17日現在、Twitter上では、「ジャンプが売ってない!」「コンビニを何軒も回ったのに……」「まさか、こんなことになるなんて」「つ、つらい……」「手が震えてきた」などといった嘆きのツイートであふれている。 発行部数280万部以上を誇り、日本一売れているコミック誌として知られる「週刊少年ジャンプ」(集英社/毎週月曜発売)だが、山梨県を中心とした大雪の影響で流通が乱れ、17日の発売日に届かない書店やコンビニが全国で続出。店舗では、「大雪の影響で入荷は明日となります」といった貼り紙が貼られるなど、対策が取られているようだ。 「地域によっては、『ジャンプ』だけでなく、『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)や、『週刊ヤングマガジン』(講談社)、『週刊 東洋経済』(東洋経済新報社)、『週刊 ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)など、多くの雑誌が“発売予定日に売っていない”という事態に陥っているようです。特にジャンプ読者は、毎週月曜に必ず購入することが“長年の習慣”となっている人も多く、そのため、『月曜にジャンプが手元にないだけで、こんなに不安だなんて』『<黒子のバスケ>や<暗殺教室>の続きが気になって、授業に集中できない』など、いつもと違う月曜日に、そぞろ心の人も多いようですね」(出版関係者) 同誌は、2011年の東日本大震災の際、被災地を中心に配送が遅れるなどしたため、ネット上でコミックを無料配信するなどの緊急処置を取ったことが話題となったが、今回の騒動はそれ以来の混乱といえそうだ。「週刊少年ジャンプ No.12」(集英社)
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伝説のCIA捜査官“ジャック・ライアン”新シリーズ始動!『エージェント:ライアン』
今週取り上げる最新映画は、リブート版『スター・トレック』シリーズのカーク船長役でおなじみ、クリス・パインがCIAエージェントに扮するスパイアクションと、モデル出身の新星マリーヌ・バクトが惜しげもなく裸身をさらす、美しくも切ないフランス製青春ドラマ。若きスターたちのフレッシュな輝きが楽しめる2作品だ(いずれも公開中)。 『エージェント:ライアン』は、米ベストセラー作家トム・クランシーが手がけた人気連作で、過去に4度映画化された“ジャック・ライアン”シリーズの最新作。表向きはウォール街の投資銀行に勤めるライアン(パイン)は、実は経済テロ阻止を目的とするCIAアナリストとして活動している。ある日、モスクワの投資会社の不審な動きを察知したライアンは、上官ハーパー(ケビン・コスナー)の命令でモスクワへ。スパイ経験ゼロのライアンだが、ハーパーと婚約者キャシー(キーラ・ナイトレイ)に助けられながら、持ち前の情報分析力と行動力で困難なミッションを遂行していく。 英国が誇る名優ケネス・ブラナーが監督を務め、自らもテロを首謀する悪役として出演。コスナーとともに、重厚な演技で若い主役を巧みにサポートしている。過去の映画化作品では敵とのインテリジェントな攻防が見どころだったが、本作はむしろ『007』や『ミッション:インポッシブル』といった人気スパイシリーズにならってアクションを主眼に置いた印象。とはいえ、敵オフィスに侵入しチームワークでデータを盗み出すシーンなど、スタイリッシュな演出も随所に光る。スパイの訓練を積んでいないライアンが格闘やカーチェイスで活躍しまくるなど、少々ご都合主義的な展開が気になるが、新シリーズ始動という位置づけなので、続編以降でより説得力あるヒーローに成長することを期待つつ見守りたい。 『17歳』(R18+)は、『スイミング・プール』(2003)のフランソワ・オゾン監督が、少女から大人の女へとうつろう17歳の性を描いた作品。裕福な家庭に育ちパリの名門高校に通う17歳のイザベルは、家族と訪れたリゾート地のビーチで初体験を済ませる。パリに戻り、学校帰りに男から声をかけられたことがきっかけで、不特定多数の男たちを相手に売春を重ねるようになったイザベル。だがある日、ホテルのベッドで初老の常連客と行為の最中、事件が起こる。 主役を務めたマリーヌ・バクトは、イヴ・サンローランのCMモデルで注目を集めた、凛々しい顔立ちの正当派美女。長編初主演の本作で、ぜい肉のない伸びやかな肢体のフルヌードと大胆なベッドシーンを存分に披露。理由なき売春行為に対するオゾン監督流の問題提起への答えは、観客に委ねられている。『スイミング・プール』にも出演したベテラン女優シャーロット・ランプリングの存在感、美少女との残酷な対比も見逃せない。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『エージェント:ライアン』作品情報 <http://eiga.com/movie/77992/> 『17歳』作品情報 <http://eiga.com/movie/79373/>Photo Credit: Anatoliy Vorobev /(c) MMXIII Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved./2月14日(金)先行公開、2月15日(土)全国公開
ダウンタウン・松ちゃんも特許出願してた!? 笑えて学べる『すばらしき特殊特許の世界』
発明品の権利を独占できる「特許」。“特許を取って、一発大儲けしたい!”と、一度は考えたことがある人も多いのではないだろうか? 本書『すばらしき特殊特許の世界』(太田出版)は、ただの特許の話ではない。少し変わった発明者・出願人、技術の内容や解釈、権利の範囲が“普通じゃない”、特殊な特許のみを集めて紹介している。 著者の稲森謙太郎氏は、科学技術ジャーナリストであり、知的財産権と呼ばれる特許権、商標権、著作などについて、オモシロおかしく伝える第一人者。本書では、特許庁が特許出願の1年6カ月後に発行している「公開公報」を入手し、出願された内容を分析。さらに、発明者や出願人にコンタクトを取り、彼らの話を元に、出願された特許の内容を解説している。許可が下りたものはもちろん、下りなかったものについても扱っている。 その中でも気になったのは、バンダイナムコゲームスと秋元康事務所が、現在進行形で共同出願中らしい、「AKBをフッてフッてフリまくれ!」のキャッチコピーで大きな話題になった『AKB1/48 アイドルと恋したら』の恋愛妄想ゲームシリーズ。「公開公報」によると、はっきりとゲーム名は書かれていないようだが、「本命の女性を決めて、ほかの女性をフリまくる」というコンセプトが記されている。また、恋愛シミュレーションゲームの進め方や、グッドエンディング演出の概念図など、特許取得のために提出された図解があれこれと掲載されており、どうやら本当に特許出願されているようだ。 また、なんとダウンタウンの松本人志氏も特許の出願をしているらしい。さかのぼること、およそ20年。1993~96年まで放送されていた、発明バラエティ『発明将軍ダウンタウン』(日本テレビ系)を覚えているだろうか? 素人発明家や松本氏自身が考え出したオモシロ発明品を紹介する番組で、よくもこんなモノを大真面目に作ったなと爆笑していた記憶がある。けれど、あの番組に特許になりうるような発明品なんてあったっけ……? と、首をかしげたが、さすがは松本氏。確かに、特許になりそうな発明を考えていたのだ! 著名人の発明以外にも、阪急不動産と竹中工務店が共同出願した大阪駅前の巨大観覧車ビル、葬式のやり方や、夫婦が別れることのない指輪など、ユニークな特許ネタがぎっしり。 本編の合間には、アップルVSサムスンの行方や、アンジェリーナ・ジョリーと遺伝子特許などについて書かれたコラムも8本あり、かなり読み応えがある。一般人にはあまり縁がない、トンデモな特許の世界を覗き見してみよう。 (文=上浦未来) ●いなもり・けんたろう 1970年東京都生まれ。科学技術ジャーナリスト、弁理士、米国公認会計士。94年、横浜国立大学大学院工学研究課博士前期課程修了(工学修士)。大手電気機器メーカーにて、ソフトウェア関連発明の権利化業務、新規事業領域における戦略的提携の立案、グローバル研究開発や産官学連携の推進などに携わる。特許権、商標権、著作権などの知的財産権(知財)関連の小難しい話を楽しくわかりやすく伝える、知財啓蒙の第一人者。主な著書に、『勝手に使うな! 知的所有権のトンデモ話』(講談社+α新書)、『女子大生マイの特許ファイル』(楽工社)がある。『すばらしき特殊特許の世界』(太田出版)
2人の天才F1ドライバーが織り成す、人生ドラマ『ラッシュ プライドと友情』
今週紹介する最新映画は、極限の世界で命を賭して闘う男たちを描く、骨太でスリル満点の2作品。主人公らと一緒に体の芯からアツくなれる、この季節にうってつけの娯楽作だ(いずれも公開中)。 『ラッシュ プライドと友情』は、『ビューティフル・マインド』(01)のロン・ハワード監督が、2人の天才F1ドライバー、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの戦いと絆を描くヒューマンドラマ。大胆な走りが身上で享楽的な人生を満喫するハント(クリス・ヘムズワース)と、メカに精通し緻密なコース攻略を追求するストイックなラウダ(ダニエル・ブリュール)は、F3での初対決以来、互いに対抗心を燃やす。先にF1に移りフェラーリのチームで1975年の世界選手権を制したラウダに対し、ハントは76年、マクラーレンのドライバーとして挑む。シーズン中盤まで快調に首位を走るラウダだったが、悪天候のドイツGPで大事故に遭いひん死の重傷を負う。奇跡的に6週間で復帰したラウダと、わずかなポイント差で迫るハント、2人の優勝争いは最終戦の日本GPに持ち越される。 ハワード監督作品には『アポロ13』(95)、『フロスト×ニクソン』(08)など、実話に基づく傑作ドラマが多い。本作でも、生き方も走りも好対照なライバル同士、ハントの主張で強行されたレースでラウダが重傷といった具合に、創作以上にドラマチックな2人の関係を印象的に再現してみせた。レース場面には1シーンに30台以上のカメラが駆使され、地面すれすれを時速300キロで疾走するF1ドライバーの世界を疑似体験させてくれる。好敵手2人が織り成す人生のドラマと大迫力のレースシーンが見事に融合した本作、車マニアに限らず広く映画ファンにオススメしたい。 もう1本の『スノーピアサー』は、『殺人の追憶』(03)、『グエムル 漢江の怪物』(06)で知られる韓国の鬼才ポン・ジュノ監督が、欧米のキャストで描く近未来SFエンタテインメント。2014年、地球温暖化を防止するため、各国の上空で薬品を散布したことで、地球上は逆に寒冷化してしまい氷河期を迎える。それから17年後、わずかな生存者らは「スノーピアサー」と呼ばれる列車の中で暮らし、地上を移動し続けていた。列車の前方で贅沢な生活を送る一握りの上流階級に対し、後方車両の劣悪な環境に押し込められる貧しい人々。最後尾車両で革命の時機を待っていたカーティス(クリス・エバンス)はある日、仲間と決起して前方車両を目指すが……。 ポン・ジュノ監督にとっては初の英語作品で、原作はフランスのグラフィックノベル。凍てついた地球上のレールを保守の人員もなく十数年も走り続ける列車なんて、鉄ちゃんでなくても設定に疑問を抱きそうだが、劇中で一応の説明はされている。細かいことは気にせず、弾丸列車という閉環境の中でダイナミックに展開する下克上のドラマとアクションを楽しもう。エド・ハリスらハリウッドスターの出演も話題で、とりわけ、本来クールな美女のティルダ・スウィントンが別人と見まがうほどの特殊メイクで悪役を怪演しているのは必見。余談めくが、本作主演のクリス・エバンスはキャプテン・アメリカ役で、またクリス・ヘムズワースはソー役として『アベンジャーズ』(12)で共演しており、マーベルヒーローに扮する若手スター2人が活躍の場を広げている例として、今週取り上げた2作品を見比べるのも一興だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ラッシュ プライドと友情』作品情報 <http://eiga.com/movie/78315/> 「スノーピアサー」作品情報 <http://eiga.com/movie/78218/>(C)2013 RUSH FILMS LIMITED/EGOLITOSSELL FILM AND ACTION IMAGE.ALL RIGHTS RESERVED.
業界からも非難の声! 氾濫する日本向け無修正配信サイトがAVを衰退させる
『龍が如く』×「はなまるうどん」の衝撃コラボ! ゲーム内のメニューが実店舗で食せるって!?
実在する歓楽街をブラ歩き、出くわす敵とケンカバトルを繰り広げる豪快な戦闘ゲーム『龍が如く』。その最新作、幕末の京都を舞台とする『龍が如く 維新』では、讃岐うどんの名店「はなまるうどん」との初のタイアップが実現。ゲーム中に登場するうどんが、リアル世界でも期間限定販売されることになった。その名も「はなまる特製 龍うどん」。その試食会に参加してきた。 「はなまる特製 龍うどん」は、通常メニューの牛肉温玉ぶっかけに、人気メニューのカレーをトッピングしたボリューム満点の最強アイテムだ。果たしてその味は?「はなまる特製 龍うどん」小500円 2月3日から1カ月間の期間限定販売 ※価格は税込み。一部店舗では価格が異なります
甘辛く煮込まれた牛肉と温玉、そして、具沢山のおふくろの味系カレーがトッピングされたぶっかけうどんは、日本人なら目でも「うまさ」が味わえるたたずまいの一杯だ。 トロトロに煮込まれたつゆだくの牛肉に、温玉の黄身をたっぷりからめて頬張ると、口中にまろ味の衣をまとったすき焼き風牛肉のしあわせの味が広がる。 そこに、人気のカレーをからませたうどんを一気にすすり上げる。と、牛、玉、カレーが三位一体となり、リア充なエクスタシーが訪れる。マズイわけない。そう、マズイわけがないのだ!パーカーにライダースジャケット姿で登場した名越稔洋総合監督(セガ)。「ボリュームあって、うまいね」
いわゆる汁うどんではなく、ぶっかけうどんにカレーがまとわりついているので、すすり上げるにも力強い吸引力が必要。「ズリュ、ズリュリュッ……」と、汁をほとばしらせて豪快にすすり上げられるカレーうどんのその様は、まさに、黄金色の暴れ龍が昇天するが如し! トッピングは巨大なゲソ天が合いそう。 たいへん、うもうございました。「はなまる特製 龍うどん」大は丼から溢れそう 700円 麺は小3玉分 総量約1kg

ゲーム内のはなまるうどん店舗
キャリア史上最高にホットで過激なディカプリオに大興奮『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
今週取り上げる最新映画2本は、実話ベースとフィクションの違いはあれど、どちらも人並み外れた“パワー”の持ち主が主人公。スクリーンから飛び出すほどの壮大なハジケっぷりに、唖然としつつ興奮し、勇気と活力をもらえるはずだ。 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(公開中、R18+)は、マーティン・スコセッシ監督がレオナルド・ディカプリオと組み、実在の株式ブローカーの栄光と転落をセンセーショナルに描いたドラマ。学歴も金もコネもないが野心だけは人一倍のジョーダンは、22歳でウォール街に飛び込むも、正規ブローカーの資格を得た途端に株価大暴落の余波で失職。くじけないジョーダンは、ペニー株(ボロ株)の仕事をきっかけに、巧みな話術で着々と成り上がる。26歳で証券会社を設立し、素人の創業仲間たちにノウハウを伝授して急成長、年収は49億円に。酒、ドラッグ、高級コールガールの豪遊をエスカレートさせるジョーダンだったが、政府機関から目をつけられ、やがて破滅を迎える。 ディカプリオとスコセッシ監督のタッグは実に5度目で、その中の『ディパーテッド』はアカデミー賞で作品賞を含む4部門を獲得。今作でも同賞主要5部門にノミネートされている。ウォール街の若きカリスマに扮したディカプリオは、部下を鼓舞するエネルギッシュなスピーチ、フルヌードでのベッドシーン、バッドトリップしてはいずり回る場面など、キャリア史上最高にホットで過激な演技を披露。タガが外れた金融資本主義を体現する破滅型キャラクターを、シニカルな笑いも交えて提示するスコセッシ監督の、71歳にして枯れるどころかますますスキャンダラスなテーマにチャレンジする創作意欲にも圧倒される。 『マイティ・ソー ダーク・ワールド』(公開中、2D/3D上映)は、マーベル・コミックのスーパーヒーローを映画化した『マイティ・ソー』の続編。ロンドンで原因不明の重力異常が発生し、調査に訪れた天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、地球滅亡の鍵となる「ダーク・エルフ」の力を宿してしまう。恋人のジェーンを救うため、ソー(クリス・ヘムズワース)は彼女を連れて神々の国アスガルドに戻る。だが、そのせいで故郷を危機に陥れてしまったソーは、弟で宿敵でもあるロキ(トム・ヒドルストン)に協力を求める。 マーベルの人気ヒーローたちが集結し、世界的大ヒットを記録した『アベンジャーズ』から1年後が舞台。アイアンマン、ハルクといったヒーロー軍団を苦戦させた敵キャラのロキが、今作ではソーと共闘するという意外な展開がファンを楽しませてくれる。前作から出番は減ったものの、浅野忠信も引き続きアスガルドの戦士ホーガン役でアクションを披露。一方で、「キミに逢えたら!」のカット・デニングスは、色っぽいボケキャラの助手役で前作より出演シーンが大増量。ともすると人類が置いてけぼりになりかねない神々の壮大すぎる戦いの合間に、ほどよい人肌感で笑いと恋愛要素を提供している点がうれしい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』作品情報 <http://eiga.com/movie/78790/> 『マイティ・ソー ダーク・ワールド』作品情報 <http://eiga.com/movie/77785/>(C)2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
名匠・山田洋次が、監督作82本目で初めて描く“家族の秘密”『小さいおうち』
今週取り上げる最新映画は、ミステリアスな人間ドラマと、ファンタジックなヒーローアクションの邦画2作品。スタッフ・キャスト共に、日本映画界の多彩さと可能性を伝える充実の2本だ(いずれも公開中)。 『小さいおうち』は、山田洋次監督が中島京子の直木賞受賞のベストセラー小説を映画化。昭和初期、山形から上京してきた娘タキ(黒木華)は、東京郊外に建つ赤い屋根の小さな家で女中として働き始める。玩具会社に勤める主人の平井雅樹(片岡孝太郎)、妻の時子(松たか子)、息子の恭一と共に穏やかな日々を送っていたが、雅樹の部下・板倉(吉岡秀隆)が平井家に出入りするようになってから、時子の心が板倉へと傾いていく。それから60数年がたった平成の時代、晩年のタキ(倍賞千恵子)がノートに記した自叙伝を読んだ親戚の若者・健史(妻夫木聡)は、封印されていた真実を知る。 『男はつらいよ』シリーズなどで家族の絆を描き続けてきた名匠・山田洋次が、監督作82本目で初めて“家族の秘密”に迫った。小さい家の人々の暮らしぶりを通じて、好景気に沸く日中戦争の頃から言論統制と監視社会の第2次世界大戦期までを描き、右傾化する平成のこの時期にメッセージを投げかける時代感覚にもうならされる。『シャニダールの花』(2013)の新進女優・黒木華が、限りなく主演に近い助演で、純朴だが芯の強さを秘めたタキ役を確かな存在感で表現。山田組常連の名優たち、演技派の共演陣らによるぜいたくなアンサンブルも味わい深い。 もう1本の『ヌイグルマーZ』は、『片腕マシンガール』(08)、『電人ザボーガー』(11)の井口昇監督が、中川翔子主演で描く特撮アクションコメディ。地球でテディベアに寄生した宇宙生命体が、自分をブースケと呼ぶ響子(市道真央)を守ること誓う。響子の母・冬子(平岩紙)を頼り、妹の夢子(中川翔子)が居候することになるが、何をやってもダメな夢子をブースケは叱咤激励。やがて謎の組織がゾンビを大量発生させて人類滅亡を企て、魔の手が響子に迫ったとき、夢子とブースケが合体し、全身ピンクのヒーロー「ヌイグルマー」に変身する。 大槻ケンヂが手がけた楽曲「戦え!ヌイグルマー」の詞の世界が本作の起点となり、特異なセンスで特撮映画を更新する奇才・井口監督によって、オタクの夢、ヒーロー愛がたっぷり詰まった映画が実現した。中川が映画初主演を果たし、『デッド寿司』(12)に続いて井口作品登場の若手アクション女優・武田梨奈が、悪役キル・ビリーと変身後のヌイグルマーの二役を熱演。個性豊かなキャストが集い、スタッフらが楽しみながらオリジナリティーあふれる映画を作ろうという姿勢が伝わってきて、ジャンル映画のファンを幸福な気分にしてくれる。特撮ヒーロー物の王道を踏襲しつつ、満たされない者、日陰者へのシンパシーが現代社会へのリンクを提示している点も見逃せない。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『小さいおうち』作品情報 <http://eiga.com/movie/77840/> 『ヌイグルマーZ』作品情報 <http://eiga.com/movie/78606/>(C)2014「小さいおうち」製作委員会
『風の谷のナウシカ』が現実になる日は近い――? 倉本聰『ヒトに問う』
『ヒトに問う』(双葉社)読了後、頭に浮かんできたのは『風の谷のナウシカ』だ。ジブリ作品の多くは、現代社会にあふれるコンクリートジャングルではなく、森や空などの自然が中心に描かれている。そんな主観的形象があり、『風の谷のナウシカ』も現代社会とは違う、ある種のパラレルだと思っていた。 だが、そうではない。第一話には、こんな冒頭文が添えられている。 「ユーラシア大陸の西のはずれに発生した産業文明は、数百年のうちに全世界に広まり巨大産業社会を形成するに至った。大地の富をうばいとり大気をけがし、生命体をも意のままに造り変える巨大産業文明は、1000年後に絶頂期に達し、やがて急激な衰退をむかえることになった。『火の7日間』と呼ばれる戦争によって、都市群は有毒物質をまき散らして崩壊し、複雑高度化した技術体系は失われ地表のほとんどは不毛の地と化した」 『ターミネーター』が、人間が社会の機械化を進めたゆえに生んだ怪物ならば、『風の谷のナウシカ』は、人間の欲が生んだ地球の生態系の崩壊といえる。本書の著者・倉本聰氏は、それが現実のものになるかもしれない、と警鐘を鳴らす。 『北の国から』などの脚本家と知られ、30年以上前から北海道の富良野に住み、自然破壊や崩壊した社会秩序について作品を通じて問題提起している倉本氏。本書は、3.11で壊滅した福島を歩き、今後の日本のあるべき姿について2年半にわたり書き綴った、渾身のメッセージ本だ。 「最悪の場合、首都圏の3000万人が避難対象となることを想定していた」(菅直人元首相)という福島第一原子力発電所事故。その恐ろしさから、脱原発を訴える人も少なくないが、その先に新たな代替エネルギーを求めていることに、倉本氏は疑問を呈する。「エネルギー量そのものを減らすことしか根本的解決策はない」と。 倉本氏の代表作である『北の国から』には、こんなやりとりがある。「電気がなかったら暮らせない」という純に対し、「夜になったら寝るんです」と父・五郎が返すシーンだ。 屁理屈にも聞こえるかもしれないが、夜になったら寝るというのは人間の本能的な行動だ。東京ベイ浦安市川医療センター長の神山潤氏も「早起き 早寝 生活リズム」(http://www.hayaoki.jp/gakumon/gakumon.cfm)で推奨している。睡眠をはじめ、食事や排泄など人間本来の行動を基本としなければ、体は蝕まれていく。減少傾向にある睡眠時間を増やすだけで、BMI(メタボリックシンドローム)が下がるというデータもある。それなのに、生活が改善されないのには理由がある。それは、人間の欲だ。 私自身、南アフリカW杯の取材で現地に滞在した際、夜間出歩けないことにストレスを感じた。私が宿泊したホテルは簡易的な朝食会場しかなく、夕食がとれるレストランは併設されていない。FIFAメディアセンターにあるのは、舌に合わない日替わりのもの(まれにおいしい食事があるが)か、チーズバーガー。食事をとりに外出したいが、電灯も少なく、治安の悪い南アフリカでは危険極まりない。睡眠、食事、排泄は確保されているものの、どこか満たされない。そんな生活が3週間を超えると、ストレスがたまってくる。食べたいものを食べたい。開放的な空間で過ごしたい――。人間の欲望はキリがない。本書も、そんな現代人の性(さが)を浮き彫りにする。 こんな興味深いデータがある。これからの人間生活のあり方について、京都府宮津市の講演会場で約800人に問うたところ、一般市民90%が「過去に回帰する」ことを選んだ半面、高校生の70%が「現在享受している生活を捨てられない」と答えたという。また、渋谷の若者に生活必需品を聞くと、1位:金、2位:ケイタイ、3位:テレビ、4位:車という回答だったのに対し、富良野塾(倉本による脚本家や俳優の養成施設)では、1位:水、2位:火、3位:ナイフ、4位:食料という結果だったと記されている。「若者達は生まれた時から恵まれた暮らしと便利さがあり、それのない生活は考えられないのだ」と倉本氏が指摘しているように、現代人が過去の生活に戻るのはそう簡単なことではない。私自身もそれに当てはまるから耳が痛い。 だからこそ、いま一度、真剣に考えるべきだと思う。「ヒトが生きるために何が必要なのか」という、根本的なことを。本書は、便利さ豊かさを享受しすぎた日本人の目を覚ます一冊になるだろう。 (文=石井紘人@FBRJ_JP)『ヒトに問う』(双葉社)
スキャットマンが再ブレイクの兆し!? 「プッチンプリン」ギネス世界記録(TM)達成との、意外で懐かしい関係!

この顔に見覚え、ある?
このスキャットマンフィーバーに驚きを隠せないのが、当のグリコ乳業だ。 「まさかこんなに長い間愛され続けるCMソングになっていたとは思いませんでした」 そう語るのはマーケティング本部の伊吹亮一さん。 「1年ほど前にギネス世界記録(TM)認定についての記者会見を行った際、スギちゃんに来ていただいて『エブリバディ・プッチン』という言葉を合図に記者全員で一斉にプッチンをしました。この合図に関しては何も打ち合わせはしていなくて、たぶんCMソングのワンフレーズがスギちゃんの中に残っていたため、その一言が自然に出てきたのだと思っています」 90年代に青春を送った(と思われる)スギちゃんが発した、何気ない一言がきっかけとなったのかどうかは分からないが、その後ニュースを見た消費者の間でも当時のCMやスキャットマンの話題で持ちきりだったという。おなじみのプッチンプリン
「ニュース報道後、インターネットでは“スキャットマンを思い出す”とか、“『エブリバディ・プッチン』が世界に認められた”とか、当時の記憶を引っ張り出してくれてる方が大変多くいらっしゃいました。実際にアンケートを取ってみても、多くの方が覚えていてくださって、スキャットマン・ジョンさんの『プリプリ・スキャット』もプッチンプリンというブランドの大切な資産だと思い知らされました」 当時、CM制作に関わった関係者はスキャットマン・ジョン起用の経緯を以下のように語る。 「当時、プッチンプリン=国民的プリンというブランドイメージを確立するために『エブリバディ・プッチン』というコンセプトのもとCM企画をスタートしました。そこで王道感のある明るさ、元気感、今どき感のある企画を検討する中で、当時日本でも流行しつつあったスキャットマン・ジョンさんのスキャットと、プッチンプリンの『パ行』の音がマッチしたところからタイアップが決定しました。ただし、当時スキャットマン・ジョンさんの衣装が黒色だったので、明るく清潔感のある白色のスーツを着てもらい、さらに子供たちと共演していただくことでプッチンプリンの楽しい世界観を作りました」 また、伊吹さんはスキャットマン・ジョンが出演していたCMについてこう語る。 「プッチンプリンは『プッチンHappy』というコンセプトを大切にしています。プッチンプリンはデザートなのでおいしいというのは当たり前で、さらに楽しくないといけない。プッチンしてお皿に落とす、という楽しくてわくわくするエンタメ要素を重視しているのですが、その世界観をうまく表現できていたCMだったと思います」 思えばスキャットマン・ジョンは大ヒット曲「Scatman’s World」の中で、誰もが平等にハッピーになれる世界を「スキャットランド」と命名し、そこからスキャットマンは我々にメッセージを発し続けていると歌っていた。 そういう意味ではプッチンプリンの目指すハッピーな世界と、スキャットマン・ジョンが高らかに歌い上げた理想郷は非常に近しい世界観だったのではないのだろうか。 さてギネス世界記録(TM)認定という栄誉を獲得したプッチンプリンだが、このニュースを受けてグリコ乳業社内もますます活気づいているそうだ。グリコ乳業株式会社マーケティング本部の伊吹亮一さん
プッチンプリンは1月20日より独自のプルル~ン食感をさらにアップさせ新登場。また、同日新たに、ママも安心お子さまの事を考えた「プッチンプリン for Kids」が発売される。その他にもいちごプリンとの二層構造の「クリーミーいちごミックス」。手づくりで1kgのプッチンプリンが作れる「手づくりプッチンプリン」など、意欲的な商品ラインナップとなっている。 「私たちには、プリンのユーザーをできるだけ拡大したいという気持ちがあります。また、まだプッチンプリンが届いていない人のもとに届けていきたいと思います。ギネス世界記録(TM)に認定され、日本を代表する国民的プリンに成長しましたが、まだまだ進化し、成長していくと信じています。『プッチンHappy』というコンセプトを大切にしながら、これからもお客様にワクワク感や楽しさをお届けすべくチャレンジしていきたいと思います」(伊吹さん) まさにプッチンプリンの可能性は無限大。2014年もプッチンプリンは様々な展開を繰り広げていくそうだ。 個人的には、「プリプリ・スキャット」に合わせていろんな人が軽快なダンスを披露するCMをまた見てみたいんですが……いかがでしょうか、グリコ乳業さん! (文=有田シュン)プッチンプリン for Kids
プッチンプリン クリーミーいちごミックス











