世界で約10億人がのユーザーを抱える世界最大のソーシャルメディア・Facebookが、「ついに日本で廃れ始めた」と話題だ。 同サービスは、2008年に日本語版を公開されたが、当初は同時期に同じく日本語版をリリースしたTwitterや、mixi、Mobage、GREEといった既存SNSサービスに押され、ユーザー数に伸び悩みを見せた。しかし、有名企業などが販促ツールとして利用し始めると、日本にも一気に浸透。12年末には、1,712万人(「セレージャテクノロジー調べ/以下同)まで増加した。 しかし、13年に入ると、1月に前月比マイナス329万人と大幅に激減。2月もマイナス39万人と連続で減少し、5月現在の日本語版ユーザー数は約1,378万人だという。 また、Facebookの利用者も「廃れ始めた」と感じているようで、ネットでは「最近、タイムラインが同じ奴のリア充自慢だらけになって、見る気がなくなった」などと不満を訴えるユーザーが急増。さらに、無料通話メールアプリ・LINEの普及により、「LINEが手軽過ぎて、Facebookやるのが面倒くさくなった」という声も増えたようだ。 ネット事情に詳しいライターは、Facebookの未来についてこう話す。 「今年は急速に“過疎って”いくでしょうね。SNSが飽きられるのは3年と言われていますが、11年に物珍しさで登録した大量のユーザーが、おっくうに感じ始めるのがちょうど今頃なんです。『実名での利用が日本人に合わない』とか、『リア充が自分の生活を自慢する場』などと言われていますが、今年はそのリア充さえ使わなくなり、外国人と交流を求めている人や、海外にゆかりの深い趣味を持っている人なんかが残っていくのではないでしょうか? 現在、就職に有利とされているようですが、企業もその価値観を見直し始めるでしょうね」 実名で日常を投稿することから、“相互監視システム”と揶揄されることも多いFacebook。今年、早くも“オワコン”と言われてしまう可能性もありそうだ。『ソーシャル・ネットワーク』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)
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篠山紀信バリの凄腕カメラ小僧が大活躍! 淡々とエロスを追求し続ける変態アニメ『フォトカノ』
6月に入り、4月にスタートした春クールアニメの大半が早くも折り返し地点に到達。近年まれに見る豊作だった今クールのアニメ群も、クライマックスに向けてますます勢いを増すこと必至です。そんな中、どこまでもマイペースに淡々とエロスを追求し続けるのが『フォトカノ』です。 父から一眼レフカメラを譲り受け、ファインダーの向こうに広がる世界に没頭するようになったルーキーカメラ小僧の主人公・前田一也と、彼の被写体となる美少女たちの恋模様を描く本作は、『キミキス』『アマガミ』の流れをくむエンターブレイン制作の恋愛シミュレーションゲームのアニメ化作品。 『キミキス』『アマガミ』といえば、下半身と脳が直結した思春期男子の煩悩を刺激してやまないお色気成分高めの恋愛ゲームであり、そのアニメ版もまた原作のテイストをさらに増幅させるようなエロスほとばしる仕上がりとなっていました。とりわけ、2度もアニメ化された『アマガミ』はヒロイン人気もさることながら、主人公・橘純一の変態的な行動に話題が集中。変態紳士としてファンから高い人気を獲得する怪作となったことを覚えているアニメファンも多いことでしょう。 こうなると『フォトカノ』の主人公の活躍に期待してしまうのが人の性。満を持してスタートした最新作の主人公・前田一也君は、一体どんなキャラクターなのかというと、あの手この手でヒロインたちを撮影。紆余曲折ありながらも、最終的にはヒロイン自らセクシーショットの撮影を希望させた挙げ句、自分の恋人にしてしまうという篠山紀信バリの凄腕カメラ小僧だったのだ! 本作は複数のヒロインを攻略する恋愛シミュレーションゲームが原作ということで、一つのスタート地点から複数のエンディングが存在する作品です。誰か一人と主人公がくっついてハッピーエンド……とはならない、なかなかに扱いの難しい題材です。そんな原作のテイストをアニメに再現するべくスタッフが選んだ構成は、第1話から第4話までを登場人物紹介やストーリーの基礎設定を解説するエピソードに充てて(=共通ルート)、そこから先は各ヒロインのルートに分岐させていく(=個別ルート)というアクロバチックなもの。つまり1人目のヒロインとのストーリーが終了すると、再び物語は第4話終了時点にリセットされ2人目のヒロイン、3人目のヒロイン……という具合に異なる世界線の物語が描かれるというわけです。これが今はやりの並行世界モノってことですね! 違いますか。そうですか。 そんなわけで、各ヒロインを続々と攻略していく第5話以降は、毎回のごとくヒロインのお色気シーンと思わず赤面必至の告白シーンがノンストップで押し寄せてきて、ピンク成分がオーバードーズ。学園のヒロインにして幼なじみ・新見遙佳を撮影すれば、なぜか泣きながら告白されつつおっぱいを主人公に揉ませてくれるわ、真面目な風紀委員長・室戸亜岐の弱みを握った主人公はそれをネタにセクシーショットを撮影しまくるのみならず、地面に四つん這いになり「俺の上に乗って!さぁ!」と絶叫するわ(ちゃんと理由もあるんだけど、どう見ても変態紳士です)、巨乳スポーツ少女・間咲ののかと海に行けば彼女は自ら手ブラ撮影を希望。最後は水着のブラに手を突っ込んではにかみつつ「手ブラ風ってことで……」と上目遣い。全体的にどうかしています(褒め言葉)。 しかも、メインヒロインということで攻略に2話使っている新見遙佳以外のヒロインは、1話でカタをつけないといけないので展開スピードもジェットコースターのごとし。休む間もなくモニタ上を肌色が駆け抜けていくのです。 そんなピュアでゲスなパッションが炸裂する本作ですが、映像的にも見どころ満載。まずはエロ漫画直系の思い切りパースを利かせたアングルと、セクシーポイントをこれでもかと拡大したセクシーショットが挙げられます。エロ漫画では「ここぞ!」という見せ場(つまり「抜きどころ」)では、思い切りお尻やおっぱいを強調した絵を用意します。ともすればデッサンが狂っているともいわれがちな演出ではありますが、だがそれがいい! エロスの前にデッサン狂いなど些細な問題なのだ。そんなスタッフの思い切りが伝わってくるかのようです。 さらに、毎回なんだかんだと描かれる水着撮影シーンですが、ここではほぼ必ず3D映像を加工したダイナミックなセクシーショットが挿入されます。なめるようなカメラワークでヒロインの肢体を描くカットは、本作のハイライトシーンといえるでしょう(余談ですが、実原氷里との恋模様を描く第7話では『マインド・ゲーム』監督の湯浅政明が絵コンテで参加。いきなり背景が三次元的にグリグリと動くカットで視聴者の度肝を抜いたことも忘れられません)。 というわけで、ホワイトバランスもISO感度も気にせず、煩悩と情熱のみで美少女たちの眩しい青春をフィルムに収め続ける『フォトカノ』は、間違いなく『キミキス』『アマガミ』の流れをくむ立派な「変態アニメ」といえます。さらに「エロス」をキーワードに、様々な映像的な挑戦をするスタッフの心意気にも脱帽するばかりです。いや~、本当に日本のアニメって懐が深いですね。(前回も似たようなことを言った気がしますが)この表現の自由がいつまでも守られることを、願わずにはいられない今日この頃です。ニヤケ顔を晒しつつこんなことを言っても、全然説得力ないんですけど。 (文=龍崎珠樹)『フォトカノ』公式ホームページより
スタローンが肉体アクションに回帰 『バレット』で暴れまくる!!
今週取り上げる新作映画3本は、未来の地球を舞台にしたSFアドベンチャー、現代の米国でマッチョな殺し屋が活躍するアクションスリラー、昭和の名映画監督を題材にした人間ドラマ。時代設定もジャンルも異なる3作品に、あえて共通項を挙げるならば「愛」と「戦い」だろうか。 『オブリビオン』(公開中)は、トム・クルーズが主演した近未来SF超大作。2077年の地球はエイリアンの攻撃により壊滅し、生き残った人類は遠い惑星への移住を進めていた。監視任務に就くジャック(クルーズ)は妻と共に最後まで地球に残っていたが、ある日不時着した宇宙船から、何度も夢で見た美女(オルガ・キュリレンコ)を救出。その現場を調べていたジャックは、謎めいた男ビーチ(モーガン・フリーマン)に拉致され、驚くべき真実を告げられる。 映像クリエイターとしてCM業界で活躍し、『トロン:レガシー』(10)で長編映画監督デビューしたジョセフ・コシンスキーによる2作目。主人公らが暮らすスカイタワーやパトロール機の洗練された未来的デザインと、荒涼とした地球の景観を対比させたビジュアルが圧倒的だ。ストーリーとしては『トータル・リコール』(12)、『マトリックス』(93)、『月に囚われた男』(09)など過去の名作SFを想起させる要素が多く、ある意味そうした“SF映画あるある”を楽しむのも一手だが、「愛」「魂」「人間性」といった哲学的な命題に挑んだ野心作でもある。 2本目の『バレット』(公開中、R15+)は、『エクスペンダブルズ』シリーズのシルベスター・スタローン主演のスリリングなアクション。元海兵隊員で殺し屋のジミー(スタローン)は、依頼を受け米国南部ニューオリンズで悪徳警官を射殺。だが、その依頼は謎の組織が仕掛けた罠で、ジミーの相棒が殺されてしまう。組織と警察から追われる身になったジミーは、復讐を果たすため、自分とは正反対の正義を信じる刑事テイラー(サン・カン)とコンビを組むことになる。 原題“Bullet to the Head”(頭に銃弾)の通り、スタローンが無慈悲にターゲットの眉間を打ち抜くベテランの殺し屋を演じる。『エクスペンダブルズ』シリーズでアクションスターのオールキャスト映画を実現させた立役者が、シンプルな肉体アクションに回帰した娯楽作。容赦なく敵を殺しまくるヒットマンと、法の下の正義にこだわるカタブツ刑事が反目しながら協力するバディムービーの楽しさも。原作はフランス発グラフィックノベルだが、映画化に『48時間』シリーズのウォルター・ヒル監督はまさに適任。スクリーン狭しと暴れまくる、まだまだ元気いっぱいのスタローンを満喫できる1本だ。 最後の『はじまりのみち』(公開中)は、『二十四の瞳』(54)、『楢山節考』(58)などで知られる映画監督・木下惠介の生誕100周年記念作品で、同監督の若き日の姿を描く。第二次世界大戦中、日本政府は映画界に戦意高揚の国策映画を製作するよう要求していた。昭和19年に惠介(加瀬亮)は『陸軍』を監督するが、当局ににらまれ、嫌気が差して松竹に辞表を提出。脳溢血で倒れた母(田中裕子)の療養先を訪ねた惠介は、戦局が悪化してきたことから疎開を決断する。しかし疎開先は徒歩で山を越えなければならず、ほぼ丸1日かかる距離。惠介は2台のリヤカーに母と身の回りの品を積み、兄(ユースケ・サンタマリア)と便利屋(濱田岳)と共に歩き出す。 『クレヨンしんちゃん』シリーズや『河童のクゥと夏休み』(07)などのアニメ映画で高い評価を得てきた原恵一監督による、自身初の実写映画。『カラフル』(10)では実景の写真にアニメのキャラをはめ込むなど柔軟な演出が光ったが、本作でも若き日の木下監督を描くストーリー部分に実際の木下作品のフッテージを挿入して、違和感なく、かつ感動的に構成している。親と子の愛、挫折と再生の軌跡は、現代のあらゆる世代に訴えかける普遍的な物語だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『オブリビオン』作品情報 <http://eiga.com/movie/77677/> 『バレット』作品情報 <http://eiga.com/movie/57825/> 『はじまりのみち』作品情報 <http://eiga.com/movie/77559/>(C)2012 The Estate of Redmond Barry LLC.All right reserved.
電子書籍業界に殴り込み!? 中二病炸裂「架空の歴史ノート」著者を直撃!
昨年の発売から順調にユーザーを増やしている電子書籍リーダー・Kindleだが、これにトンデモないコンテンツが登場した。“中二病全開”だと話題になっているのは、「架空の歴史ノート―1 帝国史 分裂大戦編」(304円)。コクヨのキャンパスノートに手書きされたものをそのままスキャンしただけという斬新な体裁で、全132ページの大ボリューム。人類史上最初で最後の世界帝国「人類帝国」の歴史が事細かに解説され、さらに敵国の侵略ルートや勢力が描かれた地図やイラストも掲載。また、帝国の民の生活ぶりなど文化についても記されているなど、世界観もしっかりと作り込まれている。単なる“子どもの妄想”では片づけられないこの力作に、「本気すぎる」「これだけの設定を考えた作者には脱帽」「電子書籍の新しい可能性だ」などと、称賛の声が上がっているのだ。 著者・設楽陸氏は、名古屋で活躍するアーティスト。この「架空の歴史ノート」は、彼が小中学生の頃に描いていたものが原案だという。 歴史が大好きで、学校の図書館で歴史書や歴史漫画を読んでは家に帰ってノートに架空の歴史年表を描いていました。友達と見せ合いっこしたり交換して遊んでいましたが、だんだんとみんなサッカーや野球、勉強などほかのことに興味を持ちだし、この遊びは黒歴史扱いとなってしまった。自分もそんな周りに合わせようと、架空の歴史ノートはすべて処分してしまいました」
それから十数年後、美大に進学した設楽さんはふいにこのノートの存在を思い出し、再びノートを描き始めた。その後、美術館の企画展で展示したところ、まさかの大反響。「多くの人が僕と同じようにノートを描いていて、それが共感を呼んだようです」 このノートは「分裂大戦編」のほか、「分裂大戦後の帝国の解体と軍事裁判の歴史」「世界分裂後の歴史」「新しい勢力の台頭の歴史」「モンゴル帝国をモチーフにした騎馬民族の歴史」「アネッサンスと呼ばれる芸術運動の歴史」「中華文明をモチーフにした帝国の栄華の歴史」「サムライの国の歴史」など10冊がある。また、「架空の歴史ノート」の一時代の出来事を漫画化した「漫画ノート」なるものも3冊あるそうだ。
「“小中学生が妄想してノートに夢中になって描く”というテーマがあるので、なるべくうまく描かないようにしています。それに、ノートを描いていると、当時の自分が乗り移ってくるというのもありますね。もともと美大でも絵がうまいほうではなかったというのもありますが……」 今回の大反響ぶりに「こうなるとは思いもしなかった」という設楽さんだが、なぜ、Kindleで出版しようと思ったのだろうか? 「1年ほど前から電子書籍に興味を持ち、電子書籍講座を受けたり、5つくらい電子書籍配信プラットフォームを渡り歩き配信を試みたのですが、自分の画像編集技術の未熟さと電子書籍の黎明期ということもありノウハウ本も少なく、詳しい知人もいなかったので失敗を繰り返していました。今年に入り、配信できそうなのはKindleしかないと思い、独学で勉強し直して配信までたどり着きました」 このノート以外にも、設楽さんの作品にはやはり中二病的な要素が出ているそうだが、今後の展望についてこう語る。 「『架空の歴史ノート』は、現在並行して描いているのが3冊あります。『漫画ノート』も含め、アマゾンで少しずつ発表していきたいですね。また、紙での出版も夢です。いつかノートと絵画、彫刻作品を合わせて展示した“大帝国展”をやってみたいです。あくまで妄想ですけど……」 利便性だけでなく、これまでの紙メディアでは考えられないような自由な発想で作品が発表できるのも電子書籍の魅力。今後も「架空の歴史ノート」のようなユニークな作品が登場することを期待したい。 (取材・文=編集部) ●設楽陸WEB <http://wwwbakudanrobocom.blogspot.jp/> ●「架空の歴史ノート」 <http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00CP7Y9IK/>
男でも“実用性”を感じる、オトナ乙女のためのポルノTLコミック誌「乙蜜マンゴスチン」
女性だってエロいものが好きなのは、半ば常識。でも、こんなにエロいのも好きだったなんて! BLの大手出版社が新たに挑戦した電子版TLコミックは、男が読んでも“実用性”満載のエロさだった! 今月1日に創刊された電子書籍版TLコミック誌「乙蜜マンゴスチン」。発行元はボーイズラブ(以下BL)の老舗版元として知られるリブレ出版だ。TLとは「ティーンズラブ」、女性向けに描かれた、ちょっとエッチなマンガの略称である。 ちょっとエッチなのは当然だが、この雑誌はすごすぎる! 創刊に当たってのキャッチコピーは「オトナ乙女のためのポルノTLコミック」。そして、創刊号の特集は「ムリヤリ!!強制絶頂パレード」である。全作品読み切りで描かれる作品は、看板に偽りなし。レイプまではいかないけれど、ヒロインが強引にヤラれる(ただしイケメンに限る)作品ばかり、という徹底っぷりだ。ヒロインは、アイドルもいればメイドもあり、おまけに「目が覚めたら女になってた!」の王道設定をいくTS(性転換)ものまでと、作品のテイストは多種多様だ。そして何より、エロい。普段は男性向け18禁エロマンガユーザーの筆者が読んでも、十分に“実用”に堪え得るテイストなのである。 さらに、絵柄も注目するポイントだ。どの作品も、どことなく今の30歳より上の世代が読んでいたであろう、少女マンガのテイストを感じさせる。おそらく「新しい男性向けのエロマンガ雑誌」といっても通用するのではなかろうか(だって、雑誌のタイトルが「マンゴ」で「ス」で「チン」だよ!)。 コンテンツ制作部次長の荒井千晶さんは、企画の立ち上がりを次のように語る。 「これまで少女マンガやBLを手がける中で、女性の性に対する貪欲さを感じていたんです。女性にだって複数プレイとかバッドエンド、凌辱ものを欲している人はいるんです。だから“全世界の乙女を幸せにする”ことを目標にしている、我が社でもこのジャンルに挑戦してみることになったんです」 長年、女性が楽しむセクシャルなファンタジーを現場で実感してきたからこその使命感すら感じる話だ。その意を受けた作家陣も、やっぱり燃えたという。 「編集部には、TL作家の新たなスターになってくれる人を見だして、新しい乙女ポルノTLジャンルを確立したいという意志がありました。作家さんも女性の欲望を追求してくださり、大いに楽しみつつ制作してくれています」 と、編集長の近藤美穂子さんも熱く語る。 こうした情熱(とエロス)の詰まった本書だが、電子書籍にしたのは理由がある。それは、読者がいつでも気軽にアクセスできる方法だからだ。電子書籍も盛んなBLに対してTLやレディコミは、コンビニなどで販売されるものが、まだまだ主流だ。だが、電子書籍であればBLのように布団にもぐって寝る前にほんわり楽しめる……というわけである。「電子書籍で刊行」というと、なんだか電子書籍のブームに乗っかっている感じもするが、そんなことはまったくないのだ。 冒頭に記したように、男女の別なく楽しめるエロさが魅力のこの雑誌。これは新たなジャンルの出現といっても過言ではない! (取材・文=昼間たかし) 「乙蜜マンゴスチン」 公式サイト <http://oto-mitsu.jp/mst/> 公式Twitter 乙ちゃん @oto_mitsu「乙蜜マンゴスチン」VOL.1
日本だけど日本じゃない!?『モンタヌスが描いた驚異の王国 おかしなジパング図版帖』
「オォ、ユメの国ジパングとはドンナ国なのか……?」 なーんて言って出発したかどうかは知らないが、ヨーロッパ人が日本を「発見」したのは1543年のこと。この頃、ヨーロッパでは大航海時代を迎え、アメリカ大陸やアジア大陸などに次々と進出。未知の国の不思議な文化や風俗を伝える出版物が非常に人気を集めていた。 当時、日本に関する出版物もあったのだが、ヨーロッパから遥か東の最果てにあり、しかも後に鎖国が行われたため、ヨーロッパまで届く情報は極端に少なかった。そんな時代にヨーロッパ人が描いた、日本に関する絵図や挿絵を集めた1冊が『モンタヌスが描いた驚異の王国 おかしなジパング図版帖』(パイ インターナショナル)だ。 空想と思い込みにあふれた、どこにも存在しない日本が多数登場する本書だが、タイトルにもなっている17世紀のオランダ人・モンタヌスが著した「日本誌」の挿絵は、なんとも言えぬ絶妙なユーモアに富んでいる。この本では、それまで断片的であった日本の情報を網羅的に取り上げ、初めて挿絵を入れる、という画期的な試みが行われたのだが、その挿絵が「んんっ? 本当に日本を描いたの!?」と思わず疑ってしまうほど、日本離れしている。 日本人の顔立ちはちょっと欧米風で、頭のてっぺんにまったく毛がなく、ハゲ散らかしのカッパ風。さらに、強引に西洋的な文化をミックスしたものも多く見られ、大名行列らしき中にまるでハーメルンの笛吹きのような陽気な楽隊がいたり、仏像にはまさかの大きなおっぱい。しかもその周りを、キリスト教の宗教画によく見られる小さな天使らしきものが飛んでいる、というとんでもない空想っぷり。 それもそのはず、モンタヌスは教科書や歴史書を多く手がけていたものの、日本へ行ったことがない。もちろん先人の文献を収集し、独自に入手した口頭情報を元に描いているのだが、なんせ見たことがないので妄想が大暴走している。 けれど、それが堂々たる躍動感に満ちていて、こんな面白い国があったらぜひとも行ってみたい、という気になるから不思議だ。 また本書では、50冊以上の参考文献から抜粋した、当時のヨーロッパ人が日本で見聞きした内容も盛り込まれていて、これまた面白い。ヨーロッパ人の使節団は、日本の将軍の質問攻めに遭うことが多かったようで、『モンタヌスが描いた驚異の王国
おかしなジパング図版帖』
(パイ インターナショナル)
「われわれはある時は立ち上がってあちこち歩き回らなければならなかったし、ある時は互いに挨拶し、それから踊ったり、跳ねたり、酔っ払いの真似をしたり、つかえつかえ日本語を話したり、絵を描き、オランダ語やドイツ語を読んだり、歌をうたったり、外套を着たり脱いだり等々で、私はその時ドイツの恋の歌をうたった」
とあったり、文化の違いとして、
「われらにおいては、人びとはまったく人目につかぬように、家で身体を洗う。日本では男も女も、仏僧も、公衆浴場で、もしくは夜分、(自宅の)戸口で入浴する」
「われらは、親指または人さし指で鼻孔をきれいにする。彼らは鼻孔が小さいので、小指でそれをおこなう」
など、日本がどういう国だったのか、ヨーロッパ人の彼らの目を通して、細やかに伝わってくる。
もしも、今のような情報にあふれる世の中ではなかったら、学術書や旅行記を読んで、どれだけ未知への国に憧れ、空想にふけることができただろうか。インターネットでなんでも調べられてしまう今の時代、もはや地球でまったく未知の国や場所は、ほとんど見つからないのかもしれない。そう思うと、この時代の人々がちょっとうらやましくもある。
本書を読んで、この時代のヨーロッパの人々が描いていた、とんでもない驚異の王国ジパングへ、ぜひ旅立ってもらいたい。
(文=上浦未来)
●みやた・たまき
1964年生まれ。作家・エッセイスト。著書に『はるか南の海のかなたに愉快な本の大陸がある』『スットコランド日記』『スットコランド日記 深煎り』『だいたい四国八十八ヶ所』(本の雑誌社)、『ふしぎ盆栽ホンノンボ』(講談社文庫)、『四次元温泉日記』(筑摩書房)、『日本全国津々うりゃうりゃ』(廣済堂出版)、『東南アジア四次元日記』『わたしの旅に何をする。』『ときどき意味もなくずんずん歩く』『晴れた日は巨大仏を見に』『なみのひとなみのいとなみ』(幻冬舎文庫)など。
鬼才デビッド・クローネンバーグの長男が監督デビュー!『アンチヴァイラル』
今週紹介する新作映画2本は、コミカルなタッチの邦画とSFスリラー風味の洋画で、ともに不条理な世界で他者との関わりからアイデンティティーを問い直すというテーマが予想外の展開を見せる(いずれも5月25日公開)。 『俺俺』は、大江健三郎賞を受賞した星野智幸の同名小説を、『亀は意外と速く泳ぐ』(05)、『インスタント沼』(09)の三木聡監督が「KAT-TUN」の亀梨和也を主演に迎えて映画化。郊外の街に住み家電量販店で働く均(亀梨)は、満たされないまま平凡な毎日を過ごしていたが、たまたま拾得した他人の携帯電話でオレオレ詐欺をはたらいてしまう。ところが、金を振り込んだ女性は均を見ても「自分の息子だ」と言い、実家を訪ねれば自分と同じ顔をした「別の俺」がいた。こうして次第に「俺」が増殖し、やがて「俺」同士が互いを削除し合う事態に発展する。 亀梨が演じ分けた「同じ顔の俺」は実に33人! メイクとCG合成を駆使し、「巨乳ボディコンの俺」「全身タトゥーの俺」など“濃いキャラ”たちがウジャウジャと同じフレームに収まっている図はまさにカオス。顔だけでなく好みや考え方まで同じな「俺」たちが意気投合するほのぼのした序盤から、増殖しすぎてシリアスに転調する中盤、そして原作小説とは異なる終盤まで、「亀梨だらけ」の強烈な映像と相まって文字通り目が離せない。共演に内田有紀、加瀬亮、ふせえり、岩松了ほか。オレオレ詐欺から「振り込め詐欺」、さらに「母さん助けて詐欺」と呼称が変遷する比較的新手の犯罪を起点としつつ、人間関係と個性が希薄化する現代の社会問題をシニカルかつユーモラスな不条理劇に昇華させた原作小説もオススメだ。 もう1本の『アンチヴァイラル』は、鬼才デビッド・クローネンバーグの長男、ブランドン・クローネンバーグの長編監督デビュー作。憧れのセレブとの一体感を求めるマニアたちのニーズに応え、セレブが患った感染症のウイルスを注射するクリニックが存在する世界。そうしたクリニックで働く注射技師のシドは、厳しいセキュリティをすり抜けるため、希少価値の高いウイルスを自身に注射し、闇マーケットに横流していた。そんなある日、完璧な美貌でウイルスの販売も群を抜く超セレブ、ハンナから採取した血液を自らに注射したシドは、突然幻覚に襲われ失神。意識を取り戻すと、テレビのニュース番組はハンナが病死したことを報じていた。ハンナを絶命させたウイルスを唯一保有するシドは、裏社会のコレクターたちから標的にされてしまう。 今なお作家性の強い映画を撮り続けている父デビッドの、特にキャリア中期の『スキャナーズ』(81)、『ザ・フライ』(86)、『戦慄の絆』(88)といった作品群に顕著な人体の変形と破壊、筋骨や内臓のグロテスクな描写、倒錯した嗜好といった要素が、本作に見事なまでに受け継がれている。2012年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品されたことでも話題に。主演ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの病的な風情、ヒロイン役サラ・ガドンのクラシカルな美貌が作品世界に説得力を与えている。セレブに近づきたいと願う個人の心理と、商品として消費されるセレブの危うい関係性に鋭くメスを入れた問題作だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『俺俺』作品情報 <http://eiga.com/movie/58213/> 『アンチヴァイラル』作品情報 <http://eiga.com/movie/78307/>(C) 2012 Rhombus Media(Antiviral)Inc.
「アニメージュ」が送る新たな“秋葉原限定”フリーペーパー「アキメージュ」の濃さがスゴイ!
5月10日から、秋葉原に新たなフリーペーパー「アキメージュ」が登場する。タイトルが示す通り、老舗アニメ情報誌「アニメージュ」の秋葉原限定配布版だ。すでに数多くのフリーペーパーが乱立し、中にはフェードアウトしていくモノもある中での今回の参入。そこには、老舗ならではの戦略があった。
秋葉原のフリーペーパーの多くは、広告を出稿してくれた店舗の紹介と秋葉原の地図にページの多くを割いている。街頭で手に取ってもらい、地図を利用してもらいながら、お店に足を運んでもらおうという構成になっているのだ。どのフリーペーパーを読んでも、判型や扱っているお店は違うけれども、内容はさほど変わらない。
何よりの特徴は、万人受けを狙って制作されているものが多くを占めることだ。どのフリーペーパーも、ユーザー層は秋葉原をディープに利用したり、たまに上京した時には、必ず足を運ぶような「濃い」人々よりも、ライトな観光客を相手にしているように見える。さらにいえば、読者の男女比や年齢層も絞り切れていない。「万人受け」といえば聞こえはよいかもしれないが、有り体にいえば「オタクをナメてる」ものばかりなのだ。
対して「アキメージュ」は、これまでの秋葉原のフリーペーパーの失敗を学んでいるのか、かなり内容が濃く、特定読者層に寄った構成になっている。まず、今回配布される創刊号の表紙は『宇宙戦艦ヤマト2199』である。現在、人気を得ている同作だが、セレクトされた理由は1978年5月に創刊された「アニメージュ」の創刊号が『宇宙戦艦ヤマト』だったから。ホントに「わかる人にだけわかってもらえばいいよ」という、思い切った方針なのだ。そこで、一体どんな読者層を想定しているのか編集部に聞いてみたところ「年齢層では20~30代くらいまでの“アニメ萌え世代”と30~40代の“アニメシニア世代”。性別は主に男性に特化して企画しています」という。なんとも思い切った読者の絞り込みだ。
しかし、そこには勝算がある。「アキメージュ」は、今はやっているアニメの紹介など、無料配布のアニメ情報誌という内容になっているのだ。現在のフリーペーパーの多くは、街をうろうろするためにマップが必要だから手に取られるだけの使い捨てだ。対して「アキメージュ」は、じっくりと読ませようというもの。「このお店には、こんな品が置かれているんですよ」と羅列するのではなく、「この作品は面白いよ」と知らせて、さまざまな商品の購買意欲を高めようというもの。想定する読者層は、まさに作品そのものを愛し関連グッズも、たくさん購入するのが習慣になっている層というわけだ。
フリーペーパーなのに読み捨てには終わらせない、この企画。やはり老舗アニメ情報誌として培われた経験がものをいっている。編集部によれば、目玉連載も行われる予定で「あの『オタクの用心棒』の新作が始まりますから、楽しみにしてください!」という。
『オタクの用心棒』といえば、かつて「月刊少年キャプテン」(徳間書店)に連載された、オタクの自虐的ギャグセンスを磨きに磨いてくれた作品。まさに、あらゆる世代が本気で楽しめる雑誌がフリーペーパーの形で降臨するといえるだろう。秋葉原の街で、どのようにして認知されていくのか。今後の展開を大いに期待したいものだ。
(取材・文=昼間たかし)
【速報】アダルトビデオ審査基準を統一へ──業界5団体が合意を発表
22日夕方、アダルトビデオなどの倫理審査に携わる業界団体が、審査の統一に向けて動き出すことが明らかになった。
参加するのは、映像倫理機構、ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合、日本映像ソフト・制作販売倫理機構、東日本コンテンツ・ソフト、全日本ビデオ倫理審査会の5つの団体。5団体は、以前よりNPO法人知的財産振興協会を通じて海賊版対策に協力体制を取ってきた。その中で、審査面でも統一を求める機運が醸成され、今回の発表に至った。
この合意は映像倫・CSA総会の後に行われた懇親会の席上で明らかにされた。発表の後、登壇した各団体より挨拶が述べられたが、この中で映像倫理機構の片山等代表理事は
「集まったのは4年前だが、統一はなかなか進展しなかった。だが、海賊版で膨大な利益が吸い取られている状況で、団体統一の機運は高まっていった。いろいろといきさつはあったが、これから何をやっていかなければならないかは明らか」と、挨拶した。
発表後、本誌の取材に応じた全日本ビデオ倫理審査会の浅野國一理事長は、
「この業界は、社会的認知が得られない状況にあった。だが、実際には日本経済を下支えする、なくてはならない重要な存在。海賊版や審査基準を逸脱した、いいかげんなソフトを打破して、18歳以上の成人がちゃんと作品を語ることのできる状況を作っていきたい」
と、団体統一によって海賊版対策を進展させるとともに、社会における業界の存在意義を高めることに意欲を見せた。
これまで、アダルトビデオ業界では、多数の審査団体が乱立し、社会的コンセンサスを得難いソフトが市場に放出されることと、インターネットなどで流布される海賊版対策が大きな問題となってきた。今回の統一により業界の多くの部分の窓口が一本化されることになり、こうした問題への対応が促進されると見られる。また統一によって、アダルトビデオ産業が従来の後ろ暗く見られる部分を払拭し、コンテンツ産業の一角を担うものとして社会的に認知されることも期待される。
さまざまな分野で「表現の自由」が議論される昨今、業界から始まった「自浄作用」を大いに評価したい。
(取材・文=昼間たかし)
“赤い海賊”コスモスとはなんだったのか『愛しのインチキガチャガチャ大全』
ただただ、圧巻。 山賊みたいな海賊企業・コスモスの全貌を明らかにした問題作『愛しのインチキガチャガチャ大全-コスモスのすべて-』(双葉社)を読み終えた後の感想がコレである。 コスモスとは、70年代から80年代にかけて全国に真っ赤な自販機を設置し、日本中の子どもたちにパチモンやら何かよく分からない物やら……よーするに、ゴミくずみたいな物をバラまきまくった、日本の戦後ホビー史の暗黒面の象徴のような企業である。 スーパーカーが流行れば車っぽい塩ビフィギュアを作り、ガンダムが流行ればガンダムっぽいロボットの人形を作り、なめ猫が流行れば近所の猫を撮影して作ったなめ猫っぽいグッズを作り、ビックリマンシールが流行ればロッチシールを作り……って、まあつまりそういう感じのイリーガルなブツをせっせと製造しては全国の自販機にインストール! 子どもたちからなけなしのお小遣いを巻き上げていた海賊であり、山賊のような企業だったのだ。 本書はそんなコスモスグッズコレクションの第一人者であるタレント・ワッキー貝山氏と、コスモスの魅力に取りつかれたライター・池田浩明氏の、コスモスへの愛憎に満ちた業の深い一冊である。 チープ感とやっつけ感と、流行り物をテキトーにパクった(ということすらおこがましいが……)ゲスい打算を思い切りシェイクしたようなコスモスグッズが放つ異様なオーラを「狂気」と表現する池田氏のテキストは的確である。そこには一流。いや、二流、三流にすらなれなかったコスモスに魅入られた人間ならではの、一筋縄ではいかないドロリとした感情が渦巻いている。徹頭徹尾ドライに、シニカルに。しかし、愛情たっぷりに、ゴミみたいなブツの数々を解説する氏のテキストに、自然と笑みがこぼれてくる。 その笑みは、何を意味するのか。ただ「面白い」とか「しょうもない」とか、そういう分かりやすい感情ではないことは確かだ。下らないブツへの嘲笑? いや、断じてそんなものではない。子ども時代への憧憬? いやいや、そんなにいいもんじゃない。ダメすぎて笑うしかない? う~ん、近いけどちょっと違う気がするし、そのどれもが正しいような気がする。言うなれば、まさしく「業」が渦巻いているのである。 その極め付きが、巻末に収録されている関係者へのインタビューである。コスモスに反旗を翻し、その後もガチャガチャ業に従事する阿部茂氏。そしてかつて日刊サイゾーでもインタビューを敢行した(※記事参照)ヤマトコスモス会長・鈴木暁治氏が、赤裸々にコスモスのすべてを語っている。そこでも語られるのは、当時のコスモスの内部を知る者ならではの愛憎劇。悪名高いロッチシールが生まれた背景までもが、当時の担当者の名と共に明かされる。そこに渦巻いているものは、やはり「業」である。 そんなコスモスの歴史は1977年にスタート。一時は全社員合わせて1000人。49万台のガチャガチャを有し、土地は7200坪。建物は4000坪。総資産額にして100億を誇りながらも、88年にあえなく倒産。ガチャガチャ業界を進撃しまくった真っ赤な巨人は、わずか11年でその活動を停止した。活動期間こそ短かったものの、そのインパクトは絶大。まさに80年代の亡霊と呼ぶにふさわしい。忘れてほしかった関係者は多いだろう。あえて今さら触れてほしくない人も少なくないだろう。 それでも、だからこそ、あえて厚いベールの向こうの存在だった「コスモス」の真実を白日の下に晒してくれたワッキー貝山氏、池田浩明氏の両名には全力で拍手を送りたい。きっと2人をここまで駆り立てたもの。それもまた、コスモスが生み出した「業」のなせるわざなのだろう。 (文=有田シュン)『愛しのインチキガチャガチャ大全
-コスモスのすべて-』(双葉社)











