たびたび報道される警察官の不祥事。もう驚くこともなくなったが、ヤクザや芸能界などの“ヤバい”本を多数制作してきた宝島社の『ヤバい! 警察官』は、想像以上にヤバいエピソードが満載だ。 目次をみると、警察官による覚せい剤使用、レイプ、イジメ、天下りと胸糞が悪くなるようなキーワードがこれでもかというほど並んでいる。 風俗店にガサ入れなんて話をよく耳にする。当該地域の浄化を目指すもの……だが、本書によればそうではなく、今までヤクザが担っていた“ケツモチ”の座を警察が強引に奪ったということらしい。現在、風俗営業の管理者には「当局懇親会」への出席が義務になっているのだが、それは我々の想像する懇親会ではなく、警察当局が管理者に対して「ヤクザと付き合いはないか」「ヤクザと付き合いのある店舗があったら密告しろ」と詰問するのだという。 また、14歳の家出少女を“性奴隷”にした鬼畜警察官も登場。15年に埼玉県であった実際の事件で、1カ月以上にわたり、自宅に軟禁し性的暴行を加えたというのだ。出会い系アプリで「行くところがない」14歳の少女を誘い込み、性行為を強要。やがて、逃げ出そうとする少女に「ヤクザがお前を狙っている。外に出たら売り飛ばされるぞ」と洗脳したというのだ。 捜索願が出されていることを知った警察官は、唐突に「出てけ!」と少女を追い出す。路上にいた少女を別の警察官が発見したことで、事件が明るみになった。少女は、「脅されながら暮らし、何百回とセックスしたことがトラウマになっています」と語るが、当の警察官は、現在も働いているという。 ドラマなどで耳にする“裏金づくり”もお手の物。各県警は、関係者でしか購入できないオリジナルグッズを制作していて、これもワルの警察官にとっては小遣い稼ぎに都合のいいシロモノ。グッズは、県警のマークが入った酒や菓子などが主だが、コレクションするマニアは思いの外多く、1,000円ぐらいで買えるそれを、ネットオークションなどで、3万ほどで売りさばく。また刑事ドラマで見かける、黄色い規制線の切れ端でも同様に買い手がつくというのだ。足がつかないように、友人に頼んで代理で出品するなどして、手口は巧妙化している。 極めつきは、神奈川県警の不祥事の数々。本書では、“まさに不祥事の公営デパート”と表現されている神奈川県警は、国内で3番目の職員の多さを誇る。数に比例してワルの警察官も多いようで、1996年に警察官による覚せい剤使用が発覚するが、当時の神奈川県警はこれを隠蔽。99年に事実が明るみに出ると、芋づる式にあらゆる不祥事が発覚していく。2000年には巡査が拘留中の女性に対してわいせつ行為を働き、06年にはパトロール中の警察官が制服姿のまま窃盗したほか、92年より12年間に発生した106件の事件の捜査を放置し、時効を成立するなど、枚挙にいとまがない。 ほか、警察官が起こしたヤバ過ぎる不祥事を251ページにわたって収録。元警察幹部でメディア等で広く活躍する小川泰平氏、飛松五男氏両名によるインタビュー、元山口組関連団体組長による「警察と歩んだヤクザ人生30年」など、読み応えのある内容となっている。 掲載されているエピソードは、おそらく氷山の一角だろう。はたして、警察官はもっとも身近な“ワル”なのか?『ヤバい! 警察官』(宝島社)
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また浮上したコミケのエロ紙袋問題……キモイのは紙袋じゃなく、オマエだ!?
8月に開催されるコミックマーケット90を前に、また定番の問題が浮上してきた。 コミケ会場で頒布されるエロ紙袋をめぐる問題である。 コミケでは企業やサークルがさまざまな紙袋を頒布するのが恒例。それを問題視する声は、繰り返しネットで話題になっている。2012年には、夏コミ開催前日に「コミケ会場へ行く駅の地元民」を自称する人物がTwitterで苦情とも取れる意見を公開。これは7,000件を超えるリツイートを集めて話題となった。 コミケで頒布される紙袋の中には、水着姿など大胆な絵柄のキャラクターが描かれているものもあるのは事実だ。そうした紙袋を持って会場から自宅までを歩く姿には、オタクであっても拒否反応を示す人もいる。 再び、エロ紙袋問題が議論されるようになった、7月下旬のTwitterでは「エロ本開いて子供や女性に見せ歩いてるみたいなもんだから」「普通AVとか買ったら目立たない袋に入れるものだしな」という意見も存在する。 ただ、最近のコミケで頒布される紙袋を見ると、絵柄が過激化の一途を辿っているというわけでもない。むしろ控えめな傾向になっているという意見もある。つまり、何がエロ紙袋なのか曖昧なまま、さまざまな意見が飛び出ているのが現状だ。 中には2010年の東京都青少年健全育成条例改定問題の発端のひとつに、コミケのエロ紙袋の問題があったという意見も。もちろん、これはデマである。当時の議論の中で、規制強化を進めた東京都からも、コミケのエロ紙袋に関する言及は一切なされていない。 明らかなのは、一定水準以上に二次元に慣れ親しみ、水着のキャラ絵を当たり前のものとしているのは、限られたコミケ参加者だけということである。コミケを「なんかテレビでも報道しているマンガのお祭り」程度にしか認識していない人にしてみれば、やっぱり「キモイ」と見られるのは仕方がない。それは絵柄が水着ではなく健全なものだとしても仕方がない。 なぜなら、街角で見られるコミケ帰りの紙袋は、それを持っている人と共に認識されるわけだ。頒布されるでっかい紙袋を肩からかけた自分の姿を想像してみれば、自ずと答えは出てくるだろう。 まず、コミケは無数の人が押し寄せる非人道的なレベルの地獄である。冬コミが大叫喚地獄だとして、夏コミは灼熱が加わるので、大焦熱地獄といったところ。そんな空間に、朝も早くから出かけ、目当ての同人誌やグッズを手に入れて疲労困憊になった帰り道。疲労と共に、早く家に帰って同人誌を読みたいとか、グッズを愛でたいという欲望に心はあふれている。そんなテンションで、紙袋を下げていれば……紙袋がエロくなくても、ちょっとヤバイ人に見えるのは間違いない。少なくとも自分は、そう思われている自覚はある。 やっぱり何かしら、ポーズだけでも配慮したほうがいいのは間違いないだろう。今回のコミックマーケット90では、同人誌印刷の共信印刷が「雨・埃・人の<視線>から紙袋を保護する」という真っ黒な「紳士袋」を頒布することを告知している。 これによって、ある程度は配慮できるけど。妙なテンションを、ぐっと抑えないとやっぱりキモさは消えないよな。 筆者も気をつけようと、思った。 (文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/)
改憲不安高まる中、音楽はどこまで響くのか――七尾旅人が歌う「数十年ぶり1人目の戦死者『兵士A』」
「兵士Aくんの歌」を初めて聴いたのは、昨年の朝霧JAMだった。「Moon Shine」ステージには、この日一番といえるほどの人が集まり、今か今かと待ち構える。 ステージに登場した七尾旅人は、「本音を語りたいから、今日は暗い曲しか演奏しない」と宣言。その言葉通り、「戦前世代」「エアプレーン」といった、七尾が20代のころに書いた重いテーマの曲が並ぶ。その何曲目かで、この「兵士Aくんの歌」が演奏された。 この歌は、近い将来、数十年ぶりに1人目の戦死者となる自衛官、または日本国防軍兵士「Aくん」に思いをはせた歌だ。Aくんは、僕の友達かもしれないし、僕の弟かもしれない。わたしの彼かもしれないし、わたしの子かもしれない、と七尾は歌う。 “楽しいライブ”を期待していた観客はといえば、その状況に戸惑い、ステージを後にする者も少なくなかった。だが、大半はうつむきながらも、その歌に真摯に耳を傾けていた。 七尾のライブには何度か足を運んでいるが、こんなライブ、初めてだった。なんともいえないモヤモヤ感がしばらく胸から消えない。当然、観客の反応も真っ二つに分かれた。「なんなのあれ?」「フェスで聴きたくなかった」「すごいものを見た」……。 『特殊ワンマン「兵士A」』は、昨年11月19日に東京・WWWにて行われたライブを映像化したものだ。頭を丸め、迷彩服に身を包んだ七尾が「兵士A」に扮し、およそ100年間に及ぶ物語を構築するというもの。七尾にとって初のライブ映像作品であり、「僕の20年近くなる音楽人生の、ひとまず総決算と呼べるもの」と位置付ける本作は、全23曲のほぼすべてが、未発表曲、またはこの公演のために書き下ろしたものだという。MCや休憩を一切挟まず、3時間ノンストップ。ギターによる弾き語りと、時折ボイス・エフェクトやサンプラー、シンセサイザーなどを用い、オルタナティブ・フォーク、ポエトリー、メロウソウル、ノイズアヴァンギャルドなど、さまざまな手法でひとつのテーマに挑んでいく。 まるで戦前時代にラジオのチューニングを合わせるかのように、サンプラーを使ったノイジーな「プロローグ」から始まり、序盤「Aくんが生まれ、そして死ぬまで」では、高度成長前夜の風景から、1964年の東京オリンピック、炭田の村に建った原子力発電所が大阪万博に光をともしたこと、バブル期、戦争を生き延び、炭鉱、そして原発で働いた父親の死、震災による津波によって村がのみ込まれていく様子、そして「兵士Aくんの歌」と続き、Aくんの人生が戦後日本の歩みと共に伝えられる。
中盤「Aくんが殺したひとびと」では、村を焼き払われ、誘拐され、まだ8歳なのに子ども兵にされた少年、戦争に翻弄されるカップル、月明かりを頼りにゴムボートで海を渡る難民など、さまざまな人々の物語を歌う。七尾は何度も何度も宙を仰ぎ、音を、リズムを、言葉をひとつひとつたぐり寄せるように曲を紡いでいく。そして一転、戦闘用ドローンになりきり、一心不乱に鉄パイプでドラム缶を殴打する。 終盤「再会」では、2020年に開催される東京オリンピックを未来から回想したかと思えば、今度は1938年にタイムスリップ。戦死した野球選手・沢村栄治が手榴弾を投げる様子を歌う。シンセサイザーが銃声のようにやかましく鳴り響き、それまでステージ袖でサックスを演奏していた梅津和時が、旧日本軍の軍服姿で登場。七尾の即興演奏ライブシリーズ「百人組手」よろしく、2人は激しく音をぶつけ合う。 七尾といえば、911同時多発テロに端を発するアフガン・イラク侵攻を境に衰弱してゆくアメリカと、否応なく戦場へ回帰していく日本を描いた3枚組の超大作『911FANTASIA』、ヘリパッド移設問題で苦しむ小さな美しい村を歌った「沖縄県東村高江の唄」、東日本大震災の原発事故で放射能が降り注ぐ環境下、それでも笑顔で生きる女性が主人公の「圏内の歌」を発表するなど、こと時勢に敏感なアーティストだ。 「兵士Aくんの歌」、そして今回の特殊ワンマンも、集団的自衛権の行使に連動した憲法改正論議に触発されたことは想像に難くない。だが、これはありきたりのプロテストソングではない。『911FANTASIA』で七尾が予見した通り、取り返しのつかない場所へ行こうとしている日本と、そして世界を、さまざまな立場の人々の小さな声を手がかりにしながら、総合的に描き出そうとする試みだ。 以前、東日本大震災後に発表したアルバム『リトルメロディ』のインタビュー(参照記事)で、七尾はこう語っている。 「もしあとに残るものがニュースだけだったら、100年後には、まるで太平洋戦争中の新聞と同様に、共感しづらいものになる。政治や科学やジャーナリズムの言葉だけでは、よくわからない。でも、そこに音楽、あるいは映画とか、文化がついてきて初めて、そのときどんな人がどんな複雑な気持ちを抱えて、どんなことを恐れていたり、どんなことに喜んでいたかが、やっと見えてくると思うんですよね」
世の中が良くない方向に向かっていくのがわかっているのに、どうにもできない歯がゆさ。すごく大事なことが議論もなしに強引に推し進められ、国民がないがしろにされている現実に対し、七尾はたったひとりで立ち向かう。戦争という巨大なテーマを前に、音楽がどこまでやれるのか。人の心に、どこまで響かせられるのか――。 七尾はまるで吟遊詩人のように、苦しい立場に立たされた名もなき人の繊細な心のゆらぎを、今にもかき消されてしまいそうな小さな声を、丁寧に、丁寧にすくい上げる。音楽と真摯に向き合い、音楽の力を信じる者にしかできないやり方で。 正直、この『兵士A』は万人に受け入れられる類いのものではないだろう。だが、何かに取りつかれたようにうつろな目で歌い続ける七尾の姿から、観客は一瞬たりとも目を離すことができない。70年にわたり日本の平和の礎となった憲法9条改正のリアリティが、否が応でも突きつけられる。 演奏後、七尾の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。 本作の発売に際し、さまざまな著名人がコメントを寄せているが、「自衛官の白石氏」はこうつづっている。 <僕はAくんになる可能性がある。戦争を僕らは体験していないけど兵士A君を想像して涙を流せる人であり続けたい> (文=ミウラハナコ)
気になる人“ポスト・ムツゴロウ”パンク町田が、明かされることのない動物園の裏側を赤裸々トーク
ア~ア、ア~ッ! 千葉県在住のターザンが都内の映画館に現われた。“千葉のターザン”ことパンク町田氏は動物研究家として知られ、畑正憲さんが“ポスト・ムツゴロウ”と認めるほどディープな愛情を動物たちに注いでいる。『変態ペット図鑑』(飛鳥新書)、『飼ってはいけないマル禁ペット』(どうぶつ出版)など猛獣や猛禽類の飼育方法を解説した様々な本を出版するだけに留まらず、千葉県旭市では人間と動物との新しい可能性を研究するための施設「アルティメット・アニマル・シティ」を運営しているのだ。7月17日、ムツゴロウさんばりにキャラの濃いパンク氏が、マニアックな映画70本を絶賛上映中の新宿シネマカリテの“カリコレ2016”の一本『ZOOMBIE ズーンビ』のトークゲストとして登場。動物たちの隠された生態について語った。この人が動物研究家のパンク町田氏。猛獣、猛禽類、爬虫類から昆虫に至るまで、様々な動物たちの生態に精通しているのだ。
ちなみにこの『ZOOMBIEズーンビ』は、低予算映画でおなじみ米国アサイラム社が製作した動物パニック×ゾンビ映画のハイブリッド作品。世界各地の絶滅危惧種の野生動物を集めたエデン自然動物園で、一匹のちっちゃな猿がゾンビ化し、次々と他の動物たちに感染。ただでさえ獰猛なライオンやゴリラたちがゾンビ化し、ますます凶暴に。木の上に逃げても、ゾンビ化したキリンたちが襲ってくる。さらにはかわいいコアラまでゾンビ化して、ちびっ子が大ピンチ。楽しいはずの動物園が、逃げ場のない阿鼻叫喚地獄に早変わりしてしまうというものだ。 終映後に登壇したパンク町田氏。世界の辺境やジャングルを旅して猛獣や珍獣たちと触れ合ってきただけに、体験談が異様に面白い。MC役のお宝映画発掘家の中野ダンキチ氏を相手に、パンク節が冴え渡った。 パンク町田「この映画に出てくるゴリラは、西アフリカに生息するクロスリバーゴリラといって、すごい希少動物なんです。俺もまだ直接逢ったことがないので、映画に出てくるエデン自然動物園がすごく羨ましかった。動物たちは次々と感染してゾンビになるけど、なぜか人間には感染しないってことになっているんですよね? そこがちょっと疑問だった。ゴリラと人間は遺伝子レベルで見れば、97~98%は同じなんです。だから人間に感染しないなら、ゴリラも感染しないはず。ゴリラがゾンビ化するシーンはどうかなって思いましたね」 アサイラム社のB級映画に科学的なツッコミを入れ、パンク氏はこの日満席だったお客さんたちのハートを速攻でつかむ。ダンキチ氏からの「普段はおとなしいけど、怒らせると怖い動物は?」という質問に、パンク氏は「ゾウ!」と即答する。 パンク町田「人喰いゾウって、本当にインドにいたんです。そのゾウが人喰いになったのは、ちゃんとした理由があったんです。ある村人が子どものゾウをさらって、売り飛ばしたんですね。それで母親ゾウが復讐して、村人を殺したんだけど、それだけじゃ気が収まらなくて、食べちゃったの。当然、そのゾウは射殺されたけど、胃の中から人肉が出てきたそうです。だから、頭がいいゾウは怒らせちゃ絶対にダメ」こちら新宿シネマカリテで上映中の『ZOOMBIE ズーンビ』。猛獣たちがゾンビ化して、動物園が大変!
パンク氏はさらにゾンビ化したら恐ろしい動物について語った。 パンク町田「カラスなんて、あちこちにいるからゾンビ化したら恐ろしいよね。犬もゾンビ化したら、怖いですよ。犬って人間にとっていちばん身近なペットになっているけど、犬が怒って本気になると凄いんです。20kgある犬だと、40kgあるイノシシを倒してしまうほど強い。人間は60kgあっても40kgのイノシシに勝てないですよ。犬は強いし、敏捷性もあるから、ゾンビ犬になったら恐ろしい。ポチとか名前を付けてる飼い犬でも、大変なことになりますよ」 その道の達人が解説を加えることで、低予算映画にほんのり含有されていた面白みがぐんぐんと膨らんでいくではないか。ちなみにパンク氏の生業だが、海外から輸入してきた野生動物たちを、餌付けしたり檻の生活に順応させてから国内の動物園に引き渡す仲介業になるそうだ。それゆえ、一般人が普段知ることがない動物園のブラックな部分についても詳しい。 パンク町田「動物園にいる動物たちの中で、性格が悪いのはカピバラですね。仲間と一緒に温泉で和んでいるイメージがあるかもしれないけど、仲がいいのは同じ群れ同士だけ。カピバラの数が少なくなって、見栄えが悪いからと後から数匹のカピバラを補充して同じ檻に入れると、血まみれの殺し合いになります。大人だからダメなんだろうと子どものカピバラを入れた動物園では、子どものカピバラが血まみれにされた。カピバラの数を増やすときは、以前からいたカピバラはどこかへやってからじゃないとダメなんです。カピバラって陰険なんですよ。血まみれの檻を見て以来、カピバラのことが嫌いになった。それで俺、いつも『カピバラみたいな大人にはなるな』って言ってるんです」 他にも人気動物園にまつわるダークな裏話が飛び出したが、そのネタを活字化するのは封印しておこう。せっかくなので、パンク氏に「猛獣に襲われて、いちばんヤバいと思った体験は?」と尋ねてみた。ライオン、トラ、ヒョウ、ニシキヘビなど様々な猛獣たちに襲われたパンク氏だが、いちばん怖かったのは……。「闘わせたら面白い動物? アンタッチャブル柴田さんと武井壮さんを闘わせたら面白いと思いますよ」とユーモアセンスも素晴しい。
パンク町田「ニューギニアに行ったときの体験ですね。おしっこがしたくなって、その場でするのは気が引けたので、フェンスを乗り越えて、用を足そうとしたんです。小さい山があったので、そこにしょんべんしていたら、イリエワニのデカい奴が現われて、追っかけてきた。あやうく捕まりそうになったけど、しょんべんを出したまま走って、ベリーロールでフェンスを乗り越えたの。しょんべんまみれになりながら逃げた。体育の授業は嫌いだったけど、ベリーロールだけは覚えていて良かった。フェンスでモタモタしてから、確実に喰われたよ。俺がしょんべんした山って、ワニが卵を孵化させるための巣だったの。大事な卵におしっこされたら、ワニじゃなくても怒るよね。ワニって動きが鈍そうだけど、本気を出すとギャロップ状態になって時速15kmで走るから、人間よりも速いよ。ワニが襲ってきた瞬間は、本当に『死ぬな』と思った。危なかった」 30分間にわたるトークでお客さんを楽しませた後のパンク氏に、「猛獣に襲われた痕が見たい」と頼むと、「いいよ」と気軽に上半身裸になってくれた。肩の傷跡はインドネシアでヒョウに引っ掻かれたときのもので、11針縫ったそうだ。何度も痛い目に遭いながら、それでもパンク氏は動物のことが好きで好きで堪らないらしい。タブーだらけの人間社会と違って、動物たちと本音で接しているパンク氏。これから、ますます引っ張りだこになりそうな注目キャラなのだ。 (文=長野辰次)20年ほど前にヒョウに襲われたときの傷跡。全身傷だらけになりながらも、猛獣たちを愛してやまない。
『ZOOMBIE ズーンビ』 製作/デヴィッド・マイケル・ラット 監督/グレン・ミラー 出演/アイオン・バルミー、アンドリュー・アスパー、マーカス・アンダーソン、キム・ニールセン、ララ・ネスター 新宿シネマカリテ(カリコレ2006)にて公開中 (c)2016 SLIGHTLY DISTORTED PRODUCTIONS,LLC All Right Reserved.
「もう、お前死ね……」貧困が招く悲しき老後生活『万引き老人』
テレビの特番などでたびたび取り上げられる“万引きGメン”。スーパーや家電量販店でのさばる万引き犯を、ジッと監視し決定的な瞬間を待って捕まえる。現在も万引きGメンこと保安員として日夜窃盗犯の捕捉につとめる、伊東ゆうの著書『万引き老人』(双葉社)は、万引き犯となった高齢者、“万引き老人”の実態にせまったルポだ。 特売品が売り切れていたことに腹を立て、万引きをした老女。保安員の手から逃れるため、車を急発進させた。思わず保安員をひいてしまうところだったが、「なんなんですか?」と言ってのける厚顔ぶりだ。最終的に警察に引き渡された老女は、翌日夫と思われる男性と店に謝罪に来た。 ところが、老女は今回の件で仕事がクビになったと怒鳴り散らす。保安員を危うくひきそうになったことを初めて知った夫は、長年連れ添った妻に対して「もう、お前死ね……」とうなるようにつぶやいた。 窃盗は共犯になると罪が重く、即時逮捕となる。伊東が捕捉した実行犯のとある老婆は、見張り役の男性を「ご主人様」と呼んでいた。話を聞くと、老婆は少し前までホームレスで、見張り役の老人に拾われたという。拾ってやった見返りに万引きを強要されたと語る。「ほんと、奴隷みたいな生活なのよ……」。証拠不十分で逮捕にならなかった老婆は、男性に引き取られた。 また、この老婆のようなホームレスを利用して収入を得る“万引き商人”も存在する。ホームレスが万引きした商品を安く買い取り、それを別のホームレスに高く売ることで収入を得る。その地域では、スーパーよりも安く購入できると主婦たちも盗品を買っていたそうだ。 万引きの動機は、「生活の困窮」、「店舗への腹いせ」「寂しいから」などがおおよその理由だが、伊東が出会ってきた万引き犯の中にはそうではないケースもある。 出刃包丁を万引きした60代の女性は、自殺を図るために包丁を盗んだと語る。嗚咽をもらす女性に伊東が事情を聞くと、仕事一筋で生きてきた彼女は、会社が倒産したことに絶望し自殺を決意。「ここで自殺したら、生命まで会社に捧げることになっちゃうじゃない」伊東はそう言った。 2年後のある日、伊東はこの女性と再会。顔色は明るくなり、伊東をみかけるや「あなたに捕まえてもらって、本当によかった」と手を強く握った。保安員をしていて心が晴れた経験だったという。 年々、万引き認知数は減少傾向にある。しかし、実際は所轄の警察が被害届を出されることを拒否したり、万引き犯の身寄りがないなどの理由から厳重注意で終わってしまうことがほとんどだ。「謝れば許される」「買い取れば許される」という認識から万引きが繰り返され、手口の悪質化が進んでいる。 一方で、保安員は命懸けだ。万引き犯に声をかけたところ刺殺されてしまったり、逃げ出す車にはねられて死亡した保安員もいる。また、業務をこなすなかで、精神を病んでしまい自殺する者が後を絶たない。 ほか、増加する外国人による万引きグループや、近年導入されつつある顔認証型防犯システムの問題点など、普段知ることのない保安員と窃盗犯の戦いを7章にわたって収録。 伊東は、保安員の経験から「店内声かけ」を呼びかけている。ちょっと前の商店街などでみられたものだ。声をかけられることで、店員がこちらをみていると思わせて、万引きを未然に防ごうというものだ。しかし、現場には、一筋縄ではいかない問題が横たわっている。『万引き老人』(双葉社)
小島みなみ&紗倉まなの美少女コンビ「乙女フラペチーノ」がアイドル戦線に新風! 渋谷で新曲を生披露
セクシーアイドルの小島みなみ・紗倉まなが結成し、活動する音楽アイドルユニット、乙女フラペチーノが14日、東京・渋谷のHMV & BOOKS TOKYOで両A面ニューシングル「私ほとんどスカイフィッシュ/乙女の炎上」(8月26日発売)の生お披露目会を開催した。
乙女フラペチーノは2014年に畑中葉子の大ヒット曲「後から前から」をエレクトロ・サウンドでカヴァーした同名曲でデビュー。昨年もアニメソングをエレクトロダンス・サウンドで現代に蘇らせた「ムーンライト伝説」をリリース。今回の「私ほとんどスカイフィッシュ/乙女の炎上」が3枚目のシングルとなる。
ゲストに本曲の楽曲制作に携わったトリプルファイヤーの吉田靖直、鳥居真道を迎え、ぱいぱいでか美がMCを担当したイベントトークショーでは、今回の楽曲の制作裏話や、小島と紗倉の音楽トークで盛り上がり、「2人は共通して浜崎あゆみさんが好き。でも最近みなみはディズニーも聴いています! 『レット・イット・ゴー』はカラオケでも絶対歌います!」(小島)、「中島みゆきさんからきゃりーちゃん(きゃりーぱみゅぱみゅ)まで、いろんなものを聴きます。音楽に関しては雑食です」(紗倉)と、それぞれ普段聴いている音楽などを紹介。注目の新曲に関しては「前までは、どエロ路線だったんですけど、今回はちょっとお洒落路線で頑張っています」とアピール。2人はMCのぱいぱいでか美にも興味津々で、小島が「おっぱい大きい人ですよね」と声をかければ、紗倉も「目のやり場に困ります」と本人を前にニヤニヤしていた。
その後、集まったファンを前にさっそく新曲を生披露。キレキレとまではいかないものの、ダンスも歌も息ぴったりで元気一杯のパフォーマンス。会場のファンは大喜びだったが、ライブを終えると、紗倉は「たいへんでした! 歌って踊れるアイドルの人たちって、やっぱりすごいなって心から思いました。でも、今日はファンの人も一緒に振り付けを踊ってくれたのでうれしかった」とコメント。小島も「1曲歌っただけで喉がカラカラ。体力をつけないと!」と照れ笑い。それぞれに反省の弁を述べつつ「楽しかった~」とライブの感想を語った。
紗倉は「みなさんに見てもらう機会があんまりなかったので、うれしい! いつか大きいところで歌を披露できるように、これからも精進していきます」としみじみ。「本業あってこその乙女フラペチーノの活動。今後も、うまく両立していきます」と意気込むと、小島も「東京だけでなく、北海道や沖縄にも行けるように頑張りたいです。夢はアリーナ。いつかアリーナツアーとかやってみたい」と今後の活動に期待を膨らませていた。 本曲はCDとDVDがセットで発売され、CDにはオリジナル楽曲2曲とバージョンの違うテイクが4曲収録される。DVDにはミュージックビデオと密着ドキュメンタリー映像が収められ、ジャケットも3タイプ、それぞれ「乙女とパンツ盤」「乙女と電車盤」「乙女と矢盤」とネーミングされたものが用意されている。 (取材・文=名鹿祥史)
無職だけど、料理は絶品!! “クズッキングパパ”の貧乏グルメ 『貧民の食卓』
世間はすっかり夏のボーナス時期ですね。「ボーナス支給額が上がった!」「祝・景気回復!!」という人もいれば、「ボーナスなんか存在しないし、景気など回復していない!」「呪・アベノミクス!!」なんて人もいるのではないでしょうか。消費税も8%になりましたし、実感としては、まだまだ景気が悪いと感じる人のほうが多いと思います。 というわけで、今後も当面続くであろう格差社会を生き抜くために、食に関するコストは極力抑えたい、自炊して食費を限りなくゼロにしたい、なんて思っている人にピッタリなのが、今回ご紹介するグルメマンガ『貧民の食卓』なのであります。 『貧民の食卓』はその名の通り、1人1食当たり100円を切る激安レシピを徹底的に追求したグルメマンガです。1食当たり100円っていったら、食費は、月に約9,000円しかかからないことになりますね。今のご時世、これはかなりすごいことです。 主人公・赤柿留吉は、中学生の娘と小学生の息子がいる2児の父親です。奥さんが五平餅を喉に詰まらせて亡くなったため、男やもめで頑張っている……のかと思いきや、働く気は一切ゼロ。貯金を切り崩しつつ、日々パチンコと麻雀の稼ぎで糊口をしのいでいるのです。 そんな父親なので、娘・千夏には「おっさん働けー! 子どもに小遣い渡せー!」と罵られるわ、息子・ハジメを遊園地代わりにパチンコ屋へ連れて行ったり、焼酎を飲ませてみたりするなど、なかなかのクズっぷりを発揮しています。 徹底した無職ライフを満喫する留吉ですが、料理の腕だけは超一流。冷蔵庫に残ったわずかな食材や残り物を使って極上の貧民料理を作り、腹をすかせた子どもたちを満足させたり、町内の諸問題を解決したりします。もちろん、出てきた貧民料理のレシピはバッチリ紹介されていますので、そういう意味では構成が『クッキングパパ』に酷似していますが、肝心のパパが無職であるというところが全然違います。つまり、本作品はクッキングパパならぬ、クズッキングパパなのであります。 作中紹介されるメニューは1食当たり100円以下を目指しているだけあって、どれも徹底的にコストダウンが図られていますが、それでいて、それなりに旨いというのがポイントです。そんな貧民メニューを、いくつかご紹介しましょう。 ●「おかずにヘンシン風ライス春巻き」 冷蔵庫の冷ご飯を春巻きの皮で巻いて揚げるメニュー。パリッっと香ばしい春巻きで、ご飯のおかずにピッタリ! 気がつけば、ご飯をおかずにご飯を食べる炭水化物祭り状態になっていますが、なんと1人前53円という驚きの低コスト。まさに貧民料理です。 ●「胴の短いウナギ丼」 いまや庶民に手の届かなくなりつつある高級料理、ウナギ丼。気分だけでもウナギ丼を味わいたいということで、イワシを使ってウナギを再現するという、まさに貧民の知恵がほとばしる一品。考えてみれば、タレさえちゃんとしてれば、ウナギだろうがアナゴだろうがイワシだろうが、大して変わらないですよね(そんなことないか)。お値段も、胴が短い分、リーズナブル。1人前95円でいただけます。 ●「おめめパッチリじゃこめしセンベイ」「あたまシャッキリ梅レタススープ」 受験生向けに目が覚める歯応えのある夜食を、ということで作られたメニューが、この2品。じゃこめしセンベイが1人前12円、スープは13円と、2品合わせても25円という、本作品中屈指の超低コストメニュー。なんだこれ、駄菓子より安いじゃねーか! ●「赤柿屋の100円牛丼」 牛丼が100円って、一番安い時のすき家でもそんなに安くなかったんですが、どうやって実現するんでしょうか……? と思ったらなんと、牛丼屋で買ってきた一杯の牛丼をお麩と玉ねぎと卵で増量して4等分してしまうという、一杯のかけそばを超えるド貧民メニューでした。しかも1人前89円って、100円切ってるし!! ●「ステキなステキなステーキこんにゃく」 塩コショー、カレー粉、ニンニク、ごま油、肉味噌などなど、ありとあらゆるスパイシー素材で炒め合わせる涙ぐましい努力により、こんにゃくでステーキを再現した1品。1人前84円。これで満足できるなら、ステーキは一生食べる必要なし! *** もちろん作中にはもっと詳しいレシピがバッチリ載っていて、読めばその日にすぐ貧民料理が作れるようになっています。問題は、ここに載っているレシピよりも単行本自体の価格のほうが高いところですね。そういう意味では、実に悩ましい作品です。 (文=「BLACK徒然草」管理人 じゃまおくん<http://ablackleaf.com/>)『貧民の食卓』(おおつぼマキ/新潮社)
実は紙じゃなかった! 投票箱の中で自然に開く「投票用紙」、その原理とは?
7月10日は参議院選挙。今回から選挙権年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられたことが話題になっている。これによって有権者数は約240万人増え、全体では約1億660万人となる。 そこで心配になるのが、開票スピード。仮に投票率が50%としても、膨大な数の投票用紙が各地の投票箱に入れられることになる。 しかし、安心してほしい。現在の投票用紙は折りたたんだ状態から投票箱の中で自然に開くため、開票作業の効率化に大きく寄与している。さらに、候補者の名前を読み取る機器や枚数を数える計数機の進化も著しい。 この選挙システムを全面的にバックアップするのが、株式会社ムサシ(東京都中央区)。そもそも、折りたたんだ紙がなぜ自然に開くのか? 担当者に聞いてみた。
「正式な商品名称は『テラック投票用紙BPコート110』で、1989年に弊社が発売しました。主原料は元の形状に戻る性質を持つポリプロピレンという樹脂で、正確にはフィルムの一種なんです」(広報室長・篠沢康之さん、以下同) なんと、あの投票用紙は紙ではなかったのだ。とはいえ、開発に取り掛かったのは80年。完成までに、実に9年もの時間を費やしたそうだ。 「表面に鉛筆で文字が書けるようにする、計数機のローラーとの摩擦係数を調整して用紙が滑らないようにする。この2つが、開発時の大きな壁でした」
発売当初は各地方自治体に商品案内を行い、地方選挙への導入を進めた。やがて国政選挙にも採用され、最後に2012年の衆議院選挙で沖縄県が導入した時点で、ようやく全国47都道府県を制覇したという。 なお、使用済みの投票用紙は専門の業者が粉砕し、ペットボトルやプラスチック製品などにリサイクルされている。 さらに、投票用紙に書かれた手書き文字を読み取って候補者別、政党別に高速分類する機器のスピードは毎分660枚。また、分類された投票用紙を毎分1,500枚の超高速で計数しながら、「二つ折れ」や「二重送り」などの異常票は自動的に排除する機器なども、ムサシは販売している。 こうした技術革新が投票用紙の開票スピードを格段にアップさせ、当確速報の迅速化に大きく貢献しているのだ。 だからって、グシャグシャにしちゃダメだぞ! (取材・文=石原たきび)投票用紙読取分類機CRS-VA
ドムドムハンバーガー全店制覇を目指す謎の集団「ドム連」とは?【後編】
(■前編はこちらから) ■ドム連の全メンバーが認める名店「水無瀬FC店」へ 看板を指さして、けんちんさんが言う。 「『ハンバーガードムドム』と、『ハンバーガー』が先に来る順序で表記されているのは珍しいんですよ。一時期、その表記を採用していたことがあるんです」
「このモーニングセットも貴重です。オープン時間が早い店舗でしか実施できないという事情もあって、全国で数店舗しかやっていないんです」
「あとこれ、毎月行われる商店街の催しに、ドムドムも出店しているんです。そういうところがすごくいいでしょう?」
と、早速いろいろ教えていただきつつ店内へ。土曜の昼時であったが、店内にはゆったりしたムードが流れていて、新聞を読みながらゆっくりコーヒーを飲んでご老人がポカポカと暖かい陽射しを浴びている姿が印象的だった。 この「水無瀬FC店」では、ほかの店舗にはない貴重なメニューを食べることができ、実に驚きの品があったりもするのだが、諸事情により、そちらについてはドム連の公式サイト(http://domrenjp.wix.com/domren)で確認していただきたい。 メニューの中から、気になった「春巻き(チーズポテト味)」を食べてみた。
チーズポテト味の春巻き!? こちら、今年3月から始まった新メニューだそうで、ドムドムの攻めの姿勢を垣間見ることができる。サクッとした歯ごたえとチーズのまろやかな味わいのバランスが素晴らしく、すごくおいしかった。 けんちんさんは、ドムドムのハンバーガーの中でも特に人気の高い「甘辛チキンバーガー」をチョイス。
この「水無瀬FC店」では、貴重な「アイスクリーム」が食べられるという。アイスクリームって、普通では? と思うかもしれないが、ほかのドムドムハンバーガーではソフトクリームを販売しているのだが、水無瀬FC店にはソフトクリームを作る機械がなく、代わりにアイスクリームを提供しているのだとか。
そんな細かいポイントまで見逃さないけんちんさんがおいしそうにアイスクリームを食べる姿を見て、ドム連の底知れなさを感じた。
そんなけんちんさんのご紹介で、今回特別に水無瀬FC店店長の大西美紀子さんにお話を聞くことができた。
――このお店は、いつから営業しているのですか? 大西さん 30年前(1986年)からですね。もともと、このお店の半分の敷地でファンシーショップ(!)をやっていたんですよ。ある時、隣のテナントがたまたま一般公募物件になったんです。“絶対、当たらんわ”と思ったんですけど、ダメもとで抽選に行ってみたら、ウソみたいに当たりまして。そこで、レンタルビデオかハンバーガーショップをやろうと思って調べたら、ドムドムハンバーガーならフランチャイズで営業できると。また、ドムドムハンバーガーは本部のフォローも手厚いと聞いていましたんで、それでやることにしたんです。 ――クジ運がすべての始まりだったんですね。 大西さん 最初は客席もない店舗だったんですけど、その後、隣のファンシーショップを閉め、ブチ抜いてこの広さになったんです。 ――それからこれまで、順調にやってこられたんですか? 大西さん それはもう、いろいろありましたけどね。大手のチェーンが近くに店舗を出して、お客さんが減った時期があったりね。ただこの店が駅前で立地条件がよかったのも幸いしまして、なんとかなりました。 ――ちなみに、ドムドムハンバーガーはお店によって個性があって面白いと聞いたんですが、例えば提供するメニューはお店側で決めたりはできないですよね? 大西さん もちろんフランチャイズなので、できないんです。ただ、現場にしかわからないことがあるんですよね。お客さんの好みとか、何を求めていらっしゃるかとか。そこに合わせて、できる限り努力するようにしています。 ――商店街の催しなどにも、積極的に参加されていますよね? 大西さん 商店街でやりましょうと決めたことにはやっぱりきちんと参加して、地域の方々に喜んでもらいたいですからね。コーヒーやフラッペを出したり、娘がほかの屋台を手伝ったりね。子どもさんにも、喜んでもらいたいですから。 ――地域の方々と密接に関わっているんですね。 大西さん 長いことやってますからね。いつもお客さんに助けられているんですよ。イスが傷んできて取り替えないとならなくなったら、リサイクル業をしているお客さんから安く譲ってもらったりね。あと、この前、自動ドアが壊れてしまってね、今は手動ドアになってるんですけど。常連のお客さんが「俺が取っ手つけたるわ」って、開けやすくしてくれたりね。子どもの頃から知ってるお客さんなんですけどね。とにかく全部お客さん頼みですわ。この店も……いつ辞めるかわからないですけど(笑)、まあ元気な限り続けていきたいと思ってます。 *** 大西店長のお話を聞いていると、この人柄の良さがお店の居心地の良さを生み出しているとともに、ドムドムハンバーガーの経営方針はとても柔軟でいいなと思った。 アットホームな雰囲気がたまらないドムドムハンバーガー、そして、そんなドムドムを追い求めるドム連に共感できたなら、ぜひみなさんも「食べ支え」してみては? 都内には「イオン赤羽北本通り店」「マルエツ大泉学園店」「小平店」がある。電車に乗ればあっという間だろう。ドムドムにしかないキュートでゆるい魅力を、みんなで守っていこうではないか! (取材・文=スズキナオ) ※記事の中で紹介しているメニューに関しては時期により内容が変わる場合がありますのでご了承ください。 ドムドム連合協会公式サイト <http://domrenjp.wix.com/domren> <取材協力> ドムドムハンバーガー 水無瀬FC店 住所:大阪府三島郡島本町江川2-13-1-113 営業時間:営業時間:9:00~20:00 定休日:毎週火曜日(祝日除く)
ドムドムハンバーガー全店制覇を目指す謎の集団「ドム連」とは?【前編】
「ドムドムハンバーガー」というファストフードチェーンの名を聞くと「ああ、あの象のマークのでしょ?あったあった! 懐かしい……」と、遠い目をする人が実に多い。 しかし、「ドムドムハンバーガー」は今もなお、日本各地に存在するのだ。 確かに、全盛期である1980年代には全国に400以上もあった店舗が、2016年6月現在で69店舗と、その数を減少させている。だが、現在も営業中の店舗は、地域の方々に愛されながら、ほかのチェーンにはないどこかアットホームな雰囲気を大切にしつつ、いつでもわれわれにドアを開いて待っていてくれる。 そんな「ドムドムハンバーガー」の全国各地の店舗をリストアップし、全店制覇を目指して活動している団体がある。「ドムドム連合協会」、通称「ドム連」がそれだ。 今回、ドム連のメンバーに「ドムドムハンバーガー」の魅力や、活動内容など、気になることを片っ端から聞いてみた。 インタビューに応じてくださったのは、けんちんさん、UCさんのお2人。 ――ドム連は、どんなメンバーで構成されているのですか? けんちんさん 私と、UCさん、逢根あまみさん、おだ犬さんの4人です。それぞれほかに専門分野を持っていて、私は団地、その中でも特に市街地住宅が好きで、全国の給水塔を巡っているUCさんと「チーム4.5畳」という団地愛好家サークルで活動しています。逢根あまみさん、おだ犬さんは、ご夫婦で昭和遺産的なラブホテルの取材をされています。
――いきなり情報量がすごいです! それぞれに特殊なジャンルを研究されている4人が、どうしてドム連を結成することになったのですか? UCさん 給水塔の写真を撮るために日本のいろいろな地域へ出かけていたんですが、2012年頃、撮影の合間に、近くにあったドムドムに立ち寄ったのがきっかけになって、徐々にその面白さに気づいていったんです。そうしているうちに、店舗数がだんだんと減ってきていることがわかって。それでもその頃は、まだ93店舗あったんですが……。「ドムドムを残していかなければ!」と思って、全国のドムドムをリストアップしてマッピングした『ドムドムハンバーガーマップ(https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1lahnYG4G6J-NFKmpcD3ZXJsGGrE&hl=en_US)』を自分のブログにアップしまして、それが4年ほど前だったんですが、そのマップがなぜか昨年になって突然爆発的に拡散されたんですよ」
――私もそのマップをTwitterで偶然見て、「ドムドムって、今これだけなんだな、行っておかなきゃ」と思ったのを覚えています。 UCさん ドムドムはお店によって個性があって、細かいところが違っていたりして、よく見ていくと面白いんですよ。それでけんちんさんにドムドムの面白さを力説したんですけど、最初は全然乗り気じゃなくて(笑)。 けんちんさん 初めは面白さがわからなくて、お店に行っても無表情でハンバーガーを食べているだけでした。ただ、そんな時に、ちょうど知り合ったばっかりの逢根さんが昔ドムドムでアルバイトしていたことがわかって、2人をつなげるためにドムドムについて下調べをしていたら、私も一気にハマってしまったんです。それが今年の1月ぐらいで、そこからどんどん盛り上がり、逢根さんの旦那さんのおだ犬さんと一緒に、4人でドム連を結成することになったんです。 ――ドム連は、どんな活動をしているのですか? けんちんさん みんなで集まってドムドムに行くことはあまりなくて、個人個人が各地のドムドムに行って、報告し合うのがメインですね。ドム連のサイトがあるので、そっちに情報を集約したりとか。あとはTwitterに『#ドムさんぽ』というハッシュタグを作っているんですが、それをドム連以外にもみなさんが「どこどこのドムドムに行ったよ」などとツイートするのに使ってもらったり。ドムドムって、一つひとつの店の違いがわかってくると、本当に面白いんです。今はメンバーの中で私が一番、ドムドム研究に力を入れていますね。年内に全店制覇したいと思っています! ――成功を祈っています! ちなみに、ドムドムの各店ごとに、具体的にはどのような違いがあるものなのですか? けんちんさん もうね、メニューが違うんですよ。その店でしか出してないメニューがあったりするんですよ。和歌山の海南FC店と大阪の津之江FC店では「バターコーン」という、ほかの店舗では出していないメニューがありますし。
「ドムドムクレープ」を提供している店としていない店があったり。あと和歌山のグルメシティ田辺FC店では、「セットガチャガチャ」「サイドメニューガチャガチャ」というのがお店に設置されていて、運でメニューが決まる仕組みになっていたりするんです。すごくないですか!?
UCさん 特にフランチャイズ店ではゆるい部分というか、お店側の判断に任されている部分があって、そこが面白いんです。 けんちんさん あと、神奈川の横須賀市には2店舗ドムドムがあるんですけど、これがなんと2店とも同じショッピングモールの同じ階に入っているんですよ。同じフロアに、2つドムドムがあるんです。直営売り場とショッピングセンターのそれぞれのフードコートにあるのが理由ですが、そういうゆるさも面白い。 ……と、こうして話を聞いた私だったが、ドムドムの魅力とドム連の活動について知っているのは、まだほんのさわりの部分だけだ。そこで、けんちんさんにご案内いただき、ドム連の全メンバーが“名店”との賛辞を惜しまない「水無瀬FC店」に実際に行ってみることにした。 (後編に続く/取材・文=スズキナオ) ※記事の中で紹介しているメニューに関しては時期により内容が変わる場合がありますのでご了承ください。 ●ドムドム連合協会公式サイト <http://domrenjp.wix.com/domren>






































