「なぜ今年!?」 藤田伸二騎手は競馬界の“現実”に飲み込まれた

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競馬(中山競馬場)
 JRA(日本中央競馬会)所属、ダービージョッキーの藤田伸二騎手(栗東・フリー)が、6日の札幌競馬騎乗をもって引退することを発表した。JRA通算1918勝(うちGI17勝)を誇る名手の突然の引退に、競馬界は大きく揺れている。  以前から「エージェントでリーディング騎手が決まってしまう」現在の中央競馬に不信感を抱いていた藤田。「何が面白いのか? 2、3年前から疑問を抱くようになり、競馬に対するモチベーションが無くなっていました」と引退メッセージでも語っている通り、最後までその思いは変わらなかったということだろう。  ただ、正直に言えば「なぜ今年なのか?」という疑問を拭い去ることができない。競馬記者の間でもそれは同じのようだ。 「藤田が、特にエージェント制度や外国人騎手偏重を中心として、JRAを公然と批判した著書『騎手の一分 競馬界の真実』(講談社)を発表したのは2013年5月。その時点で競馬界への興味はほぼなくなっていると語っていました。にもかかわらず、本当の引退は約2年半後の今月。本当に競馬に興味がなくなったのであれば、とうに引退していても不思議ではないでしょう。本人にしかわからない“未練”があったのかも」(競馬記者)  11年、ヒルノダムール(当時4歳)で藤田が「どうしても勝ちたかった」天皇賞・春(GⅠ)に勝利し、「ヒルノダムールが引退したら、俺も一緒に辞める」と発言したという情報や、GⅠ競走4勝(地方交流含む)のトランセンドについても、「トランセンドが辞める時は、俺も潮時だな」などとつぶやいたという話もあったが、2頭が現役を引退しても、藤田が身を引くことはなかった。 「調教師や厩舎スタッフに『もう辞め時かも』とグチることで同情を誘い、騎乗の営業をかけているという良からぬ噂も流れていました。強気でコワモテなイメージに反して、藤田は歴代最多19回の『フェアプレー賞』を受賞するなど、騎乗はいたってクリーン。ある意味、騎手としての“誇り”を強く持っていた男と言えます。騎手への愛着を簡単に捨てきれないのも十分に理解できる」(同)  そして記者は、現在の競馬界の“現実”により、藤田は「引退せざるを得なかった」のではないかと考えている。 「『騎手の一分』を発売したことで、当然ですが藤田はJRAからは距離を置かれる形になってしまった。それでも13年には50勝とまずまずの成績をおさめていました。しかし、やはり顔の広いエージェントを抱える福永、岩田、川田、戸崎などリーディング上位騎手の勝鞍には遠く及びません。さらに、昨年まで『短期免許』で数カ月の滞在のみだったM・デムーロとC・ルメールというなじみ深い外国人騎手に、今年から『JRAの通年免許』が与えられ、当然のごとくリーディング上位に食い込んでいます。他の騎手が割を食うのは当然でしょう。藤田はその中の一人として、ついに“立つ瀬がなくなった”という可能性もあります」(同) “男・藤田”として、長きにわたり中央競馬に確かなスパイスを与えてくれた藤田伸二。結局は、彼も現在の競馬界の“現実”に屈したということなのだろうか。彼の引退が、エージェントや外国人騎手礼賛の競馬界を見直す契機になるのかは、定かではない。

山口組分裂報道に見る警察のマスコミコントロール「分裂は当局による仕掛けだった」説も……

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『血別 山口組百年の孤独』(サイゾー)
「ある意味、警察が仕掛けたクーデターでもあるんです」  創設100年を迎えた暴力団、山口組の分裂騒動について、実話誌の記者からそんな話が聞かれる。 「警察が今回の分裂で今にも各地で抗争がドンパチ始まりそうなことを言っているのは、これを機に山口組を一気に叩いてしまおうということなんでしょうが、そもそも警察が分裂を煽った説があるんですよ」(同記者)  山口組の分裂は、先代の五代目組長を輩出した傘下の有力二次団体、山健組をはじめとする旧主流派が、六代目組長就任以降の勢力争いで劣勢になり、これへの不満に端を発して関西系の13組が離脱したもの。実はこの状況は暴力団の動向をメインに追う実話誌ではすでに予測解説されていたことで、今回のクーデター報道が間に合わなかった8月29日発売の「月刊実話ドキュメント」(マイウェイ出版)でも「世代交代」という言い回しでその構図が解説されている。  山口組では、組長と親子の盃を交わした「直参」の数が五代目から六代目にバトンタッチした10年前に大きく変化していた。73名の直参うち、三代目組長時代に直参となった者は、五代目時代には12名いたが、六代目になるとわずか2名に激減。同じく四代目世代の直参は14名からたった1名に減っていた。  そして五代目世代は67名も直参がいたところ、六代目になると22名と大幅に減っており、逆に六代目世代は48人が新たに直参となって7割近くの数を占めていたのだ。  組の要職に就く者の数も、幹部12名うち8名が六代目世代の直参で、「実話ドキュメント」ではこれを「世代交代を進める組織改革」と伝えていた。同誌で長年、暴力団の取材を続ける記者によると「勢力図がそのまま金の流れに表れるので、五代目世代の者たちは経済難から不満を募らせていた」という。 「ただ、その動向が以前より鮮明に見えなくなっていて、それは暴力団排除条例などでヤクザ専門の記者が取材にしくくなっていることが大きいんです。普通の業界であれば関係者と親しくなって食事でもしながら定期的に話を聞いたりしますが、これがヤクザ相手だと下手すれば交友関係と見なされてしまうので、携帯電話に暴力団関係者の番号ひとつ残しておけなくなっています」(同)  結果、近年では暴力団情報入手の比重を高めているのは本職よりも警察からの情報で、記者以上に警察が暴力団情報をコントロールするようになっているという。 「警察関係者は、マスコミに情報を流す中で暴力団組員たちを仲たがいさせようと、偏った情報を流したり、一方を極端に貶める内容の暴露本を出版させたりしていたので、ある意味では今回の分裂騒動は警察が起こしたクーデターだという人もいますよ」(同)  たしかに分裂報道は専門誌ではなく大手の全国紙が一斉に報じており、その情報源はいずれも警察発表だ。 「大手メディアでは、抗争の危険が迫っていると主張する記事が目立っていて、これなんかは警察にとって暴力団潰しの口実になる話。ただ、実際には今の暴力団は抗争してしまえば自分の首を絞めることになるので、もっと慎重ですよ」(同)  警察が警戒するのは1985~87年、四代目組長の人事トラブルから全国での銃撃戦に発展した「山一抗争」の再現だが、これは92年施行の暴力団対策法やその後のたび重なる法改正、全国の排除条例につながっており、かえって組織の弱体化を招いた歴史がある。 「少しでも何か事件が起これば警察は大々的に報じさせて徹底した弱体化を狙うんでしょうが、怖いのは、その弱体化が訪れた後です」(同)  というのも、数万人の組員たちがさらなる弱体化で日々の生活費にも困る事態になれば、なお末端での犯罪者化が進むという見方がある。組織の方針に背を向けて一部が暴徒化するのは、現状よりも怖い話だ。最近は関東連合など半グレと呼ばれる少数精鋭の不良集団が一般人に紛れて犯罪集団化しており、こうなると警察でさえもその実態をはかりにくくなっている。  暴力団は反社会勢力として不要な存在となっているが、かつて彼らが握っていた警備やパチンコなどのビジネスは、今や警察利権の柱となって拡大しているとも言われており、別の問題の浮上も危惧される。だからといって暴力団を守るべきともいわないが、目先の分裂以上に怖い未来への不安が存在する。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

五輪エンブレム盗作問題で佐野研二郎氏輩出の多摩美大生が悲鳴「就職活動に影響が……」

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閉鎖された『東京オリンピック2020エンブレムページ』より
「もうやめてくれ……」  続々と盗用が発覚して五輪エンブレムの白紙撤回にまで至ったデザイナー、佐野研二郎氏のパクリ騒動で、佐野氏が教授を務める母校・多摩美術大学でも盗用疑惑が持ち上がり、同大学の学生たちが悲鳴を上げている。中には「佐野氏のせいで就職活動にも影響が出ている」と話す学生もいるほどだ。  同大学で発覚した新たな疑惑は、海外でも受賞歴がある広告ポスターのシリーズ「MADE BY HANDS.」の1作品で、メガネの画像など2点が他からの無断使用だった。  デザインは佐野氏が代表を務める事務所「MR_DESIGN」所属のデザイナーで昨年同大学を卒業した香取有美氏によるもので、佐野氏はシリーズの監修者。画像を勝手に使われたサイト運営者は、同大学や佐野氏側から連絡を受けていないとしている。 「MR_DESIGN」はこの件に関して「無断流用したというのは事実無根」とし、あくまで独自に撮影した画像を使用したとしているが、これまでの数々の盗用発覚の中にあっては説得力に欠ける。  母校で起こった事態にショックが大きいのは多摩美で、佐野氏が1996年に卒業したデザイン科は中でも大手広告代理店への入り口となる業界エリートコースという位置付けだったが、いまやそのイメージはガタ落ち。  ある男子学生は「佐野さんは学生の憧れでもあったんですが、彼と同じく多摩美のデザイン科出身で博報堂に入るようなことになったら、疑惑のイメージしか持たれず、何か発表してもネットユーザーにいちいち指摘されることになりそうで……」と顔を曇らせる。  就職活動中の女子学生からも「企業の担当者から『今、大変だねえ』と、まるで私たちの問題であるかのように言われたんですよ。佐野さんの出身校だからダメだとは言われてないですけど、悪影響がないとは言いきれない。本気で海外の大学にでも転校したい気分」という話が聞かれた。  佐野氏は栃木・日光江戸村のキャラクターデザインで頭角を現し、2008年に独立。サントリーやトヨタをはじめとする大手企業の広告などを次々に請け負う売れっ子で、五輪エンブレム採用は業界の頂点に立ったような栄誉だった。  昨年4月、新設の統合デザイン学科の教授に就任していた佐野氏だが、来年4月からも専門科目の授業を担当予定で「ここでは五輪エンブレムの話もしてもらう予定だった」と同大学関係者。しかし、いまや同大学も「本人から事情を聴いて理事会で判断する」と予定の白紙も匂わせるほどで、キャンパス内はまるで“嫌・佐野”状態。 「ライバル校の武蔵野美術大学の学生が躍起になってパクリを探しているというウワサが流れて、それを武蔵美の学生に聞いたウチの学生がいて、ケンカになる事態もありました。佐野さんのニュースを見るたび暗い気分になってしまって、もうやめてくれって思います」  そんな中、佐野氏の過去の卒業制作の優秀作品の一部に盗用が指摘されたり、佐野氏の在学中作品にも盗作があったという話まで聞かれ始めていることから「パクリは多摩美の伝統」などという風評も広がっている。無関係な卒業生、在学生には気の毒だが、学ぶべきものを学ばせていなかったのかという大学への疑念が強まるのは止められない。 (文=ハイセーヤスダ)

佐野研二郎氏だけが悪いのか? 責任逃れする森元首相に“ノーパンしゃぶしゃぶ男”武藤敏郎

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削除された『東京オリンピック2020』内のエンブレム
 新国立競技場に続き、デザイナー・佐野研二郎氏が手掛けた2020年東京五輪エンブレムも白紙撤回された。  今回の特徴はネット民が中心となって盗用疑惑を指摘し、過去の作品群に対してもローラー作戦を繰り広げたことだ。結果、佐野氏は音を上げ、五輪組織委員会も取り下げを認めるしかなくなった。  だが、佐野氏だけが本当に悪いのだろうか? 「コンペの審査員は佐野氏とつながりの深い人物で、当初から佐野氏ありきの選考といわれていた。今回だけに限らず、この業界では癒着が横行していて、発言力のある大物デザイナーの意向が反映される傾向にある。コンペで勝ち残るには『才能より人脈』といわれるのはそのため。業界の悪しき慣習が表に出たことは、佐野氏の功績だ」とは某デザイン事務所社員。  組織委員会にも当然、責任はある。中でも森喜朗会長や1日の記者会見に出席した武藤敏郎事務総長は自ら職を辞すべきだろう。 「政界のキングメーカー」ともいわれる森氏は1日の緊急理事会後、マスコミから「(エンブレムの取り下げは)残念な結果になりましたね?」と聞かれ「何が残念なんだ!」と不機嫌そうに言い放った。  週刊誌では、五輪利権に固執する森氏を「老害」呼ばわりだ。武藤氏も1日の会見で責任逃れの発言に終始。「誰かに責任があるとはするべきではない」と表明し、白紙撤回の理由を「一般国民が納得しないから」と述べた。武藤氏といえば、旧・大蔵省時代の1998年に当時世間を騒がせた“ノーパンしゃぶしゃぶ事件”で名前の挙がった人物。銀行がこぞって大蔵省職員を東京・新宿歌舞伎町の「楼蘭」なるノーパンしゃぶしゃぶ店で接待していたあの事件だ。 「武藤氏の場合は写真に撮られていないが、うっかり店に置いていった名刺がバレるマヌケけぶり。そこで完全に失脚したと思われましたが、その後、大蔵・財務事務次官に就任し、2003年には日本銀行の副総裁に就任。大手企業の監査役にも名を連ね、昨年1月に五輪組織委員会の事務総長に任に就いた。一度“ノーパンしゃぶしゃぶ事件”で痛い目を見ているだけに、現在の地位に固執しているのでしょう」(社会部記者)  責任の所在がわからず、わかったところで責任を取る気もない。佐野氏のエンブレム問題に登場する人物の大多数は、“真っ黒”なようだ。

「これで全部、佐野のせいに……」五輪エンブレム問題が“展開例盗作”発覚で急展開したワケ

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削除された『東京オリンピック2020』内にあったエンブレムより
 東京五輪のエンブレム使用中止を受けて9月1日、遠藤利明オリンピック・パラリンピック担当大臣は、責任問題について問われ「組織委員会と審査委員会、デザイナーの佐野研二郎氏、三者三様に責任があった」とした。  だが、この中止決定については、五輪スポンサー企業と関わる広告代理店の関係者から「佐野さんに責任をなすりつける算段ができてからの発表だった」という、驚くべき話が聞かれる。 「一部の情報番組でテレビコメンテーターが『ベルギーから起こされた裁判が予想以上の逆風になったからこのエンブレムの使用をした』なんてテキトーなことしゃべってたけど、実際は違う。盗用疑惑が持ち上がった時点で『こんなもの、もう使えない』という白紙撤回論はあったんだけど、とにかく関係者が恐れていたのは責任問題と損害賠償、これに尽きた。組織委にそれが跳ね返ってきたら、大変なことになるわけだから」  佐野氏がデザインしたエンブレムは、すでに東京都が大々的な広報活動などで使用していたほか、五輪のスポンサー企業もこれを使ったグッズなどを大量制作。都は旧エンブレム掲載のパネルやポスター、紙袋などを制作済みで、問い合わせたところ「費用の賠償請求も検討中」だとしている。  東京ガスは旧エンブレム入りの名刺を大量に印刷したが、急きょ使用を中止。アサヒビールはイベント告知用の広告を旧エンブレム使用のまま使っている状態で、ほかでも旧エンブレムを表示していたCMの差し替えが続々と起こった。これには組織委も「企業への説明を第一優先に」と火消しに躍起だ。  しかし、長らく「使用継続」の一点張りで押し通してきた組織委が一転してこのタイミングで使用中止に転じたのは、妙な話。前出関係者は「一定の責任回避が成り立つ話になって、一気に決まった」とする。 「この問題で深刻なのは、出来レースでデザイナーを選定していたデザイン利権の構図があったことで、関係者ぐるみでやっていたと見なされると賠償責任がみんなに降りかかってくる。でも、都合がよかったのは、エンブレムの展開例を示したプレゼン資料の盗作指摘だった。あれのおかげで組織委は『我々も騙されたと言える』ということになった。組織委の連中、あのオリジナル画像を探してくれたネットユーザーには感謝していると思う」  たしかにエンブレム使用中止は、佐野氏が展開例写真での個人サイトからの流用を認めた直後、同日のことだった。本来、内部資料あれば違法性は低いが、組織委はこの無断流用を佐野氏に認めさせたということをわざわざ公表してから中止発表に結びつけた。  舛添要一都知事は2日、Twitterで「新国立競技場と同様、責任の所在が不明確、情報公開が不十分という問題が背景にある」と批判したが、前出関係者は「言い換えれば、莫大な税金をかけて五輪招致したけれど、東京都の責任はゼロだっていうアピール」とする。 「ネット上では利権構造が次々に指摘されて組織委や審査委への責任追及にも広がっていた中で、とにかく佐野さんひとりを悪者にして終わらせたいという思惑が高まっていたからね。これは建築デザイナーにだけ説明させて肝心の箱モノ建設利権の中枢連中が逃げてしまった新国立競技場のときと、まったく同じ話だよ」(同)  ちなみにこの関係者が試算した、エンブレム関連の損害賠償額は「もし損害を受けた全員が賠償請求するとなれば、10億円は超える」というが、「組織委のトップがあの森喜朗さんだから、森さんに牙をむくようなことはできないという企業が大多数。実際の請求はあったとしても、かなり控えめになるはず」とする。 「ウワサでは、あるデザイン界の大物が、佐野さんに『今回は泥をかぶってくれ。あとでこの埋め合わせは必ずする』と頭を下げたってのも聞いたけど、それがホントなら、余計なことしゃべるなよって釘刺しだよ。それぐらい、守らなきゃいけないことがあるんだろう」(同)  ただ、各企業から旧エンブレム入り商品の制作依頼を受けていた下請け業者の中には、「もしこれで損害が出たら訴えを起こす」としているところもあり、盗作の張本人である佐野氏をはじめ、組織委と審査委などの面々は、しばらく戦々恐々とすることになりそうだ。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

「遭遇率が高いのは試合終了1時間後」元サッカー日本代表たちが電車通勤!?

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イメージ画像(「足成」より)
「サッカー元日本代表の○○を電車内で見た」  近年、サッカーファンの間で、このようなツイートが散見している。ほかのスポーツの有名選手や芸能人を電車内で見かけることもあるため、別に驚くようなことでもないように思えるかもしれない。しかし、彼らが目撃されているのは多くの場合、新幹線のホーム。一方、サッカー元日本代表選手たちが目撃されているのは、都内や埼玉の普通電車なのだ。  これに、ファンたちは驚愕しているようだ、「元代表選手なのに、普通の電車移動なんだ……」「ポルシェじゃないのね」などと悲しげな声が上がっている。 「元日本代表選手とはいえ、民放以外の解説者のギャラは2桁に届かないことがほとんど。しかも、交通費が含まれていることも多い。そのため、電車移動しているんでしょう」(サッカー関係者)  確かにファンに発見されているのは、スカパー!の解説陣ばかり。民放の解説を務めることの多いゴンこと中山雅史氏などが電車に乗っている姿は発見されていない。というよりも、前出のサッカー関係者いわく「ゴンさんは、マネジメント会社の車がありますから」とのこと。同じ元日本代表、解説者とはいえ、待遇には雲泥の差があるようだ。それにしても、なぜ、近年になって電車移動が多く見かけられているのだろうか? 「今までのサッカー解説者たちは、“ドーハの悲劇”より前の世代だったため、サッカーファンにもあまり知られていなかった。それが、近年は1998年W杯フランス大会や2002年日韓大会を経験した元日本代表選手たちに替わったため、ファンたちが気づくようになった。近年になって待遇が悪くなったというわけではなく、今までは電車通勤する解説者に気づいてなかっただけです。スカパー!の解説者ならば、ほとんどがスタジアムの最寄り駅で会えると思いますよ。狙い目は、試合終了から1時間後の電車ですね」(同)  好きな解説者に電車内で会えるというのは、ファンからすればお得かもしれない!? (文=TV Journal編集部)

佐野研二郎氏の五輪エンブレム“盗作問題”「損害賠償」を恐れる利権構造の闇

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「東京2020大会エンブレムページ」より
 五輪エンブレム盗作問題への批判が拡大する中、これに関わった広告代理店周辺の関係者からは「損害賠償」というNGワード4文字がささやかれ始めているという。 「もしこのデザインが使われなくなったら、数十億単位の損失が出る。一体それを誰が払うことになるのか、“損害賠償”という4文字を恐れるような話がチラホラ聞かれ始めてます」  匿名を条件に語ったのは、大手企業のロゴマークも手掛けた50代の日本人デザイナー。自身はこのエンブレムにまったく関わっていないが、周辺事情は「いやでも耳に入ってくる」という。 「新国立競技場の問題はよくある箱モノ行政の典型だったけど、こっちは世間に知られていない利権の巣窟があって、必死にそれを守ろうとする動きがあります。この利権の中では“損害賠償”という4文字がNGワード。絶対に回避したいものです。いま各方面が必死の火消しに走っている感じ。大会組織委員会が白紙撤回できないのもそれが理由でしょう」  実際、2020年東京五輪・パラリンピックの公式エンブレムの盗作問題については、これだけ世間から「変更しろ」との声が出ていても、組織委は使用の姿勢を堅持。ベルギーの劇場側から著作権侵害で使用差し止めを訴えられていることにも、劇場のロゴが商標登録されていない「法律論」を盾に「このような劇場側の態度は公共団体の振る舞いとしては受け入れがたい」と異例の非難声明を出した。 「この必死の抵抗は、損害賠償と利権構造にメスが入ることを怖れているんですよ。エンブレムの選定はもともと広告代理店の仕組んだ出来レースみたいなもんで、応募要項からして八百長。応募資格に組織委が指定した過去の7つのデザインコンペのうち2つの受賞者に限っており、多くの有力デザイナーを排除している。これは、内輪で商標の著作権ビジネスを展開するためで、審査員も佐野と親しい身内ばかりなのは、そのせい。そもそも佐野がアートディレクターなんていう肩書きを名乗っているのも、デザインより著作権での金儲けに特化したチーム運営に走ったからで、これに欠かせないのが大手企業とメディア。両者をつなぐ広告代理店を軸に利権の構図があって、関係者はみんなこれを守ろうと徹底抗戦です」  聞けば、今回の問題に対する同業者の反応も、そのスタンスで分かれるという。 「利権の恩恵を授かりたいビジネス志向派は、絶対にこれを批判できないですからね」  しかし、作者の佐野氏は別件でのデザインの盗作問題で、その信頼は地に堕ちている。サントリーのキャンペーンでは、「スタッフ教育が不十分だった」と自身がデザインしたものではなかったとする逃げ口上で一部の盗作を認める始末。 「それでもサントリーが8種類だけ取り下げる中途半端な対応をとったのは、大々的に損害賠償請求しなくてはならなくなる事態の回避で、広告代理店などが、必死に裏で手を回している」とデザイナー。 「今後もしサントリー製品の不買運動なんてことが起これば、さすがにこれだけで済まされなくなる。その場合は当然、佐野ひとりの問題ではなくなってくる」(同)  一部デザインには、オリジナルのデザイナーから新たな訴訟が起こされるという話があるが「法廷に持ち込まれたら、実際にデザインした部下とやらの実名も明らかにしなくちゃならなくなると思う」とデザイナー。 「でも、その仕事の中身を明かせば、困るのは佐野ひとりじゃないですからね。金を積んで和解に持ち込んででも、そこはひた隠しにするのでは」(同)  一説には、佐野氏の部下のひとりが知人に「俺はやってない。それなのにもし自分の名前が犯人みたいにして表になったら最悪だから、その前にこの泥船から抜けたい」と相談していたというウワサも聞かれるが、いずれにせよこのままでは組織委も叩かれる一方だろう。  新国立競技場の問題では建築家の安藤忠雄氏が記者会見で大声を上げて責任逃れの弁明に終始したが、損害賠償がチラつくエンブレム問題では、なお逃げ出そうとする人が出てきそうだ。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

習志野市「マルハン」問題が市長の“不正選挙・癒着疑惑”に発展『宮本市長とパチンコ利権』の怪文書も……

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習志野市公式ホームページより
 習志野市の不正選挙疑惑がくすぶっている。4月の市議選では、全議席が確定したのが前回よりも3時間近くも遅い午前4時過ぎまでかかったことで、市選管には抗議電話が殺到。上野久事務局長は「立会人が慎重に確認をしたため時間がかかった」と説明したが、市民からは8月に入っても「原因究明のため、立会人の事情聴取をしろ」という声が止まらない。議会は6月「確認予定はない」と突っぱねたままだが、その矛先は“パチンコ市長”にも向かっている。  同市は2003年の市長選・市議選で「票のすり替えがあった」ことが大々的に報じられた前科があり、これは検察審査会では不起訴相当となったものの、委嘱を受けていない市の関係者が開票所に出入りした違法行為が確認されたことなどから、不信感は残ったまま。4月の市長選、市議選では公共施設の大規模な統廃合など住民にとって関心の高い争点があったこともあり、そんな中での不審な開票のもたつきは、また疑惑を再浮上させたわけだ。  そんな中、“パチンコ市長”とも呼ばれる宮本泰介市長へのバッシングがあったのは、2年前に大手パチンコチェーン「マルハン」の出店を許したことが発端だ。市は文教住宅都市憲章として40年以上前から「教育・福祉施設などから200メートル以上の距離を置く」という独自の条例でパチンコ店の建設を規制してきたが、「マルハン」の建設計画が持ち上がるや議会は同条例を撤廃。以来、市民の間では宮本市長とパチンコ側の癒着疑惑がささやかれるようになっている。 「反対運動を行った住民の会合には、宮本市長にベッタリの市議がやってきて、市長のよさを延々と説明したこともあったし、反対住民の名前をノートにメモして去っていく者もいた。癒着の証拠があるわけではないが、そう考えないと説明がつかない」と地元住民の男性。  今年になって一部住民のもとには「宮本市長とパチンコ利権」と題された無記名の怪文書が投函されたこともあった。  そこには宮本市長が公明党推薦で当選していることに着目し「公明党は在日社会と深くつながっており、カジノ法案でパチンコ業界の利を強くするために態度を保留、この点ではマルハンが背後につく橋下維新の会とも協調していた」と説明し、「大手パチンコ店が朝鮮総連に多額の資金を供与している疑惑があり、これを介しているのが北朝鮮籍や韓国籍の特別永住外国人によって運営されている景品交換所で、そのギャンブル利権が欲しかったのが市長だ」などと書かれていた。  あくまで怪文書にすぎないもので、曖昧な部分も多い内容ではあるが、こうした話を無視できない市民感情も存在する。何しろ、マルハン習志野店においては建設中、反対運動をしていた福祉施設や住民宅に動物の死骸やゴミが放り込まれ、車が傷つけられるなど不審事件が続出、中には「運動をやめろ」という脅迫的なメールを受け取った者もいたが、なぜかこれに対し地元警察は捜査に後ろ向きだった。  最近もパチンコ店の客と思われる人物が塀を乗り越えて隣のマンションに不法侵入したり、店の駐輪場の屋根が吹き飛んで周辺住民の自動車を直撃する事故もあり、マルハン習志野店への嫌悪感を募らせた市民の不満の矛先が“パチンコ市長”にも向いてしまっているともいえる。  ある市議は「パチンコの話を抜きにしても、市長には疑われる余地がある」という。 「宮本市長の後援会長はゴミ処理業者の理事長で、この業者の本社住所に行くと、下水道もない形だけの建物があるだけだったり、市が持っている71億円相当の土地を56億円で売ってしまい、その買取業者が立てるマンション名と同じ名前に町名を変更するなど、癒着体質があると見る人がいてもおかしくないことばかり」と市議。  癒着が確定したわけではなく、パチンコ店に通っているわけでもないのに“パチンコ市長”などと呼ばれるのは不名誉な話だが、現在、進められている市庁舎の建替え工事にも不透明な部分があるという声が出ており「少なくとも市長はもっと市民に説明を尽くすべき」と市議。  この夏も各種イベントに積極的に顔を出し、笑顔を振りまいているが、それだけでは票集めをやっているようにしか見えないかもしれない。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

習志野市「マルハン」問題が市長の“不正選挙・癒着疑惑”に発展『宮本市長とパチンコ利権』の怪文書も……

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習志野市公式ホームページより
 習志野市の不正選挙疑惑がくすぶっている。4月の市議選では、全議席が確定したのが前回よりも3時間近くも遅い午前4時過ぎまでかかったことで、市選管には抗議電話が殺到。上野久事務局長は「立会人が慎重に確認をしたため時間がかかった」と説明したが、市民からは8月に入っても「原因究明のため、立会人の事情聴取をしろ」という声が止まらない。議会は6月「確認予定はない」と突っぱねたままだが、その矛先は“パチンコ市長”にも向かっている。  同市は2003年の市長選・市議選で「票のすり替えがあった」ことが大々的に報じられた前科があり、これは検察審査会では不起訴相当となったものの、委嘱を受けていない市の関係者が開票所に出入りした違法行為が確認されたことなどから、不信感は残ったまま。4月の市長選、市議選では公共施設の大規模な統廃合など住民にとって関心の高い争点があったこともあり、そんな中での不審な開票のもたつきは、また疑惑を再浮上させたわけだ。  そんな中、“パチンコ市長”とも呼ばれる宮本泰介市長へのバッシングがあったのは、2年前に大手パチンコチェーン「マルハン」の出店を許したことが発端だ。市は文教住宅都市憲章として40年以上前から「教育・福祉施設などから200メートル以上の距離を置く」という独自の条例でパチンコ店の建設を規制してきたが、「マルハン」の建設計画が持ち上がるや議会は同条例を撤廃。以来、市民の間では宮本市長とパチンコ側の癒着疑惑がささやかれるようになっている。 「反対運動を行った住民の会合には、宮本市長にベッタリの市議がやってきて、市長のよさを延々と説明したこともあったし、反対住民の名前をノートにメモして去っていく者もいた。癒着の証拠があるわけではないが、そう考えないと説明がつかない」と地元住民の男性。  今年になって一部住民のもとには「宮本市長とパチンコ利権」と題された無記名の怪文書が投函されたこともあった。  そこには宮本市長が公明党推薦で当選していることに着目し「公明党は在日社会と深くつながっており、カジノ法案でパチンコ業界の利を強くするために態度を保留、この点ではマルハンが背後につく橋下維新の会とも協調していた」と説明し、「大手パチンコ店が朝鮮総連に多額の資金を供与している疑惑があり、これを介しているのが北朝鮮籍や韓国籍の特別永住外国人によって運営されている景品交換所で、そのギャンブル利権が欲しかったのが市長だ」などと書かれていた。  あくまで怪文書にすぎないもので、曖昧な部分も多い内容ではあるが、こうした話を無視できない市民感情も存在する。何しろ、マルハン習志野店においては建設中、反対運動をしていた福祉施設や住民宅に動物の死骸やゴミが放り込まれ、車が傷つけられるなど不審事件が続出、中には「運動をやめろ」という脅迫的なメールを受け取った者もいたが、なぜかこれに対し地元警察は捜査に後ろ向きだった。  最近もパチンコ店の客と思われる人物が塀を乗り越えて隣のマンションに不法侵入したり、店の駐輪場の屋根が吹き飛んで周辺住民の自動車を直撃する事故もあり、マルハン習志野店への嫌悪感を募らせた市民の不満の矛先が“パチンコ市長”にも向いてしまっているともいえる。  ある市議は「パチンコの話を抜きにしても、市長には疑われる余地がある」という。 「宮本市長の後援会長はゴミ処理業者の理事長で、この業者の本社住所に行くと、下水道もない形だけの建物があるだけだったり、市が持っている71億円相当の土地を56億円で売ってしまい、その買取業者が立てるマンション名と同じ名前に町名を変更するなど、癒着体質があると見る人がいてもおかしくないことばかり」と市議。  癒着が確定したわけではなく、パチンコ店に通っているわけでもないのに“パチンコ市長”などと呼ばれるのは不名誉な話だが、現在、進められている市庁舎の建替え工事にも不透明な部分があるという声が出ており「少なくとも市長はもっと市民に説明を尽くすべき」と市議。  この夏も各種イベントに積極的に顔を出し、笑顔を振りまいているが、それだけでは票集めをやっているようにしか見えないかもしれない。 (文=ジャーナリスト・片岡亮)

山口組元直系組長の太田守正・元太田興業組長が独白!山口組六代目継承クーデターの真実

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太田守正・元太田興業組長
 ここ最近、ヤクザ業界をはじめ、アウトロー社会全体が騒がしくなっている。  その要因のひとつが7月28日に出版された『血別 山口組百年の孤独』(小社刊)にあるという。著者は2008年10月に除籍処分を受け、山口組を去った元直系組長の太田守正・元太田興業組長。その名を世界に轟かせる強豪揃いの山口組の中でも、屈指の超武闘派軍団の太田興業を率いる、有力親分のひとりであった。 「太田組長は山口組の渡辺芳則五代目組長(故人)が、初代山健組内で興した健竜会に入門して以来、渡辺五代目から厚い信頼を受けたようだ。その後、山健組では舎弟頭や相談役といった要職を歴任し、同組の首都圏における勢力拡大に著しい貢献を果たしたこともあって、関東のヤクザ社会では良くも悪くも名を馳せていた。ずいぶんと痛い目に遭った関東ヤクザは多い」(大手在京組織の三次団体幹部)  そうした太田元組長が著した書籍であれば、業界で大きな反響を呼ぶのは当然、発売からわずか数日で初版は完売となり、急きょ増刷態勢が敷かれている。  今回は、著者である太田元組長にインタビューし、『血別』を執筆した動機などについて熱く語ってもらった。 ――まずは、このたび『血別』を書こうと思われた動機は何ですか? 太田守正氏(以下、太田) それは、盛力(09年に山口組から除籍された元直系組長の盛力健児・元盛力会会長)が、2年前に出した『鎮魂 さらば、愛しの山口組』【1】(宝島社)の内容が、まるで事実と違っていたからですよ。ワシらみたいに長いことヤクザやってきた人間、特に山口組にいた者なら、何行か読んだだけで「ああ、これはウソやな」ってわかります。しかし、ヤクザの世界を知らん人も読むんで、ウソが真実として世間でまかり通りつつありました。それを止めたかったんです。 ――『鎮魂』を書かれた盛力元会長とはどのようなご関係ですか? 太田 盛力のほうが歳は4つ下やが、山健組では先輩やったので当初は(顔を)立てていました。事実、当時はまともやったし、渡辺五代目、杉秀夫さん(初代健心会会長=05年引退)と並んで「山健組の三羽ガラス」と呼ばれてました。  ところが、抗争で長い懲役に行ってから人が変わってしまったんです。おかしな人間とばかり付き合うようになり、中でも「ミナミの帝王」のモデルだと言い触らす和田アキ子の叔父【2】という男は最悪でした。インチキばかり言うサギ師で、ワシも手形を勝手に回されたり、若い衆をこき使われたことがあるから、盛力にも何度も付き合うのをやめるように忠告したんですが、ずっと付き合うてましたな。もしかしたら、かなりの額を騙されてるかもしれません。 ――太田元組長が除籍処分を受け、他に10人の直系組長も処分されることになった08年に開かれた会合は、『鎮魂』では謀議とされていますね。 太田 謀議という認識はなく、単なる直系組長だけの話し合いと思って出席しました。ある日、信頼していた井奥文夫・元井奥会会長(絶縁)から、「これから若い衆を連れず直系組長だけで会いたい。仲のいい直系組長がいれば連れて来て欲しい」と電話で誘われました。そこで、川﨑昌彦・元二代目一心会会長(除籍)と、浅井昌弘・元浅井組組長(謹慎)の2人に連絡して一緒に神戸のある場所へ向かったんです。その部屋には、なぜか奈須幸則・元三代目大門会会長(絶縁)ら、十数名の直系組長がおりましたよ。  盛力本では、その席で謀反の企てが行われて、ワシらが「司忍六代目と髙山清司若頭を殺す」と言ったと書いてありましたが、そんなことは言っていません。盛力はおらんかったくせに、よう書けるもんですわ。  ただ、その場ののりで物騒な話をしたのは事実です。あとは、その集まりが秘密のはずやったのに上層部に筒抜けで、出席したほとんどの直系組長が処分を受ける事態となったことにも驚かされました。集まっただけで謀議と受け取られたのかもしれません。出席しなかった盛力も、信用できないと見なされたのか除籍されました。出席したのに処分を受けなかった現役の直系組長が1人おりますが、そいつが上層部にしゃべったんでしょう。処分されるのが腹立たしくて、一度はケンカしようかとも考えましたが、自分は当時、70歳目前で、今後、若い衆の面倒を見切れるかどうかわからんこともあって処分を受け入れたんです。 ――『鎮魂』には、五代目山口組の宅見勝若頭の暗殺を、渡辺五代目が事前に了承しており、司六代目(当時若頭)が、その事実を提示して渡辺五代目に引退を迫ったとされる記述があります。いわゆるクーデターはあったのでしょうか? 太田 これも、まったくの盛力の作り話です。盛力本によれば、神戸の山口組総本部の奥にある部屋で、司六代目から詰められた渡辺五代目ががっくりとうなだれたそうです。そのとき、盛力は中国の青島にいたんですよ。ここでも、現場にいないのにまるで見てきたように書くんですから呆れましたわ。だいたい、渡辺五代目のことを「渡辺、渡辺」と呼び捨てにできる神経を疑います。亡くなったら、元の親分を慕う気持ちは消えてしまうんでしょうか。ワシにはまったく理解できません。 ――最後に、『血別』を書き上げての感想をお願いします。 太田 とにかく自分が体験した真実のみ書くことを心がけました。例えば「ある親分」ではなく実名を書いて注釈も付けています。伝聞や推論も避けました。そして、渡辺五代目は先見の明があって統率力もある立派な親分でした。ケンカの収め方のほかにも、さまざまなヤクザとしての所作を学ばせていただきました。そして、ワシの道連れで処分されてしまった、いまは亡き川﨑と浅井の2人が、義俠心にあふれた本物の男であったことは間違いありません。亡くなった方に鞭打つようなマネだけは絶対に許されません。死者は反論できないんですから。今回、『血別』を書いた動機として、真実を広めたいとともに、渡辺五代目をはじめ亡くなった親分らの名誉を回復させたいとの思いも強くありました。盛力には『鎮魂』に書いた渡辺五代目ほか、いまは亡き親分衆について、しっかりと詫びてもらいたい。  これまで、『憚りながら』(山口組元舎弟の後藤忠政・元後藤組組長著/宝島社)、『鎮魂』という山口組の元直系組長による書籍は、いずれも大ヒットを記録した。そして、このたびの『血別』も予想通りの売れ行きを見せている。ただ、『血別』のあとがきには、「書いた以上は逃げも隠れもいたしません。(中略)説明しに来いと言われれば、どこにでも出向く所存です」とあるように、行間から漂う本気度や真実味は、とてつもなく大きい。  暴力団排除の流れがますます厳しくなる昨今、アプローチは違えど、日本の裏面史を浮き彫りにした『血別』の凄みをぜひ体感してほしい。 (文=柳沢壱郎) 【1】『鎮魂 さらば、愛しの山口組』 2013年8月30日発売。「宅見若頭射殺事件」に渡辺五代目の介入があったと断言したほか、司忍六代目が興した弘道会が、中部国際空港の利権で最大派閥にのし上がったなど、現体制批判とも取れる内容となっている。大きな話題となったが山口組は沈黙を保ったまま無反応であったという。 【2】和田アキ子の叔父 〈4年間付き合ったけど、ただの1度も美味しい目に遭わせてもらえんどころか、うちの若い衆をタダで使いよるんですわ。(中略)東京へも四国に行くにも、小遣い渡さんと旅費も宿泊費もわしら持ちですわ〉『血別』第4部「斃れざる者たち」P243より