中年アイドルオタは本当に迫害されているのか?『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』

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『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』(ワニブックス)
 日本人は、何かと卒業したがりだ。  学校の卒業はともかくとして、暴走族、番組、アイドルグループ、この支配からの……などなど、いろんなものから卒業していく。  何かに関するオタクを辞めることを「オタ卒」なんて言ったりもする。卒業とはいうものの、「もう○○歳だし、オタクやってる年でもないよな」的な意味合いのほうが強い言葉だといえるだろう。  まあ、何をやる上でも「年齢」っちゅうのは判断基準のひとつとなるもんで、「だいたい○○歳くらいまでには、こういうことをやるのは辞めましょうね」的な暗黙の了解というのは世の中にたくさん存在する。  ただ、インターネットが一般に普及して以降、さまざまなジャンルにおいて「もう○○歳だし」というハードルが、かなり低くなっているのではないだろうか。  だって、ネットの世界を見渡せば「いい年こいて」なことを、キーポン○○な精神でずーっとやり続けているスゴイ先達がいっぱいいるのがわかっちゃうんだもん。  そんな感じで、かつては「いい年こいて」と言われていたようなジャンルにも、いい年こいた人たちがわんさか残っていて、エイジレス状態となっているのだ。 ■中年アイドルオタクって、迫害されてる?  で、この本『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』(ワニブックス)だ(コレのレビュー記事を頼まれていたんだった!)。  プロレスファンならば「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)の、アイドル好きならば、ももクロの公式記者としておなじみのライター・小島和宏さんの新刊。  ボクも、ももクロ好きとして小島さんの記事はしょっちゅう読んでいたので、小島さんの語る中年アイドルオタク論とはどんなものかと期待していたのだが……。すみません、正直あんまピンとこなかったっす。  本書の中では、 ・中年アイドルオタクは冷たい目線にさらされている ・世間の理解がまったく進んでいない ・「恥じらい」や「うしろめたさ」を抱いていたほうがアイドルを楽しめる というのが前提としてあり、そのアンチテーゼとして『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』となっていくのだが、本当に中年アイドルオタクって、そんなに冷たい目線にさらされているだろうか?  もちろん、中年アイドルオタクに対して「キモイ!」「大人げない!」「ロリコン!」という偏見全開で接してくる人も少なくない……というか、結構多いとは思う。  でもそれが、ハロウィンにドンキで買ったコスプレを着て渋谷を闊歩するヤングたちに向けられる「ウザイ!」「邪魔!」「頭悪そう!」「どーせこれからセックスするんだろ!? ハロウィンでもクリスマスでも、なんでもいーんじゃねーか!」という偏見と、どっちが多いかといえば、まあ同じようなもんなんじゃないだろうか?  取り立てて中年アイドルオタクが迫害されているわけでもなく、価値観が多様化しまくって小さなジャンルの村社会が大量に作られた結果、なにかっちゅうと村人同士が石を投げ合っているのが現代なのだ。  アイドル界隈だけでいっても、中年アイドルオタクはピンチケ(AKB48劇場で販売される中高生向けのチケットのこと。転じて、マナーを守らない若者を揶揄する言葉として使われる)をバカにしがちだし、モノノフ(ももクロのファン)はCDを大量買いするAKBオタクをバカにしがち。かと思えば、他のアイドルグループのファンは、やたらとももクロだけを神聖視するモノノフをウザがったり……。  もちろん、アイドルとかにまったく興味のないリア充は、そんなオタクたちをひとまとめにして「キモイ!」と思っているし、オタクのほうはオタクのほうで、Facebookでステキな飲み会写真ばっかりアップしているリア充をバカにしまくっていることだろう。  以前、アニメオタクの友人と話している時に、 「アイドルオタクはバカだ。いくらCD買ったってアイドル自身には金なんか入らないで、秋元康みたいなおっさんが儲かるだけだろ?」 「だったらオメーの買ってる美少女フィギュアも、作ってるおっさんに金入るだけだろーが!」  みたいな不毛極まりない議論となり、つかみ合いになりそうになったが、もうね……オタクもリア充もヤンキーも意識高い系も、人間は理解し合えないと考えたほうがいい。  こんな時代なんだから、村の外の人たちの目線を気にしても仕方がないのだ(「清潔感」とか、最低限のラインは守りたいところだが)。  学校や会社で、周囲から冷たい目で見られたとしても、気持ちの通じ合える仲間はネットや現場でいくらでも探せるし、もちろん「いい年こいて……」という世間の目を気にしてオタ卒する必要もない。 『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』……と、最終的なところで小島さんと意見が一致するんだけど。 ■アイドル記者奮戦記として読もう 『中年がアイドルオタクでなぜ悪い!』の帯には「アイドルを追いかけることは大人の立派な“たしなみ”である!」とのキャッチフレーズが書かれているが、同時期に発売された、大森望さんの『50代からのアイドル入門』(本の雑誌社)の帯にも「アイドルは大人のたしなみだ!」との文字があるのも興味深い。  まあ「中年がアイドルを追いかけるなんてキモイ!」という声に対しての理論武装として「大人のたしなみだ!」なんだろう。  小島さんも大森さんも、ボクのひとまわりぐらい上の世代の方たちなのだが、「上の人たちって、周りの目をいろいろ気にして大変そうだなぁ~……」と思ってしまう。 「大人のたしなみだ!」なんて強がらなくても、周りが何と言おうと「ボクは好きだから好きなんだもーん!」でよくない? ……ほら、理解し合えないでしょ?  ちなみに本書は、中年アイドルオタク論うんぬんは置いといて、ももクロをはじめとしたアイドルに密着取材してきた、アイドル記者である小島さんの奮闘記として読めばすごく面白いよ。 (文=北村ヂン)

【スカパー!アダルト放送大賞2016】さきっぽこと初美沙希が4冠! サイゾー賞は引退の桜井あゆが受賞!

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 スカパー!の成人向けチャンネルで放送された全ての番組の中から、優秀なAV女優や番組(作品)を一般視聴者の投票で選出し表彰する『スカパー!アダルト放送大賞2016』の授賞式が3日、都内で行われ、初美沙希が「女優賞」「作品賞」「スカパー!オンデマンドアダルト賞」「夕刊フジ賞」の4部門を受賞した。「新人女優賞」は松岡ちなが、「熟女女優賞」は成宮いろはがそれぞれ受賞。注目のサイゾー賞は今月引退したばかりの桜井あゆに贈られた。
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サイゾー賞受賞の桜井あゆ
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史上初の4冠を達成した初美沙希とプレゼンターの紗倉まな
 スカパー!で放送された1万本以上のタイトルの中から「好評につきシリーズ第二弾!新人・初美沙希デビュー~ちゃんとした“デビュー作品”がなかった私にとって、これが本当のRe「デビュー作」~」で見事「作品賞」を受賞した初美沙希。その勢いで「女優賞」「スカパー!オンデマンドアダルト賞」「夕刊フジ賞」も受賞し、前人未到の4冠を達成。壇上ではプレゼンターの紗倉まなと抱き合って喜び、紗倉から「イベントでご一緒することも多いのですが、わたしは可愛くて優しくてあったかいさきっぽ(初美の愛称)のことが本当に大好きです。おめでとうございます!」と祝福された。
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女優賞にノミネートされた豪華女優陣
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初美沙希の号泣に客席も思わずもらい泣きでした
 初美は「3年連続でノミネートされて、ファンの方に毎回呼びかけて投票をお願いして……ファンのみなさん、本当にありがとうございます。まさか受賞するとは思っていなかったので嬉しいです」とコメントし、その後は大号泣。「デビューして7年。最初の頃は本当にダメなAV女優でした。言われたことしか出来ないような存在。ピンの作品にも出させてもらえなかったんですけど、事務所の方やファンの方、メーカーの方々が支えてくださってこうして成長することが出来ました」と述べ、「今は作品以外でもいろいろな活動が出来るようになって、本当に楽しいです」と笑顔。「これからもみなさんに認めてもらえるようなAV女優になりたいです。わたしの作品を今後もたくさん見てください!」と会場に呼びかけた。この日司会を務めていた俳優の中尾彬とグラビアアイドルの小林恵美はそんな初美に優しくエール。中尾は「本当にいっぱい賞をもらいましたね。さきっぽの時代が来ましたね。今日はいっぱい泣いてください!」とその健闘を労った。
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「熟女女優賞」の成宮いろはも号泣 泣く熟女は色っぽい!
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「新人女優賞」の松岡ちなは天真爛漫!会場でもフレッシュな魅力を振りまいた
 「熟女女優賞」は成宮いろはに贈られた。発表後に「まさかいただけるとは思っていなかったので……」とこちらも感激の涙を見せたが、中尾は「笑い顔より泣き顔のほうが色っぽいね。その泣き顔でこれからも頑張ってください」とにっこり。成宮は「これからも今日の経験を胸に、みなさんに喜んでいただけるような作品にたくさん出演していきたいです。みなさん応援よろしくお願いします」とスピーチ。また、メディア賞の「FLASH賞」と合わせ「新人女優賞」までもぎ取って2冠を達成した松岡ちなは会場で終始キュートな魅力を振りまいた。「新人女優賞」が決まると「どんな結果になっても笑っていようと思ったのに……」と壇上で涙も見せ、会場の大声援を受けながら「この(投票期間の)2ヶ月間、皆さんからたくさんの愛をもらって本当に幸せでした」とコメントした。
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選考の瞬間はみんな緊張!
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司会の中尾彬と小林恵美 小林がAVタイトルを読み上げるたびに会場がどよめいた
 メディア賞は前述の通り、「夕刊フジ賞」を初美沙希が、「FLASH賞」を松岡ちなが、そして「サイゾー賞」を桜井あゆが受賞。「週刊大衆賞」には加山なつこが、「東京スポーツ賞」にはこの日病気で授賞式を欠席していた小島みなみが受賞した。また、今年新設された「アダルト流行語大賞」は“エロメン”が選ばれた。発表の際には、ノミネートの言葉を司会の小林が読み上げるたびに会場が大歓声。テレビでは絶対聞けない芸能人の間接的“隠語攻め”を体験したかのように客席の男たちは色めきだったが、途中、中尾が小林に「“くぱあ”ってなんだい?」とさりげなく尋ねると、その盛り上がりも最高潮。小林は困り顔を見せながらも「女性器などを指でひろげるときによくつかわれる擬態語みたいですね。勉強になりますね」とひるまず回答。腹をくくったそのプロ根性に拍手が起こった。
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サイゾー賞受賞の桜井あゆは壇上でご機嫌!
 「サイゾー賞」に輝いた桜井あゆは、デビューから3年を経て、今月AV女優を引退。受賞式の前日は所属していたセクシー女優によるアイドルグループ「ミリオンガールズZ」の卒業ワンマンがあり、この日は気持ち的に幾分開放されていたのか、終始晴れやかな表情だったが、AV女優としての最後の舞台とあり、授賞式終了間際には壇上で人知れず大粒の涙も零した。「サイゾー賞」受賞の際には月刊サイゾー編集部から「弊社の男性社員8割が『桜井あゆ辞めるな!』と叫んでおります。これからもこの3年間の失敗と成功を忘れず頑張ってください」とメッセージを送られ、照れくさそうな表情。授賞式のクライマックスではファンに改めて引退を報告。イベント終了後はサイゾーの単独インタビューにも応じてくれた。 ──サイゾー賞おめでとうございます。 桜井 ありがとうございます。何もとれなかったらどうしようとも思っていたので、最後に本当に素敵な賞を頂けたという気持ちです。嬉しかったです。 ──最後はステージの隅で人知れず泣いていた姿が印象的でした。 桜井 この光景をこうして見るのも最後なんだなって。客席を見ていたらファンとの思い出が走馬灯のようによみがえってきて…… ──今日でAV女優としての活動は終わり。明日朝起きたらどんなことを考えているんでしょう 桜井 とりあえずファンの方から頂いた手紙がたまっているので、それを読み返します。 ──引退後はどうするんですか? 桜井 実はヘアメイクの仕事をしようと思っています。 ──え? ヘアメイクの仕事? 桜井 もともと美容の仕事をしていたので。ヘアメイクとしてフリーで現場を問わず、AV現場のメイクももちろんやって行こうと思っています。これから表舞台に出る女の子をサポートする立場に行きたいんです。もちろんあゆらしくどんな現場でも本気モードでやりますよ! ──なぜまた美容の仕事に戻ろうと? 桜井 本当に好きなことは何かと考えたらやっぱり美容関係のお仕事だなって思ったんです。 ──素晴らしい選択ですね。 桜井 ありがとうございます。また、どこかでお会いできるかもしれませんね。 ──楽しみにしています。最後にファンに一言お願いします。 桜井 たぶんついて行きづらい女優だったと思うんです。イベント中にファンに説教したり、土下座させたりしちゃって。それでもついてきてくれた「桜井一家(桜井のファン集団)」はじめファンのみなさんには本当に感謝しています。街で見かけたら気軽に声をかけてください。今まで応援してくださって本当にありがとうございました!  なお、授賞式の模様はスカパー!オンデマンド アダルトで3月31日(木)まで無料配信中(スカパー!オンデマンドへの会員登録とクレジットカード登録が必要、未成年の視聴は禁止します)のほか、BS241ch「BSスカパー!」でも舞台裏の模様などを収録した特別版が3月19日(土)の午前4:00~6:00にOAされる。さらに、女優賞、熟女女優賞、新人女優賞の授賞者の出演作をスカパー!オンデマンド アダルトで有料配信中だ。詳しくは放送大賞の公式サイト(http://adult-awards.com/)へ。 (取材・文=名鹿祥史)

AV女優引退の桜井あゆ、ミリオンガールズZ卒業ワンマンライブで涙!「やさしいね、みんな……」

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イベント開始前にフォトセッション!これがミリガの桜井あゆ最後の勇姿
 今月AV女優を引退した桜井あゆ所属のアイドルユニット、ミリオンガールズZ(桜井あゆ、星美りか・佐倉絆・友田彩也香)が2日、大塚Hearts+で“桜井あゆ卒業ワンマンライブ”を行った。桜井はイベント後にミリガのステージ衣装のひとつであるミニハットを手に改めて単独でステージに立つと、「アイドルの方が引退するときはいろんなものをステージに置いていっていますよね。マイクだったり、ローラースケートだったり……。でもミリガといえば帽子です。この帽子、安っぽいですけど、裏に“桜”って書いてあるんです。今日はこれを投げてお別れにしたいと思います」と宣言。会場が大歓声に包まれると「やさしいね、みんな……」と声を潤ませた。  会場には開始前からミリガの桜井のラストを一目見ようとファンが長蛇の列。開場前の静かなステージ上に取材のために立った4人もそれぞれ感慨深げで、ライブ前日は4人で仲良くご飯を食べに行ったと告白。桜井が加入した当時のことを思い出したり、和気あいあいと過ごすうちに自然と全員が号泣していたと明かした。佐倉は「涙は昨日散々流したので、今日は笑顔であゆちゃんを送り出したい」とコメント。桜井は「ここ数日間本当にしんどかった。自分のツィッターを開くだけでやっぱり泣きたくなっちゃうし、泣きながらメンバーにムービーを送りつけてみたり……」と照れ笑い。「今日という日が来なければいいと思っていたけど、来てしまったので、今日は精一杯ミリガとして最後まで頑張りたいです」と意気込んだ。
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ライブがはじまると会場は大歓声!
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桜井熱唱!
 ライブは「1000000テレパシー」でスタート。大歓声の中、メンバーは会場を見渡し「すごいパンパンに入っていますね!」「よく入った!」と驚きの表情。続けて「-kiss時を超えて- 」を披露すると、会場は「あゆちゃーん!」「泣かせるね!」とファンの叫びがこだま。その後、桜井自ら進んでステージ中央に立ち、「泣いてしまう前にわたしからミリガのメンバーやファンの皆さんにあたしの気持ちを伝えたいです」とコメント。メンバーやファンへの思いを込めたソロ曲を披露。歌う途中こらえきれないといった様子で涙を零すと「みんな大好きです……ミリオンガールズZを愛してくれてありがとうございました。わたしが抜けてミリガは再出発ですが、今後も応援をよろしくお願いします」と話して目頭を押さえた。
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ソロ曲を歌う桜井
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そして涙……みんな大好きです……
 ソロ曲披露後は「少しお時間頂いてもいいでしょうか」と前置きして桜井からそれぞれのメンバーへメッセージ。まずは佐倉を指名し、「きずぽん……一昨年のニコ生のミリガのライブではじめて会って、すごく可愛らしい顔と声と言葉のギャップに驚かされて……。その後でミリガで一緒に活動することになって、最初はお互いちょっとだけ気を遣い合う関係だったんですけど、本当に仲良くなりたかったから、ある時、あゆがきつい言葉を思いっきり言ってしまったことがあって……その後で、心の底から仲良くなれた。もうちょっと早く仲良くなれていたらなって思うこともあります。もう仕事で一緒になることはないけれど、今後ともぜひ友達として仲良くしてください」とスピーチ。佐倉はこれにぽろぽろと涙を零した。
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きずぽんもライブの途中何度か涙。それでも最後は笑顔で桜井を見送った
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ミリガのリーダー星美、桜井との別れが誰より辛そうだった
 続いて「リーダー……」と星美を指名した桜井。「りかちゃんって実はわたしより年上なんですよ。でもいい意味でずっとそう見えなかった。いつだって愛されるりかちゃん。りかちゃんが好きだからみんなこうして集まってきてくれている。そこは自信を持ってステージに上がってください。『自分は資格がない』なんて悩まないでください。ミリガのリーダーはこれからもずっとりかちゃんです!」とエール。「ありがとう」と星美を感動させた。
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桜井とは親友関係だった友田。ライブ中何度も目を潤ませる
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3人とはそれぞれに熱い抱擁もかわした
 最後に「わたしの彼女を紹介します」と友田を引き寄せた桜井。「ともちんはわたしのデビューのときから知っていました。最初はともちんからしたらわたしは生意気な後輩。でも、何回も共演させてもらって、ミリガに入るきっかけもともちんから聞いた。一緒に何回もご飯に行って、仕事の話ばかりして。わたしはともちんがいなかったらここまでやってこれなかったと思います。ともちんには支えられました」としみじみ。「わたしが先に卒業して置いて行く形になりますが、でも、ともちん含めともちんサポーターもみんないい人ばかりでした。ありがとう」とコメント。「あゆちゃんこそありがとう!」と友田もうるうる。桜井と熱い抱擁を交わして、ミリガでの別れを惜しんだ。
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桜井のスピーチの後、ライブ再開!
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アンコールではメンバーからプレゼントも
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プレゼントの似顔絵は似ていなかった?
 その後は「まだまだみんな盛上がって行けるよね!」とライブは「KANPAIファイター」で再開。ライブ終了後は「あゆ!」「あゆ!」の大コールでアンコールもスタート。桜井はアンコール冒頭で改めて「ミリガの思い出はたくさん。最初に加入が決まったときは本当に、壮大なドッキリだと思っていました」とスピーチし、その後ファンに感謝のメッセージ。星美、佐倉、友田の3人からは「卒業おめでとう!」とサプライズのプレゼントが用意され、「うちらだと思って枯らさないでね」とそれぞれのテーマカラーの花も贈られた。また、毎回、桜井はメンバーの誕生日の度に自ら動いて、それぞれの似顔絵をプロの似顔絵描きに発注していたというが、この日は3人から桜井の似顔絵と寄せ書きがプレゼントされ、桜井は「これは宝物ですね。ミリガって本当に仲がいいでしょう!」と感激。プレゼントをしみじみ見つめた後は「LoveKissBaby 」「1000000テレパシー」を熱唱。ミリガとしての最後のステージを終えた。
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最後の最後でミリガのミニハットを手に再登場
 完全に終演後に再びステージに立った桜井はミリガのステージ衣装のひとつであるミニハットをファンにプレゼント。泣き腫らした目でファンとしばし談笑し、大歓声を受けると、「やさしいね、みんな……」と桜井らしい一言。名残惜しそうにステージを退場し、ミリガとしてのキャリアを締めくくっていた。  これからは一ファンとして、一社会人としてライブに遊びに来る可能性もあるという桜井。次期ミリガのライブに来るとひょっとしたらまた再会できるかもしれない。 (取材・文=名鹿祥史)

AV女優引退の桜井あゆ、ミリオンガールズZ卒業ワンマンライブで涙!「やさしいね、みんな……」

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イベント開始前にフォトセッション!これがミリガの桜井あゆ最後の勇姿
 今月AV女優を引退した桜井あゆ所属のアイドルユニット、ミリオンガールズZ(桜井あゆ、星美りか・佐倉絆・友田彩也香)が2日、大塚Hearts+で“桜井あゆ卒業ワンマンライブ”を行った。桜井はイベント後にミリガのステージ衣装のひとつであるミニハットを手に改めて単独でステージに立つと、「アイドルの方が引退するときはいろんなものをステージに置いていっていますよね。マイクだったり、ローラースケートだったり……。でもミリガといえば帽子です。この帽子、安っぽいですけど、裏に“桜”って書いてあるんです。今日はこれを投げてお別れにしたいと思います」と宣言。会場が大歓声に包まれると「やさしいね、みんな……」と声を潤ませた。  会場には開始前からミリガの桜井のラストを一目見ようとファンが長蛇の列。開場前の静かなステージ上に取材のために立った4人もそれぞれ感慨深げで、ライブ前日は4人で仲良くご飯を食べに行ったと告白。桜井が加入した当時のことを思い出したり、和気あいあいと過ごすうちに自然と全員が号泣していたと明かした。佐倉は「涙は昨日散々流したので、今日は笑顔であゆちゃんを送り出したい」とコメント。桜井は「ここ数日間本当にしんどかった。自分のツィッターを開くだけでやっぱり泣きたくなっちゃうし、泣きながらメンバーにムービーを送りつけてみたり……」と照れ笑い。「今日という日が来なければいいと思っていたけど、来てしまったので、今日は精一杯ミリガとして最後まで頑張りたいです」と意気込んだ。
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ライブがはじまると会場は大歓声!
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桜井熱唱!
 ライブは「1000000テレパシー」でスタート。大歓声の中、メンバーは会場を見渡し「すごいパンパンに入っていますね!」「よく入った!」と驚きの表情。続けて「-kiss時を超えて- 」を披露すると、会場は「あゆちゃーん!」「泣かせるね!」とファンの叫びがこだま。その後、桜井自ら進んでステージ中央に立ち、「泣いてしまう前にわたしからミリガのメンバーやファンの皆さんにあたしの気持ちを伝えたいです」とコメント。メンバーやファンへの思いを込めたソロ曲を披露。歌う途中こらえきれないといった様子で涙を零すと「みんな大好きです……ミリオンガールズZを愛してくれてありがとうございました。わたしが抜けてミリガは再出発ですが、今後も応援をよろしくお願いします」と話して目頭を押さえた。
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ソロ曲を歌う桜井
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そして涙……みんな大好きです……
 ソロ曲披露後は「少しお時間頂いてもいいでしょうか」と前置きして桜井からそれぞれのメンバーへメッセージ。まずは佐倉を指名し、「きずぽん……一昨年のニコ生のミリガのライブではじめて会って、すごく可愛らしい顔と声と言葉のギャップに驚かされて……。その後でミリガで一緒に活動することになって、最初はお互いちょっとだけ気を遣い合う関係だったんですけど、本当に仲良くなりたかったから、ある時、あゆがきつい言葉を思いっきり言ってしまったことがあって……その後で、心の底から仲良くなれた。もうちょっと早く仲良くなれていたらなって思うこともあります。もう仕事で一緒になることはないけれど、今後ともぜひ友達として仲良くしてください」とスピーチ。佐倉はこれにぽろぽろと涙を零した。
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きずぽんもライブの途中何度か涙。それでも最後は笑顔で桜井を見送った
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ミリガのリーダー星美、桜井との別れが誰より辛そうだった
 続いて「リーダー……」と星美を指名した桜井。「りかちゃんって実はわたしより年上なんですよ。でもいい意味でずっとそう見えなかった。いつだって愛されるりかちゃん。りかちゃんが好きだからみんなこうして集まってきてくれている。そこは自信を持ってステージに上がってください。『自分は資格がない』なんて悩まないでください。ミリガのリーダーはこれからもずっとりかちゃんです!」とエール。「ありがとう」と星美を感動させた。
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桜井とは親友関係だった友田。ライブ中何度も目を潤ませる
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3人とはそれぞれに熱い抱擁もかわした
 最後に「わたしの彼女を紹介します」と友田を引き寄せた桜井。「ともちんはわたしのデビューのときから知っていました。最初はともちんからしたらわたしは生意気な後輩。でも、何回も共演させてもらって、ミリガに入るきっかけもともちんから聞いた。一緒に何回もご飯に行って、仕事の話ばかりして。わたしはともちんがいなかったらここまでやってこれなかったと思います。ともちんには支えられました」としみじみ。「わたしが先に卒業して置いて行く形になりますが、でも、ともちん含めともちんサポーターもみんないい人ばかりでした。ありがとう」とコメント。「あゆちゃんこそありがとう!」と友田もうるうる。桜井と熱い抱擁を交わして、ミリガでの別れを惜しんだ。
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桜井のスピーチの後、ライブ再開!
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アンコールではメンバーからプレゼントも
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プレゼントの似顔絵は似ていなかった?
 その後は「まだまだみんな盛上がって行けるよね!」とライブは「KANPAIファイター」で再開。ライブ終了後は「あゆ!」「あゆ!」の大コールでアンコールもスタート。桜井はアンコール冒頭で改めて「ミリガの思い出はたくさん。最初に加入が決まったときは本当に、壮大なドッキリだと思っていました」とスピーチし、その後ファンに感謝のメッセージ。星美、佐倉、友田の3人からは「卒業おめでとう!」とサプライズのプレゼントが用意され、「うちらだと思って枯らさないでね」とそれぞれのテーマカラーの花も贈られた。また、毎回、桜井はメンバーの誕生日の度に自ら動いて、それぞれの似顔絵をプロの似顔絵描きに発注していたというが、この日は3人から桜井の似顔絵と寄せ書きがプレゼントされ、桜井は「これは宝物ですね。ミリガって本当に仲がいいでしょう!」と感激。プレゼントをしみじみ見つめた後は「LoveKissBaby 」「1000000テレパシー」を熱唱。ミリガとしての最後のステージを終えた。
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最後の最後でミリガのミニハットを手に再登場
 完全に終演後に再びステージに立った桜井はミリガのステージ衣装のひとつであるミニハットをファンにプレゼント。泣き腫らした目でファンとしばし談笑し、大歓声を受けると、「やさしいね、みんな……」と桜井らしい一言。名残惜しそうにステージを退場し、ミリガとしてのキャリアを締めくくっていた。  これからは一ファンとして、一社会人としてライブに遊びに来る可能性もあるという桜井。次期ミリガのライブに来るとひょっとしたらまた再会できるかもしれない。 (取材・文=名鹿祥史)

『路線バスの旅』でも見られない!? 誰も知らない日本を今日もバスが走る『秘境路線バスをゆく』

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『秘境路線バスをゆく』(イカロス出版)
 蛭子能収が大ブレイクを掴んだ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)。この番組では、蛭子能収と太川陽介が毎回違う女性ゲストとともに、繰り広げるゆるい旅が人気だ。  私たちも日常的に利用する路線バスは、全国で約2,700路線。バス停の数は25万カ所あるといわれている。その中から、週にたった1便しかない路線や片道6時間半の路線など、各種ジャンル分けして語り尽くすのが本書『秘境路線バスをゆく』(イカロス出版)だ。  北は北海道、南は九州まで土地ごとの秘境を走るバスを紹介。たとえば、“絶景チャンピオン”の冠を戴く北海道の宗谷バスの天北宗谷岬線は、廃止された鉄道のかわりに誕生したいわゆる鉄道転換バスで、雪化粧の道北を、日本最北の地・宗谷岬を目指して走る。  また、“路線距離チャンピオン”の奈良交通の八木新宮線は、その距離166km、総時間6時間半と圧倒的な数字を誇り、バス停167カ所、通過する市町村は8つ。路線バスファンでなくても、きっと目がくらむはずだ。奈良県の郊外「八木駅」を出発し、温泉や世界遺産などを横目にしながら和歌山県「新宮駅」をつなぐ。  昨今のレトロブームにあやかり、昔懐かしいバスターミナルも特集。都内と違いバスが主要な交通手段の地方では、巨大なバスの停留所がある。掲載されているバスターミナルのほとんどは、昭和に建てられた。古めかしい雰囲気が残り、立ち食いそば屋や切符売り場、土産物屋などが現在でも営業しており、地元の人々から愛されている。 「伝説の廃路線」のコーナーでは、全国津々浦々の廃止されてしまったバス路線を網羅。その多くが、かつて存在した炭鉱街で働く人々の足であったり、新たに開通した鉄道が原因で存在を忘れられてしまったりなど、人々の生活と密接に結びついていた歴史があるのだ。  じわじわと再び注目をあびる路線バス。私たちと遠くて近いバスは、今日も誰も知らない日本を走る。

『路線バスの旅』でも見られない!? 誰も知らない日本を今日もバスが走る『秘境路線バスをゆく』

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『秘境路線バスをゆく』(イカロス出版)
 蛭子能収が大ブレイクを掴んだ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』(テレビ東京系)。この番組では、蛭子能収と太川陽介が毎回違う女性ゲストとともに、繰り広げるゆるい旅が人気だ。  私たちも日常的に利用する路線バスは、全国で約2,700路線。バス停の数は25万カ所あるといわれている。その中から、週にたった1便しかない路線や片道6時間半の路線など、各種ジャンル分けして語り尽くすのが本書『秘境路線バスをゆく』(イカロス出版)だ。  北は北海道、南は九州まで土地ごとの秘境を走るバスを紹介。たとえば、“絶景チャンピオン”の冠を戴く北海道の宗谷バスの天北宗谷岬線は、廃止された鉄道のかわりに誕生したいわゆる鉄道転換バスで、雪化粧の道北を、日本最北の地・宗谷岬を目指して走る。  また、“路線距離チャンピオン”の奈良交通の八木新宮線は、その距離166km、総時間6時間半と圧倒的な数字を誇り、バス停167カ所、通過する市町村は8つ。路線バスファンでなくても、きっと目がくらむはずだ。奈良県の郊外「八木駅」を出発し、温泉や世界遺産などを横目にしながら和歌山県「新宮駅」をつなぐ。  昨今のレトロブームにあやかり、昔懐かしいバスターミナルも特集。都内と違いバスが主要な交通手段の地方では、巨大なバスの停留所がある。掲載されているバスターミナルのほとんどは、昭和に建てられた。古めかしい雰囲気が残り、立ち食いそば屋や切符売り場、土産物屋などが現在でも営業しており、地元の人々から愛されている。 「伝説の廃路線」のコーナーでは、全国津々浦々の廃止されてしまったバス路線を網羅。その多くが、かつて存在した炭鉱街で働く人々の足であったり、新たに開通した鉄道が原因で存在を忘れられてしまったりなど、人々の生活と密接に結びついていた歴史があるのだ。  じわじわと再び注目をあびる路線バス。私たちと遠くて近いバスは、今日も誰も知らない日本を走る。

名作『セーラー服と機関銃』の後日譚を、“天使すぎるアイドル”橋本環奈が熱演!『セーラー服と機関銃 卒業』

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(C)2016『セーラー服と機関銃 卒業』製作委員会
 今週取り上げる最新映画は、“天使すぎるアイドル”橋本環奈の初主演作と、リーマンショックを予見した型破りな金融マンたちの大逆転を描く骨太ドラマ。フィクションと実話ベースの違いはあれど、痛快なストーリーの裏に込めた社会風刺という共通項もある2作品だ。 『セーラー服と機関銃 卒業』(3月5日公開)は、薬師丸ひろ子主演で1982年邦画配収1位を記録した大ヒット映画『セーラー服と機関銃』の後日譚にあたる赤川次郎の小説を、橋本環奈主演で実写化した異色の青春エンターテインメント。かつて弱小組織・目高組の組長を務めた女子高生・泉(橋本)は、組を解散した後、元組員たちと地元商店街でカフェを開いていた。ある日、モデル志望の女性たちを狙った詐欺の話を聞き、泉たちは独自に調査を開始。ある暴力団がフロント企業を使い、市長候補や警察も抱き込んで街を乗っ取ろうとしていることを知った泉は、組を再結成し、街を守るために立ち上がる。  角川映画40周年記念作品となる本作。『婚前特急』(2011年)の前田弘二監督がメガホンを取り、長谷川博己、安藤政信、鶴見辰吾、武田鉄矢ら実力派が脇を固めた。アイドルやテレビタレントとして既に知名度抜群の橋本が、女優として飛躍的に成長していく様子が見てとれる。張り上げる際の発声が課題だが、同級生たちとのやり取りでは自然な演技が好ましく、今後も映画出演が続くことを大いに期待したい。 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(公開中)は、クリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレル、ブラッド・ピットの豪華共演で、リーマンショックと呼ばれる世界金融危機を予見してウォール街を出し抜いた男たちの実話を描く社会派ドラマ。2005年のニューヨークで、金融トレーダーのマイケル(ベール)は、住宅ローンを含む金融商品「サブプライム・ローン」が債務不履行に陥る危険性に気づくが、その予測はウォール街や投資家から相手にされない。そこで、サブプライムが暴落したら巨額の保険金を得られる金融取引「CDS」に目をつけ、大金を投資する。同じ頃、若き銀行家ジャレド(ゴズリング)、ヘッジファンドマネージャーのマーク(カレル)、リタイアした銀行家ベン(ピット)も、それぞれサブプライム暴落の予測に賭けた大勝負を打つ。  原作は、『マネーボール』(11年)の原作も手がけたマイケル・ルイスによるノンフィクション。監督は、コメディー『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(10年)でも現代の資本主義を風刺したアダム・マッケイ。共同で脚本を担当したチャールズ・ランドルフとともに、今年のアカデミー賞脚色賞を受賞した。ヘビメタ好きの変人トレーダーに扮(ふん)したクリスチャン・ベールもいいが、『フォックスキャッチャー』(14年)に続いてコミカルな演技を封印したスティーブ・カレルの熱演が格別。鮮やかな逆転劇を描く一方で、でたらめな住宅バブルに踊らされた庶民を思いやるスタンスが、ほろ苦い後味を残す力作だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『セーラー服と機関銃 卒業』作品情報 <http://eiga.com/movie/82366/> 『マネー・ショート 華麗なる大逆転』作品情報 <http://eiga.com/movie/83256/>

『カルト村で生まれました。』高田かやに聞く、村の生活、そして“家族”のこと――

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高田かや氏
 朝は5時半起床で労働、食事は昼と夜のみ、体罰は当たり前、テレビは『日本昔ばなし』(TBS系)だけ、そして親とは別の場所で集団生活……。所有のない、争いのない“理想郷”を目指す「カルト村」で生まれ育った少女が、当時の生活をありのままに描いた『カルト村で生まれました。』(文藝春秋)。WEB連載時から話題を呼んでいたこの実録コミックエッセイの作者である高田かや氏に、作品を描き上げた現在の心境と「家族」に対する思いを伺った。 ――まずは、この本『カルト村で生まれました。』を描くことになった経緯を教えてください。 高田かや(以下、高田) 現在、夫であるふさおさんのお母さんと同居しているのですが、私がお義母さんに子どもの頃の話をすると、すごく熱心に聞いてくれて。自分にとっては当たり前の思い出も、一般(※村以外の地域のこと)の人には面白いのかなぁと思ったことが、この本を描くきっかけでした。 ――もともと漫画は描いていたのですか? 高田 本当に、ちょこちょこっとしたイラストだったり、いたずら描きとか、そんな程度でした。まさか、初めてWEBに投稿した作品が本になるなんて……と、自分でもびっくりしています。 ――本にまとめるにあたって、最も苦労した点はどんなところでしたか? 高田 そうですね。漫画を描くという行為が初めてだったため、自分がどの作業にどれだけ時間がかかるかまったくわからず、思いっきりタイトなスケジュール設定にしてしまいました(笑)。それゆえ、ひたすら時間に追われることになってしまって……。 ――本を描く前と描いた後で、ご自身の中に変化はありましたか?  高田 描く前はぼんやりとしか見えていなかったことが、描いていくうちに「あれ、これっておかしくない?」と、はっきり見えてきたというのはあると思います。以前に比べて、村のことを、やや客観的に見られるようになったのかもしれません。 ――最初にWEBで高田さんのこの作品を拝見したとき、非常に衝撃を受けたんですよ。 高田 本当ですか!? どんなところが? ――それまで私が目にした村に関して書かれているものは、たいてい「被害者」という視点ばかりで、『カルト村で生まれました。』のように、淡々とその生活をつづったものを読んだことがありませんでした。 高田 なるほど。私も、もし村にいるときに、リアルタイムでそのときの気持ちを描いていたら、また違った作品になったんじゃないかなと思います。月日がたつうちにいろんなことが自分の中で落ち着いてしまい、その上で現在、頭にあるものだけを描いたら、こうなりました。 ――作風も、この表現が正しいかはわかりませんが、“あっけらかん”としているから、余計にひとつひとつのエピソードが胸に落ちてきます。 高田 作風については特に意図はなく……最初からこの描き方でした。これが私の表現方法の限界で、これ以外、描きようがないというだけです(笑)。 ■“問題児”として過ごした、「村」の生活―― ――本の中で、高田さんはご自身を「村の問題児」と表現されています。高田さんのどんなところが、村的に問題児だったのでしょうか? 高田 私、大人の「子どもはこうあるべきだ」「こうするのが当然だ」という雰囲気を感じると、反発したくなるんです。それで、わざとその大人の思惑とはまったく逆の行動をしてしまうので、そういう態度が問題視されたのではないかと思います。 ――では、村で「良い子」とされるのは、どんな子どもでしたか? 高田 大人に言われたことを素直にそのままできる子、どうしたらみんなが暮らしやすいだろうと自発的に考えて行動できる子が、「良い子」とされていた気がします。 ――高田さんのように「村で生まれた」子どもと、途中から「村に来た」子どもでは、村の捉え方に違いはありましたか? 高田 違いはあったと思います。途中から村に来た子は、一般の生活を知っているので、村と一般の違いを比較できますよね。だから、村で生まれた子より冷静に、村や親を分析していたと思います。 ――外からやってきた子に、影響されたりはしませんでしたか? 高田 外の子からの影響というより、外の子が持ち込んだ物に影響されました。人それぞれ趣味が違い、持ち込む物も違うので面白かったです。アガサ・クリスティを持ち込んでいる子に全巻借りて読んで、翻訳ミステリもいいなぁと思ったり、TOKIOのファンの子が大事にしていたスクラップブックを貸してくれたので、妙にメンバーについて詳しくなったり(笑)。自分は活字を通して影響されることが多かったです。 ――村時代、「反抗期」みたいなものはあったのでしょうか? 高田 親と一緒に暮らせなかったので、村にいたときは、反抗期らしいものはなかったと思います。高等部を卒業したときに、親と一緒に村を出ることになったんですけど、一般で暮らすのも初めてなら、親と生活するのも初めて。そのあたりで、ようやく反抗期がやってきました。毎日、家で母に口うるさく注意をされているうちに、嫌になってしまって。ほとんど口もきかず、食事も別に作って食べるようになりました。 ――それは、親だからこそ、安心してぶつけられる「本音」みたいなものでしょうか? 高田 逆に、親だとあまり認識していないからそうなってしまったと思っています。世話係さん(村では親と子が離されて暮らしているので、子供の世話や説教を担当する大人)に反発したのと同じような感覚でした。ひとつの家に大人の女性が2人いる状況に違和感があって、我慢できなかったんです。 ――高等部卒業時に「大方の予想を裏切り一般に出る」と描かれていましたが、村を出ようと決意したのはどうして? 高田 村を出る理由やそのときの葛藤は、決意する前後の話の流れもあるので、続編で詳しく描こうと思っています。続編が完成したら、また読んでいただけるとうれしいです。 ■一人暮らし、そして、結婚 ――楽しみにしています! しかし、高校卒業までの18年間をずっと村で暮らしていて、いざ「一般」に出てきたとき、戸惑いはありませんでしたか? 高田 パートの初任給で13万円ももらえたときは、本当にびっくりしました! 今までそんな大きな金額を手にしたことはなく、この金額に見合うほど自分が働いたとは思えず(笑)。うれしかったのは、一人暮らしができたことでしょうか。村にいたときは、常に大勢の人と暮らしていたので、一度でいいから一人暮らしというものをしてみたいなと思っていたんです。 ――一人暮らしは楽しめました? 高田 すごく気楽(笑)。自分が、一人でいることが好きなタイプだと知りました。逆に苦しかったことは……村のミーティングで思ったことをなんでも話す癖がついていたため、何げなく発した言葉で人を傷つけたり怒らせたりしてしまう事態が続いたことです。「どうしたら、この癖が直るんだろう?」と悩んだ時期もありました。 ――村での生活では「所有する」「自己主張する」ことが激しく制限されていたと思います。今でも、自分の考えを出すことにためらいはありますか? 高田 自己主張を制限されたような気はしていないのですが……鈍いんですかね?(笑) だから、よく叱られてたのかな……。今は思ったことをそのまま口に出すのではなく、常に言っていいことと悪いこととの区別をつけながら話すように心がけています。 ――ふさおさんとの結婚を決意した一番の理由は、どんなところでしたか? 高田 本書で描いた子ども時代は、「親子で一緒に暮らせないなんて、私は絶対に子どもは産まない」と思っていました。でも村を出て大人になって、その当時は子どもが欲しかったので、順番としてまず結婚かなと思いました。 ――「子どもを持ちたい」と気持ちが動いたのには、何か理由があるのですか? 高田 不思議ですよねー、ずっと産まないって決めていたのに。母が自分を産んだ年齢に近づき、急に産みたくなりました。 ――作品にも「ふさおさん」はたびたび登場しては、“ツッコミ役”として作品に絶妙なバランスを与えてくれていますよね。 高田 実際のふさおさんは、確固たる自分を持っている人で、他人に対してかなり辛辣で、威圧的です。ただ、私の考え方や習性をかなり理解してくれていて、私の話したいことをほかの人にもわかるような言葉に直して説明してくれるんですよ。ですので、漫画上でも、私と読者の方をつなぐ通訳をしてもらったり、私が言い難いことを代わりに話してもらったりしています。 ――今現在、ご家族(実のご両親や妹さん)とは、どんな関係を築いていますか? 高田 たまにふさおさんと一緒に実家に行って、食事をして話をして、泊まって次の日みんなで出かけて……と、たぶん一般の方々と同じような付き合いをしていますよ。妹も村を出て、一般の人のところにお嫁に行ったので、今はそんなにしょっちゅう会ってはいませんが、彼女も幸せに暮らしています。 ■一緒にいたくてもかなわない存在、それが“家族”だった ――幼少期にご両親と一緒に過ごさなかったことは、今の自分にどのような影響を与えていると思いますか? 高田 村にいたとき、家族は「たまに会える、血のつながった人たち」「同じ名字の人たち」という関係でした。だからなのか、私、人との距離感がうまくつかめないんです。仲良くなっても別れるときのことを想像してしまうので、ショックが大きくないように、人とあまり深く付き合わないようにしよう……と、つい思ってしまいます。 ――今に限らず、昔から親による虐待やネグレクトの事件は後を絶ちませんが、高田さんはこのような虐待やネグレクトについて、どのような考えをお持ちでしょうか? 高田 特定の考え方などは持っていないのですが……ただ子どもが外に立たされて凍死したニュースなどを聞くと、その子の気持ちを想像して泣きたくなります。 ――作品の中で「今でも受けた体罰や暴言は忘れないし、たびたび考え込んでしまう」とありますが、それを思い出すのはどんなときですか? そのときに抱く感情は怒りですか? それとも恐怖? 高田 思い出すのはたいてい、夜寝つけないときや暇なとき、夢に世話係さんが出てきたときなどです。怒りも恐怖も今は感じませんが、「いまだに思い出す、夢に見るってことは、自分がまだその当時の出来事にとらわれて縛られてるってことなのかなぁ。いっそ、記憶喪失になって昔のことを忘れてしまえたら、この考え込むめんどくさい性格も変わるかなぁ」と、らちの明かないことを考えています。 ――「村に戻りたいな」と考えるときはありますか?  高田 戻りたいと思ったことは、一度もありません。 ――村に限らず、“カルト”と称される集団については、どんな印象を持っていますか? 高田 何か怖いイメージ。そういった集団と一生関係を持たずに過ごせるなら、それに越したことはないと思います。 ――もし自分が村で育たなかったら……と想像することはありますか?  高田 その想像はしたことがありませんが、もし一般で今の両親の元に生まれたとしたら、きっともう少し勉強ができたんじゃないかなと思います。そして、ふさおさんと一緒になることもなかっただろうと思います。 ――生まれたときから村で育った高田さんにとって、「家族」とはどんな存在でしょうか? 高田 一緒にいたくてもかなわない存在……かな。 (取材・文=西澤千央)

鬼才タランティーノが“密室ミステリー”に挑戦! 大人のエンタテインメント『ヘイトフル・エイト』

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 今週取り上げる最新映画は、鬼才タランティーノ監督による仕掛けに満ちたアクション娯楽作と、美しい沖縄の島でロケを行ったリリー・フランキー主演の映像詩的作品。1世紀半前の米国の雪山と、現代日本の離島、それぞれの舞台も物語の魅力を高めている2作品だ(いずれも、2月27日公開)。 『ヘイトフル・エイト』(R18+指定)は、クエンティン・タランティーノ監督が『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)に続き19世紀後半の米国を舞台に描くサスペンス活劇。雪山で立ち往生していた賞金稼ぎのウォーレン(サミュエル・L・ジャクソン)は、通りかかった駅馬車に乗せてもらう。先客は同業者のルース(カート・ラッセル)と、連行中の女頭領デイジー(ジェニファー・ジェイソン・リー)。さらに新任保安官を名乗る男も加わり、4人は猛吹雪から避難するため中継地のロッジで休憩をとる。そこには、絞首刑執行人(ティム・ロス)ら3人の先客と、見知らぬメキシコ人の店番がいた。ルースはデイジー奪還を狙う仲間が正体を隠していると疑い、ウォーレンも因縁のある男に気づく。8人の嘘と憎悪が交錯し、やがて惨劇に発展する。 「密室ミステリー」と宣伝され、確かに大雪で閉じこめられた山小屋で犯人不明の殺人が起きるが、犯人捜しの謎解きがメインではない。むしろ、ダラダラした会話、時間軸の交差、不意をつくバイオレンス描写など、いつもの“タラちゃん印”を楽しむ大人のエンタテインメントだ。ジャクソン、ラッセル、ロスらによるクセ者感たっぷりの安定した演技もさることながら、顔にアザや傷の特殊メイクで熱演した紅一点リーの不敵なやさぐれ感が絶品。往年の70ミリフィルム機材による撮影で、美しい景観などを風格ある超ワイドショットで収めつつ、B級テイスト漂うゴア表現を共存させてしまうあたりも、タラ映画ならではの魅力だ。 『シェル・コレクター』は、『美代子阿佐ヶ谷気分』(09)の坪田義史監督、リリー・フランキー主演で描くファンタジックなドラマ。沖縄の孤島で、貝を収集しながら静かに暮らしていた貝類学者(フランキー)は、島に流れ着いた画家いづみ(寺島しのぶ)と出会う。いづみは世界中に蔓延する奇病を患っていたが、イモガイの毒針に刺されたことで奇跡的に回復。奇病を治したとの噂を聞いた患者らが島に押し寄せ、貝類学者の日常が狂い始める。  アメリカ人作家アンソニー・ドーアによる同名短編小説の原作から、舞台を沖縄に置き換えた。美しい島と海をとらえた映像に、生と死、再生の物語が詩的に融合し、官能に訴える独特の世界が展開する。共演は池松壮亮、橋本愛ほか。リリー・フランキーは、世捨て人のような盲目の学者を的確に表現。はかなげな男たちと好対照な、寺島と橋本の輝く生命力が強く印象に残る。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ヘイトフル・エイト』作品情報 <http://eiga.com/movie/83735/> 『シェル・コレクター』作品情報 <http://eiga.com/movie/81676/>

ある日“イスラム過激派”になった──報道の裏にあるテロリストの素顔とは!? 『僕がイスラム戦士になってシリアで戦ったわけ』

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『僕がイスラム戦士になってシリアで戦ったわけ』』(金曜日)
 日本人ジャーナリスト・後藤健二さんがイスラム国に殺害されるショッキングな事件から、ちょうど1年が過ぎた。“イスラム過激派”。2001年のアメリカ同時多発テロ事件以降、日常的に目にする単語だが、一体彼らはどんな組織で、どんな人たちなのか? 私たちは知らない。  本書『僕がイスラム戦士になってシリアで戦ったわけ』(金曜日)の著者、鵜澤佳史(27)氏は“イスラム過激派”と呼ばれる人々と寝食を共にし、戦った人物。残虐性のみ取り沙汰される彼らの素顔や、内戦地シリアでの生活など、体験談を中心にした300ページにわたるルポをしたためた。  鵜澤氏がシリアに入ったのは、13年4月のこと。当時のシリアは、チュニジアから始まり中東各国に急速に広がっていった「アラブの春」を経て、現在も続くシリア政府軍と反体制派との戦いの真っ只中だった。  自ら志願して反体制派に加わった鵜澤氏は、指導者の元でイスラム教を熱心に勉強した。イスラム教徒でないと入隊できないうえ、彼らは、人々のために戦っているのではなく彼らの信奉する神のために戦っているため、イスラム教を理解することから始めなくてはならなかった。ムスリム(イスラム教信者)たちと共に、1日5回の礼拝をこなし、ラマダン(断食月)には水の一滴も飲まない生活を送った。そんな生活の中で、鵜澤氏は自分の中にあった彼らに対する「野蛮で残虐なテロリスト」というイメージが、「仲間思いで心温かい人たち」へと変わっていたことに気付く。  それが決定的となった出来事が起こる。シリアの都市、アレッポにある刑務所を政府軍から奪う作戦の際のこと。鵜澤氏は砲弾の攻撃に遭い、脚を負傷してしまう。身動きができないまま、1人戦場に取り残された。死を覚悟したが、銃弾の飛び交う中、決死の覚悟で鵜澤氏を助けだしたのは、他でもない“イスラム過激派”の彼らだった。  先の戦闘で受けた攻撃が原因で、眼の奥に銃弾の破片が埋没していることが発覚し、手術のために日本に帰国することになった鵜澤氏。この時も「帰国後の生活が大変だろうから」と多額の金銭を渡してくれた。たった3カ月の“イスラム過激派”としての生活だったが、鵜澤氏は彼らの本当の姿を伝えたいと強く感じたという。  本書を読み進めていくと、国内で報道される“イスラム過激派”と、鵜澤氏が目の当たりにした姿が大きく異なることに驚く。本書にもあるように、彼らは決して自爆攻撃を強要することはなく、戦闘も参加したい人が参加すればいいという程度だったのだという。  シリア騒乱での死者数は11万人以上といわれ、史上最悪の混乱となっている。幸い、日本国内では“イスラム過激派”とみられる集団による事件は、まだ起きていない。  日本人には、遠い国の出来事ではあるが、現地でいったい何が起きているのか、どんな悲惨な現状が繰り広げられているかを知るきっかけになる一冊である。