『ベイマックス』日本文化へのリスペクトに涙──2015年は、お正月映画が熱い!!

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(C) 2014 Disney. All Rights Reserved./配給: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
 2015年お正月映画を特集する今回は、幅広い世代が楽しめる多彩な魅力の話題作から、小粒ながらも強烈なインパクトを放つ力作まで、個性的な4作品を紹介していきたい(いずれも公開中)。  『ベイマックス』(2D/3D上映)は、ディズニー映画史上最も強く日本文化への敬愛が表現された長編アニメ。サンフランソウキョウに暮らす14歳の天才少年ヒロは、火災で命を落とした兄が遺したケアロボット「ベイマックス」に支えられ、失意から回復する。兄の死にかかわる陰謀を知ったヒロは、ベイマックスに戦闘用の装備とプログラミングを加え、兄の研究仲間と共に巨悪に立ち向かうが――。大きくてフワフワなベイマックスと日系人を思わせる主人公の関係が『となりのトトロ』(1988年)を参照していることをはじめ、日本のポップカルチャーへの言及、サンフランシスコと東京をミックスしたような未来都市など、日本人が見たら嬉しくなる要素が盛り沢山だ。  『バンクーバーの朝日』は、第2次世界大戦前のカナダで活躍した日系移民の野球チームの実話を、石井裕也監督が『ぼくたちの家族』(14年)に続いて、妻夫木聡主演で映画化した感動作。20世紀初頭、カナダへ渡った多くの日本人が過酷な労働や差別に苦しむ頃、日本人街に野球チーム「バンクーバー朝日」が誕生した。当初は体格で上回る白人チーム相手に負け続けるが、バントと盗塁を多用する頭脳的な作戦とフェアプレーで勝利を重ねるように。チームは日系移民たちに希望をもたらし、白人社会からも評価されるが――。米メジャーリーグでのイチローの活躍を、半世紀以上前にカナダの野球界で先取りしていたような、実話ベースのストーリーが興味深い。亀梨和也、池松壮亮、宮崎あおい、佐藤浩市ほか共演陣も豪華。撮影のために野球場、日本人街、白人街のセットを建設したというスケールの大きさも、映像から確かに伝わってくる。  『バッド・マイロ!』(R15+指定)は、潔いほどにB級テイストを追求したホラーコメディながら、モンスターの愛らしいルックスと、感動的な絆の物語にハマる人続出の異色作。嫌味な上司に配置換えされ、同僚らにリストラを言い渡す担当になったダンカンは、ストレスから猛烈な腹痛に何度も襲われ、そのたびに気を失ってしまう。時を同じくして、身近な人が惨殺される事件が相次ぐ。ほどなくダンカンは、自分の腸にできた腫瘍がモンスター「マイロ」となって体外に飛び出し、ストレス原因の相手を殺していたことを知る――。『E.T.』(82年)のエイリアンに似た外見につぶらな瞳がキュートなマイロと、主人公が親子のように心を通わせてゆく展開がバカバカしくも泣かせる。  『百円の恋』(R15+指定)は、『イン・ザ・ヒーロー』(14年)の武正晴監督、『かぞくのくに』(12年)の安藤サクラ主演でアラサー女性の自立と成長を描く意欲作。実家に引きこもり自堕落な生活を送っていた32歳の一子は、子連れで出戻ってきた妹と大げんかして、アパートで一人暮らしを始める。100円ショップで深夜勤務の職を得た一子は、近所のボクシングジムに通う中年ボクサー・狩野と出会い、恋をするが――。タイトルから予想される通り、底辺で暮らす女性のささやかな恋愛が進行する前半から一転、後半はスポ根ドラマのような展開に。脚本のシフトチェンジに伴い、みるみる変貌する安藤サクラの演技が圧巻だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 「ベイマックス」 <http://eiga.com/movie/80460/> 「バンクーバーの朝日」 <http://eiga.com/movie/79991/> 「バッド・マイロ!」 <http://eiga.com/movie/81279/> 「百円の恋」 <http://eiga.com/movie/80512/>

東京 vs 大阪! 造幣局の博物館は東西どっちが楽しい!?

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 家の近所に造幣局がある。大阪市北区・造幣局本局だ。東京に住んでいた頃の住まいは豊島区池袋付近で、こちらにも造幣局の東京支局があった。と、冒頭から個人的な話ですみません。  とにかく、家の近くにいつも造幣局があることに何かの縁を感じた。お金にはまったく縁がないが。造幣局には「造幣博物館」が併設されていて、造幣の仕組みがわかるようになっている。そこで、ふと思いついた。東京と大阪、とかく比較されがちな二つの都市を「造幣局の博物館」というミクロな視点からバトルさせてみてはどうだろうか!  というわけで、まずは大阪にある造幣局本局へ。  近代国家としての貨幣制度を確立させるため、1871年にこの大阪市北区に建設された日本初の造幣局。なぜ東京ではなく大阪だったのか、という点については、当時江戸の治安が悪かったこと、大阪遷都論があったこと、などの諸説があり、どれが正解ということは分かっていないらしい。  博物館への入場は無料。入口で名前を書けば簡単に入ることができる。敷地に入ると、さすが本局だけあって、とにかく歴史の深さを感じる。明治4年に実際に使われていたガス燈がポンと立っていたり、明治9年に工場に取り付けられたという時計が動いていたり。  施設内では貨幣が製造されていく工程が解説されており、500円玉がジャンジャンできていく映像がモニターに映っていたりする。銀色に輝く大量の500円玉……欲しい。
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 フロアをさらに進むと、貨幣が詰まった運送用の袋を担げる体験コーナーが。100円玉が4,000枚入った袋が19キロ! 40万円の重みをじっとかみしめた。大判小判を入れるための「千両箱」を持ち上げることができたり、金塊・銀塊を触ることもできる。その金塊の時価は7,464万円と表示されている。とりあえず、無言で撫でまわすしかない。
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 取材時は平日の昼間だったのだが、ちょうど小学校高学年と思われる集団が見学に来ていた。みんな大はしゃぎで、硬貨の詰まった袋持ち上げまくりの金塊触りまくりである。  大阪の造幣博物館には、豊臣秀吉の時代の「天正菱大判」「天正長大判」という貴重な貨幣が展示されている。それを見ている小学生に向かって、博物館の係員が「1億円の価値がある」と説明している。「えっ!」と驚く小学生。係員が「こっちの『竹流金』『菊桐金錠』は値段がつかないほど価値があるんやで」と付け加えると、「100億円でも売らへん?」「売らへん!」「1,000億円でも?」「売らへん!」という掛け合いが。その後、小学生が展示ケースの前で「これがうちに飾ってあったらいいのになぁ」と、ぼーっとした様子でつぶやいていて面白かった。  また、別の場所に小学生の人だかりができていると思ったら阪神タイガースの記念硬貨セットだったりと、小学生ウォッチが楽しい点でも大阪の造幣博物館はお勧め。  博物館から出て、入場門のほうへ戻る途中に「ミントショップ」があり、記念硬貨のセットなどを販売している。造幣局らしいお土産では、硬貨デザインをあしらった円形の「造幣せんべい」や「天正菱大判」型のポストカードなどがお勧めだ。
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 大阪・造幣局本局の歴史の重みを味わったところで、今度は東京豊島区東池袋にある造幣局東京支局へ。パッと見からして、大阪本局との規模の違いを感じる。この場所に支局が出来たのは1939年。歴史的にも70年近くの差がある。圧倒的に不利だ。  このまま負けてしまうのか、東京支局よ……!  入場手続きを済ませて館内へ。すると、あ! 受付のお姉さんがクリアファイルをくれました。中には、造幣局の歴史や業務が解説されたパンフレットが入っている。
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 この「キラキラ☆コインズ」というキャラ、大阪本局でもチラホラ見かけて気になっていたのだが、東京支局ではちゃんと名前やそれぞれの設定が紹介されていた。キャラのパネルと記念撮影できるコーナーもある。  東京支局では「プルーフ」という、貨幣の表面を鏡のように磨く加工を主に行っているため、展示内容もその「プルーフ」に関するものがメインだ。貴重な小判などの展示もあるが、東京支局にしかない、というものはないようだ。硬貨の詰まった袋を担げるコーナーや、金塊・銀塊に触れるコーナーがあるのは本局同様。触れる金塊の価格は7,728万円と表示されていた。大阪より264万円高い。金にものを言わせたな東京!……無言で撫でまわしました。  この日は、ちょうどご高齢の団体客が見学に来ていて、博物館の係員が綾小路きみまろばりの軽妙トークでみんなを笑わせていた。千両箱を持ち上げられるコーナーでは「とにかく無理しないでください! 腰をやってしまいますので!」という警告も。大阪の小学生と対象的なノリだ。  フロアの一角には「コインくん」というマシーンが鎮座しており、ここに自分の持っている小銭を入れると、その摩耗度をチェックしてくれる。診断結果はプリントアウトされて持ち帰ることができ、得した気分。東京支局の展示はこういう細やかな気遣いを随所に感じる。
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 博物館を出てミントショップに立ち寄る。店員が「プルーフ」貨幣の美しさについて親切に説明してくれた。隣の売店では「造幣せんべい」を売っているのだが、入るなり「ご試食どうぞ!」と勧められる。しかも、2枚入り100円から販売しているので、用途に合わせた買い方ができてありがたい。  さて、造幣局博物館 大阪本局vs東京支局の熱い戦いに判定を下すときが来た! 歴史の重み:大阪本局(なんせ本局なので) 展示内容:大阪本局(ここでしか見られない展示品が多数あるので) 気前の良さ:東京支局(クリアファイルをくれたので) ゆるキャラ度PR:東京支局(キラキラ☆コインズが活躍していたので) お土産の満足度:東京支局(品ぞろえは本局のほうがよいが、せんべいを試食させてくれたので)  というわけで、せんべい試食の恩で東京支局が辛くも勝利!  もちろん勝手な判断ですが! 大阪本局は春の「桜の通り抜け」なども有名で、その季節なら圧倒的な勝利だったかも。  どちらにせよ、普段知ることができない造幣の仕組みについて無料で勉強できるのは素晴らしい。予約すれば工場見学もできるし。ちなみに東京支局は、平成28年末には埼玉県に移転が決定しているとのことなので早めに今の姿を見ておこう! (文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/

失敗と偶然が生み出す、神がかりショット写真集再び!『味写道』

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『味写道』(アスペクト)
 サブカル界のバイブル『バカドリル』シリーズ(アスペクト)の生みの親、天久聖一氏の著書『味写道』(同)が発表された。これは、2010年発売の『味写入門』(記事参照)に続く第2弾で、『ほぼ日刊イトイ新聞』の人気連載「天久聖一の味写道」をまとめた、前作からのファンも多い1冊。  タイトルにもなっている“味写”とは、「こんなつもりじゃなかったのに」「どうしてこんなものを撮ったんだろう」という失敗写真だったはずが、よ~く見ると、偶然が重なって重なって、妙に味わい深く仕上がっている写真のこと。本書ではそんな味写の中でも、よりすぐりの作品がずらり。とくに、筆者お気に入りの神クオリティの作品が、こちら。
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「全身無職」(C)天久聖一/アスペクト
 枯れた芝生の上で、ブレイクダンスがうまくいかず、ぐちゃっとつぶれたようなポーズの男性と、尋常ではないほど洋服に芝生がついている男性。2人とも無職とのことで、これ以上ないタイトルがあてがわれている。
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「都市伝説」(C)天久聖一/アスペクト
 なんだかすごい1枚。子どもがただ遊んでいるだけなのだが、この異様さ。こういうところから、都市伝説は生まれるのか!?
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「洗脳中」(C)天久聖一/アスペクト
 「○ンタッキー」の白い服の老人に、あたかも洗脳されているようなこの表情。○ンタッキーが好きになーれ、○ンタッキーが好きになーれ、○ンタッキーが……。  前回の『味写入門』も、素晴らしいクオリティの高さだったが、今回もまたすごい。一般の人々の日常がいかに笑いに満ちているのか、そして、日々どれだけ奇跡の出会いに満ちているのか。なぁんてことも感じられる、ハズ。  今回紹介した写真のほかにも、タクシードライバーらしきおじさまが横断歩道で、トランクを開けて座ってひと休みする「トランクおじさん」、ウォーーーと叫んでいるかのような超凶暴系「肉食パンダ」、お尻に桜が一輪見事に挟まったまま歩くおじいちゃん「ミッケ」など、100枚を超える名作ぞろい。新春のひと笑いどうぞ。 (文=上浦未来)

最近のドコモキレッキレ!!!「爆速エビフライ」の次は、現役力士の「相撲ロックバンド」MV

ヲタ系ITライターと日刊サイゾー新米編集者が、ここ最近、ネットで話題になったいろいろな出来事について語るコーナーです。
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1万円ステーキ発言で炎上した、83歳の炎上耐性がものすごかった!

ITライター・Dr.T 今日も炎上の話から入ろうと思うんだけど、今回のはちょっと面白いよ。 新米編集者・アキ Dr.T自身の話だからとか? Dr.T いやいや! 僕は炎上するようなことしてないってば! 今回はTwitterでの発言で炎上したケースなんだけど、その人っていうのが83歳のおじいさんなんだ。 アキ へー! 意外……って言ったら失礼かもしれませんけど、珍しいですよね。 Dr.T で、炎上した発言というのが、「驚いた!1万円のステーキをご馳走になるより、現金三千円を貰いたい若者が多い事実。我々ジジイと話しが合わない筈だ。食に興味が無い?不幸だろ!結婚もせず、馴染みの薄い異性とのSEX。淋しい部屋か。イヤイヤ生きてる若者が多くなった気はしていた。我々は家族で食ったり食わせたりに熱中した。」というもの(https://twitter.com/chinnsan/status/546836593781141506)。これは、TV番組の設問に対しての感想らしいんだけど、実に5000以上のリツイート! たくさんのリプライが寄せられているけど、そのほとんどが批判のツイートだね。 アキ うーん、確かにこれは……若者が怒りそうな内容ではありますね。 Dr.T 世代間のギャップというのは火種になりやすいし、そうでなくても若い人はいろいろ鬱憤がたまっているからね。老人に対しては「自分だけいい時代を過ごして、こんな不景気を押し付けやがって」みたいな思いが渦巻いている人も多いと思う。そこに、83歳のおじいさんがこんな発言をぶっ込んでしまったから、エサに食いつくピラニアみたいに、寄ってたかって暴言がぶつけられたわけ。 アキ 冷静に考えると、そこまで炎上するほどの発言なのかなって気もしますね。犯罪自慢ってわけでもないし……。 Dr.T そうなんだよね。不用意な発言かもしれないけど、考え方の違いで片付けられるレベルかなとは思う。で、そんな批判にさらされたおじいさんなんだけど、ここからがすごかった。普通なら、これだけ批判されたらツイートを消してアカウントにも鍵をかけちゃうと思うんだけど、この人は寄せられたリプライに丁寧に受け答えしているんだ。一連の流れがトゥギャッターにまとめられているけど(http://togetter.com/li/760684)、なんていうか、すごい批判耐性だよ。 アキ 確かに、ビクともしていませんね。年の功ってやつなんでしょうか。 Dr.T これを見ると、犯罪自慢みたいなどうしようもない発言以外に関しては、仮に批判を受けても、堂々とした態度で冷静に対処するのがベストなのかなと。最初の発言には賛否両論あるだろうけど、その後の炎上に対する対処は完璧だと思ったよ。 アキ Dr.Tも見習わないとですね! Dr.T だから、僕はそもそも炎上してないから!

力士だけで結成した相撲ロックバンドが話題に 最近のドコモはキレッキレ!

 
Dr.T 力士だけで結成した相撲ロックバンドの映像がYoutubeに投稿されて、話題になっているよ(https://www.youtube.com/watch?v=jfF3SQ2vVyc)。 アキ えっ、本物の力士ですか? Dr.T もちろん。豊ノ島関、臥牙丸関、旭日松関、天鎧鵬関の4名だね。激しくギターをかき鳴らし、ドラムを叩き、デスボイスでシャウトするミュージックビデオは迫力満点! そして、それ以上にシュール! アキ 見てみましたけど……な、なんですかこれ……。 Dr.T 実はこれ、本当に相撲ロックバンドが結成されたわけじゃなくて、ドコモが売り出しているウェアラブル端末「ムーヴバンド2」のプロモーションビデオなんだ。腕につけておくと、歩数や移動距離、消費カロリーなんかが計測できるバンドなんだけど、それと「バンド」をかけているわけだね。実際、相撲ロックバンドの演奏では力士がこのムーヴバンドをつけて演奏していて、映像の最後では消費した合計カロリーが表示されているよ。どういうものがネットで話題になるのかをきちんと理解した、うまいプロモーションだよね。 アキ 確かに、こんなの見ちゃったら、つい広めたくなりますよね! Dr.T これに限らず、最近のドコモのプロモーションはキレッキレなんだ。ちょっと前には「3秒クッキング 爆速エビフライ」篇として、3秒でエビフライを作る映像をYoutubeに投稿しているよ(https://www.youtube.com/watch?v=lkaIoH6Um60)。これも見るとわかるんだけど、ものすごくぶっ飛んでる。 アキ ど、どうしちゃったんですか? ドコモってこんな企業でしたっけ……。 Dr.T 意外と遊び心のある企業なんだよね。おカタいイメージがあるけど、こういうのができるところは、さすがに大企業ならではの懐の広さを感じるね。 アキ アピールになっているのかどうかはわかりませんけど、少なくとも、話題になることには成功していますもんね。 Dr.T 次はどういうPVを見せてくれるのか、楽しみになるね。

ニコニコ動画の新サービス「nicocas」がリリースから数日で終了へ

 
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Dr.T ニコニコ動画を運営するドワンゴが新たなサービス「nicocas」をスタートさせたんだけど、リリースから数日で突然の終了を迎えたみたい。 アキ 数日……!? というか、そんなサービスが始まっていたことすら知らなかったですよ。 Dr.T ほとんどの人はそうだよね。始まったことを知る前に終わっていたという……。公式で出されている「サービス終了のお知らせ」の文面には(http://nicocas.com/i/info/3)、「nicocasはドワンゴが自信を持って開発しているサービスではありますが、出すのは早すぎたという結論に達しました」とあるんだけど、結局のところ、直接の原因は謎のままだよ。 アキ なんなんですかね……そもそも、どういうサービスなんですか? Dr.T Twitterアカウントを活用して、ライブ配信するサービスだったみたい。ニコ生よりも、もっとカジュアルに配信できるイメージなのかな。詳しいことは、調べる前に終わっちゃったからわからないんだけど。 アキ また復活するんですかね……。 Dr.T 年明けくらいには、もしかすると新しい動きがあるかもね。この適当さ加減がドワンゴっぽいというか、ニコニコ的というか。企業によっては炎上レベルな気もするけど、こういうのが許されるところが、ドワンゴのドワンゴたるゆえんって感じだよね。ほんと、いい意味で一部上場とは思えないよ。 アキ ニコ動の会社って言われたら、「あー」って納得しちゃいますもんね。得なポジションですねぇ。 Dr.T ただ、この分野にはよく似たサービスで「ツイキャス」という強力な競合がいるから、ニコ動といえども大変かもね。そんなわけで、nicocasは見なかったことにしつつ、次の展開を待ちたいところだね。 アキ 一年の最後に取り上げるネタがこんな尻すぼみな感じでいいんですかね……。 (構成=Dr.T)

行定勲監督が“原作モノ”映像化の真価を見せる『真夜中の五分前』

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(C) 2014 “Five Minutes to Tomorrow” Film Partners
 今回取り上げる最新映画は、コミックと小説、それぞれ人気の高い原作を見事に映像化した邦画2作品。原作との比較はもちろん、キャスティングの妙、脚色の技など見どころいっぱいの話題作だ(いずれも12月27日公開)。  『海月姫』は、「Kiss」(講談社)に不定期連載中の東村アキコの人気コミックを、『ホットロード』(2014年)の能年玲奈主演で実写映画化した娯楽作。クラゲを偏愛するオタク女子の月海(能年)はイラストレーターを志すも、部屋にこもってクラゲの絵ばかり描いている。彼女が住むボロアパート「天水館」には、鉄道や三国志など各自のオタク道を追求し、恋愛ともオシャレとも無縁の女子5人がゆるい共同生活を楽しんでいた。月海はある日ペットショップで華麗な美女に助けられるが、その正体は女装趣味のある蔵之介(菅田将暉)。蔵之介が天水館に出入りするようになり、月海の生活も少しずつ変化するが、そんな折、天水館が再開発による取り壊しの危機に直面する。  『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』(10年)や『映画 ひみつのアッコちゃん』(12年)でコミック映画化に実績のある川村泰祐監督が、本作でも天然ぶりが魅力のヒロインと、笑いとドタバタと感動に満ちた作品世界を巧みに映像化した。能年玲奈は三つ編みにメガネ、スウェットにジャージというオタク姿で主人公を熱演。蔵之介のサポートでシンデレラのように美しく変身し、人生初デートに臨む中盤の展開も盛り上がる。オタク仲間の池脇千鶴、篠原ともえ、太田莉菜ら共演陣も、顔が半分隠れる前髪や、スッピンにメガネで「え、誰?」状態だが、イケてない“腐女子”を楽しんで演じている様子が伝わってくる。  『真夜中の五分前』は、本多孝好のベストセラー小説を、行定勲監督、三浦春馬主演で映画化した恋愛ミステリー。上海の時計店で修理工として働く良(三浦)は、プールで知りあったばかりの美女ルオランから、双子の妹ルーメイへのプレゼントを選んでほしいと頼まれる。瓜二つの姉妹、妹の婚約者と4人で会った良は、ルオランの秘密を知るが、互いの過去を告白した2人は少しずつ距離を縮めていく。しかし、ルオランとルーメイが旅先で事故に遭ってしまう。  原作は日本が舞台で登場人物もみな日本人だが、中国との共同製作により設定と筋書きが大幅に改変された。中国人女優リウ・シーシーが1人2役で、謎めいた双子のヒロインを好演。主人公と中国語で交わされるロマンティックな会話が、上海の夜景など光と影を美しくとらえた映像と相まって、詩的なムードを醸し出す。評価の高い原作小説『真夜中の五分前 five minutes to tomorrow side-A/side-B』もできれば手に取り、相違点やそれぞれの魅力を確かめていただきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『海月姫』作品情報 <http://eiga.com/movie/80291/> 『真夜中の五分前』作品情報 <http://eiga.com/movie/79592/>

異端のジャンプマンガ『とんかつDJアゲ太郎』がじわじわきてる件

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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
「とんかつとDJって同じなのか!!!???」  ネット上で、じわじわくる、と話題になっているマンガがある。『とんかつDJアゲ太郎』がそれだ。<とんかつ、クラブカルチャー、DJ……渋谷の「今」を切り取った最新型アーバンライフ>をテーマに、今年9月から「週刊少年ジャンプ」(集英社)の電子版「少年ジャンプ+」で無料掲載(外部リンク/毎週木曜更新)されている。渋谷のとんかつ屋「しぶかつ」の息子・勝又揚太郎が、偶然訪れた配達先のクラブで体験した光景に魅了され、一人前のとんかつ屋兼DJを目指すという物語。一見、まったく結びつかない“とんかつ”と“DJ”だが、実は、そこには驚くべき共通点が隠されていた――。  奇想天外な設定と強引なロジックで“異端のジャンプマンガ”として注目される『とんかつDJアゲ太郎』だが、今度はなんと、ファッション誌「メンズノンノ」(同)1月号で番外編をスタートさせた。タイトルは『とんかつDJアゲ太郎 B面~ファッショニスタへの道~』。“とんかつ”と“ファッション”を独自の視点で結びつけ、展開していくという。快進撃を続けるこの作品の作者、イーピャオ氏(原案)と小山ゆうじろう氏(作画)に、話を訊いた。  ……なんで、とんかつなの!? ***
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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
――まずは、「とんかつ×DJ」という設定にした理由を教えてください。 イーピャオ 突き詰めると、ダジャレなんです。「豚肉を揚げる」「フロアをアゲる」という……。でも、2人ともとんかつは大好きです! ――実際のモデルはいるんですか? 小山 いません。キャラクターのビジュアルは、それぞれ参考にしてる人がいるんですが。揚げ場の経歴のあるDJの方がいたら、ぜひ教えてほしいです。 ――お2人は学生時代の先輩後輩という関係だそうですが、バリバリのクラバー&DJなんですか? 小山 DJは未経験で、クラブは連載前に一度だけ行ったことがある程度です。今は取材も兼ねてちょこちょこ通ってます。 イーピャオ 自分もDJ未経験、クラブ歴も本当に浅く……現在進行形で魅力を探ってます。好きな音楽のジャンルは、ロックよりポップって感じです。 ――「まさか…!!! 千切りと同じBPM!!!???」「豚をアゲるか客をアゲるか大したちがいはねぇ!!」「固い肉もカタいオーディエンスも アゲる前にほぐせばいいんだ!!!」「揚げ音と雨音が グルーヴを生んでいる」など、アゲ太郎の天才的な悟りが、この作品のキモとなっていますね。   小山 各話のタイトル・人物名はイーピャオ。パンチラインとなるセリフは、僕が考えてます。各々が得意で面白がってることをやってる感じですが、極力、余計な言葉を肉付けしようということは心掛けてますね。また、WEBマンガということでスマホなどの小さな画面で読むことを想定して、画・セリフ含め、とにかく読みやすさに気を使ってます。 ――「ジャンプ+」内でも異色の作品だと思いますが、読者の反応は?
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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
イーピャオ 今のジャンプの主流となっている、美少女が出てきてたりする作品とは違うので敬遠されるかと思いましたが、おおむね好評みたいですね。クラブ界隈からも好意的な感想をちらほら耳にして、ホッとしてます。ヌルいと思ってる一部DJさんもいらっしゃるかと思いますが、それはもう勘弁してください……。あといま気になっているのは、とんかつ業界からの反応ですね。 ――とっぴな設定ながらも、物語のベースは至ってシンプルで、とんかつ屋としてもDJとしても半人前のアゲ太郎が、師匠やライバルとの出会いで一歩一歩成長していくというジャンプ王道の青春マンガですが、一番反響があった回は? イーピャオ やはり、初回の2話じゃないでしょうか。第5話もよかったですね。アゲ太郎が初めてDJセットをそろえて、町内会のダチとレコードかけてアガっちゃう回。町内ご近所モノにしたいというところがあって、ダチの初登場の回だったので、思い入れがあります。 ――お2人が影響を受けたマンガは? 小山 たくさんありますが、強いて言うなら藤子不二雄(A)先生の『まんが道』ですね。学ぶべきこと、遊び心、熱意など、すべてが詰まっています。 イーピャオ 僕は、あまりマンガ読まないんですけど……。家にある、サトウサンペイ先生の『フジ三太郎名場面集』は好きです。あと渋谷モノということで、「りぼん」(集英社)の『GALS!』で勉強してます。
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(C)イーピャオ・小山ゆうじろう/集英社
――「メンズノンノ」で番外編の連載がスタートし、今回はとんかつ×ファッションということですが……。 小山 本編もおかしな作り方をしてるので、そのへんはあまり変わることはありません。本編だけでなく番外編もやれるということは奇跡以外の何物でもないので、日々慎ましく生活せねばなぁと思ってます。2人ともファッションには自信がないほうなので、この機会にファッションセンスを洗練させていきたいです。 ――本編の今後の見どころを教えてください。 小山 果たしてアゲ太郎が、とんかつを揚げられる日はやって来るのか!? というところですね。また、イーピャオは登場人物の名付けに一番力を入れているので、そこにも今後もご期待ください。 ――ちなみに、「ジャンプ」本誌への掲載狙ってるんですか?  小山 今の環境がベストだと思っているので、まったく狙っていません。でも、もし単行本が出せたら、渋谷の本屋さんで売れるといいなァ~。 ***  毎回、先の読めない展開の『とんかつDJアゲ太郎』だが、次回の更新は明日25日(木)。クラブカルチャーとは無縁の層もハマること間違いなしの前代未聞のとんかつグルーヴを、ぜひ体験してほしい。 (文=編集部) ●「少年ジャンプ+」 <http://plus.shonenjump.com/>

「もうエッチされてもいい!」危険ドラッグよりヤバい、“ドラッグルメ”なマンガ

 今年はたびたび脱法ドラックに関するニュースが世間を騒がせました。いろいろと物議を醸した「危険ドラッグ」という言葉もすっかり定着しましたね。また、中国ではアヘンの原料となるケシの実入りのラーメンを提供して常連客ゲット!→店長逮捕というびっくりニュースもありました。まさに「事実はマンガより奇なり」です。  とはいえ、もちろんマンガの世界だって負けていません。「麻薬入りメニュー」が出てくるマンガって、実は結構あるのです。正確にいうと「麻薬っぽい成分」入りの、食べだしたら止まらなくなるメニューですが、本コラムではこれらのメニューが出てくる、通称「ドラッグルメマンガ」をご紹介したいと思います。
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『包丁人味平』
●『包丁人味平』のブラックカレー  ドラッグルメのルーツ的存在としてあまりにも有名なのが、ビッグ錠先生のマンガ『包丁人味平』のカレー戦争シリーズで登場する、カレー将軍・鼻田香作の作る「ブラックカレー」です。  鼻田香作は6,000種類のスパイスを嗅ぎ分けることができる恐るべきカレー職人で、その鋭い嗅覚を保護するために、普段は鼻の部分だけに黒いマスクをつけています。その結果として、奈良公園にいる鹿っぽい見た目になっているんですが、ブラックカレーの恐ろしいところは、食べた人の感想は決まって「なんだか変な味」「コールタール食べてるみたい」と、決して褒められたものではないのに、気が付くと背景がドローンとなり表情はポワーンとして、再びフラフラと店の中に入って行ってはブラックカレーを注文してしまうのです。  この恐るべきブラックカレーの秘密ですが、鼻田香作がスパイスを調合しまくっているうちに、いつの間にか麻薬に近い成分になってしまっていたというもの。まったく恐ろしいカレーがあるもんですね。危険カレー、ダメ。絶対。
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『口裂け女あらわる!―昭和怪奇伝説』
●『黒い清涼飲料水』のおじさんコーラ  続いてご紹介するのは、ホラーマンガ作家の呪みちる先生の描く短編『黒い清涼飲料水』に出てくる通称「おじさんコーラ」です。  少女が夏休みのプールの帰り道に通りかかる公園で、アイスボックスに50円のコーラを詰めて売りに来るおじさんがいました。毎日毎日「おじさんコーラ」を買って飲んでいると、いつしかほかのジュースがまずくて飲めなくなり、一度おじさんコーラの味を思い出すと飲みたくて飲みたくてどうしようもなくなるという、禁断症状が現れるようになります。  初めは50円で売られていたおじさんコーラは、100円、200円、300円と次第に値段が上がっていき、お金が払えなくなった女の子たちはおじさんのエッチな要求と引き換えにコーラを買うようになっていきました。最初は拒んでいた少女も「もうエッチされてもいい」などと言いだす状況になったのです。  この話は、それだけでは終わりません。いつしか時は過ぎ、おじさんコーラの話はただの都市伝説となった頃、大人になった少女が飲料会社で不思議なおじさんコーラの味を思い出して作った商品が「Zコーラ」。そして「Zコーラ」は一度飲んだら病みつきになる空前のヒット商品となったのですが、実はその病みつきになる秘密の成分として、コーラの中にはなんと……人間のアレが入っていたのです(ギャー!)。というホラーマンガです。まったく恐ろしいコーラがあるもんですね。危険コーラ、ダメ。絶対。
chukaichiban.jpg『中華一番!』
●『中華一番!』のケシの実入りイカスミビーフン  13歳の少年中華料理人マオが活躍するマンガ『中華一番!』にも、ドラッグルメなメニューが出てきます。「広州料理界の魔女」チェリンさんが作る、真っ黒いイカスミビーフンがそれです。  チェリンさんは登場シーンからして火薬で食材を爆破したり、主人公マオの首のツボにこっそり鍼を打ち込んで味覚を失わせたりと、さすが魔女と言わんばかりのアウトローな行動を取るキャラでしたが、出来上がった料理もやはりヤバかった!  イカスミビーフン食べた人たちの背景がドヨーンとまだらになって「な、なんだこれは」「止まらぬ」「お……恐ろしく後を引く味だ!!」とガツガツと食べまくります。そこへ試食したマオが「チェリンさんは料理人として絶対やっちゃいけないことをやったんだ!!」「この料理には禁断の調味料が使ってあるんだ!」とブチギレます。  そうです、このイカスミビーフンに「ケシの実」が大量に使われていたのです!……って、試食して速攻で分かるマオ(13)も、実は結構なジャンキーなんじゃないかという疑惑がありますが、マンガではそこには一切触れられていません。まったく恐ろしいビーフンがあるもんですね。危険ビーフン、ダメ。絶対。
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『魔人探偵脳噛ネウロ』
●『魔人探偵脳噛ネウロ』のドーピングコンソメスープ  グルメマンガではありませんが、「魔人探偵脳噛ネウロ」に出てきたドーピングコンソメスープも、ドラッグ入りメニューとして有名です。  ドーピングコンソメスープは、成功を呼ぶレストラン「シュプリームS」の至郎田(しろた)正影シェフが生み出した究極のメニューです。レシピも、実にアウトデラックス。  鴨肉、チコリ、アスパラガス、ヴィネガー、塩、レモン皮、モリーユ、ポルト酒、砂糖、ハーブ・スパイス11種、コカイン、ヘロイン、覚せい剤、モルヒネ、ペンタゾシン、ステロイド系テストステロン、ヒト成長ホルモンhGH……後半は、ダイレクトに薬剤名が記載されてます。もう清々しいほどに真っ黒です。  これらの数えきれない食材・薬物を精密なバランスで配合し、特殊な味付けを施して煮込むこと七日七晩!! 血液や尿からは決して検出されず、なおかつすべての薬物の効果も数倍、血管から注入る(たべる)ことでさらに数倍!! これがドーピングコンソメスープだ!!……血管から注入って、それもうコンソメスープじゃなくていいじゃん。  ちなみに、コンソメスープを血管から注入(たべ)た至郎田シェフは、筋肉ムキムキの超人ハルクみたいなバケモノになっちゃいます。危険コンソメスープ、ダメ。絶対。(しつこい)
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『鉄鍋のジャン!』
●『鉄鍋のジャン!』の幻覚キノコ入りスープ  最後にご紹介するのは、やはり中華料理のマンガで『鉄鍋のジャン!』。このマンガほど、ドラッグルメ度が高いマンガもなかなかありません。  全日本中華料理人選手権大会で主人公のジャンが審査員に振る舞ったキノコスープが、実は二種類のキノコをブレンドして幻覚興奮成分を発生させたマジックマッシュルームスープなのでした。当初、審査員は「まあまあだ」「なかなかですな」という評価で、採点も10点満点中5点とか6点とか平凡なものでしたが、しばらくした後、審査員たちが瞳孔の開ききった目で「す……すまんがやっぱりもう一度、もう一度味見をしたい」「ぱふぅ」などと言いながらスープを飲み干し「10点満点で100点ぐらいすばらしい」「1万点いや5万点と書いてやる!」などとわけのわからないことを言い始めます。ていうか、なんで5万点。逆に中途半端だろ……。  『鉄鍋のジャン!』は、この幻覚キノコ入りスープ以外にも危険なメニューが多数出てきます。食べると体がピクピクして動けなくなるケシの実入り麻婆豆腐が出てきたり、食べると脳内麻薬物質エンドフィンを分泌させる子羊のローストが出てきたりして、まさに無法地帯。ドラッグルメの王者と呼ぶにふさわしい存在なのです。  というわけで、皆さんの人生に決して役に立つことのない、危険ドラッグよりヤバいドラッグルメマンガの世界をご紹介しました。ちなみに日本では、アンパンの上にケシの実が乗っているやつがありますが、あのケシの実は体に無害で安全なものらしいですよ。安全安心にドラッグルメしたければ、アンパンがオススメですね! (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

高所、灼熱と極寒、異世界、廃墟……世界中の絶景を集めた『行ってはいけない! 危険な絶景』

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『行ってはいけない! 危険な絶景』(竹書房)
 世界には、立ち入り禁止、アクセス困難、極限の環境……とわかっていても、どうしてもこの目で見てみたいと思わせる、とんでもない絶景が存在している。海外へ行くと、安全第一の日本では絶対に考えられない配慮のなさで、自分の身は自分で守りやがれ! 死んじゃっても知らないよ、とばかりに野放しに開放され、その分、絶景が満喫できて感動も大きいことが結構ある。  たとえば、ペルーの世界遺産「マチュピチュ遺跡」のような超有名観光どころ。実際に行ってみて驚いたのは、自由にあちこち歩き回れるということ。入り口から順路通りに進み、出口へというようなお決まりのルールがなく、高所の崖っぷちに造られた遺跡ながら、柵がない。うっかり足を滑らせたら即死間違いなしの場所がいくつもあるが、自由な移動を許されているからこそ、南米のダイナミックな自然とともに遺跡を大満喫でき、ずっとここにいたいという気持ちにさせられた。  『行ってはいけない! 危険な絶景』(竹書房)は、ページをめくるたび「ほぇ~、世界にはこんな場所があるのか!」と驚かされる、世界中の絶景を集めた一冊である。「思わず膝が震える!高所の絶景」「極限の地だけで見られる神秘 灼熱と極寒の絶景」「ここは本当に地球?異世界の絶景」「戦慄と悲哀を覚える世界 廃墟の絶景」の4つのテーマを軸に、大きな写真と詳しい紹介文で、世界約50カ所を紹介している。  年間100人が命を落とすといわれる、断崖絶壁を伝い歩く中国の命がけの登山道、パキスタンにあるワイヤーと木片だけで作られた今にも壊れそうな世界最恐の橋、世界で最もマグマに近づけるバヌアツ共和国の山など、まさに近づくことも危険な絶景ほか、最近話題を集めている空が湖に反射するボリビアの塩湖や、セネガルの美しいピンク色に染まる湖など、日本から簡単にはたどり着けないものの、ちゃんとした手順を踏めば誰でも立ち寄れる絶景スポットまで幅広い。  また、本書の中でも異彩を放っている「廃墟の絶景」の章では、絶景かどうかは不明だが、超ホラースポットが紹介されている。たとえば、ドイツ・ブランデンブルク州の州都・ポツダムのほど近くにある廃病院「ベーリッツ・サナトリウム」は、かつてアドルフ・ヒトラーが下級兵だった頃、治療のために入院していたこともあるという病院で、激しく荒らされた手術室跡ほか、建物内は独特の退廃的な空気を漂わせ、興味本位で訪れた人は、みな一様に押し黙ってしまうという……。ほかにも、人骨で装飾されたチェコにある骸骨寺院、無数の人形で埋め尽くされたメキシコの人形島など、恐ろしくも気になるスポットばかり。  この本を参考に旅をすれば、刺激たっぷりなこと間違いなし。ただし、行くにはそれなりの覚悟と、もちろん自己責任でヨロシク。 (文=上浦未来)

早くもアカデミー賞有力候補との呼び声! 鬼才デビッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』

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『ゴーン・ガール(c)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
 今週取り上げる最新映画は、早くもアカデミー賞有力候補の呼び声高いデビッド・フィンチャー監督による話題作と、ピーター・ジャクソン監督が手がける冒険ファンタジーシリーズの完結編。どちらも、映画館で鑑賞すれば一層楽しめること請け合いの傑作だ。  『ゴーン・ガール』(公開中、R15+)は、『セブン』『ファイト・クラブ』の鬼才デビッド・フィンチャー監督が放つ衝撃のサスペンスドラマ。米ミズーリ州の田舎町に暮らすニック(ベン・アフレック)は結婚5周年の記念日に、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことを知り、警察に通報する。自宅の家具の破損や血痕から、警察は当初誘拐の可能性を考えるが、やがて周囲の証言や証拠からニックを疑い始める。マスコミの報道を通じて全米から疑惑の目を向けられたニックは、窮地を打開するため敏腕の弁護士を雇う。  原作は同名の全米ベストセラー小説で、著者のギリアン・フリンが脚本も担当した。アフレックとパイクによる秘密と闇を抱えた夫婦役の好演、たたみかけるような予想外の展開と衝撃のシーン、そしてスタイリッシュでスリリングなフィンチャー監督の演出により、先に封切られた本国アメリカでは歴代フィンチャー作品の興収1位を記録。今年度のアカデミー賞の最有力候補とも目される。エイミー失踪の真相や、「完璧な計画」が思わぬ方向へ転がっていく過程を目撃し、最大限の衝撃を味わうためにも、ネタバレのレビューや口コミを避けて、早めに劇場で鑑賞することを強くオススメしたい。  『ホビット 決戦のゆくえ』(12月13日公開、2D/3D上映)は、J・R・R・トールキンのファンタジー小説を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前日譚にあたる『ホビット』3部作の最終章。ホビット族のビルボ、王トーリンとドワーフ族の仲間たちは、邪龍スマウグからドワーフの故郷エレボール山と財宝を奪還することに成功。だが、財宝に執着するあまり仲間を疑い、協力したエルフや人間への見返りも拒否するトーリンに対し、いさめようとするビルボは危険な選択を迫られる。その頃、復活した冥王サウロンがオーク鬼の大群を放ち、中つ国に生きる各種族の戦士が集結したエレボール山で、運命の決戦が始まる。  『ロード~』3部作に続き、本シリーズもピーター・ジャクソンが監督を担当。VFXを駆使したキャラクター造形と刺激的なアクションシーンを、ニュージーランドの雄大な風景に溶け込ませて壮大な世界観を見事に実写化した。映像面でも、通常の倍のコマ数にあたる毎秒48コマのハイ・フレーム・レート3D(HFR 3D)がさらに洗練され、被写体の滑らかな動きと明るさ、前景から後景までの自然な奥行き感が向上している。オーランド・ブルーム演じるエルフ族・レゴラスが、バラバラと崩れ落ちる石の上をぴょんぴょんと駆け上がるシーンなど、笑ってしまうほどカッコいいアクションも痛快だ。こちらもぜひ、劇場の大スクリーンで長い旅の締めくくりを体感していただきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ゴーン・ガール』作品情報 <http://eiga.com/movie/79771/> 『ホビット 決戦のゆくえ』作品情報 <http://eiga.com/movie/77478/>

早くもアカデミー賞有力候補との呼び声! 鬼才デビッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』

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『ゴーン・ガール(c)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
 今週取り上げる最新映画は、早くもアカデミー賞有力候補の呼び声高いデビッド・フィンチャー監督による話題作と、ピーター・ジャクソン監督が手がける冒険ファンタジーシリーズの完結編。どちらも、映画館で鑑賞すれば一層楽しめること請け合いの傑作だ。  『ゴーン・ガール』(公開中、R15+)は、『セブン』『ファイト・クラブ』の鬼才デビッド・フィンチャー監督が放つ衝撃のサスペンスドラマ。米ミズーリ州の田舎町に暮らすニック(ベン・アフレック)は結婚5周年の記念日に、妻のエイミー(ロザムンド・パイク)が失踪したことを知り、警察に通報する。自宅の家具の破損や血痕から、警察は当初誘拐の可能性を考えるが、やがて周囲の証言や証拠からニックを疑い始める。マスコミの報道を通じて全米から疑惑の目を向けられたニックは、窮地を打開するため敏腕の弁護士を雇う。  原作は同名の全米ベストセラー小説で、著者のギリアン・フリンが脚本も担当した。アフレックとパイクによる秘密と闇を抱えた夫婦役の好演、たたみかけるような予想外の展開と衝撃のシーン、そしてスタイリッシュでスリリングなフィンチャー監督の演出により、先に封切られた本国アメリカでは歴代フィンチャー作品の興収1位を記録。今年度のアカデミー賞の最有力候補とも目される。エイミー失踪の真相や、「完璧な計画」が思わぬ方向へ転がっていく過程を目撃し、最大限の衝撃を味わうためにも、ネタバレのレビューや口コミを避けて、早めに劇場で鑑賞することを強くオススメしたい。  『ホビット 決戦のゆくえ』(12月13日公開、2D/3D上映)は、J・R・R・トールキンのファンタジー小説を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前日譚にあたる『ホビット』3部作の最終章。ホビット族のビルボ、王トーリンとドワーフ族の仲間たちは、邪龍スマウグからドワーフの故郷エレボール山と財宝を奪還することに成功。だが、財宝に執着するあまり仲間を疑い、協力したエルフや人間への見返りも拒否するトーリンに対し、いさめようとするビルボは危険な選択を迫られる。その頃、復活した冥王サウロンがオーク鬼の大群を放ち、中つ国に生きる各種族の戦士が集結したエレボール山で、運命の決戦が始まる。  『ロード~』3部作に続き、本シリーズもピーター・ジャクソンが監督を担当。VFXを駆使したキャラクター造形と刺激的なアクションシーンを、ニュージーランドの雄大な風景に溶け込ませて壮大な世界観を見事に実写化した。映像面でも、通常の倍のコマ数にあたる毎秒48コマのハイ・フレーム・レート3D(HFR 3D)がさらに洗練され、被写体の滑らかな動きと明るさ、前景から後景までの自然な奥行き感が向上している。オーランド・ブルーム演じるエルフ族・レゴラスが、バラバラと崩れ落ちる石の上をぴょんぴょんと駆け上がるシーンなど、笑ってしまうほどカッコいいアクションも痛快だ。こちらもぜひ、劇場の大スクリーンで長い旅の締めくくりを体感していただきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ゴーン・ガール』作品情報 <http://eiga.com/movie/79771/> 『ホビット 決戦のゆくえ』作品情報 <http://eiga.com/movie/77478/>