「次の選考委員は町田康? 角田光代?」石原慎太郎辞任で芥川賞はどう変わるか?

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まさかの降板劇となった石原氏。
 第146回芥川賞が先日発表されたのはご存じの通り。発表前には候補者に「話題性の高い作家がいない」ことなどから、地味な受賞になるのではとの声もあった。が、一転、歴史的大騒ぎの芥川賞となったのだ。もちろんその立役者は田中慎弥。地味な風貌の田中だが、受賞決定後の不機嫌会見&石原慎太郎"東京都知事閣下"への宣戦布告ともいうべき発言で、ワイドショーなどでも大きく取り上げられる事態となった。  さらにこれを受けて、当の石原都知事は「芥川賞選考委員を辞める」との辞意を表明したのだ。 「ただ石原さんはこれまで何度も辞める、辞めると狼少年のように繰り返していたから、当初は今回もブラフだと思われていました」(文芸評論家)  しかし騒動は拡大。本当に辞任を正式に表明した。 「彼のプライドもありますが、騒動が大きくなったため、結局は引くに引けなくなり、辞任に追い込まれたのでしょう」(前同)  その後も文藝春秋には芥川賞受賞作家2人宛てにプラスチックケースに入った「黒い粉」が送りつけられ、またまた騒動に。さらに封筒には「赤報隊」と記されていたことからも騒動は拡大したが、今のところ悪質ないたずらとの見方が強い。  そこで問題になっているのが、「今後の芥川賞選考委員」だ。2011年には池澤夏樹が主催者側の慰留にもかかわらず委員を辞任、さらに同年末には黒井千次も今回の選考会をもって辞任することを表明していた。さらにイレギュラー的に石原慎太郎が辞任したことで、芥川賞選考委員は、短期間に小川洋子、川上弘美、高樹のぶ子、山田詠美、島田雅彦、宮本輝、村上龍の7人と少人数になってしまったのだ。 「通常、芥川賞選考委員は10人前後の要員でしたので、今後早急に補充が必要だと主催者サイドは考えているようです」(前同)  そのため石原辞任表明直後から、次期選考員候補の名前が文芸関係者の間で取り沙汰されているのだ。 「有力なのが町田康、多和田葉子という2人の芥川賞作家と、そして角田光代といわれています。角田は直木賞作家ですが、それ以前には何度か芥川賞にノミネートされたこともある。直木賞作家の山田詠美が芥川賞選考委員になった前例もありますから、可能性はあるでしょう。そして、もしこれが実現すれば男4人vs 女6人と女性が多くなる。これは芥川賞史上初めてのことになるのです」(文芸編集者)  そうなると、文壇においても女性の発言力はさらに大きくなり、中でも芥川賞の山田詠美と直木賞の林真理子という"2大女帝時代"の到来か!! との声も出てきそう。ともあれ今後の選考委員人事という事態にまで発展させた新キャラが登場した今回の芥川賞。田中氏の受賞作『共喰い』(集英社)の売れ行きも早くも10万部突破と順調だとか。同じく、破天荒な芥川賞受賞作家としてそのキャラが注目され、結局は大手芸能プロダクション・ワタナベエンターテインメントに所属し、テレビでも活躍中の西村賢太と同様、人前で話すのが嫌いな田中氏にも、芸能事務所からのオファーが舞い込んでいるとの情報もあるらしい(笑)。 (文=神林広恵)
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スウェーデン版とは一味違う? フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』

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 2005年にスウェーデンで刊行され、世界的大ベストセラーとなったミステリー3部作の小説『ドラゴン・タトゥーの女』が、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイブ主演で再映画化。1月31日、監督のフィンチャーとヒロインを演じたルーニー・マーラが都内で来日記者会見を開いた。  40年前に起こった少女失踪事件を追うジャーナリストのミカエル(クレイグ)は、背中にドラゴンのタトゥーを持つ天才ハッカー、リスベット(マーラ)と協力し、ある資産家一族の歪んだ姿と対峙する。本年度のアカデミー賞では、マーラが主演女優賞候補に挙がるなど、5部門にノミネートされた大注目作だ。  本作は2009年にスウェーデンで映画化されているが、フィンチャー監督は「前作は1回しか見ていません。だからどこが違うのかはお答えできませんが、ひとつ言えるのは脚本が違います。僕が原作を読んだときに感じたものをストレートに出したつもりです」と、原作の解釈を重視したことを明かした。  映画の撮影に先立ち、フィンチャー監督はスウェーデンで入念にロケハン。その際、たまたま車の中で聞いた音楽を作中でそのまま挿入歌として使用するなど、今作もフィンチャーの世界観が十分堪能できる作品になっているようだ。  また、これまで清純派のイメージが強かったマーラが、ボディピアスや眉毛の脱色などをして"悪女"役に挑んだことも話題になっている。初来日ということで、終始緊張気味のマーラだったが、「監督や衣装デザイナーと話し合い、原作に忠実になるよう心がけたつもりです」と堂々と語った。その一方で「今後、ファッションアイコンとしても注目されますね」との問いに対しては、「あまりそう考えないようにしています」と照れ笑いするなど、シャイな一面ものぞかせた。  デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』は2月10日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで全国ロードショー。 (写真・取材=穂積昭雪/山口敏太郎事務所)
ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上 期待大。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』超異質ゾンビ映画『ライフ・イズ・デッド』主演のヒガリノちゃんに急接近!「空前の人気のはずが......」チャン・グンソク主演映画『きみはペット』初週6位の現実

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 2005年にスウェーデンで刊行され、世界的大ベストセラーとなったミステリー3部作の小説『ドラゴン・タトゥーの女』が、デヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイブ主演で再映画化。1月31日、監督のフィンチャーとヒロインを演じたルーニー・マーラが都内で来日記者会見を開いた。  40年前に起こった少女失踪事件を追うジャーナリストのミカエル(クレイグ)は、背中にドラゴンのタトゥーを持つ天才ハッカー、リスベット(マーラ)と協力し、ある資産家一族の歪んだ姿と対峙する。本年度のアカデミー賞では、マーラが主演女優賞候補に挙がるなど、5部門にノミネートされた大注目作だ。  本作は2009年にスウェーデンで映画化されているが、フィンチャー監督は「前作は1回しか見ていません。だからどこが違うのかはお答えできませんが、ひとつ言えるのは脚本が違います。僕が原作を読んだときに感じたものをストレートに出したつもりです」と、原作の解釈を重視したことを明かした。  映画の撮影に先立ち、フィンチャー監督はスウェーデンで入念にロケハン。その際、たまたま車の中で聞いた音楽を作中でそのまま挿入歌として使用するなど、今作もフィンチャーの世界観が十分堪能できる作品になっているようだ。  また、これまで清純派のイメージが強かったマーラが、ボディピアスや眉毛の脱色などをして"悪女"役に挑んだことも話題になっている。初来日ということで、終始緊張気味のマーラだったが、「監督や衣装デザイナーと話し合い、原作に忠実になるよう心がけたつもりです」と堂々と語った。その一方で「今後、ファッションアイコンとしても注目されますね」との問いに対しては、「あまりそう考えないようにしています」と照れ笑いするなど、シャイな一面ものぞかせた。  デヴィッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』は2月10日(金)より、TOHOシネマズ日劇ほかで全国ロードショー。 (写真・取材=穂積昭雪/山口敏太郎事務所)
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歴史・人物・雰囲気……同人誌即売会の原点が一挙に集結!『MGM』が5年ぶりに開催

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歴史を刻んできた会場での開催。
今回初めて同人誌を製作し、初サークル参加がMGMという人もいた
 1月22日、創作系同人誌即売会MGM(まんが ギャラリー&マーケット)が、5年ぶりに開催された。MGMは、コミックマーケットの創設母体ともなった同人サークル「迷宮」が主催するコミックマーケットに次ぐ歴史を持つ即売会だ。いったい、どんな顔ぶれが集まるのか、ワクワクしながら会場へと向かった。  98回目の開催となった今回のMGMは、創作漫画オンリーの即売会だ。1980年以来、年2回ペースでの開催は続いていたが、2007年に長らく会場としていた川崎市中小企業婦人会館が閉館されたことで開催が中断。11年には、主催者代表の亜庭じゅん氏が死去し、このまま消滅してしまうのではないかと、危惧されていた。  しかし、昨年8月のコミックマーケットにて、MGM98の開催告知のチラシが配布されたことで心配は期待へと変わった。そして、開催当日を迎えたのである。
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ずらっと並んだ見本誌。
これなら、全部見て回ることもできるから安心だ。
 MGMにおいて注目すべきは、初期の同人誌即売会の雰囲気があちこちに残っていることだろう。参加申込みの必要事項を見ると、特に申込書などは付属しておらず「B5サイズの紙に以下の項目をご記入の上」とあったり、「参加確認書の発送は,開催の10日位前」と、よい意味で妙な緩さが感じられる。  さて、今回の会場は板橋区にある板橋産業連合会館。コミックマーケットの2回目から4回目までが行われた、歴史のある施設である。最寄り駅である地下鉄三田線の板橋区役所前を降りて地上に出ると、早くも「あ、お仲間だな」というにおいをさせている人々の姿が、ちらほらと。ただ、年齢層は高めである。
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伝説の「漫画新批評体系」各号。非売品なのも当たり前だ。残念。
 会場に到着したのは9時50分。サークル参加者は10時集合だったので、早めに到着してよかったなと思っていたら、既に、みんなで机を並べ始めている最中であった......。とりあえず、早めに到着した人は、荷物をそこいらに置いて、みんなで机を並べることに。やっぱり、このイベントには「お客様」は存在しないのだ。なお、準備の時点で筆者が「若手」に属しそうな年齢構成。周囲は、長い歴史を知る人々でいっぱいだ! ■「オタク」以前からの歴史の証人がゴロゴロ  今回の参加サークル数は、約70サークル。中央に見本誌を読めるコーナーを配置しても、ちょっと広々とした雰囲気。ちなみに、第2回のコミックマーケットでは参加サークル数39で、入場者が550人。サークル数が半分とはいえ、この部屋に550人も入ることができたのだろうかと、原田央男氏(コミックマーケット初代代表)に聞いてみると、「人で溢れかえって大変だった」とのこと。第4回目には参加サークル数が80、入場者が700人と収容できなくなり翌年から大田区産業会館へと移転することになった。  とにかく、75年の第1回コミックマーケット以来、いわゆる「オタク」がいかにして巨大な文化として成長していったか、その原点を教えてくれる雰囲気や人物に溢れるイベントであることは間違いない。そんな中で袈裟を着たお坊さんが同人誌を売っていたので「コスプレでもなさそうだし、本職かな? 変わった人だな」と思っていたら、知人が「あの人ご存じですか? 蛭児神建さんですよ」と言われてびっくり。先日、筆者が連載記事で紹介した『ヘイ!バディー』最終号(※記事参照)のロリコン座談会以来だという漫画評論家の永山薫氏は「27年ぶりですね......」と、しみじみと語るのであった(失礼だけど、同誌での写真と比べると2人とも完全に別人である)。  そして、今回の開催にあたって注目を集めていたのは、故・亜庭じゅん氏の執筆した文章を網羅した「迷宮」の30年ぶりの新刊『亜庭じゅん大全 漫画新批評体系vol.16』が発売されたことだ。昨年、冬のコミックマーケットで初売りされたが「重すぎて」少部数しか搬入できなかったので、今回が初売りの本番。亜庭じゅん氏の評論活動を網羅したというだけあって、ハードカバー832ページ。カバーイラストは樹村みのり氏、中表紙には、いしいひさいち氏がイラストを添える同人誌の枠を超えた豪華本である。にもかかわらず、頒価は2,000円だから、かなりの赤字販売だという。ゆえに発行部数は250部程度とかなり少なめ。今後、漫画の歴史を研究する上で欠かせない史料になることは間違いないが、同時にかなり入手困難な史料にもなることだろう。そのためか、購入時に任意ではあるものの、購入者の名前を控えていた。
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このボリュームで頒価2,000円。
1冊あたり製作単価は5,000円を超えているとか。
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別室には故・亜庭じゅん氏を追悼する間が儲けられて故人を偲んだ。
 午後になると、多くの参加者が詰めかけたので「30分ほど延長します」と、ほかの即売会ではありえない展開も見られたMGM。終了後はみんなで机を片付けて反省会と、きわめてアットホームな雰囲気の中で一日を終えた。「あれを買わなきゃ、これも買わなきゃ」と焦る必要もなく、趣味を同じくする人と交流したり、新たな趣味との出会いも見られるこのイベント。小さいながらも、同人誌即売会の本質を凝縮したイベントであることは、間違いない。 (取材・文=昼間たかし) <次回開催案内> ・開催日時:2012年6月10(日) 11時~15時30分 ・場所:板橋区立グリーンホール1階ホール 詳細はMGM99の公式サイトで <http://mgm99.anijun.info/news/y5tbwh>
同人誌・サイト・イベント開催同人活動ノウハウの全て ふむふむ。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・巨大資本・文教堂の参入で激化する同人誌書店のシェア争いの行方"恋人たちの祭典?"「ラブプラス」同人誌即売会潜入レポ「コミケ発禁即売会」を掲げたイベントの実態は自主制作エロ画像販売会だった!!

歴史・人物・雰囲気……同人誌即売会の原点が一挙に集結!『MGM』が5年ぶりに開催

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歴史を刻んできた会場での開催。
今回初めて同人誌を製作し、初サークル参加がMGMという人もいた
 1月22日、創作系同人誌即売会MGM(まんが ギャラリー&マーケット)が、5年ぶりに開催された。MGMは、コミックマーケットの創設母体ともなった同人サークル「迷宮」が主催するコミックマーケットに次ぐ歴史を持つ即売会だ。いったい、どんな顔ぶれが集まるのか、ワクワクしながら会場へと向かった。  98回目の開催となった今回のMGMは、創作漫画オンリーの即売会だ。1980年以来、年2回ペースでの開催は続いていたが、2007年に長らく会場としていた川崎市中小企業婦人会館が閉館されたことで開催が中断。11年には、主催者代表の亜庭じゅん氏が死去し、このまま消滅してしまうのではないかと、危惧されていた。  しかし、昨年8月のコミックマーケットにて、MGM98の開催告知のチラシが配布されたことで心配は期待へと変わった。そして、開催当日を迎えたのである。
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ずらっと並んだ見本誌。
これなら、全部見て回ることもできるから安心だ。
 MGMにおいて注目すべきは、初期の同人誌即売会の雰囲気があちこちに残っていることだろう。参加申込みの必要事項を見ると、特に申込書などは付属しておらず「B5サイズの紙に以下の項目をご記入の上」とあったり、「参加確認書の発送は,開催の10日位前」と、よい意味で妙な緩さが感じられる。  さて、今回の会場は板橋区にある板橋産業連合会館。コミックマーケットの2回目から4回目までが行われた、歴史のある施設である。最寄り駅である地下鉄三田線の板橋区役所前を降りて地上に出ると、早くも「あ、お仲間だな」というにおいをさせている人々の姿が、ちらほらと。ただ、年齢層は高めである。
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伝説の「漫画新批評体系」各号。非売品なのも当たり前だ。残念。
 会場に到着したのは9時50分。サークル参加者は10時集合だったので、早めに到着してよかったなと思っていたら、既に、みんなで机を並べ始めている最中であった......。とりあえず、早めに到着した人は、荷物をそこいらに置いて、みんなで机を並べることに。やっぱり、このイベントには「お客様」は存在しないのだ。なお、準備の時点で筆者が「若手」に属しそうな年齢構成。周囲は、長い歴史を知る人々でいっぱいだ! ■「オタク」以前からの歴史の証人がゴロゴロ  今回の参加サークル数は、約70サークル。中央に見本誌を読めるコーナーを配置しても、ちょっと広々とした雰囲気。ちなみに、第2回のコミックマーケットでは参加サークル数39で、入場者が550人。サークル数が半分とはいえ、この部屋に550人も入ることができたのだろうかと、原田央男氏(コミックマーケット初代代表)に聞いてみると、「人で溢れかえって大変だった」とのこと。第4回目には参加サークル数が80、入場者が700人と収容できなくなり翌年から大田区産業会館へと移転することになった。  とにかく、75年の第1回コミックマーケット以来、いわゆる「オタク」がいかにして巨大な文化として成長していったか、その原点を教えてくれる雰囲気や人物に溢れるイベントであることは間違いない。そんな中で袈裟を着たお坊さんが同人誌を売っていたので「コスプレでもなさそうだし、本職かな? 変わった人だな」と思っていたら、知人が「あの人ご存じですか? 蛭児神建さんですよ」と言われてびっくり。先日、筆者が連載記事で紹介した『ヘイ!バディー』最終号(※記事参照)のロリコン座談会以来だという漫画評論家の永山薫氏は「27年ぶりですね......」と、しみじみと語るのであった(失礼だけど、同誌での写真と比べると2人とも完全に別人である)。  そして、今回の開催にあたって注目を集めていたのは、故・亜庭じゅん氏の執筆した文章を網羅した「迷宮」の30年ぶりの新刊『亜庭じゅん大全 漫画新批評体系vol.16』が発売されたことだ。昨年、冬のコミックマーケットで初売りされたが「重すぎて」少部数しか搬入できなかったので、今回が初売りの本番。亜庭じゅん氏の評論活動を網羅したというだけあって、ハードカバー832ページ。カバーイラストは樹村みのり氏、中表紙には、いしいひさいち氏がイラストを添える同人誌の枠を超えた豪華本である。にもかかわらず、頒価は2,000円だから、かなりの赤字販売だという。ゆえに発行部数は250部程度とかなり少なめ。今後、漫画の歴史を研究する上で欠かせない史料になることは間違いないが、同時にかなり入手困難な史料にもなることだろう。そのためか、購入時に任意ではあるものの、購入者の名前を控えていた。
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このボリュームで頒価2,000円。
1冊あたり製作単価は5,000円を超えているとか。
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別室には故・亜庭じゅん氏を追悼する間が儲けられて故人を偲んだ。
 午後になると、多くの参加者が詰めかけたので「30分ほど延長します」と、ほかの即売会ではありえない展開も見られたMGM。終了後はみんなで机を片付けて反省会と、きわめてアットホームな雰囲気の中で一日を終えた。「あれを買わなきゃ、これも買わなきゃ」と焦る必要もなく、趣味を同じくする人と交流したり、新たな趣味との出会いも見られるこのイベント。小さいながらも、同人誌即売会の本質を凝縮したイベントであることは、間違いない。 (取材・文=昼間たかし) <次回開催案内> ・開催日時:2012年6月10(日) 11時~15時30分 ・場所:板橋区立グリーンホール1階ホール 詳細はMGM99の公式サイトで <http://mgm99.anijun.info/news/y5tbwh>
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どう見てもギャグ!? 豪華スタッフなのにC級テイスト漂う『戦姫絶唱シンフォギア』

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『戦姫絶唱シンフォギア』公式サイトより
 ミュージカル嫌いで有名な芸能人といえばタモリ。彼いわく「なんでわざわざセリフを歌にするのかわからない。不自然じゃないか」と。この気持ち、わからないでもない。和歌の伝統がある我が国だけれども、近代的なドラマを歌とセットで見せられる文化はもともと存在していないのだもの。  はてさて、そんなミュージカル文化の根付いていないこの国で、歌とドラマの融合という無謀な挑戦に果敢に挑んでいるアニメがある。1月から放送中の『戦姫絶唱シンフォギア』(TOKYO MXほか)だ。  企画の中心になっているのは、声優にして紅白出場も果たした人気歌手でもある水樹奈々のプロデュースで知られる音楽制作集団「Elements Garden」と、ヒットゲーム『ワイルドアームズ』シリーズなどで知られるゲームクリエイター・金子彰史。異業種クリエイターの豪華コラボレーションだけでも不穏な気配に胸がざわめくが、さらに製作委員会には、『新世紀エヴァンゲリオン』のキングレコード、『魔法少女まどか☆マギカ』のアニプレックス、ニコニコ動画の運営元であるドワンゴ、そしてカードゲーム「ヴァイスシュヴァルツ」で我が世の春を謳歌するブシロードといった国内コンテンツ関連企業の有力株がこぞって参加しているのである。"覇権"の品格漂いまくりである。  実際のところ作品の内容も、『マクロスF』や『けいおん!』などのヒットを受けて、「歌とアニメの合わせ技こそがアニメーション企画の勝利の方程式だ!」と考えた人たちが生み出した、まるで戦艦大和のような大艦巨砲主義精神に満ち満ちている。  水樹はもちろん、『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目まどか役などで知られ、ソロアーティストデビューも決定している悠木碧、ユニット「TWO-MIX」としての活動で「声優にしてヒット歌手」の先駆者として知られる高山みなみ、ユニット「RO-KYU-BU」としてのアーティスト活動も記憶に新しい井口裕香ら、演技も歌もともに高い実力を備えたキャストを配した豪華な声優陣。彼女たちが演じる美少女たちが、サイバー感覚溢れるスーツを身に纏い、人々を苦しめる「ノイズ」と呼称されるモンスターたちと戦う。こう書けばなんだか楽しいオトナ向けプリキュアという雰囲気だが、問題なことに、彼女たちは戦闘シーンで歌いっぱなしなのである。おかげで、吉本新喜劇もかくやの衝撃コント時空が画面に発生してしまう。  もちろん作中では、彼女たちの歌の力がモンスターを倒すためにはどうしても必要なのだ......と理由付けがされてはいる。しかし、迫り来る攻撃を必死で潜りぬけ、鋭いパンチやキックを放ちながら、BPM高めのテンションアゲアゲなユーロビート調楽曲を歌い狂う姿は、どう見てもギャグ。笑ってはいけないアニメ選手権である。  考えてみれば『マクロスF』は歌う人と戦う人が別だったし、『けいおん!』だってライブはライブで、日常生活の中でいきなり歌い始めたりしない。発想の逆転、意外な新機軸を打ち出したつもりが、シリアスな笑い(by『バクマン。』)に繋がり、破天荒な面白さが生まれてしまったというオチか。  またさらに、必殺技を撃つたびに画面に現れる謎の書き文字が、珍奇な魅力をブーストしてくれる。まるでインチキ外人の描いた勘違い和風アートのような決めカットが、見る側の笑いのツボをグリグリと容赦なく刺激してくるのだ。  あまりにカオティックな魅力に、巷には作品名をもじった「シンフォギアン」を名乗るファンが急増中だそう。たまには、合成着色料バリバリの怪しいお菓子を食べるような感覚で、ジャンキーにアニメを見てみるのもよいのでは!? ラララ~♪ (文=御船藤四郎)
戦姫絶唱シンフォギア 1(初回限定版) ある意味、伝説。 amazon_associate_logo.jpg
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「団地のすごさはザクのすごさだ!」団地を愛する愉快な3人組『団地団』がゆく!

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 またぞろキネマ旬報社がおかしな本を書店に並べた。タイトルは『団地団』。何やら"団地団"なる3人が、団地について鼎談している本らしい。登場するのは、団地写真を15年撮り続けている団地マニアの大山顕と、そんな大山に共鳴した脚本家・佐藤大、編集ライター・速水健朗という、若々しくもアラフォーな面々。いったい何が始まるのです......?  ところがこの鼎談、ひとたびページを繰ればめっぽう面白い。団地を起点に語られるのは映画論、インフラ論、大衆文化論から郊外論まで、その広がりは無限大。今回はそんな3人のクロストークを緊急掲載。3人が団地のベランダから望んだその景色を、ほんの少しだけ垣間見る。 佐藤大(以下、佐藤) この本、よく完成しましたね。まずはそこですよね。 速水健朗(以下、速水) これは僕らのおかげではないですから。スタッフのみなさんの頑張りで(笑)。 大山顕(以下、大山) 編集さんがよく会議を通したなと。 佐藤 まず、団地団結成の経緯を説明しますと、新宿のロフトプラスワンで、そもそも僕と大山さんは別々にイベントをやっていたんです。その会場が15周年を迎えた際に、記念で何かやってくださいというオファーがありまして。なぜか知らないけど「団地をテーマに話しませんか?」って狙い撃ちされていたんですよ(笑)。そのイベントのために初めて大山さんに会って話始めたら、その場ですごく盛り上がっちゃって。 大山 ロフトプラスワンのオーガナイザーの天野宇空さんが制止しましたからね。「その話はステージでお願いします!」って。 佐藤 その時に僕らは気づいてしまったんです。誰か仕切る人がいないと収拾がつかない......。 大山 そこでふたりの口を同時について出たのが、速水さん。 速水 それまでの僕の人生に、団地はあまり関係なかったんですけどね(笑)。 ■団地=大量生産システムの快楽 大山 団地の面白さの本質は「大量生産」で、同じものがいっぱいあるからいいよねっていうことです。例えば、ダムみたいに「一点もの」がすごいっていう人は多いけれど、それは誤った職人的価値観。大量生産こそが偉いんです! 佐藤 ザクのすごさですよ。 大山 ついでにいえば、ダムは「一点もの」と言うけれど、そんなに単純な話じゃないんです。ダムは水道供給を支えるべくシステマティックに作られたインフラであり、発想としては「大量生産」を目指しているわけですから。ダムを「一点もの」だからすごいというのは、論点として稚拙であると僕は言いたい! 佐藤 ダム派への逆襲が始まった(笑)。ところでこの本は、基本的にはトークイベントの内容を書き起こしたものと共に、東京近郊の名団地へのロケで構成されています。イベントではスクリーンに作品を流しながら語りましたが、本書では各シーンを絵コンテのように描いているので、イベントに来ていない方にも雰囲気は伝わると思います。 大山 登場する映画は『団地妻 昼下りの情事』『しとやかな獣』、先日亡くなった森田芳光監督の『家族ゲーム』『踊る大捜査線 THE MOVIE』『ピカ★ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』『お早よう』『吠える犬は噛まない』など。 佐藤 アニメでは『デジモンアドベンチャー』『耳をすませば』『新世紀エヴァンゲリオン』『放浪息子』なんてのも。 速水 宮崎駿から小津安二郎まで、いろいろ論じていますよね。建築の領域にも踏み込んでいるので、ル・コルビュジェや菊竹清訓も出てくる。マンガでは、大友克洋の『童夢』とか、団地出身漫画家の安野モヨコ、あと『リバーズ・エッジ』の岡崎京子についても語っているし。 佐藤 『ヘルタースケルター』ですよ、いま旬の(笑)。 速水 作業面で難しかった点は2つありまして、1つは僕ら3人ともスケジュールを押さえるのが大変だったということ。佐藤さんは映画祭やなんやで海外行っちゃうし。 佐藤 海外でゲラを見たり、注釈を書いたりしました。 速水 もう1つは、こんなにおしゃべりな人たちの長時間の会話をテープに起こす苦労ですよ、間違いなく通常の座談会の3倍の労力がかかりますよ。 大山 編集さんは大変だったと思います。そして、それを誰がまとめるんだ? となった時、僕らの目が泳いだ(笑)。行き着いた先は当然のごとく速水さんでしたね。 速水 でも、職業が編集者である僕を誘っていただいた時点で、どう考えてもフラグが立っているわけですから(笑)。 佐藤 あと固有名詞が多すぎでしょ。3人とも分かっているから、説明しないで言っちゃうんですが。 大山 そんな調子だから、ページの3分の1が僕ら書き下ろしの注釈っていう。 佐藤 みんなしゃべりすぎ。 速水 あふれんばかりに注釈を盛り込んだのは、しゃべりすぎ感を演出するという意図でもあるんですけどね。 大山 例えば、ある注釈で『カルトQ』について速水さんが説明してますけど......。 佐藤 本編ではクイズの話をしているだけですから、『カルトQ』自体はぜんぜん関係ないんですよ。 大山 「中村江里子は現在パリ在住」って、この解説いらないでしょ(笑)。 ■まさかの矢川北アパートが! 佐藤 各章の扉イラストは漫画家の今井哲也さんにお願いしました。阿佐ヶ谷住宅を物語の舞台にした『ぼくらのよあけ』という作品を「アフタヌーン」(講談社)で連載している方ですが、最初にこの作品を知ったのは大山さんですよね。 大山 誰かにTwitterで教えてもらって読んだら、すごくよくて。団地を単にノスタルジーの装置として利用するのではなく、きちんと主人公である子どもの目線で、団地がいかにパラダイスであるかを描いていて、これは今までのものと違うぞと。それでおふたりに薦めました。 佐藤 僕も感動したのでTwitterでつぶやいたら、ご本人がアカウントを持ってらして、「ありがとうございます」ってリプが飛んできたんです。それで巻き込んで、団地団にぜひイラストをって頼んだら、実に「分かってらっしゃる」イラストを描いてくれて。 大山 とりわけ僕が団地マニア的にグッときたのは、第3章の扉です。矢川北アパートを持ってくるかと。すげ~、負けていられないって。 佐藤 ははは! ここでも軽く勝負が行われていたとは。僕らはどの団地を描いてくれとは指定していませんから。 大山 第1章の高島平団地くらいだったら、「まあまあ、よく頑張ってるんじゃないの」くらいなんだけど、第3章で「ん~参りました! ごめんなさい」みたいな(笑)。 佐藤 あと注目は大岡寛典さんのブックデザインです。僕は普通に大岡さんがデザインした本のファンだったんですが、実は大山さんの著書『団地の見究』(東京書籍)も手掛けていたという。 速水 この本のデザインってすごく重要で、正直読む側も「団地団」っていわれても全然なんの本だか分からないですよ(笑)。なので、デザインでつなぎ止めてる部分はかなり大きいはずです。 佐藤 今井さんのイラストを帯でこういうふうに使うのも、大岡さんのアイデアでしたね。カバーをめくった表紙部分もすばらしい。『童夢』や『AKIRA』を語っている本である以上、こういうところにも凝っていないと寂しいですからね。 大山 表紙の写真は僕が撮ったんですけど、団地はもちろん、首都高、工場、マンション、あとできれば東京タワーもひとつの構図に収めたくて。でもそれは残念ながら僕の脳内データベースになかった。でも東京タワーじゃなくてスカイツリーだったら......あそこだ! というわけで、辰巳の都営住宅を選びました。 佐藤 すべての要素がいい具合に据わりましたよね。皆の暴走から始まったとは思えない仕上がりです。恥ずかしながら自分の小学生時代の写真まで出ている哀しさもあるわけですが......。 ■団地団は最先端をいっている 速水 昔の映画評論って、古い映画を見ていることに価値があったんです。かつて映画は上映時期を逃すと、簡単には見られなかった。なので、細部の記憶は間違っても許された。でも、今はDVDでいつでも誰でも見られる。当然批評も変わります。そういう意味でいうと、団地団は批評の新しい地平です。なにせ、僕らは映画の全体を語らない。団地が出てくる映画をデータベース的に見て、団地についてだけ語る。小津映画を語っても、原節子についてはかけらも触れないんですから(笑)。 佐藤 しかも、ダラダラしゃべっているだけに見えて、予期せずいろいろなものが繋がっていく。きっとコンテクスト・フリークな3人だからでしょう。 大山 川島雄三→『デジモンとか』、『放浪息子』→横溝正史が繋がるとは思いませんからね。別々のフィールドでやってきた3人ですが、もし誰か1人でも知っていて、それをきっかけにでも読んでくれたら嬉しいですね。そこから確実に世界が広がることは保証します。 佐藤 『ぼくらのよあけ』の今井さんのファンの方ももちろん。 速水 書店で一緒に置いてもらいましょう! それと僕ら3人、書店さんにぜひご協力したいので、POPづくりやトークイベントなんかのお話も、ぜひ出版社さんにお寄せください。 佐藤 トークショーやりたーい! 速水 えー、まだしゃべり足りないんですか! これを起こす人も大変だなあ(笑)。 (構成=広岡歩) ●おおやま・けん 1972年生まれ。フォトグラファー、ライター。団地・工場・ジャンクションなどの撮影のほか、産業観光のコンサルテーションも行う。主な著書は『団地の見究』『工場萌え』(ともに東京書籍)『ジャンクション』(メディアファクトリー)『楽しいみんなの写真』(共著/ビー・エヌ・エヌ新社)など。<http://www.ohyamaken.com/●さとう・だい 1969年生まれ。脚本家。主にアニメ・ゲームの企画開発・脚本執筆を手がける脚本家集団「ストーリーライダーズ」代表。主な脚本作品は『カウボーイビバップ』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『交響詩編エウレカセブン』『鉄拳ブラッド・ベンジェンス』など。<http://www.storyriders.net/●はやみず・けんろう 1973年生まれ。フリーランス編集者、ライター。主な分野は、メディア論、書評、ショッピングモール、都市論、ビジネス系取材もの。主な著書は『ケータイ小説的。――"再ヤンキー化"時代の少女たち』(原書房)『自分探しが止まらない』(ソフトバンククリエイティブ)『ラーメンと愛国』(講談社)など。<http://www.hayamiz.jp/> ●団地団ブログ <http://www.kinejun.com/blog/shoseki_blog/tabid/172/Default.aspx
団地団 ~ベランダから見渡す映画論~ わかる人にはわかる。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・【ドボク対談】大山顕×西澤丞『Build the Future』はアイドル写真集だ!(前編)「工場に萌えるということ」先駆者2人が語る工場鑑賞の美学マニア必見!? レトロモダンな"団地"を完全再現『松戸市立博物館』

「団地のすごさはザクのすごさだ!」団地を愛する愉快な3人組『団地団』がゆく!

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 またぞろキネマ旬報社がおかしな本を書店に並べた。タイトルは『団地団』。何やら"団地団"なる3人が、団地について鼎談している本らしい。登場するのは、団地写真を15年撮り続けている団地マニアの大山顕と、そんな大山に共鳴した脚本家・佐藤大、編集ライター・速水健朗という、若々しくもアラフォーな面々。いったい何が始まるのです......?  ところがこの鼎談、ひとたびページを繰ればめっぽう面白い。団地を起点に語られるのは映画論、インフラ論、大衆文化論から郊外論まで、その広がりは無限大。今回はそんな3人のクロストークを緊急掲載。3人が団地のベランダから望んだその景色を、ほんの少しだけ垣間見る。 佐藤大(以下、佐藤) この本、よく完成しましたね。まずはそこですよね。 速水健朗(以下、速水) これは僕らのおかげではないですから。スタッフのみなさんの頑張りで(笑)。 大山顕(以下、大山) 編集さんがよく会議を通したなと。 佐藤 まず、団地団結成の経緯を説明しますと、新宿のロフトプラスワンで、そもそも僕と大山さんは別々にイベントをやっていたんです。その会場が15周年を迎えた際に、記念で何かやってくださいというオファーがありまして。なぜか知らないけど「団地をテーマに話しませんか?」って狙い撃ちされていたんですよ(笑)。そのイベントのために初めて大山さんに会って話始めたら、その場ですごく盛り上がっちゃって。 大山 ロフトプラスワンのオーガナイザーの天野宇空さんが制止しましたからね。「その話はステージでお願いします!」って。 佐藤 その時に僕らは気づいてしまったんです。誰か仕切る人がいないと収拾がつかない......。 大山 そこでふたりの口を同時について出たのが、速水さん。 速水 それまでの僕の人生に、団地はあまり関係なかったんですけどね(笑)。 ■団地=大量生産システムの快楽 大山 団地の面白さの本質は「大量生産」で、同じものがいっぱいあるからいいよねっていうことです。例えば、ダムみたいに「一点もの」がすごいっていう人は多いけれど、それは誤った職人的価値観。大量生産こそが偉いんです! 佐藤 ザクのすごさですよ。 大山 ついでにいえば、ダムは「一点もの」と言うけれど、そんなに単純な話じゃないんです。ダムは水道供給を支えるべくシステマティックに作られたインフラであり、発想としては「大量生産」を目指しているわけですから。ダムを「一点もの」だからすごいというのは、論点として稚拙であると僕は言いたい! 佐藤 ダム派への逆襲が始まった(笑)。ところでこの本は、基本的にはトークイベントの内容を書き起こしたものと共に、東京近郊の名団地へのロケで構成されています。イベントではスクリーンに作品を流しながら語りましたが、本書では各シーンを絵コンテのように描いているので、イベントに来ていない方にも雰囲気は伝わると思います。 大山 登場する映画は『団地妻 昼下りの情事』『しとやかな獣』、先日亡くなった森田芳光監督の『家族ゲーム』『踊る大捜査線 THE MOVIE』『ピカ★ンチ LIFE IS HARDだけどHAPPY』『お早よう』『吠える犬は噛まない』など。 佐藤 アニメでは『デジモンアドベンチャー』『耳をすませば』『新世紀エヴァンゲリオン』『放浪息子』なんてのも。 速水 宮崎駿から小津安二郎まで、いろいろ論じていますよね。建築の領域にも踏み込んでいるので、ル・コルビュジェや菊竹清訓も出てくる。マンガでは、大友克洋の『童夢』とか、団地出身漫画家の安野モヨコ、あと『リバーズ・エッジ』の岡崎京子についても語っているし。 佐藤 『ヘルタースケルター』ですよ、いま旬の(笑)。 速水 作業面で難しかった点は2つありまして、1つは僕ら3人ともスケジュールを押さえるのが大変だったということ。佐藤さんは映画祭やなんやで海外行っちゃうし。 佐藤 海外でゲラを見たり、注釈を書いたりしました。 速水 もう1つは、こんなにおしゃべりな人たちの長時間の会話をテープに起こす苦労ですよ、間違いなく通常の座談会の3倍の労力がかかりますよ。 大山 編集さんは大変だったと思います。そして、それを誰がまとめるんだ? となった時、僕らの目が泳いだ(笑)。行き着いた先は当然のごとく速水さんでしたね。 速水 でも、職業が編集者である僕を誘っていただいた時点で、どう考えてもフラグが立っているわけですから(笑)。 佐藤 あと固有名詞が多すぎでしょ。3人とも分かっているから、説明しないで言っちゃうんですが。 大山 そんな調子だから、ページの3分の1が僕ら書き下ろしの注釈っていう。 佐藤 みんなしゃべりすぎ。 速水 あふれんばかりに注釈を盛り込んだのは、しゃべりすぎ感を演出するという意図でもあるんですけどね。 大山 例えば、ある注釈で『カルトQ』について速水さんが説明してますけど......。 佐藤 本編ではクイズの話をしているだけですから、『カルトQ』自体はぜんぜん関係ないんですよ。 大山 「中村江里子は現在パリ在住」って、この解説いらないでしょ(笑)。 ■まさかの矢川北アパートが! 佐藤 各章の扉イラストは漫画家の今井哲也さんにお願いしました。阿佐ヶ谷住宅を物語の舞台にした『ぼくらのよあけ』という作品を「アフタヌーン」(講談社)で連載している方ですが、最初にこの作品を知ったのは大山さんですよね。 大山 誰かにTwitterで教えてもらって読んだら、すごくよくて。団地を単にノスタルジーの装置として利用するのではなく、きちんと主人公である子どもの目線で、団地がいかにパラダイスであるかを描いていて、これは今までのものと違うぞと。それでおふたりに薦めました。 佐藤 僕も感動したのでTwitterでつぶやいたら、ご本人がアカウントを持ってらして、「ありがとうございます」ってリプが飛んできたんです。それで巻き込んで、団地団にぜひイラストをって頼んだら、実に「分かってらっしゃる」イラストを描いてくれて。 大山 とりわけ僕が団地マニア的にグッときたのは、第3章の扉です。矢川北アパートを持ってくるかと。すげ~、負けていられないって。 佐藤 ははは! ここでも軽く勝負が行われていたとは。僕らはどの団地を描いてくれとは指定していませんから。 大山 第1章の高島平団地くらいだったら、「まあまあ、よく頑張ってるんじゃないの」くらいなんだけど、第3章で「ん~参りました! ごめんなさい」みたいな(笑)。 佐藤 あと注目は大岡寛典さんのブックデザインです。僕は普通に大岡さんがデザインした本のファンだったんですが、実は大山さんの著書『団地の見究』(東京書籍)も手掛けていたという。 速水 この本のデザインってすごく重要で、正直読む側も「団地団」っていわれても全然なんの本だか分からないですよ(笑)。なので、デザインでつなぎ止めてる部分はかなり大きいはずです。 佐藤 今井さんのイラストを帯でこういうふうに使うのも、大岡さんのアイデアでしたね。カバーをめくった表紙部分もすばらしい。『童夢』や『AKIRA』を語っている本である以上、こういうところにも凝っていないと寂しいですからね。 大山 表紙の写真は僕が撮ったんですけど、団地はもちろん、首都高、工場、マンション、あとできれば東京タワーもひとつの構図に収めたくて。でもそれは残念ながら僕の脳内データベースになかった。でも東京タワーじゃなくてスカイツリーだったら......あそこだ! というわけで、辰巳の都営住宅を選びました。 佐藤 すべての要素がいい具合に据わりましたよね。皆の暴走から始まったとは思えない仕上がりです。恥ずかしながら自分の小学生時代の写真まで出ている哀しさもあるわけですが......。 ■団地団は最先端をいっている 速水 昔の映画評論って、古い映画を見ていることに価値があったんです。かつて映画は上映時期を逃すと、簡単には見られなかった。なので、細部の記憶は間違っても許された。でも、今はDVDでいつでも誰でも見られる。当然批評も変わります。そういう意味でいうと、団地団は批評の新しい地平です。なにせ、僕らは映画の全体を語らない。団地が出てくる映画をデータベース的に見て、団地についてだけ語る。小津映画を語っても、原節子についてはかけらも触れないんですから(笑)。 佐藤 しかも、ダラダラしゃべっているだけに見えて、予期せずいろいろなものが繋がっていく。きっとコンテクスト・フリークな3人だからでしょう。 大山 川島雄三→『デジモン』とか、『放浪息子』→横溝正史が繋がるとは思いませんからね。別々のフィールドでやってきた3人ですが、もし誰か1人でも知っていて、それをきっかけにでも読んでくれたら嬉しいですね。そこから確実に世界が広がることは保証します。 佐藤 『ぼくらのよあけ』の今井さんのファンの方ももちろん。 速水 書店で一緒に置いてもらいましょう! それと僕ら3人、書店さんにぜひご協力したいので、POPづくりやトークイベントなんかのお話も、ぜひ出版社さんにお寄せください。 佐藤 トークショーやりたーい! 速水 えー、まだしゃべり足りないんですか! これを起こす人も大変だなあ(笑)。 (構成=広岡歩) ●おおやま・けん 1972年生まれ。フォトグラファー、ライター。団地・工場・ジャンクションなどの撮影のほか、産業観光のコンサルテーションも行う。主な著書は『団地の見究』『工場萌え』(ともに東京書籍)『ジャンクション』(メディアファクトリー)『楽しいみんなの写真』(共著/ビー・エヌ・エヌ新社)など。<http://www.ohyamaken.com/●さとう・だい 1969年生まれ。脚本家。主にアニメ・ゲームの企画開発・脚本執筆を手がける脚本家集団「ストーリーライダーズ」代表。主な脚本作品は『カウボーイビバップ』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』『交響詩編エウレカセブン』『鉄拳ブラッド・ベンジェンス』など。<http://www.storyriders.net/●はやみず・けんろう 1973年生まれ。フリーランス編集者、ライター。主な分野は、メディア論、書評、ショッピングモール、都市論、ビジネス系取材もの。主な著書は『ケータイ小説的。――"再ヤンキー化"時代の少女たち』(原書房)『自分探しが止まらない』(ソフトバンククリエイティブ)『ラーメンと愛国』(講談社)など。<http://www.hayamiz.jp/> ●団地団ブログ <http://www.kinejun.com/blog/shoseki_blog/tabid/172/Default.aspx
団地団 ~ベランダから見渡す映画論~ わかる人にはわかる。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・【ドボク対談】大山顕×西澤丞『Build the Future』はアイドル写真集だ!(前編)「工場に萌えるということ」先駆者2人が語る工場鑑賞の美学マニア必見!? レトロモダンな"団地"を完全再現『松戸市立博物館』

ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』

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『輪廻のラグランジェ』公式サイトより
 2012年冬クールは、話題のロボットアニメが多数スタートしており、ロボ好き男子(女子も可!)にはうれしい限りだろう。  個人的に久々の大ヒットが、日産自動車グローバルデザイン本部が登場ロボのデザインを担当した『輪廻のラグランジェ』(読売テレビほか)である。  スタイリッシュなデザインの飛行形態から、流線形の未来的なシルエットのロボットに変形する主役ロボ「ウォクス・アウラ」のカッコよさは、従来のロボットアニメにはない新鮮な衝撃を視聴者に与えてくれるだろう。  また作品全体を彩るサウンドにも注目したい。  美メロ・ハウスシーンの立役者ラスマス・フェイバーが作曲を手掛け、『マクロスF』で超時空シンデレラ・ランカを演じた中島愛が歌うOPテーマ「TRY UNITE!」をはじめ、1980年代にニューウェーブ・テクノシーンを牽引した鈴木さえ子と北野武作品をはじめとする映像作品に多くの楽曲を提供するユニット・TOMISIROがサウンドトラックを手掛けていると聞いて、「おおっ!」と反応する音楽ファンもいるのではないだろうか。  クラフトワークを思わせるフューチャー・テイスト満載のレトロ風味なテクノと、まるでコンセプトカーを思わせる洗練されたメカたちの活躍がシンクロするクールなビジュアルは、一見の価値ありだ。  そんな本作の総監督を務めるのは、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などで、ハードSF要素と魅力的な人間模様を融合させた骨太なドラマを作り上げた佐藤竜雄。今後のストーリーにも期待が集まる。  そして、相変わらずのはっちゃけぶりを見せてくれるのが『アクエリオンEVOL』(テレビ東京ほか)だ。こちらは2005年に放送され、インパクト大な主題歌が社会現象となった『創聖のアクエリオン』の続編。  1万2,000年後の地球を舞台に、新たな主役ロボ「アクエリオンEVOL」が、人類を襲う異世界からの侵略兵器「アブダクター」と激しいバトルを繰り広げるというストーリーだ。  「あなたと合体したい」という刺激的なフレーズが話題となった前作だが、厳格な学園が舞台の今作では「男女の合体禁止」というルールが設定されている。異性が気になる年頃の主人公たちは、あの手この手で異性との(アクエリオンによる)合体を目指す、というのが本作の見どころ。  ウブな主人公たちが「恋愛」と「ロボットの合体」、そして「人類の勝利」を目指すという、ドタバタでラブコメ、かつ熱血な展開は、総監督の河森正治作品の真骨頂だ。ネタ要素も満載の本作は、早くもアニメファンの間で話題を呼んでいる。  最後に『ダンボール戦機W』(テレビ東京系)を推しておこう。  2年目に突入した人気アニメである本作は、プラモデル、ゲームなどのホビー展開も好調な、昔ながらの男児向けロボットアニメである。  手のひらサイズの小型ホビーロボット・LBXを操縦する主人公・山野バンが、愛機・エルシオンとともに謎のテロ組織と戦うというストーリーの本作。新たなキャラクターの登場も相まって、前作以上に「友情」「チームワーク」といった要素が重視されており、新シリーズスタート直後より早くも重厚な物語が展開している。  本作最大の見どころは、フルCGで描かれるバトルシーンだろう。ロボットアニメのケレン味と、CGならではのグリグリ動き回るド派手なアクションが高いレベルで融合した本作のバトルシーンは、一言で言って「ガチ」である。  本作を見れば、セル至上主義なロボットアニメフリークの御仁も、CGの可能性を感じることができるだろう。  『ガンダム』『エヴァンゲリオン』に代表されるミドルティーン以上向けのハードなロボットアニメが幅を利かせ、ジャンルそのもののファンの平均年齢が上がる一方、本作のような子ども向けのホビー系作品の存在は、ロボットアニメというジャンル自体を存続させるうえで見逃すことはできないはずだ。  強くてかっこいいロボットの活躍を見ながら、童心に返っておもちゃやプラモで遊んでみたくなる。そんなロボット大国・日本が誇るロボットアニメたちに触れてみてはいかがだろうか。 (文=龍崎珠樹)
TRY UNITE!/Hello! 聞くべし!! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!ポスト『まどマギ』!? "アニメ界の小室哲哉"が放った力作『輪るピングドラム』を再考なんと! PTAも真っ青 "騎乗位"も"近親相姦"も描く地上波エロアニメ過激化の真相

ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』

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『輪廻のラグランジェ』公式サイトより
 2012年冬クールは、話題のロボットアニメが多数スタートしており、ロボ好き男子(女子も可!)にはうれしい限りだろう。  個人的に久々の大ヒットが、日産自動車グローバルデザイン本部が登場ロボのデザインを担当した『輪廻のラグランジェ』(読売テレビほか)である。  スタイリッシュなデザインの飛行形態から、流線形の未来的なシルエットのロボットに変形する主役ロボ「ウォクス・アウラ」のカッコよさは、従来のロボットアニメにはない新鮮な衝撃を視聴者に与えてくれるだろう。  また作品全体を彩るサウンドにも注目したい。  美メロ・ハウスシーンの立役者ラスマス・フェイバーが作曲を手掛け、『マクロスF』で超時空シンデレラ・ランカを演じた中島愛が歌うOPテーマ「TRY UNITE!」をはじめ、1980年代にニューウェーブ・テクノシーンを牽引した鈴木さえ子と北野武作品をはじめとする映像作品に多くの楽曲を提供するユニット・TOMISIROがサウンドトラックを手掛けていると聞いて、「おおっ!」と反応する音楽ファンもいるのではないだろうか。  クラフトワークを思わせるフューチャー・テイスト満載のレトロ風味なテクノと、まるでコンセプトカーを思わせる洗練されたメカたちの活躍がシンクロするクールなビジュアルは、一見の価値ありだ。  そんな本作の総監督を務めるのは、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などで、ハードSF要素と魅力的な人間模様を融合させた骨太なドラマを作り上げた佐藤竜雄。今後のストーリーにも期待が集まる。  そして、相変わらずのはっちゃけぶりを見せてくれるのが『アクエリオンEVOL』(テレビ東京ほか)だ。こちらは2005年に放送され、インパクト大な主題歌が社会現象となった『創聖のアクエリオン』の続編。  1万2,000年後の地球を舞台に、新たな主役ロボ「アクエリオンEVOL」が、人類を襲う異世界からの侵略兵器「アブダクター」と激しいバトルを繰り広げるというストーリーだ。  「あなたと合体したい」という刺激的なフレーズが話題となった前作だが、厳格な学園が舞台の今作では「男女の合体禁止」というルールが設定されている。異性が気になる年頃の主人公たちは、あの手この手で異性との(アクエリオンによる)合体を目指す、というのが本作の見どころ。  ウブな主人公たちが「恋愛」と「ロボットの合体」、そして「人類の勝利」を目指すという、ドタバタでラブコメ、かつ熱血な展開は、総監督の河森正治作品の真骨頂だ。ネタ要素も満載の本作は、早くもアニメファンの間で話題を呼んでいる。  最後に『ダンボール戦機W』(テレビ東京系)を推しておこう。  2年目に突入した人気アニメである本作は、プラモデル、ゲームなどのホビー展開も好調な、昔ながらの男児向けロボットアニメである。  手のひらサイズの小型ホビーロボット・LBXを操縦する主人公・山野バンが、愛機・エルシオンとともに謎のテロ組織と戦うというストーリーの本作。新たなキャラクターの登場も相まって、前作以上に「友情」「チームワーク」といった要素が重視されており、新シリーズスタート直後より早くも重厚な物語が展開している。  本作最大の見どころは、フルCGで描かれるバトルシーンだろう。ロボットアニメのケレン味と、CGならではのグリグリ動き回るド派手なアクションが高いレベルで融合した本作のバトルシーンは、一言で言って「ガチ」である。  本作を見れば、セル至上主義なロボットアニメフリークの御仁も、CGの可能性を感じることができるだろう。  『ガンダム』『エヴァンゲリオン』に代表されるミドルティーン以上向けのハードなロボットアニメが幅を利かせ、ジャンルそのもののファンの平均年齢が上がる一方、本作のような子ども向けのホビー系作品の存在は、ロボットアニメというジャンル自体を存続させるうえで見逃すことはできないはずだ。  強くてかっこいいロボットの活躍を見ながら、童心に返っておもちゃやプラモで遊んでみたくなる。そんなロボット大国・日本が誇るロボットアニメたちに触れてみてはいかがだろうか。 (文=龍崎珠樹)
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