『ラブプラス』内田明理Pがプロレスゲーム会社「ユークス」へ電撃入社! 年内に新作発表も

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 株式会社ユークスが6月10日、内田明理プロデューサーの入社記者会見を行った。今年3月にコナミデジタルエンタテインメントを退社した内田氏は、これまで『ときめきメモリアル Girl’s Side』『ラブプラス』『ランブルローズ』『とんがりボウシと魔法の365にち』など、老若男女を問わず愛される魅力的なゲームやキャラクターコンテンツを多数手がけてきたクリエイターだ。一方ユークスは、『エキサイティングプロレス』や『WWE』などのプロレスゲームで知られるゲーム開発会社。この両者が手を結ぶという発表に、大きな注目が集まった。  会見では、まずユークス代表取締役社長の谷口行規氏が挨拶を行い、「内田さんとは2005年に格闘アクションゲームの開発で一緒になり、それが今回のご縁につながりました」と経緯を説明。また「非常に発想が豊かで、こだわりのハードルが高い内田さんとの仕事は、ユークスにとってもチャレンジングで本当に楽しいプロジェクトでした」と、当時のことを振り返った。さらに谷口氏は「クリエイターのアイデアを実現するための技術と環境がユークスにはあります。内田さんにはプロレスや格闘ゲームといったジャンルにとらわれず、ご自身の世界を世の中に発信していってほしい。ここから生み出される作品は、エンタテインメント業界全体を活性化させるものだと考えています」と、期待を寄せる旨をコメントした。  開発部の千早択ディレクターは、元プログラマーでもある内田氏を「完成形のビジョンを明確な言葉で示しながら、次々に新しいアイデアを、実現可能な具体性をもって取り入れようとする人物」と評し、同時に「ユークスのスタッフも、新しいものを生み出すことを楽しむことができる職人たちだと思っています。その両者がこれからずっとコラボレーションしていけるということが、本当にうれしいです」と共に制作に参加できることへの喜びを表した。また内田氏が以前に「くだらないものを真剣につくりましょう」と語っていたことを取り上げ、「これからユークスで作る新しいものが、どれだけ世間を驚かせるか楽しみにしています」と続けて語った。  内田氏は「みなさんの中には、マッチョな男が告白してくるようなゲームを想像している方もいるかもしれませんが、私もいろいろなアイデアを考えていて、ユークスのモーションや3Dモデルなどの開発技術と私の得意なキャラクターコンテンツを掛け合わせ、総括するようなタイトルを手がけていきたい」と述べ、ここで“Uchida lab”という名称の部署をユークス社内に新設することを発表した。“Uchida lab”は、内田氏のアイデアを実現させるための組織になるとのことだが、ラボと名の付く通り、技術研究や新しいエンタテインメントの形を模索していくという目的もあるようだ。「もしかするとゲームの枠を飛び出してしまうようなコンテンツも出てくるかもしれませんが、これまで私のゲームで遊んでいただいて、楽しんでいただけた方には絶対に気に入っていただけるものを作っていくつもりです」と今後の展開について話した内田氏は「リアルな体験とヴァーチャルな体験をミックスすることをテーマに、新しいエンタテインメントを画策していきたい」と方向性を示した。なお、「過去に手がけたシリーズの、新作の開発を依頼された場合は?」との質問に対しては、「私はもちろんウェルカムです。機会があれば、ぜひ携わりたい」と回答している。  ユークスへの正式な入社は今年10月とのことだが、それまでの期間にアイデアを練り、新作の具体的な発表については年内を考えているとのこと。内田氏が手がける新タイトルに期待すると共に、ユークスと“Uchida lab”がゲーム業界、ひいてはエンタテインメント業界にどのような化学反応をもたらすのか、今後も注目していきたい。

元祖“Lサイズ女子”の圧倒的包容力! 名作ラブコメ『Theかぼちゃワイン』の魅力

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The かぼちゃワイン』(著:三浦 みつる/秋田書店)
 大地の母、母なる海、人間空母……これらの言葉に代表されるように、古来より人は女性に対して雄大さとか母性とか包容力みたいなものを求めてきました(人間空母は関係ありませんけど)。  しかし、残念ながら現代の日本では、自分より小柄な女性を好む男性が多いといわれています。そしてマンガの世界でも、男子のほうが女子よりも高身長なカップル設定が圧倒的に多いです。男子のほうが背が高くて当たり前、という先入観がいつの間にか世の中に浸透してしまっているんですよね。  ところが、そんな先入観をひっくり返す、170センチオーバー、180センチオーバーの高身長女子、すなわち“Lサイズ女子”が活躍するラブコメが近年増えてきています。『富士山さんは思春期』をはじめとして『ハル×キヨ』『Stand up!』などなど、さらには一歩踏み込んで『七つの大罪』のような文字通り巨人族の女子(9メートル級)が登場するマンガもあります。まあ『七つの大罪』は、ラブコメじゃないですけど。とにかく、Lサイズ女子復権の時代が、確実に到来してきているのです。  復権という言葉を使わせていただきましたが、1980年代、元祖Lサイズ女子がヒロインのマンガが人気を集めました。『Theかぼちゃワイン』がそれです。  『かぼちゃワイン』は1981年から「週刊少年マガジン」(講談社)で連載されたマンガで、作者は三浦みつる先生。82年からはアニメ化もされているので、原作は読んでいなくてもアニメは見ていたという人も多いのではないでしょうか。また、『かぼちゃワイン』の正式タイトルに「The」がついていることを知らない人も意外と多いかもしれません。  『かぼちゃワイン』は主人公であり、チビで女嫌いの自称硬派・青葉春助と、大柄ヒロインのエルちゃんこと朝丘夏美の「SLコンビ」によるドタバタラブコメディです。サンシャイン学園中等部に転校してきた春助に、エルちゃんが一目惚れ。一方的にモーションをかけます。しかし、春助は女嫌い硬派のキャラを押し通そうとして、エルちゃんを邪険に扱います。  しかし、エルちゃんのポジティブさや一途さに、次第に自分もエルちゃんに惹かれていることを認め始めます。それでも頑固な春助の性格のせいで、正式なカップル成立には至らない……という、非常にヤキモキさせるストーリー展開です。  春助もエルちゃんも中学生(後半では高校生)なのですが、その身長差はかなりのもので、エルちゃんが片膝をついてしゃがんでいる状態と春助が直立している高さがほぼ同じというシーンがあります。  春助とエルちゃんの身長について公式発表はされていませんが、初期設定ではエルちゃんが175センチで春助が120センチだったといわれています。中学生で120センチって……まさに、大人と子どもですね。  『かぼちゃワイン』の作品の魅力はなんといっても、元祖“Lサイズ女子”エルちゃんの、母なる海を感じさせる圧倒的包容力に尽きます。一方で、主人公の春助はケンカっ早く、トラブルメーカーで、エルちゃんに対する言葉も相当キツいものがあり、恋愛対象としてはかなりどうかと思うところがあります。  例えば、春助のためにエルちゃんがお弁当を作ってくれたシーンでの、春助のセリフ。 「よけえなおせっかいはやめろっていってんだろ! だれがくうかっ、ぜったいにくわねえぞ!」  それに対するエルちゃんのセリフは 「ううんっいいの、いやならしかたないもんっ。あたしってほんとおせっかいだね!」 ……切ないです。  また、レストランで春助とエルちゃんが一緒に食事するシーンでは、ワリカンでお金を払おうとするエルちゃんに対し、 「女におごってもらうなんて男としてカッコつかねえじゃんか」 と、男らしく自分がおごる意思を見せますが、ポケットが破れてお金を落としてしまっており、食い逃げ疑惑で店員とレジでモメ始めます。  結局、エルちゃんが全額立て替えることになるのですが、男のプライドが邪魔して、素直に受け入れられない春助。金がないくせに、頑なに拒みます。その時のやりとりのセリフ。 「春助クンあたしにはらわせて!おねがいっ。ねっ」 「よ……ようし……そんなにたのむんだったら、はらわせてやらァ!」 「ありがとっ。春助クン」  ちゃんと春助のメンツを立てつつ、お金を払ってきっちり場を収めるエルちゃんの懐の深さ……まさに女神です。中学生にしてこんなできた女、そうそういないですよね。  これだけだったら、春助は体も器も小さいサイテー男なのですが、そこは主人公。随所に、エルちゃんに対する気づかいも見られます。  足をくじいた春助の手当てをしようと、自分が住んでいる女子寮に春助を引っ張り込むエルちゃん。男子禁制の女子寮に男を連れ込んだことがバレて、エルちゃんは朝まで食事抜きの独居房のような反省部屋に入れられてしまいます。  責任を感じた春助は、女子寮に再度忍び込み、エルちゃんが幽閉されている反省部屋にこっそりあんパンを差し入れします。喜ぶエルちゃんに対して…… 「い、いいかっ勘違いすんなよ! 別におまえが心配だからきたんじゃねえぞ」  そう、春助は決してエルちゃんが嫌いなわけではないのです、頑ななまでの男ツンデレなのです。もちろん作品連載当時はツンデレなどという概念はありませんでしたが、春助は80年代からすでに孤高のツンデレ男子だったのです。  とにかくエルちゃんは、春助のしでかしたケンカやトラブルを丸く収め、どんなに春助に憎まれ口を叩かれても、常にニコニコして決してへこたれないタフなメンタル。そして、最終的には圧倒的包容力ですべてを包み込んでしまう、中学生にして完成された母性を持つ女なのです。人間関係がギスギスしがちな今の時代だからこそ、エルちゃんのような体もハートもビッグなLサイズ女子が評価されるべきではないでしょうか? Lサイズ萌えの時代は、確実に到来してきていますよ!  ちなみに『かぼちゃワイン』には続編として『Theかぼちゃワイン Another』という作品があります。こちらは27歳、社会人となった春助とエルちゃんの話です。エルちゃんは春助の実家のランジェリーショップで働いており、春助は探偵事務所で働きだすのですが…… 「ねぇ、せっかくだから泊まっていけばいいのに」 「恋人同士でもないのにそんなこと出来っかよ!!」 「気安くキスすんなって言ってんだろ!」  というわけで、27歳になった2人の関係は、中学時代から何も変わっていませんでした。ダメだ、この甲斐性なし男は……。エルちゃん、いくら器がでかいといっても、いい加減キレるべきだと思います。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

ネットの寵児「LINE」はどこへ向かう? 突然の上場廃止のもくろみとは――

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『ヤバイLINE 日本人が知らない不都合な真実』(光文社新書)
 5月27日、LINEの出澤剛社長は日本外国特派員協会で講演し、今後のLINEの世界戦略について言及。WhatsAppなど、世界の強豪メッセンジャーアプリに挑む上での課題、また自社サービスの優位性について語った。  会見後、記者団からは、IPO(新規株式公開)に可能性について質問が飛び交った。が、出澤氏は、明言を避け、従来通りの見解を示した。 「企業の成長にとって、資本の調達は非常に重要な要素なので、IPOを含めた選択肢は、常に検討したり議論したりしています。ただ、具体的に決まっていることはありません」(出澤氏)  昨年、上場の目玉として注目を浴び、突如、延期を発表したLINE。その理由は果たしてなんだったのか、また今回も上場の名言を避けた理由はなんなのか? 光文社新書『ヤバイLINE 日本人が知らない不都合な真実』では、その複雑な実情について分析している。  この本を読んだ感想で言うと、その複雑さの最も大きな要因は“親会社との関係性”にありそうである。LINEの親会社は韓国最大のIT企業「NAVER」である。NAVERは、GoogleやYahoo!などを押しのけ、韓国シェアナンバー1検索ポータルとして盤石の地位を築いており、LINEの成功でさらに盤石な体制を築きつつある。両社は親会社と子会社という関係だが、相互に依存し合っている。LINEが上場するかどうかは、NAVERなしには考えられない問題なのだ。  今年もLINEは上場を騒がれている。であれば、韓国NAVERの挙動もともに観察すべきである。この本には、そうしなければならない理由がいくつも書かれている。  また『ヤバイLINE』には、次のような一節がある。 「日本国内のユーザー数は約5,800万人。これは日本の人口の約45パーセントに相当する。一日に利用するユーザーの割合は、63.6パーセント。単純に見て、日本人4人にひとりがLINEを毎日使用している計算になる」  ここ数年で、LINEを取り巻く環境は大きく変わった。何よりも変わったのは、LINEに対する日本人の感覚である。本書では、「LINEは日本の国民的プラットフォーム」になったと指摘する。  一方で、LINEはどう変化したのだろうか? どのようなビジネスを展開し、いま何を目指そうとしているのだろうか? また現在、LINEが国民的に普及したことにより、トラブルも日常茶飯事になった。イジメ、売春、犯罪などなど……。LINE社は、インフラとしての社会的責任をどう考えてくるのだろうか?  本書は、そんなさまざまな問いの答えを見つける上でヒントを与えてくれる。同時に、LINEを使うすべての人が、ふと立ち止まって考えなければならないことが込められている。特に、LINEを使う子を持つ親には必見の一冊である。

日韓国交正常化50周年、本当にこのままでいいのか?『韓国インテリジェンスの憂鬱』

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『韓国インテリジェンスの憂鬱』(KKベストセラーズ)
 今年6月22日は、日本と韓国にとって、ちょっと特別な日ということをご存じだろうか?日本と韓国はその日、国交を結んでちょうど50周年を迎えるのだ。しかし現在、国交正常化50周年を記念する祝福ムードはまったくなく、むしろ日韓関係は過去最悪に冷え込んでいるとさえいわれている。  過去最悪の日韓関係、その原因はどこにあるのだろうか――。それを韓国人に、しかも名だたる知識人に直接ぶつけてみた意欲作が『韓国インテリジェンスの憂鬱』(KKベストセラーズ)だ。  本書には、6人の韓国人識者が登場する。トップバッターは、ヒュンダイ自動車の元CEOで、国会議員を務めたこともあるイ・ゲアンという人物。ヒュンダイ自動車といえば、韓国が“世界ブランド”と自賛する自動車企業だが、日本の自動車技術を取り入れて成長した企業だ。その元CEOイ氏は、日韓の経済協力についてこんなことを話している。 「1962年に韓国が初めて経済開発計画を行ったときは、何でも日本から学べばいいと考えていました。また、日本にもその意思がありました。日本にとって韓国は“生徒”だったのです。両国は長らく先生と生徒の関係でしたが、いつしかその差は縮まりました。先生と呼ぶには生徒が大きくなりすぎましたし、かといって相互に恩恵を与えられるほど生徒が成長したわけでもないという時代を迎えています。相互関係というのは、互いに補完的か、代替的な関係でなければ成り立たないのですから、現状のままだとお互いにメリットは少ない」(本文より)  最近、「日韓の経済協力にはメリットがないのでは?」と考える人が増えているが、イ氏も同じように見ているのだ。  本書にはその他、弁護士、歴史学者、社会学者などが登場するのだが、特に興味深かったのは韓国外務省(外交通商部)で東北アジア局長を務めたチョ・セヨン氏のインタビュー記事だ。チョ氏は、1998年の日韓パートナーシップ宣言の韓国側担当者で、小渕恵三首相と金大中大統領の首脳会談で通訳も務めたほどの人物。こちらも日韓関係に精通した、なかなかの人物というわけだろう。 ただ、他の登場人物が“一人語り調”でまとめられているのに対して、チョ氏の部分だけは編著者がわざわざ前書きで「本人の希望もあってインタビュー形式で掲載した」と断っており、なにやら特別な事情があったようにも見える。実際に、チョ氏のインタビューはかなり刺激的な内容。すべてを紹介できないのが残念だが、例えば、日本の嫌韓現象の原因についての返答はこうだ。   「日本の立場としては、日本の経済協力によって韓国が豊かになれたのだから、日本に対して態度も良くなると考えていたのに、韓国は豊かになると過去問題を主張するようになりました。(中略)そんな中で韓国が中国と関係を深め、日本に反発するので、裏切られたという思いもあるのかもしれません。その余裕のなさが嫌韓感情として表れるのでしょう。慰安婦問題、独島(竹島の韓国呼称)問題などのきっかけがあると、寂しい心が嫌韓感情として表れる。ヘイトスピーチもそうです」(本文より)  なんとも一方的な意見だが、もし現在の韓国外務省の感覚も同じようなものであるとしたら、日韓関係がギクシャクする理由もなんとなくわかる気がする。誤解のないように断っておくが、本書に登場する人物には、もちろん「ハッ!」とさせる鋭い指摘も多い。  いずれにせよ、韓国知識人の“レベル”を知る上でも、役に立ちそうな『韓国インテリジェンスの憂鬱』。韓国の国内問題、韓国人の日本観、そして次の日韓関係50年を考える上で、目を通しておいて損のない一冊だ。

“迷”作短歌集が文庫本で復刊!『念力家族』が短歌の常識を覆す!

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『念力家族』朝日新聞出版
 「短歌」といえば、俳句と並び日本が生み出した代表的な定型詩であり、万葉の昔から現代まで読み継がれてきた言葉の芸術。そこには、日本人が古来から育んできた美しき心が映し出されている。西行法師は「願わくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月の頃」と自分の死を見つめ、在原業平は「名にし負わば いざ言問はん都鳥 わが思ふ人はありやなしやと」と京都を離れた悲しみを綴った。まさにクールジャパン。31文字が織り成す叙情的な風景こそが、日本民族の豊かな感性なのだ!  ……だが、歌人・笹公人の歌集『念力家族』(朝日文庫)に収められている短歌は、どうも様子が違っている。 「ベランダでUFOを呼ぶ妹の 呪文が響く我が家の夜に」 「ワシントンの伝記を読みし弟が 庭の桜の木を伐っている」 「エジソンに勝たんと発明繰り返す 父の背中の鳩時計鳴る」 「中華丼天丼カツ丼親子丼 牛丼うな丼兄の食欲」  ここには、「わび・さび」や、「美しい日本」はない。その代わりに、キャラ立ちした「念力家族」たちのバカバカしくも愛すべき姿が見えてくるのだ!  もともと、2003年に1,000部限定の通信販売で単行本として発売された本書。通信販売としては異例の好評を博し、04年にインフォバーンから一般発売されると、一躍、新人歌人・笹公人の名前を世に知らしめた。それから12年、今年3月にはなんと『念力家族』がNHK Eテレでまさかのドラマ化という展開に! これを記念して、文庫本として復刊されることとなったのだ。  1975年生まれの笹が繰り出す作品の数々は、まるで深夜ラジオの投稿ネタのようなシュールな笑いに満ちている。そのひねくれたユーモアセンスと、鋭く突き刺さる言葉の数々が、糸井重里、山田太一、大林宣彦、そして蜷川幸雄ら、各界の一流どころの感性を刺激する。格調高い「短歌」のイメージを覆すその作風は、作者自ら「お笑い短歌」と表現されているほどだ(インタビューで、笹は「爆笑問題を見てお笑い芸人への夢を諦めた」と語っている)。もともと、寺山修司に影響を受けて短歌を志した笹だが、寺山が、演劇や映画などさまざまなジャンルを横断しながら活躍したように、テクノポップバンドのミュージシャンやラジオパーソナリティとして活動していることも、型破りな作品を生み出し続ける一因だろう。  そんな笹が生み出した短歌は、短歌の常識を覆すものばかり。念力をモチーフにした短歌が異例なら、ビッチの美人生徒会長を描くことも異例だし、金星人が登場する短歌など聞いたことがない! ほとんど冗談としか思えない設定のキャラばかりがひしめき合い、31文字の宇宙には独特の世界観が広がっているのだ。  もはや、ツイッターでは「偶然短歌bot」がWikipediaから勝手に短歌(のようなもの)を生成している時代。日本が生み出した最古の文学である短歌も、日々アップデートが繰り返され続けなければならないのだ。シュールな笑いと、バカ家族の日常が醸し出すノスタルジーが詰め込まれている21世紀型短歌は、これまで歌集など手に取ったことがない人にこそ、ぜひ読んでほしい!

“ハリウッド的”ハッピーエンドへのアンチテーゼか 『第9地区』監督の最新作『チャッピー』

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(C) Chappie -Photos By STEPHANIE BLOMKAMP
 今週取り上げる最新映画は、クオリティの高い視覚効果を駆使して近未来を描くハリウッド製のSF超大作2本。愛着を覚えてしまうほどリアルな存在感が魅力のAIロボットか、圧倒的な迫力で動く巨大迷路か。映画館の大スクリーンで最先端の映像表現とスリリングなストーリーを堪能したい2作品だ。  『チャッピー』(5月23日公開)は、『第9地区』(2009年)、『エリジウム』(13年)のニール・ブロムカンプ監督がオリジナル脚本で臨むSFアクションドラマ。南アフリカのヨハネスブルグで2016年、テトラバール社が開発した警察ロボットが配備され、治安維持に貢献していた。同社の天才科学者ディオン(デーブ・パテル)は、独自に開発した人工知能(AI)を廃棄予定のロボットにインストールしようとする。だがロボットを車で運び出した直後、2人組のストリートギャングに誘拐されてしまう。AIを搭載し起動したロボットは、2人からチャッピーと名付けられ、ギャングとしての生き方を学び、成長していく。やがて、ディオンの同僚でAIを危険視するヴィンセント(ヒュー・ジャックマン)からチャッピーのことを知られ、チャッピーとディオンは追い詰められていく。  南ア出身のブロムカンプ監督が、『第9地区』と同様にアパルトヘイト政策の記憶が残るヨハネスブルグを舞台に設定し、「人類とAIロボットの共存は可能か?」という問いを投げかける。警察ロボットや遠隔操作の大型ロボットがまさに実在するかのような、リアルな視覚効果とアクション演出が抜群だ。『第9地区』で主演したシャルト・コプリーが、モーションキャプチャーでチャッピーを好演。日本のアニメや漫画に影響を受けたことを公言する監督が自ら手がけたチャッピーのデザインが、『機動警察パトレイバー』のイングラムにそっくりなのも話題だ。ブロムカンプ作品に共通する、ハリウッド的ハッピーエンドへのアンチテーゼとも言える衝撃のラストを、ぜひ劇場で確かめていただきたい。  『メイズ・ランナー』(5月22日公開)は、謎の巨大迷路に閉じ込められた若者たちのサバイバルを描く3部作の第1章。記憶を失った少年トーマスがリフトで運ばれてきたのは、高い壁で囲まれた「グレード」と呼ばれる区域。そこには月に1度、同じような若者が生活物資と共に送り込まれ、共同生活を送っていた。グレードの周囲は巨大な迷路になっていて、その構造は夜のうちに変化してしまう。トーマスと若者たちは、迷路の秘密を解いて脱出しようと試みる。  原作は、全米で160万部を売り上げたジェイムズ・ダシュナーのヤングアダルト小説。先行するYA小説原作の『ハンガー・ゲーム』(12年~)、『ダイバージェント』(14年~)両シリーズと同様、近未来のディストピアで奮闘する若者たちを描くが、本作は世界そのものが謎に包まれている点が大きな特徴。観客も登場人物たちに同化し、迷路とその外側の秘密を少しずつ解き明かしていくという趣向だ。孤島などでサバイバルする出演者たちの悪戦苦闘ぶりを楽しむリアリティー番組を思わせ、傑作ホラーの『キューブ』(98年)、『キャビン』(12年)のような仕掛けも。若い頃のケビン・ベーコンに似た主演ディラン・オブライエンをはじめ、日本では知名度の低い主要キャストだが、今後彼らの人気が上昇したら第2部、第3部と盛り上がりそうだ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『チャッピー』作品情報 http://eiga.com/movie/81798/ 『メイズ・ランナー』作品情報 http://eiga.com/movie/80980/

究極のチャラ男マンガ『Bバージン』は、なぜ非モテのバイブルだったのか?

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『Bバージン』(著:山田玲司/小学館)
 ジュリアナ東京、ワンレン、ボディコン、ヤンエグ、アッシー君、オヤジギャル等々……今はすでに死語になってしまったバブル時代を象徴するキーワードの数々、今の日本では想像できないほどに、あらゆる事象がアホみたいに盛り上がっていた時代でした。  そんなバブル時代の影響を色濃く受けた、『Bバージン』という作品をご存じでしょうか?「週刊ヤングサンデー」(小学館)で1991~97年まで連載されていた、山田玲司先生の代表作です。  今でこそクールジャパンで、アニメオタク・マンガオタク・アイドルオタクなど、自分のオタク属性をカミングアウトしても一定の理解を得られる世の中ですが、90年代はまだ今ほどオタクに市民権はなく、オタクを実生活でカミングアウトすることは、モテるためには絶対的禁忌とされていました。そんな中で『Bバージン』はオタクからモテ男への転身を描いた、当時としては画期的なラブコメであり、多くの非モテ男へ勇気と希望を与えるマンガだったのです。  当時ならいざ知らず、もしいま初めて『Bバージン』を読むと「うわー、何このチャラいマンガ!」という印象を持ってしまうかもしれません。なにしろ出てくるセリフの一つひとつがことごとくチャラチャラしており、「女を落とすならウォッカベースのモスコミュールで!」みたいな口説き方指南もバンバン出てくるという、ここまで徹底的にチャラさに徹したラブコメは当時としても斬新でした。  主人公・住田秋は、高校時代は生物部に所属する生物オタク。女性とは無縁の完全オタクな非モテ青年でした。しかしある日、高校で出会ったヒロイン、桂木ユイに一目惚れします。  一念発起した秋は脱オタク、そして脱非モテを目指して2人の姉と1人の妹に徹底的なイケメンに仕立て上げられます。そして憧れのユイと同じ大学に入学。女子の理想をそのまま体現したようなさわやかイケメンへと改造された秋は、キャンパスのナンバーワン女子、乙丸アリサをもゾッコンにさせるほどのモテっぷりで、童貞のままナンバーワンの女殺しの名を与えられたのでした。  ちなみに作品タイトルの『Bバージン』ですが、おぼっちゃま・お嬢様すぎてヤレない童貞(処女)がAバージン、オタク&非モテでヤレないのがCバージンであり、Bバージンは、モテまくりでやろうと思えばやれるけど、愛する人のために操を立ててヤラないことなのです。Bバージン……なんという高貴な童貞でしょうか!  つまり主人公の秋は、せっかく大学デビューでモテまくりなのに、本命のユイと付き合えるまで誰ともヤラない「宿命のBバージン」という十字架を姉たちにより背負わされていたのです。  この『Bバージン』の魅力のひとつは、冒頭でもご説明した通り、圧倒的なチャラ描写と、軽薄ゼログラビティなチャラいセリフの数々です。会話の一つひとつがチャラすぎて用語解説が追いつかないレベルです。 「彼氏きめてんじゃん。それアニエスの新作だろ。俺もさ、今年はアニエスかなってチェックしたんだ」 「今日はブナンにベルサーチでまとめたけど、ベルトはアルマーニなんだ」 「このあとアザブのクラブ行こうよ。昔のチームの連中がDJやっててさ・・・けっこー基地(ベース)の連中も・・・」 「オータニのバルゴでも行こうか?」 「俺、今日は一応イタリアものできめたかったし、エンポリオだけど」 「アニエスのスーツの後はベネトンでカジュアル・・・お前やっぱわかってるよなぁ」  めまいがするほどのチャラいセリフのオンパレード……。連載当時、ファッションに疎い非モテ予備校生男子だった僕(筆者)には、アニエスだのアルマーニだの言われても、かろうじてどこかの国のファッションブランドなんだろうな程度の知識レベル。ベネトンに至っては、F1に出ているぐらいだから車のメーカーでしょ? という認識でした。ナイキとかアシックスとかアディダスは、よく知ってたんですけどね!  おまけに90年初頭はインターネットなどない時代なので、今のようにわからない言葉をググることもできません。さらに、友達に意味を聞くのも恥ずかしくてできません……というわけで、「エンポリオ(アルマーニ)」の意味がわかったのは『Bバージン』を読み始めてから5年後ぐらいのことですし、「オータニのバルゴ」に至ってはいまだに意味がわかりません。  マンガの中でHOW TOコーナー的な感じで、あからさまに女の口説きテクニックが紹介されているのも斬新でした。当時これを真に受けて実践し、ボッコボコにされた非モテ男子たちは星の数ほどいるのではないでしょうか?(成功した人もいると思うけど) <女のつかみ方 基本1> その娘が強調してるアクセサリーをさりげなくホメる。 「あ・・・そのイヤリングいいね。似合うじゃん・・・」 「そぅおー、ハデかなーとか思ったんだけどー。」 <女のつかみ方 基本2> それにひっかけて本人をほめる 「まあ・・・素材がいいからだろ・・・フツーの娘だとイヤリングに負けそうだもんね」 といった具合に、ものすごく実践的に解説されています。モテたければこの歯の浮くようなセリフをサラッと言えればいいのですが、言えるんだったら非モテはやってませんよね。イヤリングじゃなくて、イカリングなら大好物なんですけどね!  そのほかにも「『○○みたいな』で女をホメる時はわけのわからないハリウッド女優はブナンである」みたいな実践テクも書かれていました。つまり「君ってウーピー・ゴールドバーグみたいだね」とか言えば喜ぶみたいなんですよ。まったく……女心ってやつは意味不明です。  とにかく『Bバージン』連載当時の僕は、大学受験に失敗した後、代ゼミで先の見えない暗い浪人時代を送っており、非モテをこじらせすぎて非モテレベルがMAXでした。そのため『Bバージン』に出てくるチャラ男すぎる大学生のチャラチャラした恋愛ライフがあまりにうらやましくまぶしくもあると同時に、とめどなく殺意が湧くものでありました。  しかし、読んでいくうちに、そのチャラさの厚いヴェールに覆われた作品の本当のテーマが、韓流ドラマも真っ青の究極の純愛であることに気づくのです。そう『Bバージン』こそ、どん底にいる僕たち非モテの心をグッとつかんで離さない非モテのバイブルだったのです。チャラッチャラに装飾されたキャンパスライフが描かれている中にあって、Bバージンを誓って一途にユイだけを追いかける秋の熱さが非モテ達の胸を打つわけです。 「キープだ愛人だって、なんなんだお前達はーっ!! こいつの為なら死んだっていいってのが、恋愛だろ!! それをなんだ、キープだ補欠だって、恋人は物じゃねーぞ!!」 などと、秋は青春映画真っ青の熱いセリフをかましてくれるのです。ここで非モテたちは号泣ですよ。  作品中盤ではだんだんチャラさのヴェールが取れていき、純愛路線、そして熱血路線を経て、秋の生物オタクへの回帰が色濃くなってきます。ユイを狙うライバルとして登場した、Jリーガー候補のサッカー部のエース、佐藤元三(モトミ)とユイを賭けてPK対決するくだりは完全に熱血スポ根友情マンガみたいです。  終盤になると、一流の生物学者になるため、水族館のスタッフとして働き始める秋。イルカを処分するしないで、水族館スタッフの内部紛争に巻き込まれていきます。最後にはシー●ェパードみたいなゴリゴリの武闘派動物愛護団体と手を組んで、水族館内でクーデターを起こし、殺されそうなイルカを東京湾に逃がし、自分も海外逃亡……などというすごい展開に。もはやハードボイルドです。前半のあのモテHOW TOマンガみたいな展開はどこへ行ってしまったのか……。  このように大学生チャラ男編、熱血純愛編、水族館内部紛争編のように激しく方向性が変わっていった作品ではありますが、最後までハイテンションを維持しており、名作と呼ぶにふさわしい作品です。皆さんも本作品を読んで究極の純愛『Bバージン』を目指してみてはいかがでしょうか? 結局のところ、イケメンじゃなければキモチ悪いだけという可能性もありますが……。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

“美人すぎる人妻”日本代表は誰だ!?「Mrs.QUEEEN CONTEST」が熱すぎる!!

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「Mrs.QUEEEN CONTEST」主宰の鹿野幸子さん
 人妻……その甘美な響きを聞くだけで、青少年たちの胸は高鳴る。近年の美熟女ブームと相まって、世の中の酸いも甘いも知り尽くした麗しき人妻たちへのあこがれは募るばかり。そして、そんな「美人すぎる人妻」たちが集結するコンテストが「Mrs.QUEEEN CONTEST」だ!  今年から始まった“日本一のミセス”を決めるこの大会では、一般公募から選出された20人の人妻たちが集合! この大会で選出された人妻は、日本代表のミセスとしてロシアで行われる「ミセスユニバース」や、マレーシアで行われる「ミセスアジアインターナショナル」など世界大会への出場権を獲得する! 5月29日に行われる最終審査を前に、Web上で発表された顔ぶれを見ると、そこには「美しい」を全身で表すかのようなミセスばかりがずらり! ここで公開されている彼女たちの動画の再生回数も審査の参考になるそうだが、あまりのクオリティの高さに、片っ端から見入ってしまうほどだ……。  今回、日本代表ミセスを決めるのは10人の審査員たち。伊藤博文の孫・伊藤英子氏を審査委員長に、山県有朋の子孫である山県有徳氏、そして、脳科学者の苫米地英人氏など普通のコンテストではあり得ない豪華でセレブな顔ぶれが並ぶ。まさに、各界の重要人物たちがによって審査される日本代表ミセス。しかし、こんな美しすぎる彼女たちを、いったいどんな審査基準で選ぶのだろうか!? もう、全員が日本代表レベルの容姿じゃないか!
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「ミセスワールド」の様子。世界各国から“美しすぎる人妻”が集結!
「見た目がキレイなのは当たり前なんです!」  と語るのは、昨年日本代表美女として「ミセスワールド」や「ミセスアジアインターナショナル」に出場した、鹿野幸子さん(美女!!)。世界大会出場の経験を活かして今回の大会を主宰する彼女は、ミセスクイーンに求められる美しさを次のように語る。 「容姿の美しさだけでなく、日本代表の名前に恥じない知性を持ち、日本のよさを海外でちゃんと伝えられるか、海外のセレブたちとも互角に喋れるかどうかがが大事なポイントです。日本代表に選ばれると、様々な国のトップクラスの人々とも面会をすることになり、その振る舞い方が海外での日本の印象を決めるんです。日本代表を選ぶこちらの責任も重大ですよね」  ただの「美女コンテスト」ではなく、日本の国益をも左右しかねない(?)のが「ミセスクイーンコンテスト」なのだ! 29日の最終審査会では、ドレス審査やセクシーな水着審査で20人の美女たちがズラリと並び、オトコたちの眼を釘付けにするだろう。ぜひ、キミの手で「日本代表の人妻」を選出してほしい! ミセスクイーン コンテスト|FINALISTS自己PR動画一覧 http://mrs-queeen.com/finalists Mrs.QUEEEN CONTEST http://mrs-queeen.com/

ワケありモンスター風俗嬢が大集結! 関西最狂マニア専門店「トリプルレッドカード」イベントに潜入

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中央に鎮座するのは、新人のイオナズン(撮影=高田遼)
 GWが始まったばかりの4月30日、大阪なんばにあるロフトプラスワンウエストは多くの人でにぎわっていた。お目当ては、“日本一の妖怪風俗店”として話題の「トリプルレッドカード」。作家の岩井志麻子氏が『5時に夢中!』(TOKYO MX)でその名を発したことで火がつき、いま注目を集めるマニアック風俗店だ。 「トリプルレッドカード」では、他店で「レッドカード」を出される(採用されない)ような女性たち……ひとことで言ってしまえば、「ブス」ばかりを採用しているという。それも、「ブス」は「ブス」でもただの「ブス」ではない。骨と皮だけのガリガリ40代(レッドカード2枚)から、男性経験ゼロで入店した130kg超えHカップ(レッドカード2枚)、果ては、警察沙汰まで起こしたトラブルメーカーで無断欠勤常習犯の52歳(レッドカード3枚)と、“レッドカード”だらけのモンスターばかりをあえてそろえているのだ。  そんなトリプルレッドカードによる『人間を超えたモンスター風俗譲の集い』が開催されると聞き、我々も早速ロフトプラスワンウエストへと向かった。今回は、今年3月に卒業したばかりの「ハーゴン」、アゴひげの生えた「ブロッコリー」、新人の「イオナズン」、200kg超えを目指す「DQN将軍」、そしてホスト狂いの「札幌からの刺客」の5人のキャストも参戦し、会場内からは声援も飛ぶ。
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 イベント前半戦のトークテーマは「トリプルレッドカード事件簿」。同店の代表である校長、そして店長・わかめ氏が、レッドカード中のレッドカード「異次元」と位置付けるキャストが起こした事件を紹介していくコーナーだ。  待機ルームの椅子に座れず、痩せようと自転車通勤を始めた途端、途中の坂道がキツ過ぎて泣きまくる「キング the 美豚」。ホテルで無銭飲食をしようとし、事務所に支払い請求をさせる「異次元 スジ子」(物乞い常習犯)。11回も突然行方をくらましては、突然戻ってくるホスト狂いの「札幌からの刺客」(ホストへの未払いは現在26万円)。お金は稼ぎたいけど顔出しNGと言い張るために、アルミホイルで全身グルグル巻きにされた「アルミ 銀次郎」(ちなみに、外で待ち合わせをしても全身アルミホイルでは来ないらしい)……などなど、キャストたちは次から次へとトラブルを持ち込んでくる。
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男性経験0人だけどレズ経験あり、で入店したDQN将軍(20)。
「それでも、うちは絶対にクビにはしません。飛んじゃった子も、ふらっと戻ってくればまた受け入れるし。怒ることもないですよ!」(店長)  そんな優しい校長、店長は時に、客の“なだめ役”にも回っている。 「うちを利用するお客さんの中には、“罰ゲーム”の人も多いんです。先輩とかに煽られて、後に引けなくなって電話してきたとかね。でも、いざホテルに女の子を待機させてたら、男性側がビビッて入れないと電話してきたことがあって。オプションで『奇跡の陰毛ふりかけ』をつけてたんで、ピンときたんですよ。『罰ゲームですか? まあ、ツライと思いますが……』なんて、お客さんを説得することから始まることも、少なくないです(苦笑)」(校長)
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札幌からの刺客(44)。関ジャニの大ファンで、「大阪に来たらなんとかなる」と思って札幌から来たもののどうにもならず、路頭に迷って入店したそう。
 ちなみに、「奇跡の陰毛ふりかけ」とは、キャストがご飯の上に自らの陰毛をカットしてふりかけてくれる……というもの。500円、ワンコインで付けられるオプションのひとつだ。ほかにも、「仕返しパンツ(ウ○チの付いたパンツ)」「悪臭キッス(歯磨き3日禁止後のキス)」など、他店では決して体験できないメニューが満載だ。  開店から2年と1カ月。今では「私は、ずっとほかの風俗店で働いてきたんですが、ツイキャスで校長と仲良くなって、『トリプルカード』で働きたい! と移籍したんです」(イオナズン)というキャストも現れ、“他店であぶれた子”の受け皿としてだけでなく、“積極的なモンスター集め”に磨きがかかっている。  5月末には、“レベルの低さ日本一の風俗”をうたう「鶯谷デッドボール」との合同イベントも控えているそうで……さて、どちらが底辺の座を射止めるのだろうか? (取材・文=編集部) 【出演】 校長(トリプルレッドカード校長) ワカメ(トリプルレッドカード店長) 水嶋かおりん(性戯の味方) ハーゴン(モンスターA) ブロッコリー(モンスターB) イオナズン(モンスターC) DQN将軍(モンスターD) 札幌からの刺客(モンスターE) 【司会】 オケタニイクロウ(動画ツッコミスト/ファッション眼帯協会) 「トリプルレッドカード」HP <http://red-card.info/> トリプルレッドカード 校長CAS <https://twitter.com/runner818> 店長 わかめ <https://twitter.com/redcard8888> グッズ販売ページ <http://red-card.info/goods/products/list.php?category_id=1>

カメオ出演にも注目! 鬼才テリー・ギリアムが描く、近未来SF『ゼロの未来』

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 今週取り上げる最新映画は、鬼才テリー・ギリアム監督による待望の近未来SFドラマと、リーアム・ニーソン主演のサスペンスアクション。魅力あふれる世界観やスピーディーな活劇はもちろん、名優たちが演じるキャラクターの生き様も味わい深い2作品だ(いずれも5月16日公開)。  『ゼロの未来』は、『未来世紀ブラジル』(1986年)のテリー・ギリアム監督が、『イングロリアス・バスターズ』(09年)のクリストフ・ワルツ主演で描いた近未来SF。世界をコンピューターで支配する大企業に勤める天才プログラマーのコーエンは、人生の意味を教えてくれる電話がかかってくるのを待つため、経営者に在宅勤務を願い出る。住居兼用の荒廃した教会で、謎めいた「ゼロの定理」の解読を任されたコーエンだったが、待ち望む電話は鳴らず、仕事にも行き詰まってコンピューターを壊してしまう。そんなとき、パーティーで出会った魅力的な女性ベインズリーと、経営者の息子ボブが相次いで教会に現れ、コーエンの孤独な生活に変化が訪れる。  伝説的なコメディ集団モンティ・パイソンのメンバーとして開花させたギリアムのシニカルなユーモアは、長編監督作としては『Dr.パルナサスの鏡』(10年)以来4年ぶりとなる本作でも健在。初来日時にカルチャーショックを受けたという秋葉原の騒音と映像のカオスぶりを未来都市の風景に反映させたほか、歩く主人公をしつこく追いかける動画広告、ネット経由のバーチャルデートなどもコミカルに描き、ハイテク依存を強める現代社会の行く末にブラックな笑いで警鐘を鳴らす。アカデミー助演男優賞を2度受賞したワルツが、悩める天才の葛藤と精神的成長を味わい深い演技で体現。ベインズリー役のフランス人女優メラニー・ティエリーも、聖俗併せ持つピュアでセクシーな魅力が混沌とした舞台に映える。カメオ出演ながらマット・デイモン、ティルダ・スウィントンも印象的なキャラクターで世界観の構築に貢献した。  『ラン・オールナイト』(R15+指定)は、『アンノウン』(11年)、『フライト・ゲーム』(14年)に続き、主演のリーアム・ニーソンとジャウム・コレット=セラ監督が3度目のタッグを組んだクライムアクション。ニューヨークを牛耳るマフィアの殺し屋ジミーは、家族をかえりみず、息子マイクとも疎遠になっていた。だがある夜、命を狙われたマイクを救うため、マフィアのボスで30年来の親友でもあるショーンの息子を射殺してしまう。ジミーとマイクは、復讐に燃えるショーンの組織と汚職警官らから追われる身となり、逃走劇を繰り広げる。  元CIA工作員に扮した『96時間』シリーズの大ヒット以来、すっかり「無敵の中年オヤジ」キャラが定着したニーソン。セラ監督とのコラボでも、前2作と同様、絶体絶命のピンチを巧みに切り抜け、迫り来る敵をバッタバッタと倒すノンストップアクションに体を張った。カーチェイスと銃撃戦の派手さだけでなく、ジミーとマイク、エド・ハリス扮するショーンとその息子、2組の親子の愛憎も効果的に描かれ、裏社会に生きる男たちの悲哀がしみる。ニーソンとハリスの名優同士による、西部劇の決闘のようなラストの対決まで、刺激的な場面の連続に目が離せない。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ゼロの未来』作品情報 <http://eiga.com/movie/81428/> 『ラン・オールナイト』作品情報 <http://eiga.com/movie/79809/>