ついにバス業界にも進出!? 異例の大ヒットDVD『車両基地』仕掛け人・手老善さん

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車両基地ファンの間ではおなじみ、手老善さん。(「鉄道ネイル」の久野知美さんの回(記事参照)でも、ちょっとだけ登場)
身の回りにいそうでいない、ちょっと変わったことをしている人や、面白そうな場所に、文筆家のやきそばかおるが直撃取材!  車両基地の貴重な映像を集めたDVD『車両基地』(ユニバーサルミュージック)が話題だ。車両基地というと縁遠いものがあるが、なかなか売れないといわれているDVD業界において7000枚を超える大ヒット。今月21日には、続編『車両基地2』も発売された。監修は “車両基地界の隠れた有名人”手老善(てろう・ぜん)さん(株式会社ジェイアール東日本企画)。実は、ほかにも意外なお仕事に関わってらっしゃるということで、お話を伺った。 ■この車両基地がすごい! やきそば 「やっぱり、いつも車両基地のことで頭がいっぱいですか?」 手老善さん(以下、手老) 「もちろん、仕事はきちんとしていますが(笑)、車両基地のことは気になりますね。大好きですから」 やきそば 「『車両基地』のDVDの第1弾では、主に山手線にスポットを当てていましたが、ほかにおすすめの車両基地は?」
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渋谷駅付近しか地上に顔を出さない銀座線の電車が踏切に!(東京地下鉄上野検車区)
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広大な地下空間。まるで秘密基地だ。(東京地下鉄上野検車区)
手老 「まずは、東京メトロ銀座線の車両基地です」 やきそば 「おお! なんだか、薄暗い空間に車体が光っていて未来を感じますね。銀座線の車両基地は、どこにあるんですか?」 手老 「上野です。銀座線の車両基地のことは、あまり知られていませんね。日本初の地下鉄の車両基地で、地上・地下と2層構造。地下鉄(特に、電気を線路の脇にある3本目のレールから取る第三軌条方式)としては珍しく、踏切があります。まさに唯一無二の存在感です」
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電気の消えた地下鉄なんて、よく考えてみれば普通見られない。(東京地下鉄上野検車区)
やきそば 「あらためて見ると、迫力がありますね! 回送電車ということになるから、一般のお客さんは電車に乗ったまま踏切を通過することはないというわけですね。銀座線といえば、時々、新型車両も走っていますが、まだ車両の数が少ないため、乗るとワクワクします」 手老 「実は、まだ新型車両の数は多くありませんが、写真に写っている01系はもう数年のうちに新型車両にどんどん切り替わっていくそうで……。だから、01系は今のうちに見ておかないと、見られなくなってしまうんです」 やきそば「ひょえ~~。それじゃあ、01系も今のうちに記憶に残しておきます」 手老 「あ、DVD『車両基地2』でも、じっくり見られますよ」 やきそば 「隙のない宣伝!(笑)」
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こんなに大きい赤い物体が集結する場所は、なかなかなさそう……。(京浜急行電鉄久里浜運転区)
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太陽光が反射するステンレスの車体がカッコイイ!(京浜急行電鉄久里浜運転区)
手老 「京急(京浜急行電鉄)の車両基地もおすすめです。京急は、鉄道ファンの方だけでなく、それほど鉄道に興味がないという方でも、好きな人は多いんです」 やきそば 「京急の車両基地の特徴はなんでしょう?」 手老 「京急最大の車両基地である久里浜の車両基地には、運転区と検車区、工場が並んでいまして、複数種類の真っ赤な車両たちが鎮座している光景は圧巻です。また、神奈川新町にある車両基地には、基地の中間を横断する踏切があり、その前後が留置線という珍しい光景が望めます。DVDにも収録していますが、ピットでの点検や作業風景も見どころのひとつですね」 やきそば 「お~~。一瞬、置いてきぼり感を食らってしまいましたが……」
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信号機やポイントを切り替える信号扱所。静かながらも緊張感のある室内に、確認の声とスイッチの操作音が響き渡る。(京浜急行電鉄久里浜運転区)
手老 「あと、作業に関して言いますと、京急はほかの鉄道会社と比べて、手を使って作業をすることが多いですね。鉄道の運行の管理に当たっては、コンピューターで制御されていることが多いのですが、京急の場合は例えば信号を変える時も、手でパチッパチッとスイッチを変えたりして、『人間が支えているんだな~』という感じが特にします」
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西武鉄道小手指車両基地には、線路の保守車両もある。主に動くのは終電後だ。
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ピットでは定期的に車両の点検が行われる。(西武鉄道小手指車両基地)
手老 「あとは、小手指にある西武鉄道の車両基地もおすすめです。西武池袋線小手指駅から延びた約800mの非常に大きな車両基地です。西武鉄道最大のこの基地は、一般車両はもとより、特急車両、直通する東京メトロや東急などの車両も留置されているため、バリエーションが豊かです。西武線の昔ながらの黄色い車両があったり、メトロのアルミ製の車両があったりと」
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レアな並びも車両基地ならでは。(西武鉄道小手指車両基地)
やきそば 「これは西武鉄道ならではの光景ですね」 手老 「通常の黄色い3000系車両のほかに、『ライオンズ』と『銀河鉄道999』のラッピング車が並んでいる光景は、非常に貴重ですよ!」 ※勘のいい方はお分かりでしょうが、こちらもDVD『車両基地2』でお楽しみいただけます。 ■手老さんは、こんな仕事もしていた!  ちなみに、手老さんのメインの業務は、車両基地のDVDを作ることではない。 やきそば 「手老さんは、鉄道の番組にも関わってらっしゃいますよね」 手老 「はい。例えば『中川家礼二の鉄学の時間』という番組には、相談役で携わっていました」 手老さんは、鉄道ファンの芸能人との交流も広く、鉄道についてもっと知りたいという方から、“相談”を受けることもあるそうだ。 手老 「あと、車両のドアの上にモニターがありまして、『トレインチャンネル』っていうのですけれど、それにまつわる仕事もしておりました。社会人になって間もない頃、2005年~06年にデジタルサイネージ(電子看板)が普及し始めたんですけど、そのシステム開発や運用をしていました。放映する天気予報やニュースのデザインを考えるにあたり、文字の大きさや文字数はどのくらいであれば読みやすいかといったことも考えていましたね」 やきそば 「ひょえ~~」  そう、手老さんの本職はSEだったのである。普段見ていたあのニュース画面を手がけていたなんて! 手老 「ほかにも、バスの車両基地DVDなんていうのも……」 やきそば 「なに!? バス業界にまで進出?」  バスマニア狂喜乱舞!  バスの車両基地DVDは9月18日発売予定とのことなので、もうしばらくの辛抱……。それにしても、車両基地DVDをヒットさせて、続編を発売したかと思いきや、今度はバスの車両基地DVDも手がけるという、手老さんの今後の活躍に期待したい! niyaniyasss.jpg ●やきそば・かおる 山口県出身、東京都在住。ライター、構成作家、写真家。趣味は、変わった人に会って、変わった話を聞くこと。「相づちだけはうまいと言われます」(本人談) Twitter@yakisoba_kaoru

「フクイチ汚染水漏れ」を扱うのは週刊朝日のみ……週刊誌ジャ-ナリズムは崩壊寸前?

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「週刊朝日」9月6日号 中吊広告より
今週の注目記事 1「故・吉田元所長の“遺言”を無視した東電の大罪」(「週刊朝日」9月6日号) 2「エイベックス松浦勝人社長『女とクスリ』」(「週刊文春」8月29日号) 3「馬券裁判男が使った『馬王』データ大公開」(「週刊アサヒ芸能」8月29日号) 4「知られざるニッポンの《公的差別》一覧」(「週刊ポスト」9月6日号) 5「消費税はやっぱり上げない? 安倍総理が財務省幹部に『君たちは切腹しろ』」(「週刊文春」8月29日号) 6「藤圭子さん 壮絶死の真相」(「週刊朝日」9月6日号) 7「IOC委員98人の票読み! さあ困った! 五輪が東京にやってくる!」(「週刊新潮」8月29日号) 8「美しすぎる『ファーストレディ』のゴルフスイング」(「週刊新潮」8月29日号)  ルポライターの日名子暁さんが亡くなった。体調が悪いとは聞いていたが、早すぎる死だ。  今井照容責任編集の「文徒」(2013年8月26日)で今井氏がこう書いている。 「日名子暁、言うまでもなく週刊誌ジャーナリズムの黎明期を支えたトップ屋である。特に創刊直後の『週刊ポスト』には『週刊現代』から移籍して深く関わった。別冊宝島の黄金時代でも活躍した。そうえいば、大学を中退しマナセプロで坂本九のマネジャーをしていた時代もある。南米、ジャパゆき、パクリ屋、パチンコ、裏社会など。ひたすら権威や権力とは無関係な方向にフィールドを求めたのが矜持だった。  そんな日名子暁さんが亡くなった。もしかすると、ルポライターという言葉がこれから死語になるかもしれない」  今週のグラビアで一番“衝撃的”だったのは、安倍晋三首相・夫人“アッキー”こと昭恵さんの写真だ。新潮のモノクログラビアにドライバーをトップに構えた写真が載っているが、このフォームがスゴイ。  私のようなヘタなゴルファーから見ても、素晴らしいのがよくわかる。プロゴルファーの沼沢聖一氏がこう評している。 「上半身がしっかりと捩れているのは下半身が安定しているから。ボールを左目で見る顔の角度も完璧です。素人の女性でここまで美しいトップを取れる人はいませんよ。90点は上げても良いですね」  安倍首相は口だけではなく、ゴルフでも妻には勝てないようである。  先日は現代が2020年の五輪開催は東京に決まったという“スクープ”を特集したが、今週は新潮が、どうやら東京になりそうだと報じている。これが注目記事の7。  だが現代のようにバンザイではなく、「さあ困った!」と喜んではいない。  スポーツ紙の五輪担当記者が、こう票読みをする。 「イスタンブールは、評価委員会の評価報告書でもかなり厳しく書かれ、まだ“時期尚早”と読み取れる。何より、5月末から続いている反政府デモの影響が大きい。第1回の投票では、イスタンブールが最下位。東京とマドリードの決戦投票になるという見方が圧倒的に多いですね」 「ズバリ、東京はマドリードに6割の確率で勝てると見ています」と話すのは、五輪招致委員会の幹部。 「IOC委員が最も多いのは欧州で40名超。欧州諸国はマドリード支持が多いと思われがちですが、東京は欧州票をかなり固めています。まず、24年に五輪招致を目指しているフランス(3名)とイタリア(3名)は、確実に東京に投票してくれる。マドリードで五輪が開催されれば、次は同じヨーロッパの可能性は低くなる。敵の敵は味方の論理です」  だがアジア票の中国(3名)、韓国(2名)、北朝鮮(1名)は見込めないし、中国の影響の強いアフリカ票(12名)も期待できないから、まだまだ予断を許さないようである。  新潮の言うように「百害あって利は僅少」の五輪よりも、震災復興、景気回復を急がなくてはいけないはずである。私は今でもマドリードが有力だと思っているのだが。  次は、藤圭子(62)の飛び降り自殺についての記事。69年に「新宿の女」でデビューし、70年には「女のブルース」「圭子の夢は夜ひらく」が大ヒットした。作家の五木寛之氏が彼女の歌を評して、彼女の歌は「演歌」ではなく怨みの歌「怨歌」であるといったことで、70年安保で挫折し、先に希望の見えなかった私のような若者たちに熱狂的に迎えられた。  「15、16、17と、私の人生暗かった~」と歌う彼女の「夢は夜ひらく」は、まだ青線の名残のある新宿ゴールデン街によく似合った。  自殺のニュースが流れたのが先週木曜日だから、現代、ポストはギリギリ突っ込んだはずだが、現代はかなり突っ込んだ取材をしている。だが、時間的な余裕のあった週刊朝日のほうが読み応えがある。  目の不自由な母親の手を引きながら、浅草、錦糸町を流していた藤の子ども時代を、芸能レポーターの石川敏男氏はこう語っている。 「藤が『ジャムパンを食べたい』というのを映画で共演した女優が聞いて買ってあげたところ、藤は『子どものころ、ずっと食べたかったけれど、食べられなかった』と言って泣きだした。夜になると藤がその女優のホテルの部屋に『寂しいから一緒にいて』と訪ねてきて、一晩中、それまでの苦労話を語ったそうです」 「藤が世に出るきっかけになった「新宿の女」の作詞をした石坂まさを氏は著書で、藤が売れ出した直後、両親がカネを無心しに来た話を明かしている。藤は両親から逃れるように、人気絶頂の71年、歌手の前川清と結婚。これを境に、芸能生活が暗転していく。『夫婦仲はすぐ冷め、前川は家で水槽の鯉をじっと眺めているばかりで、藤はその横でよそを向いている、などと言われました』」  その前川とは1年で離婚。28歳で芸能界引退を表明し、渡米する。82年にアメリカで知り合った宇多田照實氏と結婚。ヒカルが生まれる。  ヒカルは15歳でデビューするといきなり800万枚を売上げ大スターになっていくが、夫や娘との距離は次第に離れていってしまったそうである。  そして06年3月、JFK空港で米司法省麻薬取締官が藤が持ち込もうとした現金約4900万円相当を差し押さえる。麻薬への関与はなかったという主張は認められ、カネは返却されたが「異常な金銭感覚が世に知られることになった」(同)  その後も離婚を繰り返し、実の母とも疎遠になり、娘とも離れて東京へ戻り、人知れず新宿のマンションで30代の男と暮らしていたという。  06年に藤自らが電話して出演したというテレビ朝日のインタビューで、藤はこう話している。 「私はもう藤圭子でもなんでもない。(藤圭子は)お金もうけのために、人からもらった歌を歌って、喜びも悲しみもわかちあって、10年で幕を閉じた」  元夫の照實氏はTwitterで、4月に自殺した牧伸二についてこうつぶやいている。「福島被災者慰問で彼(牧)は『やんなっちゃった』って50年も言ってると本当にやになっちゃった。藤圭子も言ってます。救いのない歌詞を長年歌っていると何だか人生救いが無くなるって」  彼女の人生が、彼女の歌っていた歌詞の通りでいいはずはない。だが、彼女の訃報を聞いて、彼女らしい人生の閉じ方をしたのかもしれないと、思ったのも事実である。  宇多田ヒカルが公式サイトで、こうコメントしている。 「彼女はとても長い間、精神の病に苦しめられていました」「母が長年の苦しみから解放されたことを願う」「彼女の最後の行為は、あまりに悲しく、後悔の念が募るばかりです」「悲しい記憶が多いのに、母を思う時心に浮かぶのは、笑っている彼女です。母の娘であることを誇りに思います」  藤が生きているとき聞かせてあげればよかったのにと、思わざるを得ない。  安倍首相が8月15日に靖国神社へ参拝しなかったことが、さまざまな臆測、批判を呼んでいるが、来年4月に8%にアップする消費税も、どうやら上げない方向に舵を切ったらしいというのが、週刊誌大方の見方のようである。  文春は11日間に及ぶ長い夏休みを取った安倍首相が、「消費税3%に懸念を表明している内閣官房参与の本田悦朗・静岡県立大教授とゴルフをしたり、慎重派の中川秀直元幹事長と食事をしたりするなど、(財務省の=筆者注)規定方針通りにはいかせないことを匂わせている」(政治部デスク)と報じている。  このところ読売新聞の渡邊恒雄主筆が、消費増税に反対の態度を取り始めていることに自信を深め、ブレーンの高橋洋一嘉悦大学教授も「凍結を判断すれば支持率が上がり、政治的にもスーパーパワーを持つことが出来る。悲願の憲法改正も近づくことになる」といっている。  スーパーパワーを持つかどうかはわからない。株は1万3,000円台をうろうろし、円高も思ったほど進まない。一方で輸入品の値段は上がり続け給与は上がらないのでは、増税凍結は当然の帰結であろう。  注目記事の4はポストの記事。来年度から70歳になる人の医療負担が2倍になったり、43歳以上の女性は「出産不適格」とみなされ、不妊治療の助成を制限する。1961年4月生まれ以降は、それ以前に生まれた人と比べると大幅に年金が減額されるなど「公的差別」が甚だしいと怒っている。  ポストの言い分はこうである。 「見落とせないのは、国家が『格差』をつくり出す背景に、国民の不安を分散させる『分断統治』の状態をつくり出す狙いがあることだ。  年金でいえば、政府があえて『得する世代』と『損する世代』という世代間格差を作ることで、すでに年金を受給している60歳以上の3000万人は、現役世代の負担がどんどん増えても“得させてもらっている”という負い目から政府を批判できない。健康保険料の地域格差も同じ構造だ。  そうやって社会保障制度に対する矛盾や不満から国民が結束することを防ぎ、真綿で首を絞めるように負担を増やしていく。『格差を是正するのは国民のため』といいながら、本当は官僚や政治家に都合のいいシステムを維持するために社会に官製差別がつくられ、上塗りされているのである。  たとえ国民はそれに気づいても、容易には変えることができない。  官僚が心血を注いで築いたこの差別のメカニズムこそ〈国民を不幸にする日本というシステム〉の根底にある病巣なのだ」  世代間格差などという、官僚や政治家たちの悪巧みに乗せられてはいけないこと、言うまでもない。  アサヒ芸能に、競馬ソフトを駆使して約5億7,000万円の払い戻しを受けていたことを「脱税」とされ、裁判を受けたA氏の馬券戦術のことが載っている。判決では外れ馬券も経費と認められ、脱税額は5,000万円に減額された。  競馬ファンには参考になるはずだ。 「被告人は回収率に影響を与え得るファクターについて、それが回収率と普遍的な傾向が認められるか否かを、予想ソフトの機能を用いて検証した。その結果、回収率との関係に明確・普遍的な傾向が見出せないファクターについては、ユーザー得点(独自の設定により導き出された出走馬の得点)に反映させなかった。前走着順、競走馬の血統、騎手、枠順、性別及び負担重量など、最終的に約40のファクターを採用した」(判決文より一部要約)  A氏は競馬のさまざまな予想ファクターの一つ一つを検証して、回収率を高めることができるデータに着目し、出走馬に独自の得点を定めていたというのだ。  A氏が使っていた競馬ソフトは、JRA-VAN(JRAの競馬予想サービス)のビッグデータを取り込める予想ソフト「馬王」である。それに「JRDB社」のデータも使用していたという。「JRDB社」の奥野憲一氏がこう話す。 「的中率軽視で回収率に注目した結果、約5レースに一回当たれば利益が得られるような馬券購入スタイルを構築したわけです」  さらに奥野氏は、こう続ける。 「A氏は持ち時計やコース実績など、数値化できる予想ファクターを吟味していたと思います。逆に、当日のパドックや返し馬といった、具体的な数値に置き換えられないファクターは無視していたようです。また、裁判でも明らかになっていたようですが、新馬戦や障害戦を買わなかったのは、実力判断におけるデータが不足していることと、落馬や気性的なトラブルによる不測の事態を懸念してのことでしょう。そのわりに1番人気の勝率が高いわけですから、理想的回収率の妨げになる。購入しなかったのは当然の策でしょうね」  競馬ライターの後藤豊氏も、こう言う。 「A氏の狙いはオッズ5~7番人気の馬だったようです。また、穴馬を見つけた場合、普通は総流しをかけたくなりますが、A氏は購入馬を予想ソフトで得点の高い5~6頭にしぼり、馬連や馬単など複数の買い方をしていたのです」  また、馬単で断然の人気馬を1着固定で流しても、馬連と配当は変わらず、妙味がない。逆に、人気馬の、いわゆる“ウラ目”買いは、馬連の3~4倍になることもよくあるから、妙味ありだという。  それでもA氏の07~09年の3年間の回収率は104%である。これほどの知識や実践力があっても、競馬で儲けるのは至難の技であると、アサ芸は結んでいる。  よくわかるな~、その気持ち。  芸能界のスキャンダルをやらせたら文春に敵うところはどこにもないだろう。その文春が今週は芸能界の雄・エイベックスの松浦勝人社長に噛みついている。 「EXILE、浜崎あゆみ、安室奈美恵、倖田來未ら多くの人気アーティストを抱えるエイベックス(エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社を持ち株会社とするエイベックス・グループ。以下同)は、一九八八年に松浦氏らによって設立された。貸しレコード屋のアルバイトから始め、同社を東証1部上場の日本を代表するエンタテインメント企業に成長させた松浦氏は、若手起業家の鏡として経済誌にも取り上げられる。創業からちょうど四半世紀を超えた今、二〇十三年三月期決算では売上高一千三百八十七億円、営業利益は百四十億円、ともに過去最高を達成した。今では『夢を実現したカリスマ経営者』『クリエイティビティの天才』と称賛される」(文春)  そのカリスマが女性好きで、クスリにも手を出しているというのだ。松浦氏の自宅パーティによく出ていたという常連が、こう語っている。 「地下一階は完璧なダンスクラブになっていて、DJブースと大きなソファが四つ並んでいました。中央にミラーボールが煌めいていて、参加者や社員が踊り狂うんです。松浦さんはそこで酒を飲むと、エレベーターで2階に上がり、そこは八十インチ以上もあるテレビがあって、大音量で音楽を流していました。  中央に彼の特等席のソファ、右側に三つのベッドルームがありました。連れてきた女の子をそこに連れ込んで、セックスをする。で、ことが終わると、ニヤニヤしながら戻ってきて、大麻を吸うんです。それがパーティーのパターンでした」  松浦氏の友人もこう話す。 「長い間、大麻とコカインは常習していましたね。あとMDMA(合成麻薬)が好きで、懇意にしているヤクザにそういった薬物の調達を頼んでいました」  今をときめく芸能界のカリスマに薬物疑惑。だが以前にも、文春がやった沢尻エリカの薬物疑惑の際、彼女に松浦氏が「ドラッグならいつでも用意できる」という発言をしたと報じたが、エイベックス側は「事実無根」だと回答するだけで、名誉毀損で訴えたりはしていないようである。  今回の記事に対して、松浦氏はどういう反応をするのだろうか?  このところの週刊誌に抱いてる私の不満は、大事なことに目をつぶり、どうでもいいことばかりにページを割いていることだ。  たとえば、秘密保全法案がそれである。朝日新聞(8月24日付朝刊)でこう報じている。 「安倍政権は秋の臨時国会に提出する秘密保全法案で、国の機密情報を漏らした公務員らへの罰則を最長で懲役10年とする方針を固めた。対象となる情報は防衛や外交など安全保障に関する4分野で『特定秘密』と指定されたもの。同盟国の米国などと情報共有を進める必要があるため、漏洩(ろうえい)に対して厳罰化を図る」  告発サイト「ウィキリークス」に米外交公電などを流出させてスパイ罪などに問われたブラッドリー・マニング上等兵(25)に、禁錮35年の判決が言い渡されたが、アメリカ・オバマ大統領が、機密漏洩に対して厳罰化で臨んでいるのと同じ流れにある。  国家の秘密を漏洩した者は許さないという「脅し」をかけて、自分たちのやっている悪事を国民に知らせないという企みは、国民の知る権利に抵触し、憲法違反にもなるはずである。  こんな法律ができたら、メディアに情報を漏らす公務員はいなくなる。新聞はもっと反対キャンペーンをやらなくてはいけないのに、個人情報保護法の時と同じように、動きが鈍く、まるで当事者意識がない。週刊誌には残念ながらもっとない。  福島第一原発の汚染水たれ流しは由々しき事態であるが、ほとんどの週刊誌が触れようともしないのは、雑誌ジャ-ナリズムの死を予感させる。  特集で扱っているのは、朝日だけというていたらく。「冷やし中華大研究」(ポスト)に割く5分の1でもこの問題に触れるべきではないか。そこで今週は朝日を1位に推す。  フクイチ幹部が、吉田昌郎元所長(享年58)がこう語っていたと話す。 「吉田氏は病床でも汚染水の問題を気にしていて、『一歩間違えると取り返しのつかない惨事になる』『レベル3や4の事故が再び起きてもおかしくない』と語っていたんです」  その言葉通り、東電は8月21日までに汚染水が地下水を通じて海に漏れ出していたことをようやく発表し、漏れ出した放射性ストロンチウムが最大10兆ベクレル、セシウムは最大20兆ベクレルという天文学的な数値を公表したのである。  言うまでもなく、東電のずさんな汚染処理への対応とコストをケチったことが、これほどの深刻な事態を招いているのだ。  これから周囲の土地を凍らせて原子炉建屋への地下水の流入を防ぐ「凍土方式」の遮水壁を建設するというが、その効果は未知数だという。  京大原子炉実験所の小出裕章助教がこう語る。 「原子炉が冷えるまでには、あと何十年もかかる。遮水壁でせき止め続けると、行き場を失った地下水の水位が上昇し、周囲はいずれ汚染水の沼地になってしまう。貯水タンクを置く場所も早晩、足りなくなる。水での冷却を続ける限りトラブルは止まらず、いたちごっこになるでしょう」  いまだに有効な手を打てない東電と安倍政権には期待しても仕方ないが、吉田元所長のこんな予言が実際のものになるとしたら、福島周辺はもちろん、日本の周辺海域が放射能汚染水で死の海になってしまうかもしれないのだ。 「一つがダメになると、連鎖的に瓦解する。原発が次々と爆発したように……」  「福島第一原発の危機は終わっていない」「国民の知る権利を封じる秘密保全法案に反対」という特集が載る日を、心待ちにしているのだが。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

「お笑いを10年やって……」【高村めぐみ】声優3役同時デビューの大抜擢!

takamuramegumi01.jpg  元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとして可愛い声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の24回目! 今回は、『おジャ魔女どれみ』のララ役でおなじみ、高村めぐみさんが来てくれました! ――よろしくお願いします! 唐突ですが、高村さんの名前をネットで検索すると、同名のAVの女優が出てきますよね。もしや……? 高村 別人です(笑)! それ、うちの父も勘違いしてたんですよ。「芝居をやってたから、若気の至りで出たのかと思った」って、失礼にもほどがある(笑)! たまに、ウェブでどなたかが私のことを書いてくださるとき、出演作に『夢のクレヨン王国』、『おジャ魔女どれみ』、『さやかの診察室』……ちょっと、それは出てない!! みたいなこともありますね(笑)。 ――さりげなくタイトルが紛れ込んでると信じちゃいますね! あと、婚活の本を出しているライターさんにも同名の方がいたんですよ。これは……? 高村 違いますね! 婚活の本は書いてないです~。 ――そうでしたか~。では、“風流三昧”という女芸人も別の方? 高村 それは……やってました(笑)! 今まで本当に色々やってきたので、なんでも「この人ならやっててもおかしくない」って思われてしまうんですよ。でも、婚活とAVはやってないので! ――あはは、了解しました! 芸人さんとしての活動は、どんな流れで始めたんですか? 高村 もともとお芝居をしていて、たまたま舞台で知り合った方と、「劇団みたいなのを作って、芝居っぽいことやらない?」って話になって、その流れで3人集まり、なぜかお笑いに……。 ――トリオを組まれていた女優さんが、当時を振り返って「地獄の日々」とおっしゃってました。そうとうハードだったようですね。 高村 地獄でした……! ネタも自分たちで考えるんですけど、だんだん「笑いを取るって、何!?」って、わけがわからなくなるんですよ……。 takamuramegumi04.jpg ――トリオは全員若くて美人だったのに、「だっちゅーの!」みたいなユルい感じではなかったんですね。 高村 シティーボーイズさんが好きだったので、「芝居×コントをやりたいよね」ってやっていたんですけど、いかんせんノウハウを知らず、誰かに教えてもらうわけでもないから、結局ピヨピヨピヨピヨやってるだけで……。 ――でも、歌も出されてましたよね。「高飛車音頭」と「ざけんなよ! 高砂や」を聴きました、面白かったですよ! 高村 それはたまたま知り合いが作ってくれただけで、歌手活動ってほどでは……聴いたの? そんなのどこに残ってるんですか!? ――インターネットの渦の中に……。結婚する元彼にずっと文句を言い続ける歌詞で、面白かったです~。 高村 それ、私が作詞しました……。お恥ずかしい。ネットって怖いですね~。なんで残ってるんだろ~。 ――風流三昧はどれくらいの期間活動されていたんですか? 高村 えっと……10年? ――そんなに長く!? 高村 いろいろあって1人抜けて、残った2人でパーティカラーっていうコンビもやってたので、その時期を合わせると、やっぱり10年弱ですね。『おジャ魔女どれみ』と『夢のクレヨン王国』をやってる期間と綺麗にかぶっているので。 ――お笑いをやりながら、どうやって声優さんのお仕事を始められたんですか? 高村 偶然です。当時所属していた事務所の先輩に、ピンクの電話さんがいたんですけど、お2人が声優のお仕事をされていたこともあって、マネージャーが声優のオーディションを取ってきてくれて、たまたま私が受かった。それが『夢のクレヨン王国』という東映のアニメで、私はキャーベッタと水色大臣、シルバー号の3役をやらせてもらうことになったんですね。 ――デビューで3役も!? 高村 ラッキーでしょ(笑)。だから、声優さんを目指している方には申し訳ないぐらい、運がよかったの……。 ――運だけで3役は無理ですよ! そして今は、声優業や女優業だけじゃなく、マジックもやられているとか。手広いですね~。 高村 そうですね。でも、Dr.レオンというマジシャンのアシスタントをやっているだけで、私はマジックはできないですよ(笑)。できるようになった方がいいかな、と思って勉強はしてるんですけど、何もかも中途半端で……。 takamuramegumi02.jpg ――プリンセス・テンコーさんも何度も大怪我されてますし、けっこう危ないジャンルですよね。運動神経は良い方ですか? 高村 ぜんぜん(笑)。よく転ぶし、ぶつかるし、スカートを履くと膝小僧が傷だらけ(笑)。アシスタントをやっていても怖いですよ! でも、変な話、舞台に上がると、自分じゃなくて“マジックのアシスタントのお姉さん”になるんです。そうやって常に自己催眠をかけています(笑)。 ――他のお仕事と比べて、マジックの大変なところは? 高村 お芝居も、歌も、踊りも、本当にいろいろやったけれど、誤解を生むかもしれませんが、他の芸能は失敗してもなんとかなることがあるではないですか。例えば、終わりよければ、みたいなかんじで。でもマジックは、失敗したらトリックがあからさまになってしまって、芸能として成立しなくなってしまう。そういう意味で一番怖い芸能です。 ――箱に入ってる人に剣を刺すマジックとかだと、本当に最期になってしまいますしね……。そういう危機感からでしょうか? 高村さんのブログを読んでいたら、突然『遺言』が出てきて……。「延命処置はせずに、臓器は全部提供して、残りは献体に……」って、ビビリますよ! 高村 それは、酔った勢いで、つい(笑)! でも、死んだあとの体には執着がないんですよ。それで助かる人がいるなら、焼いちゃうのはもったいなくないですか? ――あと、他のブログ記事にも、急に「私はパートタイムラバーに望まれやすい」って書いてあって爆笑しました。それも酔った勢いで? 高村 やだ(笑)! 酔った勢いでしょうね(笑)! でも、望まれやすいだけで、なってはいないですからね! そこは大事ですよ!! でも、なんでなんだろう……? 軽そうで、後腐れなさそうに見られるのかなぁ。後腐れあるのになぁ。すごいネチネチしてるんですよ、私……。 takamuramegumi03.jpg ――外見が華やかな人は「若い時は口説けなかったけど今の俺ならイケるかも」みたいな希望を持った年配の人が寄ってくる気がします。 高村 っていうか、ブログとかウェブのものって、酔っ払った勢いで、ろくでもないことを書いてるので、こうして掘り返されると、すごく恥ずかしい。 ――あはは。お酒はよく飲まれるんですか? 高村 飲みます。かなり控えようとはしています。記憶がなくなるまで飲むのは、今はやめてますので(笑)! ――記憶をなくすまで飲むのをやめると、だいぶ自分を信用できるようになると思います! ちなみに、この業界以外の仕事に就こうと思ったことは? 高村 ちょっと思ったことはあるんです。でも、必ずそういうタイミングで「芝居に出ない?」とか「マジックのアシスタントやらない?」ってお話をいただくんです。だから、「これは続けろってことだな!」と思って(笑)。 ――そうですね! では最後に、今後の野望を教えてください! 高村 いつか、芝居も、踊りも、マジックも、コントも、すべて融合したようなものをやっていきたいです。もう、いまさら後には引けないし、やっぱり好きなので(笑)。 ――どうもありがとうございました! (撮影=宍戸留美/構成=小明) takamuramegumi05.jpg ●たかむら・めぐみ 1969年11月2日生まれ、東京都出身。声優、舞台女優、マジックアシスタント等、幅広いジャンルで活動中。 劇団『うわの空』「水の中のホームベース」に出演予定。 10月5日(土) 名古屋・七ツ寺共同スタジオ 10月12日(土)~14日(月・祝)新宿・タイニイアリス 11月9日(土) 大阪・ウイングフィールド 11月16日(土) 札幌・シアターZO ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 http://rumi-shishido.com/ アルバム「女」発売中! アルバムの発売と同時にiTunes、Amazon、着うた等の配信サイトで インディーズでリリースしたアルバム4作品を配信中 〈ライブ情報〉 ★9/7(土)OTODAMA'13~音泉魂~秘湯!SET YOU FREEテントにルンルンベイビー(宍戸留美×ワタナベイビー)で出演決定!! ★9/8(日)SET YOU FREE TOUR2013~ルンルンベイビーOTODAMA'13後夜祭! at 谷町9丁目cafe&bar Legato ★上田健司、宍戸留美、近藤智洋 ”秋の三人ツアー” 【9/25(水)】START 19:30 at 阿佐ヶ谷 harness (ハーネス)  【9/27(金)】START 19:00 at 静岡 UHU(ウーフー) 【9/28(土)】START 19:00 at 大阪・梅田 ムジカジャポニカ  【9/29(日)】START 19:00 at 名古屋 夜空に星のあるように ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中。ニューシングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

もしも『モテキ』の幸世がオラオラ系だったら? 大根仁監督が接写した若者生態大図鑑『恋の渦』

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見事なまでにチャラい9人の男女が集まった恋愛群像劇『恋の渦』。おのれの欲望に向かって突き進む若者たちの姿が赤裸々に描かれる。
 映画『モテキ』(11)のいちばん印象に残ったシーンとして、幸世(森山未來)の部屋に終電を逃したみゆき(長澤まさみ)がお泊まりするくだりを思い浮かべる人は多いのではないか。パジャマ代わりのTシャツに着替えたみゆきと幸世との糸を引くようなキスシーンにかつてないMAXエロを誰もが感じた。大根仁監督が敬愛するカンパニー松尾の“ハメ撮り”的手法を駆使し、長澤まさみの知られざる表情を引き出してみせたお手柄シーンだ。劇場デビュー作となった映画『モテキ』の大ヒット後は、ホームグランドである深夜ドラマ枠に戻って『まほろ駅前番外地』(テレビ東京系)で安心感のある職人技に徹した大根監督だが、2年ぶりの劇場映画『恋の渦』では再び過激な演出に挑戦。2時間20分の長尺の中で、幸世とみゆきが見せたエロシーン&リアルな恋愛模様が延々と奏でられる。  すでに2013年4月にオーディトリウム渋谷で、7月に渋谷シネクイントで限定上映された『恋の渦』は、今どきの若者たちの本音を下世話に描き切った内容が評判となり、連日ソールドアウトに。ツイッターで人気がさらに広まり、8月31日(土)より全国ロードショー公開されることになった。ただし、『恋の渦』には森山未來も長澤まさみも出てこない。というか知名度のある俳優はゼロ。まったくネームバリューのない役者たちしか出てこない『恋の渦』だが、それでも作品の面白さからチケットを求める人たちが劇場に詰めかけた。
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純愛を誓い合う大学生のナオキとサトミだが……。フルヌードはないものの、生々しいエロさがスクリーンいっぱいに漂う。
 『恋の渦』は三浦大輔率いる人気劇団「ポツドール」が06年に上演した舞台が原作。エッチすることしか考えてない9人の若者たちの物語だ。『モテキ』はサブカルマニアの幸世の視点でドラマが進んだが、『恋の渦』は「メンズナックル」(ミリオン出版)の読者モデルをやってそーなオラオラ系のコウジ(新倉健太)をはじめとする9人の男女のそれぞれの視点が次々とスイッチングしていく目まぐるしい展開。コウジとトモコ(若井尚子)が同棲する部屋に、コウジの仲間、トモコの同僚たち総勢9人が集まり、“部屋コン”と称した鍋パーティーが始まる。恋人のいない冴えないオサム(圓谷健太)に彼女を紹介してやろうというのが飲み会の主旨。ところが「篠田麻理子似」という触れ込みで現われたユウコ(後藤ユウミ)のブサイクさに男性陣はドン引き。部屋コンは盛り上がることなくお開きとなるが、真の物語は映画『モテキ』同様に終電過ぎから始まるのだった!  みんな帰った後のコウジとトモコ、ムラムラした気持ちのまま汚部屋状態のアパートに戻ったオサム、コウジの親友・タカシ(松澤匠)、コウジの弟・ナオキ(上田祐揮)ら4つの部屋で他人に知られると恥ずかしい下世話な会話と痴態が繰り広げられる。まるで隠しカメラで他人の部屋を覗き見しているかのようないかがわしい興奮! いつも思わせぶりにキャンディーをチロチロ舐めているショップ店員のカオリ(柴田千紘)は神出鬼没な上に、脱ぐとオシャレ下着が超セクシー! 映画『モテキ』が人気AV女優の超話題作なら、こちらは「しろーとAV」で同級生のそっくりさんに出会ってしまったような衝撃がある。この、レアさがたまらんッ。
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こちら女子会の様子。3人は同じ職場に勤めるショップ店員らしいが、ヒョウ柄を着こなすショップ店員ってドンキホーテか?
 それぞれ生々しい演技を見せてくれたのは、実践的ワークショップ「シネマ☆インパクト」(主宰・山本政志)の大根仁クラスに参加した約30名のメンバーから選ばれし若者たち。ワークショップと聞くとカルチャースクールっぽいイメージがあるが、大根監督は舞台版『恋の渦』を長編映画化することを前提に指導。約10日間のワークショップ期間中、前半は誰がどの役を演じるかのオーディション、後半は具体的なリハーサルに徹したそうだ。そして実際の撮影はわずか4日間! 4つの部屋が舞台となっているが、それぞれの部屋を1日ずつで撮り切るという早技だ。映画出演経験の少ない若手キャストたちだけに、4日間の撮影現場は想像を絶するカオス状態だっただろう。物語の最重要キーパーソンといえる“篠田麻理子似”のユウコ役に当初選ばれていた女性は、プレッシャーのせいか撮影の前々日に音信不通に。そこで今泉力哉監督の傑作恋愛コメディ『こっぴどい猫』(12)で好演していた後藤ユウミを緊急招集。キャストの失踪騒ぎと舞台や映画でのキャリアが多少ある後藤ユウミの特別参戦により、撮影現場はバチーンと引き締まったものになったらしい。トラブルさえ作品のクオリティーを高めるスパイスにしてしまうところは、まさにインディーズ映画ならでは。  撮影日数4日間とは驚きだが、「映画秘宝」9月号(洋泉社)のインタビューで、大根監督は「現場の製作費は10万円」とも明かしている。脚本料やメインスタッフへのギャランティーなどは別にしての撮影現場での雑費代だが、いかに低コストで作られたかが伺える。もちろん深夜ドラマで鍛え上げた大根監督の演出手腕があってこその『恋の渦』だが、人気俳優がブッキングできずとも潤沢な予算がなくとも、企画次第・脚本次第で面白い映画は充分に作れることを大根監督は実証してしまった。「人間の業を描いたおもろい映画」を求めている人はもちろん、映像関係の仕事に興味がある人も観ておくべきエポックメイキングな作品だろう。ただし、映画『恋の渦』の成功は、今でも汲々としたインディーズ映画界にいっそうの低コスト化をもたらしかねない危険な側面も持っている。大根監督が撮り上げた『恋の渦』はとても危険な両刃の剣だ。その切れ味は極めて鋭い。 (文=長野辰次) koinouzu_04.jpg 『恋の渦』 原作・脚本/三浦大輔 撮影/高木風太、大根仁、大関泰幸 監督/大根仁 出演/新倉健太、若井尚子、柴田千紘、後藤ユウミ、松澤匠、上田祐揮、澤村大輔、圓谷健太、國武綾、松下貞治  配給/シネマ☆インパクト 8月31日(土)よりオーディトリウム渋谷ほか全国順次公開 (c)2013シネマ☆インパクト <http://koinouzu.info/> ◆『パンドラ映画館』過去記事はこちらから

契約解除の次は、結婚報道!? “お騒がせ女”藤井リナが止まらない!(8月上旬の人気記事)

ranking0822.jpg  8月上旬に注目を集めた記事を紹介する、日刊サイゾー人気記事ランキング。編集部一同、夏バテ気味で、出すタイミングが遅くなってしまいました。すいません! 今クールは、チャゲアス・ASKAの“覚せい剤中毒”報道を中心に、織田裕二や『24時間テレビ』など、夏の風物詩ネタが人気を集めました。それでは早速、ランキングをチェックしていきましょう! 第1位 スターダスト藤井リナ契約解除は関東連合・六本木襲撃事件の関係か!?「北川景子へ“警告”の意味も……」 結婚相手は“オールバックに日焼け顔が印象的なワイルド系”だそうです。 第2位 「タモリはASKAの異変に気付いていた!?」チャゲアス・ASKA“覚せい剤中毒”報道で、つながる点と線 さすがタモさん。 第3位 「記者なら知っている話だが、誰も書けない……」NMB48山本彩とONE OK ROCK・Takaが真剣交際か 本人は否定してましたが、ガチだって! 第4位 森三中・大島美幸との直接対決も逆効果! 南キャン・山ちゃんに罪をなすりつけた西野亮廣に非難殺到 性悪。 第5位 『Oh,My Dad!!』視聴率1ケタ連発で惨敗中の織田裕二がスタッフに嫌われすぎ「演出に口を出すのが……」 これが裕二。 次点 TBS安住紳一郎アナに、初のセックススキャンダル「コンドームとキャベツ太郎と、美人OL」 庶民派。 次々点 「嵐5,000万円、森三中・大島1,000万円……」『24時間テレビ』のギャラ公開報道に波紋 今週末放送です♪

胸板部門、ケツ部門、ボッキ部門……ってマジ!? 「肉体美を自慢してグラビアが飾れる」謎のコンテストとは

frufguwre.jpg  先日当サイトでも取り上げた、「一般男性のオナニーを見せる」動画企画を配信中のサイト「GIRL’S CH(ガールズシーエッチ)」を覚えているだろうか? ソフト・オン・デマンドがプロデュースしている、女性向けアダルト動画サイトである。無料会員登録をすると、すべての動画が無料で楽しめるということで、ただいま人気急上昇中のサイトだ。あの「an・an」(マガジンハウス)のSEX特集にも掲載されたというから、その知名度の高さがうかがえる。  そんなサイトが、またまた変な企画を打ち出してきた。それがこの「第1回肉体美コンテスト あなたの盛り上がってるトコロ、見せてください!!」である。 frweqreqgfrge.jpg  一体どんなコンテストなのだろうか? サイトにはこうある。「GIRL’S CHユーザーの8万人の女性たちに“あなたの渾身の一枚”を披露しませんか?」なんだ、ただのイケメンコンテストか……とページを閉じようとして、異変に気づいた。このコンテスト、募集部門がなんだかおかしいぞ? (1)「熱い胸板待ってます。」胸板部門 (2)「プリプリの魅力的おしり♥」ケツ部門 (3)「あなたの逞しさ、見せてください。」ボッキ部門  男らしさを象徴する胸板はまだわかる。しかし、ケツにボッキに、部門が随分マニアック。しかもケツ部門以外は、顔が写っていなくても問題ないようだ。こんな写真に、本当に女性側の需要はあるのだろうか? 「はい、興味ある人は多いと思いますよ」と語るのは、GIRL’S CHのサイト運営スタッフの田口さん。一体今回、なぜこんなコンテストをやることになったのか聞いてみた。 「女性向けのAV市場というのは、まだまだ発展途上なんです。GIRL’S CHに登録して初めてAVを見たという女性も少なくありません。でもそうやって徐々に増えてきている女性ユーザーに対して、AVに出演しているプロの男優さんというのは本当に少ないんです。プロの女優さんが何千人といるのに対して、男優さんは数十人程度。その中で自分の好みの男優さんが見つからないことだってある。とにかく、男性が足りてないんです」  プロの男優の数が足りていないから、一般の男性から募集をする、ということのようだ。しかし、そうであればこんなマニアックな部門ではなく、イケメンを集めるべきでは? 「GIRL’S CHは、女性向けといえどアダルトサイトですから。ただイケメンというだけでは、会員の方にとって物足りなさを感じさせてしまうことがあるかもしれないと考えたんです。実際、過去にエッチなシーンのない動画を配信したことがあるんですけど、『このサイトにこんな動画いらない!』『ちゃんとエッチなものを見せて!』っていうクレームがきたことがあるくらい(笑)。だから今回は、ちょっと踏み込んで男性の“萌えパーツ”をクローズアップすることにしました。」  なるほど……では一体、どんな人がコンテストに応募し、グランプリはどうなるのだろうか?まさか、AV男優になれるというのだろうか!? 「いえ、それはありません(笑)。このコンテストは、男性であればどなたでも応募可能です。年齢も問いません。現在GIRL’S CHには、約8万人の会員がいますが、男性の皆さんから送られてきた写真を当サイトで発表して、それを見た女性会員に「好き!」「いや!」という風にジャッジをしてもらいます。順位は、「好き!」の多さで決めます。グランプリの方には副賞として、有名カメラマンがその人のためにグラビアを撮影する、というものを考えています」  自分の肉体美を自慢して、さらにそれをカメラマンがグラビア撮影してくれる、よほどのイケメンアイドルでない限り、滅多にできない体験だ。他人に見せたい願望のある肉体自慢の男性は、その欲求を満たせて、且つ、いい記念ができるチャンスかも!?  コンテストはひとりで何度でも応募可能。応募の期間は9月末で、10月中旬に結果が発表される予定。日頃から鍛えているアナタも、ちょっと自信のないアナタも、とにかく自分を見てほしいアナタも、まずは写真を送ってみてはいかがだろうか。 ■GIRL’S CH rregaqr.jpg ■第1回肉体美コンテスト gretgrq.jpg ■サイト・コンテストに関するお問い合わせはこちら info@girls-ch.com SODEC_0821_Bunner.jpg

「第2の原子力ムラ」と化した製薬業界の闇と、寄生する“マスゴミ”の醜態

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「週刊ポスト」(小学館)
今週の注目記事1 「問題の薬品メーカーとベッタリだった日経の『言い訳』」(「週刊現代」8月31日号) 「東大教授が爆弾告発!『白い巨塔は第二の原子力ムラと化した』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同2 「中国人社員に機密文書を盗まれた日本の有名企業30社」(「週刊現代」8月31日号) 同3 「中国・韓国は日本を千年恨み続ける」(「週刊ポスト」8月30日号) 同4 「amazonが日本の大新聞を買収する日」(「週刊ポスト」8月30日号) 同5 「ニッポン郷土大紛争『あの町だけは許せねェ!』」(「週刊ポスト」8月30日号) 同6 「死ぬことは怖くない 死後の世界は必ずあるから」(「週刊現代」8月31日号)  土曜日(8月17日)に発売された現代とポスト。現代は特大号ではないが特別定価で420円。ポストは400円。私が買った中野駅の「NEWDAYS」では現代がポストの倍積まれてあったが、20円の差は響かないのだろうか。  現代のW袋とじ。一方は「中島知子 衝撃のフルヌード」。これはフライデーの二番煎じ。  もう一つの「新企画 動くフルヌード 壇蜜の美乳を揉みまくる」は何が動くのかと思って開けたら、何のことはない。壇蜜主演の映画『甘い鞭』のURLがあって、そこへ飛べば週刊現代独占の動画が見られますという仕掛け。  だが、ポストの「武井咲 美しすぎる20歳」もどうということはない。  前半後半合わせて16ページのポストの大特集は「丸ごとエロ実話 投稿雑誌『性生活報告』の世界」。この雑誌、購読者は70歳以上という性生活報告雑誌で、発売元はサン出版。現在も部数1万部以上を誇る熟年投稿雑誌だという。  たしかに熟練の作家にはない生々しさはあるが、この猛暑の中では読む気が起こらない。  読む気が起こらないということでいえば、残念だが週刊朝日は丸ごと読む気が起こらない。この雑誌は読者のほうを向いて作っていないのではないか。そう思えてならないほど、今号は読むところがなかった。  さて、今週の注目記事の最初は“時期もの”で死後の世界を扱った特集からいこう。  人間死んだらどうなるのかは人類最大の疑問である。死後の世界は必ずあるというのは京都大学こころの未来研究センター教授のカール・ベッカー氏。 「文化に関係なく、あの世のイメージで最も多いものは、『花園』『庭園』『広い草原』、そして『トンネル』です。ただ、あの世とこの世の境が日本では三途の川ですが、砂漠地帯のアラビアなどでは臨死体験者の多くが『燃える砂漠』があったと証言しています。また、海に囲まれたポリネシアでは『荒れた海』が、切り立った崖が多いスコットランドでは『断崖絶壁』が、あの世との境界になっている。こうした現象を、バリア体験と呼んでいます」  ベッカー氏は51年、米国シカゴに生まれ、ハワイ大学で宗教哲学の博士号を取得後、大阪大学、筑波大学の教員などを歴任。92年に出版した『死の体験──臨死現象の探求』(法蔵館)は、作家の遠藤周作氏から「臨死体験について書かれた最高の一冊」と絶賛された。  こんな奇跡があったと現代が紹介している。 「当時15歳の少年・A君の事例だ。A君はある日、学校帰りにバスを降りたところで自動車にはねられ、頭蓋骨から脳の一部が飛び出すほどの重傷を負い、49日間も生死の境をさまよった。  だが50日目、奇跡が起きた。意識が戻ったのだ」  ベッカー氏が駆けつけ、A君から話を聞いた。 「私が会ったとき、A君は人工呼吸器も外れ、話ができる状態になっていました。彼いわく、意識を失ってる間に“暗いトンネル”を3回ほど通ると長い“川”に出て、船でその川を遡った、と。すると向こう岸に“花園”が見えたので、船を降りてそこで遊ぼうとした。ところが、知らないお爺さんが出てきて『お前はXか』と聞かれた」  Xというのはその少年の名前だ。話を続ける。 「話を聞いたA君のお母さんは、その容姿や動作、話し方が、自分の祖父に非常に似てることに驚き、A君に古い写真を見せました。A君はそれまで、曾祖父と会ったことも写真を見たこともなかったはずなのに、写真を見るや『この人だ』と言ったのです」  人は死を恐れる。だから死の直前、死の恐怖と苦痛を緩和するために、脳はその主に一種の“夢”を見せるのだという考え方もあるそうだ。  だが、死の淵から生還した多くの人たちがいっていることにも何らかの“真実”があるのではないだろうか。死ねば無である。そう考えている私でも、ちょっぴり死後の世界を信じたいと思っている。ベッカー氏はこういっている。 「先に亡くなった肉親らがお迎えに来るのだから死はまったく怖くない。それを知れば、残される人も『いずれ愛する人のところに行ける』と安心し、死に対する恐怖が減ります。肉体は死んでも、故人の意識は別の世界に行くのだという気持ちになれば、日本でしばしば起きる、遺族の後追い自殺などの悲劇もなくなるでしょう。病気と闘うのは良いが、死と闘おうとしても勝てません。少々の延命はできても決して死は直せないのだから」  この記事を取り上げようと思ったのは、私と一緒に仕事をしていた講談社の元『フライデー』編集長で現・編集総務局長の谷雅志さんが亡くなったからでもある。享年58歳。8月16日の通夜に行ってきたが、講談社関係者はもとより、彼の人脈の広さを示すように、門前仲町駅近くの富岡斎場は人であふれた。  現代の「音羽の杜から」で藤田康雄編集長はこう書いている。 「谷雅志さんが亡くなった。享年58歳。谷さんは新入社員時代の小誌デスク。一番印象に残っているのは、渡辺謙氏インタビュー。取材窓口の対応はけんもほろろ。谷さんに相談したら、2~3本電話をして、あっという間に取材のアポをとってくれた。その人脈は政界、財界、芸能界、至るところに張り巡らされて、色んな人を紹介してくれた。どうすれば谷さんのような編集者になれるのか、途方に暮れた新人時代を思い出す」  この歳になると、自分より若い人の死は応える。  ポストで小沢一郎氏のインタビューを多くしていた渡辺乾介氏も亡くなった。享年69歳。彼とは若い頃よく一緒に遊んだ。当時から政界通で、多くの人脈をもっていた。  宮崎吉政さんのところの秘書をやっていた今村富也さん、中曽根康弘総理の秘書だった築比地さんたちと一緒に、赤坂、銀座を飲み歩いたものだった。何をやっても面白い時代だった。  そういえば谷さんの通夜でフライデーの編集者からこういわれた。 「元木さんが以前、フライデーが休刊するかもしれないと書かれたので、社外から問い合わせが多く来て大変だったんですよ」  私の真意は、休刊しないよう頑張ってという励ましのつもりだったが、編集部には少し迷惑をかけたようである。ここでお詫びしておく。  ポストの「ニッポン郷土大紛争」が意外におもしろい。  NHKの大河ドラマ『八重の桜』は明治維新を「敗者」である会津藩の視点から描いたものだから、新政府軍の中核である長州藩が会津に対して行った仕打ちが残酷なものとして描かれている。だが約150年の時を経ても長州山口県と会津福島県の遺恨は、現在に至ってもまだ続いているのは有名である。  日本全国、そうした「郷土紛争」ともいうべき争いが各地であるというのだ。 「青森vs.八戸の津軽藩、南部藩の時代からの小競り合い」青森や弘前は津軽藩で八戸や下北半島は南部藩。八戸の人は戊辰戦争であっさり官軍に寝返った津軽藩は信用できないと考えているそうだ。 「山形vs.宮城の『牛肉醤油味』vs『豚肉味噌味』芋煮対決」。芋煮は牛で醤油味が基本。豚で味噌味というのは芋煮というより豚汁だ山形県人はいっている。 「浜松vs.宇都宮の『餃子の街』を賭けて激突」。浜松が06年に突然「餃子の消費量日本一」と名乗りを上げたのには驚いた。戦後引き上げてきた兵隊が中国で覚えてきた餃子を作って広まったという説があると、宇都宮の餃子日本一、こっちのほうがおいしいと譲らない。  他にも「山梨vs.新潟の信玄vs.謙信の『川中島の戦い』の恨みが今も」「大分vs.群馬の『おんせん県』の名称を巡って大バトル」「兵庫vs.大阪の阪神タイガースの“地元”を巡ってファンが大論争」「高崎vs.前橋の新幹線停車駅と県庁所在地はどっちが都会?」「山梨vs.静岡の世界遺産・富士山頂はどっちのもの!?」「彦根vs.薩摩の今も残る『桜田門外の変』の恨み」「兵庫vs.愛知の『赤穂浪士』と『吉良上野介』の怨念」などなど。  アマゾンのジェフ・ベゾス氏(49)が2億5,000万ドルでアメリカの名門新聞ワシントン・ポスト紙を買収したニュースは世界に衝撃を与えた。  その2日前にはボストン・グローブ紙が7,000万ドルで身売りすると発表していた。  ポストはアマゾンが日本の新聞の買収まで目論むのではないかと報じている。 「もはやジリ貧だった。アメリカの日刊紙発行部数は、80年代まで6200万部を保っていたが、ネット登場後に激減し11年には4442万部へ激減。ワシントン・ポストも最盛期の半分の40万部に落ち込んでいた。  皮肉にもそこに手をさしのべたのが、ネット企業の王者、アマゾンCEOのベゾス氏だっただけに買収劇は憶測を呼んだ」(ポスト)  今回はベゾス氏個人の買収だが、彼は何を考えて買収したのか。東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏はこう語る。 「アマゾンにとって、世界中の人々の購買データは最大の財産。新聞社を持てればアマゾンの持つ顧客データがさらに拡充される。読者がどんな記事を選び何に興味があるのかを把握すればe-コマース(電子商取引)は更に進化する」  顧客データだけではなく、アマゾンのコンテンツの充実を考えていると話すのは、在米ジャーナリスト北丸雄二氏だ。 「アマゾンキンドルに配信するコンテンツの1つ、キンドル・シングルズ(短編電子書籍)に力を入れている。これは新聞や雑誌の記事としては長く、かといって単行本としては短い、1万語~5万語未満の作品を、5ドル未満で販売するというもの。ベゾスはワシントン・ポストの記者にもシングルズで作品を発表させて、この流れを加速させたいのではないか」  米国の印税は25%未満だが、シングルズは70%にもなる。先の佐々木氏はこういう。 「すでにアマゾンの出版部門アマゾンパブリッシングには30人弱の編集者がいて、自前でコンテンツを配信できる態勢を整えている。小売業同様、メディアの“中抜き”を狙ってるのかもしれない」  振り返ってみれば、日本の新聞の部数減、電子版購読者の少なさは悲劇的でもある。  朝日新聞の公称部数は760万部。いずれ来る500万部時代を想定して地方支局縮小に向けて動いているという。  朝日は電子新聞を2年前から導入した。表向き10万突破といっているが、単独で電子版を購読しているのは1割に満たないようである。 「今年5月、アメリカのネット大手AOL傘下のハフィントン・ポスト・メディアグループと合弁会社を作り、ハフィントン・ポスト日本版を開始。ニュースやブログをベースに、ユーザーが意見を交換する参加型コミュニティという触れ込みだったが、期待を大きく裏切った。 『なかなかページビュー(PV)が上がらず早くもハフィントン・ポストへの出資は“大失敗”という声が上がっている』(ジャーナリストの山田順氏)  朝日は紙にかわる新たなプラットフォーム作りを模索するがいずれも失敗。もちろん厳しい状況にあるのは他社も同じだ」(ポスト)  それに比べてウォールストリート・ジャーナルは全購読者208万のうち約4割の89万人が電子版の読者。ニューヨーク・タイムズは190万人の購読者のうち110万人が電子版購読者。  いずれも購読料は月約20ドル(約2,000円)で、日本の半分。日本の新聞界はアメリカに比べて10年遅れているともいわれているそうである。 「いずれ新聞社がアマゾンのコンテンツサプライヤーに成り下がる可能性は否定できない。前出の朝日新聞関係者は呟く。 『発行部数を維持できなくなり、電子版も伸びない新聞社が、アマゾンに記事を配信する“下請け”と化す。これはアマゾンが直接、日本の新聞社を買収するよりも現実的かもしれない」(同)  さらに日本の新聞には弱点があり、さらに悪いシナリオが考えられるというのは北丸氏だ。 「日本語で作られる新聞は海外への訴求力に乏しい。日刊新聞法(51年に施行された法律。新聞社の株式譲渡に制限が加えられているため、買収されにくい=筆者注)に守られているため世の中の動きにも鈍感。欧米からも相手にされず気づいたら根元から腐って再起不能、といった事態にもなりかねない」  このままでは日本の新聞、出版に明日はなさそうである。  安倍晋三首相は8月15日に靖国に参拝するかどうかが注目されていたが、結局見送った。当然ながら「弱腰」だという批判が出ているが、ポストはこう難じている。これが注目記事の3番目。 「6年前の首相在任当時、靖国神社を参拝しなかったのは、『行かなかった』のではなく、険悪化していた日中関係を配慮すると、『したくても参拝できなかった』のだ。しかし、振り返ると、当時の私の判断は『痛恨の極みだ』。今回こそは、中国や韓国の反発を承知した上で、万難を排して参拝する」  安倍はこういう主旨のことをいっていたではないか。 「そう決意しながら、なお参拝を回避したのだから、今回の不参拝はできなかったのではなく、安倍首相が積極的に参拝しなかったといえるだろう」(ポスト)  その上、不参拝を中国側に連絡していたのだから二重の裏切りだと切り捨てる。それはこういうニュースを8月7日のTBSが報じていたからである。 「安倍政権内部では、安倍総理、麻生副総理、菅官房長官、岸田外務大臣の4人については、15日に参拝しないという方針を固めていたことが明らかになりました。(中略)政府関係者によりますと、安倍総理ら4人が参拝しないという方針は、複数のルートで非公式に中国側に伝えているということです」  こうした報道に対して、安倍首相は説明責任があるはずだが、夏休みをとってオバマ流にゴルフ三昧だという。  私は、参拝しなかったのは賢明な選択だと思うが、あれだけ靖国に参拝しなかったことを悔やんでいたのに行かなかったことは、安倍熱烈支持者にとっては「裏切られた」という思いがあるのであろう。結局、この人の“弱腰”“決断力の無さ”は生まれつきで、治る見込みはないようである。  次の注目記事は、現代の日本の大手企業内部文書が大量に中国人によって盗まれていると告発している記事。  以下は中国トヨタ社員の「月別査定基準」と題された資料である。 「出社後にオフィスで朝食を食べた社員は、0.5点減点。就業時間中に勝手に外出した社員は0.5点減点。遅刻早退は1回ごとに0.5点減点。就業時間中に私的な長話をしたり、私的なインターネットやゲーム、株式情報のチェックをした社員は1回発見されるたびに1点減点。オフィスで食べ物を口にしたり、退社時に消灯やパソコンの電源オフ、ロッキングを忘れた社員は、3点減点……」  中国には「百度(バイドウ)」という検索エンジンがあるが、その中のデータ共有サイト「百度文庫」に、膨大な日本企業の資料が流出しているのだという。  現代の取材に対してトヨタ自動車は「現在、事実関係を確認中で、今後は適正に対処します」(同社広報部)、ソニーは「サイト運営会社に対し、不適切なものについて削除を依頼しました。流出対策としては、社員教育を徹底させていきます」(同社広報センター)と答えている。  中国における知的財産権保護問題の第一人者・分部悠介弁護士によれば「私たちが調査した中では、全体の78%は従業員漏洩型」だそうだ。  中国人には自分の会社の文書を他へ渡すことなど、何の痛痒も感じないのだろう。  中国の日系企業9,000社を顧客とする会員制日本語ビジネス月刊誌『日商快訊』の発行人である深セン在住の加藤康夫氏は、日本人の危機管理が甘過ぎるとこう話す。 「例えば、わが社の会員データが入ったパソコンは、LANに繋いでおらず、インターネット回線すら繋いでいません。さらに厳重に施錠し、『このパソコンは厳重に保管されている』と記した顧問弁護士の証明書をパソコンの脇に貼っています。中国ではパソコン一台にしても、そのくらいの警戒心を払わなければ、容易に情報漏洩してしまうのです」  上海にある日系の人材派遣会社の幹部が退職し、その際3万人もの会員データをコピーして、このデータを持っていることを売りにして再就職活動をしていた。面接の時、日本人面接官が「違法入手ではないか」と指摘すると、私は誰もがコピーできるものを持ち出したに過ぎないので、違法行為ではないと答えたという。  広東省の複数の日系企業の顧問弁護士をしていた日本語の堪能な中国人が、仲間と密かに特許会社を設立。顧客の日系企業の先端技術を次々に入手し、中国で特許を取ったり中国の同業企業に売り歩いたりしていたそうだが、これなぞ立派な犯罪ではないか。  先の加藤氏がこうも話す。 「中国はカネがすべての社会なので、カネになるものなら基本的に何でも流出します。特に日系企業の最先端技術に関する機密は危険です。中国企業は、技術を開発する時間と労力を省略するため、日系企業の機密情報をカネで買おうとする傾向が顕著だからです」  自分の愛人だった中国人女性が会社の最高機密をもって退社し、機密を買い取らなければ「ある機関に持ち込む」と脅しをかけたケースもあったという。  ベテランの中国人弁護士はこう言う。 「上海一帯の公安にとって、日系企業の動向は、何よりも欲しい情報です。なぜなら、3,000人の工場を拡張するのか閉鎖するのかといった情報は、地元の雇用と税収、消費などに直結する重要問題だからです。そのため、日本人社長に愛人がいると分かると、その愛人をカネで釣って工作員に仕立てあげていく。これが最近のハニートラップのパターンです。愛人以外にも、ギャンブル好きだったり、借金を抱えているような日系企業の中国人幹部がいれば、公安はすかさず忍び寄ってきます」  中国でビジネスをするというのはつくづく難しいと思う。  今週の注目記事の1番目は、現代とポストがやっている「製薬業界」の闇の問題である。  スイス大手製薬会社ノバルティス(以下ノバ社)が、日本で販売する降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を依頼した京都府立医科大学に寄付金を出し、同社の社員が身分を伏せて統計解析を担当していて、データの捏造や改ざんをしたのではないかと言われている。  このノバ社は病院だけではなく、メディアへもジャブジャブカネを流し、自分たちに都合のいい記事を書いてもらっていたのだと、現代は告発している。 「このバルサルタンが大問題を引き起こしている。効能の証明として09年に京都府立医科大学が発表した論文の、『血圧を下げる以外に、他の降圧剤より脳卒中を45%、狭心症を49%減らす効果がある』という研究データが、ノバ社の元社員によって不正に操作されていたのだ。  論文発表以来、その効能が関心を呼び、また日経メディカル誌上でのキャンペーンも奏功して、毎年1000億円以上を売り上げ、ノバ社のドル箱商品となったバルサルタン。しかし、その効能がとんだインチキだったと判明したのだから、医療界、さらに薬を服用していた患者に与える衝撃ははかり知れない。  東京慈恵会医大、滋賀医大、千葉大、名古屋大においても元社員の研究への関与の可能性が指摘されているノバ社。同社は現在、今月9日に始まった厚労省による検討委員会によって、一連の疑惑を追及されている。  だが、忘れられていることがある。この薬を専門誌上で宣伝しまくった、日経の責任である」(現代)  日経BP社が発行する医療専門誌「日経メディカル」は、バルサルタンを賛美した企画記事や関連記事、ノバ社からの広告で相当潤ったという。  現代の試算によれば、09年から現在までに、少なくとも1億円以上の金が「日経メディカル」に広告収入として入った計算になるという。  その上、厚労省が立ち上げた、ノバ社の疑惑を検証する検討委員会のメンバーに、当の日経BP社の社員である宮田満氏が含まれているというのだ。  宮田氏の選出によって委員会の信頼性を失うとするのは、同じく検討委員に選ばれたNPO法人臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巌氏である。  また日経BPの認識は甘過ぎると批判するのは弁護士で企業コンプライアンスの専門家・郷原信郎氏だ。 「今回の問題は、バルサルタンのプラスアルファの効能に関する研究データの不正操作にあった。そのため『誇大広告の禁止の規定』(薬事法)への抵触が考えられます。(中略)  いずれにせよ、刑事事件にまで発展する可能性がある悪質なものです。日経は、ノバ社との利害関係が疑われているという自覚を欠いていると言えるでしょう」  先日、慶應大学病院の近藤誠氏にビジネス情報誌『エルネオス』のインタビューで会ったが、その際もこの問題が出た。近藤氏はこう語っている。 「ノバルティスの問題で言うと、あれは試験に製薬会社の社員がかかわって統計解析までやっていたのに、そのことを公表してなかったことが問題だと、まずそこから始まりました。利益相反とは両方の代理人になるという意味なんだけど、一人の人間が製薬会社の代理人で論文を書く人でもあるというのは利益相反行為です。  多くのがんの論文を見ると利益相反だらけなんです。なにしろ製薬会社の社員が何人も堂々と著者の欄に名前を連ねている。本来、製薬会社の社員が統計解析にかかわってたら、それはおかしいと、その論文は排除されるべきなんだけれど、実際にはそういう論文が欧米の超一流雑誌に載ってしまう。だから次々に出てくる新薬というのは全然信用できないわけです」  製薬メーカーを頂点に、病院、医師、官僚、それにメディアまで絡め取られている構図は、原子力ムラと同じなのである。  ポストでは東京大学医科学研究所先端医療社会コミュニケーションシステム社会連携研究部門で、医療ガバナンスを研究している上昌広特任教授が、白い巨塔は「第二の原子力ムラと化した」と告発している。  薬価は政府が一律に決めて、製薬会社は自由な値引き競争ができない。そこで以前は、医者たちを飲ませ食わせする「接待合戦」が行われていたが、最近は製薬協(日本製薬工業協会)が定めたガイドラインができたため、おおっぴらな接待ができなくなった。そこで製薬会社が考えたのが「奨学寄付金」だという。 「奨学給付金とは、製薬会社から大学に研究費を提供できる制度で、バルサルタンの臨床研究も、ノバルティスファーマ社から提供された奨学寄付金が使われました。京都府立医大など5大学に対して支払われたのは計11億3290万円にものぼっています。  奨学寄付金は一見、研究支援のように聞こえますが、実態は製薬会社の営業経費です。大学担当の営業担当者が持っている予算で、自社製品の処方と引き換えに、“研究に使ってください”と医師に持ちかける。読売新聞の拡張員が巨人戦のチケットや洗剤を持っていくのと同じです」  また今回の事件の背景にはこういうことがあるという。 「バルサルタン事件に加担した教授たちは予算がなく、製薬会社の言いなりにならざるを得なくなった。その一方、東大や国立がん研究センターは予算があるから、まともに研究しない医師は余ったカネを不正に使う。予算配分や価格統制権を一部の官僚たちが握ってしまってることの弊害です。(中略)  いまこそ、医療業界の膿をすべて出すべきです。すべての問題を徹底調査し、もう一度医療への信頼を取り戻さなければなりません。  原子力ムラの経年劣化が、福島第一原発事故という悲劇を招いたといわれます。次々と発覚する医療問題は、官僚、大学、製薬会社がつくりだす『白い巨党ムラ』が崩壊を迎えつつある予兆なのかもしれません」  原発の次には医療という巨大なムラを解体し、利権をむさぼる輩たちを一掃しなければいけない。もちろんそこに寄生しているマスゴミも含めてである。 (文=元木昌彦) ●もとき・まさひこ 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 

客への仕返し!? “毒入り?”アイスクリームラーメン

 なんですか、今年の夏の暑さは。1日の最低気温が30℃超えって、最高気温41℃って何! 日本列島丸ごとハワイにでも引っ越したんじゃないかってくらい暑い夏でした。  暑い日には、熱い食べ物を食べて汗をかき、身体を冷やす。てなことを言う人もいるけど、正直言って食べる気すら起きませんわ(汗)。  ところが下町に、蒸し暑い残暑の日でもクールにススッとすすれてしまう、変わったラーメンがあるというので向かった。場所は、駅前の路地に下町ックな飲み屋がズラリと並ぶ北千住。駅から徒歩15分ほどの荒川の近くにその店はあった。
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店内はカウンター席のみの小さな店。雰囲気は満点。
 土手に向かって歩いて行くと瀟洒なマンションの向かいに、時代に取り残されたような古びた小さな店が。まるで、時代劇に出て来る峠の茶屋みたいな雰囲気漂うラーメン屋。それこそが目的の店でした。  首都圏の珍級グルメでは有名な店で、この店の人気メニューがなんと、“アイスクリームラーメン”。もはや、究極と言うほかない分かりやすいメニューである。  小さな店のカウンター席に座り、愛想のいい老店主にアイスクリームラーメンを注文すると、不思議なひと言が。 「とんがり? それとも四角がいい?」  なんとなく「とんがり」をお願いすると、しばらくして着丼したのが写真のメニューでした。どう見ても“アイスクリームラーメン”です。
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コーンのとんがりアイスの開きが冷麺の上に。
 まずはスープをひと口。  冷た! 冷やしラーメンでした。そりゃそうか。  薄い醤油味スープにごま油の香ばしい匂いが漂う。麺は冷やし中華の麺でシコシコツルツルの食感が良好。  そして、人生初、アイスクリームを箸で食べる。う~ん、冷たい甘さを青のりの塩気と磯の風味が完全に邪魔している。  スープは徐々にクリーミーになって来るが、まあ、美味くはないわな。とんがりと四角はどうやら、コーンとモナカタイプを意味していたらしい。
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青のりさえなければまずまずじゃないだろうか?
「ガリガリ君なんていいんじゃないですか?」と記者が聞くと、「あれは甘すぎて、小学生でも飽きちゃうの」と、すでに実験済みの様子。失礼しました。  店内のメニューには他にもココアラーメンやら珈琲牛乳ラーメン、納豆ラーメンに赤、青、黄色、水色、紫ラーメンなど変わったメニューが並ぶ。なぜこんな変わったメニューを作ったのか話を聞くと、そこには元人気ラーメン店だった頃の壮絶な歴史が秘められているのだった。 「だから今度は客に毒盛ってやろうと思って」と笑う店主。  そのせいかすっかり汗は引き、クールな珍級グルメを堪能することができた。次はチャーハンにしよっと。  まあまあ、うもうございました。
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他にもこんな変わりメニューが。
北千住『菊や』アイスクリームラーメン 見た目 ☆☆☆ 味   ☆★★ 店   ☆☆☆ (文・写真=よしよし)

のび太とドラえもんが60年後に体験する物語!? “泣ける”SF介護コメディ『素敵な相棒』

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フランク(フランク・ランジェラ)は最新型介護ロボットに自分が磨いてきた一子相伝の技を伝授することに。
 子どもの頃から『ドラえもん』に親しんできた日本人は、世界でもっともロボットを愛する国民といって間違いないだろう。本田技研が開発したASIMOをはじめ、ヒューマノイド型ロボットの研究・開発が日本では盛んだ。そんな日本人の心の琴線をつまびく映画が、『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』。タイトルが示す通り、ひとり暮らしの老人と従順な介護ロボットとの交流を描いたもの。『ショート・サーキット』(86)や『アイアン・ジャイアント』(99)と同じく、人間とロボットとの友情がテーマとなっている。また、超高齢化社会、無縁社会が現実問題となりつつある点でも、興味深い社会派コメディである。  『素敵な相棒』の主人公は70歳のフランクじいさん(フランク・ランジェラ)。若い頃に宝石泥棒をやって逮捕された前科あり。妻とはずいぶん昔に別れ、成人した息子のハンター(ジェームズ・マースデン)や娘のマディスン(リヴ・タイラー)とはたまにテレビ電話でやりとりしながら、小さな街でひとり暮らししている。自分はまだまだ元気なつもりのフランクだが、認知症の初期症状が見られ、子どもたちは心配してあれこれと口を挟む。子どもたちの世話になるのも、施設に入るのもお断りだ。他人の顔色をうかがいながら過ごす老後なんてまっぴらだし、図書館の司書ジェニファー(スーザン・サランドン)に逢いに行くという楽しみも奪われてしまうではないか。そんなフランクのもとに届けられたのが、最新の自律型高性能ロボットヘルパーだった。孤独死されてはたまらないと息子のハンターが無理して購入したのだ。
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娘のマディソン(リヴ・タイラー)はひとり暮らしの父のことが心配。だが、娘には娘の生き方がある。フランクは同居を断る。
 ハイテク機器を嫌っていたフランクだが、ロボットヘルパーはとても控えめでかつ芯が通っている。音声識別でき、会話も可能だが、無駄口はいっさい叩かない。ウマの合わない介護人からグチグチ言われるよりよっぽどいい。何しろロボットなので、気を遣わなくて済む。ロボットヘルパーはフランクの健康状態を毎日チェックし、体調に合った食事を用意してくれる。気ままな散歩にも文句を言わずに付き合ってくれる。ロボットヘルパーと過ごすうちに次第に健康を取り戻したフランクは、若い頃の情熱が蘇り始めた。かつてプロの宝石泥棒として鳴らした腕がうずくのだ。フランクの精神状態が上向きなことを察知したロボットヘルパーは「趣味や生き甲斐を見つけることは素晴らしいことです」と喜ぶ。彼には「顧客の健康改善」が最重要項目としてプログラミングされており、「社会ルールの遵守」はインプットされていなかった。しかも、内蔵されているコンピューターを使って、人間なら1週間はかかる難解なロックシステムもほんの数秒で解錠してしまう。ビバ、ヘルボ! フランクはすっかりヘルボのことを気に入り、家族には言えない秘密を共有する仲となっていく。  フランクじいさんを演じたのは、『フロスト×ニクソン』(08)でニクソン元大統領に扮した舞台出身の実力派フランク・ランジェラ。『スーパーマン・リターンズ』(06)ではデイリープラネット紙の編集長を演じるなど、オールドタイプの頑固じじい役にぴったり。ロボットの声を演じているのはピーター・サースガード。『愛についてのキンゼイ・レポート』(04)では性科学の研究のためにキンゼイ博士(リーアム・ニーソン)とベッドを共にする献身的な助手、『17歳の肖像』(09)ではキャリー・マリガンの貞操と古美術を盗み出すコソ泥……と幅広い役を演じる技巧派だ。タッグを組んだ2人は、法律や世間体など目もくれず、人生における生き甲斐をとことん追求していく。誰にも理解されることのなかった自分の密かな欲望を、丸ごと受け止めてくれる相棒が現われ、フランクはかつてない喜びを感じる。表情のないヘルボだが、IT成金の屋敷に盗みに入る際の足取りは軽やかで楽しげに映る。不良老人と介護ロボットは、最高のパートナーだった。  将来的にロボットは人間のような“心”を持つようになるのだろうか。遠隔操作型アンドロイド「ジェミノイド」の開発で知られる工学博士・石黒浩氏の著書『ロボットとは何か?』(講談社現代新書)で語られている視点が面白い。「人に心はなく、人は互いに心があると信じているだけである」と石黒博士は唱えている。心とはとても主観的なものであり、自分自身で自分の心のありようを的確に捉えることは難しい。しかし、他者が怒ったり、悲しんだり、感情を発露させている様子は理解しやすい。自分に心があるかどうかは分からなくとも、他者に心があることは感じられる。他者も同じように感じているのではないか。お互いに心があると信じ合っているのが人間なのだろう、と石黒博士は自説を述べている。また、石黒博士は同著で「ロボットとは人の心を映す鏡である」とも説く。この見解に従えば、ヘルパーロボットは孤独なフランクの胸の内を実に見事に映し出している。フランクはヘルボのことを「自分の内面を誰よりも理解している」存在、心の友として受け入れるようになる。少なくとも世間体や一般常識を優先している息子たちよりも、ヘルボのほうがよっぽど親身で温かみが感じられる。名前すら与えられていないヘルパーロボット、ヘルボには確かに“心”が存在する。
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ジェニファー(スーザン・サランドン)の勤める図書館もデータベース化され、閉館することが決まった。古き善き物が次々と消えていく。
 人間とロボットとの間に友情は成立するかというメインテーマに加え、『素敵な相棒』はもうひとつのテーマを内包している。人間にとっての死と記憶の関係性だ。認知症の初期症状の疑いがあるフランクは、自分が身に付けた盗みのテクニックを後世に残したいという願望を抱いていたが、堅気の生活を送る息子にはさすがに気が引ける。そこで代わりに従順な相棒・ヘルボに伝授する。自分が密かに磨いてきた裏技の後継者が現われ、フランクは安堵感を覚える。だが、小さな街で盗難事件が相次いだことから、前科のあるフランクは当然ながら警察から目を付けられてしまう。事情聴取に訪れた警官たちを玄関に待たせ、これまでフランクに寡黙に仕えてきたヘルボが逆に指示を出す。「自分の中に記録されているメモリーをすべて消去するように」と。そうすれば、フランクがヘルボと共に盗みを働いた証拠も消滅する。だが、認知症の恐怖に怯えるフランクは、ヘルボのメモリーを消去することができない。ロボットにとって記憶の消去は死ではないのか? フランクの健康を願うヘルボの献身的な愛情と親友であるヘルボとの思い出を消し去ることができないフランクの葛藤が本作のクライマックスとなっている。  「ロボットの研究は、人間を知る研究でもある」と石黒博士は語っている。ロボットについて考えることは、人間の心の在り方を想うことでもある。ドラえもんが誕生する2112年までに、人間の心の謎はどこまで解明されているだろうか。 (文=長野辰次) sutekinaaibo4.jpg 『素敵な相棒 フランクじいさんとロボットヘルパー』 監督/ジェイク・シュライアー 脚本/クリストファー・D・フォード  出演/フランク・ランジェラ、ジェームズ・マースデン、リヴ・タイラー、ジェレミー・ストロング、ジェレミー・シスト、ピーター・サースガード、スーザン・サランドン  配給/角川書店 8月10日より角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー 中 (C)2012 Hallowell House, LLC. ALL RIGHTS RESERVED <http://sutekinaaibou.com> ◆『パンドラ映画館』過去記事はこちらから

44人を死に至らしめた“日本一の歓楽街”火災事件の闇 現場の目撃情報をたどり、消えた「血まみれの男」を追う──

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何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、いまだ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。 第24回 歌舞伎町一丁目雑居ビル火災に伴う多数焼死事件 (2001年9月)  2001年9月1日、深夜でも人々の往来が途絶えることのない“日本一の歓楽街”新宿・歌舞伎町。秋の到来などみじんも感じられないほど蒸し暑い夜、事件は起こった……。  午前1時を回る少し前、一番街の路上を歩いていた通行人から「ビルの3階から人が落ちた!」という119番通報が寄せられる。直後、救助を求める電話が繰り返し鳴り響いた。 「火事です、ものすごい煙です!」 「まだ何人も中にいます! 助けて!!」 「逃げられない……早く来てくださいっ!」  まさに、現場からの悲痛な叫びだった。  くしくも関東大震災から78年目のこの日は「防災の日」に制定されているため、全国各地で防災訓練などが行われる記念日。しかし、日付が変わって間もなく、新宿区歌舞伎町1-18-4「明星56ビル」で火災が発生し、44名死亡・3名負傷という大惨事が起きてしまった。ちなみに、日本で発生した火災では戦後5番目の死者数である。  事件現場となった「明星56ビル」は、地下2階・地上4階建ての雑居ビル。過去の消防署の立ち入り検査でも、火災報知器の不備などが何度も指摘されていたという。その原因ともいえるのが、土地・建物の権利関係。契約が極めて複雑になっていたため、防災管理が行き届かない状態になっていたのである。事件当時、階段には看板などが乱雑に置かれ、火災報知機は「誤作動が多い」との理由で電源が切られていた。  火の手が上がったのは、ビル3階の麻雀ゲーム店「一休」のエレベーター付近。内部で火災が起きていることに気付かずに扉を開けた店員は、密閉空間にたまった一酸化炭素ガスが酸素と結びついたときに起きる“バックドラフト現象”により、あっという間に炎に包まれてしまう。パニックに陥ったこの店員が道路沿いの窓から飛び降りたため、先述の「人が落ちた!」という通報に至ったというわけだ。「一休」の別の店員2人は窓から屋根伝いに脱出したが、3階から発生した炎は、おびただしい黒煙とともに4階へと広がっていく。この事態に気付いて119番通報したのは、4階のキャバクラ「スーパールーズ」の従業員女性である。同店は当時流行していた“抱きキャバ”と呼ばれる接客サービスがウリで、雑誌でもたびたび取り上げられる人気店としても知られていた。どんどん煙が充満していく店内から、午前1時の通報のあとに悲痛な声で2回、「外に出られない! 助けて!!」と救助の要請があったという。  数時間後、全身が真っ黒にすすけたセーラー服姿の女性たちが、消防車から伸びたはしごを上下するゴンドラに乗せられ、次々と4階の窓から運び出されていた。あまりに衝撃的な光景である。結局、ビルの中にいた全員が外に出られたのは、火災発生から約3時間がたった午前4時だった。しかし、消防隊員による命懸けの救助活動もむなしく、警察は全員の死亡を発表。犠牲者の内訳は「一休」店員2名と客15名、「スーパールーズ」店員16名と客11名の合計44名で、全員共通の死亡原因は“急性一酸化炭素中毒”だった。ビルにいた人間で、命が助かったのは、真っ先に脱出した3人だけである。  この火災には、全体で101台の消防車両と361名の消防隊員が動員され、消火・救助活動が行われた。きらびやかな歓楽街の様相は一変し、靖国通り・職安通り・明治通りには歌舞伎町を囲むように消防車が数珠つなぎとなり、火災現場を中心に広範囲が立ち入り禁止区域となった。  これだけの犠牲者を出した火災事件にもかかわらず、いまだに出火原因は特定されておらず、“放火”と推測されてはいるものの、誰の手による凶行なのかもわかっていない。一部の証言では、「一休」で「“賭け麻雀ゲーム”に負けた腹いせに放火した」と話す男の存在が浮上したり、出火の少し前に、やはり「『一休』のドアを蹴って帰った客がいた」という証言も寄せられたが、人の往来の多い歌舞伎町では、決定的な証拠にはなり得なかった。  しかし、たったひとつだけ、まだ犯人逮捕につながる可能性のある証言が残されている。火災発生から数分後、現場から200メートルほど先の駐車場で、全身血まみれの男が目撃されているのだ。目撃者によれば、男の服は黒く焼け焦げ、頭髪は爆風を浴びたかのようだったという。その駐車場は歌舞伎町と新大久保の間にあり、夜通し光が絶えることのない歌舞伎町の中心部とは異なり、人目の届かない“闇”が点在するエリアである。心配して声をかけた目撃者をよそに、血まみれの男は立ち去っていったという。この証言が事実なら、火災現場にいた“48番目の人間”として、大惨事の真相を知る可能性は極めて高い。無論、「いかがわしい店にいた」ということを隠したい一心で、現場から立ち去った可能性も大いにあるわけだが。  08年7月、ビルを管理していた会社の役員5人に、「防火管理の注意義務を怠った」として業務上過失致死傷罪による有罪判決が下された。しかし、44人もの命を奪った真の原因は、何ひとつ解明されていない。新たな有力情報を待つばかりである。 <連絡先> 新宿警察署 東京都新宿区西新宿6-1-1 03-3346-0110 「日本"未解決事件"犯罪ファイル」過去記事はこちらから