“賢い自分”を疑わない若い世代こそ「家庭画報」を読むべき!

kateigahou1207.jpg
「家庭画報」2012年7月号(世界文化
社)

 今月号の「家庭画報」は、本当に優雅でラグジュアリーなラインナップです。大特集は「美を紡ぐ三か国――ヨーロッパの旅へ」、ほかにも「キハチ流洋食レシピ決定版」「中村七之助――女形の美、その魅力」、夫婦でのクルーズ乗船が前提となっている「船上で過ごす夏の装い」、ザ・リッツカールトン沖縄をはじめ非日常的な写真が並ぶ「ホテルで過ごす、ラグジュアリーリゾート」など、ラグジュアリー、ラグジュアリー、時々叶恭子みたいな波がこれでもか! と押し寄せてきます。

 そんな中、極上の輝きを放っているのが、ハリー・ウィンストンの企画広告記事です。ハリー・ウィンストンといえば、最高級宝飾品ブランド。反町隆史&松嶋菜々子夫妻をはじめ、小栗旬&山田優夫妻の婚約指輪もハリー・ウィンストン。あとは、石田純一&東尾理子、スザンヌ、ゆうこりん、そして長谷川理恵……など、なんかアレな面子もハリー・ウィンストンです! ただ、ここは奇しくも「家庭画報」。そんな芸能人の名前を借りなくてもハリー・ウィンストンの価値を理解している読者を抱えているんです。それが証拠にこのページに出ている商品の代金……ネックレス8,110万円、ブレスレッド6,500万円、イヤリング1,640万円!! もちろん、こんな高価な商品がポンポン売れるわけはないのですが、出稿する側も「この雑誌の読者は商品の価値がわかる」と思っているんでしょうね。こういった、広告主と読者の目に見えぬ信頼関係というのは、雑誌の強みだなと再確認した次第です。

“ネタ”を消費し合う女性誌のなかで、「Domani」が苦戦する理由

domani1207.jpg
「Domani」2012年7月号(小学館)

 先月号はファッションはもちろん、「ベージュ旅」「ベージュごはん」とベージュベージュ騒がしかった「Domani」。今月号は「35歳、おしゃれも、人生も白黒ハッキリつけます」と、モノトーン推し。その名も「PANDA Domani」ですって。コンセプトページでは、知花くららと漫画『やさぐれぱんだ』がコラボしています。一般人には着こなしが難しそうなつま先まですっぽり隠れるエルメスの真っ白のワンピースを着て「オシャレすぎるキリスト」みたいになっている知花の傍らにパンダ、歯科医師みたいな微妙な丈のトップスを着た知花の傍らにもパンダ……。今月も「Domani」は頑張ってるけど不発弾、といった様相が見てとれます。しかーし、我々も重箱の隅をつついているだけなんてもってのほか。雑誌は読者が育てている、という一面もあるんです。というわけでみなさん、大学野球の総当たり戦を終えた後のエール交換のように、「Domani」の健闘を讃えましょう!

<トピック>
◎“きちんといい女系”ナナvs“こなれたいい女系”佳子のSMB5着回し対決
◎35歳からの『黒髪』&『白髪』を考える
◎潔白『白』ワンピースvs腹黒『黒』ワンピース

ファッションで冒険しなくなった世代に受けた、「STORY」の横並びな通販

story201208.jpg
「STORY」2012年7月号(光文社)

 今月の大特集は「40代の夏は『ゆる楽ちん』で、もう頑張らない宣言!」です。キャッチもダラっと「暑いし、忙しいし。涼しくて締めつけなくて、でもキレイに見える服がイイ」。かつて「STORY」では、お出かけ服とご近所周り限定のアラホー服(アラウンドホーム)をきっちりと区別していましたが、スウェットやジャージー素材のアラホー服が進化し、もうどこへ出しても恥ずかしくないクオリティーになったとのこと。「タイトなジーンズに私という戦うバディをねじ込む」時代はもう終わったのか……。しかし、この手のタイプは、微妙な丈の長さや組み合わせ方など、着る側の持って生まれたセンスが問われるところが恐ろしい。リードにも「それを着こなせるくらいに、40代がオシャレになったという事実」とありますが、本当のところはどうなんでしょう?

ファッションで冒険しなくなった世代に受けた、「STORY」の横並びな通販

story201208.jpg
「STORY」2012年7月号(光文社)

 今月の大特集は「40代の夏は『ゆる楽ちん』で、もう頑張らない宣言!」です。キャッチもダラっと「暑いし、忙しいし。涼しくて締めつけなくて、でもキレイに見える服がイイ」。かつて「STORY」では、お出かけ服とご近所周り限定のアラホー服(アラウンドホーム)をきっちりと区別していましたが、スウェットやジャージー素材のアラホー服が進化し、もうどこへ出しても恥ずかしくないクオリティーになったとのこと。「タイトなジーンズに私という戦うバディをねじ込む」時代はもう終わったのか……。しかし、この手のタイプは、微妙な丈の長さや組み合わせ方など、着る側の持って生まれたセンスが問われるところが恐ろしい。リードにも「それを着こなせるくらいに、40代がオシャレになったという事実」とありますが、本当のところはどうなんでしょう?

「あばたもえくぼ」で、濃厚エッチシーン以外はおざなりの『みだらなご主人様』

midaranagoshujisama01.jpg
『みだらなご主人様』(叶のりこ、
講談社)

――西暦を確認したくなるほど時代錯誤なセリフ、常識というハードルを優雅に飛び越えた設定、凡人を置いてけぼりにするトリッキーなストーリー展開。少女マンガ史にさんぜんと輝く「迷」作を、ひもといていきます。

 「あばたもえくぼ」という諺がある。好きな人のものなら、汚らしいニキビだってチャーミングなえくぼに見えるよ、ということらしい。「見えねーよ」と思わずツッこみたくなるけれど、確かにある部分が自分のツボにはまってると、他は許せるものである。例えば「時代物衣装が好きだから、登場人物がドレス着てる映画はそれだけで評価が高くなっちゃう」とか「京都が好きだからどんなしょっぱい寺院があっても気付かない」とか。

 『みだらなご主人様』(叶のりこ、講談社)は、主人公・愛花が人間ドックで入院した母の代わりに、大企業の独身御曹司・桐生さんの家に家政婦になるところから始まる。この設定だけで読者の胸は期待でいっぱいだ。そしてその期待通り、初対面から桐生さんはその変態っぷりを発揮してくれるのである。

事実婚はメリットがたくさん!? 「an・an」がオシャレ文脈で事実婚をオススメ!

anan0606.jpg
「an・an」6月6日号(マガジンハウス)

 久しぶりの「an・an」(マガジンハウス)レビューのお時間です。美容、ダイエット、占い、インテリアの特集続きでレビューしようにも「何も言えねぇ」な状況が続いていたのですが、ここにきて「an・an」が大きなボムを仕込んできましたよ。「結婚しない?」、堂々たる疑問形のキャッチがドヤってる! すでにニュースとなって巷を騒がせている長谷川理恵の独占インタビューも見所ですが、そのほかの企画からチェックしていきましょう。

<トピックス>
◎夢見る結婚のリアルな数字大公開。
◎ミランダ・カーになりたい!
◎長谷川理恵が語る、結婚と妊娠の真実

「いつも一緒にいたい女のコ」像を追求した結果、阿部定っぽくなった「Ray」

ray_7.jpg
Ray2012年 07月号(主婦の友社)

 女性誌レビューに、赤文字雑誌「Ray」が初登場です! 突然ですが、みなさんは「Ray」にどんなイメージを持っていますか? もしかしたら、「んー、『CanCam』と『JJ』よりは幼い感じかなぁ? 『ViVi』みたいにギャルではないよね」など、曖昧な答えしか出てこないのではないでしょうか。

 そう、「Ray」は、ほかの赤文字雑誌が、間の抜けたP音が笑いを誘う「おしゃP」(「JJ」)、かつては紗栄子とダルビッシュの結婚を指した「羨ま婚」(「CanCam」)、言葉自体にバカ可愛さがあふれる「おしゃ可愛うぃーね!」(「ViVi」)などといったキャッチ&ワードで、イジッてアピールをする中、今いち個性が見えてこないんです……。しかし、「Ray」とて、20年以上もの間、赤文字雑誌四天王の一角としてその座を守り続けている豪傑。今回は、そんな「Ray」の世界に、切り込んでいこうと思います!

<トピック>
◎「Happy Summerを約束するワンピMagic」
◎「今日の気分は何色? 夏おしゃれ★COLOR」
◎「肉食女子のための“草食のふり”講座」

負の感情を押し殺し、24時間ハッピーでいろ! 「MORE」が読者を追いつめる

more1207.jpg
「MORE」2012年7月号(集英社)

 今号でめでたく「創刊35周年」を迎えます「MORE」。常日頃から“ハッピーハッピー”と唱え続けている「MORE」ですが、今月は記念号ということもあってか、企画も広告もハッピーだらけのハッピーターン。付録の「HAPPYバッグ」に始まり、「24時間ハッピーコーデ」「MOREモデルズのHappyセオリー」……。しかしながら、具体的に何が幸せであるのかということに関しては一切触れないのが、「MORE」のお約束です。「ちっちゃいことは気にするな」という老舗女性誌の安定感なのか、元々ハッピーに意味なんてないのか。「MORE」は読後に疲労感があります故、それを和らげる苦肉の策なのかもしれません。

<トピックス>
◎もしも、綾瀬はるかが「モアOL」だったら……!?
◎その男、ギャップあり 綾野剛
◎さらば“イライラ”“もやもや”モードな私。

超保守思想を「オシャレ」スパイスで消す、「LEE」の編集手腕

lee1206.jpg
「LEE」2012年6月号(集英社)

 今月号の「LEE」の大特集は「おしゃれリーダーに学ぶワードローブ強化月間」。「LEE」のオシャレリーダーは誰を指すんだろうと思ってページをめくってみると、そこには“やっぱり”の辺見えみりと、“意外な”ともさかえりえが笑顔で微笑んでいます。ともさかは時折「LEE」に出ていますが、オシャレリーダーとして君臨しているとは思いませんでした。でも読者からの声を拾ってみると、「だんなさんやお子さんと過ごす日々の小さなことが幸せ、という感覚が素敵です」「子育てやいろいろなことに対し、常に真剣なところ。その考え方に共感します。おしゃれやお料理のレシピも参考になります」と、ライフスタイルを含めて共感、憧れの念を抱いているようです。一方、私生活は別として外見やファッションセンスでは女性に絶大な支持を得ているえみりは、「LEE」での連載「Emiri’s Favorite Items」でガラスの器を語り、お気に入りのガラス作家を紹介しています。女優及び女性タレントが行きつく先に、「アート」は多いんですよね。山口智子しかり、壇れいしかり。「常に自分の見た目だけ気にしているような、薄っぺらい人間じゃないんだから!」という主張するタイプに、えみりも仲間入りしちゃうんでしょうか。

<トピック>
◎おしゃれリーダーに学ぶワードローブ強化月間
◎未来の地球を変えるかもしれない服
◎今だから話せること、伝えたいこと 母と娘のストーリー

美談に隠れた真実、“震災離婚”を掘り下げた『婦人公論』の気概に拍手

hujinkouron120522.jpg
「婦人公論」(中央公論新社)5月
22日号

 「婦人公論」5月22日号の特集は「いつも機嫌のいい人、不機嫌な人、その違いは」。いいタイトルですね~。「機嫌」ってところがいいです、すごく。これが「明るい人、暗い人、その違いは」じゃダメなんですよ。あるいは、「幸せな人、不幸せな人」でも「成功してる人、してない人」でも「輝いている人、いない人」でもダメ。だって、雑誌の特集を読んだくらいで、これまで30年40年だらしなく過ごしてきた凡庸な性格や人生が一変して明るくなったり、幸せになったり、成功したり、輝いたりすることなんて絶対に!! ないですもん。にもかかわらずつい「もしかして……」と一瞬夢を見ちゃったりして、で、夢から覚めて返って“そうでない自分”に「あー」と思ってページを破り捨てたくなる。

 でも、機嫌がいい/悪いだったら、どんな人でもありえることじゃないですか。しかも、そのスイッチは、「天気がいい」「甘いものを食べた」「あっちの店より100円安く買えた」などちょっとしたきっかけのことが多々ある。「婦人公論」を読んで機嫌がよくなることも充分あり得るわけです。こんな現実的でやさしさを感じるタイトル、なかなか思いつきません。

<トピック>
◎特集「いつも機嫌のいい人、不機嫌な人、その違いは」
◎被災地で増えつつある“震災離婚”の現実
◎母と娘の断捨離バトル