
『マリオネット』(愛田真夕美、白泉
社)
――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。
耽美な世界観が好きな女は結構いる。偶像としての人気は、元気にお外を駆け回ってるキャラよりも断然高いはずだ。戦隊ものでも、女子の一番人気は元気はつらつリーダー格の赤よりも、クールな青だそうだ。
それはなぜか。元気はつらつなヒーローが自分に欲情してきた場合と、耽美主義者の美少年が自分に欲情してきた場合を比べて想像してみよう。元気はつらつは、「あー、なんか遊んでそう」「体も息子もお元気なのですね」という気がする。一方で耽美系が自分に欲情してきたら、「よっぽど私のことが好きなのかしら」という気がする。普段が冷静に美を愛でていそうなキャラクターだから、よほどのことがない限り欲情しないような気がするのである。黒髪ストレートヘアの色白の女が全員処女のような気がするのと同じ理屈である。






