日本を壊滅寸前に追い詰めた“透明な怪獣”とは? 多角的視点で描いた実録パニック映画『太陽の蓋』

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福島第一原発に関する情報が官邸にまるで入ってこないため、菅総理(三田村邦彦)のイライラがどんどん募っていく。
 映画史上もっとも臨場感に溢れた、おぞましい“怪獣映画”が日本で公開される。ハリウッド超大作を遥かに凌ぐ、迫真のディザースタームービーだと言っていい。インディペンデント映画『太陽の蓋』こそ、史上最悪にして最凶の怪獣映画だ。この映画に登場する怪獣とは目に見えない放射能であり、それまで安全神話に守られてきた見えない怪獣によって、日本が壊滅寸前にまで追い込まれた3.11の恐怖をまざまざと再現している。  2011年3月11日、マグニチュード9.0という大地震に東日本が見舞われる。だが、それは単なる予兆にしか過ぎなかった。続いて、それまで見たことのなかった黒い巨大な大津波が太平洋沿岸一帯に襲い掛かり、街や人を呑み込んでいく。さらに大地震&大津波という大自然の脅威は、福島第一原発のすべての電力システムを破壊。これにより冷却機能を失った福島第一原発の炉心は、想定外の暴走を始める。人類の英知が生み出した最新科学の結晶だったはずの原発は、大量の放射能を撒き散らす邪悪なモンスターへと変貌していく。  超ヘビーなノンフィクション本『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日』(門田隆将著、PHP研究所)では被災時の福島第一原発所長・吉田昌郎の視点から、テレビ中継ではうかがい知ることができなかった事故現場の内状が生々しく語られた。まさにイチエフで地獄の扉は開きつつあったのだ。一方、『原発危機 官邸からの証言』(福山哲郎著、ちくま新書)をベースにした映画『太陽の蓋』では東京の総理官邸の地下にある危機管理センターを中心に、同じく官邸内にある記者クラブ、東京で暮らす一般家庭、そして福島第一原発近くにある地元育ちの所員の自宅、と複数の視点から多角的に福島第一原発事故を描き、当時の日本がどれだけパニック状態に陥っていたかを冷静に振り返っている。  実在の政治家たちが登場する『太陽の蓋』の主舞台となるのは総理官邸だ。地下にはこの日のために造営されていた危機管理センターがあったが、福島第一原発事故に関してはまったくと言っていいほど機能しなかった。菅総理(三田村邦彦)、枝野官房長官(菅原大吉)ら閣僚たちが大地震発生を知って官邸に次々と集まるが、気になる福島第一原発がどのような状況なのかという情報はまるで危機管理センターに入ってこない。菅総理は終始イライラしている。原子力安全保安院の院長(島英臣)に「原発はどうなっている?」と尋ねても、「分かりません。私は東大の経済出身です」とトンチンカンな回答しか返ってこない。原子力安全委員会委員長の万城目(岩谷健司)に至っては、「爆発なんかありえない」と言ったその日に1号機が水素爆発を起こす。1号機の屋根が吹き飛ぶ映像を見た万城目は「あちゃー!」と頭を抱える。もっとも重要な判断が求められる総理官邸で、緊張感のない脱力的なやりとりが繰り広げられる。この国は本当に壊滅の一歩手前まで追い込まれていたことが、ひしひしと伝わってくる。
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政治記者の鍋島(北村有起哉)は原発に詳しい元記者(菅田俊)から「家族がいるなら、東京から避難させたほうがいい」と告げられる。
 官邸内の記者クラブに詰める新聞記者の鍋島(北村有起哉)は重大な情報を政府は隠しているのでは探りを入れるが、悲しいことに当時の菅政権は隠すだけの情報を何も持っていなかった。水素爆発も発生から1時間後にテレビ中継を見て知った有り様だった。その間にも姿の見えない怪獣の脅威はますます増していく。1号機、さらに3号機の水素爆発によって、周辺の民家に白い粉が漂う。福島第一原発が『ウルトラQ』に出てきた毒花粉を撒き散らすマンモスフラワーのように思えてくる。オフィス街に突然現われたマンモスフラワーは空からの化学薬品の散布と根っこを火炎放射攻めすることで根絶できたが、高い放射線量を放つ福島第一原発にはうかつに近寄ることはできない。  福島第一原発に勤める若い所員・修一(郭智博)は3.11当日は運良く非番だったが、職場の異変を察知し、家族が反対するのを押し切って事故現場に駆け付けた。だが、「若い所員に危険な作業を任せるわけにはいかない」と修一は待機を命じられ、先輩社員たちが高い線量の中へと入っていく。いくら防護服を着ているとはいえ、原子炉近くは線量がどこまで上がるか分からない。想像を絶する恐怖だ。修一に向かってかっこいい台詞を吐いていた先輩所員だったが、ベントを手動で行なうという精神的にも肉体的にもギリギリの作業によって、ボロボロになっていく。福島第一原発内の免震棟は放射能からは守られてはいたが、その内部は野戦病院さながら惨状だった。  福島第一原発で所員たちが懸命の復旧作業に当たっている中、日本国を確実に滅亡に導く提案が閣僚にもたらされていた。福島第一原発は制御不能状態に陥っているので、施設内に残る700名の所員たちを全員退避させようという声が上がる。『死の淵を見た男』でも書かれていたが、これは原発事故現場から出た声ではない。東京電力の本社でテレビモニター越しに彼らの奮闘ぶりを眺めていた本社の幹部たちが言い出したものだった。人命優先を訴えるこの声を、菅総理は「撤退はありえない」と完全否定する。所員たちはその命と引き換えに福島第一原発を死守せよという、国家の最高責任者からの厳命だ。御国のために命を捧げよ、という戦争映画でしか聞くことがなかった台詞のやりとりが本作のハイライトシーンとなっている。このとき、東京電力本社の指示に福島第一原発の現場が従っていたら、本当にこの国はどうなっていたのだろう。そのことを考えると、猛烈な寒気に襲われる。
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放射線量がどんどん高まる中、地元生まれの修一(郭智博)たち福島第一原発の所員たちは懸命に事故対応にあたった。
 国産の怪獣映画第1号といえば、『ウルトラQ』から始まる『ウルトラ』シリーズを手掛けた円谷英二が特殊技術として参加した『ゴジラ』(54)であり、海底の奥深くに眠っていた太古の巨大生物が水爆実験によって目を覚まし、東京を壊滅させるという内容だった。説明するまでもなく、ゴジラは核兵器がもたらす恐怖のメタファーだ。怪獣映画『ゴジラ』には広島、長崎に投下された原爆がもし東京にも落とされていたら……という終戦からまだ9年しか経っていなかった日本人のリアルな恐怖心が反映されていた。実録映画『太陽の蓋』は、3.11からわずか5年ですでに風化しつつある放射能の恐ろしさを観客の脳裏にもう一度蘇らせる。  東京を火の海にした“破壊神”ゴジラは、芹沢博士(平田昭彦)が自分の命と引き換えにすることで、ようやく撃退される。福島第一原発に最後まで残って指揮を執り続け、2013年7月9日に壮絶死を遂げた吉田所長と芹沢博士のイメージが重なる。だが、『太陽の蓋』に登場する“見えない怪獣”はゴジラよりもさらに始末が悪い。東京では民主党から、原発を日本各地に建設することを推進してきた自民党に政権が戻り、また以前と同じような日常生活が繰り返されている。でも、福島では大量の除染土壌が山積みとなり、どう処分するか決めかねている状態だ。修一ら原発所員は世間の厳しい目にさらされながら、危険が伴う原発の解体作業に従事している。廃炉化の作業が終わるのは、30年か40年先になる。修一の代だけでは終わりそうにない。カメラは最後に、双葉町に掲げられていた「原子力明るい未来のエネルギー」という看板を映し出す。この皮肉めいた看板は2015年12月に撤去され、今はもう見ることはできない。 (文=長野辰次)
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『太陽の蓋』 製作/橘民義 監督/佐藤太 脚本/長谷川隆 音楽/ミッキー吉野  出演/北村有起哉、袴田吉彦、中村ゆり、郭智博、大西信満、神尾佑、青山草太、菅原大吉、三田村邦彦、菅田俊、井之上隆志、宮地雅子、葉葉葉、阿南健治、伊吹剛  配給/太秦 7月16日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開 (c)「太陽の蓋」プロジェクト/Tachibana Tamiyoshi http://taiyounofuta.com

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店側の話題作り? ただの露出狂? 北京イケアで“下半身丸出し”女がお買い物

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店内を、お尻丸出しで闊歩する女性
 中国のイケアといえば、人民たちがまるで自宅のようにリラックスしてソファやベッドに寝転び、熟睡している姿が、もはや風物詩となっている。特に夏場は涼みに来る人も増えるため、毎年この時期になると、当の中国人でさえ面白がって、店で撮った写真をアップしている。  だが、今年はその上を行く衝撃度の写真が登場した。  北京にあるイケアと思われる店内で、下半身丸出しでカートを押す若い女性の後ろ姿の写真が3枚。後ろ姿なので本当に若いのかどうか確認はできないが、ヘアスタイルや体形、ヒップラインなどから、少なくともオバちゃんではないことはわかる。
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周囲にはほかの客もいるが、彼女の露出に気づいている様子はない
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前かがみで商品タグをのぞき込む女性。この角度なら、おそらく局部も丸見えだろう
「このところ北京は暑かったからな。涼みに来たんじゃね?」 「なんでオレが行くときには、こういうことが起こらないんだ?」 などとネット民たちは面白がっていたのだが、その一方で「これはイケアが仕掛けた話題作りなのでは?」という声も上がった。これにはすぐさまイケア側が反応し、ヤラセなどではなく、すでに警察に通報したというコメントを発表した。  これで騒ぎは終息するかと思いきや、後ろ姿だけでなく、前からも見たい! という男たちの心の叫びに応えたのか、今度はなんと、堂々と正面からの全裸写真が登場した。
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さらに、ロングブーツのみ、しかも正面からという写真も流出。スタイルは悪くなさそうだ
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ベッドに腰を掛ける全裸女性
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ワークチェアに座り、カタログを読む女性。でも、コートの中は裸……
 今度の女性は黒いロングブーツを履いており、顔にもモザイクがかかっていることから、前回の女性と同一人物かどうかの確認はできないが、ロングヘアでスタイルがいいという点では共通している。  相次ぐ露出女性の出現に、今年の夏は男たちがイケアに殺到しそうな予感がするが、それが売り上げアップにつながるかどうかは、甚だ疑問ではある……。 (文=佐久間賢三)

大人も子どもも夢中になって捕獲! 捕獲! 中国で10万匹ホタル狩りが“殺生イベント”に……

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一斉に放され、空に舞い飛ぶホタル
 つい先日、“善行”という名の人間の身勝手により野に放された動物たちが、環境になじむことができずにあっという間に死んでしまったというニュース「プチ仏教ブームの中国で、スズメ数千羽が大量死!」をお届けしたばかりだが、またしても中国で“殺生イベント”が開催された。 「華西都市報」によると、四川省成都市にある公園で、ホタル10万匹を放つイベントが開催された。淡い光を放ちながらホタルが舞い飛ぶ光景を楽しむホタル狩りは、日本でも夏の風物詩として各地で行われている。
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大人も子どもも夢中になってホタル狩りを楽しむ
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早くも地面に落ちていったホタルを、子どもたちが拾い集める
 しかし、ここはやはり中国。狩りは狩りでも、持ち前の狩猟本能が刺激されてしまったか、ホタルの光を見て楽しむべきところを、多くの見物客がホタルを“私物化”しようと捕獲。ホタルを捕まえて、手の中でもてあそぶ子どもたちもいたようだ。
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捕まえたホタルは瓶の中へ
   こうして多くのホタルたちは、飛び立って間もなく、その命がついえることとなってしまったが、非難されるべきは、ホタルを捕獲した見物客たちばかりではなかった。  このイベントの主催者によると、公園に放された10万匹のホタルはすべて養殖されたものだとしている。しかし、専門家は同紙に対し「ホタルは生存環境の条件が厳しく、生息地を離れると生存し続けるのは難しい。そのため、公園に放されたホタルたちは、いずれにせよ3日から1週間ですべて死んでしまったことだろう」とコメントしている。  さらに、「ホタルの養殖はコストがかかるため、中国国内の養殖場は数が限られ、10万匹も用意することはほとんど不可能。おそらく郊外で捕獲したものを運んできたのではないか」との疑惑も指摘している。つまりイベントの主催者も、自然界のホタルを捕獲して調達し、数日で死ぬことがわかっていながら公園に放したというわけだ。  日本の同様には「こっちの水は甘いぞ」とホタルを誘う歌詞があるが、強引に捕獲されて命を奪われてしまうのだから、ホタルにとっても中国は過酷な環境といえそうだ。 (文=佐久間賢三)

ソウルの観光地で韓国女性が「生理用ナプキンテロ」! 価格上昇で“靴の中敷き”を代用する人まで!?

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 観光地として有名な韓国・仁寺洞の、とある工場の壁一面に、生理用ナプキンや女性用下着が貼られ、話題になっている。実はこれ、「生理用ナプキンの値上げ反対」を主張する韓国女性たちのデモ活動。赤い絵の具で使用済みに似せた生理用ナプキンに、通りすがりの市民たちは興味を示したり、露骨に不快感を表すなど、さまざまな反応を見せている。  壁にはそのほか、「汚い? 私たちは、これを13歳の時から見てるよ」「妊娠と出産は尊いのに、生理は隠すべき恥ずかしいこと?」「どうして“生理”を“生理”と言わせないのですか?」といったキャッチコピーも貼られていた。  デモの主催者側は、「生理は隠すべきことも、恥ずかしがるべきことでもない。生理用ナプキンを壁に貼って、これが女性の必然的現象であることを知らせるために、今回のデモを企画した」とコメントしている。  このデモ活動の引き金となったのは、とある地方議会の男性議員の発言だ。その議員は先月、「“生理帯(ナプキンの韓国式表現)”という言葉は聞き苦しい。代わりに“衛生帯”といえば、だいたいわかるんじゃないか」と発言。まるで生理を不潔なものだと言わんばかりの発言が、世の女性たちの怒りを買ってしまったのだ。  加えて先日、国家的な災害に対応するための行政機関「国民安全処」では、被災現場への支給品である“応急救護キット”から生理用ナプキンを外すことを決めた。「活用度が低く、利用年齢も14~50歳程度で制限されている。個人的好みの問題もある」というのが、その理由だ。  実際、韓国では生理用ナプキンの値段は年々上がる一方だ。ここ5年間、韓国の消費者物価指数の上昇率が9.81%だったのに対し、生理用ナプキンの価格は24.59%上がっている。今回のデモ現場に貼られていた「国家別生理用ナプキン価格比較表」によると、生理用ナプキン1個当たりの値段は韓国331ウォン(約30円)、カナダ202ウォン(約18円)、日本181ウォン(約16円)と、韓国が格段に高かった。  知らぬうちに“高級品”になっていた韓国の生理用ナプキンだが、韓国のSNSではウソか本当か、「お金がなくて、靴の中敷きをナプキン代わりに使っていた友達がいました」「学校の先生に聞いた話です。1週間ぐらい欠席していた女子生徒の家を訪ねたら、タオルを敷いて1日中ずっと横になっていたそうです」などといった話も広まっている。  このような女性たちの訴えを、韓国政府はどう受け止めるか? こういう時こそ、女性大統領の力が発揮されるべきだと思うのだが……。

参院選前に考えたい、中国の“民主化弾圧”と英EU離脱に見る「選挙制度」の表裏

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イメージ画像(Thinkstockより)
 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。  6月17日、中国広東省にある「烏坎村」の林祖恋村長が地元の治安当局に拘束されました。この事態を受け、村民たちは連日抗議デモを繰り広げています。  烏坎村は2011年、土地利用をめぐり村民と村指導部が激しく対立し、治安当局に拘束された村民代表が死亡する事件が発生。村民の抗議活動が激化したことにより、選挙で村長を選ぶことが認可されたのです。普通選挙権という中国の自治体としては異例の措置が取られた烏坎村は、「中国民主化の先駆け」として国内外から注目されました。選挙の結果選ばれたのが、現職の林祖恋村長です。  しかし、林村長就任後も土地収用問題は終結せず、林村長が広東省に対し抗議を行おうとする最中、汚職と収賄の容疑で警察に逮捕されました。当然、村内では今回の逮捕は中国当局による「濡れ衣」と見なされており、林村長の家族は逮捕翌日の朝、インターネットに助けを求めるメッセージを書き込みました。  中国のニュースサイト「博訊網」によると、中国当局は警察と人民解放軍を派遣し、メディアの取材拒否、外国人記者を強制送還するなど徹底した情報統制を行っているそうです。さらに、村内に支給される食料や水道水、電気などのインフラを遮断し、港を封鎖して漁業従事者の生活基盤を奪うなど、村民たちを「兵糧攻め」にしているようです。 「中国民主化の先駆け」といわれた烏坎村は、中国共産党の魔の手により、破壊されようとしています。前時代的な「白色テロ」(公権力による反対勢力の弾圧)が公然と行われているのが、現代の中国社会です。 ■EU離脱は正しかった  国民の意思が白色テロで叩き潰される国家がある一方、国全体の運命が国民の意思に委ねられる国家もあります。6月23日にイギリスで行われたEU離脱に関する国民投票は、「重大な事案は多数決で決める」という民主主義の原則に基づいたものです。僕はイギリスの政治体制に、強い羨望を感じます。  選挙の結果、EU離脱が決定されたことにより、世界中で大きな反響を呼んでいます。イギリス国内では再選挙を求める声が多く上がっているようですが、僕は離脱を推奨します。今までイギリスはEUに参加していたことにより、難民の受け入れが義務付けられていました。難民には日本円にして月十数万円程度の生活保護費支給、税金免除、医療費無料といった特例が認められているため、受け入れ側の国に対し大きな負担が課せられます。加えてEU圏内では略奪、誘拐、暴行といった難民による犯罪が多発しています。国内の難民排斥を求める人々が離脱派の主流となったのです。  また、イギリスのキャメロン首相をはじめ、現在のEU各国の首脳陣は親中派が多いのですが、今回の選挙をきっかけに残留派のキャメロン首相が退陣することにより、イギリスは中国の影響から解放されるかもしれません。加えて、世界第5位のGDPを誇るイギリスがEUから離脱することで、中国が推し進めてきたAIIB(アジアインフラ投資銀行)が崩壊し、中共政府が大きな打撃を受ける可能性もあります。イギリスが中国の顔色をうかがわないようになれば、旧植民地である香港の独立運動も盛んになるかもしれません。国際社会からの孤立などを懸念する声もありますが、僕自身はEU離脱がイギリス国内にもたらす影響はプラス面が多いと思います。  中国のネット上で国民投票の結果に関する反応を検索すると、「大英帝国の品格は失墜した」「イギリスの影響を受けて離脱する国が続出するぞ」「イギリスはEUの責任を放棄して、利益だけ吸い取るつもりだ」と否定的な声が上がる一方、「国家連合は必ず衝突を引き起こす」「EUという泥舟から逃れるべき」「再投票しても結果は変わらないよ」などと肯定的にとらえる意見も多く見られました。おそらくイギリスの離脱が中国にとって利益になると考える人は肯定派、損害を与えると考える人は否定派に回っているのでしょう。  ちなみに現在の中国では、今回の件に関する情報は全面的に解禁されていません。それは烏坎村の弾圧を見ればわかるように、中共政府が民主主義という莫大な力を持つシステムを恐れている証拠でしょう。  日本では7月10日に開催される参議院選挙から、投票権が18歳に引き下げられます。より多くの人に選挙権を与えようという対応は、中国とは対照的です。日本の投票率は年々下がっているそうですが、僕は日本のみなさんには烏坎村の例とイギリスの国民投票の例を理解していただき、中国社会の惨状、そして選挙権というシステムの有効性を実感してもらいたいです。  現行の自民党政権は、以前より国内の難民受け入れに対し厳しい制限をかけ、イギリスのEU離脱による経済混乱を見越し、消費税率アップを先送りにしました。これらの判断は、現状を見れば実に適切なものだったといえるでしょう。一方、民進党をはじめとする複数野党は中国や韓国との領土問題をまったく取り上げず、自民党の消費税先送りを「失策」として批判しました。僕は今回初めて選挙権を得た若い人たちには、まずは日本の政党の「実態」を知った上で投票を行ってほしいと思います。 ◆「チャイナめった斬り」過去記事はこちらから
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>  

韓国・高校生22人による女子中学生集団レイプ事件 5年経て発覚も、加害者家族は「何を今さら……」

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逮捕された主犯格の男
 韓国で闇に葬り去られていた数年前のレイプ事件が明るみになり、その非道ぶりに怒りの声が上がっている。  事件は、5年前の2011年9月までさかのぼる。夜9時頃、ソウル道峰(トボン)区に住む当時中学生だったAさんと友人Bさんは、好奇心から家の近くにある店でビールを買い、路上で飲んでいた。  しかし、2人のちょっとした背伸びは、当時高校生だった4人の男たちに見つかってしまう。男たちは「学校にバラされたくなければ、飲み会に付き合え」と2人を脅すと、近くの山に連れ出した。そこでAさんとBさんは、無理やり酒を飲まされた挙げ句、気を失い、4人の男たちにレイプされたのだ。  しかも、事件はここで終わらなかった。翌週、AさんとBさんは再び男たちに呼び出された。そこで2人を待っていたのは、前回を上回る22人の男たち。彼らは「逆らえば両親を殺す」と脅すと、再び2人をレイプしたのだ。  この事件から5年、高校3年生になったAさんは、うつ病を患い、当時の悪夢に苦しめられていた。事件は、彼女が相談センターに打ち明けることで発覚。主犯格の3人が強姦罪と暴力罪で逮捕された。さらに、そのうちの1人には、ほかにも似たような事件を起こした容疑がかけられている。  現在、この事件に関わった22人全員に対し、徹底的な捜査が行われているが、加害者の大半は現在兵役中であり、軍部内での調査を終えた後、警察に身柄を引き渡されることになっている。  女子中学生2人を22人の男がレイプするという、ただでさえ非道すぎる事件なのだが、さらなるバッシングを集める事態になっている。事件から5年もたっていることから、加害者の中には、「思い出せない」「被害者がウソをついている」と、関与を否認する者も少なくない。さらに、加害者家族の多くが「うちの子がレイプをした証拠があるのか?」「5年も過ぎた事件を、今さらどうしろというのか?」と、Aさんへの謝罪どころか、逆ギレ気味の暴言を繰り返しているのだ。  この居直りぶりは国民の怒りを招く結果にもなり、「被疑者両親 今さら」というワードが検索語上位に上るほど。韓国ネット民の中でも「親がこれじゃあ、その子も……」「親のレベルを見たら、事件が事実であることがわかるな」など、辛辣な意見があふれる。  今回の事件に対し、ネット民の多くが、重い処罰を望んでいる。加害者は事件を忘れていたとしても、被害者が忘れることはない。加害者たちには、若気の至りでは済まされないことを思い知ってほしいものだ。

ラップは賢くないとできない――『マツコ会議』でマツコが壊す先入観

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日本テレビ『マツコ会議』
「お前、うますぎるわ!」  マツコ・デラックスは、黒人ラッパーの流暢すぎる進行に驚愕しながらツッコんだ。  その男の名はACE。彼は、ヒップホップ界隈ではすでに有名な存在だ。『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)では「ラスボス」般若の“通訳”役を務めているのをはじめ、多くのバラエティ番組に出演。CSでは『ラッパー“ACE”の世界をねらえ』(MONDO TV)という冠番組まで持っている。ちなみに『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)にも“終電を逃したラッパー”として密着されたことがある。  マツコは、そんなバラエティ慣れしたACEの、ユーモアを挟みながらわかりやすくラップを解説する姿に舌を巻いていたのだ。  これは、気になるスポットに中継をつなぎ、それを見ながら企画会議を行う『マツコ会議』(日本テレビ系)での一幕。中継先とやりとりをしていく中で、“総合演出”のマツコがテーマを決め、VTRを作り、ホームページで公開するというコンセプトの番組だ。  7月2日放送の回で、下北沢で開催されている「ラップサークル」にカメラが潜入すると、そこで講師を務めていたのがACEだった。  教室のホワイトボードには、こんなふうに書かれている。 今日のご飯は“炊きたて” これが母の□□□□  でも毎日カレーは□□□□  たまには食べたい□□□□  この3つの□□□□に、「炊きたて」の母音「aiae」で韻を踏んだ言葉を穴埋めしていこうという授業である。  ひとりの女生徒は、それを上から順に「愛だね」「飽きたね」「まいたけ」と韻を踏んでいく。「ほかにないか?」とACEが振ると、手を挙げたのは「長老」と呼ばれる生徒。彼が「さじ加減」「なしだぜ」「闇鍋」と答えると、ACEは「ありきたりなのは嫌なんですね。いったい、人生に何があったのか?」と笑わせる。 「やってることは、ほぼ『笑点』よね?」というマツコに、「そうですね、座布団のない『笑点』」とACE。 「なんでそんなにしゃべりうまくなったの?」 「反省文書きすぎたからですかね」  ACEはラップで鍛えられたであろう瞬発力で、よどみなく答えて、芸人顔負けに笑わせていく。  授業は山手線ゲーム形式で韻を踏んでいく課題を経て、フリースタイルのMCバトルへ。ACEは、即興で相手をディスり合うMCバトルは「パンチライン」が大切だと解説。たとえば「でしゃばりすぎ」と相手にディスられたら、それを受けて「お前うるせえよ、“ペチャパイ好き”」と、相手のディスに対し韻を踏んで返すと高評価につながる、と。  番組でもラップの基本授業の光景から見せていたため、ラップをよく知らない番組視聴者でも、授業を受けるように、ラップの仕組みを理解でき、その何がすごいのかがとてもわかりやすい。これまでラップに接する機会があまりなかったというマツコも、感心しながら言う。 「ラッパーって、賢くなきゃできないね」 『BAZOOKA!!!』(BSスカパー!)の「高校生RAP選手権」や『フリースタイルダンジョン』をきっかけに今、ヒップホップが注目されている。雑誌では「サイゾー」、「ユリイカ」(青土社)、「クイック・ジャパン」(太田出版)、「TV Bros.」(東京ニュース通信社)などが相次いでフリースタイルを中心としたヒップホップの特集を組んだ。  たとえば『クイック・ジャパン』(Vol.126)では、いとうせいこうがお笑い芸人との類似性を指摘している。 「お笑いで上に上がるためには、ネタが面白いにはこしたことがないけど、その場その場でなにを言えるかという能力が必要」  それは、まさに「フリースタイル」だ。だから「芸人はそのことに焦って学ばなければいけないし、勝たなければいけない」と、いとうは言うのだ。  確かに、90年代以降、文化系で表現欲のある若者の最大の受け皿はお笑いだったが、それがヒップホップに変わりつつあるイメージがある。事実、このスクールに集まる生徒の多くはごく普通の人たちだ。  かつて「お笑いの学校なんて」と嘲笑されていたお笑い養成所が今では当たり前になったように、ラップの学校にもそんな日が来るのかもしれないし、ラッパーがテレビの世界を席巻する日も近いのかもしれない。  実際、このところさまざまなバラエティ番組で、ラッパーを使った企画を見かけるようになった。とはいえ、まだまだラッパーをうまく生かせず、持て余しているように見える番組が多いが、この企画はそうした番組の中でもラップを知らない人にラップの楽しさを伝えるという点で珠玉の回だった。その大きな要因は、マツコの柔軟さにある。 『マツコ会議』が取り上げるスポットの多くは、若者の流行の最先端だ。そういった目新しいものに対し、僕らは先入観で警戒してしまいがちだ。マツコも一見偏屈に見えるが、その実、自分の先入観を破られることに抵抗があまりない。むしろ、それを楽しんでいるフシがある。そうした場面は『マツコ会議』の中でよく出てくる。もちろん、今回もそうだった。  番組冒頭で、ラップは「反体制的な人たちがやっているイメージ」と語っていたマツコが、素直に「イメージが変わった」と言う。 「高尚なお遊びよね。ものすごく頭使うし、でもやってることは遊びなんだよ。そこがカッコいいと思った」  マツコの柔軟さが、僕らの先入観をも壊してくれるのだ。  なお、現在番組ホームページには、マツコが「なかなかの仕上がり」と評するACEを密着したVTRが公開されている(http://www.ntv.co.jp/matsukokaigi/)。まさに「なかなかの仕上がり」だ。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

介護疲れと将来不安の末……頻発する「介護殺人」は他人事ではない?

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「週刊文春」(7/7号、文藝春秋社)
今週の注目記事・第1位 「高島礼子(51)の“付き人夫”は“7年愛人(33)”の胸で啼く」(「週刊文春」7/7号) 「『高知東生』と『高島礼子』の夫婦生活」(「週刊新潮」7/7号) 第2位 「まさかの英国『EU離脱』20の疑問」(「週刊新潮」7/7号) 第3位 「介護殺人と老後破産 今すぐすべきこと 考えておくべきこと」(「週刊ポスト」7/15号) 第4位 「草なぎ剛が愛する女はこの人です!-解散騒動。人生の岐路を支えてくれて」(「女性セブン」7/14号) 第5位 「NHK女子アナとキャスターが『路上不倫カーSEX』」(「フライデー」7/15号) 第6位 「<Perfume>あ~ちゃん・<サバンナ>高橋『衝撃の銀座デート&通い愛』」(「フライデー」7/15号) 第7位 「安倍首相自ら口説いた参院選トンデモ候補 青山繁晴」(「週刊文春」7/7号) 第8位 「【7.10参院選】直前大特集 全国紙・NHK・共同通信が調査した最終当落『生データ』を一挙公開!」(「週刊現代」7/16号) 第9位 「やってはいけない歯科治療」(「週刊ポスト」7/15号) 第10位 「がんの名医が教える『悪い手術』と『いい手術』」(「週刊文春」7/7号) 第11位 「もっと知りたい! 医師がすすめてもやってはいけない『手術』飲んではいけない『薬』」(「週刊現代」7/16号) 第12位 「『世界最強のYEN』で何から何まで買いまくれ!」(「週刊ポスト」7/15号) 第13位 「雨宮塔子(45) 2人の子供をパリの前夫に託し『NEWS23』キャスターに!」(「週刊文春」7/7号) 第14位 「『鳩山邦夫』の棺を蓋いて『死因と遺産と後継者』」(「週刊新潮」7/7号) 【巻末付録】やっぱり元に戻った現代SEX記事、ポストはどうくる?  鳩山邦夫氏が亡くなった。享年67。私は、彼が新自由クラブ推薦で旧東京8区から出馬し、初当選した頃に初めて会っている。きりりとした好青年で、育ちのよさと意志の強さを感じたが、意外にもその後の政治家人生で目を見張るような活躍はなかったように思う。  蝶が好きで「飼育に関しては日本のトップレベルに達していました」(東京大学総合研究博物館の矢後勝也氏=新潮)  鳩山氏は、蝶の研究者としての人生も送ってみたかったと言っていた。新潮によると、遺産は170億円を超えるという。後継者は現在、福岡県大川市市長を務めている次男・二郎氏が有力だそうだ。  雨宮塔子(45)といえば、私は『チューボーですよ!』(TBS系)で堺正章と軽やかにやりとりしている姿を覚えているだけだ。ただ、彼女の父親は元「文學界」(文藝春秋)編集長の雨宮秀樹氏であると知り、親近感を覚えた。  彼女はその後、TBSを退社してパリへ行き、ケーキ職人と結婚して2人の子どもをもうけたが離婚。  その雨宮が、視聴率が低迷する『NEWS23』のキャスターに抜擢されたと文春が報じている。確かに『NEWS23』は、岸井成格氏の時もそうだったが、今回の朝日新聞の星浩氏も、かつての筑紫哲也氏のような切れ味と華がないから、視聴率が低迷するのは致し方ない。  だが、日本を離れてだいぶたつし、失礼だがニュースキャスターとしては疑問のつく雨宮起用は、TBSだけではないが、いい人材がいないということを自ら証明して見せたようなものではないのか。かつては「報道のTBS」などといわれた時代があったが、今は昔である。  ポストは、イギリスのEU離脱で一段と円高が進んだことを受けて、悲観するのではなく、油田でも映画でも、マンUでも買いまくれと気炎を上げている。  確かに昨年12月の為替相場は1ドル=123円台だった。たった半年で、日本円は米ドルに対して約2割も価値が高くなった。つまり、米ドルでの買い物は2割引になったということである。  また、ユーロをはじめとするほかの主要通貨も同様で、英国ポンドでの買い物は1年前と比べれば3割引というバーゲンセール状態なのだから、ものは考えようだと主張する。この夏は、海外旅行に行こうかな。  またまた現代が、やってはいけない手術と飲んではいけない薬の第6弾をやっている。よく飽きないでやるものだと、半ばあきれ顔な読者が多いのではないか。これで29ページも取って、合併号でもないのに450円って、高くねェか。  内容はこれまでの繰り返しが多い。認知症の薬、アリセプトには急に攻撃的になるという作用が報告されているそうだ。 「他にもメマリーという認知症治療薬があります。これは記憶力を回復させるための薬ということになっていますが、実際に飲んで記憶が良くなる事はありません。記憶回復に効果がないことがわかってしまったので、製薬会社と学会は『怒りっぽい認知症患者の興奮を抑えるために使ってほしい』と促しています。ところがメマリーはたいへん高額で、20mgを1年服用すると16万円もかかる。同じく興奮を抑えるための薬ウインタミンなら年6000円で済むのです」(名古屋フォレストクリニック医院長・河野和彦氏)  現代は、そんな危険なサイクルに巻き込まれたくなければ、むやみに薬に手を伸ばさないのが一番だというが、患者が手を伸ばすのではなく、医師がむやみにくれるのではないか。医師をなんとかしてほしいものだ。  糖尿病の薬にも、後遺症の危険がつきまとうという。糖尿病の薬の中のジャヌビアやエクアといったDPP-4阻害薬には、腸閉塞などの副作用の可能性があるという。私はジャヌビアを使っているが、今のところ腸閉塞にはなっていない。  未破裂脳動脈瘤と診断された母親が手術したために、失明してしまったケースがあるという。その娘がこう話す。 「調べてみると、母は失明していました。後で別の医師に聞くと、脳動脈瘤の開頭手術では、切断しなければならない血管が網膜とつながっていることがあり、手術後、失明することがあるそうなのです。でも、それならそのリスクを事前に説明してくれてもよかったんじゃないでしょうか」  その通りだと、私も思う。 「60過ぎたら妻に、夫に、受けさせてはいけない手術」の中に、白内障というのがある。しかし、私が聞く限りでは、白内障は非常に簡単な手術で、終われば日帰りで帰ってこられるという。それでも事故は起こるのだろうが。  確かに現代が言うように「院内感染」は大変に怖いし、避けるのが難しい。 「院内感染をゼロにすることは正直、困難です。それは感染対策の徹底の難しさでもあります。患者に接触した場合に必ず手を洗う、患者の唾などの飛散に対応するために、マスクやゴーグルを着用するなどの基本的な対策は、100人中1人ができないだけで、院内感染が起こりうるのです。特に高齢者の方は、感染に対する抵抗力が落ちているので、病院に行くこと自体にリスクがあります」(東京女子医大医学部・感染症科の菊池賢教授)  だが、いくら怖いからといって、病院に行かないでどうやって治すのだろう。  ど素人の研修医が資格もないのに投与することもあるから、全身麻酔は断ったほうがいい。これはもはや論外ではないのか。  そのほかに「あーもう、ヘタクソ!」間近で見ている看護師たちが決意の告発。未熟な医師の内視鏡・腹腔鏡手術は怖くて見ていられません。病は気からは本当だった。実例報告「私は切らずにがんが治った」。マンモグラフィー検査にも気をつけろと言っている。 「欧米でマンモグラフィー検診に疑義が生じているにもかかわらず、日本人は、そもそも放射線を用いた検診がもつデメリットへの危険意識が欠けています。放射線被曝による発がんのリスクは、昔から言われています。マンモグラフィーについてももっとリスクを知るべきです」(北海道がんセンター名誉院長の西尾正道氏)  ひと言言っておこう。私が現代の編集長のとき、がんなどの病気で悩んでいるが、どこにかかったらいいかわからないという読者のために、往復はがきで簡単な病状と住んでいる住所を教えてもらえば、その地域の信頼できる医師や病院を紹介するという「サービス」を始めた。  大変な手間がかかるが、毎週かなりのはがきが読者から届いた。どのはがきにも切実な悩みが細かに書いてあった。  そうしたきめの細かいサービスを、現代はやったらどうか? やたら怖い怖いと煽るのではなく、深刻な悩みを抱える患者に寄り添うことこそ、大事だと思うのだ。  文春は現代の手術と薬大特集に「週刊現代の医療特集のウソ」とかみついている。文春は「現代の医療が抱える闇をえぐり出し、このような警鐘を鳴らすことは、大いに意義があると言えるだろう」と一定の評価はするが、返す刀で「繰り返し槍玉に挙げられている腹腔鏡手術には首をかしげざるを得ない」と、バッサリ。  文春は、2014年に日本外科学会と日本消化器外科学会が、消化器領域で腹腔鏡手術の安全性を調べた緊急調査結果では、「腹腔鏡手術は死亡率で見る限り、開腹手術と比べて高いという事実はない」とされているし、開腹手術にもデメリットがあると反論する。  つまり、「腹腔鏡でも開腹でも、病院や医師によって質はピンキリということ」(大阪医科大学付属病院がんセンター・消化器外科特務教授・奥田準二医師)。「腹腔鏡手術が開腹手術に比べてとくに優れているということはないので、安全性を最優先することが大切です」(浜松労災病院院長・有井滋樹医師)という、極めて平凡な結論へと導くのだ。  そして、順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器・低侵襲外科教授・福永哲医師がこう結ぶ。 「外科医として最も自信のある安全で確実な手術を患者さんにおすすめするべきなのです。自分には手に負えないなと思うなら、それができる施設を紹介すればいい。患者さんのほうも、あわてて手術するのではなく、ぜひホームページなどで症例数や合併症率といったデータを確認して、納得して手術を受けられる施設を選んでください」  週刊誌などに煽られて、不十分な先入観で医師の言うことを聞かなかったり、必要な手術を受けなかったりしてはいけない、ということである。それに、今の医師に疑問を抱いたらセカンド、サードオピニオンをしてくれる信頼できる医師を探すことだ。  ポストも「歯科治療をやってはいけない」第2弾をやっている。私は、抜いた歯にブリッジをかける治療の途中なのだが、気になるところがあるので抜き書きしてみよう。 「虫歯や歯周病が原因で歯を失った時、患者の第一選択肢となるのがブリッジだ。最大の理由は、保険適用なので奥歯であれば1万円以下(3割負担)と負担が少ない点だ」(ポスト)  ただし、ブリッジには「歯を失う負の連鎖」があるという。 「ブリッジを被せるためには、抜いた歯の両隣の歯を大きく削ります。それは、確実に歯の寿命を縮めてしまうものです。保険適用のブリッジは、金銀パラジウム(銀歯)を使用しますので、最初は歯にぴったりでも、経年劣化で隙間が開いて、そこに虫歯ができるケースがあります。糸楊枝やデンタルフロスを通すこともできず、きちんと掃除するのが難しいので、虫歯の原因となりやすいのです」(歯科医の大神京子氏)  治療中、自分の歯がどの程度まで削られているか、患者が見る機会はまずないが、ブリッジを架ける両側の歯は患者の想像以上に細く削られていることがあるという。  この中に、渋谷で「抜かない歯医師」を標榜している歯医師がいると出ている。そこへでも行ってみるかな。  現代は、自民党、NHK、共同通信、朝日新聞・日本経済新聞・毎日新聞・読売新聞の全国紙4紙が行った公示後の最新世論調査の結果を入手したと報じている。  このデータを分析してみると、「すべてが激戦区」といわれている東北6県で、自民党の「1勝5敗」が濃厚となっているというのだ。 「今のところ、各調査の数字にはバラつきがある。自民党が少なくとも50議席以上獲得するのはほぼ確実な情勢だが、とはいえ投開票日まで、何が起きるかわからないのが選挙というものだ」(現代)  朝日新聞(7月4日付)では、安倍首相の経済政策に「見直すべきだ」が55%、憲法改正に前向きな「改憲4党」が参議院全体で3分の2以上を占めないほうがいいという答えが、占めたほうがいいを上回っていると報じている。内閣支持率も6月18、19日の45%から41%に落ちている。  まっとうな判断をする有権者なら、自公政権にノーと言うはずだと、期待を持って見ているのだが。  文春は巻頭ページを使って、参院選挙に自民党から「最後の男」として比例区で出馬した青山繁晴(63)なる人物の身体検査をしている。  安倍首相から直々電話がかかってきて「出てもらいたい」と言われたという青山氏は、共同通信の元記者で、民間シンクタンク・独立総合研究所の代表である。  東京では知名度は高くないが、関西では故・やしきたかじんの番組などに出演して人気があるそうだ。安倍首相の“お友だち”のひとりなのだろう。  公約は「議員は一期しかやらない。政治献金は一円も受け取らない。TPP反対」だそうで、当選確実と見られているそうである。  だがこの御仁、96年に起きたペルー日本大使公邸人質事件の取材で首都リマに飛び、約130日間一度も帰国せず、約1,500万円の経費を使ったが、そのうちの約450万円が「私的流用の疑い」がかけられたことがあるそうだ。  結局、97年に共同通信を辞め、450万円ほどを退職金と相殺したという(本人は退職金で払ったのは事実だが、公私混同のカネではないと答えている)。  数々の歴史的なスクープを連発したと参院選のビラにあるが、やはり元共同通信の青木理氏は、「共同の社内で、特ダネ記者として青山氏の名前を聞いたことがありません」と話している。  そのほかにも、原子力委員会の専門委員という立場を利用して福島第一原発を訪問し、吉田昌郎所長に会った様子をテレビや写真週刊誌で公開し、政府から抗議を受けたことがある。  私も一度だけ青山氏には会ったことがあるが、元ブンヤ臭さのプンプン臭う人物であった。だが、文春が目くじら立てて追及するほどのタマとは思えない。  この特集の読みどころは、文春が数々の疑惑を青山氏にぶつけて、その青山氏の記者を罵倒する言葉の激しさである。ひと言だけ紹介しよう。 「本当に恥ずかしいヤツだな。そんなことで給料をもらってどうするんだ、お前は。人間が腐りかかっているぞ。家に帰って裸になった自分を見てみろ!」  嫌な取材だからといって、これほど相手の人格を傷つけるような言い方をする人間が参議院議員にふさわしいかどうか、私には疑問である。  お次はフライデー。Perfumeあ~ちゃんこと西脇綾香(27)とお笑い芸人・サバンナ高橋(40)が「衝撃の銀座デート&通い愛」していると報じている。高橋は知らないが、西脇はチョッピリ知っている。  6月22日夜、新宿「ルミネ the よしもと」の出番が終わった後、サバンナ高橋は副都心のビル地下の駐車場でクルマに乗り込んだ。 「高橋が車で向かったのは、表参道。青山通りから骨董通りを左折し、さらに細い路地へ入ってハザード停車。同時に黒い影が車に近づいてきた。後続車のヘッドライトに照らし出されたのはヒザ上20センチのミニスカから伸びる、肉感的で真っ白な長い脚。そして背中まで伸びた黒髪。脚がグンバツなこの女性は、『Perfume』のあ~ちゃんこと、西脇綾香(27)だった」(フライデー)  この2人の交際は以前女性週刊誌に報道されたが、高橋は否定していたそうだ。「だが……この二人、やっぱりデキていたのである」(同)  銀座・三越で買い物をした後、そのまま高橋のマンションへ向かったという。それだけのお話。  それよりも、NHK地方局の女子アナとキャスターが「路上不倫カーセックス」のほうが面白い。場所がどこで、名前がなんというのかわからないが、地元では人気の2人だそうだ。男は30代の既婚者で、女は20代半ば。平日午後6時10分から7時まで放送されるニュース番組のキャスターだ。  2人の不倫関係はよく知られていて「数カ月前に男性アナは上司から『不倫関係』を問いただされ、厳重に注意されている」(フライデー)そうだが、性懲りもなく週に何度もクルマで15分ほど走った路上に止めて、車内でセックスを始めるのだそうだ。  女性の足が2本、そばを通る車のヘッドライトに浮かび上がっているが、なかなか艶めかしい。後日フライデーに直撃された男性アナは、「もう終わりだ」とうろたえたというが、身から出たさびであろう。  お次は第4位。女性セブンがSMAPの草なぎ剛(41)と、30代女性との焼肉店デートをキャッチした。6月下旬の夜、都内の焼き肉店に草なぎが入り、少し遅れて「女性がこの店に入っていく。濃紺のカットソーにグレーのパーカを羽織り、背中まで伸びたストレートヘアが揺れている。タイトな膝丈スカートに足元は黒のスニーカースタイルの長身美女だ」(女性セブン)  2時間ほど食事を楽しむと、彼女が先に店を出た。後から出てきた草なぎは100メートルほどの間隔を開けたまま、2人は草なぎのマンションへ入っていった。 「2日後の夕方、自宅駐車場からバイクに乗って出てきた草なぎはマンション前で、上階に向けて右手を軽く振ってみせた。窓辺に佇む誰かに合図を送るような仕草だった」(同)  2人は以前からの友人で、最近になって交際をスタートさせたようだ。解散騒動の頃には、悩む草なぎを支えたという。 「最近、彼はすごく明るくなった印象を受けます。そういえば“ぼくにだって、家に泊まってくれる人くらいいるもん”って話していたことがあって…。その時は周囲の驚いた様子を見て、とってつけたように“アッ、男だけど(笑)”って言い訳していましたけど、実際にはAさんのことだったんでしょうね」(芸能関係者)  最近は女性とのウワサがなかった草なぎだが、彼も40を超えて結婚という二文字がちらついてきたのだろうか。  君は昨日(7月3日)のNHKスペシャル『私は家族を殺した “介護殺人”当事者たちの告白』を見たか?  重いテーマだったが、Nスペならではのいい番組であった。だが、当事者たちの追い詰められた心境や、介護の難しさは身につまされたが、自分の身に起こったとき、どうすれば「介護殺人」に至らないようにできるのかがわからない。そこが物足りなかった。  ポストは、こうしたテーマを時折取り上げている。今週もNスペを放送したという前提で、「今すべきこと、考えておくべきこと」を特集している。  だがここでも、こうした悲劇をなくすための十分な方策を提示できてはいない。それだけ難しいということだが。 「ここ数年の間に『介護殺人』は頻発している。5月10日には、東京・町田市で87歳の妻が92歳の夫を絞殺した後、首を吊って自殺した。夫は数年前から認知症の症状が現われ始め、体力が落ちて車椅子なしでは動けない状態だった。(中略)夫がようやく介護施設への入所に同意し、手続きがほぼ済んだ矢先に起きた事件だ。妻の遺書には夫に宛てたこんな言葉があった。『一緒にあの世へ行きましょう。じいじ。苦しかったよね。大変だったよね。かんにん。ばあばも一緒になるからね』」(ポスト)  15年1月17日、千葉・野田市で77歳の妻が72歳の夫を刺殺した事件では、介護施設への入所費用の捻出が引き金となったという。 「夫婦は息子家族と同居していたが、夫を介護施設に入れるための費用がなく、自宅を売却しなければならないと考えていた。そのことで息子夫婦との仲が悪化したことも、妻を追い詰めたようだ」(大手紙記者)  日本福祉大学の湯原悦子准教授は、介護殺人の原因は、介護疲れと将来への悲観の2つに大別されるという。 「埼玉・小川町や栃木・那須町の事件などは、典型的な介護疲れによるものだ。『配偶者の気持ちを汲んで施設に入所させず、自らが介護を一身に背負うことになった。老老介護なので、自分自身の体調もおもわしくなくなる。仲のよい夫婦であればあるほど、相手を不憫に思い、行き詰まって殺害に至るというパターンは多い」  老後破産とは高齢者が貧困のために破産状態に追い込まれることで、いま全国で約200万人以上がこの状態にあるといわれているそうだ。  湯原氏がこう続ける。 「高齢者の場合、たとえお金を持っていても、それが減ることに対して強い恐怖心を抱いてしまう。『この先、生活が困窮するかもしれない』という不安から、介護サービスの利用を控えるケースもあるのです」  さらに、そうした高齢者たちをさらに追い込むのは「働かない子ども」の存在だ。職を失った息子や娘が実家に寄生し、親の年金を頼りに生活する。親の老後資金を食いつぶして共倒れになってしまう「親子老後破産」が起きるのも、近年の特徴のようだ。  東京・大田区の事件では、無職だった同居中の息子の出費も、殺害の動機のひとつになった。 「親がまだ現役の間は子どもが働かなくてもなんとかなりますが、親がリタイヤした後は貯金や年金を食いつぶすばかりで、親子で貧困に陥りやすい。しかも、そのような子どもには介護能力もないから、親が弱っていってもどうすることもできない」(同)  老後破産は将来の悲観に直結し、最悪の場合、介護殺人にまで至ってしまう深刻なものなのだ。では、どうすればいいのか? 「老後破産に陥ってしまったら、ためらうことなく生活保護を受けることです。生活保護を受給できれば介護保険料もタダになり、自己負担はゼロですから」(同)  年金生活の親と非正規雇用の子どもが同居している場合、世帯分離という方法で生活保護を分けてもらうこともできるそうだから、まずは相談窓口に連絡することだという。  しかし、配偶者が認知症になり、それでも要介護2程度にしか認定されないと、配偶者が認知症患者の面倒を見なくてはいけない。そこに悲劇が生まれるのである。  湯原氏が言うように社会のサポート体制が必要だと、私も考える。 「心中事件の場合、介護者がうつであることが多い。周囲が早めに気づいてサポートするだけで介護殺人はかなり減少すると思います」(同)  ポストは「将来、自分が介護殺人を招かないためにも、今から老後破産を回避するべく、老後に備えることが必須である」と結ぶ。だが、できた当初は歓迎された介護制度もどんどん改変され、使う側にとってありがたさがなくなってきた。  特別養護老人ホームへ入れようと思っても、待っている人が多すぎて入るのは至難である。先ほどの相談窓口へ行っても、「デイサービスなどを利用しなさい」「近所の人たちに相談して助けてもらいなさい」程度しかアドバイスすることはできないのではないか。  こうした問題を参議院選で論じ合ってもらいたいが、アホの麻生副総理などは「年寄りは長生きするな」と言わんばかりの暴言を繰り返し、メディアはそれを大声で批判することさえしない。  こうした悲劇は、これからも繰り返す。親も子どもも元気で働けるうちはいいが、どちらかが病気や認知症にでもなったら、たちまち小さな幸せさえ崩壊してしまう。それがこの国の実態である。そんな状況を少しでも変えるために、参議院選で年寄りや弱者に冷たい自公に勝たせてはいけないのだ。いいかね、皆の衆。  さて、イギリスが国民投票でEU離脱を選択したが、まだまだ先行きは不透明なようだ。この問題を新潮がコンパクトにまとめてくれている。  離脱を選択した瞬間から、「ポンドが急落したことで、すぐにその判断を悔やんだ」「離脱派のウソを信じて票を投じた自分に嫌気が差した」と、後悔しているというコメントがTwitterにあふれているというのだ。  キャメロンを打ち負かしたボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、「人の心を掴むのがうまかった。(中略)離脱派に回ったのは、いまが首相を目指すチャンスで、キャメロンと同じことを言っていてはダメだと思ったからでしょう」(ロンドン在住のジャーナリスト・鈴木雅子氏)。だが彼は、EUへの拠出金が週3億5,000万ポンド(約480億円)に達すると主張していたが、実際の拠出金は週1億数千万ポンドだったと、ウソを認めた。  それもあってか、ジョンソン氏は6月30日、保守党の次期党首選に立候補しないことを明らかにした。  今回の離脱派の大逆転劇に力を与えたのは、エリザベス女王のあるひと言だったという。 「英国が欧州(連合)の一部であるべき理由を3つ挙げてください」  保守系新聞や大衆紙が女王の言葉として報じたことで、女王陛下は英国のEU残留に疑義をお持ちであるという空気が広がったというのだ。  英国王室は、発言自体は認めたが、会食の席での発言だと説明したようだが、離脱派に利用されてしまったようだ。  またアーティストたちも離脱派、残留派でかまびすしかった。離脱派はローリング・ストーンズのミック・ジャガー。残留派は女優のエマ・トンプソン、『ハリー・ポッター』の原作者J・K・ローリング、サッカーのデヴィッド・ベッカムなど。残留派が優勢のようだが、結果はご覧の通り。  EUにはさまざまな規制があり、それが反発を招いていたという側面もあるようだ。 「イギリスで問題となっているのは、EUによる雇用条件や労働時間の縛りです。週当たりの労働時間を45時間としたり、年間4週間の有給休暇が定められた『労働時間指令』があり、産業界からは労働時間を硬直化させていると改善を求める声が出ていました」(ロンドン在住のジャーナリスト・木村正人氏)  移民への反発も強かったといわれるが、移民の多くはポーランドなどの東欧系で、建設現場の作業員など、3K職場で真面目に働くのが大半だった。彼らが凶暴で、犯罪を多発させているということはなかったそうだ。  だが、現在のロンドンでは英国籍の白人の割合は5割を切ったそうだから、このままでは移民大国になってしまうという不安があったのではないかといわれているようだ。  離脱は、スコットランドや北アイルランドの独立に向けた動きにつながっていくのだろうか? スコットランドは離脱決定直後の世論調査で59%の住民がイギリスからの独立を支持したというから、この流れは止まりそうにない。  イギリスに進出している日本企業は900~1,000社ぐらいあるという。中でも、高速鉄道や原発の軽水炉を受注するといわれている日立と、約8,000人の労働者を雇用して年間50万台を生産している日産はどうなるのか。  日立はイギリス国内だからさほど影響はなさそうだが、日産の輸出先はEUだから、10%の関税がかけられることになる。今はポンド安だからいいが、これからどうなるか心配のようだ。  イギリスが離脱したことによって、次はどこか? フランス、フィンランド、オーストリア、オランダ、ハンガリーあたりが離れるのではないかとドイツは怯えているという。離脱でイギリスが頭を抱えているのが、世界の金融街「シティ」から大手投資銀行のモルガン・スタンレーなどが次々に移転を始めていることだろう。EU離脱で「パスポート制度」が使えなくなるからだ。これはEU内のどこか1カ所で免許を取得すれば、EU加盟国ならどこでも自由に支店を開くことができるというものだが、そのメリットがなくなってしまうからだ。  離脱決定で日本でも株価が大幅に下げ、円高が急激に進んだが、第一生命経済研究所の長濱利廣主席エコノミストは、1ドル=95円を割ってくることは大いにあり得るし、株も最大で1万4,000円台半ばまで売り込まれることもあると予測する。  経済のグローバル化を推し進めた結果、はるか遠い国であるイギリスのEU離脱が日本経済を直撃する時代だ。EU崩壊、トランプ大統領誕生などがあれば日本経済は吹っ飛ぶ。  アベノミクスなど風の中のチリのようなものであったことが、安倍首相も黒田日銀総裁も嫌というほどわかったことだろう。  今週の第1位は、やはりこれだ。女優・高島礼子(51)の夫で、元俳優の高知東生(51)が、6月24日、覚せい剤取締法違反などの容疑で、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部に現行犯逮捕されてしまった事件である。  それも、横浜のラブホテルでクラブホステス・五十川(いそかわ)敦子(33)と寝ている現場に踏み込まれたのだから、高島の心中いかばかりか。  高知は昨年6月、俳優として限界を感じ、妻を内助すると高らかに「主夫宣言」したのである。パーキンソン病を患っている高島の父親の介護もするとも言っていたのだが、年下の愛人との覚せい剤SEXに溺れていたのだから、あきれ果てる。  週刊新潮によれば、麻取が高知をマークしていたのは1年ぐらい前からだったという。「逮捕前日も捜査チームが2人のクルマをマークしていたところ、女が密売人とコンタクト。当日の朝2時頃になって、相次いでラブホへチェックインしたということなんだ。クスリはもちろん、体液のついたタオルや包まれた形のティッシュを押収したけど、その中にコンドームは見当たらなかったと聞いているよ」(捜査関係者)  高知は高知県出身で、明徳義塾の頃は高校球児だった。週刊文春で芸能デスクがこう話している。 「上京後は水商売を転々。AV女優のスカウトマンをしながら自慢のベンツを乗り回していたこともあった。俳優になってからも話題になるのは“女優との交際発覚”だけ。1991年から約5年間、人気AV女優のあいだもも(46)と結婚していましたが、結婚中から、かとうれいこ(47)、宮崎ますみ(48)、井上晴美(41)らと浮き名を流しています。(中略)高島と再婚したのは99年2月。彼は狙った女を『お前が一番だ』とホメ殺ししていくんです。高島と出会った頃から、『日本一の女優なんだ』と大はしゃぎで吹聴していた」  また同誌で、高知と高島が結婚する前に半同棲していたという元交際相手がこう話す。 「高島さんに言い寄っていた時には『俺はこの結婚に人生賭けてる。これが成功すれば一生安泰だ』と語るなど、ハナから“ビジネス結婚”だったのです」  高知と共に逮捕された五十川は、横浜市で歯科医師会会長を務める父親のもとで裕福な少女時代を過ごしていたようだが、十代の頃都内でスカウトされて大手芸能事務所に所属していたこともある。だが、タレントとしては芽が出ず、「あつこ」という芸名でレースクィーンをしていたという。  ちなみに、高島も元レースクィーンだった。五十川を知る芸能関係者が文春でこう語る。 「報道ではクラブホステスとなっていますが、彼女の本当の姿は、本名を捨てた芸能人専門の“プロ彼女”『あつこ』なんです。芸能人と接点を持つと“枕”ができる子を揃えて合コンを開く。そうすることで芸能人に気に入られ、人脈が広がっていく。まるで芸能人と寝ることがステイタスと思っているようでした」  高知とは、10年ぐらいの付き合いになるそうだ。文春でレースクィーン仲間が、五十川からシャブの話を聞いたのは08年頃だと話しているから、高知とのシャブを使った爛れたSEXも長く続いた“お楽しみ”だったようである。  逮捕後、当局は高知を伴って自宅をガサ入れして、ストロー1本と空の「パケ(覚醒剤を保管するビニール小袋)」を押収したと文春が報じている。その時、高島は東映京都撮影所にいた。高知逮捕の報を受けて、高島はテレ朝や東映のスタッフに「降板させてほしい」と平謝りし、覚せい剤については「私は大丈夫。いつ検査されても平気だから」と話したという。  自宅にまで覚せい剤関連の品々を残していたというのだから、妻である高島がまったく知らなかったのかという“疑惑”は当然ながら出てくる。それもシャブ中になって長いから、亭主の異変に気づかなかったのだろうか? “小股の切れ上がったいい女”高島に、人生最大の試練が襲いかかる。  彼女が主演した映画『極道の妻たち』のタンカのように「渡世のケジメつけさせてもらうで。高知死ね!」と、行くのだろうか? 【巻末付録】  先週、現代がSEX記事を大幅に縮小したので、これはポストとのわいせつ闘争から離脱かと思ったら、今週はまたページを割いている。  それも、講談社が昔出していた婦人雑誌「婦人倶楽部」の付録だったSEX特集を持ち出し、そこからSEXの奥義を学ぼうというのである。  ポストのほうは相変わらず「美熟女」もので、今週は「ヘアとTバッグと下着」特集。お暇なら見てよね!  現代のグラビアは「2016年、最注目の女優 片山萌美『挑発』」「撮り下ろしヘアヌード はるな」。名カメラマンたちが撮った「青春のヌード・セレクション」。バスで泡まみれになっている池上季実子のお尻が、なんとも言えずかわいい。  袋とじは「壇蜜 日本一美しいヌード」。壇蜜も35。熟れきった肢体を売るのも、そろそろ納め時か。   意外によかったのが、ポストの巻頭「葉加瀬マイ 遠雷」だ。写真も迫力がある。  後半は「妻の名は塔子 私の知らない女」と無名の子だが、なかなかいい。袋とじは「人気ナンバーワンのエロすぎる肢体を公開 川上ゆう」。私はこういうプロたちより、名前の知らない女の子の日常と、秘められた陰の部分という「物語」が好きだ。  飯田編集長自ら女の子捜しに出張っているのかな。趣味がいいよ! というわけで、今週はポストの辛勝。 (文=元木昌彦)

視聴者の言葉をつなぐ90分間のDJショー NHK総合『今夜も生でさだまさし』(6月29日放送)を徹底検証!

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『さだまさしトークベスト』(フォア・レコード)
 言うまでもないことだが、テレビ番組とは多くの人たちの手によって作られている。出演者、ディレクター、プロデューサー、カメラマン、音声スタッフ、美術、などなど。これだけ多くの人々が関わるというのはテレビの世界では常識であるが、その常識に歯向かっているのが『今夜も生でさだまさし』(NHK総合)だ。出演者はさだまさしと、構成スタッフと音響スタッフの3人のみ。VTRは差し込まれず、セットは簡素そのもので、テロップでさえ手書きのボードで提示される。制作にかかる人数と予算を極限まで抑え、原始的なテレビの形を模索しているのが『今夜も生でさだまさし』だともいえるだろう。  6月29日放送の舞台は京都の清水寺であった。普通なら貸してもらえない珍しいシチュエーションだが、さだはそのことに感謝を述べつつも、番組のスタイルはいつもと少しも変わらない。“清水寺の隠された秘密を暴く”的なノリは一切なく、いつものように淡々と視聴者からのハガキを読み続け、しゃべり続ける。それはいわゆるテレビの常識には反しているが、それでもテレビとして成立している。削ぎ落としたものが欠落ではなく、むしろ豊かさとして示されていて、わびさびの世界さえ感じてしまうほどだ。  もちろんそこには、さだのしゃべり手としての稀有な能力がある。ミュージシャンでありながら、ライブでのトークだけを集めたCDボックスセットを発売しているだけあって、どんなハガキの内容に対しても面白く落とすのはさすがだ。しかし、それはさだの才能の為せるわざではない。淡々と進行していく番組を注意深く見れば、さだは一切、どのハガキを読もうかと悩むそぶりを見せていないことに気づくはずだ。そこには、横にいる放送作家のスタッフさえもタッチしていない。さだは淡々と、あらかじめ決められた、というかおそらくさだが、決めた順番で、視聴者からのハガキを読み続ける。  この番組は、一見するとAMラジオのテレビ版に似ているが、むしろやっていることは90分間のDJショーだ。視聴者からのハガキをレコードとして、本来の音楽的な意味でのディスク・ジョッキーの作業をさだは行っている。だから注目すべきは、さだのしゃべり手としての能力よりも、むしろ「選曲」のセンスだ。90分間という時間の中で、視聴者からのハガキが最も効果的に聞こえるようなセットリストを作っているのは、明らかにさだまさしその人である。  たとえばこの日の番組では、東京都港区在住の稲見正子さん(65歳)によるハガキが読まれた。さだは「今夜も生でさだまさし。港区、稲見正子さん、65歳……」とハガキを読み上げたところで苦笑する。カメラに向かってハガキを見せると、その宛先の面には番組の名前が、もう一方の面には住所と氏名、年齢は書かれているのだが、そのほかのメッセージが書かれていない。「何かにご応募なさったんでしょうか?」と戸惑ったふりをしながらも、さだは港区の稲見正子さんだけに向かって「次はハガキのこの辺にご意見などお書きくださると、番組も盛り上がるという風に思います」と語りかける。  これは、明らかにアドリブではない。間違いなくさだは事前にこのハガキを読んでいるし、その上でこのハガキを選び、このタイミングで読もうと決めているはずだ。そしてそこにこそ、さだまさしというディスク・ジョッキーの選曲センスが現れている。バカにせず、嘲笑もせず、何もメッセージが書かれていないハガキを港区の稲見さんがわざわざ番組まで送ってきてくれたということに敬意を払いながら、その現象自体を楽しんでいる。それを稲見正子さんも含めた視聴者とともに、共有しようとしているのだ。  冒頭に戻れば、一般的にテレビ番組とは多くの人たちの手によって作られているわけだが、それでは本当の意味でテレビに必要なものとはなんだろうか? プロの技術だろうか? ある程度の予算だろうか? それとも時間なのか? どれも違う。テレビに最も必要なのは、視聴者だ。さだと視聴者がいれば、この番組は成立する。さだはそれを視聴者と一緒になって実践しているのだ。だからそこには、テレビの本来の豊かさがある。視聴者の意見が正しいかどうかではなく、生放送で自分のハガキが読まれ自分の名前が呼ばれるという、根源的な喜びにさだは寄り添っている。それを見て「さだはテレビを信じているのだ!」と言うこともできるだろう。あるいは逆に「さだは今のテレビに対する批判を行っているのだ!」と言うこともできる。どちらも間違ってはいないのだろうが、しかし実は、そんなのはどちらだっていいのだ。何が正しいかどうかではない。さだがいて、視聴者がいる、ただそれだけでいい。テレビなんてものは今までずっとそんなものだったのだし、これからもきっと、そんなものであり続けるのだろう。  ここ最近、テレビとネットの断絶は延々深くなり続けている。テレビはネットユーザーに代表される視聴者層をあまりにも雑にカテゴライズし、ネット側はテレビに代表されるマスコミを単一化する。それが楽しいのならそれはそれでいいのだろうが、しかしわざわざせせこましく生きる必要もないだろう。テレビがある。視聴者がいる。それだけで、本当はとても豊かなのだ。『今夜も生でさだまさし』はこれまでも、これからも、その一番大切なことだけをきっとつぶやき続けるのだろう。NHK総合の深夜枠という、世界の中心であり、片隅でもあるという不思議な場所から。 【検証結果】  補足的になるが、この番組における出演者がさだまさしを含めて3人であるという点は重要だろう。さだひとりであれば、さだとハガキとでの意見のやり合いになってしまう。さだの隣にもうひとりだけいたとしても、さだはハガキ側か、もうひとり側のスタッフ側に立たなければならなくなる。だが、もうひとり加えて、現状のようにさだともう2人がいれば、敵対関係は必要なくなり、そこで雑談が生まれる。この番組は低予算、低人数をコンセプトとして求めているが、それでも出演者は3人いないといけないというのは重要な点だ。正しさはいらない。少なくともさだが求めているのは、正しさではなく、雑談そのものなのだろう。 (文=相沢直) ◆「タレント解体新書」過去記事はこちらから◆ ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは @aizawaaa

「これまでつぎ込んだカネ返せ!」韓国スタバの“軍人びいき”に女性たちが大ブーイング

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店員の後ろのポスター白文字は「スターバックスは、大韓民国軍将兵のみなさんを応援します」と書かれている
 韓国のスターバックスコーヒーでは、昨年10月1日の「国軍の日」から今年9月30日までの1年間、朴槿恵大統領から1泊2日の“大統領特別休暇”を与えられた軍人に、休暇中、無料でコーヒーを提供するイベントを行っているが、これに対し、女性たちから猛烈な反発が巻き起こっている。  実は、スタバと韓国女性は浅からぬ関係にある。韓国では2005年頃から、女性を中心に「スタバはただのカフェではない。ひとつの文化だ」という考え方が広がり始めた。1回分の食事代に相当するほどの値段のコーヒーを飲み、ブランド品を好むといった、身の丈に合わない生活を送る女性を指す“テンジャン女”(味噌女→女性は味噌とクソの区別ができないという意味)という流行語も、スタバの存在があったからこそ誕生したもの。韓国でスタバが定着できたのは、良くも悪くも女性たちの貢献によるところが大きいといえる。  それだけに、今回のイベントにおいて「裏切られた」と感じる女性が多いようだ。ネット上には「今まで男性たちに“テンジャン女”とバカにされながらスタバにお金を注ぎ込んできたのに、サービスを受けるのが軍人だなんて……」「スタバの顧客は、どう見ても女性が圧倒的に多い。そんな女性たちには何もしてくれないのに、いきなり軍人向けに無料イベントだなんて理解不能」といった、怒りのコメントが後を絶たない。  スターバックス・コリアの本社には「今すぐイベントを中心しろ」との抗議電話が殺到。ネット上の女性コミュニティーでは「スタバ不買運動」まで展開されている。おまけに、軍隊服務とスタバをかけて「軍務バックス」と揶揄するありさまだ。  このような女性たちの反応に対して、男性たちの反発もすさまじい。「軍人が休暇中にコーヒー1杯タダで飲むのが、そんなに許せないのか。お前らを守るために頑張っているんだからいいだろ」「軍人がすべて男性だと考える時点でバカ確定。女性軍人もいるんだぞ」と、またもや「男性 VS 女性」の対立が激化しているのだ。  それにしても、主要顧客層である女性たちの反感を買って、予期せぬ危機を迎えたスターバックス・コリア。はたして、離れかけている彼女たちの心を、無事に取り戻せるだろうか?