不良vs.米軍、不良 vs. ZST──11日開催の「THE OUTSIDER第13戦」が熱すぎる!

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在日米軍との対抗戦には"Mrアウトサイダー"黒石高大も出場!
 喧嘩自慢の不良たちが、米軍、ならびにプロ格闘家とファイト!──10月11日(月・祝)に横浜文化体育館で開催される、リングス主催のアマチュア格闘技イベント『THE OUTSIDER(アウトサイダー)第13戦』は、非常に見どころの多い大会となりそうだ。暴走族やギャング上がりのアウトサイダー選抜軍が、沖縄在日米軍の現役軍人や、ZSTのプロ格闘家と対抗戦を行うなど、刺激的なカードが目白押し。アウトサイダーの選手にとっては初の対外交流戦となるが、物怖じする気配はなし。先立って行われた記者会見では、不良ならではの向こうっ気の強さで、対戦相手を挑発してみせた。  まずは、アウトサイダー選抜軍 vs.沖縄在日米軍、5対5対抗戦の記者会見の様子から。「日米安全保障条約改定50周年記念 友好試合」と銘打たれているが、会見に参加した日本人選手からは友好的なムードは微塵も感じられず、喧嘩腰なコメントが相次いだ。  "横濱義道会初代総長 ハマの狂犬"こと黒石高大は、「みんな米軍とか外人のことを強いと思ってるみたいですけど、俺から言わせれば同じ人間。みんな幻想でビビってるだけ。はっきり言って、あんなの強くないっすから」  と巻き舌で豪語。実際、過去に何度か路上でアメリカ人と揉めたこともあるらしいが、「殴り合いにはならなかったっすね。向かい合った瞬間に、向こうが自分の気迫に負けて、『クレイジーボーイ』と言ってどっか行っちゃう。だいたい気合いで勝っちゃう感じっすね」  "茅ヶ崎連合第十二代総長"の庵野隆馬は、アメリカに住んでいた時期もあるため、外国人とのストリートファイトは数え切れないほど経験済みだという。 「勝ち負けはケースバイケースです。ストリートだと道具も出てくるし、そのときの勢いとか人数にもよる。アメリカ人は基本的にはデカいイメージがあるけど、気合いは日本人のほうが強いと思う。気合いで喧嘩したいですね」  大会主催者のリングス・前田日明代表は、米軍選手の顔ぶれと、日米対抗戦の開催意図についてこう語った。 「軍人は命を的にする職業柄、基地内外で格闘技クラブ、道場、ジムなどに自主的に通って訓練する人が多く、なおかつ自分のレベルアップを図るためにいろいろな大会に出るそうです。今回も彼らは、軍事訓練の一環としてアウトサイダーに参戦してくる。米軍といってもレベルはピンキリですが、今回はその中でもまあまあ普通というか、一般レベルの軍人が出てきます。アウトサイダーの日本人選手には、外国人の馬力を経験させたい。日々訓練している軍人と手合わせすることが、経験的にプラスになるはず」  将来的には、韓国、中国、ロシア、オランダ、リトアニアとの対抗戦も考えているというから楽しみである。  さて、続いて行われたのは、アウトサイダー対ZST、5対5対抗戦の記者会見。  アウトサイダーからは、65-70kgトーナメント初代チャンピオンの吉永啓之輔と、"川口連合第十代総長"の武井勇輝の2名が会見に臨み、ふてぶてしい態度でZST陣営を挑発した。  まずは、吉永。対戦相手となる"ミニ・ホンマン"こと奥出雅之の印象を聞かれると、「興味なし!」と吐き捨てた。吉永はかねてからZSTの"戦うフリーター"こと所英男との対戦を熱望していたため、今回のマッチメイクに不満がある様子。 「まあ、これに勝てば、所選手もアウトサイダーに出て来てくれるのかなと思ってます」  とぶっきらぼうに付け加え、あくまで奥出戦は、所戦に向けた踏み台であることを強調した。
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ZSTに挑む"不良"代表の武井(左)と吉永(中央)。
 対するZSTの奥出は、舌戦にはあえて応じず、丁寧な口調でこうコメント。 「プロとかアマとか上とか下とか関係なく、僕は勝つために最善の努力をするだけですね。当日はアウトサイダーに来てくれたお客さんが、僕らの試合を見ることによって、ZSTにも興味を持ってもらえるように頑張りたいと思います」  吉永の提案により、アウトサイダー対ZSTの対抗戦は、後方視覚外からのパウンド攻撃あり、バックドロップあり、ジャーマンスープレックスあり、パイルドライバーあり、という過激なルールが採用されたが、これについて奥出は「僕もそのほうがやりやすい。ルール的にはありがたいです」と歓迎の意向を示した。  不機嫌な吉永と、紳士的な奥出。会見時の態度は対照的だったが、ともにアグレッシブなファイトスタイルが持ち味。不良の意地とプロの意地が真正面からぶつかり合う、面白い一戦になりそうだ。  この日の会見で、吉永よりも傍若無人だったのが、武井である。 「相手がプロだとかプロじゃないとか、そんなの全然気にしない。まあ、倒しますよ。1ラウンドで」  笑顔でそう宣言すると、対戦相手の"ZSTの仮面ライダー"こと清水俊裕に向かって「頑張ろうぜ!」となれなれしく挨拶。急に話しかけられてキョドる清水に対し、「人と話すときは目を見て喋れよ」と説教。しまいには、いたずら書きした紙を清水の顔に押し付けたりと、やりたい放題の展開に......。  会見ではおちょくり倒された清水だが、プロでの試合経験が20戦以上ある実力派。得意のライダーパンチとライダーキックで、悪(武井)を倒せるかどうか。当日の戦いぶりに注目したい。  この5対5対抗戦について、アウトサイダーを率いる前田代表は「ウチが全勝すれば一番いいけど、最低でも勝ち越したい」と抱負を語り、ZSTを率いる上原譲代表は「全勝と言わなきゃならない立場ですが、そうはならないんじゃないか......」と危機感をにじませた。  米軍対抗戦、ZST対抗戦のほか、通常のシングルマッチ、さらには70-75kgトーナメントの準決勝・決勝も行われる『THE OUTSIDER第13戦』。出場選手や対戦カードの詳細はリングス公式サイト(http://www.rings.co.jp)でご確認あれ。 (取材・文/岡林敬太) ★『THE OUTSIDER第13戦』緊急増席決定!★ 10月11日(月・祝)に横浜文化体育館で開催(開場15:00、開演16:00)される今大会。完売となったS席7,000円が、追加販売されることが緊急決定した。購入希望者は下記までお電話を。SRS席15,000円、RS席10,000円も、わずかながら残席あり。急げ! チケット購入窓口/ 03-3461-6698(リングス事務局) 03-5728-7232(臨時ダイヤル/10月10日まで有効)
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「ボコボコにしてから、ブスッと」"アウトローのカリスマ"瓜田純士が吼える!

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 「そいつ、生かして帰しませんから」──フォト&メッセージブックの出版、自伝的映画の公開、アメブロ退会騒動など、このところ話題の絶えない"アウトローのカリスマ"こと瓜田純士(30歳)が先月9日、東京・高円寺のライブハウス『ROOTS!』でトークライブ&サイン会を行った。"アンチ瓜田"による襲撃予告があったため、当日の会場は厳戒ムード。そんな中、カリスマはいったい何を語ったのか?──戦々恐々の現場レポート!  瓜田にとって3冊目の著書となる『泥だらけのありがとう』(武田ランダムハウスジャパン)の出版を記念して行われた今回のイベント。カリスマの肉声を聞けるとともに、サインも貰えるチャンスとあって、熱心な瓜田ファン数十名が会場に詰めかけた。客層は大人しそうな男性が中心だったが、会場の隅々にはコワモテのセキュリティーが配置され、何やら物々しいムード。"アンチ瓜田"のブロガーが当日、襲撃をほのめかす書き込みをしたため、万が一に備えて警戒態勢を敷いたようだ。  そんな中、ビール瓶片手にステージに現れた瓜田。 「なんでサイン会なのにセキュリティーがいるんだろう、ってビックリした人もいるかもしれないけど、何が狙いかといったら、瓜田純士の裏ブログ(アンチブログ)をやってるヤツを探そう、と。今日、もしかしたらこの中にいるんじゃないですか?」  と言って、鋭い目付きで客席全体をグルリと見渡す。 「もしいたら、すいません。そいつ、生かして帰しませんから。ボコボコにしてから、ブスッといきます。マジで」 urita_sub.jpg  物騒な脅し文句に会場は一瞬静まり返ったが、「......ま、それは冗談。というか、冗談と本気のハーフ&ハーフです」  と付け加えると、客席から安堵の笑いが起きた。アウトローならではのツカミで聴衆を釘付けにした瓜田。ステージ上でビールを飲みながら、時にユーモラスに、時にシリアスに、自らの過去・現在・未来を語り始めた。  「12歳のころにはもう青龍刀や偽造テレカが身近にあった」という不良少年時代の話や、「お袋にチャカを向けたこともある」という極道時代の話も強烈だったが、意外な一面を覗かせたという意味で印象深かったのは、刑務所を出てから物書きになるまでの苦労話。 「僕みたいな過去を持つ人間が日の当たる場所に出ようとすると、必ず最初は足を引っ張られる。その世界にいた人間にしかわからない、その人たちのやり方ってのがあるんですよ。かつての僕自身が、『あの野郎、なんで途中でハネたくせにその辺の道歩いてんだよ。確実に生け捕って来い!』とか言ってた兄ちゃんだったので、自分も同じ目に遭ったらどうしよう、確実にヤバい、と怯えてました」  そんな危機感を抱きつつも、地元から逃げたくないという思いもあり、出所してから2年近くは「毎日ビクビクしながら新宿を歩いていた」と明かす瓜田。剛胆に見えて、実は繊細なタイプのようだ。 「日常においても、今日はこの人に迷惑をかけたかも、今日はあの人を傷付けたかも......なんて、人とのちょっとした会話やメールのやりとりがあとあと気になり、あれこれ悩んで反省することが多い。そんなふうに生活の中であまりに神経が細いもんだから、その葛藤がブログに全部出てしまう。僕のブログには、怒ってるときも不安定なときも悔しいときも、全部の感情がそのまんま吐瀉物のようにまき散らされてしまうんです」  新著『泥だらけのありがとう』は、そうした瓜田の人間臭い部分が凝縮されたフォト&メッセージブックだという。 「ブログと違って活字は少ないけど、思い切り魂を打ち込みました。掲載された写真にも、僕の喜怒哀楽がすべて出ている。飾ってないし、気取ってない僕。泣いてるとこも、笑ってるとこも、怒ってるところも、全部出ている。そこにうまく活字がハマって、最高の本ができたと自負してます」  この本の出版直後には、自伝的映画『ドブネズミのバラード』を公開。また、societyという音楽ユニットも本格始動させるなど、表現者として多角的に攻め続ける瓜田。知名度が上がり応援される機会も増えて「今は非常に強気」と語るが、ファンが増えればアンチも増えるのが世の常だ。 「ネット上の誹謗中傷など、バッシングの数もハンパじゃない。だけど、叩かれたもん勝ちだと思ってるし、それをはねのけるだけのエネルギーがないとダメだと思ってます。中途半端な気持ちで背伸びするとケガをするけど、間違いなく俺はやれるんだ、という確たる自信さえあれば、アンチもファンにひっくり返せる。瓜田純士クラスになれば、そんなの全然余裕ですから。知れてる」  ブログでおなじみの瓜田節が炸裂すると、客席からは大きな拍手。結局、乱入や襲撃は最後まで起きることなく、無事にイベントは終了した。  なおこのイベントの数日後、ブログの反社会的表現が原因でアメブロを退会することになった瓜田。今後、日常の言論発表の場をどこに求めるのか、その動向が注目される。 (取材・文=岡林敬太) uritahon.jpg ★直筆サイン入り! 瓜田純士『泥だらけのありがとう』を2名様にプレゼント★ 新宿・歌舞伎町で生まれ育ち、圧倒的なカリスマ性で東京を制圧した瓜田純士が、第二の人生を歩みだした今、伝えたい44のメッセージとは?──著者・瓜田純士の直筆サインが入った『泥だらけのありがとう』を2名様にプレゼントいたします。応募の〆切は10月8日(金)23時59分とさせていただきます。なお、当選の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。 ご応募はこちらから 【個人情報】 ■ご応募にあたり、ご提供いただく個人情報は『サイゾー』にて厳重に管理を行います。また、お客様の同意なしに守秘義務を負う業務委託先以外の第三者に開示、提供いたしません。 ■ご提供いただく個人情報は、『サイゾー』からの、お客様がご希望の場合の商品、キャンペーン等のご案内、アンケート等の発送に使用させていただきます。また、個人を特定しない方法で、マーケティングの統計データとして活用させていただきます。 ■今後、『サイゾー』からの商品の送付や媒体に関するご案内等をご希望されない場合は、下記連絡先までご連絡願います。 ■『サイゾー』が保有するお客さまの個人情報について、訂正・利用停止等をご希望される場合には、下記連絡先までご連絡願います。サイゾー  03-5784-0790 個人情報管理責任者まで
泥だらけのありがとう カリスマ降臨 amazon_associate_logo.jpg
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【Nina】──「騎乗位はまだまだ」秘蔵っ娘が激白するホリエモン式"調教法"

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(写真/江森康之)
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「彼が評価したAVは必ずヒットする」と噂される、堀江貴文氏。そんな彼がプロデュースした新人AV女優Ninaがついにデビュー! 「責めて責めて責めまくる」というコンセプト通り、デビュー作とは思えない過激な内容となった本作。堀江氏からも好評価だったんじゃないだろうか?  「そうですね......。『アヒル口フェラがいいね』って褒められたんです! だけど『騎乗位は、まだまだ練習しなきゃね』ってダメ出しされちゃいました」と、大物女優への道のりは厳しいようだ。

 ところで、プロジェクト開始当初から、過酷な減量を宿題に出されていたNina。以前に日刊サイゾーで取材した時よりも、かなりほっそりとした印象ですが。 「堀江さんが会うたびに、私のおなかの肉をつまんで『痩せなさい!!』って言うんですよ! さすがに火がついちゃって、食事制限とジム通いで6キロ近く減量したんです」と、熱血な一面も覗かせる。そんな彼女にとって、堀江氏はどんな存在なんだろうか? 「パパみたいな人ですね。温かくて、すごく優しいんです」  それって、違った意味での「パパ」ではないですよね? と勘繰りたくもなるが、彼女の堀江氏に対する信頼は厚い。時代の寵児として一世を風靡したホリエモンの"遺伝子"がAV界でも暴れる!? (文/萩原雄太)

秋葉原の歌姫・黒崎真音が待望の1stアルバムで鳥肌立てた!?

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 オタクの集う街から、最新カルチャーの発信地として各メディアから注目されている秋葉原。その中心に存在する、アイドルが働き、ライブを行うという秋葉原のLIVE&BAR「ディアステージ」をご存じだろうか?  毎日のように店内ステージではアイドルが歌い、彼女たちの活躍を応援しようと多くのファンが集い夜な夜な盛り上がりを見せている。  そんな秋葉原の激アツスポットから、ついに初のソロ・アーティストがメジャーデビューをすることが決定した。  その名は「黒崎真音」。  先日、無事放送を終了したテレビアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のエンディング・テーマを担当した彼女は、各エピソードごとに異なるエンディング・テーマを発表。ロック、ポップス、バラードなど幅広いサウンドを、力強い歌声と堂々たるアティチュードで歌い上げ、作品を盛り上げ続けた。  そしてその全12曲を収録したメジャーデビュー・アルバム『H.O.T.D.』が、放送終了翌日の9月22日にリリースされた。  いきなりのアルバム・デビュー、各話ごと異なるエンディング・テーマを発表、その全曲を収録と挑戦的な試みでメジャー・シーンに挑む黒崎真音に、彼女のルーツとアルバム『H.O.T.D.』の聴きどころについて話を聞いた。 ──自己紹介からお願いします。 黒崎真音(以下、黒) 『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のエンディング・テーマで今年、デビューさせていただきました黒崎真音です。秋葉原のLIVE&BAR「ディアステージ」で初期から働いていて、ほぼ毎日ライブをやっていました。アニメや乙女ゲーム、シミュレーションゲームが小さい頃から大好きで、たまに二次元と三次元を行ったり来たりしちゃう、という歌手です(笑)。 ──黒崎さんは今回メジャーデビューされるわけですが、ディアステージでも働かれているんですよね? お客さんにすごく近いところにいるアーティストですよね。  そうですね。初めてライブを見に来ていただいた方は、終わった後に私がその辺をうろちょろしてるのを見て驚くみたいです(笑)。 ──それでは、どういう経緯でメジャーデビューに至ったのかを教えてください。
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『H.O.T.D.』(ジェネオン・ユニバーサル・
エンターテイメントジャパン)
 最初はロックが好きだったのでバンドでアニソンカバーをやったり、ディアステージでも大好きなアニメの歌をカバーしたりしていたんです。そんなある日、ディアステージの社長が連れて来た、とある音楽業界の方にすごく気に入っていただいて、メジャーデビューできるようにがんばりたいね、と言ってもらえたのがきっかけです。それから色んな方に助けてもらって、今回メジャーデビューさせていただきました。 ──最初のタイアップが『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』のエンディング・テーマということで、どう思いましたか?  以前からダークなトーンの歌を歌ったり、ロックが好きだったりしたので、パっと話の内容を聞いて私のイメージにも合う作品だなと感動しました。記念すべきデビューというタイミングで、自分に合う作品に出会えて、すごく嬉しかったです。 ──初めて自分の歌がテレビで流れたときはどう思いましたか?  信じられませんでした。今までCDを出したこともなかったので、自分の歌を音源として聞く機会もそこまでなく、『H.O.T.D.』がほぼ初めてのレコーディングだったんです。だから最初は自分の声を聴き慣れていなかったので、不思議な感じでした。 ──「自分の歌が初めてテレビで流れた時には、思わず泣いてしまう」みたいな話をほかのアーティストの方から聞いたりもしますが(笑)、そういう感じではなかったんですね。  泣くというよりも、もう鳥肌が立って呆然としてました。それに、原作がすごく好きなので、そのキャラが動いてるということのほうにむしろ感動してました。なんだかファン目線ですよね(笑)。でも、3話くらいから(自分の歌が流れているんだと)やっと実感が湧いてきました。 ──アルバム収録曲で、一番好きな曲はどれですか?  やっぱり、「君と太陽の死んだ日」は、始まりの曲なので、特別ですね。それと、一番最後の「The Eternal Song」は、次に繋がっていくようなイメージの曲なので、好きです。どちらもライブで歌うのが楽しみですね。 ──アルバムの聴きどころを教えてください。  色々なジャンルの曲が入っているというところと、1話ごとのシーンに合わせて曲が作られているところです。アニメのシーンを思い出しながら聴いていただけると嬉しいです。歌から入っていただける方は、「この曲はどういうシーンの曲なんだろう?」って思いながら聴いていただいてもいいですし、普通のアルバムとして聴いていただいても楽しいと思いますよ。 ──黒崎さんが、アニメソングを歌いたいと思うようになったきっかけってなんですか?  友達に誘われて、とあるアニメソングのフェスに行ったのが、アニメソングというものを意識したきっかけでしたね。その時の、お客さんとステージとの一体感にびっくりしました。そのライブで、私の大好きなアニメソングがたまたまかかった時に、私もすごく嬉しくなってしまったんです。みんなこういう気持ちを大事にして楽しんでるんだなって思って、私もこういう気持ちを伝えられるようなアニメソングを歌いたいと、この時に思いました。 ──今後の活動についてですが、まず11月には、テレビアニメ『とある魔術の禁書目録 II』のエンディング・テーマである初のシングル『Magic∞world』がリリースされますね。こちらはどんな曲ですか?  アニメの世界観に合った、疾走感のある、皆で楽しめる歌です。今回は歌詞も書かせていただきました。前向きになれたり、元気になるワードを詰め込んだ、何度も聴いてもらえる歌詞になったと思います。 ──今後の活動の目標はありますか?  「こういう人のようになりたい」というような、具体的な目標はあまり作らないようにしています。少しずつ活動していって、いろんな方と繋がっていきたいですね。ただ単に歌うだけじゃなくて、色々なことを吸収しつつ、みんなに新しいものや心から良いと思ってもらえるものをプレゼントできる人になりたいです。 ──お話をうかがっていると、他人との繋がりというものをすごく大事にされているなと感じます。  そうですね。それが歌い始めたきっかけなので。でも、ここからは自分の力で広げていくこともしないとなって思っています。そして、秋葉原を引っ張っていけるような人になりたいですね。 (取材・文=有田シュン) ●黒崎真音(くろさき・まおん) 1月13日、東京都生まれ。A型。東京・秋葉原にあるLIVE&BAR「ディアステージ」で日夜パフォーマンスを行う。力強い歌声とバンドサウンドを中心とした本人作詞・作曲による楽曲を引っさげ、ディアステージのみならず、都内各地で精力的にライブ活動を行っている。 公式サイト<http://www.geneonuniversal.jp/rondorobe/music/maon/index.html> 公式ブログ「 サキクロ+イズム 」<http://ameblo.jp/kurosakimaon/
H.O.T.D. 記念すべき、黒崎真音のファーストフルアルバム。9月に放送を終了したテレビアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』(独立UHF等で放送)のエンディング・テーマ曲12曲をすべて収録。ロック、ポップス、バラードなど幅広い楽曲を、力強い歌声で歌い上げる。 発売/ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン 価格/3150円(税込) amazon_associate_logo.jpg
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じわじわと追い込まれる緊張感に耐えられるか!? SF映画『パンドラム』

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 今年のアカデミー賞にもノミネートされた『第9地区』や、月面でひとり黙々と任務を遂行する男の孤独を描いた『月に囚われた男』など、比較的低予算ながら良質のSF映画が最近脚光を浴びている。CGを駆使したド派手なアクションシーンに頼らずとも、説得力のある設定と練り込んだストーリーで観客を魅了する、そんな心意気の作品が評価されているようだ。今回紹介する『パンドラム』(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント配給、10月1日公開)も、そうした作品群に加わるであろう注目作だ。  世界人口が膨れ上がる一方で、限られた資源の争奪が激化し、滅亡の危機に瀕した西暦2174年。人類は地球によく似た環境を持つ惑星タニスへの移住計画を実行し、選ばれた者と各種動植物を乗せた宇宙船エリジウムを送り出す。やがて2人の宇宙飛行士、バウアー伍長(ベン・フォスター)とペイトン中尉(デニス・クエイド)が目を覚ますが、冷凍睡眠の影響で記憶を失っている。艦橋への扉は閉ざされ、他の乗組員も見当たらない。動力と電力を供給する原子炉が不調で、わずかな残り時間のうちに再起動をかけないと自爆してしまう。薄暗い船内を探りながら原子炉を目指すバウアーは、異形の凶暴な"何か"から襲撃される......。  物語の鍵は、タイトルにもなっている「パンドラム」。これは軌道機能不全症候群と訳されているが、宇宙船内で生じる閉所恐怖症による心理的障害で、神経症や誇大妄想をもたらすもの。宇宙船の謎だらけの危機的状況に、クルーたちを内面からじわじわと蝕む精神の病が加わり、観客の緊張感と恐怖心もますますあおられることになる。  監督を務めたのはドイツの新鋭クリスチャン・アルバートで、製作は『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督。本作が実質的な映画デビューとなるドイツ人女優アンチュ・トラウチェが、戦闘とサバイバルに長けた"女版ランボー"のような役でワイルドな魅力を放っている。  『エイリアン』(79年)を想起させる宇宙船内での"異なる存在"との対決。『アンノウン』(06年)のように閉所で登場人物たちの記憶が失われているという状況。『猿の惑星』(68年)を彷彿とさせる終盤の印象的なシーン。過去の名作、話題作の要素を巧みに取り入れ、SF、アクション、ホラー、サイコスリラーの各ジャンルをバランス良く組み合わせた本作は、意外にお得感もあり、この秋じっくり作品に向かい合いたいという映画ファンにオススメの一本だ。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 『パンドラム』作品情報 <http://eiga.com/movie/53908/>
第9地区 Blu-ray&DVDセット SF映画って面白いんだね。 amazon_associate_logo.jpg
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"救済"の先にあるものとは一体何? 神なき時代の聖書『ヘヴンズ ストーリー』

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瀬々監督は大分県国東半島生まれ。
「三方を山に囲まれた閉鎖的な環境だったんだけど、前方には海が広がっていた。
海の向こうにはこことは違う別世界があるんだと、子どもの頃から
よく考えていましたね」と語る。
前編はこちらから ──熱演したキャストについても聞かせてください。前半のラスト、家族を殺された主人公のサト(寉岡萌希)は、新しい家庭を築こうとしていたトモキ(長谷川朝晴)の「家族を殺された人間は幸せを願っちゃダメかな」という問いに対し、「ダメだと思います」と言い放つシーンがあまりに強烈です。 瀬々 そうですね。前半はサトにその台詞を言わせるために、それまでの時間をかけるという意気込みで作りました。大事な台詞だったんです。寉岡さんはしっかりとあのシーンを演じてくれた。それは、あの年齢の子が持っていた純粋さゆえに言えた台詞でもある。あの年齢だからこそ、成立した台詞だと思うんです。あのシーンの撮影のとき、彼女は高校2年生でまだ16歳だった。いま思えば一年後の彼女があの台詞が言えたかどうか考えると疑問なんです。社会に直面する年齢になれば、もうあの台詞は口にできなくなる。16歳だったから、ギリギリあの台詞を言うことができたんじゃないか。確かに、あのシーンはドキリとするとよく言われます。そこには自分が失ってしまったものがある気がするんです。あの年齢の頃は、誰もが純粋に世界に立ち向かえてたと思うんです。 ──大人が口にすると、「ウソくせぇ」「お前自身はどうなんだ?」とツッコミを受けかねない。 瀬々 そういうことです(苦笑)。 ■『幕末太陽伝』の主人公のように居残ってやれ ──でも、16歳の寉岡萌希さんに復讐を生き甲斐にする主人公を1年にわたって演じさせるのは酷だったのでは?
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コント集団「ジョビジョバ」出身の長谷川朝晴
が犯人への復讐を誓うトモキ役を熱演。一度
は新しい家庭を手に入れたトモキだが、サトと
出会ったことで再び人生が狂っていく。
瀬々 大人は今さら成長しないけど、寉岡さんは1年間続いた撮影を通して女優ということだけじゃなくて、現実の彼女の日常世界の中でもすごく成長していったわけです。あの年代の女子の1年の成長というのは肉体的にも精神的にも大きいと思う。ボクたちの1年間と彼女の1年間は密度が違う(笑)。ボクなんかの10年分の体験を、彼女はこの1年間で凝縮して過ごしたんじゃないかな。彼女はこの映画と1年間向き合ったわけだけど、撮影とは別に日常生活でも様々な体験をしていると思うんです。サトに関するシーンは時間軸に沿って撮影しているんで、前半の「ダメだと思います」というシーンから後半のラストまで1年間リアルに時間が経過していて、16歳のサトと1年後のサトはある意味違う。ボクらの目論みを超えたサトに後半はなっていた。17歳になったサトは、映画の中でもいろんなことを経験し、トモキへの恋愛感情も芽生え、「ダメだと思います」とはもう言えなくなっている。成長するということは純粋さを失っていくことでもあり、ある意味で残酷ですよ。でもそれが人間なんじゃないかと、いい意味で思い知らされた。大人になったボクらは、そんなことも忘れてしまっているんだけど、そのことを思い出させる作品でもありました。最初は"罪と罰"とか大上段に構えていたけど、それよりも人間にとっては成長や老いといった緩やかな時間の経過という問題のほうが大きいんじゃないかと今になって改めて感じています。 ──後半からはトモキの家族を衝動的に殺してしまったミツオ(忍成修吾)が登場。罪を犯すことによって人間的な成長を遂げていくという非常に皮肉的なキャラクターですね。 瀬々 忍成さんはちょっと独特なタイプの役者さんというか、色で言えば真っ白な感じなんですね。真っ白で挑んできて、現場で起きる化学反応に合わせてどんどん変わっていく役者さん。最初は自分の役を「よく分からない」と言っていたけど、現場で「あ~、こういうことなんだ」とつかみながらどんどん演じていく。多分、彼も撮影を通して役と一緒に、成長という言い方が良いかどうか分かりませんが、入り込んでいったんじゃないかと思います。そういう意味では、いちばん大変だったのはトモキ役の長谷川朝晴さんだったと思うんです。彼は他の登場人物に対して全部受けの芝居をしなくちゃいけなかったから、自分の中のものを発露する機会が少なかった。でも、長谷川さんにこの役をやってもらいたいと思ったのは、彼の持っている等身大の感覚だったんです。トモキは全く普通の人が事件の渦中に放り込まれるという役なんで、こちら側というか、学生時代の友達にいそうなタイプが良かったんです。あ、こいつと学生時代一緒に麻雀したことあるみたいな(笑)。長谷川さんはそういう安心感を与えてくれるんですよね。決して目立たない感じではないんだけど、なにか懐かしいというか、それでいて真面目さを持ってる存在感。そこは、やはり独特だと思いますね。
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10代のときに殺人を犯してしまったミツオ
(忍成修吾)は、人形作家の恭子(山崎ハコ)
に引き取られ、束の間の居場所を得る。
だが、恭子は認知症が進行していた。
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──映画初出演となる山崎ハコさんは、若年性アルツハイマーに冒されながらも、行き場所のないミツオを引き取るという重要な役。 瀬々 ハコさんは、やはりアーティストだけあって、出てきただけで彼女の背後に風景が見えてくる。何もしないでも彼女が背負ってきた人生が見えてくる。ハコさんじゃなかったらこの映画自体が全然違ったものになっていたと思います。それだけ、この映画の色を決めてくれたと思います。最後の撮影では、ハコさん、かなり体重を減らしてから撮影に挑んでくれたんです(※体重36kgだったのを34kgに減らした)。アルツハイマー患者の役だったので、記憶を失うのと同時に自分の存在感もなくすよう体重を落としたそうです。「死ぬということはカゲロウのようになることだと思った」と話していましたね。廃墟でのシーンは、ハコさんは何もせずただ車椅子に座っているだけなんですが、表情だけで訴えかけてくるものがあったと思います。 ──家族を奪われたトモキとミツオが互いに復讐し合うという最悪のクライマックスを迎えるわけですが、その最悪の事態を招いたサトは最終的には"救済"されるんでしょうか? 瀬々 ボクは"救済"だとは考えていないんです。川島雄三監督の『幕末太陽伝』(57)という映画がありますよね。あの映画のラスト、肺病に冒されている主人公のフランキー堺が「地獄も極楽もあるもんけえ」と言って街道を走っていく。ボクはあのラストが大好きなんです。自分の人生、生きて生きて生き抜くんだという決意表明。あのラストを見ると自分自身もそうやって現実に挑んでいきたいといつも思う。劇中のサトにも現実に立ち向かう形で終わらせたかった。トモキとミツオはああいう悲しい結末を迎える中で、お互いに許し合ったというか救われたんじゃないかとボクは考えています。では、サトはどうなるのか? 死んだ家族と再会させてあげることが果たして彼女にとっての"救済"になるのか。それは違うと思ったんです。成長していく彼女は、もっと現実に立ち向かっていかなくてはいけない。今の世の中はこんなにも悲惨だけど、その中で生きていかなくてはいけない。自分の居場所を見つけなくてはいけない。もしくは居場所がなくても生きていかなくてはいけない。確かに撮影前は"救済"を考えていました。でも、1年間の撮影を続けることで"救済"の先にあるものを描かなくちゃいけないと考えるようになったんです。 ──『幕末太陽伝』は近世から近代への時代の変換期を描いた作品ですが、本作は20世紀から21世紀、アナログからデジタルへの移行期を描いた作品と言えますね。 瀬々 そうですね。『幕末太陽伝』は一軒の遊郭を舞台にした群像劇だけれども、『ヘヴンズ ストーリー』は西洋的な意味でのヘヴンではなく、"ヘヴン"という大きな屋根の下で暮らす人々の物語と言えるかもしれない。どちらも新しい時代の中でどうやって生きていくかということ。地獄も極楽もあるもんけえ、ですよ(笑)。 (取材・文=長野辰次) ●『ヘヴンズ ストーリー』 脚本/佐藤有記 監督/瀬々敬久 出演/寉岡萌希、長谷川朝晴、忍成修吾、村上淳、山崎ハコ、菜葉菜、栗原堅一、江口のりこ、大島葉子、吹越満、片岡礼子、嶋田久作、菅田俊、光石研、津田寛治、根岸季衣、渡辺真紀子、長澤奈央、本多叶奈、佐藤浩市、柄本明、人形舞台yumehina、百鬼どんどろ 配給/ムヴィオラ PG-12 10月2日(土)より渋谷ユーロスペース、10月9日(土)より銀座シネパトスほか全国順次公開  <http://www.heavens-story.com> ●ぜぜ・たかひさ 1960年大分県出身。京都大学哲学科在学中に、『ギャングよ 向こうは晴れているか』を自主制作。『課外授業 暴行』(89)で商業監督デビュー。"ピンク映画四天王"として話題作を次々と発表する。実在の事件を題材にした『雷魚』『KOKKURI こっくりさん』(97)で一般映画に進出。『トーキョー×エロチカ』(01)では地下鉄サリン事件を背景に描いた。性同一障害者を主人公にした『ユダ』(04)は「映画芸術」ベストテン第1位に。近年は『泪壺』(08)、『フライング・ラビッツ』(08)といったエンターテイメント作やパニック大作『感染列島』(09)などを手掛けた。『ドキュメンタリー 頭脳警察』(09)も上映時間5時間14分という長さで話題を呼んだ。
ドキュメンタリー 頭脳警察 長さでは、負けてない。 amazon_associate_logo.jpg
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大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー

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チョコレート・リサーチ・ファシリティのオリジナル・フレーバー・チョコ。
その数100種類以上!
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第9回 デザイナー Chris Lee (クリス・リー)  クリス・リーは、シンガポールのデザイン界の兄貴分だ。大樹の陰によらない独立系、クライアントはグローバル、評価は国際的。けれど、あくまでシンガポールという"ローカル"に根ざした活動を続けている。「地元のクリエイターたちのプラットフォームになれば」と、2005年にオープンしたデザイン・ショップ「アサイラム(精神病棟の意)」は、ガイドブックに載るほどの人気店だし、09年には"チョコレートが好きすぎて"、自分でチョコレート専門店「チョコレート・リサーチ・ファシリティ」を作ってしまった。材料や味の選定から、パッケージ、ショップインテリア、BGMに到るまで、クリスのこだわりが全面展開した、いわば彼自身の「アイデアのショーケース」。各国のデザイン関連の賞を総ナメにし、シンガポール・デザイン・プレジデント・アワードという快挙をもたらした。  そう、クリスは、シンガポールの若手クリエイターにとっての憧れであり、勇気をくれる存在なのだ。彼がチェアマンを務めるNPO「ザ・デザイン・ソサエティ」が今年1月に開催した設立イベントの会場には、クリス・カット(短髪)&クリス・ファッション(黒の細身のジャケット&黒ぶちメガネ)の"ミニ・クリス"が多数"出現"したという。  大の日本びいきでもあるクリス。
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『仮面ライダー(1)』
(石ノ森章太郎 著/
中央公論社刊)
「テレビっ子だった子どもの頃の自分は、ほぼ、ガンダム、ウルトラマン、ドラえもん......でできていた。10代はチェッカーズや(松田)聖子ちゃんという、ポップミュージックがそれに加わったんだ」 また、日本のコミックはクリスの考え方に大きな影響を与えたという。 「自分でも、仮面ライダーを主役に、いろんなストーリーを考えてはマンガを描いていた」 現在は、日本のクリエイターたちから精神的なインスピレーションを得ることが多い。 「何をやるにしても、その道でベストになろうというモチベーションが素晴らしい。日本のアーティストやデザイナーは、自分たちの仕事に、確信的なアイデンティティを持っていると思う」 クリスにとっての永遠のアイドルは、コム デ ギャルソンの川久保玲氏。 「彼女は長年に渡ってファッションの境界を押し広げてきた。いまでも彼女の創る服は素晴らしいし、服だけではなくて、パッケージから、ブランドのイメージ、ショップ、展示まで、全ての要素に対する強いディレクションがある。すごく尊敬しています」
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クリスがインテリアを手がけた広告代理店Bartle Bogle Hegartyの上海オフィス。
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サラダレストラン「Salad Shop」のインテリア。
 クリスのスタジオの活動も、グラフィック、インテリア、オンラインと、分野を越えて多岐に渡っており、常時両手でも足りないほどのプロジェクトを抱えている。11月には、これまでの活動や、仕事への考え方をまとめた本が出版される予定だ。  
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オーストラリアのM.A.Dワイン
(ラベルデザイン)。
 ところで今、シンガポールでは、日本食が大流行。中でも「ラーメン」は、有名店の出店も相次ぎ、かなりの市民権を得ている。そして何を隠そう、クリス兄貴、実はこてこての「ラーメンおたく」なのである。ブームになる何年も前から、自分の足と舌を使って東京中のラーメンを開拓してきた。現在、東京のラーメン事情に最も詳しいシンガポール人と言っても過言ではないだろう。シンガポールのデザイン業界では、東京に来る前には、クリスの「ラーメン指南」を受けることが必須事項になっているとか(!?) 。ちなみにクリスの今一番のおススメは恵比寿と原宿にあるAFRI。 「ここのつけ麺は、絶対試す価値あり! チャーシューには驚くよ〜。長らく"マイ・ラーメン・ランキング"の一位の座を占めていた一風堂は、この間シンガポールに支店ができちゃってさ...。そうそう、東京のラーメンと言えば......」。  クリスの"ラーメン・リサーチ・ファシリティ"の設立も近い? (取材・文=中西多香[ASHU])
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クリス・リー(アサイラム) 国内でデザインを学び、外資系広告代理店を経て1999年にデザインスタジオ「アサイラム」設立。05年にはオフィスの上に同名のデザイン・ショップをオープン。独自のセレクションによる世界中のデザインのショーケースに惹かれ、集まる若者は多い(現在は移転のため、一時休業中)。オリジナルのプロダクトやCDレーベルを持ち、出版の企画も進行中。国内外のクライアントのブランディングや空間デザイン、展覧会のキュレーションなど、活動は幅広い。09年、チョコレート専門店「Chocolate Research Facility」オープン。同年より、デザインNPO「ザ・デザイン・ソサエティ」チェアマン。09年シンガポール・デザイン・プレジデント・アワード受賞。<http://www.theasylum.com.sg/v3/#> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
仮面ライダー (1) テレビ版とは一味違います。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

"救済"の先にあるものとは一体何? 神なき時代の聖書『ヘヴンズストーリー』

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『ヘヴンズ ストーリー』には瀬々敬久監督自身も出資している。
製作費を捻出するために『フライング・ラビッツ』『感染列島』を引き受けた?
というぶしつけな質問に対して、「違うよ。結果的にはそうなったけど」と
笑って答えた。
 本編時間4時間38分、休憩を含めて上映時間4時間48分という尋常ではない長尺の超シリアスムービー『ヘヴンズ ストーリー』が10月2日(土)より公開される。いかに効率よく客席を回転させるかが求められているシネコン全盛の現代において、上映時間約5時間という非常識とも言える本作を撮り上げたのはピンク映画出身の瀬々敬久監督だ。近年は『フライング・ラビッツ』(08)、『感染列島』(09)とメジャー作品を手掛けていたが、99年に起きた"光市母子殺害事件"をモチーフにした群像劇である本作は、瀬々監督本来のエッジの鋭さがいかんなく発揮されている。映画ファン、映画興行関係者たちを挑発するかのような野心作を完成させた瀬々監督に、その真意のほどを聞いた。 ──全9章に仕立てた構成は巧みで、キャストも熱演しています。とはいえ、約5時間という上映時間は、観客に肉体的にも精神的にも覚悟を強いる作品ですよね? 瀬々 確かにそうですね。今は、パソコンでもケータイでも気軽に映画を見ることができる時代で、映画館で見るだけが映画ではなくなっている。でも、ボクは映画館が好きだし、映画館で育ったと思っているし、映画館で映画を見ることがもっと行なわれてほしい。この映画を見ることが、その人の人生において忘れられないひとコマになってほしいという願いもあります。映画を見ることが、もっと特別な体験であっていいんじゃないかと。 ──園子温監督の『愛のむきだし』(09)も3時間57分の大作でしたが、ラブコメやアクションというエンタメ的要素を交えていました。本作は通り魔に家族を殺された少女が復讐を生き甲斐にして成長していくという超シリアスな人間ドラマ。1日2回だけの上映になると思いますが、興行的な勝算のほどは?
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ヒロインのサトを1年間にわたって演じ続けた
寉岡萌希。家族を通り魔に殺害されるが、
その犯人は自殺したため、サトは怒り
のやり場がない。同じように家族を失い、犯人
への復讐を誓うトモキは、彼女にとって憧れの
存在となる。(c)2010ヘヴンズプロジェクト
瀬々 そこを突かれると弱いんですが......。観客動員的には楽な作品じゃないとは思ってます。そこで、日刊サイゾーさんにも協力してもらいたいわけなんです(笑)。もちろん、ひとりでも多くの人に劇場に来てほしい。でも、例えば、自分が見た作品がすごく良かったと思っても、「キネマ旬報」のその年のベストテンに選ばれることの方が少ないわけですよ。多分、そういう人のほうが多いと思うんですね。その人個人にとっての人生の1本は、必ずしも世間一般の評価とは一致しない。毎回思うんですけど、作品がたとえ万人に受け入れられなくても、たったひとりの心に届くことが出来れば良いと。もちろん、多くの人に見てほしいというのはありますけどね(笑)。 ■ボクはオウム真理教信者と同じ時代に生きた ──瀬々監督はこれまでも札幌テレクラ殺人事件を題材にした『雷魚』(97)、青学生殺人事件を描いた『HYSTERIC』(00)など実在の事件を度々取り上げてきたわけですが、今回は99年に起きた光市母子殺害事件がモチーフ。最初は自主制作として企画を進めていたと聞いています。 瀬々 自主制作のつもりで06年から動き始めたんですけど、最終的にはいろんな方たちが出資してくれたお陰で完成させることができた。でも、製作会社が入っているわけじゃないんで、作り方としては自主制作に近い形ですね。自分自身も出資しています。今、50歳で、29歳でピンク映画の監督としてデビューして、20年近くが経って、そこにはいろんな複雑な気持ちがあるわけです。焦りとか、何やってんだろうとか。それは自分が生きている時代や社会に対してもあるわけです。ピンク映画『課外授業 暴行』で監督デビューした89年前後は昭和から平成に年号が変わり、東西の冷戦が終わったような時代だった。その変化が進んでいって、グローバリゼーションと呼ばれるようになった。ボクは大分出身なんだけど、実家に帰るともう駅前の商店街は消えて、チェーンの量販店が点在するという、どこにでもある風景に変わっている。どんどん変わっていく不安定な社会の中で、みんな確実なものを求めている。そんな日常や世の中、今の社会についてのことも、1本の映画にまとめられないかという考えだったんです。 ──映画の中で描かれるゼロ年代は、瀬々監督がピンク映画から一般映画へと移行していった時期でもありますね。 瀬々 そうです。そういう変化は自分自身の映画作りとも重なっていると思います。ピンク映画をやってた頃は、ピンクは一般映画よりも一段下と見られ、そんなボーダーをぶっ壊してやろう、映画は映画じゃないかという気持ちでやってきた。かつては闘う相手が明確に見えていた時代でもあったんです。でも社会構造が変わり、世の中の均質化が進み、敵の姿が見えにくくなってしまった。映画の世界も当然変わった。ボーダレスな世界を目指して作ってきたんだけど、実際に今、ボーダレスな時代になって果たして本当に幸せな時代になったのかという忸怩たる想いがある。そこでもう一度、ピンク映画を撮っていた頃のように自主映画に近い形でやってみようと。映画界は最近だと『SRサイタマノラッパー』(09)の入江悠さんや、『ライブテープ』(09)の松江哲明くんといったメジャーとかマイナーの枠に捕らわれない若い監督が出てきているけど、50歳のオッサン監督もちょっと挑戦してみようかと(笑)。 ──失礼なことをお尋ねしますが、『フライング・ラビッツ』『感染列島』は本作の製作費を稼ぐために引き受けたんでしょうか? 瀬々 それは違いますよ(爆笑)。メジャーで溜まった鬱憤を晴らすために今回の作品を撮ったなんて言う人もいますけど、『ヘヴンズ ストーリー』のほうが先に企画が進んでいて、たまたまその準備中に2作続けてそういう作品を撮ることになった。まぁ、結果的にはその監督料で今回の製作費が補われているところはありますが(笑)。でも、お金を稼ぐためだけで、大きな資本の作品を撮ろうと思って撮れるもんじゃない。そう甘いもんじゃないです。関係なく一生懸命に撮っています。例えるなら、大きな作品はビルを建てるようなものだと考えています。いろんな業者が参加するし、ビルにはテナント、オフィス、居住者といろんなお客さんが入る。そういうビルを建てる面白さが大きな作品にはありますよね。それに対して、今回は手作りで一軒家をイチから作ったような感じです。 ──『ヘヴンズ ストーリー』もそうですが、『感染列島』では日本を壊滅に追い込む新型ウィルスを"ブレイム"(神罰、責苦)と名付け、性同一障害者を主人公にした『ユダ』(04)というタイトル作もありました。また、『アナーキー・インじゃぱんすけ』(99)のシナリオタイトルは『神さま、あんたただの役立たずじゃないか』だったそうですね。バイオレンスシーンに目が行きがちな瀬々作品ですが、実は宗教的な意味合いを強く感じているのですが......。 瀬々 そんなに熱心にボクの作品を見てくれている人がいたとは意外でした(笑)。実は、言ってしまうと、死ぬのが怖いんです(笑)。『ヘヴンズ ストーリー』の中でも女医さんが言う台詞がありますが、「自分が死んだ後も未来は続いていくんだ」と子どもの頃、よく眠るときに考えたんです。自分がいなくなっても世の中が延々と続くのが無間地獄みたいに思えて、すごく怖かった。ボクは全共闘世代の下の世代で、誤解を恐れず言うならオウム真理教の幹部たちと同世代なんですよ。庵野秀明監督も同世代で、『新世紀エヴァンゲリオン』を見ていても同じ世代に共通する感覚を感じる。今ある、地ベタな世の中とは別に、それを超える別の世界があるんじゃないかとずっと心のどこかで考えてしまう。だからといって、地ベタな現実社会を重要視しないというわけではないんですが。
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岩手県の鉱山跡の廃墟シーンが印象的だ。復讐
心に取り憑かれたトモキ(長谷川朝晴)は、
家族を奪ったミツオ(忍成修吾)を追い詰めていく。
──瀬々作品は"救済"を求める人々の物語といっていい? 瀬々 まぁ、上からの言葉、形而上学でいえば"救済"かもしれないです。でも、もっと分かりやすく、地ベタの言葉でいえば"居場所探し"じゃないかと自分では考えています。さっきも言ったように、社会が変わり、田舎に帰っても風景が変わってしまっている。便利な世の中になったけど、かつての居場所はなくなってしまった。第1章「夏空とおしっこ」で主人公の少女は肉親の死でおしっこが出なくなるんだけど、そういう感性を持つ子どもや若い人は多いんじゃないかと思うんです。精神的にも肉体的にも安心できる場所がない。確かに、この映画でも最初は"罪と罰"とか"救済"といった発想が頭にあったんだけど、いざ実際の役者さんたちと一緒に撮影を続けていくことで、もっと分かりやすく地に足が着いたリアリティーで描こうと思うようになった。もちろん"救済"と受け止めてもらってもいいんですが、自分の中ではそう難しく考えなくても良いと思ってます。 ──カモメ団地、渡り船、鉱山跡の廃墟......と昭和的な美しい風景が印象的。消えつつあるものを映像として記録しようということでしょうか? 瀬々 単純に、いつか無くなるんじゃないかというような風景を見ると切なくなるんです。もちろん変わっていく風景に対する想いはあります。どんどん変わっていくことに対して、どこかで抵抗を感じている。人間はいろんなことをどんどん忘れていきますよね。一連のオウム事件にしても、大震災にしても、もう語る人は普通にはいない。あんなに大変なことが起きたのに、あたかもそんなことはなかったかのようにボクらは何気なく生きている。それは、人間はそうしなくては生きていけないから。でも、そのことに対して、「ちょっと待ってくれ」という気持ちが心の中にあるんですよ。それは大事件だけに限らない。大きい小さいに関係なく、誰しも心の中に忘れてはいけない出来事が眠っているんじゃないかと思うんです。 (後編につづく/取材・文=長野辰次) ●『ヘヴンズ ストーリー』 脚本/佐藤有記 監督/瀬々敬久 出演/寉岡萌希、長谷川朝晴、忍成修吾、村上淳、山崎ハコ、菜葉菜、栗原堅一、江口のりこ、大島葉子、吹越満、片岡礼子、嶋田久作、菅田俊、光石研、津田寛治、根岸季衣、渡辺真紀子、長澤奈央、本多叶奈、佐藤浩市、柄本明、人形舞台yumehina、百鬼どんどろ 配給/ムヴィオラ PG-12 10月2日(土)より渋谷ユーロスペース、10月9日(土)より銀座シネパトスほか全国順次公開  <http://www.heavens-story.com> ●ぜぜ・たかひさ 1960年大分県出身。京都大学哲学科在学中に、『ギャングよ 向こうは晴れているか』を自主制作。『課外授業 暴行』(89)で商業監督デビュー。"ピンク映画四天王"として話題作を次々と発表する。実在の事件を題材にした『雷魚』『KOKKURI こっくりさん』(97)で一般映画に進出。『トーキョー×エロチカ』(01)では地下鉄サリン事件を背景に描いた。性同一障害者を主人公にした『ユダ』(04)は「映画芸術」ベストテン第1位に。近年は『泪壺』(08)、『フライング・ラビッツ』(08)といったエンターテイメント作やパニック大作『感染列島』(09)などを手掛けた。『ドキュメンタリー 頭脳警察』(09)も上映時間5時間14分という長さで話題を呼んだ。
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【関連記事】 主演作『おにいちゃんのハナビ』が公開!谷村美月もお兄ちゃんが欲しかった!? 映画監督・江川達也の"暴走"トーク!? 第2弾映画は"洗脳の怖さ"が発端だった(前編) "歩く伝説"山本又一朗プロデューサー 小栗旬初監督作の舞台裏を存分に語る!(前編)

『戦国BASARA』が火をつけた歴史ブームはどこまで拡大するか

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CAPCOM『戦国BASARA』公式サイトより
 いわゆる「歴史ブーム」「戦国ブーム」は止まる気配がない。『もういちど読む山川日本史』(山川出版社)が売れに売れ、お盆には歴史上の人物の墓を訪ね歩く「墓マイラー」なる層も出現。2008年ごろに生まれた歴史好き女子を指す「歴女(レキジョ)」という言葉は、今では流行語を超えてすっかり定着した感すらある。  ブームの火つけ役となったのが、カプコン社のアクションゲーム『戦国BASARA』シリーズ。05年の発売以来、出荷本数は累計160万本を記録。7月に発売された『戦国BASARA3』も、PS3で約31万本、Wiiで約8万本と好調に推移。男の渋い趣味として位置づけられていた「歴史モノ」というカテゴリーを若い女性層にまで浸透させ、ブームの裾野を広げながら息の長いムーブメントとして定着させている。  こうした動きに合わせ、各地ではさまざまな関連イベントが開催されている。『戦国BASARA3』の発売に合わせ、人気キャラクターの一人である真田幸村のふるさと、長野県上田市では、上田市と別所温泉を結ぶ上田電鉄別所線に、ゲーム『戦国BASARA』とTVアニメ『戦国BASARA弐』をラッピングした「戦国BASARA 真田幸村号」を走らせ、人気を集めている。これに先駆けて4月に開催された「上田真田祭り」にも、40年ぶりの大雪による交通の乱れがあったにも関わらず、5万5,000人の観光客で賑わったという。上田市観光課では、「県外からの若い女性のお客様が目立って増えています。戦国武将、とりわけ真田昌幸、信之、幸村親子の観光資源としての力を実感しています。まさに『BASARA』さまさまですね」とホクホクだ。  また、今年は関ヶ原合戦から410周年という節目。岐阜県関ヶ原町では、08年以来二年ぶりの開催となる「関が原合戦絵巻2010」(旧「関ヶ原合戦祭り」)を10月16日、17日に開催する。同町地域振興課では、「一般の方が参加できる『甲冑武士』を昨年の80数名から倍近い150名にしたところ、応募が殺到しました。若い女性も多いですね。来場者は前回の3万5,000人を超えると予測しています」と、盛り上がりに期待を寄せる。  来夏には、戦国時代を描いた歴史小説『のぼうの城』(和田竜著)の映画化が決定(犬童一心・樋口真嗣監督)。エキストラを一般公募したところ、こちらも希望者が殺到したという。  全国的なムーブメントを後押ししている『戦国BASARA3』だが、早くも公式の解説本も出ている。『カプコン公認 公式読本 戦国BASARA3 関が原の戦い』(別冊宝島)では、執筆陣に小和田哲男、童門冬二、火坂雅志、桐野作人、藤井尚夫といった解説本らしからぬ実力派作家を揃え、「ありがちなゲーム解説本とは一線を画しました。戦国武将や関が原の戦いを、深堀りしながらも分かりやすく解説してあります。ゲームから入った歴史ファンはもちろん、コアな歴史マニアにも満足できる内容です」(宝島社)と、制作サイドの鼻息は荒い。  ゲーム、アニメ、書籍と、さまざまな入口で戦国武将に惹かれたファン層は、"歴史"を生涯の楽しみとして取り入れ、そこに根を下ろしはじめているようだ。既に"歴史"はブームという枠を超え、安定した趣味のジャンルとして確立されたと見ていいのかもしれない。 (文=浮島さとし)
もういちど読む山川日本史 昔はあんなに嫌いだったのにね。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 "リアルすぎる歴史番組"NHK『タイムスクープハンター』が示す映像新時代 "データベース"と"地域ブランディング"に見るアニメ産業の「未来」と「リアル」 イケメン旋風、ここにも到来!? 出版業界を延命させる時代小説

【『クロヒョウ 龍が如く新章』】──セガ・名越監督&RIZE・JESSEがバシッと答える、異色の人生相談室開催!

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(写真/江森康之)
 大ヒットゲームシリーズ『龍が如く』の最新作『クロヒョウ 龍が如く新章』が世に出た。同シリーズといえば、名物プロデューサー・名越稔洋。その名越監督が今、公式サイトにて人生相談番組『名越に聞け!』を展開中だ。さっそく、本作のメイン楽曲を手がけたRIZEのJESSEが登場した回の収録現場にお邪魔した。ともに作品を作り上げた仲とはいえ、20歳近く年が違う2人。一緒に人生相談に乗るのは難しそうだが......。 名越「確かにねぇ、『まずお前に教えたいよ!』ってなるよね(笑)。だけどJESSE君とは一緒に仕事して、精神のレベルが違わないと思うから、全然平気だね」 JESSE 「大阪に、すげぇギター弾きがいるんですよ。8歳くらいで『天才ギター少年』とか呼ばれてんだけど、天才なんじゃなくて、ものすごい探究心がある子。彼と僕は20歳以上違うけど、そう感じたことはない。普遍的な精神が近いから。それと同じだよね」  これまでと異なり、主人公が10代の少年になった本作について、「自分が大人だからって、上から何か言うようなメッセージの込め方はしたくない。だから、正面からドーンとぶつかるようなRIZEの曲がいいな、って」と言う名越監督と、ニヤリと笑うJESSEの間に、ハイファイブの幻が見えたようだった。 (文/小宮 鰯)
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『クロヒョウ 龍が如く新章』 舞台は巨大歓楽街・神室町。主人公は「力こそすべて」と信じる孤独な少年・右京龍也。ストリートファイトに地下格闘場と、戦いを繰り広げる少年の行く先にあるものは──?今回のRIZEとのコラボレーションは、「ベースのケンケンが、レッチリと同じくらい『龍が如く』が好き」(JESSE)だったことから名越監督と知り合い、それが縁で実現したそう。 発売/セガ 価格/6279円(通常版・税込)、9429円(プレミアムBOX版・同) 発売日/9月22日 名越稔洋(なごし・としひろ/写真左) 1965年生まれ。株式会社セガR&Dクリエイティブオフィサー。89年のセガ入社以降、『デイトナUSA』など、数々の人気作を手がける。近年は『龍が如く』シリーズで一躍同社の顔に。 JESSE(じぇしー/写真右) 1980年生まれ。ミクスチャーバンド・RIZEのギターボーカル。その旺盛な音楽活動は同バンドだけにとどまらず、コラボレーションを行ったアーティストは多岐にわたる。