あの豪快なパンチラが銀幕で! 今週公開の2作品『映画 みんな!エスパーだよ!』 『ヴィンセントが教えてくれたこと』

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(C)若杉公徳/講談社 (C)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会
 今週取り上げる最新映画は、売れっ子監督・園子温が手がけた人気テレビドラマの劇場版と、ビル・マーレイ主演の心温まるコメディ。前者はおバカなストーリーとセクシーな女優陣、後者は演技達者の主要キャストによるアンサンブルと、それぞれ見どころは異なるが、笑いと感動で気分転換にうってつけの2作品だ(いずれも公開中)。  『映画 みんな!エスパーだよ!』は、若杉公徳の人気コミックを園子温演出、染谷将太主演でドラマ化した『みんな!エスパーだよ』(テレビ東京系)の劇場版。愛知県東三河に住む高校2年生の嘉郎は、ある日突然、人の心の声が聞こえるテレパシー能力に目覚める。超能力研究者の浅見教授は、嘉郎や同じく超能力に目覚めたエスパーたちを招集。頼りない嘉郎らに、悪のエスパーが進める「人類エロ化計画」を阻止して世界を救うよう告げる。  Wヒロインにモデル出身の池田エライザと園映画に出演が続く真野恵里菜を配したほか、神楽坂恵、高橋メアリージュン、冨手麻妙、サヘル・ローズ、篠崎愛など、とにかく女優陣が豪華だ。染谷は主演作の『寄生獣』(2014年)と同様、非現実的なシチュエーションでキャラにリアリティーを持たせる稀有な才能を発揮。過去の作品でも豪快なパンチラにこだわってきた園子温監督が、本作でもパンチラをはじめ、水着・下着のセクシーショットを大盤振る舞い。中2男子が妄想するファンタジーを全力で実写化したような、園監督の振り切った演出と女優たちの露出度満点の演技を楽しみたい。  『ヴィンセントが教えてくれたこと』は、ビル・マーレイ主演のハートウォーミング・コメディ。酒とギャンブルだけが生きがいの偏屈な老人ヴィンセント(マーレイ)は、隣に引っ越してきたシングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)から、仕事中に12歳の息子オリバーを預かるよう頼まれる。時給12ドルでしぶしぶ引き受けたヴィンセントだったが、不思議とウマが合うオリバーをあちこち連れて歩き、いじめっ子の撃退方法も伝授。大きく年の離れた2人にいつしか友情が芽生えるが、オリバーをバーや競馬場に連れて行った事実が発覚し、交流を断たれてしまう。  監督・脚本はCM出身の新人セオドア・メルフィ。主役オファーを快諾したマーレイが、世捨て人のような暮らしぶりの不良ジジイが少年との交流を通じて次第に生きる意思を取り戻す姿を、哀愁とユーモアに満ちた渋い演技で魅せる。コミカルな役柄が多いメリッサ・マッカーシーがシリアスな演技に徹し、妊婦ストリッパーに扮するナオミ・ワッツのはすっぱな雰囲気もいい。マーレイが自ら歌うボブ・ディランの「シェルター・フロム・ザ・ストーム」など、挿入される音楽も効果的。老人と少年の変則的なバディムービーは、目いっぱい笑えて、しみじみと味わい深い逸品だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 「映画 みんな!エスパーだよ!」作品情報 <http://eiga.com/movie/81853/> 「ヴィンセントが教えてくれたこと」作品情報 <http://eiga.com/movie/81272/>

現役最高齢!? 92歳のおじいさんが営む、自宅系古書屋「青空書房」に潜入

 大阪市北区浪花町、天神橋筋商店街にほど近い住宅街の路地裏にひっそりとたたずむ古書店がある。大通りに置かれた看板には「ホッとする路地のなかの古書店 青空書房」の文字。
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 看板に従って進んだ先は、見ての通りの細い路地。
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 ちょっと躊躇しつつ、「営業中」とあるのでのぞいてみる。
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 入って右手に本がぎっしりと並んだスペースがあり、靴を脱いで上がるスタイル。
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 お店に入るというより、人の家にお邪魔するといった感じである。  部屋の中は、書棚からその前の床まで所狭しと本が並んでいる。
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 この店の店主は坂本健一さん。1923年生まれ、92歳のおじいさんである。
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 出征していた坂本さんは終戦後間もない1946年から闇市で古本を売り始めた。少年の頃から本の虫だったという坂本さんにとって、古書店はまさに天職だったのだろう。翌47年には、大阪の天満に「青空書房」を開業。以来、67年間にわたってお店を営んできた。  天五中崎通商店街に移転した「青空書房」は、坂本さんの体力的な問題もあり、2013年12月をもって惜しまれつつ閉店した。しかし、翌年になって自宅の一部を使う形で営業を再開し、今に至るという。 「大阪でも関東でも、一代で現役でやってる古書屋では一番古いかもしれません」とニッコリ笑う坂本さんに、なぜ一度お店を閉めつつも営業を再開されたのかを聞いてみると、 「私は本人間で、とにかく読書が好きなんです。せやからねぇ、やはり死ぬまで本に囲まれていたいんです。愛しい本と一緒にいたい。この家は私の生まれた場所なんです。そしてここが終の棲家ですねぇ」  自宅ながら、在庫は2,000冊近いという。 「ここは通りに面していないから、通りがかりの人は来ないです。本屋は通りがかりの人が来てこそのものなんやけど、ありがたいことに私のファンだという人が一日に何人か来てくれます。中にはお帰りになった後、玄関を見たら本を置いていってくれる人もいてます」 「青空書房」は作家にも愛されてきた店で、筒井康隆や山本一力といった小説家は古くからの常連客であり、坂本さんに言わせれば「親類同然」の関係なのだとか。 「ありがたいことでねえ。お店をやってたら、人と人とのめぐり合いがあるんです。筒井さんや山本さんとも、身分関係なく、人間として関係させてもらっています」  今でも5冊ほどの小説を同時に読んでいるという坂本さん。その読書歴の中からおすすめを教えてもらうと、 「私は文学が中心ですけどねぇ、ずっと好きで読んでいるのは『古事記』。あとは、時代物で山本周五郎、藤沢周平、池波正太郎はずーっと好きです。田辺聖子さんの本も好きです。外国文学は、最近ご無沙汰ですけど」  特に池波正太郎の小説には、思い入れが深いという。 「池波さんの文学は、悪人の中にも善があって、正しいやつにも心の隅にしょうもない悪がある、それをきちんと見て描いているんです。池波さんは若い頃に好き放題して、よう遊んでたそうです。そやから人間がわかるんだと思いますねぇ。小説は弱い人、そして何をやってもうまくいかない人のためにあるんだと私は思うんです」 「青空書房」の店内には、坂本さんの手による味わい深い絵や文字が壁の至るところに貼られている。その多くは「食事や通院などでお店をちょっとの時間空けます」といった、お客さんへのメッセージ。
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 絵も字もとてもかわいらしい。以前は毎週の定休日を知らせるポスターをその都度描いており、それらのポスターを集めた本も出版されている。 「本は人間にとって水分みたいなもの。体の70%が水だというように、生きていく上で欠かせないものだと思います。人間、成果主義や効率主義を求めたら失うものがたくさんあるんです。それに気づかせてくれるのが読書です。政治家を見ていても、悪いけど、幼い子どもみたいに席を取り合っているようにしか見えないです。本を読んでお互いをいたわる気持ちを学んでないんだと思いますね」  そう語る坂本さんの生き生きとした表情に、こっちまで元気づけられるようなひとときだった。
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(文=スズキナオ http://roujin.pico2culture.jp/●「青空書房」 住所:大阪府大阪市北区浪花町4-24 営業時間:11:00~18:00 定休日:木曜、日曜

デモに何万人集まっても世の中が変わるワケない! 本気で革命をしたい人のための2冊

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『思想としてのファシズム』(彩流社)
 気がついたら、どこかでデモが行われるのも当たり前の時代になってきた。  脱原発・安保法制・反ヘイト・行動する保守等々、思想は無数で催しも全国津々浦々で星の数ほど。新聞やテレビでも、そうした報道を目にすることは多い。  けれども、社会のさまざまな問題に興味はあっても、そうした活動には背を向けている人も多いのではなかろうか。就職ができなくなるとか、個人的な問題で背を向けているのではない。 「あんなぬるいデモやらなにやらで、世の中が変わるはずなどない」  そう。今の「社会運動」と呼ばれるものは、ものすごくスケールが小さい。護憲か改憲かというテーマは大きく見えるけど、単なる国民国家の内輪の話ではないか。 「そんなセコイことやってられるか! 俺たちが変えるのは世界なのだ」  世界革命か最終戦争かは知らないけれど、巨大なオトギバナシを夢想する人々にとっては、憤懣やるかたない時代。  しかし、いよいよデモなんてやったところで、なにも変わらないという真実に目覚める人が増えているのか? 本気で世界を変える意志を語る本が相次いで刊行されている。  その筆頭が千坂恭二『思想としてのファシズム「大東亜戦争」と1968』(彩流社)だ。  この本は、10代でアナキズムの思想家として注目を浴びた千坂氏の43年ぶりになる新著だ。「中野正剛と東方会」に始まり、さまざまな視点から、今では多くの人々が「絶対悪」だと思い込んでいるファシズムを捉え直そうとする本書。中でも「世界革命としての八紘一宇──保守と右翼の相克」では、天孫降臨から神武天皇の東征を語り、こう記す。 <驚くべきことに神武の東征革命軍は、ニニギ的外部注入論によって組織され、畿内大和の保守勢力を制圧し、在地の改革国家ではなく、外部による革命国家を樹立し、八紘一宇としての世界革命を志向したのである。>  つまり、日本は建国以来、世界革命を目指す革命国家だというのである。なんと痛快なことか! 膨大な知識を用いて記される文章は、千坂氏を知らずに読む人にとっては相当の決意がなければ大変な作業かもしれない。そんな人にはまず巻末に収録されたロングインタビューから読むことをおすすめしたい。ここでは千坂氏の生の声で、さらに鋭い切れ味を感じることが出来る。大東亜戦争の本質について「アングロサクソン帝国主義秩序の粉砕です。日本人は戦後洗脳されたのです」と語り「戦後の皇室は、敵の捕虜になっているようなものです」とまで言い切る千坂氏は、現代において革命家は現れうるか? という問いにも強烈な一言を放つ。 <今は革命家というのは犯罪者と病人以外には存在しないかもしれません。(中略)何かわけわからないけれども現代が気に入らない、もやもやしている、くそう、許せない、レンタカー注文して、秋葉原で人をひいてやろうと、こういう計画性のない人間にしか無理なんです。>  一連の文章の中で千坂氏は「立ち上がろう」とも「革命を起こそう」とも鼓舞したりはしない。しかし、行間からは選挙で選ばれたり、論壇で有名になった者たちが「影響力」を持ち体制内での改革に終始してしまうことへの批判がにじみでているような気がする。ページをめくるごとに既存の体制が幻想に過ぎないという思いは明確になり、読む者を「世の中をひっくり返してやろう」という決意へと導いていく。そして、そうした決意を持っていても間違いじゃなかった。異常者・病人よばわりするなら、勝手にしやがれ! という信念までもが生まれていくのである。
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『現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)
 さて、そんな既存の体制という幻想に対する怒りをもっとストレートに記したのが栗原康『現代暴力論 「あばれる力」を取り戻す』(角川新書)だ。  まず、何がすごいかといえば、本郷あたりの社会科学系書籍が専門の出版社じゃなくて、KADOKAWAから出版されているのが信じられないくらい、強烈な主張が綴られているのである。著者の栗原氏は現在、東北芸術工科大学非常勤講師の職にあるという。とてもそれだけでは生活が成り立たないと思ったら、本人が「はたらかないで、たらふく食べたい」「年収は100万円にもみたない」と記しているから、正直すぎて信用できる。  同時に、もしや栗原氏は虎ノ門事件で摂政宮(後の昭和天皇)を暗殺しようとした難波大助が狂人と思われないように第三高等学校を受験したエピソードにならって、何か世の中が仰天するようなたくらみのために、非常勤講師の職についているのではないかと思ってしまった。それほどまでに栗原氏は、ひらがなを多用した独特の文体で既存の社会運動に対する怒りと諦観を表現し、暴力を肯定する。 <「これでデモができなくなったらどうするんだ。おまえらのせいで再稼働をとめられなくなるんだぞ」。わたしたちは、なにかわるいことでもしているのだろうか。なんだかひどい負い目を感じさせられる。>  そう、今渇望されているのは、こうした本音なのだ!  新しい社会運動などと称するものの権力性を批判する言葉は新鮮だ。それ以上に栗原氏が研究している大杉栄の文章を引きながら語られる米騒動の解説などは、まるで見てきたかのように軽快に楽しく語られる。「暴力論の教科書」として紹介される『水滸伝』の解説など、相当楽しすぎたのか「竹中労の『黒旗水滸伝』ではない」なんて書いてある。  いくら読者が限定されそうな本だからって、ここで何人が笑うんだ! 思わず、二重橋の前で陛下に一礼した後に「チェストー」とやりたくなるではないか!(意味がわからない人は『黒旗水滸伝』を読んでください)  もちろん栗原氏も「べつにいまテロリズムをやろうよとか、そういうことがいいたいわけじゃない」とは書いている。でも、同時に物を壊したりも人を殴ったりも、警察にくってかかったりもしないデモを「おわっている、死んでる」と、ぶった切る。おそらくは、知識人やらに持ち上げられる、ピースフルな運動がやがて犯罪者か病人のひと暴れによって粉砕され、本当の祝祭としての暴動がやってくる未来を見ているのであろう。  革命か維新か最終戦争か。そんなものが、いつやってくるかは、わからない。でも、この2冊の本の登場は、体制内の社会運動などに満足せず世の中を変えたいと願い、スタンバイする人々が増えていることを示しているだろう。  夏も終わる。紅燃ゆる反逆の血潮が匂う秋がやってくる。俺たちの真の敵は「時代」だ。 (文=昼間たかし)

10カ月で体重20~30kg増減する『俺物語!!』鈴木亮平の“役者魂”がストイックすぎる!!

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「映画『俺物語!!』」(集英社/2015映画「俺物語!!」製作委員会)
「また2カ月で30キロの減量をしたのですが、本人は『Mなので楽しみを感じてますよ!』と、たび重なる体重増減を楽しんでるようです。ただ一緒に仕事をしてる側からすれば、健康面は大丈夫なのかなって思いますよね。昨年の10月から、10カ月で20~30キロの増減を繰り返してますからね……」(映画関係者)  先日、映画『俺物語!!』(10月31日公開予定)に主演するにあたって、30キロ増量したことが話題になった鈴木亮平。その前に『天皇の料理番』(TBS系)で20キロの減量をしていたことから、その増減ぶりが注目された。 「実は、この8月から9月まで、一昨年に公開された映画『HK/変態仮面』の続編の撮影をしているんです。『俺物語!!』で増やした30キロを落として、かつ、前回と同じように肉体美を作り上げる必要がありますからね。普通に考えたら到底できないのですが、鈴木さんはそれを楽しんでますよね。『役者冥利につきますよ!』とノリノリでしたよ」(芸能事務所関係者)  ただ、各方面で話題になった『天皇の料理番』での役作りは、現場もかなり気を使っていたという。 「現場にケータリングが来ても、差し入れがあっても、一切手をつけていませんでした。基本的に固形物は口にしていませんでしたね。ほとんど水しか飲んでいなかったと思いますよ。主演の佐藤健さんも『食べづらいよね……』と、苦笑いしていました。実際、鈴木さんのシーンの現場は、何かを口にできるような雰囲気ではなかったですね。それくらい、鈴木さんの気迫がすごかったです」(TBS関係者)  実際、鈴木の減量方法について本人に聞いたところ、「特別、ジムに行ったり専門のトレーナをつけたりせずに、本を読んでトレーニングをしているようです。食事面でも、特別なことはしていないようです。基本的に“食べない”という減量方法で、ファスティングを定期的に行って調整しているようですよ」(同)  そこまで肉体面でのビジュアル作りにこだわる理由を聞いてみると、 「本人は『特に漫画原作だとこだわりますね。読者はそのキャラの画を見てますからね。どこまでそれに近づけられるかは役者の仕事ですよ』と言っていました。また、デビューが遅かったことも気にしていて、『人一倍努力しないといけないんです。少々、食べないくらい、我慢しないといけないんですよ。ただ、死にそうなくらいしんどいですけどね』と笑いながら言っていました。『俺物語!!』の時は、一度15キロ増量してから筋トレで体を作っていったようです。『HK』は、もともと30キロ増量した後なので、前回よりはやりやすいんじゃないですかね。少なくとも、増やす必要はないですからね。ただ、10月クールもなんらかの連ドラに出るでしょうから、そのときどういう役をやるのかも楽しみですよね」(別の芸能事務所関係者)  “カメレオン俳優”ならぬ、“リバウンド俳優”とでも言うべきか。

戦後70年に見たい、注目の2作品『ふたつの名前を持つ少年』『この国の空』

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(C)2013 Bittersuess Pictures
 今週取り上げる最新映画は、戦後70年を迎える今夏、戦争をテーマに数多く公開される内外の新作の中でも特に注目すべき2作品。邦画と洋画の違いはあれど、市民の目線から戦争の理不尽さを描く姿勢は共通している。  『この国の空』(公開中)は、高井有一による谷崎潤一郎賞受賞作の同名小説を、ベテラン脚本家の荒井晴彦が18年ぶりにメガホンをとって映画化した人間ドラマ。昭和20年、米軍による空襲が始まっていた東京の杉並で、19歳の里子(二階堂ふみ)は、母(工藤夕貴)と健気に暮らしていた。妻子を疎開させた隣家の銀行支店長・市毛(長谷川博己)の身の回りの世話をするようになった里子は、戦況が悪化する中、結婚できないまま死ぬのではと不安を抱えながら、次第に女として目覚めていく。  役とほぼ同年齢の二階堂が、少女の無垢さの中に女の艶っぽさが芽生える頃の女性を、存在感たっぷりに体現。母役の工藤、途中から同居する伯母を演じた富田靖子と共に、女3人での口論や食事の場面にもリアリティーを感じさせる。若干冗長に感じられる部分もあるが、時代の閉塞感と市井の人々の葛藤がじわじわと迫り、深い余韻を残す1本だ。 『ふたつの名前を持つ少年』(8月15日公開)は、ポーランド人作家ウーリー・オルレブが実話を基にした児童文学『走れ、走って逃げろ』を原作に、短編やドキュメンタリーで実績のあるドイツのペペ・ダンカート監督が映画化した感動作。1942年夏、ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走した8歳の少年スルリックは、森で半年生活した後、凍死寸前で行き倒れたところをヤンチック夫人に救われる。少年の愛らしさと賢さに気づいた夫人は、彼が1人で生きていけるよう「ポーランド人孤児ユレク」としての身の上話を教え込む。少年はユレクを名乗り、ユダヤ人狩りを続けるナチスから必死に逃れながら、寝床と食べ物を求めて農村の家を渡り歩くようになる。  主人公は、700人以上のオーディションを勝ち抜いた双子のアンジェイ・トカチとカミルがシーンによって演じ分けた。時代が生んだ圧倒的な力と過酷な試練を象徴する広大な自然のワイドショットと、ちっぽけな少年の対比が印象的。森暮らしで生き抜く知恵を共有する子どもたち、身の危険を感じながらユレクを助けるポーランド人たちに救われる思いがする。少年の立場だったら、あるいは彼と出会った大人の立場だったら、同じように勇気ある行動ができるだろうか――そんな自問をうながす、力強いメッセージを秘めた作品だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『この国の空』作品情報 <http://eiga.com/movie/81191/> 『ふたつの名前を持つ少年』作品情報 <http://eiga.com/movie/81913/>

ブライダル業界の新提案「結婚式を出会いの場に!」ブーケトスより結婚に近づける全出席者大満足の「姓名判断の余興演出」とは!?

※これは企業インフォメーション記事です
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 読売テレビ系列『浜ちゃんが』やTBS系列『サワコの朝』などの番組を手がける人気放送作家の勝木友香と、その勝木の主宰する放送作家集団「SAYO」の植田靖章が、姓名判断を使った新しいブライダルエンターテインメントを企画してにわかに脚光を浴びているという。その人の運勢だけでなく、美容、健康、イケメン度まではかれてしまうという姓名判断を結婚式やパーティの場に持ち込んで、新たな男女の出会いの場を創出しようというものだが、詳細はいかに。今回、勝木・植田の2人を直撃し、2人と姓名判断の出会いや魅力、姓名判断を使った新たな出会いの創出について話を聞かせてもらった。 ──まず、放送作家としてご活躍されている勝木さんが姓名判断の世界に興味をもつようになったきっかけを教えてください、 勝木 すべては植田との出会いから始まったんです。放送作家として仕事をしていて、ある時期から植田が私のアシスタントをしてくれるようになったんですけど、突然、「実は自分は姓名判断を少しやっているんです」って言ってきて、最初は「え?」って。だって植田のほうも放送作家なわけだし、自分の中にある面白い要素はすべて表に出していかないといけない立場なのに「なぜ今まで黙っていたの?」って、説教からはじまったのを覚えています(笑)。 ──もっと作家としての仕事に生かすべきだったと。 勝木 そうです(笑)。でも、私のほうは当時、姓名判断については正直、半信半疑。とりあえず「どういうものか、私の名前で占ってみて」って植田にお願いして、見てもらったんですけど、当たっているのか当たっていないのかまったくわからなくて(笑)。ちょうど27歳くらいの時だったんですけど、とにかく私のことを「晩婚だ、晩婚だ」って。そこに反発したりしまして、その時は突っぱねていたんですけど、その後、30代になって、相変わらず結婚しない私がいて、「あれ? 当たってるのかも?」って思い始めて……。なんか最初に見てもらった姓名判断が、その後もいろいろな形で実現していく感じがあったというか、例えば、その後私は会社を起こすことになったんですけど、そのことも彼は事前に言ってくれていたりしたんです。 ──何か不思議な力があるかも知れないと。 勝木 そうなんです。当たっているなって思い始めてからは、自分が出会う自分が出会う恋愛対象の男性の名前を植田に見てもらうようになりました(笑)。そうしたら、よくも悪くもというか、悪くものほうが特によく当たるなって(笑)。植田に占ってもらって、ネガティブな診断を受けるたびに、「いやいや……」って強がっていたんですけど、案の定ろくでもない結末が待っていて、あ、これは言われた通りかもって。姓名判断のすごさを人生をもって実感してしまったんです。そのうち自分でもハマっていって、これはなんか面白いぞって。見てもらううちに自分でも覚えていくようになったんです。 ──植田さんのほうはどんなきっかけだったんですか? 植田 僕が10代の時にイギリスに留学していたんですけど、そこで出会った日本人の女性の方が、たまたま姓名判断をやっていたんです。そのやり方を見よう見まねで覚えたのが最初です。やっていくうちに面白くなって、自分でも勉強するようになって、たとえば漢字は旧漢字に直してとか、自分なりの解釈もたくさん身につけていって、今に至ります。興味を持ち出すともう止まらなくて、名刺をもらったり、人と会うたびに癖のようにその人の名前を調べたりするようになりました。
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──芸能界は特に名前を気にする人が多いので、お2人の趣味は仕事にも生かせそうですね。 勝木 みなさん、確かに名前について気にしていらっしゃる方が多いですね。 植田 最近だと、市川海老蔵さんが本名を改名されたりしたんですけど、画数を見る限り、姓名判断をかなり参考にされたみたいですね。海老蔵さんは子どもさんの名前なんかも姓名判断をもとに考えたりしているみたいです。 ──お2人はその趣味を生かして、芸能人の名付けをしたりなんて仕事は受けていないんですか? 勝木 『第37回ホリプロタレントスカウトキャラバン』のグランプリの女の子の名前を考えてくれとお願いされた仕事があって、優希美青ちゃんの名前を2人で考えました。 ──芸能人に名前をつけるのは難しそうですね。画数も意識しないといけないし、字の見た目の印象や、その名前を口にした時の読みのインパクトにも気を配らないといけない。 勝木 優希美青ちゃんの時は当時の私の家のリビングの壁一面に女の子の名前と画数を貼って、どの組み合わせがいいっていうのを一週間くらいほぼ寝ないでやりましたね(笑)。グランプリ決定戦の前日の夜中12時くらいまでやった記憶があります。双方の意見の擦り合わせがたいへんでした。最初は植田が1人でやるっていう話だったんですけど、なんせ、この人、思いつく女の子の名前のレパートリーが少なくて(笑)。私が語音を考えて、この人が漢字と画数を当てていくというような作業でした。画数はよくても、女の子にこんな漢字ダメだよとか、逆に語音はよくても、この漢字何画が入っているからだめだよとか、ケンカしながら1週間くらいずっとやりました。 ──いいコンビですね(笑)。 勝木 2人で一人前みたいな感じです(笑)。
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──でも姓名判断ってビジネスとしてはどうなんですか? 儲かるんですか? 勝木 いや、そんなでも(笑)。 植田 お金もらってやっていると、悩みのある人ばかり来るから、あんまりよくないっていう話も聞いたりしたんですけど、まだまだ勉強したい自分としては、いろんな人の名前に触れたいので、イベントなんかで集まってくる大勢の人を見ているほうが楽しいですね。 ──企業からのニーズもあるのでは。会社の名前とか見てくれないかって。 植田 あるかもしれないですね。ちなみに企業やチーム、組織というのはグループの名前も重要なんですが、リーダーの名前がさらに大事なんです。リーダーの名前こそ、その組織の名前といってもいいほど。企業であれば社長さんの名前はとても大切です。 ──会社の名前が良くても、社長の名前が悪いとよくない? 植田 だめです。 勝木 最近のIT企業なんかの社長さんの名前を見ていても、やっぱりグイグイきているところは社長さんの名前がいいんです。 ──付けると良い画数ってあるんですか? 植田 それぞれの世界によって違いますが、あります。この業界の成功者たちにはこういう画数の人たちが多いとか。たとえば、35画……。これをもっている人は文豪が多いんです。文豪の画数。夏目漱石、川端康成、山崎豊子、村上春樹、百田尚樹とか。この画数を持っている人は文才・言葉のセンスに恵まれるので、もし、35画を名前のどこかにもっている人は、ブログやフェイスブック、ツイッターなど文章を書く機会を多くもつことを、ぜひおすすめします。 ──百田さんといえば、今いろんな問題で叩かれていますけど、先は明るいってことですね? 植田 そうかもしれません(笑)。ほかにも31画っていうのがあって、これは高島彩・佐々木恭子・岩本乃蒼・大橋未歩・小林麻耶・田中みな実・宇垣美里とか、女子アナの成功者に多い数なんです。才色兼備でコミュニケーション能力が高い女性ばかり。人に物事を伝える能力に優れていて、男性でもこの数を持っていると、おそらく会話上手な方が多いですよ。 ──歴史的な偉人も画数には裏付けがある? 植田 例えば徳川家康。あの人は総画数が39画。これは10代や20代の頃はめちゃくちゃ苦労するけど晩年は報われるというものなんです。ここまで有名な人だと後付けみたいに思われるかもしれませんけど。成功しやすい画数というと41画も良いです。僕は芸能界“3大イイ男”と言っている人がいるんですよ。1人はEXILEのTAKAHIROさんです。本名は田崎敬浩。もう1人がDAIGOさん。内藤大湖っていうんですけど、どちらも本名は同じ41画。あともう一人が斎藤工さん。ほかのふたりと同じで総画数が41画。 勝木 斎藤工さんが売れる前から植田は「絶対斎藤工が来る」って言っていました。ただ、早咲きではなく遅咲きだって。 ──すごく面白いですね。画数に注目してこの後のブレーク芸能人を探すなど楽しみも増えますね。ちなみに姓名判断を見てもらったほうがいいタイミングってあるんですか? 生まれる時とかではなくて、自分の今の名前を改めて見てもらったほうがいいタイミングとか。 植田 恋愛だと、気になる男性ができた時点ですぐ見た方がいいですね。女性だったら、結婚を想定して相手の苗字で自分の名前を占ってみるとか。あと、画数で向き不向きもわかったりするので、進学とか仕事を探している時とかに自分の名前を見てもらうと、「自分ってこういう人間なんだ」とわかってよいかもしれませんね。 勝木 向き不向きと得手不得手、やりたいことと向いていることって違うので、就職試験を受ける時とかに、「わたし、これやりたいな、でも向いているかな」って時に見てもらうといいと思います。 ──若いうちから見てもらったほうがいいのかもしれませんね。逆にお年寄りから頼まれることってあるんですか? 植田 あります。結構多いですよ。わたしの人生って確かにこうだったな~っていう感じになります(笑)
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──お2人は、そういえば結婚式などの会場でも姓名判断をやっていて大好評だとか。 勝木 私の結婚式で、何か余興演出をしたいと考えていました。わたしの仕事柄、放送作家の大先生が並ぶような席が多いので、「お笑いはちょっときついしな~」とか考えつつ、消去法でやることを決めていったんですけど、ふと得意分野はなんだ? ってなった時に、姓名判断はどうだろうって思ったんです。植田に電話したら、即答で「やりましょうよ!」って(笑)。 ──結婚式や披露宴の場で参加者に姓名判断をしてあげるって、すごくユニークなアイデアですよね。 勝木 結婚式の場で全員を姓名判断してあげたら、参加した人にとっては、すごくその結婚式がスペシャルな催しになるんじゃないかなって。引き出物ってだいたい同じようなものが多いけど、その中にひとつだけ自分のためだけに作られたものがあってもいいんじゃないかって。あと、何かそういう場での出会いのきっかけを作ってもらえたらって思ったんです。真夜中にノリノリで思い立ちました(笑)。思った以上に反響はよかったですよ。場も結婚式なんで、姓名判断を通じてネガティブなことを教えてあげるとかではなくて、その人の人生のプラスになることを教えてあげるんです。それを知っていると得しますよということだけ。 植田 前向きな方向でその人のことを診断してあげるんですよ。姓名判断をもとにしたフィーリングカップルっていうのもやったんですけど、予想以上に盛り上がりましたよ。 勝木 その後に連絡を交換して、いい雰囲気になった方もいたようです。 ──ああいう出会いのチャンスがいろいろある中で、最初に相性いいですよって教えてもらったら、背中押されたような気になりますね。 勝木 ちょっと気になるお2人がいますっていう感じで紹介してあげるんですけど、みんな興味津々でした。行こうか行かないかな、って迷っている人でも、「相性いいですよ」って教えてあげることで弾みが生まれるんです。今後も同窓会とか、いろんなところでやりたいなって思っています。 ──結婚式だけでなく、婚活パーティの席でも姓名判断は需要があるかもしれませんね。 勝木 パーティの場はせっかく着飾って来ているわけですから、出会いの場としては最適ですし、きっかけさえあればカップルになる可能性も高いですよね。 ──名前で美容も判断できるんだとか。 植田 肌が綺麗な方とか、スタイルがいい方に多い数字があるんです。モデルに多い画数とかも。名前を変えたらもしかしたらみたいなことも決してなくはないと思います。名前を変えないまでも、mixiとかTwitterとか名前を登録する機会に、そこでちょっといい画数のペンネームとかつけるのも有効です。ほかには健康な人に多い画数とかもあります。スリムな人に多い数字もあります。 勝木 ちなみにわたしは腰が弱い画数をもっているんです。案の定ヘルニア持ちです(笑)。腰をやりますよとか、目を悪くしますよとか、そういうことも画数からわかるんです。 植田 いい女になる画数、プレイボーになる画数、たとえば24画だとお金持ちになるとか、姓名判断で全部あるんです。 ──結婚式やパーティの場での姓名判断を使った催しは、これからも続けていくんですか? 勝木 もちろん。パーティや結婚式の場を通じて、幸せになりたい人に、なんとなくきっかけとなるようなアドバイスができればと考えているんです。先ほど言ったフィーリングカップルはもちろん、参加者全員に引き出物のお供として姓名判断カードを配ったり、ゲーム感覚で会場内の“億万長者運ナンバー1所持者”を発表して選出者に一言あいさつをしてもらうとか、ブライダルエンターテインメントのひとつとして、姓名判断はまだまだたくさんの可能性を秘めていると思っているんです。誰かの幸せのお手伝いができればこんなにいいことはありません。 (インタビュー・写真=名鹿祥史) 放送作家集団「SAYO」姓名判断コンテンツ詳細 http://sayo-inc.jp/fortune.php

クドい! めんどくさい! 暑苦しい! この夏オススメの「こだわる男マンガ」4選

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 例年にも増して猛暑日が続く2015年夏ですが、エコ冷房、クールビズ全然意味なし! マンガ読みのみなさんにおかれましては、エアコンをガンガン効かせた部屋に引きこもるのが、この夏を快適に過ごす最も正しいやり方であることは言うまでもありません。  しかし、古来より暑い夏こそ、あえて熱いお茶を飲んだほうが暑さが引くなんていわれていますね。実はマンガもそれと同じ。暑い時ほど読むマンガも暑苦しくてクドいやつのほうが、暑気払いに向いているんです。  そこで今回は、この夏にぜひ読んでほしい、クドくて、暑苦しくて、めんどくさい、マンガのジャンル「こだわる男マンガ」をご紹介したいと思います。そんなマンガのジャンル聞いたことないと思う方も多いかもしれません。それはそうでしょう。ついさっき僕が作りましたから。でも、昨今「やたらとこだわる男が登場するマンガ」がウケていることは事実なのです。  例えば、ドラマ化された『孤独のグルメ』や『食の軍師』、あるいは最近単行本化されてスマッシュヒットしている『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』、これらのマンガはみんな「こだわる男」がテーマです。どうやら今の世の中、こだわる男たちが求められていることは間違いなさそうです。 というわけで、この夏にチャレンジしてほしいおすすめ「こだわる男マンガ」を4作品ご紹介しましょう。
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■『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』(著:清野とおる/ワイドKC モーニング)  『東京都北区赤羽』の清野とおる先生が講談社の「モーニング・ツー」で現在連載中のマンガが『その「おこだわり」、俺にもくれよ!!』です。文字通り、あることにこだわっている「おこだわり」な人たちが毎回紹介されるのですが、その「おこだわり」がどれも一癖あるヤバいやつばかりです。少しだけ紹介しておきますと、 ・ポテトサラダを割り箸でねぶるように食べ続ける男 ・マンションのベランダで生活することにこだわる男 ・さけるチーズをいかに極細に裂くかにこだわる男 ・喫茶店で、あえて「アイスミルク」を頼む男  などなど……客観的に見て、ほんっとにどうでもいいこだわりばかり。でも、それがいい。こだわりがしょーもなければしょーもないほど、内容が反比例して面白くなっているのです。しかもなぜか、この「おこだわり」を自分でも真似してみたくなるのです。僕もこのマンガを読んで、実際にシャノアールでアイスミルクを頼みましたからね。これは、北区赤羽という土地を一大ギャグタウンに変えてしまった「清野とおるマジック」といえるかもしれません。
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■『ネイチャージモン』(著:刃森尊、原案:寺門ジモン/ヤンマガKCスペシャル)  ご存じ、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンこと「ネイチャージモン」の奇行っぷりを大胆にフィーチャリングしたルポマンガです。本やテレビなどで、肉へのこだわりがハンパでないことはすでに有名ですが、マンガで読むと、あらためてそのこだわりが尋常ではないというのがわかります。ちなみに単行本表紙の暑苦しさは、「こだわり男」マンガの中でも最凶レベルとなっております。  例えば、ネイチャージモンが東京一の焼き肉屋「スタミナ苑」で焼き肉を食べるために、以下のような儀式をします。 1.事前に30分以上筋トレをする。 2.徒歩で3時間半歩いて店に行く。 3.開店の2時間前から店の前で待つ。 4.待っている際は背中でオーラを出し、店のマスターにプレッシャーを掛ける。  焼き肉食べるだけなのに、すごくウザい! それも、ケタ外れのウザさです。そのほかにも…… ・牛肉が好きすぎて、家畜商の免許を取って松阪牛のセリに参加する。 ・世界最古のステーキを求めてイタリアに行く。 ・世界一のステーキを食べに、日帰りでニューヨークに行く。  などなど、規格外すぎる肉へのこだわりが満載。  また、肉以外にもオオクワガタへのこだわりもすごいです。というかこのマンガ、ほぼ肉とクワガタのことしか描いていません。それなのに単行本9巻も出ているんですから、いろいろ狂っていますよね。
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■『ダンドリくん』(著:泉昌之)  『ダンドリくん』は『食の軍師』と同じ、泉昌之先生(泉晴紀先生と久住昌之先生の合作名)の作品です。基本的に泉昌之先生の作品はすべて、画がクドくて説明がウザいギャグマンガばかりなのですが、この『ダンドリくん』はそんな中でもとりわけウザく、そんなウザさを嗜むために生まれてきたようなマンガといえます。  主人公のダンドリくんは、日常生活におけるダンドリに異常にこだわり、いかに日々を合理的に過ごすかばかりを考えている男です。要するに、すごくめんどくさいヤツなのです。  例えば、朝起きて顔を洗って歯を磨く、そして朝食へという早朝の一連の行為も、ダンドリくんにかかれば、まったく逆の順番になります。飯を食って、歯を磨いて、顔を洗う。そうすれば、最後に顔を拭くだけで全部終了。ムダがありません。  さらに、トイレのドアを開けっぱなしにしてテレビを見ることで、朝の情報収集と用便が同時にできるという合理的アイデアも紹介してくれます。確かに合理的だけど、人としてはどうなんでしょうか……。  このように、役に立つような立たないような、大きなお世話のようなダンドリ流ライフハックが次々と紹介されていきます。  ファッションについても、一家言あります。ダンドリくんの推奨する究極ファッションアイテムはズバリ、ベスト(チョッキ)です! ベストだと冬の暑い日にも脱がなくて大丈夫、夏の寒い日は着ていて大助かり。つまり、冬も夏もいちいち脱ぎ着せずに着っぱなしでいい。そんなハイブリッドさがベストの素晴らしさです。  またベストだと、着る時セーターのように、下のシャツがまくれ上がらないように袖を押さえておいたりするような必要もありません。注射打つ時もいちいち脱がなくてもいいし……ってダンドリくんのベスト推しがウザすぎる!!  こういった比較的どうでもよいことを、いちいちドヤ顔で解説してくるマンガなのですが、ダンドリにこだわりすぎるあまり、かえって非効率になっているダンドリくんを嘲笑ってあげるのが、このマンガの正しい楽しみ方です。
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■『それはエノキダ!』(著:須賀原洋行/モーニングワイドコミックス) 「こだわる男マンガ」の中でも、あらゆるジャンルに異常なこだわりを見せる、オールマイティにウザいマンガが『それはエノキダ!』という作品。  主人公は、物事がキッチリしていないと我慢できない神経質な男「榎田君」。物事がキッチリしていると「キモチE」、キッチリしてないと「キモチ悪い」というのが口癖です。  例えば、エレベーターでは「閉」ボタンを押して出て行く。一見よくある光景ですが、榎田君の場合、あらゆるエレベーターの機種でスムーズに「閉」が押せるように日頃から訓練を積んでおり、ボタンがドアの右にあろうが左にあろうが目をつむったまま「閉」が押せます。  異常に物持ちがいいのも特徴。何かについていた輪ゴム、ケーブルなどを束ねている針金ビニール、クリーニングに出すとついてくるハンガー、刺し身についているワサビや納豆についているカラシなどを生まれてこの方、ずっと捨てずに取ってあり、タンスは4段とも輪ゴムでいっぱい、冷蔵庫の中はワサビやら魚の容器のしょう油だらけ。断捨離の思想とは対極にいる男です。  オーディオへのこだわりも尋常ではありません。 ・ケヤキの無垢材やギリシャ産ラムスキンを使った、36万円最高級ヘッドホンを購入。 ・アンプやスピーカーの振動を抑えるための重しとして、鉛の板80kg・6万8,000円分を購入。 ・銅線の純度が99.99997%、1mあたり10万円のスピーカーケーブルを使用。  など、こだわりのためなら金に糸目をつけない恐るべきピュアオーディオぶりを発揮。  ト○タのハイブリッドカー「プリ○ス」を購入した時の話もかなりヤバいです。 ・徹底的に上り坂を避け、常に下り坂を走り続けるため、目的地にたどり着けない。 ・真夏でもエアコンをつけず、後部座席に巨大な氷を置いて走行。 ・燃費にいい高速道路を使うため、インターチェンジの近くに家を引っ越す。  などなど、究極の燃費走行を極めんとする、クレイジーなハイブリッドカーマニアたちが登場します。明らかにこだわっている方向性がおかしいです。  こんな感じのマンガなので、ページ内が説明、ウンチクだらけで1ページあたりの文字数がものすごく多くて、読んでいるとクラクラしてくる上級者向けの「こだわる男マンガ」です。 ***  というわけで、クドい、めんどくさい、暑苦しい、でもそこがいい、この夏オススメの「こだわる男マンガ」をご紹介してみましたが、いかがだったでしょうか? どのマンガもあきれるほどにクドく、実生活で役に立たない知識であふれています。なんの対策もせずにいきなり読むと、暑苦しくて本当に熱中症になってしまう可能性もありますので、よく水分をとって、涼しいところで読むことをオススメします。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)

今度のイーサン・ハントは、軍用機のドアに張り付き……『ミッション:インポッシブル』最新作 

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 今週取り上げる最新映画は、トム・クルーズが不可能ミッションに挑む大ヒットシリーズの第5作と、70年前の8月に日本が終戦を迎えるまでの舞台裏を描く歴史大作。いずれも一流のサスペンス演出に引き込まれる、この夏見るべき2作品だ。  『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(公開中)は、トム・クルーズ主演の人気スパイアクション『ミッション:インポッシブル』のシリーズ最新作。イーサン・ハント率いるCIAの特殊作戦部IMFは、多国籍スパイ組織「シンジケート」の暗躍により、解体の危機に陥る。イーサンはシンジケートの追跡中、逆に拉致されてしまうが、拷問の直前に謎の美女から助けられ脱出。組織の後ろ盾を失ったイーサンと仲間たちは、秘密裏に行動しながら、シンジケートせん滅という最難関のミッションに挑む。  主演のクルーズが毎回、自ら高難度のスタントを敢行する姿も見どころになっている本シリーズ。今回は、離陸する軍用機のドア外部に張り付き、時速400キロで高度1,500メートルに上昇する機体内へ侵入するという冒頭のシーンが圧巻だ。『ユージュアル・サスペクツ』(1996年)でアカデミー賞脚本賞を獲得したクリストファー・マッカリー(本作では監督・脚本)の巧みな采配で、IMFにシンジケート、それに英秘密情報部MI6も絡む三つ巴の諜報バトルがスリリングに展開。IMFのメンバーに扮するサイモン・ペッグ、ジェレミー・レナーら主演級スターたちの掛け合いも楽しい。極限のアクションと王道のサスペンスに、優雅さと笑いも有機的に結びついた、今夏屈指の傑作エンタテインメントだ。  『日本のいちばん長い日』(8月8日公開)は、『駆込み女と駆出し男』(15年)の大ヒットも記憶に新しい原田眞人監督が、役所広司を主演に迎えて描く群像歴史ドラマ。太平洋戦争末期の1945年7月、日本は連合国からポツダム宣言受諾を要求される。降伏か本土決戦か、連日連夜の閣議で結論が出ないまま、8月、広島と長崎に原子爆弾が投下される。阿南陸軍大臣(役所)や鈴木貫太郎首相(山崎努)、そして昭和天皇(本木雅弘)が決断に苦悩している頃、畑中陸軍少佐(松坂桃李)は決戦派の仲間らとクーデターを画策していた。  原作は半藤一利のノンフィクション『日本のいちばん長い日 決定版』。8月15日の玉音放送までに、閣議で決戦・降伏をめぐり激論と駆け引きが繰り広げられていたこと、さらに若手将校らによるクーデター計画が進行していたことが、サスペンスに満ちた演出で描かれる。役所の硬軟使い分けた円熟の演技、山崎の重厚な存在感、本木の気品ある所作が、セピア調の映像になじんで一層味わい深い。優男の印象が強い松坂は、丸刈りでイメージを一新、血気盛んなクーデター首謀者を熱演。戦後70年にふさわしい、ずっしりとした見応えの力作だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』作品情報 <http://eiga.com/movie/80973/> 『日本のいちばん長い日』作品情報 <http://eiga.com/movie/81487/>

経産婦ゾンビアイドル小明にキンコメ高橋が激怒!?「卑屈の国に取り残された……」

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なんだこのイベント……
■ゾンビアイドルが出産したての子どもを連れてきた!?  8月6日、ラフォーレミュージアム原宿で開催されるゾンビホラーアトラクション「ゾンビ屋敷 ZDU」(8月7日~31日)のマスコミ向けお披露目イベントが開催された。  普段だったらラフォーレなんてシャレオツなスポット、恐れ多くて絶対に近づけないところだが、今回のイベントにはゾンビアイドルの小明も登場するとの情報が……。  モテない・売れない・金がないの「3ない運動」を売りにしていた卑屈アイドルが、先月いきなりフランス人男性との結婚&出産を発表してから初となる公の場での仕事。「卑屈ネタが使えなくなって、これからどーするんだろ、この人?」……という完全なる興味本位でイベントに参加することに。しかも司会はキングオブコメディの高橋健一。なんだろ、このあふれかえるサイゾーテレビ感は!?  全体的に棒読み感の強いアヤシイお化け屋敷プロデューサー・マイケルティさん(日本人)から「我々が開発したゾンバリアで制御された安全なゾンビだ。原宿ギャルゾンビ、カマーン!」と呼び込まれてやってきたのは、「常磐ハワイアンセンター」でバイオハザードが起こったのかと思うような、妙に浮かれた格好をしたゾンビ……というか小明! しかし「ギャルゾンビ」って……「竹下通りでスカウト待ちしている間にゾンビになっちゃった」というけど、あんた30歳な上に経産婦だろ!
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「原宿ギャルゾンビ」こと経産婦アイドル・小明
 さっそく、高橋から電撃結婚&出産の件を突っ込まれると、 「そうなんですよ、子どもまで産んだった! こんな格好した女と結婚したがる日本人男性って皆無でしたけど、海を越えれば、さすがにこんなビジュアルも気にされなかったみたいで、子どもを作ることもできて……。今日は子どもも連れてきてるんですよ」  まさかの子ども披露!? ゾンビメイクしているのに……。と思いきや、赤ちゃんゾンビの人形を取り出した。ズコーッ! それ、持ちギャグにするつもりな!? 「やっと首が据わったくらいなんですよ~。名前はシャーロット!」それはフランス人じゃなくてイギリス人!  本物の赤ちゃんの方は、「ゾンビ顔を見せたら泣くかな? と思ったらニコニコーッて笑ってて、さすが私が産んだ子だと。でも顔は旦那似ですね。私の持つ負の遺伝子を完全に消してくれる相手を探し求めていたんですが、今のところ完全にプラスな方に行ってます!」  ちなみに自身の母親からはゾンビアイドルとしての活動について「アンタはこの仕事を子どもになんていうの?」と苦い顔をされているそうだが「母ちゃんが血を流して稼いだお金でミルクを飲んでいるのよっていおうと思っています」とのこと。それも持ちギャグにするつもりですね……。  なんだかんだで(ゾンビメイクのくせに)次々とのろけ話を披露する小明に対し、2014年にサイゾーより小明との共著で『卑屈の国の格言録』を出版した高橋からは、 「ふたりとも不幸ということで対談をしていたのに、一緒に愚痴をいっていた時期に裏でバンバンヤリまくっていたんだなと思って……結構リアルに私は引いています。しかもこんなゾンビの赤ん坊まで持ち出して、金のためなら何でもやるな、この女!」と、祝福の言葉どころか、ひとりだけ卑屈の国に取り残された恨み節が飛び出した。パーケンさんだけは依然、ボクらの味方です!
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「一緒に愚痴をいっていた時期に裏でバンバンヤリまくっていたんだな……」
 一方、小明は「違うよー、パーケンさんと対談してた頃はロンリーだったの! 普通、2年間くらい男女が一緒に仕事をしていたら愛が生まれそうなもんなのに、全然そんなことなくて……。パーケンさんだって阿佐ヶ谷姉妹さんといろいろあったじゃないですかー!」 ……もうサイゾーの会議室でやれよ! ■ゾンビより女の方が怖い!  さて、今回の「ゾンビ屋敷 ZDU」は10月12日よりFOXチャンネルで日本最速放送がスタートする人気海外ドラマ『ウォーキング・デッド』シーズン6ともコラボしているそうで、この披露イベントにも豪華なゲストが来ているという。  ま、まさか主人公リック・グライムズ役のアンドリュー・リンカーンが極秘来日しているのか!? ……と思いきや、単独ライブで『ウォーキングデッド』コントをやったという鬼ヶ島。いや、豪華じゃないとはいわないけど! しかも、おおかわらは他の仕事で欠席ということで、和田貴志とアイアム野田のふたりだけ。  自分でやったというゾンビメイクで、雰囲気たっぷりに「ゾンビ~ゾンビ~!」と、うめき声をあげながら登場したアイアム野田だったが、「ものすごく顔色の悪いサラリーマンにしか見えない」「ゾンビはゾンビっていわないだろう」とダメ出しの嵐。記者からの質問も、ゾンビメイクをしていない和田の離婚問題の方に集中していた。  和田は、元妻の不倫相手である某芸人とフジテレビ『FNS27時間テレビ2015』で再会したことに触れ、「ちゃんと謝罪してもらいましたけど、まあ相手も芸人なんで……最後は相撲対決で決着をつけることになりました。結局ボロ負けしたんですが……。ゾンビより女の方が怖いです!」と魂の叫びをあげた。
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「ゾンビより女の方が怖いです!」
 そして、和田の自虐ネタで、高橋も変なスイッチが入ってしまったのか「僕も満員電車の方が怖いです。痴漢で捕まってるんで……」と聞かれてもいないのに07年の痴漢冤罪ネタを披露。 「でも捕まってはいないんですよね?」とフォローを入れた小明に対し「捕まりましたよ! いろいろと間違いがあっただけだから不起訴になって罪歴はついていないんですけど、逮捕歴は残ってます!」と逮捕歴について熱く語った。ど……どっちでもいいよ!  怖くて楽しいゾンビのアトラクション披露イベントを取材しに来たはずなのに、芸人たちの重すぎる自虐ネタの連発に記者たちはドン引き。その後も、田代まさしの話題が飛び出したりと、もはやアトラクションのPRになっているんだかなっていないんだかよく分からない状態となってしまった披露イベント。かわいそうなので最後にアトラクションの説明もちゃんとしておこう。  さまざまなアトラクションやホラー映画の演出を手がけ、そのあまりのリアルさに「本当に人を殺したことがあるんじゃ!?」なんてウワサまで出ているお化け屋敷プロデューサー・マイケルティの手によって生み出された「ゾンビ屋敷 ZDU」は、単純に施設内を歩いてゾンビにビクビクする……という受け身なアトラクションではない。ゾンビを停止させる「ゾンバリアー」のボタンを押すことでゾンビに対抗し、インタラクティブに楽しむこともできるのだ。
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キモイ! 怖い! 猛暑の夏はZDUで涼もう!
 作り物ではない、人間が演じる「生きた」ゾンビもメチャクチャ怖くて、結婚&出産したばっかりの人や、カップルにはピッタリのアトラクションなんじゃないかな!? 嫁も旦那も彼女も彼氏もいない人、もしくは嫁の不倫で離婚しちゃった人は……ひとりで挑戦しよう! (取材・文=北村ヂン) ●ZDU.JP|ゾンビ屋敷-ZDU-2015年夏、原宿に出現!新感覚お化け屋敷! http://www.zdu.jp/

かわいすぎて悶絶! おっさんたちをキュンキュンさせる「もちる女子」って?

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 皆さんは、「いくえみ男子」という言葉をご存じでしょうか? マンガ家・いくえみ綾先生の作品に出てくる男子キャラクターたちのことで、いわゆるイケメンとは違う、塩顔で痩せ形、唇は薄め、オシャレすぎず飾りすぎず等身大。だけど、身近にいそうでいない。草食系なようで、実は肉食なロールキャベツ男子……ってどんな男子なのかサッパリ想像がつきませんね。とにかく、いくえみ綾先生の描く男子は女子を胸キュンさせてやまないのです。いくえみ男子だけを特集した『いくえみ男子スタイルBOOK』(集英社)なんてムック本まで出ているほど、もはや確固たるブランドを確立しているといえます。  少女マンガ界には「いくえみ男子」がいるのに、少年マンガ・青年マンガの世界には「○○女子」は存在しないのでしょうか? 残念ながら「いくえみ男子」ほど確固たるブランドを確立したキーワードはなさそうです。そんな中で今、新たに提唱したい「○○女子」があります。それは、星里もちる先生の作品に出てくる女子キャラクター、すなわち「もちる女子」であります。  星里先生のマンガに出てくる女子キャラクターは、いわゆる萌えマンガのかわいさとは系統が異なる、万人に愛されるかわいさを持っています。そんなかわいい女子たちが、冴えない主人公に惚れるというのが星里マンガのお決まりのパターン。しかも二股、三股あり、ハーレム設定ありと、男のロマンがトゥーマッチに盛り込まれています。僕たちがこの冴えない主人公に自分を投影させてしまった瞬間、胸のキュンキュンが止まらない“もちるワールド”が始まってしまうのです。  もちる女子のタイプは、多岐にわたります。癒やし系・ドジッ娘・不思議ちゃん・妹系・お姉さん系・ツンデレ系、ロングヘアーにショートヘアー、幼なじみから会社の後輩まで、我々ミドルエイジ男子が惚れがちな、あらゆる女子タイプが登場します。しかも、そのほぼすべてのキャラクターがかわいく魅力的。今回は、そんな「もちる女子」登場作品の中から、特にキュンキュンできるおすすめ作品をご紹介します。
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■『りびんぐゲーム』  星里先生の代表作といえば、『りびんぐゲーム』を思い浮かべる人も多いでしょう。主人公は、中小企業ナミフクDMサービスのちょっと冴えない若手社員、不破雷蔵(ふわ・らいぞう)。  雷蔵の職場、ナミフクDMサービスはオフィス移転に失敗し、急遽主人公雷蔵のアパートの部屋を無理やりオフィスにすることに。雷蔵は、自分の生活空間を会社に占領されてしまいます。  この時点ですでにありえない展開なのですが、さらに中卒15歳の女の子、氷山一角(ひやま・いずみ)が雷蔵の後輩として入社。このいずみこそ、同僚であり、後輩であり、妹的存在でもあり、恋人でもある、我々男子の理想を詰め込んだ「もちる女子」なのです。  いずみは、15歳のため自分一人ではアパートを借りることもできず、やむを得ず会社……つまり、雷蔵の家に住み込むことになります。冴えないサラリーマンが自分に好意を持つ15歳の女の子と一つ屋根の下で同居、しかも顔はあどけないくせに大人顔負けのエッチなカラダを装備しているという……なんという淫行スレスレの展開でしょうか。  2人きりのシーンでは、「先輩、あたしのこと、嫌いですか? それとも……なんとも思ってませんか?」などの年上殺しのセリフが次々飛び出す、うらやまけしからん展開がひたすら続きます。もし自分が雷蔵の立場だったら……手を出さずに我慢できるのか? 16歳になったら、手を出してもいいのか? 等々、男子読者の妄想は無限に広がっていくのです。自分、40代ですけど、胸キュンいいすか?
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■『夢かもしんない』  こちらは、星里版『ゴースト』とでも言うべきラブコメ作品です。主人公、加勢晴夫は妻子持ちですが、ワーカホリック気味で家族を顧みないため、夫婦仲は冷め始めています。  日々の生活にお疲れな加勢の前に突然現れた幽霊の女の子、夢野すみれ。すみれはなぜか加勢の前にだけ現れ、仕事も家庭もうまく行っていない加勢を「ハッピーにしてあげる」と明るく励ましてくれます。そんなすみれの正体は、若くして亡くなった人気アイドルだったのでした。  さらに、加勢は会社の後輩、佐藤ひろみ(癒やし系)に慕われ、「今日は一人に……しないで下さい……」なんて先輩殺しのセリフを繰り出された結果、不倫関係になってしまいます。でも、不倫のシーンすらも爽やかで全然ドロドロしてないあたりが、星里先生の手腕を感じます。  果たして、このまま加勢の家庭は壊れてしまうのか? そして、すみれが加勢の前に現れた目的とは!? 妻と、娘と、会社の後輩と、アイドルの幽霊。つまり、3人+1ゴーストの女子たちに囲まれて、いろいろヤキモキしちゃうラブコメです。
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■『オムライス』  一つ屋根の下、美女に囲まれて生活したい、そんな男のロマンであるハーレム状態をついに実現してしまったマンガ、それがこの『オムライス』です。  主人公・今井光は、ワケありのバツイチ無職青年。そして、登場する女子たちは今井珠子(歯科医)、羽子(アーティスト系)、葉子(女子大生)、緑(不思議ちゃん)という美人四姉妹。  無職で生活に困窮していた光は、ひょんなことから同じ今井姓というだけの理由で、今井四姉妹の住む家に居候することになります。マンガとはいえ、ここまで豪快かつ無理やりなハーレム設定は、なかなかお目にかかれません。  光は、今井四姉妹の四女、緑(不思議ちゃん系)と恋仲になるのですが、途中から光の元嫁、稲森はるなが光のことが忘れられず押しかけ、元女房として今井家に居候するようになり、緑とはるなの奇妙な三角関係が勃発。 結果として、女子5人の中に男1人というハーレム状態、それって、どう考えてもエロゲの設定だろといわんばかりのカオスさで、これまたうらやまけしからんのですが、一つ屋根の下に男女が入り乱れる異常な雑居状態でもごく普通にラブコメを展開してしまうのが星里作品の特徴であり、「住宅ラブコメ」の伝道師といわれるゆえんでもあります。
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■『ルナハイツ』  『オムライス』で実現した男の夢、ハーレム状態をさらにパワーアップさせたのが、この『ルナハイツ』です。  主人公は、婚約者・友美によって一方的に婚約破棄された男、南條隼人。南條は新婚生活を送るために購入した一軒家を、ローンの支払いのために女子寮として会社に提供することになります。しかし、家主である南條は男一人、その女子寮(ルナハイツ)に同居することになるのです。  今風にいえば、シェアハウスってことなんでしょうけど、やっぱり女子の中に男一人というのが普通のシェアハウスとは根本的に違うところです。ハーレムシェアハウスです。いやー、ありえない。でもうらやましい…・・・。なぜこんな夢設定を毎回考えつくんでしょうか。  同居する女子寮メンバーは大月窓明(おおつき・まどり)、日高りん、茅ヶ崎裕子、土屋重子の4人。この中で、ヒロインのまどり(サバサバ系)と、りん(ロリ系)が南條をめぐって三角関係に。さらに南條を振った元婚約者・友美が浮気相手との子を宿した妊婦姿で登場。普通に考えると、どのツラ下げて……って感じなのですが、なんと友美も同居してしまいます。ここまでいくと、カオスすぎて胸キュンどころではありません。 ***  そんな感じで、男のロマンをこれでもかといわんばかりに過積載したモテ設定。読後感のいい、ほのぼのストーリー。そして、なんといっても、ほぼ全員がかわいい「もちる女子」……。星里先生の作品は、今宵もおじさんをキュンキュンさせてやまないのです。おじさんおじさん言ってますが、青年誌の掲載作品が多いというだけで、おじさん以外でももちろん楽しめますよ。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)