世間をにぎわせた『ほこ×たて』(フジテレビ系)のヤラセ問題。ヤラセに至った構造的問題について、いまだフジテレビからの説明は一切行われてない状態だが、過去にはギャラクシー賞や日本民間放送連盟賞などを受賞し、ゴールデン昇格後は高視聴率を誇ったこともある番組だけに、「最近の低視聴率を食い止めるため、過剰演出に走ったのでは」と、業界関係者の間ではささやかれている。 視聴者を裏切っても、数字を重視する――このような視聴率主義に対し、“それは東京の論理だ”と異議を唱える人物がいる。『水曜どうでしょう』のディレクターである北海道テレビ放送(HTB)の藤村忠寿氏だ。 ご存じの通り『水どう』といえば、ローカル局制作ながら熱狂的なファンを生み出した“お化け番組”。10月2日からスタートした新作の第一夜放送分は北海道テレビ放送で16.1%という高視聴率をマークし、さらに10月末に発売された最新DVD『水曜どうでしょう 原付西日本制覇・今世紀最後の水曜どうでしょう』も、オリコン週間DVDランキングで1位を記録。1996年のスタートから17年たった現在も、そのコンテンツの強さを見せつけている。 そんな『水どう』の生みの親の一人である藤村氏は、先日発売されたインタビュー集『テレビ番組をつくる人──あの番組をつくった、あの人に、思いきり叫んでもらいました』(PHPパブリッシング)でテレビ論を展開。「キー局さんが『本流』であるならば、我々は『脇道』」「脇道だからこそ、本質的なテレビ番組づくりを、正々堂々とできる」と、ローカル局ならではの姿勢を説き、視聴率の問題に対しても「視聴率はまったく気にしていませんし、気にする必要がないと思っています」と断言している。 しかし、なぜ視聴率を気にせず番組づくりができるのか。その理由を藤村氏は、「スポンサーも、ローカル局番組の視聴率の高低を問題にはしていないはずです」と話す。「視聴率が数%違ったからといって、ビジネス的にもほとんどインパクトはありません」というのだ。500人に番組を“なんとなく”見られるより、50人に“熱狂的に”見られることをスポンサーも望んでいる、というのが藤村氏の見解だ。 キャスティングや内容のわかりやすさ、過剰な演出。そうしたことにとらわれ、視聴率に縛られる番組づくりは、キー局(=本流)に任せればいい。視聴率主義というビジネスの論理に一切翻弄されない番組づくりに専念できるからこそ、ローカル局は「自由」であり、面白い番組を生み出す土壌がある──このローカル局の矜持から生まれたのが、『水どう』なのだろう。 そんな『水どう』はキー局では考えられないほどの低予算番組と思われるが、「そもそもいい番組をつくるために最も不可欠なものって何でしょうか。お金でしょうか。違います。人間関係です」と藤村氏は語る。そして、『水どう』が支持される理由も、「私と大泉との人間関係にあると思っています」と、堂々と話す。大泉とは、もちろん同番組がきっかけで全国区となった俳優の大泉洋のことだ。 「私は、あの番組では、大泉に好きにやらせるんです。あえて。そうすると、彼も、困惑しながらもきちんと彼らしいことを出してやってくれる。私は彼に魂を預ける、彼も私に魂を預ける──そういう信頼関係の上に成り立っています」 「事実いい加減な部分は多いのですが(笑)、人間関係の部分だけは『いい加減』では絶対にダメなんです」 視聴率よりも視聴者を見つめ、制作費よりも人間関係を重視する。番組づくりの問題が次々と明るみに出る今、「自分たちにしかできないオリジナリティ」を追求するローカル局にこそ、キー局が立ち返るべき原点とテレビの未来があるのではないだろうか。 (文=編集部)『テレビ番組をつくる人──あの番組をつくった、あの人に、思いきり叫んでもらいました』(PHPパブリッシング)
「03カルチャー」タグアーカイブ
純真なペネロペと妖艶なキャメロンが好対照! 豪華キャスト競演の心理サスペンス『悪の法則』
秋の豊作が続く最新映画の中から、今週はコッテリ系の洋画2本と、アッサリ風味の邦画を取り上げたい。嗜好にベストマッチの一品を堪能するもよし、異なる味わいを比べるのももちろんOKだ。 『悪の法則』(11月15日公開、R15+)は、巨匠リドリー・スコット監督が豪華キャストで描くサスペンス。ハンサムで有能な弁護士カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、美しい婚約者ローラ(ペネロペ・クルス)との未来のため、裏社会のビジネスに手を染める。レストランを経営するライナー(ハビエル・バルデム)とその女(キャメロン・ディアス)、ブローカーのウェストリー(ブラッド・ピット)と組んだカウンセラーは、ある誤解からメキシコ人組織に狙われるようになり、周囲にも危険が及んでゆく。 純真なクルスと妖艶なディアス、セクシュアルな美女2人が好対照。殺しの過程をスタイリッシュかつ緊迫感たっぷりに描く映像センスは、スコット監督の健在ぶりを印象づける。虚飾に満ちたセレブの生活が「悪の法則」に支配され、じわじわと闇の世界に覆われてゆくさまに、ずっしり重い衝撃を受けることだろう。 『マラヴィータ』(11月15日公開)は、主演ロバート・デ・ニーロ、製作総指揮マーティン・スコセッシ、監督リュック・ベッソンというビッグネームが組んだ痛快エンタテインメント。FBIの証人保護プログラムを適用され、米ニューヨークからフランス・ノルマンディー地方の田舎町に移り住んだブレイク一家。元マフィアの主フレッド(デ・ニーロ)をはじめ、妻マギー(ミシェル・ファイファー)、高校に通う娘と息子の4人は、町に溶け込もうとするものの次々とトラブルを巻き起こす。やがて、フレッドを恨むマフィアのドンが居場所を突き止め、殺し屋集団を送り込んでくる。 マフィア映画へのオマージュをたっぷり詰めこんだコミカルな快作。フレッドがゲストで招かれた映画上映会で、スコセッシ監督、デ・ニーロ主演の『グッドフェローズ』(90)が上映されるという「遊び」も楽しい。TVシリーズ『glee』のチアリーダー役で一躍有名になったディアナ・アグロン、ブレイク家を監視するFBI捜査官役のトミー・リー・ジョーンズも、それぞれいい味を出している。イタリア系マフィアを描きアメリカで確立したマフィア映画というジャンルに、フレンチのセンスを添えて仕上げた逸品をご賞味あれ。 『四十九日のレシピ』(公開中)は、伊吹有喜のロングセラー小説を『百万円と苦虫女』のタナダユキ監督が映画化した感動ドラマ。妻の乙美を亡くし生きる気力を失っていた良平(石橋蓮司)のもとに、夫の不倫で離婚を決意した娘・百合子(永作博美)が戻ってくる。そんな2人のペースを乱すかのように、元風俗嬢のイモ(二階堂ふみ)が登場。イモは更生施設で世話になった乙美から、楽しく飲み食いする「四十九日の大宴会」を頼まれたと言う。初めは却下した百合子だったが、良平が一転乗り気になったことで、母が遺したレシピに向き合い、大宴会の準備に取りかかる。 故人の一風変わった遺志と、愛情のこもったレシピによって、家族とゆかりの若者らが集い、それぞれの心の傷と折り合いをつけてゆく過程が丁寧に描かれる。抑えた感情の微妙な変化を表現した、永作の演技が味わい深い。滋味が伝わってきそうな料理、せせらぎの音を強調した川など、繊細に構成された映像に癒される。生と死、再生の意味を優しく問いかけてくる作品だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『悪の法則』作品情報 <http://eiga.com/movie/78963/> 『マラヴィータ』作品情報 <http://eiga.com/movie/78589/> 『四十九日のレシピ』作品情報 <http://eiga.com/movie/77745/>(C) 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation
“反短パン”でパンクスだったボクが見た、ハイスタ・横山健のドキュメンタリー『横山健 疾風勁草編』
イカ天、ホコ天などをきっかけとした1980年代後半のバンドブーム。この頃から「自主制作」のことを「インディーズ」なんて呼ぶようになり、ライブハウスなどで活動していたバンドたちが突如として脚光を浴びることとなった。結果、多くのバンドがメジャーのレコード会社と契約しドカーンと売れたものの、ブームの渦に翻弄されまくった挙げ句、そのほとんどが使い捨て状態にされて、解散していってしまったのだ。 で、そんなバンドブームの終焉と時を同じくした1991年に結成されたのが「Hi-STANDARD」。 ブームの反動で「バンド冬の時代」なんて呼ばれていた時期に結成したハイスタは、80年代バンドブームの反省を生かした……というわけではないんだろうけど、うまーくメジャーを利用しつつも、本当の意味でのインディペンデントな活動にこだわり、自分たちのレーベルからリリースしたアルバムでミリオン・ヒットを飛ばしたり、自ら企画した大規模フェス「AIR JAM」を成功させたり、国内・海外をボーダーレスに活動したり。(C)PIZZA OF DEATH RECORDS 2013
右も左も分からないバンドマンたちが、業界の大人たちにいいように食い物にされた感のある80年代バンドブームのバンドたちと比べ、非常にクレバーに立ち回り、格好よく活動していたという印象がある。現在につながる日本インディーズシーンの基礎は、やはりこの頃のハイスタやその周辺のバンドたちが作ったといえるんでしょうねぇ。 まあとにかく、当時の勢いと人気はすさまじくて、ライブハウスに行けばみんな「PIZZA OF DEATH」(ハイスタのレーベル)のTシャツを着ていたし、学祭ではハイスタやメロコアのコピーバンドばっかり。あの頃に青春を送った人たちにとって「ハイスタ」「AIR JAM」というのは、今でもグッときてしまうワードなんじゃないだろうか。 ちなみにボクも年齢的には思いっきり「AIR JAM世代」、しかもその時期にライブハウスやパンクシーン周辺を頻繁にウロウロしていたのだが、「基本的に売れてるヤツらは気にくわない」というあまのじゃくな性格が災いし、ハイスタやメロコア周辺とはちょいと距離を置いていて、むしろ「短パンでパンクやるな!」とか思っていたのでした。 それでも、ハイスタの音や動向はちょいちょい耳に入ってくるし、パンクシーン全体を牽引する存在として、やっぱり気にはなっていたんだけどね。 そんな、なんだかんだで気になってしまう存在であるHi-STANDARDのギタリストであり、現在では「Ken Yokoyama」名義でソロ活動も行っている横山健を追ったドキュメンタリー映画『横山健 疾風勁草編』が、11月16日から全国60劇場にて 1週間限定で公開される。 ミュージシャンやアーティストのドキュメンタリー映画って、まあ基本的にはそのミュージシャンのファンが見るもの。「ファンならずとも必見!」なーんてうたわれていても、思い入れがない人が見ても、やっぱりピンとこないというものがほとんど。 要はこの記事、そんな横山健のドキュメンタリー映画を「反短パン」だったボクが見たらどう思うのか……というハナシなんですが、そんなボクがまず感じたのは横山健との距離の近さ。 この手のドキュメンタリー映画って、大体フォーマットが決まってるもんで、本人へのインタビューはもちろん、ライブシーンやオフショット、さらにはスタッフや周辺の関係者など多数の人たちからの話をうまいことまとめて、多角的な視点からミュージシャンの姿を浮かび上がらせる……的な。
そういう意味で本作はドキュメンタリー映画というよりも、「長~いひとり語りの記録」なのだ。ライブやオフショットなどももちろん入ってはくるものの、基本的にはその映像に乗せて、自身の生い立ちからハイスタ結成~活動休止、そしてソロ活動まで横山健が延々としゃべりまくり。 ハイスタを中心とした、当時のパンク・メロコアシーンについてのインタビューとしてもなかなか興味深い内容ではあるのだが、そこにほかのメンバーや当時のバンドマン、スタッフたちの語りはほとんど入り込むことなく、モロに横山健目線で、メチャクチャ主観的な意見が語られていく。 中でもハイスタの活動停止から、その後のメンバーとの関係性などは、本人にとってもまだうまいこと整理がつけられていない事柄なのか、悩み考えながら慎重に言葉を発していて、その姿には見ていて苦しくなるようなリアリティがある。 「アルバムの原盤の所有権でモメてる」とか「メチャクチャ仲が悪いらしい」など、“ハイスタ活動休止&再結成できない理由”についてはネット上でさまざまなウワサが流れていたが、その辺のことに関しても、具体的ではないまでも、とにかくいろいろとこじれている感じが語られており、あの時点では本人たちも、そしてファンたちすらも「ハイスタ、再結成してほしいけど、まあしねーんだろうな」と考えていたのではないだろうか。 そんな時に起こったのが、3.11の東日本大震災。
当時、エンタテインメントに関わる仕事をしている人たちがみんな陥った「果たしてこんな時に、音楽や映画が必要なのか!?」という自問自答に、横山も向き合うことになる。その結果、さまざまな事柄が急展開し、復興支援や反原発を訴えていくため「一番影響力のある方法」として、まさかのHi-STANDARDが再始動。さらには2011年に横浜で、2012年に東北で復活・AIR JAMを開催することになる。
で、普通のドキュメンタリー映画だったらコレで「再結成バンザーイ!」「復興に向けて団結して頑張ってくぞ!」みたいな形で終わるのがキレイなんだろうけど、ここでもやはり横山は悩み考えてしまうのだ。
ライブやコラムなどでも「オレの曲を聴いて、そのまま受け入れるんじゃなくて考えろ!」「考えた結果、オレとは180度違う考えにたどり着いたとしても、それはそれでオッケーだと思う」などとリスナーに「考える」ことを訴えかけている横山だが、この映画でもまた答えを提示するのではなく、横山健と一緒に「考える」ことを強要される。
だって、震災からの復興も、原発も、そしてハイスタやAIR JAMの未来にだって、誰もキレイに答えなんて出せてないんだもん。
そこで、うまいこと映画としての答えを出さず、泥くさくアレコレ考えている姿をそのまんま見せつけたこのドキュメンタリーは、見ていてモヤモヤさせられ、そしていろいろと考えずにはいられなくなるのだ。
まあ横山健の「こんなにいろいろ考えて悩んでる人、一緒に仕事とかしたらめんどくさそうだなぁ~」……という感じもガンガン伝わってきたんだけど、とりあえず映画館の暗闇の中、メチャクチャ距離感近く語りかけてくる横山健とともにモヤモヤウダウダ考えていく、という映画体験はなかなか貴重な時間だった。
ちなみにタイトルに入っている、意味どころか、なんて読むのかもよく分からない「疾風勁草(しっぷうけいそう)」という言葉だが、インターネッツで調べたところ「苦境や厳しい試練にあるとき、初めて意志や節操が堅固な人であることが分かるたとえ」とのこと。ああーっ、横山健ってそんな感じ!
(文=北村ヂン)
●『横山健 疾風勁草編』
監督:MINORxU 出演:横山健 企画・制作:PIZZA OF DEATH RECORDS 配給:KDDI「Live'Spot」 上映時間:117分 上映劇場数:60館
(C)PIZZA OF DEATH RECORDS 2013
11月16日(土)~11月22日(金)1週間限定ロードショー
<http://livespot.jp/lv/detail/kenyokoyama.html>
●初日舞台挨拶
・日程:2013年11月16日(土)19時~
・会場:ユナイテッド・シネマ豊洲
最新情報はLive’Spotサイトにて
「やっぱり、ほしのあきと……!」100億円をカジノで失った大王製紙前会長の“華やかすぎる”懺悔録『熔ける』
井川意高・大王製紙前会長といえば、複数の自社関連会社から借り入れた総額100億円以上の大金をカジノで失うという私的使用が発覚し、2011年11月に東京地検特捜部に背任容疑で逮捕された人物。今年6月には懲役4年の実刑が確定。10月には収監され、現在は受刑中の身である。 そんな井川前会長が収監前に書き上げていたという“懺悔録”が、11月13日に出版される。タイトルは『熔ける 大王製紙前会長井川意高の懺悔録』(双葉社)。国内シェア第3位を誇る製紙メーカー創業家の長男として生まれ、幼き頃からスパルタ教育と帝王学を叩き込まれた井川前会長が、エリート街道を歩みつつ、なるべくして大王製紙のトップに就いたものの、カジノで身を滅ぼしていくさまが克明に描かれている。 中でも注目が集まるのが、逮捕後、週刊誌などで頻繁に報じられてきた女性芸能人との関係だ。本書の惹句にも「東大に現役合格、赤字子会社を立て直した20代、42歳で社長就任、有名人との華麗なる六本木交遊、噂に上がった女性芸能人たち……すべてを手にしていたはずの男は、なぜ“カネの沼”にハマり込んだのか?」と、気になる言葉が並んでいる。 井川前会長と「噂に上がった女性芸能人」といえば、藤原紀香やほしのあき、熊田曜子らが有名だ。本書でも当然、彼女たちには触れているのだが、その記述はキワどくも、無難なところに落ち着いている。 まずは、藤原紀香。「噂になった女性有名人との本当の仲」との項で真っ先に触れられているのだが、なぜか彼女だけ匿名扱いである。 「今や日本を代表するセクシーな大物女優」と藤原サイドに気を使った表現で、「私とその女優とは、何か深い関係があったわけではなく、単なる昔からの古い友人の一人だ」と、肉体関係があったことを否定。それでいて、井川前会長の軽井沢の別荘に彼女が来た時には、他の友人と一緒にプールやサウナに入ったなどという親密エピソードを披露している。 対して、興味深いのが、ほしのあきに関する記述だ。ほしのとは、22歳の頃から、ブレークするまでは、月1~2回は食事する間柄だったという。井川前会長が飲みの席から「遊びにこない?」と電話をすると、「たとえ忙しかろうとも、20分でも30分でも顔を出してくれる」。さらに、ほしのからローションティッシュという高級ティッシュをおねだりされると、「かわいいヤツじゃないかと苦笑しながら、ほしのさんにダンボール1箱分のローションティッシュをプレゼントしてあげた」と述懐している。 そんなほしのに対して井川前会長は、肉体関係の有無は言及していない。藤原とは、はっきりと「深い関係はない」と断言しておきながら、ほしのにはそれをしないということは、読者の印象からしたら「クロ」だろう。本書の中でも、ほしのについては最も紙幅を割いており、特別な関係性がうかがえるのだ。 ほかにも、噂の相手として名前が出たことがある、熊田曜子や山本梓とは一度しか会ったことがないとし、櫻井淳子とは2~3回飲みの席で一緒になった程度、滝川クリステルとは会ったことすらないとしている。 また本書には、夜の街で接点を持った有名人たちとのエピソードが多数綴られている。宮沢りえや市川海老蔵、岩佐真悠子、AKB48のメンバーらとおぼしき少女らの“いかにも”な、夜の顔の描写も面白い。さらに、女性芸能人との交遊と同様、週刊誌などで報じられた「関東連合」や同組織の元リーダー・石元太一との関係にも言及している。 ただ、本書の読ませどころは、あくまで井川前会長の華麗なる半生とカジノによって没落していく様子。有名人との交遊録を売りにはしているものの、“暴露本”という要素は薄い。腐っても、華麗なる一族の御曹司。「誰や誰とナニしたのか?」という下衆の心には付き合ってくれていないのが残念だ。『熔ける 大王製紙前会長・井川意高の懺悔録』(双葉社)
37年前の名作ホラーを、クロエ・グレース・モレッツでリメイク『キャリー』
今週紹介する新作映画は、亡き織田信長の後継者を決めた有名な会議を豪華出演陣でユーモラスに描く時代劇と、少女の超能力がもたらす惨劇を描いた名作ホラーの37年ぶりのリメイク。題材は古くとも、旬のキャストとフレッシュな演出で現代の観客を楽しませてくれる2作品だ。 11月9日公開の『清須会議』は、三谷幸喜が原作、脚本、監督を務め、会議を主要な舞台とした異色の時代劇。天正10年(1582年)、本能寺の変で織田信長が死去した後、家臣の柴田勝家(役所広司)や羽柴秀吉(大泉洋)らが後継者を決めるため尾張国の清洲城に参集する。勝家は信長の三男でしっかり者の信孝を、羽柴秀吉は次男でうつけ者の信雄をそれぞれ後継に推薦し、実権を握ろうと画策するが……。 役所、大泉のほかにも佐藤浩市、浅野忠信、松山ケンイチ、中谷美紀、妻夫木聡、伊勢谷友介、鈴木京香、剛力彩芽、西田敏行、天海祐希など主役級をぜいたくに配した文字通りのオールスターキャスト。舞台劇から映画化された『12人の優しい日本人』(91年)、『笑の大学』(04年)のように論戦や対話による作劇を得意とする三谷監督が、日本の歴史を動かした重要な会議をユーモアも盛り込みながらドラマチックに描き出す。織田家の血筋を強調する「付け鼻」など、一部の俳優への大胆な特殊メイクも見どころだが、別人に見えてしまうほどの変貌ぶりにファンは複雑な気持ちになるかも。城内の豪華なセット、美麗な衣装も合わせて楽しみたい。 11月8日に封切られる『キャリー』は、1976年にブライアン・デ・パルマ監督が映画化したスティーブン・キングの同名ホラー小説を、クロエ・グレース・モレッツ主演で再映画化した作品。内気な高校生のキャリー(モレッツ)は、学校では笑い者にされ、家では狂信的な母親(ジュリアン・ムーア)に束縛されて、孤独な日々を送っていた。ある日いじめられたことがきっかけになり、キャリーは念動力を発現させ、次第に能力を高めてゆく。クラスの人気者トミーからプロムパーティーに誘われ、母親の反対を押し切ってパーティーに出かけるが……。 原作者のキングは『キャリー』以降、ベストセラーを連発し、「モダンホラーの帝王」と称されるまでに。デ・パルマの後も、スタンリー・キューブリック、デビッド・クローネンバーグ、ロブ・ライナーといった名監督がこぞってキングの小説を映画化した。そうした一連のキング原作映画の最新版でもある本作は、スマホで撮影した動画によるいじめなど現代的なアレンジを加え、最新の視覚効果で超常現象をスペクタクルに表現。現在16歳、大人びたドレスが似合うミドルティーンに成長したモレッツは、うつむきがちな序盤、少しずつ自信をつけていく中盤、そして悪質ないじめに感情を爆発させるクライマックスへと、ヒロインの変化を印象的に演じ分けた。監督は『ボーイズ・ドント・クライ』(99)のキンバリー・ピアース。女性監督による視点も、デパルマ版とは一味違う青春の切なさ、残酷さに反映されているようだ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『清須会議』作品情報 <http://eiga.com/movie/77213/> 『キャリー』作品情報 <http://eiga.com/movie/77437/>(C)2012 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. and Screen Gems, Inc. All rights reserved.
「現代の日本なのかよ!」実写版『魔女の宅急便』本編映像公開で、ネット掲示板が騒然……
来年3月に公開予定の映画『魔女の宅急便』の新たな特報動画が公開され、話題を呼んでいる。 これまで、山間部や海上を飛ぶイメージの空撮映像や、キキ役の女優・小柴風花がレンガ造りの黄色い建物の前に立つスチール写真などが公開されてきたが、今回の特報では初めて作品本編の映像が差し込まれている。 この映像は、キキが物語の舞台であるコリコ島での一場面だといい、ホウキに乗ったキキが空から舞い降りると、地面に鮮やかに着地し、子どもたちに向かって元気いっぱいに「お待たせしました! お届けものです!」と本を手渡すシーンが収められている。 だが、この舞台であるコリコ島の風景が、日本の郊外にあるごく一般的なコンクリート造の小学校らしき建物であることから、「コリコ島って現代の日本なのかよ!」とネット上の一部掲示板などが騒然となっているのだ。 「今作は角野栄子さんの児童文学が原作となっていますが、やはり一般の映画ファンにとっては『魔女の宅急便』といえば、1989年に公開されたジブリアニメのイメージが非常に強い。アニメ版の風景はスウェーデンのストックホルムやバルト海に浮かぶゴトランド島ヴィスビーなど、中世から近代に建立された北欧の町を参考にして描かれていましたから、そのギャップに驚くのも無理はないですね」(映画ライター) また、華やかな空撮イメージから急に曇り空の校舎に映像が切り替わるため「ファンタジーじゃなかったのか」「初出しの特報ってことは、これが一番いい映像ってことなの!?」などと困惑の声も少なくないようだ。 何かと不安を抱かせる特報映像だったが、同作の監督は現代日本の風景の中で渦巻く人間の機微や、そこからにじみ出る恐怖を描かせたら右に出る者がない“Jホラーの旗手”清水崇。どんな仕上がりになるのか、公開を楽しみに待ちたい。映画『魔女の宅急便』特報 - YouTube
屠場は本当に美しかった! 今夜は焼き肉にしたくなる、ドキュメンタリー『ある精肉店のはなし』
冒頭、描かれるのは屠場へと引かれていく牛の姿。住宅地の道を牛は引かれていく。そして、やってきた屠場は昭和の香りのする古ぼけた建物だ。オートメーション化された近代的な工場スタイルではない。建物の中へ引かれていった牛は、頭にハンマーの一撃を食らって倒れる。まだ、ピクピクと動いている牛は手作業で手際よく解体されていく。そして、枝肉になった牛は軽トラックで運ばれる。肉はブロック肉にして、薄切りやさまざまな形で店先に。ホルモンは油かすになり、皮は太鼓の材料へと、文字通り余すことなく使われていく。画面に映し出される店頭に並ぶおいしそうな肉、そして新鮮なホルモンを見て、観客はみな思うだろう「晩ご飯は、肉にしよう」と。
今年、山形国際ドキュメンタリー映画祭や釜山国際映画祭での先行上映で激賞された『ある精肉店のはなし』。これが2作目となる纐纈(はなぶさ)あや監督が被写体にしたのは、大阪府貝塚市にある北出精肉店だ。
この精肉店を営む北出家は江戸時代末期から屠畜・食肉の仕事に携わってきた一家で、現在の店主・新司さんで7代目になる。新司さんの父・静雄さんの代からは市場で牛を買い付け、屠畜して卸業を営むことを始めた(のちに小売りも始める)。そして、昨年まで店舗兼自宅に隣接した牛舎で牛を飼い、育った牛を肉にして販売する、文字通りの産直販売を行ってきた。
映画は、北出精肉店しか利用する業者がなくなり閉鎖されることになった貝塚市の屠場での最後の作業を軸に、一家の姿を追いかけていくという1年を越える取材の末に出来上がった作品だ。
少なくとも、現代の日本で牛肉を好まない人はそうそういない。私見だが、肉ほどテンションの上がる食べ物はない。筆者も何か大きな原稿を書き上げた時には肉と決めている。それに、焼き肉をワイワイしながら食べるのは至上の快楽である。
なぜに、こんなに肉は人の心を昂ぶらせ、パワーを与えてくれるのか。この映画を見て腑に落ちた。それは、丸々とおいしそうに育った肉牛の命をいただいているからだ。その命を直接受け止めているからだろうか、作品中に映し出される北出精肉店の家族は、誰もが命がみなぎった美しさを宿している。
食卓に欠かせない牛肉だが、それがどのように生産されているのかという話になると、多くの人は目を背ける。それは、食肉産業には被差別部落で伝統的に行われてきた一面があり、現在もそうだからである。この作品は、そうした世間がタブー視し、目を背けるものにもアプローチをしていく。カメラは、結婚することになった一家の次男の婚約者にも、部落の問題を問いかけたりするのだ。
ともすれば、伝統的な左翼の香りのする社会派のテイストになりそうなテーマ。ところが、本作には「差別をなくそう」的な説教臭さは一切ない。誰もが、7代にわたっておいしい牛肉を生産し続けてきた北出精肉店の一家に親しみを感じ、腹の虫を鳴らすハズだ。
この一家に密着し続けた纐纈監督も、最初に魅せられたのは屠畜された肉牛の美しさだったという。
「出会いは2008年の初頭です。今回、映画が上映されるポレポレ東中野で食べ物にまつわる映画の特集があったのですが、その時に、一点の枝肉を吊るした写真が展示されていたんです。それを見て、美しいと感じました。それまで、屠場にあった冷たく暗いイメージとはまったく違う写真でびっくりしましたし、枝肉を美しいと感じる自分にもびっくりしました」
それが、写真集『屠場』(平凡社)として刊行された本橋成一氏の作品であった。それがきっかけで、本橋氏に同行して大阪府松原の屠場を見学した纐纈監督は、さらに屠場に魅せられた。肉牛を食肉にしていくという作業は、全身を使わなくてはできない。その作業が行われる現場には、それまでに見たことがなかったほどエネルギーが充満していたのだ。
「これは、ぜひ映画にしたい」と感じたが、当然、簡単なことではなかった。その思いが動き始めたのは11年に写真集『屠場』が刊行された時のこと。刊行に併せて大阪人権博物館で展覧会を主催した知人から、纐纈監督は北出精肉店のことを聞かされた。そして撮影されたのが、映画の冒頭で映し出される見学会の模様だ。当初は、これが最後の屠畜になる予定だった。
ところが、見学会は日常とは違うと感じた纐纈監督は「映画にしたいので、もう一度やってほしい」と頼んだのだ。
「簡単に応じてもらうことはできませんでした。映画になれば、それをきっかけに、また差別的なことが起こるかもしれないという不安もあったでしょう。何度も足を運び、お願いしました」
そして、2012年の3月、本当に最後の屠畜が行われることとなった。ここから始まった撮影は100時間を越えたというから、いかに熱のこもった撮影であったかは自ずと理解できるだろう。その監督の熱意ゆえなのか、映像を見ているだけでも、登場する人々の魅力にぐいぐいと引きずりこまれていく。
実は、この作品を見るまで、かつての「屠殺場」という言葉が差別的だとして使ってはならないことに疑問を感じていた。でも、この映画での登場人物の言葉を聞いてハッとした。
「命をいただくのだから、私たちは決して牛を“殺す”とはいわない」。
差別云々ではない。大事な命をいただいているのに、失礼な言葉を使っては申しわけない。
(取材・文=昼間たかし)
<上映情報>
東京:ポレポレ東中野
2013年11月29日(金)~
大阪:第七藝術劇場
2013年12月7日(土)~
詳細は公式サイトにて
<http://www.seinikuten-eiga.com/>
英会話講師殺害事件、茨城上申書殺人事件……“実録犯罪映画”が続々公開される、その舞台裏は?
ベストセラー小説や人気コミックの実写化、ファンタジックなアニメーション作品が主流を占めるようになった現代の日本映画界において、異彩を放っているのが“実録犯罪もの”と呼ばれる生々しいジャンルだ。“愛犬家殺人事件”を題材にした園子温監督の『冷たい熱帯魚』(11)が皮切りとなり、同じく園監督が“東電OL殺人事件”に着想を得た『恋の罪』(同)もスマッシュヒット。2013年には“秋葉原無差別殺傷事件”を扱った『ぼっちゃん』、東海テレビが製作した『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』など実在の凶悪事件をテーマにした作品が相次いで劇場公開されている。不動産ブローカーが保険金目当てで高齢者を死に追い込んだ“茨城上申書殺人事件”の真相に迫った『凶悪』は9月21日に公開され、現在もロングランヒット中だ。さらに11月9日(土)からは“英会話講師殺害事件”を起こした市橋達也の手記を原作にした『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』が全国公開(11月6日よりネット配信開始)、新宿ケイズシネマでは“大阪2児餓死事件”を描いた密室劇『子宮に沈める』が封切られる。 「被害者遺族の心情を逆なでする」「犯罪者を英雄視するのか」などの非難が度々起きる実録犯罪ものだが、一部の批判を浴びながらも次々と製作されているのはなぜだろうか。この疑問に答えてくれたのは、セディックインターナショナル代表取締役の中沢敏明氏だ。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した大ヒット『おくりびと』(08)のプロデューサーであり、阪本順治監督と組んだ“松山ホステス殺害事件”のドラマ化『顔』(00)やタイでの“幼児売買”の実態を描いた『闇の子供たち』(08)も手掛けている。『I am ICHIHASHI』を企画・製作した経緯をこう語った。市橋達也の手記の映画化『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』。台湾など海外で活躍するディーン・フジオカの主演・監督作となっている。
中沢 「凶悪犯罪なら、なんでも映画になるというわけではありません。僕自身がノンフィクションものが好きで、『I am ICHIHASHI』の原作となる『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記憶』を読んだんです。英会話講師を殺害した後、彼はどのような心理状態で逃げ続け、整形手術を受けたのか興味があったのですが、読んでいて唯一共感できたのが、主人公が逃亡資金を稼ぐために日雇い労働をする部分でした。裕福な家庭で育ったためにアルバイトの経験すらなかった彼は、初めての肉体労働で、働くことの楽しさを覚えたわけです。そのことをもっと早く知っていれば、あんな事件は起きなかったかもしれない。僕は仕事で海外に行くことが多く、最近よく感じるのは、今の日本はとても特殊な社会だということなんです。不況だと言いつつも、若者が働かずとも生活できている。多分、世界中でそんな国は日本だけでしょう。『I am ICHIHASHI』を映画化することで、少しでも若い人たちが“市橋は、なんであんな事件を起こしちゃったんだろう”と考えるきっかけになればと思っているんです」 中沢氏によると、『逮捕されるまで』の出版元である幻冬舎に映画化を申し込み、当時拘置所にいた市橋達也にも弁護士を通して映画化の許可を得たそうだ。 中沢 「今回の映画は、犯罪を唱道したり、犯罪者を美化したりする意図で制作したものではありません。被害者・ご遺族の名誉やプライバシーを毀損するおそれのある表現を避けることはもちろんのこと、被害者遺族の感情を十分に配慮する必要がありました。被害者となった英国人講師は描かず、事件を起こした逃亡者の目線に立った主観映像によるドラマにしたんです」 主演のディーン・フジオカは台湾などアジア各国で活躍する俳優であり、ミュージシャンでもある。『I am ICHIHASHI』で初監督に抜擢されたが、製作の舞台裏で監督交代劇があったことを中沢氏は明かした。 中沢 「実を言うと、崔洋一監督に最初はお願いしていたんです。崔監督も低予算映画であることを了承し、原作にとても興味を示してくれました。崔監督が映画を完成させていたら、大変な話題作になっていたでしょうし、映画として評価の高い作品になっていたはずです。しかし、弁護士とも入念に話し合い、今回は被害者遺族への配慮が必要であり、事件の全容を客観的に描こうと考えていた崔監督には申し訳なかったのですが、理由を説明して、ディーン・フジオカにバトンタッチしてもらったんです。崔監督も納得済みで、決してゴタゴタではありません。ディーン・フジオカは日本人ながら海外での活動を中心にしていることから今の日本に対して独自の視点を持ち、また主人公に実年齢が近いということもあり、初めての監督業にとても意欲を見せてくれました」 ■リスクのある企画にこそパワーが生まれる 世界的な大ヒット作となった『おくりびと』だが、企画段階では「納棺師が主人公では暗すぎる」と出資者が集まらなかった。タイでのロケを敢行した『闇の子供たち』は「タイの恥部を日本人が映画化するな」と撮影現場が銃撃されかねない危険が伴った。中沢氏がリスクを冒してまで、大手映画会社が扱わない企画にこだわるのはなぜなのか? 中沢 「リスクそのものがパワーとなるからです。セディックインターナショナルは、僕が個人経営している弱小プロダクションです。大手映画会社やテレビ局のように、ベストセラー小説を映像化したくてもなかなかできません(苦笑)。三池崇史監督と組んで『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)という全編英語での台詞による和製西部劇を作ったんですが見事に大コケして、目玉が飛び出るくらいの赤字を抱えました。でも、タランティーノも出演してくれ、作っていてあんなに楽しい映画はなかった(笑)。大失敗したけど、そのことがバネになった。「また、やろう」と約束した三池監督は『十三人の刺客』(10)を大ヒットさせて、僕が抱えていた赤字を帳消しにしてくれたんです。僕は自分の企画を進めるときは自腹を切る覚悟でやっています。リスクを背負う覚悟が、人の心に届く映画につながると信じています」警察から逃げ続ける市橋(ディーン・フジオカ)は生活費が底を尽き、建築現場で働き始める。市橋にとって、すべてが初めての体験だった。
若者たちに観てほしいという意図から『I am ICHIHASHI』は入場料&配信料を1000円に設定。また、FacebookやTwitterを利用すれば、500円で入場できる割引サービスも行っている。ちなみに同日公開される『TAP 完全なる飼育』は女子高生拉致監禁事件を題材にした『完全なる飼育』(99)の第8弾。中沢氏が第1作を手掛けた人気シリーズだ。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12)など数多くの実録犯罪映画を放った若松孝二監督に師事した片嶋一貴監督が、南国を舞台に性と死が交錯する青春ドラマに仕上げている。松田美智子のノンフィクション小説を原作にした『TAP 完全なる飼育』。オーディションで選ばれた前川伶早が鮮烈シーンに挑んでいる。
■ヒットの要因は、リリー・フランキーが凶悪犯を演じた意外性 『凶悪』の白石和彌監督も若松監督の薫陶を受けた新進気鋭の監督。日活が製作・配給する『凶悪』は山田孝之、リリー・フランキー、ピエール瀧という異色の顔合わせが実現した話題性もあり、9月に公開されて以降、ロングラン興行を続けている。日活の宣伝プロデューサーであり、『凶悪』の宣伝統括である大場渉太氏は、ヒットの内情についてこう語る。 大場 「日活が製作・配給した園監督の『冷たい熱帯魚』『恋の罪』は興収1億円台のヒット作となりましたが、『凶悪』はこれからのムーブオーバー次第では2億円に届きそうな気配です。都内のシネコンでの上映は10月いっぱいで終わりましたが、11月からはテアトル新宿で上映されています。『凶悪』は50スクリーンで始める予定が、各地の劇場からの問い合わせが多く、約100スクリーンにまで膨らみました。この規模の作品では十分なヒット作です。意外だったのは、この手の実録犯罪ものは30代後半以上の男性客が中心だろうと予測していたんですが、劇場には若い層、それもデートムービーとして観にきた若い男女が多かったこと。従来のシネコンで上映されている明るく楽しいだけの映画に飽きている層が少なくないようですね。『凶悪』は主演3人の顔合わせから“一体何が起きるんだろう”というゾワゾワ感を抱いたお客さんたちが集まってくれたんだと思います」 実録犯罪ものは事件の持つ話題性から観客への浸透度が高く、潤沢な予算のないインディペンデント系のプロダクションにとっては有効なジャンルである一方、マーケットはそれほど大きくはないとも大場氏は語る。 大場 「実際に起きた犯罪を題材にした映画を作る際に重要なことは、その事件をもとにして人間の内面や業、普段は隠されている人間のリアルな怖さをきちんと描けるかどうかでしょう。凶悪な事件をそのまま再現しようとしても、映画は現実にはかないません。ただ過激さだけを追い求めると、銀座シネパトスで上映中止騒ぎになった実録犯罪もののようにグロテスクなものに陥ってしまいます。製作側とキャストが同じ方向性を持って船を進めないと、遭難しかねない危険性を孕んでいるジャンルでもあるんです」 最後にもう一度、『I am ICHIHASHI』の話題に戻ろう。原作本である『逮捕されるまで』が発売された際に、印税収入はどうなるのかが問題となった。『I am ICHIHASHI』の原作料は、市橋達也に支払われるのだろうか? セディックインターナショナル社の回答は「通常の映画と同じように、出版元である幻冬舎に原作使用料は支払っています」というものだった。出版社を経由した原作料がどうなったかは、市橋達也サイドの弁護士しか把握していないそうだ。 (取材・文=長野辰次)『凶悪』の初日舞台あいさつ。山田孝之、リリー・フランキー、ピエール瀧という意外性のあるキャスティングが注目を集めた。
『I am ICHIHASHI 逮捕されるまで』
企画・製作/中沢敏明 原作/市橋達也『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』(幻冬舎文庫) 監督・主演・主題歌/DEAN FUJIOKA 脚本/湯浅弘章 Team D 撮影/鍋島淳裕 配給協力/マンハッタンピープル PG12 11月6日(水)よりネット配信開始、11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショー
(c)2013「I AM ICHIHASHI 逮捕されるまで」製作委員会
<http://ichihashi-movie.jp>
『TAP 完全なる飼育』
企画・製作/中沢敏明 原作/松田美智子 脚本/一雫ライオン 音楽/白井良明 監督/片嶋一貴 出演/前川伶早、西沢仁太、有森也実、高川裕也、山根和馬、千原せいじ、麿赤兒、竹中直人 配給協力/マンハッタンピープル R15 11月6日(水)よりネット配信開始、11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショー
(c)2012「TAP 完全なる飼育」
<http://shiiku-movie.jp>
『凶悪』
原作/新潮45編集部編『凶悪 ある死刑囚の告発』(新潮文庫) 脚本/白石和彌 出演/山田孝之、ピエール瀧、リリー・フランキー、池脇千鶴、白川和子、吉村実子、小林且弥、斉藤悠、米村亮太朗、松岡依都美、ジジ・ぶぅ、村岡希美、外波山文明、廣末哲万、九十九一、原扶貴子 配給/日活 R15 9月21日より全国公開中
(c)2013「凶悪」製作委員会
<http://www.kyouaku.com>
被害額は東京オリンピックの予算並み! 無法地帯「FC2動画」壊滅に向けて立ち上がったAVメーカーの熱意
アニメ、マンガ、アダルトビデオまで、インターネット上には無数の日本発コンテンツが、違法にアップロードされている。テレビで放送されるアニメが、翌日には字幕つきでアップロードされるのは、当たり前。中国では、翻訳された日本のマンガが読み放題の、違法なiPhoneアプリまでもが流通している。
そうした違法なアップロードによる被害が総額で幾らになるのかは、計り知れない。
日本書籍出版協会の試算では、ネットを通じて流通する書籍の被害額は270億円。北米では2007~11年の間に1,500~3,000億円もの日本のマンガが違法にアップロードされているという。これに、アニメやゲーム、アダルトビデオを加えれば、天文学的な数字が違法アップロードによって失われていることが、容易に想像できる。つまり、違法アップロードは、日本のあらゆるコンテンツ産業に甚大な被害を与えているのだ。
こうした違法アップロードの温床となっている代表格に、動画共有サイト「FC2」がある。
同社はブログやレンタルサーバーなどの事業も行い、インターネットユーザーには、名の通った企業である。特に、ブログは2011年のデータでブログ開設者数560万人、月間ページビュー約80億PVといわれ、日本国内でもトップの数字を誇っている。
だが、その巨大さに対して企業実体は謎だ。
この企業は、1999年に設立。ネバダ州ラスベガスに本社を置き、日本人の高橋理洋なる人物がCEOであるとされる。この高橋氏が、どのような人物であるかは明らかではない。
そして、本社がアメリカにあることから、日本の国内法は及ばない。そのため、ブログでの悪質な投稿や違法な動画のアップロードに対しても、権利侵害を申し立てることが難しく、FC2自体もユーザーの違法な行為を放置してきたのである。そうした体質ゆえに、同社のサービスは違法にアップロードされたコンテンツが多数配信される無法地帯、いわば犯罪者の天国となってきたのである。
その無法地帯に、ついに権利者が立ち上がった。特定非営利活動法人(NPO法人)・知的財産振興協会(IPPA)に所属する日本国内のアダルト映像制作メーカー7社が、ビデオ作品を無断に公開されたとして、損害賠償を求めて東京地裁に提訴したのである。
原告に名を連ねたのは、有限会社ビタミンエー・株式会社CA・ジャパンホームビデオ株式会社・株式会社ケイ・エム・プロデュース・有限会社プレステージ・株式会社桃太郎・SODクリエイト株式会社だ。7社はFC2の運営する「FC2動画アダルト」に各社が制作したビデオ作品35本が無断で公開されていることに対して、配信の停止と動画の削除および約6,500万円の損害賠償を求めている。
「FC2動画アダルト」は無料でも視聴可能だが、回線速度や一日の閲覧本数には制限がある。ところが有料会員になると、快適な回線速度で無制限になるサービスも提供している。つまり、違法なアップロードを放置するどころか、それを利用して利益を上げてきた側面もある。まさに、著作権無視の総本山ともいえる存在に、アダルトビデオメーカーが率先して切り込んだ理由は何か。
S1、ムーディーズ、SODクリエイト、アリスJAPAN、ケイ・エム・プロデュースなど、多くの原告メーカーが加盟しているコンテンツ・ソフト協同組合(CSA)の理事長は語る。
「きっかけは、アダルトビデオの業界5団体が協力して、知的財産振興協会での海賊版対策への取り組みを始めたことです。これまでは各団体、各メーカーともに海賊版対策についてはバラバラに実施していました。知的財産振興協会は、それでは海賊行為に十分な対策、対応が取れないことから、各団体、各メーカーが協力するために結成されたという経緯があります。協会の設立以降、対策を進めていく中で“FC2動画アダルトを何とかしたい”というのは、各社共通の思いだったのです」
アダルトビデオ業界の「FC2動画アダルト」によって受けている被害額は、どのくらいになるのか。昨年、知的財産振興協会がFC2に対して行った削除件数は約9,500件。今年は9月までで約1万2,000件に達している(CSA会員だけではなく、IPPA加盟の他団体の審査済作品も含む)。
「21カ月間で合計2万1,500件、正規品DVDの1本販売価格を2,980円とすると、6,407万円の被害ということになる。これはDVD販売価格を基準として計算されていますので、正規の動画配信価格を基準とすれば被害額は変わります。しかし、違法動画で一番問題なのが、その再生、視聴された回数です。インターネットでの違法動画は、1人が視聴するのではなく、多くの人々が再生、視聴します。6,407万円という数字は、違法動画1件あたり1回しか再生、視聴されなかった場合の金額です。10回再生されれば×10、100回再生されれば×100、1,000回視聴されれば×1,000と被害額が跳ね上がります。知的財産振興協会で削除したFC2動画アダルトでの違法動画については、再生回数平均が約1万回。6,407万円×10,000回で6,407億円にもなるのです」
2020年の東京オリンピックで東京都が想定している予算は約6,000億円。それと同規模の収益が、違法アップロードによって奪われているということになる。これは、決して見過ごすことのできるものではない。これまで、FC2に対しては動画の削除や、アップロードした人物の情報の開示を求める仮処分は行われてきた。しかし、FC2側は自社の責任を明確にせず、積極的な対応を行わなかったことでも、批判されている。今回の裁判では、初めてのFC2への損害賠償が含まれているが、「責任を取らせる」意味で効果は高い。
インターネット上にはびこるコンテンツの著作権侵害に関する裁判は数多く行われているが、その中でも、この裁判の注目度は高い。そもそも、アメリカにあるFC2に対して日本国内での提訴を実現させたのは、昨年、改正民事訴訟法が施行されたことが要因の一つである。これは、海外法人が日本向けに事業展開をしている場合などの裁判管轄について明文化されことにある。
本件について報道された10月20日のNHKニュースにおいては、今後に大きな影響を与える裁判という弁護士コメントの紹介もあった。この裁判の結果いかんで、インターネット上の違法にアップロードされたコンテンツへの対策が大きく前進する可能性もあるのだ。
しかし、初めてのケースゆえに、今後の争点やスケジュールはどうなっていくのか? 原告側弁護士の畑中鐡丸法律事務所に聞いた。
「争点としては、まず裁判の管轄です。すなわち、本件について、サーバーが所在するアメリカを中心に見て、アメリカの問題とするのか、もしくは、視聴者の多数が存在する日本を中心に見て日本の問題とするのか。そのいずれによってかで、管轄が日本にあるかどうかが問題となります。これを乗り越えたとしても、各ユーザーの不法行為を『FC2自身の行為』とみなすことができるのか、ユーザーの行為によってFC2のサイトは賑わっており、アフィリエイト等を介してFC2が儲けているということから、FC2自身が著作権侵害の主体とみることができるかどうか、が問題となります。訴訟開始直後であり、どのような進行になるのかは不明ですが、新規な論点をはらんでおり、重大な訴訟と思われますので、慎重に進められることかと存じます」
どうも、無法地帯を壊滅させるためには、なかなか困難がある様子だ。
しかし、アダルトビデオメーカーが立ち上がったことをきっかけに、今後は一般メーカーも含めFC2に対して、被害に遭っている著作権者が次々と訴訟を起こすこともありえるだろう。FC2ではアダルトだけでなく非18禁の動画投稿サイトも運営しているのだが、こちらには日本のメーカーが制作したアニメが、無数に違法アップロードされているからだ。そうした被害を受けている企業のひとつ「ソニー・ミュージックエンタテインメント」に話を聞いたところ「違法アップロードされた動画が多数存在していることは把握しており、定期的に監視および削除要請を行っています」という。しかし、それがもはやイタチごっこに過ぎなくなっているのが現実だ。
コンテンツを制作し、流通させる人々へのリスペクトもなく、違法行為によって収益を得る企業の存在は許されない。本サイトでは、引き続きこの問題を追っていく予定だ。膨大な情報が流通するネットという文化がもたらした海賊版の蔓延、ゾーニングの不徹底といった問題に対して、この裁判が何らかの一石を投じる事を願ってやまない……。
なおFC2側に取材を申し込んだところ「取材にはお応えすることはできかねます。全ての主張は、法廷で明らかにさせていただきます」との回答があった。
(取材・文=昼間たかし)
キンタロー。や金持ち芸人・ニックも輩出 クリエイターの登竜門・インターネット放送局「WALLOP」に直撃!
USTREAMやニコニコ生放送など、有名人でなくても自分の情報を発信できるプラットフォームは数多い。素人たちが放送する玉石混交のインターネット放送から、次世代を担う新たなクリエイターたちが誕生し、活躍の場を広げている。
2012年4月に生まれた「WALLOP」は、誰もが発信できるメディアとして、スカイツリーのお膝元、墨田区押上に開設された。スカイツリーが地デジ放送のための電波塔という役割を果たしている一方、そのお膝元にあるWALLOPはインターネット回線によって、全世界の視聴者とつながるメディア。そこでは、いったいどんな番組が放送が行われているのだろうか。そして、既存のメディアとの差別点はどこにあるのだろうか?
同社の細谷準平さんは、開発の経緯をこう説明する。
細谷 「ネット上には情報クリエイターと呼ばれる才能ある発信者が相当数います。しかし、既存のメディアに登場するのは狭き門。そこで、才能の原石を原石のままに終わらせないために「WALLOP」が開設されました。開設から1年半で配信した番組は500~600本。社内にはラジオのブースが3つ、観覧スタジオが1つあるんですが、多い時はすべてのスタジオが埋まっていることもあります」
ネット上のみならず、観覧スタジオを備えて、リアルでコミュニケーションを測ることができるのが「WALLOP」の特徴。コンテンツの中でも、群を抜いてこれからのアイドルが出演する番組が多く、ファンミーティングの場に観覧スタジオが利用されているという。
細谷 「アイドルの他にも、ミュージシャンの番組や声優、若手芸人の番組なんかが多いですね。月亭八方師匠のお弟子さん月亭連方さんの番組『行け!劇団タイガーホース』や、声優の桃井はるこさんが毎月開催する『モモーイ党せーけん放送』、そして人気アニメの声優、楠田亜衣奈・山口立花子さんが毎週ドタバタとかわいく放送する『りかこ&あいなの今夜もあなたにチェックイン』など幅広い年代・性別の方に楽しんでいただいています」
この他にも、前田敦子のモノマネでお馴染みのキンタロー。や、金持ちキャラで注目を集めているお笑い芸人・タイムボムのニックなど、「WALLOP」出身のタレントはじわじわと増殖中。もちろん、有名人だけでなく、まだ無名な素人も、独自の番組を配信している。
しかし、誰でも配信できるという特徴は、ニコ生、USTREAMなどの既存サービスのコンセプトとあまり変わり映えがしないような気もする……。先駆者を追い越すために、WALLOPでは、どんな工夫がなされているのだろうか?
細谷 「WALLOPでは、ユーザーが個人的に配信するのではなく、スタジオで、スタッフがタイムキープをしながら進行していきます。だらだらと何時間も放送するのではなく、しっかりと構成されたコンテンツを作っているんです。また、しゃべり方のアドバイスや、必要によってはブレーンを入れながら番組を制作し、番組のクオリティを向上させています。ある意味、テレビやラジオといったメディアのいい部分も積極的に取り入れているんです」
では、そんな「WALLOP」の気になるビジネスモデルはいったいどうなっているのだろうか?
細谷 「大きく分けて5つの柱があります。1つは、番組を配信したいというユーザーに、スタジオを有料で提供することで、利益を生み出しています。いわば、カラオケボックスなどと同じ“施設利用”のビジネスですね。2つめに、富士急ハイランドやブックオフなどのCMを放送することによって、広告収入も獲得しています。3つめは、エンタメビジネスマッチングです。映画、CM、舞台、音楽など、エンターテイメントビジネスのマッチングですね。メディアと言う性質上、キャスティング案件が相当数入って来ますので、ニーズに合わせてマッチングをしています。4つめが物販。いわいる番組の映像販売や番組限定グッズの販売です。そして最後に、この秋にオープンする『WALLOP YELL』というサービス。これは分かりやすく言うと、クラウドファンドです。支援者から資金を募り、やりたいことを形にする。番組とも連動しています。ビジネスモデルとしてはこの5本柱で運営されています」
そんな「WALLOP」で、「今イチバン熱い番組です!」と細谷氏が力説するのが、隔週月曜日に放送されている『KENJIに聴かせてよ!』という番組。新進気鋭のおネエキャラ・KENJIさんが、ゲストに招かれたイケメンたちとともに、視聴者の恋愛や性の悩みに答えていくお悩み相談バラエティだ。
【WALLOP】
http://www.wallop.tv/
【KENJIに聴かせてよ!】
http://www.wallop.tv/?cpt_discography=kenjiに聴かせてよ
【KENJIアメブロ】
http://ameblo.jp/threesmilesmilesmile/entry-11652099366.html
では、そんな「WALLOP」の気になるビジネスモデルはいったいどうなっているのだろうか?
細谷 「大きく分けて5つの柱があります。1つは、番組を配信したいというユーザーに、スタジオを有料で提供することで、利益を生み出しています。いわば、カラオケボックスなどと同じ“施設利用”のビジネスですね。2つめに、富士急ハイランドやブックオフなどのCMを放送することによって、広告収入も獲得しています。3つめは、エンタメビジネスマッチングです。映画、CM、舞台、音楽など、エンターテイメントビジネスのマッチングですね。メディアと言う性質上、キャスティング案件が相当数入って来ますので、ニーズに合わせてマッチングをしています。4つめが物販。いわいる番組の映像販売や番組限定グッズの販売です。そして最後に、この秋にオープンする『WALLOP YELL』というサービス。これは分かりやすく言うと、クラウドファンドです。支援者から資金を募り、やりたいことを形にする。番組とも連動しています。ビジネスモデルとしてはこの5本柱で運営されています」
そんな「WALLOP」で、「今イチバン熱い番組です!」と細谷氏が力説するのが、隔週月曜日に放送されている『KENJIに聴かせてよ!』という番組。新進気鋭のおネエキャラ・KENJIさんが、ゲストに招かれたイケメンたちとともに、視聴者の恋愛や性の悩みに答えていくお悩み相談バラエティだ。
KENJI 「普段、あんまり人に話せない悩みに対して、イケメンのゲストとともに私がしっかりアドバイスをしています。もちろん、茶化したり下ネタにすることはありません! 好きな人がいるんだけど……という恋の悩みや、セックスがうまくいかない……という悩み、ゲストに対する『どんなプレイが好き』といった質問までさまざまです」 MCを務めるKENJIさんは、もともと大手芸能事務所でアイドルのマネージャーをしていたという人物。現在は女性からのアドバイスに乗りながら、心の汚い女性=汚ブスを研究する『汚ブス研究家』として、女性が心から美しくなるアドバイスをしている。 KENJI 「怒る時はガチで怒ります! そうすると、相手も涙を浮かべながら聞いてくれるんです。今の若い子はあまり怒られることに慣れていないから、男性に怒られるとすぐに反発する。けれども、オネエだったら、同性ということもあり、ショックが軽減されて心にもしっかり響くんです」 番組を持ったことがきっかけで、女子会に呼ばれアドバイスを求められることが多くなったというKENJIさん。「ド素人でも、やってみたら意外とできちゃうんですね」と、その反響にいたくご満悦のようだ。では、KENJIさんはいったいどんな番組を目指していきたいのだろうか? KENJI 「性の悩みは、誰にも相談できないちょっとネガティブなものですが、そんなネガティブなモノをポジティブな方向に変えていきたいんです。どんな“汚ブス”でも、あたしと出会ったからにはなんとかしてあげます。WALLOPをきっかけに、日本の汚ブスをキレイにしていくのが私の役目なんです!!」 と、鼻息荒く語るその展望は計り知れない……。 特に若者を中心にテレビ離れが進んでおり、ネットのコンテンツは広がりを見せる一方。「WALLOP」をはじめとする新たなネットメディアが、テレビに代わって、日本文化を支える日も近いかもしれない。KENJI
【WALLOP】
http://www.wallop.tv/
【KENJIに聴かせてよ!】
http://www.wallop.tv/?cpt_discography=kenjiに聴かせてよ
【KENJIアメブロ】
http://ameblo.jp/threesmilesmilesmile/entry-11652099366.html













