「愛されるための○○」は常識・マナーに過ぎない。恋愛で「愛される」のはマニュアルどおりの行動ではありません

前回は『愛されメイク現場のホンネ』を制作の裏話も交えてぶっちゃけました。
今回も引き続き『愛され』について。『愛される女になるには○○をしなさい』的な、勝手な法則について、私なりに物申したいと思います。

『○○すればうまくいく』『○○すれば愛される』『幸せになるための○○』
本当のところそんな法則は実在しないのに、まるでマニュアルのように、雑誌やインターネット記事で見る言葉たち。
でもこういった『○○をすれば……』の○○って何も特別なこと書いてないでしょ。
たとえば、『愛される女の条件○○』。

◆聞き上手
◆褒め上手
◆素敵な笑顔
◆何事にも前向き
◆時に頼ったり甘えたり素顔を見せられる
◆挨拶とお礼を欠かさない

これって、相手が異性に限らず、人とのコミュニケーションをする上で、ごく普通の当たり前のことじゃない?
仕事でも友達とでも、人として、大人として、普通だと感じませんか?
これをすれば好きな人を振り向かせられる? 残念ながら私はそうは思いません。
それに上記の○○は、めちゃめちゃ定番のホステステクニックです。過去に銀座でホステスをしていた頃を思い出します。笑

逆にもし○○をしなかったら……?

◆話を聞かない
◆褒めない
◆笑顔がない
◆ネガティブ
◆素顔が分からない、弱みを見せない
◆挨拶やお礼が言えない

ね、恋愛どころか人として魅力を感じません。とってもなめた条件○○です。
そんな当たり前の○○を「愛される女の条件」として挙げている無責任な著者に対しても、それを恋愛のテクニックだと勘違いしている読者の女子にも、とても残念な気持ちになります。

◎みんなに通用するアンサーなんてない

恋愛における『愛されるPOINT』は、あなた自身と相手次第。同じ人が存在しないのと同様に、恋愛も一つ一つがオンリーワンです。
もしも、皆が皆個性なく、1パターンの人生や恋愛だったら私は絶対に嫌です。
定番マニュアルに沿った振る舞いをして、運良く模範解答通りの彼の反応を得られれば、一時的に手応えを感じるかもしれません。でもそれによって「愛されてる」実感を得続けることって、出来るでしょうか。そしてあなたは幸せを感じるでしょうか?

恋愛においては、出会い方や、恋に落ちたときのお互いの状況や、それぞれの個性など様々な要素が複雑に絡み合うからこそ、鉄板なんてないのです。
恋愛は一人相撲ではありません。
相手あってこそです。
そしてもし、相手や自分に子供がいる場合は、自分+相手+子供というように、自分1人の幸せでなく相手を思いやる気持ちが必要です。
だから、誰かに愛されたいからといって、『○○すれば愛される』では問題解決は不可能なのです。

人として、大人の女として、最低限のことはしましょう。
たとえば人にされて自分が嬉しいと思うことは、積極的にしましょう。また、自分がされたり、言われて不快になることは絶対にしない。
しかし、それと恋愛の場であなたが愛されるかどうかは全くの別問題です。

笑いのツボや、価値観、相性などはマニュアルには載っていません。
あなたが彼をよく知り理解し、また彼があなたをよく知り理解する。そうやってお互いに積み重ねていき、オンリーワンの関係を作り上げていくのです。
そして、そんな2人に何か問題が起きたとしても、インターネットや雑誌などに載っている『愛されるための○○』は何も答えにはなっていません。

私もよく恋愛相談をされますが、安易に答えることはできません。
だって、いくら親しい友人でも、「私の知っている彼女」と「彼の前での彼女」は違うかもしれないし、私に打ち明けられない二人だけの深刻な問題があるかもしれない。
だからそんな時は、出会いから今までの関係を詳しく聞いたうえで、「もし私が彼女なら、こうするかな……」という観点での話をします。
「○○しなさい」ではなく、「私なら○○する」とロールプレイングするだけ。
そしてひとつだけ付け加えます。
「彼の本質を真っすぐ見ましょう」と。

恋愛で悩んでいるときって、一人ただ考え過ぎて泥沼にはまっているだけかもしれない。
逆に、本当は真実を分かっているのに、自分の望んだ答えと違うから、見て見ぬふりをしているのかもしれない。
まずはまっすぐに見て、見えたものを認めましょう。

あまりにも悲しんだり悩んだり苦しいのなら、もうその恋は終わらせて自分を大切に、幸せにしてあげる方向に転換しましょう。
不幸の中にたまに見える希望……的なプレイが好きな女性なら、私はもう何も言いませんけど。笑

◎愛され○○は、ただのマナーと捉えて

愛されるための○○
それはあなたと彼だから見えてくるものです。他の人と同じ恋愛なんて存在しません。
マニュアルばかり読んで、それに自分を無理矢理当てはめないで。
今日までの『愛されるための○○』は、ただ単に人間として、一人の大人の女性としての基本的なマナーです。

それすら出来ていないとしたら、まずは他人を思いやるところから。また、意中の彼との恋愛に悩んでいるあなたは、彼の本質をしっかり見て、色々な角度から考えてみましょう。
そうすればあなただけのちゃんとした答えが見えてくるかもしれません。

こうやって読むと「当たり前だな」と思うでしょうが、『愛されメイク』同様、『愛されるための○○』にすがって、本質を見失って、雑誌の恋愛特集や恋愛カウンセリング、婚活セミナーに走る女性も多いです。そんな情報は一切無視して、自分をしっかり持って欲しい。

恋愛がうまくいかない時、考えれば考えるほどこんがらがって、周りもよく見えない、普段なら気付くことも気が付かない、だからマニュアル化された何かにすがる気持ちも分かります。
でもね、普段の冷静で、自分に自信のあるあなただったら、きっとそのうまくいかない原因もそれを解決に導く術も見えるはず。10代の恋愛初心者じゃないでしょ。現在に至るまで色々な経験をして、困難も乗り越えてきたはず。「もうだめだ、未来が見えない……」なんて死ぬほど落ち込んでも今あなたがここにいるのはそれらを乗り越えてきたからです。
もっと自信を持って、内面も外見も大人の女性として芯をしっかり持って欲しい。

若い頃のようなノリや勢い、面白ければいい。なんて軽い恋愛も卒業して、だからと言って頭でっかちにならず、マニュアルも鵜呑みにせず、あなたとあなたに合った素敵な彼とのオンリーワンの上質な大人の恋愛を楽しんでください。
■千野根アディス実弓/フリーランスのメイクアップアーティスト&スタイリスト&トータルビューティープロデューサー。テレビや雑誌、広告、CMなどを手掛け、多くの女優、タレント、モデル、歌手を担当。豊富な人生経験から、独自の恋愛やモテテクニックのアドバイスを繰り出していく。

【messy調査】7割がアンダーヘアを処理、そのうち4割はハイジニーナ

「【messy調査】アンダーヘアの処理していますか?」の結果を発表いたします! 前回の「【messy調査】おっぱいを揉まれるのって、本当に気持ちいいですか?」に引き続き、多くの回答をお寄せいただきました。有効回答数は180でした(女性回答者のみ)。

 先月から始まった牧村朝子さんの連載「まんこカスタマイズAtoZ」、初回はアンダーヘアにまつわるあれこれについてのコラムをお書きいただきました。その記事についたアンダーヘア処理についての様々なコメントを読み、「実際、どれだけの人がアンダーヘアの処理をしているのだろう?」という疑問を持ったことから、この調査を実施することにいたしました。

◎している人が7割

 グラフの通り、messy女性読者の約7割が「アンダーヘアの処理をしている(している・したくないけど、している)」と回答しています。多くの方が何らかの形でアンダーヘアを処理されているようですね。

 今回、「したいけど、していない」という回答の中に、「温泉などでの目が気になる」「夫が、そんなことしなくても、おまえは薄いから大丈夫と怒りだした」などの意見が寄せられました。他人の目が気になる人は少なくないようです。でも今回の調査結果の通り、7割もの方がアンダーヘアの処理をされています。ぜひ気にせず、自分のやりたいようにアンダーヘアをいじって下さいね。

 また「したいけれど、していない」と答えられている方から寄せられた意見には、

「処理の仕方やどのような方法が良いか分からない」
「やり方がわからない」
「どうしたらいいかわからない」

 など「処理の方法がわからない」といった回答も多く見受けられました。そこでまずは、アンダーヘアの処理をしている方が、どのような方法を取られているのかをご紹介しましょう。

◎処理の方法TOP3

一位:ブラジリアンワックス 23
二位:剃刀(シェーバー含む) 22
    脱毛(サロン) 22
三位:脱毛 20

 一位はブラジリアンワックス。ブラジリアンワックス以外のワックス除毛で処理をされている方も多くいらっしゃいました。

 ブラジリアンワックスは、とろりとした液体を脱毛したい部位に塗り、数秒ほど待ちます。するとワックスが固まるので、そこにシートを貼り付け、一気に「ベリッ!」と剥がす……という方法です。除毛クリームのように毛を溶かして脱毛するわけではないので当然痛い。ガムテープを貼って、一気に剥がすのと同じです。その上、デリケートな部位なので恐怖心もあるかと思います。回答者の中にも「昔はブラジリアンワックスを使っていたけど、痛いから剃刀で剃るようになった」とお答えの方もいらっしゃいました。それでもブラジリアンワックスが人気なのは、その手軽さがゆえなのでしょうか。またサロンでもブラジリアンワックスを使った処理をしているので、プロの技術で痛みが軽減されるということもあるのかもしれません。

 二位、三位の「脱毛」については、「サロンやエステ、美容外科で脱毛している」といった回答を「脱毛(サロン)」に、特に付記のないもの、「脱毛ライトなどの脱毛機器を自宅で使っている」といった回答を「脱毛」としています。そのため「エステなどに通って脱毛している」方は実際にはもう少し多くなるかと思われます。

 一位、二位、三位とほぼ同数でしたから、ブラジリアンワックスでの処理が最もポピュラーというよりは、それぞれの都合に合わせて処理の方法を決めているのだろうという印象です。時間やお金に余裕のある方や、ブラジリアンワックスの痛みに耐えられない方がサロンに通っていたり、あるいは自宅でもできる手ごろなブラジリアンワックスのほうが、日々延びてくるアンダーヘアを処理しやすいと考える方もいるのだろうと思います。

 ちなみに、TOP3以外の方法としては、その他「毛抜き」「ハサミ」「レーザー」「除毛クリーム」「ヒートカッター」などがあげられていました。

◎なんで処理する/しない?

 アンダーヘアを処理する理由としてあげられているのは、

「毛量が多く長いため、放置しておくと割れ目に挟まって不快」
「処理をしたほうが、すっきりするし、生理のときのわずらわしさがなくなる」
「セックス、生理の時楽だから」
「夏は処理したほうが、蒸れることなくすっきりする」
「イギリス人にアンダーヘアを見られた際、『ブラック!』と驚愕され、『毛があるから舐めたくない』と言われた」
「毛深すぎて下着からはみでる。毛深いとむれてかゆくなる。毛深いとパートナーが嫌がりそうだし恥ずかしい」
「白髪が増えてきた。いかにも歳をとってるみたいだし、見るたびにもう女じゃなくなってしまうような気がするので全部ツルツルにすることにした」
「主人だと気にしないのですが、浮気相手がいるので、会う前には必ず処理する」
「蒸れる。それよりも部屋で落ちてる毛を見るのが嫌だったからかも」

 一方で、「処理をしない理由」は、「やり方がわからない」以外にも様々あり、

「下着をつけた時痛い」
「剃ってもまた生えてくるだろうから」
「恥ずかしいから」
「理想は常に整えて準備万端の状態にしておくことなんですけど、(相手もいないし)またすぐに伸びてくるのでついつい不精になってしまいます」
「前側は綺麗な形をしている。しかし、中側やお尻側は自分でするとチクチクするし、人に頼んだりエステに行くのもお金も掛かるし、第一見せる人が旦那だけじゃぁねぇ。不倫する気も無いし」
「以前、自己処理したら、その後伸びて来た時のチクチクムズムズ感に耐えられず、そんなだったらボーボーの方がマシって感じです。どっちみちいつもチクチクしていて、ヘアが無ければ快適なんだろうなぁと思うし、永久脱毛したいけど見られる事に抵抗あってできません」

 などでした。

 蒸れる、はみ出る、かゆくなるなど、不快感を理由に処理をされている方もいれば、処理をしたあとの生え始めのチクチク感に不快感を覚える方もいらっしゃるようです。なお、後者については、「処理をした後、ちくちくするから永久脱毛を始めた」という意見もありました。永久脱毛という選択肢も、ありかもしれません。

◎意外? ハイジニーナ(パイパン)の人、多数。

 今回の調査の中で意外(?)だったのは、ハイジニーナ(パイパン)にされている方が30名もいたことです。アンダーヘアを処理している方は、132名いたので、およそ4割の方がハイジニーナという計算になります。ハイジニーナにされている方から寄せられた意見を羅列すると……

「初めは銭湯や温泉でぱっと見では処理しているとわからないよう前からみえる部分のみ残していましたが、最近思い切って全て無くしたら、気持ちもすっきりしました」
「初めは面積の少ない下着からはみ出るのが嫌で、出る可能性のある部分のみ処理していましたが、AVを見ていて毛があるよりない方が私好みだと思い無くすことにしました」
「生理の時に楽だし臭いも気にならない。洗いやすい。永久脱毛後に知り合った今のパートナーには最初驚かれたけど喜ばれている」
「陰毛は邪魔なだけ」
「1度パイパンにすると生理もSEXも快適で、なんで今までしなかったんだろう? って思います。そろそろ本腰入れてハイジニーナ脱毛するか検討中です。あそこの毛って、銭湯や温泉でワレメを隠す以外の目的はないと思いました」
「初めてワックスして約5年位です。爽快感と清潔感、自分で触ったときの柔らかさはたまりません。Tバックでハミ毛しないのもいいです。白髪になる前にレーザーや針で本格的に無くしたいですが、とっても痛そうなのでためらっています。銭湯や温泉も気になりませんし、仲の良い友人も知っています。ただやはり偏見があるので、同僚とか親しくない友人に軽く言える感じではないですね。一度引かれた事がありその時『そんなに軽く言っていいことじゃないんだ』と認識しました」
「パイパンが一番楽で好きです。下着も選ばないし、洗いやすいし。永久脱毛したいです」
「アメリカに住んでいる友達が、以前からそういうのは当たり前だと言っていたがなかなか踏ん切りがつかなかった。いざし始めるとすごく楽」

 と、快適さを覚えている方がほとんど。そして4割もの方がハイジニーナであるならば、「他人の目」もそんなに気にしなくていいのではないでしょうか? 単純に考えれば、10名が温泉に行ったらそのうち4名はハイジニーナだということですよね? 確率的にはもっと低いかもしれませんが、遭遇する可能性は決して低くない。もちろん温泉に入って、まじまじと「あの人、毛があるかな?」と眺めるのはよろしくないとは思いますが、実は意外とハイジニーナの方がいるかもしれませんよ。

 今回の調査は、回答者や回答者の周りにいる方々の陰毛観、陰毛処理観を露わにしたように思います。望んで処理をしている人はそのままに、望んでいるのに処理できずにいる人は思い切って、処理したくない人はしなくていいのですし、自分の好きなように、自分のアンダーヘアのあり方を決めてください。以上、messy調査でした!

日々の不快感解消もONN後の処理も。デリケートゾーン用ウェットシート試しました!

 日々、下半身のことを考えているワタクシですが、messy読者のみなさんも興味津々ですよね。アンダーヘアについての記事は、いつも人気です。私が無毛派だということも再三お伝えしていますが、それはひとえに衛生的だからです。毛がないだけで、夏場や生理中の蒸れは大幅に軽減。洗った後は拭くだけでさっぱり。なんでみなさんいつまでも毛を生やしているの? とすら思っています。毛があるほうがエロいという男性もいますが、私の身体は私のものなんだから好きにしたいし、たかが毛ひとつで目減りするエロって、そもそもどうなの?

 けど、毛をなくしたところで、下半身の不快感が完全に解消されるわけではありません。いま時分は気温も湿度も下がっていますが、冬のタイツの季節になって暖房の効きすぎた部屋などにいると、また蒸れます。日本の生理用品は超優秀で、どこも〈すばやい吸収〉を謳っていますが、それでもナプキン表面の経血が、デリケートゾーンに付着することは、しょっちゅうです(個人的にはタンポンを使えばこの不快もだいぶ軽減されるのに、と思いますが)。

 下半身の不快を「そんなもの」と受け入れてしまってはいませんか? いえいえ、受け入れる必要なんてまったくナシ。そのために、デリケートゾーン専用のウェットシートが市場にかなり増えてきているんですから!

 ちょっと前までは滅多に見ないものでしたが、最近では一部商品を一般のドラッグストアでも販売しています。生理用品売り場の隅っこあたりに陳列されているのを、見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

 今回は、そんなふうに入手しやすいものからリッチ感を打ち出したものまで、デオドラントシート4種を試しました!

◎ソフィ「デリケートウェットシート」

 ポーチにも収まりやすいサイズのパッケージに、6枚が入っています。シートのサイズは、16☓19cm。今回使った4種類のなかではいちばん厚手だと感じました。

〈無香料〉と〈フレッシュフローラル〉の2種が用意されていて、私は後者をチョイス。わりと甘ったるさのある香りで、好みではありませんでした。そもそも、パンツのなかを甘い香りにしたいとは思わないので。でも、これは好みの問題ですね。今後、購入するときは無香料にしようと思います。

 さっそく使用してみると、ひと拭きでサッパリ感があります。考えてみると、赤ちゃんのときは別として(記憶ないんだけど)、こうしたウェットシートでアソコを拭くというのは、かなり新鮮な体験です。でも、これがいいの! 経血や汗など、不快感とイヤなにおいの原因になりそうなものを、根こそぎなくしてくれる感じです。使用後はトイレに流せるのも◎。

 参考価格としては、Amazonで2パック(つまり12枚)465円。わりとリーズナブルな印象です。

◎サマーズイブ「フェミニンクレジングワイプ ノーマルスキン」

 これは、個包装になっているのがいいですね! 1箱16枚パック入りで、その日に必要なぶんだけポーチに入れて持ち歩けばOK。Amazonでは432円。うん、かなりお得感あります。

 シートのサイズは、12.5☓20cm。今回試したなかで、もっとも水分量が多くてウェットな感触があったのが、これでした。たっぷりの水で拭き取る感じは爽快ですが、乾燥するのにはちょっと時間が必要かも。アンダーヘアがある方は尚更だと思います。

 デリケートゾーンと同じ弱酸性なので、粘膜に触れても安心。たぶんほかの商品も弱酸性なのでしょうが、はっきり書いてあるのはコレだけでした。ほかにも、アロエベラやビタミンEなど保湿成分が配合されています。私は生理のときに、外性器の肌がチリチリする感じがあって、いつもはデリケートゾーン用の化粧水で対処しています。が、外出時はそれができない……。なので、肌を整えてくれる成分が入ったシートを持ち歩けるというのは、たいへんありがたいです。

◎ピュビケア「デリケートコットンシート」

 東京・白金にあるアンダーヘア専門脱毛サロン「ピュビケアサロン白金台」のプロデュース商品ということで、たいへんリッチ感のあるシートです。お値段も、20枚で2,376円! アソコを1回拭くのに100円以上かかるってことかぁ……。ま、白金マダム専用なのですね。

 ただ、お高いだけのことはあるんです。シート自体が、オーガニックコットン。で、そこにオリーブ油やカミツレ花エキス、トウキンセンカ花エキスなどの天然植物うるおい成分が配合されています。香りは、ミント。先述したように甘ったるい香りが苦手な私ですが、これはほんとうに清々しい香りで、気分までリフレッシュできそうです。

 そして、実際に拭いてみると、これまた爽快。メンソール系のものは入っていなさそうですが、ミントの効果か、スーッとした清涼感が残って気持ちいい! 夏場は特にいいかもしれませんね。そして、使い終わった後の肌のしっとり感も、たしかに実感できます。

 こちらも個包装になっているので、持ち歩きには便利です。グリーンver.とピンクver.がセットになっているけど、何か違うのかしら? と思いきや、中身はまったく一緒のようです。

 価格以外にもうひとつ難点を挙げるとすれば、トイレに流せないことですね。生理用品用のダストボックスに廃棄すればいいだけですが、やっぱり流すほうが気がラクですよね。

◎ジャムウシート ディアルナ

 シートサイズは15☓20cm。10枚入とはいえパッケージが大きいので、携帯するのは不便かなぁ。自宅で使ったり、あとオフィスのトイレで個人ロッカーがある人はそこに常備しておいたり、そういった用途で使ったほうがよさそうです。

 ちょっと生地が弱いのか、パッケージから抜き出すときに少し破れてしまいました。が、これは単に私が雑なだけかもしれません。香りについては特に説明がないのですが、ユーカリのような、樹木系の香りがします。同じく使用感も、すっきりきれいに拭い取れた感があります。

 使用後は、トイレに流せます。Amazonでは10シート☓3パックで1,245円。つまり1枚41.5円。このあたりの価格までが妥当なラインといったところでしょうか。

 と、4種のシートをレビューしましたが、いずれも日常的な不快感対策だけでなく、使い道はもっとあるんです。

 たとえばオナニーの後。イッたまま気持ちよ~く寝落ちしたいのに、下半身はべたべた……ってイヤですよね。でもシャワーを浴びるのは、面倒くさすぎる。そんなときベッドサイドにこれを常備しておけば、きれいに拭きとって気分もさっぱり眠りにつけるわけです。

 あとは、今夏に話題になった〈フジロックで5人とファック〉的なシチュエーションでも、セックス前/後ともに使っていただけますね。まあこれは極端な例にしても、事前にシャワーを浴びれないような状況下で、きっと重宝してくれます。自分だけでなく、相手の性器もきれいにできちゃうしね。アウトドアセックス好きな方は要チェックです。

 ワキ汗対策が一般的となり、デオドラントシートを持ち歩くのもいまや常識。このデリケートゾーンシートがそれに並ぶ日も、そう遠くないのでは……と私は踏んでいます。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

この夢は妄想であり実在のエグザイルとは無関係です

◎枡野浩一 神様がくれたインポ/第四回
「この夢は妄想であり実在のエグザイルとは無関係です」

 『神様がくれたインポ』連載サイトの編集長から送られてきた「まるごとびわゼリー」をまるごと口の中で咀嚼しながら、この連載はこのままで大丈夫だろうかと不安になりました。誕生日プレゼントとして松田アキさんから貰った「生姜ジンジャーシロップ」を、私はお湯で割って飲むことにしました。生姜とジンジャーは同じものなので変な名前。きれいな紙ラベルを貼ったガラスのびんに入っているせいで、いっそう名前の変さが際立ちます。

 窓から見える花火を鑑賞する会だったのに、コップ一杯のビールでいびきをかいて眠ってしまったことがあります。という話を先週書いたけれど、よくよく考えたらあれは先輩芸人のマンションに初めて招かれたときではなかった。記憶が混じってしまっていた。あれは岸川真さんのマンションでした。岸川真さんは芸人ではなく、小説家です。

 よくよく考えてみなくても、私は先輩芸人の家に招かれたことなんてなかったのです。飲み会に混じったことは当然あったけれど。これからやっと親しくなれるかもしれないと思ったあたりで芸人事務所をやめてしまった。意図的に嘘を書こうと思ったつもりはありませんが、しらふの自分の脳が信じられません。嘘をつきたくて嘘ばかりついていた元相方と、嘘をつくつもりはないのに結果的に記憶がまちがっている私と。どっちもどっちだった。

 先週水曜日は作家の中村うさぎさんとトーク。木曜日はミュージシャンのセンチメンタル岡田くんとトーク。金曜日はコラムニストの小田嶋隆さんとトーク。本当は『神ンポ』のしめきりは木曜日でした。連日のトークで疲労困憊してしまって書けず、土曜日と日曜日も無為に過ぎた。本日は祝日の月曜日です。

 「生姜ジンジャーシロップ」をくれた松田さんは、アルバイトとして私の仕事を手伝ってくれていた女性で、肉体関係はありません。一般に男性が女性を個人的に雇う場合、やるものなのでしょうか。当時は薄給とはいえアルバイトを雇えるほど収入があり忙しかったのでした。吉祥寺に住んでいたから、同じく吉祥寺に事務所を構える作家の岡田斗司夫さんが若い女性とキスしている姿を見たことがあります。女性はタクシーに乗るところでした。そんなところでキスをしたら見られます。

 この原稿に名前を出す許可をとるため松田さん本人に連絡したら、《やってるんでしょ?と何回聞かれたことか……》と返信がありました。

 岡田斗司夫さんとは『マンガ夜話』というテレビ番組で一度共演したことがあります。元妻と籍を抜いた直後だから二〇一三年の八月だったか。楽屋で「うちは岡田さんの『フロン』を読んで離婚したんですよ」と事実を伝えたら、なぜか動揺しているようだったのが印象的でした。「おめでとうございます。それはよい選択をしましたね!」くらいは言うような方だとイメージしていたからです。

 『フロン』は当時の妻と回し読みして面白い本だったという印象だけ残っています。今はもう思いだしたくありません。岡田さん自身は離婚して正解だったのかもしれないし、自分の離婚を人のせいにする気もありません。ただ岡田さんがたくさんの女性を同時に恋人にする人らしいというニュースを聞いて、そのようなエネルギッシュな男の結婚離婚観を自分のようなインポが参考にするのは根本的にまちがっていた。という思いがぬぐえない。

 ネットには色々なニュースが落ちています。「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、肉を食べると生成されやすくなるそうです。肉を食べないから不幸せなのでしょうか私は。ベジタリアンは不幸せなのでしょうか。テレビマンがみんな参考にしているインタビュー本を書いた吉田豪さんはベジタリアンです。

 あのころ吉祥寺にベッシーカフェという喫茶店があり、居心地がよかったのでよく入り浸っていました。そこでも岡田さんと時々会いました。私がマックのノートパソコンで原稿を書いていたら、お洒落ですねとからかわれたことがあります。私はお洒落でマックをつかっているわけではなく、機械に弱すぎてウイルス対策とか全然わからなくて仕方なく選んだ機種だった。今もマックのキーボードの「め」は馬鹿になったままです。でも慣れた。故障のある状態に慣れて、故障をなおさないままにしてしまう。私の人生のようです。

 生姜ジンジャーシロップのお湯割りが喉に沁みます。風邪気味なのかもしれません。鼻水が出て涙も出るので花粉症も疑いました。以前ミュージカルに出演したとき共演した女優さんが、花粉症を疑う私のためにわざわざアレルギーに効くという「べにふうき緑茶」を送ってくれました。きのうはそれを飲んでいた。効いた気もするし効かない気もします。その女優さんが出演中の演劇はたしか今夜で千秋楽ですが、体調が悪いし仕事も片づかないし観に行かずに今は夜です。ごめんなさい。

 以前ミュージカルに出演したとき、さらりとそう書いたけれど私はミュージカルに出演したことが二度もあります。『僕は運動おんち』という小説を書いたことがあるほど運動おんちなのに。一度目は少ししか踊らない役でしたが二度目はけっこう踊りました。あまりに下手なので枡野浩一という人ばかり見てしまうとネットの感想にも書かれました。べにふうき緑茶をくれた女優さんには「枡野さんはいつも目立ってずるい」と言われました。

 なんだか何をやっても「ずるい」と言われているような気がします。客観的に見たら、ずるい男なのでしょうか。結婚中も妻に言われました。「子育てもしないで子供の可愛さを味わいたいなんて、ずるい」と。私は物凄く子育てをしているつもりでした。乳離れをしてからは寝かしつけを毎晩担当していたし、おむつもむしろ私しか取り替えていなかった。うんちのときのおむつ替えをしない男が多いという記事をネットで読んで驚愕しました。でもそういう男たちは離婚しておらず、子育てもしないで子供の可愛さを思うぞんぶん味わい、浮気だってしっかりとしているのです。

 エグザイルの人はおむつを替えるでしょうか。替えてたら世間的には好感度アップだろうけど枡野的にはイメージダウンだ。「おむつプレイ」をしているほうがマシなくらいです。

 姪っ子がエグザイルの絵を描いている こげ茶と黒がなくなりそうです (二葉吾郎)

 インターネットでやっていた枡野浩一短歌塾の受講生が詠んだ短歌です。お笑い芸人としてのネタにエグザイル短歌をつかおうとしたことがあり、自分でも大量のエグザイル短歌を詠んでみたけれど、結局ステージでいちばんウケたのは二葉吾郎さんの一首でした。エグザイルとは関係ない私の短歌で、ステージでウケたものも少しだけあるのですが、その短歌が自信作かというとそうでもなかった。自信作が笑いをとったことは全然なかった。

 ずっとあこがれていたエグザイルの下っ端メンバーになった僕。エグザイル兄貴たちに呼ばれてホテルの一室に行くと、そこは乱交パーティの会場となっていた。薄暗い照明。酒と、煙草やら何やらの煙。爆音で流されているエグザイルの音楽。腰づかいもリズミカルな兄貴たちのセックス。リーダーの妹であり、僕が少し恋心をいだいていた朱美ちゃんも、あられもない姿でやられてしまっている。

 「浩一、おまえも早くやれよ!」兄貴たちにそそのかされて、「ぼ、僕は、いいっすよ」一度は固辞したものの、「おまえ、きょうからエグザイルの一員なんだろ? 俺たちの歓迎パーティに混じれねえってのか?」怖い顔ですごまれて、しぶしぶ参加することにした。

 へっぴり腰の僕のセックスを見て、顔を見合わせて笑っている兄貴たち。「もっと腰つかえ!」「ほら、俺の動きに合わせて素早く動けよ!」「俺こっちやるから、お前そっちの口、担当しろ」口々に指導する兄貴たち。女の子は美形ぞろいだけど数が少なくて、どうしても「男女男」の3Pとかになってしまう。

 エグザイルの一員として恥ずかしくないよう汗だくになって夢中で腰を振っていたが、意識が朦朧としてきた何ラウンド目かの途中、ふと周囲を見回すと、兄貴たちはほかの女の子たちと、どこかへ消えていた。取り残された朱美ちゃんが僕のからだの下で、「こういうこと、浩一さんだけは、しないと思ってたのに」と涙をこぼす。僕は深く深く後悔しながら、あわてて引っこ抜いたが、朱美ちゃんの泣き顔に向かって勢いよく発射してしまう。とてつもなく後ろめたくて、気持ちよかった。

 以上は「ミクシィ」という友達しか読むことができないSNSで、二〇〇九年五月二十八日に書いた「エグザイルになる夢」の日記。先日アダルトビデオ監督の二村ヒトシさんとやったニコニコ生放送のトークイベントでも話したし、もう何度も人前で話してしまって興奮度は薄れてしまったけれど、昔はこのイメージでよく自分を慰めていた。ミュージカルに出演したとはいえダンスの下手さ世界一の僕が、エグザイルに入るなんて夢のまた夢。

 エグザイル先輩とか言ってても、全メンバーの中で私がいちばん年上なのだから、死んで生まれ変わらないかぎり可能性は永遠のゼロ。

(つづく)

■枡野浩一/歌人。1968年東京生まれ。小説『ショートソング』(集英社文庫)ほか著書多数。短歌代表作が高校の国語教科書(明治書院)に掲載中。阿佐ヶ谷「枡野書店」店主。二村ヒトシさんとのニコニコ動画番組『男らしくナイト』(第1回は9/24夜)、中村うさぎさんとのトーク企画『ゆさぶりおしゃべり』(第1回は10/7夜)など、最新情報はツイッター【@toiimasunomo 】で。

川島なお美も実践した「代替医療」。ニセ医学に詳しい医師が、その功罪を明らかに

 先月24日に胆管がんで亡くなった女優の川島なお美さんが、抗がん剤治療を拒否し〈ごしんじょう療法〉なる民間療法の治療院に通っていたことは、皆さまご存じのとおり。その報道を目にして「おまじない? 民間療法? 霊感商法? 邪気を取り除くとか言ってるから、よくわからないけど怪しげ~」なんて感想を持った人も多いと思いますが、ごしんじょう療法とは何かと言えば、〈代替医療〉の部類に入るでしょう。

 〈自然派〉な人たちが好むホメオパシーやアーユルヴェーダ(インド医学)、中国医学(中薬療法、鍼灸、指圧、気功)、アロマテラピー、食事療法、健康食品etc.これらも皆、代替医療の仲間です(オルタナティブ医療。ホリスティック医療と呼ばれることも)。代替医療とは、日本補完代替医療学会の定義によると〈現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称〉とされています。かみくだくと、〈通常医療の代わりに用いられる医療のこと。エビデンスは今のところなく、時にスピリチュアルも取り入れた独自の理論で治療が行われる〉とでも言えばいいでしょうか。

 しかしエビデンスがない=絶対に効かないというワケでもなく、中医学などは私たちの生活の中であたりまえのように目にすることができます。今回の川島なお美さん訃報に際し、微妙に〈悪者〉という印象になっている代替医療の扱い方を、『「ニセ医学」に騙されないために』(メタモル出版)の著書である内科医・NATROM先生に、ご教示いただきましょう。

 そのお説が正しいかどうかは、一般的に「論文があるかどうか」「データをしっかり読め」なんてチェック法をよく聞きますが、自分はちょっと(かなり?)お勉強が苦手なもので、正直読んでもよくわからずハードルが高く……。その代替医療が信頼できるかどうかを見極める、手軽な方法はありますか?

NATROM「ポイントをふたつに絞りましょう。まず第一に〈標準的な医療を否定するところ〉は避けてください。例えば『がんは手術や抗がん剤では治らない』『ワクチンを打つとかえって体に悪い』などと言い、『その代わりに○○療法を受けなさい』と言ってくるようなところです。標準的な医療を受ければ治るはずだった病気が、治らないなんてこともありえます。実際に、死亡者が出た事例もあります。代替医療は標準的な医療の代わりにはなりません。選ぶなら、標準的な医療と共存できるものにしてください」

◎信頼できるかどうかは見極められる

「第二に、あまりにも高額な代替医療は避けた方が無難です。医療の分野では〈高価な方が質が高い〉とは必ずしも言えません。質が高い医療とは、複数の研究で効果が証明され、多くの国で認められているものです。そういう質の高い医療は保険適応となり、普通の病院で一定の自己負担で受けることができます。一方、代替医療や民間療法は効果が十分に証明されていませんから、保険適応になっておらず、全額自己負担です。あなたがいくらでもお金を使えるならともかく、そうでないなら、高額な代替医療にお金をつぎ込むより、旅行や食事などの別の楽しいことにお金を使うのをお勧めします」

「標準的な医療だけでは不安なら、付け加えて何らかの代替医療、民間療法を行うのは必ずしも悪くはありません。それで不安が少しでも解消すれば、それだけでも役に立ったと言えます。しかし、標準的な医療を止めて代わりに代替医療を行ったり、買いたいものを我慢して代替医療に高額なお金を支払ったりするのは、割に合いません」

 ごしんじょう療法のHPを見てみると〈抗がん剤や放射線治療の副作用を除去し、がんの痛みを取り除く「緩和ケア」として〉行われているらしく、料金もさほど高額ではないというウワサ。巷で「怪しい!」と言われているほどのものではないのかも? しかし、実際に緩和ケアに有効かどうかというと、残念ながらそこまで都合よくはいかないよう。

NATROM「ごしんじょう療法は、緩和ケアに有効ではないと思います。信じている人にとってなら心の安寧ぐらいになるでしょうが、癌性疼痛(がんせいとうつう=がんによって生じる痛み)などの症状に効果があるとは考えにくいです。川島なお美さんの場合には、強い痛みなどの症状がたまたま生じなかったため、最後まで、ごしんじょう療法を続けられたのではないか、と思います」

 しかし中には、劇的に効いた!という人もいるようで、同HPには「鎮痛剤で効かないがんの激痛が、ごしんじょう療法で消滅」なる体験談が載せられています。冷えとり健康法でも手かざし療法でも(あ、これは宗教?)健康食品でも、巷の健康法において「アトピーが治った!」などの体験談が掲載されるのは、ど定番な手法。それを効果効能と受け取ってしまう人も少なくなさそうです。

NATROM「患者さんの経過を把握するために十分な医学的情報が含まれているのが、〈症例報告〉です。たとえば、年齢、性別、既往歴、生活歴、現病歴、診察所見、検査所見、画像所見、病理所見、診断根拠、治療法の詳細、経過などです。一方で、患者さんの主観が多く含まれるのが〈体験談〉です。『○○療法でがんが治った』という体験談はよくありますが、『がんが消えたと医師から言われました』とだけあって、がんが治ったと医師が判断した根拠が明確でなかったりします」

「体験談は、同じ病気の人同士が悩みを共有したり、医療者の視点から見落としがちな医療の問題点について気づかせてくれたりします。しかし、ある治療法の効果の有無を判断する材料にはなりません。また、代替医療の宣伝に使われている体験談の中には、医学的な観点からみてあまりにも不自然で、捏造されたとしか思えないものも存在するので注意が必要です」

◎なぜ医療不信は生まれるのか?

 ネットで出回る〈口コミ〉や検索した情報をコピペしただけのような〈適当なネット記事(バイラルメディアとか)〉も、その片棒を担いでいそう。しかし保険が使える一般的な医療があるにも関わらず代替医療を選ぶ人の中には、川島なお美さんががん治療を模索するなかでブログに「とんでも医者がたくさんいた!」と綴っていたように、〈医療不信〉がありそうです。こういった巷の医療不信は、どこから発生するのでしょうか。

NATROM「主にふたつの要因があると思います。ひとつが、現代医学が完全でなく欠点もたくさんあること。もうひとつが、現代医学の欠点をあおって利益を得る人たちの存在です。現代医学が治せない病気はいくらでもあります。治療にはどうしても一定の割合で副作用や合併症が生じます。病院での待ち時間は長いですし、説明不足だったり、態度が悪かったりする医療者もいます。医療ミスや薬害もあります。こうした現実が医療不信の原因です」

「私たち医療者の努力不足があるのは確かです。少しでも状況を改善できるよう、努力していきます。ただ、医療不信の原因の一部には、医療不信をあおって利益を得る人たちの存在もあると思います。標準的な医療を否定することで、代替医療を売ったり、出版や講演会でお金を取る人たちのことです。現代医学が不完全であるといっても、治したり、予防できたりする病気もたくさんあります。大事なのは、利点と欠点を正しく把握した上で、納得して医療を受けることです」

 典型的なのは、近藤誠医師の「がんもどき理論」(それなに?という方は検索!)ですね。

 また、代替医療とは少し異なるかもしれませんが〈反医療〉といえば、〈自然なお産〉を尊ぶ人たちの「医療介入のないお産こそが自然ですばらしい」という価値観も、女性の間ではよく知られています。それらの人たちも含め、代替医療を選ぶ人たちは〈代替医療者=患者の気持ちに寄り添ってくれる〉〈病院=患者の気持ちは無視〉というステレオタイプなイメージを持つ人が多い印象があるのですが。

NATROM「患者さんの気持ちに寄り添っている代替医療者もいるでしょうし、患者さんの気持ちを無視するひどい医師もいるでしょう。ただ、それだけではないと私は思います。〈嘘も方便〉が許されていた昔と違って、今では医師は患者さんに正確に情報を提供する義務があります。末期がんであれば『治りません』と説明しなければなりません。あるいは早期がんであっても、『手術がうまくいっても、○%は再発することがあります』と説明しなければなりません。もちろん、患者さんの気持ちに十分に配慮した上で説明するようにしていますし、正確な説明を行いつつ、患者さんを不安にさせないのも医師の技術です」

「しかしながら、厳しいことを聞かされる側は、どうしても医師の説明を冷たいと感じたり、不安が残ってしまうこともあるでしょう。一方で、少なくない代替医療者は、無責任に『完治します』『副作用はありません』と宣伝します。嘘をついていいのなら、いくらでも患者さんの気持ちに寄り添っている〈ふり〉ができるのです。本当に完治するならいいですが、治らずにいよいよ病状が悪くなってきて、普通の病院に丸投げしてくるケースもあります」

◎何事も主治医に相談すべし

 丸投げされた先で、治ればまだいいけれど……! 結局のところ、代替医療はどのような状況ならば、取り入れても問題ないのでしょう。

NATROM「標準的な医療と共存でき、安価で、安全であれば、代替医療を取り入れてもかまいません。共存と安価の話はしましたので、安全の話をしましょう。金の棒で体を擦るという、ごしんじょう療法は安全でしょう。しかし、代替医療の中にはリスクを伴うものもあります。たとえば、健康食品による肝障害を起こすことは珍しくありません。注射や点滴をしたり、口に入れたりするタイプの代替医療は、取り入れる前に信頼できる医師に確認をしたほうがいいでしょう」

「自分は冷静に判断できる」と思っていても、いざ深刻な病気になるとワラをもつかむ思いで手を出してしまいそうな代替医療。深刻な状況ではなくても、「何となく薬は嫌いだから」という理由で代替医療を選択する人もいそうです。

 この記事を目にする方の中には、まだ若く健康な人も多いと思いますが、今のうちに専門家のこうした意見に触れておき、いざ自分や家族、恋人や友人が病気になったとき、どうか適切な判断やアドバイスができるようになりますように。

(謎物件ウォッチャー・山田ノジル)

整形レポ! 涙袋ぷっくりのヒアルロン酸注入をやってみた

messy読者の皆様、はじめまして山ちゃんです。
アラサー、女、フリーランスでヘアメイクやヴィジュアル系バンドプロデュース等の仕事をしている人間です。

私は以前から美容整形に興味があり、整形外科のサイトを調べてはお医者さんのブログを読んだり、芸能人の整形検証サイトを朝まで見て寝不足で仕事に行ったり……と興味津々でありました。

2年前に都内にある小さなクリニックで、両目の埋没3点留めを受けたのが人生初の整形。
埋没法は糸で瞼を留めて二重を作る方法でメスを入れないので、いわゆるプチ整形でした。

臆病者なので、埋没を受けるまでに2年以上は悩みました。
何処のクリニックでやるか……やっぱり値段がそれなりに高いクリニックの方がいいのか……でもあまりに高いと金銭的に辛いからなるべく安いのがいいけど安すぎても不安……などなど。
ヘタな医者にあたって化膿したり整形前より好きじゃない顔になったりしたら嫌だから、悩みはいくらだって出てくるのです。

そんな経験を持つ私に、東京イセアクリニックでアゴ・ほうれい線へのボトックス&ヒアルロン酸注入を体験したmessy編集長の下戸山さんから「山ちゃんもイセアで体験レポやってみます?」とご提案いただき、臆病者なのにこのときばかりは「やりまっす!!!」と即決。もう悩んでいてもしょうがないですからね、やりたいこと全部やっちまいたいのです。

整形レポをするに当たって、顔を出すか目線入れるかすごい悩んだのですが……
アラサー独身恋人なし自由業貯蓄なし。あるのは奨学金の返済とセルライトだけ。
まぁ、守るものも何もないので、整形に興味のある皆様により分かりやすくお伝えできれば……と思い、顔出しにします。

◎女囚山ちゃん、アンチエイジングの必要性を知る

これから何回かお世話になる予定のクリニックは、前述の東京イセアクリニック。
以前、下戸山さんが東京イセアクリニックであごにボトックスを打った記事が掲載されていて大変興味深かったです。
「姉ageha」(メディアス)にも東京イセアクリニックで顔面フル変身をされた方の記事が載ってたりして(あの『ビューティーコロシアム』を思い出す激変ぶりでした。もうテレビの世界に島田紳助はいませんね……)、気になっていたクリニックではありました。

まずはカウンセリングを受けなければ。訪問前日まで、夜な夜な自分が何の施術を受けたいかをメモ帳に書き綴っていたので、それを握りしめ東京イセアクリニック銀座院へ!

カウンセリングをして、できればそのまま施術してもらう予定なので、すっぴんでGO。
諸事情で眉毛を全剃りしてしまい、眉無しだと女囚風貌になるのでより恥ずかしいですが我慢我慢。

イクメン美容外科医だという稲見文彦先生にカウンセリングを担当してもらうことになり、メモ帳を見ながら自分の顔をどんなふうにしたいのか話しましたが、人の顔の造形を見るプロに顔を見られている=こいつのここ直したら良くなるのになぁ~とか思われてるのかも……と思うと正面を見れなくなりました。

稲見先生は落ち着いた先生で、嫌な顔ひとつせず私の用意したたくさんの聞きたいことにひとつずつ丁寧に答えてくださいました。

しかしあまりに緊張していたため、その場で聞いたことが色々と飛んでしまったのですが(ただのアホ)、いきなりメスを入れる施術をするのではなく最初はプチ整形からやっていきましょう、という方向性になりました。

そしてそして、稲見先生は東京イセアクリニックの中でも注入がお得意ということなので、注入系の施術から依頼することに。

私は注入でも色々とやりたい箇所があるけど、初回は……一番効果が分かりやすそうな涙袋をチョイス!
下まぶたにヒアルロン酸を注射器で注入して、ふっくらした形を作るプチ整形です。
わ~い、涙袋の流行が廃れる前にやっとこ!

街行く女の子とかをすれ違いざまに観察するクセがある私ですが、下まぶたのぷっくらした女性を発見しては「涙袋入れてるだろうな~この子」「私もやってみたいな~」なんて思っていたので、自分が涙袋入れたらどんな顔になるんだろ~と施術前からwktk急上昇。ルンルン♪なんて思っていたら、稲見先生からご指摘が。

稲見先生「山ちゃんさんは、目の下にたるみというか窪みがあります。そのままで涙袋を作ると、目の下に二段階の段差が出来てしまうので、目の下の窪みの部分にヒアルロン酸を注入してフラットにしてから涙袋を形成するのがオススメです」

ドッキーーーン!
目の下のたるみ……年相応以上にあるな~なんて前から感じていたけど、整形ってなると顔の造形をプラスする方向ばかりに気を取られていて、すっかりたるみのことなんて忘れていたわ……。そうですよね、特にアンチエイジング方向での美容整形を試みるユーザーさんは、「マイナス部分をフラットにさせたい」と門戸を叩く方も多いはず。私自身、まずアンチエイジングしてから「より可愛くなる」をやらなきゃダメな年齢だったんですわ……。

稲見先生「目の下のたるみの部分は脂肪なので、本当はメスを使って脱脂手術をすることが一番いいのですが、今日はひとまずヒアルロン酸で窪みをフラットにしてから、目の下のキワに涙袋を注入で行きましょう」

承知しました~。
というわけで、早速、施術を受けます。

「いてぇ……」

施術ルームのベッドに横になり、若手の男性看護士の手で目の下に麻酔クリームを塗ってもらいました。

塗られながら看護士さんに質問。

山ちゃん「先生も打ったことありますか?」

若手看護士「ボトックスをおでこの皺に打ったことはあるのですが、ヒアルロン酸はまだで……。患者さんの気持ちを知るためにも打ちなって言われてるんですよ~」

そうか、自分自身の体で試してるんだなあ……。私も美容外科医になれば打ち放題……? って今さらそれは無理だわ。

白い麻酔クリームを塗布後、ラップを上から被せ、保冷剤を渡されました。

若手看護士「麻酔を効かせるために20分前後置きますので、その間、私は退室します。ご自身の手で保冷剤を上から当てて冷やして下さい」

20分が経過し、稲見先生が現れました。

稲見先生「すいません少し遅くなってしまって。今、カウンセリングと埋没をやってきました」

へっっ???
今のこの冷やしてる時間に、カウンセリングして埋没までやってのけたんですか!!!
整形外科の先生ってこんな風に毎日、多くの患者さんを診ているのですね……すご……。

さて、自分で手鏡を持って、デザインの確認をします。
稲見先生が紫色のペンでマーキングしていきます。

麻酔クリームを拭ってから、右の目の下の窪み部分から注入開始。
細めの注射器に入ったヒアルロン酸を数回に分け、少しずつ注入していきました。

針を皮膚に刺すとき、「ぷすっ」という刺した感触があり(麻酔有りなので、ほとんど気にならない程度のチクッと感)、ヒアルロン酸が注入されるときの何かが皮膚に入ってくる感触の方が刺すときよりも痛かったです。
特に骨に近いところというか、顔の中心部に近いときのほうが痛みは強かった気がします。

窪み部分に注入が終わると次は左の窪み部分。そしていよいよ涙袋への注入へ。
窪みへの注入のときは目を閉じていたのですが、涙袋は目の下ギリギリに打つので目を開けたまま注入するらしく、なるべく針先を見ないように視線を上にして構えていました。
……目のキワに注入するときのほうが、窪み部分よりも痛い!!

ヒアルロン酸が皮膚に入っていくときの痛みが増した感触です。
思わず「いてぇ……」と言ってしまった箇所があり、そのときは涙がぽろっと出てしまいました。
しかし、打ち終わった後5秒くらいで痛みが引きました。はえぇ。

稲見先生は打ちながらも「僕らも患者さんの気持ちを知るためにヒアルロン酸打ったりしたことあるんですけど、注入するときってやっぱり痛いですよね~」と慰めてくれて、先生もこの痛み味わってるのか~と思うと、なんだか安心して身を任せることが出来たような気がします。

途中で、痛みボールという物を渡され、これは……? と思ったのですが、「痛いときにボールを握ると少し楽になりますよ」とのこと。陣痛を逃がすみたいな?

確かに、痛みの衝動をボールにぶつけることができる!
撮影してくれているスタッフの方が「山ちゃん、痛みに強いほうですね~!」と褒めて(?)くれました。
自分では痛みへの耐性が他人と比較してどんなもんかは分からないけど、もっと露骨に痛がる人が多いってことなのでしょうか。

両方の施術が終わり、起き上がって鏡を覗くと、目の下がパァーーンと貼っている!

目の下に打つためのマーキングのペンの跡があるし、打ちたてなので涙袋ができた!っていう実感はさほど薄いですが、やり終えた達成感があります。
before、afterがこちら↓

【画像はmessyで!】

当日は、ヒアルロン酸の形が崩れてしまわないように、なるべく目の下を触らないよう言われました。気になって触っちゃうと元の木阿弥~。
翌日からお化粧はできるけど、定着するまであまり目の下をいじらないように気をつけたほうがいいみたいです。

馴染むのに2週間~1カ月はかかるとのことで、馴染み終えた1カ月後の仕上がりが楽しみであります。

入れた直後は、目の下に固い物が入っている違和感があって、思いっきり笑っても目の下につっかえ棒が入ってるみたいな感覚。表情が硬くなっている気がしました。
実際に目の下を触ってみると(触るなって言われてるのに!)、骨とは違った硬い感触が。
よく芸能人が「顔面が硬まっている、表情筋が動いていない」みたいな整形疑惑スレを立てられているのを思い出しました。注入直後の状態でテレビ出演しちゃうと、そうなりがちなんでしょうか。馴染んだら自在に動くようになるものですかね?

次回の記事で、経過報告をしていきたいと思います。
(山ちゃん)

「自称セックスうまい人間」が男性に多い理由とは?

 あなたは「自称セックスうまい人間」に遭遇したことはありますか?

 私はこれまでに何度かその手の男性に会ったことがあります。これからホテルに行くか行かないかといった微妙な空気感が流れている段階で、自ら「オレ、うまいって言われるよ」とセックスのハードルを上げ出す人や、「よくデカイって言われる」とデカちん自慢をする人、またセックス中に「気持ちいいでしょ?」と確認してきて、こちらが絶対に感じている前提で手マンやらクンニをしまくる人。

 「男友達に“スペースフィンガー”って呼ばれてる」と話す人にも会ったことがあります。よくわかりませんが、要するに「手マンのテクがある」という意味で使っていました。でもなぜそれを男友達が知っているのでしょうか? もしや男友達の前で手マンのテクを披露する場面があったのか……。おそらく、男友達に「こないだ手マンで潮吹かせたぜ! (or イカせたぜ)」的な自慢をし、「すげー! お前、スペースフィンガーじゃん!」といったリアクションがあっただけなんじゃないかなと思います。

 残念なことにこういった類の男性とのセックスで、「超気持ちいい! さすがスペースフィンガー!」とか「これは公私ともに認めるべきデカちんだ!」と感じたことはありません。たまたま私にとってノーマルフィンガーやノーマルちんちんだっただけで、他の女性にはスペースフィンガーだったりデカちんという可能性もなくはないのですが。

 というか、なぜ相手のセックス的嗜好がほとんどわかっていない状況で、テク自慢をするんでしょうか? 他の女性に通用したテクが全ての女性に通用するとは限らないし、「気持ちいいって思ってもらえないかもしれない」という思考が全くないというのは不思議です。

 しかし、ある意味では男性に「自称セックスうまい」タイプがポツポツ存在しているのは「仕方のないこと」とも言えます。AVを観れば、これでもか! という激しい手マンをされている女性がアンアン喘いで「気持ちいい~」と言い、実際にセックスしてみても多くの女性は演技をしますから、男性が「これで間違いないだろう」と確信してしまうのも頷けます。セックスは2人でするものですから、愛撫が痛かったり下手だったりするのを指摘しない女性にも少なからず責任はありますよね。

 一方、女性の「自称セックスうまい」談は聞く機会が少ないように感じます。「彼氏が早漏」「テクがない」といったグチや悩みはよく聞きますが、「秒速で男をイカせた」「名器と言われた」といった自慢的な自己申告はあまりないかもしれません。気になる男性とのセックスのために、「私って“ミミズ千匹”らしいんだよね」との誘い文句を使っている女性はいるのでしょうか?(ちょっと使ってみたい気もします)

 女性の「自称セックスうまい」タイプが珍しいのは、多くの女性がセックス中に演技をした経験があり、仮に男性に「フェラうまいね」と言われたとしても「私も演技してるし、向こうも本心で言ってるワケじゃないかも」と真に受けないからではないかと思います。加えて、男性間では「たくさんの女性をイカせた」「デカちん」が自慢になったり、賞賛されることが多いですが、女性間ではそうではなく、例え「フェラうまいって言われる」と言ったところで「何それウケる」「今度教えてよ(笑)」といったギャグ的な捉えられ方をするか、単純に引かれることが多いかもしれません。

 少し前に“マウンティング”という言葉が流行りましたが、男性間では自称だとしてもセックステクがマウンティングの材料になるのに対して、女性間ではあまり効力がない。例え根拠のない自称だとしても、「セックスがうまい」というのは男性にとって誇るべきポイントなのでしょうか? 雑誌の広告などの“ちんちんをデカくするなんちゃら”は何年も前から存在しているのに、“締まりをよくするなんちゃら”がごく最近登場したものだということも、それに通じるような気がします。

 セックスなんて千差万別で、「これが正解、こうすれば絶対に気持ちいい」という絶対的な方式はありません。「デカちんは痛い」と嫌がる女性もいるし、「締まりが良すぎると痛い」という男性もいます。そう考えると、本当にセックスがうまい人が存在する確率はかなり低いものになってくるし、いくら自分のテクを口頭で説明したところでやってみなければわかりません。まあ、セックスに限らず“自称○○自慢”はあまり信用できないものですけどね……。

■Lollipop-Rumiko/通称ロリルミ。中学1年で済ませた初体験を皮切りにビッチ街道を突っ走ってきたが、ここ数年それに疑問を感じ始めている26歳。しかしまだ完全にビッチを卒業することはできず。好きな男性のタイプは、ちょっとSなクンニスト。最近の悩みは、夕方になるにつれてクッキリしてくるほうれい線と、過度の飲酒と白米の食べ過ぎによってできた腰回りのぜい肉。

キレイが人生の邪魔をする?~ニューオーリンズの無名の聖女の物語『愛する勇気』

 こんにちは、北村紗衣と申します。私はシェイクスピアの研究者で、普段は江古田にある武蔵大学で英文学や舞台芸術史を教えています。シェイクスピア研究というと難しい戯曲のテクストを前に……という想像をされる方も多いかもしれませんが、現在のシェイクスピア研究は上演研究や翻案研究などを含むかなり裾野の広いものになっています。私も普段はいろいろなことをやっているのですが、主に研究しているのはシェイクスピアとその女性ファンの歴史です。

 この連載では、フェミニズムを軸にして、舞台や映画、テレビドラマ、本などを分析していきたいと思います。

 フェミニズムというと社会運動や社会学を思い浮かべる方も多いかと思います。しかし、文芸批評の中にも「フェミニズム批評」という分野があります。これはジェンダーやセクシュアリティ、家父長制など様々なフェミニズムの概念を用いて作品を分析するものです。本気を出してひとつの作品をフェミニズム批評で分析すると何千字も必要なので、この連載ではもう少し緩い感じでジェンダーやセクシュアリティの話題を盛り込んだ作品紹介をしていきます。特に私は昔のことを研究しているので、作品を取り上げる中で、女性史、つまり今まであまり取り上げられてこなかった歴史上の女性や、過去の女性の暮らしぶりなどにも目配りしたいと思います。

◎ニューオーリンズで過去に出会う

 今回取り上げるのは、ヴァネッサ・ウィリアムズ主演のテレビドラマ『愛する勇気』(Courage to Love)です。

 このドラマは2000年に、女性向け番組を得意とするアメリカのテレビ局・ライフタイムが放送した歴史ものです。一応日本に輸入されているのですが、とくに有名な作品ではありません。ドラマの内容をご紹介する前に、私がこのドラマに登場する無名の偉大な女性・アンリエット・デリールと出会ったきっかけをお話しすることにしましょう。

 今年の3月、私は研究出張でアメリカのルイジアナ州に行ってきました。調査の合間にガイドツアーに参加し、ニューオーリンズの聖ウルスラ修道会を見学したとき、ある像を見かけました。この像はツアーのガイドさんのお気に入りだそうです。というのも、アンリエット・デリールは地元出身の自由黒人でありながら(19世紀のルイジアナ州には奴隷ではない自由身分の黒人住民が多数いたそうです)、当時慣習的に行われていた白人男性との愛人契約を拒み、さらにはアメリカで初めて黒人女性のための修道会を設立するという偉業を成し遂げた女性なのだそうです。この功績が称えられアンリエットはカトリックの尊者となり、そのうち列聖される可能性もある、ということでした。

 私はアメリカ史にもキリスト教にもあまり詳しくないのですが、奴隷制度があった時代に有色人種の女性が修道会を立ち上げるのが大変な仕事であることくらいは想像がつきますし、聖女になるかもしれないというからには興味深い人生を送った女性に違いありません。

◎美貌は人生の邪魔?

 『愛する勇気』は、このアンリエットの半生をドラマ化したものです。ヒロインの恋をはじめとしてドラマチックに脚色されているため、史実にそれほど忠実というわけではないようですが、それでもフランス文化の強い影響を受けた19世紀ニューオーリンズの華やかな社会にひそむ差別と、それに抗った勇気ある女性の生涯をイメージできるよう作られています。アンリエット役のヴァネッサ・ウィリアムズがプロデューサーもつとめています。

 アンリエットは美しく聡明な若い女性で、教会の学校で奴隷を含めた貧しい生徒を教えています。アンリエットの父は白人、母は混血の黒人女性ですが、当時ルイジアナ州では白人と黒人の結婚が禁止されていたため、両親は正式に結婚していません。このふたりは「プラサージュ」と言われる、ニューオーリンズでよく行われていた白人男性と黒人女性による内縁関係を結んでおり、アンリエットと姉セシリアはそうした関係から生まれました。

 デリール姉妹も両親から、将来は裕福な白人男性の愛人になることを期待されています。ニューオーリンズではこうした混血の娘たちと白人男性を引きあわせるお見合い舞踏会が開かれており、姉のセシリアはそこで会ったサミュエルの愛人となります。アンリエットもポールという男性との内縁をすすめられますが、信心深いカトリックで自由闊達な知性の持ち主でもあるアンリエットはこのシステムに偽善を感じます(後述)。そして父が母を捨て、正式に白人女性と結婚すると決めたとき、アンリエットの抵抗は揺るぎないものとなります。アンリエットはプラサージュを拒否して教会で教育や医療に尽くします。

 『愛する勇気』の面白さは、ヒロインの美貌が人生に対してマイナスに働いていることです。よく美人は得だと言いますが、この作品ではその美しさがかえってアンリエットのやりたいことを妨げています。

 アンリエットは信仰や地域への奉仕に強い関心があります。しかし美しいという理由で親からも社会からも白人男性の愛人になることを期待されています。当時のニューオーリンズには人種差別と性差別が溢れており、黒人女性であるアンリエットは、公の場では父親のジャン=バティストから娘として認めてもらえずに無視されたり、他の白人たちから身の程を知るように叱責されたり、しょっちゅうつらいめに合います。黒人女性が知性を生かせる仕事になかなかつけなかったこの時代、アンリエットのような自由身分の美女にとっては、女性の唯一の資源といえる美貌で力のある男性を喜ばせることで生きていくのが社会の望みに適う道です。しかしながら社会に迎合して男性に仕えるよりは自分の頭とガッツで生きていきたいアンリエットにとっては、美貌のせいで自己実現が邪魔されてしまうということになります。

 人生を有利にしてくれるはずの美貌が人生に障害をもたらすというのは皮肉な展開ですが、このドラマにおいてはこうした美しい外見に幸せが伴うわけではないというテーマが映像的にも強調されています。全体に19世紀ニューオーリンズの文化が優雅に表現されていますが、とくに山場のひとつである白人男性と混血女性のお見合い舞踏会の場面では、たくさんの花が飾られた舞踏場で正装した男女が軽快な音楽に合わせて踊るという一見ロマンチックなセッティングの裏に実は人種差別、性差別がどす黒く巣くっていることが示されます。

 アンリエットはきらびやかな装いで舞踏会に出席しますが、内心では愛人を求めてやって来る男たちを軽蔑し、「ここに愛はない」と幻滅を露わにします。舞踏会には、少し前にアンリエットを港で見かけ、一目惚れしたフランス人の医師・ジェラールがおり、アンリエットを愛人にするつもりのポールと小競り合いを繰り広げます。一見すると育ちの良さそうなポールが、「一年間の援助を約束したから」と既にアンリエットを買いとったかのような台詞を言う場面からは、この舞踏会が美しい見た目にもかかわらず、実は女性の意志を無視して肉体を売りさばく場であることが明らかになります。

 その後、教会や診察所に頻繁に訪れるジェラールを、アンリエットも真摯に愛するようになります。ふたりの恋愛が描写される際、フラッシュバックとして、初めてジェラールと踊った舞踏会のことが大切な思い出として示されますが、ふたりの美しい愛の記憶は実はお見合い舞踏会という差別が露わになる場で作られたものです。こうした描写には、美や恋に対するドライな視点が見え隠れします。

◎愛と自由、どちらが大事?

 この作品はハッピーエンドと言えると思いますが、恋の成就で終わるわけではありません。ジェラールはアンリエットに、当時黒人との結婚が禁じられていたニューオーリンズから、ジェラールの故郷であるフランスに行き、正式に結婚しようと提案します。アンリエットも一度はそれを承諾します。ふたりはとても聡明で魅力があり、お似合いのカップルに見えます。

 ところが、ジェラールがアンリエットを家族に紹介しようという段階になって、アンリエットを保護者的に守ろうとするジェラールと、誇り高く自立した女性として相手と対等な立場に立とうとするアンリエットの間の齟齬が明らかになります。馬車でジェラールの両親の家に向かう途中、ジェラールが世間の目を気にしたことからふたりの間で口論が起きます。この場面ではジェラールが恋人を差別から「守る」ことを目指しつつ「守り切れない」と逡巡している一方、アンリエットは守られるのではなく自由になりたいと考えていることが判明します。この後の場面でもジェラールは幾度となくアンリエットを「守る」ことを約束しており、当時のニューオーリンズの社会の基準からすると誠実で偏見の少ない男性であるジェラールですら、人種が違う女性であるアンリエットに対して一段上から接するような態度をとってしまっていることがわかります。

 こうした現実に直面し、さらに家族の病気という苦難を経験したアンリエットは、結局結婚をやめて故郷で差別と戦いながら信仰と奉仕に生きることに決め、黒人のための教会と修道会を立ち上げます。

 作中では白人と黒人の間の差別だけではなく、アンリエットのような自由黒人と、読み書きすら学べず、所有者に虐待される黒人奴隷の地位の違いも描かれています。奴隷身分の女性たちは教育や医療を受けられないばかりかレイプの危険と隣り合わせの悲惨な状況に置かれており、このドラマでも市場で肌をあらわにした女性が値段をつけられる場面にアンリエットが遭遇してショックを受ける描写があります。とくにアンリエットが、主人から性暴力を受けて妊娠した奴隷の少女を助けようとする展開は、ヒロインが自分の使命を自覚するための重要な布石として描かれています。

 さらに白人のカトリック信徒たちが黒人信徒を排斥しようとしたり、アンリエットに対して暴力的な嫌がらせを行ったりする様子も描かれます。こうした試練を乗り越え、アンリエットが愛に基づく個人的幸福よりも自分の能力を生かした神と地域への奉仕を選ぶという結末には、世の中には愛よりも大事なことがある、自由に生きることのほうが大事なときもあるのだ、というメッセージが秘められているように思います。アンリエットの生涯は地元以外ではあまりよく知られていないようですが、こんなドラマを見て19世紀の勇気ある女性に思いをはせてみるのはいかがでしょうか。

北村紗衣
北海道士別市出身。東京大学で学士号・修士号取得後、キングズ・カレッジ・ロンドンでPhDを取得。武蔵大学人文学部英語英米文化学科専任講師。専門はシェイクスピア・舞台芸術史・フェミニスト批評。

性差別をどう解決するか。女はひとりの男の「所有物」であるべきと、未だにこの国では思われている。

◎ポリアモリーへの差別にはもううんざり

私と沙世はポリアモリーやノンモノガミーだということで、たくさんの差別を受けてきました。沙世の場合はファッション業界から。私の場合は思想に関わる人々から。差別をしてきたのは、主に男性です。

今回も、私と沙世と今井雅之氏の件をスキャンダルとして利用しようとした人がたくさんいました。私たちは、スキャンダルになること自体が男尊女卑を始めとする性差別に基づいたおかしなことだと思っていますので、それらを「仕方がないことだ」とは思いません(注1)。

とにかく私たちはうんざりしています。下品な人々に侮辱されることも、もう本当にうんざりです。私たちは身の危険を感じることが何度もありましたし、今も、危険と隣り合わせだと感じています。例えば、沙世はこの前東京で痴漢にあい、これから裁判です(注2)。ポリアモリーのことで暴言を吐かれることも多くあります。仕事上差別されることもあります。 (沙世が受けた仕事上の差別については私のBlogに詳しく書きました。)

◎性差別のないパラダイス、イビサ

ついこの間滞在したイビサでは、私たちは身の危険を何も感じませんでした。私たち以外にもポリアモリーの人々がたくさんいて、自然に過ごしていましたし、ヌーディストビーチと銘打ってないビーチでも、美しい女の子たちがトップレスでリラックスして過ごせる安全な空気がありました(注3)。私たちのような男女混合のポリアモリーのグループだけでなく、男だけのグループやカップル、女だけのグループやカップルもいました。BromanceやWomanceのような関係性の人々も沢山いました。(これらは、Tribe cultureやhippie culture、ピュアな愛を目指す思想や非男尊女卑などの結果であり、厳密に分類することにあまり意味はありません)

とはいえ、これらはイビサの中でもディープな場所で見られるものであり、観光でちょっと来て体験できるようなものではありません。ディープな場所には、誰でも行けるわけではありません。アメリカのお金持ちが住むエリアのように塀で囲われているわけではないのですが、センスや教養などで自然にフィルタリングされています。そうして、そこにいる資格がある人だけがいられるようになっています。空港からタクシーでホテルに行き、泡パーティで遊んで夕日を見て帰る人々と、車で移動しながらプライベートな空間と特別なパーティを楽しむ人々は、ほとんど重なり合いません。そして、イビサのディープな場所やcultureは、日本ではほとんど知られていませんし、正確に伝えられることもありません。

◎トライブ = 感情共同体 × 目的共同体

実は、ポリアモリーもイビサと同じで、結局、ポリアモリーという文化の背景にあるものを理解しないと、ポリアモリーについてコアな情報を手にいれることもできないし、ポリアモリーについて正確に知ることもできません。ポリアモリーについて理解するためには、アメリカで最初に起こったサマーオブラブと、その周辺のムーブメント、そして、イギリスで起こったセカンドサマーオブラブなどを包括的に理解する必要があります。

ですので、私たちは、そうした包括的理解なしに、単に、セックスや恋愛の現象としてポリアモリーが取り上げられてしまうことがとても不愉快ですし、私たちのポリアモラスな関係がスキャンダラスに扱われることも、とても不愉快だと感じます。もちろん、愛や性や倫理を語ることも、十分に意味がある議論だと思いますが、BromanceやWomanceなどのホモソーシャリティ、共同体や自治や人権への強い思いや、Tribe culture、Relationship Anarchyという思想などを深く知らずに、ポリアモリーを理解したり実践したりすることは、難しいのです。

私はそういう意味で、少し前に出た深海菊絵氏の『ポリアモリー 複数の愛を生きる』(平凡社新書)について批判的な文章を、Blogにいくつか書きました。こちら

私たちは、日本でポリアモリーは誤解されていると感じます。また、深海菊絵氏のポリアモリーの言説によって、その誤解と差別は更に広まったと感じています。そのため、日本では、ポリアモリーという言葉を使わずに、ノンモノガミーという言葉を使ったほうがいいのかもしれないとも思います。ただ、どちらにしても、偏見や差別はあるでしょう。政治やマスメディアやビジネスの場では、女性はひとりの男性の「物」「所有物」であるべきという思想を背景にした、女性差別的な発言が繰り返されていますから。震災以降、そうした発言は加速していて、なかなか危険な状況です。

◎性差別をどう解決するか

私たちは、自分たちにとってナチュラルな生活をし、ハイクオリティな仕事をするために、環境を整えていっています。そのひとつが、イビサに拠点を持つことです。

私たちに限らず、日本の多くの女性は、今、苦しい状況にいると思います。税金はどんどん高くなり、子育てにはお金がかかり過ぎ、男尊女卑はひどく、この先の生活保障にも期待はできない。このような状況では、お金をいくら稼いでも無意味に感じてしまいますし、「不安をごまかしながら何も考えずに過ごすことが一番」と逃避してしまうこともあるかと思います。

でも、世界に目を向ければ、まだまだ諦める必要はないことが分かります。今、日本の女性がどれだけひどい目にあっていて、それがどれだけ異常なことなのかを、きちんと認識することもできます。

もちろん、日本の政治や社会を変えていこうとすることも大切です。しかし、政治や社会に関わり、政治や社会を良くすることが出来るのは、自立した個人です。政府に依存しきっていれば、政府の言いなりになる他ないからです。(これは、国家と国民、社会と個人の関係だけでなく、家族と個人の関係や、会社と社員の関係など、すべてに当てはまることですね。)

性差別が蔓延する日本の政治や社会を変えていくためにも、ひとりひとりが日本だけに依存せず、政府や行政や大企業や円や銀行に依存せず、足場を世界中に持ち、自立していくことが大切です。そして、そのためのひとつの方法が、ノンモノガミーとトライブ。ひとりひとりが自立しながら共同体をつくり、みんなで助け合って生きていくライフスタイルです。

<沙世による注>

注1 「不倫」みたいな下品な言葉を私たちは日常生活で使ったことがないし、そうした言葉を使って人を侮辱することは下品の極みね。

注2 この前東京に数日間帰国した際、渋谷で痴漢にあったときのこと。TSUTAYA付近の人通りの多い道で友達を待っていたところ、いきなり股間とお尻を掴みあげられた。これは立派な犯罪。犯人は示談したいと言ってきたけど、私は痴漢された瞬間から、法で裁いてもらうと決めていた。
このような犯罪を野放しにしてはいけない。女性が、痴漢にあっても何もせず、示談で済ますなど、弱気な姿勢でいては、日本の劣化は加速していく。
私は決して男女平等を目指しているのではなく、非男尊女卑運動、男尊女卑撲滅を目指している。私は、私個人の問題ではなくこの国の問題として、裁判に挑む。この腐りきった日本のため。

注3 日本だとトップレスやノーブラだとうるさい人がいっぱいいるけど。ここだと私は何もおかしくなくてとってもリラックスできた。

■赤坂“ユニコ”菜生/テトラヒドロン人間関係研究所所長。日本におけるポリアモリーコーチングの第一人者としてPolyamory JPを運営。

■赤坂沙世/活動家。モデル、フォトグラファー、様々なアートディレクションを手掛ける。世界各国で活躍中。

創刊号からセックス特集を組んだ新雑誌。謎人選により微妙すぎる内容に…

 雑誌でセックス特集が組まれるのは、年に一度が相場(数年前の『an・an』は毎号のようにやっていたけど)。それを創刊号から大々的に特集しちゃった、と話題になっているのが、新雑誌『MARIA ORIENTE』です。なかなかパンチのあることをするなぁ。

 しかもターゲット35~45歳というのは、いままであまりないですね。『an・an』にしても、先日ディスりまくった『GLITTER』にしても読者層はアラサーぐらいまで。個人的には『婦人公論』の性愛特集がとても好きですが、年齢層はぐぐっと上がります。35~45歳というのは大きなライフイベントを迎える人が多く、個人差はあるものの身体的にも人生の後半戦に向けて少しずつ変化していきます。そんな悩み多き世代の性についてアンサーを提示してくれるなら、私自身の将来への不安も緩和されるかも、という気持ちで手に取りました。

 でもでも、冒頭にある編集長からの〈EDITTOR’S LETTER〉を読むと、本誌の読者としてイメージする女性を「性に関する本能と、海よりも広い母性を両立させることができる女性」としていて、思わず身構えました。女性は生まれながらにして母性が備わっていて、誰もがそれを大いに発揮すべし、という考えは、たいへんツライ。おまけに、「女性にはそんな聖母的な一面と娼婦のように淫靡で欲深い一面がある」といったようなことも書かれてあり、えっ、それってよくいう「昼は貞淑な妻、夜は娼婦」じゃない? そんな男性のご都合主義を具現化したような女性像を求められても……と腰が引けました。

 が、総じて見ると、おかしな母性の押し売りはナシ。妊活の特集ページもありましたが、そこではテレビなどでも活躍されている医師の友利新さんが有益な情報を発信されていたので、胸をなでおろしました。

◎なぜこの人が性や愛を語るの…?

 という具合に、その内容を語るにふさわしい人に取材したページもあるのですが、全体的には人選がな~んか微妙すぎ!! タレントのMEGUMIさんを「現代を象徴するタイムレスビューティ」としたり(いつそうなった?)、マーク・パンサー氏が恋愛を語ったり(彼から恋愛を学びたい人っている……? まぁイイ話ではあったけど)、恋愛工学の藤沢数希氏が「アラフォーのキャリアウーマンはモテる!」というコラムを書きおろしていたり(女性を対等な相手として尊重しないナンパ術を語る男に、そんなおためごかしをいわれても)……ツッコミどころ多すぎ。

 トホホなレベルで済むぶんにはいいのですが、恋愛科学監修&医療アナリストの荒牧佳代さんの監修ページもありました。この方、例の『GLITTER』でもフェロモンとホルモンをわざと混同させて、「ホルモン出してフェロモンで男を惹きつけろ!」と主張されていたんですよね。この『MARIA~』でも、「女性の知性は、よほど高めないとただ計算高いと思われがち」と解釈できる記述があったり、「女性は好きな男性の情報を常にインプットして管理したがる性」という根拠のないレッテル貼りが頻発していたり。ある意味、期待を裏切りませんでした。

 本誌でも、ホルモンを増やしてフェロモンを出そう的なページがありますが、これは荒巻さんとは無関係の広告ページです。ヒトのフェロモンって解明されていない都市伝説的なものだし、ホルモンと関係ないし、ホルモンって増えればいいってものでもないし、そのへんのことをちゃんとわかっている女性も増えているんだから、いい加減、この手の記事はやめたほうがいいと思うのだけど……。

 そして、肝心の「無限に広がる快感の世界」特集について。監修者に山下真理子さんの名前があるのを見て、脱力しました。これまでも〈女医〉の肩書で数々のコラムなどを書かれ、著書もある方ですが、ときにそのトンデモな内容が良識ある医師を呆れさせ、また、医師免許は取得したものの医師研修を終えていないという指摘もなされてきた人物です。〈女医〉というのは厳密には資格を示す肩書ではないので、たしかに何かを騙っているわけではありません、医師免許取得というだけでも私のような凡人からすればスゴイことです。その後、医師としてではなくタレントや文筆で活躍されているので、そうした体験を通して得たものもたくさんあるでしょう。

 こうしたコンテンツを見るときに、「誰によって書かれたものか」「その人を自分は信頼できるか」の基準を持つことはたいへん重要です。医師だから信頼できるのか、医師でなくても信頼に足ると判断できる要素はあるか、ではどの肩書の人であれば自分は信頼できるのか……自分のなかで指針を持っておけば、「この記事は信頼できる」「私にとって役立つ情報なんだな」と判断しやすくなります。

 この方が監修しているというだけで、私が特集全体への信頼を失ったことはいうまでもないでしょう。しかし! 思ったほどトンデモな記述は見られませんでした。ただ、役立つ情報もまったくない……。この年齢の女性に「キスはコミュニケーション」「だから、その前に口腔ケア」をといったところで、「何をいまさら」でしょう。実体験の有無はともかく、そんなものいままで腐るほど読んできているはず。キスからオーガズムにいたるまで、すべて読者対象の年齢&成熟度に見合っていない、子どもっぽいアドバイスに終始していました。

◎精神論では、濡れない

 あとは精神論的なもの。たとえば、加齢によって濡れにくくなるのは事実です。が、そのための解決策として、ストレスレスな生活を心がけ、スキンケアやボディケアに磨きをかけるっていわれても……。後者は、若いころと比べて容姿の魅力が衰えて自信がなくなり、だから濡れにくくなるしオーガズムも得にくくなるから、という理屈のようです。たしかにそうした要因はなきにしもあらずかもしれませんが、自信を回復したって濡れないものは濡れないです。身体の機能が変化しているんだから。ローションを取り入れるなど、現実的な解決法は、いくらでもあります。

 マンネリを解消法も、「毎日のセルフケアを重ね、美しい肌やボディラインを維持して〈美の集大成〉をアピールすべし」といった提案がなされます。この山下氏のページにかぎらず、30代半ばを過ぎると容色は若いころより劣るので、ケアすべし! 知性でカバーすべし! という記述が本誌全体に散見され、私はかえってエイジズム(年齢差別主義)を感じます。〈若いころよりは劣るけれど〉〈でも、がんばっているので年のわりには美しい〉というのは、結局、年齢なりの美しさを肯定はしていませんから。んで、ひとりよがりに美を磨いても、カップル間のマンネリは解消しないと思いますよ。

 他誌でありがちなテクニックの紹介などは一切ないセックス特集。それはそれで潔いです。テクニックが重要だとは思いません。でも、ここまで希薄で幼稚な内容では、「セックスの奥深いところに踏み込めなかっただけでは?」という感想しか持てませんでした。読者対象の年齢をここまではっきりセグメントしているのに、その年齢なりのセックス観、その先に待っているだろう希望と問題、その具体的な解決法などなどがほとんど見られなかったのは残念です。

 ただひとつだけ、あっと驚いたことがありました。バイブバーの広告が掲載されていたんです! 一般的な女性誌で、こうまで堂々とアダルト色の強い店舗の広告が載るって、まずないですよ~。このアダルトど直球路線にしたほうが面白かったんじゃないかな。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。