
『噂の女』(奥田英朗、新潮社)
「あれはやりまくっとる顔やね」「セックス好きそうやな」「キャバクラでバイトしとったし」「弟はやくざ者やし」「あの子、勤めとる会社社長の愛人や」「若社長、溺死したんやと」「今度は六十過ぎの資産家と婚約やよ」「内緒やけど、どうも県会議員の愛人らしい」「クラブのママで政治家の愛人かあ」「毒でも盛ったんやないの、ってみんなが言っとる」「あの女、男をたぶらかしては、金を貢がせて、贅沢な暮らししとるらしい」
小さな街で、噂の的になる女・糸井美幸。美人とは言えないが、色白のモチ肌、大きいオッパイとかわいらしい声を持ち、料理上手で男あしらいもうまい。しかし、彼女の過去には不審死を遂げた3人の男と、億単位で受け取っている保険金が見え隠れする。愛人だった社長は2人続けて死に、年の差婚した資産家の夫も美幸の出産直後に溺死、その保険金で高級クラブのママになり、政治家の愛人として夜の街で名をはせている――。




