
『岩館真理子自選集 (3) えんじぇ
る』/集英社
とおーいとおーい昔に、大好きだった少女マンガのことを覚えていますか。知らず知らずのうちに、あの頃の少女マンガが、大人になった私たちの価値観や行動に、影響を与えていることもあるのです。あの頃の少女たちと今の私たちはどうつながっているのか? 少女マンガを研究する慶應義塾大学の大串尚代先生と読み解いてみましょう!
<今回取り上げる作品>
岩館真理子『えんじぇる』/『週刊マーガレット』(集英社)掲載、1982年
トピタイトル「幸せだけど幸せじゃない」
「トピを開いてくださってありがとうございます。もうすぐ2歳になる娘がいる20代女性です。高校を卒業してすぐに見合いで夫と結婚し、4年になります。夫は商社に勤めている、いわゆるエリートサラリーマンです。夫は優しい人で、わがままも聞いてくれますし、私が不得意な家事についても文句ひとつ言いません。周りの人は、みんな幸せな結婚だと言ってくれます。でも……どこか満たされないんです。なんでこの人と一緒にいるんだろうって思って。先日思いあまって、娘を連れて家を出ました。これから離婚に向けて、話し合いをすることになると思いますが、どうすればこの心の穴が満たされるでしょうか」
「トピ主です。みなさん、ご意見ありがとうございました。厳しいご意見もすべて読んでいます。もう少し説明させてください(後出しですみません)。夫は20代後半です。私が高校を卒業して、すぐに結婚したのは、高校時代につきあっていた先輩に、ほかに恋人がいることがわかって、失恋してしまったからなんです。それで親に勧められるままお見合いをして、良さそうな人だなって思って、結婚したんです。結婚ってそういうものじゃないんですか? それから私は専業主婦じゃありません。高校時代から描いていたイラストでお仕事をもらえているので、なんとか生活はできます」





