貯蓄をしても安心できない読者に贈る「日経ウーマン」的遺言書のススメ 

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「日経ウーマン」7月号(日経BP社)

 「人生を変える!」「自分を磨く」「貯蓄」「●●術」のローテーションで成り立っているんじゃないかと思えるぐらい、短いスパンで似たような特集名が表紙を飾る「日経ウーマン」。プロ野球観戦の楽しみのひとつに、ピッチャーローテーションから先発を予想するというのがあるのですが、「日経ウーマン」もそういった楽しみ方ができそうです。びっくりするようなタイミングで恋愛やセックス特集をぶつけてくるところも、予想のしがいがあるってもんです。さて、今月のトピックを見ていきましょう。

「VERY」の細部ににじみ出る、お受験ママのファッションと受験校のヒエラルキー

「VERY」11年7月号/光文社

 先月号の「VERY」のレビューでもご紹介した通り、「VERY」「STORY」など光文社の主要女性誌が震災後に読み応えのある、丁寧なコラムや座談会などを作っています。今月号の「VERY」でも、政井マヤ、小島慶子、堂珍敦子、立教新座中学・高等学校の渡辺憲司校長による座談会「『母親としての覚悟』の持ち方」が掲載されています。他社の女性誌でもちらほらと「節電」「放射能」などの言葉が躍る企画はありますが、震災後に母として、女としてどう生きるかという問題に正面からがっぷり四つで向き合えるのは、これまで読者と多くのものを共有してきた光文社だからこそ。

 「セグメント」と言ってしまえばそれまでですが、夫の社会的立場、ライフスタイル、世帯所得といった分かりやすいものから、「他人からの羨望と、見得のギリギリのバランスで生きる苦しさ」「お受験で味わう孤独感」「若さへの嫉妬と老いへの恐怖」といった精神的なところまでフォローし(時にはとんでもないことを提案しつつ)、寄り添ってきた雑誌だからこそ、正念場で読者をひきつける求心力を発揮するのだと思いました。「GLAMOROUS」(講談社)や「InRed」(宝島社)はどちらも既婚・未婚を問わない雑誌がゆえに、「VERY」「STORY」のような求心力は持っていないように感じます。導入はマジメになってしまいましたが、今月の「VERY」もその求心力を遺憾なく発揮したつくり(反面、部外者を置いてきぼりにする)ですので、細かく見ていきましょう。

こんなの初めて!? 女装したイケメンだらけのミュージカルの動画付き写真集が電子書籍で発売!

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 ずいぶん前から話題になっている、出演者がイケメンだらけのミュージカル。女子高生や女子大生など、若い女性たちを虜にしてやまない、魅力溢れるステージなのだという。たとえば『ミュージカル・テニスの王子様』(以下『テニプリ』)によって人気を集め、今ではテレビに引っぱりだこの俳優・城田優。彼のような演技も歌もできる、若手のイケメンを輩出し続けているのが、『テニプリ』の人気の秘訣なのだろう。

科学とスピの夢のコラボ? ドクター・中松パワースポットに潜入!

写真を撮る時の合言葉は「ドクター
ナカマツー!」

 パワースポットといえば、アメリカのセドナや日本の高尾山などが挙げられ、それらは大地の力がみなぎる場所と言われている。古くからの信仰や伝承がもとになっていることが多く、多くの人は自然の持つ計り知れないパワーを求めてパワースポットを訪れる。しかし、そこに科学的根拠はない。

店員の視線が痛すぎる!! 六芒星マークが目印のストーンショップ

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レーザービームのような視線をかいくぐり、運命の石をゲットだ!

 原宿駅を出て●●通りを渡り切ると見える、某スポーツ店の並びに、そのパワーストーンショップはあります。看板には「石のものならなんでも揃う石の専門店」と書かれ、店名の横には丸っこい六芒星のような宇宙空間をほうふつとさせるシンボルマーク。その外観は正直、白装束の団体が運営していそうな、UFOを呼ぶサークルへ勧誘されそうな雰囲気がないとは言えません。私自身、「入店している瞬間を知り合いに見られたら何かしらの誤解を受けるかもしれない......」という不安をぬぐえず二の足を踏んでいたのが事実。でも、店先は怪しげでも、勧誘されないから安心して! 勇気を出して入ってしまうと、開業28年の歴史を誇るマニアックな品ぞろえに、頻繁にチェックしないと気が済まなくなる名店なのです。

矢沢あい原作『Paradise Kiss』、まさかのエンディングに「ショック」の声続出!?

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『映画ノベライズParadise Kiss』
(竹書房)

 国民的大ヒット作品『NANA』(集英社)を生み出したマンガ家・矢沢あい。数ある作品の中でもフリークな女子たちの間で人気が高いのが、今回映画化される『Paradise Kiss』(祥伝社)、通称"パラキス"なのだ。

 受験勉強がはかどらず、頭を抱える主人公・紫(ゆかり)はある日、ファッションの専門学生たちから自分たちの作った服のモデルをやってくれないかと頼まれる。洋服作りを"お遊び"だとバカにしていた紫だが、彼らの夢に対するひたむきさや情熱に触れるうち、自分の生き方に疑問を抱き、自分の意思や夢を持ち始めていく。

バブル前後で引き裂かれる「アラフォー」に、「STORY」が新語を発表

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「STORY」(光文社)2011年7月号

 来るべき電力不足の夏へ向けて、メディアも節電ネタ一色という感じの今日このごろ。人々が「どれだけ減らすか?」という数値目標にばかり目を奪われている中、「STORY」の節電企画はひと味違います。「働く40代の"マドンナカラー"服」は、節電で暗くなるオフィスや街を40代女性が明るくする! という"一周回ってエコ"な企画。すんごいヴィヴィッドなオレンジ、黄色、真っ赤、ド派手ピンクなファッションアイテムをズラリ紹介しています。みなさん、街中で大屋政子先生ばりのピンクワンピを着たアラフォー女性を見掛けても、それは「周りも自分もテンションが上がる=世の中が明るくなる」という壮大な目的のためですから、どうか温かい目で見守りください。それでは今月のラインナップを。

草食男子=SO-MEN! 頑張ってます感が色濃い「Domani」のセンス

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「Domani」7月号(小学館)

 今月の「Domani」にはなんと、「いい女つけまデビューBOX」というものが付いてます。読者の平均年齢が32.5歳なのを考慮して、ギャルみたいに不自然な長さではないつけまつ毛とおっしゃってますが、筆者から見れば十分長いような気もするのですが......。今月号の特集は「愛と勇気と大人の女!」というよく分からないものです。特集はスルーして、今月も細かいところを見ていきましょう。

<トピック>
◎働くいい女の教科書は"ヤンキーvs おやじvs SO-MEN(草食男子)"でした!
◎"きちんといい女"グレージュvs"こなれたいい女"ブラック 6月の着まわし10DAYS
◎付録 いい女つけまデビューBOX

「今じゃない」人の救済雑誌「CLASSY.」が提案する、「幸せになれる服」って?

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「CLASSY.」7月号(光文社)

「もちろん、服だけで幸せにはなれません。服はどこまでいっても服でしかありませんから。でも、新しく買ったシャツに袖を通すとき、週末のデートに着ていく服を選んでいるとき、あなたはハッピーオーラに包まれているはず。服にこめる気持ちこそ、幸せの源なのです。この夏、自分はもちろん、まわりもハッピーになれるオシャレをご紹介します!」

二次元もアイドルもなんでも来いっ! 新選組の聖地・壬生寺の現実

 京都は、世界屈指の観光地。そして女の憧れの地である。美味いもん食って、寺社を見て、お洒落して、勉強する。何でもかんでも「京都でする」のが女の憧れなのだ。女性誌はこぞって京都特集を組み、ガイド本や京都観光エッセイがボロボロ出版されている。確かに京都には歴史がある。名産品がある。美味がある......そして誰も取り上げないけれど「しょっぱい京都」もある。

 しかし京都のほんとうの魅力は、こういうソルティーなところにあるのだ。上品ぶっている女性誌では取り上げないほんとうの京都の姿を、しっかり焼き付けて欲しい。そうだソルティー京都、行こう。

【第5回 壬生寺】

 滅びゆくものを見るのは、切ない。もうすでに決定してしまい、動かすことのできない過去の歴史をのぞいてみると、そこには、じれったいほどに切ない事件や人々がたくさん登場する。