『ガンダム』『ヤマト』に『鉄人28号』……往年の名作アニメが続々リメイク

yamato2199.jpg
『宇宙戦艦ヤマト2199』
 アニメブーム黎明期を盛り上げた、往年の名作アニメのリメイクが続いている。  まずは4月からTBS系列の日曜夕方5時枠、通称「日5枠」で『宇宙戦艦ヤマト』初代TVシリーズのリメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』がスタートする。1974年に読売テレビ制作・日本テレビ系列で放送され、社会現象を引き起こした歴史的ヒット作のリメイクとなる本作は、『ヤマト』でアニメに興味を持ったという出渕裕監督や、OP映像の絵コンテを担当をする庵野秀明をはじめとする、ファースト『ヤマト』世代がスタッフとして数多く参加し、大きな話題を呼んでいる。  原典(この場合、ベースとなった初代TVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』のこと)のエピソードをベースに、現代風に換骨奪胎し再構成。さらに想像力に幅を持たせるというか、わりとテキトーというか、その場の勢いまかせで作られていた原典の設定(青色と肌色が入り乱れるガミラス人とか)にしっかりとした考証を加え、設定上の矛盾点を解消。また、メカ描写や作戦についても限りなくリアルな理由付けが行われたほか、キャラクターも原典のイメージを残しつつ現代風にアップデートされたデザインとなっている。そればかりか、艦橋のマドンナ・森雪以外の女性キャラも追加(おまけにアホ毛、巨乳、ツインテールなどなど強烈なキャラ立ち!)されているのも特徴だ。  ちなみに本作は、TV放送に先駆けて2012年より順次劇場で先行上映されているほか、すでにBlu-ray&DVDも4巻(14話まで収録)リリースされており、TV放映がメディア展開としては最後発となる。TV放映後にソフト化され、その売り上げや話題から劇場版制作が決定するという従来のアニメとは逆の展開をみせる本作は、単純に往年の名作アニメがリメイクされた、という話題性のみならず、新たなビジネスモデルを構築しうる可能性を秘めているといえる。  『ガンダム』のリメイクも控えている。ロボットアニメを「プロレス」から「戦争ドラマ」へと大転換させた1979年の大ヒット作『機動戦士ガンダム』をベースに、大幅なアレンジを加えたリメイク作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメ制作が決定している。  本作は、『初代ガンダム』のキャラクターデザインを手掛けた安彦良和自身が、『初代ガンダム』を再解釈。設定やストーリーを再構築した漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』を原作にしたアニメ化作品という位置付けとなる。そのため、アニメ版は、厳密には『初代ガンダム』のリメイクではないものの、オリジナルスタッフの手によって『初代ガンダム』が復活する、ということで大きな注目を集めるのは必至。ただ、現時点では2014年に公開されるという噂が流れている程度で、どういう形式で全貌が明らかになるかは不明だ。  どんなに素晴らしいシナリオやキャラクターでヒットを飛ばしたかつての名作アニメも、HDクオリティに合わせて制作される現在の映像や緻密な設定を下敷きにした作品を見慣れた今からすると、どうしても見劣りしてしまうものである。そこで、物語の核になるテーマや大筋は変えずに作品全体をアップデートしていくという形で、旧作を蘇らせようというこの試みは、これまでのアニメ業界にはほとんどなかった流れだ(例えば『マジンガーZ』 『ゲッターロボ』『勇者ライディーン』など、70年代初頭のロボットアニメがゼロ年代に多数復活したが、それらは基本的に続編やスピンアウト的な新作だった)。  ちなみに原典をベースに新作を作る、という従来のリメイク路線は今後も続く模様で、4月からはポップな世界観で新たな鉄人の活躍が描かれる『鉄人28号ガオ!』が『鉄人28号』50周年記念作品としてスタートするほか、80年代を盛り上げた人気アニメの続編『聖闘士星矢Ω』第2期の放送が決定。また、90年代に一時代を築き上げた『美少女戦士セーラームーン』の新作アニメが、『ももいろクローバーZ』の主題歌で今夏公開されることも決定している(媒体は未定)。  さらに70年代に一世を風靡し、90年代にもリメイクされたことのある某変身ヒーローアニメが、原典をベースに女性向けにアレンジされて復活する、という噂も業界内でまことしやかにささやかれている。女性ファンに受けた変身ヒーローアニメといえば、『TIGER & BUNNY』のヒットが記憶に新しいが、今回はその路線を踏襲するらしい。  思い出は美化される、とはよく言われるが、その思い出を裏切らない形で幼い頃に見ていたアニメが復活するなら、オールドタイプなアニメファンも喜ばしい限り。そして、生まれ変わった古典アニメを見た若いアニメファンがシリーズに興味を持ち、幅広い世代が作品のファンになればコンテンツの展開も活発になり、今後も新作が作られていくことだろう。このように世代を超えて愛される作品が増えていけば、アニメが本当の意味で「文化」として定着していくのではないだろうか。 (文=龍崎珠樹) 「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

一筋縄ではいかない展開に「やられた!」 オリバー・ストーン監督最新作『野蛮なやつら』

yabanmain.jpg
(C)Universal Pictures 配給:東宝東和
 この週も続々と封切られる新作映画の中から、ホラー系の印象が強いサム・ライミ監督が初めて手がけたファンタジーと、社会派の姿勢を貫くオリバー・ストーン監督によるクライムストーリーの2本を紹介したい(いずれも3月8日公開)。  『オズ はじまりの戦い』(2D/3D)は、名作児童文学『オズの魔法使い』に登場する魔法使いのオズが、いかにして誕生したのかを、オリジナル脚本でサム・ライミ監督が描くファンタジーアドベンチャー大作。サーカス一座の若き手品師オズ(ジェームズ・フランコ)は、身勝手で女たらしだが、いつか「偉大な男」になることを夢見ている。そんなある日、乗り込んだ気球が竜巻に飛ばされ、たどり着いた先は自分と同じ名前の魔法の国オズ。そこで伝説の偉大な魔法使いと勘違いされたオズは、エヴァノラ(レイチェル・ワイズ)とセオドラ(ミラ・クニス)の魔女姉妹から邪悪な魔女グリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)を倒してほしいと頼まれる。魔女退治の冒険に出たオズだったが、出会ったグリンダの優しさと悲しみに触れ、エヴァノラの悪だくみに気づく。  冒頭のサーカスの場面は白黒スタンダード画面で始まり、オズの国にたどり着くと世界が色づき広がって、カラーのワイド画面へと移行するなど、古典的名作『オズの魔法使』(39)へのオマージュを随所に盛り込んだ。『アリス・イン・ワンダーランド』(10)の主要な製作陣が再結集したが、視覚効果でバーチャルな背景に多く頼った前作よりもセットや小道具など現物を増やしたおかげで、自然でリアルな感覚が向上。アラサーで女盛りのウィリアムズとクニス、40代前半でいわゆる「美魔女」のワイズという、女優3人の美の競演が父親世代の観客層にもしっかりアピールしそう。厳しい試練を知恵と勇気と団結で克服すること、甘く切ない恋模様、そして映画愛に満ちたクライマックスの大仕掛けなど、子どもだけでなく大人の映画ファンも存分に楽しめる上質のエンタテインメントとなっている。  もう1本の『野蛮なやつら SAVAGES』(R15+指定)は、米ベストセラー小説を原作に、『プラトーン』(86)と『7月4日に生まれて』(89)で2度アカデミー監督賞に輝いたオリバー・ストーン監督が映画化。カリフォルニアのビーチリゾートで共同生活を送る植物学者のベン(アーロン・ジョンソン)、元傭兵のチョン(テイラー・キッチュ)、2人の恋人オフィーリア(ブレイク・ライブリー)。3人は高品質なマリファナを栽培して事業化に成功し、優雅な暮らしを満喫していたが、やがて彼らを支配下に置こうと企むメキシコの麻薬組織がオフィーリアを拉致。女ボスのエレナ(サルマ・ハエック)と幹部ラド(ベニチオ・デル・トロ)らが仕切る巨大な組織に、ベンとチョンは勝ち目のない戦いを挑むが……。  裏社会で繰り広げられる、実力行使に情報戦や心理戦も駆使したあの手この手の駆け引きがまず興味をそそる。ただし、主人公側のイマドキ若者チームと巨大麻薬組織との単純な抗争だけでなく、組織内で女ボスを出し抜こうとする幹部や、ジョン・トラボルタ扮する悪徳刑事が事態を複雑にすることで、がぜん面白みが増した。物語のナレーターでもあるオフィーリアが「信頼できない語り手」を自ら宣言することで、一筋縄ではいかないストーリー展開を予感させるが、期待通りに終盤、叙述上のトリックが仕掛けられている。早々に気づくか、種明かしの後に「やられた!」と感嘆するかは観客次第。イタズラっ子のようなストーン監督の眼差しを感じつつ、鑑賞後のえも言われぬ余韻を味わいたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『オズ はじまりの戦い』作品情報 <http://eiga.com/movie/57264/> 『野蛮なやつら SAVAGES』作品情報 <http://eiga.com/movie/77248/>

BL史上初の快挙! 20年続く雑誌「MAGAZINE BE×BOY」の歩み

1304MBB.jpg
「MAGAZINE BE×BOY」2013年04月号
 ついにBL界にも20年越えの雑誌が登場! リブレ出版の発行する月刊誌「MAGAZINE BE×BOY」が3月7日発売の4月号で創刊20周年を迎えた。ボーイズラブを扱う雑誌は数あれど、20年続いたものは初めてとなる。これまでの歩みについて、話を聞いた。  あまりBLには明るくない筆者だが、「MAGAZINE BE×BOY」が歩んできた道のりは、決して楽なものではなかったことは察しがつく。  「MAGAZINE BE×BOY」が創刊されたのは1993年のこと。当時の出版元は青磁ビブロスだった。この会社は97年にビブロスに改称し、「全国統一オタク検定試験」を実施して話題になったが、06年、グループ会社であった自費出版系出版社・碧天舎の自己破産に引きずられて連鎖倒産してしまう。しかし、人気の高かったボーイズラブ系の事業は新会社・リブレ出版に継承されて今日まで続いてきたのである。まさに、苦難を乗り越えて現在があるといっても過言ではない(倒産後にビブロスの社長だったY氏がゴールデン街で女の子をナンパしながら、「俺はすぐ復活してやる」と飲んだくれていたという目撃談が出版業界で話題になった)。  それはさておき、編集の岩本朗子さんは、立ち上げ時の苦労を次のように語る。 「最初は予算的な制約が厳しかったですね。ページ数は180ページを超えたらダメ。それに、原稿料に充てられる金額はわずかでしたし」  そんな厳しい環境でも雑誌作りは楽しかったと語るのは、長らく編集長を務めた現・リブレ出版社長の太田歳子さんだ。 「それまで、おおっぴらに“男同士(の恋愛)が好き”という話ができる友達がいなかったんです。でも、入社してみたら皆さん、隠語で何か話している。それが、カップリング名だと理解できるようになるにつれて、“なんて開放的!”とうれしくなりましたね」  とはいえ、予算はもちろんのこと、業務は過酷。しかし、そんな日々も「神に感謝した」と太田さんは話す。 「深夜に、こんなに好きな本に囲まれて仕事ができるなんて、私はなんて幸せなんだろうと思って、窓を開け月に向かって大声で『ありがとう』って叫んじゃいました。近所の人に怒られましたけれど」 ■アメリカに行ったら万歳三唱で出迎え  2人は読者への感謝も忘れない。かつては、北海道から編集部を訪ねてきたり、毎週2時間電話してくる読者もいたのだという。 「(毎週2時間電話してくる読者は)ずっと入院されている方で病院からお電話を下さっていて、その方の頭の中では『MAGAZINE BE×BOY』のストーリーやキャラクターが現実の世界みたいに展開されていたんです。その時、作品の持つ力を実感しました。『自分はいつ死んでもいいと思っているが、○○作品の続きが気になる』とおっしゃって。BLでしか癒やせない何かがあると感じますよね。BLは愛を描いているから。こんな世の中でも……ちゃんと愛があるんだって思ったんです。そこに、ものすごく救われるんだろうな、と。私自身がそうだったので……。BLを本当に支えているのは読者さんですから。これからも何かあったら、いろいろ言ってきてほしいなと思います。どんな読者さんでもありがたいです。クレームはちょっとつらいんですけどね」(太田さん)  いまやリブレ出版の読者は国内だけでなく海外にも広がっており、アメリカのYAOIコン(年1回のBLイベント)を訪れた時には、会場入りした作家と編集部は万歳三唱で出迎えられたのだとか。 「海外の読者さんだと、送料も含めると本の値段は日本の倍以上。それでも買ってくれているのは、信頼してくれているんだなって思います。アメリカだけでなく、中国の読者さんからも感想のお手紙がきますし、すごくいい文化交流ですよね。BLに携わる日本人は、誇りに思っていいんじゃないでしょうか?」(岩本さん)  毎日雑誌を作っていて、気がついたら20年が経っていたと感慨深く語る2人。記念すべき創刊20周年特大号は、創刊から20周年の表紙を一挙公開する企画や、巨匠・魔夜峰央氏も執筆する豪華仕様だ。それにしても、もはや雑誌から「編集部に遊びにおいでよ」の文句がなくなったこの時代に、こんなに読者との距離感が近い雑誌はうらやましい。 (取材・文=昼間たかし)

BL史上初の快挙! 20年続く雑誌「MAGAZINE BE×BOY」の歩み

1304MBB.jpg
「MAGAZINE BE×BOY」2013年04月号
 ついにBL界にも20年越えの雑誌が登場! リブレ出版の発行する月刊誌「MAGAZINE BE×BOY」が3月7日発売の4月号で創刊20周年を迎えた。ボーイズラブを扱う雑誌は数あれど、20年続いたものは初めてとなる。これまでの歩みについて、話を聞いた。  あまりBLには明るくない筆者だが、「MAGAZINE BE×BOY」が歩んできた道のりは、決して楽なものではなかったことは察しがつく。  「MAGAZINE BE×BOY」が創刊されたのは1993年のこと。当時の出版元は青磁ビブロスだった。この会社は97年にビブロスに改称し、「全国統一オタク検定試験」を実施して話題になったが、06年、グループ会社であった自費出版系出版社・碧天舎の自己破産に引きずられて連鎖倒産してしまう。しかし、人気の高かったボーイズラブ系の事業は新会社・リブレ出版に継承されて今日まで続いてきたのである。まさに、苦難を乗り越えて現在があるといっても過言ではない(倒産後にビブロスの社長だったY氏がゴールデン街で女の子をナンパしながら、「俺はすぐ復活してやる」と飲んだくれていたという目撃談が出版業界で話題になった)。  それはさておき、編集の岩本朗子さんは、立ち上げ時の苦労を次のように語る。 「最初は予算的な制約が厳しかったですね。ページ数は180ページを超えたらダメ。それに、原稿料に充てられる金額はわずかでしたし」  そんな厳しい環境でも雑誌作りは楽しかったと語るのは、長らく編集長を務めた現・リブレ出版社長の太田歳子さんだ。 「それまで、おおっぴらに“男同士(の恋愛)が好き”という話ができる友達がいなかったんです。でも、入社してみたら皆さん、隠語で何か話している。それが、カップリング名だと理解できるようになるにつれて、“なんて開放的!”とうれしくなりましたね」  とはいえ、予算はもちろんのこと、業務は過酷。しかし、そんな日々も「神に感謝した」と太田さんは話す。 「深夜に、こんなに好きな本に囲まれて仕事ができるなんて、私はなんて幸せなんだろうと思って、窓を開け月に向かって大声で『ありがとう』って叫んじゃいました。近所の人に怒られましたけれど」 ■アメリカに行ったら万歳三唱で出迎え  2人は読者への感謝も忘れない。かつては、北海道から編集部を訪ねてきたり、毎週2時間電話してくる読者もいたのだという。 「(毎週2時間電話してくる読者は)ずっと入院されている方で病院からお電話を下さっていて、その方の頭の中では『MAGAZINE BE×BOY』のストーリーやキャラクターが現実の世界みたいに展開されていたんです。その時、作品の持つ力を実感しました。『自分はいつ死んでもいいと思っているが、○○作品の続きが気になる』とおっしゃって。BLでしか癒やせない何かがあると感じますよね。BLは愛を描いているから。こんな世の中でも……ちゃんと愛があるんだって思ったんです。そこに、ものすごく救われるんだろうな、と。私自身がそうだったので……。BLを本当に支えているのは読者さんですから。これからも何かあったら、いろいろ言ってきてほしいなと思います。どんな読者さんでもありがたいです。クレームはちょっとつらいんですけどね」(太田さん)  いまやリブレ出版の読者は国内だけでなく海外にも広がっており、アメリカのYAOIコン(年1回のBLイベント)を訪れた時には、会場入りした作家と編集部は万歳三唱で出迎えられたのだとか。 「海外の読者さんだと、送料も含めると本の値段は日本の倍以上。それでも買ってくれているのは、信頼してくれているんだなって思います。アメリカだけでなく、中国の読者さんからも感想のお手紙がきますし、すごくいい文化交流ですよね。BLに携わる日本人は、誇りに思っていいんじゃないでしょうか?」(岩本さん)  毎日雑誌を作っていて、気がついたら20年が経っていたと感慨深く語る2人。記念すべき創刊20周年特大号は、創刊から20周年の表紙を一挙公開する企画や、巨匠・魔夜峰央氏も執筆する豪華仕様だ。それにしても、もはや雑誌から「編集部に遊びにおいでよ」の文句がなくなったこの時代に、こんなに読者との距離感が近い雑誌はうらやましい。 (取材・文=昼間たかし)

20歳で3000人斬り、中3セックスマシーンカルテット……「men’s egg」最強ヤリマン列伝の衝撃

jf1302.jpg  普段、メンズファッション誌なんて読みそうもない(というか読まない)ボクが無理矢理メンズファッション誌を読まされて気になった企画を紹介するというこの連載。最初は右も左も分からないまま読んでましたが、さすがに何回かやってると気付くことがあります。それはメンズファッション誌には月刊のものと隔月刊のものがあるということ。  隔月刊のものはシレッと2カ月間本棚に並べられ続けてるので、いつもダブッて買いそうになっちゃうんですよ。で、今月は隔月刊の雑誌が出ない月なので、月刊で出ている定番メンズファッション誌ばかりがランクインしています。 【2月のメンズファッション誌・激ヤバ企画ランキング】 1位「神マンアーカイブス」(「men's egg」4月号) 2位「成人式Japan2013」(「SOUL Japan」4月号) 3位「女子ウケNo.1の“ジャニ系ヘア”最強説!」(「MEN'S KNUCKLE」4月号) ■ボクもジャニーズ系になれるんでしょうか?  まずは、恒例の「MEN'S KNUCKLE」のイカしたキャッチコピーから。 「優しさと前衛の合間にあるモーテーフィールド」(たぶんA.T.フィールドのパロディ) 「漢の黒肌は七難隠すって昔から言うだろ?」(コレ、顔はブサイクっていわれてるんじゃないの?) 「俗世のルールなどに縛られない美の王子」(この人、プロフィール見ると「職業不明」とのこと。王子だったらいいなぁー!)  うん、メンナクは今月も平常運転!  企画ページも「もしも彼女がオナラをしたら、どうするぅ!!」「ガールズトーク・うちらはこんな男が好き」など、ファッションに興味がない人間でも読みどころが満載。中でも、うだつの上がらない中学時代を過ごしてしまった人がこの春、高校デビューするための特集「目指せ一軍!春デビューしようぜ!!新生活応援白書」で紹介されていた「入学前にmixi(こういう層がいまだにmixi使ってるんだねぇ)で『○○高校25年度新入学組』というコミュニティを作る」なるテクニックには思わず「ほほーう」と唸ってしまいました。新入学生が注目するコミュニティをいち早く作ってコミュ主となることで、入学前から主導権を握れるらしいのだ。うーん、ボクも学生時代にこのテクニックを知りたかった! ……mixiどころかインターネットすらなかったけどね。 mennaku03.jpg  そんな今月号の「MEN'S KNUCKLE」で、本誌&別冊付録にわたって総力特集されているのが「ジャニ男」。ここで言う「ジャニ男」とは、ジャニーズ系サワヤカ男子のこと。いくらサワヤカであってもジャニーズ事務所に所属していないヤツは、ただの野良サワヤカ男子だという気もするのですが……。まあ細かいことは置いといて、「2013年すべての女子が求めている」という「ジャニ男」になるためのさまざまなテクニックを見ていこう。コレさえ読めば、オシャレビギナーでも簡単にモテ男デビューできるらしいぞ!  まずは「女子ウケNo.1の“ジャニ系ヘア”最強説!」。メンナク調べによると、ほとんどの女子が初対面時の髪型で「彼氏にすることがアリかナシか」を決めているという……(ホント!?)。髪を切るのは4カ月に1回1000円カットで、と決めているボク的には衝撃的すぎる情報ですが、そんな女子たち100人にアンケートした結果、最もウケがいいと判明した「ジャニ系ヘア」(100人にアンケートしたというわりに、内訳も、2位以下の髪型もまったく紹介されていないが)。  誌面では、「櫻井翔風」「松潤風」「山田涼介風」さらには「赤西仁×山ピーMIX」など、さまざまなジャニ系ヘアが詳細な写真入りで紹介されており、美容院に持ってってページを見せるだけで即座にジャニ男ヘアになれてしまうという実用性ありまくりな特集です。うーん、コレを真に受けてボクが1000円カットで「赤西×山ピーMIX!」とか注文した日にゃあ、美容師に抱腹絶倒されること必至だと思うけど……。  さらに、ただのジャニ男から一歩進んで(もう進んじゃうの!? フツーのジャニ男にもなれてないのに……)サワヤカな中にメンナク流の黒系ファッションを取り入れた「ジャニーズ系黒男子の組み立て方」。この特集、読めども読めども、どこまでがフツーのジャニ男で、どこからがジャニーズ系黒男子なのか、そしてジャニーズ系でない黒男子とはなんなのか、まったく理解できませんでした。  結局、イケメンが「オレがジャニーズ系だ!」と言い切れば、どんな服着てようがどんな髪型してようがジャニーズ系だってことなんでしょ? ボクらデニーズに男だけで集まっておかわり自由ドリンクのみで6時間粘ってる系童貞男子は、どんなに背伸びしてもジャニーズ系にゃあなれませんよ。 ■バカすぎてヤバすぎる新成人大集合  さて、久々にランクインしたのは悪羅悪羅(オラオラ)系メンズファッション誌「SOUL Japan」。  他のチャラチャラしたファッション誌たちとは一線を画した、街を歩いていたらヤクザかオレオレ詐欺師にしか見えない強面すぎるオニーサンたちが続々登場し、「首をアイスピックで刺された」「『喧嘩が強い』のにも、腕っ節が強いタイプとキ○ガイタイプの2通りいる」「中学の時の髪型は角刈りかアイパー」「20才までほとんど塀の中で過ごした」さらには喉元に「悪」「鬼」と刺青を入れた兄弟が「やっぱり『魔』って刺して合わせて『悪魔』と読めるようにすればよかったね」とか語り合ったりと、チョイ悪……どころではない、極悪なカミングアウトを繰り広げております。  そんな、読んでると金玉袋が縮み上がってくるような企画目白押しな「SOUL Japan」ですが、今月号ではちょっと微笑ましい特集も。それが「成人式Japan2013」!  まあタイトルそのまんま、今年の成人式レポートなんですが、もちろん「SOUL Japan」なので、ももクロとAKBを熱唱した阿蘇市のクレイジー市長とかが紹介されているワケではありません。要は、ワイドショーなどで毎年問題として取り上げられている、成人式に調子に乗ってアホな格好をしちゃってるバカ新成人の大特集。……こういうメディアが持ち上げるから、いつまでたってもバカ新成人って減らないのね。  ボクも毎年、バカ新成人の珍奇っぷりを見るのを楽しみにしているんですが、最近は各テレビ局自粛しちゃってるのか、映像にぼかし入れすぎてて今ひとつエンジョイできないんですよ。その点、「SOUL Japan」の特集では、ぼかしなんて一切ナシ! クリアーな画像でバカ新成人たちの珍妙ファッションを堪能することができます。 soulj03.jpg  それにしても、平成も25年目になるというのに、バカ新成人たちはどいつもこいつも昭和のヤンキーファッションのまんま。羽織袴に色とりどりのリーゼント、角刈りスーツにグラサン、刺繍入れまくりな特攻服、さらには20歳だっつーのにいまだに変型学ラン着てるヤツまでいる始末。今年新成人ってことは、こういうファッションがはやった当時、まだ精子にもなってなかったハズなのに! 基本的に、「SOUL Japan」のモデルたちってガラは悪いものの、B系やギャング系のオシャレな格好をしてるもんですが、こちらのバカ新成人たちにはスタイリッシュさはゼロです。  興味深いのは、よーく見ていくと、同じバカ新成人でも地域ごとに特徴があるということ。たとえば横浜ではチームごとに集まって集合写真を撮っているところ、埼玉は暴走族ごとに集まり、北九州ではなぜか出身中学ごとに集合してるのだ。  「リーゼントの盛りっぷりは当代一!八児中軍団」「リーゼントでキメた吉田中&沼中連合」「拡声器片手に騒ぎまくりだった若松中&向洋中連合」「紅白に染め上げた袴で目出度さ満点!湯川中軍団」等々……いっくら怖い顔でキメていても「○○中軍団」って言われちゃったら、どーしても微笑ましい気持ちになってしまいます。中でもグッときたのは「グリーン袴の緑丘中軍団」全員緑の羽織袴で揃えているんですが「緑丘はやっぱ緑!」じゃないだろ。  さらに福井県には全員ウド鈴木、もしくはダンス甲子園の頃のLLブラザーズ的な(伝わるかなぁー?)、頭頂部のみ残した髪を日章旗に染め上げたスゴイ軍団もおりました。この手のヤンキー文化圏の人たちって、どーしてやたらと愛校心や愛国心が強いんですかね? 学校なんてロクに通ってなかったでしょうに。 ■5年で3000人と……最強ヤリマン登場  毎度毎度、読モたちがオナニーやAVの話で盛り上がる企画を掲載して、結局イケメン読モもモテない童貞男子も頭の中は同じエロバカでいっぱいなんだな……と思わせてくれる「men’s egg」ですが、今月号ではさらにサブカル童貞寄りの特集が。それが、各界の注目女子を紹介する「2013このコがすごい!大賞」。なんといっても、アイドル部門でのっけから東京女子流が登場してますからね。メイン読者層がチャラ男&ギャル男というメンエグで、女子流ちゃんを目にする日がやって来るなんて……。  で、東京女子流や台湾からやって来た話題のウェザーガールズくらいなら一般誌でも紹介されそうですが、これらと同列にBiSやアリス十番、放課後プリンセスなど、結構マニアックなアイドルを紹介しているのがメンエグのスゴイところ。ちょっとしたサブカル誌でも、なかなかあり得ない組み合わせですよ。しかも扱い方も、武道館ライブを即完した女子流ちゃんも、キャパ100くらいのライブハウスで活動している放課後プリンセスも同じ1ページ枠。アイドルに対して平等に愛をふりそそいでいるのか、よく分かってないだけなのか……?  そんな今注目のアイドルちゃんたちが載ってるかと思えば、メンエグ本領発揮のエロバカ特集も全開です。特にヤバイ内容だったのが、神のマンコを持つ女子を紹介する(最低のコンセプトだなぁー)「神マンアーカイブス」のリニューアル第1回。  今回は「トンデモネーくらいのヤリマン」が登場している。ボクも時々、ヤリマンたちが語り合うトークイベントを主催しているんですが、そんなに有名な人(ヤリマン)が出演しなくても、なぜか毎回満員になるんですよね。それくらい男子たちに夢を抱かせてくれるヤリマンですが、メンエグの連れてきたヤリマンはハンパなかった。なんと20歳にして経験人数3000人超え!  初体験年齢こそ15歳という常識の範囲内であるものの(それでも早いけどね)いきなり4Pデビューということで、初めての男が誰だかわからないという始末。そんで16歳でデリヘルデビュー、17歳で童貞喰いにハマり、19歳で「○○(地名)のファーストフード」という通り名をつけられ、20歳にして3000人斬り達成。……つーか、15~20歳で3000人て、年間600人、1日約1.6人ペースじゃないか! どんなヤリマンだ。「私、酔っぱらっちゃうと誰とでもヤッちゃうんだよねー」くらいの、ちょっとしたヤリマンだと夢も股間も膨らむけど、ここまで過剰なヤリマンは恐怖心しか感じませんな。なにやら、かなりの相手とハメ撮りをし、男の名前ごとにフォルダ分けして画像を保存しているとのこと。  彼女の他、中学3年生にしてすでにガンガンのヤリマンという4人組「中3セックスマシーンカルテット」も登場。「体を売って小遣い稼ぎ」「いかなるブサイク相手でも股を開いてしまう鬼のヤリマン」「13歳の時、先輩にデリヘルに売られた」「段ボールハウス生活をしながら80人と」というすさまじすぎるエピソードを持つ4人組。……というか、中学生のこんなヤバイ話、載せていいんでしょうか。  イヤー、マニアックなアイドル特集で思わず仲間意識を持っちゃったけど、やっぱりこういう文化圏で暮らしてる人たちとは、お友達になれそうにありません。お願いだからアイドル現場に来ないでッ!(……というか、東京女子流もよく取材オッケーしたな) menegu03.jpg  ところで、メンエグといえば気になるのが「マンカスを食うのがだーい好き」という最強変態読モ・たあはむなんですが、今月号ではギャルに金玉を蹴り飛ばされている写真がチョロッと載っている程度でほとんど登場していません。「読モ情報」によると、ポーズや表情の引き出しが切れてしまい、最近では撮影のたびにカメラマンに説教されているとのこと。えーっ、このまま消えてしまうのか!? 頑張れ、たあはむ! 日刊サイゾーでは、今後もたあはむの動向に注目していきますぞっ。 (文・イラスト=北村ヂン)

乱立する政党の主張がわかりすぎる!『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』

61HKxfC9WEL._SS400_.jpg
『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』
(リブレ出版)
 政党は乱立するが、主張がよくわからん。そんなことを考える人も多いのではなかろうか。政党の離合集散は頻繁に起こり、選挙の度に混乱は募るばかりだ。  そんな国民の思いに応えたのか、現在の国会に議席を持つ政党を解説する、文字通り「面白くてためになる」マンガが誕生した。多くのボーイズラブ雑誌・単行本を出版してきたリブレ出版が送る『政党擬人化政党たん ~解散総選挙編~』が、それだ。  本書は、2010年に出版された『政党擬人化政党たん』に次ぐ第2弾。版元がリブレ出版ということもあり、擬人化+BLかと思いきや、みんなの党・渡辺喜美代表のインタビューページも含んだ構成で、内容はなかなかハード。「期待のルーキー維新の会たん」は「男だけど勝負服はスチュワーデス」「自民たん、支持率アップがうれしくてカツカレー食べた」とか、関係者にとっては忘れてほしい話を掘り起こすのだ。太陽の党が設立3日目で維新と合流したエピソードを扱うページでは「ショタどころか受精卵のまま飛び立った」なんて解説も。  また、妙に目につくのが共産たんをイジっているページ。同党の支持者として「某巨大グループ御曹司作家・某氏」は度々登場するし「作家・クリエイターは伝統的に共産たんの魅力に弱い(さらに“例外中の例外”として、あの人の似顔絵が)」とか「公安たんに見張られているし」とか、確かにその通りだけど、こんなの書いて大丈夫か? と思ってしまうネタが満載だ。  こんな怖い物知らずの本の原作とネームを担当したのが、BL作家の水戸泉さんだ(相撲とは無関係である、念のため)。水戸さんは、作家活動の傍ら表現の自由の問題への積極的な関わりでも知られる人物。そんな彼女は、前作でも関係者から抗議はこなかったので大丈夫だろうと動じない。 「不思議なことに、抗議はありません。神楽坂(リブレ出版は神楽坂駅前にある)は道が狭いから街宣車が入れないからかも……冗談です。本当に何が地雷になるかわからないので、今回はフリーランスライターの畠山理仁さんに監修をお願いしたんですが、畠山さんもハードな人なので『どれも大丈夫でしょう』って。さすがにヤバすぎるものは伏せ字にしましたけどね」  さらに、やたらと共産党がネタになっている理由は「キャラが立っている」からだという。自民党や民主党は、規模が大きくて所属議員の主張に差異もあるため、ひとつのキャラにまとめるのが難しい。ところが、共産党は所属議員の主張がまったくブレないので、結果的に「キャラ立ち」しやすかったのだとか。  それにしても、本書を通じて驚くのは「鉛筆と消しゴムでもカップリングできる」と力説する水戸泉さんの妄想力。国擬人化マンガ『ヘタリア』が注目された時も思ったが、人ならぬものをキャラに仕立てて、さらに「動かす」妄想のたくましさには感服するばかりだ。ちなみに、作画のにいにゃんさんのタッチゆえか、どの政党キャラも妙に可愛くなっているのもポイント。また、たびたび描かれる石原慎太郎氏も、なんだか可愛い雰囲気を醸し出していて、読んでいるうちに楽しい気分になってくる。描かれている政界のエピソードを、知っていても知らなくても楽しめるのは間違いない。水戸泉さんによれば、政党萌えな女性は、それなりの数はいるそうだが、まだカップリング論争が起こるほどの勢力ではなく、和気あいあいと楽しんでいるという。 「そのうち、カップリング論争が起きるくらいにメジャーなジャンルにしたいですね」 と、決意(?)を語る水戸泉さん。  これを読めば、国政がどんな人々によって運営されているのかよくわかるはずだ。 (取材・文=昼間たかし)

あのTENGAから“女性のためのセルフプレジャーアイテム(ローター)”『iroha』がリリース!

iroha0228.jpg
左から「YUKIDARUMA」「HANAMIDORI」「HINAZAKURA」
 世界中の男性たちに「オナニー革命」をもたらしたTENGA。そんな“性のオーソリティ”が、ついに女性向けのアイテムをリリースした。「iroha」と名付けられた3種類のローターは、いずれも防水、防塵設計で、力強い振動と静かなモーター音を両立した高級仕様だという。  さらに充電機能付きのケースが付属され、TENGAのコンセプトと同様に「部屋に置いてても恥ずかしくない」アイテムとなっている。
iroha022802.jpg
これなら戸棚や洗面台にあっても安心だ
 商品のラインナップは以下の通り。
iroha プレジャー・アイテム YUKIDARUMA [アダルト] 振動を楽しむのに加えて、先端部を挿入して使うことができます。 amazon_associate_logo.jpg
iroha プレジャー・アイテム HINAZAKURA [アダルト] 2つに割れた先端部で、つまんだりする使い方ができます。 amazon_associate_logo.jpg
iroha プレジャー・アイテム HANAMIDORI [アダルト] 全体をあてがったり、先端部で振動を楽しむことができます。 amazon_associate_logo.jpg
 その使い心地についてはわれわれ男性には計り知れないところだが、同僚女子に「これ使ってみて感想聞かせてよ」「そもそも君って、オナニーするの?」「ねえ、するんでしょ? だって雑誌に8割の女の子はオナニー経験済みって書いてあったよぉ?」などと尋ねると、高確率で訴訟になるので注意が必要だ。 ※日刊サイゾーでは、「iroha」発売を記念して開発者の方に突撃インタビューをいたしました。近日公開! お楽しみに! ●iroha公式サイト http://iroha-tenga.com/

今年は茅原実里、田村ゆかりが不参加!? 「アニサマ2013」ラインナップはどうなる?

anisama20122.jpg
「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」公式サイトより
 毎年この時期になると、なんとなくソワソワしてしまうアニメ・声優ファンも少なくないのではないだろうか。毎年3月に入ると、その年の8月末に開催される日本最大規模のアニメソングライブイベント「Animelo Summer Live(以下、アニサマ)」の記者発表が行われるためだ。記者発表会場には通常7~8名程度のライブ出演者が登壇し、その年のアニサマのタイトルとテーマが発表されるのが恒例となっている。それ以降、何回かに分けて出演アーティストが公表されていき、最終的におよそ40組程度のアーティストに落ち着くのがここ数年のパターンである。  昨今のアニソンシーンのトレンドを把握する上で非常に重要なイベントとなっているアニサマだが、昨年の「Animelo Summer Live 2012 -INFINITY∞-」は、初回から出演し続けてきたアニサマの顔ともいえるJAM Projectと水樹奈々というビッグネームが不参加となり、その代わりにアーティストとして活動する声優やアニメから生まれた声優ユニットの出演が増加。さながら声優ライブイベントの様相を呈し、多くのアニメ・声優ファンの間で賛否両論を巻き起こした。  アニサマがスタートした05年といえば、同年7月に開催された「Animelo Summer Live 2005 -THE BRIDGE-」に先駆けて、1月に椎名へきるに続いて水樹奈々が武道館で単独ライブを初開催。声優史上2人目の快挙を成し遂げ、『魔法先生ネギま!』のオープニング主題歌「ハッピーマテリアル」がオリコンチャートを席巻したという、ゼロ年代アニソン史のターニングポイントとなった年である。現在に至るアニソン・声優ソングムーブメントの萌芽が芽生え始めた時期とはいえ、まだまだ一部のコアなファンのもの、という印象が主流。そんな過渡期にスタートし、少しずつ規模を拡大していったアニサマの歴史は、まさしくアニソン・声優ソングの地位向上の歴史そのものだといえる。  そんなアニサマだが、なぜ昨年大転換したのだろうか?  JAM Projectの影山ヒロノブは、イベント会場などで「後進に活躍の場を譲る」という趣旨の発言を発しており、アニサマ出演者の世代交代がその目的だといわれているが、とあるアニメ雑誌編集者はこう語る。 「各レーベル間の足並みが揃わなくなってきたことが、大きいと思います。アニサマが始まった頃は、まだまだ声優やアニソンアーティストが大きな会場で単独ライブを行うことが少なく、一致団結して業界の地位を向上させようという空気があったように思います。そのかいあってアニサマの成功以降、アニソンアーティストや声優がライブを行う機会が増え、ファンもライブの楽しみ方を分かってきた。一般メディアにも露出する機会が増えたことでファンのすそ野が広がり、その結果として武道館、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナなど国内最大規模の会場で単独ライブをできるアニソンシンガー、声優が出現してきました。それ自体は大変いいことなのですが、単独でライブを成功させることができるアーティストが増えたことで、“もうわざわざアニサマに出演しなくてもいいじゃないか”という空気が、各レーベルに生まれてきたように感じます」  つまり、大きな会場で単独ライブを行うほどの人気・知名度を獲得したアーティスト・声優にとって、アニサマへの出演に対するメリットが低下してしまった、ということだろうか。確かに、水樹奈々は11年に声優史上初・女性アーティストとしては8人目の快挙となる東京ドーム単独公演を成功させ、JAM Projectもつい先日横浜アリーナでの単独公演を成功させたことからも、アニソンシーンではトップクラスの人気を誇っていることは間違いないだろう。そんな彼らにとっては、顔見せ程度に数曲歌って退場するアニサマへの出演よりも、ガッツリと自分たちの世界観を表現できる単独ライブのほうが魅力的に感じてしまうのも無理からぬこと。ファンにとっても悪くない話だ。  そう考えると、次に出演を辞退しそうなのが、さいたまスーパーアリーナ単独公演を昨年成功させた茅原実里。そして今年6月に同会場での2daysを控えている田村ゆかりであるが、いまやアニサマでは欠かせない盛り上げ隊長ともいえるこの両名が不参加となると、物足りなさを感じてしまうアニソン・声優ファンも多いことだろう。  しかし一方で、アニサマの出演者の傾向の変化は、アニソンの地位が高まった結果だともいえる。すでに単独で大規模なライブを開催できるクラスの人気があるアーティストは、どんどん外へ飛び出し、今後のアニサマはこれからトップを目指すアーティストや期間限定で活躍せざるをえないアニメ発の声優ユニットが一堂に会するアニソンのお祭りとしての性格を、より強めていくことが予想される。  いずれにせよ、そう遠くないタイミングで、今年のアニサマの記者発表が開催されるはずだ。全アニソン・声優ファンは、全裸待機でラインナップ発表を待っていよう! (文=龍崎珠樹) 「週刊アニメ時評」過去記事はこちらから

アカデミー賞2冠! タランティーノ節炸裂で抱腹絶倒『ジャンゴ 繋がれざる者』

jg000110.jpg
 日本時間2月25日の第85回アカデミー賞授賞式で大いに注目を集めた有力候補作のうち、2作品が早速今週末、日本で劇場公開となる。大スターと巨匠が組んだハリウッド映画の醍醐味を堪能できるこれら2本を、賞の結果も含めて紹介していこう(いずれも3月1日公開)。  『ジャンゴ 繋がれざる者』(R15+指定)は、『イングロリアス・バスターズ』(09)のクエンティン・タランティーノ監督が脚本も手がけた異色のウエスタン。19世紀半ば南北戦争直前のアメリカ南部で、黒人奴隷のジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎのドイツ人シュルツ(クリストフ・ワルツ)に買われる。差別主義を嫌うシュルツはジャンゴに自由を与え、賞金稼ぎの相棒として鍛えていく。やがて2人は、ジャンゴと生き別れになった妻が残忍な領主として名高いキャンディ(レオナルド・ディカプリオ)の農園にいると知り、彼女を取り戻すため危険を承知で乗り込む。  マカロニ・ウエスタン(イタリア製西部劇)のフォーマットをベースにしながら、ハリウッド資本で南北戦争前夜の南部を舞台に製作。差別意識がはびこる時代と土地に、「ドイツ人」と「奴隷あがりの黒人」の賞金稼ぎコンビという異物を放り込む。さまざまなレベルで異物同士がぶつかり合うテイストを巧みに料理し、醸し出される違和感を比類無き魅力とシニカルな笑いに昇華させるのが、まさにタランティーノ流だ。ストーリー展開が一筋縄ではいかず、予定調和にならない変拍子が心地良い。飄々(ひょうひょう)としながらじわりと人間味がにじむキャラをワルツが好演。ディカプリオが悪党を嬉々として演じ、執事役サミュエル・ジャクソンの怪演も抱腹絶倒だ。「やり過ぎ感」もまたタランティーノの持ち味で、大げさな血糊の噴出や被弾した人物の吹っ飛び方もジョークにしてしまい、不謹慎と思いながらまんまと笑わされてしまう。今回のアカデミー賞で作品賞ほか5部門にノミネートされ、助演男優賞(ワルツ)と脚本賞を受賞した。バイオレンス描写と差別用語のため万人向きではないが、名優たちの熱演とストーリーテリングの巧みさを満喫できる、大人の娯楽大作だ。  もう1本の『フライト』は、デンゼル・ワシントン主演で、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズのロバート・ゼメキス監督が12年ぶりに手がけた実写作品。フロリダ州オーランドを飛び立った旅客機が、飛行中に原因不明のトラブルに見舞われ、高度3万フィートから急降下を始める。機長のウィトカー(ワシントン)は、とっさの判断で奇跡的な緊急着陸に成功して多くの人命を救い、一夜にして国民的英雄に。だがウィトカーの血液中からアルコールが検出されたことで、疑惑の目が向けられ、大騒動に発展していく。  『ポーラー・エクスプレス』(04)以降、もっぱら3DのCGアニメ作品に傾注していたゼメキス監督が、ようやく実写の世界に帰ってきた。ゼメキス監督といえばやはり視覚効果で、CMや予告編でも大勢が目にしている旅客機の低空背面飛行のリアルさは、映画館の大画面で「目撃」すると驚愕の迫力だ。序盤がディザスター映画風なのに対し、中盤からサスペンスに転調する流れも秀逸。事故調査の公聴会で張り詰めたやり取りが交わされるクライマックスでは、ワシントンの表情から目が離せなくなるはず。特異なキャラクターを主人公に据えているが、これは「自分が抱える問題といかに向き合うか」という誰もが共感できるテーマを扱った物語だ。今回のアカデミー賞では主演男優賞、脚本賞のノミネートのみに終わったが、ウィトカーと心を通わせるヒロイン役ケリー・ライリーの好演も挙げておきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ジャンゴ 繋がれざる者』作品情報 <http://eiga.com/movie/58197/> 『フライト』作品情報 <http://eiga.com/movie/57488/>

ホームレスは本当に減ったのか――支援の現場から考える『漂流老人ホームレス社会』

hyouryuhome.jpg
『漂流老人ホームレス社会』
(朝日新聞出版)
 2003年、ホームレスが販売する雑誌「ビッグイシュー」の日本版が刊行。07年に漫才師の麒麟・田村裕が記した『ホームレス中学生』(ワニブックス)の大ヒットは、タレント本というジャンルを差し引いても、ホームレスに対する世間の興味を示している。08年末には、リーマンショックに伴って失業した非正規労働者らが、日比谷公園に設置された「年越し派遣村」で正月を迎えた。  近年、一時期よりもホームレスについての話題を耳にしなくなったように感じる。厚生労働省による調査では、08年と比較して12年には、ホームレスの数が全国で40%減少している。ピークであった10年前と比較すると、その数は3分の1。人々がホームレス問題に注目し対応がなされた結果、状況は改善。いまだに問題は残るものの、事態は徐々に改善に向かいつつある……。このデータを素直に読み取るなら、そういうことになるかもしれない。  だが、ホームレス支援団体「TENOHASI」の代表を務める精神科医・森川すいめい氏の著書『漂流老人ホームレス社会』(朝日新聞出版)には、こう明記されている。 「ホームレス問題がこのまま解決すると思っている人はいない」  TENOHASI代表として、池袋駅を中心に夜回りや炊き出しなどの支援を行う森川氏。本書では、その支援の中で出会ったうつ病、認知症、アルコール依存症、DV、知的障害、統合失調症などのホームレスの支援の実態を描きながら、そこで直面する問題を浮かび上がらせている。 「ホームレスとは、単に家(ハウス)がない状態をいうのではない。安心して生きていく場(ホーム)がない状態をいう。みんなが平等であることを前提とする社会は、人間を、ホームレス状態に押しやる」 と森川氏は書く。12年の調査で、ホームレスの平均年齢は59.3歳。60歳以上の高齢者が半数以上を占め、70歳以上でも全体の10%を超える。彼らは、ついのすみかとして路上を選ばざるを得なかった。だが、路上にすら居場所をなくしたホームレスも少なくない。近年、ベンチには眠れないように仕切りが設置され、公園は夜間閉鎖されるようになってきているのだ。 「経済競争力の糧にならない人間は、ホームレスか精神科病院か刑務所に社会は押しやっていないか。家族だけに責任を押し付けていないか」と、森川氏は問いかける。  路上生活者だけではない。この社会のあらゆる場所に、自分の居場所を喪った「ホームレス状態の人」は存在する。路上生活者としてのホームレスは、確かに減少したかもしれない。しかし、本当に状況は「改善」されているのだろうか? 社会から隔離し、追いやることで問題を隠しているだけではないだろうか?  精神科医として、統合失調症患者と話すとき、森川氏が大切にしていることは「コミュニケーションの原則を守ること」、つまり相手の立場を理解し、尊重することだという。脈絡なくしゃべっているような統合失調症患者や認知症患者にも、見えている世界があり、彼らはそれに基づいてしゃべっているにすぎない。コミュニケーションの原則においてすべきことは、それを否定することではなく、近づき、受け入れること。それは、森川氏の夜回り支援の現場にも生かされている。  森川氏は「主人公は支援される側である」という前提を貫く。弱く、無能な人間に対して「まともな」人間が「支援をしてあげる」のではない。「主人公」である被支援者を支えるために、活動を行っているのだ。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])