
(C) ドルショック竹下
「このバス、女子医大の方まで行きますか?」
10年ほど前の夏。猛暑の最中、新宿のバス停で「練馬車庫」行きを待っていると背後から声をかけられた。振り返ると22、3歳の大学生らしき青年。ボサボサの髪に、さえないカーキ色のTシャツと半端な丈のズボン。痩せ型でメガネをかけているところが知的と言えないこともないが、なんだか異様なオーラを放っている。そのオーラは「厭世的なゆるさ」とでも言うべきか、私の通う大学にも少なからずいる「多留生(複数年度にわたり留年する学生)」と同種のそれだった。





