格闘技「K-1」事実上の身売りか!? 主な商標が"海老蔵暴行ビル"の所有会社に移管

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K-1 OFFICIAL WEBSITEより
 人気格闘技イベント「K-1」が大変なことになっている。ジェロム・レ・バンナやレイ・セフォーら人気選手が次々にファイトマネーの未払いをマスコミの前で明かして他団体へ転出し、京太郎や長島☆自演乙☆雄一郎といった日本人のトップファイターたちもプロレス転向を果たしてしまっている。  おかげで8月末に東京・有明コロシアムで開催予定だった「K-1 WORLD MAX 70キロ級日本トーナメント」は「出場選手が揃わない」と、主催者のFEGが延期を決定した。  しかし、専門誌記者によると「選手が揃わないことだけが延期の理由ではなく、資金繰りが限界に達しているという話を聞いている」というのだ。 「ここ5年ぐらいは自転車操業だとささやかれてきましたが、ついに地上波のテレビ放送もつかなくなってしまい、お手上げ寸前のようです。ある選手は出場オファーに対し、『未払いが怖いので前金で30万円でもいいからもらえませんか?』と聞いたら断られたと話していましたから」(同記者)  K-1主催のFEGは実際、経営再建中であることが広く知れ渡っており、そのイメージダウンからイベント開催の重要な命綱であるスポンサーの獲得も非常に難しくなっている様子だ。 「問題は、責任者であるFEG代表の谷川貞治さんが、そうした状況をごまかすためか、関係者を悪者にするような発言を繰り返していることです。自演乙が金銭的な問題で次の興行に出ないのを『体重が落ちない』とウソを言ってみたり......。格闘技界には裏社会と縁のある関係者も多いので、中には『谷川を捕まえてこい!』と過激なことを言う人もいます」(同記者)  そんな中、K-1は先ごろ、大会名などの商標を別会社に移管しており、関係者間ではこれが「事実上の身売りではないか」とささやかれている。 「イベントの開催や映像ソフト、グッズの販売に必要な『K-1』の商標はこれまでFEGと創始者の石井和義氏が持っていましたが、いくつかの権利が、株式会社バルビゾンという不動産会社に移っています」(同記者)  この移管は海外サイトなどでも既に伝えられていたが、「K-1」だけでなく「K-1」「K-1 Grand Prix」「K-1 World GP」「Dynamite!」などイベントに関わるほとんどの商標が手元を離れた形だ。 「本来、格闘技イベントとは無縁の会社のはずですが、このバルビゾンは昨年、市川海老蔵の暴行事件の現場ビルを所有していたことでも知られ、一部週刊誌ではかつて闇稼業で暗躍したAKB48運営会社社長との交友関係が報じられたりもしていて、よく事情を知らない人たちからは『危ない筋に負債のカタとして持っていかれたんじゃないか』と話す人もいますし、そこから飛躍して『谷川さんが死体で見つかったなんてことにならないだろうな』なんて嫌なジョークも飛んでいますよ」(同記者)  格闘技関係者の間では、03年にPRIDE運営会社の社長だった森下直人氏が謎の自殺を遂げたことを「自殺に見せかけた他殺ではないか」と疑う声が後を絶たず、同じ格闘技団体のトップである谷川氏の身を心配する傾向につながっているようだ。  経営難と商標移管の関係は今のところ明らかになっていないが、大ピンチの「K-1」に水面下で何らかの動きがあることは間違いなく、年内には何か表沙汰になることがありそうだ。
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「この身体が、被災者のためになるなら」乙武洋匡 自分の感情よりも、美学よりも【3】

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【1】【2】はこちらから ──やはり、テレビが障害者を映さないことで、乙武さんの『五体不満足』の言葉を借りれば「不便をもって生きている人」がたくさんいるという現状が伝わりづらくなっていると思うんですが、そうした中で乙武さんご自身が思うところを聞かせてください。 乙武 最近それこそTwitter上で「カタワ」という言葉を意図的に使っているんですけど、それに対して、差別的用語だから使うべきではないっておっしゃる方が当然いるんですね。僕の意図としては障害者そのものに対する概念を変えていかなければ意味がないと思っていて、最近、障害者の「害」の字をひらがなにして「障がい者」と表記しようという動きが広まっているじゃないですか。「世の中に害になる」とか何とか。僕はあれ、くっだらないと思うんです。そんなことを言ったら、きっと10年20年経ったら今度は障害者の「障」の字は「差し障る」という意味があるからひらがなにしようという動きが出てきて「しょうがい者」って全部ひらがなになっちゃう。だったらそもそも、全部ひらがなにした「しょうがい者」だって「カタワ」だって一緒でしょ、と。障害者に対する概念が変わってないのだから、どんな言葉を使ったって「これは差別的なんじゃないか」って常に考えてしまう。  例えば「背が高いですね」という言葉は一般的にほめ言葉のように使われますけど、それを言われて傷つく女の子って絶対いますよね。モデルさんやバレーボール選手なら、言われた方も喜ぶかもしれない。だけど、目の前のこの人は傷つくかもしれない。それって、みんな普通にコミュニケーションしてたら気付くことじゃないですか。そういうコミュニケーションが、対障害者になると、目の前にいる相手がどう感じるかということはスッ飛ばされてしまって、一般的に「カタワはやめよう、障害者の害の字は開こう」となる。そんな風に一概に否定するんじゃなくて、手足のある人、障害のない人と接するときと同じように、その人の前で使っていい言葉かどうか考えながらコミュニケーションをしようよっていうのが、僕が言いたいことなんです。 ──よく分かります。ただひとつ難しいのが、障害者本人よりも障害児を持つ親のほうがそういう言葉にデリケートになっていると思うんです。「うちの子を傷つけるな」という母親の気持ちって、やっぱり最強のものであって。個対個で話すときは、もちろん相手を慮ってケースバイケースで判断すべきことなんですが、メディアの中でそういう言葉を使っていくときに注意しなければいけない場面は少なくない。実際に、障害者の親たちからテレビ局にクレームが来る、テレビは過度に自粛する、言葉がなくなっていく、障害者という存在そのものが社会からスポイルされていく、という悪循環が起こっていると思うんですが、乙武さんが「大人になった障害者」という立場から、障害のある子を持つ親たちに言えることってありますか。 乙武 そうですね、もし子どもを守るつもりで言葉に敏感になったり、他に対して過剰な要求をしてしまっているんだとすれば、それが本当にその子のためになるのかということを考えてほしいな、と思うんですよね。そうやって障害のある人を特別視する社会、障害のある人を指す言葉に対してあれこれ考えさせるような、つまりは障害のある人を腫れ物を触るような存在にしてしまうことが、本当にこの後、その子にとって生きやすい社会になるのか。 IMG_8584.jpg  確かに僕がTwitterで発言している内容というのは一見過激に見えるし、障害者をバカにしていると捉えてしまう人がいるかもしれない。でも、僕が言っていることが少しでも実現に近づいたら、絶対に障害のある人の生きやすさにつながっていくと思っているから、わざとそうしているんです。  だから、その瞬間、その痛みだけを考えるんじゃなくて......親なんて、先に死ぬんですよ。その子が、その後の社会の中で生きていくときに、どんな社会になっていたら彼らが生きやすいのかってことを、もう少し視野に入れていただくと、「おまえ、カタワだろ」って気軽に言い合える関係性を他と築けたほうが、僕は絶対に楽だと思うんですよ。 ──そうですね、大人は次の世代に社会を遺さなければいけない。子どもたちの話で言えば、今現在も福島の原発周辺にはたくさんの子どもたちが暮らしていて、彼らは大きな悩みと苦しみの中にいると思うんです。なんで親が引っ越さないんだろう、なんで自分は避難できないんだろう、という中で生きている何十万人の子どもたちに今、私たち、日本の大人たちは何を伝えられるのでしょうか。 乙武 うーん......。なんと言うか、今、福島にいる子どもたちを、まるで地獄にいるように語る人たちがいっぱいいて、もちろん、3.11の前と後だったら、前のほうがいいに決まってるし、原発の近くに住むよりも遠くに住むほうがいいに決まっていると思うんですけれど、とにかく、今置かれている状況の中で常にベストを尽くすということしか言えないな、と思うんですよね。海外に目を向けたときに、もっと悲惨な環境の中で生きている子もいっぱいるし、二十歳まで生きられないという子どももいる。子どもたちの役割と大人の役割はやっぱり違うし、子どもたちは、それがどんな状況であれ、自分のできる限りのベストを尽くす、東京の子どもであれ福島の子どもであれ、ルワンダの子どもであれ、とにかくベストを尽くす。大人は、いかにその子どもたちがベストを尽くせる環境を整えてあげるのかってことなんですよね。その、子どもたちにとってベストの環境が何なのかっていうのは、今きっと議論をしている最中だと思うんですけど......。 ──なかなか答えは出にくい。 乙武 そうですね、うん......。ただその、僕自身のこともそうだし、すべての人間がそうだと思うんですけど、現在地の自分に対して肯定できていれば、そこまで生きてきた時間のすべてがプラスに感じられると思うんですよ。つまり、今僕が幸せだなって思えれば、この手足がないことも含めて幸せなんですよね。もし僕が幸せじゃないって感じていたとしたら、きっといろいろなことに原因を求めて、手足がないから幸せじゃないんだとか、そういうことを言い出していたと思うんです。だからこそ、失ったという事実がもう変えられないんだとしたら、今は深い悲しみの中にあり、大きな喪失感に包まれている中でも、これからの心の持ちよう次第で、数年後、数十年後に、幸せだなって感じられるときがきて、振り返れば、あんなこともあったね、あれがあったから自分は強くなれた、あれがあったから僕はあなたと出会うことができた、そういうふうに、プラスに、少しでもプラスに捉えられるように、これからの歩みを重視していくしかないのかな、ということを感じてますね。 (取材・文=編集部/写真=岡崎隆生) ●おとたけ・ひろただ 1976年、東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が多くの人々の共感を呼ぶ。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、05年4月より、東京都新宿区教育委員会の非常勤職員「子どもの生き方パートナー」。07年4月~10年3月、杉並区立杉並第四小学校教諭として教壇にも立った。おもな著書に『だいじょうぶ3組』、『オトタケ先生の3つの授業』(共に講談社)など。 Twitterアカウント:@h_ototake
希望 僕が被災地で考えたこと いまできること。 amazon_associate_logo.jpg
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オトタケ先生の3つの授業 こういう先生に教わりたかった。 amazon_associate_logo.jpg
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アクション映画史に残る超大作! 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』

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 VFXバリバリ全開、過剰なまでにド派手なSFアクションファンなら、この夏絶対に見逃せない映画がこれ。7月29日に公開されるスティーブン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督の大ヒットシリーズ第3弾『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』だ。  1969年7月、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号。全世界が歓喜に湧く陰で、月の裏側に不時着した金属生命体=トランスフォーマーの宇宙船を持ち帰るという極秘ミッションが、宇宙飛行士たちに託されていた。40年後の現代、政府施設に秘匿された宇宙船をめぐり、悪のトランスフォーマー軍団・ディセプティコンの動きが活発化。月面に隠した勢力を呼び寄せ、地球侵略を開始する。  そのころ、かつて善のトランスフォーマー軍団・オートボットと共に2度地球を救ったサム(シャイア・ラブーフ)は、ワシントンDCで新たな恋人カーリー(ロージー・ハンティントン=ホワイトレイ)の家に居候中。就活で苦労してようやく職を得たものの、勤務先でオフィス機器が突然トランスフォームし、会社はパニックに。ディセプティコンの破壊と殺戮は拡大し、サムとカーリーは否応なく人類の存亡が懸かった戦いに巻き込まれていく。  本シリーズは、80年代に日本のタカラが販売した変形ロボット玩具がアメリカに渡り、米ハズブロ社によって『トランスフォーマー』と命名されたものが原案。テレビアニメシリーズも制作されるほどの人気を博し、日本にも逆輸入された。07年の実写映画化第1作『トランスフォーマー』では、乗り物から金属生命体へ、各パーツの分解と組み替えを繰り返しながら高速で変形していく驚異のVFX映像が話題に。シリーズのキモである変形シーンは、09年の第2作、そして本作と回を重ねるごとに進化。スピード感を保ちつつじっくりとトランスフォームを見せるショットからは、最先端のVFX技術を誇示するかのような余裕さえ伝わってくる。  脚本の面では、前2作の軽さやコミカルな要素が控え目になり、今作ではシリアスかつダイナミックに物語が展開。ヒロインは行動派でワイルドなブルネットのミーガン・フォックスから、モデル出身でキュートなブロンド美女のロージー・ハンティントン=ホワイトレイに交代し、サムの新しい恋愛もドラマの本筋に大きく絡んでくる。  マイケル・ベイ監督は、『アルマゲドン』『パール・ハーバー』など爆発・破壊が盛りだくさんの派手なアクション大作で知られ、本シリーズでもその持ち味をいかんなく発揮。最新作ではジェームズ・キャメロン監督の薦めにより、『アバター』と同じ3Dカメラシステムを導入してシリーズ初の3D映画に挑戦し、巨大なトランスフォーマーや宇宙船のスケール感、壮絶なバトルの臨場感を表現することに成功した。とりわけ、ウイングスーツを着たスカイダイバーが高層ビルの林立する市街を滑空するシーンは、ダイバーの1人が頭部に3Dカメラを装着して撮影したショットも使われており、その爽快感とリアリティーに思わず息を飲む。アクション映画史に残るであろうこの名場面を含む本作を、ぜひ3D上映の大スクリーンで体感していただきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』作品情報 <http://eiga.com/movie/55153/>
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謎のビジネスサブカル作家、マネー・ヘッタ・チャンの正体に迫る!

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謎多きマネー・ヘッタ・チャン氏。
  「私の役割は幸せそうな人たちにマッチをあげて世の中のマッチポンプを見せること。知らなければよかったコワ~いお金の話が見れるのよ☆」というコンセプトの元に数々の童話風な業界暴露話が展開される書籍『マッチポンプ売りの少女』(あさ出版)は、出版業界、不動産業界、生命保険業界と業界問わず、世の中の仕組まれたマッチポンプを暴き出す【詳細は文末の書籍紹介を参照】。本書は、マネー版グリム童話として5万部が売れた前作『へッテルとフエーテル』(経済界刊)に続き、堀江貴文氏が激賞し、発売と同時に一躍ベストセラーに! 著者はマネー・ヘッタ・チャン――人を食ったようなペンネームだが、本業は資金数億円を運用し、8年間負けなしのプロ投資家だという。しかし、著者に関する公開情報はごくわずか。タブーなしのその姿勢は「サイゾー」に通じるものと取材のオファーをしたところ、編集部にやってきたのはなぜか、コスプレをした女性(?)だった! マネー・ヘッタ・チャン(以下、ヘッタ) あちきは、ヘッタ。実は、マネー・ヘッタ・チャンは、マネー、ヘッタ、チャンという3人兄妹なんです。今日のインタビューは、紅一点のあちき、ヘッタの担当でぃす☆ ――......という設定なんですね。明らかなコスプレ感が漂っていますが......。 ヘッタ (無視するように)読者の方からは女性だったのですね、と驚かれたりします☆ ――さて、本題に入りますが、ズバリ、その格好はご趣味なのでしょうか? それとも過激なことを書いているので、正体を隠すためでしょうか? ヘッタ ええと、今後もパチンコ業界や政治の闇など世の中の搾取の仕組みを取り上げるマネー童話シリーズをやっていく上で、正体をあやふやにしておこうという判断はありますね。この「マネー・ヘッタ・チャン」という名前も適当に付けただけなんです。出版社から怒られるかと思ったらOKで、ここまで名前を知られるようになった。今後はテーマごとにあえて意図的にペンネームを使い分けていこうかと思っています。マネー童話シリーズは「マネー・ヘッタ・チャン」で、別バージョンで「オンナ・クッタ・チャン」というペンネームも考えています。マネー・ヘッタ・チャンにオンナ・クッタ・チャンとチャン一族になるのかどうか。ま、そこは流れで。 ――ペンネームにもこだわりがない。有名になって儲けようという意図はないんですか? ヘッタ ないですね。そもそも、私は本業がありますし、処世術として「目立ってはいけない、お金を稼ぎたかったら目立たない仕組みを作って儲ける」というのが賢いと思っているんですね。だから、顔も名前も出さずに、性別、職業もあやふやにしたいんです。本当のお金持ちは目立たないで大儲けしているのがこの世の中なんですよ。  分かりやすく「目立たぬ搾取」を言えば、原発事故で想定外に目立ってしまった原子力安全・保安院ですよ。今回はたまたま原発事故でその存在が目立ってしまいましたけど、本来は誰も気がつかない。いまや安全も保安もままならないのに、年収ウン千万円ももらってきた。そうしたところでお金持ちになっていくんです。こうした「目立たぬ搾取」が現代の日本を悪くしていることは明らかです。今回『マッチポンプ売りの少女』で取り上げた保険会社も不動産会社もそうですが、巧妙に人々から目立たないように搾取している。  最近、働きすぎで肩が痛くなって整体に治療を受けにいったんです。30分500円の保険診療を受けると、あとで保険組合から「そんな風に使わないでくれ」と物言いがつく。でもですよ、こちらは毎月数万円、健康保険にとられているのに、肩こり治療にさえ使えないなんて! 明らかに保険料を搾取することで、目立たないで儲けている連中がいるはずなんです。 ――でも、ご自身もプロ投資家として億単位の利益を出しているという話ですよね。数万円の健康保険くらいは......。 ヘッタ と言っても証券系ディーラーですから、会社に半分取られてしまいますし、利益を出せば出すほど税金がたくさん取られる。その上、一年契約だからいつ首を切られても文句も言えません。ところがその税金の使い道はと言えば、どこに消えていくのか分からない。たとえば、税金の中から年間3兆円以上が生活保護費に使われていると聞くと、嫌だなと思うんですよね。ファイナンシャルプランナーの中には「国民年金だと月6万円しかもらえないけど、生活保護だと月14万円もらえる。だから生活保護をもらったほうがいい」と受給を勧める人とかも多いんです。  これは、国民年金でコツコツと積み重ねてきた人のほうが損をするということですよね。童話の「アリとキリギリス」でいえば、報われるはずのアリであるほど不幸が多くて、キリギリスであればあるほどいい国になっている。  あくまでも、私は、正義感でやっているわけではないんですね。「世の中は個人の力では直らない」ということは分かっている。ただ、少なくとも、今の仕組みの中で「目立たぬ搾取」に足元をすくわれないように行動をした方がいい。こうした「目立たぬ搾取」はなくしていこうね、と伝えたいだけなんです。 ■「目立たずに搾取する」というカラクリを暴きたい ――水嶋ヒロとポプラ社ならぬ、水主マヒロとコブラ社の童話といったやわらかいネタから、国家破産で預金封鎖の大きな童話まで、取り上げる「目立たぬ搾取」の仕組みは幅広いですね。 ヘッタ 購入者のコメントで多いのは、「薄々分かっていたけど、こうしてまとめてくれて気持ちがスッキリした」という20~40代の声ですね。「ネットで書いてあるような誰でも知っていることを書いてどうするの?」って声もあったんですけど、大多数の人はそこまで情報を集めない。プライベートが充実したり、仕事が激務な人はそれほどネットを見ないですよね。でも、そういう人ほど知識もないままに保険に入ったり、不動産を買ってお金がからめ取られていく。その隙間を埋めたかった。  なので、私が意識しているのは、普通のサラリーマン、学生さんに直接関係のあるテーマかどうか。私の本業の証券業界でも、外資系証券会社は自社発の格付け情報を出す前に社内の自己資金部門やお得意さんが、その推奨株の買いを入れているといった話や、自社の自己資金部門がどのような株式を買っているかという証券会社の手口情報が数年前から公開されなくなってから、実際は何を買っているのか怪しい。でもこうした話はマスコミさえも沈黙しているといった話もあるんですけど、一般の読者にとっては「ひどい話があるんだね」っていうところで、終わってしまう話ですからね。 ――検索サイト「ゴーグル」の情報操作や、「シフォン生命」の転換セールスなど、モデルになっている企業が分かりやすいのもそのため? ヘッタ 私自身も、実際の事件をモデルにした金融系の小説を読んでいて、社名を変えすぎて、関係者であれば分かるのだろうけど、どこがモデルか分からないでイライラするということがあった。この本は童話ですから、声に出して読んだら分かるようにしたかった。 ――声に出すとぼやかしている社名が明らかになり、毒がより増してくる。しかし、同時に訴訟リスクも出てきますよね。 ヘッタ もちろん、訴訟リスクを避けたいというのはありますけど、私も、ウソを書いているつもりはないんですよ。書籍、新聞、ネット、雑誌で集めた情報をつなぎ合わせただけでもいろんなことが見えてくる。たとえば、「コブラの魔法使い」のお話ならば、コブラ大賞の選考委員って全員、コブラ社員だったなんてことが分かってくる。すると、大きな疑いが出てくるよねという話です。ただあくまでも、私が書いたのは架空の童話、100%フィクションですけど(笑)。 ■次のターゲットは孫正義、堀江貴文!? ――今、気になっている人物、ネタはありますか? ヘッタ 有名人で言えば、人心掌握術という点でずっと気になっているのは島田紳助さん。目立たないビジネスの代表的な人物として、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川さん。あとは、みんながいいと思っていることに対して、実はそうでもないこともあるんじゃない!?  と言いたいアンチテーゼの点で言えば、みんなが諸手をあげて評価している孫正義さんは取り上げたいです。ソフトバンクショップに行くと、これほどユーザービリティのない店もないだろうと思いますし、契約が2年縛りになっていて、タイミングを逃すとまた2年間、違約金なしで解約ができないというシステムになっているのもひどい。でも、そのことを指摘するマスコミはいないですよね。  あとは堀江貴文さん。本の紹介をしてもらっているのに何だとツッコミが入りそうですけど、目立ってしまうことのリターンとリスクを、堀江さんを題材に描いてみたい。堀江さんは良くも悪くも目立っちゃったじゃないですか。「目立ってはいけない、お金を稼ぎたかったら目立たない仕組みを作る」という私の処世術と、明らかに真逆なんですよね。勝間和代さんとかも、自ら目立って結局はもらわなくてもいい批判を食らっています。こうした目立つことのリターンとリスクを一番体現しているのが堀江さんだと思うんですね。  今後も、私はできるだけ目立ちたくない。そして、他のビジネス書は目立つような成功体験談を書いていくでしょうが、その一方で、私はビジネス書で、「目立たぬ搾取」の動きを暴いていく。また、目立たないで成功して幸せになれる方法も、紹介していきたいです☆ (取材・文=松井克明) ●マネー・ヘッタ・チャン 本業は7年間負けなしのプロ投資家。資金数億円を運用し、利益総額億単位というウワサ。一方で、「小難しいを簡単に」をモットーにする、ビジネスサブカルチャー作家。2009年11月、『ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話』(経済界刊)でデビュー。痛面白い実体験を交えながら、金融の世界でマネーが減っちゃったかわいそうな人たちを紹介し、発売即増刷で5万部のヒット。同年「日本タイトルだけ大賞」初代グランプリにも輝く。座右の銘は「人は過去から学ばない生き物である」。
マッチポンプ売りの少女 童話が教える本当に怖いお金のこと 1,000作品以上の応募の中からコブラ社の小説大賞に選ばれたのはイケメン俳優・水主(みずし)マヒロの小説『KANEROU 金漏』。大量に追加発注したために倒産してしまった書店の経営者がマッチポンプ売りの少女からもらったマッチをすれば、小説家デビューをしたかったイケメン俳優と話題作が欲しかった出版社の出来レースぶりが目の前に幻影となってあらわれる......というストーリーの「コブラの魔法使い」をはじめ、結婚相談所「サンマリーネット」、検索サイト「ゴーグル」、チャリティ団体「日本ユニクス」とアグデス・チャンといった企業のマッチポンプや不動産業界、生命保険業界の金儲けのカラクリを暴き出す全10話のコワ~いお金の童話集。さらに、ビジネス書初の主題歌付きCM(http://www.youtube.com/watch?v=QTgHrqFHhPo)まで制作し、話題になっている。 amazon_associate_logo.jpg
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すでに100誌近くが……「ぴあ」「PS」だけじゃない2011上半期 休刊雑誌クロニクル

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「PS」小学館と「ぴあ」(ぴあ)。
 もはや有名雑誌の"休刊"のニュースを耳にしたところで、「ふ~ん」「また?」と大した驚きもないほどに不況イメージが定着した出版業界。そんな状況下であっても、39年もの長きに渡りエンタテインメント情報を提供してきた「ぴあ」(ぴあ)の休刊は、同誌のお世話になった多くの人々の心に一抹の寂しさを残し、同時に"情報ゼロ円時代"を浮き彫りにした歴史的な一件であった。  また、7月21日に発売された「ぴあ」最終号の初版は、予想以上の短期間で完売。コンビニやネット書店からも在庫は消え、現在は入手困難となっている。  そんな「ぴあ」休刊の話題から息つく間もなく、小学館が発行する月刊誌「PS(ピーエス)」が11月1日発売号を最後に休刊することが明らかとなった。「PS」は、前身の「プチSEVEN」を誌名・方向性共にリニューアルし、2002年に創刊。裏原宿系ファッション誌として、蒼井優や宮崎あおいを度々表紙に起用し一時は好調だったものの、近年は広告収入不振でページ数も大幅に減少。遂に最後の決断に至った。  しかしこれは氷山の一角。2011年に入り休刊に追い込まれた定期刊行誌は、発行部数1~2万程度の専門誌も含めると既に100誌を超える勢いだ。そんな現状を打破する糸口を探すべく、今年の休刊雑誌を改めて何誌か振り返ってみたい。
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「この映画がすごい!」(宝島社/3月19日発売号にて休刊)  ページを開くと海外セレブのおっぱいポロリや、新恋人事情などゴシップ写真のオンパレード。スキャンダルと映画情報をハイテンションな誌面で紹介してきた同誌だが、かつての競合誌「プレミア」(ハースト婦人画報社)や「ロードショー」(集英社)の後を追っかけるように休刊。その12年の歴史に幕を閉じた。ちなみに発行中の映画雑誌の中では、「次は『キネマ旬報』(キネマ旬報社)がヤバイ」と一部でウワサされているとか。 hanachu.jpg「Hana* chu(ハナチュー)」(主婦の友社/4月1日発売号にて休刊)  女子中学生向けのファッション誌として、2003年に創刊。南明奈や成海璃子などがモデルを務め、一時は約15万部を発行した。しかし、新垣結衣などを輩出した「nicola」(新潮社)をはじめ「ラブベリー」(徳間書店)、「ピチレモン」(学研パブリッシング)といった競合誌にグイグイ押され完全敗北。休刊時の部数はピーク時の約半分になっていた。ローティーン向けファッション誌市場はまだまだ活気を見せているだけに、同業者からは「もっと頑張れたのでは?」「もったいない」といった声もちらほら。 efil.jpg「EFiL (エフィル)」(扶桑社/6月1日発売号にて休刊)  2009年に隔月誌として創刊された、40代以上女性向けライフスタイルマガジン。同版元が発行する「ESSE」よりもワンランク上のミドルエイジ層に向けて、料理、旅行、ファッション、占いなどを特集していた。しかし、宣伝不足のせいもあってかイマイチ定着しないまま休刊に。創刊から一貫して表紙に今井美樹を起用し続けた柔軟性の低さも原因の一つかもしれない。 owarai_poporo.jpg「お笑いポポロ」(麻布台出版社/8月8日発売号にて休刊)  アイドル誌「ポポロ」のお笑い版として2002年に創刊。旬な芸人のインタビューを中心に誌面展開し、2010年6月には年4回の季刊から隔月発行へ変更となるなど一時は好調であった。途中、よしもと芸人ビジュアルムック「お笑い男子校」(ワニブックス)創刊に伴う大人の事情で、よしもと芸人がほとんど誌面に登場していない地味な号が存在(2010年2月号)。読者をハラハラさせたが、以降はきちんとよしもと芸人も登場している。そんな苦難も乗り越えてきた「お笑いポポロ」だが、お笑いブームの終息と共に同誌も静かに幕を閉じる。 tohoku_jaran.jpg「東北じゃらん」(リクルート/3月1日発売号にて休刊)  震災の影響をストレートに受けてしまった月刊の地域情報誌。7月以降は「関東じゃらん」と統合、「関東・東北じゃらん」として発行されている。いつか「東北じゃらん」が復活することがあるなら、それは東北が復興し元気を取り戻したという証明。そういった意味でも今、最も復刊を願う雑誌の一つである。  実は筆者も数誌の休刊・廃刊に関わってしまった経験がある。新雑誌の創刊には実に多大な労力と時間がかかるものだが、それに引き換え休刊とは、大概の場合、それはそれは拍子抜けするほどあっさりと訪れるものだ。今一度、書店から姿を消した多くの雑誌たちを見つめ直すことで、先行き不透明な出版業界が少しでもいい方向へ進んでいくと信じたい。 (文=林タモツ)
ぴあ [最終号] ありがとう。 amazon_associate_logo.jpg
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「茂みの奥からガサガサと……?」夏フェスを騒がせる困ったちゃんたち

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年々、集客がキビシくなってきている
フジロック。今年はどうなる!?
 7月29日~31日、日本最大級の野外フェスティバル「フジロックフェスティバル'11」が開催される。これから9月にかけてが、いわゆる「夏フェス」シーズンだ。大自然の中で楽しく音楽を聴くというなんとも素晴らしいイベントなわけだが、毎年、主催者や運営者を困らせるオーディエンスが後を絶たないのも事実。某フェスのキャンプサイト運営者に話を聞いた。 「僕の持ち場は"キャンプのお悩み相談所"だったんですが、深夜に突然、ハイヒールにミニスカートの、フェスらしからぬ格好をした美女が現れたんです。彼女はほぼ手ぶら状態で、『わたしの泊まるテントどこ~?』と一言。そもそもキャンプサイトはテントや寝袋持参で泊まる場所なので、レンタルのキャンプ道具などは準備していないんです。深夜ということもあり、仕方がないので寝袋代わりに梱包用のエアパッキンを渡し、緊急用に建てた避難用テントに泊まってもらったんですが、さすがにあきれてしまいましたよ。また、解放感からか泥酔する輩も多く、自分のテントに知らない人が寝ていた、っていうことなんかもザラにありますね」  観客の中にはテントも立てられないようなキャンプ初心者も多く、毎年相談所では手を焼かせているようだ。だが、事件はキャンプサイトだけで起きているのではない。ステージ前でもありえない出来事と遭遇することもある。 「人気アーティストの出番で、ステージ前方は身動きが取れないほどのすし詰め状態でした。そんな中、僕の足に生温かい液体がかかる感触が! 後ろから何かかけられているようなんですが、飲み物ではなさそうだし、どうやらおしっこだったみたいで。確か、後ろにいたのは若い女の子のはずでしたが......」(フェス好きの会社員)  トイレに行きたくても人ごみから出ることもかなわず、どうしようもなく放尿してしまったのだろうか。また、伝説のロックフェス「ウッドストック」を彷彿とさせるようなラブ&ピースなエピソードも。 「フェスの会場内に流れる川で遊んでたんだけど、人がいっぱいだったからちょっと下流の方まで歩いていったんだよね。人がいなくなって、こりゃいいやって泳いでいたら、向こうの茂みがガサガサ揺れてて、なんか艶めかしい息づかいが聞こえてくる。何だろうと思ってよく見たら、男女ふたりがよろしくヤッてたんだよ! まさか人が来るとは思ってなかったんだろうね。2人と思い切り目が合っちゃって気まずいのなんの! ちなみに騎乗位でした」(某雑誌編集者)  この他、隣で踊っていた人からもらったラムネが実はいけないおクスリで、知らぬ間にバキバキにキマってしまった、などなどトンデモエピソードを挙げればキリがない。  何万人もの人が集まるからこそ、いろいろな物語も生まれる。楽しい出来事ならウェルカムだが、ケガや他人の迷惑になる行為はなにがなんでも避けたい。夏フェスを謳歌するもいいが、ハジケすぎには要注意! 
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言葉を失う艶やかさ! 「THE OUTSIDER第17戦」ラウンドエンジェルは浴衣だ!!!

TOS17_RA_07s.jpg  言わずと知れた格闘技界最強のラウンドエンジェルをそろえる"不良の格闘技大会"「THE OUTSIDER」。その第17戦を彩ったのは、艶やかすぎる浴衣美女たちだった。  というわけで、今回も一挙大放出! もちろん、浴衣を脱ぎ捨てたビキニのお姉さん画像もこんもりありますよ!
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ジ・アウトサイダー 第十三戦 in 横浜文化体育館 試合も見てね。 amazon_associate_logo.jpg
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ケンカ屋 VS 格闘家の最終決戦!「THE OUTSIDER第17戦」戦慄の舞台裏レポート

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今回もヤバい奴らが勢ぞろい!
 ケンカ屋と格闘家、果たしてどっちが強いのか?──リングス・前田日明主催の不良系格闘技『THE OUTSIDER(アウトサイダー)第17戦』(17日・ディファ有明)は、アウトサイダー選抜軍 VS プロ団体ZSTの対抗戦の他、現役ギャング VS プロレスラーなど、興味深いバトルが数多く繰り広げられた。試合結果の詳細は他媒体の報道にお任せして、日刊サイゾーでは今回も、会場を震撼させたコワモテファイターたちに戦々恐々のインタビュー! tos17_02.jpg ●"大阪ギャング TEAM KINGのマサカリ"  金太郎(18歳・大阪・出場2回目)  この男、小兵ながら破壊力は抜群。前回出場時は秒殺KO勝利。そして今回は、パワーリフティング福岡県大会優勝経験を持つ現役の航空自衛官を、パウンドで仕留めてみせた。その強さの秘訣は何なのか? 試合後に話を聞いた。 ──まずは名前のことからおうかがいしますが、なぜ金太郎というリングネームに? 「背中に金太郎の刺青があるからです」 ──なぜ金太郎を背負おうと? 「あだ名が金太郎だからです。小学6年のころから中学時代にかけて、よく自主的に山にこもって、ケンカに強くなるための修行をしてたんですよ。そしたら周りの人から、『おまえ、山に熊と勝負しに行ってんのか。リアル金太郎やな』と言われまして。そっからずっと、金太郎と呼ばれてます」 ──山でどのようなトレーニングを? 「素手で木やドラム缶を思い切りどついたりしてました。当時はケンカといえばパンチ力と思ってたから、そんなむちゃなトレーニングを死ぬほどやって。そのせいで骨もよう折れたし、指もいまだに変形したまんまです」 ──ケンカに目覚めたきっかけは? 「僕、もともとはイジメられっこやったんですけど、あるとき一気に爆発して、バンバンバーン! ってやり返したら相手が倒れた。そっから『オレ、強いな』と調子に乗って、やがて番長になって、中2で背中に刺青を入れました。当時のケンカはむちゃくちゃで、30対1とかでも平気で向かってって、バットでしばかれて病院送りになったりしてました」 ──最近は? 「マジメですよ。真剣に格闘技やりながら、楽しくギャングやってる感じです。ただ、クラブに遊びに行ったときに、『おまえなんやねん』と因縁つけられることが多い。僕、パッと見が可愛い系やから、ナメられやすいんですよ。最近はケンカ売られても基本はやらへんけど、いったんキレたら止まらない。どこまでもいっちゃう性格です」 tos17_03.jpg ──その片鱗が今日の試合からもうかがえました。いったん押し込まれたけれど、形勢逆転後のラッシュがすごかった。 「あと1分やなー、2ラウンド入ったらどつき回したるねん、余裕で倒したるわー思ってたら、1ラウンド終盤にチャンス到来。よっしゃ行けるわ行けるわー、でババババー行ったら、おしまいでしたね。僕のパンチ、最強なんで」 ──ところで試合後のマイクによると、お母さんがガンで闘病中だそうで。心配ですね。 「だから、ストレスはかけたくない。いいニュースをいっぱい聞かせて、お母さんをいっぱい笑わせてあげたい。だから今日勝ててホンマうれしい。僕の幸せを伝えてあげることで、お母さんのガンを取ってあげたいんですよ。僕の体を作ってくれた源やから、長生きしてもらわないと困るんで」  母親孝行なところまで、昔話の金太郎そのままなのであった。
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母のために戦った金太郎にサイゾー賞を贈呈!
tos17_05.jpg ●"神速"  ソルジャーボーイ一樹(24歳・愛知・出場2回目)  愛知のストリートで悪行を重ねた元チーマーのソルジャーボーイ。昨年末のデビュー戦では、スピーディーかつパワフルな立ち打撃で勝利し、観客を沸かせた。そして今回は豪快な首投げからマウントに入り、強敵のバイソン守をパウンドアウト。寝ても立っても強いことを印象付けた。 ──今日も圧倒的な強さでしたね。 「いやいやいやいや、なんで勝てるんですかね? よく分からない。正直、試合することにビビってたんで。練習をまったくしないんで、格闘技のイロハが分からないんですよ。適当なんで」 ──練習すればさらに強くなるのに。 tos17_06.jpg 「仕事が忙しくて。クラブのセキュリティーの他、パチンコ屋の仕事もやってるので、練習してる暇がないんですよ」 ──そういえば、前回出場時のインタビューでは、カッとなりやすい性格を直すためにパチンコ屋で働いてると言ってましたね。 「ええ。おかげで最近は、若い客にタメ口でしゃべり掛けられても我慢できるようになりました」 ──相変わらず筋骨隆々ですが、本当に何も運動していない? 「クラブではほぼ毎週のようにケンカがあるので、体を張って止めてますけどね。運動はそんぐらい。代謝が良くて、食べても太らない体質なんですよ」 ──今後の展望を。 「仕事の都合がつけばまた出るかもしれないけど、勝ってもメリットがないんですよね。もっと賞金をもらえるとか、あればいいんだけど」 ──DVDに収録されることはメリットではない? 「前回の僕の試合、レンタル版には入ってないんですよ......」  さて、今回はどうなるか? tos17_07.jpg tos17_08.jpg ●"リアル アマプロレスラー"  シバター・ウォーリアー(25歳・東京・出場2回目)  前回大会で、ガチンコ勝負の場にプロレスを持ち込んで物議を醸したシバター。永久追放かと思いきや、意外や意外。主催者の前田日明が「彼の試合は面白い」と気に入ったらしく、2大会連続の参戦となった。  今回の対戦相手は、池袋ウエストゲートパークのモデルにもなった池袋最強カラーギャング・フローレンス13の特攻隊長。  プロレスラー VS ギャング。いったいどんな戦いになるのか注目されたが、シバターは顔や動作で相手を終始おちょくりながらも、重いヒザ蹴りを的確に連打。余裕綽々、ギャングを退治してみせた。  試合後のシバターに話を聞く。 tos17_09.jpg ──前回は「魅せて負けた」が、今回は「魅せて勝つ」ことに成功しましたね。 「ああ、そうだな。前回は、オレがどんな奴なのか自己紹介できたと思うからよ。今回は、プロレスってのは強ぇんだぞってのを見せたかったんだ」 ──今回の相手は現役のギャングでしたが、怖くなかった? 「ギャングなんかよりプロレスの方が強ぇからよ。負けるわけねえんだよ。全然、余裕だったよ」 ──シバターの全能力を100とするなら、今日はどのぐらいの数字で戦いました? 「2だな。今日は2しか出してない。本当は200から300出すつもりだったが、2の段階で相手がくたばっちまった」 ──試合中、客席にいた黒石高大選手から「モンゴリアンチョップを出せ」という声が飛んでいましたが。 「ナメてやがるな、あの野郎。なに暇を持て余して人を野次ってやがんだ。暇だったら試合出りゃいいのによ。黒石もオレが倒したい相手の一人だからよ、覚悟しとけよ」 ──その他、アウトサイダーの中で戦いたい選手は? 「佐野哲也だな。あいつはよぉ、オレがTwitterフォローしたのに、フォロー返さねえんだよ。ムカツクから、いつかやってやろうと思ってる」 ──本日の戦いで、シバターの強さは観客に十分伝わったはず。次なる野望は? 「最終的にはベルトを欲しいと思ってるんだ」 ──となると、トーナメントに出るしかないですね。 「そうなのか? 実はそこらへんの仕組みがよく分からないんだが」 ──体重は何kgでしたっけ? 「80kgだな」 ──残念ながら、80kgトーナメントはないですね。 「ないッ!? ないのかよ! じゃあオレの巻くベルトはどこにあるんだよ? オレはベルトが欲しくてアウトサイダーに来てるのに、オレの巻くベルトが作られてないってのは、どういう状況なんだ? オイッ!」  シバターの怒声が虚しく響いた。 tos17_10.jpg"65-70kgトーナメント初代チャンピオン キング・オブ・アウトサイダー格闘彫師" 吉永啓之輔(28歳・栃木・出場15回目)  VS "初代ZSTウェルター級王者" 内村洋次郎(26歳・埼玉・初出場) tos17_11.jpg  アウトサイダーとZSTの対抗戦。大将戦では、アウトサイダーのエース格である65-70kgトーナメント初代王者の吉永と、ZST初代ウェルター級王者の内村が激突した。  吉永は立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛け、会場を沸かせる場面もあったが、終盤になってスタミナ切れ。最後は一方的に殴られる展開になり、タオル投入でTKO負け。 tos17_12.jpg  試合後の両者に話を聞く。まずは吉永から。 ──敗れたとはいえ、面白い試合でした。 「試合だから勝たなくちゃダメでしょ。相手がどうこうより、ただただ自分が弱かった。そんだけ」 ──戦って見えた、自分の弱点は? 「それはDVDを見ながら研究しますよ。もう一回出直しだね」  勝った内村にも話を聞く。 ──吉永選手の印象を。 「ハートの強い選手だな、という印象ですね。全然めげないし、攻撃もしっかり返してくる。目から熱さを感じましたね」 ──今日の内村さんは、グラウンドでは深追いせずスタンドを要求するなど、アウトサイダーの客層を意識した戦いぶりに見えました。正直、余裕があった? 「いや、ケガしていたんで、全然。肩の調子が悪かったんですよ。だから余裕はなかったです」 ──最後に、吉永選手に一言。 「気持ちを切らないで、これからもいい勝負をして欲しいですね」 tos17_13.jpg  アウトサイダーとZSTの対抗戦は結局、同日別会場で行われた試合を含め、3勝2分けでZSTの完勝に終わった。  次回アウトサイダーは、8月14日(日)にディファ有明で開催。60-65kg、65-70kg、それぞれのランキング制定トーナメントの準決勝・決勝が行われる。詳しくはリングスのホームページ(http://www.rings.co.jp)にて。 (取材・文=岡林敬太)
ジ・アウトサイダー 2011 vol.1 完全版 怒らせたら大変です。 amazon_associate_logo.jpg
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欧米メディア・人権団体から非難囂々 中国「小人テーマパーク」に行ってみた

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中国国内でもあまり知られていない、B級テーマパーク。
 偽ディズニーランドや偽ガンダム遊園地など、我々の想像を超えたテーマパークが多数存在する中国。そんな中「身体障害者を見せ物にするとは言語道断!」と、欧米メディアや人権団体から批判が集中しているテーマパークがある。低身長症の人たちによるさまざまなショーを売り物にした、雲南省の「小矮人帝国」(小人帝国)がそれだ。  働くスタッフにはそれぞれ、「国王」「兵隊」「部長」といったさまざまな役職が与えられており、帝国内にある家や建物もすべて小さなサイズ。観光客は帝国内を歩き回るだけでなく、「芸術団」の歌やダンス、武術、曲芸、漫才、手品などが楽しめるという。  このテーマパークは、その気候の穏やかさから「常春の街」と評される昆明市の中心部から車で1時間半あまりの場所にあった。入園料は、大人60元(約750円)。中国の物価からするとかなり高額だ。しかも、入り口からショーが行われるステージまでは距離があり、電動バスが結んでいるのだが、ここでも運賃5元(約60円)を徴収されるのだった。
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 電動バスがステージ前に到着すると、さっそく身長120センチほどの短髪の男性が「ようこそ」と迎えてくれた。彼の白いシャツに赤いネクタイという出で立ちは、すぐにオバマ大統領を意識したものだと分かった。  オバマ氏によると、ショーの開始までは約1時間あり、それまで、我々を彼らが住む"小人村"へ案内してくれるという。言われるままに付いていくと、ステージの裏におとぎ話の世界のような小さな家が10棟ほど並んでいた。そのうちの一軒をのぞくと、やはり身長120センチ前後の男女が、編み物や小物を作ったりしていた。それらはテーマパーク内で販売され、ステージの出演料に加えて彼らの収入となるのだという。
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 そうこうしている間に、ショーが始まるというのでステージ前へと急いだ。観客は50人ほどであったが、韓流アイドルを模したとおぼしき女性グループによるダンスに始まり、ロックテイストの歌やブレイクダンスなど、1時間ほどとなかなかの充実ぶり。ショーとしてレベルが高いとは言えないものだったが、彼らが小さな体を精一杯動かすたび、観客からは感嘆と嘲笑が入り交じったような声が上がっていた。  こうして障害を見せ物にすることに対しては、賛否が分かれるところ。しかし、実際に足を運んで感じたのは、彼らは誰にやらされている訳でもなく、プロとしてやっているということだ。社会保障も未整備なこの国で、自活しているステージ上の彼らは誇らしげですらあった。 (取材・文・写真=高田信人)
笑撃! これが小人プロレスだ なーんでなくなっちゃったんだろね。 amazon_associate_logo.jpg
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「私たちはどこへ向かうべきなのか」写真家・広川泰士氏が語る"日本の風景"としての原発 

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美浜原子力発電所(福井県/『STILL CRAZY』より、以下同)
 今月26日から、東中野にあるspace&cafe「ポレポレ坐」にて写真展『STILL CRAZY  Nuclear power plants as seen in Japanese landscapes』 が開催される。これは写真家の広川泰士氏が1994年に発表した、日本全国の原子力発電所53基を撮影した同タイトルの写真集の一部を、再度展示するというもの。モノクロの写真からは無機質な、死んだような静けさがじわじわと漂ってくる。そんな原発を"日本の風景"としてカメラに収めた広川氏だが、一体その意図はどこにあったのだろうか。また、今回の福島第一原発事故を受け、どのような思いを抱いているのか、広川氏に話を聞いた。 ――広川さんは広告写真やテレビコマーシャルなどでご活躍される一方、世界中の美しい自然の姿を撮影されていますが、そういった中で、この『STILL CRAZY』はとても異質な気がします。そもそもなぜ、原発の写真を撮ろうと思われたのですか?
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福島第一原子力発電所(福島県)
広川泰士氏(以下、広川) 僕は1950年生まれなんですが、子どものころから「原子力平和利用」だとか「希望の光が灯った」とか、さんざんそういうプロパガンダを聞かされて育ったんです。でも、大人になるにつれて、原子炉を廃炉にするにもどうやって解体すればいいか分からないし、増え続ける核廃棄物をどう処理するのかも分からない。そんな状況で見切り発車してしまった国の原子力政策に、疑問を感じるようになったんです。果たして、人間が取り扱うことができるものなのかどうかと。原子力発電所というものを見たこともなかったので、それで日本の中でどのような佇まいでいるのか実物を見てみたいと思ったんです。それに、原発に対しては当時からいろんな議論があったんですが、それ以前に、まずは見ることから始めたらいいんじゃないかという思いもあって。そんな折、「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)で10ページに渡る原発写真の特集をやることになり、1991~93年にかけて撮影しました。 ――広川さんとしては、原子力政策に対して声高に異議申し立てをしようと思っていたわけではなく、中立的な立場で、日本の一つの風景として発表したかったそうですが。
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高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)
広川 僕の制作活動の中で風景というのはすごく重要な位置を占めているので、抵抗なくというか、自然な流れだったんですね。我々は原子力発電所に囲まれて生きているんだし、そこで発電される電気の恩恵にあずかっているっていうのは紛れもない事実だった。その上で、ここからどうするのかということを、個々が考えればいいんじゃないかと思っていたんです。無関心な人はそれまでだし、おかしいと思う人はそこからまた考えて何か始めればいいんじゃないかと。 ――53基の原子炉はすべて許可を取って撮影されたそうですが、実際に間近で見てみて、どのような印象を受けましたか? 広川 建屋の中には入らないという条件で敷地内に入れてもらったんですが、やっぱり、異様な大きさなんですよね。森の奥の方にある広大な敷地に立っているんですが、車なんかと比べるとやっぱり圧倒的でした。それぞれの発電所の関係者が案内してくれるんですが、必ず「安全だ、安全だ」と口をそろえて言うんですよ。でも、言われれば言われるほど、安全じゃないんだろうなと内心では思っていました。「コンクリートの壁が6~8メートルあるから大丈夫です」とか力説するんですが、そこまでしないとダメだということはよっぽど危険なものを取り扱っているということですからね。
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柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)
 発電所の近くにはたいてい、渋谷にあった電力館のように、電気がどうやってできるのかとか、レントゲンを撮ったり飛行機に乗るとこれだけ被曝するけど安全ですとか、原子力の安全性をPRする施設があるんです。撮影を始めた当初は僕も知識がなかったので、原子力で発電するっていうのは、魔法みたいに核融合の科学反応で自然に電気ができるのかと思っていたんです。でも実際は、核分裂反応でできた熱でお湯を沸かし、その蒸気でタービンを回して発電する。これって火力発電や水力発電と構造自体は同じなのに、その元となる部分で原子力はすごく複雑なことをして危険なものを閉じ込め、お金も時間もかけて、それで蒸気なのか......と拍子抜けしましたね。 ――この『STILL CRAZY』というタイトルですが、"反原発"的というか、すごく政治的な意味合いが強い気がします。ご本人としては、どういう意図で付けられたんですか? 広川 そのようにも取れますが、実はこれ、ポール・サイモンの「Still Crazy After All These Years」というラブソングから取ったんです。だから「まだゾッコンなんだぜ」という皮肉めいた意味もある。僕はみんなもっと、原発に対して危機意識を持っているんじゃないかと思っていたんですが、発表した当時、大多数の人は無関心でした。それが僕にとっては驚きだった。当時から日本の原発依存度はすごく高かったけれど、ずっと「安全だ、安全だ」と言われていたから、本気で危険だと思っていた人はほとんどいなかったんでしょうね。
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泊原子力発電所(北海道)
――日本では「静かで不気味な写真だ」という意見が多かったそうですが、海外の反応はどうだったんですか? 広川 こういうタイトルだったということもあって、面白がってくれましたね。プリンストン大学の美術館やサンフランシスコにある近代美術館がコレクションしてくれたり、昨年はドイツのステュットガルトで行われた反原発のアートフェスに招待されて写真を展示したんですが、海外の方が評価してくれる人がいるんだなという手ごたえはありました。 ――今回の原発事故を受け、率直にどう思われましたか?  広川 結局、人間が手にするべきではないものをいじってしまったのではないか、という気がするんです。原発は立地にも建設にも時間とお金がかかる。過疎の風光明媚なところに造るということは道路もないので、まずは工事車両が通れるように大きな道路を造るところからはじめなければならない。トンネルを造ったり、海を埋め立てたり、一大開発ですよね。建設地の村にもお金をおとして、反対派を排除して、やっと完成する。でも、それだけのことをやって耐久年数はたった40年なんですよ。さらに今はもう新しいのが造れないからといって、それを60年に延ばそうとかいっていた矢先に今回の事故が起こった。たかだか40年しか動かないのに、わざわざそんな大掛かりなことをやるっていうのは、すごく不自然ですよね。何を言ってるんだ、って話ですよ。それに核廃棄物の半減期は何万年もする。効率が悪すぎますよね。原子力は安いとかなんとかいろいろごまかして推進しようとする人がいますが、どう考えてもおかしいですよ。
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浜岡原子力発電所(静岡県)
 一方で、原発の担当者と話していると、"自分の人生は原発とともにあった"みたいな人がいるんですよ。まず土地を収用するところからはじまって、村の人と馴染むためにお祭りに加わったり、住み着くくらいの勢いでその事業に打ち込む。それで原発が完成すれば、やっぱり感無量なんですよね、やっとできたって。村は村で、年寄りしかいないところに立派な体育館や立派な施設ができても利用する人がいない。だけど雇用が生まれる。もともと出稼ぎくらいしか収入源がなかった場所に、今の若い人たちは生まれたときから原発があるわけで、そこで働くのが憧れみたいになっている。お金にもなるし、そういう循環ができてしまっているわけだから、危ないから今すぐ全部の原発を停めろ、みたいなことは一概には言えない状態になってしまっていますよね。 ――そういうシステムができてしまっている以上、そこから組み替えていって、徐々に徐々になくしていく方向にするしかない、と。そういうお気持ちは当時からあったんですか? 広川 いえ、最近ですね。もう、シロかクロかでは決められない社会状況になってしまった。でも、だからといって前に進まないと何も変っていかないから、改善する方向でいま歩きださないといけないですよね。今現在、ものすごい犠牲を生んでいるわけだし、この事故を契機に考え方を一新しなければならないと思います。僕らの世代やもっと上の世代というのは便利な生活と引き換えに原発を容認してきたわけだから、すごく責任がありますよね。 ――その写真集の発表から17年が経ったわけですが、今回の写真展はどういう経緯で開催が決まったんですか。 広川 3月下旬に有楽町の外国人特派員クラブで写真展をやる予定があったんですが、その準備の最中、震災が起こったんです。もともとは別のプログラムを展示する予定でしたが、今これを見せるべきだと思って『STILL CRAZY』を展示したんです。その時に「一般の人にも公開するべきじゃないか」という意見をいろんな方からいただいて、僕自身ももっといろんな人に見てほしいという気持ちになったんです。ポレポレの本橋成一さんとは以前から面識があって、何かやらないかというお話をいただいていたので、とんとん拍子に話が進みました。 ――どういった人に見に来てほしいですか? 広川 老若男女、ありとあらゆる人ですね。日本で暮らしている以上、これはもう他人ごとではないですからね。 (取材・文=編集部) hirokawsan.jpg ●ひろかわ・たいし 1950年神奈川県生まれ。74年よりフォトグラファーとして活動開始。東京工芸大学芸術学部教授。広告写真、テレビコマーシャルなどで活躍する一方、ザルツブルグ、パリ、ミラノ、アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、ヒューストン、シドニー、東京他、世界各都市での個展、美術展への招待出展多数。講談社出版文化賞、ニューヨークADC賞、文部科学大臣賞、経済産業大臣賞、日本写真協会賞、日本映画テレビ技術協会撮影技術賞、A.C.C.ゴールド賞、A.C.C.ベスト撮影賞、他受賞。プリンストン大学美術館、ロサンゼルスカウンティ美術館、サンフランシスコ近代美術館、フランス国立図書館、神戸ファッション美術館、東京都写真美術館、他に作品がコレクションされている。 <http://hirokawa810.com/●写真展『STILL CRAZY Nuclear power plants as seen in Japanese landscapes』 会期:7月26日(火)~8月11日(木)月曜休・入場無料 会場:space&cafe「ポレポレ坐」<http://za.polepoletimes.jp/> 開催時間:火~土 11:30-21:00/日 11:30-18:00(最終日は20:00まで) ・会期中トークショー 日時:7月30日(土)19:00開場/19:30開演 ゲスト:佐伯剛(雑誌「風の旅人」編集長) 8月5日(金)19:00開場/19:30開演 ゲスト:村越としや(写真家)、木橋成一(写真家・映画監督) 料金:予約2,000円/当日2,500円(ワンドリンク付き) ●広川泰士と子供たちの写真展「家族・写真」 会期:7月29日(金)~9月5日(月) 会場:青山ブックセンター本店内・ギャラリー 開催時間: 10:00~22:00(最終日は19:00まで) 問い合わせ:03-5485-5511(青山ブックセンター本店) 広川氏が被災地の相馬市の避難所を訪ね、避難所に暮らす家族を撮影したポートレート作品と被災地の子どもたちにフジフィルムのインスタントカメラ「写ルンです」を渡して撮ってもらったスナップ写真を同時に展示。 <http://www.aoyamabc.co.jp/event/bookfes2011-hirokawa-morimoto/> ・会期中トークショー 広川泰士(写真家)×森本千絵(アートディレクター) 日時:2011年8月9日(火)19:30~21:30(開場19:00~) 会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山 料金:1,200円
STILL CRAZY これが日本の姿。 amazon_associate_logo.jpg
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