今週の注目記事・第1位 「北朝鮮 金正恩をなぜ暗殺しないのか」(「週刊現代」5/20号) 同・第2位 「小池都知事の『超豪華クルーザー』に都税20億円が消える!」(「週刊ポスト」5/19号) 同・第3位 「再分裂!『任侠団体 山口組』トップが私だけに語ったこと」(「週刊現代」5/20号) 同・第4位 「森友問題の核心は篭池教育を持ち上げた安倍首相」(「週刊朝日」5/19号) 同・第5位 「原発を『止めた裁判官』『動かした裁判官』それぞれの人生」(「週刊現代」5/20号) 同・第6位 「巨象・三菱重工が東芝みたいになってきた」(「週刊現代」5/20号) 同・第7位 「本物の刑事たちが教える 今クール見るべき刑事ドラマ」(「週刊現代」5/20号) 同・第8位 「お医者さんに関するあなたの『誤解』」(「週刊現代」5/20号) 同・第9位 「その『不眠』『早起き』が危ない!」(「週刊ポスト」5/19号) 同・第10位 「『やすらぎの郷』と大女優たち」(「週刊現代」5/20号) 【巻末付録】現代とポストのSEXYグラビアの勝者はどっちだ! 最初に恐縮だが、今日から書店に並ぶ私の新刊を紹介させいただきたい。 『現代の“見えざる手”19の闇』(人間の科学新社・1800円)。これはビジネス情報誌「エルネオス」(月刊誌)に20年以上も連載している「メディアを考える旅」という連載インタビュー、200本以上の中から19本を選んでまとめたものである。 内橋克人・若宮啓文・木村草太・M・ファクラー・山口二郎・白井聡・斎藤貴男・小出裕章・古賀茂明・水野和夫・瀬木比呂志・青木理・黒川清・内田樹さんたちと、メディアについて、安倍政権の危うさについて、日本の将来について語り合った。 日本の国民に主権などない! 言論の自由の“ようなもの”に満足する日本人。北朝鮮化している日本のメディアと大多数の日本人へ「警鐘」を乱打している。 下のURLで購入できます。よろしくお願いします。 (http://amzn.asia/i7rQBAn) 本題に戻ろう。今週は月曜日に現代、ポスト、週刊朝日、AERAが発売された。北朝鮮問題は深刻さを増し、フランスの大統領選の結果が出る。明日9日には韓国大統領選の投開票もある。 難しいタイミングでの発売だが、それにしてもポストはひどすぎる。韓国の大統領選については「韓国史上最悪の5年が始まる」という記事はあるが、北朝鮮についての特集はない。 現代は金正恩暗殺問題はあるが、トランプ対金正恩の対立がどうなるのか、EUや韓国大統領選について特集としては触れていないようだ。 もっとおかしいと思うのは、今週末にも強行採決するのではないかといわれている「共謀罪」について、文春、新潮を含めて一般男性誌がほとんど触れないことだ。 女性誌では週刊女性が「狙われるのは一般人! PTAママも犯罪集団!?」という10ページにも及ぶ特集を組み、共謀罪が成立したら日常生活にどのような影響が出るのかを、主婦の立場から考えている。 週刊プレイボーイも、こんな法律が成立したら、五輪やテロ対策の名目で、一般人の監視がさらに強まり、“一億総監視社会”になると警鐘を鳴らしている。 ジャーナリズムを自称している週刊誌の編集長や編集者は、こうした大問題を扱わないで、「不眠、早起きが危ない」(ポスト)「お医者さんに関するあなたの誤解」などという生ぬるい特集を巻頭に持ってくるのはどういう了見なのか。 ポストは編集長が交代したのかと思い、裏表紙を見てみたが、同一人物である。この編集長は、私がジャーナリストとして尊敬している人である。 だが、このところの紙面づくりはいただけない。部数は減ってはいるが、週刊誌の強みは大新聞に全5段広告をデカデカと打てることである。 毎週、半分のスペースを使って「本誌は共謀罪に反対する!」と5週続けて右トップでやってごらん。必ず話題になり、他のメディアから注目を集めるはずだ。 共謀罪に反対していない? それなら「小誌は共謀罪に大賛成!」と毎号打ってごらんよ。共謀罪に反対する読者を失ってでも、賛成する覚悟を見せれば、新たな読者がつくかもしれない。 どちらにしても、睡眠やアホな医者についてよりも重大な問題であることは、いうまでもない。 以前からいっているが、現代とポストは「健康雑誌に衣替えしました」と読者に堂々と表明するべきだと思うが、両編集長さん、いかがだろうか? まずは「暇ネタ」の最たるものから見てみよう。現代は、テレ朝の昼ドラ「やすらぎの郷」が注目を浴びていると、グラビアで出演者たちを紹介し、これを書いた倉本聰のインタビューを掲載している。 主演は石坂浩二で。彼が実生活で結婚していた浅丘ルリ子と、やはり石坂と同棲していた加賀まりこが出演している。 彼ら「年寄り」たちが入居している高級老人ホームには、八千草薫、有馬稲子、五月みどり、野際陽子、冨士眞奈美、風吹ジュンなども入居している。 これほど豪華なメンツが集まっているのなら、私も入りたくなる。 倉本ならではの豪華メンバーだが、倉本は「僕も出演者ももうすぐ死ぬ人間の集まりだから、怖いものがないんです」と語っている。 加賀はやや衰えてきたが、浅丘は寅さんシリーズでも、場末の歌姫を好演していた。この人は、女の悲しみを背負って、それを見せない芯の強い役を演じたら右に出る者はいないのではないか。 年取って見る影もなくなる女優は多いが、浅丘のように年輪を重ねるごとによくなっていく女優は、日本の芸能界では稀有な存在であろう。 私は未見だが、明日からでも見てみようか。なんだか怖いが……。 お次はポストの巻頭特集。人生の3分の1を占める「睡眠」が短命か長生きかを決めるという。 寝不足でもいけないし、寝過ぎてもいけないそうだ。ではどこで線引きするかというと、7時間だそうだ。 自慢ではないが、私の平均睡眠時間は7時間である。夜1時に寝て8時に起きる。どんな二日酔いでも、朝飯は必ず食う。 たまに、9時間から10時間寝ることがある。年を取ると寝られなくなるといわれるが、おかげさまで、寝る気になれば丸一日だって寝ていられる。 寝つきもすこぶるいい。それは睡眠導入剤「ハルシオン」を半錠飲んで寝ているからだが、ポストはハルシオンやマイスリーなどの薬は「超短時間型」で、服用から1時間未満で効果があらわれるが、持続時間が2~4時間と短い。睡眠の途中で起きてしまう人には不向きだと書いているが、私は、7時間ぐっすり寝られる。 人それぞれで、年寄りを十把一絡げにしても、年寄りいろいろ、男も女もいろいろなのである。 現代の巻頭特集も、私には、どうしてこのようなものを頭からやるのか理解に苦しむ。 「医者はコックと同じでそれぞれ違う」「うまい人、ヘタな人、ダメな人」「薬を使いたがる医者、手術をしたがる医者」「素晴らしい医者もいる」「患者の好き嫌いもあるし、コネで対応を変えることもある」「若い医者にも問題がある、ベテランがいいというワケではない」 これは各章の見出しだが、当たり前のことを言っているに過ぎない。医者もいろいろ、患者もいろいろなのである。 一つ言えることは、どんな医者に当たるのかは、人生と同じで「運」である。もちろんこの医者はダメだと思えば、セカンドオピニオンを求めればいいのだが、次にいい医者に当たる保証はない。 後は自分の「運」を信じるしかないのではないか。医者は我々より優れているなどと思い込まないことだ。 彼も人間我も人間。過ちも犯すし、たまには正しいこともする。そう割り切らなければ、人生やってられませんぞ。 次も超暇ネタ。刑事ものや警察ものが小説でもテレビドラマでも花盛りだが、現代は、本物の刑事たちが、いまやっている「刑事ドラマ」を見て、おすすめをしようというのである。 萩生田勝元警視庁警視、刑事部捜査二課管理官が、天海祐希主演の『緊急取調室』(テレ朝系)についてこういっている。 「人物設定が現実に近い印象を受けました。天海さんと同僚との会話や、取り調べの相手に対する物言いもリアリティがあります。実際にはドラマに登場する緊急事案対応取調班のような取り調べ専門の刑事はいませんが、それを抜きにしても、とても感心して見ています」 現実の警察をそのままドラマにしても面白くはならないのだろうが、私が警察小説を読んでいて物足りないのは、人間関係やその人間のいる小さな組織の問題点は出てくるが、自白の強要、代用監獄、裁判員制度など、根本的な司法組織の暗闇に切り込む小説が少ないことだ。 先日のベトナム少女殺人や、老人連続殺人の重要容疑者が自殺してしまったような、現実の事件のほうがより難しく、そういっては怒られるかもしれないが、興味をそそられる事件が多いと思う。 多くの週刊誌は事件を扱わなくなってしまったが、事件取材は基本の基である。そうした中から、警察の巨悪を暴く人材が出てきてほしい。 テレビドラマで事足りるとするのでは、なんのために編集者や記者になったのか。本題からそれて申し訳ないが、そう考えながらこの記事を読んだ。 現代によると、巨象・三菱重工が東芝のようになってきているというのだ。 それは、去年、17年3月期には営業利益3,500億円を確保するといっていたのに、4月26日、東京証券取引所が運営する情報伝達システム上に三菱をめぐる情報が映し出され、「火力事業の売上高の減少」「商船のコスト悪化」「MRJ(三菱が開発している国産ジェット旅客機)の開発費増加」などの損失イベントが次々に起きているために、営業利益が従来予想を下回る1500億円程度になりそうだという見通しに、衝撃が走ったというのである。 なかでも象徴的なのが、半世紀ぶりの国産旅客機と期待されたMRJが、08年の開発開始から5度も納入延期し、「飛ばないジェット機」と化しているそうだ。 それに大株主の三菱UFJフィナンシャル・グループが、三菱重工の保有株数を大きく減らしてきているともいわれる。 売却できる資産もあり、財務的な余裕もあるが、本業で稼ぐ力が低下している可能性があり、ここ1年が重工にとって収益改善の正念場になると見る向きがある。どこもえらいこっちゃ。 先日、現代で岩瀬達也が裁判官の内幕に迫る連載を始めたと書いたが、2回目は原発の差し止め判決を出した裁判官と、原発再稼働を認めた裁判官がそれぞれどのような人生をたどっているかを、追っている。 福島第一原発事故以降、全国の裁判所に提訴された再稼働差し止めの訴訟は35件ある。そのうち住民側が勝訴したのは3件、電力会社側に軍配が上がったのは5件。 判決の分かれ目は、福島の事故以後、新たな政府機関として設立された原子力規制委員会の「新規制基準」への裁判官の評価の違いだと岩瀬はいう。 15年4月に、福井地裁の樋口英明裁判長(64)は、「新基準は緩やか過ぎて、これに適合しても安全性は確保されない」と高浜原発の運転差し止めの仮処分を認めた。 樋口は14年にも大飯原発の運転差し止めを命じている。しかし、樋口はその後名古屋家裁に飛ばされ、後任の林潤裁判長は「樋口判決」を取り消してしまった。 高浜原発の差し止めの仮処分を決定したのは大津地裁の山本善彦裁判長。だが二審に相当する抗告審で、大阪高裁の山下郁夫裁判長は、あっさりとこれを破棄した。 ともに最高裁事務総局にいた経験を持つトップエリートである。トップエリートということは、上の顔色をうかがって判断を下す、ヒラメ裁判官だということだ。 第11代最高裁長官で、「ミスター司法行政」という異名をとった矢口洪一は、こういっている。 「三権分立は、立法・司法・行政ではなくて、立法・裁判・行政なんです。司法は行政の一部ということです」 岩瀬は「要するに、裁判部門は独立していても、裁判所を運営する司法行政部門は、『行政の一部』として、政府と一体であらねばならないと言っているのだ」と書いている。 特に安倍一強政権では、立法以外はないといっていい。これが民主主義を謳っている国のあり方だろうか。絶対に違う。早く何とかしようではないか。 さて、国会では、新たな森友学園元理事長籠池の証言で、安倍の妻・昭恵を喚問せよという声が日増しに強くなってきているが、安倍首相は拒否し続けている。 週刊朝日で、今は籠池の代理人のようになっている著述家の菅野完が、この問題の核心は、 「子供たちに教育勅語を教えている教育者を、首相が『素晴らしい』と讃える。ファーストレディの昭恵氏は、そうした教育を目の前で見た上で、名誉校長に就任した。私はこのこと自体が、一番の問題だと感じます。メディアや野党には、こうした点をもっと愚直に攻めてほしい」 神戸学院大学法学部・上脇博之教授もこういう。 「昭恵氏は行政の長である内閣総理大臣の夫人の立場で、民間の学校の名誉校長に決して就いてはならなかった。これから学校を作ろうとしている場合は、特に問題です。どうしたって設置者の森友側と一体化してしまい利益相反します。単なる名義貸しではないことは、(塚本)幼稚園で3回も講演していることからも明らかです。名実ともに森友側の人間として、官庁や自治体に政治力が発揮された」 松井一郎大阪府知事もきちんとした説明をすべきこというまでもない。 「大阪市の学校法人『森友学園』への国有地売却問題を巡り、財務省の佐川宣寿理財局長は8日の衆院予算委員会で、籠池泰典・前学園理事長が公表した同省との交渉に関する録音データについて『(担当者に)確認させたところ、当日のやり取りを記録したものと思われる』と述べ、データは本物だとの認識を示した」(毎日新聞5月8日付より) 安倍首相よ、もうここまで来たら、腹を据えて妻を説得し、証人喚問に応じさせるべきである。 図式は単純だから、昭恵夫人が逃げおおせるのは難しい。さもないと、妻の一穴で政権が崩壊するかもしれない。否、確実に崩れ去る。妻の力は恐ろしいと思い知っただろう。 さて、山口組が再び分裂した。若手を中心に「任侠団体 山口組」(約60団体が加盟)が結成され、代表には神戸山口組の「秘密兵器」といわれた織田絆誠(よしのり)若頭代行が座った。 現代で溝口敦が彼へのインタビューに成功した。 織田は、分裂した神戸山口組が、本家を批判していたのは、多額の上納金、出身団体・弘道会へのひいき、人の進言や諫言を聞かないなどだったが、神戸も同じになってしまったからだという。 目的は、「大きな船のすぐ横に、若手中堅が中心となった救命ボート的な船を置くことによって、二つの船から乗り移ってもらう。今、早急にできることはこれしかないと判断しました」(織田代行) 織田が尊敬するのは山口組三代目・田岡一雄親分だけ。任侠団体とつけたのは、最終目標を「脱反社」だからで、不良外人や半ぐれたちを指導して、アウトローであっても、男らしい生き方を教えてやりたいそうである。 ヤクザなんですからヤクザらしく。高倉健がやった「山口組三代目」のように、カッコいい任侠ヤクザを目指すらしいが、時代が変わっていて、ヤクザを見る目は以前よりはるかに厳しい。 このインタビューを読む限り、覆水盆へ返るための役割を山口組から与えられているのではないかと見たが、そうは問屋が卸すか? 最終的には大きな抗争が市民を巻き込んで起こるのではないか。心配である。 今週のポストで唯一読みごたえがあったのは、小池都知事と超豪華クルーザー問題である。 このクルーザーはVIP接待用で、20億円もするという。 計画されたのは舛添要一知事時代。来客を迎えるのに民間の施設では格が下がると、五輪に合わせて浜離宮庭園に約40億円かけて「延遼館」(明治期の迎賓館)を再建することを決定し、来賓をクルーザーでそこまで送迎するため、クルーザー建設計画が持ち上がったという。 だが小池知事になってから五輪予算に大ナタが振るわれ、「延遼館」は凍結されたが、クルーザーは計画通りに続行されたというのだ。 都政を監視する「行政110番」主催者の後藤雄一元都議は、税金の無駄遣いの典型だと批判する。 それに、豊洲や五輪施設については、細かいコストまで開示しているのに、このクルーザーに関しては一言も触れないのが不可解だという。 東京五輪は期間は短い。その間、民間の豪華遊覧船でも借りて済ませることができるはずだ。 まさか、小池にこうした貴族趣味のようなものがあるのではあるまいな。そのうち、私も都知事専用のプライベートジェット機でも欲しいといいだすかもしれない。 この豪華クルーザー建設も、都議選のテーマにしたらいい。私はもちろん反対だ。 さて今週の第1位は、現代の物騒な記事。アメリカは「金正恩斬首計画」はとっくに練り終わっていて、トランプ大統領がゴーサインを出せば、議会の承認なしでいつでも実行できる状態にあるという。 「トランプ政権が、4月上旬に開いたNSC(国家安全保障会議)で示された『有力プラン』は、以下の2つの作戦です」(クリントン大統領時代に米CIA長官を務めたシェームズ・ウールジー) 1つは空爆による暗殺。2つ目は、北朝鮮内部の協力者に暗殺させる方法だという。 この内部協力者に暗殺させる方法は金正日時代に数回実行されているというのだ。 04年4月、北朝鮮と中国の国境の街・龍川の駅で突如大爆発が起き、150人以上が巻き込まれたが、これは、この駅を通るはずだった金正日専用列車を狙い、爆破させるものだった。 事前に中国側がこの計画を察知し、列車の通過を速め、予定時刻にダミー列車を走らせたため、金は無事だったという。 だがこの斬首計画、もし失敗すれば、金正恩は「即時にせん滅攻撃を加え、核戦争には核攻撃で応じる」と言っているから、全面核戦争になる恐れがある。 そうなれば韓国や日本は、大きな被害を受けること間違いない。 現代によると、北朝鮮ではすでに2回も、金正恩を内部で暗殺しようという試みが行われているという。 いずれも未遂に終わっているが、そうした内部のクーデターのような格好で金正恩体制が崩れる可能性は大いにあるだろう。 こうした「金正恩斬首」という話は反北の国々で広がっているのかと思っていたら、今回のトランプの北朝鮮への恫喝に対抗するためだろうか、金正恩側から「俺を斬首しに来たアメリカ人を逮捕した」といいだしたのである。 「北朝鮮は6日、米国市民のキム・ハクソン氏を北朝鮮への敵対行為を働いた容疑で拘束した。朝鮮中央通信が7日、伝えた。キム氏は平壌科学技術大学に運営関係者として勤務していたという。北朝鮮が抑留する米国人は計4人になった」(朝日新聞5月8日付から) 北にいる米国籍の人間を「盾」にして、アメリカからの空爆や暗殺計画を防ごうというのだろうか。 北とアメリカの緊張状態はいつまで続くのだろう。こうなれば北も核実験はおいそれとはできまい。トランプは振り上げたこぶしをどこへどのように降ろすのか。 これほどの重大な危機なのに、日本はアメリカに追随するだけで、平和的な解決への道を探ろうという努力はほとんどしていないように見える。 これが安倍政権の限界ということだろうが、日本人が黙ったままでいいのか。憲法改正よりも、日本という国が憲法で謳っている「平和主義」が御題目ではないことを、アジアに、世界に知らしめるために、声を上げようではないか。 【巻末付録】 まずは現代から。巻頭は「蒼井優 淡い時間」。もちろんSEXYではない。後半は「あのアイドルが全力でTRYします! 山崎真実 ボルダリングで手足がぷるぷる」「TOKYO青春純情物語」 次は加納典明が撮っていた「LiLiCo」。23年前の「幻のヘアヌード」。あの当時こんなすごいヘア付きヌードがあったんだ。今見てもド迫力。典明はやはりすごかった。 袋とじが「たかしょーの『のぞき部屋』へようこそ!」。こっちは迫力ないね。やはりタマが違う。典明に撮ってもらえばいいのに。 ポストは巻頭で西田幸樹カメラマンの「ダメだって、竹内さん!」。後半は「知られざるヌードデッサンの世界」。袋とじが「見たくありませんか? この女のセックス」6回目はつかささん、26歳。なかなか魅力的な子だ。 お次が「1987年の河合奈保子」。彼女の歌を全曲歌えるという石破茂が特別寄稿。いらないと思うけどね。最後が「100センチの憂うつ」。胸が大きいだけといっては失礼だろうな。 今週は加納典明の「LiLiCo」がやはりすごい。一見の価値あり。そこで今週は現代の勝ちじゃな。 (文=元木昌彦)「週刊現代」(5/20号、講談社)
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緊迫する北朝鮮情勢を「結婚できない男女のパターン」からひもとく
既報の通り、アメリカと北朝鮮が一触即発の状態を続けており、「すわ開戦か」という危機感が高まっていますね。 確かに、いつにない緊張感が醸成されていますが、最高指導者に就任直後から経済システムに少しずつ資本主義社会のエッセンスを取り入れ、街並みも近代的に改装を続けてきた金正恩氏が、せっかくコツコツと築き上げてきたものを爆撃させて失うようなリスクを取るだろうか? と考えると、あまり現実的ではないというのが私の見方であります。 万が一、そうなるとすれば、なんだかんだで中国が復興責任を負わされるでしょうし、ロシアも許さないでしょう。中国が所有する鉱山もありますし。だいたい、更地になったところで何もない。多少のレアメタル以外、本当に何もないんだよ! 自然がきれいなだけです。 もしかすると、白頭山が爆撃の衝撃で噴火するかもしれませんね。そうなったら、アメリカに責任取ってもらいましょう。 そんなわけで、今回は長きにわたって続いてきたアメリカと北朝鮮の情報戦と脅し合いが史上最高に先鋭化している中、「そもそも北朝鮮をどう理解すればいいか?」と戸惑っている方々に、あえてメンタル的な視点からの手引をご紹介したいと思います。参考になれば幸いです。 まず女性に例えるとすれば、北朝鮮には「こういうふうに愛してくれないと嫌」という対外的な理想像が明確にあります。 ・もっと尊重してほしい、すごいと言ってほしい ・きれいなところだけを見てほしい ・お金がない人は近寄らないで こう書くと、めんどくさい婚活女そのものですね。さしずめ、核やミサイル開発は「自分磨き」といったところでしょうか……。 だからこそ、海外メディアに対しては用意した場所しか取材許可をしないわけですが、隠せば隠すほど暴きたくなるのが人間心理。ちょっとのことでも「暴露してやった」と躍起になるジャーナリストが現れるという悪循環が生まれています。 ただ現在は、在朝欧米人のインスタを見ると皆、判を押したかのように北朝鮮旅行写真をアップしていますし、ファン同士の草の根情報共有が進んでいるので、いずれ前述のような状況は軟化していくと思います。 話を戻しますと、いかなる面倒な女でも、なぜか夫がいたり、世話する男がいるのが世の常。彼女らには、一部の男性を惹きつけてやまない魅力があるものです。 (1)「君のためならウンコでも食える」チョソンクラスタ チョソンクラスタは北朝鮮の表面的な部分のみならず、北朝鮮が隠しておきたい恥部までストーカーのごとく(失礼)すべて把握しており、たとえ毛深くても、化粧を取ったらドブスであっても、そうした難点すべてひっくるめて愛情を注げる人々です。「愛ゆえに北朝鮮のウンコまで食える」人種でしょう。ただし北朝鮮としては、どうしてそんなことまで知ってんのよ! と引く場面もあるかと思います。 (2)「痛いところを突いてくる元カレ」北朝鮮問題ジャーナリスト この中には元総連関係者や脱北者も多く、第三国人でも知朝派ばかりです。彼らは一見、北朝鮮の暗部を暴き、声高に批判を繰り返していても、その裏には誰よりも朝鮮を気にかける心情が見て取れますし、北朝鮮文化や音楽に誰よりも詳しいです。 要するに「痛いところを突いてくる元カレ」でしょう。全員が「北朝鮮憎し」をモチベーションにしているわけではありません。しかし、これはドMの女なら関係成立しますが、プライドが高い北朝の敵意の対象となるのは致し方ないともいえるでしょう。中にはヤッてもないのに「あいつはマグロだった」と言いふらすようなエセジャーナリストもいますが、間違いなく彼らは殺意の対象でしょう。脱北者は、話がややこしくなるので割愛します。 (3)「腐れ縁」一般在日クラスタ ひとくくりに在日といっても千差万別なので、大別すると A 北朝鮮に無条件追従(数%) B 自分なりの理解で、うまく距離を取る(半分以上) C 完全なる北朝鮮フォビア(多くて3割くらい) ※()内は筆者の肌感覚 メインはBになりますが、Aも本音では「しょうがねえな」と思いつつ、あえて一蓮托生を誓った人々も多いし、Cも愛情の裏返しであるパターンが多い。 北朝鮮は前述のように「君のいいところもダメなところも全部知ってるけど、絶対に見捨てないよ」と言ってくれる人々に、もっと向き合わなければいけないでしょう(ダメな点が時折、理解を超えてくる問題はあるが……)。 「理想の私以外、愛されてはいけない」というのは自分の首を絞めるし、“婚期”も逃してしまいます。北朝鮮は、いいところばかり褒めてくれる人(国)ではなく、(1)(2)(3)をもっとしたたかに利用して転がすべきでしょう。今のままでは不十分だと思います。 一方、敵対国。 「核を放棄したら対話してやる」というのは相手の言い分や自主性を一切無視し、「君が仕事を辞めたら結婚してあげる」と一方的に要求するダメな婚活男のメンタルそのものです。 こうした条件付きの友愛を示してくる奴は「仕事を辞めてほしい」といって結婚後に経済DVしてくる男と同じで、北朝鮮にとっては信用ならないのです。北朝鮮はそれをわかっているからこそ、核開発、ミサイル開発で自衛するわけです。そもそも、ナイフを突きつけながら「武器を捨てろ」と言われて素直に放棄する人はいませんね。 で、われわれ一般市民は、北朝鮮をどのように理解すればよいのか? 全体を見る時に、少しだけ「個」の目線で見てあげることだと思います。 個と全体を同列に語ってはならないと言いますが、あえて個からの視点を適用しなければならないと私は考えています。個に即した分析や理解が広がることで、長い目で見れば平和につながると思っています。 こういう文章を書くときに私が思い浮かべているのも、組織ではなく一般同胞、朝鮮労働党ではなく、北で出会った一般人民の顔です。 ※本内容は個人の視点です。本国や関連組織の見解を代弁するものではありません。 ●やす・やどろく ライター、編集者。都内大学院の心理学部在籍中。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>![]()
緊迫する北朝鮮情勢を「結婚できない男女のパターン」からひもとく
既報の通り、アメリカと北朝鮮が一触即発の状態を続けており、「すわ開戦か」という危機感が高まっていますね。 確かに、いつにない緊張感が醸成されていますが、最高指導者に就任直後から経済システムに少しずつ資本主義社会のエッセンスを取り入れ、街並みも近代的に改装を続けてきた金正恩氏が、せっかくコツコツと築き上げてきたものを爆撃させて失うようなリスクを取るだろうか? と考えると、あまり現実的ではないというのが私の見方であります。 万が一、そうなるとすれば、なんだかんだで中国が復興責任を負わされるでしょうし、ロシアも許さないでしょう。中国が所有する鉱山もありますし。だいたい、更地になったところで何もない。多少のレアメタル以外、本当に何もないんだよ! 自然がきれいなだけです。 もしかすると、白頭山が爆撃の衝撃で噴火するかもしれませんね。そうなったら、アメリカに責任取ってもらいましょう。 そんなわけで、今回は長きにわたって続いてきたアメリカと北朝鮮の情報戦と脅し合いが史上最高に先鋭化している中、「そもそも北朝鮮をどう理解すればいいか?」と戸惑っている方々に、あえてメンタル的な視点からの手引をご紹介したいと思います。参考になれば幸いです。 まず女性に例えるとすれば、北朝鮮には「こういうふうに愛してくれないと嫌」という対外的な理想像が明確にあります。 ・もっと尊重してほしい、すごいと言ってほしい ・きれいなところだけを見てほしい ・お金がない人は近寄らないで こう書くと、めんどくさい婚活女そのものですね。さしずめ、核やミサイル開発は「自分磨き」といったところでしょうか……。 だからこそ、海外メディアに対しては用意した場所しか取材許可をしないわけですが、隠せば隠すほど暴きたくなるのが人間心理。ちょっとのことでも「暴露してやった」と躍起になるジャーナリストが現れるという悪循環が生まれています。 ただ現在は、在朝欧米人のインスタを見ると皆、判を押したかのように北朝鮮旅行写真をアップしていますし、ファン同士の草の根情報共有が進んでいるので、いずれ前述のような状況は軟化していくと思います。 話を戻しますと、いかなる面倒な女でも、なぜか夫がいたり、世話する男がいるのが世の常。彼女らには、一部の男性を惹きつけてやまない魅力があるものです。 (1)「君のためならウンコでも食える」チョソンクラスタ チョソンクラスタは北朝鮮の表面的な部分のみならず、北朝鮮が隠しておきたい恥部までストーカーのごとく(失礼)すべて把握しており、たとえ毛深くても、化粧を取ったらドブスであっても、そうした難点すべてひっくるめて愛情を注げる人々です。「愛ゆえに北朝鮮のウンコまで食える」人種でしょう。ただし北朝鮮としては、どうしてそんなことまで知ってんのよ! と引く場面もあるかと思います。 (2)「痛いところを突いてくる元カレ」北朝鮮問題ジャーナリスト この中には元総連関係者や脱北者も多く、第三国人でも知朝派ばかりです。彼らは一見、北朝鮮の暗部を暴き、声高に批判を繰り返していても、その裏には誰よりも朝鮮を気にかける心情が見て取れますし、北朝鮮文化や音楽に誰よりも詳しいです。 要するに「痛いところを突いてくる元カレ」でしょう。全員が「北朝鮮憎し」をモチベーションにしているわけではありません。しかし、これはドMの女なら関係成立しますが、プライドが高い北朝の敵意の対象となるのは致し方ないともいえるでしょう。中にはヤッてもないのに「あいつはマグロだった」と言いふらすようなエセジャーナリストもいますが、間違いなく彼らは殺意の対象でしょう。脱北者は、話がややこしくなるので割愛します。 (3)「腐れ縁」一般在日クラスタ ひとくくりに在日といっても千差万別なので、大別すると A 北朝鮮に無条件追従(数%) B 自分なりの理解で、うまく距離を取る(半分以上) C 完全なる北朝鮮フォビア(多くて3割くらい) ※()内は筆者の肌感覚 メインはBになりますが、Aも本音では「しょうがねえな」と思いつつ、あえて一蓮托生を誓った人々も多いし、Cも愛情の裏返しであるパターンが多い。 北朝鮮は前述のように「君のいいところもダメなところも全部知ってるけど、絶対に見捨てないよ」と言ってくれる人々に、もっと向き合わなければいけないでしょう(ダメな点が時折、理解を超えてくる問題はあるが……)。 「理想の私以外、愛されてはいけない」というのは自分の首を絞めるし、“婚期”も逃してしまいます。北朝鮮は、いいところばかり褒めてくれる人(国)ではなく、(1)(2)(3)をもっとしたたかに利用して転がすべきでしょう。今のままでは不十分だと思います。 一方、敵対国。 「核を放棄したら対話してやる」というのは相手の言い分や自主性を一切無視し、「君が仕事を辞めたら結婚してあげる」と一方的に要求するダメな婚活男のメンタルそのものです。 こうした条件付きの友愛を示してくる奴は「仕事を辞めてほしい」といって結婚後に経済DVしてくる男と同じで、北朝鮮にとっては信用ならないのです。北朝鮮はそれをわかっているからこそ、核開発、ミサイル開発で自衛するわけです。そもそも、ナイフを突きつけながら「武器を捨てろ」と言われて素直に放棄する人はいませんね。 で、われわれ一般市民は、北朝鮮をどのように理解すればよいのか? 全体を見る時に、少しだけ「個」の目線で見てあげることだと思います。 個と全体を同列に語ってはならないと言いますが、あえて個からの視点を適用しなければならないと私は考えています。個に即した分析や理解が広がることで、長い目で見れば平和につながると思っています。 こういう文章を書くときに私が思い浮かべているのも、組織ではなく一般同胞、朝鮮労働党ではなく、北で出会った一般人民の顔です。 ※本内容は個人の視点です。本国や関連組織の見解を代弁するものではありません。 ●やす・やどろく ライター、編集者。都内大学院の心理学部在籍中。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>![]()
「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった“飽きないことを探す”人生
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の47回目! 今回は昨年声優デビューを果たした画家・アニメーション作家の真珠子さんが来てくれました! ――ご無沙汰してます! 真珠子さんと初めてお会いしてから、もう12年近くたってるんですね。 真珠子 わぁ~小明ちゃん、お久しぶ……えっ、12年!? ――確か、私が中野ブロードウェイのタコシェで『アイドル墜落日記』(洋泉社)の発売記念をしている時にお会いしたんです。 真珠子 そう! あのときの写真をこないだ見てました、懐かしい~と思って! でも、あれってそんなに昔!? そっか、12年……一回り……驚きです……! ――あの当時、真珠子さんはもうすでにバリバリ画家として活動されてましたけど、今はもう海外とかに呼ばれまくってるんですね。ちょっと調べただけでもリスボン、ブダペスト、フランクフルト、メルボルン、台北、パリ、ウィーン……めちゃくちゃ国際派じゃないですか! 真珠子 そんなに!? 私も今把握しました(笑)。海外には作品と映像だけ行って、私は行けてない国もあるんです。 ――今まで行かれた国では、どこが気に入りましたか? 真珠子 先日行ったウィーンはかなり気に入りました! ――文化庁主催の国際アニメーション映画祭ですね。『この世界の片隅に』の、こうの史代先生と行かれたんですよね。 真珠子 そう! こうの史代先生はビッグネームなのに、すっごくいい方で、私は着物を着ていたのですが、着物で立ったり座ったりする動作の大変な時に、映画館の座椅子をわざわざ先生自ら座りやすいように押さえて下さったり・・・作品も好きでしたけど、ますます好きになりました。海外はいろいろと行ったけれど、ウィーンはもう一回行きたいって強く思いますね。みんなすごく優しかった! ――ウィーンの映画祭ではどんなことをしたんですか? 真珠子 「パフォーマンスをしてください」って言われたので、4メートル×2メートルくらいの屏風にライブペインティングをしました。初めて描きながら歌ったんですけど、すごく楽しかったです。 ――描きながら歌うの? 水森亜土さんみたいに? 真珠子 バスガイドさんがよく使ってる、ベルトにつけるスピーカーがあって、それをつけながら日本の童謡を歌ったんです。面白かったなぁ。衣装も「着物もいいけど、なんか違うのがいいな」と思って、最近はレオタードにハマっていたので……。 ――レオタード!? なぜ!?
真珠子 なんか、女は40歳になるとレオタードを着たくなるような気がするんです。 ――そういえば、CAMISAMAじゅんさんの曲(出演もCAMISAMAじゅんさん&えりーさん)、神田旭莉さん映像監督の『真珠子体操』(https://youtu.be/xDlRSlL-XE4)で超レオタード着て踊ってましたね。あのPV好き過ぎて元気のない夜に一人でよく観てます。 真珠子 『真珠子体操』は、こうの史代先生にも「観てると勇気が出る」って言ってもらったんですよ~うれしい! レオタードは、40歳の友達に言っても「わかる」って言ってましたよ。そういえば宍戸留美さんが名言をおっしゃっていました。「レオタードは自分のために着る」んです! 宍戸 もうちょっとしたら小明ちゃんにもわかるようになると思う。 ――お、おお……。 真珠子 それで、ウィーンでの衣装は、着物要素あり、レオタード要素ありのものを、ひさつねあゆみちゃん(ミスiD2017年特別賞)と一緒に考えて、あゆみちゃんに作ってもらったんです。髪型のアドバイス、アクセ制作は友人の顕一郎さまです。ライブペインティングは背中が目立つから、背中に歌舞伎の荒事っていう大きなタスキをつけてくれて、すごく格好いいのが出来ました。 ――さすがミスiDは多才ですね~! でも、描きながら歌うのはかなり難しそうです。どんな練習をしたんですか? 真珠子 ヒカシューの巻上公一さんのボイストレーニングに通ってるんです。そこで「どんな声が出るようになっても僕は責任もちません」って言われた(笑)。 ――超ヤバそう! 巻上さんはホーミーもするし、なんかすごいトレーニングをしそうです。 真珠子 体を動かしながらやるので、いつも「ぎゃあぁぁ」って叫びながらやってます。あと、ウィーンでパフォーマンスする前に、一回どこかでやってみようと思って、あるジャズセッションに行って試してみたんですよ。そしたら、そこを率いているジャズ ピアニストのスガダイローさんが大爆笑してくださってたから、「これはイケるかもしれない」と思って、ウィーンでも頑張れました。 ――観たかった! 日本でも是非やってください! あのー、ちなみに、今さらな質問で申し訳ないんですが、真珠子さんって、いつから女の子の絵を描きはじめたんですか? 真珠子 17歳のときに、図書館で竹久夢二の絵を見たのがきっかけです。私の住んでいた熊本県・天草は本屋さんもあんまりなくって、図書館が全ての情報網で(笑)。それで、夢二の絵の模写をはじめたのが17歳。でも、そのときはサルバドール・ダリも好きでした。美術部の先生がシュルレアリスムに影響を受けた人だったから、不思議な授業をいっぱいされて、私もいろんな絵を描いてたんだけど、二十歳の時に「やっぱ女の子にしよ!」って決めて、今も女の子の絵を描いてます。 ――女の子の絵を描き始めてから、3年ほど高校の美術の先生をされてたんですよね。振り返ってみて、どんな先生でしたか? 真珠子 確か、その時はビートルズが大好きで「Lucy in the Sky With Diamonds」っていう、「LSDやって作っただろ」って言われて問題になった曲をかけながら「これ聴いて絵を描け」って言ったり、今思うと超ヤバイ授業を……。この間フェイスブックで当時の教え子に見つかって「先生!」って言われて「わあぁぁぁ」って、ドキッとしちゃった(笑)。私の中では遠い昔の記憶すぎて「本当に先生してたのかな」って思うくらいなんですよね……。 ――人に教えるのは向いてましたか? 真珠子 向いてない(即答)。 ――でも、今も“真珠子学園”っていうワークショップをやられてますよね。そこに教師時代の経験が活きてるのかと思ったんですが……。 真珠子 ……! 向いてるかどうかは別として、教えるのは好きかも! 今頃だけど(笑)! ウィーンで書道を教えたときも楽しかったし、みんなの知らないことを教えてあげるのってワクワクします! ――生まれ育った天草を出ようと思ったのは、なぜだったんですか?
真珠子 2000年に上京したんですけど、当時付き合ってた人から、突然「君は僕の器じゃ手に負えない」って言われて、「ええ~~~!?」って。それから「九州男児だいっきらい!!」って出てきましたね(笑)。それから、上京準備を始めました。 ――安定した教職に未練は? 真珠子 なかったです。東京に行ってみたかったし、作家(画家)になりたかったから。上京して、初めてアルバイトもやってみたんですけど、本当に何も知らなくて「とりあえずOLさんみたいなのをやろう」って、受付嬢をしたんです。モデルルームに来るお客さんにコーヒー出したりするんですけど、ある日コーヒーマシンの使い方がわからなくて、ドバーーーーッと溢れさせたんです。私はそれを「わぁ、どうしよう~」「すごい溢れてるな~」って、ただひたすらじっと見ていて……。上司がそれを見て「この子ダメだ」って思ったみたいで、それから超怖くなって(笑)。ふとしたときに「今、あなた自分の世界に入ってましたね?」って言われたんですけど、私はそこで「え? 入ってちゃいけないんだ!」って、社会の常識みたいなものに初めて気付いたんですよ。そんなとき、桜の花を見ていて、「あ、私、気が狂うかもしれない」って。上京1年のことでした……。 ――社会に出るって本当に難しいですよね。 真珠子 それからいろんな仕事をしました、化石の発掘とか……。 ――……ん? 今なんて? 真珠子 化石の発掘現場で働いたんです。「都会に来てから土を触ってない」って気付いて「じゃあ掘ってみよう」って。普通に求人にあったので応募して、毎日つなぎを着て顔から蛇口みたいに汗を出しながら掘ってました。 ――大変そうだけど、掘り起こしたときの達成感がありそうですね! 真珠子 それが、ひとつも出せませんでした……なんにも……。 ――……。ええと、いろんなバイトをしながらも、絵を描く時間はありましたか? 真珠子 上京した年に「絶対友達と原宿でグループ展をやろう」って決めてたので、そのためにずっと描いてました。その展示は原宿のデザインフェスタギャラリーでできて、うれしかった~。それからずっと作りたかったアニメーションも作るようになったんですけど、パソコンも触ったことなかったから、すごく大変でした、人生は勉強だ~! ――以前は、あや野さん(ぐしゃ人間初代メンバー)と一緒に“てンぬイ”っていうユニットを組んで音楽活動もされてましたよね。最近はあまり活動が見られませんが、どうなったんでしょう? 真珠子 “てンぬイ”は、あや野ちゃんが育児中なので保留な感じです。(←2017年夏、てンぬイライブ復活します!)でも、私は昔からずっと弾き語りに憧れていたので、もう一度ピアノを習いに行こうかと思っていて……。昔はクラシックを習ってたけど、今度はジャズをやりたいんです。ジャズにはコードがあって、それさえ弾けばメロディは自分で歌えばいいって知って、「それは良い!」って(笑)。さっそく習いに行ったんですけど、もう、無茶苦茶難しくて!! ――そりゃそうですよ! 真珠子 冬ごもりして、毎日猛特訓して、一曲だけ弾けるようになったんです。うれしすぎてiPhoneで弾き語りを忘れないうちに録って、やっと「これ録れたからもういいか」って落ち着けた(笑。現在はキレイさっぱり忘れてます。)。それで、それをBar星男(新宿2丁目のアート&ミュージックバー)でたまたま隣に座った人に聴いてもらったんですよ。そしたら「ヤバいですね、あなた」「狂ってますね」って言われて……「あ、ありがとうございます」って。 ――(爆笑)!! 真珠子 それから「僕CMソング作ってるから、ちょっと仕事お願いします」って言われて、この間ハウスラボっていう水漏れ修理の会社のCMを歌ったんです。女優の松下由樹さんが水漏れで困ってる後ろで、私が「ハウスラボ~♪」って歌ってるの。 ――え!! そんなことってあるんですか!! (動画を検索して)……本当だ!! すごいけどなんか……不安になる曲ですね!? 真珠子 CMソングって、引っかかる声の方が印象に残るらしくて「あなたちょっと狂ってるから」って。冬ごもりして練習して良かったなぁ! やっぱり思った通りのことをするっていいんですねぇ~! ――いや、それにしてもすごすぎです。たまたまバーで隣にいた人に録音聴かせて「狂ってる」って理由でCMソング歌う人なんて、たぶん世界に一人だと思う……。CMで歌ったことで、人生に変化はありましたか?
真珠子 CMで歌ってから、「これ私の声なんで、何かあったらお願いします」って友達のアニメーターに営業をかけまくりました(笑)。それで、昔NHKに作品を投稿してたときからの仲間のAC部(映像製作ユニット、2014年に文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞)にも言っておいたら「すっごい、いい役があるからお願い」って、早給セゾンカードの『美少女OLハヤキュー』っていう作品でセーラー服着た女の子の役をやりました! ――ついに声優デビューですね!! おめでとうございます!! どういう役柄だったんですか? 真珠子 魔法少女でした! 普通にOLだったんですけど、早く給料を前借りできるっていうシステムを作られてて、女の子が魔法でアレコレしていくストーリーで、ラップもやりました。 ――ラップ!? 真珠子 前からいろんな人に「ラップやれば?」って言われてたから、私もその気になって……。そのときに声優の話も重なって、みんな友達がうまいこと仕事を繋げてくれた感じです。 ――みんなで真珠子という御輿をノリノリでワッショイした感じですね! OLが給料前借りでセーラー服で魔法少女でラップ……どんなアニメなのか全然想像つかないけど面白そう! 声優業はどうでしたか? 真珠子 面白かった~~~! スタッフの皆さんが良い人ばっかりで恵まれてたのもあると思う! でも、すごく楽しかった! またやりたいです! ――真珠子さんの場合、ご自分でアニメーションも作れるから、自分のアニメに声当て放題ですね。 真珠子 そうなんです! それは今までも作品としてやってたんですけど、どなたかが作った作品に声を当てるのは、すごく新鮮でうれしかったです。これからも、どんな役でも、なんでもやってみたいです! ――真珠子さんの経歴からは、本当に「なんでもやってみたい」が溢れ出ていますよね。画家にアニメーション作家、歌手に芸者もやって、近年では寿司職人もされてたとか……。芸者まではなんとなくわかるんですけど、なんで寿司職人に!? 真珠子 ははははは! なんか、作品作りをする時に「私は日本人」ってことを意識しはじめたんです。で、海外の求人を見ると、寿司食人だらけなことに気がついたんですよ。世界中が寿司食人を求めている……。だから「寿司食人になれば食いっぱぐれないかも」と思って。 ――意外と堅実な理由! しかし、女性だと厳しくないですか? 真珠子 友達が「女の子でも握れるところが秋葉原にあるよ」って教えてくれて、「え~行く行く!」って。でも、求人フォーマットを見たら年齢は35歳までって書いてあったから、「あ、コレ絶対落とされる」と思ってフォームで出さずに電話したんです。そしたら「とりあえず来てください」って言われて、行ったら受かったんです。「なんで?」と思ってたら、お店初日デビューする時に、お店のブログで私のことを「アニメ声です」って紹介されてて「あ、そこで受かったんだ!」って。だから40歳で秋葉デビューできました。あははは。 ――電話したのは大正解でしたね! 寿司食人の仕事はどうでしたか? 真珠子 最初は皿洗いだと思ってたら、いきなり板場に出されちゃったんです。「何をすればいいんだろう」と思ってたら「お話ししててください」って言われて……なんか私、お客さんとただしゃべってるだけなのにドッカンドッカンうけるし、二十歳くらいの先輩は「ほら、ここ濡れちゃうよ」って優しく面倒みてくれるし、「秋葉、良いかも~!」って(笑)。 ――そ、それで、寿司は握れるようになったんですか? 真珠子 けっこう早く「もう握りOKです」ってLINEがきて、「LINEで許可きた~!」って友達を呼んで食べてもらってたら、「ちょっとチェック入ります」ってテストされて、「あのー、全然違うんですよ」って。違っていました。だから握れてなかったみたい。 ――あはははは! でも、これで職歴に寿司職人が入ったから、海外の展覧会で気に入った国があったら、そこで寿司握りながら絵を描いて暮らせますよ。絵も寿司屋に飾れば良いですし。 真珠子 本当だ! そうですよね! そうしよう! 新しい~! ――本業以外に寿司も握り、化石も掘り、声優もやり……これだけいろいろやられて、もうチャレンジしてないジャンルもなさそうですね。そのアクティブさを見習いたいです!
真珠子 私って多分すごく飽きっぽくて、すぐに「次、次!」ってなっちゃうんですよ。 ――「コレは私には出来ないなぁ」「やめておこう」ってネガティブになったことは? 真珠子 ……あったかなぁ~? けっこう今までなんでもやって、言われたことも引き受けてきた気がします。あは! ――すごい! 今後も何をされるのか楽しみです! では最後に、今後の野望などはありますか? 真珠子 自分が飽きないことを……見つける……? ――絵はずっと飽きてないですよね。真珠子さんって絵を描かない人生って想像つかないですね。 真珠子 そうだ、そうだ。やっぱり最初から絵ありきで広がってますね。 ――絵から派生して歌ったり声優したり、楽しいことが広がっていって、やっぱり絵って素晴らしいですね! 真珠子 そうですねぇ~……わ、すごい! キレイにまとまった感じになってる~!! ――なんか恥ずかしい……! 本日はありがとうございました! また会えるのを楽しみにしてます! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美/衣装=ZOESTYLES、衣装屋ひさつね、maimiallo、中野ロープウェイ/水引髪飾り=顕一郎/ヘアピン=でことらんど) ●真珠子 1976年8月3日生まれ。日本の画家、イラストレーター、映像作家、インスタレーション作家。最近は、モデル、歌手、声優、書評家、臈纈染教室、書家、秋葉原で寿司職人、芸者などなどやってきて今、目指してるのはコメディエンヌ!逆ストリッパーも開始。熊本県天草出身。 2004年に原宿「LAPNET」での個展を期にアーティストとしての活動を開始。以後、日本の少女文化シーンを中心に表現活動を行っている。 最もよく知られている作品はアニメーション「パピヨンよし子」(2004年)。オートマティック的に描かれた自由な線と独特なリズム感で少女の内面世界を描いた作品である。 2006年に熊本市現代美術館で個展を開催。シュルレアリスティックなインスタレーション形式で、以後、彼女の中心的な表現形態となる。インスタレーションを発展させた個展ではほかに、 故郷の天草や渋谷パルコで開催されたメイド喫茶風個展「よかにゃ~?みぞかちゃん」(2012年)などがある。 ・主なグループ展 2017年 文化庁メディア芸術祭 海外メディア芸術祭等参加事業ウィーン企画展『しなやかに、したたかに』(オーストリア・ウィーン) 2016年 増田賢一&真珠子展『真珠子40歳-』(東京・Bar星男) 2014年 『夜想アーバンギャルド展』(東京・パラボリカ・ビス) 2011年 TPAM国際舞台ミーティング in 横浜(横浜・BankArt) ・装画 2011年『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ著 2011年『家系図カッター』増田セバスチャン著 2008年『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ著 2008年『原宿ガール』橋口いくよ著 ・その他 グウェン・ステファニー「Love Angle Music Baby」歌詞カード、ノベルティ、コンサートグッズなどにイラスト提供 宍戸留美「井の頭にて」PV制作、25周年記念グッズ製作 戸川純 avec おおくぼけい メインビジュアル、グッズ担当 ・公式ウェブサイト http://www.yan-oki.com/ ・近日イベントの告知 ★6/25、宍戸留美さんと真珠子による謎で可愛いイベントを中野ロープウェイ(アイドルが通う雑貨屋さん)にて開催予定! ★7月末、Bar星男にて毎年恒例の写真と絵による「増田賢一&真珠子」夫婦展、今年もやります! 詳細は真珠子Twitterにてチェックしてね★ @Shinjuko ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 5/4(祝木)渋谷ライブ 5/6(土)&5/7(日)南青山ライブ 5/21(日)ワンマンライブin広島 5/29(月)ワンマンライブin仙台 6/3(土)神戸イベント 6/4(日)大阪イベント 6/25(日)中野イベント 東京幻想曲集 発売中!
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/>
「女は40歳になるとレオタードを着たくなるんです」【真珠子】絵描きから始まった“飽きないことを探す”人生
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の47回目! 今回は昨年声優デビューを果たした画家・アニメーション作家の真珠子さんが来てくれました! ――ご無沙汰してます! 真珠子さんと初めてお会いしてから、もう12年近くたってるんですね。 真珠子 わぁ~小明ちゃん、お久しぶ……えっ、12年!? ――確か、私が中野ブロードウェイのタコシェで『アイドル墜落日記』(洋泉社)の発売記念をしている時にお会いしたんです。 真珠子 そう! あのときの写真をこないだ見てました、懐かしい~と思って! でも、あれってそんなに昔!? そっか、12年……一回り……驚きです……! ――あの当時、真珠子さんはもうすでにバリバリ画家として活動されてましたけど、今はもう海外とかに呼ばれまくってるんですね。ちょっと調べただけでもリスボン、ブダペスト、フランクフルト、メルボルン、台北、パリ、ウィーン……めちゃくちゃ国際派じゃないですか! 真珠子 そんなに!? 私も今把握しました(笑)。海外には作品と映像だけ行って、私は行けてない国もあるんです。 ――今まで行かれた国では、どこが気に入りましたか? 真珠子 先日行ったウィーンはかなり気に入りました! ――文化庁主催の国際アニメーション映画祭ですね。『この世界の片隅に』の、こうの史代先生と行かれたんですよね。 真珠子 そう! こうの史代先生はビッグネームなのに、すっごくいい方で、私は着物を着ていたのですが、着物で立ったり座ったりする動作の大変な時に、映画館の座椅子をわざわざ先生自ら座りやすいように押さえて下さったり・・・作品も好きでしたけど、ますます好きになりました。海外はいろいろと行ったけれど、ウィーンはもう一回行きたいって強く思いますね。みんなすごく優しかった! ――ウィーンの映画祭ではどんなことをしたんですか? 真珠子 「パフォーマンスをしてください」って言われたので、4メートル×2メートルくらいの屏風にライブペインティングをしました。初めて描きながら歌ったんですけど、すごく楽しかったです。 ――描きながら歌うの? 水森亜土さんみたいに? 真珠子 バスガイドさんがよく使ってる、ベルトにつけるスピーカーがあって、それをつけながら日本の童謡を歌ったんです。面白かったなぁ。衣装も「着物もいいけど、なんか違うのがいいな」と思って、最近はレオタードにハマっていたので……。 ――レオタード!? なぜ!?
真珠子 なんか、女は40歳になるとレオタードを着たくなるような気がするんです。 ――そういえば、CAMISAMAじゅんさんの曲(出演もCAMISAMAじゅんさん&えりーさん)、神田旭莉さん映像監督の『真珠子体操』(https://youtu.be/xDlRSlL-XE4)で超レオタード着て踊ってましたね。あのPV好き過ぎて元気のない夜に一人でよく観てます。 真珠子 『真珠子体操』は、こうの史代先生にも「観てると勇気が出る」って言ってもらったんですよ~うれしい! レオタードは、40歳の友達に言っても「わかる」って言ってましたよ。そういえば宍戸留美さんが名言をおっしゃっていました。「レオタードは自分のために着る」んです! 宍戸 もうちょっとしたら小明ちゃんにもわかるようになると思う。 ――お、おお……。 真珠子 それで、ウィーンでの衣装は、着物要素あり、レオタード要素ありのものを、ひさつねあゆみちゃん(ミスiD2017年特別賞)と一緒に考えて、あゆみちゃんに作ってもらったんです。髪型のアドバイス、アクセ制作は友人の顕一郎さまです。ライブペインティングは背中が目立つから、背中に歌舞伎の荒事っていう大きなタスキをつけてくれて、すごく格好いいのが出来ました。 ――さすがミスiDは多才ですね~! でも、描きながら歌うのはかなり難しそうです。どんな練習をしたんですか? 真珠子 ヒカシューの巻上公一さんのボイストレーニングに通ってるんです。そこで「どんな声が出るようになっても僕は責任もちません」って言われた(笑)。 ――超ヤバそう! 巻上さんはホーミーもするし、なんかすごいトレーニングをしそうです。 真珠子 体を動かしながらやるので、いつも「ぎゃあぁぁ」って叫びながらやってます。あと、ウィーンでパフォーマンスする前に、一回どこかでやってみようと思って、あるジャズセッションに行って試してみたんですよ。そしたら、そこを率いているジャズ ピアニストのスガダイローさんが大爆笑してくださってたから、「これはイケるかもしれない」と思って、ウィーンでも頑張れました。 ――観たかった! 日本でも是非やってください! あのー、ちなみに、今さらな質問で申し訳ないんですが、真珠子さんって、いつから女の子の絵を描きはじめたんですか? 真珠子 17歳のときに、図書館で竹久夢二の絵を見たのがきっかけです。私の住んでいた熊本県・天草は本屋さんもあんまりなくって、図書館が全ての情報網で(笑)。それで、夢二の絵の模写をはじめたのが17歳。でも、そのときはサルバドール・ダリも好きでした。美術部の先生がシュルレアリスムに影響を受けた人だったから、不思議な授業をいっぱいされて、私もいろんな絵を描いてたんだけど、二十歳の時に「やっぱ女の子にしよ!」って決めて、今も女の子の絵を描いてます。 ――女の子の絵を描き始めてから、3年ほど高校の美術の先生をされてたんですよね。振り返ってみて、どんな先生でしたか? 真珠子 確か、その時はビートルズが大好きで「Lucy in the Sky With Diamonds」っていう、「LSDやって作っただろ」って言われて問題になった曲をかけながら「これ聴いて絵を描け」って言ったり、今思うと超ヤバイ授業を……。この間フェイスブックで当時の教え子に見つかって「先生!」って言われて「わあぁぁぁ」って、ドキッとしちゃった(笑)。私の中では遠い昔の記憶すぎて「本当に先生してたのかな」って思うくらいなんですよね……。 ――人に教えるのは向いてましたか? 真珠子 向いてない(即答)。 ――でも、今も“真珠子学園”っていうワークショップをやられてますよね。そこに教師時代の経験が活きてるのかと思ったんですが……。 真珠子 ……! 向いてるかどうかは別として、教えるのは好きかも! 今頃だけど(笑)! ウィーンで書道を教えたときも楽しかったし、みんなの知らないことを教えてあげるのってワクワクします! ――生まれ育った天草を出ようと思ったのは、なぜだったんですか?
真珠子 2000年に上京したんですけど、当時付き合ってた人から、突然「君は僕の器じゃ手に負えない」って言われて、「ええ~~~!?」って。それから「九州男児だいっきらい!!」って出てきましたね(笑)。それから、上京準備を始めました。 ――安定した教職に未練は? 真珠子 なかったです。東京に行ってみたかったし、作家(画家)になりたかったから。上京して、初めてアルバイトもやってみたんですけど、本当に何も知らなくて「とりあえずOLさんみたいなのをやろう」って、受付嬢をしたんです。モデルルームに来るお客さんにコーヒー出したりするんですけど、ある日コーヒーマシンの使い方がわからなくて、ドバーーーーッと溢れさせたんです。私はそれを「わぁ、どうしよう~」「すごい溢れてるな~」って、ただひたすらじっと見ていて……。上司がそれを見て「この子ダメだ」って思ったみたいで、それから超怖くなって(笑)。ふとしたときに「今、あなた自分の世界に入ってましたね?」って言われたんですけど、私はそこで「え? 入ってちゃいけないんだ!」って、社会の常識みたいなものに初めて気付いたんですよ。そんなとき、桜の花を見ていて、「あ、私、気が狂うかもしれない」って。上京1年のことでした……。 ――社会に出るって本当に難しいですよね。 真珠子 それからいろんな仕事をしました、化石の発掘とか……。 ――……ん? 今なんて? 真珠子 化石の発掘現場で働いたんです。「都会に来てから土を触ってない」って気付いて「じゃあ掘ってみよう」って。普通に求人にあったので応募して、毎日つなぎを着て顔から蛇口みたいに汗を出しながら掘ってました。 ――大変そうだけど、掘り起こしたときの達成感がありそうですね! 真珠子 それが、ひとつも出せませんでした……なんにも……。 ――……。ええと、いろんなバイトをしながらも、絵を描く時間はありましたか? 真珠子 上京した年に「絶対友達と原宿でグループ展をやろう」って決めてたので、そのためにずっと描いてました。その展示は原宿のデザインフェスタギャラリーでできて、うれしかった~。それからずっと作りたかったアニメーションも作るようになったんですけど、パソコンも触ったことなかったから、すごく大変でした、人生は勉強だ~! ――以前は、あや野さん(ぐしゃ人間初代メンバー)と一緒に“てンぬイ”っていうユニットを組んで音楽活動もされてましたよね。最近はあまり活動が見られませんが、どうなったんでしょう? 真珠子 “てンぬイ”は、あや野ちゃんが育児中なので保留な感じです。(←2017年夏、てンぬイライブ復活します!)でも、私は昔からずっと弾き語りに憧れていたので、もう一度ピアノを習いに行こうかと思っていて……。昔はクラシックを習ってたけど、今度はジャズをやりたいんです。ジャズにはコードがあって、それさえ弾けばメロディは自分で歌えばいいって知って、「それは良い!」って(笑)。さっそく習いに行ったんですけど、もう、無茶苦茶難しくて!! ――そりゃそうですよ! 真珠子 冬ごもりして、毎日猛特訓して、一曲だけ弾けるようになったんです。うれしすぎてiPhoneで弾き語りを忘れないうちに録って、やっと「これ録れたからもういいか」って落ち着けた(笑。現在はキレイさっぱり忘れてます。)。それで、それをBar星男(新宿2丁目のアート&ミュージックバー)でたまたま隣に座った人に聴いてもらったんですよ。そしたら「ヤバいですね、あなた」「狂ってますね」って言われて……「あ、ありがとうございます」って。 ――(爆笑)!! 真珠子 それから「僕CMソング作ってるから、ちょっと仕事お願いします」って言われて、この間ハウスラボっていう水漏れ修理の会社のCMを歌ったんです。女優の松下由樹さんが水漏れで困ってる後ろで、私が「ハウスラボ~♪」って歌ってるの。 ――え!! そんなことってあるんですか!! (動画を検索して)……本当だ!! すごいけどなんか……不安になる曲ですね!? 真珠子 CMソングって、引っかかる声の方が印象に残るらしくて「あなたちょっと狂ってるから」って。冬ごもりして練習して良かったなぁ! やっぱり思った通りのことをするっていいんですねぇ~! ――いや、それにしてもすごすぎです。たまたまバーで隣にいた人に録音聴かせて「狂ってる」って理由でCMソング歌う人なんて、たぶん世界に一人だと思う……。CMで歌ったことで、人生に変化はありましたか?
真珠子 CMで歌ってから、「これ私の声なんで、何かあったらお願いします」って友達のアニメーターに営業をかけまくりました(笑)。それで、昔NHKに作品を投稿してたときからの仲間のAC部(映像製作ユニット、2014年に文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞)にも言っておいたら「すっごい、いい役があるからお願い」って、早給セゾンカードの『美少女OLハヤキュー』っていう作品でセーラー服着た女の子の役をやりました! ――ついに声優デビューですね!! おめでとうございます!! どういう役柄だったんですか? 真珠子 魔法少女でした! 普通にOLだったんですけど、早く給料を前借りできるっていうシステムを作られてて、女の子が魔法でアレコレしていくストーリーで、ラップもやりました。 ――ラップ!? 真珠子 前からいろんな人に「ラップやれば?」って言われてたから、私もその気になって……。そのときに声優の話も重なって、みんな友達がうまいこと仕事を繋げてくれた感じです。 ――みんなで真珠子という御輿をノリノリでワッショイした感じですね! OLが給料前借りでセーラー服で魔法少女でラップ……どんなアニメなのか全然想像つかないけど面白そう! 声優業はどうでしたか? 真珠子 面白かった~~~! スタッフの皆さんが良い人ばっかりで恵まれてたのもあると思う! でも、すごく楽しかった! またやりたいです! ――真珠子さんの場合、ご自分でアニメーションも作れるから、自分のアニメに声当て放題ですね。 真珠子 そうなんです! それは今までも作品としてやってたんですけど、どなたかが作った作品に声を当てるのは、すごく新鮮でうれしかったです。これからも、どんな役でも、なんでもやってみたいです! ――真珠子さんの経歴からは、本当に「なんでもやってみたい」が溢れ出ていますよね。画家にアニメーション作家、歌手に芸者もやって、近年では寿司職人もされてたとか……。芸者まではなんとなくわかるんですけど、なんで寿司職人に!? 真珠子 ははははは! なんか、作品作りをする時に「私は日本人」ってことを意識しはじめたんです。で、海外の求人を見ると、寿司食人だらけなことに気がついたんですよ。世界中が寿司食人を求めている……。だから「寿司食人になれば食いっぱぐれないかも」と思って。 ――意外と堅実な理由! しかし、女性だと厳しくないですか? 真珠子 友達が「女の子でも握れるところが秋葉原にあるよ」って教えてくれて、「え~行く行く!」って。でも、求人フォーマットを見たら年齢は35歳までって書いてあったから、「あ、コレ絶対落とされる」と思ってフォームで出さずに電話したんです。そしたら「とりあえず来てください」って言われて、行ったら受かったんです。「なんで?」と思ってたら、お店初日デビューする時に、お店のブログで私のことを「アニメ声です」って紹介されてて「あ、そこで受かったんだ!」って。だから40歳で秋葉デビューできました。あははは。 ――電話したのは大正解でしたね! 寿司食人の仕事はどうでしたか? 真珠子 最初は皿洗いだと思ってたら、いきなり板場に出されちゃったんです。「何をすればいいんだろう」と思ってたら「お話ししててください」って言われて……なんか私、お客さんとただしゃべってるだけなのにドッカンドッカンうけるし、二十歳くらいの先輩は「ほら、ここ濡れちゃうよ」って優しく面倒みてくれるし、「秋葉、良いかも~!」って(笑)。 ――そ、それで、寿司は握れるようになったんですか? 真珠子 けっこう早く「もう握りOKです」ってLINEがきて、「LINEで許可きた~!」って友達を呼んで食べてもらってたら、「ちょっとチェック入ります」ってテストされて、「あのー、全然違うんですよ」って。違っていました。だから握れてなかったみたい。 ――あはははは! でも、これで職歴に寿司職人が入ったから、海外の展覧会で気に入った国があったら、そこで寿司握りながら絵を描いて暮らせますよ。絵も寿司屋に飾れば良いですし。 真珠子 本当だ! そうですよね! そうしよう! 新しい~! ――本業以外に寿司も握り、化石も掘り、声優もやり……これだけいろいろやられて、もうチャレンジしてないジャンルもなさそうですね。そのアクティブさを見習いたいです!
真珠子 私って多分すごく飽きっぽくて、すぐに「次、次!」ってなっちゃうんですよ。 ――「コレは私には出来ないなぁ」「やめておこう」ってネガティブになったことは? 真珠子 ……あったかなぁ~? けっこう今までなんでもやって、言われたことも引き受けてきた気がします。あは! ――すごい! 今後も何をされるのか楽しみです! では最後に、今後の野望などはありますか? 真珠子 自分が飽きないことを……見つける……? ――絵はずっと飽きてないですよね。真珠子さんって絵を描かない人生って想像つかないですね。 真珠子 そうだ、そうだ。やっぱり最初から絵ありきで広がってますね。 ――絵から派生して歌ったり声優したり、楽しいことが広がっていって、やっぱり絵って素晴らしいですね! 真珠子 そうですねぇ~……わ、すごい! キレイにまとまった感じになってる~!! ――なんか恥ずかしい……! 本日はありがとうございました! また会えるのを楽しみにしてます! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美/衣装=ZOESTYLES、衣装屋ひさつね、maimiallo、中野ロープウェイ/水引髪飾り=顕一郎/ヘアピン=でことらんど) ●真珠子 1976年8月3日生まれ。日本の画家、イラストレーター、映像作家、インスタレーション作家。最近は、モデル、歌手、声優、書評家、臈纈染教室、書家、秋葉原で寿司職人、芸者などなどやってきて今、目指してるのはコメディエンヌ!逆ストリッパーも開始。熊本県天草出身。 2004年に原宿「LAPNET」での個展を期にアーティストとしての活動を開始。以後、日本の少女文化シーンを中心に表現活動を行っている。 最もよく知られている作品はアニメーション「パピヨンよし子」(2004年)。オートマティック的に描かれた自由な線と独特なリズム感で少女の内面世界を描いた作品である。 2006年に熊本市現代美術館で個展を開催。シュルレアリスティックなインスタレーション形式で、以後、彼女の中心的な表現形態となる。インスタレーションを発展させた個展ではほかに、 故郷の天草や渋谷パルコで開催されたメイド喫茶風個展「よかにゃ~?みぞかちゃん」(2012年)などがある。 ・主なグループ展 2017年 文化庁メディア芸術祭 海外メディア芸術祭等参加事業ウィーン企画展『しなやかに、したたかに』(オーストリア・ウィーン) 2016年 増田賢一&真珠子展『真珠子40歳-』(東京・Bar星男) 2014年 『夜想アーバンギャルド展』(東京・パラボリカ・ビス) 2011年 TPAM国際舞台ミーティング in 横浜(横浜・BankArt) ・装画 2011年『論理と感性は相反しない』山崎ナオコーラ著 2011年『家系図カッター』増田セバスチャン著 2008年『ポケットは80年代がいっぱい』香山リカ著 2008年『原宿ガール』橋口いくよ著 ・その他 グウェン・ステファニー「Love Angle Music Baby」歌詞カード、ノベルティ、コンサートグッズなどにイラスト提供 宍戸留美「井の頭にて」PV制作、25周年記念グッズ製作 戸川純 avec おおくぼけい メインビジュアル、グッズ担当 ・公式ウェブサイト http://www.yan-oki.com/ ・近日イベントの告知 ★6/25、宍戸留美さんと真珠子による謎で可愛いイベントを中野ロープウェイ(アイドルが通う雑貨屋さん)にて開催予定! ★7月末、Bar星男にて毎年恒例の写真と絵による「増田賢一&真珠子」夫婦展、今年もやります! 詳細は真珠子Twitterにてチェックしてね★ @Shinjuko ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 【宍戸留美最新情報】 5/4(祝木)渋谷ライブ 5/6(土)&5/7(日)南青山ライブ 5/21(日)ワンマンライブin広島 5/29(月)ワンマンライブin仙台 6/3(土)神戸イベント 6/4(日)大阪イベント 6/25(日)中野イベント 東京幻想曲集 発売中!
増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「東京幻想写真集」発売中!! 公式HP: http://rumi-shishido.com/ ブログ: http://lineblog.me/sundaliru/ Twitter: @RumiShishido ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<http://www.cyzo.com/akr/>
嫌な予感しかしない東京で見つけたささやかな灯り 石井裕也監督『夜はいつでも最高密度の青色だ』
自由を手に入れるということは、孤独さを受け入れるということでもある。都会で暮らす若者たちのそんな自由気ままさと背中合わせの孤独さを、繊細な映像を積み重ねることで描いてみせたのが、石井裕也監督の最新作『夜はいつでも最高密度の青色だ』。石井裕也監督(1983年生まれ)とはほぼ同世代である詩人・最果タヒ(1986年生まれ)の詩集『夜はいつでも最高密度の青色だ』(リトルモア)からの引用やアニメーションを散りばめながら、2020年の五輪開催に向けて再開発が進む東京の景観と時流に迎合できずにいる若者たちの屈折した心情をスクリーンに映し出していく。 大阪芸術大学の卒業制作『剥き出しにっぽん』(05)で監督デビューを果たし、満島ひかり主演作『川の底からこんにちは』(10)がスマッシュヒット。さらに『舟を編む』(13)で国内の映画賞を総なめした石井裕也監督。満島ひかりとの共同生活は5年ほどでピリオドを打つことになったが、3年ぶりの劇場公開作となる『夜はいつでも最高密度の青色だ』は第二のデビュー作と呼びたくなるほど瑞々しい作品となっている。 これまでの石井裕也監督は、『川の底からこんにちは』では“中の下”を自認するヒロインが開き直りパワーで潰れかけていた会社を立て直して疑似家族化していき、『舟を編む』では奥手な編集者が時間を費やして下宿先や職場の仲間たちと新しい家族になっていく様子を描いてきた。『ぼくたちの家族』(14)ではバラバラだった一家が母親の入院をきっかけに再生を目指し、ビッグバジェットが投じられた『バンクーバーの朝日』(14)ではカナダで暮らす日系二世たちが野球を通して結束力のあるコミュニティーとなっていった。新しい時代の新しい家族像を、石井裕也監督は映画製作の中で模索し続けてきた。 新しい家族が生まれていく過程を一貫して描いてきた石井裕也監督だが、今回はひとりの女性とひとりの男性が街で出逢うという極めてシンプルな物語となっている。ヒロインである美香に抜擢されたのは、新人女優の石橋静河。現在公開中の『PARKS パークス』にも出演しているが、まだ演技キャリアは浅く、本作では固い表情を見せているシーンが多い。でも、そんな頑な横顔は、美香が周囲にうまく合わせることができずにいる不器用さと重なり合う。石橋凌と原田美枝子の娘という芸能一家の血筋であり、長年モダンバレエをやっていたこともあって、背筋がピンと伸びた立ち姿は人混みの中でも妙に目立ってしまう。そんな彼女が纏う違和感に引き寄せられるようにして夜の街で出逢うのが、池松壮亮演じる慎二だ。石橋静河、池松壮亮主演映画『夜はいつでも最高密度の青色だ』。五輪開催に向けて変わりゆく東京で暮らす若者たちの不安感が描かれる。
「俺って変だから」 「へぇ、じゃあ私と同じだ」 昼は看護士、夜はガールズバーで働く美香と工事現場の日雇い労働者である慎二は偶然が重なり、度々顔を合わせることになる。憎まれ口を叩くこともあるが、お互いの心の空虚さを認め合い、少しずつ距離を縮めていくことになる。 左目の視力がない慎二だが、その分勘が無駄に鋭い。「嫌な予感がする」と口にする度に、仕事仲間の智之(松田龍平)たちを閉口させてしまう。でも、残念なことに慎二の予感は的中し、慎二の周囲には次々と死が訪れる。雇用条件も不安定だし、東京五輪が終わった後の未来に明るい希望を感じることは難しい。看護士である美香も勤務先の病院で、どうしようもなく死の床に就く患者たちを見送ることになる。美香も慎二も、幼少期に母親と死別し、多感な中学生の頃に地下鉄サリン事件や阪神淡路大震災を経験した石井裕也監督の内面世界を反映したキャラクターだ。どこにも安心していられる居場所を見つけることができずにいる美香と慎二だが、夜の街で共に青い月を見上げる瞬間がある。同じ月を見て、「きれい」と感じられる相手がいることが2人にはうれしく感じられる。ほんのささやかだが、暗い心の中に小さな灯りが点される。建設現場の日雇い労働者として働く慎二(池松壮亮)にとって、年上の同僚・智之(松田龍平)は気が許せる少ない仲間だった。
カメラマン・鎌苅洋一が映し出した東京の夜景は、まるで深い海のようだ。慎二の吸うタバコの火が、美香が手にしたスマホの灯りが、発光する深海魚のようにゆらりゆらりと淡い光を放っている。そんな暗い深海の底で、2人は出逢うことができた。ただの偶然の出逢いが、2人の間でコミュニケーションが始まることで色鮮やかな奇跡へと変色を果たしていく。 「嫌な予感がする」と何度も口にしていた慎二だが、美香と一緒に過ごすようになり、「何が起きてもおかしくない」と言葉のニュアンスが少しだけ変わっていく。嫌なことはこれからも起きるかもしれないけど、逆にすごくいいことだって起きるかもしれない。片目でしか世界を眺めることができなかった慎二だが、慎二の傍らを美香が歩くことで、視界が大きく開けていく。新しいステージに向けて走り出した石井裕也監督、撮影現場で何度もペチャンコになりながらも最後までガッツを見せた石橋静河、そんな石橋を支えるように安定した芝居を見せた池松壮亮、ストリートシンガー役の野嵜好美ら、本作に関わったスタッフ&キャストのこれからが楽しみだ。 (文=長野辰次)ガールズバーで出逢っていた美香(石橋静河)と慎二だが、しばらくして喪服姿で再会することになる。
映画『夜はいつでも最高密度の青色だ』 原作/最果タヒ 監督・脚本/石井裕也 出演/石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、市川実日子、松田龍平、田中哲也 配給/東京テアトル リトルモア 5月13日(土)より新宿ピカデリー、渋谷ユーロスペースにて先行公開 5月27日(土)より全国ロードショー (c)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会 http://www.yozora-movie.com
『パンドラ映画館』電子書籍発売中! 日刊サイゾーの人気連載『パンドラ映画館』が電子書籍になりました。 詳細はこちらから!
ジャズマニアはめんどくさい? 『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』でジャズ入門
疲れがたまってマイルス、肩がコルトレーン……。 今宵は、みなさんをシブ~いジャズの世界に誘います。ナビゲーターはもちろん私、じゃまおくん(ジャズ歴2週間)。みなさん、普段ジャズって聴きますか? 僕はせいぜい、喫茶店のBGMぐらいでしか聴く機会がないのですが、赤いちゃんちゃんこ着てお祝いされる歳まであと20年を切りましたし、そろそろ大人の音楽も嗜みたいお年頃です。そこでジャズですよ。 しかしね、ジャズといえばクラシック以上に小難しくて、ハードルが高いイメージがあります。ジャズもマンガで気軽に学べればいいのに……ということで見つけたマンガが、本日ご紹介する『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』という作品です。読んで数ページで確信しました。ジャズマニアは相当めんどくさい人種だぞ、と。 ジャズ専門誌「ジャズ批評」(松坂)に1986年から連載されていた漫画をまとめたもので、作者はタイトルにある通り、ラズウェル細木先生。『酒のほそ道』(日本文芸社)などの呑兵衛グルメマンガで有名ですが、実はジャズのマンガでも第一人者なのです。 本作では、ラズウェル先生自ら往年のラッツ&スターのような黒塗りルックで登場します。めちゃくちゃソウルフル! そんな気合入りまくりのラズウェル先生が描く「ジャズファン(ジャズマニア)あるある」が、このマンガの醍醐味なのです。 連載当時の1980年代は、レコードがCDに移行する過渡期です。そのためジャズも、まだまだレコードが主流。とりわけ廃盤になっている稀少レコードが多いため、ジャズファンの間で中古レコードゲットのための想像を絶する過酷なバトルが繰り広げられているのでした。 中古レコードのセール情報があれば、開店前のラーメン二郎のごとく行列ができ、開店と同時に、我先にとレコードをゲットしようとするジャズマニアたち。完全に目が血走ってます。それほどまでに、ジャズの中古レコードって魅力的なものなのでしょうか? ちなみに、レコード屋さんで中古レコードが収められているダンボール箱を「エサ箱」といい、お目当てのレコードを探す行為を「ディグる」といいます。つまり、エサ箱をディグるのがジャズファンの日常なのです。 「いまやレコード屋で弁当を食うのは常識だ!」 中古レコードを探すのに忙しすぎて飯を食べてるヒマもないので、そのままレコード屋に座り込んで弁当を食っちゃう。これもまた、ジャズファンの日常なのです(ホントかよ)。 生まれながらのCD世代で、レコードなんて見たこともないというヤングな人たちにはすでに一連のジャズファンの行動は理解不能かと思いますが、それもそのはず、正直リアルタイムに80年代を生きてきた僕にもサッパリ理解できません。しかし、ジャズファンのめんどくさい生態はこんなものでは済まされません。 ジャズファンの醍醐味はやはり、ジャズ喫茶などで繰り広げられる自己陶酔感あふれるウンチク語りにあるでしょう。 「調和と破壊の二律背反性というオブスキューなバックグラウンドを持ち…」 何を言っているのかサッパリわからん! オブスキューって、オバQの親戚か何かですか? ただ、これは鉄道マニアが熱く語ったり、アイドルオタクが熱く語ったりすることにも通じるものがあります。わかってる者同士だけで専門用語てんこ盛りでウンチクを語り合うのって、ある種の快感なんですよね。 ちなみに、当時のジャズ喫茶というのは純粋にジャズを楽しむ場所ですので、でかい声でしゃべったりするのは厳禁です。 「ジャマラディンのサウンドってさー」とか夢中になってペチャクチャ語ったりすると、「テメーの顔のほうがよっぽどジャマだっつーの」と、嫌みのひとつもカマされてしまうのです。ラズウェル先生、酒のツマミには寛容なのに、ジャズのことになるとかなり毒舌ですね。ちなみに、ジャマラディンというのはジャズベーシストです。決してジャマな人ではありませんよ! そのほかにも、狙ってる女の子とジャズフェスに行った帰りにラブホに連れ込もうとしてひっぱたかれたり、ソニー・ロリンズあたりのカッコイイ演奏に憧れて思わずサックス買っちゃったり……。BOOWYに憧れて布袋モデルのギターを買った黒歴史を持つ筆者としては、この気持ちすごくわかります。でも、現実にはサックスを吹いても…… 「ママー何の音?」 「さあ…キリギリスかしら?」 なーんてことを言われて、ただの置物になるんですよね。まさに、ニッチもサッチモいかない状況です。 最後に初心者のみなさんのために、覚えておいて損はないジャズ豆知識をお教えしましょう。「ヴィレッジ・ヴァンガード」って、実はアメリカの有名なジャズクラブの名前で、決して変なグッズを売ってる本屋さんのことではありません!! このマンガで初めて知りました。 というわけで、ジャズ初心者にもおすすめのマンガ『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』をご紹介しました。ジャズファンのみなさんにとってはいい加減にセロニアス! とばかりにモンクを言いたくなるような文になりましたことを心よりお詫び申し上げます。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>) ◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』(松坂)
ジャズマニアはめんどくさい? 『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』でジャズ入門
疲れがたまってマイルス、肩がコルトレーン……。 今宵は、みなさんをシブ~いジャズの世界に誘います。ナビゲーターはもちろん私、じゃまおくん(ジャズ歴2週間)。みなさん、普段ジャズって聴きますか? 僕はせいぜい、喫茶店のBGMぐらいでしか聴く機会がないのですが、赤いちゃんちゃんこ着てお祝いされる歳まであと20年を切りましたし、そろそろ大人の音楽も嗜みたいお年頃です。そこでジャズですよ。 しかしね、ジャズといえばクラシック以上に小難しくて、ハードルが高いイメージがあります。ジャズもマンガで気軽に学べればいいのに……ということで見つけたマンガが、本日ご紹介する『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』という作品です。読んで数ページで確信しました。ジャズマニアは相当めんどくさい人種だぞ、と。 ジャズ専門誌「ジャズ批評」(松坂)に1986年から連載されていた漫画をまとめたもので、作者はタイトルにある通り、ラズウェル細木先生。『酒のほそ道』(日本文芸社)などの呑兵衛グルメマンガで有名ですが、実はジャズのマンガでも第一人者なのです。 本作では、ラズウェル先生自ら往年のラッツ&スターのような黒塗りルックで登場します。めちゃくちゃソウルフル! そんな気合入りまくりのラズウェル先生が描く「ジャズファン(ジャズマニア)あるある」が、このマンガの醍醐味なのです。 連載当時の1980年代は、レコードがCDに移行する過渡期です。そのためジャズも、まだまだレコードが主流。とりわけ廃盤になっている稀少レコードが多いため、ジャズファンの間で中古レコードゲットのための想像を絶する過酷なバトルが繰り広げられているのでした。 中古レコードのセール情報があれば、開店前のラーメン二郎のごとく行列ができ、開店と同時に、我先にとレコードをゲットしようとするジャズマニアたち。完全に目が血走ってます。それほどまでに、ジャズの中古レコードって魅力的なものなのでしょうか? ちなみに、レコード屋さんで中古レコードが収められているダンボール箱を「エサ箱」といい、お目当てのレコードを探す行為を「ディグる」といいます。つまり、エサ箱をディグるのがジャズファンの日常なのです。 「いまやレコード屋で弁当を食うのは常識だ!」 中古レコードを探すのに忙しすぎて飯を食べてるヒマもないので、そのままレコード屋に座り込んで弁当を食っちゃう。これもまた、ジャズファンの日常なのです(ホントかよ)。 生まれながらのCD世代で、レコードなんて見たこともないというヤングな人たちにはすでに一連のジャズファンの行動は理解不能かと思いますが、それもそのはず、正直リアルタイムに80年代を生きてきた僕にもサッパリ理解できません。しかし、ジャズファンのめんどくさい生態はこんなものでは済まされません。 ジャズファンの醍醐味はやはり、ジャズ喫茶などで繰り広げられる自己陶酔感あふれるウンチク語りにあるでしょう。 「調和と破壊の二律背反性というオブスキューなバックグラウンドを持ち…」 何を言っているのかサッパリわからん! オブスキューって、オバQの親戚か何かですか? ただ、これは鉄道マニアが熱く語ったり、アイドルオタクが熱く語ったりすることにも通じるものがあります。わかってる者同士だけで専門用語てんこ盛りでウンチクを語り合うのって、ある種の快感なんですよね。 ちなみに、当時のジャズ喫茶というのは純粋にジャズを楽しむ場所ですので、でかい声でしゃべったりするのは厳禁です。 「ジャマラディンのサウンドってさー」とか夢中になってペチャクチャ語ったりすると、「テメーの顔のほうがよっぽどジャマだっつーの」と、嫌みのひとつもカマされてしまうのです。ラズウェル先生、酒のツマミには寛容なのに、ジャズのことになるとかなり毒舌ですね。ちなみに、ジャマラディンというのはジャズベーシストです。決してジャマな人ではありませんよ! そのほかにも、狙ってる女の子とジャズフェスに行った帰りにラブホに連れ込もうとしてひっぱたかれたり、ソニー・ロリンズあたりのカッコイイ演奏に憧れて思わずサックス買っちゃったり……。BOOWYに憧れて布袋モデルのギターを買った黒歴史を持つ筆者としては、この気持ちすごくわかります。でも、現実にはサックスを吹いても…… 「ママー何の音?」 「さあ…キリギリスかしら?」 なーんてことを言われて、ただの置物になるんですよね。まさに、ニッチもサッチモいかない状況です。 最後に初心者のみなさんのために、覚えておいて損はないジャズ豆知識をお教えしましょう。「ヴィレッジ・ヴァンガード」って、実はアメリカの有名なジャズクラブの名前で、決して変なグッズを売ってる本屋さんのことではありません!! このマンガで初めて知りました。 というわけで、ジャズ初心者にもおすすめのマンガ『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』をご紹介しました。ジャズファンのみなさんにとってはいい加減にセロニアス! とばかりにモンクを言いたくなるような文になりましたことを心よりお詫び申し上げます。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>) ◆「ザオリク的マンガ読み」過去記事はこちらから『ラズウェル細木のときめきJAZZタイム』(松坂)
盗撮犯はルームメイト!? ある日突然、見知らぬ男から送られてきた盗撮写真に戦慄 !
日本ではスマホを使った盗撮行為が社会問題化しているが、お隣中国でも盗撮事件が後を絶たない。 「騰訊新聞」(4月28日付)によると、山東省済南市にある大学の女子寮で、盗撮事件が発生。逮捕されたのは、なんとこの寮に暮らす女子学生だったというのだ。ルームメイトたちを盗撮していた女だったが、その背景には、ある1人の男の存在があった。 被害に遭った大学4年生のAさんによると、発覚のきっかけはSNSだった。SNSで見知らぬ男から突然、友達リクエストを受信。承認すると、この男から驚くべき写真が送られてきた。写真には、自らが暮らす寮の部屋や、服を着替える自分が映っているではないか。大学の女子寮は男性の立ち入りが厳しく制限されているにもかかわらず、突然送られてきたこの写真に恐怖を覚えたAさんは、男に写真を入手した経緯について尋ねた。すると男は質問に答えず 「この写真に写ってるの、君だよね? いい感じだね」と、彼女の反応を楽しむかのようなメッセージを送り続けたのだった。 Aさんはすぐに、3人のルームメイトたちに、自分たちが盗撮されていることを告げた。警察に被害届を提出しようと話し合っていたところ、ルームメイトの1人が突然泣きだし、盗撮していたのは自分であると自供した。4年間同じ屋根の下で生活してきたルームメイトが犯人だったのだから、そのショックは察するに余りある。 被害届を受理した地元の警察は、すぐに犯人の女を拘束し、事情聴取を行った。警察は当初、Aさんからの話から、女はインターネットで知り合った男に頼まれて盗撮を行っていたのではないかと考えていた。しかし、女の証言により、大学の同じクラスに通う男子学生が主犯格であることが判明したのだった。 この男子学生は、警察の取り調べに対し、盗撮を行った経緯について「クラスメイト に盗撮をさせたのは自分。SNS で(犯人の女と)性的な会話を楽しんだりしているうち、性的欲求を満たしたいと思うようになり、女子寮の盗撮を頼んだ」と、犯行の動機を語ったという。 大学側は、犯行に関わった2名を、厳しく処分をすることを明かした。盗撮の被害に遭った3名 の女子学生は、精神的なショックから通学できない状態が続いているという。 同じ寮の部屋やキャンパス内に盗撮犯が潜んでいるとは、もはや誰も信じられまい。 (文=青山大樹)犯人の男子学生がSNSで送り付けた盗撮写真(捜狐網)
盗撮犯はルームメイト!? ある日突然、見知らぬ男から送られてきた盗撮写真に戦慄 !
日本ではスマホを使った盗撮行為が社会問題化しているが、お隣中国でも盗撮事件が後を絶たない。 「騰訊新聞」(4月28日付)によると、山東省済南市にある大学の女子寮で、盗撮事件が発生。逮捕されたのは、なんとこの寮に暮らす女子学生だったというのだ。ルームメイトたちを盗撮していた女だったが、その背景には、ある1人の男の存在があった。 被害に遭った大学4年生のAさんによると、発覚のきっかけはSNSだった。SNSで見知らぬ男から突然、友達リクエストを受信。承認すると、この男から驚くべき写真が送られてきた。写真には、自らが暮らす寮の部屋や、服を着替える自分が映っているではないか。大学の女子寮は男性の立ち入りが厳しく制限されているにもかかわらず、突然送られてきたこの写真に恐怖を覚えたAさんは、男に写真を入手した経緯について尋ねた。すると男は質問に答えず 「この写真に写ってるの、君だよね? いい感じだね」と、彼女の反応を楽しむかのようなメッセージを送り続けたのだった。 Aさんはすぐに、3人のルームメイトたちに、自分たちが盗撮されていることを告げた。警察に被害届を提出しようと話し合っていたところ、ルームメイトの1人が突然泣きだし、盗撮していたのは自分であると自供した。4年間同じ屋根の下で生活してきたルームメイトが犯人だったのだから、そのショックは察するに余りある。 被害届を受理した地元の警察は、すぐに犯人の女を拘束し、事情聴取を行った。警察は当初、Aさんからの話から、女はインターネットで知り合った男に頼まれて盗撮を行っていたのではないかと考えていた。しかし、女の証言により、大学の同じクラスに通う男子学生が主犯格であることが判明したのだった。 この男子学生は、警察の取り調べに対し、盗撮を行った経緯について「クラスメイト に盗撮をさせたのは自分。SNS で(犯人の女と)性的な会話を楽しんだりしているうち、性的欲求を満たしたいと思うようになり、女子寮の盗撮を頼んだ」と、犯行の動機を語ったという。 大学側は、犯行に関わった2名を、厳しく処分をすることを明かした。盗撮の被害に遭った3名 の女子学生は、精神的なショックから通学できない状態が続いているという。 同じ寮の部屋やキャンパス内に盗撮犯が潜んでいるとは、もはや誰も信じられまい。 (文=青山大樹)犯人の男子学生がSNSで送り付けた盗撮写真(捜狐網)













