TPPでもくろまれるアメリカ文化による世界支配の野望

 いまや国民的議論となりつつあるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)。著作権法の非親告罪化などの要求によって「同人文化の危機」だと捉える向きもある。そもそも、こんな要求を突き付けるアメリカの著作権法はどんな論理で成り立っているのか? 今月25日、「表現の自由」をテーマに講演活動などを行う「うぐいすリボン」主催で、児童ポルノ法改定問題での「ぜひ、私を逮捕しに来て」といった発言で注目される法政大学社会学部准教授の白田秀彰氏が「表現の自由と知的財産権の衝突 ~違法DL処罰化と著作権侵害非親告罪化を考える~」を行った。  「今日は、みなさん講演タイトルを見てACTA(模倣品・海賊版拡散防止条約)やTPPのことを話されると想定したかと思いますが、そうではありません」と始まった講演は、「著作権が権利ではない」と、いきなり結論を述べるところからスタートした。白田氏は、まず法学の2つの流れである英米法と大陸法の概念を語りアメリカが今や世界でも数少ない英米法に基づく著作権制度を持つ国であることを解説していった。  平易に述べるならば、大陸法は権利を「人間が生まれながらに持っているもの」と考える。対して英米法では「個人が実力で勝ち取るもの」と考える。  そもそも、大陸法は古代ローマで生まれ発展してきたもので、人間は生まれながらにしてさまざまな権利を持っているということを前提にして考える。この場合、著作権とは個人が頭脳の労働によって生産する、最も本質的な所有権の対象であると解釈される。対して、英米法はゲルマン法の流れから発展してきたもの。ここでは、個人の権利は暴力によって確保されるものであるという前提がある。いわば相互に「おまえのものはオレのもの、オレのものもオレのもの」を主張し合うわけだ。もちろん、それでは暴力の応酬が収まらないので、それを解決する手段として、話し合いで協定を結ぶ。あるいは、最大の暴力装置であるところの王様や国家に頼んでルールを決めてもらうことが、歴史的に行われてきた。著作権も歴史をたどると、イギリスにおいて出版業者のギルドが、ギルド外の業者が勝手に本を印刷されて出版されては自分たちの儲けが減ってしまうので、自分たちの利益を確保できるルールを作ってくれと王様に請願したのが始まりだ。こうした歴史的経緯の結果として、英米法を採用する国では「これは、オレの権利だ!」と主張しなければ権利はないものとみなすのが前提となる。著作権においても、権利を主張するか否かが、重要な点となるわけだ。  その結果、日本とアメリカでは著作権の概念がかなり異なる。日本では、企業が商業目的で製作したものでも、個人が趣味で作ったものでも、なんでも著作権が発生することになる。対してアメリカでは、著作権はかなり限定的な権利だ。まず、著作権侵害があり訴訟を行おうとすれば、前提として著作権を連邦著作権局に登録していなければ、認められない。つまり、日本のように同人漫画家がpixivのような画像投稿サイトにアップロードしているだけだとしたら、それを勝手に利用してもすぐに著作権侵害となるとは限らないというわけだ。また、同一性の保持に関しても「名誉声望を損なう」場合に限定しているので、ネットに上がっている写真をイラストを描くときにトレースしたとしても、日本のように「著作権を侵害している」と騒がれることもないわけだ。加えて、他人の著作物を利用するときのフェアユース規定もしっかりと定められている。ほかにも、非営利の教育機関や宗教上の慈善目的で実演や演奏も認められているので、こうした場で映画を流したり、他人の楽曲を歌っても構わない。つまり、ディズニーを筆頭にアメリカは著作権の管理に厳しいと思われがちだが、実はかなり自由利用できる範囲も広いというわけだ。「この著作物の権利はウチのものだ」「いや、私には自由に利用する権利がある」といった権利の対立を繰り返しながらルールを定めてきた結果といえるだろう。 ■結局はアメリカ一人勝ちの要求に過ぎない  さて、TPPにおいて、アメリカがダウンロード違法化の拡大、非親告罪化、法定損害賠償といった要求を突き付けているのは既に知られている通りだ。実は、アメリカのような著作権の法制度であれば、これらの要求を実施しても痛くもかゆくもない。アメリカにおいて違法なダウンロードやアップロードの取締り対象となり、高額な賠償金が課されている事例は、連邦著作権局に登録済みの商業作品くらい。非親告罪化についても、そもそも著作権が連邦著作権局に登録済みの作品に限定されるので、過剰規制にはなりにくい。アメリカは著作権によって萎縮効果や過剰保護の発生しにくい制度設計を行っているわけだ。ところが、非親告罪化などを要求する一方で「我が国の制度に変えれば問題ないですよ」とアナウンスしているとは聞かない。 「アメリカは著作権法の強化から生じる国内への萎縮効果は少ない。にもかかわらず、他国には萎縮効果を発揮しうる要求を行っている。その背景には何があるか、皆さんはおわかりのはず」  という白田氏の指摘は的確だ。この日の講演は、表題の通り著作権と表現の自由の関係性を中心に3時間にわたって行われた。内容の全貌は、主催者からの発表を待ちたい。
TPP亡国論 お先真っ暗? amazon_associate_logo.jpg
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ニコ動と地上波の間に生まれたミラクル『gdgd妖精s』とは一体何なのか!?(後編)

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(c)2代目gdgd妖精s
前編はこちらから ――後半はそのコールアンドレスポンス、ユーザーさんとの関係についてもう少し掘り下げさせていただければ。 菅原 ニコニコ動画に上がっている動画って、結構ツッコミどころが多いものが多いじゃないですか。ツッコミ不在のままボケていて、見ている方がツッコむような感じのものというか。『gdgd妖精s』はそのノリに近い番組かもしれないと思うんですね。ひょっとしたら、地上波で今流れている番組の中で、一番ニコ動に近いものなのかもしれないとすら思います。 石舘 ニコ動の動画と地上波の番組のちょうど中間のコンテンツかもしれない。 菅原 だから、ニコ動が面白いってことがテレビの中で再認識されていたりしたらうれしいんですけど。 石舘 基本的にテレビの人って、ネットの動画コンテンツを格下に見てて、あまり勉強してないところがあるからね。 菅原 でもCG技術に関してだけいうと、テレビのCGの人たちよりニコ動のほうが先に行っちゃってるんですよ。天才たちが自分のデータをタダで配布し合って、キャッチボールして、改良して、それをまたタダで配って......みたいなことをやりまくってるから。本当に技術の最先端にあることをずっとやりあっているみたいに僕には見えます。申し訳ないですけど、テレビのCG技術は2000年代で止まっちゃってるんですよね。2000年のCGと比べて、2012年のCGは進化してない! と思う。テレビで使う側の人たちがCG技術を知らないので、新しい技術が発明されていることに気がついてないんですよね。 石舘 新しい技術をどう活かしたらいいかわからないとも思うしね。 菅原 CG側の人がプレゼンしないと新しい企画はできないんでしょうね。 ――発注する側が技術を知らなければ、発注内容は変わらないですもんね。
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石舘氏(左)と菅原氏(右)。
菅原 そうなんですよ。 石舘 テレビを作っている人たちというのは、やっぱりどうしても、自分たちが一番最先端を行っていると思い込んでいるところがあるんですよね。僕が言うのもなんですけども。 菅原 だからもっとCG側の発言を出していきたいですね。ニコニコ動画内で起こっている技術革新みたいなものが、直にそのままテレビ局とつながったら、もっと番組が面白くなると思うんです。ニコ動はニコ動で、技術は半端なく高いんですけど、みんなが好きにやっているのですごくマニアックな世界っぽくなっちゃってるところはあるので。 ――その意味では『gdgd妖精s』はそのモデルケースに近い位置にあるのかもしれないですね。制作に使われているMMD(MikuMikuDance)なんて、まさにニコ動から盛り上がった技術ですし。 菅原 そうなんですよね。だからMMDで使える、番組で使ったのとほとんど同じ3Dモデルを配布したんです。みんなが作り手と同じキャラで動画を作ってアップロードできるような状態になっているというのは、なかなか珍しいんじゃないかと思って。 石舘 「アニメ界の初音ミク」的なことになってくれたらいいなと思ってますけどね。 菅原 文脈的には初音ミク的なものですからね。 石舘 『gdgd妖精s』はみんなの共有財産的なものだと思っています。 菅原 みんなで盛り上げた感があるものだから、みんなで楽しんでいけたらいいなと思っています。 ――しかし『gdgd妖精s』は、アニメファン向けであり、サブカル層向けであり、一般層向けでもあるという、不思議なバランスの作品ですよね。 石舘 そもそも、そういうバランスを狙った作品って、これまであまりなかったと思うんですよね。特にギャグ作品ではほぼなかったと思います。でも、考えてみたらできないこともないんじゃないかと思いまして。 ――でも難しいことですよね。 石舘 一番気にしたのは、どのジャンルの人たちから見ても新鮮なものを作ったときに、それぞれの嫌悪感につながる部分をどれだけ排除するかでしたね。さっきそうたくんも言ってたように、面白さを追求したあまり「かわいいキャラが愛せなくなっちゃった!」というのはよくないし、かといって萌え要素に逃げた笑いばかりで、萌えにアンテナが反応しない人には全然面白くない内容というのもよくないし。お互いによい相乗効果を生むように......というのを考えましたね。
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――今、アニメ業界で企画を立てる人が一番苦労しているところだと思うんですよ、そこは。 石舘 全然違うかもしれないですけど、いちアニメファンとして見ていて、京都アニメーションさんの『日常』がやりたかったことってこういうことなのかな? とちょっと思ったんですよね。 ――ああー!! それは鋭いと思います。 菅原 『日常』は萌え側からサブカルを向いて、『gdgd妖精s』はサブカル側から無理やり萌え側を向いた、みたいなところがあるかもしれないですね。 石舘 『日常』は、京アニさんがもっと幅広いお客さんを獲得するために、一般の方にも畑を広げなきゃいけないというところで、萌え要素を削って、お笑い要素を増やした作品だったのかな? と思うんです。でも、いちアニメファンとしての僕から見ると、それは少し物足りない残念な気持ちがしたんです。だから、萌えもお笑いも、削ったりせずに、どちらも真芯にとらえて取りに行かなきゃいけないと感じたんですね。この『gdgd妖精s』の手法は、アニメ畑にいる方々にはもしかしたら盲点だったのかも。僕はアニメ大好きですけど、アニメを作っている人間ではないですし、かつ、そうたくんというサブカルのカリスマ的な作家さんと一緒にやらせていただけた。そのミラクルで生まれたものだと思います。 ――となると、『gdgd妖精s』の後続作品が出てこられるかというと、なかなか厳しそうですね。 菅原 いやー、ないでしょう(笑)。 石舘 表面的に真似ることは可能でしょうけど、本家の方々が本気で作るようなものではないですよね(笑)。 菅原 ガラパゴス諸島みたいになっちゃいそうですよね。類似しているようで似てないものが出てきたりして。 石舘 でも見る人から見たら、この作品もヴィレッジヴァンガードとかにあるCGアニメの延長作品に見えるでしょうし。 菅原 そうそう。『gdgd妖精s』はその人の今まで生きてきた人生によって全然違う感じに見えるというのがあるんですよね。 石舘 そう、「これに似てる」というものが人によって全然違うんですよね。 菅原 『らき☆すた』という人もいれば、『ウゴウゴルーガ』に似てるという人もいる。その両方に似ているってどんなんだよ! って(笑)。 ――(笑) 石舘 ほかにも『ピーピングライフ』だっていう人もいるし、『サナギさん』だっていう人もいるし、声優さんのラジオだっていう人もいるし。 菅原 一個のところからじゃなくて、完璧に文脈の違うファン同士がいて、その人同士は相反する世界観を持っている......みたいな感じで。そこが面白いですよね。 ――ユーザーさんの話でいうと、石舘さんがブログで「今の普通のテレビ番組は最大公約数的なものを作る必要があるけど、アニメはそうじゃないからいい」というようなことを書かれていたのが印象的だったんです。京アニさんの話もそうですけど、今、アニメを作る人たちは、ソフトの売り上げが全体的に下がっていたりすることで危機感があって、逆のことを考えている人が多いと思うんですよね。もっと一般に届く企画を作らなければダメなのでは? みたいに。 石舘 そうですね。本来一番よかったところを崩そうとしていますよね。 ――そこでアニメのニッチさこそが素晴らしい、と感じてらっしゃるのが新鮮だったんです。
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菅原 ずっとそこで生きてきた人だと、感じないのかもしれないですね。僕たちは新参者というか、「いいなー!」と思って入ったばっかりだから。 石舘 だって、アニメの作り手の人たちって、ユーザーさんの財布の紐を解かせる方法を考え続けなきゃいけないからこそ、これでもか! と見たこともないような新鮮なことをやり続けられるわけですよね。これって、今のバラエティ番組とかドラマの現場では見ないことですよ。だからアニメはすごくいい畑だなと思います。うらやましい。 ――菅原さんはどうです? 普段ご自分がやってらっしゃるようなCG映像の世界と比べて、深夜アニメのユーザーさんを意識して作ることに違いはありました? 菅原 そうですね、すごく前から自分自身がユーザーとして見ていた2ちゃんねるやニコ動にいる人たちに向けて発信できてるというのは、すごく新鮮で面白かったです。あとやっぱり、チームワークというか、『gdgd妖精s』自体の作り方の方程式みたいなのがすごい新鮮で。前に作っていた『ネットミラクルショッピング』では監督をやってて、それだとみんなで意見を交換して脳みそがプラスされていくということがなかったんですよね。意見を出しあって、どんどんまわしていくと、100倍にも1,000倍にも面白さが膨らんでいくという状況というか、現場の熱みたいなものがまんま作品に投入されていくというのを肌で感じて。すごい資本主義から共産主義へみたいな感覚が......(笑)。 石舘 急に何の話?(笑) 菅原 何の話だろう(笑)。えーと、トップダウンのピラミッド型じゃなくて、みんな平等の、学園祭みたいな雰囲気が持つすごい力強さみたいなものを感じました。 石舘 スタッフみんなが横並びだったんですよね。自分の専門以外のことはよくわからないので、各分野の人に全部任せると、「丸投げで任されるなら頑張らなきゃ」みたいになってそれぞれいいものを作ってくれる......みたいな。 ――その雰囲気は石舘さんのブログにアップされた制作裏話からもうかがえました。 石舘 あれは関わった関係者たちを少しでもちやほやしてあげたいというか、「こんな人たちが関わってたんですよー。もしよかったら仕事をあげてくださいねー」という目的で書いたところもあったんですよ(笑)。 ――なるほど。『gdgd妖精s』からいろいろな流れが起こっていくのも面白そうですが、『gdgd妖精s』自体のこれから先の展開って何か考えてらっしゃるんですか? 続編とか、もしくは同じような形態で新作を作られるとか。 石舘 どうですか、福原プロデューサー? 福原 違うこともこのプロジェクトチームでやってみたいなとも思うんですけど、「DVDとBlu-rayを買ってくれたら次もある」と腹黒なピクちゃんが言っちゃって、オープンマーケティングしちゃったんですよね(笑)。その期待には応えないとなと思っています。でも続編はハードルがいろいろ高いんですよね......あまり保守的な作品作りにならないようにというのだけは肝に銘じて、がんばろうと思っているところです。 石舘 悪い意味では期待を裏切らずに、でもいい意味では期待を裏切りつつという。 菅原 まずはハードルを下げましょう。 石舘 ああー。上がったハードルを下げないとね。 菅原 誰も期待しないところまで下ろさなきゃ。「『gdgd妖精s』面白いと思ってたのにそうでもないな~」みたいな感じにならないように。「どうせつまんないんだろ~?」と思わせるところまでやらないと。 石舘 そのくらいまで頑張って下げたいな~。 ――......といったところで、本日はありがとうございました! (構成=前田久) ●いしだて・こうたろう 1974年5月27日生まれ。株式会社グレープカンパニー所属。趣味は料理・アニメ鑑賞・LEGO収集。お笑い芸人としての活動を経て放送作家に。「HEY!HEY!HEY! music champ」「人志松本のすべらない話」「コスコスプレプレ」「プレミアの巣窟」など多くの番組に携わる。 ●すがわら・そうた 1979年生まれ。マンガ家、映像作家、CGグラフィックデザイナー。19歳でマンガ家としてデビュー。99年から「週刊SPA!」(扶桑社)でCGマンガ「みんなのトニオちゃん」を2年間連載し、以降も断続的に作品を発表している。ほかにも、PV、VJ、イラスト、3DCGアニメーションなど、多岐にわたる領域で旺盛に作品を発表し続けている。
gdgd妖精s 第3巻【BD】 品番:ENBD-5007 収録時間:本編53分+特典映像61分+CD74分 価格:6,090円(税込) 発売日:3月24日 発売元:(株)イーネット・フロンティア/ストロベリー・ミーツピクチュアズ(株) 販売元:(株)イーネット・フロンティア  ※第1~2巻は好評発売中 amazon_associate_logo.jpg
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「国内団体はもはや死に体か」瀕死の日本総合格闘技界に乗り込んできた米UFCの功罪

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UFC 公式サイトより
 今月26日、アメリカの格闘技団体・UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の日本大会「UFC JAPAN」がさいたまスーパーアリーナで開催され、会場に集まった約2万人のファンを熱狂させた。 「同団体の最大の特徴は『オクタゴン』と呼ばれる八角形の金網で戦うルールで、リングでの戦いを見慣れた日本の格闘技ファンにとっては刺激的。1993年11月に第1回大会が開催され、今回で144回目の大会。日本では97年から00年に4回開催されているが、01年に運営会社が変わってからは初の大会となった。米国ではチケットが入手不可能な人気ぶりで、トップファイターのファイトマネーは1試合で1億円を超えるなど、これまでの格闘技団体とは規格外の規模に成長した」(格闘技ライター)  同大会を後援したのは米国大使館・日刊スポーツ、そして大会を独占生中継したWOWOWで、「当初はチケットの売れ行きは伸びなかったようだが、大々的なプロモーションが功を奏し、ほぼ完売」(同)という盛況ぶり。しかし、同団体の人気が日本に根付くかどうかはかなり微妙だという。 「日本の格闘技界が一番盛り上がったのは、暴力団関係者との"黒い交際"を一部週刊誌にすっぱ抜かれ、現在のUFCを運営するズッファ社に買収され消滅したPRIDEの全盛期。PRIDEの消滅とともに日本の格闘技人気も衰退。負の相乗効果で、格闘技界で人気を二分していたK-1も資金繰りが悪化し、開催ができなくなってしまった。3月に前田日明のリングスが復活するものの、国内の総合格闘技はもはや死に体に近い」(格闘技団体関係者)  そんな中、開催されたUFCの日本大会だったが、運営の不備が目立った点も多かったという。 「開場時には入場ゲート前に長蛇の列ができていて、開始予定時間の午前9時半になってもまだ会場の外に人があふれていた。ところが、米国での有料PPV放送が正午からで、その時間までに前座カードを終えなければいけないので、会場がガラガラのまま第1試合がスタート。試合中も売店やトイレには長蛇の列ができ、待っている間に1~2試合見逃したファンも少なくなかった」(観戦した格闘技団体関係者)  おまけに、会場を訪れたファンはいまだに根強い"PRIDE幻想"を抱くファンが大半だったようだ。 「会場の声援が大きかったのは日本人では五味隆典、山本"KID"徳郁、外国人ではマーク・ハント、ランペイジ・ジャクソンでKID以外はPRIDEでスターになった選手。五味が勝ってマイクアピールした時とランペイジがPRIDEのテーマ曲で入場してきた時に場内のテンションが最高潮に達していた。その反面、メインのライト級タイトルマッチ、フランク・エドガーVSベンソン・ヘンダーソンは攻防のレベルが高いこともあったが、場内はシーンと静まり返り、ヘンダーソンの勝利に盛り上がっていたのはほとんど外国人。UFCを独占放送しているWOWOWの加入者は現在約250万人ほどだが、その中でUFC目当ての契約者はそんなに多くないはず。UFCに興味のないプロ格闘家も多いだけに、今回の日本大会を支えたのがPRIDE人気だったのは疑いようのない事実」(同)  ズッファ社のダナ・ホワイト社長は日本大会の成功に満足げで、終了後にメディアのインタビューに答え「また日本に来たい」と次回大会開催も予告していたが、PRIDE出身選手たちの現状は厳しいだけに、"ファン離れ"が懸念されているという。 「ランペイジは今回、生粋のUFCファイター、ライアン・ベイダーに判定負け。今回は日本人対決を制した五味も外国人相手だと厳しい。次々とUFCに参戦したPRIDEファイターのうち、ミルコ・クロコップは連敗を重ねてUFCのリングを去り、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラは前回、関節技で一本負けし負傷欠場中。ハントも打撃しかないので生き残りは厳しい。一方、日本人選手でも日本人トップの成績を残し、前回はタイトル戦もこなした岡見勇信が今回、伏兵にまさかのKO負け。秋山成勲も今回負けてUFC4連敗となり契約を解除される可能性が高い。事実、日本人ファイターと外国人ファイターのレベルが雲泥の差。PRIDEファイターが減り、日本人のスターもいなければ日本での人気は根付かない」(格闘技ライター)  格闘技人気が衰退した日本にいわば"黒船"のように侵攻してきたUFCだが、PRIDEほどのブームを巻き起こすにはまだまだ長い時間がかかりそうだ。
GONG(ゴング)格闘技2012年2月号 草食系にはハードル高い。 amazon_associate_logo.jpg
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ニコ動と地上波の間に生まれたミラクル『gdgd妖精s』とは一体何なのか!?(前編)


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(c)2代目gdgd妖精s
 2011年10月クールのアニメ新番組で、ダークホース的な存在感を放った3DCGアニメ『gdgd妖精s(ぐだぐだふぇありーず)』(TOKYO MX)。ローポリゴンで描かれたピクピク(声:三森すずこ)、シルシル(声:水原薫)、コロコロ(声:明坂聡美)の3人の妖精が繰り広げる、タイトル通り「gdgd=ぐだぐだな」な雰囲気のトーク&コントはセンス抜群で、中毒状態に陥るファン多数。また、低予算で実験的な制作体制も興味深い。1月から順次発売されているDVD&Blu-rayも大ヒット中だ。アニメ&声優ファン、そしてサブカル好きを夢中にさせた異色アニメの秘密を、本作の中核スタッフである菅原そうた(企画・映像監督・キャラデザイン)、石舘光太郎(演出・脚本)のおニ人と、福原和晃プロデューサーに伺った。 ――『gdgd妖精s』という企画の始まりはどこから? 菅原そうた(以下、菅原) 最初は僕と福原さんで、アドリブの生っぽさを取り入れたCGギャグアニメをやろうと言ってたんです。CGのモーションキャプチャー技術がKinectの登場で盛り上がっていたので、それを活かした何かができないか、と。でも途中で福原さんが「今の時代は萌えじゃろう」と。 石舘光太郎(以下、石舘) 「じゃろう」?(笑)菅原さんは萌えから一番遠い人なのにね。 菅原 でも僕も「なるほど!」と。綾波とかアスカみたいなキャラを作ってみたいという気持ちは以前からあったんですけど、手の届かない高みにあると思っていたんですよね(笑)。そのあと、石舘さんと福原さんが奇跡的に出会ったんです。
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演出・脚本の石舘光太郎氏。
石舘 突然連れてこられて、最初はあまりコンセプトもわかってない状態だったんですよ(笑)。それで、アニメファンの人に話題にならないと大きな結果は生めないと思ったので、なんとかアニメファンの人に喜んでもらえるようなパッケージを作ろうと思ったんです。 菅原 そこから、石舘さんに萌えアニメの方程式をさんざん教えていただいて、企画を作り直したんです。 石舘 そうたくんの労力も考えて、序盤は会話で、顔だけ動いていれば成立するみたいなのを何分かやったほうがいいんじゃないかという話になったんですよ。 菅原 石舘さんももともとお笑いの方(元お笑い芸人)でもありますし、「すんげき部」という活動をやっていたんですよね。 石舘 「すんげき部」は女の子のお笑いアイドルユニットみたいなものです。 菅原 その「すんげき部」のキャラをまんまアニメでやったら、CG萌えアニメができるんじゃないかと感じたんです。 石舘 それでティータイムのコーナーを作ることになって、本来やろうと思ってたフリーの大喜利CG空間遊びは、「メンタルとタイムのルーム」のコーナーと、「アフレ湖」のコーナーに割った、という感じですね。そこに至るまでに、この番組はバラエティなのかアニメなのかは話し合いましたね。放送された形になるまでは、少し時間がかかりました。 菅原 僕が完璧に萌えアニメについてど素人だったこともあって、どっちかというと声優さんが生で動いているような感じの映像を最初は目指したんです。でもそれって、萌えアニメの方程式からすると動きすぎて気持ち悪かったんですよね。 石舘 ヌルヌル動くとなんか入り込めないんですよね、アニメとしては。
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企画・映像監督・キャラデザインの菅原そうた氏。
菅原 最初に実験で作ったときには、めっちゃくちゃ表情豊かなキャラクターを作ったんですよ。そうしたら「これはディ◯ニーっぽくて気持ち悪いからもっと動きを少なくしてくれ」と。そこからはひたすら動きを減らしていきました。 石舘 『けいおん!』とか『らき☆すた』とかいろいろ見てもらって、「ほら見て! みんな全然動いてないでしょ! 口しか動いてないでしょ!」って解説したんですよね。CGは普通の作画のアニメと違って、動いているところを描く必要がないので、労力をそれほどかけなくても動かそうと思えばいくらでも動かせちゃうわけですよ。なので、つい動かしちゃうんでしょうね。 菅原 CGが商業利用されるようになってから、まだ10年、20年くらいしか経っていないので、みんなまだ技術を見せたがっていることが多いんです。でも、みんなで相談したり、石舘さんの話を聞いたりすると、クオリティーの高いものを作ることよりかは、「お客さんが見て楽しいのは何か?」というところを意識したほうがいいんですね。だから目標としては、CGであるということから離れて、普通にエンターテインメントとして見てもらえたら勝ちだなと思えたんです。 石舘 技術自慢より、「どんなCGが一番この作品に合っているか?」というものから逆算して、そのために必要なCGを作ってもらうという発想でしたね。 菅原 髪の毛とかも、最初は揺らしたり、いろいろ考えたんですけど、記号としては完璧に止まっていたほうがいいんですよね。キャラとしてカチッとしたイメージになる。だから完成したものでは髪の毛もガチガチに止まっています。 石舘 なるべく記号っぽいもののほうが、見る方のハードルは下がるだろうなと。 菅原 とにかくそうして全体的にハードルを下げて、下げて......「期待しないで! しょうもないよ!」っていうアピールをしていったことが、いい方向につながった感じがします。 石舘 そうですね。みんなこういうものを作るのが初めてですし、大喜利みたいなことをやろうと思っても、声優さんだって芸人さんじゃないので。いかにハードルを下げて、「こんな変なものができました」というのを楽しんでもらえるか、というところに気を遣いましたね。 菅原 放送が始まってからは、ネット上でのリアクションが熱くなりました。放送前は、制作に参加してくれているメンバーみんなでいろいろしゃべって、その中間点というか、みんなが嫌だと思うところを削っていく......という感じで調整していたんです。でも放送後はニコニコ動画のコメントやネット上での反応を見て、それを受けてみんなで考えるようになりました。
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――制作にリアルタイム感があったわけですね。 菅原 1週間で1話分を制作するペースでしたからね(笑)。視聴者の皆さんとリアルタイムでキャッチボールしてるぞ! という感じはありました。 石舘 そうたくんはむしろそこに影響受けすぎちゃったところもあったよね(笑)。 ――中でも特に制作にあたって特に気をつけたところは? 菅原 ギャグの入れ方には気を遣いましたね。たとえば、第4話のRPG風のシーンで、かわいい女の子が気持ち悪くなる展開を入れたんです。これは笑いとしては正解なんですけど、萌えとしてはNGなんですね。キャラクターが汚されてしまったと思って、その女の子を好きになりづらくなってしまう。そういう、面白さとかわいさのあいだで、いつも葛藤していました。 石舘 かわいいことと面白くなることがうまく結びついた瞬間がいちばん爆発力があるんですよね。ちゃんとキャラがかわいく見えれば、とんがった映像も最初に見るときには違和感がちょっとあるんですけど、繰り返し見ているとなんだかじわじわと、どんどん面白くなるんですよ。 菅原 『gdgd妖精s』は全話見ると、その中で人が生きてて、こういう世界が続いていくと感じられて、好き度が上がる気がしますね。 石舘 でも、もともとわりとディスりようがない作品じゃない? 菅原 もともとディスられて当然みたいなとこから始まっちゃってるからね。 石舘 こんな弱い奴イジメてもしょうがないじゃん、みたいな。叩きようのない作品なんですよ。それがまたありがたかったですね。別に計算したわけじゃないんですけど。これがアニプレックスさんや京アニが作ったとなったら「えーっ!」となって急に大多数にディスられてたかもしれないですよね。
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――たしかに「『アニメノチカラ』の新作です!」とかだったら大炎上してたかもしれないですね(笑)。なるほどな~。確かに最近支持されるコンテンツの流行り方として、ある種、イジられるみたいなところが大事な感じはしますよね。 石舘 ネタ要素というか、ツッコまれる感じですよね。 菅原 そうですね。だいぶ隙があるところで、ツッコんで完成みたいなところがあって。やっぱり普通のアニメってアニメとして見ていいじゃないですか。このアニメの場合、コメント付きで見たときに面白さが全然違って、コメントありでみないと成立しないくらいのところが......(笑)。 石舘 コメントありバージョンも収録したかったくらいだよね。 ――ひょっとして、ご検討されたりとか? 福原 実はしました。やり方はあることはあるそうなんですけど、少し技術的に難しいということで、今回は間に合わなかったですね。次があったら、そのときこそ......という感じです。 石舘 本当はニコファーレとかで、みんなでコメントをつけながら一挙放送を見るイベントなんかもできたらいいんでしょうけどね。 菅原 近々じゃない、いつか未来に、声優さん3人が生でトークしている後ろにでっかいスクリーンとかでツッコミを入れてもらえたらいいですね。 石舘 いいかもしれない。 菅原 水原さんとかその場で「ヴァ」って書かれたら即反応しますよ。 石舘 水原さんはすぐ話がブレるからねー(笑)。『gdgd妖精s』はそういう、見ている人たちとのコールアンドレスポンスが楽しかったです。 (後半へ続く/構成=前田久) ●いしだて・こうたろう 1974年5月27日生まれ。株式会社グレープカンパニー所属。趣味は料理・アニメ鑑賞・LEGO収集。お笑い芸人としての活動を経て放送作家に。「HEY!HEY!HEY! music champ」「人志松本のすべらない話」「コスコスプレプレ」「プレミアの巣窟」など多くの番組に携わる。 ●すがわら・そうた 1979年生まれ。マンガ家、映像作家、CGグラフィックデザイナー。19歳でマンガ家としてデビュー。99年から「週刊SPA!」(扶桑社)でCGマンガ「みんなのトニオちゃん」を2年間連載し、以降も断続的に作品を発表している。ほかにも、PV、VJ、イラスト、3DCGアニメーションなど、多岐にわたる領域で旺盛に作品を発表し続けている。
gdgd妖精s 第3巻【BD】 品番:ENBD-5007 収録時間:本編53分+特典映像61分+CD74分 価格:6,090円(税込) 発売日:3月24日 発売元:(株)イーネット・フロンティア/ストロベリー・ミーツピクチュアズ(株) 販売元:(株)イーネット・フロンティア  ※第1~2巻は好評発売中 amazon_associate_logo.jpg
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「よっぽどやる気がなければ卒業できない」放送大学こそ"本当の大学"だった!


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放送大学公式ページより
 Twitter上で放送大学を侮辱した自称・某有名大学教授を、「私は学長です」の一言で退散させた学長によって一躍注目された放送大学。関東圏では、地上波で放送されているので名前だけは知っているという人も多いだろうが、その内実は意外に知られていない。ともすれば、カルチャーセンターと勘違いしている人もいそうだ。しかし、調べてみると「放送大学卒業」の肩書きの前には、ひれ伏すしかない実態が見えてきた。  放送大学の学生数は2011年の2学期時点で学部生が8万768人、大学院生が5,551人。一般に、最も学生数の多い大学とされる日本大学は学部生が6万802人(2011年5月現在)なので、実は隠れたマンモス大学といえるだろう(大学院+通信教育部の学生数を加えると)。  放送大学の特色は、なんといっても、大学名が示す通り授業のほとんどがテレビ・ラジオを通じて行われることにある(一部科目はインターネット視聴も可能)。一部では面接授業もあり、学習センターも設けられているが、ほとんどの科目履修は学生がテキストを購入して授業を視聴する形で進められる(例外は体育実技で、履修登録した上で公的機関が行うスポーツ教室などに規定の時間数通わなくてはならない)。  入学試験は、毎年4月と10月の年2回。書類による審査のみで、学力試験は行われない。また、通常の大学であれば高等学校卒業などの要件が課せられるが、放送大学では選科履修生又は科目履修生として所定の単位を取得すれば、全科履修生への入学を認めている。高校中退者で、高等学校卒業程度認定試験に合格していなくても、大卒資格や修士の学位を手に入れることが可能なのだ。また、在学最長年限も10年と一般の大学より2年長い。  通学しなくても自宅で自分のペースで単位を取得することができる、なんとも自由度の高いこの大学。学生の年齢も幅広く、学部生で最も多いのは40代の1万9,397人。次いで30代の1万7,700人が続く(2011年5月現在)。やはり、仕事の合間に自分のペースで授業を聞いて学歴を得て資格取得もできることは魅力的なのであろう。  しかし、一般の大学と違い、テレビやラジオを一人で聞かなければならない。それに、卒業までの単位を取得するスケジュールも自分で決めなければならない。これはかなりキツそうだ。 「最低4年で卒業される方もいらっしゃいますが、多くの方は6年半から7年くらいかかっています。やはり、お仕事の合間に学習されている方が多いからだと思います。4年で卒業される方に聞いてみると、みんな『相当大変でした』とお話されますね」(放送大学のサポートセンター)  学部を卒業するために必要な単位数は124単位。うち放送授業で94単位以上、面接授業で20単位以上と定められている。放送授業は、1科目2単位。1学期間(半年間)授業を受け、さらに単位認定試験を受験して、ようやく2単位。6年半から7年くらいで卒業する計画でも、1学期あたり5科目程度は授業を受けなければならない計算だ。  毎週45分の放送を5回聞くことが6年以上も......。これに加えて、空いている時間にテキストを読んで自習しなければ単位認定試験にも合格できない。よほど、根気や目的意識がなければやっていられない。  来る者は拒まないが、卒業できるかどうかはあなた次第。「放送大学を卒業した人=やる気と根気のある人」ということ。求める者に門戸を開く放送大学は、近代以前からの大学の理念を保持した教育機関といえるだろう。 (取材・文=昼間 たかし)
中卒・中退・不登校 誰でもイキナリ大学生―放送大学/通信制大学"特修生制度"活用法 どうだ! amazon_associate_logo.jpg
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"不良の格闘技大会"『THE OUTSIDER 第20戦』もやっぱり熱かった!!


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 乱闘続発! 骨折続発! 新王者誕生!──前田日明主催の不良系格闘技イベント「THE OUTSIDER(アウトサイダー)第20戦」が12日、東京・ディファ有明で開催された。2,046人(超満員札止め)の大観衆、その約8割が不良で占められた会場では、この日もアチコチでトラブルが勃発し、時には乱闘に発展するケースも。そんな中、行われた試合では、元チーマーにして元自衛官という異色の経歴を持つケンカ屋が、強豪弁護士を骨折させて新チャンピオンに。また、イロモノ系ファイターが、勝って勢い余ったのか、前田日明を「お前」呼ばわりするなど、なんともスリリングな大会となった。当日の主な出来事を追った──。 ●ケンカ、乱闘  「やんのか、コラ!」。巻き舌の怒声が、会場ロビーに響き渡った。声の主は、パーカーを着た短髪男。眉間に皺を寄せ、怒り肩でどこかへ突進しようとしている。それを制止する者、逃げ惑う女性客らで、あたりは緊迫したムードになった。  第15試合、"黒石魂継承 横濱義道会二代目総長"寺内芳彦(23歳・神奈川県)と、"天下無双 和神会の暴君"高森茂之(25歳・栃木県)の戦いが、終わった直後の出来事である。 tos20_02.jpg  パーカー男はどうやら寺内サイドの人間、すなわち「横濱義道会」の関係者らしく、寺内の対戦相手だった高森に対し、怒っているようである。  事情を聞く仲間に、「あの野郎、コレモンで(肩で風切って)歩きやがってよ」と説明。どこかでスレ違う瞬間に、高森がよけなかった、あるいは肩が接触したことなどが、トラブルの原因である様子。  周囲にいさめられたパーカー男、いったんは笑顔を見せたものの、遠くに隔離された高森とまた目が合ったのか、「この野郎!」と再びスイッチが入る。
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この日は脇役の黒石。存在感は抜群だ。
 ここで両者の間に割って入り、見事なトラブルシューターぶりを見せたのが、横濱義道会初代総長にしてアウトサイダーきっての人気者、黒石高大(25歳・神奈川県)だった。  黒石はまず、高森の両肩を正面から抱き、優しい顔で一言二言、何事かをささやく。すると、高森は納得したようにコクリ。続いて黒石、いきり立つパーカー男に笑顔で歩み寄り、「もう試合終わったんだからやめろ。な」と静かに諭すと、パーカー男もニコリ。これにて一件落着だ。  慌てず騒がず、両者のメンツを立てつつ、事態を沈静化させた黒石。横浜の荒くれ者を束ねてきた男の、器のデカさを見た気がした。  なお、この日の会場では、第18試合の直後にも乱闘が勃発。アウトサイダーらしいと言えばらしいのだが、主催者の前田日明は「やるんなら表行ってやれ」とウンザリ顔だった。 tos20_04.jpg ●"リアルアマプロレスラー"  シバ仁田厚(26歳・神奈川県)  その前田日明を「お前」呼ばわりしたのが、このシバ仁田厚である。背中に大きく「邪道」と書かれた革ジャンを羽織って、リングイン。わずか8秒で試合を片付けると、勝利者マイクを握りしめ、「オイ、前田さん! お前にその器量があるなら、次はロシア人か佐野哲也とやらせろ!」と命令口調で吠えたのだ(前田は苦笑)。「さん」を付けてしまうあたりに、ビビリも感じられたシバ仁田だが、大会終了後の単独インタビューでは、さらなる暴言を連発。客が散り、閑散とした会場に、威勢のいい声が響き渡った。
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試合はわずか8秒!
──秒殺勝利、おめでとうございます。 「オイ! オイ! オイ! 俺が、オイ! シバ仁田厚だ! オイ! オイ! オイ! 俺が、オイ! シバ仁田厚だ!」 ──その革ジャンは、今日のために買ったんですか? 「おう! おう!」 ──どこで? 「オイ! オイ!」 ──アメ横で? 「アメ横だよ! オイ!」 ──背中の「邪道」の文字は何で書いたんでしょう? 「ポスターカラーだよ! オイ! 邪道が、俺の、オイ! 生き様なんじゃい! オイ!」 tos20_06.jpg ──試合の冒頭で見せた、浴びせ蹴りが印象的でした。 「バカ野郎! あれはフライングニールキックだよ!」 ──ヒットしましたか? 「あれは作戦だよ! 誘い込むための! 俺の『地を這う空中殺法』だよ!」 ──元ネタである大仁田厚って、フライングニールキックの使い手でしたっけ? 「細かいことはどうでもいいんだよ!」 ──最後の逆十字、あれはガッチリ入った? 「あれで相手の腕をヘシ折ってやった! あれ、完全に折れてたぞ! オイ!」 ──容赦ないですね。 「そりゃそうだよ! それがプロレスだよ! オイ!」 ──プロレスは折っちゃいけないのでは? 「プロレスは折っちゃいけない? じゃあ折れてねえよ!」 ──脳機能学者の苫米地英人さんから賞金をもらいましたね。 「苫米地? 俺、苫米地からカネもらうの2回目なんだよ! あいつ、俺のことが好きで好きでしょうがねえみたいだな、この野郎、オイ!」 ──今回で4度目の出場ですが、いつも控え室では一人でポツンとしている印象ですね。 「それ言うなよ! オイ! 孤高の、孤高の存在なんだよ! プロレスラーは孤高なんだよ!」
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リング上では佐野を挑発。
──リングでは無敵のシバ仁田選手ですが、試合後の佐野哲也選手(29歳・静岡県)との舌戦では、完全に丸め込まれていましたね。 「ウホン! ウホン! ウホン!(急に咳込み、声のトーンが下がる)あれは、あれはよぉ......佐野が一枚上手だったかもしれねえ。だが、だが次は絶対あいつを......」  ここで会場の後片付けをしていたリングアナウンサーから、「シバ仁田選手、本日はご来場ありがとうございました」と追い出しをかけられ、インタビューは終了となった。 tos20_08.jpg ●"神速"  ソルジャーボーイ一樹(24歳・愛知県)  元チーマーゆえストリートファイト経験は豊富だが、「格闘技の練習は一切していない」と語るソルジャーボーイ。ムキムキマッチョな肉体は、自衛官時代のトレーニングによって培われたという。その剛腕から繰り出される重くて速いパンチを武器に、デビュー以来、破竹の4連勝。そしていよいよ今回、70-75kg級のタイトルマッチ(初代王者ベルト返上による二代目王者決定戦)に駒を進めた。  対するは、ホリベンこと堀鉄平弁護士(35歳・東京都)。アウトサイダーですでに、10勝(4敗)している寝技の達人である。  売り出し中の打撃系選手が、寝技系選手にあっさり負けてしまう場面は、これまでのアウトサイダーでも、幾度となく見てきた。果たしてソルジャーボーイは、その一線を乗り越えることができるのか? 試合前に、ソルジャーボーイを直撃。 ──堀選手の研究は? 「どう研究したらいいのか、よくわからないんで......。でも寝技は絶対やらないほうがいいんで、倒れないようにしたいです」 ──ソルジャーボーイさんは、払い腰からパウンドアウトという勝ち方が多いですが、今日は終始、スタンドで勝負を? 「基本、組むつもりはないです。タックル来たら、すぐ切ります。でも、もし先に相手の腰を浮かすことできたら、組みに行くかもしれません。でも、万が一、マウントポジション取れてもやっぱり寝技が怖い。だから立ちで勝負します」  試合は、作戦通りの展開になった。堀の執拗なタックルをこまめに切り、粘り腰でテイクダウンを許さないソルジャーボーイ。やむなく打撃で前へ出た堀に、カウンターパンチを見舞い、TKO勝ち。これで無傷の5連勝。見事、70-75kg級の二代目チャンピオンに輝いた。なお、堀は最後の一撃で、右目の上を骨折した。  試合後のソルジャーボーイに話を聞く。 ──フィニッシュブローはフックですか? tos20_09.jpg 「フックというより、チョップですね。狙ってません。たまたま親指の付け根が当たってくれただけ」 ──堀選手の印象は? 「もうやりたくないです。苦手です。勝ったからよかったけど、たまたまだから、完全に」 ──次は誰と? 「誰ともやりたくないです」 ──てことは、もう試合には出ない? 「これ(お金)が絡んできたら、僕は動きますよ」  以下、前田日明の記者会見。 ──ソルジャーボーイ選手の戦いはどうでした? 「この子はね、初参戦のときから体幹がしっかりしてるしね、見るたび確実にレベルアップしてる。注目株ですよ。ただね、アウトサイダーの選手は、褒めるとすぐ違う方向いっちゃうんで(笑)、『コイツいいな』って子は褒めないことにしたんだよ。だから、今まで何も言わなかっただろ? でもこないだ本人に聞いたら、プロでやりたい気持ちもあるみたいなんで、期待してます」 ──こうすればもっと強くなる、というアドバイスがあれば。 「どんな技でもね、いろんな解釈があるんですよ。同じ関節技にしても、決め方がいろいろある。今までできてた技も、もっとよく考えて、どういう原理でどういう風になってるのかをよく理解した上で、ひとつひとつ技を分解していくと、また違う解釈が見えてくる。格闘技も馬鹿では強くならない。必要な脳みそってのは、ここ(頭)だけじゃない。神経の末端まで使う。それが格闘技の脳。そういう感覚を大事にしてほしいですね」  追う立場から追われる立場になった、新王者のソルジャーボーイ。床にヒザを付き、真剣な顔をして、前田の言葉に聞き入っていた。  次回アウトサイダーは5月13日(日)、東京・ディファ有明で開催予定だ。 (取材・文=岡林敬太/撮影=長谷英史)
ジ・アウトサイダー 2011 vol.1 完全版 技術より闘志! amazon_associate_logo.jpg
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一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』

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『スマイルプリキュア!』公式サイトより
 毎クール多くのアニメが放送されるものの、ネットを中心としたアニメ論客の話題の中心はアニメファン向けに制作された深夜アニメに偏りがちである。しかし、一流のエリートアニメファンを目指すならば、土日の午前中に放送される女児向けアニメもチェックしてほしいところだ。  注目の女児向けアニメといえば、2月にスタートしたばかりの『プリキュア』シリーズの最新作『スマイルプリキュア!』(テレビ朝日系)をおいてほかにはないだろう。  2004年の『ふたりはプリキュア』を皮切りに、毎年新シリーズが放送されている『プリキュア』シリーズはいまや日曜日朝の顔としてすっかり定着。その人気ぶりも一定のラインを維持しつつ、めでたく9年目に突入したばかりだ。  女の子たちが伝説の戦士・プリキュアに変身して、世界をバッドエンドにしようと企む悪者と戦うという本作の見どころは、「何があっても笑顔を絶やさないヒロインたち」の姿だと断言したい。主人公である「ウルトラハッピー」が口癖の元気少女・星空みゆきことキュアハッピーは、どんな時も笑顔を絶やさないポジティブガールだ。そのスタンスは終始徹底しており、どんな窮地に立たされても、どんなに敵からボコボコにされても、笑顔を絶やさず何度でも敵に立ち向かう。「苦しい時こそニヤリと笑え」と歌った熱血漫画家・島本和彦ばりのタフネスぶりを発揮している。  また内気なインドア少女・黄瀬やよいことキュアピースは、保護欲をそそるキャラデザインもさることながら決めポーズが"ダブルピース"ということから、登場直後よりネット上に多くのファンアートがアップされるほどの大ブレイクを見せている。特に、必殺技を放った直後の息を切らしながらのダブルピース姿は大きなお友達のハートを直撃したらしく、早速「アヘ顔ダブルピース」で有名な漫画家・みさくらなんこつが2月22日に「全年齢指定」のトリプルピースイラストを公開するなど大きな話題を呼んでいる。  今夏、どんなに殴られても笑顔なヒロインや、笑ってダブルピースなヒロインたちがコミケをにぎわせること必至の本作。燃えと萌えのクロスオーバーは一見の価値ありである。  『ジュエルペット サンシャイン』(テレビ東京系)も見逃せない作品だ。  『ハローキティ』などのファンシーキャラクターグッズで知られるサンリオのキャラクター・ジュエルペットを題材とした本作だが、その実態は1970年代~80年代ネタをあちらこちらに散りばめた"おっさんホイホイ"なアニメである。  BGMにビートルズの「A Hard Day's Night」、森川由加里の「SHOW ME」が使用され、皆口裕子のナレーションで『ねるとん紅鯨団』パロディ、映画『フラッシュダンス』パロディ、1話丸ごと『俺たちひょうきん族』の名物コーナー・懺悔室パロディが行われるなど、完全に児童置いてぼりの濃厚なギャグが次から次へと飛び出してくる。  サンリオアニメの前シリーズにあたる『マイメロディ』シリーズでも、エキセントリックなストーリーやマイメロディの毒舌キャラが、一部のアニメファンの間で話題となっていたが、本作も負けず劣らずの怪作となっている。「サンリオアニメは、好き勝手にやっていい」というルールがアニメ業界にはあるのだろうか。気になるところである。  なお、3月で『ジュエルペット サンシャイン』の放送は終了するものの、4月からは新シリーズ『ジュエルペット きら☆デコッ!』の放送が決定している。毎シーズンごとにストーリーやキャラクターが一新される『ジュエルペット』だが、次はどんなとんでもない作品になるのだろうか。期待は募るばかりだ。 (文=龍崎珠樹)
Let's go!スマイルプリキュア!(DVD付) まっ、まぶしい......! amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』


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『スマイルプリキュア!』公式サイトより
 毎クール多くのアニメが放送されるものの、ネットを中心としたアニメ論客の話題の中心はアニメファン向けに制作された深夜アニメに偏りがちである。しかし、一流のエリートアニメファンを目指すならば、土日の午前中に放送される女児向けアニメもチェックしてほしいところだ。  注目の女児向けアニメといえば、2月にスタートしたばかりの『プリキュア』シリーズの最新作『スマイルプリキュア!』(テレビ朝日系)をおいてほかにはないだろう。  2004年の『ふたりはプリキュア』を皮切りに、毎年新シリーズが放送されている『プリキュア』シリーズはいまや日曜日朝の顔としてすっかり定着。その人気ぶりも一定のラインを維持しつつ、めでたく9年目に突入したばかりだ。  女の子たちが伝説の戦士・プリキュアに変身して、世界をバッドエンドにしようと企む悪者と戦うという本作の見どころは、「何があっても笑顔を絶やさないヒロインたち」の姿だと断言したい。主人公である「ウルトラハッピー」が口癖の元気少女・星空みゆきことキュアハッピーは、どんな時も笑顔を絶やさないポジティブガールだ。そのスタンスは終始徹底しており、どんな窮地に立たされても、どんなに敵からボコボコにされても、笑顔を絶やさず何度でも敵に立ち向かう。「苦しい時こそニヤリと笑え」と歌った熱血漫画家・島本和彦ばりのタフネスぶりを発揮している。  また内気なインドア少女・黄瀬やよいことキュアピースは、保護欲をそそるキャラデザインもさることながら決めポーズが"ダブルピース"ということから、登場直後よりネット上に多くのファンアートがアップされるほどの大ブレイクを見せている。特に、必殺技を放った直後の息を切らしながらのダブルピース姿は大きなお友達のハートを直撃したらしく、早速「アヘ顔ダブルピース」で有名な漫画家・みさくらなんこつが2月22日に「全年齢指定」のトリプルピースイラストを公開するなど大きな話題を呼んでいる。  今夏、どんなに殴られても笑顔なヒロインや、笑ってダブルピースなヒロインたちがコミケをにぎわせること必至の本作。燃えと萌えのクロスオーバーは一見の価値ありである。  『ジュエルペット サンシャイン』(テレビ東京系)も見逃せない作品だ。  『ハローキティ』などのファンシーキャラクターグッズで知られるサンリオのキャラクター・ジュエルペットを題材とした本作だが、その実態は1970年代~80年代ネタをあちらこちらに散りばめた"おっさんホイホイ"なアニメである。  BGMにビートルズの「A Hard Day's Night」、森川由加里の「SHOW ME」が使用され、皆口裕子のナレーションで『ねるとん紅鯨団』パロディ、映画『フラッシュダンス』パロディ、1話丸ごと『俺たちひょうきん族』の名物コーナー・懺悔室パロディが行われるなど、完全に児童置いてぼりの濃厚なギャグが次から次へと飛び出してくる。  サンリオアニメの前シリーズにあたる『マイメロディ』シリーズでも、エキセントリックなストーリーやマイメロディの毒舌キャラが、一部のアニメファンの間で話題となっていたが、本作も負けず劣らずの怪作となっている。「サンリオアニメは、好き勝手にやっていい」というルールがアニメ業界にはあるのだろうか。気になるところである。  なお、3月で『ジュエルペット サンシャイン』の放送は終了するものの、4月からは新シリーズ『ジュエルペット きら☆デコッ!』の放送が決定している。毎シーズンごとにストーリーやキャラクターが一新される『ジュエルペット』だが、次はどんなとんでもない作品になるのだろうか。期待は募るばかりだ。 (文=龍崎珠樹)
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■バックナンバー 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

経産省「クールジャパン」サイトが妙にオシャレな理由とは?


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「Cool Japan Daily」
 「クールジャパン」という言葉を聞いた時に、何を思い浮かべるだろうか? やはり、多くの人は漫画・アニメ・ゲームを思い浮かべるだろう。加えて、ファッションや音楽を思い浮かべる人も多いだろう。いずれにしても、日本のポップカルチャーが国際的に好評を得ている現状=クールジャパンというのが、一般的な認識である。  もはや、長い間日本を支えてきた自動車産業をはじめとして、従来の重厚長大産業では、国家の未来が危ういと思っているのか国の省庁でもクールジャパンを軸にした戦略が盛んに検討されている。そうした省庁の、ひとつの柱でもある経済産業省では、今年1月から、クールジャパンに関連するニュースやトレンド、オピニオンなど情報発信のポータルとなるサイト「Cool Japan Daily」をオープンしている。  このサイトは、担当部局である経済産業省のクリエイティブ産業課からだけではなく、大勢の寄稿者によって情報を発信していこうというものだ。ところがこのサイト、「クールジャパン=漫画・アニメ」のイメージがあるとアクセスした人は「えっ!」と驚くに違いない。まだオープンから間もないため、テキスト主体でデザインも単調なのは今後に期待するとして、扱っている内容が少しオシャレな感じなのだ。 寄稿者のラインナップを見ると、「BRUTUS」(マガジンハウス)編集長の西田善太氏、森美術館館長の南條史生氏、建築家の隅研吾氏といった名前が並ぶ。いわゆる「オタク」の側に寄っている人物を挙げるならば、『アニメ文化外交』(筑摩書房)などの著書がある櫻井孝昌氏らの名前があってもおかしくない。どうして国の機関がこのようなサイトをオープンするに至ったのか。経済産業省のクリエイティブ産業課に聞いてみた。 「私たちの扱うクールジャパンとは、いわば、"かっこいい日本"という意味です。自分で言うとちょっとヘンですが、具体的には世界からクールといわれる国内産業のこと。漫画やアニメなどのポップカルチャーは、既に世界からクールだと言われていますが、衣食住エンターテインメント産業の中には、まだまだもっと世界に売っていけるものがあると思っています。それらの産業を応援するのが私達の役割です。サイトもそうした目的のためにオープンしました」  なるほど、世界から「クール=カッコイイ・オシャレ」といわれるものを目指すのであれば、なんとなくサイトの雰囲気も理解できるだろう。  気がつけば、クールジャパンという言葉が広まってから、もう随分と月日が過ぎたように思う。「ニューズウィーク日本版」(阪急コミュニケーションズ)が「萌える世界」という特集を組んで、表紙をメイドのイラストで飾ったのが2007年3月。これが、日本のポップカルチャーが世界でウケていることを知らしめる一つの契機になったが、そこから既に5年も過ぎているのだ。  漫画やアニメは、ある程度は国や行政からの支援を受けずとも、世界で売っていくことのできる産業である(もっとも、売り方や今後の展開などで官民の協力が不可欠なこともあるが)。しかし、国内にはまだまだ世界でウケる可能性があるのに世界的にはあまり知られていないものが山のように眠っている。経済産業省の目指すクールジャパンは、そうしたものを発掘し、世界に広めていくことにあるようだ。 「いま日本にあるままの形で世界でも同じように売れるものは限られていると思います。なんらかの工夫が必要でしょう。ルイ・ヴィトンと輪島塗りのコラボ商品のようなものがもっとあると思います」(前出・担当者)  「Cool Japan Daily」では今後、伝統工芸の当事者を登場させるなど、コンテンツの充実を行っていく方針だという。省庁の中でも誰もやったことのない分野だけに、さまざまな可能性に挑戦していかなければ、ならないということだろうか。 ■究極的な目的は日本自体をブランド化していくこと  こうしたクールジャパンの究極的な目標は、日本の特定のジャンルの商品に価値を持たせるのではなく、日本そのものに価値を持たせることにあるだろう。例えるなら、日本で北欧の雑貨や家具が安くてセンスのよいものだという評価を得てきた結果、北欧に対していいイメージを持つ人が多くなってきているという感じだろう。新たな日本のイメージをデザインして発信していくこと自体が、クールジャパン政策の目的といえるだろう。幸いなことに、既に漫画やアニメの力によって日本の良好なイメージは世界に受け入れられつつある。道のりは長いが、可能性は著しく広い。  結局のところ、クールジャパンは直接的には産業政策であるが、将来的には日本という国家が世界の中で、ある程度の地位を獲得するための壮大な戦略の一部といえるだろう。現に、アメリカは文化を世界に発信することで、支配を成し遂げているのだから。 (取材・文=昼間たかし)
ニッポンのここがスゴイ! 外国人が見たクールジャパン そこだよ、そこ! amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「クール・ジャパンなんてウソ」"精子人形"村上隆が日本のアニメ業界に苦言「やったもん勝ち」なんて当たり前! 海外マンガ・アニメ違法投稿サイトの実情Jカルチャーは韓国に"いいとこどり"されている!?  「クール・ジャパン」今後の課題

経産省「クールジャパン」サイトが妙にオシャレな理由とは?

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「Cool Japan Daily」
 「クールジャパン」という言葉を聞いた時に、何を思い浮かべるだろうか? やはり、多くの人は漫画・アニメ・ゲームを思い浮かべるだろう。加えて、ファッションや音楽を思い浮かべる人も多いだろう。いずれにしても、日本のポップカルチャーが国際的に好評を得ている現状=クールジャパンというのが、一般的な認識である。  もはや、長い間日本を支えてきた自動車産業をはじめとして、従来の重厚長大産業では、国家の未来が危ういと思っているのか国の省庁でもクールジャパンを軸にした戦略が盛んに検討されている。そうした省庁の、ひとつの柱でもある経済産業省では、今年1月から、クールジャパンに関連するニュースやトレンド、オピニオンなど情報発信のポータルとなるサイト「Cool Japan Daily」をオープンしている。  このサイトは、担当部局である経済産業省のクリエイティブ産業課からだけではなく、大勢の寄稿者によって情報を発信していこうというものだ。ところがこのサイト、「クールジャパン=漫画・アニメ」のイメージがあるとアクセスした人は「えっ!」と驚くに違いない。まだオープンから間もないため、テキスト主体でデザインも単調なのは今後に期待するとして、扱っている内容が少しオシャレな感じなのだ。 寄稿者のラインナップを見ると、「BRUTUS」(マガジンハウス)編集長の西田善太氏、森美術館館長の南條史生氏、建築家の隅研吾氏といった名前が並ぶ。いわゆる「オタク」の側に寄っている人物を挙げるならば、『アニメ文化外交』(筑摩書房)などの著書がある櫻井孝昌氏らの名前があってもおかしくない。どうして国の機関がこのようなサイトをオープンするに至ったのか。経済産業省のクリエイティブ産業課に聞いてみた。 「私たちの扱うクールジャパンとは、いわば、"かっこいい日本"という意味です。自分で言うとちょっとヘンですが、具体的には世界からクールといわれる国内産業のこと。漫画やアニメなどのポップカルチャーは、既に世界からクールだと言われていますが、衣食住エンターテインメント産業の中には、まだまだもっと世界に売っていけるものがあると思っています。それらの産業を応援するのが私達の役割です。サイトもそうした目的のためにオープンしました」  なるほど、世界から「クール=カッコイイ・オシャレ」といわれるものを目指すのであれば、なんとなくサイトの雰囲気も理解できるだろう。  気がつけば、クールジャパンという言葉が広まってから、もう随分と月日が過ぎたように思う。「ニューズウィーク日本版」(阪急コミュニケーションズ)が「萌える世界」という特集を組んで、表紙をメイドのイラストで飾ったのが2007年3月。これが、日本のポップカルチャーが世界でウケていることを知らしめる一つの契機になったが、そこから既に5年も過ぎているのだ。  漫画やアニメは、ある程度は国や行政からの支援を受けずとも、世界で売っていくことのできる産業である(もっとも、売り方や今後の展開などで官民の協力が不可欠なこともあるが)。しかし、国内にはまだまだ世界でウケる可能性があるのに世界的にはあまり知られていないものが山のように眠っている。経済産業省の目指すクールジャパンは、そうしたものを発掘し、世界に広めていくことにあるようだ。 「いま日本にあるままの形で世界でも同じように売れるものは限られていると思います。なんらかの工夫が必要でしょう。ルイ・ヴィトンと輪島塗りのコラボ商品のようなものがもっとあると思います」(前出・担当者)  「Cool Japan Daily」では今後、伝統工芸の当事者を登場させるなど、コンテンツの充実を行っていく方針だという。省庁の中でも誰もやったことのない分野だけに、さまざまな可能性に挑戦していかなければ、ならないということだろうか。 ■究極的な目的は日本自体をブランド化していくこと  こうしたクールジャパンの究極的な目標は、日本の特定のジャンルの商品に価値を持たせるのではなく、日本そのものに価値を持たせることにあるだろう。例えるなら、日本で北欧の雑貨や家具が安くてセンスのよいものだという評価を得てきた結果、北欧に対していいイメージを持つ人が多くなってきているという感じだろう。新たな日本のイメージをデザインして発信していくこと自体が、クールジャパン政策の目的といえるだろう。幸いなことに、既に漫画やアニメの力によって日本の良好なイメージは世界に受け入れられつつある。道のりは長いが、可能性は著しく広い。  結局のところ、クールジャパンは直接的には産業政策であるが、将来的には日本という国家が世界の中で、ある程度の地位を獲得するための壮大な戦略の一部といえるだろう。現に、アメリカは文化を世界に発信することで、支配を成し遂げているのだから。 (取材・文=昼間たかし)
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