インスタにも魔の手が…ネットナンパ師たちの最新手口公開

mixi、Twitter、Facebook、Instagram……時代とともに人が集まるSNSも移り変わってきました。
SNSに写真を投稿した後、知らない人から「可愛いですね! 友達になりませんか?」などのメッセージや友達申請が来た経験はありませんか?
可愛い女の子ばかりをフォローして、SNS上で女性と仲良くなろうとする男性を「ネットナンパ師」と呼びます。
その魔の手は、近年ユーザー数、利用率がTwitterを超えたinstagramにも忍び寄って来ているのです。

ネットナンパ師たちは、フォロワーや自身の投稿が少なすぎても女性から相手にされないことを知っており、愛犬や猫などのペットの写真、高級外車、自宅のお洒落なスペース、毎日のコーディネート(スーツ姿多め)などの“女性ウケを狙った写真”をアップし、地道にフォロワーを増やしています。
彼らがインスタナンパでよく使うのが#fashion、#Nail などの多くの女性が検索するであろうハッシュタグ。
これは、自身の投稿を拡散して女性側からアプローチが来ることを狙っています。

それらの手口を使ってフォローした女性の投稿を褒めちぎり、承認欲求を満たしてからお洒落なカフェに誘ったり、ダイレクトメッセージから特別なイベントに誘ったり……という流れが主流です。

Instagramユーザーの平均年齢は他のSNSに比べ若く、文化的にも40代以上の肉食系おっさんやオタク系男子が比較的少ないため、“お洒落なSNS”という印象が強く、まだ危機感の少ない女性が多いのが現状です。
それを逆手に取ったナンパ師たちの間では、ライバルも少なくまだまだブルーオーシャンな場所とのこと。

厄介なのは、「自分の写真をメインに載せなければ狙われない」というワケではないこと。
インスタに食べ物の投稿ばかりしている私の友人にも「あなたの彼氏になりたい!」なんて直接的なダイレクトメッセージが届いたそうです。
ほんの少しの本人画像を見つけては声をかけるという貪欲なナンパ師も存在します。

利用人数の増加とともに、これからナンパが増加しそうなインスタ。
ナンパされたくない人は鍵をかけることをお勧めします。
もしも、「いかにもイケてる風な男性からナンパされたい!」という思いのある女性は、“自分の投稿が世界中に拡散されている”ことを自覚し、自己責任のもと鍵を外して、彼らと同じようなハッシュタグを付ければすぐに出会えることでしょう。

■谷川明日香/芸能経験を経てライフスタイル、美容の会社を設立。モテ男育成や婚活講座の講師や男性用コスメ「オールインワンメンズケア」をプロデュース。TVなどメディアでバイセクシャルをカミングアウトしている。

夫の単身赴任中、寂しさを紛らわすチャットエッチの「リスク」

夫の単身赴任中にチャットエッチにハマった。エスカレートする前にやめるべき?

<ananさん>30歳/愛知県/既婚女性

 夫が単身赴任で不在の寂しさから、最近興味半分で始めたチャットエッチにハマってしまいました。

 最初は単身赴任先で独身気分で楽しんで、自宅になかなか帰ろうとしない夫への当てつけもあり、始めました。でも普段なかなか聞けない他人のセックス願望や夫婦生活の内容を聞いたり、私のエロ話に興奮してる男性とのやり取りが楽しくなりました。

 誘われはしますが、会うつもりは全くありません。でも顔は写さずに下着写真を今まで二人ほどに送ってしまいました。

 エスカレートする前にこんな遊びはやめた方がいいですか? 教えて!ロミルリさん!!

---------------------------------

 んん? ロミルリ? ……私はロリルミです! 惜しい!!

 さて、本題に入りますが、ananさんはチャットエッチにハマってしまったと。私はそういったネットのエロ事情にはあまり詳しくないのですが……下着写真を送っちゃったというのはちょっとまずくないですか?

 「顔は写してないから平気でしょ」という考えかもしれませんが、下着写真を送ったチャット相手がその写真をネットのエロ系の掲示板に載せるとか、思いもよらないところまで広まったりする可能性もあるワケです。そうなった時に「平気平気~」と平常心でいられますか? また、身バレに関して言えば、顔が写ってなくても、ホクロの位置や耳の形なんかで本人特定されることもありますしね……。

 下着写真を送るところまできているのならば、チャット相手に対する行動のハードルが下がってきているようにも見えます。下着写真を送る前は、きっと「チャットで知り合った相手に写真なんて絶対送らない」と思っていたのではないですか? でも実際には下着写真を送ったワケで、もし気の合うチャット相手に「今度は顔つきの下着写真が欲しい」と言われたら……?

 下着写真から顔つきの下着写真、その後はおっぱい写真、全裸写真……と、求められるままにどんどん過激なやりとりをしてしまうかもしれません。いまは会う気はないと思っていても、気持ちが盛り上がって会いたくなり、不倫関係になるかもしれません。人間、どんな状況でも慣れていって、新たな刺激を求めるものです。ご自身でもその可能性を完全に否定できないからこそ、「エスカレートする前にやめた方がいいかも?」と思うのではないですか?

 プライバシーの問題や、昨今ではリベンジポルノの問題もありますから、これ以上チャットエッチに深入りするのはやめた方がいいと思います。チャット相手に脅されたり、最悪、殺されたりする懸念だってゼロじゃないです。そうしたリスクがある上に、チャット相手との時間はあくまでも一時的なごまかしというか、ananさんが感じる寂しさを根本から解消してくれるものにはならないんじゃないかなと思います。すぐにきっぱりやめるのが難しいなら、まずは閲覧専門になって、それをネタにオナニーするという方向に切り替えてはいかがでしょう? あるいは、無料で男性にエロトークを提供したり下着写真を送ったりするのではなく、チャットレディのアルバイトに登録して、稼ぎながらエロを満喫するのも手だと思いますが……有り余る性欲をお金に換えちゃおうチャリンチャリーンって話ですね。まあこれも特定の顧客に入れあげたりしたら大変なことになるでしょうし、やっぱりご主人にバレたら面倒でしょうね。

 ハマった原因が単身赴任のご主人がいない寂しさだと自覚しているようですし、これを機にもう少し夫婦の時間を取れるようにご主人と話し合うことも必要かもしれません。「話し合う」という、一番シンプルな方法が一番難しかったりするんですけど……ananさんの「寂しい」という思いはきちんと伝えるべきだと思います。いったんチャットエッチから卒業して、ご主人との関係がいい方向に変化していくことを願っています!

夫の単身赴任中、寂しさを紛らわすチャットエッチの「リスク」

夫の単身赴任中にチャットエッチにハマった。エスカレートする前にやめるべき?

<ananさん>30歳/愛知県/既婚女性

 夫が単身赴任で不在の寂しさから、最近興味半分で始めたチャットエッチにハマってしまいました。

 最初は単身赴任先で独身気分で楽しんで、自宅になかなか帰ろうとしない夫への当てつけもあり、始めました。でも普段なかなか聞けない他人のセックス願望や夫婦生活の内容を聞いたり、私のエロ話に興奮してる男性とのやり取りが楽しくなりました。

 誘われはしますが、会うつもりは全くありません。でも顔は写さずに下着写真を今まで二人ほどに送ってしまいました。

 エスカレートする前にこんな遊びはやめた方がいいですか? 教えて!ロミルリさん!!

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 んん? ロミルリ? ……私はロリルミです! 惜しい!!

 さて、本題に入りますが、ananさんはチャットエッチにハマってしまったと。私はそういったネットのエロ事情にはあまり詳しくないのですが……下着写真を送っちゃったというのはちょっとまずくないですか?

 「顔は写してないから平気でしょ」という考えかもしれませんが、下着写真を送ったチャット相手がその写真をネットのエロ系の掲示板に載せるとか、思いもよらないところまで広まったりする可能性もあるワケです。そうなった時に「平気平気~」と平常心でいられますか? また、身バレに関して言えば、顔が写ってなくても、ホクロの位置や耳の形なんかで本人特定されることもありますしね……。

 下着写真を送るところまできているのならば、チャット相手に対する行動のハードルが下がってきているようにも見えます。下着写真を送る前は、きっと「チャットで知り合った相手に写真なんて絶対送らない」と思っていたのではないですか? でも実際には下着写真を送ったワケで、もし気の合うチャット相手に「今度は顔つきの下着写真が欲しい」と言われたら……?

 下着写真から顔つきの下着写真、その後はおっぱい写真、全裸写真……と、求められるままにどんどん過激なやりとりをしてしまうかもしれません。いまは会う気はないと思っていても、気持ちが盛り上がって会いたくなり、不倫関係になるかもしれません。人間、どんな状況でも慣れていって、新たな刺激を求めるものです。ご自身でもその可能性を完全に否定できないからこそ、「エスカレートする前にやめた方がいいかも?」と思うのではないですか?

 プライバシーの問題や、昨今ではリベンジポルノの問題もありますから、これ以上チャットエッチに深入りするのはやめた方がいいと思います。チャット相手に脅されたり、最悪、殺されたりする懸念だってゼロじゃないです。そうしたリスクがある上に、チャット相手との時間はあくまでも一時的なごまかしというか、ananさんが感じる寂しさを根本から解消してくれるものにはならないんじゃないかなと思います。すぐにきっぱりやめるのが難しいなら、まずは閲覧専門になって、それをネタにオナニーするという方向に切り替えてはいかがでしょう? あるいは、無料で男性にエロトークを提供したり下着写真を送ったりするのではなく、チャットレディのアルバイトに登録して、稼ぎながらエロを満喫するのも手だと思いますが……有り余る性欲をお金に換えちゃおうチャリンチャリーンって話ですね。まあこれも特定の顧客に入れあげたりしたら大変なことになるでしょうし、やっぱりご主人にバレたら面倒でしょうね。

 ハマった原因が単身赴任のご主人がいない寂しさだと自覚しているようですし、これを機にもう少し夫婦の時間を取れるようにご主人と話し合うことも必要かもしれません。「話し合う」という、一番シンプルな方法が一番難しかったりするんですけど……ananさんの「寂しい」という思いはきちんと伝えるべきだと思います。いったんチャットエッチから卒業して、ご主人との関係がいい方向に変化していくことを願っています!

妊娠を招いた相手との「避妊」「産後のかかわり」、疑問に答えます

 初回記事は私が想像していたよりずっと多くの方が見てくださったようで、とても嬉しいです。賛否両論寄せられるのは当然ですが、やはり一人でも多くの方が読んでくださってこその執筆なので、ご覧になってくださった皆様へ大変感謝しております。

 さて、今回の記事ではいきなり本題(インタビュー記事)のつもりで執筆していたのですが、なんだかコメント欄でご丁寧な質問形式のコメントをお見かけしたので、それだけお答えしてみようかなぁと思います。

 まず、「予期せずして妊娠ってほんと? 避妊してたの?」問題ですね。

 正直にお答えすると、“きちんとした避妊”はしていませんでした。どこまで詳細にお答えすることを望まれているのかは分かりませんが、まず避妊の意識や避妊に関する俗説など、避妊にもあらゆるレベル・段階があることを踏まえて答えさせてくださいませ。というのも、挿入を伴う性交渉において、完全(100%)な避妊というのが、とてつもなく困難であることを、当時の私は知りませんでした。ピル服用も100%ではない(正しく服用していれば99.9%だそうですが)。アフターピルも効果は98%(実際にこの2%の可能性をすり抜け着床した例を私は後に知る機会がありました)。また、当然コンドームだけで避妊が十分とは言えませんね。装着時にズレがあって漏れたり、行為中に外れたり、破けたりもします。ちなみに生理中でも妊娠する可能性はありますし、安全日というのは結構全然安全ではなかったりします。

 これらをすべて当時の私が十分理解していれば“セックスをした”時点で、妊娠の可能性を予期していたことになるでしょう。ですが、先ほども述べましたか、今こうして語れるほどの知識は当時持ち合わせていませんでした。なので、「あの時は予期していなかった」と言うことも許されるのではないか、というのが私の考えです。

 念のため、曖昧さ回避のため述べておくと、妊娠をしたと思われるセックスの際、コンドーム非装着で膣外射精でした。それまでもセックスにおいて、コンドームを使用しないで膣内射精に至ったことはありませんが、コンドームを装着するか否かはその時々の相手の意思に委ねていて、「つけなければ、しない」と意思表示もしていませんでした。これはとても無責任なことであったと今では思いますが、まずセックスシーンでそういった意識をきちんと共有するのは労力が要ることで、当時の無知な私にとっては、蔑ろにしていた節があると思います。また、意外がられることもありますが、実のところあまりセックスが好きではありません。なので、セックス自体、頻繁にしていたわけではないです。

 結婚願望が皆無の私にとって、「子供が欲しければ、いつか“ウッカリ妊娠する”しかないんだろうなぁ」というボンヤリとした意識は、いつも心のどこかにあったと思います。とはいえ、わざわざ“妊娠するためのセックス”に及んだことは、この一件も含めて、これまで一度もありません。敢えて企んで妊娠するよう仕向けたことはないということ、これは事実です。もしもこの先もう1人子供が欲しくなった暁には、「セルフ人工授精で徹底的に自覚的に妊娠するのが良さそう」と考えています(セルフ人工授精については、またインタビューでも登場予定の妊娠を希望する女性の同性カップルや精子提供経験者の方と掘り下げるので、お楽しみに)。

 ちなみに、ことに及ぶ際、相手の方から「今日って大丈夫な日?」と聞かれたことが、今でも確かに記憶にあります。その時私は「まぁ……大丈夫」とお答えしました。しかし、これは十分な回答ではありませんね。正直なところ、この時すでに、私は“安全日”についての知識は多少持ち合わせていました。それが「まぁ……」の部分です。私が省略した、この「まぁ……」の部分、全文を書き出すとすればこうです。

「そもそも“大丈夫な日”という考え方は、妊娠したい人向けに“妊娠しやすい日”が科学的に割り出された結果、妊娠したくない人が逆説的に、それ以外の日を“妊娠しやすくはない日”と解釈したことに始まり、いつのまにか“危険日/安全日”というような総称にすり替わり生まれた考え方なので、100%妊娠しない日という意味で質問しているなら、“大丈夫な日”というのは存在しません。しかし、おそらくあなたは“妊娠しやすくはない日”? というレベルで聞いていますね。それならば生理予測アプリで危険マークが付いていないというレベルでお答えすることが求められていると勝手にお察しし、」

 非常に長い説教のような、性教育の講義のようなセリフになってしまうところでしたが、それを怠ったのは私の選択であり責任ですね。これを言わないという選択をした時点で「予期できたのでは?」と言われれば、そうとも言えるかもしれません。

 なので、私が「予期していたか否か」は質問者さまの解釈によっても変わってくると思います。ただ、上記に書いたことは「本当」です。しかしそれにしてもこの話、ここに書いただけでは全然書き足りない……というか、「避妊に関すること」って、今の私なら結構いくらでも書けるような気がするので、いつかそれに特化した記事を書くのも良いかもしれませんね。多少は需要がありそうな気がします。

 そして次が「その時のお相手は私の妊娠・出産を知っているのか」問題ですね。

 これは端的にお答えできる優しい質問で助かりました。相手の方は、私が妊娠していたことも、子供を産んだことも、知っています。妊娠が分かって2日後くらいに電話でお話して、妊娠中に一度お会いし、陣痛がきたときにはメールをしましたし、産まれた直後にもメールでお知らせしました。産まれてきた子供とは生後3カ月の時に一度会っていて、その後しばらく会わず今に至っています。生後3カ月の子供と対面した時には彼がどういう反応を見せるのか、私自身とても興味がありました。まず「パパだよー」と言うのかどうか。これについては、言いませんでしたね(笑)。別に言ったら言ったで私は笑ったと思いますし、「意外と喜んでいるんだなぁ」と安心できたかもしれませんが、彼はなかなか複雑な心境だったのだと思います。抱っこして散歩してくれたりはしたんですけどね。その後は、「寝返りした」「歩いた」「運動会!」などの知らせをたまに写真付きのメールなどで送っています。ちなみに、私の周りの人(友人・知人ら)は、誰もその人の情報を(名前や職業など、ほとんど何も)知りません。名前などを私から説明したのは、私の祖父母と両親と兄弟だけで、会わせたことがあるのは姉のみです。

 その男性と私は、結婚を前提にしたお付き合いをしている間柄ではありませんでした。別に不倫などのワケありでもありませんが、私は結婚したくないので、「結婚前提のお付き合い」などそもそも誰ともしていないわけです。彼に妊娠を知らせる際に、「産んで育てる」ことは一方的に決め、伝えましたが、それ以外の「私と子供に関わりたいか/関わりたくないか」「養育にかかるお金は払いたいか/払いたくないか/払えないか」「周りに知られてもいいのか/知られたくないのか」「両親に子供の顔を見せたいとかそういった気持ちがあるか→もしあれば会わせに行きます」などの意思確認をして、産まれたときには「会いに来たい気持ちがあれば、どうぞ会いに来てください」という話をしました。まぁこれは言い訳っぽく聞こえればそれまでですが、このときのやり取りにもご興味ある方がおられたら、いつかその一部を書いてみることも考えます。

 ではでは、ひとまず今回はこのくらいにさせていただいて、次回から様々な「家族のかたち」を持つ方々へのインタビューに入ります。

「エロ満載深夜アニメ」は誤解である――男の征服欲を否定する、女たちによる革命の物語『クロスアンジュ』

 前回は、レズビアンフォビアと「性的消費」への潔癖性とも言える近年の文化批判やジェンダースタディーズの傾向の一つについて書きました。今回は、ヘテロ男性視聴者へのお色気サービスシーン満載という、「女性身体の性的消費」視点から見たら色々怒られそうではありつつも、素晴らしい百合作品である、テレビアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』について考察していこうと思います。

■レズビアンフォビアと「性的消費」潔癖性について

 『クロスアンジュ』の舞台は、人類が進化によって得た「マナ」というパワー(画期的な情報伝達・物質精製技術)により、戦争や環境などの諸問題がなくなり、平和で差別がない豊かな世界です。人々は遺伝子操作を受けて新人類になり、「マナ」を使いこなしています。ただし、それはあくまで、「マナ」の力を持つ“多数派”にとっての平和。この世界には遺伝子操作前の旧人類の因子を持つ突然変異種が一定数生まれており、彼らは「マナ」を使えない上、「マナ」の力を無効化してしまう性質を持っています。「マナ」を使えない人間は“人間”ではなく“ノーマ”いう俗称で呼ばれ、「暴力的で反社会的な化け物」として社会から隔離され、“人間”社会の平和とインフラのために酷使されていました。

 「ミスルギ皇国」の第一皇女で、民衆から絶大な支持を受けていたアンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギもまた、「戦争・格差・貧困、全ての闇が消え去った平穏で完璧な世界」と、「マナ」と“人間”の世界を心酔し、「世界平和のためのノーマ根絶」を理想と掲げ、“ノーマ”であればどれだけ小さな赤ん坊に対しても蔑み、“ノーマ”であった我が子を守ろうとする母親にも「早く忘れて、ノーマではない“正しい子”を産みなさい」と言ってのけるような無自覚かつ悪質な差別主義者でした。

 しかし、彼女が16歳を迎え、洗礼の儀を行った際に、兄によって、実は彼女が“ノーマ”であるという事実が暴かれてしまいます。彼女を慕っていた民衆は掌を返し、混乱がおきます。アンジュリーゼ自身、自分が“ノーマ”であるとは思いも寄りませんでした。16年間、親の権力によって隠されていたからです。事実を受け入れられず困惑するアンジュリーゼを庇い、母は殺されました。アンジュリーゼは皇族の“人間”ではなく「廃棄物」として、辺境の軍事基地「アルゼナル」に送られ、名前を奪われてしまいます。

 辺境の軍事基地「アルゼナル」では女性ばかりの“ノーマ”(“ノーマ”は女性だけなのです)が「パラメイル」という人型機動兵器に乗り、人類の敵「ドラゴン」と戦うことが義務付けられています。完全に“人間社会”から隔離された女だけの軍事基地は、絶対的な上下関係が形成され、セクハラパワハラは当たり前、服を破る、椅子に画鋲を置く、など、昭和のバレエ漫画のような古典的ないじめも横行する、労働基準法的には完璧にアウトな環境でした。

 協調性がなく自らが“ノーマ”であることが受け入れられない元アンジュリーゼこと“ノーマ”の「アンジュ」は、陰湿ないじめやセクハラを受けながらも、たくましくふてぶてしくゲスく、目的のためなら金で解決も厭わないという、子ども向け変身ヒロインが裸足で逃げ出すような豪傑に成長し、次第に「“人間”社会の平和が“ノーマ”という非差別階級を虐げることでつくられている事実」に気付きますが、やはり、かつて自らが祝福され、信頼し、当たり前に安らいでいた“人間”の世界を忘れることができません。

 「アルゼナル」に忍び込んできたかつての侍女「モモカ」の知らせによって、“人間”社会で妹が窮地に追いやられていることを知ったアンジュは、同じく“ノーマ”として隔離されながらも、“人間”社会で生き別れた母親のことが忘れられないヒルダとともに「アルゼナル」を脱走します。ヒルダはアンジュいじめのリーダーであったため、アンジュはヒルダに脱走の補助だけさせて置き去りにしようとしますが、「どんなことをしても母親に会いたかった(上司に取り入りセクハラされても、仲間を裏切っても)」というヒルダの思いを知ることで、自分だけでなく、ヒルダもまた、かつて自らが祝福され、信頼し、当たり前に安らいでいた“人間”の世界が忘れられない少女であることに気付き、彼女を信用します。

 結果的に、“人間”社会は“ノーマ”である彼女たちを受け入れることはせず、彼女たちは、かつて自らが祝福され、信頼し、当たり前に安らぎ、ある日突然つまはじきにされ、それでも諦めきれなかった“人間”の世界から、あっさり二度目の死刑宣告を受けただけでした。

 「アルゼナル」に連れ戻されたアンジュとヒルダには、強い絆がうまれます。友情・愛情・同志、「私を虐げ、辱め、陥れることしかできない世界なんて、私から拒否してやる」と、彼女たちは自分たちを殺した世界を守るためだけに生かされる囚人であることを否定するのです。

◎権力者に抗い欲望に主体的になるだけで、歪んだ世界を否定することが出来る

 『クロスアンジュ』は、確かにヘテロ男性視聴者が喜ぶサービスシーンが満載です。シリアスなシーンでも雨に濡れて透けたブラジャーが目立ちますし、重要な真実を告げる場所はいつも風呂場です。「アルゼナル」の“ノーマ”たちはレズビアンセックスばかりしていますし、アンジュと恋仲になる男性・タスクはいつもアンジュの局部にラッキースケベを発動します。人型機動兵器パラメイルに乗るためのライダースーツは、臓器がたくさん入った腹部や胸部をほとんどガードしていないばかりか、うしじまいい肉プロデュースの超ローライズパンツのようなデザインの下着が丸見えになっており、防御力や衝撃緩和能力はあまり見込めなそうです。

 ちなみに、最近Twitterで「吹奏楽器は男根のメタファー」という投函が話題になりましたが、『クロスアンジュ』では、バーベキューにおいてなぜか串に縦方向に刺した松茸を、主人公アンジュが怒りとともに食いちぎる。という、男根を去勢するメタファーとも読める描写も出てきます。

 ですが、こうしたシーンに囚われずに読めば、『クロスアンジュ』は、シスターフッド溢れる、分離主義レズビアニズムの物語です。

 分離主義レズビアニズムは、フェミニズムの史実の中では、長く、「間違ったこと」や「失敗」とされてきました。分離主義レズビアニズムには、レズビアンエリーティズムとも言うべき選民意識や黒人差別など批判されるべき要素は確かにありましたが、「私たちは私たちの理想の国を勝手に作るわ!」というような、DIY精神と相互理解や共感、社会包摂とは別の仕方でのマイノリティーのあり方の模索という視点からは、非常に魅力的です。

 『クロスアンジュ』のラスボスは、「マナ」による偽りの平和と差別に溢れた世界の創造主である男性神エンブリオです。エンブリオは、アンジュと子孫を残し、新しい人類をつくろうと画策しており、アンジュに執着します。

 クライマックスでも、自分たちを虐げ、辱め、搾取し、殺した世界を否定するために立ち上がった女性たちとは反対に、エンブリオは「アンジュが他の男とヤッたかどうか」ということだけに執拗にこだわり続ける処女厨ストーカーとして描かれ、アンジュに「キモい髪型でニヤニヤしてて、服のセンスもなくて、いつも斜に構えている恥知らずのナルシスト。1000年引きこもりの変態オヤジの遺伝子なんて生理的にムリ!!!!」と全否定されます。

 『クロスアンジュ』は、まぎれもなく女たちによる革命の物語なのです。不当に差別され、虐げ、辱め、搾取されてきた女たちが、マッチョな社会を、自分たちを搾取する男の征服欲を否定する物語なのです。

 アンジュはエンブリオに“ノーマ”が女性だけである理由を、「子を産む性である女性は、愛する人と子をなし、あなたの世界を否定するため」であると言いますが、これはおそらく、半分の正解です。

 “ノーマ”の女性たちの中で男性の恋人がいるのはアンジュだけですし、アンジュの恋人のタスク以外にアンジュの率いる共同体に男性はいません。他のメンバーは、意中の女性に振り向いてもらえない鬱屈と嫉妬から男に走るものもいましたが、女性同士の精神的・肉体的な繋がりを一番大切に考えています。そのうえ、「愛する人と子をなし、あなたの世界を否定する」と言っているアンジュすらヒルダからの告白を受け入れているので、女性同士の生殖が可能にならない限り、アンジュのつくる共同体で男性と女性の生殖によって、共同体を維持できるだけの子孫を残せる確率はあまり高くなさそうです。

 さきほど半分の正解と言った意味は、「あなたの世界(=既存の社会)を否定する」こととは、「愛する人と子をなす」ことをしなくてもできるからです。アンジュがエンブリオを拒絶したように、支配に抗い欲望に主体的になることだけで、エンブリオの世界を否定することが出来るからです。大体、レズビアンの集団が「あなた以外の男と子孫を残します」なんて言っても、説得力はあまりありませんよね。ですからこれは、「主体的な欲望を取り戻す」ことに重きがおかれた発言であると思うのです。

 女性の主体的欲望は、同性愛・異性愛問わず、「良くないもの」「無いもの」として否定されてきました。『クロスアンジュ』は、不当に差別され、虐げ、辱め、搾取されてきた女たちが、シスターフッドやレズビアニズムという女同士の絆によって、自らの主体的な欲望を取り戻すための物語なのです。「女性の身体は男性に性的に搾取される可能性があるから隠そう」ではなく、「私たちは、私たちの意思によって、性的になったり、ならなかったりするのだ」と、高らかに宣言するのです。

 これをフェミニズムの物語と言わずになんと言うのでしょう。

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2016年2月19・20・21・27・28日 連続トークイベント『マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー』開催!
【MAPA】
◎マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー・アーカイヴプロジェクト

■柴田英里/現代美術作家、文筆家。彫刻史において蔑ろにされてきた装飾性と、彫刻身体の攪乱と拡張をメインテーマに活動しています。Book Newsサイトにて『ケンタッキー・フランケンシュタイン博士の戦闘美少女研究室』を不定期で連載中。好きな肉は牛と馬、好きなエナジードリンクはオロナミンCとレッドブルです。現在、様々なマイノリティーの為のアートイベント「マイノリティー・アートポリティクス・アカデミー(MAPA)」の映像・記録誌をつくるためにCAMPFIREにてクラウドファンディングを実施中。

セックスの呪縛から逃れられない男たちへ…早漏を食い止める「麻痺ジェル」を身をもって試してみました

 最近、「男性も生きづらい」というフレーズをよく耳にします。日々のニュースを見るまでもなく、女性の生きづらさをびしびし実感している私も、「“理想の男らしさ”が重い。現代を生きる男性の抱える『生きづらさ』とは?」のような記事を見ると、なるほど男もツライのね、とは思います。でも、男性の生きづらさはしわ寄せとなって女性にさらなる生きづらさを強いるので、やっぱり女性のほうがしんどそうですけどね。単純比較できる話ではないですが。

 男性が〈男らしさ〉の呪縛に囚われているのは、セックスひとつとってもよくわかりますね。ペニスは大きくなければいけない、硬くなければいけない、チャンスがあればいつでもビンビンに勃たなければいけない、長い時間持続させなければいけない、女性を必ずイカせなければならない、たくさんの量を射精しなければいけない……。これらの項目でクリアできる数が多いほど、「セックスが強い」「男らしい」となります。その思い込みを押し付けられて、女性がイクふりをするというのは、まさにしわ寄せ構造を象徴していますね。

 数々の識者が「大きすぎるペニスは痛いだけだし、遅漏は困るし、イクことばかり期待されても女性はそう簡単にイカないんですよー!」と男性向けのメディアで発信していますが、一向に届いている気配がない様子を見ても、呪縛の強さがわかります。チ○コは持って生まれたサイズより大きくはならないし、週刊誌に「死ぬまでセックス!」と煽られたところで加齢とともに勃たなくなるのが自然だし、いくらがんばったところで、女性がイクかどうかは本人次第(体質や体調など含む)なのに。

◎精神論で早漏は解決しない

 このなかで克服できるとしたら、〈早漏〉です。まだイキたくないのにイッてしまう。もっとふたりで愉しみたいのに、彼女にも悦んでほしいのに、射精感がこみあげてきてコントールできず、発射してしまう。射精までの時間は快感と比例しないそうなので、射精のクオリティは変わらないものの、「パートナーを満足させられなかった」「情けない」と満足度は著しく低下します。早漏って、たしかに切ない。

 「遅漏は困る」と先述したものの、あまりに早いのも「ぜんぜんいいよ、気にしないよ!」とはいいにくいのが、私の本音です。かつて何度かお手合わせしたなかに、まさに三こすり半、時間にすると10秒に満たない男性がいました。その前後に手をつくして愛撫してくれたので、私も当時は不満を覚えませんでしたが、長くおつき合いするとなったら……うーん、そのうちフラストレーションが募ったかも(結局、つき合うに至らなかったのですが、理由は早漏だからではありません)。

 早漏克服法は、泌尿器科医でも提案されていますが、たいへんな時間と根気、そしてパートナーの労力を要するもので、いまひとつ現実的ではありません。また、ちまたでは「イキそうになったら、ほかのことを考える」のような提案もありますが、この問題にかぎらず身体のことを精神論でカバーするのは限界があると私は日ごろから考えています。

 じゃあ、どうすれば?
 ……はい、ラブグッズに頼ってください!

 早漏防止のラブグッズとなると、リングやサックがあります。サックは、超絶ぶ厚いコンドームのようなもので、デメリットはご想像のとおり、男性側に快感がほとんどないのです。セックスはふたりで気持ちよくなるための行為、ただ長ければいいってものではありません。リングは勃起サポートで使われることも多く、年配の男性が使うイメージが強いため、若い男性は敬遠しがちです。ともにビジュアル的なインパクトが強く、「僕は早漏防止のために、武装しています!」感がありありと出てしまうのも、不人気の理由でしょう。

 そこで試してほしいのが、「ピュースト」というジェルです。ものすごくわかりやすくいうと、ペニスをうっす~ら麻痺させて早くイクのを防ぐことを目的としたものです。ジェル状になっていて、これをペニスに塗るだけ、という使用方法もたいへん手軽です。

 個人差はありますが、効きやすいか否かを試すには、唇に塗布してみるのがいいそうです。これなら女性も試せる! ということで私、自分の口に塗ってみました。すると、1分ほどして唇全体がボヤ~ンとしびれてきました。歯医者で麻酔をされたときの感触と似ています。なんだか腫れぼったくなっているように感じたので鏡を見ると、見た目はそのまま。指で弾いたり、軽くつねったりしましたが、あきらかに感覚は鈍くなっています。これが小1時間ほど続きました。

 ここで私は思いついたのです。「これ、クリトリスに塗れば鈍くなるのかしら?」――クリトリスは、女性に残る陰茎の名残といいます。男性の亀頭にあるのと同じ数の神経が、この豆粒ほどの器官にぎゅーっと凝縮しているので、クリトリスは性的にとても敏感なのです。

 説明書にあるとおり、大豆ほどの大きさにジェルを出し、クリトリスに塗ってしばらく待ちました。

 唇で感じたようなボヤ~ンとにぶくなる感触は特にありません。が、触ってみると、たしかに鈍くなっている! 快感を感じないわけではないのですが、いつのものマイナス60%ぐらいの感度です。

 さらに、愛用しているローター「iroha mini」を当ててみました。決して振動が弱いローターではないので、ふだんならクリトリスの包皮を剥いてこれを当てると3分ほどでイッてしまうこともあります。なのに……、むき出しになったクリに当ててもビリッとした感覚はなく、ぎゅーっと当ててもやっぱりいつもの半分以下の刺激になっています。いつも以上に妄想をフルスロットルにし、長い時間をかけ、最終的にはオーガズムに至りました。

◎ふたりで使える関係に

 これはたしかに、早漏防止になりそう! 快感がゼロになるわけではないのがポイントですね。このジェルによって、そのときどきの快感の度合いはたしかに抑えられますが、そのぶん長く持続する……すなわち、快感の総量は変わらないってことですよね。これをくり返すことで、本人の自信にもつながりそう。それを〈男らしさへの実感〉に直結させるのではなく、ちゃんと、ふたりの愉しみにしてほしいものです。

 この「ピュースト」、パートナーの早漏で悩む女性にも耳寄りな情報ですよね。オープンに話してふたりで試してはいかがでしょうか。なんなら塗り塗りしてあげちゃいましょう。「早漏っていう事実を突きつけると彼が傷つくのではないか……」という懸念もわかりますが、早漏の男性はだいたい自覚があります。気遣うゆえにいい出せない、というのはやさしさのようでいて、お互いの性的な関係にフタをしていることでもありますよね。

 男性側なら早いとか勃ちが弱いとか、女性なら濡れにくいとかイケないとか、問題点をお互いに共有できる関係のほうが、ヘンに気遣い合うよりよほど健全です。とはいえ、いきなりモノを突きつけるのは、たしかに唐突なので、販売サイトなどをみながら「こういうのあるらしいよー」と話題にしていくのがいいでしょうね。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

セックスの呪縛から逃れられない男たちへ…早漏を食い止める「麻痺ジェル」を身をもって試してみました

 最近、「男性も生きづらい」というフレーズをよく耳にします。日々のニュースを見るまでもなく、女性の生きづらさをびしびし実感している私も、「“理想の男らしさ”が重い。現代を生きる男性の抱える『生きづらさ』とは?」のような記事を見ると、なるほど男もツライのね、とは思います。でも、男性の生きづらさはしわ寄せとなって女性にさらなる生きづらさを強いるので、やっぱり女性のほうがしんどそうですけどね。単純比較できる話ではないですが。

 男性が〈男らしさ〉の呪縛に囚われているのは、セックスひとつとってもよくわかりますね。ペニスは大きくなければいけない、硬くなければいけない、チャンスがあればいつでもビンビンに勃たなければいけない、長い時間持続させなければいけない、女性を必ずイカせなければならない、たくさんの量を射精しなければいけない……。これらの項目でクリアできる数が多いほど、「セックスが強い」「男らしい」となります。その思い込みを押し付けられて、女性がイクふりをするというのは、まさにしわ寄せ構造を象徴していますね。

 数々の識者が「大きすぎるペニスは痛いだけだし、遅漏は困るし、イクことばかり期待されても女性はそう簡単にイカないんですよー!」と男性向けのメディアで発信していますが、一向に届いている気配がない様子を見ても、呪縛の強さがわかります。チ○コは持って生まれたサイズより大きくはならないし、週刊誌に「死ぬまでセックス!」と煽られたところで加齢とともに勃たなくなるのが自然だし、いくらがんばったところで、女性がイクかどうかは本人次第(体質や体調など含む)なのに。

◎精神論で早漏は解決しない

 このなかで克服できるとしたら、〈早漏〉です。まだイキたくないのにイッてしまう。もっとふたりで愉しみたいのに、彼女にも悦んでほしいのに、射精感がこみあげてきてコントールできず、発射してしまう。射精までの時間は快感と比例しないそうなので、射精のクオリティは変わらないものの、「パートナーを満足させられなかった」「情けない」と満足度は著しく低下します。早漏って、たしかに切ない。

 「遅漏は困る」と先述したものの、あまりに早いのも「ぜんぜんいいよ、気にしないよ!」とはいいにくいのが、私の本音です。かつて何度かお手合わせしたなかに、まさに三こすり半、時間にすると10秒に満たない男性がいました。その前後に手をつくして愛撫してくれたので、私も当時は不満を覚えませんでしたが、長くおつき合いするとなったら……うーん、そのうちフラストレーションが募ったかも(結局、つき合うに至らなかったのですが、理由は早漏だからではありません)。

 早漏克服法は、泌尿器科医でも提案されていますが、たいへんな時間と根気、そしてパートナーの労力を要するもので、いまひとつ現実的ではありません。また、ちまたでは「イキそうになったら、ほかのことを考える」のような提案もありますが、この問題にかぎらず身体のことを精神論でカバーするのは限界があると私は日ごろから考えています。

 じゃあ、どうすれば?
 ……はい、ラブグッズに頼ってください!

 早漏防止のラブグッズとなると、リングやサックがあります。サックは、超絶ぶ厚いコンドームのようなもので、デメリットはご想像のとおり、男性側に快感がほとんどないのです。セックスはふたりで気持ちよくなるための行為、ただ長ければいいってものではありません。リングは勃起サポートで使われることも多く、年配の男性が使うイメージが強いため、若い男性は敬遠しがちです。ともにビジュアル的なインパクトが強く、「僕は早漏防止のために、武装しています!」感がありありと出てしまうのも、不人気の理由でしょう。

 そこで試してほしいのが、「ピュースト」というジェルです。ものすごくわかりやすくいうと、ペニスをうっす~ら麻痺させて早くイクのを防ぐことを目的としたものです。ジェル状になっていて、これをペニスに塗るだけ、という使用方法もたいへん手軽です。

 個人差はありますが、効きやすいか否かを試すには、唇に塗布してみるのがいいそうです。これなら女性も試せる! ということで私、自分の口に塗ってみました。すると、1分ほどして唇全体がボヤ~ンとしびれてきました。歯医者で麻酔をされたときの感触と似ています。なんだか腫れぼったくなっているように感じたので鏡を見ると、見た目はそのまま。指で弾いたり、軽くつねったりしましたが、あきらかに感覚は鈍くなっています。これが小1時間ほど続きました。

 ここで私は思いついたのです。「これ、クリトリスに塗れば鈍くなるのかしら?」――クリトリスは、女性に残る陰茎の名残といいます。男性の亀頭にあるのと同じ数の神経が、この豆粒ほどの器官にぎゅーっと凝縮しているので、クリトリスは性的にとても敏感なのです。

 説明書にあるとおり、大豆ほどの大きさにジェルを出し、クリトリスに塗ってしばらく待ちました。

 唇で感じたようなボヤ~ンとにぶくなる感触は特にありません。が、触ってみると、たしかに鈍くなっている! 快感を感じないわけではないのですが、いつのものマイナス60%ぐらいの感度です。

 さらに、愛用しているローター「iroha mini」を当ててみました。決して振動が弱いローターではないので、ふだんならクリトリスの包皮を剥いてこれを当てると3分ほどでイッてしまうこともあります。なのに……、むき出しになったクリに当ててもビリッとした感覚はなく、ぎゅーっと当ててもやっぱりいつもの半分以下の刺激になっています。いつも以上に妄想をフルスロットルにし、長い時間をかけ、最終的にはオーガズムに至りました。

◎ふたりで使える関係に

 これはたしかに、早漏防止になりそう! 快感がゼロになるわけではないのがポイントですね。このジェルによって、そのときどきの快感の度合いはたしかに抑えられますが、そのぶん長く持続する……すなわち、快感の総量は変わらないってことですよね。これをくり返すことで、本人の自信にもつながりそう。それを〈男らしさへの実感〉に直結させるのではなく、ちゃんと、ふたりの愉しみにしてほしいものです。

 この「ピュースト」、パートナーの早漏で悩む女性にも耳寄りな情報ですよね。オープンに話してふたりで試してはいかがでしょうか。なんなら塗り塗りしてあげちゃいましょう。「早漏っていう事実を突きつけると彼が傷つくのではないか……」という懸念もわかりますが、早漏の男性はだいたい自覚があります。気遣うゆえにいい出せない、というのはやさしさのようでいて、お互いの性的な関係にフタをしていることでもありますよね。

 男性側なら早いとか勃ちが弱いとか、女性なら濡れにくいとかイケないとか、問題点をお互いに共有できる関係のほうが、ヘンに気遣い合うよりよほど健全です。とはいえ、いきなりモノを突きつけるのは、たしかに唐突なので、販売サイトなどをみながら「こういうのあるらしいよー」と話題にしていくのがいいでしょうね。

■桃子/オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

騎乗位をマスターする手っ取り早いコツは「動かしてもらうこと」

 好きな体位は正常位、クンニ大好きロリルミさんが「騎乗位」のギモンに答えます!

◎初体験から18年も経つのに、いまだに騎乗位が苦手。どうしたらうまくできる?

<OEAさん>33歳/東京都/独身女性

 騎乗位がうまく出来ないことに、長年悩んでいます。

 初めてエッチをしたのが15歳で、もう33歳……人生の半分以上は非処女なのに、いまだに騎乗位を上手にすることが出来ません。わたしが上になって動いても、いつも相手の男性はいまいち良くないようで、わたし自身もどう動けば自分が気持ちよくなるのかわからず、空気がしらけます。

 長く付き合った彼氏には、「上手にできないんだよ~」と話したりもしましたが、「じゃあ練習しよう」という感じにもならず。どうやったらお互いに気持ちよい動き方ができるのか、もちろん検索したりAVの騎乗位シーンをたくさん見たりもしたのですが、腰を前後左右にグラインドするのも、上下に動かしてピストンぽくするのも、どっちも微妙というかやっぱり上手くできません。男性が腰を動かしてくれるときみたいに、同じリズムで継続したいんですが、まずリズム感がない。体力(筋力?)もなくて、5ムーヴくらいで疲れてしまいます。

 「騎乗位は女性が主導権を握れる体位だからオススメ!」とか書かれているし、できればマスターしたいのですが、ロリルミさんはどうやって覚えましたか?

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 騎乗位についてのご相談ですが、実は個人的には騎乗位はあまり好きではない体位です。正常位など、それよりも気持ちいい体位があるから。なので騎乗位はその場の流れとか相手からの要望があればする、って感じなんですが……好きではないものの、出来ないわけでもないので、ご参考になれば幸いです。

◎相手に手伝ってもらう

 手っ取り早いのは、男性に腰を掴んでもらいつつ動かしてもらう方法かと思います。私はこれで自分の中でしっくりくる騎乗位ができるようになりました。「得意じゃないから、教えてほしい」と頼めば、乗り気になってくれる男性は多いんじゃないでしょうか。AVなどで見たものを実践するよりは、体で覚えた方がコツを掴みやすいと思います。

◎手の位置がポイント

 騎乗位の時には女性の手を置く位置もいろいろあるので、そのままぶらりとしていた方がいいのか、男性と手を組む形で支えてもらう方がいいのか、男性の胸付近に置く方がいいのか……ベストな手のポジションは、人それぞれですので、やりやすい体勢を探してみて下さい。腰を動かしやすい、ちょうど良いポジションを見つけられれば、格段に騎乗位がやりやすくなります。

◎下半身を鍛える

 すぐに疲れてしまうという点については、筋トレをしつつダイエットをすれば解消されるのではないでしょうか。体が軽くなればその分、自分の体重を支えるのも容易になったりしますし。すでにスリム体型ならば筋トレだけでもいいと思います。少し前に流行った「スクワットチャレンジ」なんかは騎乗位の時に使う太ももやお尻、下半身全般の筋肉が鍛えられるので良さそうです。

 ただ、騎乗位がなくてもセックスは成立しますし、絶対にしなければいけない体位なんてありません。うまくできないからといってコンプレックスを感じる必要はないと思います。現に私も騎乗位なしのセックスを何度も経験してきていますが、だからといってそれらが満足のいかないセックスだったとは思いません。

 仮に騎乗位をマスターしたとしても、それでOEAさんが気持ちよくなれるかどうかはまた別の話だったりします。セックスでもなんでもそうなんですが、個人的にはいまできること、得意なことをより伸ばしていくことを考えた方がストレスがないと思っています。苦手意識が強く一向に気持ちよくなれない騎乗位を勉強するよりも、OEAさんが気持ちよくなれる体位だったり好きな愛撫をより楽しむことに重点を置くのもアリかと。

 もしもパートナーがものすごく騎乗位好き、というなら頑張って覚えなきゃ! と考えるのも愛情の一つだし、騎乗位克服でもっとセックスを楽しめるようになるのならば日々トライするのもいいですが、私としてはそのままのOEAさんでもいいんじゃないかなとも思います。確かにセックス特集では「騎乗位は女性が主導権を握って気持ちよくなれる」という記述も多いですが、あくまでもそれは一例であって、大切なのはOEAさんがどんなセックスをしたいかです。

 せっかくのセックスタイムが「ああ~私ってホント騎乗位下手……」とネガティブな気持ちで台無しになってしまうなんてもったいない! 「自分は何のためにセックスをするのか、セックスに何を求めているのか」ということも、たまには振り返ってみて下さいね。ちなみに私は至福のクンニタイムのためにセックスしていると言っても過言ではありません(笑)。

■Lollipop-Rumiko/通称ロリルミ。中学1年で済ませた初体験を皮切りにビッチ街道を突っ走ってきたが、ここ数年それに疑問を感じ始めている26歳。しかしまだ完全にビッチを卒業することはできず。好きな男性のタイプは、ちょっとSなクンニスト。最近の悩みは、夕方になるにつれてクッキリしてくるほうれい線と、過度の飲酒と白米の食べ過ぎによってできた腰回りのぜい肉。

早漏で柔らかい彼に、バイアグラを勧めるべきか否か

◎前戯はいいけど、早漏でペニスが柔らかい彼。傷つけずにバイアグラを勧めるためにはどうすれば?

<わこさん>30歳/石川県/独身女性

 いつもコラムを拝見しております。今回はロリルミさんにぜひご相談したく、なにとぞよろしくお願いいたします。

 相談内容は『彼が傷つかないバイアグラのすすめ方を教えてください』です。

 彼とは結婚を見据えたお付き合いをしています。彼は誠実で純粋な人です。お互い多忙で機会は少ないですが、セックスする度に息が合っていくのを感じます。手マンやクンニはすごくよくて、気遣いや愛情が感じられて最高です。

 でも…ぺニスが早漏で柔らか目で…彼はそれをちょっとコンプレックスに感じているそうですし、内心私も物足りません。

 いまとても幸せなセックスができているとは思うのですが、ごくたまにでいいので激しくドロドロになって深淵を覗きこむようなセックスができたらいいのになと思います。でもバイアグラをすすめられたら正直戸惑いますよね…。

 どうすればよいでしょうか? アドバイスをおまちしています。

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 わこさん、いつもコラムを読んでくださってありがとうございます! わこさんの彼は誠実で純粋な人、なおかつセックスの時にも手マンやクンニは良し、気遣いや愛情が感じられるなんて、もう言うことなしなのでは? と思いますが、バイアグラを勧めたいとのことなんですね。

 もし頻繁に中折れするとか、挿入できないほど勃ちが悪いというのならば、バイアグラを検討するのもアリかもしれませんが、おそらく現状では挿入できる硬さになるし、中折れもしてないんですよね? だとすると、果たして「バイアグラを飲む」必要があるのかどうか、微妙なところです……。

 ただでさえ、女性からバイアグラを勧められたらダメージを受ける男性は多いと思います。しかもこの場合、一応「勃起→挿入→射精」コンボができているわけですから、彼にどんな伝え方をしても傷つく可能性はかなり高いんじゃないかなと思います。早漏やちんちんの柔らかさを気にしている彼ならば尚更です。彼もバイアグラに興味があるというのなら、話がスムーズに進むかもしれませんが。

 一度、彼とわこさんの立場を置き換えてみましょう。彼に「揉み応えが足りないので、もう少し胸を大きくできないか? 豊胸手術なんかもあるし」とか「締め付けが足りないので、もう少しまんまんの締まりをよくできないものか? 膣トレやってみて」なんて言われたら、すごーく傷つきませんか?

 胸の大きさもまんまんの締まりも、これまでセックスしてきたんだから、いままで通りで支障はないはずなのに、彼好みに変えろと言われる。愛撫の仕方などについては、指摘されればすぐにでも変えられる可能性がありますが、身体的なことは変えようとしても時間がかかったり、自力ではなかなか難しかったりします。それにそんなことを言われてしまったら、これまでしてきた彼とのセックス全てが否定されたような気持ちになるんじゃないでしょうか。「ホントは毎回胸小さいって思いながらセックスしてたんだ……」とか。

 もちろん、人それぞれ「こういうセックスがしたい!」「こんなちんちんがいい!」という好みはあっていいとは思いますが、身体的なものについては、よっぽどの問題がない限り相手に伝えるのはよーく考えた方がよさそうです。もっと硬くて長持ちするちんちんがいいなら、他の相手を探せば済む話ですが、そうではなくわこさんは彼が好きなんですよね。「もっと硬くて長持ちするちんちんが好きだけど、そうではない彼と一緒にいる自分」について考えてみることで、ちんちんの問題なんてどうでもよくなったりします。

 そうはいっても、彼のセックスがいいものだからこそ、よりよくしたいというわこさんの気持ちもわからなくはありません。ドロドロになるような激しいセックスをたまにはしたいものですよね。なので、まずはバイアグラにこだわらず、ドラッグストアやバラエティーショップで売っているような滋養強壮ドリンクやサプリなんかを「ちょっと試してみよー!」と軽い感じで勧めてみるのはどうでしょう。男心は硝子より脆いものですので、わこさんが自ら購入したとなると彼がプレッシャーに感じてこれまた無駄に傷つくかもしれませんから、「ドラッグストアの年末ラッキーくじで当たった」等の設定にしておきましょう。効果は人それぞれですが、私のセフレが前に滋養強壮サプリを飲んだところ、いつもは一晩で1回しかセックスできない男性だったのに、いきなり3回連続でできたということがあったんです。プラセボなのか、たまたまなのか、それとも本当に成分の効き目があったのか、一体、何だったんだろう……。私もまた試してみたいと思います!

 なにはともあれ、「セックスする度に息が合っていくのを感じます」なんて、なかなか思えることじゃないですよ。わこさんと彼には、その部分をもっともっと高めていってほしいと思います。

■Lollipop-Rumiko/通称ロリルミ。中学1年で済ませた初体験を皮切りにビッチ街道を突っ走ってきたが、ここ数年それに疑問を感じ始めている26歳。しかしまだ完全にビッチを卒業することはできず。好きな男性のタイプは、ちょっとSなクンニスト。最近の悩みは、夕方になるにつれてクッキリしてくるほうれい線と、過度の飲酒と白米の食べ過ぎによってできた腰回りのぜい肉。

加齢でやせ細るアソコ…。最新のアンチエイジング機器で、ふっくら復活!

 皆さんが見ているmessyのページには、どんな広告が表示されていますか? 筆者・久保樹のは「しわとり」「酵素ダイエット」「シミ・シワ対策」など、アンチエイジングのターゲット広告ばかり。……えーいうるさいわい! アラフォー女をなめんなよ! こちとらピッカピカのツルツルじゃい(あくまで自己申告)!

 で、ふと思ったのですが。顔やカラダのアンチエイジング製品はあっても、あそこ(そうです、ま○こです)の老化って、どうにも食い止められないものなのでしょうか? あそこだって臓器の一部だから、当然年齢とともに衰えていくものだし……。そう思っていたら、恵比寿に「キュアクリニック」という体臭ケアと女性器のアンチエイジングが専門のクリニックが、11月16日にオープンしていたことがわかりました。こ、これはぜひ話を聞かねば!

「あのー、取材したいんですけど……」

 おそるおそる連絡してみると、あっさりOKが。しかし久保樹は子宮がん検診ですら「はあ~」とため息をついてしまうほどの、大のビビリ。そこで編集のM嬢に、代わりに体験してもらうことにしました。同じくアラフォーのM嬢は尿漏れや性交痛はないものの、小陰唇がやや大きいかなと思うのと、色素沈着が気になっているそう。

◎アソコはどんなふうに加齢する?

「20代のときの性器は脱毛してなかったのもあるからよく覚えてないけど、それでも今よりは外性器がふっくらしていたと思います。でもそれってつまり、膣内もこけたってこと? それはそれでイヤだなあ」(M嬢)

 彼女は「おひとり様ストリップ鑑賞」にハマっていて、そこで気付いたことがあった。それは「若い踊り子さんはあそこがぷっくりしているのに、ベテランのはやせている」こと。加齢とともに重力によって、下がっていくのかしら……? 確かにロリ系のエロマンガにはよく、「あそこがぷにぷに」という描写が登場します。ぷっくりしてることこそ、若さの証なのかしら……? ああ、疑問はつのるばかり。

 クリニックからは「前日までにIラインは処理してきてください」と連絡がありましたが、M嬢はすでにレーザーで脱毛済み(痛くなかったの?)。また生理中と、3カ月~1年前までに子宮頸がん検診を受けていなかったり、受けていても結果が擬陽性以上の場合は施術ができないそう。過去に子宮体がんと頸がん、子宮内膜症などの病歴がある場合は、カウンセリング次第ではこれまた施術できないとのこと。いずれもクリアしているM嬢と向かうと、院長の上田弥生先生が迎えてくれました。

 上田先生は大阪市立大学医学部を2009年に卒業後、総合病院などの産婦人科、婦人科、不妊治療外来で治療にあたっていました。でもなんで女性器のアンチエイジングを専門にしようと思ったのでしょう? それは産後の患者から、尿漏れやお風呂上がりに膣から水が漏れるなどの症状を訴えられても治療法がなく、話を聞いてなぐさめて、骨盤底筋群体操(いわゆる膣トレ)を勧めるぐらいしかできなかった無念から始まっていると語りました。

 クリニックでは「サーミバー」という、高周波を膣内から外側まで照射することで、膣内のコラーゲンを生成・増殖を促進して膣内外の環境を整える機械を使うのですが、先生はこの機械と出会い、「たくさんの女性がこれで救われたら」と思って導入したそうです。

 しかし先生自身はまだ30代。女性器のアンチエイジングには、まだ早いのでは?

「私も女性ですから、今後自分も直面する問題としてとらえています。そして私自身は、性をタブー視する現在の日本の風潮に、疑問を持っています。性は命の源だし、身体の一部だし、性の充実は人間にとって大事なもののひとつですよね? トランスジェンダーの方もいらっしゃるのでそう単純ではないですが、わかりやすさを優先してあえて単純に言うと、女性が女性として生まれてきてよかった、男性が男性として生まれてきてよかったと自分のことを受け入れられるといいなと思います。自分の性を愛して受け入れ、そして人の性を愛して認めることで、より幸せなパートナーシップも築けるのではないでしょうか

 す、素晴らしい。初対面なのに好きになりそうです! 施術はまず、問診から始まります。それが終わったら施術台にあがり、膣圧を測ります。生まれて初めて目にする膣圧計に興味津々ですが、M嬢は以前経験したことがあるそうで、ひとりで熱くなる久保樹とは反対に、極めて冷静そのもの。次に施術前の状態を記録して、ジェルを塗ったらいよいよスタート!

 サーミバーでの施術は、幅1センチ程度のスティック状のチップを内側に20分、外側は10分間なでるようにして当てていくのですが、最初は外性器から始めます。チップの温度を34℃程度から42℃まであげていきますが、M嬢によると「あちい!」ということはなく、デリケートな膣内は、ぽかぽか温かい感じが異物感を和らげてくれたそうな。とはいえ人によっては熱く感じることあるので、調整しながら進めますが、42℃まであげたほうが効果がわかりやすいとのこと。

◎膣壁をゴシゴシして施術

 あそこの壁をなでるように、ひたすら当て続けること30分。ようやく施術が終了しました。ここでもう一度膣圧計を取り出し測ってみると、M嬢の膣圧が施術前の1.5割増しになっているではありませんか! さらに術後の状態を撮影して見比べてみたところ、「小陰唇がきゅーっと締まって小ぶりになっていたし、大陰唇のスジも少なくなっていて感動を覚えた」そうです(久保樹は見てません! M嬢の感想です)。即効性があるのね~。とはいえ回数を重ねることで、効果がより持続すると上田先生。でもこの効果って、一体いつまで持つんでしょう? すぐに元に戻ってしまったら、意味がないじゃないのよ。

 ということでM嬢には施術の約2週間後に、再度感想を聞くことにしました。その後どうよ?

「外性器のふっくら感は手で触れるとわずかにまだありますねえ。中を指で確認してみたところ、施術した直後はそれほど感じなかったけど、1週間ぐらいしたら確かに、肉厚になった気がします。性行為のときって膣も充血して厚みが増すけど、何もしていないときでもその状態になってる、といえばわかりやすいですかね。外側のふっくら化は10日ぐらいで止まったけど、この状態が続くってことかな。何度か繰り返すとより効果がある気はします」

 パートナーには「違いがわからない」と言われたものの、自分的には感度が上がった気がする。性交痛があったりする人の方が、より違いが顕著なのでは? とM嬢はいいます。しかし顔やカラダと違って人目にそうそう晒す部分ではないし、パートナーだって同じように老化していくし。それでも女性器も、アンチエイジングした方がいいと思う?

「やっぱりあそこもふっくらしたほうが若々しさはあるんだろうなぁと。膣だって加齢は哀しいものだから、時間を巻き戻せるのは単純にうれしいし、へんな話だけど自信にもなるんじゃないかな? 人からは見えないところで自分が若々しくなってるって、悪い気はしないよね」(M嬢)

この結果を先生に報告すると、

「コラーゲンの産生は30日周期なので、1か月後ぐらいにははっきりと効果が出ます。直後のコラーゲン収縮による効果はだいたい2週間で落ち着いてきて、その後ハリが出るんです。学友の経産婦女性4人(もともととくに自覚症状はなかった方)から、「2~3週間経ったら、夫のペニスがひりひりするぐらい膣が狭くなった」という報告を受けました。1か月して急に性の感度が上がったという報告もあがっております」とのコメントを頂きました。1カ月後にさらに、驚きと喜びが待っているとは! なんだかこれって、いいことずくめじゃない?

 しかーし! 女性器全体を施術する場合のトライアル料金は15万円、本施術は1回税込み22万6800円、3回セットだと税込み54万4320円と、まさにひと財産なお値段。萎縮性膣炎や老人性膣炎にも効果があり、60代まで施術できるとはいえ、継続が難しい人も少なくなさそう。M嬢も、次のように見ています。

「『性交痛がある』『尿漏れがある』など切実な悩みがある人なら、その金額でも出せるのかも。今後たくさんの女性がアンチエイジングするようになって、それによって価格帯が安くなればいいな。『もう年だし、若いころと比べると体型も崩れているし』とセックスに消極的になっている人も、アソコが若返ればそれが自信となり、積極的になれるのでは? ただ物理的に性器に変化をもたらすのではなく、精神面にもプラスの効果を与える施術じゃないかな」

◎日々のケアでアンチエイジングするには?

 トライするには気持ちもお財布も勇気が要るかもしれないけれど、切実に悩んでいる人にとっては、それが吹っ飛ぶきっかけになるかも。でもそこまでにならないよう、日ごろ自分でできるアンチエイジングケアがあればいいのに。上田先生、それって教えてもらえますか……?

「外陰部はなんといっても、やさしく扱うこと! 外陰部にも顔と同様に皮膚と粘膜があるのに、顔は優しく洗って保湿して、外陰部はゴシゴシ石鹸で洗ってゴシゴシ拭くだけって人、たくさんいらっしゃいますよね。でも外陰部だって刺激するとシワになるし、垂れるし、乾燥するし、色素沈着だってします。しかもトイレのたびにこすられて、ナプキンで刺激されてと、結構ひどい扱いですよね。とにかく、やさしく洗ってください。お湯で十分で、石鹸はあまり使わなくていいです。膣内は頻繁に洗うと膣炎の原因になることがあります。とくにウォッシュレットは使いすぎないように」

「これでにおいもケアできますが、膣が臭うときは細菌性膣症などの病気の可能性があります。これは免疫力が高まれば自然に治ることも多いので、膣内を洗いすぎず、心身ともに健康を保つのが一番の予防です。とはいえクラミジアや淋菌などの性感染症や、子宮頚がんの初期は自覚症状が出ないことも多いので、検診はお忘れなく。すそワキガの場合は治療できるので、医師に相談することをお勧めします。下着はなるべく通気性の良い、綿やシルクなどの天然繊維がいいですね」

「あとは骨盤底筋群体操(膣トレね)でしょうか。膣を締める体操ですが、その感覚がわかりにくい方は、おしっこを途中で止める感覚、あるいは肛門を締める感覚と言えばわかるでしょうか? 気付いた時に膣のあたりの筋肉を、ぎゅーーーっと締めるのを繰り返します」

 ああ先生、やっぱり好きになりました! 久保樹はしばらく自己ケアでがんばりますが、「これは……!」と思った時には、よろしくお願いします!

(写真・文=久保樹りん)