
(C)2012 レンタネコ製作委員会
ゴールデンウィークの余韻を惜しみつつ、日常に返る5月中旬。今週紹介する新作邦画2本はいずれも、日々の暮らしの中でつい忘れがちな感覚や感情を思い出させてくれる、ほどよい優しさと温かさ、そして希望が込められた作品たちだ。
5月12日に封切られる『ポテチ』は、伊坂幸太郎の同名中編小説(新潮文庫刊『フィッシュストーリー』所収)を中村義洋監督が映画化したコミカルな人間ドラマ。仙台の街で生まれ育ち、空き巣を稼業にしている今村(濱田岳)は、仕事中にたまたま自殺を思いとどまらせることになった若葉(木村文乃)と同棲中。2人がプロ野球選手・尾崎のマンションに侵入していたとき、尾崎に助けを求める少女の電話に今村が応対したことで、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)、『ゴールデンスランバー』(10)など仙台を舞台とするヒット作を送り出してきた伊坂&中村の強力コンビが、震災直後に「被災地から想いを届けよう」と動きだし、過去作を支えてきた地元サポーターたちと共に仙台でオールロケを敢行。平凡なようで少しズレている都市生活者たちの、奇妙だがどこか心地よいつながり、そこから生まれる意外な展開を、温かいタッチで描き出した。大切な人を思いやる気持ち、希望を捨てずささやかな奇跡を願い続けることの意味が、68分の本編を見終わった後にジワリとしみる感動作だ。
同じく5月12日公開の『レンタネコ』は、『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などでナチュラルな女性たちを取り上げてきた荻上直子監督の最新作。なぜか猫に好かれるサヨコ(市川実日子)は、猫たちを乗せたリヤカーを引いて川沿いの土手や市街を回り、寂しい人たちに猫を貸し出す「レンタネコ」業を営んでいる。夫と愛猫を亡くした老婦人、娘から疎まれていると嘆く単身赴任の中年男、話し相手がいないレンタカー店の受付嬢など、サヨコはさまざまな人に出会い、彼らに猫を貸し出す。そんなある日、中学時代の同級生で虚言癖のある吉沢(田中圭)と偶然再会し、猫を借りたいとの頼みを珍しく断ったサヨコだったが……。
飾らずに我が道を行く現代の女性像、というテーマで一貫している荻上監督の作品世界に、『めがね』にも出演した市川実日子の中性的な佇まいと、幼さ・達観・秘めた意志が奇妙に同居した表情が見事にハマッている。猫好き、動物好きなら愛らしい猫たちの姿を眺めているだけで癒やされるだろうが、もちろんそれだけではない。猫を“媒介”にして、都市生活者たちがゆるやかにつながっていく様子を、本作もまた丁寧に描いている。強くて固い“絆”も確かに重要だけど、ほんわかとソフトな支え合いもやっぱりいいよね、とあらためて実感させてくれる快作だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ポテチ』作品情報
<http://eiga.com/movie/57065/>
『レンタネコ』作品情報
<http://eiga.com/movie/57710/>
「03カルチャー」タグアーカイブ
やっぱり猫が好き?『かもめ食堂』監督最新作『レンタネコ』

(C)2012 レンタネコ製作委員会
ゴールデンウィークの余韻を惜しみつつ、日常に返る5月中旬。今週紹介する新作邦画2本はいずれも、日々の暮らしの中でつい忘れがちな感覚や感情を思い出させてくれる、ほどよい優しさと温かさ、そして希望が込められた作品たちだ。
5月12日に封切られる『ポテチ』は、伊坂幸太郎の同名中編小説(新潮文庫刊『フィッシュストーリー』所収)を中村義洋監督が映画化したコミカルな人間ドラマ。仙台の街で生まれ育ち、空き巣を稼業にしている今村(濱田岳)は、仕事中にたまたま自殺を思いとどまらせることになった若葉(木村文乃)と同棲中。2人がプロ野球選手・尾崎のマンションに侵入していたとき、尾崎に助けを求める少女の電話に今村が応対したことで、事態は思わぬ方向へと転がり始める。
『アヒルと鴨のコインロッカー』(2007)、『ゴールデンスランバー』(10)など仙台を舞台とするヒット作を送り出してきた伊坂&中村の強力コンビが、震災直後に「被災地から想いを届けよう」と動きだし、過去作を支えてきた地元サポーターたちと共に仙台でオールロケを敢行。平凡なようで少しズレている都市生活者たちの、奇妙だがどこか心地よいつながり、そこから生まれる意外な展開を、温かいタッチで描き出した。大切な人を思いやる気持ち、希望を捨てずささやかな奇跡を願い続けることの意味が、68分の本編を見終わった後にジワリとしみる感動作だ。
同じく5月12日公開の『レンタネコ』は、『かもめ食堂』(06)、『めがね』(07)などでナチュラルな女性たちを取り上げてきた荻上直子監督の最新作。なぜか猫に好かれるサヨコ(市川実日子)は、猫たちを乗せたリヤカーを引いて川沿いの土手や市街を回り、寂しい人たちに猫を貸し出す「レンタネコ」業を営んでいる。夫と愛猫を亡くした老婦人、娘から疎まれていると嘆く単身赴任の中年男、話し相手がいないレンタカー店の受付嬢など、サヨコはさまざまな人に出会い、彼らに猫を貸し出す。そんなある日、中学時代の同級生で虚言癖のある吉沢(田中圭)と偶然再会し、猫を借りたいとの頼みを珍しく断ったサヨコだったが……。
飾らずに我が道を行く現代の女性像、というテーマで一貫している荻上監督の作品世界に、『めがね』にも出演した市川実日子の中性的な佇まいと、幼さ・達観・秘めた意志が奇妙に同居した表情が見事にハマッている。猫好き、動物好きなら愛らしい猫たちの姿を眺めているだけで癒やされるだろうが、もちろんそれだけではない。猫を“媒介”にして、都市生活者たちがゆるやかにつながっていく様子を、本作もまた丁寧に描いている。強くて固い“絆”も確かに重要だけど、ほんわかとソフトな支え合いもやっぱりいいよね、とあらためて実感させてくれる快作だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『ポテチ』作品情報
<http://eiga.com/movie/57065/>
『レンタネコ』作品情報
<http://eiga.com/movie/57710/>
「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』

『聖闘士星矢Ω-セイントセイヤオメガ』
公式サイト
「フッ」
「ザシャアァッ!」
「なっ!」
「バァァァァン!」
「聖闘士には同じ技は二度通じん!」
「燃えろ! 小宇宙(コスモ)よ!」
「あじゃぱぁ~!」
などなど、なんのこっちゃよく分からないが、とにかく胸が熱くなるそんな熱血フレーズが画面狭しと躍る伝説のアニメ『聖闘士星矢』の続編にあたる新作アニメ『聖闘士星矢Ω(オメガ)』が、4月よりテレビ朝日系列で放送スタートした。
『聖闘士星矢』といえば、地上の平和を守る女神・アテナのために戦う聖闘士(セイント)となるべく運命づけられた主人公・星矢たちの過酷な戦いを描いたバトルファンタジー作品であり、1985年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載をスタートするやたちまち大きな反響を呼び、同年、異例の早さでテレビアニメ化。
バンダイから発売された星座をモチーフとしたプロテクター「聖衣(クロス)」のカッコよさと、神話をベースにした壮大なストーリー。そして原作者・車田正美による迫力のバトルシーンが話題を呼び、驚異的なヒットを記録した、少年マンガ史に燦然と輝く歴史的な作品だ。
■古き良き東映マインドと今風のタッチが融合したキャラデザ
その待望の続編である『Ω』は、次世代の若き聖闘士・ペガサス座の光牙たちと、地球支配を企む火星の守護者・マルスとの戦いが描かれるアニメ・オリジナル作品であるが、本作の制作が発表された当初、ファンの間では期待よりも不安の声が多く上がった。
前作のアニメ版『聖闘士星矢』の魅力の一つに、荒木伸吾、姫野美智両氏による気品あふれる美形キャラクターたちが挙げられるが、多くのファンは『Ω』でも同様のキャラクターデザインを期待していたのだろう。
しかし、『Ω』のキャラデザは『おジャ魔女どれみ』シリーズや、『ハートキャッチプリキュア!』などの女児向けアニメでキャラデザを手掛けた馬越嘉彦。その丸みを帯びたかわいらしい聖闘士たちの姿に、多くのファンが拒否反応を起こした。
だが、彼はアニメ『北斗の拳』でエクストリームなキャラクターを多く描いた羽山淳一に憧れて東映動画の門を叩いた、熱血アクション派アニメーターである。
そんな自身のルーツを証明するかのように、『ハートキャッチプリキュア!』では荒木・姫野イズムを受け継ぐかのような強烈なパースを効かせた決めポーズや大胆なアクションシーン、「両手を後ろに広げての前傾姿勢ダッシュ」などを描き出していたことを覚えているアニメファンも少なくはないだろう。
筆者としては、古き良き東映動画のセンスを現代風の柔らかな画風にマッチさせるだけの技量を持つ馬越氏以外に現代の『星矢』を描ける人材はいないのでは、とすら思っている。
現在放送中の『Ω』を見れば、「かつて自分たちが見ていた『星矢』」のイメージと遜色なく、それでいて古臭さを感じさせない洗練された世界観を感じることができるはずだ。
また、主人公の光牙とライバル関係にある仔獅子座の蒼摩の泥臭さは、旧シリーズでは星矢のライバルになりそこねた残念キャラ・一角獣座の邪武を彷彿とさせるものがある。
旧シリーズで描ききれなかった初期プロットへのリベンジも感じさせる蒼摩というキャラは、馬越氏をはじめとする『Ω』スタッフの『星矢』という作品に対するリスペクトと、挑戦の証として注目していきたい。
■ファンなら「ニヤリ」のこだわりポイント
絵作り以外にもこだわりポイントはある。
『聖闘士星矢』といえば、様式美とすらいえる芝居がかった「車田節」とでもいうべきセリフの応酬を忘れてはならない。
冒頭にもあるような、大見得を切りつつ繰り広げられるバトルは、歌舞伎にも通じるケレン味満点である。『Ω』でも、このノリは健在。新世代聖闘士たちは、相変わらずド派手な名乗りと技解説を交えつつ、一進一退の攻防を繰り広げる。この勢いで、
「笑止!」
「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんとはまさにこのことだ」
「オレのセブンセンシズよ 燃えろ!」
などのような、上級の車田節も登場させてほしいものである。
また、前作主人公・星矢が伝説の聖闘士として登場したり、龍座の紫龍とその恋人・春麗の息子・龍峰が次世代の龍座の聖闘士として登場するほか、大熊座の檄、「勝負は常に顔で決まるのだよ!」のセリフも有名なヒドラの市など通好みなキャラクターが準レギュラーとして登場、前作ではいま一つ活躍しきれなかった彼らのファンにはうれしいサービスも盛り込まれている。
■賛否両論の新聖衣
このように見どころ満載な『聖闘士星矢Ω』だが、手放しで褒めるのもステルスマーケティング臭がするので、いくつか気になる点も挙げておこう。
まず、なんといっても「聖衣(クロス)」の概念が変わってしまったことについて、突っ込まないわけにはいかない。星座をモチーフとしたオブジェが分解しプロテクターとなるというギミックがなくなり、本作では星座の力を借りて着用する変身スーツのような存在となっている。これは非常に残念である。『聖闘士星矢』といえば、物語が進むごとに進化するデザインや、想像もつかない合体変形でプロテクターとなるギミックなど男子心を燃やす聖衣の魅力は欠かせないはずだ。その代わりに本作では各キャラクターに「属性」の概念を新たに導入。火・風・雷・土・水・光・闇の7属性の力を持つ聖闘士の活躍が描かれる。今のところ、星座設定と属性設定が効果的に劇中に反映されている……とは言い難い。物語も序盤ということで、どのようにこれらの設定が盛り上げていくのか、注目したいところだ。
ともあれ、21世紀に入って新たな『聖闘士星矢』のアニメが見られるだけでも、ファンとしては僥倖(ぎょうこう)といったところだろう。
まだ見たことのない前作ファンは一度チャンネルを合わせてみて、変わらぬ『聖闘士星矢』スピリットと新たな挑戦に臨むスタッフの意気込み……もとい小宇宙を感じてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)
■バックナンバー
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは?
【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』
【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』

『聖闘士星矢Ω-セイントセイヤオメガ』
公式サイト
「フッ」
「ザシャアァッ!」
「なっ!」
「バァァァァン!」
「聖闘士には同じ技は二度通じん!」
「燃えろ! 小宇宙(コスモ)よ!」
「あじゃぱぁ~!」
などなど、なんのこっちゃよく分からないが、とにかく胸が熱くなるそんな熱血フレーズが画面狭しと躍る伝説のアニメ『聖闘士星矢』の続編にあたる新作アニメ『聖闘士星矢Ω(オメガ)』が、4月よりテレビ朝日系列で放送スタートした。
『聖闘士星矢』といえば、地上の平和を守る女神・アテナのために戦う聖闘士(セイント)となるべく運命づけられた主人公・星矢たちの過酷な戦いを描いたバトルファンタジー作品であり、1985年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載をスタートするやたちまち大きな反響を呼び、同年、異例の早さでテレビアニメ化。
バンダイから発売された星座をモチーフとしたプロテクター「聖衣(クロス)」のカッコよさと、神話をベースにした壮大なストーリー。そして原作者・車田正美による迫力のバトルシーンが話題を呼び、驚異的なヒットを記録した、少年マンガ史に燦然と輝く歴史的な作品だ。
■古き良き東映マインドと今風のタッチが融合したキャラデザ
その待望の続編である『Ω』は、次世代の若き聖闘士・ペガサス座の光牙たちと、地球支配を企む火星の守護者・マルスとの戦いが描かれるアニメ・オリジナル作品であるが、本作の制作が発表された当初、ファンの間では期待よりも不安の声が多く上がった。
前作のアニメ版『聖闘士星矢』の魅力の一つに、荒木伸吾、姫野美智両氏による気品あふれる美形キャラクターたちが挙げられるが、多くのファンは『Ω』でも同様のキャラクターデザインを期待していたのだろう。
しかし、『Ω』のキャラデザは『おジャ魔女どれみ』シリーズや、『ハートキャッチプリキュア!』などの女児向けアニメでキャラデザを手掛けた馬越嘉彦。その丸みを帯びたかわいらしい聖闘士たちの姿に、多くのファンが拒否反応を起こした。
だが、彼はアニメ『北斗の拳』でエクストリームなキャラクターを多く描いた羽山淳一に憧れて東映動画の門を叩いた、熱血アクション派アニメーターである。
そんな自身のルーツを証明するかのように、『ハートキャッチプリキュア!』では荒木・姫野イズムを受け継ぐかのような強烈なパースを効かせた決めポーズや大胆なアクションシーン、「両手を後ろに広げての前傾姿勢ダッシュ」などを描き出していたことを覚えているアニメファンも少なくはないだろう。
筆者としては、古き良き東映動画のセンスを現代風の柔らかな画風にマッチさせるだけの技量を持つ馬越氏以外に現代の『星矢』を描ける人材はいないのでは、とすら思っている。
現在放送中の『Ω』を見れば、「かつて自分たちが見ていた『星矢』」のイメージと遜色なく、それでいて古臭さを感じさせない洗練された世界観を感じることができるはずだ。
また、主人公の光牙とライバル関係にある仔獅子座の蒼摩の泥臭さは、旧シリーズでは星矢のライバルになりそこねた残念キャラ・一角獣座の邪武を彷彿とさせるものがある。
旧シリーズで描ききれなかった初期プロットへのリベンジも感じさせる蒼摩というキャラは、馬越氏をはじめとする『Ω』スタッフの『星矢』という作品に対するリスペクトと、挑戦の証として注目していきたい。
■ファンなら「ニヤリ」のこだわりポイント
絵作り以外にもこだわりポイントはある。
『聖闘士星矢』といえば、様式美とすらいえる芝居がかった「車田節」とでもいうべきセリフの応酬を忘れてはならない。
冒頭にもあるような、大見得を切りつつ繰り広げられるバトルは、歌舞伎にも通じるケレン味満点である。『Ω』でも、このノリは健在。新世代聖闘士たちは、相変わらずド派手な名乗りと技解説を交えつつ、一進一退の攻防を繰り広げる。この勢いで、
「笑止!」
「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんとはまさにこのことだ」
「オレのセブンセンシズよ 燃えろ!」
などのような、上級の車田節も登場させてほしいものである。
また、前作主人公・星矢が伝説の聖闘士として登場したり、龍座の紫龍とその恋人・春麗の息子・龍峰が次世代の龍座の聖闘士として登場するほか、大熊座の檄、「勝負は常に顔で決まるのだよ!」のセリフも有名なヒドラの市など通好みなキャラクターが準レギュラーとして登場、前作ではいま一つ活躍しきれなかった彼らのファンにはうれしいサービスも盛り込まれている。
■賛否両論の新聖衣
このように見どころ満載な『聖闘士星矢Ω』だが、手放しで褒めるのもステルスマーケティング臭がするので、いくつか気になる点も挙げておこう。
まず、なんといっても「聖衣(クロス)」の概念が変わってしまったことについて、突っ込まないわけにはいかない。星座をモチーフとしたオブジェが分解しプロテクターとなるというギミックがなくなり、本作では星座の力を借りて着用する変身スーツのような存在となっている。これは非常に残念である。『聖闘士星矢』といえば、物語が進むごとに進化するデザインや、想像もつかない合体変形でプロテクターとなるギミックなど男子心を燃やす聖衣の魅力は欠かせないはずだ。その代わりに本作では各キャラクターに「属性」の概念を新たに導入。火・風・雷・土・水・光・闇の7属性の力を持つ聖闘士の活躍が描かれる。今のところ、星座設定と属性設定が効果的に劇中に反映されている……とは言い難い。物語も序盤ということで、どのようにこれらの設定が盛り上げていくのか、注目したいところだ。
ともあれ、21世紀に入って新たな『聖闘士星矢』のアニメが見られるだけでも、ファンとしては僥倖(ぎょうこう)といったところだろう。
まだ見たことのない前作ファンは一度チャンネルを合わせてみて、変わらぬ『聖闘士星矢』スピリットと新たな挑戦に臨むスタッフの意気込み……もとい小宇宙を感じてみてはいかがだろうか。
(文=龍崎珠樹)
■バックナンバー
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは?
【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
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【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
ズボラー女子急増中? ちまたで話題沸騰の料理コミック第2巻『花のズボラ飯2』

『花のズボラ飯2』(秋田書店)
「ズボラー」といわれる人が、じわじわと増えているという。ズボラーとは、掃除をしない、洗濯も溜め込む、料理も手抜き……といった、その名のとおりズボラな人たち。平成22年の国勢調査によると、男性の単独世帯は880万4,079世帯、女性の単独世帯は798万428世帯と、単身で生活する人は男女とも年々増え続けている。気兼ねない一人暮らしであれば、さもありなん、ズボラーとなるのも自然なことだろう。
そんなズボラー女子ブームの牽引役となったのが、このマンガ。『花のズボラ飯2』(秋田書店)は、単身赴任中の夫と離れて暮らす主婦・駒沢花のズボラな食生活を描いた料理マンガの最新刊。宝島社「このマンガがすごい!」2012年版オンナ編第1位、「マンガ大賞2011」第4位と、続けて賞を受賞している話題のコミックだ。花の料理のコンセプトは、とにかく「省略」「迅速」「大雑把」。料理マンガは世に数多くあれど、“手抜き”に重点を置いた作品は今までになかったのではないだろうか。花の一人語り&オヤジギャグが軽快で、楽しい。
ある日の仕事帰り、花は電車内で男子大学生の会話を立ち聞きする。自炊についての他愛もない会話だが、その中の「めんたい豆腐バターライス」に、花は激しく心惹かれ、その晩、実際に作ってみることに。<白米に明太子、バター、くだいた豆腐、きざみネギ、かつおぶしを乗せ、レンジで1分半加熱するだけ>という超カンタンなズボラ飯だが、「うんまぁ~~い!」と花はご満悦。明太子とバターの組み合わせが妙なる一品だ。
ほかにも白菜とベーコンをコンソメで煮るだけの「白菜ベーコン鍋」や、茹でキャベツを冷まし、きざみミョウガ、かつおぶしを乗せ、味ポンをかけただけの「ミョーキャベ」など、四季折々のズボラ飯17品が掲載されている。
実際、レシピどおりに料理するのは億劫なものだが、ズボラ飯には見栄も体裁も計量カップも必要ない。忙しい現代人にとって“ズボラ飯”は、合理的かつ経済的なライフスタイルなのだ。
(文=平野遼)
ズボラー女子急増中? ちまたで話題沸騰の料理コミック第2巻『花のズボラ飯2』

『花のズボラ飯2』(秋田書店)
「ズボラー」といわれる人が、じわじわと増えているという。ズボラーとは、掃除をしない、洗濯も溜め込む、料理も手抜き……といった、その名のとおりズボラな人たち。平成22年の国勢調査によると、男性の単独世帯は880万4,079世帯、女性の単独世帯は798万428世帯と、単身で生活する人は男女とも年々増え続けている。気兼ねない一人暮らしであれば、さもありなん、ズボラーとなるのも自然なことだろう。
そんなズボラー女子ブームの牽引役となったのが、このマンガ。『花のズボラ飯2』(秋田書店)は、単身赴任中の夫と離れて暮らす主婦・駒沢花のズボラな食生活を描いた料理マンガの最新刊。宝島社「このマンガがすごい!」2012年版オンナ編第1位、「マンガ大賞2011」第4位と、続けて賞を受賞している話題のコミックだ。花の料理のコンセプトは、とにかく「省略」「迅速」「大雑把」。料理マンガは世に数多くあれど、“手抜き”に重点を置いた作品は今までになかったのではないだろうか。花の一人語り&オヤジギャグが軽快で、楽しい。
ある日の仕事帰り、花は電車内で男子大学生の会話を立ち聞きする。自炊についての他愛もない会話だが、その中の「めんたい豆腐バターライス」に、花は激しく心惹かれ、その晩、実際に作ってみることに。<白米に明太子、バター、くだいた豆腐、きざみネギ、かつおぶしを乗せ、レンジで1分半加熱するだけ>という超カンタンなズボラ飯だが、「うんまぁ~~い!」と花はご満悦。明太子とバターの組み合わせが妙なる一品だ。
ほかにも白菜とベーコンをコンソメで煮るだけの「白菜ベーコン鍋」や、茹でキャベツを冷まし、きざみミョウガ、かつおぶしを乗せ、味ポンをかけただけの「ミョーキャベ」など、四季折々のズボラ飯17品が掲載されている。
実際、レシピどおりに料理するのは億劫なものだが、ズボラ飯には見栄も体裁も計量カップも必要ない。忙しい現代人にとって“ズボラ飯”は、合理的かつ経済的なライフスタイルなのだ。
(文=平野遼)
「市長の毒舌で知名度アップ?」佐賀県武雄市の“新図書館”構想が大炎上中

CCC公式サイトより
4日、佐賀県武雄市が市立図書館の運営を、レンタルビデオ店「TSUTAYA」を所有する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)に委託する計画を発表した。市の狙いは、年中無休の開館、雑誌や文具の販売コーナー、カフェの設置といった利便性を向上させつつ、運営費を削減できることだ。ところが、この事業には図書館の存在意義を崩壊させる危険性があり、早くも図書館関係者から異議の声が上がっている。
この新たな図書館の構想でもっとも問題視されているのが、利用者の貸し出し履歴の取り扱いだ。同市の構想では、貸し出しカードもTポイントカードに置き換えるという。図書館を利用するだけでTポイントが貯まるのは、一見、オイシイ話に思える。ところが、ここで問題が発生する。Tポイントカードの利用規約では、利用者の購買履歴が記録され、CCC以外の事業者に提供されることになっているのだ。
利用者の個人情報を守ることは、図書館にとってもっとも重要なこと。図書館の基本原則を定めた「図書館の自由に関する宣言」では、資料収集の自由、資料提供の自由、検閲への反対と並んで「利用者の秘密を守る」ことが掲げられている。
利用者の貸し出し履歴は、個人の嗜好や政治信条などを調べる情報となり得るため、決して外部に明らかにしてはならないことは図書館関係者にとっては常識だ。貸し出し履歴自体、貸し出し中は誰が借りているかを図書館は把握しているが、それを外部に漏らすことはないし、返却後は速やかに破棄されるシステムになっている。名作映画『耳をすませば』(近藤喜文監督)では、一昔前の本に挿された貸し出しカードに名前を記入するシステムが物語のカギになっているわけだが、現実に物語のようなことが起きたら大問題である。
つまり図書館にとって、利用者が国家権力から個人に至るまで、ほかの誰にも自分がどんな本を読んでいるかを知られないことを保障するのは当たり前のこと。たとえ国家権力であっても、おいそれと図書館の利用者情報を入手することはできない。1995年の地下鉄サリン事件の際に警視庁は国立国会図書館利用者のデータを大量に押収したが、これも捜査令状があって初めて可能になったもの。図書館が利用者のデータを外部に出すのは、それほどの一大事である。
ところが、同市の新図書館構想を進める樋渡啓祐市長の発想はまったく違う。4日夕方の記者会見をUstreamで中継した樋渡市長は、高木浩光氏(産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員)からの「Tポイントカードで図書を借りたときに、“借りた”という情報はCCCに提供されるのか」との質問に答え、
「これね、今までね、これ個人情報だって名の下にね、全部廃棄してたんですよ。なんで本をね、借りるのが個人情報なのか、って僕なんか思います」
と発言したのである。その後、樋渡市長は自身のブログで、
<僕が言っているのは、「5月6日20時40分、42歳の市内在住の男性が、「深夜特急」「下町ロケット」「善の研究」」を借りた。」ということそのものについては、個人が特定できないし、仮にこれが外部に出ても法令に照らし、全く問題がない、これが僕の見解であり、図書館の貸出履歴は、これをもとに、個人情報に当たらないって言っているんです。個人が特定できない。その中で、この情報はとっても貴重で、図書館の本の品揃え(武雄市立図書館は市民から成る選書委員がいます。)に当てたり、リコメンド(本を借りる人に、別の本の推薦)にあてたいって思っています。>(原文ママ)
と、さらに説明を加えている。つまり、樋渡市長の構想では個人が特定されない方法でデータを集積し、それをもとに「おすすめの本」を推薦する、Amazonのようなシステムを提供しようとしていると推測される。これ自体は便利なシステムのように見えるが、当然、図書館には膨大なデータが蓄積され、それを一企業が管理することになるわけだ。個人が識別できなくても年代や性別などを含んでいれば、数が揃えば貴重なマーケティングのデータになる。図書館関係者が危惧しているのは、まさにこの部分である。
「CCCが狙ってるのは、膨大な図書館利用者の情報です。彼らの目的は、片田舎にすぎない武雄市を突破口にして図書館事業を全国展開することにあるんです」
と、ある図書館関係者は話す。すでに、全国の図書館関係者による組織である日本図書館協会や図書館問題研究会では、武雄市の構想を問題視し、阻止のための行動を準備中だという。
一方で、樋渡市長は高木氏にブログで「公開討論をやろう」と呼びかけたり、「(氏とのTwitterでのやりとりなどを)あなたがリツイートした内容も含めて上司に報告し判断をしてもらいますし、多くの国会議員にその内容を報告します」とツイートしたり、騒動は単に図書館の問題を超えて、妙な方向へ展開している。少なくとも、2006年に誕生したばかりの無名な自治体が全国的に注目を集めているのは確か。これは、新手の炎上マーケティングなのだろうか。
(取材・文=昼間たかし)
「市長の毒舌で知名度アップ?」佐賀県武雄市の“新図書館”構想が大炎上中

CCC公式サイトより
4日、佐賀県武雄市が市立図書館の運営を、レンタルビデオ店「TSUTAYA」を所有する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ」(CCC)に委託する計画を発表した。市の狙いは、年中無休の開館、雑誌や文具の販売コーナー、カフェの設置といった利便性を向上させつつ、運営費を削減できることだ。ところが、この事業には図書館の存在意義を崩壊させる危険性があり、早くも図書館関係者から異議の声が上がっている。
この新たな図書館の構想でもっとも問題視されているのが、利用者の貸し出し履歴の取り扱いだ。同市の構想では、貸し出しカードもTポイントカードに置き換えるという。図書館を利用するだけでTポイントが貯まるのは、一見、オイシイ話に思える。ところが、ここで問題が発生する。Tポイントカードの利用規約では、利用者の購買履歴が記録され、CCC以外の事業者に提供されることになっているのだ。
利用者の個人情報を守ることは、図書館にとってもっとも重要なこと。図書館の基本原則を定めた「図書館の自由に関する宣言」では、資料収集の自由、資料提供の自由、検閲への反対と並んで「利用者の秘密を守る」ことが掲げられている。
利用者の貸し出し履歴は、個人の嗜好や政治信条などを調べる情報となり得るため、決して外部に明らかにしてはならないことは図書館関係者にとっては常識だ。貸し出し履歴自体、貸し出し中は誰が借りているかを図書館は把握しているが、それを外部に漏らすことはないし、返却後は速やかに破棄されるシステムになっている。名作映画『耳をすませば』(近藤喜文監督)では、一昔前の本に挿された貸し出しカードに名前を記入するシステムが物語のカギになっているわけだが、現実に物語のようなことが起きたら大問題である。
つまり図書館にとって、利用者が国家権力から個人に至るまで、ほかの誰にも自分がどんな本を読んでいるかを知られないことを保障するのは当たり前のこと。たとえ国家権力であっても、おいそれと図書館の利用者情報を入手することはできない。1995年の地下鉄サリン事件の際に警視庁は国立国会図書館利用者のデータを大量に押収したが、これも捜査令状があって初めて可能になったもの。図書館が利用者のデータを外部に出すのは、それほどの一大事である。
ところが、同市の新図書館構想を進める樋渡啓祐市長の発想はまったく違う。4日夕方の記者会見をUstreamで中継した樋渡市長は、高木浩光氏(産業技術総合研究所情報セキュリティ研究センター主任研究員)からの「Tポイントカードで図書を借りたときに、“借りた”という情報はCCCに提供されるのか」との質問に答え、
「これね、今までね、これ個人情報だって名の下にね、全部廃棄してたんですよ。なんで本をね、借りるのが個人情報なのか、って僕なんか思います」
と発言したのである。その後、樋渡市長は自身のブログで、
<僕が言っているのは、「5月6日20時40分、42歳の市内在住の男性が、「深夜特急」「下町ロケット」「善の研究」」を借りた。」ということそのものについては、個人が特定できないし、仮にこれが外部に出ても法令に照らし、全く問題がない、これが僕の見解であり、図書館の貸出履歴は、これをもとに、個人情報に当たらないって言っているんです。個人が特定できない。その中で、この情報はとっても貴重で、図書館の本の品揃え(武雄市立図書館は市民から成る選書委員がいます。)に当てたり、リコメンド(本を借りる人に、別の本の推薦)にあてたいって思っています。>(原文ママ)
と、さらに説明を加えている。つまり、樋渡市長の構想では個人が特定されない方法でデータを集積し、それをもとに「おすすめの本」を推薦する、Amazonのようなシステムを提供しようとしていると推測される。これ自体は便利なシステムのように見えるが、当然、図書館には膨大なデータが蓄積され、それを一企業が管理することになるわけだ。個人が識別できなくても年代や性別などを含んでいれば、数が揃えば貴重なマーケティングのデータになる。図書館関係者が危惧しているのは、まさにこの部分である。
「CCCが狙ってるのは、膨大な図書館利用者の情報です。彼らの目的は、片田舎にすぎない武雄市を突破口にして図書館事業を全国展開することにあるんです」
と、ある図書館関係者は話す。すでに、全国の図書館関係者による組織である日本図書館協会や図書館問題研究会では、武雄市の構想を問題視し、阻止のための行動を準備中だという。
一方で、樋渡市長は高木氏にブログで「公開討論をやろう」と呼びかけたり、「(氏とのTwitterでのやりとりなどを)あなたがリツイートした内容も含めて上司に報告し判断をしてもらいますし、多くの国会議員にその内容を報告します」とツイートしたり、騒動は単に図書館の問題を超えて、妙な方向へ展開している。少なくとも、2006年に誕生したばかりの無名な自治体が全国的に注目を集めているのは確か。これは、新手の炎上マーケティングなのだろうか。
(取材・文=昼間たかし)
「ニトロプラス」代表・でじたろう氏講演会が天下の東京大学で開催予定!

※イメージ画像 photo by sir.Kir from flickr
これも学術研究の一環なのか? R-18ゲーム(要はエロゲー)の枠を超えた、アニメ・漫画・小説へのメディアミックス展開で注目される制作会社「ニトロプラス」の代表・小坂崇氣(でじたろう)氏の講演会が5月20日、東京大学本郷キャンパスの五月祭にて予定されている。
東京大学五月祭は、1923(大正12)年から続く伝統あるアカデミックな学園祭だ。その中で、今オタク文化のもっとも熱い部分に注目した講演を企画したのは、東京大学大学院情報学環教育部自治会コンテンツゼミ(通称:コンテンツゼミ)。このゼミは東京大学の学生を中心に、他大生や社会人なども参加して行われている自主ゼミのひとつ。2010年には、とんでもない展開やエンディング、テレビアニメ版の最終話放送中止事件によって話題となったPCゲーム『School days』で知られる、ゲームブランド・Overflow代表のメイザーズぬまきち氏を講演に招いたことでも注目を集めた組織である。
同ゼミの代表である佐藤寿昭君は、今回の講演会の目的を次のように話す。
「従来、18禁作品と全年齢向け作品は別の言語や文法、システムで成り立つものだと考えられていました。一部の作品では、それを越境するものもありましたが、ニトロプラスはさらにその先に進んで、新たなジャンルを創造していると思います。日本国内から国外への市場の拡大をにらんで、今まさに変容しつつあるコンテンツ業界の姿を、より深く考えるためにも、ぜひお話を聞きたいと思ったんです」
コンテンツ業界の「現在」をより深く考察すべく、当日は小坂氏の講演の後に「ねんどろいど」でフィギュアの新たな可能性を創出し、「痛車」でのラリー参戦でも注目を集める「グッドスマイルカンパニー」代表の安藝貴範氏と、「TECH GIAN」「ジャイアニズム」(ともにエンターブレイン)編集長の大村正明氏も登壇し、コンテンツ業界の状況について、それぞれの立場から討論を行っていく予定だ。
栄華を誇るかに見える日本のコンテンツ産業だが、市場規模は07年の13兆2,450億円をピークに縮小が続く。最新のデータである10年の市場規模は12兆641億円、震災の影響により11年はさらに落ち込み、今年になりようやく回復しつつあるといったのが実態だ。ゆえに、既存の市場に止まることなく新たな展開を考えねば、先細りするしかない。これからを担っていく業界志望の学生から、新展開を模索する実務者まで意義のある催しになりそうだ。
この講演会は入場無料で当日券も準備しているが、予約なしの場合は立ち見になる可能性が高いので予約推奨とのこと(予約は告知サイトより)。予約申込みの際には、事前に質問したい事項も記入でき、当日の講演に反映されるようなので、この機会に聞きたいことをすべて聞いておきたいものだ。
なお、五月祭一日目の5月19日には、同じくコンテンツゼミ主催で放映中のテレビアニメ『謎の彼女X』の制作陣を招き、「謎の五月祭X」というイベントも開催されるとのこと。こちらも要注目である。
<イベント案内>
ニトロプラス代表 小坂崇氣(でじたろう)氏講演会
日時:2012年5月20日(日)13:00~(開場 12:30)
場所:東京大学本郷キャンパス 工学部5号館52番教室
入場無料・予約者優先
告知・予約サイト:
<http://iii-edu.org/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=27>
主催:
東京大学大学院情報学環教育部自治会コンテンツゼミ/コンテンツ文化史学会学生部会
アニメ博物学実践(Nafia)
<http://iii-edu.org/>
インド映画はすごいんど! 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!!

映画大国インドからやって来た、
超ミラクルお祭りムービー『ロボット』。浮世の憂さを
きれいさっぱり洗い流してくれます。
「インドに行くと人生観が180度変わる」という言葉は本当だった。インドへ行かずとも、世界興収100億円のメガヒットを記録したインド映画『ロボット』を観るだけで、映画の文法だとか映画的リアリティーだとかを気にする映画マニアの固定観念はガラガラドッシャ~ンとぶっ壊されてしまう。まさに、インド映画はすごいんど! 『ロボット』の主演は、インドの誇る“スーパースター”ラジニカーント。1990年代のミニシアターブーム体験者には懐かしい『ムトゥ 踊るマハラジャ』(95)のラジニ兄貴は御年62歳ながら、まだまだヨガパワーで健在だ。ヒロインはミス・ワールド国際大会での優勝歴を持つ世界一の美女アイシュワリヤー・ラーイ。でもって『ターミネーター』(84)シリーズで知られるハリウッドきってのCG工房スタン・ウィンストン・スタジオ(現レガシー・エフェクツ)がSFXとロボットパートを担当。年間の映画製作本数が1000本を越える映画大国インドの底力とハリウッドの最先端技術が化学融合したミラクルムービーなのだ。
歌って踊って恋をして……というインド娯楽映画の伝統を、『ロボット』はIT大国でもあるインドの世情を反映して、超ハイテックにアレンジ。だが、物語は極めてシンプル。天才科学者バシー博士(ラジニカーント)は10年の研究の末に画期的な高性能ロボット・チッティ(ラジニカーント2役)を完成させる。科学委員会の承認を得るため、バシー博士はチッティに善悪の判断ができるように細やかな感情をインプット。ところが人間と同じ感情を持つようになったチッティは、バシー博士の恋人サナ(アイシュワリヤー・ラーイ)に横恋慕。自分は年老うこともなく、永遠にサナを愛し続けると誓うチッティ。ここに超メタル仕様かつベタな恋愛三角バトルが勃発する。でも、なんでこんなシンプルな物語で、世界興収100億円を越える大ヒット作となったのか?

結婚を控えたバシー博士(ラジニカーント)と
医大生のサナ(アイシュワリヤー・ラーイ)。
実年齢でラジニ62歳、アイシュ38歳ですが、
映画の世界では年齢は関係ありません。
物語に目新しさはなく、その上、『ターミネーター』や『トランスフォーマー』(07)といったハリウッド大作から、綾瀬はるか主演の珍作『僕の彼女はサイボーグ』(08)までどこかで見たようなデジャヴ感のあるシーンが満載。『ロボット』はパクり映画なのか? いや、違う。アイデアに枯渇したハリウッドや日本映画が人気コミックやTVドラマに題材を求めた安易な映画もどきや過去のヒット作の焼き直しを粗製濫造しているのに対し、『ロボット』はあらゆる映画の名シーンやアイデアを貪欲に取り込んだ上で、観客を徹底的に楽しませることに奉仕した尋常ならざるサービス精神で貫かれている。画期的なロボット・チッティが世界各国で開発された部品や回路を組み合わせて誕生したように、映画『ロボット』も古今東西のエンターテイメント映画の粋を集めた結晶体なのだ。
そして、何よりも重要なことは、アイデアはあくまでもドラマを生かすためのツールであること。様々なSFロボット映画の要素を取り入れながらも、タイトルロールであるロボットのチッティは人間の言うことはすべて受け入れるイノセントな天使、そして正義のヒーロー然とした存在から、生身の女性を愛してしまったことから支配欲に突き動かされて大暴走を始め、殺戮マシンへと大変貌を遂げる。クライマックスでは、巨大で邪悪な“破壊神”にまで変わり果てる。自分勝手で嘘つきな人間を愛してしまったこの機械人形の愛の深さとそれゆえの暴走ぶり、そしてチッティが愛する者へ投げ掛ける最後の言葉が、観る者のハートを揺さぶる。

ダンスだけでなく、アクションシーンも極力、
ラジニ本人がやったとのこと。ヨガと食生活の
改善で大復活。さすが、インドのスーパースター。
SFもののお約束を逆手にとった展開もお見事だ。SFロボットもので必ず触れられるのが、SF作家アイザック・アシモフが提唱した「ロボット三原則」。ロボットは人間に危害を加えてはならない、人間の命令に従わなくてはならない、自分を守らなくてはならないというもの。『鉄腕アトム』をはじめロボットものはすべてこの大原則が前提となっているが、バシー博士が「チッティにはロボット三原則をプログラムしていませ~ん」と高らかに宣言するくだりは目からウロコ。バシー博士がチッティを開発したのは、何とロボットをインド軍に採用してもらうためだったのだ。ロボットでインド軍を編成すれば、インド兵は血を流さなくて済むというのがバシー博士の言い分。このオッサン、主人公のくせにマッドサイエンティストだよ。どこまでインド映画はフリーダムなんだ。あらゆる固定観念から解放してくれる無軌道な奔放さが、本作にはある。
こんなにも自由さとエネルギッシュさに溢れた傑作インド映画の日本公開を決めたのは、配給会社アンプラグドの代表・加藤武史さん。アンプラグドは社員数5人という小さな会社だが、大手配給会社ではないからこそ『ロボット』を買い付けることができたようだ。
加藤 「『ロボット』を初めて観たのは2011年の春先。その年の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」に出品が決まったと聞いて、YouTubeで予告編を見たんです。とんでもない予告編で、一発でクギ付けになりました。『ムトゥ』以降、日本ではまったくインド映画は当たってないことは知っていましたが、これはもう日本で公開するしかないと即決(笑)。当然、日本でも他の大手配給会社も動いて、5社が手を挙げたんです。でも、インド映画は契約するのが非常に面倒。インドって言語が14に分かれていて、『ロボット』はタミル語とヒンディー語の2バージョンあり、それぞれ上映時間が169分、177分と異なり、他国ではありえないことですが、著作権が別々になっているんです。さらに問題があって、インドは映画業界、政界、裏社会の繋がりが強いんです。それで『ロボット』の製作会社の重役たちがみんな、政界の汚職事件に連座して刑務所送りになってしまい、製作側の担当者が不在(苦笑)。そういう状況だったので、他の配給会社は諦めてしまった。多分、あまりにリスキーなので、会議でまとまらなかったんでしょうね。その点、うちの会社は少人数ですから、ボクが「買う」と決めればOK。インドの代理人を通して、タミル語とヒンディー語の2バージョンを両方とも購入することにしたんです」

こちらは後半、ワルボット化したチッティ。
日本版ではミュージカルシーンを2曲分カット
したけど、後半の怒濤の大バトルシーンは
ノーカットなのだ。
インディペンデント系の配給会社ながら、2バージョンとも買ってしまうとは何とも豪気ではないか。ここらへんのフレキシブルな判断と粘り強い交渉によって『ロボット』を日本に呼び寄せることに成功した。これも一種のミラクルストーリー。
加藤 「最初は物すごい金額を提示されたんです。そこは交渉ですね。契約が成立しなければ、向こうもお金が入らないわけですし。それと『ムトゥ』のヒット以降、日本ではインド映画は存在しないも同然になっていたので、『ロボット』を日本でもヒットさせることで、他のインド映画も公開できるようにしたいと説明して理解してもらったんです。半年間にわたって辛抱強く交渉を続けることで、最初の提示額の1/10の金額で購入できたんですよ(笑)」
1/10のプライスダウンって、一体どれだけインド経済は自由なんだ? 加藤さんのお話を続けると、『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)や『キック・アス』(10)といったコメディ映画が日本でもヒットしたことにも背中を押されたとのこと。これまで日本では洋画のコメディは当たらないという常識が配給関係者の頭にあったが、『ハングオーバー!』『キック・アス』が口コミでヒットしたことから見ても、日本の映画マーケットは変化しつつあると加藤さんは感じている。
加藤 「30~40代のコアな映画層にまず『ロボット』の面白さをきちんと知ってもらい、20代の若い層へと広めていきたい。“マサラ・システム”と呼ばれているんですが、インドの映画館では、公開初日は暴動が起きたんじゃないかと思うくらいスゴい熱気なんです。劇場内でクラッカーが鳴るわ、上半身裸で踊り出す人もいるわ(笑)。『ロボット』の日本での前夜祭には、インド人を仕込んで盛り上げようと思っています。『ロボット』がきっかけで、日本でもエンターテイメント映画の楽しみ方が変わってくると面白いですね」
今後の日本映画の在り方にも大きな影響を与えそうな『ロボット』。常識破りな本作を観た後、あなたはこうつぶやくだろう。インド映画はすごいんど!
(文=長野辰次)
『ロボット』
監督/シャンカール 音楽/A・R・ラフマーン アニマトロニクス&特殊効果/スタン・ウィンストン・スタジオ スタント/ユエン・ウーピン 出演/ラジニカーント、アイシュワリヤー・ラーイ 日本版上映時間/139分 配給/アンプラグド 5月12日(土)より渋谷TOEIほか全国ロードショー <http://robot-movie.com>
(C)2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX
[第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』
[第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』
[第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』
[第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』
[第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史
[第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』
[第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』
[第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン!
[第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』
[第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』
[第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』
[第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』
[第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』
[第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』
[第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』
[第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』
[第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』
[第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』
[第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』
[第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決!
[第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』
[第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化
[第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』
[第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』
[第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」
[第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪
[第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』
[第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』
[第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い
[第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』
[第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』
[第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』
[第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き!
[第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』
[第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』
[第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』
[第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』
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[第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』
[第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』
[第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』
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[第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸
[第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』
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[第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』
[第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』
[第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』
[第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』
[第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』
[第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』
[第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦
[第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』
[第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』
[第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』
[第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』
[第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像"
[第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代
[第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』
[第105回] キレ味、喉ごしが違うアクション! 黒帯美少女の"涙拳"が炸裂『KG』
[第104回] 高齢化するニートはどこに行くのか? "戸塚校長"のその後『平成ジレンマ』
[第103回]堀北真希&高良健吾主演作『白夜行』闇に生きる"影男"の密やかなる喜び
[第102回]園子温の劇薬ムービー『冷たい熱帯魚』"救いのない結末"という名の救い
[第101回] NHKが放映しない"裏プロジェクトX" AV界のカリスマ監督『YOYOCHU』
[第100回]エロスとタブーを交配した"至高の美女" 禁断のサイエンスホラー『スプライス』
[第99回]2010年に活躍した女優を勝手に表彰! 満島ひかりに"面倒くさい女"大賞を
[第98回]大人だって"ドラえもん"にいて欲しい 残念男の逆転劇『エリックを探して』
[第97回]平凡な高校生デイヴは2度変身する!原点回帰のヒーロー『キック・アス』
[第96回]村上春樹の超絶ベストセラーの映画化『ノルウェイの森』はどこにある?
[第95回]実在した"奇妙な高額バイト"の顛末 心理サスペンス『エクスペリメント』
[第94回]"アル中"カメラマンの泣き笑い人生『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』
[第93回]朝ドラと異なる映画『ゲゲゲの女房』ゴールなき"貧乏耐久"2人3脚走
[第92回]バラエティーでの実績は通用するか? テリー伊藤の初監督作『10億円稼ぐ』
[第91回] 不謹慎なる社会派エンタテイメント『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』
[第90回]"世界のナベアツ"大阪府知事に就任! 政治コメディ『さらば愛しの大統領』
[第89回]自分の恋愛もプロデュースする女優、ドリュー・バリモア主演『遠距離恋愛』
[第88回]スタローンが立ち上げた"筋肉共和国"男たちの祭典『エクスペンダブルズ』
[第87回]元"おはガール"安藤聖の再起動ドラマ 就職氷河期を生きる『バカがウラヤマシイ』
[第86回]マイノリティーは"理想郷"を目指す。筒井文学の金字塔『七瀬ふたたび』
[第85回]清純派・佐藤寛子が美しく"変態"! 官能サスペンス『ヌードの夜──』
[第84回]死を意識して、ギラギラ輝く男たち! 三池節、大バクハツ『十三人の刺客』
[第83回] 女を食い物にする男どもは全員処刑! モダン社会の闇を暴く『ミレニアム』
[第82回] "企画AV女優"たちの青春残酷物語 性なる鎮魂劇『名前のない女たち』
[第81回]猫を見れば、人間社会が見えてくる! 世界の人気猫大集合『ネコを探して』
[第80回]原恵一監督の新作は辛口ファンタジー 退屈な"日常生活"を彩る『カラフル』
[第79回]米軍に実在した"超能力部隊"の真実!? ムー民、必見『ヤギと男と男と壁と』
[第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』
[第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』
[第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ
[第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』
[第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』
[第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』
[第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張
[第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』
[第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』
[第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』
[第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』
[第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼!
[第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』
[第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ
[第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』
[第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』
[第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか?
[第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ!
[第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』
[第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』
[第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』
[第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』
[第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』
[第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』
[第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は?
[第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』
[第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』
[第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
[第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』
[第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』
[第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』
[第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化
[第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』
[第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』
[第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』
[第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは?
[第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』
[第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』
[第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』
[第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』
[第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』
[第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』
[第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』
[第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』
[第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』
[第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』
[第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』
[第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』
[第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇
[第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』
[第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』
[第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』
[第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊!
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[第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』
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