ひ弱な青年が超人兵士に! 『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』

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 米国のアメコミヒーローと日本の特撮ヒーローの歴史はどちらも長く、コミックやドラマからの映画化も枚挙にいとまがない。今週は、オリジナルキャラクターの時代感を保ちつつ、新たな視点と感覚で現代のスクリーンによみがえった日米ヒーロー映画2作品を紹介したい。  10月14日に封切られる『キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー』(2D/3D上映)は、マーベル・コミック原作のヒーローアクション大作。第2次世界大戦が拡大する1941年、病弱のため軍の入隊テストに何度も失格していた青年スティーブ(クリス・エヴァンス)は、極秘実験「スーパーソルジャー計画」の被験者第1号に。それまでの貧弱な身体から、パワーとスピードを併せ持つ超人の肉体に生まれ変わる。新ヒーロー"キャプテン・アメリカ"となったスティーブは、天才科学者ハワード・スタークが開発した破壊不可能なシールドを武器に、レッド・スカル(ヒューゴ・ウィービング)率いるヒドラ党の世界侵略に立ち向かう。  視覚効果マン出身のジョー・ジョンストン監督は、シンプルに身体能力を増強しただけで超能力は持たないキャプテン・アメリカの特徴を活かし、肉弾戦や銃撃戦、バイク・列車・飛行機でのチェイスなど、絵空事にならない絶妙のバランスでリアルかつ刺激的なアクションシーンを演出。3D上映で鑑賞すれば、奥行き感を活かした構図やさまざまな乗り物のスピード感を一層楽しめるだろう。主人公が"超人兵士"になった当初、戦争債購入を呼び掛けるキャンペーンやキャンプ慰問に駆り出されるエピソードでは、英雄礼賛を相対化するシニカルな視点が現代的。スティーブを支える女性将校役、ヘイリー・アトウェルのツンデレなキャラも見どころだ。『キャプテン・アメリカ』は他のマーベル・ヒーロー映画『アイアンマン』(08)『インクレディブル・ハルク』(08)『マイティ・ソー』(11)と世界観を共有。彼らが結集する超大作『ジ・アベンジャーズ』がいよいよ来年公開されることからも、「最初のアベンジャー」誕生を描く本作は見逃せない。  続いて10月15日公開の『電人ザボーガー』は、「マグマ大使」のピー・プロダクション制作で70年代に放映された特撮ヒーロードラマの映画化。悪の秘密組織「Σ(シグマ)」に科学者の父親を殺された秘密刑事・大門豊は、父が遺した変形バイクロボット"ザボーガー"と共に、Σの野望を阻止すべく戦う。  『片腕マシンガール』(07)『富江 アンリミテッド』(11)の井口昇監督が、オリジナルドラマへの敬意と愛情をしっかり示しながらも、微妙な笑いを誘う独特のセンスで大胆に再構築。大門の青年期・熟年期を2部構成で描いており、熟年期の哀愁漂う主人公を板尾創路が演じる。敵キャラ・ミスボーグ役の山崎真実は、胸からミサイル発射するたびに変顔でキメるなど、グラドル出身らしからぬ吹っ切れた演技を披露。ある意味『トランスフォーマー』を先取りしていた、オートバイから人型ロボットに変形するザボーガーは、そのチープ感、レトロ感もまた魅力だ。柄本明、竹中直人、渡辺裕之といった共演陣のノリノリの熱演と共にお楽しみいただきたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 「キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー」作品情報 <http://eiga.com/movie/54260/> 「電人ザボーガー」作品情報 <http://eiga.com/movie/55568/>
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マカオの新名所「The House of Dancing Water」メディア取材レポート

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 マカオのカジノ複合施設「City of Dreams」の特設シアターにてロングラン公演されている、水を使ったエンターテインメントショー『The House of Dancing Water(水舞間)』(以下THODW)。その1周年を記念したメディア取材ツアーが行われた。  2006年にラスベガスを抜き世界一のカジノ都市へと変貌を遂げた、中華人民共和国マカオ特別行政区。日本からは香港経由や直行便など4~5時間程度でアクセスできる地の利もあり、日本人にも人気の高い観光地として年間41万人もの邦人観光客が押し寄せているという。  もっとも、マカオの集客力はギャンブルだけにあらず、ポルトガル統治時代の町並みを中心とした世界遺産をはじめ、カジノ複合施設にたむろする売春婦や独自のサウナ浴場など、リーズナブルな性の歓楽街として世の男性から支持を集めている。  加えて現在はハイパー円高モード。マカオの通貨でもある香港ドルは、アメリカドルと固定相場の関係のため、円高パワーにものをいわせたマカオ豪遊が楽しめる絶好のチャンスでもあるのだ。  そんな折、日刊サイゾー編集部に届いたのは若きカジノ王からの招待状。ホテル、カジノ、ショッピングモール、テーマパーク、シアターなどを有するマカオの一大カジノコンプレックス「City of Dreams」のオーナー、ローレンス・ホー氏が「ぜひ日本のメディアに見てもらいたいショーがある」というのだ。  件のショー「THODW」は、City of Dreams内にある特設劇場で昨年9月より公演されている。日本でもおなじみのサーカス集団シルク・ドゥ・ソレイユにて『キダム』『サルティンバンコ』など数々の演目を手掛けるフランコ・ドラゴーヌ監督による最新作のひとつであり、巨大なプールを使う大がかりな舞台装置のため、ここマカオでしか見られないのだという。
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 開演当初からチケットが取りにくい状況が続くTHODWだが、この度380回の公演で70万人以上の来場者を魅了し、秋に1周年を迎えるにあたりその記念式典と観劇に日本のメディアが招待されたというわけだ。  香港経由でマカオに入国するなり早速観劇へ。270度の客席を持つ特設の円形劇場は形状こそサーカスのそれだが、ステージ全体が水で満たされている点が通常と大きく異なる。この巨大なプールのステージが、劇中どんどん動いて変化するのだ。  開演直後はなみなみと水をたたえる海のようなステージなのだが、その海底から巨大な海賊船が浮かび上がってきたかと思うと、次のシーンでは固い地面にさっと切り替わりアクロバティックなサーカスが繰り広げられる。あるときは80メートルもの高さからダイブできるほどの深さになれば、あるときは波が打ち寄せる浅瀬になり、またあるときはバイクが走り回るドライなフロアへと目まぐるしく切り替わっていく。  しかも、決死のダイブをしたアクターが再び海面に浮かび上がることなくステージからはけたり、水面からゆっくりせり上がるフロアに横たわった人々が、ゾンビのように這い上がってきたりと、「どこにはけたのか?」「どうやって出待ちしていたのか?」「きっと練習中や本番中に死人や怪我人が出たに違いない」と思わずにはいられない驚異の演出が目白押し。  ストーリー自体は、現代のマカオの水夫がどういうわけか剣と魔法が支配する世界に紛れ込み、王国の後継者争いに端を発するバトルに巻き込まれていくという内容なのだが、ほとんどセリフがないので、性別や年齢、言語に関係なく、誰もが楽しめるスペクタクルショーとなっている。  終演後「あれは、やばい......」と取材ツアー参加者らで絶句したのだが、さらにやばかったのは、通されたホテルの部屋。初日はCity of Dreams内にあるハードロックホテルの部屋があてがわれたのをはじめ、2日目はさらにグレードの高いグランド・ハイアットのツインベッドルームにチェックインするなど、これでもかとホー氏のおもてなし攻勢は続き、思わず財布のひもがゆるんだ筆者はカジノで4万円"する"始末。  とある媒体の編集者も、はっちゃけすぎたか明け方クラブイベントでモエシャンドンを頭からかぶる姿が目撃されたのを最後に、翌朝のバックステージツアーに現れることがなかった。かつてハンター・S・トンプソンが『ラスベガス★71』で描いた往事のラスベガスの乱痴気騒ぎもかくありなん?  そんなわけで断じてホー氏に懐柔されたわけではないが、City of Dreamsでしか観られない『The House of Dancing Water』は一見の価値ありですっ。風俗ついででもかまわないので、マカオに立ち寄った際はなんとしてでもチケットを手に入れたい。そう、未曾有のハイパー円高モードのうちに、ね。 (文=熊山准)
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「オナネタに困ったら私の番組に来なさいよ!」キムビアンカが"いま舐めたい"AV嬢って?

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 ボンデージに身を包み、人間の愛や性の深い部分を歌うアーティスト・キムビアンカ。4月にリリースしたメジャーデビュー曲「脱ぎなさいよ」(dreamfactor records)のPVが、アーティスト作品としては珍しくYouTube側から18禁規制がかかったほか、昨年、スポーツ紙でバイセクシャルであることをカミングアウトするなど、セックスシンボルとして度々注目を集めてきた。  また、彼女の軽快で姐御的なトークにもファンは多く、現在、DMMライブトークにて自身の番組『男も女もイキなさいよ SEX LESSON』(毎週日曜23時~24時)を配信。豊富な知識と独自のセックス論を武器に、性に前のめりな男女に向けてノンストップのトークを繰り広げている。  そんな彼女に、大好きなAVについて熱く語ってもらった。 ――5月にスタートした『男も女もイキなさいよ』では、毎週AV作品を紹介しているそうですが、女性がAVを解説する番組って珍しいですよね。 キムビアンカ 私、AVがすごく好きで、語り出したら止まらないんですよ(笑)。番組では毎週、独断と偏見で選んだ作品を2本紹介してます。他にも新しいおもちゃや、エロ本を紹介することもありますね。前に「バディ」(テラ出版)っていうゲイ雑誌を紹介したんですけど、ノンケの方にも好評でした。 ――ご自身はどんなエロが好みですか? キムビアンカ 日本女性のしっとり感や、粘膜系のエロスが好きです。以前、番組で「Oh! yes!」的な洋ものAVを紹介したこともあるんですけど、やっぱり日本の独特なエロ文化は面白いですよね。 ――AVはどこにポイントを置いて見ていますか? キムビアンカ シチュエーションだったり、絡み方だったりいろいろあるとは思うんですが、やっぱり女優さんの質は大きいですよね。漂う本気度やスキルが不足してる方だと、見てて飽きちゃったりするんですけど、女優さんにパワーがあるとそれだけで「うわ! かわいい! 私が舐めたいよ~」って思っちゃいます(笑)。 ――一番好きな女優さんは? 110927bt_0012.jpg キムビアンカ 恵比寿マスカッツのRioちん推しです。あのラテン系の釣鐘型のおっぱいと、健康的なところがすごい好き! 絡んでいくうちに化粧が取れたRioちんって、『天空の城ラピュタ』のパズーみたいな、少年か少女か分からない系の美人の魅力があるんですよね。喘ぎ声もアニメボイス系なんですけど、うるさ過ぎなくて好きです。あとは、つぼみちゃんや大沢美加ちゃんも好きです。ああいうロリ系の子の作品って自分からは手に取らないんですけど、オムニバスにたまたま入ってるのを見て「うわ! 何だコレ!」っていきなりハマッちゃったりします。 ――最近見たAVでおすすめの作品はありますか? キムビアンカ 風間ゆみ先輩の『海女 くいこむ褌、ぬめる秘貝』(マドンナ)ですね。海女役のゆみ先輩が日本海のしぶきを受けながらファックするんですけど、岸壁だからすごい大変そうなんですよ(笑)。あんなビッグネームの女優さんが、過酷な状態で一生懸命ファックしてる姿がすごくいいです。 ――(ジャケット画像を見ながら)わー、ジャケットもクオリティー高いですね! キムビアンカ ゆみ先輩のエロ漫画っぽいボディラインは理想的ですよね。ストーリーも本当によくできていてビックリしました。あと峰なゆかさんと西野翔ちゃんのレズビアンもので『美しすぎるレズビアン マ○コがマ○コに恋をする理由(ワケ)』(ムーディーズ)もおすすめです。翔ちゃんがAVの世界の裏側とかをぶっちゃけていて、『情熱大陸』(TBS系)でも見ているみたいなんですよ(笑)。ある意味、波紋を呼びそうな内容なんですけど、これは男性よりも女性に見てもらいたいですね。 ――レズビアンものは、ノンケの女性が見ても楽しめますか? キムビアンカ 内田春菊さんも「女の子はおっぱい好きだよ」って言ってますけど、女の人の頭の中ってどこかバイセクシャルだと思うんですよね。実は女の子もみんな、おっぱいやおまんこに興味あるんですよ。 ――『男も女もイキなさいよ』では、毎週こんな濃い話が聞けるわけですね! キムビアンカ 私自身、AVがすごく好きなので、オナネタに困ったらまず私の番組に来なさいよ! って感じです(笑)。それで、オナニーやセックスについても一緒に考えていけたらいいですね。特に女性に向けて「オナニーは悪いことじゃない」ってことを伝えられたらうれしいです。 110927bt_0020.jpg (取材・文=林タモツ 撮影=尾藤能暢) ●DMM.comライブトーク 生放送で有名人とコミュニケーションできる新感覚エンターテインメント。無料番組も多数あり、旬のアイドルや注目のアーティストとリアルタイムでチャットができる。 『男も女もイキなさいよ SEX LESSON』(毎週日曜23時~24時) アーティスト・キムビアンカが毎週2作のAVを紹介し、男も女もヌケるポイントを分かりやすく解説。またセックスやオナニーについて前のめりにトークしていく。 < http://dbirth.dmm.co.jp/hit.html?ID=io01-1&path=kimbianca/index_html/=/ch_navi=/> ●イベント『真夜中は別の顔×Campy!Bar』 ゲイ&オネエ界のドリフターズこと「Campy!ガールズ」や、ゲストのDJ Tibby[IMALU]、ミラクルひかるなどが登場し、2丁目の一夜を盛り上げる♪ キムビアンカは新曲を披露予定!(10月14日/新宿2丁目「club Arch」「D.N.A」の2会場で同時開催) <http://www.kimbianca.com/live.html >

おなじみのサーカス曲芸から花弁技、緊縛まで! トラウマ必至の「サディスティックサーカス2011」

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 禁断のサーカス「サディスティックサーカス2011」が2日、麻布十番・WHAREHOUSEで行われた。今年で9年目を迎えるこのサーカス、"一夜だけの巨大な見世物小屋"をテーマに、普段はなかなかお目にかかれないディープな芸の数々が披露されるという。そんな禁断のショーの様子を日刊サイゾー取材班が徹底リポート!  セクシーな衣装を身にまとったスタッフに案内され中に入ると、会場はすでに満員。サブカル好きの男性はもちろん、麻布十番という場所柄なのか、美女を連れたこぎれいなスーツ姿の紳士の姿もちらほら。みな一応にステージを鋭い眼光で見つめていた。
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トップバッターを務めたのは「くるくるシルク」。
会場のお客さんを巻き込み、華麗なサーカス芸を披露!
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ボンデージに身を包んだ3人の美女「フープラバーズ」による
フラフープダンスシショー。
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"暗黒の宝塚"とも呼ばれる「月蝕歌劇団」。前衛的なダンスで会場をトランス状態に。
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歌劇仕立てのフリークスミュージカル劇団「ゴキブリコンビナート」
。幕間にも登場し、ユニークなミュージカルを披露した。
写真は頬に串(針?)を貫通させた「だんご三兄弟」。
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早乙女宏美による「浄瑠璃・葛の葉」ハラキリショー。
実際に刺していたかどうかは不明。
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宇宙系女子・真珠子によるアニメ紙芝居活弁。
イラストもストーリーも見事にぶっ飛んでいました。
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「森繁哉+生命舞踊研究館」によるショー。霊山出羽三山の最高位の山伏たち
とあって、今回の出演者の中でもとりわけ異彩を放っていた。
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 この日、一番盛り上がったのは、京都の伝説のSM女王・龍崎飛鳥による緊縛ショー。ユーロビートの軽快なリズムに合わせ、むっちりとしたM女を華麗に縛り上げてゆく。あっという間にグルグル巻きにされたM女の身体には容赦なくムチが打たれ、蝋燭のロウが垂らされる。そのたびに、会場からは歓声とも奇声とも言えない声が飛び交う。
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 終盤には、M女に鉄の鎧のようなものを着せ、電気ドリルを押し当てる衝撃のシーンも。轟音ともに火花が飛び散り、その様子にあっけにとられている間にショーは終了した。
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 このほか、御年70歳の伝説のストリッパー・浅草駒太夫の職人芸ともいえるストリップショー、色町の伝統芸を引き継ぐ花電車・乱による行動な花弁技などなど、カオスというか下世話というか、まさに"禁断の情念の祭典"となった。ぜひ来年の開催にも期待したい。 (写真=尾藤能暢)
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「分裂の危機を回避していきたい」ノイタミナ山本PがTAF問題に言及

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 東京都青少年健全育成条例(以下、都条例)改正に伴い、これに反発するコミック10社会が参加を取り止め、開催が危ぶまれていた東京国際アニメフェア(以下、TAF)2011だが、最終的には東日本大震災の影響により中止となった。TAFと同日に開催予定だったアニメコンテンツエキスポも中止となり、以後、この分裂状態は解消されていない。  イベントそのものが中止になってしまったため、TAF2011内で実施を予定していた「第10回 東京アニメアワードコンペティション」(以下、アニメアワード)の表彰式と「第7回 功労賞」の顕彰式も延期になっていたが、その式が10月10日、東京ビッグサイトで行われた。  この会場で一歩踏み込んだ勇気ある発言をしたのが、"ノイタミナ"の山本幸治プロデューサー(株式会社フジテレビジョンクリエイティブ事業局映像コンテンツ事業部)だった。ノミネート作品 テレビ部門 優秀作品賞に『四畳半神話大系』が選ばれ、受賞に際してコメントを発したときのことである。 「ノイタミナという放送枠を、もう7年くらいやっているんですが、『四畳半神話大系』という作品と湯浅政明という監督は圧倒的に個性的な人、作品でした。まさか、『ガンダム』(機動戦士ガンダムUC)や『けいおん!!』(2期)に並んで賞がいただけるとは思っていなかったですし、そんなアヴァンギャルドな作品に賞をくれるTAFのアワード、素敵じゃないか、と思っております。  ここからは個人的な話になるんですが、そんな作品やクリエイターを公に評価する、していただける場はなかなかありません。とても貴重な場だと思っておりますが、一連の都条例問題以降のゴタゴタは非常に残念で、力を合わせて、先ほど個人のクリエイターの方のおっしゃってきたように、"日本を元気にする"ため、分裂の危機を回避していきたいと思っております。我々も頑張ります」  公募作品で世界のクリエイターを、ノミネート作品で"アヴァンギャルド"なプロの制作者を、功労賞で道を切り拓いてきた先達を称え、あるいは奨励するアニメアワードは、山本プロデューサーがいうように貴重な場であることは間違いない。  今回、OVA部門では『機動戦士ガンダムUC』が優秀作品賞に輝いているが、同作品の小形尚弘プロデューサーが「なかなかこういった賞とはご縁のないロボットアニメなんですが、こだわりを持ってこれからも作っていきたい」と言うように、賞レース向きではないジャンルアニメに対しても優れた作品であればフェアに評価するという面を持っている。  しかし、それも片肺飛行では意義を失いかねない。TAF2012は来年3月22日から東京ビッグサイトで開催が決まっている。一方、アニメコンテンツエキスポに2回目があるかは未定だ。  統合か、それとも分裂か。あるいは片肺のままTAFだけが開催されるのか。この問題を決着させないとすっきりしない。いつまでも震災でうやむやにしておくわけにもいくまい。  功労賞の顕彰式は素晴らしかった。やはり長い人生を歩んできた人々の言葉は重く、そして深い。  『キューティーハニー』『魔女っ子メグちゃん』『ベルサイユのばら』『聖闘士星矢』で知られるアニメーター荒木伸吾のコメントに込められた思いは多くの制作者に共通するところかもしれない。 「私は約45年間アニメーションの原画を描いてきましたが、その中で自分が一番よかったなと思うのは、アニメを見て育った子どもたちが、私の絵を通して物語の中から素晴らしいものを夢描いてくれたことです。今になって本当に、アニメーションの原画を真剣に描いてきたことを、誇りに思います。アニメーターというのは非常に地味な存在で、でも一番肝心なところを受け持っている絵描きたちです。その人たちが、アニメーションの難しさの中で進んでいくには、目標が必要です。その目標を見失わないように、初めは苦しいんですが、目標に向かって自分を励ましながら描いていってほしいと、後輩たちに言いたいです。  私はこれからもアニメーションや漫画を描いて、その中から、自分としてここまでやってきたんだと、満足できるところまで......手が震えていますが(苦笑)、なんとか自分を励ましながらやっていきたいと思います。今日は本当に私だけじゃなく、アニメーターを代表してこの賞をいただいていきます」
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冨永みーなが永井一郎に顕彰状を渡す。
 今回は『サザエさん』の加藤みどり(フグ田サザエ役)、永井一郎(磯野波平役)、麻生美代子(磯野フネ役)、貴家堂子(フグ田タラオ役)が顕彰されている。サザエの弟、三代目磯野カツオ役を演じる冨永みーながサプライズゲストのプレゼンターとして呼ばれ、顕彰状を授与する際には、「ねえさん」である加藤みどりから笑いが漏れた。  日本の本格的な商業アニメには『鉄腕アトム』から数えて既に50年近い歴史がある。最大級の地震、津波、原発事故に襲われたことしがほぼ世紀の折り返し地点。ここからアニメをどうしていくのか。課題が突きつけられている。  受賞者と受賞作品は以下の通り。 ◆アニメアワード《公募作品》/応募396作品 公募作品グランプリ 『Trois Petits Points』(フランス) 一般部門 優秀作品賞 『Thought of You』(アメリカ合衆国)『フルーティー侍』(日本) 学生部門 優秀作品賞 『HONG』(中国)『MOBILE』(ドイツ) 特別賞 『くちゃお』(日本) 企業賞 東京ビッグサイト賞 『SWING』(台湾) CortoonsItalia 2011 『CHILDREN』(日本) 入選 『farm music』(日本)『ユートピアン』(日本) ◆アニメアワード《ノミネート作品》/415作品  アニメーション オブ ザ イヤー 『借りぐらしのアリエッティ』 テレビ部門 優秀作品賞 『けいおん!!』『四畳半神話大系』 国内劇場映画部門 優秀作品賞 『借りぐらしのアリエッティ』 海外劇場映画部門 優秀作品賞 『トイ・ストーリー3』 OVA部門 優秀作品賞 『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)』 個人部門 監督賞:米林宏昌『借りぐらしのアリエッティ』、脚本賞:丸尾みほ『カラフル』、美術賞:武重洋二/吉田昇『借りぐらしのアリエッティ』、キャラクターデザイン賞:馬越嘉彦『ハートキャッチプリキュア!』、声優賞:豊崎愛生『けいおん!!』、音楽賞:CECIL CORBEL『借りぐらしのアリエッティ』 ◆第7回 功労賞 有賀健、荒木伸吾、小隅黎、勝間田具治、浦田又治、雪室俊一、神原広巳、千蔵豊、加藤みどり、永井一郎、麻生美代子、貴家堂子 (取材・文・写真=後藤勝)
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【サイゾー for GREE】が登場! サイゾーをガラケーでも持ち歩け!

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 ガラケーユーザーのみなさんに朗報です! このたびサイゾーは、GREEアプリ「サイゾー for GREE」をリリースいたしました。  雑誌「サイゾー」の特集コンテンツや連載を楽しめるだけでなく、新鮮な芸能ニュースを毎日配信いたします。ガラケーをお持ちの読者の皆様は、この機会にぜひ登録してみてください。  アクセス方法は以下より。
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【アクセス】 http://mpf.gree.jp/3149 ※または右記QRコードから⇒    「GREE」トップ http://m.gree.jp >芸能> サイゾー for GREE ※携帯から上記の手順でアクセスしてください。  サイトのキャプチャ画像は「続き」よりどうぞ。 【キャプチャイメージ】
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【概要】 ■タイトル名 サイゾー for GREE ■提供開始日 2011年10月12日(水) ■利用方法 GREEへの無料会員登録後、利用可能 ■対応機種 docomo、au、 SoftBank : Flash Lite 1.1対応機種(一部機種を除く)

「目指すのはコミュニケーションを促進するサービス」 はてな・近藤淳也社長に聞くウェブの未来

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はてな・近藤淳也社長。
 ウェブの未来を担う可能性のあるサービスや端末を発掘・共有・応援しようというコンセプトのイベント「WISH2011」が先月開催され、閑歳孝子氏のソーシャル家計簿サービス「Zaim」が「WISH大賞」に選ばれた(http://agilemedia.jp/wish2011/)。その一方で、ほぼすべての候補作がTwitterやFacebookなどアメリカ発のソーシャルネットワークでの利用を前提としており、世界中で使われるようなビッグビジネスにつながったり、ウェブに興味のない一般人でも分かるような大きなスケールのサービスは現れなかった。  今回、オープニングトークに登場し、審査員の一人でもあったはてなの近藤淳也社長に、そんな状況をどう見ているのか、また、「はてな」は今後どのような戦略でウェブの世界に立ち向かおうとしているのか。会場でお話をうかがった。 ――あらためて、「WISH」に選出されたサービスをご覧になっていかがですか? 近藤淳也社長(以下、近藤) ネットだけでなくて、リアルにもつながるサービスが多いな、というのが率直な感想ですね。大賞に選ばれた「Zaim」も、お金の管理というものに特化されていますし。 ――ソーシャルメディア、例えばTwitterやFacebookのAPIに乗ったサービスが多く、全体として小粒だという印象を受けました。 近藤 確かに、Facebookが日本にもかなり浸透している、という実感はあります。今後は、TwitterやFacebookというプラットフォームに乗った、1レイヤー上の世界が新サービスの主戦場になっていくと思いますので、方向性として正しいと思います。  僕たちはてなとしては、プラットフォーム的なサービスを指向していかないとこじんまりとしてしまうので、そこを取って行きたいという気持ちがあります。今までも、はてなIDを取得すればいろいろなダイアリー(ブログ)やブックマークなどを使える、といった全体感のあるサービスを作ってきましたが、今後はさらに「はてなを使っていれば豊かなネット生活を約束できる」といったものを提供していきたい。それでも、パネルディスカッションに登壇されていたnanapiさんのように、CGMサービスでFacebookからアクセスを集めているサービスも出始めているので、共存共栄のモデルを探って動いていかなければならない側面もありますね。 ――ウェブ業界全体として、スマートフォン向けのアプリや、ソーシャルゲームばかりという状況もあります。 近藤 実際、もうかりますからね。市場も立ち上がっているので、もうかるときにリソースを投資するのはビジネスとして正しい判断だと思います。僕たちも随分話をしていますけれど、どうしても手が動かないというか......。
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「WISH2011」の様子。
――手が動かない理由は何かあるのでしょうか? 近藤 僕たちのやりたいとことの中心ではない、ということですね。僕たちのやりたいことはコミュニケーションを促進するサービスなので、その思想を変えちゃいけないと思っています。ですので、苦手なところに手を出すよりも、そういった強みを伸ばして勝負したいですね。とはいえ、僕はスマホはこれからだと思っていて、新しいデバイスが普及してから変化が起こると見ています。そこに合わせて「なるほど」と思わせるサービスを提供していきたいと考えています。 ――「はてな」のユーザーについてお聞きします。2004年ごろは、オフ会なども実施されていて、ユーザーとの距離が近かったと思います。現在は少し離れているようにも感じますが、ユーザー層の変化を感じられていられますか。 近藤 どうなんだろう? どう思いますか? ――単純にユーザー数も増えて一般化したのかな、とは感じていますが......。 近藤 そうですね。04年はまだ数十万人で、今は250万人。いろいろな層の方に使っていただいてます。僕たちもそれを目指してやってきましたから。知る人ぞ知るサービスでいいと思ったことは一度もなくて、なるべく多くの人に使われたい、という理念は実現されています。  ユーザーとの距離という話でいえば、先日、創業10周年記念のオンラインイベントをUstreamで配信したんですが、視聴者は1,500人もいらっしゃいました。期待されていることは感じているので、折に触れてコアユーザーとの接点は持っておきたいですね。それと同時に、運営している人の顔が見えないというライトなユーザーにとっても使いやすいサービスを作ることが大事だと考えています。 ――06年シリコンバレーに渡り、08年に京都に移りましたが、今までの期間で一番注力されてきたことは何ですか? 近藤 組織作りですね。この3年は第2創業というか、新しいサービスを作る体制を作ってきて、はてなのサービスの作り方がまったく変わってきています。「人力検索はてな」や「はてなアンテナ」、「はてなダイアリー」はわたしがプログラムを書きましたし、東京に移転してからは社員が増え、20人くらいがそれぞれいろいろなサービスを立ち上げて会社の礎を作ってくれました。シリコンバレーは行ってみたくて行ったんですが(笑)、そこでは「はてなスター」や「はてなハイク」を作りました。京都に戻ってからは、個人ではなく、チームで新しいサービスを作るようにしています。スタジオジブリで例えるなら、宮崎駿さんが監督を一切辞めて、若い脚本家や監督を育てることに専念すると決めて、彼らを育てつつ戦略を考える、という感じ。今7つのチームがあるんですが、面白いサービスの開発が進むようになり始めています。これは僕にとってもはてなにとっても大きな変化です。 ――お話をうかがって、「変な会社」から「普通の会社」への脱皮という印象を持ちました。 近藤 普通の会社というよりは、「大きくなっても変な会社であり続けたい」と考えています。組織を拡大しながら、初期のころのマインドというか、良さはなくさないようにしていきたいです。特に無駄な決まり事は増やさないようにしたいです。人数は増えましたが、今も外部から人が訪問されると、「大学の研究室のようだ」と驚かれます。 ――サービスも多様になってくると、ユーザーの声も様々になり、中にはいわゆる「炎上」につながりかねない事例もあったかと思います。何か対策は講じていらっしゃいますか? 近藤 これだけみなの声がダイレクトに僕たちのところまで届くようになると、ウソはつけないと思うんですよ。これまでも社内の会議をポッドキャストで公開したり、はてなは裏表がないサービス運営をしてきました。だから、ユーザーさんから何かご意見をいただいた場合は、分かってもらえるまで説明するしかないですね。最近、「はてなダイアリー」に記事を書くとポイントが溜まる「はてなダイアリーポイントプログラム」をスタートさせたのですが、Google AdSense広告が表示されることに関して、ユーザーさんから疑問やコメントやメールをいただきました。それに対しても、分かっていただけるまで説明をし、誠意を持って話し合いました。 ――はてなのサービスを使っているユーザーはもちろんですが、Twitterなどでもちょっとした発言で人生を悪い方向に進めてしまうような事件が起きています。そういうネットユーザーをどうご覧になっていますか? 近藤 悲しい事件ですよね。一般のユーザーが「炎上」してしまうようなことはできるだけ避けたいと、サービス提供者としても思います。本人が望まない人たちの目に触れ、無用な批判を受けるといったことを推進しても仕方がない。インターネットの発達段階で、それまで使っていた人の縄張り意識と、新しく入ってきた人のルールの対立はこれまでもありましたが、これだけネットが日常的になった今となっては、先にいた人ばかりのものではない。ある程度みんなもリテラシーを身に付けないといけないし、サービス運営もうまく「事故」が起きない方向に進むのが正しいのではないかと思っています。 ――最後に、これからのはてなやインターネット全体をどのように変化させて行きたいとお考えなのか、お聞かせいただければと思います。 近藤 はてなは「人と人とのコミュニケーションを促進する」ということを理念の軸にしているんですが、何かと殺伐としがちな現代生活って基本的に悲しいじゃないですか(笑)。「どこかに温かい会話がある」というのが豊かな要素だとしたら、ネットで温かいサービスを提供して生活を豊かにするというのが大きな使命だと思っています。ネガティブな要素はなるべく除いていきつつ、「はてなを使っていれば2、3割は人生が楽しい」というサービスを目指して行きたい、そう考えています。 ***  トークセッションの結びで「1億円稼いだとか、いい車を乗り回しているとか、そういうことは死ぬ時の自慢にはならない。でも『インターネットでたくさんの人が当たり前のように使っているあのサービス、実は僕が考えたんだ』というのは自慢になる」と語った近藤社長。  セッションの途中では、8年ぶりにリニューアルする新はてなダイアリーと、Twitter・Facebookとの連携を強化した新はてなブックマーク、そして、「写真を撮っていると、自分の写真がないということに気が付いた」というところから着想を得たスマホアプリの「はてなアルバム」の開発中の画面を発表した。「チーム体制が、ここで形になった」と自信を見せる近藤社長だが、次のステージへと進んだはてながどんなサービスをリリースするのか。今後も変わらずネットユーザーの注目を集める存在であり続けることになりそうだ。 (取材・文=ふじいりょう) ●こんどう・じゅんや 1975年愛知県生まれ。京都大学大学院理学研究科在住中に自転車レース活動を経て、自転車競技専門の写真家になる。その後プログラミングをITベンチャーで勉強し、2001年に有限会社はてな設立。「人力検索はてな」「はてなアンテナ」「はてなダイアリー」といったサービスをリリースする。04年に株式会社に組織変更後、本社を東京に移転。06年に米シリコンバレーに居を構えHatena Inc.を設立。2008年に帰国し、現在は京都を拠点に数々のサービス開発に取り組んでいる。
「へんな会社」のつくり方 なるほどね。 amazon_associate_logo.jpg
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シリーズ第4作『猿の惑星/征服』の大胆な翻案? 『猿の惑星:創世記』

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(c) 2011 Twentieth Century Fox Film Corporation
配給:20世紀フォックス映画
  慣れ親しみ信頼さえ寄せていた存在がある日突然、人類を脅かす恐ろしい敵に――。「発想の転換」を起点としたストーリーを見事に映像化した新作映画2本が、相次いで封切られる。  10月7日に公開される『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』は、いわずと知れた名作SF映画「猿の惑星」シリーズを踏まえ、現代の米国サンフランシスコを舞台に「猿が人間を支配する」という有名なプロットを再構築したオリジナルストーリー。脳を活性化させるアルツハイマー病治療薬の研究者・ウィル(ジェームズ・フランコ)は、試験薬を投与したメスのチンパンジーから生まれた"シーザー"を育てることに。母猿からの遺伝子を通じて新薬の影響を受けていたシーザーは、人間の子どもを超える驚異的なスピードで知能を発達させるが、事件を起こして霊長類保護施設に収容される。飼育係から虐待を受け、人類への敵意を募らせるシーザーは、施設の猿たちをまとめ上げ、自由を求めて行動を起こす。   SF映画の記念碑的作品である第1作『猿の惑星』(1968)の前章という位置付けも可能だが、高度な知能を持つ猿が人類に反乱を起こすシリーズ第4作『猿の惑星/征服』(72)の大胆な翻案と考えることもできる。オリジナルシリーズでは、当時最先端の特殊メイクを施された俳優たちが「知的な猿たち」を演じていたが、「創世記」に登場する猿キャラは、『ロード・オブ・ザ・リング』(01)や『アバター』(09)の視覚効果を手掛けたWETAデジタル社がパフォーマンス・キャプチャー技術で"創造"。『ロード・オブ・ザ・リング』でやはり同じ技術を使いゴラムを演じたアンディ・サーキスが、繊細な表情の演技でシーザーに魂を吹き込んだ。『スラムドッグ$ミリオネア』(08)のフリーダ・ピントも、ウィルの恋人となる美人獣医役で存在感を放っている。人間と猿の種を超えた心の交流から断絶への変化がエモーショナルに描かれる前半のドラマと、人間対猿の市街戦、ゴールデンゲートブリッジ上での最終決戦へとダイナミックに展開する後半のアクションとの対照も絶妙だ。  続いて10月8日に公開される『レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース』は、"サンタクロースの国"フィンランドで製作された、ブラックユーモア満載のファンタジーアドベンチャー。北フィンランドの山村に住むピエタリ少年は、古い文献を読みサンタクロースが恐ろしい存在だと信じるようになる。そのころ、国境付近の山に封印されたという"本物のサンタクロース"が多国籍企業によって掘り起こされ、ときを同じくして子どもたちの失踪やトナカイの大量死などが次々に発生。ピエタリと地元の大人たちは村の平和な暮らしを取り戻すため、敵との戦いに自ら立ち上がる。  誰からも愛されるクリスマスの定番キャラ、サンタクロースが悪役になる映画は過去にもあった。だが本作は、サンタクロースの本場フィンランドで、自らサンタのイメージを悪くしかねないダークな設定にしたという点がミソ。事件が起きる雪に閉ざされた村の寒々とした映像の中で、少年をはじめとする村人たちの素朴さが温かく、終盤にはじんわり心にしみる感動と、タイトルの意味する「珍しい輸出品」に合点がいくオチが待っている。クリスマスシーズンには少々早いが、一風変わったファンタジー映画が好みという方にオススメしたい。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」作品情報 <http://eiga.com/movie/56076/> 「レア・エクスポーツ 囚われのサンタクロース」作品情報 <http://eiga.com/movie/57037/>
猿の惑星 コンプリート・ブルーレイBOX すげージャケ写。 amazon_associate_logo.jpg
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戸塚宏校長が唱える"体罰の必要性"28年の封印を解いた『スパルタの海』

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「体罰を復活させれば、日本の教育、そして日本社会は甦る」と説く
戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長。
「戸塚ヨットスクールを支援する会」東京事務所にて。
 "封印映画"として有名な作品に『スパルタの海』(83)がある。1980年代にマスコミに大バッシングされた戸塚ヨットスクールを題材にした実録ドラマだ。戸塚宏校長役を伊東四朗が熱演し、非行、不登校、家庭内暴力......といった問題を抱える情緒障害児たちへの戸塚流体罰指導に生々しく迫っている。メガホンをとったのは『伊豆の踊子』(63)、『潮騒』(75)のヒットメーカー・西河克己監督。寮内でスクール生が死亡する事件などを盛り込みながら、スクール生同士の間で恋愛感情が芽生える様子も描かれ、社会派青春映画としての完成度は非常に高い。  配給会社の東宝東和は1983年9月の全国公開を目指していたが、同年6月に戸塚校長、コーチらが監禁・傷害致死の容疑で逮捕される。映画の企画段階からすでに始まっていたスクールへのバッシングは最高潮に達し、東宝東和は公開を断念。以後、長きにわたって『スパルタの海』は伝説の"お蔵入り映画"となっていた。その後、2005年に著作権が東宝東和を離れ一部企画上映などが実現されたが、全国ロードショーが実現するのは今回が初めてであり、実に28年の時を経て"完全解禁"となる。  傷害致死で実刑判決を下された戸塚校長は06年に出所。ヨットスクールの校長に復帰し、今も引きこもりやニートたちの更生に取り組んでいる。『スパルタの海』公開にあたり、戸塚校長その人にご登場願った。戸塚校長は終始微笑みながら、体罰の必要性、映画を公開中止に追い込んだマスコミの罪状について語った。 ――映画の中で、スクール生が訓練中にちょっとでも気を抜くと、殴られ、角材で叩かれ、堤防から海へ突き落とされる様子が描かれていますが、これは戸塚ヨットスクールの当時の訓練をリアルに描いたものと思っていいんでしょうか? 戸塚校長(以下、戸塚) そうだねぇ、まぁ、映画ではウルフと呼ばれる主人公がスクールに入ってからもずっと反抗し続けるでしょ。でも、実際はあんなことはなかったわな。暴れるのは最初の1日だけ。言うこと聞かんとボコボコにして、あとはもう猫みたいになっちゃうんですわ。 ――まず、ボコボコですか。 戸塚 えぇ、それがやり方でした。今までそういう目に遭わなかったのがヤツらの不幸なんよ。一度も痛い目に遭ったことがないから、人の言うことを聞かんわけですよ。本当は幼児の頃に味わっておくべきこと。幼児の頃なら、お尻をペシャッと叩く程度でよかった。でも、大きくなったらお尻ペシャくらいじゃ効かん。これ以上やられたら死ぬ、と思わせるくらいボコボコにするんです。今まで10年、15年とず~っとサボり続けてきた連中ですよ。「言うことを聞け」といっても無理なんです。 ――きれいごとでは済まない教育現場の壮絶さは、映画からも伝わりました。 戸塚 でも、そんなふうにやると、「子供たちの自主性や権利を尊重しろ」という人間がすぐ現われる。子供たちの自主性とか権利とか言い出したから、あんな子たちが増えたんやないの? 権利や自由が何かわかってない子供たちに「自由にやりなさい」と教えても、自由気ままに好き放題にやるだけ。問題に立ち向かって乗り越えることができなくなってしまう。逃げ出してしまうようになる。マスコミが「逃げろ、逃げろ」とか無責任に後押しするから調子づく。いちばん無責任なのはマスコミやない?
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西河克己監督、伊東四朗主演に
よる映画『スパルタの海』。西河
監督は自身の息子の不登校に悩み、
またその息子を交通事故で亡くし
た直後に製作に臨んだ。
――はい、マスコミの言っていることを鵜呑みにすると、間違いなく大変な目に遭います(苦笑)。 戸塚 まぁ、マスコミもそうだけど、学者も知恵遅れなんじゃないかと思うくらい、物がわかっとらん。特に彼らのいう精神論は間違いだらけ。日本人は欧米人のいう精神論を戦後押し付けられたわけやね。本当は日本が独立したときに正さなくてはいかんかった。欧米人の言ってることが正しいかどうか検証もせんと、欧米人が言うことやから正しいとしてしまった。「叱るよりも褒めろ」という教育方法も米国人のマネやからね。 ――叱るより褒めるほうが楽ですしね。 戸塚 そうやろ。これだけ今の日本の教育は荒廃しとるのに、それでも学者たちはまだわかっとらん。マスコミも学者も、自分で考えることのできん、ただの偏差値秀才ばっかりよ。そいつらが日本をリードしとる。特にマスコミの愚劣さは信じられんほど。自分たちのことをエラいと思っとる。バカは自分のことをバカとわかっとらんヤツのことを言うんよね。バカと言われて、すぐ怒るのが本当のバカ。マスコミは"権利"の意味もわかっとらん。権利の意味、わかる? ――戸塚校長は著書『教育再生!』(ミリオン出版)の中で、『rightは「権利」と和訳されているが、これは誤訳』と指摘されていますね。「right」は与えられる「権利」ではなく、手に入れる「資格」と訳するのが妥当だと。 戸塚 うん、それなのに、日本人は「right=権利」だとずっと思ってきた。マスコミは「権利とは何か」もわからないまま、「権利を守れ」と言い続けてきた。偏差値秀才やから、習ったことは全部正しいと思っとる。なぜなら、欧米人が言ったことだからと。やっぱり、マスコミがいちばん悪いんやないの? ――『二百三高地』(80)、『大日本帝国』(82)などの実録戦争映画で知られる天尾完治プロデューサーから『スパルタの海』の映画化の申し込みがあった際はどうだったんでしょうか? 映画もマスメディアになりますが......。 戸塚 結構なことよ。良きにつけ悪しきにつけ、どんどんマスコミに報道させたほうがいい。そうすれば、どんなに頭の悪いマスコミの人間も少しは考えるようになるやろ。もう30年近くも前のことになるけど、あのときに日本全体で教育論争になっておけば、変なヤツはその後は生まれんかったはずよ。 ――それが、論争にはならず、一方的なバッシングになってしまった。戸塚式教育論が間違いなら、どういう教育システムを新たに作らなくてはいけないかという方向には行かなかった。 戸塚 バッシングの理由が、自分たちと考え方が違う、自分たちが教わったことと違うことは認めないということやったからね。私らをバッシングするだけで、どうしてあんな子たち(情緒障害児)ができたのかには話が進まんかった。マスコミはスクールから逃げ出した子から聞いた話ばかりを取り上げて、私らを悪者にしたんや。自分では何もできず、できないことは社会や他人のせいにするのがあの子たちの特徴やからね。子供たちにも理性があるから殴る必要はないやろうと、マスコミは言うわけや。子供たちには生まれながらに理性が備わっているという考えは、欧米人の考え方。それはなぜかというと、「人間は神が創ったもの」という前提があるから。でも、欧米人は本気で「人間は神が創った」なんて信じてませんよ。それを日本人はマジメに信じやがったわけや。 ■誤った教師像を広めた人気ドラマの弊害 ――映画『スパルタの海』についてお聞きしたいと思います。伊東四朗さんが戸塚校長に成り切った熱演ぶりを見せています。伊東四朗さんは特別に役づくりのためにスクールを訪ねたなどあったんでしょうか? 戸塚 いや、映画のロケ地とスクールの合宿地が同じところやったからね。キャストもスタッフも私らの朝の体操からずっと一緒に過ごしておったようなもんよ。私はスクールの指導があるから、映画の監修はしてません。でも、映画に出ておる役者は、やっぱりみんなプロやね。「あっ、これは誰や」というのが、映画を観たらすぐわかる。伊東さんもそうやね。「あっ、伊東さんがあそこにおるなぁ」と思とったら、ボクのことを観察しとったんやね。ある日、向こうから誰か歩いてきよるなぁと思ったら、歩き方が自分にそっくり。伊東さんやった。スクールのスタッフも間違えるくらいに、伊東さんはそっくりになっとったね。 ――映画の中ではスクール生同士の恋愛も描かれていますが、実際のスクールはどうなんでしょうか? 戸塚 それは、あるやろうねぇ。今は小学生でも恋愛せんとおかしいぐらい思っとるからね。漫画やらマスコミに煽られてね。まぁ、スクール内での恋愛はええことよ。どういう男がモテるのか、わかるわけやからね。うちに来る子たちは自分に妙な自信を持っておるわけよ。「オレはモテるんだ」と。ちょっと女性に優しくされただけで、勘違いする。ヒドいのは精神病院で看護婦に優しくされたことを「自分はモテる」と思い込んどる。入院中の患者からラブレターをもらったとか。叱るより褒めろという教育を受けとるから、すぐに自惚れる。でも、スクールで暮らせば、現実がわかるようになる。男が10人なら、女は1人くらいの割合やから、女にモテる男は1人だけ。そこで初めて現実を知るわけよ。 ――生き抜くための本能をヨットスクールで鍛えれば、当然ながら異性を愛する感情も芽生えてくるんですね。 戸塚 当然やね、それが本能やから。すべてトレーニングよ、トレーニング。 ――映画の中で、卒業生を見送る伊東四朗さんが一瞬だけ淋しそうな表情を浮かべますが、すぐにスクールのスタッフに「オレは感謝されようとは思っとらん」と毒づくシーンが印象的です。戸塚校長の心情を代弁してる?
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引退について問うと、「教育は
名人芸じゃダメ。基本となる精神
論を残しておけば、後は誰でも
できる。体罰のマニュアルだけ、
オレが作っといてやる」と返答。
戸塚 ハハハ、私らは『金八先生』やないぞということです。子供たちのためにやっておるんであって、自分たちのためにやっとるわけやない。卒業生たちが「ありがとうございます」と慕って集まってくるのを教師が期待しとったら、手がにぶるわ。「これ以上叩くと、後から恨まれるからやめとこう」となってしまう。スクールに「将来、教育関係の仕事に就きたいので手伝わせてください」と来るのが多いんよ。じゃあ、やってみなさいと2人くらい子供を任せてみると、甘やかす。「なんで甘やかす?」と聞くと、「ボクは子供たちの喜ぶ顔が見たいんです」と言う。いい加減にせえと。それはお前がうれしいから、やっとるだけやないか。子供の将来のことを考えてやれと。そのためには今、厳しくせないかんのやと。それをマスコミは『金八先生』みたいな無責任なドラマを持ち上げる。先生が生徒によく思われたいと考えるようになったら、も~先生はおしまいよ。子供たちが「先生!」と抱きつく光景みたら、吐き気がするわ。 ■都合の悪いことは報道しないマスコミの身勝手さ ――戸塚校長は最高裁で懲役6年の実刑判決を下され、静岡刑務所で収監生活を送ったわけですが、収監前と出所後でヨットスクールでの指導方法に違いはありますか? 戸塚 体罰をちゃんとしてやれなくなった。ちゃんとした体罰がないので、己を知らない思い上がりや怠け者はすぐふてくされてしまい、さぼるので効果が上がらなくなってきている。 ――現在のスクール生の人数は10人前後。全盛期は100人以上いたそうですが、多すぎたんでしょうか? 戸塚 いや、人数が多いのは問題ではなかった。今のやり方じゃ、採算が成り立たんもん。それなのにマスコミはアホやから、入学金(315万円)が高いとか口出しよる。特に朝日新聞やね。だから、朝日の記者が来たらいつもイジメてやるんよ。「お前、人権の定義を言ってみい」「民主主義の定義はできるか?」とね。「はぁ」「はぁ」と言うだけで答えられんよ。「わからんのやろ?」と言うと「いや、そんなことはない」と認めようとせん。男らしくない。そんな民主主義の定義もできんヤツが、「民主主義を守れ」とか言いよる。 ――今春劇場公開されたドキュメンタリー映画『平成ジレンマ』(東海テレビ制作)では、再開されたヨットスクールに集まる生徒たちの高齢化が進んでいることに触れていました。ニートや引きこもりの高齢化問題を校長はどのように考えていますか? 戸塚 う~ん、ニートの高齢化問題は一体誰が責任をとるの? 朝日新聞が、ニートをみんな雇ったらええんやない? ニートの数は64万人。この国にニートの面倒を看る力はもうないよ。小学校や幼稚園くらいの頃から、厳しく教育せんと効果はないんよ。でも、その小学校の教育もダメになっとる。小学生のときに、論理的能力、人間力、行動力の3つを身に付けさせれば、あとは自分でその能力を出せるようになり、それが社会性、人間性になる。それなのに、その人間性の中でいちばん大事な生命力、生きようとする力が無くなってきとる。それと進歩する力。この2つがないと一生ダメや。死んでもいいと考えとったら、何もできんよ。イジメられて自殺するような子は、みんなで「情けないヤツ」と罵ればいいんよ。 ――自殺する勇気があるなら、イジメに立ち向かえと? 戸塚 いや、勇気もないんよ。死ぬことへの抵抗がなくなっとるんよ。最近は自殺者が増えとるやろ? 精神病の薬を飲んどるヤツは、すぐ自殺する。年間3万人以上が自殺して、その中の7割が精神科から渡された薬を飲んどる。抗うつ剤を飲むと、躁になりかけたときに自殺することがある。精神科を神様みたいに崇めるのは間違い。2年前、(向精神薬を服用していた)うちの女生徒が合宿所の屋上から飛び降り自殺したとき、集まったマスコミに話したんや。「お前らは真犯人が誰か知っとるやろ? でも真犯人が誰かと言うと都合が悪いんやろ? スポンサーやから」と。「だから、オレを犯人にして、スポンサーに褒められたいんやろ?」とね。どっこも、そのことは記事にせんかったよ。 ――真犯人は製薬会社ということですか? 戸塚 うん、それと精神科やね。最近、よく精神科がマスコミに広告を出しよる。危ないと感じ始めとるんやろ。それなのに、マスコミは自分のところの利益が上がることしか考えん。日本はマスコミに潰されるよ。マスコミは精神科医と製薬会社をもっと正しく調べろ。 ――28年の歳月を経て、映画『スパルタの海』が劇場公開される意義をどう感じているのか最後に教えてください。 戸塚 いろんな団体から圧力を掛けられて、映画が上映中止に追い込まれたときに、どうにかしようとするのが民主主義やないの? それが映画を上映中止に追い込んだヤツらが民主主義を名乗っとる。言論の自由、表現の自由とマスコミはいつも言っとったんやないの? それなのに、自分たちがやったらいかんということを自分たちがやっとる。それが日本のマスコミよ。 ――朝日新聞にどのような映画評が載るか楽しみですね。 戸塚 映画評してくれればええけどなぁ。どんなふうに評されても構わんのよ。一方的に偏らなければね。この映画が公開されることで、教育論争が再燃することが望ましいのよ。考え直す、チャンスよ。体罰を禁じたここ数十年の教育は何だったんだと。今の教育の現状をどう打破すればええのか、『スパルタの海』がみんなで論争する起爆剤になればと思うよ。 (取材・文=長野辰次) 『スパルタの海』 原作/上之郷利昭 監督/西河克己 出演/伊東四朗、辻野幸一、平田昭彦、小山明子、横田ひとみ、山本みどり、牟田梯三、原ひさ子 配給/アルバトロス 10月29日(土)より全国順次ロードショー http://spartatraps.blogspot.com ●とつか・ひろし 1940年愛知県出身。名古屋大学工学部在学中にヨット部の主将として活躍し、75年には「太平洋単独横断レース」に優勝。76年に戸塚ヨットスクール開校。当初は将来のヨットマンを育てるためのジュニアスクールだったが、情緒障害児の不登校が治ったことをマスコミが取り上げ、全国から情緒障害児が一斉に集まるようになった。80~82年に訓練生2名が死亡、2名が行方不明となる"戸塚ヨットスクール事件"が起き、「体罰は教育」と主張する戸塚校長をマスコミは叩いた。83年6月に傷害致死の疑いで逮捕。2002年に最高裁から懲役6年の実刑判決が下される。06年に出所。私立の幼稚園、小学校を設立することをライフワークに掲げている。
戸塚ヨットスクールは、いま――現代若者漂流 いま。 amazon_associate_logo.jpg
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「継続を模索中」突然の閉店を決めた「自炊の森」店長を直撃取材!

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閉店を前に営業時間は12時からに前倒し。21時までに入店すれば深夜まで
作業可能のサービスも始めている。
 店内に陳列された書籍を「自炊」(スキャナーなどを使い、自分自身で電子化する行為)できるとして賛否の議論を生んだ「自炊の森」(東京都千代田区)が近く閉店する意向を明らかにし、再び注目を集めている。  秋葉原にある同店は、昨年12月末にプレオープン。「店内の書籍を店内で電子書籍化して持ち帰ることができる」として、12月末にコミックマーケット会場周辺でチラシを配布し、著作権者に対する利益還元やモラルの問題などで議論を巻き起こした。今年3月からは、著作権者への利益還元として「1冊1スキャンに対して定価の10%を支払う」と提案し、営業を行っていた。  突然の閉店告知に対して、今年9月に講談社・小学館・集英社ら出版社7社と作家・漫画家ら122人が自炊代行業者約100社に対して行った「自炊代行は複製権の侵害」とする旨の質問状との関連性も想像されたが、 「質問状に関連してマスコミから取材依頼はあったが、質問状は届いていない」(同店店長)  とのこと。著作権法では「『使用する者が』複製することができる」と定められているため、店員は代行せず、使い方を説明するだけの同店は対象外と判断されたようだ。  そんな中での閉店は、同店のオーナーの判断で店長にも寝耳に水の出来事だったという。 「閉店する意向を告げられたのは、10月3日のこと。本当にTwitterに、閉店の旨をツイートする直前のことでした」(店長)  閉店はオーナー側の意向であり、開店以来、店を切り盛りしてきた店長の無念さは計り知れない。 「開店以来、爆発的ではないにしても、収支はトントンといった具合でした。常連のお客様も増えてきたので、もうちょっと粘れば......と思っていたのですが、"悪名"が轟いたままやめてしまうのは残念です。常連のみなさんにあいさつもしたいので、できるかぎり営業は続けるつもりです」(店長)  店内に陳列された書籍を「自炊」できるシステムにしたために「悪名」が轟いてしまったが、店長は将来的には権利侵害の可能性が高い「自炊代行」に変わって、店頭で客が自分で自分の持ち込んだ雑誌や書籍をスキャンする、本来の「自炊」が主流になっていくのではないかと考えているという。そのため今後は店内に書籍を陳列しなくても経営は成り立つと考えているようだ。 「このまま閉店してしまっては無責任なので、なんらかの形で継続を模索しています」(店長)  ブームともいわれる「自炊」だが、個人で設備を整えることは困難だ。高速なスキャナーや、分厚い雑誌や書籍を一度にバラせる業務用の裁断機を自由に使うことができるビジネスに需要があるのは間違いない。  そこで店長は、早くも公式サイトで「事業ノウハウ、資産の買取などを希望される投資家、企業の方」を募っている。 「今のところ"設備を買い取りたい"という方が多いですね。正直、店の一角や空き倉庫でも営業はできます。また、現在の店舗は少し広すぎるので、家賃の部分はもっと圧縮できると思います」(店長)  すでに設備はそろっているので、場所さえあれば、いつでも新たな形で営業を再開することは可能なようだ。  「自炊」は、まだ普及は始まったばかりの黎明期に過ぎない。閉店が決まったからといって、このビジネスモデルが否定されたわけではない。今後、なんらかの形で再生するのか? 動向に注目したい。 (取材・文=昼間たかし)
「自炊」のすすめ 電子書籍「自炊」完全マニュアル モラルも忘れずに。 amazon_associate_logo.jpg
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