
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんがカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の43回目! 今回はアニメ業界で働きながら声優を目指して邁進中の金髪美少女、サラ・ネルキンさんが来てくれました!
――初めまして! サラさんは普段は取材する側が多いんですか?
サラ そうですね、大学2年生のときからずっとアニメ業界の記者をしていますので、取材はされるよりもする方が多いです。以前は「Anime News Network」というサイトでパートタイム記者を務めて、今は情報サイト「ANIME NOW!」のスタッフライターとして活動しています。
――想像以上の日本語の流暢さに驚きが隠せません。さらに現在は正社員ですよね、立派すぎます! 大学から日本にいらしたんですか?
サラ 大学1年生のときはハワイにいました。ハワイの大学で日本語を勉強しましたが、ずっと独学で勉強していたので、ちょっと自慢に聞こえちゃうかもしれないんですけど、大学4年生のクラスに入っても私にはちょっと簡単すぎてしまって……もっと日本の近くに行きたくて、「じゃあ、引っ越そう!」って、日本の大学に転校しました(笑)。それで、日本は4年目です。
――すごい行動力! では、ご出身のニューオリンズからハワイに行って、それから日本ですね。
サラ えっと……悲しいことに、2005年にハリケーン「カトリーナ」というものがありまして、私が育ったニューオリンズの町も、家も、大きな被害にあって、マサチューセッツに引っ越したんです。なので、マサチューセッツで中学と高校に通って、卒業してからハワイ、それから日本ですね。
――なるほど、恐い思いをされましたね……!
サラ はい……。でも、アニメにハマり始めたのは、マサチューセッツに引っ越したときでした。あのときは悲しくて、完全に笑顔をしなくなっていたので……。そんなときにアニメのおかげで笑顔を取り戻せたと思います。そこから日本語を覚え始めて、今の私がいます。
――では、日本に興味を持ったきっかけはアニメだったんですね!
サラ そうですね! 幼い頃、兄に「面白い番組が放送されてるぞ!」って言われて見はじめたのが『ポケットモンスター』だったんです。そのあと『セーラームーン』も大好きになりました! その頃は、まだそれが日本のアニメってこともわからずに楽しんでいたんですけど、あるとき、親戚から『愛天使伝説ウェディングピーチ』のDVDをもらったんです。あの時までは英語で吹き替えられたアニメを見ていたんですけど、私の見た「ウェディングピーチ」は日本語のセリフに英語の字幕がついている状態だったので、初めて「日本のアニメなんだ!」って認識できました。それに、日本の声優さんの演技力の高さに感動してしまって!「これからはこっちで聞きたい!」って、どんどん日本のアニメにハマッていったんです。
――アメリカでは、声優という仕事はどういう立ち位置なんですか?
サラ アメリカでは、あんまり声優はメジャーな職業ではないんです。アニメに出演しているほとんどの役者は主に舞台やテレビの出演の方がメインですね。それもあって、「じゃあ、私は英語の吹き替えをやろうかな」と思ったんです。その後に日本語を勉強して、「私も日本の声優さんみたいになりたいなぁ。……人生は一度しかないんだから、なろう!!」って(笑)。
――見事な決断力です!
サラ もともと、幼い頃から演技が大好きだったんですよ。幼稚園の先生から「この子、ドラマティックすぎるのよ」って言われてたくらい(笑)。あと、モノマネ上手な兄に憧れていたのもありますね。私も真似してみて、声を操ることが好きになったんです。それで日本の大学に入ってからはオーディションに行ったり、モデルとして働いたり、テレビに出たりもしましたね。外国人がアニソンを歌うクイズ番組とか、アニメの声優になるための番組『スパルタンMX』(2013~TOKYO MX)等に出演させていただいて……。

――これまでに声優のお仕事はされましたか?
サラ ネットアニメの英語吹き替えに出演させていただいた経験もありますが、大学のとき、一度だけPS Vitaのゲームの声優オーディションに受かって、すごくうれしかったんですけど、プロジェクトが消えてしまって、本格的なデビューが逃げてしまいましたねぇ……。
――残念でしたね……。大学と言えば、大学を卒業するタイミングで、だいたいの夢追い人は夢と現実(就職)の狭間で揺れると思うんですが、サラさんの場合はビザの関係もあるし、帰国っていう選択肢も出てきてしまいますね。
サラ そうですね、悩みましたねぇ。アメリカに帰るか、日本に残るために英語の教師になって、なんとなく過ごしながらアニメのオーディションを探して頑張るか……。でも、アニメ業界からはどうしても出たくなかったんです。なので、私に残された選択肢はひとつでした。“アニメ業界の仕事を探すこと”です。それで就職活動をして、たどり着いたのは成人男性向けゲームの会社だったんですよ(照)。
――おお~!! そうなんですね!?
サラ そうなんです、アハハ! 勤めていた会社はアニメ化された作品もある会社で、いろんな作品の翻訳をさせていただきました。アニメ業界の人たちと会える機会もたくさんいただいて、充実した日々でした。でも、「もっと他に何かあるんじゃないかな?」と思っていたときに、今の職場から声をかけていただいて、今は大好きなアニメのライターをしながら声優の勉強中です!
――良いご縁があってよかった! 「声優事務所に入ろう」とかじゃなくて、ちゃんと就職しているのが、とてつもなく偉いです!
サラ ビザの問題もありましたしね。でも、声優の学校にはどうしても通いたかったから、声優学校の試験は受けたんです。とある声優学校の面接に行ったこともあるのですが、審査員の人はけっこう厳しくて…確かに緊張してミスもしたのですが、「お前は日本人より漢字を読まないといけない」って言われて、悔しくて……。家に帰って涙を流して「今に見てろ!」って自分に言い続け、それ以来毎日毎日、もっと早く読めるように台本の練習をしています。
――アニメライターの仕事をしながら、毎日練習を!?
サラ はい。他には、もっと大きな声で演技ができるようにボイストレーニングと、歌と、発音のチェックと……どんなに時間がたっても完璧にはならないんですけど、できるだけ頑張りたいです!
――ひええ、頭が下がります……! しかしながら、アニメの記事を書くためには、まずそのアニメを見続けないといけないから、ものすごく時間がかかりますよね。さすがに嫌になりませんか?
サラ ちょっと疲れますよね(笑)。でも、以前はただストーリーを楽しんでいただけのアニメも、今は「この人はこう表現してる! 私もコレをしてみたい!」とか、演技の勉強にもなりますので、やっぱり楽しいですよ。
――偉すぎて絶句! 毎日アニメを何本も見ては記事を書き、インタビューをして自分の勉強をしてボイストレーニングして……眠る時間は足りてますか?
サラ ないない(笑)。あと料理とかワンちゃんのお世話とかで、忙しいですね! でも、アニメ業界を応援したい気持ちでいっぱいなので、それでなんとか頑張って生きてます!
――た、倒れないでくださいね!!
サラ 頑張ります……!
――ではでは、やはり英語よりも日本語で声優をしたいですか?
サラ 希望としては日本語も英語もやりたいですね。やりたい役は外国人キャラクターとか、ハーフのキャラクターとか……具体的に「アイドルマスターシンデレラガールズ」のケイトみたいな役がやりたいですね。そういう感じの役をいつか上手く演じられるように、毎日ボイストレーニング頑張っています。(笑)
――狙い撃ちしましょう! 外国人役と言えば、よく、日本人が「それはないだろ!!」っていうなまり方で演じてますよね。
サラ やはり外国人が演じることでその作品にはメリットもあると思いますし、日本人にしかできない役もあると思います……私が声優になって、業界をもっとカラフルな所にしたいと思っています。
――変えていきましょう! あと、声優に限らず、けっこうちゃんとした会社の大がかりなアニメでも、平気で英語のスペルが間違ってたりもしますね。
サラ 翻訳家としてもやはり気になりますよね。ゲーム会社で働いてたときも、英語が間違っていると、すごくしつこく「ここ間違ってますよ!! 今すぐ直しましょう!!!」ってやっていました(笑)。

――サラさんは翻訳の仕事も上手そうですねぇ。翻訳を始めたきっかけはありますか?
サラ 翻訳をはじめたのは高校のときで、実は宍戸留美さんがきっかけだったんですよ(照)。宍戸さんが歌った『WHITE ALBUM』の歌が大好きでいつも歌っていて「これはローマ字も欲しい」と思って、日本語の先生に質問しながら翻訳したんです! だから今日はとっっっても感謝しています! 昔から宍戸さんのTwitterもフォローしていますし、『おジャ魔女どれみ』も『ご近所物語』も『金色のガッシュベル!!』も『デジモン』も『プリティーリズム』も、テレビに出ているときも……とにかく大好きでずっと見て、『おジャ魔女~』はライブハウスのイベントにも通っていたので、ご一緒できるなんて最高に幸せです!!
――サラさん、思ったよりもガチファン!! ちなみに、サラさんのご家族は、今の活動を応援してくれていますか?
サラ えーーーーと、うーん、どうだろう(笑)。ライターとしての仕事は応援してくれますし、役者としても、応援はしてくれています。けど、「それだけじゃ生きていけないでしょう?」とは言われますね、何回も……。
――お母さん、ごもっとも。
サラ それでも、やりたいんです! アニメ業界で仕事をしながら声の演技がしたいですね。なので、今のアニメ業界の仕事を続けながら、いろんな人に会う機会をいただいて、みんなに「応援してるよ!」って伝えたいです。人に幸せをあげるのが大好きなので。
――何それすごい。
サラ 私すっっっごいTwitterをしてるんですけど、ものすごいリプライ好きなんですね。人を応援することが大好きだし、人の成功でうれしくなるんです。だから、尊敬している声優さんやクリエイターさんには「心の底から応援してます」って気持ちを伝えたくてリプライしちゃいます。私はTwitterでちょっとした言葉をもらうだけでうれしくなるので、私が憧れてる人にも気持ちを伝えたいんです!
――ほんとだ! サラさんのタイムライン、リプライだらけ! マメですねぇ~。
サラ そうやって実際に友達になっていただけた声優さんやクリエイターさんもいますし、業界のパーティーで偶然会っても「あ! お前は!!」って気付いてくださったことも数回あるので、これからもいろんな人と繋がりたいです。Twitterに限らず、記事を書いて皆さんのこと世界に紹介できるのもうれしいことですね。
――アニメ業界のチアガールですね!
サラ チアガールです(笑)! 完全にそうですね!
――ちなみに、将来的には、ずっと日本で活動されるんでしょうか? それともアメリカに……?
サラ 帰らない(きっぱり)。母からは「帰ってきて」と言われるのですが、アメリカのアニメ業界で働いても私が憧れる人には会えないし、何よりも直接この業界を支える存在になりたいと思っています。
――でも、数が多すぎませんか?
サラ 確かにたくさんの声優がいて、楽しくて、そして厳しい世界だなと思います。昔作品に出演していた声優さんを「最近何してるかな」ってチェックしてみると、すでに引退されていたり、別な道に進んでいらっしゃったり。ちょっと寂しいですね。でも、アニメ業界で直接働けるところって東京くらいしかないですね。だから私はここにずっといたいです。私は日本が好きですし、本当に!
――ここはいっそ日本人と結婚して永住権をもらうって手もありますよ!
サラ きゃあ(ハート)! 私はホントに良くも悪くも乙女なので、夢は理想の王子さまに出会って結婚することです……!(笑)

――ではでは、好みの男性像を教えてください。
サラ 私は理想が高いんですよ~~~。いつも言ってるのは、「岡本信彦さんに会いたいなぁ」って(照)! もちろん冗談で言ってますけど……役者として非常に尊敬しています。
――ちなみに、どこが好きなんですか?
サラ 2009年に初めて『スレイヤーズ』の演技を聞いて、泣くほど感動したんです。
――『スレイヤーズ』に岡本さん出てましたっけ?
サラ アベル=ランザードっていう役で確かほんの1~2話しか登場しないんですけど、なぜだろう? 少ない話数でも存在感あってホントに感動したんです! それからずっと追いかけて……ストーカーって意味じゃないですよ(汗)! 理想として「私もこういう演技がしたいな」って追いかけさせてもらってます。憧れの役者です。あと、河西健吾さんも! 彼は10年も頑張ってやっとアニメの主役を掴んだんです。本当にすごいと思います! 心の底からその努力と演技力を尊敬しています。彼が頑張っていると私も頑張れるような気がします。他に尊敬している声優といえば、新井里美さん、根谷美智子さん、半場友恵さん、そしてもちろん宍戸留美さんですね。やはり私はお姉さん系の強い声と演技に憧れていますね。
――王子さまも岡本さまも川西さまも、ご連絡お待ちしてます! ではでは、今後とも、日本をエンジョイしながら夢を掴んでください! 今日はどうもありがとうございました!
サラ ありがとうございます!! 今のライターの仕事も大好きで感謝はしていますし、演技もこれからもしていきたいと思います!頑張っていきますので、よろしくお願いします!Thank you!(取材・文=小明/撮影=宍戸留美)
●サラ・ネルキン (Sarah Nelkin)
生年月日:1992年11月25日
出身地:アメリカ合衆国ルイジアナ州ニューオーリンズ市
出演歴
2014年2月 スパルタンMX
2014年3月 ミッドナイト感謝祭!もってけダービー’14春:アニメ好き外国人対抗!アニソンイントロダービー
2015年9月 舘ひろし&上田晋也の日本魂届けます
2015年11月 アミューズ企画ゲーム実況チャネル「Studio Lolly」
海外向けアニメ情報サイト「ANIME NOW!」にてライターとしても活動中!
Twitter: @S_Nelkin
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
最新情報
東京幻想曲集
発売中!

増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!!
■11/21(月)
「ひとりひとりにサリュー!vol.10~誕生日とクリスマスの間、世界編」
出演:宍戸留美
ゲスト:ナタリー、レイラ レイン、他
時間:開場 18時半/開演 19時
料金:前売り\3,500(1D別)/当日\4,000(1D別)
予約詳細:
http://rumi-shishido.com
■11/26(土)
タワーレコード難波店、5階イベントスペースにて18時~『東京幻想曲集』&『東京幻想写真集』のインストアライブ&特典お渡し会
■11/27(日)
「ルンルン&純菜姫ツーマンライブ大阪~秋冬コレクション~」南堀江ビレボア 12時~ 特別ゲスト:中川雅子
公式HP: http://rumi-shishido.com/
ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/
Twitter: @RumiShishido
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。