先日、若い女性の足を長時間なめたとして、京都市の会社員の男が強制わいせつの疑いで逮捕されたが、韓国ではここ数年、ソウル・江南(カンナム)駅一帯で「ストッキング墨テロ男」が出没している。 この男は朝の通勤時間帯にストッキングをはいた女性を待ち構え、彼女たちの脚に向けて筆で墨を飛ばすと、そのまま逃げていく。ネット上には、被害に遭った女性からの書き込みや男の目撃談が数多く寄せられ、「ストッキング墨テロ男」はかなりウワサになっていた。 墨を飛ばされるのがストッキングだけなら、まだマシかもしれない。スカートにも墨をつけられてしまう場合や、「ストッキングに何かついていますよ」言って近づいてきた別の男に痴漢されるという、2次被害も発生。墨テロ男の正体は謎のまま、被害者ばかり増えていく状況で、中には「スカートをはくのをやめた」「江南駅を通らないよう、あえて遠回りして会社に行く」という女性もいた。 ところが、「ストッキング墨テロ男」の目的は、ストッキングに墨を飛ばすだけではなかったようだ。SBSの時事番組『気になる話Y』の取材によると、どうやら男は墨を飛ばした女性が駅のトイレで新しいストッキングにはき替えるのを待ち伏せて、捨てられた墨付きストッキングを拾っているというのだ。 ストッキングを拾うため、平気で「女子トイレ」に出入りしていた墨テロ男。今年5月、江南駅付近の公衆トイレで発生した通り魔殺人事件(参照記事)を思い出させるその行為に、多くの女性がゾッとしたに違いない。 取材クルーから情報を得た警察は、女子トイレから出てくる男を待ち構え、緊急逮捕に成功。案の定、男は拾ったばかりのストッキングを7枚所持していたが、そのうちの1枚は、なんと男のパンツの中から出てきたというからドン引きだ。 重度のストッキングフェチである男は、使用済みのストッキングに性的興奮を覚えて犯行に及んだと供述。実は前科3犯だが、どうしても欲望を抑えられず、女性たちに墨を飛ばし続けてきたという。 墨テロ男のようなストッキングフェチが集うネットコミュニティでは、「ストッキングの匂いがいい」「ストッキングはまるで恋人のような存在」といった会話が交わされ、「ストッキング墨テロ」を起こす方法などもシェアされている。 女性に墨を飛ばし、ストッキングを脱がせるという行為は、わいせつ罪に相当すると思われるが、韓国では性的欲求を満たすために「ストッキング墨テロ」を起こしたとしても、器物損壊罪で処罰されるのが関の山。今後も、同じような犯行が繰り返される可能性はかなり高い。 ストッキングフェチを楽しむこと自体は個人の自由だが、法に触れる行為は厳に慎むべきであろう。墨を飛ばされたスカート
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ハロプロ愛が爆発しすぎてヲタに嫌われちゃった“紙芝居おじさん”は、やっぱりヤバかった
アイドル好きで、紙芝居屋で、画伯でホームレスという謎の男・おに山田が、ゴールデン街で「現代エロ画展」なるアヤシイ展覧会を開催しているという。 情報量がいろいろと多すぎてワケがわからないが、どうにも気になってしまう人だ。 ちょいとブログを読んでみたら(ホームレスなのに、ブログやってるんだ!)ハロプロ愛が爆発しまくった結果、少々キチガイ感がにじみ出ちゃっている文章が書き殴られていたし……。 本格的にヤバイ人だったらイヤだけど、思い切って「現代エロ画展」最終日に会いに行ったところ、予想外に人当たりはいい。……でも、ある意味では、予想以上にヤバイ人だったよ! ■どっちの意味でも、子どもが好き! ――おに山田さん。そもそも、いったい何者なんだ!? という感じなんですが、肩書としては……? 山田 ハロプロをもっと盛り上げるため、ライブ会場の前で紙芝居をやっているおじさんです。……売名目的でもありますけど。ハロプロも売れて自分も有名になって、一挙両得じゃないですか。 ――はあ……。ハロプロでいうと、どのあたりが好きなんですか? 山田 今はJuice=Juiceとか、カントリー・ガールズですね。℃-uteとかモーニング娘。'16に関しては、だいぶ冷めてきました。やっぱり、メンバーが年を取ってくると、どうしても興味が薄れてくるというのはありますね。 ――ああー……。何歳くらいがストライクゾーンなんですか? 山田 14歳が一番好きな年齢です! 18~19歳までは、ギリ大丈夫ですけど。 ――そこでギリギリかー。ちなみに、山田さんは何歳なんですか? 山田 43歳になりました。ハロプロ研修生43期生です! ……こういうことを言うから、ハロヲタの人たちに嫌われるんですけど。 ――絵は、いつ頃から描いているんですか? 山田 絵はずっと描いてましたね。ボク、絵本を描きたくて、1999年に奈良から東京に出てきて持ち込みをしていたんですけど、まったく相手にされなくて……。 ――こんな感じの絵柄で!? 山田 そうですね。タッチは、あんまり変わってないです。だから、持ち込みしても嫌がられ、「向いてないんじゃない?」とか言われ続けて……。ごくたま~に、気に入ってくれる編集者さんもいるんですど、その人が企画会議にかけてくれても全然ダメで。 ――絵本というよりは、いわゆる「ガロ」「アックス」系の漫画のほうが向いていると思いますけど、絵本にこだわりが? 山田 その頃は「絵本しかない!」って、思い込んでましたね。「ダメだ」とか言われると、悔しいじゃないですか。それで、しつこく行ってたというか……やめ時を失いましたね。 ――何か好きな絵本に影響を受けたとか? 山田 絵本は好きですけど、特にこの作者っていうのはないですね。やっぱり子どもが好きなんで……どっちの意味でも。 ――どっちの意味でも! 山田 子どもと、すごく話が合うんですよ……14歳くらいまでの子と。絵本を描けば、子どもを相手にできるというのがいいなって。 ――今までの話を聞いていると、自分の子どもは絶対に相手をさせたくないですね。 山田 そうそう、そこがジレンマでした。そういう意味もあるけど、そういう意味じゃない部分もあるから難しいんですよね。男女かかわらず、子どもは好きなんですけどね……。でも、絵本を描いて子どもに読ませても、全然ウケなくて。 ――このテイストじゃあ、なかなか子どもの心に響かなそうですよね。ビジュアル的にはキチガイ感もないし、マイルドな雰囲気ですが、話しだすと本当にヤバかった「おに山田」
■最終的には、ハロプロと同じ舞台に立ちたい ――絵本から紙芝居に行ったきっかけは? 山田 絵本をいくら描いても出版してもらえないんで。だったら、紙芝居も似たようなもんじゃないですか。子どもの前ですぐにやれるし。それで紙芝居を作って、道や公園でやり始めたんですけど、なぜかすぐに止められちゃうんですよ。 ――うーん……まあ、止めますよね。 山田 仕方ないので、当時住んでいたところの商店街に頼みに行ったら「下北沢一番街商店街」のガレージのところが空いているっていうんで、しばらくそこでやらせてもらっていました。そうしたら結構、子ども連れの親子が見てくれるようになって……。だったら大人も楽しめる紙芝居にしようと思って、下ネタの紙芝居を始めたんですけど。 ――なんでそこで下ネタに行っちゃうの!? 山田 それなら大人も楽しめるから、子連れじゃない人や、若い人たちが見てくれるじゃないですか。 ――でも、子連れはいなくなりますよね? 山田 まあ、いなくなりましたね。でも、幸いに、商店街の人たちは面白がってくれたんですよね。それで調子に乗っちゃって、「ここじゃなくても、やれるんじゃないか?」と考えて、ハロプロのライブの開場前に、紙芝居をやるようになったんです。みんなヒマしてますからね。 ――ああ、ここで「売名」という気持ちが出てくるわけですね。 山田 ボクも有名になるし、ハロプロも売れるしで、最高じゃないかと思ったんですけどね。結果、どっちもパッとしてないですけど。ある意味、有名ヲタにはなれましたけどね。……嫌われてますけど。 ――ハロプロヲタの人たちは、どんな反応だったんですか? 山田 最初にやった時はものすごく怖がられて、Twitterでエゴサしたら「会場前にキチガイがいた!」とか書かれていましたね。そのうち、キチガイではないということをわかってもらえて、みんな集まってくれるようになり……。まあ、集まってくる人たちもキチガイじみてましたけど。 ――それが、どうして嫌われてしまったんですか? 山田 ちょっと有名になったと思って、調子に乗っちゃったんですよね。Twitterに運営に対しての不平不満を書いたり。決定的だったのは、宮本佳林ちゃん(Juice=Juice)のスクール水着の写真がプリントされたTシャツを作って、握手会に参加したことが……。 ――なんでそんなことを!? 山田 本人に見せたら、面白がってくれるかと思って。そしたら、佳林ちゃんは大丈夫だったんですけど、隣にいた高木紗友希さんに「気持ち悪くない?」とか言われて、握手を拒否されちゃって。それを狼(ハロプロ@2ちゃんねる掲示板)に書かれちゃったんです。思いの外「なんてことをするんだ!」みたいなことになってしまいましたね。 ――そういうTシャツを見せて、アイドルから認知されたいという気持ちもあったんですか? 山田 それはないんですよ、本当に。紙芝居で有名になって、最終的にはハロプロと同じ舞台に立ちたいと思っているんで、それまでにファンとして認知されてもうれしくないです。Tシャツに関しては、本当に遊び心で「こんなのを作ったんだよ」という気持ちだったんですけど、それをきっかけにヲタクたちから嫌われてしまいましたね。山田さんの描く絵は、こんな感じ
■これからは、アプガの現場で頑張ります!? ――さて、今回の「現代エロ画展」という展覧会は、どうしてやることになったんですか? 山田 今年5月に「現代アイドル画展」というのをやって、その時はみんなが絵をバンバン買ってくれたので、“これはいけるぞ”という感じがあったんですね。 ――結構、いい収入になった? 山田 はい、ちゃんと熊本地震にも募金しましたし。ただ、今回の「現代エロ画展」のほうは……今日が最終日なんですけど、今のところ赤字ですね。というか、一日で巻き返せるとも思いませんし。 ――「現代アイドル画展」では、そのアイドルのファンたちが買ってくれたというのも、あるんじゃないですか? 山田 そうですね。「あの子を描いています」とは明確には言ってないんですけど、まあ、それらしくは描いているので、ファンの方が買ってくれていましたね。それに、ハロプロのライブで知り合ったヲタの人たちが、わりと来てくれたんですよ。でも今回は、ハロプロ関係の知り合いは、まだ1人だけですね……。 ――やっぱり、スクール水着Tシャツ事件が尾を引いて……? 山田 それはないと思いたいですけど……それかもしれませんね。あとは、研修生のヲタの人たちとTwitterでケンカしたりもあったんで、それもあるかも。 ――山田さん、もうTwitterやめたほうがいいですよ! 最近は、ハロプロ現場で紙芝居はやってるんですか? 山田 やってるんですけど、冷たくはなってますよね、反応が。誰も集まってこないし、Twitterで話題にもならないし。 ――それだけ、根が深い問題だったんですね。ほかの現場にくら替えしたりとかは考えてないんですか? 山田 うん、だから最近アップアップガールズ(仮)に行ってます。アプガの前ではまだ紙芝居はやってないんですけど、そのうちやるつもりです。 ――じゃあ、アプガの現場で、温かく迎えてもらえたらいいですね。 山田 だといいんですけど……すぐもめちゃうんで……。 ――紙芝居自体の評判はよかったんですから、たぶん紙芝居以外の部分がすごく悪いんだと思いますよ。 山田 ……性格かな? だとしたら、最悪ですね。 ――まあ、今後はアプガの現場で頑張っていこうと。 山田 別にハロプロでもやりますけどね。 ――ファンに嫌われても、ハロプロ愛は揺るがない? 山田 なんか、腹が立つじゃないですか! 負けた感じになるのがイヤなんで。あっちは気にしてもないと思いますけど。一見、いい絵っぽく見えるんだけど、よく見るとヤバイ。ある意味、天才!
■まずは、住むところを探さないと…… ――じゃあ最後に、ハロプロと同じ舞台に立つために、計画しているこれからのビジョンを教えてもらいたいんですけど。 山田 やることはいっぱいありますよ。まず、今ホームレスですからね。会社の事務所の一角に住み着いているんで、住むところを探すところから始めないと。 ――長い道のりだな~……。 山田 何かすごい賞を獲ったら、一気に行けるかなとも思ってるんですけどね。賞を獲って、権威を手に入れたいです! ――権威を手に入れて、自分を嫌ったヲタたちを見下したいとか? 山田 そうですね。いいですね、それ! ――それで調子に乗って転落する姿が目に浮かびますよ!最後に「せっかくだから」と紙芝居を披露してくれたんですが、マンツーマンで紙芝居を見るのは正直、キツかったっす!
(取材・文・イラスト=北村ヂン) ◆『突撃取材野郎』過去記事はこちらから◆
在米華人が大激怒! 全米最大規模のデパートが、南京大虐殺をモチーフにしたTシャツを販売
全米で最大規模の高級大型チェーンデパートとして知られる「ノードストローム」 で販売されたTシャツが原因で、現地の華人だけでなく中国本土の中国人も怒り心頭となっているという。 「人民日報」(11月12日付)によると、ノードストローム社のオフィシャル購入サイトで販売されていたTシャツには、南京大虐殺をモチーフにした写真がプリントされており、これに対して在米華人がホワイトハウスを巻き込み、政治問題化しようと署名活動を始めているという。SNSで拡散されたTシャツのデザイン。まさに処刑の瞬間だ(人民日報)
Tシャツにプリントされた写真には、南京大虐殺を描いた映画『南京!南京!』のワンシーンが使用されており、日本兵に処刑される中国人の様子が大きくプリントされていた。発売開始直後、アメリカの華人コミュニティーを中心に、SNSでこのTシャツの写真が広まり、事態は深刻化。中には、アメリカ政府の公式ホームページに嘆願書を提出し、政治介入を呼びかけるといった署名活動などの動きも見られた。 アメリカ在住の華人たちはFacebookなどのSNSで、次々と「もしアメリカ人がアフリカ人奴隷を処刑しているような写真がTシャツになったらどうなんだ? 中国人の気持ちを考えろ!」「アメリカ人は南京で何があったのか知っているのか! 冗談では済まされないぞ! 謝っても許されない!」などと、怒りのコメントを次々とアップされている。ノードストローム社の公式サイトで販売されていた、実際の写真
今回の件に関して、ノードストローム社側は公式ホームページ上で、多くの人の感情を傷つけてしまったことへの謝罪や、すでに該当商品を販売停止とし、在庫はすべて処分したことを発表。しかし、それでもなかなか事態が沈静化しないことから、このTシャツを販売したブランド会社も公式ホームページで、特定の民族を傷つける意図がなかったと謝罪した。また、TシャツをデザインしたデザイナーのAndrea Marcaccini氏もSNS上で、「Tシャツでは、いまだ論争の続く出来事をあえて表現することで、美しい未来を考えるきっかけになればいいと思い、制作した。申し訳なかった」とコメントを寄せている。 そもそも南京事件においては、その全容において,いまだ日中間の主張の隔たりが大きく、議論が続いている状態だ。今回の問題に関しては、いまだアメリカの華人コミュニティーでは批判の声がやまず、しばらくほとぼりは冷めそうにない。 (文=青山大樹)公式SNSで謝罪を発表するノードストローム社
激しい会話劇『黒い十人の女』で見せる、天才・バカリズムのロジック
「全員狂ってるよ」 そこに集まったのは10人の女たち。テレビプロデューサー・風松吉の9人の愛人と、ひとりの妻である。つまり風は“10股”しているゲス野郎なのだ。 集まった10人を前に、ひとりの愛人が口を開く。 「一緒に風を殺さない?」 もともと『黒い十人の女』は市川崑が監督し、船越英二が主演した昭和の名作映画である。これを、お笑い芸人・バカリズムが脚本を担当してリメイクしたのが、ドラマ版『黒い十人の女』(日本テレビ系)だ。 主人公・風松吉を演じるのは、映画版で演じた船越英二の息子・船越英一郎。これ以上ないキャスティングだ。なんでこんな中年のオッサンがモテるのかわからない。けど、なんかわかる、という絶妙なラインを演じている。 だが、リメイクといっても、主人公が10股をしていて、彼への殺害計画が持ち上がるという大まかな設定以外は、ほぼ完全オリジナル。もちろん、舞台は現代。バカリズムらしく、コメディが基調になっている。 “愛人歴”が最も長いのは、水野美紀演じる舞台女優・如野佳代。彼女が所属する劇団「絞り汁」は、“芸術性”を言い訳に、つまらない芝居を長時間見せるような集団だ。とにかくこの佳代というキャラクターは、ウザくてダサい。そんな小劇団にもかかわらず、実力派女優気取り。風のコネで、ドラマでエキストラ同然の役をもらっても、主役級の振る舞い。デリカシーが皆無なのか、愛人たちを引き合わせ、「愛人同士仲良くしよう」と提案する。「悪いのは全部、風なんだから」と。 しかし、同じ愛人である以上、恋敵。うまくいくはずがない。頻繁にほかの愛人たちと口論になり、そのたびに水やカフェオレなどを顔にぶっかけられる。 だが、彼女が愛人同士仲良くしようとしていたのは、実は風を一緒に殺そうとしていたからだったのだ。 このドラマ版では、たびたび登場人物同士が議論するシーンが登場する。「不倫は本当にいけないことなのか?」「いけないとしても、本当に別れないといけないのか?」などなど。 これは、バカリズムのコントを想起させる。たとえば「俺の斧」というネタがある。斧を落としてしまったきこりが、川から出てきた女神に「あなたの落としたのは金の斧? それとも銀の斧?」と問われ、正直に答えたら金の斧をもらえたというイソップ童話『金の斧』をモチーフにしたものだ。 バカリズムが扮するのは、この童話の最後にわざと斧を落として金の斧をもらおうとするきこりを思わせる男。童話では「金の斧を落とした」とウソをつくきこりにあきれ、何も渡さなかった。そこから、このコントは始まる。 「待って待って、帰るんですよね?」と、女神を呼び止めるバカリズム。「俺の斧は返してください」と。ウソをついた罰で返さないと主張する女神に「罪と罰のバランスおかしくないですか?」と、バカリズム節が始まっていく。そもそも、なぜ自分がウソをついていると言いきれるのか? それは、女神が自分で金の斧を用意したからだ。にもかかわらず、さも自分のものではないかのように、どれを落としたかと問うことも立派なウソではないか? どんな理由があろうともウソは罪だというならば、女神こそ罪を犯している。女神はそれを必要悪だと言うが、自分はこれまで犯罪歴はなく、他人を苦しめてきたわけではない。そんな自分を懲らしめるのは必要悪とは到底言い難く、ただの悪である。言うなれば、他人の斧を奪う強盗未遂。犯罪だ。だから自分には賠償を受ける権利がある、と女神を言い負かし、金の斧と銀の斧、果てはそれを入れる手提げ袋を女神から奪い取るというネタだ。 理路整然と矢継ぎ早に並び立てることにより、屁理屈もそうとは見えず、ついには常識を覆していく、バカリズムの真骨頂だ。 そうした会話劇が、このドラマの至るところで展開されていくのだ。 そして、それが最高潮に達したのが、第8話(11月17日放送)だ。この回は、ほぼ全編がワンシチュエーションの会話劇。佳代が10人の女を集め、風の殺害計画を語るのだ。 もちろん、それを聞いたほかの愛人たちは、その突拍子もない申し出に、最初は戸惑う。ここから、佳代はそれまでのウザくてダサい、言うなれば「バカ」キャラから一変。その仮面を脱ぎ捨て、バカリズムが憑依したような理論派へと変貌する。 まずは「殺す殺さないかは別にして、風がこの世からいなくなるのはどうか?」と問う。戸惑いながら、「いなくなってくれたらいい」と口々に言う愛人たちに、「だったら、それは自分が殺すのは嫌」ということだと言い、その「嫌」の理由をひとつひとつ解きほぐしていく。 やはり最初に問題になるのは、殺人は犯罪だということ。つまり「罰への恐怖」だ。だったら、完全犯罪ならばどうかと。具体的にそのやり方を指南する。 それでも「自分が殺すこと自体が怖い」と「罪への恐怖」を主張する愛人たちに、佳代は論理的に説得していくのだ。 「風がやってきたのは、10人の女の人生を狂わせる行為」 「言ってみれば10人分の殺人」 「殺さないと、私たちの人生が今後も狂わされ続ける。あくまでも、自分の人生を守るための手段にすぎない」 「ある意味、正当防衛だ」 確かにそうだ、と思わせてしまうのが、バカリズムのスゴいところであり、怖いところだ。 そんな中で浮き彫りになるのは、被害者意識で塗り固まった人も、加害者であるという事実。そして、その加害者意識を最後まで隠す者のズルさだ。全員が被害者であるのと同時に、加害者でもある。まさに「全員狂ってる」のだ。 しかし、ここで単純に全員が納得して殺害に同意する話にしないのが、天才・バカリズムたるゆえん。バカリズムの手のひらで踊らされるように、最後に思わぬ大どんでん返しで、ほぼ全編をかけたこの議論をすべて台無しにする、ある展開が起きる。 それは、積み重ねた理論をいっぺんに無意味なものにするパワーを持つ感情を呼び起こすのだった。 天才・バカリズムが周到に用意したのは、激しい感情の前では、精緻な理論はなんの意味も持たないというロジックだったのだ。 理論 vs 感情の果てに、いよいよドラマはクライマックスに突入する。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『黒い十人の女』読売テレビ
博多駅前巨大陥没事故対応に、海外から絶賛の声「韓国なら3日で終わるけど、3カ月後にはまた陥没する」
11月8日に発生した福岡市博多駅前の巨大陥没事故への対応を、韓国人が絶賛している。 福岡といえば、韓国人が多く訪れる人気観光地のひとつ。韓国メディアは事故発生後、いち早くこのニュースを伝え、観光客に注意を呼びかけていた。 「シンクホール」とも呼ばれるこのような現象は、いまや世界各国で起きている。韓国でもここ5~6年で頻繁に発生しており、社会問題になっていた。特にソウルでは、市内に潜むシンクホールの約60%が地下鉄路線に沿って存在しているといわれるのだから、穏やかではない。 そんな中、韓国人が最も驚いたのは、「死傷者がゼロ」ということ。現場付近の地下では地下鉄を延伸する工事が行われており、8日は地下でトンネルを掘る作業をしていたところ、水が流れ込んできたため、工事を中断し、すぐ警察に通報。周辺道路の通行止めが迅速に行われたことや、陥没後の福岡市長の対応に、ネット民は「素晴らしいとしか言いようがない」「さすが先進国だ」と絶賛。 とあるブログには、「もし韓国だったら、関係者が水漏れを発見しても報告しない確率90%以上。報告したとして、上司が報告を無視した確率90%。上司がしっかり報告を受けても、通行止めにしなかった確率90%以上」という自虐的な書き込みも寄せられていた。 さらに「陥没が1週間で復旧した」というニュースは、より韓国人を仰天させた。 韓国のニュース専門テレビ局「YTN」は、復旧作業を追ったタイムラプス動画を紹介。それを見たネット民から、「これは学ばなければいけないことだ」「日本人は、それぞれ自分が何をすべきか知っているからだよ」「韓国なら3日で終わる。ただ、3カ月後にはまた陥没するけど」「福岡市長は『すべてが市の管理責任だ』と発表し、復旧についての説明もしていた。韓国とは違うよね」といった絶賛のコメントが寄せられている。 また「そういえば、セウォル号は今も海に沈んでいるよね……」「韓国はシンクホールが発生すると、疑惑を究明するためにも1年は放っておく必要がある。復旧=証拠隠滅だから」という、政府や行政に対する強い不信感がにじみ出る声も。 いずれにせよ、海外でも称賛されているという今回の迅速な事故対応。今後は、同じような事故が起きないことを祈る。YouTube「ANNnewsCH」より
博多駅前巨大陥没事故対応に、海外から絶賛の声「韓国なら3日で終わるけど、3カ月後にはまた陥没する」
11月8日に発生した福岡市博多駅前の巨大陥没事故への対応を、韓国人が絶賛している。 福岡といえば、韓国人が多く訪れる人気観光地のひとつ。韓国メディアは事故発生後、いち早くこのニュースを伝え、観光客に注意を呼びかけていた。 「シンクホール」とも呼ばれるこのような現象は、いまや世界各国で起きている。韓国でもここ5~6年で頻繁に発生しており、社会問題になっていた。特にソウルでは、市内に潜むシンクホールの約60%が地下鉄路線に沿って存在しているといわれるのだから、穏やかではない。 そんな中、韓国人が最も驚いたのは、「死傷者がゼロ」ということ。現場付近の地下では地下鉄を延伸する工事が行われており、8日は地下でトンネルを掘る作業をしていたところ、水が流れ込んできたため、工事を中断し、すぐ警察に通報。周辺道路の通行止めが迅速に行われたことや、陥没後の福岡市長の対応に、ネット民は「素晴らしいとしか言いようがない」「さすが先進国だ」と絶賛。 とあるブログには、「もし韓国だったら、関係者が水漏れを発見しても報告しない確率90%以上。報告したとして、上司が報告を無視した確率90%。上司がしっかり報告を受けても、通行止めにしなかった確率90%以上」という自虐的な書き込みも寄せられていた。 さらに「陥没が1週間で復旧した」というニュースは、より韓国人を仰天させた。 韓国のニュース専門テレビ局「YTN」は、復旧作業を追ったタイムラプス動画を紹介。それを見たネット民から、「これは学ばなければいけないことだ」「日本人は、それぞれ自分が何をすべきか知っているからだよ」「韓国なら3日で終わる。ただ、3カ月後にはまた陥没するけど」「福岡市長は『すべてが市の管理責任だ』と発表し、復旧についての説明もしていた。韓国とは違うよね」といった絶賛のコメントが寄せられている。 また「そういえば、セウォル号は今も海に沈んでいるよね……」「韓国はシンクホールが発生すると、疑惑を究明するためにも1年は放っておく必要がある。復旧=証拠隠滅だから」という、政府や行政に対する強い不信感がにじみ出る声も。 いずれにせよ、海外でも称賛されているという今回の迅速な事故対応。今後は、同じような事故が起きないことを祈る。YouTube「ANNnewsCH」より
解散まで残りわずか……木村拓哉はジャニーズ残留、香取慎吾は引退へ!? SMAPメンバーの気になる“今後”
11月も前半が終わり、年末に向けて世間の雰囲気は少し慌ただしくなってきました。年内解散が決まっているSMAPですが、ここにきて、各メディアは書きたい放題! 香取慎吾の芸能界引退説まで飛び出しています。 果たして、SMAPの未来はいかに? それでは、ランキングを見ていきましょう! 第1位 リア・ディゾン復活で思い出される、アメリカ時代の「獣姦」経験告白 アメリカだからね。 第2位 残り2カ月「ビストロSMAP」“しょぼすぎるゲスト”にファン憤慨 「ふざけるな!」「経費削減かよ」 残すところ1カ月ちょっと……。 第3位 SMAP木村拓哉が女優陣から総スカンで“あの女”が陰のマネジャーに名乗り! またおまえか! 第4位 「雪解けムード」は情報操作か!? 香取慎吾の引退報道でわかった“SMAPの今” 慎吾ちゃん、引退しちゃうの? 第5位 『みなさん』2週連続5%割れで、とんねるず“終焉”くっきり「もう通用しない」 これぞ“老害”って感じ? ◆編集部厳選! イチオシ記事◆ 貯金ゼロ目前、食費は1日100円……苦境極まった片渕須直監督『この世界の片隅に』は、どう完成したか 泣きました……! 元・着エロアイドルが明かす、AVと着エロの危うい境界線「同じことをやるなら、AVのほうがいい」? AVのほうが儲かりそうだもん くだらない下ネタの宝石箱や~! 絶倫諸国マン遊記『男!日本海』 新・オトコのバイブル?
「朴槿恵ネタで関心を集めて、こっそり……」5万人が釣られたアダルト広告詐欺の手口とは
韓国では最近、SNSを使った、新手のアダルト広告詐欺が問題となっている。先月末ごろ、Facebook上のとある投稿が「いいね!」を多数集めた。それは、朴槿恵(パク・クネ)大統領の退陣要求デモの写真を数枚載せたもの。投稿には、次のような文言が書かれていた。 「リアルタイムでソウルのロウソクデモ(退陣要求デモ)に行けない人は、『いいね!』ボタンを押して共有してください!」 この投稿は瞬く間に拡散。大統領の前代未聞の政治スキャンダルということもあり、5万回以上も「いいね!」が押された。すると、投稿主は投稿内容をこっそり変更。アダルト動画サイトの広告にすり替えてしまったのだ。「いいね!」ボタンを押した5万人のタイムラインには、「5周年記念、無料チャッティング」「最近は、みんなすぐにOK!」「ムラムラするね!」「一緒にしようよ」などの文言が、エッチな写真とともにシェアされるという大ハプニングが起こった。 しかも、実は最初に掲載されていた写真8枚のうち、ロウソクデモの写真はわずか1枚しかなかった。残りの写真はすべて、2008年に行われたBSE関連デモや、韓米FTA反対デモなど、過去の大規模デモの写真だった。つまり、投稿の怪しさに気づかなかった5万人の人々が、壮大に“釣られた”というワケだ。 現在、この手の偽写真や社会的事件で関心を集めて「いいね!」を押させた後、投稿を広告にすり替えるという詐欺マーケティングは韓国内で流行しているが、釣られる人の中には、普段、IT関連のプロフェッショナルを名乗っている人たちも少なくないというから、笑えない。 また、ネット上に流布された政治的な冗談や風刺を事実と思い込んだユーザーが、正式な資料などに使ってしまうといったケースも珍しくないという。例えば、あるユーザーが、大統領選前、ドナルド・トランプ氏の写真に「女性大統領の未来を問われたら、韓国の姿を見せればいい」という吹き出しをつけて投稿した。これは、「そのようにトランプ氏が発言すれば、大統領選に勝利するのではないか」と、冗談のつもりで掲載したものだった。 しかし、この写真は韓国中に出回り、吹き出しの文句はトランプ氏が実際に語った言葉として定着。さらに、韓国主要ニュースメディアで報道され、挙げ句の果てには国会議員が会議の場で引用してしまうという恥ずかしい事態にまで発展した。 ウワサ話を信じやすい韓国人とSNSがリンクすると、時に世間を揺るがす迷信として爆発的に広がってしまうようだ。
初めて逢うのに、どこか懐かしいアイヌの人たち。極上の音楽体験ドキュメント『カピウとアパッポ』
初めて聴く音楽なのに、ずいぶん昔から知っていたような気がする。初めて逢った人たちなのに、なぜか懐かしさを覚える。脳で知覚するデジャヴ感とは異なる、もっと体の芯から温かく包み込まれるような郷愁に似たものを感じてしまう。ドキュメンタリー映画『kapiwとapappo アイヌの姉妹の物語』を観ていると、不思議な気分になってくる。タイトルに謳われているようにアイヌの里出身の姉妹デュオ“カピウ&アパッポ”を主人公にした音楽ドキュメンタリーなのだが、アイヌ文化のことをまったく知らないにもかかわらず、幼かった頃に故郷の野原や浜辺で夕暮れまで遊んでいた記憶、家族や親しい人たちと過ごした思い出がゆらゆらと立ち上がってくる。 耳慣れないカピウとアパッポとはアイヌの言葉。カピウはカモメ、アパッポは福寿草のこと。北海道の阿寒湖アイヌコタンで生まれ育った姉妹の絵美と富貴子は、それぞれカピウとアパッポをニックネームにしている。小さいときからアイヌウポポ(アイヌの伝統歌)を歌ってきた仲良し姉妹だったが、性格は真逆。2つ上の姉・絵美は実家を出て、カモメのように各地を渡り歩き、今は東京でグラフィックデザイナー兼ウポポの歌い手として暮らしている。妹の富貴子は福寿草のように地元に根を張り、アイヌ料理店を営みながら阿寒湖の遊覧船で歌や民族楽器の演奏を披露している。東京と北海道で別々の人生を歩んでいる姉妹だが、お互いに3人の子どもを育てる母親となっていた。そんな折、2011年の福島第一原発事故がきっかけで、絵美は子どもたちを連れて故郷でひと夏を過ごす。幼い頃から地元の人たちに愛されてきた2人は姉妹デュオを結成し、ライブデビューすることになる。 ところが、すんなりとカピウ&アパッポのライブデビューとは事は進まない。東京で暮らしていた絵美はインディーズ系の音楽家・海沼武史とともに、アイヌ音楽を現代的にアレンジしたユニット「リウカカント」としてCDをリリースしていたが、伝統的なスタイルから離れての音楽活動にどうも気が乗れずにいた。煮え切らない絵美に対し、海沼は「歌っている瞬間にしかアイヌ民族はいないんだよ。だって日常生活にアイヌ語を使っているわけじゃないでしょ?」と厳しい言葉を発する。一方の富貴子も地元で観光客を相手に歌っていたが、いつの間にか歌うことは“生活の手段”となっていた。少女時代はまっさらな気持ちでアイヌウポポを歌っていた姉妹だったが、アイヌ民族としての帰属意識や音楽へのスタンスに迷いを生じるようになっていた。アイヌの伝統歌を歌い継ぐ姉妹デュオの葛藤を追った音楽ドキュメンタリー『kapiwとapappo アイヌの姉妹の物語』。
台本のないドキュメンタリーならではの面白さが中盤で待っている。絵美は子どもたちを連れてアイヌコタンに里帰りし、富貴子たち一家が温かく迎え入れる。仲良くハグしあう姉妹。ところが周囲のお膳立てでライブデビューの日程が決まり、しばらくすると姉妹間の雲行きが怪しくなってくる。富貴子が夫と経営しているアイヌ料理店で、子どもたちを寝付かせた後、かなり深酒した富貴子の感情が爆発する。ライブが迫っているのに満足に練習する時間がないこと、姉のライブデビューは自分がプロデュースしたかったこと……。多くの人に愛され、才能豊かな姉に対する憧れと嫉妬心が酒に酔って、いっきに吹き出す。「まぁまぁ」と富貴子の夫が仲裁に入ろうとするが、火に油を注ぐかっこうに。福寿草は美しいだけでなく、毒花でもあったことを思い出させる。だが、普段はのほほんとした姉の絵美も黙ってはいない。「フッキは何のために歌うの? 私は仕事のためじゃないよ。フッキと歌うときは仕事は関係ないよ」。故郷を離れて都会の片隅で暮らす姉と故郷に残って地元に根づいて暮らす妹、2人の本音がカメラの前で激しくぶつかり合う。 5年がかりで本作を完成させたのは、山形出身で東京在住の佐藤隆之監督。大林宣彦監督や堤幸彦監督らのもとで助監督を務め、本作で劇場監督デビューを果たすことになった。アイヌ文化に魅了され、姉妹のドキュメンタリーを自主映画として撮ることになった経緯をこう語った。 「覚えている人は少ないと思いますが、『REX 恐竜物語』(93)という北海道を舞台にした映画があり、僕は助監督として就いていました。常田富士男さんがアイヌの老人役で出ており、所作指導としてアイヌのエカシ(長老)に来てもらったんです。そのときのエカシの存在感に僕は圧倒され、『いつかアイヌの映画を撮ってみたい』とアイヌについて調べるようになったんです。明治初期に東北や北海道を旅した英国人イザベラ・バードの『日本奥地紀行』という旅行記があるんですが、アイヌ民族のことを彼女は『彼らのように純朴で善意の人たちは見たことがない』と書き記しているんですね。僕もコタンを訪ねる度に同じように感じていました。100年前と違って今では生活様式は変わってしまっているはずなのに、それでもどこか居心地のよさ、懐かしさを感じさせるんです。姉妹のライブデビューを追ったドキュメンタリーですが、姉妹を育んだアイヌのコミュニティーそのものを撮りたかったのかもしれません」都内でアイヌ関連のイベントに呼ばれて歌う姉・絵美。家事や育児に追われているが、生活に根づいた歌唱スタイルを身に付けつつある。
姉妹は日々の仕事に追われながらライブの練習に励むが、彼女たちを取材している佐藤監督も似たような状況だった。長い助監督時代を経て、テレビドラマで監督デビューすることはできたが、逆に監督になると食べていくことが難しくなる。一度は映像業界を離れてタクシードライバーに転職したが、ずっと胸の中にモヤモヤしたものが残っていた。若い頃に考えていたアイヌの映画を撮ろう。タクシー業と並行する形でアイヌの取材を再開し、そんな中で絵美と富貴子に出会った。食べていくための大切な仕事と生きていることの証である自己表現の両立。それは姉妹だけではなく、佐藤監督自身の命題でもあった。 本作のクライマックスを飾るのは、カピウ&アパッポのデビューライブだ。釧路のライブハウスに、姉妹を昔から知っている人たちが集まり、アットホームな雰囲気の中でライブが始まる。深酒して大ゲンカした姉妹だったが、本音を出し合った翌日からは仕事のちょっとした合間を縫って練習や打ち合わせを重ねてきた。大人になってから姉妹でステージに立つのは初めてゆえ、ライブスタート時は緊張感が漂う。だが、姉・絵美が歌い始め、妹・富貴子が後を追うウコウク(輪唱)スタイルのアイヌウポポが進むにつれ、2人の息が見事なほどに合ってくる。いつもはカジュアルなかっこうをしている2人だが、アイヌウポポを歌っているうちにアイヌコタンで生まれ育った姉妹としてのアイデンティティーが発露されていく様子がはっきりと分かる。 アイヌウポポはアイヌの言葉ゆえ、歌詞はまるで聞き取れない。佐藤監督が姉妹に教えてもらった訳詞がテロップで流れ(姉妹も完全には分かっていないらしい)、それによるとカムイ(神)が降りてくるから、カムイが座る場所を作ろう、といったシンプルなものだ。代々歌い継がれてきた古い歌の中に、アイヌの自然観、宗教観、生活観がしっかりと息づいている。姉妹の歌声に耳を澄ませているうちに、どこか懐かしい世界に帰ってきたかのような奇妙な感覚に陥ってくる。それはアイヌウポポやムックリなどのアイヌ楽器の演奏によってトランス状態になったのか、それとも故郷の生家を失った人間のノスタルジアがもたらした幻想風景なのか。カピウとアパッポの懐かしい歌声に、酩酊している自分がいることに気づく。 (文=長野辰次)大ゲンカした翌日の姉妹。佐藤監督は「ここは撮らないでということはなかった。表現者としての大らかさが彼女たちにはあった」と語る。
『kapiwとapappo アイヌの姉妹の物語』 企画・監督・撮影・編集/佐藤隆之 音楽/メカ・エルビス(サイバーニュウニュウ) 製作/office+studio T.P.S、オリオフィルムズ 配給/オリオフィルムズ 11月19日(土)~12月2日(金)渋谷ユーロスペースにて21時よりレイトショー公開 http://www.kapiapamovie.com
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米国から「トランプマスク」20万個超の大型受注で、中国に早くもトランプバブルが到来中!
先日の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選して以来、アメリカでは各地で反トランプデモが巻き起こる一方、ヨーロッパでは各国首脳たちがトランプ氏の当選を歓迎したりと、世界中でさまざまな動きが起こっている。 そんな各国を尻目に、中国広東省深セン市では、早くも“トランプバブル”が到来中だという。 広東省といえば、かつて“世界の工場”と呼ばれていた、中国の中でも特に製造業が盛んな地域。省の地域総生産(GDP)は1兆ドルを超えており、同国第1位。これは、韓国のGDPにほぼ匹敵する数字だ。 ただ最近は、最低賃金の高騰や人民元高の影響による貿易不振などから、一時の勢いが衰えつつあった。トランプマスクを自ら掲げるトランプ氏。果たして、これはどこ国の製品か?
工場の乾燥室に並ぶ、型抜きされたばかりのゴムマスク
そんな中、アメリカ大統領選挙が始まって以来、昼夜フル稼働して生産にいそしんでいる工場があると、地元紙の「深セン晩報」が伝えている。それは、ゴム製のマスク(お面)を製造する工場である。 今年4月に入り、その工場にはアメリカからヒラリー・クリントン氏とトランプ氏のマスクを注文する次々とオーダーが入ってきていた。そのうちの90%は、トランプ氏のものだったという。 そして11月8日にトランプ氏当選が決まると、工場はトランプ氏のマスク生産一色に。これまでに20万個以上のマスクを製造して箱に詰め込み、中国の税関での通関を待っている状態だ。その後、船に詰め込まれてアメリカに送られ、半年後にはトランプマスクがアメリカの消費者の元に届けられることになっている。ゴムマスクに下塗りをしたところ。トランプ氏に似ているような似てないような
ちなみに、日本の埼玉県にあるゴム製マスク工場でも、同じようにトランプマスクの製造に追われているが、報道によると、すでに約1,870個のマスクを出荷し、トランプ氏の当選が決まった後、さらに2,000個の追加オーダーが入ったという。 中国と日本の工場で同じように作られているトランプマスクであるが、大きな違いは生産量。日本の工場では4,000個以下であるのに対し、中国の工場は20万個以上。これは、日本の工場の製品が主に日本市場向けであるのに対し、中国の工場のものはアメリカ市場向けであることが理由として考えられる。 ちなみに、中国製の製作価格は1個30元(約50円)ほどで、輸送費や関税などを入れても、コストはせいぜい100円程度だろう。 トランプフィーバーもしばらくすれば収まり、トランプマスクの注文も素早くなくなるのだろうが、需要の急激な増加に対し、安価な大量生産で迅速に対応したあたり、さすがは中国、といったとことだろう。 (文=佐久間賢三)手で一つひとつ着色していくのだろうか? これで20万個も作るとは……





















