上質なサウンドにシビれまくり!! 『鉄男 THE BULLET MAN』DVD&Blu-ray発売記念イベント

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左から桃生亜希子、塚本晋也監督、エリック・ボシック。
 世界的な映画監督の初期作品でモノクロームの低予算映画は──と考えて東西を見渡したとき、思い浮かぶひとつはリュック・ベッソンの『最後の戦い』。もうひとつは塚本晋也の『鉄男』だろう。『最後の戦い』はベッソンの長編デビュー作にして1983年アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭の審査員特別賞・批評家賞受賞作品。『鉄男』は1989年のローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ作品。それぞれ、商業映画監督としてのジャンピングボードとなっている。ジャン・レノ、田口トモロヲが「発見」された映画としても興味深い。  1992年の『鉄男II BODY HAMMER』以来となるシリーズ第3作『鉄男 THE BULLET MAN』が今年公開され、このたびBlu-ray/DVD化、同時に『鉄男』三部作のサウンドトラック音源を収録した『鉄男 ~コンプリート・サウンドトラック~』(SMJ)も発売された。  11月3日に立川シネマシティで行われた「『鉄男 THE BULLET MAN』DVD&Blu-ray発売記念"世界初!鉄男全作一挙上映"」は、映画を見ていながら、最強のノイズミュージックライヴを体験しているかのような不思議なイベントだった。  サウンド・スペース・コンポーザーの井出祐昭が音響設計した立川シネマシティは、剥き出しのスピーカーが暴力的な印象を与える「kicリアルサウンド」を採用。その音質は映画館という域を越えているが、ヴィジュアルそのものが前衛的な異空間ともいえ、『鉄男』に非常にマッチしている。  上映前と各作品のインターバルには、塚本晋也監督、「『鉄男 THE BULLET MAN』出演のエリック・ボシックと桃生亜希子、音楽の石川忠、漫画家の深谷陽らが登壇してのトークショーが行われ、ファンを楽しませた。  『鉄男』をはじめとする塚本作品に石川忠の音楽は欠かせない。ノイズ・インダストリアルバンド「ツァイトリッヒ・ベルゲルター」のメタルパーカッショニストだった石川(現DER EISENROST)に、塚本はこう注文したという。 「カシオサンプルトーンで猫の声でドレミファソラシドをやっているのが面白くて、だったら鉄の音で音階を作ろう、と思った。石川さんに依頼したときは、『とにかく鉄で。なるべく鉄だけで、普通の楽器なしで作れたらうれしい』と(笑)。」  石川はツァイトリッヒ・ベルゲルターで自作のメタルを叩いていたが、それでも普通の楽器を使わないという縛りには、かなり戸惑ったという。  その結果があの「爆音」「轟音」である。  1本目の『鉄男』上映開始直後には塚本が自ら実際の仕上がりをチェック、微調整を施していた。攻撃的なサウンドがさらに活性化。会場を埋め尽くしたオーディエンスを圧倒した。  この日は関連グッズがバカ売れ。塚本もファンサービスの時間を増やし、できるかぎりサインをし続けた。  その合間を縫って、塚本、エリック、桃生が控え室で取材に応じてくれた。 *** ――シンプルに訊きたいのですが、これほどまでに長く愛され、影響を与え続ける『鉄男』とは、みなさんにとってなんなのでしょうか。 エリック それシンプルな質問じゃないでしょ(苦笑)。 塚本 一番楽しめる遊び場所、です。一番自由に、かしこまりすぎず、羽がピッと伸びるような。また『鉄男』を撮るとは(今の時点では)言わないですけど、そのことを考えると、フフッと楽しい。 ──いますぐに続編と言われると、ちょっと困りますか? 塚本 前もそう言って、17年もかかっちゃったわけだから(苦笑)。『鉄1』が公開されたのはサイバーパンクが出てきたときですよね。その頃、インダストリアル音楽ができたじゃない? 暗い、ラフなサイファイ。人間、肉体、マシーン、鉄、大きいビルや街と人間のアイデンティティをどう合わせるかというテーマを、それぞれのアーティストが考えていた。でも『鉄男II』は作り方がちょっと変わった。鉄男のデザインが変わって、ストーリーもナラティヴになった。シュールだけじゃなくて、ストーリーが入った。(いろいろな作品を経ての『鉄男 THE BULLET MAN』で)現場でたまに言ってたんですよね、これは大人の鉄男だと。以前よりもセンシティヴに細かく静かに作られている。内包されている哲学も変わったと思いますよ。 桃生 塚本監督という人間に私はまず感動しました。自分の作りたいものを作るために時間をかけ、本当に大事に作っていて。監督が作るものを愛している人たちが集まって、お金とかそういうことだけじゃないところでものを作っていく姿勢とか、いろいろなことを教えてもらいました。スタッフの方とみんなで一緒に作品を作り上げていく時間が私は好きなんだな、と気付かされました。この先もいろいろな作品に出会っていくと思いますが、本当に大事にしたい作品に会えた、大きな出会いだなと、すごく感謝しています。 ***  熱心な塚本ファンであるエリックをはじめ、「お金だから」とか「仕事だから」という以上のモチベーションが制作者を衝き動かす類の作品であることを、桃生は明確に語っている。20年以上も『鉄男』が続く理由の一端が垣間見える。  20周年記念として、月刊コミックビーム(エンターブレイン)でコミック版の連載が始まるという。熱狂の渦が新たな支持者を獲得し、巻き込んで、さらなる運動へとつながりそうな気配だ。 (取材・文・写真=後藤勝)
鉄男 THE BULLET MAN 体感せよ! amazon_associate_logo.jpg
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【SARAH】──SODに新星誕生! ブラジル産のハーフ美女が、日本男児の股間を刺激!?

salah001.jpg  この12月、その名も『SARAH AV Debut』でAVデビューを飾るSARAHちゃん。日本人の父とブラジル人の母を持つ、エキゾチックなルックスが魅力的な彼女が、原紗央莉、羽田あいら、超S級女優が所属するSODクリエイト「SOD STAR」レーベルからDVDをリリースする期待の新人だが、スカウトされたのは、ちょっと意外な場所だったのだとか。 「もともとアニメやゲームが好きな上に、イベントコンパニオンの仕事をしていたこともあって、8月のコミケの企業ブースで『真・恋姫無双』のコスプレをしてたら、いろんなプロダクションの人から名刺をもらっちゃって(笑)」  そして、現在のプロダクションに所属してから、わずか2カ月後の10月にはイメージDVDを発売し、さらにそのまた2カ月後にはAVデビュー。夏コミからわずか4カ月で人生が急展開、それも大胆なチャレンジをするに至ったのはなぜか。彼女の胸の内には「夢を叶えたい」という想いがあるという。 「今のAV女優さんってバラエティとかでも活躍しているじゃないですか。そういうステージでも頑張れることで、日本の人にブラジルという国をもっと知ってもらいたいんです。我ながらちょっと大きすぎる夢かな、とは思うんですけどね(笑)」  その壮大な目標のための第一歩となる本作は、「緊張の初脱ぎ」「はじめてのSEX」、ベテラン男優による「レクチャーSEX」、そして「本気のSEX」の4パート構成。「初脱ぎでは怖くて泣いちゃった」というが、ベテラン男優からレクチャーを受け、緊張が和らいでからは「ちょっとカメラの存在を忘れちゃって、素の自分が出ちゃいましたね」と、リラックスモードで「最後にはちょっと自分から攻めてみたり(笑)」しちゃったのだとか。生まれて初めてカメラの前で肢体を披露した女のコが、ひとりのAV女優に成長するまでの物語としても楽しめそうだ。  ちなみに、今後の予定を伺ってみたところ「あっ、冬コミには絶対出たいんですよ!」 「『ONE PIECE』がスゴい好きなんで、真冬だし、あのビキニは寒いかもしれないけど、ナミのコスをしてみたくて。事務所はOKしてくれるかな(笑)」  事務所のみなさん、SARAHちゃんのため、そして我々男子のためにも、ぜひともご許可を!! (写真=有高唯之/文=成松哲) SARAH 1991年、ブラジル生まれ。日本人の父と、ブラジル人の母を持つハーフ美女。151センチと小柄ながらB86(Fカップ!)W54H83という黒船級ナイスバディがたまりませぬ! さらに趣味はアニメ鑑賞と、しっかり"クールジャパン"の魂を兼ね備えた新世代AVスター。 『AVDebut SARAH』
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19歳の超絶ハーフ美女が、AVデビュー! SODの新星SARAHちゃんが、ブラジル人のお母様譲りの超エロいナイスバディーで、日本人の股間を刺激する! 新人女優ならではのお約束、初脱ぎ→緊張で涙のパターンでヤマトナデシコの恥じらいを見せたかと思えば、その後に続くセックス三連発では、徐々にその情熱的な本性を見せていく......。デビュー作にしてSARAHちゃんのラテンのセックスをしっかり堪能できる一本です! 発売/SODクリエイト 価格/3129円(税込)

『ラブひな』赤松健が漫画無料公開 絶版マンガ図書館構想を佐藤秀峰も応援

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公式ブログ「(株)Jコミの中の人」より
 出版業界は大手10社中8社が減収、2社が赤字という出版不況と、電子書籍リーダーの誕生により、一大パラダイムシフトを迎えている。そんな中、『ラブひな』『魔法先生ネギま!』で知られる漫画家・赤松健が、作者の許諾を得て絶版漫画を無料公開し、その広告収益を作者に還元する新サービス「Jコミ」を立ち上げた。同サービスのブログで次のように明かした。  「スキャンされた漫画を収集し、作者の許諾を得て無料公開する。その漫画の中に、広告を入れる。そして、その広告料は作者にお渡しする......と。この方式なら、読者は、合法的に、しかも無料で漫画を読めちゃう。ダウンロードした作品を、お友達にあげちゃってもOK。中に入っている広告がクリックされればされるほど、作者にお金が入る。巻末にアフィリエイトのページを付けて、その作者の新作が買えるようにすれば、新作のプロモーションにもなる。もちろん、そのアフィリエイト料も、作者に行くようにする」  作者の許諾を得て、漫画をスキャンした画像をアップロードし、広告付きで公開することで、"絶版マンガ図書館"を構築。許諾を得た作品限定のため、動画投稿サイト・ニコニコ動画やYouTubeのように、ユーザーもアップロードに参加し、ラインナップの増強を図るプランだ。単行本にならなかった漫画や、単行本未収録の作品なども揃えていく予定。赤松の『ラブひな』全14巻を11月26日から公開し、ダウンロード数、クリック数を調査する。  絶版となった作品は、中古書店などで取引されても、当然作者に利益が還元されるわけではない。だが、広告を付けて読者に公開することで、その広告収入を作者に還元し、赤松は1円も利用料は取らないという。還元される金額は、複数のネット広告業者に相談したところ、「全ての広告ページが5,000クリックあるのなら、広告1ページに対し、10~30万円くらいで販売できるかもしれないそうです。そうなると、1作品(1巻)約70~80万円くらいに」と明かしている。読者、作者、双方にWIN-WINなサービスと言えるだろう。  漫画の無料公開と言えば、『ブラックジャックによろしく』『海猿』の漫画家・佐藤秀峰が9月に、自ら手がけるオンラインコミックサイト「漫画 on Web」で、『海猿』を無料公開。当初、1カ月間の予定だったが、現在も公開を続けている。同サイトによると、公開時から数十億規模のページビューとなり、10月の売り上げは100万円程度となったことを明かしている。さらに、「週刊漫画TIMES」(芳文社)に連載を再開させた『特攻の島』の第1巻のほか、『ブラックジャックによろしく』も無料公開し、同作はユーザーに英訳してもらう"『ブラックジャックによろしく』英訳プロジェクト"をニコニコ動画の画像版であるニコニコ静画で行っている。意欲的な挑戦を続ける佐藤は赤松の「Jコミ」について、Twitterで次のようにサポートを宣言した。 「赤松さんの件は、頑張って欲しいし、僕の作品でよければ、zipでデータを提供しても構わないですけど、あれですね。まず、サーバをどうするのか心配ですね」  自らデータを提供を辞さないことを告げ、膨大なアクセス数が予測されるサイトのサーバーが懸念材料になることを指摘した佐藤。やはり、この点がサイト運営の一番の肝となるようだ。これらのトライアルの背景には、P2Pなどによる、世界的な漫画の違法配信に苦慮し、アクションを起こした面もある。11月12日に開催されたイベント「電子書籍・コミックサミット in 秋葉原」では、集英社の鳥嶋和彦専務取締役が出版社37社が共同して、北米の漫画ファンに向けた総合ポータルサイト「Jマンガポータルサイト(仮称)」の設立を宣言。出版社側も配信への対応を行っている。過渡期を迎える出版業界が、今後どのように収益を確保していくのか、注目だ。
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【関連記事】 佐藤秀峰が漫画『海猿』全話を無料公開 漫画界の新たなスタンダートとなるか? 「マンガを正当なビジネスにしたい」マンガ家・佐藤秀峰 爆弾発言の裏にある思い(前編) 電子書籍なのに手売り販売? ウワサの「電書フリマ」で電子書籍の最前線を体験レポート

幻の3Dシーンを見破れるか? シリーズ完結編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』

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 史上最強ファンタジーの最終章がいよいよ幕を開ける。J・K・ローリングのベストセラー・ファンタジー小説『ハリー・ポッター』シリーズの完結編となる第7巻は、2部構成で映画化されるが、その前編『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』(ワーナー・ブラザース映画配給)が11月19日に公開を迎える。  邪悪なヴォルデモート卿(レイフ・ファインズ)の復活により、かつてなく危険な場所となった魔法界。ヴォルデモートと死喰い人たちは勢力を拡大し、魔法省やホグワーツ魔法学校を支配下に収める。一方、ハリー・ポッター(ダニエル・ラドクリフ)、ロン・ウィーズリー(ルパート・グリント)、ハーマイオニー・グレンジャー(エマ・ワトソン)の3人は、ヴォルデモートを倒すのに不可欠な「分霊箱」を探す旅に出る。困難な旅の途中で、3人は仲間割れの危機に。試練の中で知ることになった「死の秘宝」の伝説によれば、3つの秘宝すべてを手に入れた者は不死身になるという。果たしてハリーたちは、残る分霊箱を破壊し、ヴォルデモートが死の秘宝を手にするのを阻止できるのか。  映画化第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』が2001年に公開されて以来、10年間にわたって圧倒的な成功を収めてきた同シリーズ。世界で累計4億冊売れたという全7巻の原作の熱狂的なファンの存在が大きいとはいえ、若い魔法使いたちの成長と冒険を描く原作の世界観を、俳優陣の説得力ある演技とCGを駆使した斬新な映像によって見事に再現してきた点が、一般の観客にも受け入れられてきた要因だろう。  注目が集まるメインキャラの3人の成長ぶりも、長年のファンには見逃せないポイント。11歳のときにハリー役に抜擢されたダニエル・ラドクリフも今や21歳。ハーマイオニー役のエマ・ワトソンも含め、子役時代には考えられなかった大胆なラブシーンにも挑戦している。  ファミリー向けのファンタジー映画とはいえ、レイフ・ファインズをはじめ、ベラトリックス役のヘレナ・ボナム=カーター、スネイプ役のアラン・リックマン、スクリムジョール役のビル・ナイなど、舞台でも活躍する演技派の英国俳優陣が脇を固めている点も見どころだ。  デビッド・イェーツ監督は、第5作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』、第6作『ハリー・ポッターと謎のプリンス』からの続投。2011年7月15日公開予定の『PART2』でもメガホンを取り、すでに撮影を終えている。当初は2部作の両方とも3D上映されると発表されていたが、PART1がスケジュール上の事情により2D上映のみになったのは残念。PART2では予定通り3Dでの上映に向けて製作が進んでいるようなので、完結編がさらに迫力ある映像体験になるのは間違いない。PART1の中にも明らかに3Dを意識したアクションの演出が随所に見られるので、そうしたシーンをもとにPART2の3D表現を夢想するというマニアックな楽しみ方もできるだろう。 (文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉) 「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」作品情報 <http://eiga.com/movie/53520/>
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童貞時代の複雑な感情が蘇る! エロいけどヌケない写真詩集『思春期』

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「触れたいのに触れられない」。高校時代のそんな淡い気持ちが蘇る写真集。
(c) Yuki Aoyama
 空に向かって跳ぶサラリーマンたちを収めた写真集『ソラリーマン』(ピエ・ブックス)や、女子高生の淡いフェティシズムを切り取った『スクールガール・コンプレックス』(イーストプレス)などで話題の写真家・青山裕企が、新作写真詩集『思春期』(ピエ・ブックス/谷郁雄氏と共著)を発表した。『スクールガール・コンプレックス』では写真の素材として女子高生を扱っていたが、今回の『思春期』ではより自然な舞台に置かれた女子高生の儚さ、美しさ、エロさなどに切り込んでいる。この、一見オシャレに見える写真集の裏にはどんなドロドロのリビドーが潜んでいるのか!? 青山さんに直撃してみた。 ――青山さんと言えば写真集『ソラリーマン』に代表されるように、おっさんがジャンプしている写真のイメージが強いですが、被写体として女子高生に興味を持つようになったきっかけは? 「もともとジャンプ写真ばっかり撮っていたんですが、2006年にグループ展をやったときのテーマが『変態』だったんですね。人が跳んでる写真って、どちらかというとサワヤカでポップじゃないですか。せっかく『変態』っていうテーマなので、今までと違うことをやろうかなと考えた時に出たのが女子高生だったんですよ」 ――『変態』と言えば女子高生だろうと! 「女子高生にしろサラリーマンにしろ、制服を着ている存在というのに興味があるんですね。都内で電車に乗っていると、サラリーマンや女子高生をよく見かけますけど、どこか無機質で記号っぽく見えるじゃないですか。そういうものを作品にしようと思って撮り始めました」
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(c) Yuki Aoyama
――ちなみに高校時代は共学でしたか。 「共学です。でも制服はブレザーで、市内でワースト3に入るくらいダサかったんですよ。だから高校時代は、それほど制服自体への執着ってなかったと思うんですけどね。まあ体操着とか、夏服のシャツに透けるブラとかはよく見てましたけど」 ――新作写真詩集『思春期』では夏服しか写してないですよね。ブレザーにはそれほど苦い思い出があると。 「まあそこは、肌の露出の関係で冬服だと隠れすぎちゃうっていうのもあるんですけど」 ――高校時代ってモテてましたか。 「中学までは完全にイケてないグループで、当然女子からは全く相手にされてなかったんですけど、高一の春になぜかクラスの女子からアタックされ、こっちが動揺する中、周りの盛り上がりに後押しされて、初めて付き合ったんですよ。でも、その女の子が......表現はよくないですけど、ヤリ手な子で。すぐに他の男子に乗り換えられ、一気に女性不信に陥ってしまいましたね」 ――じゃあ女子高生に対するイメージって、むしろ悪かったりするんですか。 「そんなことがありつつも、ひとりっ子だったこともあり、ずっと同世代の女性と交流がなかったんで、女性に対してものすごい幻想を抱いていて『神聖な存在だ』みたいに思っていました」 ――それ以外に高校時代の恋愛っていうのは......。
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(c) Yuki Aoyama
「大学受験の前日に同じバスに乗ってた女の子に一目惚れしました! しかも、その子が受験当日に同じ教室にいたんですよ。これは運命だと思うじゃないですか。なんとかして声をかけたいけど、そんな話術もない。しかも、実力的に試験には落ちると思ってたんで、今声をかけないと一生会うチャンスがない。そこで試験中ずっと作戦を考えて、終わって教室から出ていったところをつけていって、『財布を落としちゃったんで、帰りの交通費を貸してもらえませんか』って」 ――それは......完全に怪しいですね。 「でも彼女は疑いの目ひとつせずに『いいですよ』って! そこで完全に心を持ってかれましたね。彼女は現役で合格し、僕は浪人して一年後にその大学に入ったんですが、借りたお金を返すという名目で住所を聞き出していたので、その間ずっと文通をしていました」 ――告白はしたんですか。 「大学に入ってしばらくして、授業にも嫌気がさしはじめた頃に、キャンパスでその子と一年ぶりに再会したんですよ。でもそのとき横に知らない男の子がいて......。今考えれば、それだけでカップルって決めつけるなんてどうかしてるんですけど、当時は一年間膨らませ続けた思いでいっぱいいっぱいになっていたので『オレの大学生活はもう終わった!』って思っちゃって。その足で東京駅まで行ってしばらく失踪し、その後休学して旅に出ました(笑)。日本中を自転車で旅したんですけど、実はその時、旅先の風景を写真に収めたいなって思ってカメラを買ったのが、写真を始めたきっかけなんですよ」 ――じゃあ今の活動って、その子に影響された部分が大きいとも言えますね。 「旅に出たのは、それ以外にもいろいろな原因があったんですけどね。運動音痴でモテなくて、自分に自信がなかったっていうのがコンプレックスだったんで、あえて自転車で旅を......みたいな。まあ、制服に対してこだわりを持っている男子っていうのは、こういう感じで学生時代にモテてなかったケースが多いんじゃないかなって思います。制服を着た子と上手くコミュニケーションが取れなかったからこそ、それを引きずっているという」 ――そうですね、ボクも男子校だったんで制服には異常に執着してますからね! 今は撮影のときに上手くコミュニケーション取れてるんですか?
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「いや、やっぱり撮影するときも恥ずかしくって......。今はちょっと慣れましたけど、知らない女の子とスタジオに入って、制服を着てもらうっていう時点で、もはやプレイですからね。どこか赤面しながら撮ってますよ」 ――思春期のドキドキ感が蘇ってきた、みたいな。 「顔を写さないんで、撮るときにもモデルの子と目が合うことはないっていうのもポイントですね。だからこそじっと見つめられるんですよ。教室で斜め前の女の子を見つめている感じ。しかもブラが透けてたりしたら、必死で目に焼き付けてたじゃないですか、そんな気持ちを写真上で再現したいと思っています。世の中にはエッチな写真って氾濫しているんで、単純に女子高生をいやらしい性的対象としては扱いたくなくて、かといってすごくキレイに芸術的に......っていうだけでもない」 ――好きな子の透けブラを死ぬほど見るけどそれでオナニーはしないぞ、みたいな。 「そういう高校時代の複雑な感情に似ていますね。この写真集を見てエロいって思う人は多いとは思うんですが、でもヌケない。女子高生って、いやらしいものでありつつ、神聖なものでもあると思っているので、そう簡単におかずにはさせないぞっていうのは意識しています」 ――この年になればエロ本でもエロビデオでも平気で買えますけど、この写真集を見るのはちょっと恥ずかしさを感じますからね。 「そんなに露出が強いわけじゃないけど、すごくエロく感じる。それって、当時思ってた淡いエロさが蘇ってるんだと思いますよ」 ――それでは今後、撮っていきたい題材があったら教えて下さい。 「日本的なものですね。サラリーマンとか女子高生っていうのも実に日本らしい存在じゃないですか。海外のサラリーマンがジャンプしてる写真も撮ったことがあるんですけど、格好良すぎるんですよ。スーツの広告みたいで違和感がない。海外もいろいろ巡った結果、やっぱり日本って面白いなって思っています」 (取材・文・写真=北村ヂン) aoyamayuki.jpg ●あおやま・ゆうき 1978年愛知県名古屋市育ち。サラリーマンや女子高校生など"日本社会における記号的な存在"をモチーフとし、自分自身の父親像や思春期観などにユーモアを取り入れながら制作している。07年「キヤノン写真新世紀」優秀賞(南條史生選)受賞。著書に『ソラリーマン』(ピエブックス)『スクールガール・コンプレックス』(イーストプレス)がある。 <http://yukiao.jp/> グループ展『写真三銃士 2010』 会期:11月19日(金)~ 28日(日) 会場:新宿眼科画廊 住所:160-0022 東京都新宿区新宿5-18-11 電話:03-5285-8822 開催時間:12:00 - 20:00(最終日は17:00まで) 休廊日:木曜日 協賛:キヤノン株式会社 * 入場無料 * 写真鼎談(yukaicamera on USTREAM):11月20日(土)16:00 ~17:00 * アーティストレセプション:11月20日(土)17:00 ~20:00 * 写真三銃士写真集「誓約」発売(A5, 白黒, 80ページ, 700円, 100部限定)
思春期 女子高生とは、永遠にイノセントな存在なのです。 ピエ・ブックス刊/定価:1890円 amazon_associate_logo.jpg
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オタクのゴールは大学教授? いまコンテンツ文化史学会が熱い!

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コンテンツ文化史学会公式ページより
 日本国内の産業空洞化の波は止まらない。もはや、国内で製造した製品を海外へ輸出することで利潤を得る時代はひとまず終わったと言える。  そうした中で、新たな産業として注目を集めているのがマンガ・アニメ・ゲーム・映画・音楽といったコンテンツ産業である。この分野(特に、マンガ・アニメ・ゲーム)の、特異な文化的成長が、諸外国から注目を集めているのは既に知られている通り。  そうした世の中の動きに対応するかのように、大学の場でマンガやアニメ、ゲームを扱う研究者は急増中だ。  この新しい研究者が集う学会の一つ「コンテンツ文化史学会(http://www.contentshistory.org/)」は、昨年4月に立ち上げられた学会だ。その第2回大会が11月20、21日の両日開催される。  研究発表のタイトルを見ていると、「新聞記者時代の久留島武彦と子ども向けジャーナル―中央新聞『ホーム』のデジタル化保存と分析を中心に―」と、一見スタンダードな学問研究風のタイトルがあるかと思えば「コンテンツ産業化が進む鉄道産業に関する一考察」、「歴史コンテンツの受容に関する実態調査―「新撰組」コンテンツに関する調査報告」と、どことなく趣味と実益(研究)の一致が、垣間見えるようなものまで多種多様。  さらに注目したいのは「メディアミックスの歴史と展望」と題されたパネルディスカッションの登壇メンバー。『爆れつハンター』『らいむいろ戦奇譚』をはじめ、オタク業界では今や大御所となった作家・マンガ原作者のあかほりさとる氏。アニメ化もされた『迷い猫オーバーラン!』の作家・松智洋。そして、角川書店社長の井上伸一郎氏という構成。我々が通常考える「学会」とは、ちょっと違う雰囲気だ。 「コンテンツ文化史学会の委員の顔ぶれを見ても、歴史学、社会学、経済学、文学など、さまざまな分野の研究者がおります。また、本学会の例会や学会誌にも、民俗学、宗教学、観光学、政策論など、多様な研究者にご参加いただいております。これまで「コンテンツ」は、学術研究の対象としては否定的に捉えられ、とりわけ伝統的な学問分野の研究の俎上にはなかなかのりにくかったのですが、今後はそういった状況も薄れていくと思いますし、そのような状況を生み出すためにも本学会がより成果をアピールしていかなければいけないと考えております」  と、話すのは同学会の会長を務める吉田正高さん。吉田さんは、東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム特任講師を経て、現在は東北芸術工科大学デザイン工学部メディア・コンテンツデザイン学科准教授の職にあるのだが、その授業も興味深いものだ。  昨年には、講義の一環として学生を対象とした一日かけて11作品を鑑賞する授業を行っている。朝から晩まで延々とアニメと映画を見続けるというのもなかなか過酷だが、そのラインナップもすごい。『獣人雪男』にはじまり『超人バロム1』があるかと思えば、『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『幻夢戦記レダ』、最後は日が暮れてから『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』を観賞したそうだ。  こう記していくと、少々オタク色が色濃い気もするが、扱う素材とは対照的に研究内容は硬派だ。 「私はもともと江戸の文化史を学び、日本独自の文化の進捗について考えてきましたので、戦後の日本文化を左右するまでに成長したコンテンツの歩みを包括的に研究したいと思うのは、とても自然なことでした。コンテンツ文化史を学ぶことで、これまでとは違った視点で戦後日本の文化の流れや動向を見ていければ面白いと思っています。まあ、「江戸の鎮守の研究者」だった私が、「『俺妹』っていろいろ考えさせられるね」とか言ってるのは奇異にみえるでしょうが(笑)、根本的な興味の所在にはほとんど変化がないと思っています」  職業としてマンガやアニメを研究対象にするには、歴史学なり社会学なりの基礎的な知識が欠かせない。なんだかんだ言っても、大学という場は非常に保守的なところ。時代に即した「新しい」研究を行うにも、学問の基礎ができていなければ批判されてしまう。  ただ「自分の好きな物」が研究対象ならば、より価値のある成果が出せるのは、間違いない。 「今年の大会では、プロ・アマチュアなどを含めて、変貌し、融合し、拡大を続けているコンテンツを正面からとらえる意味で大会テーマを「拡大するコンテンツ」として、パネルディスカッションも企画しました。大会初日は、日々変化を続けるコンテンツやそれを取り巻く状況の中で、クリエイタ―やプロデューサーといったコンテンツ関連の人材育成を実施している大学の教員の皆様、とりわけ自身も業界でのご実績のある方をお招きして、これからの大学におけるコンテンツ教育の在り方を討論します。2日目は、インターネットの本格的な普及や、電子書籍やデジタル・デバイスの進化などの状況を受け、すでに一般用語になった感のある「メディアミックス」を改めて取り上げ、その変遷や戦略、現状の課題などを踏まえ、2010年代におけるコンテンツの創作や流通の展望を討論します」  さまざまな大学にマンガやアニメ関係の学部ができたり、これから先、コンテンツ文化が学問として成熟していくことは間違いない。いつまでも消費者でいることに疑問を感じている諸君、研究者になるのも悪くはないぞ。もちろん、専門書を読んだりアニメを見たり、寝る時間は今よりも少なくなりそうだが......。    筆者は昨年も参加したのだが、同人ゲームの研究者やガールズファッションの研究者(ちなみに男性)から、クリエイターまでが集う、カオスな空間。好きな物を趣味だけで終わらせたくないなら参加してみるしかない。参加申込みは、公式サイト(http://www.contentshistory.org/2010/10/26/824/)で受付中だ。 (取材・文=昼間たかし)
クロスイッチ―電通式クロスメディアコミュニケーションのつくりかた 電通式ね......。 amazon_associate_logo.jpg
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「真実は単純で平凡なもの」岡田武史前代表監督がテレビに出ない理由とは?

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代表監督を務めていた間、メディアの報道は一切見なかったという岡田氏。
 去る11月8日、東京・町田市民ホールにて「サッカー日本代表 前監督 岡田武史 トーク in まちだ ~スポーツによる夢のあるまちづくり~」が行われた。  FIFAワールドカップ南アフリカ大会閉幕以後、テレビ番組への出演はあったが、公衆の面前でワールドカップ日本代表について振り返るのは初めて。もちろんチケットは完売し、最後方の記者席も埋め尽くされていた。  付き合いの長い山本浩アナウンサー(NHK)が司会進行を務め、岡田氏に質問。役目を終えて「言えないこと」の範囲が狭まったせいか、滑舌はよく、冗談交じり、皮肉交じりに思いを吐露。ときにメディア批判も飛び出しての独演会となった。  1998年のFIFAワールドカップフランス大会でマスメディアに追い回され、批判に晒され、もうこりごりだと思ったはずなのに、再度日本代表監督を引き受けたのはなぜか。あとになって考えてみれば、それは日本に蔓延する外国(欧州)崇拝への悔しさからだったと言う。 「悔しかったんですよね。ヨーロッパではこうだ。ヨーロッパの誰々はこう言っている」 「なぜそんなにヨーロッパに南米(を持ち上げるのか)。自虐的すぎる。日本だってもっといいものがあるだろう、日本人だってもっとできるだろう」  サッカー界だけに限らず、外国人に対するコンプレックスがある。それへの反発心がベスト16へのスタートだった。  アジア予選通過後の09年秋、欧州での強化試合二試合(オランダ、ガーナ)を通じて相手ボール保持者へ身体を寄せて自由に攻撃をさせないタイトな守備の重要性を思い知った選手たちは、1対1の局面で厳しくいくようになった。  そこで彼らは、自分たちが積み重ねてきた体幹トレーニングの成果で、外国人選手を相手にしても、ボール際で争う肉体的な接触で勝てるようになっていることに気がつく。  本大会直前の強化試合は三連敗。苦ではなかったのかと問われた岡田氏はこう答えた。 「いやいや。苦にならないわけがないです、あれだけボロカス言われてねえ、ほんとに。ありがとうございます(場内笑)。でも僕はコーチにこう言ったんですよ。こういうときに"ゾーン(極度に集中した状態)"に入るんだと。みんながなんとかしなきゃ、というときにグーンと上がるんですよ」  プレッシャーとは重力のようなもの。強すぎると潰されてダメになるが、自らを鍛えてくれるものでもあると岡田氏は言う。  戦術的なキーポイントは中盤に5人を並べることだった。現代サッカーではディフェンダーとミッドフィルダーがそれぞれ4人並ぶことが多いが、規定のピッチ幅68メートルを埋めきれず、隙間ができてしまう。そこでミッドフィルダーをひとり増やし、隙間なく幅を埋めて守備を強化しようとした。  本大会前の最後の試合であるジンバブエ戦でテストしたところ、結果は0-0だったが組織は機能。手応えを感じていた。ところが無得点の結果にメディアは悲観的な報道をした。 「僕は基本的に、代表監督になった瞬間から新聞、テレビ、雑誌は一切見ないんですよ。インターネットも見ない。頭にくるだけですから。絶対そういう人よりも、オレのほうがこのチームが勝つために考えている、という自信がありますから」  感動のドラマを作ろうとする報道姿勢への注文が続く。 「僕はいま、あまりテレビに出ないでしょ? ものすごい数の依頼が来ているのに、何が(断っている理由なのか)と言えば、みんな、いろんなものをドラマチックに面白く報道したがるんですよね」 「真実というのは、得てして単純で面白くないもの平凡なものなんですよ。それを体幹トレーニングをしてそれで勝った(と言うがしかし)、サッカーをやらないと勝てないんですよ。いちばん大切なのは自分たちのサッカーをやることなんです。それをメディアはこの情報でこうやった──僕はそれに対して何も言わないですけど、見た指導者がそういうことばっかりに気を取られるのが怖いんです。だから僕は出ないんです」 「勝負の神様は細部に宿るという言い方をする。よく試合に負けると戦術論システム論と言うんですけれども、勝負を分けるのは、僕の感覚ではね、8割は小さなことなんですよ」  どれだけ戦術が正しくとも、選手が一瞬怠慢なプレーをしただけで失点してしまう。しかしディテールを詰め、怠らなければ神様がご褒美をくれる。  サッカーには偶然が作用し、少なからず運、不運に試合の行方を左右されるが、幸運をつかむには、それがやってくるまで戦わなければならない。  少々オカルトめいてはいるが、本質をついた意見だった。  第2部はFC町田ゼルビアの相馬直樹監督、町田市出身で最後はヴァンフォーレ甲府でプレーし、昨年現役を引退した林健太郎氏も登壇。コンサドーレ札幌の監督経験もある岡田氏との三人で、地方クラブの成長を題材に「まちづくり」についてのトークを行った。  岡田氏は最後に「目標に向かって何かをやろうとしたら必ず耳元で囁く人がいます。"そんなの無理だよ、やってどうすんだよ"。ドリームキラーと言います。ぜひドリームキラーにはならないで、夢を作る人になってもらいたいと思います」と、名言を残して会場を去った。 okadaj.jpg  ところでこの日は会場前に「FC町田ゼルビアを支える会」が集結していた。FC町田ゼルビアは、Jリーグの下部カテゴリーであるJFLで規定の成績を上げていながら、スタジアムの改築計画が新しい基準に達しておらず不備があるとしてJリーグ加盟を断られている。そこで加盟に必要な支援を自治体に求める請願をすべく、署名活動を行なっていたのだ。  詰めかけた聴衆に用紙を配布できたせいか、今週は署名が順調に増えた模様。これも「ワールドカップ余波」「岡田武史効果」の一端と言えるのかもしれない。 (取材・文・写真=後藤勝)
指揮官 岡田武史―アルマトイ、フランス、そして札幌 誤解されやすい性格なんです。 amazon_associate_logo.jpg
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祝「怪遺産」認定! 妖怪文化が生き続ける街・岩手県遠野市

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第3回怪遺産認定式の様子。
 「遠野物語」が発刊されてから今年で100年目。物語の舞台となった岩手県遠野市では、年間を通しさまざまイベントが行われています。過日、作家の京極夏彦氏、荒俣宏氏、高橋克彦氏がそんな「遠野物語」の世界観を紐解く「妖怪セミナーin遠野」が開催されました  「遠野物語」は1910(明治43)年、遠野出身の大学生だった佐々木喜善が柳田國男に語ったふるさとの伝承を、柳田がまとめて記した伝説集です。  遠野には「遠野物語」に記されている、妖怪などが出没した場所が未だにたくさん残っています。ただ、今回訪れて初めて知ったのですが、「遠野物語」に記されていない不思議な話もまだまだ、遠野にはあるようです。  まずは、「遠野物語」に出てくる聖地を巡るスタンプラリー「怪フィールドワーク」に参加しました。チェックポイントに設置されたスタンプをぺったんぺったんと押して集めていくと、後日郵送で認定証がもらえるという催しです。  朱色の布が鮮やかな縁結びの卯子酉様や、飢餓の犠牲者を悼んで義山和尚が一人山奥で彫ったと言われている五百羅漢岩などを見て回りました。天候はあいにくの雨でしたが、まだ紅葉前の山の手前で、黄金色の稲穂が雨に打たれて頭を下げる様子は綺麗でした。
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ちなみに遠野の「伝承園」では河童情報を募集中
らしく、優れた河童情報を提供してくれた方は
記念品が貰えるそうです。
 翌日は、世界妖怪協会(会長・水木しげる)が選んだ「怪遺産」の認定式へと向かいました。  「怪遺産」とは、妖怪文化の普及に貢献したと土地や、文化、地域などを対象に認定するもので、今回で3回目。過去には、鳥取県境港市と徳島県三好市山城町が認定されています。  式典には協会から作家の高橋克彦さん、荒俣宏さんや京極夏彦さん、妖怪研究家の多田克己さんらが出席。本田敏秋遠野市長に認定証と日本物怪観光の造形作家・天野行雄さん作成の楯が手渡されました。  「目に見えない世界の更なる発展を」という協会の言葉に対し、本田市長は「河童は川を、天狗は山を大切に、座敷わらしは家族との絆をと、さまざまな形で物語を通じて交流してきました。今後も妖怪と気迫で街作りをしていきたい」とコメント。  京極さんは「妖怪の伝承を生かした町づくりをしている。百点満点で賞を差し上げたい」、荒俣さんは「遠野は今も妖怪が湧き続ける土地、妖怪との百年以上もの付き合いがあるこの場所がいつか世界遺産にも選ばれるかも」と、お話されていました。  NHKの連続ドラマ小説『ゲゲゲの女房』は放映を終了しましたが、まだまだ妖怪ブームは続きそうですね。  次回は遠野の座敷わらしについてお話します。 (取材・文=田辺青蛙) tanabe_prof.jpgたなべ・せいあ 「小説すばる」(集英社)「幽」(メディアファクトリー)、WEBマガジン『ポプラビーチ』などで妖怪や怪談に関する記事を担当。2008年、『生き屏風』(角川書店 )で第15回日本ホラー小説大賞を受賞。綾波レイのコスプレで授賞式に挑む。著書の生き屏風、共著に『てのひら怪談』(ポプラ社)シリーズ。2冊目の書き下ろしホラー小説、魂追い(角川書店)も好評発売中。
水木しげるの遠野物語 日本妖怪史上最強の黄金タッグ! amazon_associate_logo.jpg
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声優ユニット"ゆいかおり"がシングル特典で生電話攻勢!!

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メキメキと実力&人気をつけているゆいかおりのふたり。
 今年5月、アニメ『kiss×sis』(AT-X)のエンディングテーマ曲「Our Steady Boy」でメジャーデビューを飾った声優ユニットゆいかおり(小倉唯、石原夏織)が、キングレコードMM制作部へ所属、その第一弾シングルをリリースする!  MM制作部といえば、水樹奈々や田村ゆかりらを擁することで知られるメジャーなライン。ここでの第一弾となる3rdシングル「HEARTBEATが止まらないっ!」(11/17発売)の情報を得るべく、新天地でさらなる飛躍を誓うゆいかおりのふたりを直撃した。  まず目につくのは、真新しい純白の衣装。これまで1stシングルではフリフリのかわいらしさ基調、セカンドではワイルドなオトナっぽさ基調でデザインされていたが、今回はちょっとノーブルな感じが漂う白一色。  小倉唯いわく「かわカッコイイ。そんな感じのファッション」であり、なんともリニューアルにふさわしい雰囲気が漂う。  まずは楽曲について、ふたりに解説してもらった。 「かわいらしいポップな曲。コンセプトが、なかなか思いを伝えられないけど、がんばって言葉にして伝えようという曲なんですよ。本当に勇気の湧いてくる内容だったりするので、聴いてもらえれば、僕もがんばろう、私もがんばろうと思える曲だと思うし、あと、すごくダンスがノリやすい曲なんですよ。なので、ダンスにも注目してほしいです」(小倉唯) 「どんな方でも、一度はきっとこの曲のようにドキドキしたことがあると思うんですよ。なので、たくさんの方々に聴いてもらって、ああこういうのがあったなぁと思い出を振り返ってもらったり、現在進行形の方には、この曲を通して、勇気や元気を与えられたらと思います。歌詞だけではなく、メロディもギターソロとかが激しく入っていて、気持ちのドキドキが伝わると思うので、ぜひぜひ私たちの歌声だけでなく楽曲にも注目してほしいと思います」(石原夏織)  ミュージッククリップに登場するキャラクター「ハートビートマン」は、巨大なハートマークに手足が生えたという異形の代物。 「ハートの絵文字がそのままポン! と現れたような。生で見るとむちゃくちゃ怖いです」(小倉唯) 「倒されるかと思ったよね」(石原夏織)  というクリーチャーぶりで、定評のあるダンスとともに映像面にも冒険心があふれている様子だ。  カップリング曲の「Our Song」は、ふたりが"はじめておとなの会議に参加して"ファンに対する感謝の気持ちを歌詞に反映させたナンバー。  このファンへの感謝ということが今後の活動におけるひとつのキーになっているようで、ファン参加型イベントとして「ゆいかおり強化合宿」というプランをブチ上げたという。夜はカレー、朝はラジオ体操と、ほとんど修学旅行のノリだが、キングレコード側も前向きに(?)検討する姿勢を見せており、もしかしたらほんとうに実現するかもしれない。 yuikaori111101.jpg  現実に行なわれることが決まっているのが、3rdシングルの応募者全員特典の生電話だ。いままでの特典は生は生でも生写真だった。今回の生電話で、もう一段階何かを踏み越えた感がある。 「ファンの方に直接感謝の気持ちを伝えたいということをスタッフさんに相談していたんですよ。だからまさかこんなかたちで実現するとは思わなかったので、すごくうれしかったし、楽しみです」(小倉唯) 「私もびっくりしたというのが最初の気持ちなんですけど、この特典の詳しい話をきくと、どんどんみなさんに応募してほしいし、私たちも早く電話をかけたいなというワクワク感が生まれてきて。いまからどんなおはなしをしようかなと考えているだけで楽しくなります」(石原夏織)  はたしてどんな会話が交わされるのか......。  生電話以外にも対象店舗にて購入者全員参加可能型のイベントが大阪、東京、名古屋で一日ずつ催されるという。超至近距離声優ユニットとしてのスタンスが本作で確立するのかもしれない。 ◆小倉唯のコメント  今回の曲は、「ドキドキして伝えたい思いがあるけどなかなか伝えられない、けどこの思いを言葉にして伝えよう」という、本当に素敵な曲になっているし、ダンスもすごくかわいらしく、かっこいいという出来になっています。ミュージッククリップでは私たちのいろんな表情が見られると思います。ぜひイベントにも来てニギニギ(握手)してください。 ◆石原夏織のコメント  まだまだゆいかおりのことを知らないという方が多いと思うので、この曲をきっかけにして知ってもらえたらうれしいです。そしてイベントに遊びに来てもらって、ゆいかおりはアットホームな子たちなので、ぜひぜひそれを体感してほしいです。 (取材・文・写真=後藤勝)
HEARTBEATが止まらないっ!(初回限定盤)(DVD付) 止まらないっ! amazon_associate_logo.jpg
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アダルト天国は大嘘? Android marketポルノ規制の実態

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Android Marketの同意書に「pornographic」という記載はあるものの、
具体的な説明は一切ない。
 iPhoneやiPad用のアプリを販売するAppleの「App Store」がポルノに対して非常に厳しい姿勢を取っていることは有名である。他方、Googleが運営するAndroid Marketは「コンテンツの審査なし」を看板にしている。この結果、「Android Marketではたとえアダルトコンテンツであっても自由に売れる」という印象が世間に広まった。  2010年4月21日には、AppleのCEOスティーブ・ジョブズがユーザーの電子メールへの返信に「ポルノが見たければAndroidフォンを買えばいい」と書き、逆宣伝の意味でAndroidとポルノが密接な関係を持っているかのようにアピールした。これに対し、Googleはというと、「Appleはまるで北朝鮮のようだ」とその審査が厳しすぎることを批判しただけにとどまった。つまり、「ポルノを売る」ということを否定しなかったのだ。これにより、世界中の多くのユーザーが「Androidプラットフォームはアダルト天国である」と誤解するに至ってしまった。  しかし現実には、Android Marketではポルノコンテンツの販売が禁止されている。Android Marketにデベロッパーとして登録する際に「読んで同意しろ」と表示される文書に、そのことは明記されている。ただしこれは英文であり、長大な文章の中に「pornographic」とう単語はたった一回しか登場しない。ついでに、何が「pornographic」に相当するかという説明は一切ない。  Android Marketにユーザー登録した後に参照できる日本語のヘルプの中には、もう少し詳しい記述がある。 「Googleでは、ヌード、性行為の画像、および露骨に性的なマテリアルを含むコンテンツの使用を禁止しています」  英文の「pornographic」の内容を詳しく説明した感じになっているが、全てのヌード画像を使用禁止にするなど、一般的に考えられている「pornographic」の解釈とはかなり異なっている。  というわけで、Androidプラットフォームは決して「アダルト天国」ではない。水着画像の入ったコンテンツをすべて閉めだしてしまうAppleよりは多少マシだが、それでも「水着までは認めるが、ヌードは全部ダメ」という程度のものでしかないのだ。 ■実はかなり「潔癖」なAndroid Market  Andoroid Marketは13歳未満の利用を認めていないし、20歳未満のユーザーの利用については親権者の許可が必要である。基本的に「大人向け」のサービスなのに、こうした規定が存在するというのも不可解だが、もっと怪しむべきはそうしたポリシーを取っているということを、対外的に強くアピールしていないことなのだ。  こうした姿勢は、今後多くのユーザーやデベロッパーの誤解を招き、トラブルを頻発させるものと思われる。都内の、とある編集プロダクションでは、日本の携帯電話(いわゆるガラケー)用の漫画をAndroidアプリ化して公開したが、すぐに販売が保留されてしまった、という。  「保留の処分が出てから慌てて原因をあちこち探しまわって、単なるヌードも禁止だという事実を知ったわけです」と、この業者は言う。ちなみにガラケーの公式サイトで販売されている漫画は、原則的に年齢制限がついておらず、そういう意味では「ポルノ」だという扱いを受けていない。  さらに事態を複雑にしているのは、Googleが採用している「通報」制度だという。 「販売されている個々のコンテンツに対して、ユーザーが不適切と思われるものをGoogleに連絡することができるんです。どうやら、これによって『このコンテンツは規約違反だ』とされたらしいですね」(前述の編集プロダクション談)  Googleが登録されたコンテンツを「不適切である」とする理由の中には、性的な表現以外にも、暴力的な表現というのが選択肢として用意されている。ユーザーがこれを濫用すれば、Appleが審査で落とすものよりも大量のコンテンツを「不適」としてAndroid Marketから排除することができてしまうのだ。  実は日本はアメリカなどよりずっと「電子書籍先進国」であり、スマートフォンなどに移植可能なデジタルコンテンツが多数流通している。しかしその大半は、ガラケー上で販売されているアダルト要素の濃厚な漫画なのだ。キャリア各社が力を入れてガラケーからスマートフォンへの移行を促すようになると、この手の漫画へのニーズが、スマートフォンの市場においても高まることは必須である。手放すにはあまりに大きなこの"金脈"を、各キャリアがどのように延命させるのか、見物である。
Android Hacks ―プロが教えるテクニック & ツール エロも立派なカルチャーだ!! amazon_associate_logo.jpg
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