驚きと発見の連続!? ツウな大人の社会科見学『TOKYO 研究所紀行』

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『TOKYO 研究所紀行』(玄光社)
 “大人の社会科見学”がブームになって久しい。食品工場やビール工場にはじまり、日清の「カップヌードルミュージアム」のようなテーマパークがオープンするなど、とくに身近なメーカーものが人気を集めている。そんな中、あまり一般的には知られていない穴場スポットがあるのをご存じだろうか。それは、研究所だ。研究所と聞くと、無機質な部屋の中で、白衣を着た研究者たちが液体が入った試験管を振って反応を調べたり、最先端の装置を使って小難しい研究をしているというイメージがあるかもしれないが、実は実際に訪れ、見学することができる施設もあるのだ。  そんな研究所の魅力を、写真と紀行文で紹介するガイドブックが『TOKYO 研究所紀行』(玄光社)だ。研究所といっても、地球や環境の研究から、生命、宇宙、最新テクノロジーなど、そのテーマはさまざま。一見、私たちのくらしと関係のないことのように思えるかもしれないが、それは大間違い。私たちのくらしをよりよいものにするため、あるいは、限りある資源を有効に活用し、未来の子どもたちへ残すために重要な研究ばかりだ。   たとえば国立環境研究所(茨城県つくば市)では、地球環境、資源循環・廃棄物、環境リスク、地域環境、社会環境システムなど8分野を柱に、最新設備と専門知識を駆使した研究が30年以上にわたって続けられている。東日本大震災で津波を受けた木屑の焼却実験を行ったのも、この施設だ。汚染物質が生命に与える影響などについても研究されており、メダカやファットヘドミノー、ヌカエビのほか、一生かかってもお目にかかれないであろう種類と量のミジンコなどが飼育されているという。また、700種2,000株を超える藻類には魅了されること間違いなし。  また、長年に渡りあらゆる研究分野をリードしてきた東京大学の総合研究博物館(東京都文京区)は、300万点以上の学術標本を収蔵。研究部には多くの研究者が所属し、日々世界レベルの研究を進めている。さらに、ここの特徴は、博物館活動そのものも研究されているという点。常設展「キュラトリアル・グラフィティ 学術標本の表現」では古人骨にはじまり、貝塚からの出土品、縄文人の全身骨格のほか、80冊の標本資料報告集もオブジェとして展示。時代時代の最先端研究を追体験することができる。  本書には上記のような研究所の紹介に交え、研究所にゆかりのある学者や大学教授らのコラムも寄稿されているが、ベストセラー『生物と無生物のあいだ』(講談社現代新書)で知られる生物学者の福岡伸一氏は自身が学者になった理由について、次のように書いている。  昆虫少年だった福岡氏はある日、台風で横倒しになった大木に、野外でも図鑑でも見たことがない小さな虫が貼りついているのを発見する。図書館で調べられるあらゆる図鑑を調べたが、どこにも載っていない。「これは新種の発見では?」と高鳴る胸を抑え、その虫を入れた小瓶を握りしめて上野の国立科学博物館に持ち込んだ。親切な係員の誘導でバックヤードに通され、詳しい先生に見てもらえるという。その先生こそ、日本の昆虫学の権威・黒澤良彦氏だったのだが、黒澤氏はその虫を虫メガネでしばらく調べてから、こう言ったという。「これはありふれたカメムシの幼虫です」。しかし、福岡少年はがっかりするどころか、“虫の研究を職業としている人がいる”という大発見に興奮し、そしてこれが研究者を目指すきっかけになった、と。  研究所は、「知らないものを見てみたい」という私たちの好奇心に対し、広く門戸を開いてくれている場所でもある。研究所見学を通して、今まで知らなかった世界や少し先の未来に触れることで、世の中の見方が少し変ってくるかもしれない。

リドリー・スコット監督の集大成! “人類史上最大の謎”に迫るSF超大作『プロメテウス』

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(C) 2012 Twentieth Century Fox Film 
 例年にも増して大作、秀作、話題作が続々と封切られた今年の夏休み興行も終盤を迎え、いよいよ大トリにふさわしいSF超大作が登場する。『エイリアン』(79)、『ブレードランナー』(82)というSF映画史に残る2大傑作を手がけた巨匠、リドリー・スコット監督が満を持して放つ『プロメテウス』だ(8月24日公開、2D/3D上映)。  世界各地の古代遺跡で、彼方の星座を指し示す巨人の壁画が見つかった。壁画は「人類の創造主からの招待状」との仮説を立てたエリザベス(ノオミ・ラパス)ら科学者チームは2093年、宇宙船プロメテウス号で未知の惑星に到着。荒涼とした大地にドーム状の巨大建造物を発見した乗組員らは、内部の洞窟のような通路を進んだ末、異様な光景を目にして驚愕する。“人類の起源”を探求するミッションで重要な手がかりを得た彼らだったが、それは想像を超える存在がもたらす恐怖と、絶望的な戦いの始まりだった……。  当初『エイリアン』4部作の前日譚として企画が立ち上がったが、スコット監督が準備段階で方針を変更し、同シリーズの世界観やイメージを取り入れつつ新たな物語として創り上げた本作。シガニー・ウィーバーがリプリー役で確立した“受難に立ち向かうヒロイン”の系譜は、『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(10)に始まる3部作のパンクな天才ハッカー役でブレイクしたノオミ・ラパスに引き継がれた。プロメテウス号による探索プロジェクトに出資した巨大企業は、シリーズのファンならご存じの「ウェイランド社」。同社の密命を受けたヒューマノイドのデヴィッド(マイケル・ファスベンダー)は、『エイリアン』のように乗組員らを苦しめるのか、それとも『エイリアン2』(86)のようにヒロインを助けるのか。  『エイリアン』シリーズのイメージをビジュアル面で決定づけた鬼才、H・R・ギーガーのデザインが本作でも使用され、建造物内の壁画など新たに描かれた部分も。有機体と機械が融合したかのような独特の造形が、スコット監督自身初となる3D映像により圧倒的な迫力で眼前に広がる。旧シリーズの“エイリアンとの戦い”から、“人類はどこから来たのか”へとスケールアップしたテーマは、スタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』(68)にも通じる(同作への目配せを思わせるシーンもちらほら)。予測できない展開とスペクタクルな場面の連続で、予備知識がなくても十分楽しめる映画だが、やはり旧シリーズを復習しておいたほうが細部まで堪能できるだろう。過去の名作SFの記憶をも内包するかのような壮大な世界観に立ち、新たな叙事詩の始まりを予感させる本作は、ぜひ劇場の大スクリーンで“体験”することをオススメしたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『プロメテウス』作品情報  <http://eiga.com/movie/57474/>

連載打ち切り、単行本化なしの作品も続出か? 「日刊サイゾー」が東京都青少年健全育成審議会に登場!

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「東京都青少年・治安対策本部」より
 8月6日に開催された、第626回東京都青少年健全育成審議会の議事録が公開され、委員から報告として、本サイトの記事が示されたことが明らかになった(http://www.seisyounen-chian.metro.tokyo.jp/seisyounen/09_622_menu.html#626)。  取り上げられたのは、7月にアップされた「危機感ゼロの無知すぎるマンガ編集者が、新たな規制を呼び込む!? 東京都『不健全図書』の最新事情」(※記事参照1)と「『非実在青少年』騒動はなんだったのか? “消していれば大丈夫”という判断をした青林堂の甘さ」(※記事参照2)の2つの記事だ。  議事録は、都庁などの行政関係職員を除き名前は伏せて公表されるため、発言者は明らかでない(なお「日刊サイゾー」の部分と執筆者の「昼間たかし」の部分も黒塗りである)が、不健全図書が指定された後に、そのほかの報告として述べられたものである。 <先日、■ ■ ■ ■ というインターネットの中にある週刊誌みたいなものですけれども、その中に■ ■ ■ ■ さんという方の記事が載ってるんですね。その■ ■ ■ ■ という方は、もともと、いわゆる条例改正のときには反対派のほうに立って論陣を張ってた方ですけれども、その方が、あまりにも今の漫画の編集者の方々が無知過ぎて、このままだと、またさらに規制が強化されてしまうぞ、というような趣旨での文章を書いている>(議事録より)  前出の2本の記事で取り上げた、7月に不健全図書指定を受けた青林堂の『なぶりっこ マリカとアキコ』に関する内容を説明し、次のように続ける。 <東京都も、何度となく出版業界とも話をして、どこのポイントが規制の対象になるのか、という話をしているにもかかわらず、修整だけすればいいんだという発想で、出版をしている編集者がいまだにいっぱいいると。これは、毎度毎度業界関係者からの聴き取り内容を見ると、「修整してるからいいじゃないか」みたいな人たちがたくさんいるんで、ここはちょっと考えなきゃいけないな>  さらに同記事で取り上げた、双葉社が年通算6回の不健全図書指定を回避するために、指定を受ける可能性のある単行本を系列のエンジェル出版に移行したことも取り上げられている。 <要するに、確信犯的にやってる会社がやっぱりあるんだ、ということが分かるんですねね、これの措置によって。これは出版ゾーニング委員会でも再三問題になってるらしいんですよ、■ ■ 自身の危機感のなさというのが。倫理協議会の中の出版ゾーニング委員会でも、警告を結構やってるらしいんですが、業界の関係者の人たちも、それは思ってるんだけども、■ ■ は全くそれを意に介さない、というようなことをやってる>  ここでは伏せ字になっているが、明らかに双葉社を名指しで批判したことが見て取れる。指定回数がリーチに達する前に系列社に出版元を移して、アウトになるのを裂けようとしている出版社側の手の内が、完全にバレてしまった格好だ。 「双葉社をはじめとして、18禁マークなしのエロ要素強めのマンガを出版する各社も、“そろそろこれまでの方法は通用しない”と考えているようです。というのも、議事録にも掲載されているように、出版倫理協議会の出版ゾーニング委員会が再三にわたって問題視しているにもかかわらず方針を改めないことに対して、さまざまな出版社から相当厳しい批判が寄せられているのです。双葉社だけでなく、見た目の指定回数を減らすために系列に出版元を移す出版社はいくつかありましたが、そうした社も含めて“今までの逃げ方じゃ通用しない”と、ここにきてようやく深刻に受け止め始めているようですね」(業界関係者)  こうした状況を東京都では、どう見ているのか? 「双葉社さんから事実関係を聞いているわけではありませんので、明確なお答えはできませんが、(私見として)出版元を移す行為がただちに脱法行為になるとは見ていません。あくまで別の出版社から出版されているわけですし、ただちに何かの対策を取ることは考えていません。各出版社で自主的に基準を決めていただくのが最もよいのですが、各社で温度差があると思いますので、業界団体で自主規制していただくのがよいのではないでしょうか」(都青少年課の佐藤久光課長)  東京都はまだ静観の構えだが、出版業界内部では「いくらなんでも、やりすぎ……」という意見が強い。明確な証言はないが、双葉社では、単行本にした場合にエロページが多くなりすぎる(指定される可能性が強まる)いくつかの雑誌連載を打ち切るというウワサもある。結局、編集部が自分たちで過激な表現に歯止めをかけられないために、会社の上層部が介入せざるを得ないという事態になってしまっているようだ。編集者もマンガ家も、こんな事態を巻き起こしてまで表現したいものがあったのだろうか……? (取材・文=昼間 たかし)

新ジャンル? 「不憫萌え」の女王・高垣彩陽の演技が光る話題作『ソードアート・オンライン』

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『ソードアート・オンライン』公式サイトより
 多くの声優が活躍する百花繚乱のアニメ業界だが、その中でもひときわ光を放っている声優が高垣彩陽だ。誤解を恐れずにいうなら、彼女こそ、現在の若手声優の中で最も「不憫な役が似合う声優」である。  普段は気丈に振る舞っているが、その気の強さゆえに本心をさらけ出すことができず、つらいことがあっても周りに気を使って「大丈夫だよ」と無理に笑顔を作って言ってしまう。そんなナイーブで優しいけれど、なぜか報われないキャラクターを演じさせれば彼女の右に出る者はいない。これまでに彼女が演じた役を振り返っても、『機動戦士ガンダム00』のフェルト・グレイス、『みつどもえ』の丸井みつば、『Fate/Zero』のシャーレイ、『機動戦士ガンダムAGE』のデシル・ガレットなど、男女問わず、なぜかハズレくじを引いてしまう不憫なキャラクターが非常に印象深かったりする。  そんな彼女ならではの不憫萌え演技が炸裂したのが、今クールの話題作『ソードアート・オンライン』第7話「心の温度」である。  この作品で高垣が演じるのは、架空のオンラインRPGの世界で鍛冶屋を営む少女・リズベットだ。ゲーム世界に囚われてしまったプレイヤーのために武器を作ることを生業としている彼女は、主人公・キリトとともに強力な武器の素材を手に入れるためにドラゴンの巣に挑む。当初はキリトに対してツンツンしていたリズベットだが、道中でのやりとりやドラゴンとのバトルを通じてキリトに惹かれていく。そして、キリトに「好きだ」と告白したり(ただし、大事な時に肝心のセリフが聞き取れないという、定番の逆地獄耳が発動しキリトには伝わらず)、「専属のスミス(鍛冶職人)にしてくれ」とお願いしたりと、リズベットは熱烈なアプローチを繰り出すも、親友のアスナがキリトといい雰囲気であることを察知。「そうか」と納得した彼女は、無理に笑顔を作って「悪い人じゃないわね。応援するわ」とあえておどけてその場から去ってしまうも、外で泣いているところをキリトに発見されてしまう。  自身の恋心に気付いたそばから早々に身を引いてしまうことになるわけだが、ここで高垣による不憫力がいかんなく発揮される。「大丈夫」と涙をこらえつつ気丈に振る舞うリズベットの健気な姿を見ていると、「全然大丈夫じゃないじゃん!」と思わず抱きしめたくなること請け合いである。不憫かわいいよ、リズベット。  このように、決して報われることのないかわいそうなキャラクターを多く演じている印象の強い高垣だが、それでもキャラクターに卑屈さや必要以上の暗さを感じさせないのは彼女の演技力もさることながら、自身の性格的な部分によるところも多いのだろう。参加する声優ユニット・スフィアのコンサートでは、小さい体をフルに使って力強いパフォーマンスを見せ、PVなどではクルクルと表情を変えて我々を楽しませてくれる。  暗いニュースに意気消沈しがちな今日この頃の日本だが、そんな時代だからこそ、どんな状況でも明るく振る舞う彼女のような存在にファンも癒やされているのかもしれない。そして、そんな彼女だからこそ、どんなに不憫なシチュエーションでも決して屈することのないキャラクターを演じることが可能なのだろう。まるでパンドラの箱の底に残っていた最後の希望のような存在である高垣彩陽こそ、「不憫萌えの女王」なのだ。  さて今後のリズベットだが、原作ではこのエピソード以降もイチャイチャぶりを見せ付けるキリトとアスナの脇で不憫キャラを貫くということで、高垣の演技にも期待大である。 (文=龍崎珠樹) ■バックナンバー 【第19回】「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場 【第18回】「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在 【第17回】美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』 【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線 【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い! 【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり 【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声 【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ 【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』 【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号 【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは? 【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情 【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー 【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!? 【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

目指すは京都の伝統とのコラボ!「京都国際マンガ・アニメフェア2012」

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「京都国際マンガ・アニメフェア2012」公式サイトより
 この秋、京都が熱い。京都市が主催する「京都国際マンガ・アニメフェア2012」が、9月21日から3日間の予定で開催される。  声優・水樹奈々が平安神宮で奉納公演を行うことで注目を集めているこのイベントだが、それ以外にも注目ポイントは多い。京都には、日本初の「マンガ学部」を擁する京都精華大学や、同大学と京都市によって設立された日本初の施設「京都国際マンガミュージアム」もある。アニメ制作会社・京都アニメーションも、もはや知らぬ人はいない存在だ。今年からは京都市の事業としてマンガ家を育成する「京都版トキワ荘」も展開している。  そんな都で開かれる西日本最大級の総合見本市が、このイベントだ。  フェア当日のイベントはもちろん見物だが、京都市はビジネスデーにも大きな期待をかけている。目的は、京都の地場産業とマンガ・アニメとのコラボ商品を生み出すことだ。 「ビジネスマッチングは、フェア開催の大きな目的のひとつです。マンガ・アニメファンの皆さんの定着も大切ですが、京都の企業が製造・販売している製品と、マンガ・アニメをどれだけコラボさせられるかも、成功の大きなカギになると思っています」  こう話すのは、京都市のコンテンツ産業振興課長・草木大さんだ。現在、日本酒や菓子を使った製品サンプルが作られているが、まだまだ不足気味の様子。ただ、最低でも3年はこのイベントを継続する予定なので、今回のフェアをきっかけに、来年には数多くのコラボ商品が並んでいることを期待したいところだ。  言うまでもなく、京都には長い歴史を誇る老舗が当たり前のように軒を連ねている。そうした商品とマンガ・アニメがコラボすれば、何か新しい未来が開けるのは間違いない。ちなみに、このイベントには門川大作京都市長が非常に力を注いでいるそうで、ビジネスをする場合、行政からの支援も受けやすいという部分もある。 「理想的なのは、国内だけでなく海外にも発信できる商品を生み出すことです。いま“京都のもんです”と持っていっても、価値があるものとすぐにわかるのは欧米の一部に過ぎません。マンガやアニメとコラボした商品をきっかけとして、京都産の品々の価値を知ってもらえればと思っています」(草木さん)  経済産業省が行っている「クールジャパン」関連の事業でも、海外ブランドと日本の伝統工芸のコラボを推進する動きがある。これは「輪島塗とルイ・ヴィトン」「加賀縫とフェンディ」といった形で、かけ算で新たな製品の魅力を創り出そうというものだ。同じようなやり方で、京都の伝統工芸とマンガ・アニメのコラボも可能なのではなかろうか。いまや、「エヴァと日本刀」コラボが行われている時代である。京都には、コラボすれば信じられない価値を生み出す可能性を秘めた伝統工芸が数多く眠っているハズだ。 (取材・文=昼間 たかし) 「京都国際マンガ・アニメフェア2012」 日時: ビジネスデー 2012年9月21日(金) 12:00~17:00 パブリックデー 2012年9月22日(土)  9:00~17:00 23日(日)  9:00~15:00 開催場所: 京都市勧業館(みやこめっせ)ほか <http://kyomaf.jp/>

目指すは京都の伝統とのコラボ!「京都国際マンガ・アニメフェア2012」

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「京都国際マンガ・アニメフェア2012」公式サイトより
 この秋、京都が熱い。京都市が主催する「京都国際マンガ・アニメフェア2012」が、9月21日から3日間の予定で開催される。  声優・水樹奈々が平安神宮で奉納公演を行うことで注目を集めているこのイベントだが、それ以外にも注目ポイントは多い。京都には、日本初の「マンガ学部」を擁する京都精華大学や、同大学と京都市によって設立された日本初の施設「京都国際マンガミュージアム」もある。アニメ制作会社・京都アニメーションも、もはや知らぬ人はいない存在だ。今年からは京都市の事業としてマンガ家を育成する「京都版トキワ荘」も展開している。  そんな都で開かれる西日本最大級の総合見本市が、このイベントだ。  フェア当日のイベントはもちろん見物だが、京都市はビジネスデーにも大きな期待をかけている。目的は、京都の地場産業とマンガ・アニメとのコラボ商品を生み出すことだ。 「ビジネスマッチングは、フェア開催の大きな目的のひとつです。マンガ・アニメファンの皆さんの定着も大切ですが、京都の企業が製造・販売している製品と、マンガ・アニメをどれだけコラボさせられるかも、成功の大きなカギになると思っています」  こう話すのは、京都市のコンテンツ産業振興課長・草木大さんだ。現在、日本酒や菓子を使った製品サンプルが作られているが、まだまだ不足気味の様子。ただ、最低でも3年はこのイベントを継続する予定なので、今回のフェアをきっかけに、来年には数多くのコラボ商品が並んでいることを期待したいところだ。  言うまでもなく、京都には長い歴史を誇る老舗が当たり前のように軒を連ねている。そうした商品とマンガ・アニメがコラボすれば、何か新しい未来が開けるのは間違いない。ちなみに、このイベントには門川大作京都市長が非常に力を注いでいるそうで、ビジネスをする場合、行政からの支援も受けやすいという部分もある。 「理想的なのは、国内だけでなく海外にも発信できる商品を生み出すことです。いま“京都のもんです”と持っていっても、価値があるものとすぐにわかるのは欧米の一部に過ぎません。マンガやアニメとコラボした商品をきっかけとして、京都産の品々の価値を知ってもらえればと思っています」(草木さん)  経済産業省が行っている「クールジャパン」関連の事業でも、海外ブランドと日本の伝統工芸のコラボを推進する動きがある。これは「輪島塗とルイ・ヴィトン」「加賀縫とフェンディ」といった形で、かけ算で新たな製品の魅力を創り出そうというものだ。同じようなやり方で、京都の伝統工芸とマンガ・アニメのコラボも可能なのではなかろうか。いまや、「エヴァと日本刀」コラボが行われている時代である。京都には、コラボすれば信じられない価値を生み出す可能性を秘めた伝統工芸が数多く眠っているハズだ。 (取材・文=昼間 たかし) 「京都国際マンガ・アニメフェア2012」 日時: ビジネスデー 2012年9月21日(金) 12:00~17:00 パブリックデー 2012年9月22日(土)  9:00~17:00 23日(日)  9:00~15:00 開催場所: 京都市勧業館(みやこめっせ)ほか <http://kyomaf.jp/>

涼感効果もバツグン!? 極寒の地・アラスカで生死をさまようサバイバル『THE GREY 凍える太陽』

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(C) 2011 The Grey Film Holdings, LLC.
 今週紹介する新作映画は、ゾクゾク来る極寒のサバイバルを描いたハリウッド製アクションと、維新の時代に流浪人となった剣客が熱く闘う和製活劇。一見、好対照な2本だが、いずれも「生きるとは、命とは」と観客に問いかけてくる作品だ。  8月18日公開の『THE GREY 凍える太陽』は、主演リーアム・ニーソン、監督ジョー・カーナハン、製作リドリー&トニー・スコットという『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(10)の体制で挑んだサバイバルアクション。石油採掘現場の作業員たちを野生動物の攻撃から守るため、射撃手として雇われているオットウェイ(ニーソン)は、最愛の妻に去られた後生きる意味を見失っていた。そんな彼と作業員らを乗せた飛行機が吹雪に遭い、アラスカの雪山に墜落。生き残ったオットウェイと6人の男は、極寒の地を脱出するため、南を目指して歩き出す。だがそれは、凶暴なオオカミとの壮絶な戦いの始まりでもあった。  舞台出身の演技派だが、50代後半になって『96時間』(08)、『アンノウン』(11)など体を張った主演作で新境地を開いているリーアム・ニーソン。ただし今作で彼が闘う相手は、過酷な大自然。カナダの人里離れた山中で敢行されたロケで、外気零下20度、猛吹雪が吹き荒れる中、ほかの共演者やスタッフらと共に文字通り体当たりで臨んだ。極限状況に置かれて「生」を見つめ直すニーソンの鬼気迫る演技は必見。人間に対峙する凶暴で狡猾なオオカミの撮影は、訓練された本物の動物とアニマトロニクスを極力使い、CGは補助にとどめることで迫真性を高めた。日本人カメラマンのマサノブ・タカヤナギによる臨場感あふれる映像で、見る者の体感温度を確実に下げる本作。真夏に公開される日本では涼感効果もバツグンだ。  8月25日に封切られる『るろうに剣心』は、90年代に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された人気漫画『るろうに剣心 明治剣客浪漫譚』を実写映画化した新感覚の娯楽アクション。動乱の幕末、“人斬り抜刀斎”として恐れられた緋村剣心(佐藤健)は、明治維新以後「殺さずの誓い」を立て、日本中を流浪していた。刃と峰が逆の「逆刃刀」を携え東京を訪れた剣心は、亡き父から道場を継いだ薫(武井咲)と出会う。剣心は、アヘン密売で得た資金で世界制覇を企む実業家・武田(香川照之)と護衛の鵜堂(吉川晃司)らから薫や町人たちを守るため、圧倒的に不利な戦いに臨む。  メガホンをとったのは、NHKドラマ『ちゅらさん』『ハゲタカ』『龍馬伝』を演出し、劇場版『ハゲタカ』(09)も手がけた大友啓史監督。大河ドラマ『龍馬伝』で“人斬り以蔵”こと岡田以蔵を演じ鮮烈な印象を残した佐藤健は、大友監督をはじめ製作陣にとって剣心役のベストチョイスだっただろう。アクション監督には、香港で経験を積み『孫文の義士団』(09)など海外作品も手がけてきた谷垣健治を起用。役者生命を賭けて斬り合いを猛特訓したという佐藤ほか、主要キャストがほぼすべてのアクションシーンを自ら演じてリアルさにこだわり、伝統的な殺陣にワイヤーアクションを取り入れた新鮮なチャンバラ活劇が完成した。共演に蒼井優、青木崇高、江口洋介といった個性派が揃い、ドラマ部分では、激動の時代に「どう生きるか」を問い直すことの重要性を説く。原作漫画のファンはもちろん、予備知識がない観客でもしっかり楽しめる痛快なエンタテインメントだ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『THE GREY 凍える太陽』作品情報 <http://eiga.com/movie/57260/> 『るろうに剣心』作品情報 <http://eiga.com/movie/56790/>

AR三兄弟が今度は切手を拡張! 撮ったばかりの動画が切手から“ばびゅーん”と飛び出す!?

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 拡張現実のわかりやすい使い方でおなじみ、AR三兄弟(長男:川田十夢、次男:高木伸二、三男:小笠原雄)が「AR三兄弟は、GMOとくとく通信で得をするのか、損をするのか、展。」を開催している。  国道246号線沿いにある東京・渋谷の+SANOW LABs. (サノウラボプラス、東京都渋谷区道玄坂1-16-3渋谷センタープレイス1F)にて、9月14日までの5週間にわたり、平日にさまざまな発明品を展示。その展示内容は週替わりで、8月6日から10日までの第1週には「AR三兄弟の拡張記念切手。これでやっと、手紙に時間が添付できるようになりました。」と題し、なんと切手を拡張する発明を出展していた!  切手をARマーカにして動画を再生させる試みは英国でも2010年に行われていたが、今回AR三兄弟が開発したのは、ユーザーが任意で撮影した動画を再生させられるようにしたAR切手とアプリの組み合わせ。  まず、アプリの入ったiPhoneで、動画を15秒以内で撮影する。そして、ARマーカが仕込まれた切手にiPhoneをかざすと、あら不思議、いま自分で撮影したばかりの動画が切手から“ばびゅーん”と飛び出してくるじゃありませんか!  現在は撮影と再生について最低限度の機能しか実装していないとはいうものの、撮影した動画がその場で切手から再生される光景はかなり衝撃的。このキャプチャー&ビューワーアプリは、今秋にもiPhoneで試験的にリリースする予定だという。  さっそく、首謀者のAR三兄弟長男、川田十夢に話を訊いてみた。 DSC_0004.jpg ──いやいや、すごい発明ですね。 川田 もう、脅迫に使ったりとかね。橋下(徹大阪市長)さんとか。 ──えっ(笑)。プレイに使った衣裳はCAだけじゃないだろう! みたいな感じですか。 川田 よくないですか、そういうの(笑)。あるいは、ファンレターのお返しに吉木りさが水着で挨拶をしてくれるとか。あと、風鈴がちりんと鳴る風鈴切手(笑)とかね。使い方はいくらでもあると思うんですよ。 ──なるほど。アイデア次第か……。 川田 日本郵政に働きかけて日本の郵政を変えたい! 暑中見舞い、冷やし中華始めましたAR版、クリスマスカード、ARプロポーズ……AR示談(笑)。いろいろできます。 ──15秒というのは容量的な制限? 川田 いや、長すぎると手紙を全部読んじゃうかな、と。大事な伝えたいことだけ、一部分というのがいいと思って。 ──さっきの脅迫状だと、一番やばい部分だけ(笑)。 川田 使った衣裳を見せるとかね(笑)。それから振込先はここだ、と。まあもちろん、恐喝というのは冗談なんですけど、マネタイズがひとつの問題なので。切手自体で儲けるというより、切手を有効利用したコンテンツの儲けにつなげてもらえるといいかもしれない。  ARの、無限大の可能性を狭めてわかりやすくする、というコンセプトが、アナクロなメディア上で炸裂してしまったAR切手&アプリ。この15秒限定撮影&再生を基本仕様に、いくらでもカスタマイズが可能だという。 ──応用範囲が広がりそうですね。 川田 そうですね、DMもこれでいけるし。生活にちゃんと落とす。おじいちゃんおばあちゃんに使ってほしくて、それなら切手かなと。郵便局に行けばARで観られるというサービスも同時に始めればいいのに。 ──システムとしてAR入れちゃえよ、と。 川田 そうなんですよ、これは拡張記念切手という名前なんですけど、これそのまま採用していいので。世界初。ぜひやってほしいですね。『007』のようなスパイっぽいものを先にやっちゃえば。イギリスが真似をしたくなるような。 ──ともに開発された次男の高木さんは、使ってみてどうでしたか? DSC_0067.jpg DSC_0022.jpg 高木 動画を撮るときにすごく緊張しました。互いに宛てた手紙を書いて読み上げるなんて、日常であまりないじゃないですか? ──確かに普通の電話より恥ずかしいですね。 川田 告白とか、モメたときとか、ごめんなさいとか、お金の話をするとか。 ──これどうなんでしょうね、修羅場で使ったら彼女に許してもらえるのか? 川田 それがクスっとするとか、本当にかわいそうだなと思えるものであれば。 ──直接会うとやばくなるし、会わなくてもこじれるなら、中間のクッション的なメディアになるかもしれないですね。 川田 そういう仲直りするときは、河合奈保子の「けんかをやめて」切手とか、使い方を限定してもいいかなと。「負けないで」切手、「愛を語るより口づけをかわそう」切手、「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」切手(笑)、いろいろね。むしろ切手に内容が引き寄せられるというか。  真面目な話をすると、今メディアがないじゃないですか。DVDとかCDが売れないから、もう切手の中に入れちゃえばいいんですよ。音楽付きの手紙でもいいし。本当に可能性は無限大。お金持ちになっちゃうな、どうしよう。PVをつけてもいいし。世界初の切手ミュージックビデオ。つなげると完成するとか。 ──1枚15秒で12枚並べると一曲できあがるんですね。 川田 順番に並べると観られる。芸能界のいろいろな人に送ろうか! ──でも、それこそ営業にいいんじゃないですかね。 川田 グラビアアイドルとかね。あと映画? 映画超いいですね、手紙が送られてきて、切手から予告編とか。 ──古くて新しいメディアなんですね。 川田 そう。だからサイゾーも、公にできない本当にやばいネタは、メルマガでも出せないようなものはARでやってみては! これは、という映像が手に入った場合は。 ……やばいですね。また拡張しちゃいました(笑)。  もともとゲームデザイナーの水口哲也など尖鋭的なクリエイター、アーティストとの連動が多かった+SANOW LABs.。同様に、先端技術に携わるAR三兄弟とGMOとくとく通信とのコラボレーションが持ち上がり、披露したい企画が複数あるので、ならばGMOグループの展示スペースである+SANOW LABs.で、週替わりで展示しませんか──ということで、この5週間にわたる展示会が実現したという。  1週間のお盆休みを挟み、このあと第2週(8/20-8/24)には「毎日がメンズプレシャス:MEN'S Precious年間巻頭連載をうっかり巨大化しました。」を発表。LOUIS VUITTONやCartierなど、名門ブランド拡張の歴史を大きくざっくりおさらいする。その後も、第3週(8/27-8/31)には眼からビームを出す(!)「AR三兄弟の眼力王」、第4週(9/3-9/7)には昭和テイストの「夜明けのスリットスキャン」、第5週(9/10-9/14)にはテレビ番組にリンクを貼る「プログラム(テレビ番組)に、ハイパーリンクが貼れないのダサい。」という、震撼の新作を披露していく予定だ。  8/20(月)、8/27(月)、9/3(月)、9/14(金)はそれぞれ夜8時から、くだけた雰囲気の新作披露パーティが開かれる。AR三兄弟の新作に直接触れるチャンス、一度足を運んでみてはいかがだろうか? (取材・文・写真=後藤勝)

サブカルチャーの“今”が分かる萌えイベント「萌カーニバルVol.4」レポート!

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 世界に向けて萌えカルチャーを発信し続ける日本。その中心といえばやはり、東京である。都内各所にはメイド喫茶が無数に乱立し、多くのメイドさんたちが日夜お疲れのご主人様に誠心誠意のこもったご奉仕をし、ライブハウスでは毎週のようにアイドルたちが未来のトップスターを目指してライブ活動を繰り広げているのだ。そんな東京発のメイドさんやアイドルたちが横浜に集結! 7月21日、横浜のF.A.D YOKOHAMAにて、地元のメイド喫茶でご奉仕しているメイドさんたちも加わり、萌え萌えなライブイベント「萌カーニバルVol.4」が開催された。 ■メイド喫茶のメイドさんが集結した第1部
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 まずは都内、および横浜のメイド喫茶に所属するメイドさんたちが歌って踊る第1部が、12時30分よりスタート。一番手は地元・横浜のメイド喫茶「HoneyHoney」。トラディショナルなメイドスタイルの衣装に身を包んだ3人の女の子がステージに登場すると、お店の常連さんたちも大歓声を上げる。人気のアニメソング&アイドルソングを歌うメイドさんたちと一緒に、全力でオタ芸を繰り広げた。
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 続いて登場したのは、秋葉原からの遠征組だ。秋葉原駅前をはじめ、外神田方面に4軒の店舗を構える老舗「ぴなふぉあ」からは、知る人ぞ知る古参メイドの田川まゆみ嬢をはじめとする3人が参戦。また、“歴女”の定番人気ジャンル・新撰組をモチーフにした「幕末Cafe&Bar」からは男装の麗人たちが。そして、戦国武将たちの娘が給仕してくれるという設定の「戦国メイドカフェ&バー もののぷ」からは、甲冑をイメージした和風メイドさんたちが登場。メイド喫茶にも和風、洋風の2つの潮流があるのだな~と思わず感心である。
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 第1部のラストを盛り上げたのは、横浜のメイド居酒屋「ファンシーキャット」、そして秋葉原のメイドダーツ&バー「Little PSX」のメイドさんたちだ。アニソンカバーに加えてオリジナルソングも披露し、本物のアイドル顔負けのパフォーマンスとライブの盛り上がりをみせるが、彼女たちはあくまでもメイド喫茶で働くメイドさんたちなのだ。世間では「会いに行けるアイドル」や「週末ヒロイン」などさまざまなアイドルが活躍しているが、ステージ上で一生懸命にパフォーマンスを繰り広げている彼女たちを見ていると、どんなアイドルたちよりも応援したくなってくるから不思議だ。この「思わず応援したくなる」感が、メイド喫茶で働く女の子たちの魅力なのかもしれない。 ■“トップを目指して一致団結!”なアイドルたちによる第2部  18時からは、第2部がスタート。こちらに出演するのは、都内を中心に活動するアイドルたちだ。
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 トップバッターは柊木りお。秋葉原の一角にある、アイドルがレッスンしている様子をマジックミラー越しに見たり、アイドルたちに命令が自由にできるお店「ダイヤの原石」所属の彼女は、ツインテールを揺らしながらパンクやハードロックをベースにした激しいオリジナル曲を披露。実はこの日、体調を崩していたそうだが、そんなそぶりなど一切感じさせないステージを展開し、観客に大きな感動を与えた。
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 この後も、続々とアイドルたちが登場。初々しさ全開の中学生アイドルユニット「ANNA☆S」。2,600名の中から選ばれた3人のアイドルグループ「リル・クミン」。スタイリッシュなモデル系アイドル・桃乃木このは。そして今回が初のステージというニューカマー「Rose Hip Berry」という、無限の可能性を秘めたアイドルたちの競演に、観客たちも推しメンかどうかはもはや関係ないようだ。ステージ上で繰り広げられるアイドルたちの一挙手一投足に、歓声を上げ、熱烈なコールを送りまくる。
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 猛烈な一体感が会場を包み込んでいく中、第2部も後半戦に突入。ダンサブルな楽曲で渋谷を中心に活動する5人組ユニット「asfi」がキュート&セクシーなステージを披露したほか、女子プロレスラー・朱里やサウンドプロデューサー・HΛLなどとの様々なコラボを通じて可能性を広げ続ける「Apple Tale」が登場。ブレイク直前のアイドルたちが見ごたえのあるアクトを展開した。
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 「萌カーニバルVol.4」のトリを飾ったのは、鉄道アイドルとして活躍する木村裕子だ。鉄道と乙女の恋心をクロスオーバーさせたオリジナリティあふれる楽曲や、鉄道マニアなら思わずニヤリとしてしまう振り付けを取り入れたステージングで、会場はこの日最高の盛り上がりをみせた。  ライブ終了後はアイドルたちもフロアに下りてきて、ファンとの交流や物販コーナーでのグッズの手渡しなどが行われ、最後まで和気あいあいとした雰囲気がライブハウスに満ち溢れていた。  「萌カーニバルVol.4」を振り返ると、とにかく女の子たちの底知れぬパワーに満ち溢れたイベントだったといえる。全力で歌い、踊る彼女たちを見ていると、思わずこちらも「負けてられないぞ」という気分にもなるのである。そんなメイドさんたちやアイドルが元気に活躍する限り、日本もまだまだ頑張れるんじゃないだろうか。そんなふうに思えるイベントであった。

かわいさはパンダに負けず劣らず!? “ブサかわ”生物大集合『生きもののヘンな顔』

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『生きもののヘンな顔』(幻冬舎)
 昨年3月に2頭のジャイアントパンダが上野動物園に来て以来、日本中がパンダフィーバーに包まれている。7月にはその1頭「シンシン」の赤ちゃんが誕生したものの、わずか6日後に肺炎で死んでしまうという悲しい事件があったが、今月10日には和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」で新たに赤ちゃんパンダが誕生。また、ジャニーズ事務所が東日本大震災復興支援プロジェクトの一環として、仙台市・八木山動物公園へのパンダ招致を計画しているなど、何かと世間の話題を集めるパンダ。その獰猛な生態とはかけ離れた、タレ目でおっとりとした雰囲気が人気を支えているようだが、世の中にはパンダに負けず劣らず、個性的な表情をもった愛すべき生きものたちがたくさんいる。  『生きもののヘンな顔』(監修/小宮輝之、構成・文/ネイチャー・プロ編集室、幻冬舎刊)は、哺乳類から昆虫まで、さまざまな生きものの面白い表情を横断的に紹介するビジュアルブックだ。生きものの種類別ではなく、表情や色・形、体のパーツごとに章立てされたユニークな構成となっている。
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アルパカ(『生きもののヘンな顔』より)
 たとえば、メスに求愛するために鼻の穴やのど袋を赤く膨らますズキンアザラシやオオグンカンドリ、大きな口を開けてあくびをするアルパカやダチョウなど、普段はなかなかお目にかかれない、生きものたちのかわいらしい表情が並ぶ。かと思えば、真っ赤な顔にハゲ頭がトレードマークのアカウアカリや、おでこが突き出したコブダイ、ほとんど毛のないからだにゴマつぶのような目と長い歯を携えたハダカデバネズミなど、コミカルでちょっとグロテスクな、“ブサかわ”系生きものも登場。
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コブダイ
 威嚇という行為ひとつをとってみても、その形はそれぞれ。ライオンのように牙をむき出しにしてうなり声を上げる“ザ・威嚇”もあれば、一見大喜びしているようにしか見えないスパイクヘッドキリギリスや、大きな口を開け真っ赤な舌を見せるマダガスカルヘラオヤモリなど、実にユニークだ。
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マンドリル
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ジャクソンカメレオン
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メキシコサンショウウオ
 本書のあとがきで監修者の小宮輝之氏が、 「それぞれの生きものは何億年、何万年の年月をかけて、独特な姿に進化してきた。その姿を特徴づけている顔は、それぞれの生きものが、種ごとに与えられた地球上のすみかで、もっともくらしやすい姿に到達した、真面目で真剣な顔なのである」 と述べているように、彼らの“ヘンな顔”には深いワケがある。パッと見は「かわいい~」「気持ち悪い」だけで終わってしまいがちだが、この本を片手に、その顔に隠された秘密を探るべく、動物園や水族館に足を運んでみるのもいいかもしれない。 ●こみや・てるゆき 1947年東京生まれ。明治大学農学部卒業。上野動物園前園長。おもな著書に、『目からウロコの動物園』(保育社)、『日本の野鳥』(学習研究社)、『物語 上野動物園の歴史 園長が語る動物たちの140年』(中央公論新社)、『鳥あそび 野鳥おもしろ手帖』(二見書房)などがある。