吉本ばななとユザーンが、ゆる~く酒場対談!? 『東京都北区赤羽』の清野とおるが“赤くない街”ではしご酒!? 作家、漫画家、ミュージシャンなどの著名人たちが、独断と偏見たっぷりに酒場愛を語る新雑誌「酒場人」(オークラ出版)が、12月8日に新創刊される。 酒好きならば、並んだ名前を見ただけでピンとくるであろう通好みのラインナップは、対談企画に、吉本ばなな(作家)×ユザーン(タブラ奏者)、押切蓮介(漫画家)×山本さほ(漫画家)。インタビューに、ラズウェル細木(漫画家)、吉田戦車(漫画家)、かせきさいだぁ(ミュージシャン)、坂崎重盛(作家)。飲み歩き企画に、清野とおる(漫画家)。実際に居酒屋で酒を飲みながら、ほろ酔い状態で語られる、お気に入りの酒場、些細なこだわり、酒にまつわる失敗談など、この本でしか読めないエピソードが満載だ。 例えば、吉本ばなな、ユザーンらは、吉本ばななの実家を改装して営業される紹介制の料理屋「猫屋台」を舞台に、のんびりモードの鼎談を行う。料理の腕を振るうのは、吉本ばななの実姉であり漫画家のハルノ宵子。そもそもの2人の関係から、それぞれの記憶に強く刻まれている思い出深い酒場まで、まるで親戚の集まりのような和やかな雰囲気の中で語られるエピソードの数々からは、ファンでもなかなか知ることのできなかった新たな一面、魅力を感じられることだろう。 また、今年、俳優・山田孝之主演でドキュメントドラマ化もされた大人気漫画『東京都北区赤羽』の作者、清野とおるは「もう“赤”はたくさん!」と、地名に別の色が入っているという理由のみから「白山駅」周辺を飲み歩く。変わったウワサなど聞かない、ごく一般的な街に思える白山だが、清野氏ならではの磁場が普通では考えられないような出来事や人物を引き寄せて……。 各界で活躍するライター陣による幅広い読みものも見どころのひとつで、せんべろ古本トリオ(安田理央/とみさわ昭仁/柳下毅一郎)は、電車を乗り継ぎながら古本屋と大衆酒場を交互にめぐる「せんべろ古本ツアー」をレポート。ほかにも立ち食いそば屋、焼肉店、回転寿司、公営ギャンブル場、銭湯などなど、さまざまなシチュエーションにおける至福の飲み方を考察するコラムや、レポ漫画なども充実している。 取材班が実際に飲み歩いた酒場を紹介する「エリア特集」は、鎌倉・湘南・横浜(野毛)が舞台。有名店や、押さえておくべき名店のみにはこだわらず、地元民が愛する大衆酒場、定食屋、バーなど、他誌ではあまり見られないようなディープな酒場が多数登場する。 全体の監修は、居酒屋ライターであり、ミュージシャンや漫画家といった顔も持つパリッコが務め、よくある“居酒屋データ本”とは一味違う、酒場へのこだわりと愛がたっぷり詰まった、濃厚な1冊となっている。「酒場人」(オークラ出版)
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吉本ばななをはじめ、作家、漫画家、ミュージシャンら著名人が“酒場愛”をディープに語る新雑誌「酒場人」創刊!
吉本ばななとユザーンが、ゆる~く酒場対談!? 『東京都北区赤羽』の清野とおるが“赤くない街”ではしご酒!? 作家、漫画家、ミュージシャンなどの著名人たちが、独断と偏見たっぷりに酒場愛を語る新雑誌「酒場人」(オークラ出版)が、12月8日に新創刊される。 酒好きならば、並んだ名前を見ただけでピンとくるであろう通好みのラインナップは、対談企画に、吉本ばなな(作家)×ユザーン(タブラ奏者)、押切蓮介(漫画家)×山本さほ(漫画家)。インタビューに、ラズウェル細木(漫画家)、吉田戦車(漫画家)、かせきさいだぁ(ミュージシャン)、坂崎重盛(作家)。飲み歩き企画に、清野とおる(漫画家)。実際に居酒屋で酒を飲みながら、ほろ酔い状態で語られる、お気に入りの酒場、些細なこだわり、酒にまつわる失敗談など、この本でしか読めないエピソードが満載だ。 例えば、吉本ばなな、ユザーンらは、吉本ばななの実家を改装して営業される紹介制の料理屋「猫屋台」を舞台に、のんびりモードの鼎談を行う。料理の腕を振るうのは、吉本ばななの実姉であり漫画家のハルノ宵子。そもそもの2人の関係から、それぞれの記憶に強く刻まれている思い出深い酒場まで、まるで親戚の集まりのような和やかな雰囲気の中で語られるエピソードの数々からは、ファンでもなかなか知ることのできなかった新たな一面、魅力を感じられることだろう。 また、今年、俳優・山田孝之主演でドキュメントドラマ化もされた大人気漫画『東京都北区赤羽』の作者、清野とおるは「もう“赤”はたくさん!」と、地名に別の色が入っているという理由のみから「白山駅」周辺を飲み歩く。変わったウワサなど聞かない、ごく一般的な街に思える白山だが、清野氏ならではの磁場が普通では考えられないような出来事や人物を引き寄せて……。 各界で活躍するライター陣による幅広い読みものも見どころのひとつで、せんべろ古本トリオ(安田理央/とみさわ昭仁/柳下毅一郎)は、電車を乗り継ぎながら古本屋と大衆酒場を交互にめぐる「せんべろ古本ツアー」をレポート。ほかにも立ち食いそば屋、焼肉店、回転寿司、公営ギャンブル場、銭湯などなど、さまざまなシチュエーションにおける至福の飲み方を考察するコラムや、レポ漫画なども充実している。 取材班が実際に飲み歩いた酒場を紹介する「エリア特集」は、鎌倉・湘南・横浜(野毛)が舞台。有名店や、押さえておくべき名店のみにはこだわらず、地元民が愛する大衆酒場、定食屋、バーなど、他誌ではあまり見られないようなディープな酒場が多数登場する。 全体の監修は、居酒屋ライターであり、ミュージシャンや漫画家といった顔も持つパリッコが務め、よくある“居酒屋データ本”とは一味違う、酒場へのこだわりと愛がたっぷり詰まった、濃厚な1冊となっている。「酒場人」(オークラ出版)
行きたくても行けない!? “本邦初”日本の秘島ガイドブック『秘島図鑑』
島はいい。なんといっても、空気がゆるい。伊豆大島(東京都)や初島(静岡県)のように、首都圏から2時間かからずに行ける島であっても、足を踏み入れた途端、不思議なほどのんびりとした空気や時間が流れる。 そんな魅力的な有人の島を紹介するガイドブックはこれまで何冊もあったが、『秘島図鑑』(河出書房新社)は、本邦初の“行けない島”のガイドブックだ。日本全国に約7,000もあるという島々の中から、興味深い歴史や文化をひもとき、中でも特別感のある“秘島”を絞り、紹介している。登場する島は、全部で33島。女人禁制の伝統を持つ神聖な島として崇められる沖ノ島(福岡県)、太平洋戦争で激闘が繰り広げられた硫黄島(東京都)、北方四島・竹島・尖閣諸島といった領土問題に揺れる島から、アホウドリの生息地としても有名な鳥島(東京都)、トカラ列島のさらに先にある横島(鹿児島県)、フランスの軍艦バイヨネースが発見したベヨネース列岩(東京都)など、ほとんど耳にしたことがない島まで、幅広い。 本書はこれらの島について、例えば沖縄県東部にある沖大東島(ラサ島)であれば、「1543年、スペイン人(B・デ・ラ・トーレ)が島を発見。1807年、フランス軍艦カノリエル号により、「ラサ島」と命名。1900年、日本領に編入。11年にラサ島燐砿合資会社(34年ラサ工業に改称)が設立され、リン鉱石の採取・搬出が始まる。37年、日本政府よりラサ工業に沖大東島が譲渡され、正式にラサ工業の私有地となる。45年、太平洋戦争の激化で、従業員やその家族ら民間人が引き揚げる。58年、在日米海軍が島全体を射撃場として使用開始」などと、見開きの島の写真に基本情報が添えられ、ヒジョーに興味をそそる。これに加え、熾烈を極めた資源採取や島の開拓、男性しか暮らすことができなかった時代、現在の島の様子などが続き、これは本当に日本の話ですか? なんてツッコミたくなるほど、驚きの情報が詰まっている。 また、島紹介とは別に、50ページほどにわたる、行けない島を身近に感じるための「実践編」の章も興味深い。「秘島の“最寄”有人島まで行ってみる」「浜辺の漂着物をチェックする」「マイナー航路に乗って絶海を感じる」など、具体的な提案がされているのだが、中でも気になったのが「本籍を島に移してみる」というもの。都会で暮らしつつ、どんな島に本籍を置くことができるのかなどが詳細に記されており、ちょっとやってみたくなる。 本書を読んでいると、日本の島にはずいぶんいろいろな歴史があって、自分は全然知らないんだな、ということを痛感させられる。行ってみたいけれど、アクセスの方法もないし、行けない――。そんな近くて遠い日本の秘島へ、思いを馳せてみてはどうだろうか? (文=上浦未来) ●しみず・ひろし 1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。テレビ局勤務を経て、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、同大学院新領域創成科学研究科博士課程中退。現在、編集者・ライター。『海に癒される。 働く大人のための「海時間」のススメ』(水中クラブOB高橋啓介と共著、草思社)など。『秘島図鑑』(河出書房新社)
行きたくても行けない!? “本邦初”日本の秘島ガイドブック『秘島図鑑』
島はいい。なんといっても、空気がゆるい。伊豆大島(東京都)や初島(静岡県)のように、首都圏から2時間かからずに行ける島であっても、足を踏み入れた途端、不思議なほどのんびりとした空気や時間が流れる。 そんな魅力的な有人の島を紹介するガイドブックはこれまで何冊もあったが、『秘島図鑑』(河出書房新社)は、本邦初の“行けない島”のガイドブックだ。日本全国に約7,000もあるという島々の中から、興味深い歴史や文化をひもとき、中でも特別感のある“秘島”を絞り、紹介している。登場する島は、全部で33島。女人禁制の伝統を持つ神聖な島として崇められる沖ノ島(福岡県)、太平洋戦争で激闘が繰り広げられた硫黄島(東京都)、北方四島・竹島・尖閣諸島といった領土問題に揺れる島から、アホウドリの生息地としても有名な鳥島(東京都)、トカラ列島のさらに先にある横島(鹿児島県)、フランスの軍艦バイヨネースが発見したベヨネース列岩(東京都)など、ほとんど耳にしたことがない島まで、幅広い。 本書はこれらの島について、例えば沖縄県東部にある沖大東島(ラサ島)であれば、「1543年、スペイン人(B・デ・ラ・トーレ)が島を発見。1807年、フランス軍艦カノリエル号により、「ラサ島」と命名。1900年、日本領に編入。11年にラサ島燐砿合資会社(34年ラサ工業に改称)が設立され、リン鉱石の採取・搬出が始まる。37年、日本政府よりラサ工業に沖大東島が譲渡され、正式にラサ工業の私有地となる。45年、太平洋戦争の激化で、従業員やその家族ら民間人が引き揚げる。58年、在日米海軍が島全体を射撃場として使用開始」などと、見開きの島の写真に基本情報が添えられ、ヒジョーに興味をそそる。これに加え、熾烈を極めた資源採取や島の開拓、男性しか暮らすことができなかった時代、現在の島の様子などが続き、これは本当に日本の話ですか? なんてツッコミたくなるほど、驚きの情報が詰まっている。 また、島紹介とは別に、50ページほどにわたる、行けない島を身近に感じるための「実践編」の章も興味深い。「秘島の“最寄”有人島まで行ってみる」「浜辺の漂着物をチェックする」「マイナー航路に乗って絶海を感じる」など、具体的な提案がされているのだが、中でも気になったのが「本籍を島に移してみる」というもの。都会で暮らしつつ、どんな島に本籍を置くことができるのかなどが詳細に記されており、ちょっとやってみたくなる。 本書を読んでいると、日本の島にはずいぶんいろいろな歴史があって、自分は全然知らないんだな、ということを痛感させられる。行ってみたいけれど、アクセスの方法もないし、行けない――。そんな近くて遠い日本の秘島へ、思いを馳せてみてはどうだろうか? (文=上浦未来) ●しみず・ひろし 1971年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。テレビ局勤務を経て、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、同大学院新領域創成科学研究科博士課程中退。現在、編集者・ライター。『海に癒される。 働く大人のための「海時間」のススメ』(水中クラブOB高橋啓介と共著、草思社)など。『秘島図鑑』(河出書房新社)
「オスグッド病」「ヘルニア」は無能な医師の言い訳? 元サッカー日本代表を蘇らせた『足ゆび力』とは
オスグッド・シュラッター病や椎間板ヘルニアという病名は、無能な医師の言い訳なのかもしれない。『足ゆび力~つま先を使うだけで一生健康でいられる~』(ガイドワークス)を読了し、そう感じている。 腰痛の人が病院に行くと、医師に「レントゲンを撮りましょう」と言われる。そして、レントゲンを見せながら「腰の骨が変形して突出したことにより、神経を圧迫させている」と、椎間板ヘルニアと診断されるのがほとんどではないか。 だが、2011年に放送されたNHK『ためしてガッテン』では、「MRI検査でヘルニアを確認、緊急手術が必要とのことで、手術を受けた。手術は成功したが、腰痛は消えず、5年たった現在も腰痛は残っている』とある腰痛患者の様子がリポートされ、椎間板ヘルニアへの疑問が投げかけられている。 さらに、「腰に負担のかかる職業の15人を調べ、うち2人にはMRIでヘルニアがハッキリ確認できたが、2人とも腰痛はまったくなかった。この点について、最新の医学研究では、腰に痛みがない人でも80%にヘルニアが見つかり、ヘルニアが腰痛の真の原因ではないことが判明している。また違うデータでは、ヘルニアを手術した場合としない場合(経過観察)で、2~10年後の痛みの回復状況はほぼ変わらない。もちろん、ヘルニアの症状によっては手術が必要な場合もあるが、ほんの数%のケースでもある」と、真っ向からヘルニアが腰痛の原因とする説を否定している。 近年の医学界では、腰の痛みの原因をヘルニアではなく、「仙腸関節のズレ」と提唱する医師が増え、名医と呼ばれている。本書『足ゆび力』の監修者である夏嶋隆氏も、そのひとりだ。 ただし、夏嶋氏とほかの名医たちには違いがある。夏嶋氏は仙腸関節のズレを治すだけでなく、このズレが生じる原因も正す。本書には、仙腸関節のズレとなる原因が足の内旋であることが詳細に記されており、足の内旋を防ぐために“足指トレーニング”が推奨されている。 実際に夏嶋氏は、サッカー元日本代表であるゴンこと中山雅史氏や、ドラゴンこと久保竜彦氏を再起させている。久保氏は、「自分の人生に影響を与えた人は誰ですか?」という質問に対し、「(山形県にいる)断食(道場)の先生。サッカー関係は、高校の先生と、『FWやってみいや』って言った河内(勝幸)さん。あと、ジーコもうまぁって思ったね。(膝が悪いから)こんな歩き方(ひょこひょこ歩き)してんのに、ミニゲームとかになるとめっちゃうまい。でも、一番は夏嶋先生。命の恩人のような恩人というか。師匠じゃないけど、人間に大事な感覚というのをよみがえらせてくれた。あそこで夏嶋先生に会わんかったら、どんな人生になってしまったんやろって思います」と語っているくらいだ。 そんな本書に記されている理論はもちろんだが、それ以上に興味深いのが夏嶋氏の“物の見方”である。 「今の世の中に出ていることを疑うことも大切ではないでしょうか。常識や通説の中だけで生きていたら、発明や発展は起きません。いろいろな経験者がそれぞれ方法論を持っています。それがテレビや本で世に出るワケです。ただし、そこには経験という主観も入ってくるので、正論もあれば、違う部分もありますよね。伝言ゲームみたいになっていますから。だからこそ、理論の原点には学問がなければいけません」(『足ゆび力』より抜粋) ヘルニアを削ってもなぜ腰の痛みがなくならないのか? オスグッドになると休むしか方法がないのはなぜなのか? その“WHY”がなければ、医療の発達はない。『足ゆび力~つま先を使うだけで一生健康でいられる~』(ガイドワークス)
90年代の子どもカルチャーの変遷が一目瞭然!?『よみがえるケイブンシャの大百科 完結編』
みんなー! ケイブンシャの大百科の大百科だよー! 君はどの大百科を読んだことある? ちなみに僕のファースト大百科は「超新星フラッシュマン大百科」。当時小学生だった僕は、敵の女幹部役の女優さんがにこやかに取材に応じるオフショットやら、少女漫画チックな漫画(いわゆる同人誌的なタッチ)に衝撃を受けたもんだ。「スーパーマリオブラザーズ1・2・3大百科」では、女性モデルさんがマリオのコスプレしてて、生まれて初めて「コスプレ」なるものを知ったのはこれまた大百科……。 この後、僕はオタク道を驀進するようになったんだけど、間違いなくケイブンシャの大百科の影響だろう。 そんな感じで、アラサー以上の世代にサブカルチャーの洗礼を与えまくったケイブンシャの大百科とは、今は亡き出版社・勁文社より1977年から2002年まで発行され続けていた文庫サイズの子ども向け豆事典シリーズである。通し番号は697番。改訂版などを含めれば、700種以上の大百科が世に産み落とされた定番シリーズであった。 その内容は、特撮、アニメ、プラモデル、ゲーム、鉄道、釣り、スポーツなど子どもなら誰もが興味を持ちそうなホビー系から、オカルト、怪談、芸能ネタ、料理、クイズ、マナーまで実に多彩。 ライター陣も、各ジャンルのマニアが集結。専門誌顔負けのコアな情報満載で、その充実した情報には大人のマニアのファンも多くついていたという。 このケイブンシャの大百科の、昭和時代に発売されたラインナップを網羅した『よみがえるケイブンシャの大百科』(いそっぷ社)が上梓されたのが昨年のこと。それからおよそ1年のスパンを経て、平成時代に発売された大百科を集めた続編『よみがえるケイブンシャの大百科 完結編』(同)が、先日満を持して出版された。この2冊でケイブンシャの大百科の全タイトルが明らかとなった! それだけでも当時の読者は感涙ものだが、今回の『完結編』では別冊として出版された「ゴジラマガジン」編集者・野村宏平氏、数多くの大百科を制作した編集プロダクション・ワークハウスの元主宰者・山下幸雄氏などケイブンシャの大百科黄金期を盛り上げた人々へのインタビュー。さらに2000年代以降、ネット上で幻のトラウマ漫画として一世を風靡した「蝉を食べた少年」の作者への取材&漫画の再録も敢行するなど、大百科ファンにはたまらないラインナップが並ぶ。後にも先にも「ケイブンシャの大百科」をここまで丸裸にした書籍なんて、存在しないはずだ。 そんな『完結編』最大の見どころは徐々に子ども向けホビーがテレビゲームとアニメに駆逐されていく姿であろう。90年代初頭までは、ゲーム、アニメ、特撮に混じって鉄道、野球、釣り、料理など幅広く題材を取り扱っていた大百科も、90年代半ばになるとほぼゲーム、アニメの(しかも、かつてのようなライターの遊び心あふれる内容ではなく、お行儀のいい公式感バリバリの!)ラインナップ一色となる。いかに当時、テレビゲームとアニメが強かったのか、ということがうかがえる。と同時に、バブル崩壊の影響か、それまでのように取材や撮影に予算が割けなくなったのでは……という台所事情も、当時の関係者へのインタビューからもうかがい知れる。その点、アニメやゲームは基本的に編集部内でゲームをプレーし、画面を撮影すればいいのだからかなりお手軽である。 シリーズ末期になると、かつて出版された大百科の改訂版ラッシュに突入。そして2002年に勁文社は倒産する。 図らずも前作『よみがえるケイブンシャの大百科』では、サブカルチャー・ホビー文化が一斉に花開く70年代後半から80年代という時代の波に乗って、大躍進する大百科の姿が収められ、今作「完結編」では趣味の細分化の影響か、はたまた経営的な事情なのか、大百科が徐々に縮小し、時代の本流に呑み込まれていく姿が収められている。この2冊には、日本の近代子どもカルチャーの歴史が凝縮しているといっても過言ではない。 掲載されているラインナップから、幼き日の思い出にひたるもよし。徐々に多様性を失っていくタイトルに涙を流すもよし。関係者の証言から、編集部がいかに大百科を作っていたかに思いをはせるもよし。 『よみがえるケイブンシャの大百科 完結編』は、そんな甘酸っぱい思春期の思い出いっぱいの一冊である。『よみがえるケイブンシャの大百科[完結編]』(いそっぷ社)
グダグダすぎる主人公を反面教師に! 全国の浪人生に贈る、予備校生マンガ『冬物語』
予備校は受験勉強するところ? いえいえ……恋をするところです! 皆さんは、予備校に通ってましたか? 最近は少子化で、すっかり予備校の存在感は薄れており、目立っているのは「今でしょ!」の林修先生ぐらいですが、1970~90年代前半までは大学受験バブル。大学行くなら浪人して当たり前という、予備校天国の時代でした。かくいう僕も、かつては予備校で浪人生をしてました。 予備校といえば、その代名詞ともいえるのが駿台予備学校、河合塾、代々木ゼミナールのいわゆる3大予備校。「生徒の駿台、机の河合、講師の代ゼミ」なんて言われてました。いま思うと、「机の河合」って、扱いがヒドすぎますね。 そんな浪人、予備校ブームの最中に生まれた『冬物語』というマンガがあります。浪人して予備校に通う受験生たちの、まさしく「冬」な心境を描いた作品です。主人公の森川光は大学入試で、ことごとく不合格。残るはスベり止めに受けた「八千代商科大学」のみという状況。 「バーカ! あそこ(八千代商科大学)落ちたら人間やめるよ!」 「そーよ、あそこならだいじょーぶよ! あんなとこ小学生だって受かるわよ!」 「大学生っても、あそこじゃなあ…」 これぞまさに「Fラン大学」といった趣ですが、光はなんと、その「八千代商科大学」すら不合格。つまり小学生以下、人間やめろ状態です。付き合っていた彼女の和美ちゃん(専修大合格)にはあきれられた挙げ句にフラれ、どん底冬状態で浪人生活がスタートします。 この作品の見どころはなんといっても、主人公・光のすさまじいばかりの優柔不断さ、川の流れのようによどみなく流れていく意志の弱さにあるといえましょう。 浪人が決定し、通い始めた予備校、山の手ゼミナール(代ゼミがモデル)では、なんと「東大専科コース」に申し込む光。Fラン大学すら落ちた男が、なぜに東大専科コースを……? 実は、予備校で見かけたかわいい女の子(ヒロインの雨宮しおり)が東大専科コースに申し込んでいるのを見て、ついフラフラと、うっかり申し込んでしまったのです。なんだコイツは!? いきなりダメすぎる!! 当然、東大レベルの授業に、まったくついていけない光。模試の成績も赤点だらけ。さすがに、しおりちゃんにも心配されてしまいます。もちろん東大を受ける学力がないのは、本人が一番わかっているんです。でも、でも……! 「好きなコがいるんだよ…東大…東大目指してる好きなコが…だから…」 ドサクサに紛れて、しおりちゃんに遠回しな告白をする光。しかし、対するしおりちゃんは、それに気がつくどころか……。 「あたしも…光くんと同じなの…好きな人いるの! 東大に…」 告ったと思ったら返す刀で速攻轟沈。そう、しおりちゃんは、東大に入った彼氏を追いかけて一生懸命勉強している一途な女の子だったのでした。 しおりちゃんに脈がないことが判明したので、さっさと東大専科コースをやめればいいのですが、しおりちゃんに未練タラタラの光。いつまでもクヨクヨして、やめるやめないで悩み続け、ついに私大文系コースへの変更を申し出た時には単行本1巻のラストシーンでした。ここまでほとんど勉強せず。ダメだこりゃ!! 単行本2巻では、やっと夢から覚めた光。私大文系コースで目標を日東駒専に定め、再スタートを切ったのですが……。光の前に、新たなヒロインが登場。その名も、倉橋奈緒子。 天真爛漫で積極的なキャラクターながら、青学、中央を蹴って一貫して慶応を狙う才女です。この奈緒子がダメ男好きなのかなんなのかわかりませんが、光をひと目で気に入り、ちょっかい出しまくり。予備校そっちのけで映画に誘ったり、家に呼んだりと誘惑し、しまいにはキスまでしちゃいます。もともと意志の弱い光、これは勉強どころではありません。 これだけでも十分浪人生としてヤバい状況なのですが、奈緒子の一途な思いを裏切るように、しおりちゃんへの未練が再燃。勉強はできないくせに、恋愛だけはイッチョマエの恋多き予備校生として進化しています。 そんなこんなで迎えた、受験シーズン。一年浪人したその成果は……現役の時に落ちた「八千代商科大学」だけ合格! まあ、一応の成果はあったようです。親御さんも一安心です。 そのまま八千代商科大学でキャンパスライフを送るものの、やっぱり納得できない光。勉強できないくせに、プライドだけは一人前。親に黙って勝手に休学届を出して、再び予備校へ舞い戻ってきます。そう、二浪目突入です。しかし、ほどなくして休学がバレ、家族会議に。弟もこれから受験なのに、二浪させるお金なんてないとカーちゃんが泣いてます。身につまされるシーンです。 弟「俺、大学行く気ねーからさ。ま、がんばってよ」 父「金のことは心配するな、ボーナスとかその他にも多少は貯えあるから」 弟はともかく、父ちゃんのセリフ、明らかにムリしてます。 親を泣かせてまで選んだ二浪の道は、まさに修羅の道。今度こそ心を入れ替えて勉強を……と決意したところ、同じく東大に合格できず二浪目に突入したしおりちゃんと予備校で再会。再び、泥沼のノー勉強ライフへ……。 そんな感じで光のダメっぷりにイライラしたり、俺はさすがにこんなにヒドくなかったわーとか安堵しながら読むのが、この『冬物語』のたしなみ方ではないかと思うのです。 マンガではありえないほど情けなく見える光ですが、実はリアルな予備校生のひとつの姿だともいえます。中学・高校と違い、予備校生は基本的に時間の制約がないため、好きな時に好きなだけ勉強できる代わりに、自己管理ができないと、どんどん落ちていきます。誘惑に負けない意志の強さが求められるんです。 ちょっと最近サボり気味でヤバいなと思っている受験生の皆さんには、ぜひ『冬物語』を読んでいただき、勉強しなかったらコイツみたいになっちゃう! と光を反面教師にしつつ、頑張るのがオススメですよ! (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)『冬物語』(原秀則/ヤングサンデーコミックス)
思わずセミやゴキブリも食べずにはいられなくなる! 意外と真面目でシビアな「昆虫食の世界」
どうすればより昆虫をおいしく食べられるか。味や食感、栄養をあらゆる角度から研究し、バッタ会、セミ会、若虫会など昆虫料理イベントを主催する内山昭一さんの本、『食の常識革命! 昆虫を食べてわかったこと』が刊行された。 本書の内容は、「おいしい昆虫ベスト10」「昆虫食あるある」「虫食い女子が昆虫食の魅力を語る」など、エンターテインメントに満ちているが、それだけではない。著者の内山さんは「都会に暮らす人たちは食料を自力で生み出す術を知りません。食料危機という非常時は、動物性タンパク質をどう摂るかを考える必要に迫られます。このとき検討される食材に昆虫が入るかどうかはとても重要です」という。 現代日本の食料問題に警鐘を鳴らす著者に、本書の狙いを聞いた。 ■FAOが食料問題を解決する手段として高く評価した昆虫食 ──内山さんはこれまで、昆虫食レシピ本、昆虫食の研究書などを上梓されていますが、『食の常識革命! 昆虫を食べてわかったこと』は、それらと比べると異彩を放っています。 内山 昆虫食には「捕る楽しみ」「料理する楽しみ」「食べる楽しみ」の三拍子が揃っています。その魅力を伝えたくて、これまで本を出してきましたが、昆虫食に興味がある人でないと手に取りにくかったかもしれません。しかし、2013年の5月13日以降、昆虫食が世に広まると確信したので、昆虫食と聞いて及び腰になる人にも、まずはその世界を覗いてみようと思ってもらえる本を出したいと考えていました。 ──2013年5月13日になにがあったのですか。 内山 その日、国連食糧農業機関(以下、FAO)が、今後予想される人口増加と地球温暖化にともなう食料問題を解決する手段として、昆虫食を高く評価する報告書を出したのです。そして、報告書が出た翌日の夕方、NHKの『ニュースウオッチ9』から取材があり、その夜の番組に放送されました。この出来事で、昆虫食の存在が世に広まると確信しました。実際、2013年5月13日以降、メディアからたくさん取材されるようになり、「昆虫は地球を救う」というタイトルとともに紹介されるようになりました。 ──たしかに本書には、昆虫料理研究家とは何者なのか、興味を喚起する話がたくさん出てきます。カラー写真で内山さんの虫部屋も掲載されていますね。 内山 本書で初めて公開する自宅2階の虫部屋には、定住している虫や四季折々やってくる虫などでいつもあふれかえっています。たとえば、虫の標本、食材を入れる冷凍庫、カイコ、ゴキブリ、カメムシなどが入った飼育ケース、天井から吊り下げている乾燥地蜂がぎっしり詰まったネット、スズメバチ成虫を漬けた焼酎。第1章では、昆虫料理研究家がどんな生活と研究をしているかだけでなく、家族に私の活動をどうやって理解してもらっているかも包み隠さず書きました(笑)。 ■まずい虫はごくわずか。おいしい虫は探せばもっといる ──虫部屋にいる虫は、ご自身で食べるために飼育しているのですか? 内山 はい。ですが、それだけではありません。FAOの報告書が発表されて以来、昆虫食イベントの回数が増え、メディアからの取材依頼も増えています。そうした際には当然ながら数点の昆虫料理を提供することになりますが、この要望に応えるため一定量の食材を常に用意しておかなければなりません。そのためにも飼育しています。普通に店で手に入る食材ではありませんから。 ──ゴキブリも飼育しているんですね。 内山 だいぶ以前のことですが、冬に雑誌「漫画実話ナックルズ」(ミリオン出版)からゴキブリ特集を組みたいという依頼がありました。「この季節に捕まえるのは難しいですよ」と答えると、「では、こちらで用意します」という返答でした。そして取材の当日、なんと連れてきたマダガスカルゴキブリが百匹あまり! 私もさすがに茫然自失。とりあえず取材に参加した仲間数人で食べきれそうな五十匹を調理し、残った五十匹を持ち帰り飼育することにしました。それが、いま虫部屋に同居しているマダガスカルゴキブリたちの先祖です。内山さんオススメレシピ1「カミキリムシの幼虫のかまぼこ包み」
■もっともおいしかった虫はカミキリムシの幼虫 ──本書からは、昆虫食と聞いて及び腰になる人に興味をもってもらおうという意気込みが伝わります。 内山 第2章の、おいしい昆虫ベスト10で、私が食べた虫の中でも特においしかったものをランキング形式で紹介しました。私はこれまで130種類以上の昆虫を食べてきました。その経験から言えることですが、「これはまずくてとても食べられない!」という虫はほんのわずかにすぎません。たいていは普通の虫の味です。 ──普通の虫の味ってどんな味ですか? 内山 「ほんのり甘くて何となく植物系の味」といえば伝わるでしょうか。たとえば、私たちの主食と同じ米を食べるイナゴを焼いて食べてみてください。昆虫のほとんどは焼いた香ばしいイナゴの風味に似ています。もちろん私が食べていないだけで、ほかにもおいしい虫がたくさんいるに違いありません。実は昨年の夏、初めてスズムシを食べたのですが、コオロギよりずっと濃厚な旨味があることを知ったばかりです。 ──ちなみに、内山さんがおいしいと思う昆虫の第1位を教えていただけますか。 内山 カミキリムシの幼虫です。日本に生息する昆虫の中で最高のおいしさといえるでしょう。テッポウムシ、ゴトウムシ、トッコムシなどさまざまな愛称で親しまれてきたことが、おいしさを物語っています。カミキリムシの幼虫のおいしさは「マグロのトロ」の味にたとえられます。トロリとした脂肪の甘味が特徴です。いっぽうマグロの背側を赤身といいますが、カミキリムシの場合は成虫の胸肉がそれに似ています。よく発達した筋肉の旨味が味わえます。幼虫を好む人が圧倒的に多いのですが、なかにはあっさりして旨味の濃い成虫が好きという人もいます。 ■木の上のほうにいるセミはうまい。落ちたセミはまずい ──昆虫を食べたことがない人でも、おいしいセミの見分け方など、いざというとき役に立つ情報が満載です。 内山 第3章の「昆虫食あるある」で、みなさんに伝えたい昆虫食の情報を盛り込みました。私の経験上ですが、「木の上のほうにいるセミはうまい。落ちたセミはまずい」は間違いありません。 ──その根拠はなんでしょうか。 内山 若いセミほどタンパク質や脂肪が充実しておいしくいただくことができます。そんな羽化したばかりの元気なセミは、木の上のほうにいることが多い。鳥などの天敵に見つかりにくいからでしょう。それに対し、交尾を終え生殖の役目を終えたセミは、身を守るセンサーが鈍くなり、目につく木の下のほうにいることが多くなります。子供でも簡単に捕まる老いたセミはだいぶ味が落ちるように感じます。また、落ちて死んでいると思って触ると、急に鳴いて暴れるセミがいます。いわゆる「セミ爆弾」です。これはかなり弱って死期が近い状態なので、味も一段とまずくなります。セミに限らず小さな昆虫は死ぬと鮮度が急速に落ち、水分が失われ干からびてしまいます。でも昆虫は外骨格なので外観からはそれがよくわかりません。できるだけ竿の長い虫取り網を用意して、木の上のほうにいるおいしいセミを取ってください。 ■虫を食べる女性が増えている理由 ──第4章の「虫食い女子が昆虫食の魅力を語る」では、食の常識が粉々になる話が飛び交い驚きましたが、昆虫食にはまる女性が多いことも意外でした。 内山 昆虫食のイベントに男女で参加する場合、積極的なのはたいてい女性です。昆虫を食べるときの様子を見ればはっきりします。男性はかなり躊躇しますが、女性は調理が始まると一気に食材に見えるようでこだわりなく食べてくれます。女性には、「なんでも食べなきゃ生きていけない」という意識が根底にあるのではないでしょうか。だから飢餓に強いのは女性だと思います。昆虫食への好奇心も、そのあたりに由来するのではないでしょうか。一方、男性は食に対して保守的です。また、狩猟は男性のほうが得意ですが、飼育となると女性の能力が高い。飼うことに対してものすごく興味を持っているように見えます。世話焼き上手でもあるし。でも、そのあと食べるんですが。 ──最近の昆虫食イベントでは、子供連れのお母さんの参加が目立つとか。 内山 昆虫を食べる会を続けてきて感じることは、年々、昆虫を食べることに真剣な女性が増えてきているということです。なかにはお子さんをおんぶして参加されたお母さんもいらっしゃいました。各地で昆虫食イベントが開かれることも多くなり、親子で参加される集まりに呼ばれると、お母さんが率先して食べて子供に勧める光景をよく目にします。「虫を見る目が変わりました。子供たちも『食』で虫に親しんでくれるといいなと思いました」「貴重な体験でした。食糧難時代になっても大丈夫かも」などといったアンケートを読むと、昆虫食に本気なお母さんが多いのに驚きます。内山さんオススメレシピ2「セミの親子揚げ」
■不安な日本を生き延びるための昆虫食 ──エンタテインメント色が一転して、第五章「騙されないための昆虫食」では食の危機的状況に警鐘を鳴らしています。これはどういう狙いでしょうか。 内山 第4章までは、昆虫食にかんする珍談奇談を盛り込んで、昆虫食に興味をもってもらおうとしました。しかしそれだけでは、昆虫食に興味はない、あえて食べる必要はないという方が本書を手に取ることはないでしょう。そこで、FAOが提唱した食料問題を解決する手段としての昆虫食から始まって、不安な日本を生き延びる力となる昆虫食について、考えてみました。 ──不安な日本を生き延びる力となる昆虫食とは、具体的にはどういうことでしょうか。 内山 現在、火山噴火、地震、局地的大雨、猛暑など、かつてなかった全地球規模の気候変動がおこっています。私たちはいい知れぬ不安を抱きながら暮らしています。地球温暖化がこれら異常気象の誘因のひとつかもしれません。FAOがいう、人口増加と地球温暖化による地球規模の食料危機はこれからも対策が必要でしょう。しかし、それと同じくらい警戒しなくてはならないのは、日本の政情不安によって生じるかもしれない食料危機です。日本は1000兆円という想像もできない借金を抱えています。アベノミクスの恩恵は貪欲な新自由主義の巨人が食いつくし、多くの国民の生活は改善されず、高齢者の5世帯に一世帯は貧困とされ、将来を担う子供たちも6人に一人が貧困といわれています。日本の食料自給率はカロリーベースで39%と低く、主要国のなかで外国への食料依存度がもっとも高い国です。TPP(環太平洋経済連携協定)の施行によって、さらに外国への食料依存度が高まる可能性があります。そのような状況で、世界的な金融破綻がおこり、国債や株価が暴落したらどうなるでしょう。超インフレで食料を買えなくなる、または激しい円安となって食料輸入が激減したとき、多くの日本人は兵糧攻めにどれだけ耐えられるでしょうか。 ■都会に暮らす人は食料を自力で生み出す術を知らない ──本書では食料危機のリアリティを、内山さんは祖父との会話から説明しています。 内山 私が幼少の頃、農家には、農薬がさほど普及していませんでした。稲などまさしく今どきの有機栽培でした。したがって草は伸び放題でしたから、暑い盛りの草取りほど辛い作業はありません。暑さでめまいがしてフラフラすることもありました。今でいう熱中症なのでしょう。そんなとき、祖父のよく言っていた言葉を思い出しました。 「終戦直後は畦に草一本生えていなかった」 戦争など非常事態には、土地のある農家は有利です。食べ物が自給自足できる強みがあります。米や野菜は自前で収穫できますし、動物性タンパク質は川魚や昆虫で摂取することができます。ところが都会に暮らす人たちは食料を自力で生み出す術を知りません。戦中戦後の非常事態においては、地主に頼んで、せいぜい食べられそうな畦草を刈らせてもらって持って帰るぐらいだったでしょう。非常時は、平時以上に体調維持を心がけ、栄養のバランスにより注意を傾け、動物性タンパク質をどう摂るかを考える必要に迫られます。このとき検討される食材に昆虫が入るかどうかはとても重要です。 ──昆虫を食べるという行為は、嘘を見抜く精神につながると本書で述べています。どういうことでしょうか。 内山 戦後70年が過ぎた今ぐらい、日本人にとって未来が見通せない時代はないでしょう。「そこはかとない不安」を本能的に感じながら暮らしている人がほとんどではないでしょうか。ヒトの学名はホモサピエンス、つまり「知恵のある人」なのですが、どうも学名は買いかぶりのようです。私たちは歴史に学ばず、再び戦前の国家主義に戻ろうとする気配が感じられます。大戦の惨禍を経験している以上、私たちは「国家に騙されるのも罪なのだ」ということを肝に銘じておくべきでしょう。いまこそ騙されない覚悟が求められているのです。昆虫を食べるという行為は卑小なことに思われますが、実は国家と向き合い、ためらい、見つめなおし、その嘘を見抜く精神を養うことにつながります。なぜなら、これまで口にしたことのない昆虫を食べるというのはとても勇気のいることだからです。「昆虫は食べ物ではない」という間違った情報が社会を支配しています。こうした誤った社会通念を鵜呑みにせず、自らの五感を研ぎ澄まし、覚悟を決めて昆虫を食べてみると、意外に肉や魚と同じ普通の食べ物だということが納得できます。「備えあれば憂いなし」という言葉もあります。いまから昆虫食に慣れ親しんで、準備しておくことをお勧めします。 (構成=野口英明) ■『昆虫を食べてわかったこと』発売記念イベント開催! 内山昭一(昆虫料理研究家)×カブトムシゆかり(タレント) 「かわいい昆虫がおいしいとは限らない!」 ・11月19日(木)19時半~ ・ジュンク堂書店 池袋本店 ・入場料1000円(1ドリンクつき)。4階喫茶コーナーにて ・要事前予約 電話 03-5956-6111(ジュンク堂池袋本店) ・詳細はコチラ ■さらにディープな世界を知りたい人は…… 「東京虫食いフェスティバル」 ・11月23日(月・祝)15時30分~ ・SHIBAURA HOUSE(東京都港区芝浦3-15-4) ・詳細はコチラ ●内山昭一(うちやま・しょういち) 1950年長野県生まれ。昆虫料理研究家。幼少から昆虫食に親しみ、99年より本格的に研究活動に入る。どうすれば昆虫をよりおいしく食べられるか、味や食感、栄養をはじめ、あらゆる角度から食材としての可能性を追究する。2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨する報告書を発表して以降、メディアから取材殺到。こうした気運を受け、代表を務める昆虫料理研究会の活動が大きく広がる。また、日本初の昆虫食を科学的に研究する食用昆虫科学研究会が14年にNPO法人の認可を受け、理事として啓蒙活動を続けている。 http://insectcuisine.jp/内山さんオススメレシピ3「むし寿司」
“現役”ミスキャンパスたちがビキニ姿に! オジサンにはたまらない電子写真集が発売
“女子大生ブーム”は過去のものとなった感があるが、世のオジサンたちにとって、今でも“現役女子大生”は特別な存在だ。 その女子大生がビキニ姿を披露した電子写真集が発売されたというから、ヒジョーに気になるところだ。しかも、フツーの女子大生ではなく、「ミスキャンパスコンテスト」でグランプリ、ファイナリストに選ばれた美女揃いの面々なのだ。 10月29日、写真集『キャンパスクイーンコレクション―あの大学の、気になるあの子たち―』(文藝春秋)が電子書籍限定で発売された。 撮影に参加したのは、現役ミスキャンパス13人で、そのうちの3人が、ありがたいことにビキニ姿にチャレンジしているというから、たまらない。 写真集に収められているのは、「お茶の水女子大学ミスコンテスト2014」ファイナリスト・井上真理子さん、「成蹊大学ミスコンテスト2014」グランプリ/「Miss of Miss2015」アナトレ賞・岡田彩花さん、「慶應義塾大学ミスコンテスト2014」ファイナリスト・西村萌さん、「専修大学ミスコンテスト2014」ファイナリスト・三木茉莉さん、「帝京大学ミスコンテスト2014」準グランプリ・高尾美有さん、「埼玉大学ミスコンテスト2014」準グランプリ・清水みゆきさん、「獨協大学ミスコンテスト2014」準グランプリ・鈴木茉由さん、「横浜市立大学ミスコンテスト2014」グランプリ/「Miss of Miss2015」審査員特別賞・栗本苑さん、「中央大学ミスコンテスト2013」グランプリ・西澤由夏さん、「明治学院大学ミスコンテスト2014」ファイナリスト・平田梢子さん、「横浜国立大学ミスコンテスト2014」グランプリ・末岡志保美さん、「白百合大学ミスコンテスト2014」グランプリ・榊原莉奈さん、「千葉大学ミスコンテスト2014」グランプリ・谷元星奈さんの13人。 このうち、ビキニ姿を披露してくれたのは井上さん、岡田さん、高尾さんの3人。みんな、なかなかの巨乳で、“見応え”は十分。水着にはなっていないが、栗本さんの女子大生らしからぬ妖艶な色香もたまらない。 昨今、ミスキャンパスといえば、女子アナ、キャスター、タレントの登竜門ともいわれるようになった。この13人の中から、後に女子アナやキャスターになる者が出てもおかしくないだろう。そうなれば、この電子写真集は“お宝”になりそう。ビキニ姿にトライした3人には、グラビアやイメージDVDのオファーも殺到しそうだ。 (文=森田英雄)『キャンパスクイーンコレクション―あの大学の、気になるあの子たち―』(文藝春秋)
日本一の観光都市・京都に広がる深い闇『京都の裏社会 山口組と王将社長射殺事件の聖域』
11月に入ると、京都では紅葉の季節を迎える。 2014年には市内年間観光客数5,500万人を上回った、日本一の観光地・京都。しかし、そんな古都には、知られざる深い闇が広がっている。ジャーナリスト・一ノ宮美成氏による『京都の裏社会 山口組と王将社長射殺事件の聖域』(宝島社)は、そんな京都の裏側を描き出す一冊だ。 13年暮れ、山科区で起こった王将フードサービス社長・大東隆行氏の射殺事件は、いまだ犯人が捕まらないどころか、拳銃の発射音を聞いたという証言すらも得られず、捜査は難航を極めている。「餃子の王将」で全国的に知られる同社だが、一ノ宮氏の調査からは、ある不可解な人脈が浮かび上がってきた。 故・上杉佐一郎氏は、部落解放同盟委員長であり、暴力団ですらも恐れをなした人物。王将は、全国展開にあたって上杉氏の力を使い、300億円もの大金をメガバンクから引っ張ってきた。本書では、不動産ブローカーによる、こんな証言が引用されている。 「『王将』のバックは、なんといっても上杉佐一郎さんでしたよ。最盛期の上杉委員長の実力は絶大なもので、(税務申告の書類に)部落解放同盟のハンコがあれば税金フリーパスだったわけです。京都の財界人も、多かれ少なかれ世話になっていたんです」 王将の創業家である加藤一族と、上杉やその異母弟である昌也氏は、かねてから昵懇の関係だった。昌也氏は、王将子会社「キングランド」が投資した「福岡センチュリーゴルフクラブ」の経営者であり、王将ではこのゴルフクラブへの貸付金が回収できずに赤字に転落した過去を持っている。実直な人柄で知られる大東社長は、王将を取り巻く裏社会と手を切ろうとしてトラブルに巻き込まれた可能性が低くない。 さらに、別の側面からも王将の闇が見えてくる。創業者の長男・加藤潔氏の息子の3代目社長・貴司氏は、ウクライナ出身の女性と結婚し一児をもうけるも、妻と息子に対して激しいDVを繰り返すようになる。その後、貴司氏は息子を連れて海外へと逃亡し、7年を経た現在でもその消息はつかめていない。貴史氏は王将フードサービスの株式、約27万株を保有しており、配当金は毎年約2,000万円。現在でも、海外のどこかで逃亡生活を送っているといわれている。 また、世界遺産として知られる「醍醐寺」でも、トラブルが勃発している。 醍醐寺の境内に建立された「真如三昧耶(さんまや)堂」には、新興宗教団体・真如苑の開祖である伊藤真乗氏と二代目・伊藤真聰苑主の胸像が並べられている。さらに、醍醐寺開祖・聖宝理源大師1,100年御遠忌の中日法要の主催は真如苑が務めており、醍醐派の有力者は「醍醐寺は完全に真如苑に乗っ取られた」と漏らしている。 真如苑開祖の伊藤真乗氏は醍醐派で得度したものの、1,100年の歴史を誇る醍醐寺と新興宗教である真如苑との蜜月関係は不可解と言わざるを得ない。一ノ宮氏が調べを進めていくと、そこにはカネにまつわる疑惑が見え隠れする。1987年には、真如苑から醍醐寺に渡った1億円とも1億4,000万円ともいわれる寄付金が行方知れずとなっているほか、08年にも落雷によって消失した上醍醐・准胝(じゅんてい)堂の再建のために4億円が真如苑から醍醐寺に寄進されたという話が持ち上がる。醍醐寺側は、ようやく翌々年になってその一部である1億円の寄付を認めることとなったが、醍醐寺の不透明な経理は信者でもさっぱり全容がつかめないという。 さらに、醍醐寺にすり寄る新興宗教は真如苑にとどまらない。「ゆず」の北川悠仁の母・北川慈敬氏が教祖を勤める新興宗教「かむながらのみち」も醍醐寺に深く食い込んでおり、慈敬氏は醍醐寺仲田順和管長の就任式に参列。また、500万円の寄進を行っている。さらに、醍醐寺・仲田管長は北川悠仁と元フジテレビアナウンサー・高島彩の結婚式にも参列している。 このほかにも、本書ではエムケイタクシーと民族系信組の関係、東本願寺の内紛、そしてパチンコ企業の「マルハン」を支える京都大学人脈など、古都を舞台にさまざまに暗躍する金と闇勢力が描かれている。この秋、京都に足を運ぶならば、美しい景色の裏側に広がる「京都の闇」にも目を向けてみるべきだろう。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])『京都の裏社会 山口組と王将射殺事件の聖域』(宝島社)









