もう業種自体がオワコン──完全崩壊も間近! エロ、実話誌系出版社が大苦戦!

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「お宝ガールズ 2013年 01月号」
(コアマガジン)
 エロ、実話誌系出版社の崩壊が始まっている。  2010年、アダルト系出版社の老舗・東京三世社が事業を停止し注目を集めたが、それから3年あまりを経て、アダルト系雑誌や実話誌を主力に置いてきた出版社の凋落はとどまるところを知らない。編集部では契約社員やアルバイトは次々とリストラされて手が足りず、雑誌自体のクオリティも落ちていく、負のスパイラルに陥っている。  アダルト系出版社の老舗・サン出版は、所有する自社ビル2棟のうち1棟を売却することを決めた。  同社は昨年、アダルト漫画誌「コミックBugBug」を創刊するも、瞬く間に休刊。担当編集者は「単行本で利益を回収するので、それまでグラビア誌の利益を当て込んでいたが、グラビア誌が売れないので……」と、姉妹誌「BugBug」で告白。業界関係者の間では「衝撃」よりも「やっぱり」と思う者が多かった。  アダルトから実話誌まで広く取り扱うコアマガジンも、惨憺たるありさまだ。同社の実話誌「実話マッドマックス」は、昨年「実話レイジ」に大幅リニューアルするも“大方の予想通り”休刊。「お宝ガールズ」「TATTOO BURST」「劇画マッドマックス」と、怒濤の休刊ラッシュが続いている。実話誌系編集部ではリストラの嵐が吹き荒れており、3月までに編集部員の大半は退社することになっているという。  また「実話ナックルズ」のミリオン出版も昨年、名物編集者の久田将義氏が退社。「漫画実話ナックルズ」が廃刊と、先行きは明るくない。  転職活動を余儀なくされる編集部員たちだが、先行きはまったく明るくないようだ。 「20代はまだ潰しが利きますが、30歳オーバーの編集部員は困難です。不本意ながら、フリーでライターかデザイナーをやるしかなさそうです」(某編集者)  雑誌が次々と消えていく中で、フリーライターやデザイナーは、もっと苦境に立たされているという。 「待っていれば仕事が来る時代が終わって久しいが、営業に回っても仕事がもらえることは少なくなってきました。そろそろ、実家に帰ってパン屋を継ごうと思っています」(中堅のフリーライター)  多くの人材がこぼれ落ちていく、アダルト・実話誌業界。その受け皿は、今の出版界には存在しないようだ。

著者がリアルにもくろむ「旧・大宮市の独立」『消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国』

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『消滅した国々 第二次世界大戦
以降崩壊した183カ国』
(社会評論社)
 いまや、マニアック本出版社としての地位を確立しつつある社会評論社から、またまたマニア心をくすぐる本が出版され、話題となっている。それが、吉田一郎氏の著書『消滅した国々 第二次世界大戦以降崩壊した183カ国』である。  この本は、吉田氏が運営するサイト「世界飛び地領土研究会」(http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Lake/2917/)のコンテンツ、「消滅した国々」をもとにしたもの(サイトのメインコンテンツである「飛び地」の項目も、同社から『世界飛び地大全』として発売中だ)。  この本、まず驚くのは本の分厚さ。総ページ数700ページ超の大ボリュームなのだ。 政変で政権が交代するとか、革命が起こって権力者が追放されるって事態はよく聞くが、国が滅びるなんて東ローマ帝国の滅亡(1453年)とか世界史上の出来事かと思いきや、実は第二次世界大戦以降も、驚くほど多くの国が滅亡しているのだ。  それらの国の多くは、大国の思惑が絡んだりして興亡を繰り返した、怪しげなものばかり。南アフリカのホームランドなんて、まさにそれ。ホームランドとは、アパルトヘイトを行っていた時代の南アフリカ政府が、国際的非難をかわすために使った、いわば詭弁。不毛の地に黒人の独立国をつくらせて、南アフリカ国内の黒人はそこの住民だとでっち上げる。そうすれば、南アフリカの領土で働く場合は出稼ぎ労働者だから、南アフリカ国民ではない=権利が制限されるのも当然、というもの。  卑劣な人種差別の代名詞として知られるホームランドだが、その実態を詳しく記した書籍は、これまでほとんど存在しなかった。本書では、このインチキ国家で権力を握ろうとしたり、一儲けを企んだ群像についても詳しく解説している。この人種差別政策を逆利用して一儲けした実例として挙げられているのが、ボプタツワナ共和国。この国は、南アフリカの大都市に近接している利点を生かし、リゾート都市・サンシティを建設。南アフリカでは禁止されているカジノもあるし、同様に禁止されている黒人とのセックスも楽しめるとあって、わんさか白人たちが訪れて大いに栄えたという。アパルトヘイトのイメージを覆すような事実は、目からウロコというよりほかない。  イギリスが植民地にしていたアラビア半島の重要港・アデンの周囲にあったアデン保護領の首長国も、怪しさ満点だ。この首長国というのは、日本の戦国時代のようなもので、村を有力者が統治しているというようなスタイル。ゆえに、国を名乗ってはいるが、中には人口は百人ちょっと、というところもあったのだとか。そんな国が20世紀の後半まであったなんて、スゴイ! なお、アデン保護領はその後、アラビア半島唯一の社会主義国家・南イエメンになって独立。冷戦終結後に北イエメンと合併したはいいが、権力をめぐって南北の内戦になったり……メチャクチャな国すぎて住民にとっては迷惑なんだろうけど、なんだか興味をそそられてしまう。 ■自分だけ生き残った、ひんしゅくものの権力者たち  さて、滅亡した183カ国の中は、平和裏に滅んでいったものは少ない。そういった国の王様や大統領は、いったいどうなってしまうのか? ここも、吉田氏が消滅した国々に、興味を引かれたポイントだ。だいたいは、処刑されたり無惨な最後を遂げたかと思いきや、のうのうと生き残っている人がけっこう多いのだ。中には、国の最後と運命を共にした人もいるだろうし、権力者だけが生き残るなんて、ひんしゅくものではないか。  その最も顕著な事例が、1967年から3年あまりの間に存在したビアフラ共和国のオジュク大統領だ。ナイジェリアの東部州だったビアフラは、同国の有力な産油地帯。住民は、黒人のキリスト教徒のイボ族主体で、自分たちの土地から湧き出る石油の利益が、民族も異なり宗教もイスラム教主体の他州の人々に吸い上げられているとして、民族紛争の末に独立を目指したもの。独立をめぐるビアフラ戦争で、内陸部に押し込まれたビアフラ側は200万人あまりの餓死者を出し、一時はビアフラ=飢餓のイメージは広く浸透していた。  最終的に、首都に攻め込まれ亡命したオジュク大統領は1984年に赦されて帰国すると、一転しナイジェリアの支持者に! 2003年には大統領選にも出馬したが、得票率わずか3%で落選したのだとか。  どうも、彼の中では「今のナイジェリアは当時とは違う、いい国」とつじつまが合っているらしいが……200万人も餓死させておいて虫のいい話である。  ほかにも、王様が若いアメリカ娘を嫁にしてハァハァしていたら、国民に見限られてインドに併合されたシッキムなどが本書には登場する。権力者は、スチャラカ過ぎて興味を引かれる人ばかりである。 ■著者がもくろむ、消滅した自治体の復活  しかし、本の内容以上に興味深いのは、著者の吉田一郎氏自身。吉田氏は「大宮の自治と独立」を主張する、さいたま市議なのである。本の内容も興味深いが、この主張も興味深い。いったい、吉田氏の目指すものは、なんなのか? 「さいたま市誕生のための合併は、平成の合併による政令指定都市誕生のモデルケースとして、国主導の住民不在で行われたものです。当初は、さいたま新都心に首都機能が移転するという触れ込みだったのですが、実際にはごくわずかな機関が移転したにとどまりました」  吉田氏によれば、いまや旧大宮市の扱いは、前述のビアフラ共和国のような状態だという。 「旧大宮市、浦和市、与野市は表向き対等合併しましたが、実際には行政機能が集中している浦和市に有利となっています。大宮市の税収はおろか、図書館の本まで浦和市に奪われてしまっているのです。市議会でも市に対して合併して、どういった利点があったか質問したこともありますが、市の職員すら満足に答えることができないのが現状なんです」  いったん誕生した市から再び独立することなんて、雲をつかむような話に聞こえるが、吉田氏は本気だ。そもそも、市会議員に当選するだけの支持があるわけだから、旧大宮市民からの期待も大きい。でも実際に、いきなり分離独立することが困難なことは、吉田氏も認めるところ。まずは、財源や権限を分割する自治から、手をつけることを構想している。  消滅した自治体を復活させようと、リアルに企む吉田氏。そこからは、本書が単なる雑学本でないという意志が伝わってくる。 (取材・文=昼間たかし)

「現代の自分 VS 過去の自分」近未来SFアクション傑作『LOOPER ルーパー』

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(c) 2012 LOOPER DISTRIBUTION, LLC. ALL RIGHTS RESERVED
 毎週新作映画を紹介する当連載の2013年の初回は、正月休み明けのまったりモードにビシッと気合いを入れてくれる傑作アクション2本を取り上げたい。  1月12日公開の『LOOPER ルーパー』は、ジョセフ・ゴードン=レビットとブルース・ウィリスが主演した近未来SFアクション。2074年の世界から、タイムマシンで消したい標的を30年前に送り込む犯罪組織と、2044年の世界に送られてきた標的を抹殺する「ルーパー」たち。その1人、ジョー(ゴードン=レビット)の前に、30年後の自分自身が現れる。30年後のジョー(ウィリス)は、未来社会の独裁者「レインメーカー」を幼いうちに消すためタイムマシンに自ら乗り込んでいた。ルーパーの掟に従い30年後の自分を殺そうとするヤング・ジョーと、追っ手を巧みにかわしながら困難なミッションに挑むオールド・ジョー。運命の対決の行方は、そして謎に包まれたレインメーカーの正体とは……。  時間旅行を扱うSFでは、登場人物が過去の自分に会うと自身の人生や未来の世界に重大な変化をもたらす可能性が高いため、そうした行為をタブーとすることが多い。だが、本作はそれを逆手に取り、主人公が未来から来た自分と、互いに影響を及ぼし合いながら命懸けの戦いを繰り広げるという展開がユニーク。ヤング・ジョーは30年後の自分を殺さなければ組織から消されてしまうが、オールド・ジョーは30年前の自分を殺すわけにはいかない(自分の存在も消えてしまう)という非対称性も対決を一層面白くしている。若手のルーパーが傷を負うと老ルーパーの身体にも即座に反映されるという描写は、視覚効果も見事で楽しませるが、30年間の行動や記憶への影響を考えると矛盾も浮かぶ。とはいえ、細かな難点もさして気にならないほどテンポ良くストーリーが進み、ハリウッド的なハッピーエンドではないクライマックスも見応え十分。ウィリスに似せるため特殊メイクで全編演じきったゴードン=レビットや、田舎の農家で一人息子を育てる男勝りのシングルマザーという従来の出演作とはイメージの異なる役どころに挑んだエミリー・ブラントらの熱演も含め、見どころたっぷりの快作だ。  続いて1月11日公開の『96時間 リベンジ』は、リーアム・ニーソン主演で米国や日本をはじめ各国でヒットしたアクションサスペンス『96時間』(09)の続編。元CIA工作員のブライアン(ニーソン)は、元妻レノーア(ファムケ・ヤンセン)と娘キム(マギー・グレイス)との関係を修復しようと、3人でイスタンブールを訪れる。だが、かつてキムが誘拐された事件でブライアンに息子を殺された老ボスが、アルバニア人の手下たちを動員して一家を襲撃。街中でレノーアを人質にとられたブライアンは、自らもとらわれの身に。ホテルに1人残ったキムにも危機が迫る。  製作・脚本は前作に続きリュック・ベッソン。『トランスポーター3 アンリミテッド』(09)のオリビエ・メガトンが監督を務めた。リーアム・ニーソンは舞台出身の演技派だが、50代後半になって『96時間』、『アンノウン』(11)など体を張った主演作で新境地を開拓。愛娘を誘拐した組織の一味を銃と格闘技でバッタバッタと倒していった前作に対し、今作ではまず主人公が元妻とともに拉致され、娘が携帯電話で父親にアドバイスを受けながら脱出を助けるという点が新趣向だ。仮免許中の娘が父に助けられながら敵の車とカーチェイスを繰り広げるシーンも、熟練ドライバーの運転とは異なる緊張感が生まれてスリリング。元特殊部隊所属のファイト・コーディネーターがキャストとしても起用され、終盤の共同浴場でニーソンとの接近戦を自ら演じるなど、刺激的な本格アクションを随所で堪能できる1本だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『LOOPER ルーパー』作品情報 <http://eiga.com/movie/77480/> 『96時間 リベンジ』作品情報 <http://eiga.com/movie/77609/>

「秋葉原にμ’sがいる!!」“ワシが育てた”アニメ『ラブライブ!』が、なんだかすごい!

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『ラブライブ!』公式サイトより
 お正月ムードも一段落というところで、アニメファン待望の1月クールの新作テレビアニメが続々と放送開始している。その中でも特に大きな話題を呼んでいるのが、女子高校生たちのアイドル活動を描く『ラブライブ!』(TOKYO MX、読売テレビほか)である。  昨年夏に開催されたアニソンフェス「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」(以下、アニサマ2012)には、本作のヒロインたちを演じる女性声優陣が劇中のアイドルユニット「μ’s(ミューズ)」として参加。アニメキャラがグリグリ動くミュージックビデオとまったく同じ振り付けを踊って歌うという、あまり他に類を見ないパフォーマンスを披露し、多くの観客が「あの女の子たちは何者だ!?」と圧倒されたことは記憶に新しい。  もともとは、μ’sの歌う楽曲とドラマパートを収録したCD、ミニドラマを交えたミュージックビデオをセットにしたパッケージと、美少女総合エンタテインメントマガジン「電撃G's magazine」(メディアワークス発行)誌上で展開する日常風景を描くショートストーリーという形で、2010年にスタートした本作。これまでは断片的に語られてきたエピソードの数々が、アニメという形で一本の線につながるということで、今回のアニメ化はファンには待望の企画だったというわけである。  そんなアニメ版『ラブライブ!』第1話のあらすじは以下の通り。  東京都千代田区にある女子校「音ノ木坂学院」は、少子化の影響で入学志望者が減少。現在の1年生が卒業する3年後に廃校となることが発表された。そこで、2年生の高坂穂乃果は、母親も卒業した母校の消失を回避すべく回避策を練る。折しも世間では、学校をアピールするアイドル「スクールアイドル」全盛期。ということで、自分たちもアイドル活動を通じて学校をアピールしていこうと思いつく……というもの。  「学校ごとにアイドルがいる」という設定がジャンプ漫画っぽいなあ……とニヤニヤしてしまうが(自分だけか)、ともあれ本作を見てまずは誰もがハイクオリティな作画に目を奪われることだろう。  『ラブライブ!』のミュージックビデオは、5~6分の短い映像を30分アニメと同等の予算と手間をかけて制作されているそうだが、テレビアニメ版『ラブライブ!』はそのミュージックビデオと遜色ないクオリティなのである。「作画崩壊、何それ?」とでも言わんばかりの安定したビジュアルで、リアルな秋葉原界隈をアイドルたちが駆け抜けるアニメ本編の衝撃は、初めてアニサマ2012でμ’sのステージを見た時と同じか、それ以上。あえて言おう。μ'sが俺たちのよく知る秋葉原に「いる」のである!  この「秋葉原にμ’sがいる」という感覚は、『ラブライブ!』をこれまで応援してきたファンこと「ラブライ部員」にとっては非常に重要な概念である。『ラブライブ!』はCDリリースのたびに、東京都千代田区──つまり、作品の舞台となる秋葉原の各所にてアイドルを演じる声優たちとラブライ部員によるイベント「ラブライ部員とμ’sの課外活動」を頻繁に行っており、そこで結束を強めてきたという歴史がある。いわば『ラブライブ!』のもう一人の主役は、秋葉原という街そのものなのだ。テレビアニメ版『ラブライブ!』では今後、秋葉原の風景がどのように描かれるのか、非常に楽しみである。  ラブライ部員も、μ’sの紡ぐドラマにおいて欠かせない重要な登場人物である。数多くのイベントやライブに参加してきた彼らにとって、少しずつ知名度を上げ、大きなコンテンツに育っていく『ラブライブ!』には、「ワシが育てた」的な感慨でいっぱいなのではないだろうか?  そんなファンと一緒に成長してきた、ファン参加型コンテンツ『ラブライブ!』。今回のテレビアニメ化を機に、まだ未体験の読者もぜひ参加してみよう。「にっこにこにこ~」になること間違いなし! (文=龍崎珠樹) 「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

コンビニには“頼れる町のなんでも屋さん”?『コンビニと日本人 なぜこの国の「文化」となったのか』

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『コンビニと日本人 なぜこの国の
「文化」となったのか』(祥伝社)
 街のあちらこちらで見かける、コンビニ。セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、サークルKサンクス、デイリーヤマザキなどなど、大手チェーン店が数百メートル内に何軒もあると、「なんかコンビニ多くない!?」などと思ったりするのだが、お弁当やおやつもあるし、化粧品、携帯の充電器、本もある。“あったらいいな”がコンパクトに集まっていて、ついつい立ち寄ってしまう。しかも、ATM機能があったり、切手を買って郵便が出せたりとサービス満点で、大体の用事は済ませられる。  それにしても、一体いつからこんなに便利に? そんな疑問に答えてくれる本が、『コンビニと日本人 なぜこの国の「文化」となったのか』(祥伝社)。著者は、メーカーや小売業のマーケティング・サポートを行い、流通専門誌などに数多く執筆している加藤直美氏。これを読めば、日本のコンビニがどのように増え、サービスを広げてきたのかが実に詳しくわかる。  彼女によれば、コンビニの創業期は1970年代。80年代が普及期、そして90年代、かつてわたしが小学生だった頃が成長期だったらしく、思い返せばその頃、我がふるさとの愛知県の田舎にも、サークルKサンクスとミニストップが進出してきていたような気がする。とはいえ、地方の田舎など、「コンビニ業界成長してるな!」なんて実感するほど続々と店舗は増加せず、どこか1店舗できれば、周囲数キロには新たにできることはほとんどない。出店が激しいのはやはり東京を中心とした関東圏で、チェーン店のコンビニ約3割が集中している。  コンビニは、3万5000店を超えた2000年頃から増加率が鈍くなったものの、98年以降、年間の店舗数が前年を下回ったことは一度もない。現在、4万5000店舗に達する勢いで、残念ながら閉店してしまうことも多いが、それ以上にどんどん増え続けていて、業界が上り調子なのがわかる。  また、00年代は成熟期、そして10年代は貢献期と位置づけ、コンビニの、ただ買い物する場所としてだけでなく、地域に貢献する企業としての姿なども紹介されている。この本を読むまで知らなかったが、大手コンビニの各チェーン店の多くは、震災時の帰宅困難者には「トイレを貸す」「水道水を提供」「地図やラジオの道路情報などの提供」といった、もしもの時のために出店地域の自治体と災害時協定を結んだり、深夜に徘徊するお年寄り保護の活動など、知られざる活動も行っている。  また、意外と地域に密着した営業をしていて、例えば愛知県でおでんを買うと必ずもらえる味噌が東京ではマスタードになったりと、チェーン店であっても全国すべて同じではなく、地域の特製を考慮し、商品が販売されている。  コンビニは便利だが、なんとなく味気ない――。そんなイメージが少なからずあるが、細かい気遣いを知ると、コンビニが“頼れる町のなんでも屋さん”のように思えてくる。普段、何気なく入るコンビニも、応援してあげたくなる気持ちになる1冊だ。 (文=上浦未来) ●かとう・なおみ 愛知県生まれ。法政大学法学部卒。経営コンサルタント会社を経て、1989年に流通業界のサポート会社「トレードワーク」を設立し、メーカーや小売業のマーケティング・サポートを行う。1991年から消費生活コンサルタントとしても活躍。流通業界に精通する立場から流通専門誌などに数多く執筆し、著書に『コンビニ・ドットコム』(商業界)、『コンビニ食と脳科学』(祥伝社新書)などがある。

劇場版2014年冬「出航」に向けて怪気炎!「モーレツ宇宙海賊 弁天丸職員大納会」レポ

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 弁天丸の新たな航海が2014年に決定! 昨年12月21日、「モーレツ宇宙海賊 弁天丸職員大納会」が夜の新宿バルト9で開催され、新しく描き起こされたメインヒロイン3人のキャラクターデザイン画と共に、劇場版の公開時期が「2014年冬」と発表された。  冬といっても1、2月と12月とでは1年近い開きがあるが、具体的に何月かということまでは明らかにされなかった。もっとも、あきまん画の新規デザインの初公開だけでも、十二分にインパクトはあった。  発表があったのは、一番最後のトークコーナー。この日のプログラムは以下のようになっていた。 (1)MCを務めるニッポン放送の吉田尚記アナウンサーが登壇、前説 (2)ファン投票によるテレビ版『モーレツ宇宙海賊』セレクション上映第1部、「SAILING 5 茉莉香、決意する」「SAILING 12 永遠(とわ)よりの帰還」 (3)吉田アナ、佐藤竜雄監督、シェイン・マクドゥガル役松風雅也、三代目役松岡禎丞によるトーク (4)セレクション上映第2部、「SAILING 21 決戦!ネビュラカップ」「SAILING 26 そして、海賊は行く」(最終回) (5)吉田アナ、佐藤監督、松風、松岡に、加藤茉莉香役の小松未可子を加えてのクイズ大会「モーパイ愛を再確認! リメンバー モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)クイズ」「正解を知るのは佐藤監督だけ。劇場版モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)クイズ」  このうち、(5)の劇場版に関するクイズでさんざん盛り上がったところで、チアキ・クリハラ役花澤香菜とグリューエル・セレニティ役戸松遥の2人からビデオメッセージがあり、その中で、それぞれ自分が演じるキャラクターの新しい設定画を公開。その後、茉莉香を含め、3人のデザイン画をあらためてスクリーンにババン! と映し、主に制服に関するトークとなった。 IMG_5504.jpg 吉田アナ 「(スクリーンを登壇者が見上げる恰好となり)全員スカートを下からのぞき込むようになってしまいましたけれども……」 小松 「見えない」 吉田アナ 「小松さん、下からご覧になって、感想は?」 小松 「下からだと、大変たくましく見えます。先ほど、香菜ちゃん(花澤)やとまっちゃん(戸松)が言っていたように、制服に若干のチェンジが」 佐藤監督 「一番の違いは、スカートに柄が入っている」 小松 「そうなんですよ。これ、進級したという感じなんですか?」 佐藤監督 「スカートに関しては劇場ということで、どう情報量を上げていくか。テレビだと大変だから、(模様が)ラインだけだったんですよ。ちょっと頑張ろう、みたいなね」 松風 「螺旋階段をテレビでやると、死ぬ思いだと聞いたことがあります」 佐藤監督 「まあ、回り込み系はね」 松風 「スカートの柄とかも、いけるところはどんどんクオリティが上がっていくということですか?」 小松 「チェックが増えるとか、そういうことですか?」 佐藤監督 「まあ、そうですね」 松風 「(グリューエル・セレニティの制服のデザインが茉莉香と違うのを見て)あれ、グリューエルって、同じ学校に編入しなかったっけ?」 佐藤監督 「これは中等部だからね(高校と中学でデザインが違う)」 吉田アナ 「中等部という設定も、どちらかというと、アニメの好きな人たちにいろいろな制服を見せてあげようというサービス精神だと思いますよ」  続けて発表された2014年冬公開の報に対し、「1月か12月かによってだいぶ違ってくると思うんですけど……」と小松が突っ込むと、「誰かそう言うと思ったんだよね」(佐藤監督)、「日本は冬が年をまたぐ国です」(吉田アナ)というリアクション。常識的に考えれば1月なのだろうが、予断は許さない。  ちなみに、クイズは「弁天丸が海賊営業を行うための海賊行為許可証の名前は? 漢字で正しく書いてください」「茉莉香たちヨット部員が通う学園の名前は? 漢字で正しく書いてください」「『劇場版 モーレツ宇宙海賊』のサブタイトルは?」との質問に、鉄拳よろしく油性マジックでスケッチブックに文字を書いて答えるというもの。  こういうイベントでは、雨に濡れた子犬キャラとして定着しつつある松岡が、押し出し式の油性マジックだと気づかず延々キャップを外そうとするボケっぷりを披露。  さらに解答のほうも、解答者3人(佐藤監督は出題者)がボケまくりで珍解答続出、「私掠船免状」という正解に対して、「支りゃく線面条」(松岡)、「私略線麺錠」(松風)、「私鯨船免状」(小松)というありさまだった。正解を狙っていて本気で間違えているのか、笑いを取りたくて狙っているのか、その両方なのか。佐藤監督が「すでにモーパイのクイズじゃなくて、フツーの漢字検定だな」とぼやくほどに答えはずれまくっていた。 IMG_5304.jpg  なお、2問目の正解は「白凰女学院」だが、解答者は軒並み「白鳳女学院」と誤答。これは佐藤監督によると「鳳は雄で凰は雌だから」とのこと。女子校だから女性形の漢字を当てたというわけだ。  劇場版最新情報も伝え終わると、もう予定の終了時刻は間近。納会というものをまったく体験したことのない小松が「よくわかっていないんですが……」と戸惑いつつも、ヒロインらしく「さあ、鏡開きの時間だ!」と叫ぶと、壇上には大きな酒樽が運び込まれた。その樽には「猛盃(もうぱい)」の漢字二文字、そして「弁天丸職員大納会」の文字の下にはマルシー(著作権表記)も。 「ちゃんと権利関係もクリアになっている樽ですからね。大丈夫ですよ。弁天丸は海賊だけど、海賊版は許しません!」(松風)  佐藤監督が「モーレツ!」と合図すると、全員が「宇宙海賊(パイレーツ)!」と答えて樽が割られ、いよいよイベントはフィナーレを迎える。「乗組員、遅刻欠席厳禁なので、ぜひまた2014年の冬にお会いしたいと思います。今日はどうもありがとうございました!」と松風が呼びかけると、満場のオーディエンスは大きな拍手を送った。尻上がりに評価を高めてきた『モーレツ宇宙海賊』、いっそう高い波に乗っての出航となるか――。1年後(?)が待ち遠しい。 (取材・文=後藤勝)

ap bank fesにも出演 半身不随のボーカリストが綴る夢『終わりのない歌』

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『終わりのない歌』(双葉社)
 昨年開催された「ap bank fes'12」では、80年代に活躍したバンド「ROUGE」のボーカリスト奥野敦士が“出演”。Mr.Childrenの桜井和寿率いるBank Bandとともに、「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」を歌い上げた。だが、奥野の姿はその会場にはない。スクリーンに映されたYouTube動画が、奥野の舞台だった。  2008年9月、屋根から転落し頚髄を損傷。それからは、障害者施設でリハビリの日々を送っている奥野。そこにいるのは、かつて日本武道館を埋め尽くしたロックバンドのフロントマンとしてのきらびやかな姿ではない。介護士に食事を食べさせてもらい、カテーテルで尿を排出する障害者としての彼の姿だ。12月に発売した著書『終わりのない歌』(双葉社)には、そんな彼が送る現在の生活が赤裸々なまでに描かれている。  1990年に絶頂期のROGUEを解散し、ソロ活動や映画音楽、俳優業などを行ってきた奥野。しかし、音楽業界の仕事に行き詰まっていた彼は、2008年に故郷である群馬に拠点を移した。心機一転、派遣会社に登録しながら、音楽をつくる喜びを味わっていた奥野。健康的な生活とともに、新たな一歩を踏み出そうとしていた矢先の事故だった。工事現場での作業中に、7メートルの高さから落下し、気づけば病院のベッドの上。胸から下が動かない体になっていた。  本書に綴られたリハビリの日々は過酷そのものだ。  食事を摂るだけでも体力を使い果たす。少しでもストレッチを欠かすと、腕すらも動かすことができなくなってしまう。胸から下が動かない生活は、健康な人間には想像すらできないほどに苦しいものだろう。しかし、まるで手紙のような文体で、読者に語りかける奥野は明るい。苦しさの中にも常に希望を持ちながら、毎日を過ごしている。  だがもちろん、彼もその現実を受け入れるまでには葛藤があった。ギターも弾けず、愛犬の散歩にもいけない。日常生活はおろか、顔もかけず、目ヤニすらも自分で取ることはできない。「死にたい」と絶望しても、死ぬためには体を動かさなければならなかった……。 「『俺、死ぬことも出来ないんだな……』 涙が次から次へと溢れて、止まらなかった。 死ねないから、ただ生きている……」  そんな彼を支えたのは、医師から言われた「リハビリを続ければ、もう一度ステージに立てるようになります」という言葉だった。半身不随になると、腹式呼吸もすることができなくなってしまう。肺活量もそれまでの1/3以下にまで減少。自分でも信じられないくらいのか細い声しか出ない。プロのボーカリストとしての声が出せない体になってしまったのだ。  だが、奥野はあきらめなかった。肺活量が少ないのだからできる限り息を無駄にしない。腹式呼吸はできないが、車椅子のシートベルトでお腹を締め付けることで、その代わりとなることを発見。事故から2年後に歌った「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」の動画では、全身を使って、振り絞るように歌っている彼を見ることができる。それは、どんなボーカリストにも歌うことができない声だった。この奥野の姿を見て、桜井和寿は、ap bank fesへのオファーを即決した。(http://www.youtube.com/watch?v=6jo-mJPAS3A&hl=ja&gl=JP)  本書のタイトルでもあり、ROGUEの代表曲である「終わりのない歌」は、奥野が初めてカッコつけずに現実の厳しさや、それに負けそうな自分を描いた曲だった。現在、奥野の目標はROGUEを再結成し、もう一度「終わりのない歌」を歌うこと。まだ先になるであろうその日を夢見て、カッコ悪いその姿をさらしながら、奥野はリハビリに明け暮れている。 (文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●おくの・あつし 1963年、前橋市出身。82年、ROGUEを結成。85年、アルバム『ROGUE』でメジャーデビュー。バンド解散後はミュージシャン、俳優、映画音楽制作などに活動の場を広げている。2008年の不慮の事故により半身不随になるも、Twitterやブログなどを通じ、メッセージを発信し続けている。

オヤジ系漫画誌の一角「漫画サンデー」が廃刊決定 「看板雑誌も赤字には耐えられなかった……」

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「漫画サンデー」(実業之日本社)
1月22日号
 2012年12月、足かけ24年にわたって連載された新田たつお氏の『静かなるドン』がフィナーレを迎えたばかりの「漫画サンデー」(実業之日本社)が、2013年3月をめどに廃刊することが、明らかになった。  同誌は「漫画ゴラク」(日本文芸社)、「週刊漫画タイムス」(芳文社)と並ぶ、オヤジ系漫画誌の代表格。だが、出せば出すほど赤字がかさむ中で、経営陣は苦渋の決断を迫られたようだ。  「漫画サンデー」は1959年創刊。オヤジ系漫画誌の中でも、骨太な作品を多く掲載してきた。  過去の連載作品は、手塚治虫氏の『一輝まんだら』、水木しげるの『劇画ヒットラー』、杉浦日向子の『百日紅』、畑中純の『まんだら屋の良太』など尽きない。また、かつては、つげ義春が数多くの作品を発表した雑誌でもある。しかし、近年は売れ行きが芳しくはなかったようで、2012年6月からは発行ペースを週刊から月2回へ変更していた。  廃刊の理由は、利益があがらないことに尽きるという。 「よく知られている通り、漫画雑誌は赤字分を単行本で稼ぐもの。ところが、ほかの雑誌も同じ状況でしょうが、『漫画サンデー』でも単行本がまったく売れず、赤字がかさんでいました。それでも、会社の看板であることから発行は継続していましたが、いよいよ限界が来たんです」 と、編集部の関係者は語る。  さらに、漫画家の原稿料も赤字を増やす原因になってきたという。 「『漫画サンデー』では、原稿料を漫画家としてのキャリアに応じて支払うシステムが慣例でした。初めて執筆する漫画家さんでも、それまでのキャリアが長ければ原稿料は高くなるんです。原稿料は、安い方でも『週刊少年ジャンプ』の中堅クラスの2倍程度は支払っていました。単行本で稼ぐビジネスモデルが確立している頃なら、問題はなかったのでしょうが……」(同)  しかし、単行本が売れていないとはいえ、同誌が面白くないわけでは決してない。むしろ、歯ごたえのある作品が盛りだくさんで、ライバル誌の「漫画ゴラク」や「週刊漫画タイムス」とは違う独特の色合いの作品を支持する人は多い。同誌に連載されていた『監禁探偵』(原作:我孫子武丸・作画:西崎泰正)は、2013年初夏に実写映画の公開が決まっている人気作だ。  刊行が月2回になったことなど、不安要素はあったものの「まだまだ、元気な雑誌」と思われていただけに、廃刊の報は残念でならない。  読み捨てられる媒体のイメージが強いオヤジ系漫画誌だが、実のところ少年誌・青年誌とは異なる独特のテイストは見るべきものがある。その一角が崩れてしまうことをきっかけに、ジャンル自体が縮小してしまうことも危惧される。  なお、廃刊後も実業之日本社の漫画部門は継続するが、後継誌の予定はないという。 (取材・文=昼間たかし)

現役女子大生と「おもいで、つくろ。」パジャマ女子のプライベートを独占せよ!

こんなかわいい女子と思い出つくれるなんて!
 自分が気に入った女子大生の女のコのプライベートを7日間独占できるとしたら、あなたの胸にはどんな“おもいで”が残っているだろう──。  現役女子大生によるパジャマ・パフォーマンス集団「PAJACOLLE(パジャコレ)」と東芝がコラボした疑似恋愛コンテンツ『7Daysmemory~おもいで、つくろ。~』が話題だ。
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どちらの女子が好み?
 毎日、2択で現れる女子大生から自分好みの一方を選択すると、その女子とのデートスナップやプライベート動画が出現。日に日に親密になっていく2人の関係を疑似体験することができるという。 7Daysmemory18.jpg 7Daysmemory21.jpg 7Daysmemory28.jpg  オシャレなカフェやダーツバー、そして、彼女の部屋でパジャマ姿の彼女と過ごす時間。そんな“おもいで”を積み重ねていくことができるのだ。  だが、途中で違う女子を選んでしまうと、それまでに蓄積された“おもいで”は消滅してしまう。  だが、誘惑に負けず、一途に思いを貫ければ、実際に出演しているパジャマ女子と会えるイベントの応募資格をゲットできるというスペシャルな特典も! 詳細は、下記公式サイトでチェックしてほしい。  果たして7日後、あなたの目の前にいる女子は、どんな姿で、どんな顔であなたを見つめているだろうか? ◆URL:http://www.7days-memory.com ◆公開:2012年12月17日 ◆利用方法:Facebookまたはtwitterアカウントでログイン (1日だけログインのいらないお試し機能あり) ◆対応端末:PC(Flash)・スマートフォン・タブレット ◆衣装協力:FELISSIMO・株式会社ワコール

えっ! こんな萌えっ娘が中核派に? 「無罪」の法政大学学生運動活動家が総結集

2012年に若者がネコ耳付けて中核派を名乗るという。
 もはや過去の歴史として消え去りつつあるかに見える学生運動。その中で、やたらと活動家がウロウロしているのが法政大学だ。今年5月には、活動家の学生らが出入口の看板を壊したとして裁判で争われたが、東京地裁の判決は無罪。以来、活動家たちはあちこちに「無罪」と書かれた色紙を持って登場し、記念写真を撮影。はたまた無罪記念でラーメン屋でタマゴをサービスしてもらったりと、「無罪」をネタに運動はますます盛り上がっている。そんな彼らが「全日本無罪祭」なるイベントを開催すると聞き、さっそく駆けつけた。  従来、法政大学には中核派とノンセクト系、2つの運動の流れが存在した。この2つの組織の関係は必ずしも良好なものではなかった。だが、近年の大学当局の学生運動への弾圧によって両者は急接近。ついに、ノンセクト系である文化連盟委員長の齋藤郁真君が、中核派全学連委員長に就任するという、なんだかよく分からない状況も生まれている。そんな中で開催された「全日本無罪祭」。その告知を見て筆者が驚いたのは、出演予定者に「清水丈夫(革命家)」と書かれていたこと。  清水丈夫といえば、中核派の最高指導者といわれる人物。一切のメディアに登場することはなく、メンバー以外に姿を見たり所在を知る者は皆無に等しい。そんな人物が登壇するならば、ぜひ見てみたい。  と、やってきた会場で文化連盟副委員長の恩田亮君を見つけ「清水丈夫はいつ来るんだ?」と聞いてみた。対する恩田君の答えは「いや~、昨日の選挙結果を見て情勢が悪いんで来ないんですよ~」……壮大な釣りであった。  気を取り直して……。イベントの前半は、無事に無罪を迎え控訴審へと至っている裁判の報告。こう記すと、真面目なイベントっぽい。確かに最初は真面目に、大学当局や警察からの弾圧過程が報告されていたのだが、途中からだんだんおかしくなっていく。  実は、看板を破壊したとされる事件の過程で、恩田君、増井真琴君(文化連盟企画局長)が、逮捕される一方、多くの仲間たちが、言葉巧みに逮捕をちらつかされて、彼らを売る形にされてしまっていたのだ。登壇した菅谷圭祐君も、仲間を売る形になってしまった一人。反省の弁を述べる菅谷君だが、イベントが進むに従って、司会のはずの恩田君は怒りが再燃したのか、次第に言葉が刺々しくなっていく……すわ、内ゲバか!  恩田君の怒りもよく分かる。なにせ、逮捕拘留されている間に「待っている」と言っていた彼女は、次第に手紙も来なくなり……「出てきたら、フランス人と付き合っていた!」のだから。あからさまに分の悪い菅谷君を擁護したのが、登壇した作家の早見慶子さん。早見さんは、自身も活動家だった経験から「警察は心理戦に長けているもの。女性が寂しさゆえに、別の男と付き合ってしまう事例は私の頃にもあった」と語り、幾分か場を和ませた。 ■メンバーからも「服装がヘン」と批判される中核派  それでもなお、ピリピリしていた状況が一変したのは後半。学生運動のイベントだと聞いていたのに、おっぱいがこぼれそうなピンクのワンピースに網タイツをはいて、ネコミミまでつけたサブカル系乙女が登壇するではないか!  この、会場の空気を一変させた女性こそが、近年、ウワサになっている中核派の美人活動家・黒猫菊花さんである。見た目に反して、その思想はガチだ。壇上で中核派に結集した理由を問われた彼女は「中核派の血債思想が好きだから!」と、言い放つ。  後半では、前日に告知されていた文化連盟委員長の交代と、新たな決意表明等々があったのだが、会場の男性の大半は、(おそらく)この乙女に釘付けである。さらに、会場から現在の中核派への不満点を聞かれた彼女は「お金がないのは本当。(活動家の)着ている服が変だと思う。それに、すぐに1,000人結集とかいうけど、そんなに集まっていない」と「それを言っちゃあ、おしまいだよ」な発言を。その上で「中核派を変えてやろうという意識で入りました。なかなかうまくいかない部分もあるけど、とりあえず女のコを増やしていきたい」と、今までにない将来像を語ったのである。  この発言を、半ば苦笑しながら聞いていた齋藤君は、今後の学生運動の展望を、 「大学がサービス業になり、学生が消費者として扱われていることとの闘争。学生が大学の中で政治論議もできない状況を変えていかなかればならない、そのことこそが展望であり、可能性」  だと語り、熱く(?)場を締めくくった。21世紀に入って10年以上が過ぎ、学生運動も過去のものからは大きく変貌している……という結論でよいのだろうか。いずれにせよ、大学は単に就職のための予備校ではない。こうした妙なヤツらがキャンパスをウロウロしていてこそ「大学って面白いところだなあ~」と感じるハズ。今後も、ぜひ世の中を騒がせてほしいものである。なお、文化連盟はTwitterでどんな悪口、批判にも対応し、ネットユーザーをも騒がせている。 (取材・文=昼間たかし) 無罪の法政大学文化連盟 https://twitter.com/hosei_bunren