輪廻転生という萌え要素を回収できなかった、メイ作『天よりも星よりも』

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『天よりも星よりも』1巻(赤石
路代、小学館)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 たぶん現実では叶えられないけど、実現したらいいなという夢ってなんだろう。それは「超能力者になる」じゃないだろうか。恐らく誰でも1度は、「なれたらいいな」と考えたことがあるはずだ。しかしどんなに金を積んでも叶えられないのがこの願い。バブル期、金さえ出せばたいていのものは手に入ると思われていたこの時代に、少女マンガでめっぽう多かったのが超能力者の話だ。

女子高生で母に……「I LOVE mama」に見る若ママの光と影

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「I LOVE mama」2011年10月号(イン
フォレスト)

 「たまひよ」(ベネッセコーポレーション)よりリアルで、「小悪魔ageha」(インフォレスト)より生活臭がある。イマドキのギャルママたちの生活に寄り添い続ける「I LOVE mama」(同)、合い言葉は「ちびコへの愛とメイクは盛り盛り、家計と体重はサゲサゲ」。ミッキーマウス型のぶり大根を作ったり、オール100均でフルメイクしたり......「I LOVE mama」から垣間見える美ママたちの日常は、素直で健気で時に危うい。そしてこの雑誌の最大の見せ場は、元ヤンチャなママたちが振り返る、刹那自叙伝です。今月はなんと! JKママ(女子高生ママ)と若ママのツラ話(ツラい話)特集。みなさん、ラブママ夏の終わりのハーモニーに耳を傾けましょうね! その前に今月のラインナップを。

結婚しない主義男の上から目線が全開! 「an・an」結婚特集が軽い

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「an・an」(マガジンハウス)8月
24日号

 結婚したがる女が増加なんて話の信ぴょう性を高めるために作られたような特集「いまこそ結婚?」が登場です。「気になるブームを徹底検証」というタイトル上のキャッチがいやらしいですね~。韓流、タピオカ、ナタデココ的なブームとして結婚特集なんですよ、というエクスキューズか? 何の前触れもなく「母になるって楽しいかも」といった妊娠特集を思い出します。では、「an・an」流結婚ブーム特集をチェックです。

「女目線」を求めることが「男目線」、『ハタラクオトメ』が浮き彫りにした現実とは?

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『ハタラクオトメ』(桂望実、幻冬
舎)

 ビジネスの世界でもてはやされる「女目線」。「女目線のサービス」「女目線の経営」「女目線の家電」、果ては「女目線のヘルシースイーツ」など、「いやそれもともと女性の領域だったよね?」というものまで女目線で見なきゃいけない世の中。はっきり言って、少しも新鮮じゃありません。女性が自発的にやるのならともかく、男性にやらされているだけだったりすると、しらけるの一言。そもそも「女をウリにする」ということが、もはや「男目線」なんだけどなあ......。そんな「女目線」ビズに奮闘する女性たちを描いた小説『ハタラクオトメ』(桂望実・著)。

コンサバでモテてきた「HERS」世代、いよいよその呪縛から解き放たれる?

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「HERS」(光文社)9月号

 実業家で内縁の夫である佐々木力氏に先立たれた、「HERS」のメーンモデルを務める萬田久子さん。佐々木氏が体調を崩してから、1カ月余りで亡くなったとのことで、悲しみも深いことでしょう。でも「HERS」の読者には、実際にはすでにパートナーに先立たれている人も多いのかもしれません。それでも、自分らしく、有意義に生きて行きたい......そんな「HERS」の誌面に、萬田さんの笑顔が戻って来ることを願ってやみません。

読めば読むほど味が出る!? 擬人化された食卓ドタバタコミック『田中さんちの白米ちゃん』

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『田中さんちの白米ちゃん』(竹書
房)

 "トイレにはキレイな女神様がいる"と歌った曲が去年から今年にかけて大流行したのは、おそらく日本人の魂に刷り込まれた言葉だからだと思う。トイレにも、その辺に落ちている石ころにだって神様が宿っているという古き良き日本人の感性が多くの人の心に届いたのだろう。"トイレに女神様"説は聞いたことがないけれど、"米粒の一つ一つに神様が宿っている"説はおなじみの話じゃないだろうか。親にそんなこと言われたな、とふと思い出させてくれるのが、食卓擬人化コメディーマンガ『田中さんちの白米ちゃん』だ。

健康雑誌のような「婦人公論」は役に立つようで役に立たない!

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「婦人公論」8月22日号(中央公論
新社)

 暑い日が続きますね。夏なのでパーッとしたいところですが、パーッと何をするか具体的な案がまったく思い浮かびません。寂しいっす。こういうときは「婦人公論」でも読んで、ドロドロしたりムラムラしたりするに限るわ......と思うのですが、今号の「婦人公論」はそんなノリじゃありませんでした。どんなノリか、中身をさっそく見てみましょう。

『ときめきミッドナイト』から考える、ヒット作続編商法という難しさ

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『ときめきミッドナイト 1』(池野
恋、集英社)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてきぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史に燦然と輝く「迷」作を、紐解いていきます。

 歌手・狩人は、テレビに出る度に「あずさ2号」を歌う。彼らは思うだろうか、「たまには違う歌が歌いたいよ」と。クリスタルキングもそうだ。「大都会」の他には「愛をとりもどせ!!」くらいかしら、今でも有名なのって。その他、TOM★CATとかアラジンとか、音楽界には「一発屋」がちらほら。

「AneCan」が「すてきな奥さん」風の展開をはじめ、生活感を打ち出した!

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「AneCan」2011年9月号(小学館)

 今月号の「AneCan」の特集は「目ざそ♪ 幸せ(はあと)シンプルライフ」というざっくりしたもの。ざっくりしすぎて、それが服なのかインテリアなのかライフスタイルなのか分からない様相です。これが「日経ウーマン」(日経BP社)なら、「1,000万円貯金のための節約アイデア」とか、文字を読むだけで中身が分かるようなストレートさなのに、付録アリの「AneCan」でこんな抽象的なタイトルを打たれても、紐でくくられて立ち読みできず、中身を確認できないよ~! と消費者目線の意見を小学館に言ったところで、読み進めて行きたいと思います。

「夫以上の理解者!」、「VERY」読者におけるママ友との距離感が危険

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「VERY」11年9月号/光文社

 実は先月号の「VERY」を読んだときに、ちょっとした違和感を覚えていたのです。表紙の写真選びも"らしく"ないし、企画の内容や展開の仕方も地味すぎると。そしてその違和感は、今月号に結晶化されていました。4本の新連載がスタートしています。でも正直、「なんだかな~」といった印象。今後の「VERY」はどこへ向かうのか、無い頭を使って必死に読み解いてみたいと思います。