ルメールとデムーロ「あわや失業」!? 来年の凱旋門賞でJRA丸儲け!? 競馬番記者が暴露する「2015競馬の裏側」

 波乱の幕切れとなった大一番・有馬記念(G1)を終え、今年も残すところあと僅か。今回は2015年の競馬界で起きた出来事の中で、編集部が取り上げた3つのニュースを振り返り、競馬界に深く精通する競馬番記者の“記者の目”を通し、業界人だけが知るような“裏事情”も含め、より深く解説していただくことにした。

C・ルメール、M・デムーロが合格。史上初のJRA所属外国人騎手が誕生

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M・デムーロ騎手(JRA公式サイトより)
 史上初のJRA所属外国人騎手が誕生した。フランスのクリストフ・ルメール、イタリアのミルコ・デムーロの世界的名手2人が、RAの新規騎手免許試験に合格。3月より晴れてJRA騎手として、通年での騎乗が認可された。  毎年のように短期免許を取得して来日しており、日本の競馬ファンの間ではすっかりおなじみになっている世界トップレベルの2人が、どれほどの成績を残すのか注目が集まっていたが、JRAの騎手として迎えた1年目は「さすが」の一言に尽きる素晴らしい成績。  両騎手とも、一流騎手の証明でもある年間100勝を楽にクリア。C.ルメールがG1勝ちを含めて重賞9勝、M.デムーロに至っては重賞11勝のうちG1が4つという勝負強さを発揮して1年目を締めくくった。 ◇記者の目  デムーロ騎手とルメール騎手とも、日本ですでに地位が確立されている名手です。これまでは短期免許を利用しての数か月の滞在でしたが、世界トップレベルの騎乗技術に有力な騎乗馬が殺到。そのしわ寄せは日本人の騎手、それも中堅や若手に大きく影響していました。外国人騎手の参入以降、日本競馬は騎手が育たないといわれて久しいですが、これでますます拍車が掛かることは間違いないでしょう。  実はデムーロ騎手は財政危機により母国イタリアの競馬が廃止寸前。競馬関係者への給与未払い問題がたびたび大きく取り上げられています。また、ルメール騎手も欧州の大馬主アガ・カーン殿下の仏国における主戦騎手契約が2014年一杯で切れ、フランスで有力な騎乗馬が回って来にくくなった背景があります。  そんな2人からすれば、今回のJRAの外国人騎手受け入れは、まさに「渡りに舟」。世界的トップジョッキーという立場で、日本語を含めた厳しい騎手試験のために猛勉強した姿は美談として語られていますが“あわや失業”ともなれば必死になるのは当然かもしれません。

三連単・G1史上最高額「2070万5810円」馬券炸裂!!

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JRA公式サイトより
 5月17日、東京競馬場で行われたG1ヴィクトリアマイルでJRA史上2位(当時)、G1史上最高となる三連単「2070万5810円」の高額配当が炸裂。  1着は5番人気のストレイトガールだったものの、2着が12番人気のケイアイエレガント、3着には出走18頭中の最低人気だったミナレットが入線して歴史に残る大波乱となった。なお、発売された5597万7097票のうち、的中はたったの196票だった。 ◇記者の目 「100円が2070万5810円に化ける」とんでもない配当ですが、その最大の立役者はやはり最低人気で3位入線を果たしたミナレットでしょう。競馬で三連単が荒れることは珍しくありませんが、G1で単勝300倍近い最低人気が馬券に絡むとなると数年に一度あるかないか。それもミナレットの鞍上だった江田騎手は“穴党”の競馬ファンの間では有名な騎手で、過去に257.5倍の最低人気でG1を制した実績を持つ日本を代表する穴騎手です。  また、今回の2070万5810円を超える三連単史上1位の高額配当は2983万2950円ですが、そのレースの1着馬がなんとミナレット。つまり今回のG1史上最高配当は、史上まれに見る穴馬と穴男による“JRA最強の大穴コンビ”によって演出されたということです。

凱旋門賞の馬券が買える!2016秋より海外主要レース馬券の国内発売が決定

 農林水産省が来年2016年の秋をメドに、海外主要24レースでの馬券発売を決定。これまで凱旋門賞やドバイワールドカップといった世界最高峰のレースに日本馬が参戦した際、馬券を購入しての応援は現地へ赴くほかなかったが、今決定により国内で手軽に馬券を購入しレースを楽しめるようになった。 ◇記者の目  野球のメジャリーグやサッカーの欧州主要国リーグのように、競馬でも日本勢が海外で活躍すれば、それだけ大きな注目が集まりますが、年末の香港競馬でエイシンヒカリとモーリスがG1を制覇したように、今や日本のトップレベルの馬たちが海外で活躍するのは珍しいことではなくなりました。  ただ、それで頭が痛いのが日本競馬を主催するJRAです。競馬の年間売上げは1997年の4兆円をピークに右肩下がり。具体的な打開策もないまま、現在は2兆円程度で推移しています。そこにトップホースが海外遠征することでG1を始めとしたレースのレベルが下がることはもちろん、マスコミや競馬ファンの関心が海外に向けば、国内の馬券売り上げがさらに低下することが強く懸念されています。  今回の海外主要レースの馬券発売の決定にはそういった背景があり、当然ながら「馬券のオッズや販売システムは、すべてJRAが管理」します。つまりレースこそ海外で行われますが、国内の馬券利益はすべてJRAの総取り。見方を変えれば、競馬場やレースの管理をしなくて済む分、JRAの“坊主丸儲け”のような状況になるということです。

ルメールとデムーロ「あわや失業」!? 来年の凱旋門賞でJRA丸儲け!? 競馬番記者が暴露する「2015競馬の裏側」

 波乱の幕切れとなった大一番・有馬記念(G1)を終え、今年も残すところあと僅か。今回は2015年の競馬界で起きた出来事の中で、編集部が取り上げた3つのニュースを振り返り、競馬界に深く精通する競馬番記者の“記者の目”を通し、業界人だけが知るような“裏事情”も含め、より深く解説していただくことにした。

C・ルメール、M・デムーロが合格。史上初のJRA所属外国人騎手が誕生

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M・デムーロ騎手(JRA公式サイトより)
 史上初のJRA所属外国人騎手が誕生した。フランスのクリストフ・ルメール、イタリアのミルコ・デムーロの世界的名手2人が、RAの新規騎手免許試験に合格。3月より晴れてJRA騎手として、通年での騎乗が認可された。  毎年のように短期免許を取得して来日しており、日本の競馬ファンの間ではすっかりおなじみになっている世界トップレベルの2人が、どれほどの成績を残すのか注目が集まっていたが、JRAの騎手として迎えた1年目は「さすが」の一言に尽きる素晴らしい成績。  両騎手とも、一流騎手の証明でもある年間100勝を楽にクリア。C.ルメールがG1勝ちを含めて重賞9勝、M.デムーロに至っては重賞11勝のうちG1が4つという勝負強さを発揮して1年目を締めくくった。 ◇記者の目  デムーロ騎手とルメール騎手とも、日本ですでに地位が確立されている名手です。これまでは短期免許を利用しての数か月の滞在でしたが、世界トップレベルの騎乗技術に有力な騎乗馬が殺到。そのしわ寄せは日本人の騎手、それも中堅や若手に大きく影響していました。外国人騎手の参入以降、日本競馬は騎手が育たないといわれて久しいですが、これでますます拍車が掛かることは間違いないでしょう。  実はデムーロ騎手は財政危機により母国イタリアの競馬が廃止寸前。競馬関係者への給与未払い問題がたびたび大きく取り上げられています。また、ルメール騎手も欧州の大馬主アガ・カーン殿下の仏国における主戦騎手契約が2014年一杯で切れ、フランスで有力な騎乗馬が回って来にくくなった背景があります。  そんな2人からすれば、今回のJRAの外国人騎手受け入れは、まさに「渡りに舟」。世界的トップジョッキーという立場で、日本語を含めた厳しい騎手試験のために猛勉強した姿は美談として語られていますが“あわや失業”ともなれば必死になるのは当然かもしれません。

三連単・G1史上最高額「2070万5810円」馬券炸裂!!

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JRA公式サイトより
 5月17日、東京競馬場で行われたG1ヴィクトリアマイルでJRA史上2位(当時)、G1史上最高となる三連単「2070万5810円」の高額配当が炸裂。  1着は5番人気のストレイトガールだったものの、2着が12番人気のケイアイエレガント、3着には出走18頭中の最低人気だったミナレットが入線して歴史に残る大波乱となった。なお、発売された5597万7097票のうち、的中はたったの196票だった。 ◇記者の目 「100円が2070万5810円に化ける」とんでもない配当ですが、その最大の立役者はやはり最低人気で3位入線を果たしたミナレットでしょう。競馬で三連単が荒れることは珍しくありませんが、G1で単勝300倍近い最低人気が馬券に絡むとなると数年に一度あるかないか。それもミナレットの鞍上だった江田騎手は“穴党”の競馬ファンの間では有名な騎手で、過去に257.5倍の最低人気でG1を制した実績を持つ日本を代表する穴騎手です。  また、今回の2070万5810円を超える三連単史上1位の高額配当は2983万2950円ですが、そのレースの1着馬がなんとミナレット。つまり今回のG1史上最高配当は、史上まれに見る穴馬と穴男による“JRA最強の大穴コンビ”によって演出されたということです。

凱旋門賞の馬券が買える!2016秋より海外主要レース馬券の国内発売が決定

 農林水産省が来年2016年の秋をメドに、海外主要24レースでの馬券発売を決定。これまで凱旋門賞やドバイワールドカップといった世界最高峰のレースに日本馬が参戦した際、馬券を購入しての応援は現地へ赴くほかなかったが、今決定により国内で手軽に馬券を購入しレースを楽しめるようになった。 ◇記者の目  野球のメジャリーグやサッカーの欧州主要国リーグのように、競馬でも日本勢が海外で活躍すれば、それだけ大きな注目が集まりますが、年末の香港競馬でエイシンヒカリとモーリスがG1を制覇したように、今や日本のトップレベルの馬たちが海外で活躍するのは珍しいことではなくなりました。  ただ、それで頭が痛いのが日本競馬を主催するJRAです。競馬の年間売上げは1997年の4兆円をピークに右肩下がり。具体的な打開策もないまま、現在は2兆円程度で推移しています。そこにトップホースが海外遠征することでG1を始めとしたレースのレベルが下がることはもちろん、マスコミや競馬ファンの関心が海外に向けば、国内の馬券売り上げがさらに低下することが強く懸念されています。  今回の海外主要レースの馬券発売の決定にはそういった背景があり、当然ながら「馬券のオッズや販売システムは、すべてJRAが管理」します。つまりレースこそ海外で行われますが、国内の馬券利益はすべてJRAの総取り。見方を変えれば、競馬場やレースの管理をしなくて済む分、JRAの“坊主丸儲け”のような状況になるということです。

武豊の不倫以外にも、自殺・引退・落馬負傷……一筋縄ではいかない「競馬騎手2015」

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 今年の競馬界は、日本競馬の“顔”である武豊騎手が6年ぶりの100勝を達成し、G1も3勝(地方・海外ふくむ)と久々に「天才」らしい活躍をしてくれた。ただ、競馬に特別興味のない一般層には、別の意味で注目された1年でもあった。いろいろあった2015年の競馬界の人間模様を振り返る。

後藤浩輝騎手の自殺……抱えた心の闇と壮絶な人生

2015年2月27日、自宅の脱衣所で首を吊っている状態で死亡しているのが発見された後藤浩輝騎手。死の前日に後藤騎手と話した知人も、『いつもと変わらない様子で、まさか翌日に自殺するなんて想像もできなかった。いまだに信じられない。これは何かの間違いなんじゃないかって思う』と話しているほど、突然すぎる死だった。明るいパフォーマンスで競馬界を盛り上げて、G1レースを制し、JRA(日本中央競馬会)歴代16位の通算1447勝を挙げた後藤騎手は、まぎれもない名ジョッキーであった。 ファンの間でささやかれているのは落馬、負傷を繰り返しているうちに「死にたくなったのかもしれない」という疑念だ。確かに、後藤騎手は度重なる落馬トラブルに遭っていた。12年に5月6日のNHKマイルカップなどで2度落馬し、「頸椎骨折、頭蓋骨亀裂骨折」と診断。復帰後の14年4月27日の東京競馬10R「府中市制60周年記念」でも落馬し、「第五、第六頸椎辣突起骨折」に見舞われた。  その一方で、後藤騎手にも近しい別の競馬サークル関係者は、それは根本的な自殺原因ではないと断じる。  小さい頃、実父に一家心中させられそうになり、父と離れてからも母や種違いの弟との生活など、後藤騎手が歩んだ人生は一般人とは一線を画すものである。そうした家庭環境が、後藤騎手の“闇”を作る根源にあるのではないかと……。  亡くなる一カ月前には、イベントでガラの悪い連中との接触も語られている後藤騎手。謎は深まるばかりだが、まずは改めて、心からご冥福をお祈りしたい。
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『特別模範男』(東洋出版)

藤田伸二が引退……日本競馬の“現実”に敗れた?

 JRA所属、ダービージョッキーの藤田伸二騎手(栗東・フリー)が9月6日、札幌競馬騎乗をもって引退することを発表した。JRA通算1918勝(うちG1・17勝)名手がターフから去ったのだ。ただ、なぜ今年だったのか。  藤田が、特にエージェント制度や外国人騎手偏重を中心として、JRAを公然と批判した著書「騎手の一分 競馬界の真実」(講談社)を発表したのは2013年5月。その時点で競馬界への興味はほぼなくなっていると語っており、とうに引退していても不思議ではなかったはずである。未練があった、ということか……。11年に「ヒルノダムールが引退したら、俺も一緒に辞める」と発言したという情報や、G1競走4勝(地方交流含む)のトランセンドについても、「トランセンドが辞める時は、俺も潮時だな」などとつぶやいたという話もあったが、2頭が現役を引退しても、藤田が身を引くことはなかった。「もう辞め時かも」とグチることで同情を誘い、騎乗の営業をかけているという良からぬ噂も流れていたようだ。  今年引退した本当の理由、それは“立つ瀬”がなくなったというのが主な見解だ。昨年まで「短期免許」で数カ月の滞在のみだったM・デムーロとC・ルメールというなじみ深い外国人騎手に、今年から「JRAの通年免許」が与えられ、当然のごとくリーディング上位に食い込んできた。『騎手の一分』によってJRAから距離を置かれた上、外国人騎手に騎乗馬を奪われた中で、騎手でいることが難しくなったという意見もある。 “男・藤田”として、長きにわたり中央競馬に確かなスパイスを与えてくれた藤田伸二。結局は、彼も現在の競馬界の“現実”に屈したということなのだろうか。
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武豊とフリーアナ・美馬玲子の不倫騒動と競馬界の“圧”

 武豊の“手つなぎ不倫デート”を、10月22日発売の「女性セブン」(小学館)が報じた。お相手は15歳年下でセントフォース所属、モデル・フリーアナウンサーの美馬玲子(りょうこ)と記事は伝えている。名前に「馬」があるのがなんとも武らしい。2人は競馬番組をきっかけに知り合ったという。  武が中山競馬場で開催されたスプリンターズS(G1)に騎乗した夜のこと。フランス凱旋門賞の解説など仕事をこなした後、武は美馬アナとの“危険な逢瀬”を楽しんだのだ。記事によると、下品なほど露出度の高いドレスを着た美馬アナと手をつないだ武は、時折ドレスのスリットに手を這わせて腰や尻を触っていたのだとか。   武自身は取材に対し「特別親しいわけではない」と語ったようだが、手をつないで素肌を触りまくっている時点で説得力はほぼ皆無だ。ネット上では「あなたもオトコだったのね」「がっかり」「最低」など、誠実そうな物腰と風貌の“武豊イメージ”崩壊になげくファンの声であふれ返った。武の妻である元タレントの佐野量子が、同月10日の『豊さんと憲武ちゃん!旅する相棒~1泊2日京都編~』(テレビ朝日系)で20年ぶりに揃ってテレビ出演し、その「おしどり夫婦」ぶりを見せたばかりでのこのスキャンダル。「女性セブン」もなかなかエグい。  しかし、この一大スキャンダルに、新聞やテレビは完全スルーを決め込んだ。ジョッキーのスキャンダルはタブー中のタブー。JRAは最も大事なクライアントで、毎年莫大な広告費を落としてくれる。何気なく見ている出走馬の載った馬柱も、実は広告料が発生している。新聞、テレビはおろか、男性誌やゴシップ誌もJRAの広告なくしては成り立たない。スキャンダルをやれるとしたら、競馬と無縁の女性誌しかないらしい。  なんともいやな側面もあるが、それでもその騎乗技術や華、トーク術やタレント性は競馬界のスターに足るものには違いがない。不倫くらい許してもいいのでは、と思ってしまう。
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福永祐一公式サイトより

福永祐一がまた落馬事故。大レースで結果を出せない理由

 10月31日、京都競馬場で行われたスワンステークス(G2)で落馬した福永祐一騎手。「右肩鎖関節脱臼、右鎖骨剥離骨折、右肩の靱帯断裂、右胸骨骨折」という全治4カ月の重傷を負い、現在まで独走状態だった2年ぶりのリーディングジョッキーも、厳しい状況となってしまった。  そもそも、福永騎手は“落馬が多いジョッキー”と競馬ファンから揶揄され、大手ポータルサイトの検索で「福永祐一」と書き込むと、落馬関連の表記がズラッと並ぶほどだ。  2年前、エピファネイアで菊花賞を勝つまで、牡馬クラシック競走(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)は1996年のデビュー以来未勝利。デビュー当初のキングヘイローにはじまり、最近もワールドエースやリアルスティールなど世代きっての素質馬に乗り続ける福永としては、物足りなさすぎる数字だ。特にG1ではあと一歩、ほんの少しの差で2着に甘んじる姿も目立つことから、勝負弱いともいわれている。「武豊になれない」最大の理由だろう。  私生活でもその“ユルさ”を露呈しているようで、13年に当時フジテレビアナウンサーの松尾翠との婚約を発表するまでは、武幸四郎騎手など、関西の若手騎手とともに多くの合コンに参加していた遊び人で知られていた。モデルの松田樹里、交際当時タレントの若槻千夏、仲根かすみ、グラビアアイドルの森下悠里、手島優といった、多くの芸能人と浮き名を流していたことも周知の事実。オンナ関係の尻尾をなかなかつかませなかった武とは対照的に、福永の恋愛事情はアケスケだったようだ。  福永騎手は結婚を機に合コンは控えているようだが、馬に乗れない期間をどう過ごしたのか? お金はたっぷりあるようなので、遊び人の血が騒ぎ出すのではないかと周囲は危惧している。ファンとしては、まずトップジョッキーらしくG1を勝利しまくってほしいものだ。  トップ騎手たちの悲喜こもごも。来年は暗いニュースやスキャンダルなどなく、競馬ファンを例年以上に大いに湧かせてほしい。

「少女売春の温床に……」半グレ経営のJKビジネス拡大は暴力団の弱体化が原因か

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 業者が摘発を受けながらも秋葉原を中心に大人気のJKビジネスだが、いまだ全国的に拡大傾向にあり、その理由が暴力団の弱体化と無関係ではないという話だ。  国連の役員でもある児童の性的搾取問題の専門家が10月の来日時、「日本の女子生徒の13%が援助交際をしている」との独自の調査結果を発表した。根拠となったのは日本の公的な調査ではなく、JKビジネスなどに関わる複数の風俗業者からのデータ提供だったといわれるが、“巷の援交”の温床となっているのがJKビジネスであることは間違いなさそうだ。  事実、東京・秋葉原を中心に「JKお散歩」、「JK耳かき」など6店舗のオーナーとなっているS氏は「ウチの店に違法性はない」と断言しながらも「ヤクザがいなくなってから無法地帯化しちゃって、むしろ違法業者が増えてしまっている」と、ほかではウラで売春をやっている店があることを明言。 「暴力団が背後にいることが多かったんだけど、ヤクザが警察の摘発を非常に恐れていたから、むしろ『悪いことはするな』の方向性だったんだよ。それがここ数年で組員の人数が減ったりもして、ヤクザの姿が減り、新たに開店した連中がヤクザ抜きでやりたい放題。多いのが韓国系の半グレがやっているやつで、違法なこともへっちゃら。JK本番と呼ばれる売春を広げてる」(S氏)  たしかに深夜の秋葉原を取材中、「お兄さん、ひとつだけ教えて。未成年に興味はありますか?」と声をかけてくる男がいて、興味ありそうな素振りをすると「本番いける店あります」といってきた。案内されそうになったのは、少し前に営業時間を終えてシャッターを閉めたばかりの耳かき店。それ以上は踏み込まなかったが、閉店後にウラ営業していたわけだ。 「そういう店は、営業時間内に看板どおりの仕事をこなしている女性が、そのまま売春婦となることが多い」と前出S氏。  ネット上では「5万円でラブホテルに移動した。エセJKだと思っていたけど本当に17歳だった」など、実際にこうしたJK本番を利用したという人の声も見かけられる。  ただ、一方で「連れて行かれた先で楽しんだ後、男が2人出てきて写真を撮られ、20万円を脅しとられた。自分も違法なことをやっていたから警察に駆け込めない」という被害も見受けられ、無法地帯での売春はトラブルも少なくなさそうだ。 「実際に未成年かどうかはさておき、KJKとかJKKとか呼ばれる在日韓国人の女子高生が絡んでいるJK本番は、韓国系の半グレによる脅しやぼったくりの被害に遭う可能性が高いことで知られてます」(S氏)  秋葉原や上野あたりの繁華街では、いまや新宿・歌舞伎町ばりに「キャッチは違法です。ついていかないようにしましょう」という注意喚起のアナウンスが流れるようになったが、「JK本番どうですか」と声をかけてくる呼び込みは、いまだ横行中。 「ヤクザがいた方が違法な店は少なかった。このままではJKビジネスに全面規制が入りそうで怖い」とS氏。山口組の分裂騒動があって、なお半グレなどのJK風俗進出が加速しているようだ。 (文=ハイセーヤスダ)

武豊の美技からサブちゃん涙の初優勝、そして日本馬が香港で大活躍……2015年競馬ベストレースを発表!

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JRA公式サイトより
 早いもので、2015年も残すところあと数日。各メディアでは日本中を盛り上げたスポーツの名シーンが取り上げられているが、先日行われた第60回有馬記念も、かなりの盛り上がりを見せた。12万7,281人のファンが中山競馬場に来場し、馬券の売り上げも前年比107.2%となる416億1,774万9,800円を記録。競馬も大きく盛り上がった1年だったといえよう。  2015年は、地方競馬はまだ大一番の東京大賞典などを残すが、主流となるJRA日本中央競馬会は全日程が終了。  今回は、その中で特に印象に残る歴史に語り継がれるであろう「ベストレース」を紹介したい。なお対象レースは、2015年で国内外で日本馬が出走したレースに限定した。 (レース映像は「YouTube」より) ■第1位 第60回有馬記念 [12/27日本・JRA] ゴールドシップの引退レースに12万人を超える競馬ファンが来場。全盛期を思わせるゴールドシップのまくりに競馬場に大歓声が響くが、結果は“違う”ゴールドのゴールドアクターが勝利。吉田隼人騎手は悲願のG1初優勝。 https://www.youtube.com/watch?v=dqwIw3Qsfdk ■第2位 香港マイル [12/13香港] 多くの競馬ファンが注目した日本と香港のマイル王対決。結果は日本の最強マイル王モーリスが香港の英雄エイブルフレンドに圧勝! https://www.youtube.com/watch?v=p4YfkmCuyMs ■第3位 香港カップ [12/13香港] 武豊騎手騎乗のエイシンヒカリが人気薄ながら逃げ切りレコードタイムで快勝!2着もヌーヴォレコルトで日本馬がワンツーフィニッシュ。武豊騎手は8年ぶり8回目の海外G1優勝。 https://www.youtube.com/watch?v=6sjtMNgLbz4 ■第4位 第151回天皇賞・春 [5/3日本・JRA] ゴールドシップが苦手と言われた京都競馬場で現役最多G1・6勝目を達成。ライバルのキズナに圧勝して古馬ナンバー1の位置を不動のものに。 https://www.youtube.com/watch?v=2g92LEcL2Mo ■第5位 第76回菊花賞 [10/25日本・JRA] サブちゃんこと演歌歌手北島三郎氏が所有するキタサンブラックが勝利し、サブちゃんは20年を超える馬主歴で初のG1オーナーに。レース後に持ち歌「まつり」の菊花賞勝利バージョンを披露したことも記憶に新しい。 https://www.youtube.com/watch?v=J6028Kq5Aao  以上5つのベストレースをあげてみたが、有馬記念や香港2レースに対する評価は多くのファンからも同意を得られるはずだ。有馬記念の優勝馬ゴールドアクターは、挑戦者ではなく王者として5月の天皇賞(春)を闘うだろうし、モーリスとエイシンヒカリにもますます注目が集まる。  競馬はその一つ一つのレースが未来に繋がり、そして思い出を重ねていくもの。2016年もどんなレースが待っているのか今から楽しみだ。

武豊の美技からサブちゃん涙の初優勝、そして日本馬が香港で大活躍……2015年競馬ベストレースを発表!

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JRA公式サイトより
 早いもので、2015年も残すところあと数日。各メディアでは日本中を盛り上げたスポーツの名シーンが取り上げられているが、先日行われた第60回有馬記念も、かなりの盛り上がりを見せた。12万7,281人のファンが中山競馬場に来場し、馬券の売り上げも前年比107.2%となる416億1,774万9,800円を記録。競馬も大きく盛り上がった1年だったといえよう。  2015年は、地方競馬はまだ大一番の東京大賞典などを残すが、主流となるJRA日本中央競馬会は全日程が終了。  今回は、その中で特に印象に残る歴史に語り継がれるであろう「ベストレース」を紹介したい。なお対象レースは、2015年で国内外で日本馬が出走したレースに限定した。 (レース映像は「YouTube」より) ■第1位 第60回有馬記念 [12/27日本・JRA] ゴールドシップの引退レースに12万人を超える競馬ファンが来場。全盛期を思わせるゴールドシップのまくりに競馬場に大歓声が響くが、結果は“違う”ゴールドのゴールドアクターが勝利。吉田隼人騎手は悲願のG1初優勝。 https://www.youtube.com/watch?v=dqwIw3Qsfdk ■第2位 香港マイル [12/13香港] 多くの競馬ファンが注目した日本と香港のマイル王対決。結果は日本の最強マイル王モーリスが香港の英雄エイブルフレンドに圧勝! https://www.youtube.com/watch?v=p4YfkmCuyMs ■第3位 香港カップ [12/13香港] 武豊騎手騎乗のエイシンヒカリが人気薄ながら逃げ切りレコードタイムで快勝!2着もヌーヴォレコルトで日本馬がワンツーフィニッシュ。武豊騎手は8年ぶり8回目の海外G1優勝。 https://www.youtube.com/watch?v=6sjtMNgLbz4 ■第4位 第151回天皇賞・春 [5/3日本・JRA] ゴールドシップが苦手と言われた京都競馬場で現役最多G1・6勝目を達成。ライバルのキズナに圧勝して古馬ナンバー1の位置を不動のものに。 https://www.youtube.com/watch?v=2g92LEcL2Mo ■第5位 第76回菊花賞 [10/25日本・JRA] サブちゃんこと演歌歌手北島三郎氏が所有するキタサンブラックが勝利し、サブちゃんは20年を超える馬主歴で初のG1オーナーに。レース後に持ち歌「まつり」の菊花賞勝利バージョンを披露したことも記憶に新しい。 https://www.youtube.com/watch?v=J6028Kq5Aao  以上5つのベストレースをあげてみたが、有馬記念や香港2レースに対する評価は多くのファンからも同意を得られるはずだ。有馬記念の優勝馬ゴールドアクターは、挑戦者ではなく王者として5月の天皇賞(春)を闘うだろうし、モーリスとエイシンヒカリにもますます注目が集まる。  競馬はその一つ一つのレースが未来に繋がり、そして思い出を重ねていくもの。2016年もどんなレースが待っているのか今から楽しみだ。

東京五輪・新国立競技場問題が“グダグダ”すぎ! パクリ疑惑浮上で

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日本スポーツ振興センター公式サイトより
“グダグダ五輪”とも揶揄される東京五輪がらみのすったもんだ。施工費の問題で見直しとなった新国立競技場については、新たに採用された隈研吾氏のデザインに早くもケチがついた。旧デザインの設計者ザハ・ハディド氏が“パクリ”を主張し始めたからだ。  一見して外観などは別物だが、ザハ氏の事務所は隈氏のデザインに「類似性があるかどうか調査を始めた。知的所有権は我々にある」とした。  この疑いはA、B2案で争って敗れた伊東豊雄氏からも「訴えられるデザイン」と指摘されている。  実際、専門家である建築家に聞いてみても「柱の位置やスタンドの角度、コンコースや部屋の場所や大きさまで一致するなど、基礎の骨組みが同じです。おそらく発注済みの資材などを、そのまま生かしているのでは」という話だ。すべてをやり直しているかのように見えて、中身はさほど変わっていないというわけだ。 「ただ、調査をしているということをわざわざ明かしている時点で、本格的に訴訟をするという段階ではないでしょう。ぶっちゃけ、一定のカネをよこせということ。組織委もおそらくそのあたりは想定内で、隈氏に原形をなぞったものを作らせたのだと思います」と建築家。  おそらくは工期を優先するため、恥を承知で前デザインを踏襲した格好だ。しかし、そうなると先のA、B案の争いはなんだったのかとなる。  伊東氏も隈氏案が選ばれたこと自体に「A案ありきだった」と“出来レース”の疑いも口にしている。ライバルB案が評判を落としたのは、組織委の森喜朗会長が「こっちがいい」と口にしたことへの世間の反発もあったが、前出建築家は「森さんはそれを見越して、わざと当選するはずのないBを褒めたのでは」と推察している。 「隈氏のデザインは大成建設と組んで出されたものですが、大成建設はもともと競技場の建設に関わっていたので、こうなると建設費に上乗せとか、えげつないことをやりそうな予感もある」と建築家。  一説にはその“上乗せ”に、大会場での音楽イベントが好調なことを示すデータを基にした音響面の強化を後付けするのではないかともいわれる。これは通信社の記者が「隈氏は坂本龍一氏とも親しい人ですから、ああいう大物ミュージシャンの名前と知恵を借りて大掛かりな追加をしてきそう」という話をしている。 「高名なミュージシャンが絡むと芸術を大義名分に浪費がかさむことが多いので、下手すれば最初のザハ案よりも高くつく可能性もある」と記者。  いずれにせよザハ案をベースとしたデザインにした以上、“カネ”の支払いが出てきそうだが「聞くところによると、ザハ事務所はコンプライアンス担当が、ミック・ジャガーやイギリスの航空会社・ブリティッシュ・エアウェイズなども担当する辣腕弁護士事務所で、知的財産権として半永久的な毎年の権利料の支払いを求めるのではないかという声もある」と建築家。  さらに、この競技場の建設に関しては、都心の資材搬入に通常よりも時間がかかるという問題も抱えており、特殊な搬入手法にも莫大なコストが追加されると話す関係者もいる。  このあたりの不安な点を東京都オリンピック・パラリンピック準備局に聞いてみたが「こちらでは把握していません。もし連絡があるとすれば日本スポーツ振興センターの方ではないでしょうか」と他人ごとだった。まったくクールじゃない話だ。 (文=ハイセーヤスダ)

東京五輪・新国立競技場問題が“グダグダ”すぎ! パクリ疑惑浮上で

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日本スポーツ振興センター公式サイトより
“グダグダ五輪”とも揶揄される東京五輪がらみのすったもんだ。施工費の問題で見直しとなった新国立競技場については、新たに採用された隈研吾氏のデザインに早くもケチがついた。旧デザインの設計者ザハ・ハディド氏が“パクリ”を主張し始めたからだ。  一見して外観などは別物だが、ザハ氏の事務所は隈氏のデザインに「類似性があるかどうか調査を始めた。知的所有権は我々にある」とした。  この疑いはA、B2案で争って敗れた伊東豊雄氏からも「訴えられるデザイン」と指摘されている。  実際、専門家である建築家に聞いてみても「柱の位置やスタンドの角度、コンコースや部屋の場所や大きさまで一致するなど、基礎の骨組みが同じです。おそらく発注済みの資材などを、そのまま生かしているのでは」という話だ。すべてをやり直しているかのように見えて、中身はさほど変わっていないというわけだ。 「ただ、調査をしているということをわざわざ明かしている時点で、本格的に訴訟をするという段階ではないでしょう。ぶっちゃけ、一定のカネをよこせということ。組織委もおそらくそのあたりは想定内で、隈氏に原形をなぞったものを作らせたのだと思います」と建築家。  おそらくは工期を優先するため、恥を承知で前デザインを踏襲した格好だ。しかし、そうなると先のA、B案の争いはなんだったのかとなる。  伊東氏も隈氏案が選ばれたこと自体に「A案ありきだった」と“出来レース”の疑いも口にしている。ライバルB案が評判を落としたのは、組織委の森喜朗会長が「こっちがいい」と口にしたことへの世間の反発もあったが、前出建築家は「森さんはそれを見越して、わざと当選するはずのないBを褒めたのでは」と推察している。 「隈氏のデザインは大成建設と組んで出されたものですが、大成建設はもともと競技場の建設に関わっていたので、こうなると建設費に上乗せとか、えげつないことをやりそうな予感もある」と建築家。  一説にはその“上乗せ”に、大会場での音楽イベントが好調なことを示すデータを基にした音響面の強化を後付けするのではないかともいわれる。これは通信社の記者が「隈氏は坂本龍一氏とも親しい人ですから、ああいう大物ミュージシャンの名前と知恵を借りて大掛かりな追加をしてきそう」という話をしている。 「高名なミュージシャンが絡むと芸術を大義名分に浪費がかさむことが多いので、下手すれば最初のザハ案よりも高くつく可能性もある」と記者。  いずれにせよザハ案をベースとしたデザインにした以上、“カネ”の支払いが出てきそうだが「聞くところによると、ザハ事務所はコンプライアンス担当が、ミック・ジャガーやイギリスの航空会社・ブリティッシュ・エアウェイズなども担当する辣腕弁護士事務所で、知的財産権として半永久的な毎年の権利料の支払いを求めるのではないかという声もある」と建築家。  さらに、この競技場の建設に関しては、都心の資材搬入に通常よりも時間がかかるという問題も抱えており、特殊な搬入手法にも莫大なコストが追加されると話す関係者もいる。  このあたりの不安な点を東京都オリンピック・パラリンピック準備局に聞いてみたが「こちらでは把握していません。もし連絡があるとすれば日本スポーツ振興センターの方ではないでしょうか」と他人ごとだった。まったくクールじゃない話だ。 (文=ハイセーヤスダ)

実行犯は韓国人?  著者が肉薄した、20世紀最後の未解決事件『世田谷一家殺人事件』の真相

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『世田谷一家殺人事件 15年目の真実』(角川書店)
 2000年12月31日。20世紀最後の日として世間が沸き立っていたこの日、恐ろしい惨劇のニュースが飛び込んできた。世田谷に住む会社員・宮澤みきおさん宅で、一家4人が惨殺されたこの事件は、年末気分、世紀末気分に浮かれた日本中に冷水を浴びせかけた……。  事件からもうすぐ15年となる現在も、いまだ解決の糸口はつかめず、迷宮入りとなっているこの事件を追い続けたジャーナリストの一橋文哉氏が、『世田谷一家殺人事件 15年目の新事実』(角川書店)を上梓した。いったい、なぜ犯人は見つからないままなのか? そして、一橋氏がつかんだ「新事実」とは? 本書の記述に即して、15年前の未解決事件を振り返ってみよう。  当初から、その異常性が取り沙汰されたこの事件。一家4人を惨殺するというだけでも十分に卑劣な犯行だが、みきおさんに対しては十数カ所のめった刺しにして殺害。妻・泰子さんには70カ所以上の切り傷、打撲痕などがあり、顔は原形をとどめないほどに切り刻まれていた。さらに、8歳の長女・にいなちゃんに対しては殴打によって歯を砕き、包丁で顔面を切り刻んだ挙げ句、腹部をえぐる……と、とても人間の仕業とは思えない方法で殺害されたのだった。  さらに犯人は、推定犯行時刻である午後11時から、少なくとも数時間にわたって血まみれの被害者宅にとどまり、ペットボトルのお茶や、冷蔵庫にあったメロン、ハムなどを平らげ、スプーンも使わずアイスをむさぼっていた。書類の山を風呂場に投げ捨てたり、トイレに大便を放置するなど、犯行後の行動も常軌を逸していたのだ。  だが、この事件は早期に解決するものと思われていた。現場には、犯人の指紋や血痕、靴の跡、トレーナー、バッグ、帽子など、大量の遺留品が残されていた。それにもかかわらず、この事件が迷宮入りしたのはなぜか? 一橋氏は、その理由に初動捜査のミスを挙げる。 「特捜本部は、犯人を『指紋や物証を随所にベタベタと残した、賢くない粗暴な若者』か、『精神に障害を持った人間』と決め付け、『捜査の網を大きく広げて不審な人物の情報を掴むか、病院で待ち構えていれば、即逮捕できる』と油断した、としか思えない。だが、過去の未解決事件の多くがそうだったように、そうした先入観やある種の思い込みに基づいて捜査を始めると、警察関係者はもとより、事件当事者や一般市民も事件の本質や犯人像について誤ったイメージを抱いてしまい、そこに大きな落とし穴が待ち受けていることが多いのだ」  そして、一橋氏はそんな警察の捜査をよそに、独自の取材で事件の深層を追及してゆく。すると、警察の見立てとは異なった人物像が浮かび上がってきた。  一橋氏の取材によって浮上してきたのが、韓国人の李仁恩(仮名)という男。一橋氏は、韓国に赴き、この男性に直接の取材を敢行する。すると、世田谷事件についてやたら詳しく、軍人としてのキャリアがあることも判明。何よりも、李の指紋を採取し、捜査当局が採取した事件現場の指紋との照合を試みたところ、「ほぼ一致する」という結果を得たのだ。残念ながら、李はすでに死亡しており、その亡がらは京都にある墓に葬られているとされる。  しかし、一橋氏によれば、彼はあくまでも実行犯にすぎず、本当の黒幕は別のところにいるという。一橋氏が事件の主犯と目しているのは、李が「カネダのおっちゃん」と語り、心酔していた人物。「カネダ」はキリスト教系宗教団体の幹部であり、宮澤さんの妻・泰子さんが参加していた言語障害児を抱える親のための福祉グループでボランティアをしていた。この「カネダ」を直撃すると、一橋氏の追及に対してしどろもどろの釈明をし、ついに「(世田谷事件は)私がやらせたことじゃない。本当の黒幕はBだ」と告白する。  カネダの発言に登場するBとは、裏社会で暗躍する不動産ブローカーとも密接な付き合いのある資産家。当時、宮澤家は都立祖師谷公園の拡張に伴って、土地を東京都に売却するなどして1億数千万円に上る現金を持っていた。一橋氏の見立てによれば、この金を狙ってBが犯行を計画し、カネダが李を実行犯に指名して犯行が行われる。その結末が、一家4人の惨殺という悲劇だったのだ……。  15年にわたって、警察が動員した捜査員の数は延べ24万人。それにもかかわらず、解決への筋道はついていないままだ。はたして、一橋氏の見立て通り、宮澤家が手にした金をめぐって一家惨殺が行われたのだろうか? 現在、犯人逮捕につながる情報提供には2,000万円の懸賞金がかけられ、捜査はいまだに続行されている。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])

実行犯は韓国人?  著者が肉薄した、20世紀最後の未解決事件『世田谷一家殺人事件』の真相

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『世田谷一家殺人事件 15年目の真実』(角川書店)
 2000年12月31日。20世紀最後の日として世間が沸き立っていたこの日、恐ろしい惨劇のニュースが飛び込んできた。世田谷に住む会社員・宮澤みきおさん宅で、一家4人が惨殺されたこの事件は、年末気分、世紀末気分に浮かれた日本中に冷水を浴びせかけた……。  事件からもうすぐ15年となる現在も、いまだ解決の糸口はつかめず、迷宮入りとなっているこの事件を追い続けたジャーナリストの一橋文哉氏が、『世田谷一家殺人事件 15年目の新事実』(角川書店)を上梓した。いったい、なぜ犯人は見つからないままなのか? そして、一橋氏がつかんだ「新事実」とは? 本書の記述に即して、15年前の未解決事件を振り返ってみよう。  当初から、その異常性が取り沙汰されたこの事件。一家4人を惨殺するというだけでも十分に卑劣な犯行だが、みきおさんに対しては十数カ所のめった刺しにして殺害。妻・泰子さんには70カ所以上の切り傷、打撲痕などがあり、顔は原形をとどめないほどに切り刻まれていた。さらに、8歳の長女・にいなちゃんに対しては殴打によって歯を砕き、包丁で顔面を切り刻んだ挙げ句、腹部をえぐる……と、とても人間の仕業とは思えない方法で殺害されたのだった。  さらに犯人は、推定犯行時刻である午後11時から、少なくとも数時間にわたって血まみれの被害者宅にとどまり、ペットボトルのお茶や、冷蔵庫にあったメロン、ハムなどを平らげ、スプーンも使わずアイスをむさぼっていた。書類の山を風呂場に投げ捨てたり、トイレに大便を放置するなど、犯行後の行動も常軌を逸していたのだ。  だが、この事件は早期に解決するものと思われていた。現場には、犯人の指紋や血痕、靴の跡、トレーナー、バッグ、帽子など、大量の遺留品が残されていた。それにもかかわらず、この事件が迷宮入りしたのはなぜか? 一橋氏は、その理由に初動捜査のミスを挙げる。 「特捜本部は、犯人を『指紋や物証を随所にベタベタと残した、賢くない粗暴な若者』か、『精神に障害を持った人間』と決め付け、『捜査の網を大きく広げて不審な人物の情報を掴むか、病院で待ち構えていれば、即逮捕できる』と油断した、としか思えない。だが、過去の未解決事件の多くがそうだったように、そうした先入観やある種の思い込みに基づいて捜査を始めると、警察関係者はもとより、事件当事者や一般市民も事件の本質や犯人像について誤ったイメージを抱いてしまい、そこに大きな落とし穴が待ち受けていることが多いのだ」  そして、一橋氏はそんな警察の捜査をよそに、独自の取材で事件の深層を追及してゆく。すると、警察の見立てとは異なった人物像が浮かび上がってきた。  一橋氏の取材によって浮上してきたのが、韓国人の李仁恩(仮名)という男。一橋氏は、韓国に赴き、この男性に直接の取材を敢行する。すると、世田谷事件についてやたら詳しく、軍人としてのキャリアがあることも判明。何よりも、李の指紋を採取し、捜査当局が採取した事件現場の指紋との照合を試みたところ、「ほぼ一致する」という結果を得たのだ。残念ながら、李はすでに死亡しており、その亡がらは京都にある墓に葬られているとされる。  しかし、一橋氏によれば、彼はあくまでも実行犯にすぎず、本当の黒幕は別のところにいるという。一橋氏が事件の主犯と目しているのは、李が「カネダのおっちゃん」と語り、心酔していた人物。「カネダ」はキリスト教系宗教団体の幹部であり、宮澤さんの妻・泰子さんが参加していた言語障害児を抱える親のための福祉グループでボランティアをしていた。この「カネダ」を直撃すると、一橋氏の追及に対してしどろもどろの釈明をし、ついに「(世田谷事件は)私がやらせたことじゃない。本当の黒幕はBだ」と告白する。  カネダの発言に登場するBとは、裏社会で暗躍する不動産ブローカーとも密接な付き合いのある資産家。当時、宮澤家は都立祖師谷公園の拡張に伴って、土地を東京都に売却するなどして1億数千万円に上る現金を持っていた。一橋氏の見立てによれば、この金を狙ってBが犯行を計画し、カネダが李を実行犯に指名して犯行が行われる。その結末が、一家4人の惨殺という悲劇だったのだ……。  15年にわたって、警察が動員した捜査員の数は延べ24万人。それにもかかわらず、解決への筋道はついていないままだ。はたして、一橋氏の見立て通り、宮澤家が手にした金をめぐって一家惨殺が行われたのだろうか? 現在、犯人逮捕につながる情報提供には2,000万円の懸賞金がかけられ、捜査はいまだに続行されている。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])