「早稲女=カセをはめられた女の記号」彼女たちの抱える葛藤とは

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photo by Dick Thomas Johnson Flickr

前編はこちら

――早稲女の自虐とは、他人に「負け」「欠陥がある」と判断されないように、先に自分で「私はダメだから」という烙印を押しているような気もします。

柚木麻子さん(以下、柚木) 「早稲女」という言葉は、早稲男(ワセダン)が早稲田の女の子を、粗末に扱う時に使う言葉でもあります。早稲田のサークルの飲み会では、本の中でも書いたように、お会計が「女の子は無料でオッケー、男と早稲女はサンゴーです!」となる。「早稲女は女に非ず」と言って、早稲男は早稲女を虐げているらしいんですよ。

――早稲女は女として認められない……。これまた、早稲女の自意識を揺さぶるような扱い方を……。

早稲女(ワセジョ)に見る「優れている人の方が自虐的で迷走してる」という病

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『早稲女、女、男』/祥伝社

 早稲田大学に在学中の女子大学生、またそのOGを意味する「早稲女(ワセジョ)」。「男勝り」「自意識過剰」「負けん気が強く、プライドが高い」「自虐ネタに走る」「酒豪」といった、ある意味「女離れ」した存在として知られる早稲田の女たちは、「早稲女」というレッテルを貼られ、「男」「女」につぐ“第3の性”とまで言われている。

 作家の柚木麻子さんが上梓した『早稲女、女、男』(祥伝社)は、早稲女・香夏子が、脚本家志望(しかし書き上げた作品は未だなし)の先輩・長津田との恋愛で悩む姿を、立教大学、日本女子大学、学習院大学、慶應義塾大学、青山学院大学の女子大学生たちの目にどう映るかを描いた連作短編集。「私は早稲女に憧れているんです」と語る立教大学出身の著者・柚木麻子さんに、「早稲女とは何者なのか」「早稲女の魅力とは」そして、早稲女を通して見えてくる、レッテルを貼られた女の葛藤についてお聞きした。

古典に育児放棄の記述も! 「昔はよかったのに」という幻想を暴く

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大塚ひかり氏

 「昔の母親は、こんなことはしなかったのに」。育児放棄・児童虐待事件が起きれば、どこからともなくこんな声が聞こえる。「昔の家族は」「昔の日本人は」……正体不明のこの“昔”は、現代に生きる私たちを断罪するのである。古典エッセイスト・大塚ひかり氏の『古事記~いのちと勇気の湧く神話』(中公新書ラクレ)では、“責任者不在”“世間体第一”といった現代が抱える問題の原点が、古代神話を材に描かれている。そこで今回は私たちを縛り続ける、「昔」幻想の正体を伺った。

――「昔は○○だったのに、今は……」とよく言われますが、この本を読むと、古代人も今と同じようなことで悩んだり怒ったりしていますよね。

「親子の愛憎劇の幕引き、憎いなら憎めばいい」親の介護で繰り返される業

Photo by Zanthia from Flickr

(前編はこちら)

――実際世の中、そんなに仲良し親子ばかりじゃないですよね。親のことが嫌いという人も結構います。

小山 もともと親子関係が悪かったという人は、介護を親子関係を改善するチャンスだと思ってほしいですね。それにケンカできればまだいい方。ケンカにさえならないかもしれません。それほど介護は闘いなんです。うちの施設の入所相談でも、「これまで、親に愛されてこなかった」という人は多いですよ。目の前で泣かれることもよくあります。本人は「愛されなかった」と思いこんでいるのでしょうが、本当にそうだったかどうかは、また別だと思います。客観的に見ると、必ずしもそうとは思えないことも多い。実際どうだったかは置いといて、介護という現実の前では、この場を親子関係の修復の機会だと思えばいいんですよ。本当の親子関係を見つけるために、前向きに介護をやってほしいと思います。

――親が嫌いだという人が介護と向き合えるんでしょうか?

小山 私が見るかぎり、親子関係が悪かった人ほど介護に執着しますね。ほかの兄弟ではなく、自分から介護の担当を買って出て、愛憎劇を繰り返している。それほどまでに憎んでいる親は、もはや昔の親ではなく、今は自分より弱い存在になっているのに、です。「私は愛されなかった」と思うのなら、離れればいいのにと思うんですが、そうはならない。人間って業が深いな……と思いますね。

 私は30代で両親を亡くしましたから、実の親の介護は経験できませんでした。どんな介護になっていただろうかとも思います。それでも生きていてくれていた方がよかった。だからというわけではありませんが、愛憎劇もやるなら徹底してやればいいと思うんです。憎いなら憎めばいい。途中でやめるから、中途半端に感情が抑えられて、感情の行き場所がなくなるんです。半端だから愛憎劇が終わらない。介護は最後まで突き詰めるチャンスなんです。親が生きている間に、勇気を持って愛憎劇に幕を引いてほしい。もちろんそれは口で言うほど簡単なことではありません。それまでの互いの人生が明るみに出るんですから。しかも、1対1ではない。父と母、さらに兄弟との関係、それぞれが複雑に絡み合っているんですよ。「お父さんは妹ばかり可愛がっていた」「お兄ちゃんは優等生だった」ってね。難解な数式以上の関係です。

老後はすぐにやってくる! 親の介護に独り身の老後、それぞれの現実問題

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Photo by Rosie O'Beirne from Flickr

 団塊の世代が65歳を迎え、日本はこれまで経験したことのない超高齢化社会に突入しました。自分の親だけでなく、その親である祖父母もいる。下手すると6人の高齢者を介護しないといけなくなる時代になってきています。子だくさんだった時代、女性が次々と子どもを産んで、育て終わった頃にはもうおばあさんになっていたように、子育てが介護に変わるとはいえ、結果は同じ。親や祖父母の介護が終わる頃には、自分が立派な高齢者になっている……なんて笑い話にもならない現実がすぐそこにあります。

 それでも、親や祖父母たちは年金をたっぷりもらっている世代。それに比べて自分の老後資金はというと、年金はあてにできない。それどころか今の収入をいつまで確保できるかさえ心もとない。結婚できるかどうかもわからない。ましてや、子どもが老後を見てくれるなんて夢のまた夢……考えれば考えるほど、深~い底なし沼にはまっていくようです。

 せめて今のうちにできること、知っておくことがあれば心の準備だけでもできるかもというわけで、認知症の改善に効果をあげて全国的に注目されている“学校スタイル”のデイサービス「おとなの学校」を展開する医師、小山敬子先生にお話を聞きました。

老後はすぐにやってくる! 親の介護に独り身の老後、それぞれの現実問題

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Photo by Rosie O'Beirne from Flickr

 団塊の世代が65歳を迎え、日本はこれまで経験したことのない超高齢化社会に突入しました。自分の親だけでなく、その親である祖父母もいる。下手すると6人の高齢者を介護しないといけなくなる時代になってきています。子だくさんだった時代、女性が次々と子どもを産んで、育て終わった頃にはもうおばあさんになっていたように、子育てが介護に変わるとはいえ、結果は同じ。親や祖父母の介護が終わる頃には、自分が立派な高齢者になっている……なんて笑い話にもならない現実がすぐそこにあります。

 それでも、親や祖父母たちは年金をたっぷりもらっている世代。それに比べて自分の老後資金はというと、年金はあてにできない。それどころか今の収入をいつまで確保できるかさえ心もとない。結婚できるかどうかもわからない。ましてや、子どもが老後を見てくれるなんて夢のまた夢……考えれば考えるほど、深~い底なし沼にはまっていくようです。

 せめて今のうちにできること、知っておくことがあれば心の準備だけでもできるかもというわけで、認知症の改善に効果をあげて全国的に注目されている“学校スタイル”のデイサービス「おとなの学校」を展開する医師、小山敬子先生にお話を聞きました。

コミュニケーションツールとして「オタク」を使う、“準オタク女子”の存在を検証

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『「女子」の時代!』(青弓社)

 「女子会」「女子マンガ」「女子写真」……。「女子」という言葉が溢れる現代において、“女子カルチャー”はひとつの大きなうねりとなり、日々存在感を増している。そんな「女子」の実態を、ファッション誌、ガーリーフォト、マンガ、鉄道、K-POPなどの観点から論じたのが『「女子」の時代!』(青弓社)だ。編著者である、甲南女子大学教員の池田太臣氏は、同書の中で「オタクならざる『オタク女子』の登場」として、主に男性を指していた「オタク」イメージに女子が登場する過程を、メディアとの関係とともに論じている。

 「オタク」という言葉のイメージの修正やオタク文化の資源化によって、“オタク的であること”がプライオリティーを持つ現代。自己の興味を追求する女子が増えている一方、「オタク文化がそれほど好きではないけども、オタクというイメージを好み、オタクになろうとする女子」である“準オタク女子”なる存在も増加傾向にあるように思う。そこで今回は“準オタク女子”という仮説を、池田氏とともに検証した。

「子育て」を前に結束力を高めるべき! 当たり前すぎて忘れがちな夫婦の関係

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『はるまき日記』(文藝春秋)

(前編はこちら)

――今は育児に関する情報が多く、例えば育児雑誌のQ&Aを見ても、お母さん方が過剰な不安に襲われているように見受けられます。瀧波さんはどのような基準で、情報の取捨選択をしていますか?

瀧波ユカリ氏(以下、瀧波) うちの場合は、夫と話し合って決めています。子どもが熱を出して病院に連れていくか迷う時、本やネットの情報の答えはまちまちなので、それで決めるのはとても無理。夫と話して、互いにいろんな情報を見た中で自分の意見を言い、落とし所を見つける。すごく普通のことなんですけどね。

「自分の強さを守ること」瀧波ユカリ氏にママ同士の“内政干渉”への防護策を聞く

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『はるまき日記』(文藝春秋)より

 赤ちゃんが1人で布団からずりあがった姿を「ずりあがり寿」と名付けたり、赤ちゃんが自身の耳いじりで恍惚とする姿を「ミミニー」と名付けたり……。『臨死!!江古田ちゃん』(講談社)の作者として知られるマンガ家・瀧波ユカリさんの『はるまき日記』(文藝春秋)は、愛娘に対する愛情を文章の端々に宿しつつ、乳児期の赤ん坊の生態を時には下ネタを交えて描き、子育ての“常識”を逆手に取って「笑い」に昇華した子育てエッセイだ。夫婦で同じ方向を見ながら子育てをする姿勢をうらやましく思う一方、現代においてはネガティブなイメージもある育児をこれほどまでに楽しめる姿を、不思議に思う人も多いのではないだろうか。そこで瀧波さんに子育てへのスタンス、ベースとなる夫婦関係について話を聞いた。

「自分の強さを守ること」瀧波ユカリ氏にママ同士の“内政干渉”への防護策を聞く

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『はるまき日記』(文藝春秋)より

 赤ちゃんが1人で布団からずりあがった姿を「ずりあがり寿」と名付けたり、赤ちゃんが自身の耳いじりで恍惚とする姿を「ミミニー」と名付けたり……。『臨死!!江古田ちゃん』(講談社)の作者として知られるマンガ家・瀧波ユカリさんの『はるまき日記』(文藝春秋)は、愛娘に対する愛情を文章の端々に宿しつつ、乳児期の赤ん坊の生態を時には下ネタを交えて描き、子育ての“常識”を逆手に取って「笑い」に昇華した子育てエッセイだ。夫婦で同じ方向を見ながら子育てをする姿勢をうらやましく思う一方、現代においてはネガティブなイメージもある育児をこれほどまでに楽しめる姿を、不思議に思う人も多いのではないだろうか。そこで瀧波さんに子育てへのスタンス、ベースとなる夫婦関係について話を聞いた。