメールラリーでアツくなるのは……携帯電話とアナタの気持ちばかり。
携帯電話と心の充電が一気に切れそうだなんて、儚いわ。

そんな熱々の電話なんてドブ川にでも捨ててしまいなさい!!

思いを寄せる側の頭の中は意中の殿方でいっぱいよね。
「殿方の連絡まだかな〜」
「殿方は今日忙しいって言ってたな〜」
「殿方は私のことを40%くらいは好きになってくれたかな〜」
「惚れた弱み」とは言うけど、この状況って疲れちゃうわ。

殿方がアナタのことをどう思っているかですって!?
そうねぇ〜。スバリ、コレじゃないかしら!?
「都合がいいだけのオンナよ!!」

まずは、毎日メールする時間はあるくせに、忙しさをアピールしてくる殿方に……
KENJI美ンタ!! ビターーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!
「ただ、時間を作るのが面倒なだけでしょうが!!!!」

その殿方の毎日を想像してみて?

7:00 植物の水やり
7:30 朝食
8:10 出勤
8:40 出社
9:00 朝礼
10:00 ◯△商事打ち合わせ
12:00 ランチ
13:00 営業
15:00 ドラッグストア(購入品:詰替えシャンプー)
……こんな生活を送ってるんじゃないかしら?

優雅!?
毎日他愛もない連絡をしてくる時点で気づいてたけど……なんだか女々しいのよ!!
プライベートと仕事の時間をごっちゃにしちゃっているんじゃない?

そもそも、20代後半で「忙しいアピール」をする人っていかがなものかしら。
本当に忙しいのかもしれないけど、要領が悪いだけって可能性もあるわ。
だけど……
本当に会いたい相手だったら、忙しい中でもスケジュールを調節するでしょう。
時間は自分で作るものなのよ。
半年間で2回しか会えないのに毎日メールを返信してるアナタは、殿方の都合のいいオンナに成り下がろうとしているのよ。
ただそれだけのこと。
恋心って、自分の生活環境や性格まで変えてしまう“魅惑のスパイス”なのよ。
だから、あまりのめり込みすぎてはいけません。

そんなアナタには、コレよ!
KENJI美タミン注入〜!!!!
「ゴリゴリの誘いメールは二度と送らないこと」

「傷つくのだけはイヤだけど、どうしても好きになってしまった以上は諦められません!! どうすればいいですか?」
ってアナタからの心の声が聞こえてしまったの。
コレだけは覚えておきなさい。

殿方は、アナタの気持ちに気付いているわ!!

アナタが、好意を寄せているのは百も承知よ。
だから、
「結婚適齢期の女性とは付き合いたくない」
なんて失礼なメールを送ってくるのよ。
ふざけんじゃないわよね。

でも男って、自分に好意を持ってくれていた人が急に冷たくなると……
なんだか焦り出すのよ!
ちょっと連絡を取るのを止めてみてはいかがかしら?

【メールが返って来なくなった時の殿方の気持ち】
「今日は連絡ないな。いつもこの時間には連絡があるのに……」
「あれ、今日もない」
「あれ、何かしたかな」
「どうしたんだろう」
「よっ! 元気!?」
……なんて脈略のない連絡が来たりするのよ。

結局のところ「忙しいアピール」をする男にとって、自分の時間は自分だけの物なの。
自分のスケジュールを他人にいじられたくないタイプなのよね。
だから、もしアナタが「彼って優しいな」と思っていたとしても、実はもうどこかに彼の自己中な面が表出しているかもしれないわよ。
今後、この恋が上手く転がったとしても気をつけなさいね。
応援しているわよ。

KENJI拝

■KENJI(汚ブス研究家)/女子会に年間400回以上呼ばれる社長。その経験から、「思いやりのない人」、「ブスッとした表情の人」、「隙だらけの人」を“汚ブス”と称し、年間2,000人以上の女子たちを切る「汚ブス研究家」としての顔も。2014年には、「女子会のお作法 「汚ブス」にならないための39か条」を出版。ほかにも、そのニューカマーなおネエキャラで、テレビ、ラジオ、雑誌、Webなどで活躍中。現在、FBS福岡放送「クロ女子白書」にレギュラー出演中。

聴くだけでつわり解消するCD!? 妊婦が聴いてみたら◯◯◯が止まらない!

 多くの妊婦が悩まされる、定番の不調といえば、つわりです。代表的な症状である〈吐き気〉を和らげるには、炭酸を口にして気分をスッキリさせたり、吐き気を和らげる香りの入浴剤やアロマを使ってみたりと、その対策はさまざま。

 昨今人気の健康法〈聴くだけ系〉にもつわり解消CDなるものが存在し、その商品名は『Morning Well(モーニングウエル)』。27分の曲が収録されていて、お値段は4820円です。一般的なCDアルバムが3000円前後ですから、結構お高め! しかし吐き気、不安、眠気、だるさ等が一気に襲ってくる思考力低下シーズンでは、「効けばラッキー」くらいのノリでポチッといってしまうのかもしれません。

 つわりは原因が医学的に解明されていないことと症状の個人差が大きいので、これぞという解消法がありません。にもかかわらず、CDを販売しているサイトでは「バースセンターの助産師が検査したところ、90%の妊婦に効果があった!」と謳っています。マジで~? 「ドラッグフリー、赤ちゃんにも妊婦さんにも安全!」というトンチキな説明もやや気になりますが(それを言ったらツボ押しも整体も手かざしも、ぜ~んぶドラッグフリーだし)、そんなに素晴らしい効果が期待できるのなら、ぜひとも試してみようではありませんか。私でなく、知人がですが。

 さて、CDを再生してみると波の音が流れた後、抑揚のない平坦なテンポと果てしなくダサく明るいメロディが……。周りの友人からは、「フロリダの人気のないショッピングモールでかかっているような感じ」「『ラビリンス』とか、80年代の映画の超どーでもいいシーンのBGM」というような、脱力コメントが返ってきました。

◎妊婦さんに試してもらいました。

 ところでこのつわり解消CD、どんな仕組みで症状が緩和されるのでしょうか? 商品説明にはこんな解説があります。

・通常つわりは、脳から内臓器官に発信されるメッセージによって発生される
・音楽の音調、周波数、波動が耳に伝わることで、その情報伝達が遮断される

 これらのつわり効果を発揮する信号は、犬笛のように認識できない音なのだとか。つまり、曲の良し悪しはどうでもいいって話でしたか。失礼しました。ちなみにこのCDをダビングやコピーすると周波数が圧縮されるため、つわり効果を発揮する信号が発信されなくなるのだといいます。単に「ちゃんと買ってね★」というメッセージに聞こえるのは、気のせい?

 今回この謎物件のモニターをお願いしたのは、妊娠10週目でつわり真っ最中の編集者Sさん。6週目から始まったというつわりは「生きてるのがツラい!」(Sさん談)というほどヘビーなもの。入院には至りませんでしたが、「常に船酔いしてるようにムカムカして、テレビで食べ物が映るたび気持ち悪くなるんです。湯気でも気持ち悪くなるので自炊は放棄。もう、生きているのがツラすぎ……」という状況。が、がんばって~。

 Sさんの気分の悪くなる時間帯のピークは、14~18時とちょうど会社で仕事をしている真っ最中。作業をしながらヘッドホンで聴いていると……ウッ。吐き気がこみあげ、しっかり戻してしまったそう。おかしいですね。翌日、再トライ。ヘッドホンを装着し、ズンチャ、ズンチャというウオーキングにちょうどいいくらいのテンポに身をゆだね……またもやゲロゲロッ。

「4日間、聴いたあとにもれなく吐いてしまいました!」(Sさん)。

 聴きはじめるとムカムカが強くなり、そして曲が終わると我慢しきれず……リバース、というパターンがひたすら続いたそう。

「私の場合は映画やフィギュアスケート鑑賞など、何か集中できるものがあるとラクになったので、つわりも、多少は気の持ちようである部分があるのでしょう。なので〈絶対これが効く!〉と狂信的に信じることができたら、効果がある人もいるのかもしれません。しかしコレで効くなら、うらやましいですねえ」

 HPの〈お客様の声〉には「言葉に表せないほどミラクル!」「指圧やお灸でも効果がなかったつわりをおさえてくれた」とありますのに、何が違ったのでしょうか。若干(かなり?)引きつつ、「効けばいいね……」と応援してくれたSさんの夫にも、申し訳ありませんでした。

 手ごたえがイマイチだったので、別の友人Yさん(妊娠20週)にも試してもらいました。彼女は〈食べていないと気持ち悪くなる〉という、いわゆる食べづわりタイプでしたが、このCDを聴くようになってから、無性にスイカが食べたくなったそうです。試してもらったのは昨年12月。まだまだスイカが出回る時期ではないにも関わらず、毎日スイカスイカスイカ……と憑りつかれたようなLINEメッセージが届きます。彼女に手塚治虫の霊が乗り移ったのか(真冬にスイカが食べたいと言い出し、マネージャーが銀座のクラブでスイカを入手してきた有名エピソードがあります)。

◎なんでも「聴くだけ」で解決!

 〈聴くだけ系〉は昨今人気を集めているジャンルで、Amazonで検索すると〈聴くだけで自立神経が整う〉〈聴くだけでやせる〉〈美肌になる〉などの健康系から、〈引き寄せの法則が身につく〉〈金運アップ!〉などのスピ系まで、充実のラインナップです。怪しいニオイのするものでは〈聴くだけで除霊ができるCD〉というものも発見しました。ああ、そういえば「つわりは霊障!」なる説もありましたね。手塚治虫のスイカ病を祓いつつ、つわりを軽くするためには、『Morning Well』よりも除霊CDが有効なのかもしれません。

 こちらはまだ未入手ですので、効果のほどは不明でありますが……。

 巷には「つわりが重いほど、頭のいい子、手のかからない子になる」なんて迷信もありますが、おそらくどうにもできないツラい症状を慰めるための慰めなのでしょう(頭はともかく〈育てやすい〉というのは主観でしかないので、解明されている! といわれても、信じがたいものが)。妊娠をひとつのイベントとして楽しみながら乗り切るには、つわり解消アイテムに手を出すのもアリだとは思います。「後でネタにしよう」という同業者(ライター)が、圧倒的に多いような気はしますけれども。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

飲んで踊って繋がった ぼっちシングルマザーがクラブに通ったら!?

「由佳子ちゃんageha行くけど、一緒に行く!?」

東京・沖縄間を往復していた頃、とても魅力的なお誘いがあったものの友人宅でマリオカートするのを選んだ、意外と地味な性格をしている、シングルマザー女子大生の上原由佳子です★

わたくし上原は大のクラブ好きです。娘ちゃんが0歳児のころは、週に1回あるレディースDAYは確実にクラブに行っていました。ただ、娘ちゃんが2歳になり、私が夜間の定時制高校に入学してからは、クラブで遊ぶ楽しさを忘れてしまい、EDM(四つ打ち系)のイベントにしか行かなくなりました。クラブに行く頻度は落ちたものの、未だに「何で沖縄はブラックミュージックばかりなのかな!?(怒)」とか、「沖縄にもサイケデリックやサイバートランス流すクラブできないかな(泣)」とか、ちっぽけな不満を持つ程度にはクラブが好きです。

今回は娘ちゃんが1歳になりたての頃まで遡り、「クラブ遊びと孤立」という、全く関係なさそうな2つの観点から原稿を書いてみたいと思います。

◎「若い」が、シングルマザーを孤立させる!?

連載の中で何度も書いているように、私は産後2カ月でホステスに復帰し、娘ちゃんが2歳になる頃、私が夜間の定時制高校に入学するまでがっつりと働いていました。当時は夜の仕事を終えると、クラブ友達と連絡を取りクラブに繰り出すのが定番コースでした(娘ちゃんは祖母と一緒に寝ていました)。

シングルマザーになったばかりで、「何で私だけが苦労しないといけないんだ!」「何で好きでもない酒を、好きでもない男と飲まないといけないんだ!」と、自暴自棄になっていた時期でもあります。同年代の友人たちは、楽しそうに恋愛しているし、習い事とか始めちゃってるし、シングルマザーの友人をみても独身時代と何ら変わりない生活を送っているように見えていました。

しかもシングルマザーの友人たちは、新しいパートナーを探していたんです。私も新しいパートナーが欲しい! でも同じことを繰り返すだけかもしれない……。それだけは避けたい……。恋愛はしたいけれど、失敗はしたくない。そんな焦りと葛藤を抱えていました。

同じくらいの年齢の子どもを持つシングルマザー友達が極端に少なかった私は、そんな「恋愛の悩み」ではない、「恋愛をするかしないかの悩み」を相談する相手がいませんでした。でも、あるとき「そうだ! 児童館の乳幼児クラブに行ってみよう! (新しい)恋愛してないママがいるはずだ!」とひらめいたんです。さっそく週に1回児童館で行われている乳幼児クラブに参加してみることにしました。

乳幼児クラブには新しい恋をしているママはいないものの、明らかに上原(当時21歳)より歳上のママばかりでした。「あら若い〜。高校生で子ども産んだの?」とか、「若いと体力あるから良いよね〜」とか、何かと“若い”推しでうんざりです。「若い若いうるさい!」という気持ちを抑えて参加していましたが、でもやっぱり馴染めない。年上のママたちに囲まれて浮きまくる中、娘ちゃんと二人で食べるお弁当は、いままさに経験している大学でのボッチ飯より辛かったです♡

既にお気づきの通り、わたくし上原、着実に孤立への道を歩んでいきました★ 周りの友人たちに対する疎外感に加えて、積極的に参加してみた児童館の乳幼児クラブでも孤立しちゃったわけですから、ツラいのなんの! 「どこにも居場所なーんてなーい♪」と、熱唱したくもなります(笑)。

ここでちょっとだけ真面目な話をさせてください。ニュースに取上げられる虐待事件では、母親が社会から孤立しているケースが目立ちます。育児の話をできる友達がほとんどいなかったこと、居場所を探すために足を運んだ児童館でも孤立してしまったことを考えると、私も虐待ハイリスクだったわけです。「若い」という言葉に斥力があるなんて思いもしないかもしれませんが、ちょっとだけ暴力性を孕んでいる言葉だと覚えていてもらえると嬉しいです。まあ、アラサーになってからは「『若い』は褒め言葉だ! もっとくれ!」状態になっていますが(笑)。

◎「若い」から、孤立を回避できた!!

児童館ママたちから孤立し「もう、行かないでいいかなー」とか心が折れ始めた頃、いつも通りクラブに遊びにいきました。すると見覚えのある顔が。

「あっ! 娘ちゃんママ!!!」「わっ! ○○先生!!」

なんと児童館の先生とクラブで遭遇してしまったのです(笑)。ヤバい! 夜遊びしてるのがバレた!! どうしよう(汗)と、内心かなり焦りながら、とりあえず乾杯♡ ダンスホールレゲエを聴きながら、酔った勢いで「実は、児童館ママたちに馴染めてないんですよねー」と相談しました。すると「ああ、児童館に遊びに来るお母さん達って年齢層高めですからね」と先生。調子に乗った私は「何かと若いって言われて疲れちゃいます(笑)。もう、行かない方が良いかな〜」と正直な気持ちを伝えてみました。「私たちも若いから大丈夫ですよ(笑)明日、児童館で会いましょう!」。

そして翌日の朝。クラブで会っているし、酒を飲んで参加できなかったと思われたらヤダ! と折れかけていた心を奮い立たせて乳幼児クラブに参加しました。すると、昨夜クラブで会った先生が声をかけてくれたんです。

「昨夜はどーも!(笑)二日酔いしてませんか?」
「私の友人も上原さんと似たような経験をしていて、もしよければ(若いママたちに)繋ぎましょうか?」

などなど、むちゃくちゃ気を使っていただきました。おかげでハードな孤立を避けられ、娘ちゃんも楽しそうに児童館に通えるようになりました。

その後、認可保育園に当たって児童館には行かなくなりましたが、あの夜、クラブで先生に遭遇していなければ、児童館ママたちからの「若い、若い」攻撃に耐えられず居場所を失っていたかもしれません(笑)。だけど、“若い”からクラブで遊び、孤立を回避することもできました★ ある意味、若いママの特権なのかもしれませんね。

娘ちゃんが20歳になったら一緒にイビザ島のクラブイベントに参戦してみたいものです。

上原由佳子(うえはら・ゆかこ)
1988年生まれ。沖縄県在住。女子力の欠片もなさを小学1年生の娘ちゃんから指摘される、どうしようもない系アラサー女子。twitter@yu756ka