
『乱交の文化史』(作品社)
いまや、ほとんどのAVで、3Pが当たり前になっている。
後ろから前からくんずほぐれつする女優・男優たち。しかし、周囲に話を聞けば、3P、4Pの経験がある漢はほとんどいない。一般庶民の多くが、AVの世界で起こるファンタジーとして、そのようなプレイを楽しんでいるようだ。だが、かつてはそうではなかった。イギリス人作家バーゴ・パートリッジ『乱交の文化史』(作品社)は、古今東西の文明において存在した“オージー”と呼ばれる乱交文化を豊富な図版とともに紹介している。
古代ギリシャの「アフロディテ祭」から、ローマで行われた「バッコスの祭」、ルネサンス期の仮面舞踏会、イギリスにおける秘密クラブなど、さまざまな場所で乱交は行われてきた。人々は、その欲望をむき出しにし、男でも女でも関係なく、動物のように交わった。
一例として、官能と享楽こそが人生最大の喜びと考えていたギリシャ人が楽しんでいた、9日間にわたって行われる「エレウシスの秘儀」の描写を引用しよう。
「エレウシスの秘儀の第一日目は、海に向かう行列に費やされる。海では身を清めるために体を洗う儀式があったが、これは必ずしも上品に慎み深く行われたわけではなかった。六日目に行列はアテナイを離れ、エレウシスに向かう。参加者は数千を数え、人々は頭にアフロディテの神木である天人花や、デュオニュソスの神木である常春藤の冠を戴き、火を灯した松明と麦穂をたずさえて歩く。アテナイから約20キロ離れたエレウシスに着くと、祭儀の残りの日にちは騒々しく陽気な秘儀に費やされる」
参加者数千人を数える乱交パーティー! まさにソフト・オン・デマンドも尻尾を巻くような乱れっぷりではないか。快楽のためならば、ギリシャ人たちはすべてを捧げたのだ。歴史的にこのような思考がベースにある国民ならば、近年の国家破綻もやむなしか……。
だが、ローマ時代後半に、この乱交文化にとって思いもよらぬ刺客が現れた。それが、当時勢いを増していたキリスト教会だ。彼らは家父長制的な「罪」の意識を建前に、民衆の性的なエネルギーを抑圧しようと試みる。例えば、人気マンガ『ベルセルク』(著:三浦建太郎/白泉社)でも、サバトが邪教徒の集会として禍々しく描かれているように、民衆がそれまで当たり前に行っていた乱交は「異教徒の悪しき風習」として断罪されたのだった。キリスト教的な倫理観にとって、乱交とはありえないものだった。
だが、性に対する人々の湧き上がるエネルギーを抑えることは難しい。教会からの度重なる禁止措置にもかかわらず、豊穣祭と呼ばれる乱交を含んだ各地の祭りは息絶えることがなかった。キリスト教会は、やむなく、それらの祭りをガス抜きのための安全弁として容認する形で布教を拡大していく。クリスマスやイースターですら、その起源が豊穣祭というから驚きだ。
また、抑えきれない性欲を持っていたのは民衆ばかりではない。キリスト教会の聖職者ですらも自身の性的なエネルギーを抑えられず、ハーレムをつくる者、初夜権を行使する者が後を絶たなかった。キリスト教会のトップたるローマ法王ですらも乱交に熱を上げていたというから、性的なエネルギーが持つ力を抑えつけることがいかに難しいかがわかるだろう。
ギリシャ時代から本書が書かれた20世紀まで脈々と続く乱交の文化。本書を通読すれば、西洋文化やキリスト教文化に対する視点が大きく変わる。乱交とは変態的セックスではなく、民衆の生み出した子孫繁栄と社会システム円滑化のための智慧だったのではないか、と。もちろん、それはわが日本でも例外ではない。
本書巻末には、下川耿史氏による、「日本における乱交の文化と歴史」と題された解説も掲載されている。民俗学者・柳田国男が「浅はかな歓喜」として、語らなかった乱交の文化史。しかし、「かがい」や「歌垣」など、日本には乱交が文化として根付いていた。民俗文化として、乱交は欠すことのできないものだったのである。それが取り締まられ始めたのが、明治時代以降。キリスト教文化圏のものである近代国家の概念が登場してからだ。驚くことに、全国各地で行われる盆踊りが乱交の温床であるとして、警察から厳しい取り締まりを受けていたのだ。
本書の冒頭で、乱交の意義を、筆者バーゴ・パートリッジはこう定義する。
「乱痴気騒ぎ(オージー)とは、組織的に行われるガス抜きである。自制や束縛のせいで溜りに溜まってしまったものを、一挙に解放して吐き出す行為である」
乱交は、ただの“ヌキ”ではない。それは、政治的な意味を持ち、革命にも至るほどに溢れだす民衆エネルギーの“ヌキ”なのである。
(文=萩原雄太[かもめマシーン])
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声優結婚ラッシュに、『黒子』『ココネク』騒動……2012年アニメ業界を総決算!

2012年も残すところあとわずか。ということで、今年アニメ業界を賑わせたニュースTOP10を勝手にピックアップ! ヒット作、話題作、炎上事件におめでたいニュースなど、なんでもアリのランキングで、2012年のアニメ業界を見送ろう。
1位 立て続けの脅迫で、『黒子のバスケ』関連イベント・企画が中止に!
今もなお続くこの事件。何者かによる脅迫により、各種イベントやコミケでの頒布活動が次々と中止に追い込まれてしまった。その損害額は計り知れないだろう。一日も早い解決が待たれるばかりだ。
2位 声優が続々結婚!
山寺宏一と田中理恵、小野大輔と谷井あすかの結婚報道をはじめ、人気声優(とりわけ女性声優)の結婚が立て続けに発表された2012年。毎月のように発表される結婚報告に、僕らの心は祝福したい気持ちと裏切られた気持ちの葛藤にさいなまれるのだった。2013年、僕らは平穏なアニメライフを送ることができるのだろうか。個人的には、舞太の婚約発表がショックでした!
3位 『ココロコネクト』事件で業界全体を巻き込んだ大炎上!
『ココロコネクト』OPテーマを担当したユニット「eufonius」の菊地創による、アキバ系アイドル・桃井はるこへの暴言ツイート。これがきっかけとなり『ココロコネクト』イベントでのドッキリ企画にショックを受ける声優・市来光弘のツイートが発見された。これが引き金となり、『ココロコネクト』関係者周辺が大炎上。eufoniusはいつの間にか主題歌から降板し、声優出演のウェブラジオも放送中止に。さらに、作品とは関係のない声優も巻き込まれるなど、業界全体を巻き込んだ騒動へと発展した。
4位 アニソングランプリが炎上!
次世代のアニソンシンガーを発掘するオーディション企画「全日本アニソングランプリ」。第6回となる今回は、優勝者の歌唱力にネット上では疑問の声が噴出。さらに、アニソン界の帝王・水木一郎がこの件についてツイート。アニソングランプリの在り方そのものへの問題提起とも取れるその発言に、多くのアニメファンは衝撃を受け、総合プロデューサーのTwitterアカウントへ突撃。炎上する騒ぎへと発展した。
5位 『おおかみこどもの雨と雪』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『魔法少女まどかマギカ』などの劇場用アニメ大ヒット!
例年以上に話題作豊富だった2012年の劇場用アニメ。人気のテレビアニメを編集した『まどマギ』『劇場版 TIGER & BUNNY -The Beginning-』や、『おおかみこどもの雨と雪』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』『ゴティックメード』など、アニメファン待望のオリジナル作品などが毎月のように公開され話題を振りまいた。
なお多くの芸能人・文化人を巻き込んで公開前から大フィーバー状態だった『ヱヴァQ』だが、「ヱヴァ:破」までの分かりやすい展開に浮かれていたファンは『ヱヴァ:Q』の難解な内容に困惑した模様。
6位 『さくら荘のペットな彼女』にサムゲタンが無理やりねじ込まれて炎上!
ライトノベル原作のテレビアニメ『さくら荘のペットな彼女』第6話において、風邪をひいたヒロインの一人・七海に主人公・空太の先輩・仁が韓国のお粥「サムゲタン」を作ってあげるシーンが登場。原作ではただのお粥だったのだが、なぜか韓国料理に改変されたことでアニメクラスタは大炎上。同時期に芸能人やメディアがこぞってサムゲタンを取り挙げたことから、「ステマでは?」との疑いも浮上した。
7位 『ジョジョ』テレビアニメ化ァッ!
カルト的な人気を誇っていた人気コミック『ジョジョの奇妙な冒険』が、連載開始25年目にしてまさかのテレビアニメ化。原作独特の擬音を描き文字で表現する演出や色彩感覚には賛否両論だが、今のところおおむね好評の様子?
8位 『機動戦士ガンダムAGE』ガンダムシリーズ最低視聴率記録更新!
『ダンボール戦機』『イナズマイレブン』などが人気のゲーム開発会社・レベルファイブとのコラボで、鳴り物入りでスタートした『機動戦士ガンダムAGE』。しかし、放送前の期待とは裏腹にアニメは大すべり。ガンダムシリーズの歴代最低平均視聴率を下回る2.56%を記録。あまりうれしくない歴代TOPの王冠をゲットしてしまった。
9位 『アイドルマスター』7年目の大飛躍!
2011年にテレビアニメ化され大きな話題を呼んだ人気ゲーム『アイドルマスター』だが、今年もその勢いは衰えなかった。11月28日発売された横浜アリーナでのライブを収録したBlu-ray『THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに』が、週間BDチャート1位を記録し、CD「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 01」が第54回レコード大賞企画賞を受賞。ソーシャルゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」が驚異的なヒットを記録する一方、原作となった本家「アイドルマスター」の人気の健在ぶりを改めてアピールした。
10位 『うぽって』『ガルパン』などミリタリ系美少女アニメがブレイク!
『ストライクウィッチーズ』『ストラトスフォー』など、以前から密かに人気を集めていたミリタリー系美少女アニメだが、今年は『ストライクウィッチーズ劇場版』のヒットに始まり、『うぽって』『ガールズ&パンツァー』といったテレビアニメもヒット。武骨な兵器を操る美少女たちの活躍に今後も期待したい!
というわけで、みなさんの心に残っているニュースはありましたか? 来年も「週刊アニメ時評」は勝手にアニメを応援し、触れてほしくない話題にもズカズカと踏み込んでニュースにしていく所存であります。
(文=龍崎珠樹)
◆「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから
もともとヤギ男だった!? サンタクロースの実像を追いかける『12月25日の怪物』

『12月25日の怪物』(草思社)
今年ももうすぐクリスマスがやってくる。この時期になると、街中がイルミネーションで彩られ、どこか華やかな雰囲気に自然と心が浮足立つ。子どもの頃のクリスマスの記憶といえば、やはりサンタクロースからのプレゼント。夜、枕元に靴下を置いておくと、翌朝プレゼントがさりげなく置いてある……という家庭が多かったのではないかと思うのだが、うちの場合は庶民派で、いつも夜ごはんの時にやってきた。
中でもすごく記憶に残っているのは、ある年、ドアをトントンとノックする音が聞こえて、弟と2人で「サンタさんが来た!」と無邪気に玄関に駆け寄ると、「どたどたどたー」とサンタがマンションの階段を転げ落ちる音がし、「うわぁ、サンタさんがコケた!!」と、必死にその後を追った。
今となってはかなり人間くさいエピソードなのだが、そんなことがあっても、小学生の頃まではその存在を信じていた。だから、中学生になって真実を知った時には「いや、いや、そんなはずはない」と激しく動揺したのを覚えている。
だが、サンタクロースとは、そもそも一体何者なのか?
『12月25日の怪物』(草思社)は、そんな素朴な疑問を解決するため、世界中を旅してサンタクロースの実像を追いかける、壮大な話だ。
この旅のきっかけは、1冊の地図帳だった。その名も「ザ・サンタ・マップ」。探検家で作家の高橋大輔氏は、1853年創業のロンドンの老舗の旅の本屋「スタンフォーズ」でこの地図と出合い、そのタイトルに惹かれ、ページをめくった。すると、そこには世界地図に美しい図版がレイアウトされ、サンタクロースに関する歴史や情報が網羅されていた。
高橋氏はこれまで、「物語を旅する」というテーマで、小説や神話、伝説の背景を探し、世界各地を訪ねてきた。その中で、『ロビンソン漂流記』『浦島太郎』などに実在のモデルがいることを知り、物語と現実世界の接点を見つけ出すことで、物語の本当の意味や価値を咀嚼できることを学んでいた。
サンタクロースにも、きっとその手の話があるのではないか――。
地図をよく見ると、案の定、「サンタクロースは実在している」と書かれていた。彼は早速、サンタクロースの正体を追いかけた。そして、2006年2月から3年間にかけ、トルコを皮切りに、イタリア、オランダ、アメリカ、フィンランド、さらには、中国、日本の秋田へ向かう。
だが、その姿を探っていくと、わたしたちがイメージするサンタクロースとは似ても似つかない存在が影をちらつかせ始める。毛皮に穴を開けただけの仮面をかぶり、頭には先の尖った角が伸びていて、全身は野獣の毛で覆われている。それでいて、二本足で直立歩行。これは、一体どういうことなのか?
また高橋氏は、なぜ日本でこれほどまでにクリスマスが定着し、サンタクロースが愛されているのかという疑問についても取り組み、一見、まるで無関係に思える秋田県のある有名な行事に参加し解き明かしていく。もはや、クリスマスなしでは考えられない日本の年末だが、クリスマスが盛大に祝われていることには大きな意味があった。
間もなくクリスマスがやってくる。そして、サンタクロースがやってくる。あなたは、その正体を受け入れることができるだろうか。
(文=上浦未来)
●たかはし・だいすけ
1966年、秋田市生まれ。探検家・作家。「物語を旅する」をテーマに、世界各地に伝わる神話や伝説の背景を探るべく、旅を重ねている。2005年、ナショナル・ジオグラフィック協会(米国)から支援を受け、実在したロビンソン・クルーソーの住居跡を発見。探検家クラブ(米国)、王立地理学協会(英国)フェロー会員。著書に、『ロビンソン・クルーソーを探して』『浦島太郎はどこへ行ったのか』(いずれも新潮社)など。
この冬一番の泣ける! スター性・演技力・歌唱力を兼ね備えた豪華俳優陣の競演『レ・ミゼラブル』

(C)Universal Pictures
12月21日(金)、TOHOシネマズ 日劇他、全国ロードショー/配給:東宝東和
今週は、この冬一番の泣ける映画、ヒュー・ジャックマン、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライドら豪華競演の『レ・ミゼラブル』(12月21日公開)を紹介しよう。「ミュージカル映画はどうも苦手で……」という人にもあえてお勧めしたい、俳優陣と音楽の魅力がたっぷり詰まった感動巨編だ。
パンを盗んだ罪で19年間服役したジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、仮釈放後に再び盗みを働くが、彼をかばい、許した司教の真心に触れて改心。名を変え地方都市で工場経営者として成功し、人望を集め市長の地位を手にしていた。工場を解雇され娼婦に身を落としたファンテーヌ(アン・ハサウェイ)から愛娘コゼットを託されたバルジャンは、執念深いジャベール警部(ラッセル・クロウ)の追跡を逃れ、パリへ。美しい娘に成長したコゼット(アマンダ・セイフライド)と親子として暮らすバルジャンだったが、革命を志す学生たちがパリで蜂起したことで、激動の波に飲み込まれていく。
フランス19世紀を舞台にしたヴィクトル・ユゴーの同名小説(邦訳では『ああ無情』)を原作に、世界43カ国で上演され今なおロングランを続ける名作ミュージカルの映画化。『英国王のスピーチ』(10)でアカデミー監督賞を受賞したトム・フーパーが、スター性・演技力・歌唱力の3拍子揃ったキャスト陣と共に、撮影現場で演技しながらの歌声をライブ収録するという難題に挑戦。俳優の表情と歌の情感が自然かつリアルにシンクロする、極上のパフォーマンスを生み出した(通常ミュージカル映画は歌を別録りし、“口パク”で演じる)。とりわけ、役作りのために激ヤセし、劇中で実際に長い髪を刈ることを自ら申し出たというアン・ハサウェイによる「夢やぶれて」の絶唱は、涙なくしては聞けないはず。もちろんジャックマン、クロウの熱演も素晴らしいが、恋に目覚めるアマンダ・セイフライドの清純な輝き、報われぬ愛を捧ぐサマンサ・バークスの胸に迫る切なさなど、女優陣の存在感がより印象に残る。
映像面でも、オープニングで囚人らが巨大な船を陸揚げする造船ドックのシーンに始まり、当時のフランスの街並み、激しい戦闘シーンなど、ロケとセットとCGを巧みに融合させて雄大かつ質感あふれる背景を再現。舞台のミュージカルでは不可能なダイナミックな演出で目を楽しませてくれることから、これぞ劇場の大画面で見るべき映画といえるだろう。
格差と貧困にあえぐ人々が、自由と平等、夢と希望を求めて立ち上がろうとする姿を描いた作品だけに、タイトル通り無情な最期を遂げる登場人物が多いなど暗い面もあるが、それだけではない。カタルシスで現実の悲しみを癒やし、挫折から立ち上がり再び歩き始める勇気を与えてくれる、今の時代にも通じる普遍の力とメッセージをぜひ感じ取ってほしい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『レ・ミゼラブル』作品情報
<http://eiga.com/movie/77186/>
「バルサのメッシを揉みたい!」“揉みに行ける”アイドルが掲げる壮大な野望とは?
――時はアイドル戦国時代。渋谷に新たなアイドルユニット「カタモミ女子」が誕生した。「”肩もみ”を世界に通じる文化に」という野望を持つ彼女たちの素顔に迫る!
アイドル戦国時代の現在だが、渋谷で新たに誕生したアイドルは、なんと「揉みに行けるアイドル」。肩もみを通じて日本を元気にするというコンセプトで活動している。しかし、なんでまた肩もみでアイドル? 「古き良き日本の文化をコミュニケーションツールとして世の中に広めていけたらいいね、ってことでやってます!」と答えてくれたのは、メンバー1フットワークが軽くて活発なゆかちんさん。おおー、模範解答が出た、と思ったら「あずはー、PV撮影で海外に行けるって聞いたから!」と、ちょっとギャル系の姐御キャラ・あずぱんさんが一言。「『肩もみニケーション』って曲のPV撮影がグァムで、私は香港とかは行ったことあったんだけど、アメリカ系に行くのは初めてだったから、『(アイドルを)やります!』って言いました。現地の人とか超かっこよくて楽しかった! 英語しゃべれないけど、遠目から見て『イケメンだー』って目の保養ができたし」。 このあずぱんさん、アイドル活動を始める前は、テキ屋を6年やっていたという異色の経歴の持ち主。そんな彼女を筆頭に、メンバーはみな個性派揃いだ。徳島出身で「ほなけんな~」といった方言がかわいいめいさんは、特技の阿波踊りを披露してマネージャーさんを絶句させたり。顔がりんごっぽいという理由で“あかりんご”と呼ばれているあかりさんは「時間に遅れるのが心配で、いつも仕事の2時間前には仕事場に着いてます!」という心配性ぶり。現役大学生で妹系のひかるさんは、ミャンマーで植林ボランティアをするしっかり者かと思いきや、「私は神奈川出身なんですけど、都会が怖くて。スクランブル交差点で横断歩道じゃないところを歩くのとか、緊張します」と妙に不安げだったり……。彼女たちと話していると、おかしなエピソードがどんどん出てくる。 そんな個性派メンバーだからこそ、肩もみというコンセプトにマッチしている。実はこのカタモミ女子、肩もみの魅力を広く伝えるため、渋谷の「肩もみ専門店 カタモミ女子」にて日夜肩もみを行っているのだ。ただ見ているだけのアイドルでなく、1対1でしゃべりながら相手の肩を揉んだり揉まれたりする彼女たちの魅力は、コミュニケーションを通じて十二分に発揮される。実際、お店でも「『しゃべるだけでいいよ』っていうお客さんもいます」(ひかるさん)という。そして、肩もみを通して交流するからこそ、普通のアイドルのように自分の好みだけでは好きな子が決まらない。 「肩もみってうまい・ヘタだけじゃなくて、(指圧の)強さとかツボみたいな相性があるんです」(あずぱんさん) 肩もみ自体も、お客さんに教わったりしながらどんどん上達している。あかりんごさんは、美容の学校で学んだフェイシャルマッサージも取り入れてマッサージ。めいさんは「45分真剣に揉むと、クタクタになります。でも、お客さんにも『すっごい気持ちよかった』って言ってもらえて、手に職がついてきたなって(笑)。資格も取りたいくらい」と、もはやアイドルなのかマッサージ師なのかわからないガチぶりだ。 そんな肩もみアイドルに今後の目標を聞いてみると、実は人見知りという真由美さんは「肩もみは誰でもできるコミュニケーションだから、みんなに広めていきたい。肩もみを流行にしたいですね」とのこと。かと思えば、あずぱんさんは「今度はライブとかで海外に行って、ラテン系のイケメンに会いたいっすね。バルサのホームグラウンドで、メッシの肩を揉みたい!」とフリーダムなお答え。でも、肩もみを通じて海外交流っていうのはアリかも!? ともあれ、実際に会わなければ本当の魅力がわからないのがカタモミ女子。「とりあえずワンチャン会いに来て!」(ゆかちんさん)という彼女たちにいっちょ揉まれてみては? (文・構成/小林 聖) カタモミ女子(かたもみじょし) 今年の10月20日にデビューした「肩もみを世に推進するために結成された」アイドル。総勢17人が所属。今回、取材したのは、写真右より、あずぱん、真由美、ゆかちん、めい、ひかる、あかりんご(以上、敬称略)。グァムでPV撮影を行った『肩もみニケーション』がYouTubeにて公開中。 『肩もみ専門店カタモミ女子』(写真/磯部昭子 A/M)
肩もみをしたり・されたりしながら、コミュニケーションを楽しむリラクゼーションサロン。畳の間も完備したくつろぎスペースで、癒しの空間を提供している。その一風変わった業態から、各種ウェブメディアやテレビなどで取り上げられる。「カタモミ女子」たちが日夜活動する拠点ともなっている。彼女たちの参加状況は、公式HPをチェック! 住所:東京都渋谷区宇田川町26-5育真ビル4F/電話番号:03-3464-0651/営業時間:12時~22時 (日曜日は21時まで)/公式HP〈http://www.katamomi.jp/index.html〉
ROM版カタログの割り勘ってどうよ? コミックマーケットの新たな難問

「コミックマーケット83 」DVD-ROM
カタログ
『黒子のバスケ』の問題もありながら、あと2週間あまりに迫った年末の巨大イベント・コミックマーケット。そのROM版カタログの発売を控えた17日、購入方法をめぐる話題がTwitterを賑わせた。
18日に予定されているROM版カタログ発売を控えて、多くの人がTwitterでつぶやいていたのが、割り勘での購入。コミックマーケットカタログは、冊子版が書店価格2,400円、DVD-ROM版も同じく2,400円となっている。使い勝手は、一長一短がある。冊子版は、分厚く持ち運びには不便だが、参加サークルをじっくり読み込むのには便利。ROM版は、PCにインストールすれば、サークル名やジャンルなどで検索ができるし、サークルのウェブページなどの情報も得ることができる。
最良の方法は、両方を購入することだが、さすがに5,000円近い出費は痛い! なので、割り勘で購入して、全員のPCにインストールしてしまえばよいということを思いつく人が出現するのは、半ば仕方のないことだろう。
ところが、ここにきて急に、この割り勘行為が注目されるようになってきた。というのも、多くの人が「割り勘しませんか?」「割り勘で購入予定」と、ごく自然にTwitterで書き込んでいるからだ。
この行為が、即違法かどうかは裁判所ではないので判断は難しい。ただ、コミックマーケット運営収入のうち、カタログがサークル参加費と並ぶ大きな部分であることは、事実。
コミックマーケットはカタログ購入必須のイベントではないが、それを堂々と「コピーして回そう」とTwitterで書く行為は理解に苦しむ。このROM割り勘問題が広まるにつれて、関係者やベテラン参加者と思われるアカウントからは「(マナー違反を)全世界に向かってつぶやいてるんですよ」といったようなツイートも相次いでいる。コミケは、誰かが勝手に開催してくれるものではない。お客はおらず、全員が参加者だという意識に立てば、「割り勘」なんて堂々と書き込んだりはできないのではなかろうか。
さて、コミックマーケットのカタログが重要なのは、サークルの情報だけではない。冒頭に記されている諸注意事項は、参加者にとって最も重要なもの。実のところ、コミックマーケット準備会側も、相当数の参加者がカタログ未購入なのは承知していて、公式サイトでも諸注意事項は詳細に記されている。確かに義務教育世代も大勢参加するようになり、2,400円のカタログを購入して、じっくり読めというのは、少々酷な部分があるのも否めない。もし、周囲にカタログの「割り勘」をしている友人・知人がいるならば、叩く必要はないので、ギリギリな行為であること、買わないにしても諸注意事項はキッチリ読んでおくことを教え諭してあげよう。それが、将来の優秀な参加者を育てる近道だ。
(文=昼間たかし)
「ネトウヨ」なんて存在しない!? マスコミの“勘違いスパイラル”に惑わされるな!

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「ネトウヨ」という言葉の認知度が上がっている。「ネット右翼」のことで、匿名掲示板の「2ちゃんねる」などで、エセ右翼的な投稿を連発している人たちを指す。有名人やマスコミは、“ネトウヨがネット上で暴れており、手が付けられない”といった論調の発言をすることが多い。
ネトウヨのイメージは、2ちゃんねるが大好きで、オタクで、現実社会とのコミュニケーションが取れない人たち、といったところだろうか。「年収200万円以下の下層」とさえ言う人もいる。実際、これらのイメージは大きく間違っている。ネットの流れは、世間一般の流れと、それほど乖離しているわけではないのだ。
SNSの普及を皮切りに、一般の人がネットに書き込むことは当たり前になっている。ユーザーは、学生から社会人、社長から自営業者まで、まちまちなのだ。悪名高い2ちゃんねるも、盛り上がったスレッドを編集した「まとめサイト」のおかげで広く使われるようになった。Facebookと同レベルのユーザー数がいるというウワサもある上、女性のユーザーも増えている。ごく一部がネトウヨとしてくくっているような勢力は、実は普通の人たちなのだ。
先日の衆議院総選挙の前、ネットで安倍晋三氏を援護する声が高まった。そのため、ネトウヨを味方に付けた自民党は負ける、という意見がマスコミ側から出た。結果はご存じの通り、自民党の圧勝。ネットの流れと同じ結果が出ている。
もちろん、ネトウヨの定義にぴったりの手が付けられない輩もいる。思考停止状態で、聞くに堪えない幼稚な持論を連発。仕事をせずに、掲示板に張り付いている。とはいえ、それはごく一部で、こういう人たちが存在するのは現実社会でも一緒だ。関わりを持たなければいいだけ。掲示板なら、NG設定にして表示しなければいい。
ネットの流れが正解とか、ネットユーザーのほうが賢いというつもりもない。現実社会の世間とまったく同じなのだ。わかりやすいネタがあれば飛びつくし、自分の意見をゴリ押ししようとする人もいる。これは、テレビの内容を鵜呑みにする人やマスメディア側が世論を誘導しようとするのとまったく一緒。ただし、従来はマスメディアで簡単に誘導できた世論が、なかなか思い通りに動かないということはあるだろう。ネットでも眉をひそめるような投稿を見かけるが、そんな意見はスルーされ、消えることが多い。もちろん、ねつ造やデマも多いが、テレビや新聞も同レベルだ。
つまり、ネトウヨは存在するが、それは現実社会でエセ右翼がいるのと同じ。ネットの流れにレッテルを貼っても、それは問題から目を背けていることにしかならない。自分を攻撃する相手を貶めたいというのは理解できるが、意見を提示したいならもっとうまいやり方がいくらでもある。ネトウヨ叩き発言をして反発を呼び、勉強不足と見下してさらに反発を煽るのは賢くない。マスコミの世論誘導技術は芸術の域にあるが、すでに20代ではテレビよりネットを使っている時間のほうが多い。自分の意見を世間に提示したいなら、ネトウヨを民意と読み替えるほうが、失敗する確率を抑えることができるというわけだ。
(文=柳谷智宣)
◆「賢いネットの歩き方」過去記事はこちらから
猪瀬直樹新都知事に肉迫! 『ミカドの肖像』の前に脆くも崩れた「表現の自由都市」という妄想

東京都の新都知事・猪瀬氏
より自然で鮮明なHFR 3D映像で、作品世界に没入!『ホビット 思いがけない冒険』

2012 WARNER BROS.
ENTERTAINMENT INC. AND METRO-GOLDWYN-MAYER PICTURES INC.
J・R・R・トールキンの小説『指輪物語』をピーター・ジャクソン監督が映画化し、世界中で熱狂的なファンを多数生んだ壮大なファンタジー3部作『ロード・オブ・ザ・リング』(LOTR)。LOTRの前日譚にあたる待望の新3部作がついに始動、その第1作となる『ホビット 思いがけない冒険』(2D/3D上映)が12月14日に日本公開となる。
舞台はLOTRより60年前の中つ国。かつてドワーフ王国があったエレボール(はなれ山)は、邪悪なドラゴンに支配されてしまった。ホビット庄で平穏に暮らしていたビルボ・バギンズは、魔法使いガンダルフに推挙され、王国の再建をかけエレボール奪還の旅へ出るドワーフらの一行に思いがけず参加。次々に危険が降りかかる旅の途中で、仲間とはぐれたビルボは、迷路のような洞窟でゴラムと遭遇。ゴラムが落とした指輪を手に入れるが……。
LOTRでビルボを演じたイアン・ホルムに顔立ちが似ていることもあり、英国人俳優マーティン・フリーマン(41歳)が本作の主役に抜擢されたが、全3部作のフロド役イライジャ・ウッドに比べるとフレッシュさに欠けるのが少々残念。とはいえ、ガンダルフ役のイアン・マッケラン、エルフ族のヒューゴ・ウィービングとケイト・ブランシェットら懐かしい面々が次々と登場し、旅の気分も次第に盛り上がってくる。
最新のVFXを駆使したクリーチャーや背景、アクションシーンの緻密でダイナミックな映像表現は、本作でさらに磨きがかかった。パフォーマンス・キャプチャー技術でアンディ・サーキスが演じたゴラムの表情は、長時間のアップにも耐えるほど一層リアルかつ繊細に。ビルボとの「なぞなぞ勝負」でくるくる変わる感情が見事に描き出されるシーンでは、試写会場でも大いに笑いが起きていた。
なお、本作の映像を満喫するには、HFR 3D(ハイ・フレーム・レート3D)方式で上映される映画館での鑑賞がオススメだ。これは毎秒48フレームという現在の標準の2倍となるフレーム数で映写するもので、従来の3Dよりもさらに自然で鮮明な映像で作品世界に没入できる。3D映画にしてはカメラ移動やカット編集の多い本作のアクションシークエンスでも無理なく楽しめ、また背景を広く写す引きのショットでは細部までクリアで美しい絵画のようなシーンを堪能できる。対応する劇場が少ないのが課題だが、今後増えていくことを期待したい。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ホビット 思いがけない冒険』作品情報
<http://eiga.com/movie/53762/>
下ネタで英語がみるみる身につく?『出ない順 試験に出ない英単語』

『出ない順 試験に出ない英単語』
(飛鳥新社)
出ました、笑いの殿堂入り英単語帳! 『出ない順 試験に出ない英単語』(飛鳥新社)は、その名の通り、絶対にセンター試験やTOEICにはまず出ないであろう単語が、しょうもないイラスト付きの例文で150例紹介されている。主にどんな単語かというと、“Dirty talk”、つまりは下ネタ。だが、あなどることなかれ。この例文のクオリティがかなり高いのだ。
例えば、<nipple=乳首>。この例文は、
“Why do you fiddle with nipple?”
“Because it's there.”
となっているのだが、訳は、
「なぜ乳首をもてあそぶのですか」
「そこに乳首があるからです」
単語をいくつか替えれば、どこかで聞いたことのある名言のはずなのだが、見事なまでに、その神聖さは崩壊。ほかにも<completely naked=真っ裸>では、
“The department manager tried to tackle the Santa Claus while completely naked.”
「部長は、真っ裸でサンタクロースを追いかけていた」
など、実に豊かな発想の例文で紹介され、不思議なほど頭にすっぽりと丸ごと英文が入り混んでくる。それゆえ、この英文を丸ごと覚えておいて、この試験に出ない英単語たちをちょっとだけ替えれば、実は受験にだって使えるハズ……なのだ!
本書では、アマチュア心臓バイパス手術が趣味で、歴史に残る大惨事を笑顔で乗り切る幸運児ボブと、「ぼんやりした不安」からつい服を脱いでしまう神経質な変態ウーマンの2人を中心に、電卓で鍛えたゴッドハンドを悪用する性技に長けた会計課長、新宿駅に行こうとしてかれこれ3年ほど都内をさまよっている変態通行人Aなど、実にどうでもいいキャラクターが次々に登場し、例文を紹介していく。
内容はくだらないが、これを何度も何度も読んで頭に叩き込み、臆することなく外国人にも使っていけば、気づけば妙な外国人の友達が増えていること間違いなし。また、親切にも、絶対に出題されない英単語、高確率で出ない英単語、普通に出る単語(とても普通とは思えない)に分かれているので、この順番に従い覚えていけば、効率的に怪しい英語が身につく仕組み。
なお、この本はまさかのCD付きで、真剣に聞きすぎないよう、集中力を妨げる工夫が、あれこれされているので、どうぞ耳を澄ませて集中してお聞きください。
(文=上浦未来)

