寒風吹きすさぶ25日夕方、ホットパンツ&タンクトップのどえらい美女がサイゾー編集部にやってきた! 誰かと思えば、超人気AV女優の羽田あいちゃんではないか。いったいなぜ、こんな場末の出版社に......。 「今日は『スカパー!アダルト放送大賞2012』のPRキャラバンで回ってるんです! サイゾーの編集部さんにお邪魔してもいいですか?」

わーい!

こちらがサイゾー編集部。あいちゃんも興味津々......?

そのまま撮影タイムに突入!

ダブルピース!

セクシー&キュートですなぁ......。
寒風吹きすさぶ25日夕方、ホットパンツ&タンクトップのどえらい美女がサイゾー編集部にやってきた! 誰かと思えば、超人気AV女優の羽田あいちゃんではないか。いったいなぜ、こんな場末の出版社に......。 「今日は『スカパー!アダルト放送大賞2012』のPRキャラバンで回ってるんです! サイゾーの編集部さんにお邪魔してもいいですか?」






8月27日から配信を開始した、シミュレーションRPG『ラグナロク~光と闇の皇女~』の応援番組『全力応援!ラジヒカ』が25日の配信でついに最終回を迎える。
本家のオンラインゲーム『ラグナロクオンライン』は熱い対戦ゲームとして知られているが、そちらとは異なる世界観でコンソール用のシミュレーションRPGに生まれ変わったPSPタイトルが『ラグナロク~光と闇の皇女~』、通称ラグヒカ。
業界初、無料でエンディングまで行ける体験版『The First Ending版』の配信で話題となったが、実はWebラジオで応援番組の配信にも乗り出していた。しかも、出演するMCはゲームのキャストではない。オリジナルキャストが素の声優としてトークを繰り広げつつ、物語の舞台となるグランツリッター半島に暮らす少女たちに扮し、『ラグナロク~光と闇の皇女~』のあれこれを生アフレコ風ドラマで紹介していくもの。応援番組でありながら独自のコンテンツとしても楽しめるという、この一風変わった取り組みに挑んだ4人のキャストが、最終回記念ということでインタビューに応じてくれた。
──本日は『ラジヒカ』及び全14回の連続ラジオドラマ『おいでませラグヒカ』がまもなく最終回ということで、キャストのみなさんにお出でいただきました! 早速ですが、ここまでやってみての率直な感想はいかがですか?

仁後真耶子
(『THE IDOLM@STER』高槻やよい役)
仁後真耶子(まやちゃん) 出演していない作品だったので、世界観など知らないことが多くて最初は少し戸惑いましたが、ラジオや生ドラマを収録しながら作品のことを知っていって、体験したことをそのまま話せるのは、逆によかったんじゃないかと思いました。初めてのことだったので、すごく新鮮でしたっ。
福原香織(かおりん) 私はパーソナリティーのみんなと初対面だったので、どんなラジオになるのかドキドキだったんですけど、とっても楽しい雰囲気で収録しています。もう終わっちゃうと思うと寂しいです。
高森奈津美(なっつん) ゲームのサポーターとしてラジオをやらせていただくのは初めてだったのですが、4人でワイワイといつも楽しく収録することができました。
片岡あづさ(あづちゃん) ゲームに出演していない上に、普段あまりゲームをやらないので......(笑)。正直かなりドキドキしていたのですが、『ラグナロク』はすごく面白いゲームだったので、心から応援することができました!! 生アフレコ風は、本当に最初から最後まで通して録音してるんですよ~。
──ラジオドラマについてですが、設定が少ない中で、みなさんキャラクターをどうやって膨らませたんですか?
福原 設定が少ないからこそ、自由にやらせていただいちゃいました。最初は探りながらでしたが(笑)。
高森 そうですねー。実際にドラマを収録しながら、どんどん新しい個性を発見できていったと思います。
仁後 設定は少ないんですけど、4人の関係がはっきり分かる台本だったので、自然とローズマリー(仁後の担当キャラ)はこうだろう! となっていった気がします。
片岡 脚本家さんがラジオを細かく聴いてくださっていたみたいで、だんだん本人たちに寄ってきた部分もあるので、回を重ねるごとに成長していった感じです。あと、わたしはセリフを言うのが一番最後だったので、3人は元気な感じだし、落ち着く場所があってもいいかなと思い、おっとりにしました。
──素のMCとしてはいかがですか? 回を重ねて、お互いの印象はどのように変わってきましたか?

福原香織
(『らき☆すた』柊つかさ役)
片岡 まやちゃんは、初めもいまもかわいくて優しい、"THEお姉ちゃん"。かおりんは、初めはクールな印象があったのですが、お茶目でキュートな親しみやすい印象に変わりましたね。なっつんは唯一、前から知り合いではあったのですが......普段よりキリッとしていたかも?
高森 本当に4人とも個性がバラバラで。このラジオを通してわたしのツッコミのスキルはかなり上がったのではないかと思います(笑)。ドラマはぜひドラマCDにしていただきたいです!
──商魂たくましいですね(笑)。お話をうかがっているとユニットっぽい雰囲気も出てきているみたいですが。
福原 はい。それぞれきちんと役割分担のようなものがあって、意外にも絶妙なバランスだと思います。3人ともとても優しくてかわいい方たちです。
仁後 たしかに。それぞれが、それぞれらしい感じになってきたので、「収録してます!」というより、「お茶飲みながらおしゃべりしてます♪ 」という感じになったんじゃないかなぁと思いました。
──そういえば第1回でみなさん、ご自身が担当されているキャラクターのイラストをお描きになっていましたが、いちばん絵がうまいのはどなたなんですか?
高森 まやちゃんの絵がとても個性的でかわいらしくて、すごく好きです! 誰がうまいかというと......判断しにくい気がします(笑)。
仁後 絵の経験はありません。いちばんすごいのは、なっつん!!
片岡 小学校のころ、イラストクラブでした。それぐらいです(笑)。だから、わたしの絵のテイストはなんとなく古い気が......。上手なのは、ダントツなっつんでしょう!!
福原 そうですね。私はちゃんとマンガの勉強をしたわけではないのですが、絵を描くことは好きなので、家でたまに描いたりします。一応、ペンタブとかは持っています。
──せっかく特技のお話が出たのでちょっとお聞きしたいんですが、絵を描くこと以外の特技をゲーム中のスキル風に言うと何になりますか。

高森奈津美
(『放課後のプレアデス』すばる役)
仁後 "ニッティング"とか。編み物が得意なので。
福原 特技は、字を習っていたので硬筆初段のスキルがあります。あとはアロマテラピー検定2級を持っているので、みんなのHPを回復するスキルですかね。
高森 わたしのスキルは「ロンリーバッター」です! バッティングセンターに行くことが得意(?)です。
──それ得意技って言うんでしょうか(笑)。片岡さんは?
片岡 うーん、マッシュルームアイ。街中に生えてるきのこを見つけるのが得意です。
──みなさんゲームはお得意ですか?
仁後 苦手です。『ラグヒカ』のようなゲームも、あまりやったことがないのですが、少しずつ慣れてきたので、ちゃんと全部クリアできるんじゃないかと思ってます。
福原 ゲームは好きなのですが、RPGはほとんど経験がないので、『ラグヒカ』のプレイには苦戦しました。でも、ゲーム中に分かりやすい説明も出てくるし、パーソナリティーのみんなにいろいろ教えてもらったりして頑張っています!
高森 ゲームは大好きです! 1周目でプレイに慣れ、2周目で本格的に頑張り始めます。

片岡あづさ
(『侵略!?イカ娘』斉藤渚役)
片岡 だいたいラスボスまでいけません(笑)。でも、ラグヒカはトレーネ編クリアしました! 大進歩! RPGは勝敗がはっきりしているのでスカッとしますね!!
──個々に差はあれど『ラグヒカ』に慣れてきたところで、もうラジオはクライマックスなわけですが......。
仁後 14回ってあっという間ですね(笑)。少し寂しいですが。
──最終回に向けて、一言お願いできますか。
仁後 はい。『ラジヒカ』を聴いてくださってるみなさん、どうもありがとうございます! 最後まで楽しい番組にしたいと思っていますので、ぜひぜひ聞いてくださいっ。あと、『ラグナロク~光と闇の皇女~』はいろいろなストーリーがあってたくさんたくさん遊べるゲームなので、ぜひぜひプレイしてくださいね♪ そのときにはぜひ、ローズマリーたちも......です。ではでは『ラジヒカ』最後までどうぞよろしくお願いします! ありがとうございました!!
福原 最後まで応援してくださってありがとうございました! ラジオ、セカンドシーズンとかやりたいです。もしまた機会があったら、よろしくお願いします。『ラグヒカ』、これからも応援してくださいね!
高森 あっという間に最終回です。あっという間だったと思えるのは、このラジオに関わってくださったみなさんがほんとうに素敵な人たちばかりだったからです。最終回も4人ではじけて楽しい放送をお届けできたらいいなと思います。ラジヒカ最高ー!!! ありがとうございました!!
片岡 最終回もビックリするくらい、いつも通りです(笑)。みなさまもぜひ、くつろぎながら聴いてください。ラストまで全力応援よろしくお願いします!! ......あれ? なんか矛盾してますね? とにかくお楽しみに♪
11月20日、東京・シネマサンシャイン池袋にてアニメ『スクライド オルタレイション TAO』のイベント上映が行われ、声優の保志総一朗と緑川光が登壇した。演者としての作品へのシリアスな言及から、笑いを催す軽妙なやり取りの数々までを披露。『スクライド』に対する思いを存分に語った。 『スクライド』は10年前の2001年7月から放映された全26話のテレビアニメーション。『コードギアス 反逆のルルーシュ』の鬼才・谷口悟朗が監督した"熱い男の燃えるアニメ"として口コミでその勇猛さ、特異さが語られ、いまや伝説的な作品と化している。 そして今年、10周年記念作品として『スクライド オルタレイション』が制作された。これはテレビシリーズ全話をベースに新作パートを追加して再構成したもの。オリジナルキャストによる全編新規アフレコ(!)を行い、さらにHDデジタルリマスター化を施した全2部作のスペシャルエディションとなっている。11月19日から前編『TAO』が上映中で、2012年3月10日からは後編『QUAN』の公開が予定されている。
脚本に『機動戦士ガンダムOO』の黒田洋介、キャラクターデザインに『機動戦士ガンダムSEED』の平井久司が参加するなどメインスタッフも豪華だが、とにかく熱い物語だけに、キャストの演技がクローズアップされた作品でもあった。そして、その中心にいたカズマ役の保志、劉鳳役の緑川がそろって現れるという話を聞きつけて、女性ファンのみならず、生ける伝説を目撃しようという男性ファンまでもが詰めかけ、会場は異様な熱気に包まれた。
全編新規アフレコということで、10年前との違いは歴然としている。熱いふたりを演じた保志と緑川は今回の収録にどのように立ち向かったのかが、トークの焦点となった。
開演前から会場の雰囲気が温まっていたこともあり、開口一番、カズマの声をつくって始めようとした保志に対し、場内からはさっそく笑いが漏れる。思わず緑川が「大丈夫だから。普通にね」とツッコむと、保志は普段の声に戻って「(高い声は)きついですね」とひとこと。
「監督からは、『あのころのスクライドは尊重するが、同じことをやっても仕方がない。それを超えるものをつくりたい』と漠然とした指示をいただきました」笑いを誘った保志は、現在の声でどう挑んだのか。
「前作の若さには勝てないので。熱さと勢いも前作......いやでもね、熱さだけは、気持ちだけは負けないように。熟成したこのカズマの声で、いまだからできるカズマを意識して、叫びました」
一方の緑川は10年ぶりの劉鳳役に対して「まあ正直、怖かったですね」と、重々しく語り始めた。
「10年前でさえ、劉鳳の叫びはちょっと無理をすると、すぐに喉をやってしまう感じだった。ウソ偽りなく叫ぶ作品だったので、叫ぶのがメインのキャラクターはこれで仕事納め、くらいの気持ちで頑張ってやったんですよ。それだけの価値があると思っていたし、自分の中できれいに完結していたのに、(アフレコをやり直すと言われて)『えっ!? うっそーん! 僕、もうそういう気持ちになれないんですけど......』と、そこから始まった」
一度完全燃焼したものを超えられるのか、喉が持つのかと、他の役柄にはない怖ろしさが脳裏をよぎったようだ。
「絶対に当時よりも喉の疲れは早く訪れるだろうし、何より保志くんに迷惑をかけたくなかったので、ペース配分にすごく気をつけてやりました」
トークが進んだところで、緑川がちょっとしたイタズラ。名ゼリフの数々に話が及んだとき、「『カズマくん、私の同志にならないか』というセリフがあったよね」と保志に語りかけたのだ。きょとんとした顔の保志が必死に思い出し、「あー、なんかあった!」と言った途端に「ないよ!」とダウトの判定。
ガガーンとショックの面持ちの保志に「いままでそうやって生きてきたでしょ。適当にノッかって(笑)」と追い打ちをかける。ふたりのコンビが良好であるからこそのやり取りだが、これで会場の雰囲気はさらにほぐれた。その場で再現する名ゼリフのリクエストを募ると男性ファンから「ビッグマグナム(立浪ジョージ)!」と威勢のいい声が上がる。これに緑川は快く応えて「暴れっぱなしなんだよぉ!(※若干イントネーションに差異はあるかもしれない)」とノリノリで演じ、ボルテージは最高潮に達した。
最後に保志は「次回(QUAN)の収録を考えたくないほど消耗した」と言いつつも、いまだからできる叫びをお届けしたいと、後編への意気込みを語った。対して緑川は甘い声をつくって「僕は保志さんよりもだいぶ歳をとっているので......」とおどけつつ、ペース配分を守っていい演技をお届けしたいとこちらは安全宣言。
新規カットも予想され、声優陣にどのような負担が求められるかは未知数だが、今秋と来春の上映が、伝説の暴れん坊アニメを良質の新録で楽しめるまたとない機会であることは確かなようだ。
(取材・文=後藤勝)

厳しい批評で知られる友里氏が認めるフグ
料理の店「福治」(同店HPより)。ミシュ
ラン調査員がこの味を理解できているかは
疑問だという。
どんな超人気店でも味がマズければ容赦なくぶった斬る辛口レストラン評論家の友里征耶(ともさと・ゆうや)氏。それゆえ、ボロカスにけなされた店が自宅に抗議に来たり、身内が脅迫行為を受けたりと、危険な体験談には事欠かない。
一方、店側とフードライターが「お車代」や「謝礼」でズブズブな関係が常態化している業界内で、「自腹」と「覆面」を鉄則に店を食べ歩き、自らの舌で確かめた味とサービスを、一般向けに論理的に書き記す姿勢を評価する声も多い。先ごろ出版した著書『グルメの真実~辛口料理評論家のマル秘取材ノート~』(宝島社新書)では、こうした「飲食業界ムラ」に潜むさまざまな問題を鋭く指摘。最も権威あるレストランガイドのひとつとして知られる「ミシュランガイド東京」の致命的な欠陥も容赦なく暴いている。その友里氏に、昨今の飲食業界の実態をあらためて語ってもらった。(聞き手/浮島さとし)
――日本版ミシュランも定着してきた感がありますが、星の評価には賛否両論あるようです。「日本料理をガイジンが理解できるのか」との声もあります。
友里征耶氏(以下、友里) いや、日本版の調査員は全員日本人ですよ。ホテルのサービスマンなどがスカウトされるパターンが多いようです。ただ、料理を評価するには、調査以外でも普段から高い料理を食べ慣れていることが必要になるわけですが、現実問題として日本のサービスマンは休みも少ないし給料も決して高いとは言えない。たまの休日に、限られた予算と時間で高い料理を食べるとなると、どうしてもフレンチやイタリアンを優先しがちです。日本食は選択肢として最後なんですね。つまり、日本人の調査員といっても、高額日本料理なんて食べたことがない人たちがほとんどなんですよ。
――そういう人たちがいきなり調査員として食べて評価できるものでしょうか?
友里 できませんよね(笑)、普段食べてないんだから。ちょっと味が濃くてインパクトがあると「あ、おいしい!」と思ってしまったり、高級な器や店内の雰囲気にのまれてポイントが増えたり。そもそも、マツタケやフグのおいしさなんて、旬に毎年食べ続けていないと分かるはずありませんから。
――一般に魚介類は「天然物」か「養殖」かで味が決まると言われますが。
友里 たしかに養殖物の脂臭い白身や赤身、香りを感じない鮎などは、天然物に軍配が上がります。ただ、何でも天然がいいという話でもない。例えば鰻。東麻布の有名鰻店「N」(注:著書では実名)は、著名評論家のY氏(同)が「天然鰻が素晴らしい!」と絶賛しているようですが、天然物というのはピンキリでして、すべてが同じクオリティーを保ってるわけではありませんからね。特に「N」が天然といっている鰻は小ぶりなものが多く、少なくとも養殖物を凌駕するほどのおいしさは、私には感じられませんね。そこらへんも含めて、調査員が理解できているかという問題です。
――素材のおいしさが特に求められる日本料理ですが、友里さんは著書『グルメの真実』の中で、「素材重視も度を越えるとただの手抜き」と書かれています。
友里 もちろん、質が良いのに越したことはありません。ただ、食材の質で己の腕の未熟さをカバーしている料理人が多いことも事実です。銀座の高額寿司店の「S」は、己の修業歴の少なさを高額なネタの仕入れでカバーしてきた典型的なお店。それで一人4万円近くとります。それと、「素材重視」「素材偏重」の傾向は、フレンチやイタリアンにも深く浸透しつつあるんです。
――「素材偏重」はフレンチやイタリアンにどのような形で表れていますか?
友里 例えば、山形にある国内有数の有名イタリアンの「A」などは、何を勘違いしたのか、さほど高品質とも思えない食材を、塩と胡椒とオイルで仕上げるだけ。有名になり過ぎて誰も文句言えないようですが、私に言わせれば、あれは「家庭料理」ですね。素材の質を追求するのは大いに賛成ですが、そこには高度な調理技術が裏打ちされている必要があることは言うまでもありません。
――最近、若いシェフの小規模なフレンチ店やビストロが増えたように思えます。
友里 そうですね。カウンターを併設したキャパ20人以下くらいの小ぢんまりした店が注目を集めていると思います。ただ、そこにも落とし穴があります。フレンチでは本来、ソースやスープのベースとなる「ブイヨン」や「フォン」が店の味となるのですが、これは大きな寸胴鍋で長時間煮込む必要があるため、手間と時間とスペースがいる。そうなると、少人数の小さな店だと「そんなことしてられない」となるわけです。
――そういう店ではどうしているのですか?
友里 買うんです。もしくはそんなストック類を必要とする料理を出さない。今は業務用のブイヨンやフォンが普及していますし、それどころか、そこから作るスープや各種ソースの完成品もバリエーション豊富に販売されています。特に最近は、軽い味付けが流行りですから、フレンチでもソースの代わりにオリーブオイルや業務用の柑橘系ピュレをかけただけの、単純な料理が増えているんです。
――つまり、技術がなくても料理を出せるということですか?
友里 そういうことです。思いっきり手を抜いた料理を「素材を重視したヘルシーな調理法」と言えば、お客さんはそうかなと思うわけですね。腕の差が一番出るソースが作れなくてもいいわけですから、修業歴の浅い若いシェフの店が増殖し続けるのも当然です。化学調味料や添加物を多用していると、味のトーンはどの店もどの皿も同じ。もちろん、数千円の店ならそれもひとつの方法でしょうが、1万、2万の価値があるかという話です。
――一方で、店の味を報じるメディアに対しても、友里さんは日頃から問題提起をされています。
友里 多少なりともジャーナリズム精神を持ったフードライターや、一般読者に客観評価を示すべき立場の評論家ならば、評価対象となる店から便宜供与を受けるのは御法度であるべきです。つまり、自腹で食えと。これほど「お車代」や「タダ飯」が横行している業界も少ないでしょう。
――そんなに横行しているのですか。
友里 日本を代表する料理評論家の「Y」さん(著書では実名)ですら、幻冬舎の社長から「タダ飯」を暴露される騒ぎがありましたよね。彼はそれに対して領収書の開示と法的措置を取ると激怒しましたが、いまだに開示も提訴もしていません。なぜなんでしょう。あるいは、京料理の紹介で有名な女性ライターの「S」(同)さんは、本の出版にあたって自身のブログで「今回は甘えさせていただけるところには深く感謝してご提供していただくことにしました」などと、堂々と公言しているんだから驚きです。もはや、おかしいという意識すらないのでしょう。お金がないなら通える範囲に限定した本を書けばいい話です。
――料理ではなくてシェフに惚れ込む女性ライターもいると著書に書かれています。
友里 さすがにこれは名前を伏せますが、イケメンのシェフに接近して一線を越えてしまった女性ライターを何人か知っています。実際、そういう人たちは、感情移入の激しい歯の浮くような料理賛歌を書きまくっていますからね。最近、原発事故を契機に、政府や東電、御用学者らをひっくるめて「原子力ムラ」なんて表現していますけど、料理業界も言葉を置き換えれば全く同じ構造なんです。つまり、飲食店や料理人〔=東電〕と評論家やフードライター〔=御用学者〕、そしてディベロッパーや内装業者〔=原発メーカー〕。私が自分の本で店や料理人をいつも実名で書くのは、こうした「飲食業ムラ」の住人の暴走をこれ以上放置できないという気持ちからなんです。まずはこういう実態があるということを、一般の読者の方にはもっと知ってもらいたいと思っています。
●"相模の金狼"
山田史博
VS
"焼津の暴力マリア"
宮永一輝
アウトサイダーファン、大注目の一戦がこれ。規定体重を守れずに欠場を繰り返す山田に対し、宮永がブログで苦言を呈したことから軋轢が生じ、そして実現した因縁の対決だ。が、試合を組まれたはいいが、果たして山田は体重を守るのかどうか、そして会場に来るのかどうか、宮永のみならず観客までもがヤキモキさせられた。
試合1週間前のインタビューでは、「減量はバッチリ」と答え、記者を一安心させた山田。しかし試合当日、舞台裏では、とんでもない出来事が起きていたようだ。
以下は、宮永への戦前インタビュー。
──今日は大注目の一戦になりましたね。
「今回、向こうが体重をオーバーして来たから、急きょ無差別級で組まれることになったんですけど、まあとりあえず、体重とか関係なく、負けられないんで」
──えっ!? 山田選手は結局、体重オーバーだったんですか?
「75キロ契約なのに、82キロで来ました」
──7キロオーバー! それでも試合を受けるんですか?
「キツいっちゃキツいけど、もともとオーバーして来ることは想定していたし、相手が何キロであろうが俺はやるつもりでいたから。ただ、計量のとき、山田君が体重計にちっとも乗ろうとしないで、『あとであとで』言い続けて、ドクターがいなくなった隙に、自分で『75キロ』って書こうとしたのにはあきれました(苦笑)。そんな不正を働いてまでやりてえのか、と」
──そんなことがあったんですか......。
「で、そのあと、向こうが謝りに来ました。謝られたからといって、そのままの体重で受け入れちゃうと向こうの思うツボなので、『時間いっぱい落とせるだけ落として』とこっちからも注文をつけました。で、75キロには全然達しなかったけど、何キロか落としてくれたみたいないので、受けることにしました」
──そもそも、ふたりの因縁はどこから生まれたのでしょう?
「5大会連続でバックレてて、前回の対ロシア戦もバックレたくせに、山田君のブログを見たら『俺ならロシア人に余裕で勝てる』とか書いてあったんで、出てもないようなヤツがそんなこと言うなよ! と頭に来て、『それは違うだろ』って俺のブログに書いたら、話がどんどん大きくなっていった。俺は、山田君が嫌いなわけじゃなく、人として筋が通ってないことが嫌いなんですよ」
試合前の場内アナウンスでもそうした経緯が説明され、最終的には山田の4キロオーバーで試合が行われることに。
まずは、宮永が入場。観客の大多数は当然のごとく宮永贔屓になり、温かい拍手と歓声が起きる。
続いて、四面楚歌の状況下、山田が入場。悄然としているかと思いきや、さにあらず。威風堂々と花道を進み、カラスマスクを颯爽と披露するパフォーマンスも。突貫で減量したせいもあろうが、山田の目つきは飢えた狼のように鋭く、それが「反省の色ナシ」と映ったか、花道の脇にいた宮永の応援団から怒声が飛ぶ。
しかし結局、体重の優位性を生かせず、山田は敗北。試合途中、足にダメージを負い、立ち上がれずにドクターストップ。宮永がTKO勝ちを収めた。
試合後の宮永に話を聞く。
──相手が重くてやりづらかったのでは?
「ぶっちゃけ重かったですけど、無差別級で組んでもらって、これで倒せたらおいしいなと思ってたんで、勝ててよかったです。でも試合内容には、全然納得いかないですね。絶対にKOか一本で勝ちたかったんだけど、終わり方が......(笑)。山田君も、もともと足をケガしてたみたいだし、体重も頑張って落としてくれたのは買うけど......痛くてももうちょっと頑張れよ、とも思うし。やっぱああいう終わり方は俺も気持ち良くない。倒し切れなかった部分は心残りですね」
──試合後に山田選手と会話は?
「さっき話しました。向こうから『ありがとうございました』とあいさつに来ました。俺からは『試合出てない人間がロシア人に勝てるとか言うのはおかしいよ、みんなに失礼だし、そのへんは勘違いしないでね』と伝えました。そしたら素直に『すいませんでした』と謝ってくれました」
──遺恨は解消?
「ああいう終わり方だったんで、できればふたりともケガのない完璧な状態のときに、それこそ80キロなら80キロでもいいから、始めからオーバーしないような体重で組んでもらって、もういっぺんやってみたい気持ちはありますね」
山田の契約違反や不正行為は、言語道断だ。しかし、非難囂々を承知の上で堂々と入場してくる胆力はたいしたものだし、ナチュラルヒールとしての魅力も捨てがたいものがある。
アウトサイダーのテーマは、不良の更生。宮永も再戦を望んでいるので、山田の再起に期待したい。
●"寝ても立ってもフルボッコ 取手の拳帝"
幕大輔
「もう文句ないでしょ! もう誰にも文句を言わせないよ!」と叫びながら控え室に引き上げてきたのは、60-65キロ級のタイトルマッチに完勝した王者の幕だ。厳しいトーナメントを勝ち上がってきた沖縄の強豪・安谷屋智弘を破っての初防衛とあって、「もう強いヤツから逃げてるだのなんだの言わせない」というわけだ。
試合後の勝利者マイクでは、家庭の事情により格闘技から身を引くことを示唆した幕だが、「言い残したことがある」とのことなので、控え室で続きを語ってもらった。
「勝った直後、リング下にいる娘と嫁と目が合ったもんだから、先日娘が入院したことを思い出して、嫁ばかりに負担をかけるんじゃなく、やっぱ俺も家にいなきゃダメだな、格闘技は家庭を犠牲にしてまで続けることじゃねえなと思って、ああいうこと(引退の可能性)を口走りましたけど、実はもうひとつ、考えがありまして......」
──それは何でしょう?
「今度(11月23日)、武井勇輝君がZSTで試合するじゃないですか。そこでもし、武井君が仮面ライダー(清水俊裕選手)にリベンジできたら、武井君と、このベルトを賭けて戦いたいな、って考えてます」
──その理由を。
「武井君も本当はアウトサイダーのトーナメントに出る予定だったし、もし彼が出ていたら、今日の相手は彼だったと思う。彼はプライドが高いから、同情するなって思うかもしれないけど、もし仮面ライダーに勝てたなら、そのときはこのベルト賭けてやってやりたいかな、と。また燃えるような戦いをしたいので、頑張って勝ってくれ、と武井君には伝えたいです」
嫁泣かせの日々が、もうしばらく続くかもしれない。
●"リアルアマプロレスラー"
ザ・シバター・テイカー
毎回、プロレス的なパフォーマンスで会場を沸かせるシバター。今回の対戦相手は、プロレスの間合いを一切無視して突進して来る、巨体のブルファイター。ゆえに、モンゴリアンチョップをやろうとして大きく振りかぶった隙に強烈なカウンターを食らったり、という笑えるピンチも続出したシバターだが、最後は電光石火の腕十字で勝利。ガチな強者を相手にしても、遊びをネジ込み、試合をどうにかまとめ上げてしまう懐の広さを見せつけた。
試合後のシバターにインタビュー。
──お話をおうかがいしてよろしいですか?
「ああ、なんでも聞いてくれ」
──まず、白目を剥くパフォーマンスについて。あれが上手くできているかどうかは、黒目が完全に消えているため、自分で確認することは難しいと思うのですが、一体どのように練習したのでしょう?
「くだらないことを聞くんじゃないッ!」
──では、試合内容についてお聞きしますが、今日の相手は相当デカかったですね。
「プロレスでは無差別級は珍しくない。だから、まったくもって問題なかったな」
──客席からは「シバターを殺せ」という野次が飛び、試合ではまともに打撃を食らう場面もありました。勝つには勝ったが、今回は精神的にも肉体的にもダメージが残ったのでは?
「ハッハッハッハッ! すべて、俺の力になっている。ブーイングも、相手の打撃も、全部受けて、それ以上のパワーで返す。それがプロレスだ!」
──第1回目のテーマが「面白さ」。第2回目のテーマが「強さ」。第3回目となる今回のテーマは何だったのでしょう?
「面白さと強さの融合だ!」
──見事に体現したと言えそうですね。
「そう思ってくれればうれしいな」
──でも残念ながら、今回のリングネームや、白目を剥くパフォーマンスの元ネタ(WWEのジ・アンダーテイカー)を、大半のお客さんは知らなかったようですね。
「......そうだな。アメプロは意外とみんな知らないようだな」
──白目は単純に面白いからウケてましたが、その他の演出では、ポカーンとしているお客さんが多かったです。
「うむ。次回はもうちょっと、メジャーなネタを用意する必要がありそうだな」
──ところで、アウトサイダーに出るようになってから、街角で女性や子どもからサインや握手を求められたりは?
「そういうのは、まったくないな」
──寂しいですね。
「たぶん、みんな、俺のことが怖いんだろうな」
そう言ってシバターは白目を剥いた。
●"横浜義道会初代総長 濱の狂犬"
黒石高大
大会直前に、対戦予定だった相手がケガでドタキャン。そのことに対し、ブログ上でブチギレた黒石。地元開催の大会だけに、試合に賭ける思いが、それだけ大きかったのだろう。
幸いにして大会3日前に代わりの対戦相手が見つかり、一度は切れかけたテンションを取り戻すことができたようだ。試合前のバックステージをのぞきに行くと、鬼気迫る表情でミット打ちする黒石の姿が。かつては開始2秒でKO負けし、「濱のチワワ」と揶揄されたこともある男だが、いまやその当時の面影はない。胸板が厚くなり、顔つきも精悍さが増した。そして何より、打撃の威力が増した。
「今日はミドルがキレキレだから、それでアバラを折っちゃえ!」とセコンドから太鼓判を押された黒石。「ハイッ!」と答え、いざリングへ。
そして開始早々、そのミドルでダウンを奪い、最後は三角締めで一本勝ち。
試合後の黒石に話を聞く。
──最初のミドルキックで決まったかと思いました。
「あのミドル、効いたとは思うけど、ちょっと引きが甘かったかな。打撃を教えてくれた先生には本当に申し訳ないけど、1ラウンドで疲れちゃいまして、三角にいっちゃいました」
──それにしても、強くなりましたね。
「いやいやいやいや、恥ずかしい試合をできないから、俺は弱いから、才能ないから、練習を人の倍やるしかないんですよ。それに、今日は勝って当たり前。相手の選手は3日前になってオファーが来て、俺は1カ月前から毎日練習してきたんで。いやぁ、だけど、オーバーワークだな。疲れちゃいました。今日は体が重かったですね」
──最近は俳優業も忙しそうですが、格闘技は顔に傷がつくので、反対されませんか?
「大丈夫です。現場の人も分かってくれているので。傷も味だから、ってことで、どうにか(笑)」
──今後の抱負を。
「またやるんで! これまで負けた分を、これから一個ずつ取り返すんで、応援よろしくお願いします!」
技術的にも精神的にも成長著しい黒石。いったいどこまで伸びるのか、今後も目が離せない存在である。
なお、次回のアウトサイダーは、来年2月12日(日)、東京のディファ有明で開催される。
(取材・文=岡林敬太/撮影=オカザキタカオ)
ジ・アウトサイダー 2011 vol.1 完全版 技術より闘志!

食べログより
このところ、何かと話題になっている人気クチコミグルメサイト「食べログ」。当サイトでも以前、店舗側による不正指弾ツイートについて報じたが(※記事参照)、またしても飲食店から悲鳴の声が上がっている。
今回「食べログ」に反旗をひるがえしたのは、有楽町にあるトルコ料理店。ことの発端は、同店に再三かかってくる「食べログ」の営業マンからの、「有料店舗会員にならないか」というセールス電話だった。
「実際に私共も、お宅のお店さんに伺って口コミを書かせてもらいますから、結果、ポイントも上がり、順位を上げることも可能ですよ」「よい口コミを、ページの目立つところに配置し、悪い口コミを目立たない場所へと置き換えることもできます」などと、"公平な口コミサイト"というウリとはほど遠い"やらせレビュー"や、不正行為を助長する誘い文句をチラつかせていたという。
何度断っても電話がかかってくるため、「食べログ」内の同店PR画面に、「食べログさんからは有料プランへのお誘いを再三頂き、好きな口コミが選べる、食べログ社員さんの来店と口コミで点数アップさせます、という魅力的なお話ですが、やはり当店は実力で頑張ります。無料プランで、ごめんなさい」とアップしたところ、それがネット上で話題になり、それを見た「食べログ」を運営するカカクコム社からの抗議電話があったという。
カカクコム側の言い分としては、「当社の人間にそのような誘い文句を言う者はいない」「口コミを操作したり、点数を上げてやるといった誘いで有料店舗会員を募るようなセールスの仕方をしないように、常に代理店には指導している」「自分たちこそ被害者だ」というものだった。
カカクコムの主張を額面通りに受け取れば、「食べログ」の営業マンを騙る者が、掲載されている店に"勝手に"営業電話をかけて詐欺行為を働いているということになるが、「食べログ」はこうした"被害"にどう対処していくのだろうか。この件について、カカクコム社に問い合わせたところ、以下のような回答があった。
「代理店から短いスパンで繰り返し営業の電話をかけるような指導はもちろん行っておりません。また、弊社代理店が飲食店様に営業を行う際には、必ず代理店名をお伝えするようにしております。さらに、代理店に対しては営業活動に関して、(1)ユーザー、レビュアーに誤解を与える可能性の大きいサービス提供、(2)その他、飲食店様へご迷惑のかかる営業活動、(3)弊社商標を目的外で利用し、顧客接触する行為、(4)弊社商標を利用し、内容の断りなくホームページや広告で発信を行う行為、などを禁止行為として設定しています」(カカクコム広報室)
また、このトルコ料理店へ電話をかけた代理店の行為はカカクコム社の"業務妨害"ということになる。この代理店に対し、法的な手段を取る可能性はあるかという問いに対しては、
「これまでも不正業者に対しては厳正に対処してきており、今回もそのような事実が確認できました際には、同様に対処してまいります。また、弊社代理店を装う業者が存在することに関して、弊社として、サイト上に正規代理店一覧を掲載、注意喚起するとともに、会員店舗様には別途メルマガ等での注意喚起も行っております」
との返答だった。しかし、不正業者に対して具体的にどのような対処をしているのか、さらにこのトルコ料理店に対し、相手の電話番号や通話記録の録音提出を求めたのかどうかについては、「回答については控えさせていただきたい」とのことだった。
実際、飲食店にとって「食べログ」の影響力は大きく、代理店偽装トラブルは後を絶たないという。ネット上にはそうした「食べログ」の体質改善を求める「食べログ被害者の会」も立ち上がり、同サイトへの「掲載拒否」店も増え続けている。また最近では、バイトの面接で不合格になった学生が逆恨みして悪い点数をつけたり、「食べログ」を脅し文句にクレームをつける客が出てくるなどのトラブルも続出しているという。
「巨大化した口コミサイトの泣きどころです。"食べログの営業"を騙る詐欺行為ではなくとも、掲示板や口コミサイトの書き込みを代行する業者は無数にありますし、そうした業者の書き込みと純粋なユーザーレビューとを判別する具体的な方法はありません」(グルメライター)
そんな中、「食べログ」に対抗するかのように、この10月から大手グルメサイト「ぐるなび」も口コミによる採点ランキングの掲載を始めた。"ネット上の口コミ"という評価基準は決して万能ではなく、その有用性についての議論は今後も続いていくことになりそうだ。

『学園戦記ムリョウ』や『シゴフミ』といった個性的な作品の監督として知られる一方で、『機動戦艦ナデシコ』や『宇宙のステルヴィア』などの宇宙SFものを手がけてきた佐藤竜雄。今冬は後者に近い『モーレツ宇宙海賊』を監督することになった(MBS、TOKYO MXほかで1月放送開始)。
『モーレツ宇宙海賊』は笹本祐一のSFライトノベル『ミニスカ宇宙海賊』(朝日ノベルズ刊)を原作にしたテレビアニメ。海明星に住む普通の女子高生が宇宙海賊船の船長になる──といった筋書きからも想像できるように、痛快なコメディー路線だ。声優の芸幅の広さを生かしやすいとみたか、豪華声優陣をこれでもかと注ぎ込んできたが、過日、アフレコ時に取材の場が設けられ、ヒロイン加藤茉莉香役の小松未可子、謎の転校生チアキ・クリハラ役の花澤香菜、ふたりがメインキャストを代表してメディアの質問に答えた。

加藤茉莉香(声・小松未可子)。
(c)2011 笹本祐一/朝日新聞出版・モーレツ
宇宙海賊製作委員会(「ミニスカ宇宙海賊」
朝日新聞出版・朝日ノベルズ)
小松未可子(以下、小松)「加藤茉莉香はヨット部に在籍する普通の女子高生だったんですが、ある日突然『宇宙海賊船・弁天丸の船長になってくれ』と言われてから、女子高生兼宇宙海賊船長として、奮闘しつつ成長していくことになる女の子です。最初は探りさぐりといった感じで演じていたんですが、音響監督の明田川仁さんに『セリフの終わりに音符をつけるようなイメージで』と言われてからは、彼女を演じるためのコツを掴んだような感じがしています。茉莉香は明朗快活というか、何も考えていないようなあっけらかんとした性格なんですが、すごく芯の強い部分や自信をもっている女の子だったりもするので、そういう部分も出していけたらと思っていました」
花澤香菜(以下、花澤)「チアキは茉莉香と同い年で、いきなり彼女の通う高校に転入してくる謎めいた感じの女の子です。サバサバした男勝りな雰囲気だったりするんですが、人付き合いがあんまり得意じゃないとのことだったので、茉莉香と話をするときも何か牽制しているような、疑ってかかっているような、そんな感じを意識しながら演じました」
印象の残ったシーンについて尋ねると、こういう答えが返って来た。
小松「結構いろいろあったんですけど、憶えているのは茉莉香が夢を見ているシーンで、某ロボットアニメの主人公風に演じてくれと言われたところでしょうか(笑)。それにはビックリしました。ほかにも結構おおげさな感じでとか、いつもの茉莉香と違うなってすぐ分かるようなちょっと大人っぽい感じでとか、普段あまり使っていない演技の引き出しを開けていただいたことが多かったです。

チアキ・クリハラ(声・花澤香菜)
諸事情で某になっているが、だいたい想像がつくとおりのアレ。で、最近いろいろな作品でキレ芸を披露しているこの方はやっぱりという感じ。
花澤「チアキちゃんはノセるとすぐにノっかっちゃうキャラなんですね。なので、ノっかったときには、キレ芸を見せたりとか、すごい浮かれてしまったりとか、キャラになりきったりとか、そういういろんな彼女の一面が出てきたりもしたので、演じていて楽しかったです」
「キレてないですよ!」的なアドリブが出たのかどうか!? どのくらいアナーキーな現場だったのかが気になるが......。
作品の内容は「宇宙が舞台ということもあってすごく壮大で。あとキャラクターがすごく個性的で、第1話にしてこんなに個性が際立つのかとビックリしていました」(小松)、「海賊って言うぐらいだから、戦闘が続くのかなって思っていたんですが、私のイメージとしては加藤茉莉香というひとりの女子高生が成長していく姿を純粋に追っている作品だなという感じがしています」(花澤)と、ちょっとこれだけでは想像がつかないが、声優陣に劣らずメインスタッフにもビッグネームが名を連ねており(ex:アニメーションキャラクター原案はあきまんが担当)、映像化に際して気合が入っている感は伝わってきた。
佐藤監督はやはり今期の冬アニメである『輪廻のラグランジェ』の総監督も務めており、なんと11月27日には新宿ロフトプラスワンで『モーレツ宇宙海賊』との合同イベントを開催するという。
監督をゲストがいじり倒すと言いつつ、スターチャイルドとバンダイビジュアル、2大レーベルの垣根を超えたコラボレーション(いや、バトルか!?)という側面もあり、この公式の仕事ぶりから漂ってくる危険な感じは一体なんなのだろうか。
まずは第1話を、固唾を飲んで見守りたい。

(C)2011『アントキノイノチ』製作委員会
11月19日(土)全国ロードショー
生きることと、恋をすること。決して楽しいことばかりでなく、つらく苦しい局面も必ずある。今週は、人生のそうした要素に真正面から向き合い、深い感動を与えてくれる新作映画2本を紹介したい(いずれも11月19日公開)。
『アントキノイノチ』は、さだまさしによる原作小説を、『ヘヴンズ ストーリー』(2010)の瀬々敬久監督が映画化した作品。高校時代のある事件がきっかけで心を閉ざしていた杏平(岡田将生)は、父親の紹介で遺品整理会社の作業員として働くことに。仕事仲間の女性・ゆき(榮倉奈々)に次第にひかれていく杏平だったが、ある日現場で起きたトラブルがきっかけで、ゆきの衝撃的な過去を知らされる。そして、思いを伝えられないでいる杏平の前から、ゆきは姿を消してしまう。
過去のつらい体験で心に深く傷を負った若い男女ふたりが、遺品整理の仕事を通して「生」に向き合い、再び生きる意志を取り戻していく姿を描く。若者たちのトラウマになる出来事はケータイ小説などでも頻出するありがちなものだが、孤独死のあった住居に残るリアルな"死"の痕跡や遺品から相対的に「生の営み」が浮かび上がることにより、彼らの苦悩があらゆる世代に普遍的で切実なものに感じられる。慌ただしい日常の中でつい忘れがちな「命のありがたさ」を改めて気づかせてくれる作品だ。
もう1本の『ラブ&ドラッグ』は、『ラスト サムライ』(03)のエドワード・ズウィック監督が、性的不能治療薬「バイアグラ」のセールスマンの回顧録を映画化したラブコメディー。製薬会社の営業マンになり、担当地区の病院を回って新薬を売り込むジェイミー(ジェイク・ギレンホール)。ある日営業先の病院で、若く美しいパーキンソン病患者のマギー(アン・ハサウェイ)と出会う。ふたりは早々にベッドインし、「体だけの関係」と割り切って付き合うことに合意するが、やがてジェイミーは本気になり......。
男性目線だと、まず興味が向かうのは、あのバイアグラ大流行の舞台裏と、アン・ハサウェイのヌードだろうか。今年はどういうわけか、ナタリー・ポートマンの『抱きたいカンケイ』、ミラ・クニスの『ステイ・フレンズ』そして本作と、ハリウッドの人気若手女優がセックスフレンドを演じるラブコメが続いているが、惜しみない脱ぎっぷりではハサウェイがダントツ。難病患者と恋愛がテーマのストーリーにしては珍しく、患者と健常者のカップルの本音の部分がコミカルな描写も交えて丁寧に描かれており、ありきたりのお涙頂戴になっていない点もいい。登場人物に感情移入して笑い、心の痛みも感じながら、自分の人生と大切な人との関係を見直す――そんな気づきをもたらしてくれる快作だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)
『アントキノイノチ』作品情報
<http://eiga.com/movie/56054/>
『ラブ&ドラッグ』作品情報
<http://eiga.com/movie/55881/>

松江哲明監督が日本映画学校の卒業制作として完成させたデビュー作
『あんにょんキムチ』。ユーモアを交え、自身のアイデンティティーを
掘り下げていく。(c)日本映画学校 Tip Top
サブカル界の新旗手として脚光を浴びるドキュメンタリー作家・松江哲明監督。在日コリアン3世である自身のアイデンティティーを見つめたデビュー作『あんにょんキムチ』(99)はボックス東中野(現ポレポレ東中野)ほか全国でロングラン公開され、セルフドキュメンタリーブームの先駆けとなった。その後も童貞くんならではのピュアな世界観を題材にした『童貞。をプロデュース』(07)、34歳の若さで夭折した人気AV女優・林由美香の埋もれた作品に着目した『あんにょん由美香』(09)といった松江監督ならではというしかないユニークな作品を発表。全編74分ノーカットで撮影した『ライブテープ』(09)は第22回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞している。身近な題材を掘り下げ、エンターテイメント性の高いドキュメンタリー作品を次々と生み出している松江監督だが、『あんにょんキムチ』『童貞。をプロデュース』ほか代表作の多くは実はソフト化されていない。また、被写体との距離感を大切にする松江監督は、カンパニー松尾や平野勝之らのAV作品から多大な影響を受けており、松江監督自身もAV作品に参加している。最新作『トーキョードリフター』の公開を控え、松江監督が関わったこれまでの未ソフト化作品やAV作品を含めて傑作・珍作を一堂に集めた特集上映が「松江哲明グレイテスト・ヒッツ1999−2011」なのだ。
無邪気なイノセントスマイルで知られる松江監督だが、『ハメ撮りの夜明け 完結編』(04)は松江監督がクリエイターとしての志と性欲の狭間で苦悶する表情が何とも印象的な作品となっている。この作品はカンパニー松尾率いるAVメーカーHMJM(ハマジム)をめぐるCS放送向けのドキュメンタリー番組。演出・構成を手掛ける松江監督はインタビュアーとして、カンパニー松尾がかつて所属した伝説的AVメーカー・V&Rプランニングの代表である安達かおるを訪ねる。そして安達から「AVとは男と女が裸になって触れ合う人間臭い映像表現」という言葉を聞き出す。ならば、"ハメ撮り"はAV監督みずからが真っ裸になって被写体になってしまう最上級のセルフドキュメンタリーではないのか。取材相手のひと言が松江監督を突き動かす。

『ハメ撮りの夜明け 完結編』。松江監督は、
クリエイターとして、また男として大きな決断
を迫られる。(c)ハマジム
京都在住のエロ女子大生に会いに行くカンパニー松尾の後を追って、松江監督もカメラを片手に付いて行く。そして夜。1日ずっとカンパニー松尾と女子大生の野外での痴態を見守っていた松江監督は、宿泊先のホテルでまだフェロモンを発し続けている女子大生についつい手が伸びてしまう。ふすま1枚を挟んで、隣室にはカンパニー松尾がいるにも関わらず。ちなみに、この頃の松江監督は付き合っていた彼女と「ハメ撮りはしない」と約束していたそうだ。女子大生のフェロモン、ハメ撮りしちゃダメという彼女、隣室で休んでいる師匠・カンパニー松尾......、さまざまなファクターが松江監督の頭をよぎる。ハメ撮りを経験しないでAV作品を本当に撮ったことになるのか? でも、彼女との約束はどうする? クリエイターとして、また男として、そしてカンパニー松尾に師事するものとして、大きな一線を踏み越えるのかどうか。興奮と緊張のあまり、松江監督は汗で全身ズブ濡れ状態。そんな松江監督がみずから決断を下すことで、この作品はエンディングを迎える。
『姉妹でDON!』(06)はハマジム製作のWEB配信用AV作品。カンパニー松尾プロデュース作で、松江監督は演出・編集を担当。AV女優・宮地奈々の新作AVを撮影することになり、生き別れた姉妹が数年ぶりに再会するというチープなドラマが用意されている。実はこの姉役を演じるのは、宮地奈々の実姉。妹がAVをやっていることを知って、AVに興味を持ち、妹には内緒で出演応募してきたのだ。そこで生き別れた姉妹が再会、姉役の女優は本当の姉でしたという"ドッキリ"が仕掛けられた。ところが宮地奈々は非常に鋭い勘の持ち主で、インタビュアーでもある松江監督の「姉妹の仲はどうだった? 仲よかったんだ」という不用意な質問から、薄々と仕掛けが待っていることに気づく。ドッキリは早々に破綻するのだが、逆にここからが抜群に面白い。プロのAV女優である宮地奈々は、実姉との撮影現場での遭遇がただのドッキリで済むのか、それとも実姉とのレズプレイにまで突入するのかで葛藤しているのだ。一方のお姉さんは初めてのAV出演でテンションが上がりっ放し。プロである妹と素人である姉との表情の違いがあまりにも対称的。製作サイドの企画意図や演出を軽〜く呑み込んで、予想外の展開を見せながらカメラは回り続ける。これぞ、ドキュメンタリーの醍醐味だろう。

カンパニー松尾プロデュースによる
『姉妹でDON!』。演出意図を越えた
予想外の展開をカメラは記録する。
(c)ハマジム
かつてドキュメンタリー監督たるものは、取材対象に対して客観的な立ち場から向き合わなくてはならない、干渉してはいけないと言われてきた。"ハメ撮り"なんて、そんな旧来のドキュメンタリーの決まり事の正反対に位置する行為だ。原一男監督が『ゆきゆきて、神軍』(87)でドキュメンタリー映画の常識を突き破り、森達也監督が『A』(98)、『A2』(01)で破れた穴をさらに広げ、AV作品を経験した松江監督はエンターテイメントにまで押し上げた感がある。
関西ローカルで放映された『谷村美月17歳、京都着。~恋が色づくそのまえに』(07)はディレクターズカット版の上映。この作品は演出・山下敦弘、構成・向井康介、撮影・近藤龍人、編集・松江哲明、いわゆる"ロスジェネ"黄金メンバーが集結したセミドキュメンタリー。人気若手女優・谷村美月が京都へ遊びに行き、幼なじみのお兄ちゃんと再会するが、お兄ちゃんには彼女がいて......。谷村美月の女優としてのポテンシャルと10代の少女の純真な素顔が複雑に絡み合った絶品の味わいとなっている。製作サイドが用意した"仕掛け"はあるのだが、谷村美月が見せる幼なじみへの淡い憧れ、年上の女性へのジェラシーが垣間見える表情はホンモノ。この作品を観ていると、どこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションかという線引きをすることがどうでもよく思えてくる。そのくらい谷村美月がキュートだし、彼女の魅力を最大限に引き出したスタッフの労をねぎらいたい。谷村自身も「この作品は私にとって特別。親戚のお兄ちゃんたち(山下監督たちのこと)と一緒に作った思い出みたいなもの」と語っていた。

劇場初公開となる『ライブテープ、二年後』。
ミュージシャン・前野健太と松江監督との
知られざる関係に迫っている。
(c) Tip Top
12月10日(土)より公開される松江監督の最新作『トーキョードリフター』は、2011年5月に撮影されたライブドキュメンタリー。『ライブテープ』でタッグを組んだミュージシャン・前野健太が再び被写体となっている。3.11以降の自粛と節電のためにネオンが消えてしまった夜の東京を背景に、前野健太が新宿、下北沢、渋谷......とさまよいながら弾き語りをひと晩続ける姿を記録している。わずか半年前のことなのに、暗い東京が遠い昔のことのように感じられる。ネオンが消えた暗く静かなあの東京では、電車の中ではみんなが席を譲り合い、路上でしゃがみ込んでいる人がいれば声を掛け、公共広告機構のCMが流れるテレビの前で今後のエネルギー問題について真剣に話し合おうと考えていた。でも、街にネオンの灯りが戻ると同時に、ほとんどの人がそのことを忘れてしまった。いや、忘れてはいないが、目の前の日常に押し流されて、考える余白を失ってしまった。74分ノーカットという縛りのあった前作『ライブテープ』に比べると、夜の東京を宛てもなく漂流する『トーキョードリフター』はスキマだらけの作品だ。しかし、そのスキマ/余白は、あの暗い東京であの時の自分は何を考えていたのかを思い起こしてくれる。松江監督が今後どこに向かうのか注目したい。
(文=長野辰次)
●「松江哲明グレイテスト・ヒッツ1999-2011」
11月19日(土)~12月9日(金)連日21時よりオーディトリウム渋谷にて上映
<http://tokyo-drifter.com/GH>
11月
19日(土)『ライブテープ』『ライブテープ、二年後』
20日(日)『あんにょん由美香』
21日(月)『STRANGE DAYS メイキング・オブ・奇妙なサーカス』+トーク・ライブ
22日(火)『ハメ撮りの夜明け 完結編』『セックスと嘘とビデオテープとウソ』
23日(水)『あんにょんキムチ』『カレーライスの女たち』
24日(木)『赤裸々ドキュメント・天宮まなみ』『川本真琴 アイラブユーって聴こえる』
25日(金)『ライブテープ』
26日(土)『童貞。をプロデュース』
27日(日)『前略、大沢遥様』『谷村美月17歳、京都着。~恋が色づくそのまえに』
28日(月)『ライブテープ』
29日(火)『セキ☆ララ』
30日(水)『ハメ撮りの夜明け 完結編』『セックスと嘘とビデオテープとウソ』
12月
1日(木)『あんにょん由美香』
2日(金)『ドキュメント・メタル・シティ』
3日(土)シークレット★上映+トーク・ライブ
4日(日)『あんにょんキムチ』『カレーライスの女たち』
5日(月)『双子でDON!』『姉妹でDON!』
6日(火)『童貞。をプロデュース』
7日(水)『あんにょん由美香』
8日(木)『ライブテープ』
9日(金)サプライズ★上映+トーク・ライブ
『トーキョードリフター』は12月10日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開 配給/東風 <http://tokyo-drifter.com>

極真会館公式サイトより
空手の名門、極真会館の松井章圭館長が、東京国税局の税務調査を受け約30億円を追徴課税されていたことが分かった。これは総合人材サービス会社の旧グッドウィル・グループが人材派遣会社のクリスタルを約838億円で買収した際、仲介した投資ファンドに出資した関係で約100億円の分配金を受け取ったもの。オリンパスも真っ青の巨額手数料なのだが、松井館長はこれを譲渡所得として約20億円の金額で申告。しかし、国税局はこれを税率の高い雑所得と判断した形だ。
この買収をめぐっては、仲介した投資ファンドの元社長らが東京地検から法人税法違反で起訴され、東京地裁で有罪判決を言い渡されており、松井館長が出資したという数十億円の出資金も実際には数千万円の見せ金だったと報じられるなど、キナ臭い話だった。
K-1で活躍したアンディ・フグを下したこともある大物空手家が"闇のマネーゲーム"で大儲けしていたとは意外だが、極真関係者からは「こういう財テクこそが空手家の目指すところ」という声も聞こえる。
「極真のみならず空手は、ボクシングやプロレスなどのプロスポーツと違って興行では大して稼ぐことができない世界なので、資金運用に熱心になりやすい」(同関係者)
収入の基盤となる道場経営は、関係者いわく「他と比べても優秀」だという。
「危険度を抑えた競技性から子ども会員も多いなど集客にも強く、月謝だけでなく昇段審査や道着、合宿代といった臨時収入が多いのも特徴。その一方で、大会などイベントではボランティア的に無報酬で弟子を使うので、支出も少ない。あとは稼いだ金をどう運用するかだけを考えるようになる」(同関係者)
ある空手有段者によると、かつて大きな新道場を設立する際に寄付を募り、高額募金者には黒帯や、より上のクラスの段位を与えるという条件で2億円以上の資金を集めたことがあったという。
「茶帯だった空手家が我先にと何十万円も寄付して次々に黒帯をもらったんです。でも、実際に道場設立にかかった費用は5,000万円ほど。当時の責任者だった師範の部屋には投資関連の本ばかりが積まれ、コンサルタントもよく出入りしていました。まるで財テク資金を集める道具が空手という感じでしたね」(同有段者)
ただ、この財テクが失敗して本業の道場が経営難に陥った空手家も少なくないようだ。神奈川県のある空手道場は株式投資の失敗がダメ押しになって2年前に閉鎖。元館長の男性は「一時は空手ブームで賑わったこともありましたが、最近は総合格闘技やK-1の登場で空手人気が下火になって、財テクでもしなければ道場の存続は厳しかった」と肩を落とした。
上がるも下がるもマネーゲームとは、流派による熾烈な争いで強い道場が生き残るような空手界のイメージとはかけ離れている。実のところ各道場の師範はまるで中小企業の経営者のようだ。武道精神も金儲けの欲には勝てないものか。
Ad Plugin made by Free Wordpress Themes