<p> 2010年代に入ってから男性週刊誌が盛んにプッシュしている「死ぬまでセックス」特集には、高齢になっても性を楽しみたいという素直な願いや、若いころに満たされなかった欲求を充足させたいという思いや、自らの男性性への執着など、いろんな感情が渦巻いている。しかし、年齢を重ねたからといって、誰もが豊かなセックスライフを送れるとは限らない。健康体である保証はどこにもないし、受け入れてくれるパートナーが見つからないことも十分ありえる。</p>
「03インタビュー」タグアーカイブ
富士見市の事件はベビーシッターではない 子どもを安全に預けるために知っておくべきこと
富士見市の事件はベビーシッターではない 子どもを安全に預けるために知っておくべきこと
ホモフォビアの裏に潜む 「自分が性の対象になるかもしれない」という危機感
Photo by torbakhopper from Flickr
■人間はよくわからないものを排除しようとする
――強いホモフォビア(同性愛嫌悪)を抱く人の中には、自分も同性愛者であるケースが少なくないようですね。倒錯的な感じがしますが、あり得る話ですか?
Tomy氏(以下、Tomy) それは十分あり得る話です。当事者によるフォビアはわりとある現象なんです。自分がそうであるからこそ許せないっていうのは結構あること。ただ、だからといって殺そうというところまでいかないですよね。そこに宗教的なことや、認めがたい環境があるということは想像できます。
――ホモフォビアは宗教的な背景を持っているケースと、「気持ち悪い」とか「抵抗感がある」という感覚的なケースがあるということですが、では同性愛について「なんとなく生理的に気持ち悪い」という感情はなぜ出てきてしまうのでしょうか?
Tomy 考えられることは2つあります。1つは、「一般的に無知なものに対して人は警戒する」ということ。人間には、よくわからないものは排除しようとする性質があります。それは本能的に正しいことなので、よくわからないものに関しては、とりあえず遠ざけたほうが安全であることが多いわけです。だから、「とりあえずちょっと気持ち悪い」とか、「ちょっと距離を置こう」というのは自然な反応なんです。
もう1つは、自分が同性愛に興味があって、でも抑圧している場合、認めたくないから気持ち悪いっていう人がいます。
――興味があるのに、それを否定してしまうのは、なぜなのでしょう?
Tomy ちょっと興味があるからこそ、不安になるんですよね。これは、世間体を気にしたうえでの不安とはまた少し別の話で、人間は本当の気持ちを認めて不安定になるのが嫌で、自分の気持ちを“いろいろ加工する”という作業を本能的に行うことがあるんです。
ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、好きな異性に対していじわるをしたくなるという感情に近いかもしれません。興味があるがゆえに敏感になってしまう。だから、自分は無関係だという主張をしたくて逆に強く否定してしまうわけです。
こうした作用は「防衛機制」といわれるのですが、やり方はいろいろあって、そのひとつに「否認」があります。その気持ちがあることを認めないという、最もわかりやすい単純な防衛機制のひとつです。
ただ、自分にとって都合の悪い話でなければ、否定する必要はないわけです。しかし、同性愛という性的指向を受け入れてしまうと自分が不安定になる、さらにそれが宗教の教義などで「悪」だと深く思想に刷り込まれている場合、ハードなフォビアにさいなまれてしまうということにつながってしまうのです。
■自分が性の対象になるかもしれないという不安感がホモフォビアに発展
――他に不安定な感情を引き起こす理由は、何か考えられますか?
Tomy 自分が恋愛対象にされてしまうんじゃないかと感じるときですね。たとえば、男性同性愛者の場合は女性より男性の方が、ホモフォビアが強い傾向にあると思います。女性的な感覚だと男性同性愛者っていう存在を認めてもなんにもリスクがない。むしろ女性の場合は興味深かったり、近づいてみたりすることもあるわけで親和性が高いです。逆に女性の場合は、むしろ、男友達がゲイだってわかったら、男女間にある緊張感から解放されますよね。しかし、男性にとっては自分が性の対象になるかもしれないという危機なので、割と過剰に反応する人が多いですね。女性にしてみればあまり不安な感覚にならないので、「気持ち悪い」というのは男性側が発する言葉なんです。
――自分が同性愛者かもしれないというより、同性愛者の恋愛対象になるかもしれないということでしょうか?
Tomy そうです。よく起きるのが、ストレートの友達にカミングアウトしたら、「俺はそういうの興味ないから」と、告白したわけでもないのに否定されるという展開。先に防衛線を張られてしまって、気まずくなってしまう。カミングアウトされた側は自分の存在が脅かされるというか、自分に不安定な要素が入ってくるということがなければ、わざわざ否定しなくてもいいことですからね。
大抵の人にとっては、他者の性的指向なんてどうでもいいことなんですよ。同性愛だって存在するなら認めればいいじゃん、という話で済むわけです。そこであえて拒絶したり気持ち悪いという感情が芽生えたりするということは、どうでもよくはないということなんです。その存在を認めると自分にリスクがおよんでしまう、だから拒絶したほうがリスクから身を守れるとなんとなく考えて反射的に「興味ないとか」「気持ち悪い」と言ってしまうわけです。
――身近な人のカミングアウトをきっかけに、強く嫌悪感を持ってしまうことはあるんですか?
Tomy ゼロではないと思います。つまり自分の存在に関係性が生じてくると反発も強くなるわけです。別に同性愛者がいたっていいんじゃないっていう話であれば問題ないわけです。でも、自分たちが危機感を抱くようになると、反発って生まれるようになるんですね。これは宗教や民族の対立にも当てはまることで、別に多様性を認めたっていいんだけど、その人たちの存在を認めると、自分たちの存在が危なくなるってときに、だいたい反発や対立が起こるものです。
だから、同性愛者の存在は認められても、同性婚を法制化すると反対が起こるというのは、それを認めてしまうと、社会性とか全体の流れが変わってしまってちょっと困ってしまうという危機感を感じている人たちいるということ。あまりにもスタンダードなものが変わってしまう流れになると、今までの制度の中で安心していた人が不安を感じる。その瞬間に反発が生まれるんです。
――そういう意味では、伝統的な家族のかたちが定着している日本で、同性婚が認められるまでの道のりはまだまだ遠そうですね。その一方で、同性愛者も生きやすい社会を作っていこうという動きは増していると思います。今後こういうふうに変わっていくと暮らしやすいんじゃないかというアイデアがあれば教えてください。
Tomy 同性愛をオープンにしている人とか、オープンにした方が生きやすいという人たちがいますよね。そういう人たちがオープンにしやすい環境をつくってあげることは大事です。ただ、クローズにしたいという人もいて、カミングアウトするかしないかというのは、どちらの方がいいっていう話ではないと思います。
でも、オープンにしたいと思ったときに、オープンしにくいっていうのはよくないので、カミングアウトされたとしても「ああそうなの」くらいに普通に受け止められる人が増えることが望ましいですよね。そのためにも、まずはいろいろな性的指向を持つ人と接してみて、交流を持つのがいいのではないでしょうか。
(末吉陽子)
Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。
同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある ホモフォビアが生まれる背景
精神科医のTomyさん(似顔絵)
一橋大学法科大学院に通っていた男子学生Aさん(当時25)が、2015年8月に校舎6階から転落死した。ゲイであるAさんは、同級生の男性BさんにLINEで恋愛感情を持っていることを伝えたが、それをBさんが同級生に暴露。ショックを受けたAさんは心療内科を受診していたというが、転落死した当日には学校でパニック障害の発作を起こし、学内の保健センターで休養している。
これを受けて遺族は、秘密を暴露した同級生や、Aさんの症状などを知りつつも対策を講じなかったとして大学を提訴。訴訟の第1回口頭弁論が今年8月5日、東京地裁で開かれた。
Aさんは法科大学院の同級生たちが同性愛者を「生理的に受け付けない」などと話しているのを聞いていたと報道されている。この裁判では、性的指向や性自認を暴露する行動「アウティング」が問題となっているが、Bさんをはじめとする同級生たちの「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」がAさんを追い詰めた可能性は、はたしてゼロだといえるだろうか。
世界を見渡せば、6月12日には米国フロリダ州・オーランドの同性愛者が集まるクラブで銃乱射事件が発生。49人の死者と53人の負傷者を出した銃撃事件を起こした犯人の男はIS(イスラム国)に忠誠を誓っていたが、明らかに同性愛者をターゲットにしていたことから、根底にはホモフォビアがあったと考えられている。
では、このホモフォビアとは、どのような感情から派生したものなのだろうか。その正体を知ることは、同性愛者への偏見・差別感情を解消する一助になるはずだ。自身もゲイであることをカミングアウトしている精神科医のTomy氏に話を聞いた。
■アメリカでは同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある
――ホモフォビアというのは、何を契機に芽生える感情なのでしょうか?
Tomy氏(以下、Tomy) まず、「フォビア」つまり「嫌悪」という現象は、おそらく宗教的なベースがあるかないかで、だいぶ違ってくると思います。もし、同性愛をはじめとする特定の指向が罪であるとされている宗教で育った場合と、そうした概念がない場合では、偏見のレベルは大きく違ってくると思います。
――宗教が偏見を強めている可能性があるということでしょうか?
Tomy たとえば、一部の宗教では、そもそも同性愛自体が犯罪であるという扱いを受けることがありますね。存在してはいけないと思っている。そうした教条を信じる人が抱くホモフォビアと、なんとなく「気持ちが悪い」とか「抵抗がある」という人のそれとでは、偏見に対しての、ある意味でいう“モチベーション”がまったく違ってくるはずです。
――なるほど。日本でホモフォビアに端を発する重大事件をあまり聞かないのは、そうした“モチベーション”の違いがあるとも考えられますか?
Tomy そうだと思います。たとえば日本の場合、ヒソヒソと陰口を言うことはあるかもしれませんが、「存在を抹消しよう」という発想までには至らないことが多いですよね。しかし、他国では「存在そのものが罪である」とか「消さなきゃならない」レベルのホモフォビアが根付いているケースもあります。
さらにいえば、アメリカでは同性愛者の人権を求める動きが活発ですが、日本の場合にはそうした動きはもともとあまりありません。というのも、アメリカでなぜそうした権利が制度化されたり法律的に認められたりする必要があるかといえば、権利を主張して守ってもらわないと、犯罪に巻き込まれるとか、殺されるかもしれないという不安が根底にあるからです。
たとえば、カリフォルニア州でカミングアウトした同性愛者として、初めて議員になったハーヴェイ・ミルクも暗殺されてしまいましたが、こうした事例にみるホモフォビアは「気持ちが悪い」というレベルを超えていて、同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがあるわけです。
■日本は同性愛を認める文化があった
――ホモフォビアのレベルが深刻だからこそ、より強く権利を主張するという相互作用があるということですね。それでは、日本はそこまで深刻ではないと思われますか?
Tomy 日本って、歴史からみても同性愛を認める文化がありましたよね。というより、あまり気にしないっていうか……「なんか気持ち悪いかもしれないけど、別にいっか」っていう。だからアングラではあるけれど、それでなんら不自由を感じなかったので当事者も何か主張をしようという流れがあまりなかったように思います。最近になって、アメリカなどで同性婚が法律によって認められてきた流れをうけて、国内でもそうした権利を認めてほしいという声があがりはじめたっていうのが現状ではないでしょうか。
――いわゆる過渡期にあたるということでしょうか?
Tomy そうですね。あと以前に比べると同性愛者たちを見かける機会が増えていますよね。たとえば私が子どもの頃は、そういう人たちは東京の新宿にしかいないと思っていたくらい。だから身近にいるという認識がなかったんです。今はメディアにもたくさん出てきているし、身近な存在であるという認識が高まってきていていますよね。その中でカミングアウトもさらっとできちゃう風土がだんだんとでき上がってきている印象です。当たり前にいる、特別じゃないという理解がだんだん増えてきたので、殺されたりとか、そうした不安感はないにせよ、やっぱり法律で認められていた方がいいんじゃないかという、緩やかな土壌の中での権利主張が出てきたんじゃないかなと思います。
(末吉陽子)
(後編につづく)
Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。
「風俗を浮気と思わないでほしい」3万人と経験したAV女優のセックス観
<p> 自らの欲望を最優先するヤリマンの中にあっても、飛び抜けた経験人数を持つ有奈めぐみ。前編ではライフストーリーを綴ったが、後編では具体的に彼女のセックス観を探ってゆきたい。それがわかりやすいのは、“ソープランドでは働けなかった”というエピソードだ。彼女いわく、セックス(本番)を仕事にすることだけは受け付けなかったという。</p>
「風俗を浮気と思わないでほしい」3万人と経験したAV女優のセックス観
<p> 自らの欲望を最優先するヤリマンの中にあっても、飛び抜けた経験人数を持つ有奈めぐみ。前編ではライフストーリーを綴ったが、後編では具体的に彼女のセックス観を探ってゆきたい。それがわかりやすいのは、“ソープランドでは働けなかった”というエピソードだ。彼女いわく、セックス(本番)を仕事にすることだけは受け付けなかったという。</p>
由緒正しい家柄から風俗嬢へ 高校時代に8,000人と経験した女性がヤリマンになった理由
<p> “誰とでもセックスするヤリマン”と聞くと、我々は、受け身の人間性を想像してしまいがちである。確かに、一昔前に“サセ子”“公衆便所”と呼ばれていたようなヤリマン女性たちのイメージは、男の欲望に無条件に従う(どこか頭の弱い)女というものである。つまり、完全に他者の価値観、他者の欲望の中で生きているような女性像だ。<br /> しかし、昨年から“ヤリマン”を冠したトークライブを主催している筆者が会うような近年のヤリマン女性たちの多くは、驚くほど自己中心的で、自らの欲望を最優先する《捕食者》のメンタリティーなのだ。果たして、“誰のセックスも断らない”女性は、一般女性読者の目にはどう映るのだろうか? <br /> </p>
痴漢はどうしたら撲滅できるのか? ひとりの加害者が、何千人という被害者を生む現実
痴漢はペニスだけの問題ではない 誤解している加害者の実態
<p>「痴漢をする人にとって、その行為は“生きがい”です」<br /> 対談は、精神保健福祉士・社会福祉士である斉藤章佳氏の一言から始まった。氏は、東京・榎本クリニックで10年前から、日本で初めて「地域トリートメント(社会内処遇)」という枠組みで、性犯罪加害者が二度と女性に加害行為をしないための再犯防止プログラムに注力しているが、その中で最も多いのが痴漢加害者である。</p>


