
元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の50回目! 今回はファッション誌「Zipper」(祥伝社)や「KERA」(ジェイ・インターナショナル)の読者モデルとして人気を博し、アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN!』の主役リボーン役で声優デビューし、現在までに数多くの作品で大活躍のニーコさんが来てくれました!
──『家庭教師ヒットマンREBORN!』十周年おめでとうございます!
ニーコ ありがとうございます!
──Blu-ray Boxにコンピアルバムの発売もあって、夏までイベントで忙しくなりそうですね~。イベントといえば、ニーコさんは今ポルトガル帰りでしたね。
ニーコ そうですね。ポルトガルのアニメフェスだったんですけど、ゴールデンウィークに3泊5日の弾丸で行ってきました。
──フェスでは何をされたんですか?
ニーコ えっとね、ありがたいことに、フェスのヘッドライナーとして招待していただいたので、5曲のライブとトークショー、握手会にサイン会、コスプレヨーロッパ大会の審査員、それからメディア取材ですね。
──隣にポルトガル語の通訳さんがいたわけですね。外タレ感がかっこいい! お客さんの反応はどうでしたか?
ニーコ 行く前は不安だったんです。「ポルトガルにニーコのこと知ってる人なんているのか!?」って。でも行ったら行ったで「ニーコ! 待ってました~!!」って歓迎してもらえて、ありがたかった!
──昨年はアメリカのオレゴン州のフェスにも呼ばれてましたし、フランスのJapan Expoにも何年も出演されますよね。超国際派!
ニーコ 年に一度は海外に呼んでもらいますねぇ。やっぱり『家庭教師ヒットマンREBORN!』の存在が大きいと思います。
──人気声優はたくさんいますけど、みんなそこまで海外に呼ばれないですよ。ニーコさんの場合は声優業に限らず、ファッション業界での実績やバンド活動があって、総合で“生きるクールジャパン”に存在になってるんだと思います。ちなみに、その『家庭教師ヒットマンREBORN!』のリボーン役はどういう流れで決まったんですか?
ニーコ もともと、人前に出る活動を始めたのは「Zipper」とか「KERA」の読者モデルだったんです。たまにテレビのバラエティに呼ばれたりもしてて、その何個か出たうちの一つを、たまたまアニメのキャスティングの方が見ていて、「なんだこの声!?」って名前をメモしてくださっていて、2年後に『家庭教師ヒットマンREBORN!』に呼んでもらったんです。
──ちなみに、その当時は読モとバンド活動をバンバンやられてましたよね。アニメ業界に興味はあったんでしょうか?
ニーコ 漫画が大好きで、アニメもたまに見たり、完全に「ファン」として楽しんでたので そのとき所属していた事務所から「アニメに興味ありますか?」って言われるまで完全に頭になかった。でも、そう言われたら「え!? やってみる~!!」って、100%オッケーでしたね(笑)!
──そんな軽いノリなんだ!
ニーコ 重くも考えてなかったし、不安もなかったです。っていうのも、ニーコがこういう活動をする上で、ずっと「人に元気とか希望とか、刺激とか楽しさを与えたい」っていう想いがあるんです。そのためなら手段はなんでもいいんですよ。なんでも好きだし、なんでもそれなりに楽しめちゃうし、器用貧乏なんですよね(笑)。
──なるほど~。確かにニーコさんは声優・バンド・モデル・DJ・女優……とえらいたくさんやられてますもんね。
ニーコ だからこそ、一つの道を極めている人はリスペクトします。私にはそれができないから。私には突出した天才的なことは特にないので……。
──その声、充分突出してますよ! 誰も持ってないよ!
ニーコ ダハハー、ありがとうございます! なので、アニメのオーディションの話が来たときも、「あ、楽しそう! まだ見ぬ世界、やってみよう!」って受けることにしたんです。
──あ、オーデションだったんですね。私はてっきり指名で主役に抜擢かと!
ニーコ まさか! 最初は違う役のオーディションで、違うキャラをやらせてもらったら「あれ? ちょっとリボーンやってみてくれない?」って言われて、やってみたら「君だ!!」みたいな。決まりました。


──すごすぎ……! 当時ニーコさんは、まだ22歳ですね。声優をやってみて、声優業界からの風当たりはどうでしたか?
ニーコ 声優さんからはそんなに厳しい風当たりはなかったんですよ。ひたすら感謝です。共演の宍戸留美さん含め、皆さんすごく面白がってくれて(笑)。
──あはは、声優には珍しいタイプですもんね。舌ピアスした声優さんって恐らくニーコさんくらいですし。
ニーコ でも、発表された時はけっこう叩かれたかな。今となればそれも懐かしいですが。本当に、話を盛ってない状態で、当時のオフィシャルサイトに1時間に100件くらいかな?「土下座して謝れ」「舌ピアスふざけてんの」って内容のメールが来たり。そういうメールでサーバーもパンク寸前でしたね……。
──こ、こええ~~~~!!!
ニーコ でも、その気持ちもわかるんですよ。私もマンガが大好きで、親も好きだから週に3~4冊はマンガが増えていく家庭で育ったんです。だから、好きなマンガがアニメ化されたときに自分のイメージと違うと……ねぇ?
──「髪の色が変わってる!! なんで!?」とかありますよね。
ニーコ そう(笑)! それでやっぱり「あれ? こんな声なの?」って思うこともあるじゃないですか。それが自分の一番好きな作品で、まさか、こんな意味のわからない、素人のモデルやっててピアスついてる女が「こんにちは~~~」なんて言ってたら、そりゃあまぁムカつくだろうなぁ、と……。さらに1時間に100件越えのメールもあったので、逆に達観してしまって、すぐにブログを更新しましたね。「皆さん、さまざまな声をいただきありがとうございます。皆さんのお気持ちすごーくわかります」って。でも、ここで私が卑下しちゃったら、選んでくださったプロデューサーさんや原作の先生に失礼だし、自信を持って言うしかないと思って、「でも、リボーン役はニーコに決まったので、本気で頑張ります! リボーンを愛して、大切にやっていくので、どうか観てやってください!」みたいな感じで締めて、収録が始まって……あの時の100%でやったけど、1話とかはもはや今全く同じでやれと言われても逆に出来ないですね(笑) 。そのくらい、初めての色々なモノが詰まってます。
──どんな役作りをして挑んだんですか?
ニーコ 最初は本当に「ニーコのままでいいから」っていうプロデューサーさんの言葉を信じて、体当たりでやりました。でも、回数を重ねるごとに、徐々にリボーンの完成系になっていきましたね。
──ちなみに、声優になって苦労したことはありますか?
ニーコ 苦労? 苦労は……えーと……あー……苦労?
──してない……の?
ニーコ もともと、滑舌が良かったんですよね。声質的に良くないように思ってる人多いかもだけど、ホントは良いんだよ(笑)! 国語の本読みが大好きで、詰まったり、噛んだりとか、した事ないかも。バンドでもラップとかしてたけど声が枯れたこともないから、喉が強い方なんだと思います。あ、だから、たまに声が枯れるとテンション上がっちゃうんですよ。「あら、普通の人の声みたい!」って(笑)!
──あはは! ……あの、今更ですが、ニーコさんのその声って、地声なんですよね?
ニーコ 地声です! コンプレックスも声です! 自分の声を聞くのは未だに苦手!
──でも、その声を持って生まれたら、そりゃ歌手か声優しかないですよ!
ニーコ それは大人だから冷静にそう思えるもので、私はもうイヤでイヤでイヤで! っていうか私、小学校の高学年まで自分の声を知らなかったんですよ。
──なんで!? あ、でも、「自分の声を録音すると思ってたよりキモイ」って現象はありましたよね。
ニーコ そう! それをやったのが小学校高学年です! 初めて聴いて「うわぁ! きっしょ!! なんやコレ!!」ってカセット投げた。鳥肌たっちゃって。


──それまでは自分の声がどんな風に聞こえてたんですか……。
ニーコ それまで、私の中では低めのカッコイイ感じの声で…例えば、米倉涼子さんみたいな?
──(爆笑)!
ニーコ ちょっと、笑わないでよぉ! ホントにそう聞こえてくるんだもん!
──耳か脳にすっごいフィルターがついてる!
ニーコ だから、自分の声はすごく苦手ですねぇ……。もう、私生活にもすごい支障があるんですよ。40度の熱を出して病院に行って「しんどいです……」って訴えてもあんまり伝わらないし、区役所とか、真面目な場所が大変。
──ああ、ファニーになってしまって真剣味が出ないんですね……。
ニーコ だから、声優になってからは、そういうときは声を変えてやってます。電話でタクシー呼ぶときとかも「スミマセ~ン(裏声)」って。
──(爆笑)!
ニーコ ホントに大変なんですよ! でも、声優になったおかげでお仕事をもらえて、つまりお金も稼げて。今はこの声で生かされている。声優になってからだな、自分の声を肯定的に考えられたのは。
──コンプレックス昇華おめでどうございます! そのコンプレックスを経て、叩かれてからも認められ、世界中のアニメフェスで歓迎されるようになったのは感慨深いですね。仕事があって、お金がもらえて、伴侶がいて、子どもも産まれて、海外にもファンがいて……満ち足り感がヤバイな。
ニーコ 幸せですね。うれしい。今突然ボンって消えても笑えるくらいに。幸せ。
──まだ、子どもも育つから……!
ニーコ がはは。それはもちろんよ。あのね、なんだかそんくらい幸せな人生。って思って。消えたくないよ(笑)。私、毎年毎年、1年ごとにどんどん幸せになってるの。80歳くらいでどうなってるんだろう……。過去を見て「あのときに戻りたい」って時期が一切なくって。
──人が一番若くて希望に満ちてる時期に、ニーコさんは読モとバンドで貧乏すぎてレンコン囓ってましたもんね。
ニーコ そう、当時は貧乏生活でバイトも3っつ掛け持ちしてましたねぇ。っていうかなんでそんな身内しか知らないこと知ってんの……? レンコンはほら、腐らないからいいんですよ(腐ります)。人生がゲームみたいで楽しいです。どんどんアイテムが増えていく感じ。
──すごい、私のアイテムは年々減っていく一方ですよ。でも、ニーコさんの場合は、もし声優になってなくても何かしらで食っていけそう。読モ時代はヘアメイクの学校に通っていたのに、ヘアメイクの仕事に就かなかったのはなぜですか?
ニーコ メイクの学校に通っていた頃は、「人を元気にしたい、刺激を与えたい」とは思っていたけど、まだ手段がわからなかったんですよね。まだいろいろと模索中の18歳。その選択肢の一つにヘアメイクがあったんです。人をきれいにして喜んでもらいたいし、自分にプロのメイクができるのも最高じゃないですか(笑)。でも、読モをやってみたら楽しかったし、何よりも自分に合ってたんです。自分の好きなものを誌面に載せると、「見たよ! ニーコちゃんの真似しました!」って、すごくダイレクトに反応が返ってくるんです。そこで、自分がずっとやりたかった「人に刺激を与える」ってことが、「あれ? もうできてるんじゃないの?」って。あと、同時期に表方と裏方を経験できたのも大きいと思います。メイクの学校に通っていると、先生についてアシスタントとして撮影を見学させてもらうことがあるんですよ。たまたま行ったのが、なんかの撮影だったんですけど、そのときのモデルさんは「ちょっと、早くしてよね(激怒)!!」っていう、マンガに出てくるような態度の人で……。私はもう読モをしていたけど、そんな人は見たことなかったから衝撃を受けて、ふと「じゃあ、ニーコ
が出よっかな!」って思っちゃったの。その瞬間、「あ、表方の人にそう思ってしまった私は、もう裏方をやってはダメだ!」って気付いたんです。だから、その撮影に行ったのもまた一つの転機でもあったなぁ、と今では思います。


──そうして無事に表方の道に進まれて、2010年にはご自分のファッションブランドも立ち上げましたね。せっかくお子さんも産まれたことですし、ここはひとつ子ども服も作ってください!
ニーコ そのブランドは今はお休みしてるんですけど、子ども服はやってみたいですね~。 子どもを産んで初めてわかったんですけど、親って服の素材もすごく気にするんですよね。メイドイン何処なのか、縫い方がどうとかも。落ち着いたら小さい規模で、受注生産とかでやってみたいなぁ。
──ブログとかインスタに載ってるニーコさんの息子さんの服はいつも超かわいいので楽しみです! ちなみに、最近のブログに「現在は昔からの夢のために合格を目指して勉強中」とありましたが、何の勉強をされてるんですか?
ニーコ えっとね、「人を元気にしたい」っていうのは、中学生のときから考えていたんです。だから、原宿にサロンみたいなものを開きたいなって。サロンって、ネイルサロンとかヘアサロンじゃなくって、おしゃべりするところね。開放的にして、イメージとしては放課後の保健室かな。例えば失恋とか友達の悩みでもいいし、親子関係とか、「鬱かもしれない」とか、なんでもいいので、相談に乗りたいんです。もちろん、ただ楽しみたいだけの子も歓迎だし、ファッションのことでも、ヘアアレンジができるスペースがあったり、服を持ち込んで交換するスペースがあったりして、そこでニーコがお茶を出して~っていう空間を作りたいなって、中学生のときに思ったんです。
──中学生の頃から、そんな原宿の母のような思想を!?
ニーコ その夢は今も変わらず持っていて、その第一歩として、カウンセラーの資格を取りたくて勉強中です。前から時間があるときに、ボランティアで養護施設とか、親がいない子の施設とか、不登校の子が行くフリースクールに行って、おしゃべりしたり一緒に遊んだりした事もあって。
──えっ、立派すぎるんですけど……! ピンクの髪した型破りな経歴を持つカウンセラーはなかなかいないから、悩める若人たちは「自分はどうしてこんな小さなことで悩んでたのかな」ってなりますね!
ニーコ そうなの、それもいいのかなって。ニーコはこれがナチュラルな自然体だからね。私、人に何かを教えるのって向いてるみたい。しゃべるのも好きだし、話を聞くのはもっと好き。プライベートでも、結婚前までは趣味が飲みだったんですよ。職種問わず、いろんな人と飲みに行ってしゃべって、一人でも飲みに行って店長さんとしゃべったり。どういうタイプの話も聞いてきたから「この話は苦手」みたいなアレルギーもないので。

──「あ、鬱の話は釣られて暗くなるからやめてほしいんだよね」とか言われたら鬱も悪化しそうですしね。
ニーコ ない、ない(笑)。だから、すごく自分に向いてるなって思ったの。
──やだもう聖母なの? ニーコさんは外見だけじゃなく内面もピッカピカや~!
ニーコ あらまぁ、素敵、ホホホ。
──なんだか私も精進しなくてはいけない気持ちになりました。最後に、今後の野望はありますか?
ニーコ 海外に行くたびに面白がってもらえて、すごく自分に合っているなぁって思うんです。だから、海外で声優ができたら最高ですよね。それにはもう英語を勉強するしかない! ということで、英会話の予約を取り付けたところです。フフフ……! あと、子どもが産まれたのもあって、子ども向けのアニメを日常的に見るようになったので、この声を活かして子ども向けの番組もやりたいなぁ! 声の仕事をもっともっとやりたいですね!
──全体的に楽しみです! 今日はどうもありがとうございました!!
(取材・文=小明/撮影=宍戸留美)

●ニーコ
2001年から読者モデルとして活動スタート。
その後、モデル、声優、バンドボーカル、女優、MC、作詞作曲、DJ、ブランドディレクター、講師など、マルチに活動する原宿系個性派アーティストとしてカリスマとなる。
声優としては、週刊少年ジャンプで連載していた「家庭教師ヒットマンREBORN!」のアニメ化により主役・リボーン役でデビュー。
最近では「魔法つかいプリキュア!」「エルドライブ」「デジモンユニバース アプリモンスターズ」「グランブルーファンタジー」「超次元ゲイム ネプテューヌ」など数多くの作品に出演。
一児の母でありながらもピンク頭の個性派キャラはずっと変わらず健在。
【告知】
・現在OA中アニメ
「ちょびっとづかん」リトルハナガシラ役
TOKYO MXほか
毎週木曜21時55分~
・新作アニメ
「人妻つぶ子」つぶ子役(主役)
フジテレビ
2017年7月6日(木)25時30分~
『#ハイ_ポール』内にて放送開始
・公式Twitter
@NEEKO21
・公式Amebaブログ
http://ameblo.jp/neeko21
・公式LINEブログ
lineblog.me/neeko/
・Instagram
neeko_isuzu
●ししど・るみ
1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。
【宍戸留美最新情報】
7/16(日)藤沢ライブ
7/21(金)ワンマンライブin京都
7/22(土)ワンマンライブin大阪
7/23(日)大阪RunJunライブ
「宍戸留美ひとりひとりにサリュー!vol.13~シークレットカオス編〜」
日程:7/31(月)
会場:風知空知(下北沢)
開場:19時/開演:19時半
OA:上埜すみれ
ゲスト:真珠子/Theo Dabrigeon (from France)
前売り¥3,500(1D別)
【27周年記念プロジェクト】
モーションギャラリーにてクラウドファンディング開始!石嶋由美子&福田裕彦のゴールデンコンビの楽曲を新たに再録予定!!
https://motion-gallery.net/
東京幻想曲集
発売中!

増田賢一氏と25年分の宍戸留美を撮りためた「
東京幻想写真集」発売中!!
公式HP:
http://rumi-shishido.com/
ブログ:
http://lineblog.me/sundaliru/
Twitter:
@RumiShishido
●あかり
1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<
http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中。<
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