北朝鮮は“トゥルーマン・ショー”国家だった!? 演出だらけの日常生活『太陽の下で 真実の北朝鮮』

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北朝鮮ではエリートコースである北朝鮮少年団への入団が決まったジンミちゃん。撮影期間中、明るく利発な少女を演じ続けた。
 ジム・キャリー主演のコメディ映画『トゥルーマン・ショー』(98)を覚えているだろうか。気のいい保険のセールスマン・トゥルーマンの暮らしている自宅や街は、実はすべてドラマセットであって、彼の日常生活は密かにテレビ中継されているというもの。この『トゥルーマン・ショー』にそっくりなドキュメンタリー映画が、『太陽の下で 真実の北朝鮮』(チェコ=ロシア=ドイツ=ラトビア=北朝鮮合作)。ロシアの著名なドキュメンタリー監督ヴィタリー・マンスキーは北朝鮮を訪ね、平壌でごく普通に暮らす家族の日常生活を1年間にわたって密着取材しようとしたのだが、北朝鮮側があらかじめ撮影ポイントを決め、カメラに映る人々が口にする会話もすべて脚本として用意された上で、“最高の国・北朝鮮のごく普通の家族”を撮るはめになってしまった。だが、マンスキー監督はただでは転ばない。北朝鮮側の監督がちょくちょくカメラフレームに入ってきて「そこはもっと笑って」「明るく元気に」と演出し、リテイクを繰り返している様子を盗み撮りすることに成功。ごく普通の家族の日常を撮るために、様々な演出が施されている様子が映り込んだ、おかしなドキュメンタリー映画『太陽の下で』はこうして誕生した。来日したマンスキー監督に撮影現場の状況について聞いた。  本作の主人公となるのは、8歳になるジンミちゃん。丸顔でツインテールの三つ編みがかわいらしい女の子だ。冒頭、真新しいジャケットを着込んだジンミちゃんはバスに乗って、学校に向かう。クラスにいる同級生の女の子たちもかわいいい子ばかりで、鼻水を垂らしているような貧乏くさい子はおらず、みんな行儀よく授業に耳を傾けている。先生も若い女性で、なかなかの美人さんだが、この先生の歴史の授業が強烈だ。「金日成大元帥さまは子どもの頃から、日本人と地主を憎んでおられました」「遊び浮かれている日本人に万景峰から大きな石を投げつけ、追い返しました」と抗日運動と神話化された建国の歴史をごっちゃにして、イノセントな少女たちに叩き込む。女の子たちが元気よく暗誦できるようになるまで、何度も何度も繰り返す。幼い頃から反日思想を徹底的に教え込む、北朝鮮の学校教育の恐ろしさを序盤からまざまざと見せつけられる。 マンスキー監督「ひとりの純真な女の子が、社会主義国家で生まれ育ち、どのようにして社会の一員になっていくかを追ったドキュメンタリーを撮りたいと考えていたんです。つまり、北朝鮮で有名なマスゲームのひとコマになっていく過程を追うことで、社会主義とは何かを考えさせる作品にしたかったのです。北朝鮮側に企画書を送り、2年ごしで撮影許可をもらい、平壌で撮影を始めたのですが、映画スタッフという名目で監視役が私にずっと張り付いた形で、自由に撮ることはいっさいできませんでした。誰を主人公にするかだけは私に委ねられていたので、ジンミという少女は父親がジャーナリストだというので、彼女の一家を取材することにしたのです。ジャーナリストなら、いろんな場所を見ることができるに違いないと。ところが撮影が始まると、ジンミの父親はジャーナリストではなく、縫製工場のエンジニアに変わっていました。母親はレストラン勤務だったのですが、やはり豆乳工場勤務に変わっていました。撮影初日から自分が撮りたいものを撮ることは無理だと分かり、4~5日目から今回のようなスタイルの作品にすることを決心したんです」
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ジンミちゃん一家が暮らしているマンション。窓から主体思想塔が眺められる平壌で最高級の物件だ。
 両親の職業が北朝鮮当局の都合で変えられてしまうわけだから、まともなドキュメンタリーになるはずもなかった。ジンミちゃんのお父さんは自分の勤務先となった工場に赴き、そこで働いている女性労働者に何を作っている工場なのかを尋ねている様子もカメラは収めている。ジンミちゃん一家は広々としたこぎれいなマンションで暮らしているが、これも撮影用に用意されたものだった。 マンスキー監督「家族がこのマンションで暮らしていないことは明白でした。戸棚をこっそり開けてみると、食器がひとつも置いてありません。バスルームを覗くと、歯ブラシが1本もない状態でした。生活感がまるでないマンションで、撮影用のものだなと、すぐに気づきました。ジンミとあの父親、母親は確かに遺伝子的には家族なのかもしれません。でも、本当の家族と言えるのか、私は疑問に感じます。撮影期間中、ジンミ以外の家族に出会ったのは1日だけでした。金日成の誕生日を祝う祝日で、その日だけは家族が集まって、金日成・金正日親子の記念碑の前で家族写真を撮っていたんです。写真を撮っているときの家族たちがどんな表情をしているかを、じっくりご覧になってください。これは私の推測ですが、多くの家族は普段はバラバラに暮らしているようでした。父親は軍隊の兵舎、母親は工場のプレハブ小屋、子どもは学校の寮で暮らしているようです。工場の生産性や勉強をはかどらせるためなのかもしれませんが、私にはなぜそこまでやるのか理解できません。休み時間、校庭で遊んでいる子どもを見ることもありませんでした。ロシアから来た監督のドキュメンタリーの撮影のため、撮影期間中だけ幸せな家族を演じさせる。これは二重の意味での国家による暴力ではないでしょうか」 “在日二世”である梁英姫(ヤン・ヨンヒ)監督のドキュメンタリー映画『ディア・ピョンヤン』(06)では家族向けのプレイベートビデオの中に、梁監督の兄たち一家が暮らす平壌のリアルな現状が映し出され、そのことから梁監督は北朝鮮へは入国禁止処分となった。マンスキー監督も盗み撮りしていることがバレたら、いちばん軽くて国外退去処分、最悪身の危険も覚悟したらしい。そんなリスクを冒して撮影した映像には北朝鮮側の監督が演出する姿が度々入り込んでいるが、ジンミちゃんが北朝鮮少年団に入団するくだりは現実のもの。少年団に入れる子どもはごく少数で、ジンミちゃんはエリートコースをこれから歩もうとしていることが分かる。入団式で赤いマフラーとバッジを渡され、うれしそうなジンミちゃん。その後、全身勲章だらけの偉い老将軍が入団のお祝いの言葉を述べるが、朝鮮戦争で米軍機を撃墜した自慢話を延々と続けるので、子どもたちは睡魔に負けないように懸命に堪えている仕草が何ともいじらしい(子どもたちにしてみれば命懸け)。また、金日成の誕生日を祝う“太陽節”で披露する踊りをジンミちゃんは学び始めるが、舞踏の先生が厳しすぎ(というか性格がすごく陰険)、ジンミちゃんは多分人生初の挫折を味わい、涙を流すシーンも撮られている。嘘だらけのドキュメンタリーの中に、いくつかの真実が浮かび上がる。
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モスクワ・ドキュメンタリー映画祭の会長も務める著名なヴィタリー・マンスキー監督。北朝鮮からの要請で、ロシアでも本作は上映禁止に。
マンスキー監督「撮った映像はデータ化して、すぐに安全な場所に送信しました。北朝鮮側にはNGシーンをカットした後の映像を見せるようにしていました。彼らはロシアも自由のない国で、私のこともプロパガンダ映画を撮っている自分たちと似た立場の人間なのだろうと思っていたようです。とはいえ、ホテルの部屋にはカバンやカメラを置かず、いつも持ち歩くようにしました。ちょっとでも目を離すと、中をチェックされてしまうからです。確かにロシアもソ連時代、スターリンによる独裁政権下では悲惨な状況でしたが、それでも今の北朝鮮ほどではなかったはずです。なぜなら、スターリン時代には優れた作家、音楽家たちが自由を求めた素晴しい作品を残しています。でも、今の北朝鮮にはそのような芸術家がいるように思えません。私が泊まっていたホテルの前の劇場では、抗日運動を題材にしたプロパガンダミュージカル『血の海』しか上演されていませんでした。私が当初考えていた内容とはまるで違うドキュメンタリーになりましたが、これをご覧になった方の心に何か感じるものがあれば幸いです」  純真無垢そうな瞳をキラキラさせていたジンミちゃんだが、少年団に入団を果たし、体制の一員となっていくことを予感させる形でこのドキュメンタリーは終わりを告げる。ラストカットで、ジンミちゃんがこぼす涙がひどく印象的だ。無事に入団式を終えた安堵感からなのか、それともイノセントな少女時代がすでに終わったことを本能的に察知したのか、ポロポロと大粒の涙を流す。ジンミちゃんがカメラの前で泣き出したことに慌てた北朝鮮側の監督が「楽しいことを考えてごらん」「好きな詩を言ってごらん」といってなだめる。しばらくして、ジンミちゃんは泣くのを止め、「チュチェ革命を受け継ぎ、強く生きることを少年団として固く決意します」とカメラに向かって答える。どこまでがリアル(本音)で、どこからがフェイク(演技)なのだろうか。そして、このボーダーラインが消える日は、いつか来るのだろうか。 (文=長野辰次)
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『太陽の下で 真実の北朝鮮』 監督・脚本/ヴィタリー・マンスキー 撮影/アレクサンドラ・イヴァノヴァ  編集/アオドレイ・ペパルヌィ 音楽/カルリス・アウザンス プロデューサー/ナタリア・マンスカヤ 出演/リ・ジンミ  配給/ハーク 1月21日(土)よりシネマート新宿ほか全国ロードショー http://taiyouno-shitade.com

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原因は政府主導の強制不妊手術か? 20年間、体外にむき出しの腸を抱えて生活する老婆

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同居する85歳の夫とともに取材に応じる老婆
 国民の医療アクセスに大きな格差が横たわり、社会保険制度も未整備のまま。中国ではけがや疾患を抱えていても治療を受けられず、放置せざるを得ないという患者は数多い。  そんな中、20年間にわたり腸が体外にむき出しとなったままの老婆が話題となっている。   「楚天都市報」(1月7日付)が伝えたところによると、湖北省武穴市の貧村で暮らす80歳の老婆は、まるで妊婦のような腹部を抱えている。   1970年代、開腹手術を受けたというこの老婆。その際、医師からは3年後に再手術が必要だといわれていたが、医療費を工面できず、そのまま放置していた。すると、やがて腹部が肥大し始め、20年ほど前から縫合部分が裂けて腸が外へ出るようになった。老婆は、この段階になってもやはり病院へ行くことはなく、そのうち腸はバレーボール大に。大便が漏れ出すことを防ぐため、むき出しの腸を食料品店のビニール袋で包むという、自己流の処置でこれまでしのいできた。当初は激痛によって食べ物も喉を通らず、眠ることもままならなかったというが、20年を経た今、老婆はむき出しの腸と共存している。
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ビニール袋を取り、むき出しとなった老婆の腸
 一方、この老婆の腸を「かつての政策の負の遺産」と指摘するのは、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏だ。 「この老婆が70年代に受けた手術がなんだったのかには言及されていないが、貧村に住む庶民がその時代に受ける機会があった開腹手術といえば、政府による強制不妊手術では? 中国では79年から人口抑制政策がスタートし、2人目を出産した女性には卵管結さつによる不妊手術が強制されることもあった。以降、1億人以上に手術が施されたとする説もあり、技術的に未熟でずさんな手術の後遺症に悩まされている人は今も多い」  理由はどうあれ、この老婆が今後、適切な処置を受けられることを祈りたい。

ピコ太郎が中国で爆稼ぎ!? 「日本人CM出演タブー」を打ち破る快挙でギャラは5,000万円か 

YouTube「胡虹瑞」より
「PPAP」で世界的大ブレークを果たした、ピコ太郎の快進撃が止まらない。年明け早々にYouTubeで発表された新曲「I Like OJ」も順調にアクセス数を伸ばしている。  さらに、ワイモバイルやタマホーム、コカ・コーラ、UHA味覚糖といった、大手企業のCMに多数出演するなど引っ張りだこのピコ太郎だが、世界的スターだけあって、国外の企業の広告塔も務めている。  例の電子音をバックに、ヒョウ柄衣装で踊るピコ太郎。傍らには、『イップ・マン 最終章』にも出演している香港出身のマルチタレント、王祖藍(ウォン・チョーラム)の姿も。中国語で「新しい車を買いたい、いい車を買いたい」と歌っている。  これは、中国の大手自動車販売サイト「神州買買車(シェンゾウマイマイツェー)」のCMなのだ。現在、インターネットテレビや映画館などで、盛んに流されているという。  広東省深セン市に住む日本人女性は、市内で乗ったタクシーに備え付けられた液晶モニターで放映されているのを目撃した。 「中国語の発音がナチュラルで、最初はニセモノかと思ったほどです(笑)。ネット上で人気なのは知っていましたが、まさか中国の街中でピコ太郎に出くわすとは思ってなかったので、声を上げて笑ってしまった」  この女性が意表を突かれたのには、理由がある。 「2012年の反日デモ以降、日本人タレントが起用されたCMというのは、無名のタレントがチョイ役で出ているようなものを除いて、ほぼなかった。売国企業扱いされることを企業が恐れたためです。そんな中、ピコ太郎が日本企業でなく中国企業のCMに出演したことは異例の快挙」  そう話すのは、日本の大手広告代理店の中国法人で、現地採用スタッフとして働く男性だ。  さらに、ピコ太郎サイドが受け取ったギャラも、世界的スターとしてふさわしい額だったという。 「現在、CMギャラが最も高額なタレントのひとりといわれているジャッキー・チェンで、1本当たり日本円で2億7,000万円ほど。過去には、携帯電話会社のCMにレオナルド・ディカプリオが出演した際のギャラで、1本4億円というのもあった。そこまでではないとしても、このCM1本で5,000万円くらいはもらっていておかしくない。また現在、中国のECモール大手も、ピコ太郎のCM起用に動いているようです」(同)  仮に一発屋で終わったとしても、ここまでの大花火を打ち上げたピコ太郎に悔いはなかろう。

テトリスのように積まれた日本人の墓石にドキッ!「峨嵋洞碑石文化村」

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右の家、どう見てもfeaturing 墓
 韓国珍スポの旅を続けて悩むのが、これは果たして珍スポなのかどうかということだ。 廃墟もミステリースポットも軍事施設も大好きだが、それは珍スポではない。訪れる人を珍妙な気分にさせる、ほほえましくもストレンジな何かがあってこそ「珍スポット」と言えるわけで。  釜山(プサン)は「峨嵋洞(アミドン)碑石文化村」を訪れた。日本統治時代に日本人の共同墓地があった山の斜面に、1950年の朝鮮戦争で家を失った人々が居を構えた集落であり、なんと日本の墓石が建材としてあちこちに使われているという。  それだけ聞くとダークツーリズムスポットのようだが、果たしてどうだろう? 釜山駅前から市内バスに乗り20分で下車、下町風情の坂道をぐいぐい登ってたどり着いたそこには、ほほえましくもストレンジな光景が広がっていた。
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墓石がある位置を示した町内マップ
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墓石のキャラクター「ソギ」(日本語に訳せば「石クン」というところか)
 予想以上の軽やかさ……こりゃ、珍スポだ。  地図をデジカメに収め、墓石を探しながら集落を歩く。斜面の敷地に自由自在に建てられた小さな家々の間、カラフルな壁画があちこちに描かれた、人ひとり通るのもやっとの狭い通路を進んでいくと……あった!! これは間違いなく、日本の墓石だ。石垣の一部として、上下左右関係なく、テトリスのように積まれている。
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「丸に横木瓜」って、うちの家紋と同じだ……まさか、リアルご先祖様がここに?
 集落は30分ほどで一周できそうな大きさであり、地図を頼りに行ったり来たりする。階段や家の基礎、ガスボンベの下の土台など、あらゆる場所に墓石を発見。  これ、何も情報がないところにいきなり出てきたら本気で怖いと思うが、町内に設置された地図や説明、そして壁画のおかげでネガティブな印象はあまりない。行政も歴史の保存に積極的だという。
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浮かれた壁画で容赦なく飾られた、迷路のような通路を行く
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墓石である。日本人としては何ともコメントしづらいビジュアルだが、近くのお寺では毎年、ここに眠っていた日本人のための慰霊祭を行っているとか
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ガスボンベの下に墓石の一部
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カタカナのお名前が書いてある! 歩いているうちに目が肥えてきて、地図には紹介されていない場所にも墓石を見つけられるように
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家々の間の謎の敷地に、町民のための運動器具が設置されていた。生と死のコントラストに頭がクラクラする
 そうこうしているうちに坂を登りきり、集落を見下ろす丘の上に到着。そこは展望台となっており、ポップなキャラクターが私を出迎えてくれた。昔の暮らしをイメージしたキャラクターなのだろうが、「カンナムスタイル」っぽいポーズを取っているあたり、はっきりいってめんどくさい。  石クンだけにしておけばいいのに……。この蛇足感に、珍スポとしての本領を見た気がした。
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とはいえ、ここから一望できる釜山市内の景色は素晴らしい。墓地がここにあった理由もうなずける
 なお、峨嵋洞碑石文化村は今のところ、観光地のような雰囲気はまったくなく、歩いていても地域住民しか見かけない。しかし、ここから徒歩5分ほどのところに位置する、町全体が壁画でカラフルに装飾された、墓石がないだけで似たようなコンセプトの「甘川(カンジョン)文化村」は、原宿のようにごったがえしており、何かのきっかけで世界の観光客が峨嵋洞碑石文化村に押し寄せる可能性もなくはない。墓石と共存する人々の素朴な生活に触れたいのなら、早めに訪れたほうがよいだろう。 (文・写真=清水2000) ●峨嵋洞碑石文化村 住所 釜山西区峨嵋路49

テトリスのように積まれた日本人の墓石にドキッ!「峨嵋洞碑石文化村」

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右の家、どう見てもfeaturing 墓
 韓国珍スポの旅を続けて悩むのが、これは果たして珍スポなのかどうかということだ。 廃墟もミステリースポットも軍事施設も大好きだが、それは珍スポではない。訪れる人を珍妙な気分にさせる、ほほえましくもストレンジな何かがあってこそ「珍スポット」と言えるわけで。  釜山(プサン)は「峨嵋洞(アミドン)碑石文化村」を訪れた。日本統治時代に日本人の共同墓地があった山の斜面に、1950年の朝鮮戦争で家を失った人々が居を構えた集落であり、なんと日本の墓石が建材としてあちこちに使われているという。  それだけ聞くとダークツーリズムスポットのようだが、果たしてどうだろう? 釜山駅前から市内バスに乗り20分で下車、下町風情の坂道をぐいぐい登ってたどり着いたそこには、ほほえましくもストレンジな光景が広がっていた。
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墓石がある位置を示した町内マップ
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墓石のキャラクター「ソギ」(日本語に訳せば「石クン」というところか)
 予想以上の軽やかさ……こりゃ、珍スポだ。  地図をデジカメに収め、墓石を探しながら集落を歩く。斜面の敷地に自由自在に建てられた小さな家々の間、カラフルな壁画があちこちに描かれた、人ひとり通るのもやっとの狭い通路を進んでいくと……あった!! これは間違いなく、日本の墓石だ。石垣の一部として、上下左右関係なく、テトリスのように積まれている。
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「丸に横木瓜」って、うちの家紋と同じだ……まさか、リアルご先祖様がここに?
 集落は30分ほどで一周できそうな大きさであり、地図を頼りに行ったり来たりする。階段や家の基礎、ガスボンベの下の土台など、あらゆる場所に墓石を発見。  これ、何も情報がないところにいきなり出てきたら本気で怖いと思うが、町内に設置された地図や説明、そして壁画のおかげでネガティブな印象はあまりない。行政も歴史の保存に積極的だという。
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浮かれた壁画で容赦なく飾られた、迷路のような通路を行く
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墓石である。日本人としては何ともコメントしづらいビジュアルだが、近くのお寺では毎年、ここに眠っていた日本人のための慰霊祭を行っているとか
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ガスボンベの下に墓石の一部
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カタカナのお名前が書いてある! 歩いているうちに目が肥えてきて、地図には紹介されていない場所にも墓石を見つけられるように
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家々の間の謎の敷地に、町民のための運動器具が設置されていた。生と死のコントラストに頭がクラクラする
 そうこうしているうちに坂を登りきり、集落を見下ろす丘の上に到着。そこは展望台となっており、ポップなキャラクターが私を出迎えてくれた。昔の暮らしをイメージしたキャラクターなのだろうが、「カンナムスタイル」っぽいポーズを取っているあたり、はっきりいってめんどくさい。  石クンだけにしておけばいいのに……。この蛇足感に、珍スポとしての本領を見た気がした。
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とはいえ、ここから一望できる釜山市内の景色は素晴らしい。墓地がここにあった理由もうなずける
 なお、峨嵋洞碑石文化村は今のところ、観光地のような雰囲気はまったくなく、歩いていても地域住民しか見かけない。しかし、ここから徒歩5分ほどのところに位置する、町全体が壁画でカラフルに装飾された、墓石がないだけで似たようなコンセプトの「甘川(カンジョン)文化村」は、原宿のようにごったがえしており、何かのきっかけで世界の観光客が峨嵋洞碑石文化村に押し寄せる可能性もなくはない。墓石と共存する人々の素朴な生活に触れたいのなら、早めに訪れたほうがよいだろう。 (文・写真=清水2000) ●峨嵋洞碑石文化村 住所 釜山西区峨嵋路49

政府が公開した“出産マップ”に女性たちが憤慨「もうSEXなんてしない!」

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くだんの出産マップ
   韓国で、「No SEX」を訴える女性たちによるデモが行われた。先週末、江南(カンナム)駅や政府庁舎の前では、ネットの女性コミュニティー「BWAVE」の会員たちが集まって声を上げていた。  彼女たちの唱えたシュプレヒコールは、こんな感じだ。 「女性の人権は無視するくせに、出生率は重要視するのか」 「私は子どもを産むロボットじゃない」 「私の子宮は国家のモノではありません」 「女性の中絶が違法なら、男性のオナニーも殺人」  女性たちの怒りの矛先はズバリ、政府である。政府は昨年12月末、「低出産克服プロジェクト」という政策の下で作成された「出産マップ」を公開した。全国の出生率統計と出産支援サービスを案内する「出産マップ」は、少子化に対する国民の意識を高めるために企画されたという。  さらに、20~44歳の妊娠可能期の女性が各地域にどれだけ居住しているかを示す“妊娠可能期女性数”も掲載。「京畿道(1位)232万164人」「ソウル(2位)198万5977人」といった具合に、順位までつけられている。簡単にいうと、「実は妊娠可能な女性が、こんなにもたくさんいますよ」と知らせ、地域間の出生率競争を煽ることが目的なのだ。  これを見た女性たちの間では、当然ながら大不評。SNSでは「『なぜ妊娠しないの?』と責められているみたい」「政府からセクハラされた感じ」「政府が進んで性犯罪を助長するようなもの」「だったら『健康な精子マップ』も作るべきでは?」といった批判の声が相次いだ。  その上、「もともとは生理・初経の統計も入る予定だったらしい」「このプロジェクトは、女性器を意味する隠語“ボジ”と、『ポケモンGO』を合わせて“ボジモンGO”と呼ばれていた」といったうわさも流れ、炎上が拡大した挙げ句、デモに発展したというわけだ。 「女性を出産の道具として見ている」という抗議が殺到すると、政府は「出産マップ」を掲載していたホームページを急遽クローズ。関係者によると、内部では議論が続いているそうだ。  ただでさえ最近の韓国では、“女性嫌悪”が社会的な問題となっている。昨年は江南駅で、犯人の男となんら面識のない女性が通り魔的に殺害される事件まで起きた。そんな背景もあってか、女性たちの怒りはすさまじい。  韓国を「地球上で真っ先に消え去る国」と指摘するイギリスの研究機関もあるだけに、少子化は深刻だが、こんなやり方では問題解決とはならないだろう。 (文=S-KOREA)  ■参考記事 ・「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」…3年後に迎える“人口絶壁”の原因は (http://s-korea.jp/archives/9143?zo) ・“女性嫌悪”が招いた最悪の通り魔殺人事件、その残酷すぎる犯行動機とは (http://s-korea.jp/archives/6002?zo

ポールダンサー総勢50名が出棺パレード!? 台湾地方議員の葬式がエロすぎる!!

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葬儀当日、通りの脇に掲げられた故人の写真。町を挙げての葬儀だったようだ
「堅苦しい」「暗い」そんなイメージを吹き飛ばす葬儀が台湾で行われ、話題となっている。  昨年12月、台湾南部の嘉義県で県議会の前議長である董象氏(享年76)が亡くなった。董象氏は、地方政治で数十年にわたり活躍した人物で、人脈も広く、相当な実力者だったというが、汚職事件で有罪になった過去もある。  晩年は心臓病などに苦しみ、12月14日、ついに帰らぬ人となった。その葬儀が1月4日に行われたのだが、地元有力者の葬儀とあって、台湾政界の著名人なども参列し、盛大なものだったようだ。
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派手な音楽とともに、ポールダンサーを屋根に乗せた車列が町中を走る
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車上のポールダンスは、ちょっと怖そうだ
 中でも圧巻だったのが、出棺時のパレード。なんと100台にも及ぶ車が隊列を組んで霊柩車を先導し、その車の上ではセクシーな衣装を身に着けた総勢50名のポールダンサーが、派手な音楽に合わせて踊りを披露していたのだ。これには付近の住民たちも大喜び。沿道には、大勢の人々が集まった。
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ポールダンサーを50名そろえたこと以上に、屋根にポールダンス用の棒が設置された車が50台もあることのほうが驚き
 台湾の葬儀について、現地に長く住む日本企業の駐在員は、このように説明する。 「台湾の葬儀は、日本とも中国大陸とも異なり、独自の派手なものとなっています。爆竹を鳴らすのは普通ですし、若い女性の鼓笛隊が出棺の際に先導したり、夜にはストリッパーなどの踊り子さんを呼んでダンスショーをしたりと、とにかくにぎやかで盛大に行うことが多い。台北のような都市部ではかなり簡略化されていますが、南部の田舎町ともなれば、まだまだ昔の風習のままに行われることが多いのではないかと思います」  また葬儀の日取りについても、台湾の風習では道教や風水などに基づく、日本以上に細かい取り決めがあり、そのため、亡くなってから数週間後に葬儀が行われるなどということも普通だという。  女好きだった亡き夫のために、妻がストリッパーを呼んで棺を囲んで踊らせることもあるという台湾の葬儀。ポールダンサー50名を呼んでの出棺パレードは、台湾人男性にとって、男の本懐といえるのかもしれない。 (文=佐久間賢三)

“文春砲”連発でも……ついに崩れた出版界の常識「雑高書低」 新年号も週刊誌に元気ナシ!?

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「週刊新潮」(1/12号、新潮社)
今週の注目記事 1位 「日本が頭を抱える4つの最悪シナリオ2017」(「週刊新潮」1/12号) 同・2位 「新聞・テレビが報じられない天皇陛下『安倍総理への不満』」(「週刊現代」1/14・21号) 同・3位 「生長の家・谷口雅宣総裁インタビュー」(「AERA」1/16号) 同・4位 「100年生きるのは幸せか」(「週刊現代」1/14・21号) 同・5位 「10年後に『消えている会社』『生き残っている会社』363社全実名」(「週刊現代」1/14・21号) 同・6位 「衆院選 全選挙区当落完全予測」(「週刊現代」1/14・21号) 同・7位 「電通社長も辞任! 残業を絶対悪にした『過労自殺』後始末の違和感」(「週刊新潮」1/12号) 同・8位 「さらば『SMAP』大晦日の叛逆」(「週刊新潮」1/12号) 同・9位 「富士山に“異常変動”が![MEGA地震予測2017年最新版]いよいよ首都圏に大地震襲来」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・10位 「『稲田朋美』防衛相のKYに『安倍総理』も開いた口が塞がらない!」(「週刊新潮」1/12号) 同・11位 「40年も兜町の風雲児だった『加藤あきら』死して『中江滋樹』の弔辞」(「週刊新潮」1/12号) 同・12位 「日経平均は史上最高値へ一直線!」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・13位 「現役政治家[&OB]74人が選んだ『歴代最高の宰相』は誰か」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・14位 「今年、世界を獲る 松山英樹新春ビッグインタビュー」(「週刊現代」1/14・21号) 同・15位 「ここまでわかった『長生きする性格』『早死にする性格』」(「週刊ポスト」1/13・20号) 同・16位 「日本人の知らない外国人の訪日人気スポットBEST10」(「週刊新潮」1/12号) 【巻末付録】現代とポストのSEXYグラビアの勝者はどっちだ!  原稿を書こうと思っていたら、驚いたニュースが飛び込んできた。  妻の殺人容疑で、夫で講談社編集次長の朴鐘顕容疑者(41)を逮捕したという。事件が起きたのは2016年8月9日未明ごろ。文京区千駄木の自宅で妻の首を締めて窒息死させた疑いが持たれているというのである。  最初、朴容疑者は「妻は自殺した」といっていたが、警視庁捜査一課は、遺体の状況など違う点も多かったため、殺人の可能性があるとみて捜査していたようだ。  事の真偽はまだわからないが、講談社は、彼が社の看板雑誌「週刊少年マガジン」の副編集長で人気漫画の『進撃の巨人』にも関わってきたことで、大騒ぎのようだ。  テレビ局からも私に取材があったが、私は彼のことを全く知らない。たぶんマンガをずっとやってきたのであろう。  41歳で副編集長というのは超エリートではないようだが、『進撃の巨人』に関わったとすれば、近々編集長という声もあったのではないか。  講談社にも大麻を栽培したり、裏カジノに出入りしたことで社を辞めていった者はいるが、殺人事件だとすると、私が知る限り初めてではないか。  この情報は、明日発売の週刊文春が掴んでいて、記事にしている。そうなると、発売されて事件が明るみに出るとわかって、警察が動いたということになる。文春の情報網おそるべしということになるが、同業種の暗い話だけに、OBとしてため息をつかざるを得ない。  実は、文春でこんな話がある。先週は文春がお休み(今週の水曜日発売)だと思っていたら、朝日新聞の1月4日付に文春の広告が載ったのだ。  右には大きく「紅白スクープ合戦」。左には「『医療の常識』を疑え」とある。たしか12月28日発売号は、左が「松潤の二股愛」だったが、見渡してもどこにもない。  これは新しい号かと駅の売店やコンビニを見に行ったが置いていない。木曜日発売だからと、翌日も覗いたが、あるのは年末発売の合併号だけ。  もう一度新聞広告を眺めると、「大好評発売中!」とあるではないか。なんのことはない、合併号の広告の配列を変え、松潤を落としただけだったのだ。あわてて買うところだったが、こういうところにも「売るための工夫」が文春にはある。騙しのテクニックに引っ掛かるところだった。  というわけで今年最初のスクープ大賞は文春抜きだから、残念ながらスクープと呼べるものはない。そこで順位はつけずにおいた。  まずは、新潮の訪日外国人が好む日本の人気スポットBEST10からいこう。私はこういう企画がけっこう好きである。  最初は島根県安来市にある「足立美術館」。この庭は絶景だそうだ。枯山水や白砂青松の広大な庭は、まるで絵画のようだという。ここはアメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」で1位に選ばれたそうだ。  次は山梨県富士吉田市の「新倉山浅間公園」。手前に五重塔、奥に富士山、春の桜の時期はこの3つを同時に撮ることができる。フェイスブックの「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」に、花径2センチほどの青い花・ネモフィラ写真が投稿されてから、外国人が殺到するようになったのが茨城県ひたちなか市の「国営ひたち海浜公園」だ。  その他にも京都市東山区の「サムライ剣舞シアター」や三重県伊賀上野の「伊賀流忍者博物館」などがあるという。「足立美術館」は行ってみたいね。  さて、長生きは悪という風潮が蔓延しているが、ポストは性格で長生きか早死にするかがわかるという。  たいして参考になりそうもないが、いくつか挙げてみよう。「陽気な人より真面目な人が長生き」「仕事人間は長生きできる」「人の悪口をよくいう人は心臓病、肺がんになりやすい」「頑固な人は認知症になりやすい」「嫉妬深い妻はボケやすい」「がん患者にはいい人が多かった」「離婚すると死亡リスクが3倍になる」。  私のように、陰気で、人の悪口ばかりいって回り、嫉妬深い人間がよくこの年まで生きたと、今さらながら思う。  昔から「憎まれっ子世に憚る」というが、当たっているかも。  テニスの錦織圭、野球の大谷翔平とともに、世界を視野に入れて活躍しているゴルフの松山英樹だが、昨年末から絶好調だ。  2017年最初の大会であるSBSトーナメント・オブ・チャンピオンズでは、最終ラウンドで1イーグル、4バーディー、3ボギーの70で回った。一時は首位と1打差まで迫り、逆転かと思わせた。  今年はメジャー大会をもぎ取るのではないかと期待される松山のインタビューが現代に載っている。その中で松山は、見たい映画もテレビも、聴きたい音楽も読みたい本もないといっている。頭の中はゴルフ一色。今年6度目の挑戦となるマスターズについては、 「マスターズまでは常に(開催コースの)オーガスタを頭に入れて練習すると思います。もちろん、他の試合あってのマスターズだけど、メジャー制覇以外の夢はいまはないですね」  ジャンボ尾崎を超える頼もしいゴルファーが出てきたものだ。  冒頭にも触れたが、文春が昨年暮れの28日発売(合併号)ということもあるが、年明けの週刊誌の船出は比較的静かである。  去年、41年ぶりに雑誌の売り上げを書籍が上回った。雑誌の売り上げは前年比7.7%減の約7,200億円。書籍は前年比1.6%減の約7,300億円だった。  文春が華々しいスクープの連続で話題を集めたが、漫画誌などの落ち込みで、これまで出版界の常識だった「雑高書低」の流れが変わってしまった。  そんな雑誌の元気のなさが、新年の週刊誌にも出ているとしたら、心配である。  ポストに「現役政治家[&OB]74人が選んだ『歴代最高の宰相』は誰か」という特集がある。順位は予想されたとおり1位が吉田茂、2位が中曽根康弘、3位が田中角栄である。  現役政治家が選んだからだろう4位に安倍首相が入っている。「戦略的外交ができる」(甘利明)。国民投票法、特定秘密法などを実現した「最強の総理」(平沢勝栄)など、歯の浮くような賛辞が並んでいる。  現存している元政治家たちだけにアンケートをすれば、安倍には一票も入らないのではないか。  ポストの巻頭は「日経平均は史上最高値へ一直線!」である。再び「ニホン・アズ・ナンバーワン」の座を取り戻すという夢のような特集である。  企業の収益率(PER)は、アメリカのマイクロソフトが約30倍、グーグルが約38倍なのに、トヨタは約14倍、ソフトバンクグループは約10倍と低く評価されている。  為替レートは1ドル=150円で釣り合う。トランプの政策は景気をさらによくさせ、五輪を控えている日本の地価はバブル期のように上昇するそうだ。  よくもまあ、これほど楽観的に考えられるものだ。先週のニューズウィーク日本版では「トランプ相場ははかない幻想だ」とタイトルを打ち、こう結んでいた。 「投資家の皆さん、暴走列車から飛び降りるタイミングにはくれぐれもご注意を」  米中関係、原油高、欧州の混乱、どれ一つをとっても日本にいい影響があるとは思えない。その答えが出るのはそう遠くはないはずだ。  さて、加藤あきらと聞いて、あああれかと思い出す人はどれだけいるだろうか。  兜町の風雲児と呼ばれ、バブル時代に名前を馳せたが、株価を不正に釣り上げたとして金融商品取引法違反の罪に問われ、昨年6月から東京地裁で公判中だったが、12月26日、都内で死亡した。享年75。  同時代に株の仕手筋で名を馳せた投資ジャ-ナルの元代表、中江滋樹が新潮で加藤のことを語っている。  ともに時代が生んだ徒花ではあるが、バブルという時代を駆け抜けた象徴的な人間として、これからも語り続けられていくのであろう。  一度だけ加藤に会ったことがある。脱税で逮捕され、保釈されて出てきたときだったと記憶している。  こちらの質問にもほとんど無言で、風雲児という面影はなかった。地産の竹井博友ら、バブル紳士たちとはずいぶんお付き合いしたが、何事もなく晩年を全うできた人は、私が知る限りいない。  二度と株バブルなど起きてほしくない。だが、そう思わない、あの時代に郷愁以上のものを抱いている人間が、また動き出しているようである。危険だと思う。  安倍首相は後世の人間が評価できるような宰相ではないと思うが、その安倍に輪をかけてどうしようもないのが稲田朋美という防衛大臣である。  よりによって安倍と真珠湾慰霊のために同行したのに、帰国してすぐに靖国神社へ参拝したのだ。  どんな理由があれ、防衛大臣という立場を考えたらできないはずだが、この女の頭の中はどうなっているのだろう。  新潮ではないが「これが総理候補とは笑わせる」。彼女は必ず安倍首相の命取りになる。  このところ私の住んでいる東京でもやたら地震が多い。いつ起きても不思議ではないとは思いながら、できることなら陽気のいいころに願いたいと思っているのだが。  毎度お馴染みのポストの「MEGA地震予測」だが、今回の「2017年最新版」では、いよいよ首都圏に大地震が襲来すると予測している。  村井俊治東大名誉教授が、「6年前の東日本大震災以降、日本列島では地表の大変動が起きている。昨年の熊本地震以降、その変動幅は拡大し、今も広がっています。そのため、今年は昨年以上に大きな地震が起こる可能性がある」と不気味な予測をしている。  中でも昨年末に4センチの「異常変動」が観測された富士山だが、この変動は無視できないという。したがって、首都圏を含む南関東を全国で唯一、最高警戒レベルの5、地震の可能性が極めて高い地域に指定して、警告を発しているそうである。  1995年の1月には阪神淡路大震災が起きている。今度起きるとすれば関東地方であろう。おのおの方、覚悟召されよ。とはいってもな……。  さて、SMAPが紅白にも出ず、引退セレモニーもなく“消えて”しまったため、ファンたちはSMAP縁の場所を巡礼して歩いているそうだ。  ここもその場所になるのだろう。キムタクを除いた4人と元メンバーだった森且行が、大みそかの午後7時頃から集合して、夜ふけまで話し明かしたという六本木の焼肉屋。  新潮は、事前にその情報を入手していたのだろう、店に入ってくる連中の写真を一人一人撮っている。この店は堺正章がプロデュースしている店だという。ネットではこの店は六本木ミッドタウンの真横にある「炭火焼肉An」だといわれている。  SMAPは今年の9月まではジャニーズ事務所との契約があるが、それ以降は、元のマネジャーと4人が組んで、仕事を始めるのではないかといわれているようだ。  どうでもいいが、もういい年なんだから、仲間内でぐずぐずいっていないで、一人一人がファンの前に出て、自分の言葉でこれまでの経緯とこれからを語るべきだと思う。  ところで、電通を揺るがせ、社長を辞任にまで追い込んだ「過労自殺」について新潮が、24歳の女性の自殺の理由はほかにもあったのではないかと、報じている。  要は、彼女のSNSに残されたメッセージから推測するに、付き合っている彼氏がいて、その男からイブの夜、彼女は別れを宣告されてしまったというのである。  過重な残業や心ない上司のパワハラ、その上に、好きだった男が離れていってしまったことが重なり、死を選んでしまったのではないかというのである。  人が死を選ぶ理由は一つだけではないのだろう。だからといって電通が彼女に課した過労労働の責任が軽くなるわけではない。  こうした悩みを持って働いている社員を、どうしたら救えるのか。取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは……というような非人間的な「鬼十則」を後生大事にし、社員個々の人間性に目を向けてこなかった電通という社の体質が、ひとりの女性を追い込んでしまったことは間違いないのだから。  安倍首相は解散をしたくてウズウズしているようだ。1月解散はなくなったようだが、現代によれば、予算審議が滞るからやらないといわれているが、野党が油断している2月に「奇襲解散」がありうるそうだ。  だがこのところ、公明党の自民離れが目立ってきていることから、公明票が自民に入らず「棄権する」と仮定すると、現代の予測では「自民党は現有の291議席から22議席減の269議席に、民進党は18議席増の91議席になる」と読む。  さらに、野党共闘が実現したとすれば「自民党の総議席数が198に激減する一方、民進党は185議席まで肉迫することになる」(現代)という。  この中で小沢一郎が言っている。 「僕はいつも言っているんですけど、政権を取るのは簡単なんです(笑)。野党が一体になれば勝てる。自民党の票は全く増えていないんですから」  だが、肝心の民進党に「何が何でも政権を取るという気迫が感じられない」(小沢)。  蓮舫が、共闘よりも政策が大事だなどと“寝ぼけた”ことをいっているようでは、民進党に期待するほうが無理なのだろうが、早くしないと安倍の思うがままになってしまう。  お次は現代恒例の「10年後に生き残っている会社」。オヤ? と思うところだけをピックアップしよう。  トヨタと日産では、EV化でリードしている日産が将来性では上。電気・家電分野ではダイキン工業、日立製作所、三菱電機が上で、東芝はもちろんパナソニックもソニーも将来性で劣る。  金融総合・銀行では、三菱UFJ、みずほFG、三井住友トラスト・HDの御三家は安泰。ビール・飲料ではサントリーHDが抜きんでていて、アサヒ、キリンはその下で、サッポロにいたっては消える寸前?  放送分野は軒並み評価が低く、新聞も日経を除いては低評価。出版は入っていないが、講談社も小学館も10年後はわからないということだろう。  同じ現代の巻頭特集。「100年生きるのは幸せか」と、ポストとは違って悲観論満載である。 17年からは65歳から74歳の前期高齢者と75歳以上の後期高齢者の数が逆転するといわれている。病人を選別して、治る見込みのない老人は病院に来ないでくださいと、追い返されるようになる。これからは60代は「若者」と扱われ、社会の中心に立ってバリバリ働く世の中になる。60代ははなたれ小僧なのだ。  それもこれも、普通のサラリーマンが定年後100歳まで生きようとしたら、総計で1億1,872万円いる。これは生活費だけで、自宅のリフォームや医療、介護費、趣味などに使うとすれば、さらに2,000~3,000万円はかかるというのである。  平均的なサラリーマン世帯の年金収入が月額22万円だとすると、100歳までの年金収入は約9,500万円だそうだから、5,000万円も不足することになるそうだ。  そうならないためにどうするか? 「生活コストを下げても幸福に暮らす工夫をすべきです。たとえば外食の回数が減っても、料理を作る喜びがあれば、不幸ではない」(政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦)  昨夜、鍋にしようと思いスーパーへ行ったら、たった4分の1の白菜が150円もしていた。ホウレンソウ、ニラ、大根など野菜が高くて、鍋が成り立たないのだ。  外食などもってのほか、家でつつましく鍋でも突こうと思ってもままならないのである。  今の日本は長生きしようと思わせない社会になってしまった。せめて自分が死にたいときに死ぬことができる「安楽死」の制度を早くつくってほしいと、切に思う。  AERAは久々の登場だが、安倍首相の支持団体として名高い「日本会議」について、その中心メンバーの多くの出身母体である「生長の家」の谷口雅宣総裁がインタビューに答えている。 「日本会議」の中枢メンバーは「生長の家」の谷口雅春初代総裁の熱烈な信者だといわれている。  だが雅宣総裁はこう断言している。 「戦後の冷戦下に雅春先生が唱えられたことを、世界構造が変わった現代で実践しても、何の実効性もありません」  元メンバーは「生長の家」の中に「生長の家政治連盟」をつくり、右派学生たちを集めて全共闘と対抗したり、政治活動をしていたが、2代目の谷口清超総裁が、宗教運動が政治運動によって阻害されているとして、これを活動停止にした。  現在の「生長の家」は、原発を推進し経済発展至上主義の安倍首相の政治姿勢に反対し、「日本会議」の元信者たちに対しても、「時代錯誤的」「狭隘なイデオロギーに陥っている」と断罪し、そのことを声明として発表したのである。  宗教的な信念と政治を選ばなければならないとき、政治的な現実を選んではいけないという。政治家はあくまで政治家の価値判断で生きるため、何度も裏切られたからだというのだ。 「だから、今の創価学会と政治の距離感を見ていると危ういと思います。完全に政治にのみ込まれてしまっている。実は声明を発表したら、創価学会の人から感謝されたんですよ(笑)。本当は創価学会もスタンスをきちんと表明すべきだと」  声明を発表したら、信者の1割ぐらいが離れていったそうだ。 「信仰とは生き方です。信仰はあるが生き方は違うというのでは、信仰は続きません」  こうした人間が創価学会にはいない。だが、少しずつ流れが変わってきたのは確かだろう。  ところで1月10日のasahi.comにこんな記事が載った。 「天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府は、平成31(2019)年1月1日(元日)に皇太子さまの天皇即位に伴う儀式を行い、同日から新元号とする方向で検討に入った。国民生活への影響を最小限とするには元日の譲位が望ましいと判断した。譲位に伴う関連法案は、有識者会議の報告と衆参両院の論議を踏まえ、5月上旬にも国会に提出する見通し。譲位は『一代限り』として皇室典範改正は最小限にとどめる方向で検討を進める」  こうしたやり方が、天皇が望んでいる「退位の制度化」や「皇室典範についての議論」とほど遠いことは間違いない。  現代によれば、もともと15年秋の時点で天皇が安部側に生前退位の意向を伝え、その後、時間をかけて内容を摺り合わせてきたのに、「お言葉」を発した直後に「憲法違反」などという話が出るのは、ハシゴ外しではないかというのだ。  そこで、昨年暮れの誕生日会見で「内閣とも相談し」という文言を入れ、そうした話は終わっているはずだ、私の意向を反映させろと釘を刺したのだと見る向きもある。  なぜ安倍首相が皇室典範の議論をしないのか。それは、反対議員が出てきて党内が混乱するから、面倒くさいのだそうだ。呆れた話である。天皇と安倍の確執はまだまだ続きそうである。  新潮の巻頭特集は「日本が頭を抱える4つの最悪シナリオ2017」。20日に大統領に就任するトランプが、世界を揺るがす暴れん坊になるのか、現実的な対応をとって世界各国は胸をなで下ろすことになるのか、「トランプ占い」を最初にもってきている。  とりわけ選挙中から毒舌を吐いてきた米中関係が注目される。12月始めに台湾の蔡総統と電話会談したことで、「一つの中国」に固執する習近平は怒り心頭だからだ。  だが、京大名誉教授の中西輝政は、同じ頃トランプが師と仰いでいるキッシンジャーが習と会っていることに注目すべきだという。  中西は、ニクソンもレーガンも大統領に就任したら対中宥和路線に転換している。共和党政権で繰り返されてきたことだから、安倍首相が、「『米国の後ろ盾があるのだから』と、対中強硬の前のめり姿勢を取ってしまうと、トランプに梯子を外され、日本が孤立する恐れがある」と警告する。  次に小池都知事が今夏の都議選に小池新党を立ち上げるとぶち上げたが、20議席ぐらい獲得する可能性があり、小池に擦り寄る公明党、民進党、小池シンパの党を加えると「過半数の64議席を超える可能性は非常に高い」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫)そうだ。  だがそうなると、大風呂敷を広げることはできても畳むことができない小池に、移転を延ばされた築地の仲卸業者がゴネて、豊洲市場の使用料の値下げを要求することもあり得るという。  これまでは都議会自民党が間に入っていたが、これからはそうはいかない。結果、補助金という都民の税金がムダに投入されることになりかねないというのだ。  確かに「口だけ番長」の小池に、都民の目も厳しくなってきてはいる。だが、今のような自民党のボスたちが勝手気ままなことをやり、都政を蹂躙してきたことに対する都民の怒りは大きいから、このままいけば自民党は惨敗するに違いない。  小池の真価は、その後どうするかで決まるはずである。もう少し見極める必要があると思う。  小池に関しては、ニューズウィーク日本版(1/3・10号)が興味深いレポートをやっていたので紹介しておこう。  トルコでは年末から年始にかけてテロが頻発しているが、中でも、12月19日に起きた警官によるロシアのトルコ大使射殺事件は世界に大きな衝撃を与えた。この容疑者は現場で射殺されたが、エルドアン大統領はこの容疑者を「フェトフッラー(フェト)」というテロ組織の人間だと断言した。  この組織と日本の元小泉総理の秘書で現在は内閣官房参与の飯島勲、小池が親しいというのである。  詳しくはニューズを読んでほしいが、かいつまんでいうとこうなる。フェトはイスラム教指導者ギュレン師を信奉し、「ギュレン運動」と呼ばれる大きな影響力を持つ組織のことである。  エルドアンとギュレンとの確執の始まりは16年の7月に起こったクーデター未遂事件だった。この事件の背後に尊師と崇められるギュレンがいると見たエルドアンは、徹底的な粛正を続けている。  現在、ギュレンは病気療養を理由にアメリカで暮らしているが、潤沢な資金を背景にクリントン夫妻に取り入り、16年の大統領選ではクリントン陣営に200万ドル近くの献金がわたっているという。  徹底的な秘密主義を貫く秘密結社のようなギュレンの組織は現在、「世界約170カ国に約3000の団体を持ち、国や地域ごとに『イマーム』と呼ばれる指導者が置かれている」(ニューズ)。  この組織は活動の中核を教育に置くが、ギュレン系の学校が13年に日本の横浜でも開校している。「学校法人ホライゾン学園」がそれだというのだ。  そして16年には仙台で小学校も開校したそうだ。仙台校は日本の義務教育の卒業資格が与えられる「1条校」で、インターナショナルスクールのように教科を英語で教えることから、授業料が高額にもかかわらず大変人気が高いという。第2外国語はトルコ語。  この学園の設立課程に違法性はないが、ギュレンの目的の一つは「学校を通して洗脳できる生徒の選抜」だそうだ。  だが、この学園はギュレン運動とは関係を持っていないとして、こうした出自は明示していない。  この組織は日本ではトルコの食品商社「バハール社」が営利事業を行い、歴代のトルコ大使もこの活動を支え、日本の政治家に浸透してきた。そのひとりが飯島だというのである。  先を急ごう。この組織が宣伝活動を日本で行うのが「NPO日本トルコ文化交流会(日ト会)」で、ギュレン運動関係者の誰もが名前を挙げるのが小池だそうだ。  同会のパンフに推薦文を寄せ、イベントにも何度も姿を現している。先の仙台校の説明会の日に、同校で教育講演会をやっている。  トルコにある「ハタイさくら小学校」は、シリアの難民の子どもたちに教育を施そうと小池が議員連盟を作り、寄付を募って開校した。ネット募金で約2,500万円が集まったという。  だが、この学校はクーデター未遂後に一時閉鎖になり、小池が知事就任後には別のNGOが運営するようになった。  ギュレン運動の実態はこれからもっと解明される必要があるが、「なかでも将来の首相候補といわれる小池については、公私にわたりさまざまな報道がなされながら、その『外国人脈』の内実についてはほとんど光が当てられてこなかったのではないだろうか」(ニューズ)。  小池がカイロ大学を優秀な成績で出たことは間違いない。その時代に培った人脈は今どうなっているのだろうか。見えている小池は彼女の半分でしかない。陰になっている後の半分を解明することも、ジャ-ナリズムの仕事であるはずだ。 【巻末付録】  現代からいこう。巻頭は「新春スペシャル 週刊現代が撮った女優たち」。米倉涼子、藤原紀香、内田有紀などなど。後半は「無法痴態 新宿・歌舞伎町」。やはり歌舞伎町は年末年始も夜も昼もないということが、これを見るとよくわかる。これだけのシーンを写真ではなく動画で撮っていたら、デジタルでお客を呼べるのにと思う。  さらに「独占撮り下ろし 高岡早紀 ゴージャス・バディ」。40代半ばのはずだが、なかなかのセクシー・バディだ。  お次は「寿新春! 一挙公開 大女優たちの『愛蔵写真』」。いつもながら関根恵子の裸身はいい。「ミス・ユニバース準決勝進出 平塚千瑛」。袋とじは「私たちの『陰唇線』見てください」。女性の外性器には小陰唇と、その周囲に存在する大陰唇があるそうだが、女体によって千差万別なのだそうである。  そこで現代が、「女性器の外側をギリギリ走る陰唇線」の撮影に成功したというのだが、なんだかよくわからん。見たい人は買ってしげしげと眺めてください。  ポストの巻頭は「美しき瞬間を刻んだ永遠のミューズ 秋吉久美子」。彼女ももう還暦をすぎたか。そう思って、若い頃のヌードを眺めると感慨深いものがある。この可愛さは関根恵子に匹敵するな。  お次は「由美かおる」、袋とじつき。彼女の年齢を感じさせないプロポーションには頭が下がる。よほどストイックに生きないとこうはならないはずだ。プロポーション遺産にでも登録したら。  後半は「芸能生活30周年。女優人生を賭けて挑んだ初の完全ヘアヌード 杉浦幸 決意」。年相応の膨らみがいやらしさを増すのだろう。なかなか頑張っているヘアヌードではある。  次は「昭和女優16人新春ヌード詣で」。ひし美ゆり子、横須賀昌美、田中真理など。  袋とじは「未公開 白石ひとみ ラストヌード」。懐かしいね。彼女はAVらしからぬ「小悪魔的」な表情がたまらないんだ。彼女ももう40代半ばか。このヌードは現在のものだろうか。そうではないとは思うが、じっくり見ていたいヌードである。  というわけで、今週は白石ひとみの可愛い表情がたまらない、ポストの勝ちだ。 (文=元木昌彦)

個人経営の学習塾をターゲットに「寸借詐欺」の全国行脚……孫思いの祖母の正体は詐欺師だった!

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イメージ画像(Thinkstockより)
 韓国で、一人の老婆が話題になっている。  彼女は、学習塾を訪れては「孫を入れたい」などと話し込んだ後、帰り際に「財布を忘れてきた。交通費を貸してくれれば、来月からの月謝と一緒に返す」と言って2万ウォン(約2,000円)ほどのタクシー代をもらったきり、二度と姿を現さないという。  老婆による寸借詐欺は、なんと数百件に上るという。ソウルはもちろん、大邱(テグ)や釜山(プサン)など、全国各地から被害届が殺到している状況だ。  被害者たちの証言をまとめると、老婆は白髪交じりの髪をいつもキレイに結い、濃い化粧に赤いダウンジャケットといった風貌で、かれこれ8年ほど、この手口で荒稼ぎしているという。  ピアノ、美術、テコンドー、ギターなど、老婆が訪れた塾のジャンルはさまざまだが、主な相談内容は「孫にレッスンを受けさせたい」というもの。被害に遭ったある塾の経営者は、「孫をどうしても通わせたいという深い愛情を感じて、交通費を渡したのに……」と嘆く。  不景気の中、一人でも生徒を増やしたい小規模な個人塾だけを狙った手口もさることながら、口がかなり達者で「知的なしゃべり方」をしていたことも、老婆が全国区で活躍できた理由だろう。それに、被害届を出そうとしても、容疑者が高齢で被害金額が少ないため、警察にまともに相手にされなかったケースも少なくないようだ。  警察がそのような対応をするのは、国内で詐欺が多発していることも影響しているかもしれない。韓国は世界一の“詐欺大国”で、詐欺事件が日本の10倍も発生している。現実問題として、いちいち相手にしていては、キリがないのかもしれない。  この老婆について、ネット民たちは「週5日、1日5カ所回れば、月収200万ウォン(約20万円)だ」「物乞いの代わりに、暖かい室内でおしゃべりしながら、時給2万ウォンか。頭いいな」「やっぱり、見た目だけで人を判断しちゃダメだ」「まず、お金も持ってないくせにタクシーに乗ろうとする図々しさに疑問を持つべきでは?」「これは事実上、被害者の通報を無視した警察が大きくさせた事件」「高齢者だからって侮れない」といったコメントが寄せられている。  日本以上に高齢化社会が進む韓国だが、生活苦にあえぐ高齢者が犯罪に手を染める時代が、いよいよ現実のものとなってきているようだ。 ■参考記事 ・日本の10倍以上!? 世界一の“詐欺大国”と評された韓国を悩ます詐欺犯罪の現在 (http://s-korea.jp/archives/12558) ・貧困率、犯罪率、自殺率が上昇中…数字で客観的に見る韓国の高齢者問題 (http://s-korea.jp/archives/3924

中国政府がビビアン・スーに「封殺予告」 過去の親日発言がアダに?

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中国の主要メディアは、今回のニュースをトップ扱いで報じた(鳳凰網)
 かつて「台湾の宮沢りえ」というキャッチコピーで日本でデビューし、タレント、歌手、女優として大活躍したビビアン・スー。台湾に帰国後も数多くの映画に出演し、今は一児の母親として、さらに活動の場を広げている。そんなビビアンに関して、気になるニュースが報じられている。 「鳳凰網」(1月6日付)などが報じたところによると、中国文化部(日本の文化庁に相当)が、国内でのテレビ出演や芸能活動を禁止する芸能人を名指しした「封殺リスト」を発表。そこに記された55名の芸能人の中に、かのビビアン・スーの名前が連ねられていたのだ。
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ネットに流出した封殺リストの一部。徐若瑄(ビビアン・スー)の名前も確認できる(中国網)
 彼女が中国当局から目の敵にされることとなったのは、過去の親日発言が原因といわれている。同国メディアによると、ビビアンは2010年2月、東京・赤坂で行われた会見上で、「日本は自分にとって、育てのお母さんのような存在。日本で活動した8年間はとても貴重で、機会があればこれからまた日本で活動したい」と語った。また、この会見以外にも日本への特別な思いを公に語ってきたビビアンだったが、当局にとっては親日発言を繰り返す危険人物として捉えられていたとみられる。今回の「封殺リスト」の発表を受け、中国国内のSNS上ではビビアンへのバッシングが相次いだことから、ビビアンの弁護士はネットユーザーに対し、名誉棄損で法的措置も辞さない構えを見せている。
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ビビアンが掲載された商品ポスターは、一夜にして剥がされた(海峡都市報)
 封殺リストの影響は、すでに表れている。中国大手の化粧品会社「CHANDO」の広告塔を務めていたビビアンだったが、リストが発表されると、すぐに商品ポスターなどが撤去されたのだ。さらに、今回リスト入りした芸能人の多くは香港や台湾の出身者で、過去に民主化運動などに言及したことがあったため、中国文化部から問題視されたとみられている。  中国版Twitter「微博」では、「親日野郎と独立運動の支持者は中国に来てほしくないから、このリストには大賛成」「ビビアンの発表してきた楽曲なども全部、中国から排除するべきだ!」と、封殺リストを支持する声が多く寄せられている一方、 「芸能と政治を一緒にするべきではない」などといった冷静な意見も見られる。  日本にもファンが多いビビアンだけに、これ以上、政治問題に巻き込まれないよう祈るばかりだ。 (文=青山大樹)