批判も怖い、テロも怖い……熊本地震現場にも、サミット取材にも「行きたくない」マスコミたち

isesima0425
G7 伊勢志摩サミット公式サイトより
 強まるテロ警戒に、テレビマンたちがビビっている。熊本地震では無礼な振る舞いでひんしゅくを買った取材クルーが、5月の主要国首脳会議「伊勢志摩サミット」(26~27日)に対しては及び腰だというのだ。  日本が議長国を務める同サミットについてはフランスの駐日大使が「テロ対策を」と要望したほど警戒されており、開催地の三重県だけでなく全国各地の警察などが非常時の訓練を行っている。千葉県の成田空港でも4月14日、生物・化学兵器や放射性物質、爆発物などのテロを想定した大規模訓練があり、航空会社の職員らも参加、パリやベルギーで実際に起こった同時テロの実例を反映させたリアルなものとなった。  これだけ警戒が強まっているのは、各国でテロが頻発しているからという理由だけではなく、今年1月、安倍晋三首相が「テロ組織ISの対策に2億ドル出す」としたことも一因だ。これに、ISが英語版機関紙「ダビク」の記事にて「安倍晋三の愚かさにより、すべての日本国民が戦闘員の標的となった」と宣告している。  警察関係者の話では「日本全国どこでもテロの標的となることを想定していますが、特にサミットの開催地、賢島は主要国のトップが集まるので、周辺にある伊勢神宮あたりも警備を強化せざるを得ない」という。  賢島から伊勢神宮までは車で1時間もかからない距離であり、途中には天の岩戸などの観光スポットも点在し、十分テロの対象になりえる。なにしろISは、過去のテロでも各地で歴史的建造物や博物館などを破壊することで力を誇示しており、他宗教の中心地といえる伊勢神宮が狙われる可能性はある。そのほか、全国各地で行われるスポーツやコンサートなどのビッグイベントも重要警戒エリアとされるようで、各会場に警察官が派遣される模様だ。  しかし、その一方でテレビ界からは弱腰な声も聞かれる。「万一の際に現場取材できるように」と、一部の報道番組はテロが起こったと仮定して現場に急行できるシナリオを作っているというが、某全国ネット局の報道番組ディレクターによると「行きたくないというスタッフが意外に多い」というのだ。 「万が一の際に駆けつける担当者は一応、決めておくんですが、これは東日本大震災のとき、通常の外ロケスタッフが現地の取材に腰が引け、人員配置で大混乱したからです。さらに、ディレクターまでもが弱腰で『私には無理』と言って取材に出ず、今度は配置転換まで起こり再混乱したんです。なので、今のうちに非常時の担当を決めておくことになりましたが、『行きたくない』と言うとかっこ悪いからか、サミットのタイミングで有給休暇をとる者がいたり、緊急要員を嫌がる人が目立ってます」(同)  これは実のところ、先の熊本地震が無関係ではないという。 「みんな内心、テロなんて起こるわけがないと思っていたりするのですが、熊本地震があって緊急時の担当が出て行ったのを横目で見て、その恐怖をリアルに感じてしまったようです」(同)  その熊本地震でも日本テレビの情報番組内で現場取材を断ったスタッフがいたという話だが、これは危険を伴うということだけが理由ではなく、一部で取材態度が批判された関係者がいたことから「被災現場では何をしても批判されやすいから行きたくない」と漏らしていたという。 「正直、高い手当が出るなら別だという人もいますし、ある局のキャスターは現地入りのプランに『特別手当として500万円』を実際に要求したほど」(前出ディレクター)  もっとも、キャスターが現場に出たところで被災地で役に立つわけでもない。テロ警戒に命を張って警備にあたる者もいれば、怖がって職務放棄をする者もいるのが現実か。 (文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)

【熊本地震】川内原発停止を叫んだ4.19反原発官邸前デモ、仲間内でも懐疑的な声が……

Kyudenhonsha
(C)Muyo/wikipediaより
 熊本地震では、鹿児島・川内原発に事故の懸念も広がり、共産党や反原発団体が運転停止を求めているが、逆に九州の人々からは「今止めれば被災地の電気復旧の妨げになる」という反発も出ている。九州電力を取材してきた地元紙記者によると「今回の地震で安全上の問題は生じていないのが結論」だという。 「既定では、想定される最大の震動が620ガルとされているんですが、原発はそれよりずっと前の160ガルで自動停止するようにできています。今回の地震では、熊本で最大のマグニチュード7を記録した時間帯に薩摩川内市でも震度4程度が観測されましたが、わずか8.6ガルだったんです」  ところが、反原発を主張する政党や団体は即時停止を訴え、19日に首相官邸前でデモを繰り広げていた。 「でも、今川内原発を停止すれば九州電力は火力発電所をフル稼働させなければならず、そうなると余震のある熊本や大分にある大型の火発に頼ることになりますよ。福島の事故後、ここは新たな基準で再稼働しているので、安易な停止は停電を引き起こすだけだと思いますが……」  また、川内原発を停止させた場合、九州電力にかかる代替の燃料費など月100億円の負担増という指摘もある。それだけに地元の反応は「停止という声は少ない」というのだが、19日のデモでも参加者からもこんなことが聞かれた。 「原発自体に反対なので参加していますが、アレ? と思ったのは、これまで九州にマグニチュード5以上の地震があったら川内原発は事故が起きるって主張をしてきたので、その根拠が間違っていたかなとは思いました。稼働には反対ですが、正しくないデータで批判するのはよくないです」(20代男性)  民進党の江田憲司代表代行は18日の記者会見で、川内原発の停止を求める考えを示し「九州地方のみなさんが大変不安に思っている」と勝手に代弁していたが、この2日後、同党の岡田克也代表は安倍晋三首相との会談で、停止は求めず「避難計画の再検証」を申し入れるトーンダウンとなった。このあたり強く停止を訴える根拠が乏しかったのかもしれない。  19日のデモは約800人が集まったとされているが、恒例の反原発デモに比べると参加者が見た目に少ないようにも見えた。事実、参加者も「来なかった仲間も結構いた」というのだが、「安全地帯で批判するより熊本でボランティアした方がと考えた人もいたから」とのことだった。  震災後、熊本市内でも「NO NUKES」と反原発のボードを掲げてデモをしていた集団もいたが、県民の反応は冷たく「それどころじゃないだろ」と罵声が浴びせられたとの報告もあった。反原発活動をしているフリーライターも、これには懸念を示す。 「デモは重要な抗議活動ですが、大事なのは中身。人種差別の団体対立とかの方では本題そっちのけで、みっともない争いになってしまっていて、冷めてデモから離脱する人が続出しました。反原発もちゃんとした理論で戦わないと、やみくもに反対を叫ぶだけなら似たようなものになってしまう不安はあります。最近は活動中の対立から暴力事件みたいなこともあって、デモと距離を多く反原発派もいます」  デモ内では反原発の活動家から「むしろ事故でも起きたほうが勢いづく」なんて本末転倒な声も聞かれたが、この大地震でも川内原発に影響がなかったなら活動に懐疑的になる参加者も出てきそうだ。皮肉にも「反原発団体こそ、メルトダウンしないようにしないと」とフリーライターは話していた。 (文=鈴木雅久)

高額クラブ出現で激化するスポーツクラブ生き残り戦線「老人が歩けなくなる……」

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インスパ洗足池公式サイトより
「このままでは歩けなくなって、寝たきりになってしまう」  脚力維持のリハビリをしていた80代の男性は、悲痛な面持ちでこう語った。  東京都大田区の閑静な住宅街にあるフィットネスクラブ「インスパ洗足池」が先ごろ「賃貸借契約期間の満了」を理由に、6月末での閉店を発表。同所は2009年からの営業だったが、それ以前もスポーツクラブではあった。  もとは1980年代に流行したラケットボールやエアロビクスのスタジオだったが、ブームが去った2002年からは女優の釈由美子がイメージキャラクターを務めた「ワウディー」に代わった。  しかし、運営会社ワークアウトワールド・ジャパンは、08年に約32億円の負債を抱えて破産。クラブは別会社が引き継いだが、これまた倒産。現在は株式会社ロックスが運営。10年以上も長く通ってきた前出の男性会員は「運営会社の変更は会員に詳しく告知されないので、自分が支払っている会費がどこへいっているか、よくわからなかった」と話している。  今回の閉鎖はクラブ運営の問題ではなく、老朽化したビル側が建物を解体して新築マンションを建設するということだが、移転するほどの体力はなかったようだ。  問題は、運営はコロコロと変わっても変わらずにクラブに通い続けてきた常連たち。会員は60代以降の高齢者となっている者が多く、中には90代もいる。同クラブで体を動かすことが日常生活のサイクルになっていたため、閉店による運動不足には不安が大きいと話す。 「顔見知りの会員はみんな言ってますよ。足腰が弱って歩けなくなり、寝たきりになっちゃうんじゃないかって。近くに手ごろなクラブはないので、どうしたものか。このクラブは定年退職した我々高齢者の社交場としての機能もあったんですよ。運動だけでなく、地域の情報を共有したり、孤独な老人を減らす効果もあったんですけどね。仲間との会話があれば認知症にもなりにくかったんじゃないかと思ってましたし」(同)  住宅街にポツンとそびえ建つフィットネスクラブは、ちょうど丘の谷間にあって、他のクラブに行くためには大きな坂を越えなければならず、高齢者が自転車や徒歩で行くのは難しいという。  実は似たような問題は全国で起こっている。千葉県でフィットネスクラブを経営する男性によると「ライザップのような高額クラブも話題になって健康ブームとなっていても、純利益は減少しているのがこの業界」というのだ。 「一部の高額クラブが出てきたのには理由があって、近年のクラブは大手各社が一様に値下げする傾向があったんです。入会金無料や数カ月割引といった広告で人集めをしてきましたが、それは巨大な設備投資と維持費、人件費は客が何人でもかかるという固定費の問題があったからです。でも、値下げ競争をすると質が落ちてしまい、まるで牛丼とかハンバーガー業界のような悪循環に陥りました。それで逆に高額クラブが出現しているという次第です。一般のクラブにとっては、高額クラブより質が悪いようなイメージもついてしまい、値下げでは客集めもできなくなってしまった。先行きが暗いので、閉鎖する店舗も少なくありません」  あるクラブ関係者は「医師や看護師が常駐するデイケア風クラブとか、ゲートボールコート併設などの高齢化社会に向けたクラブが必要になってくるかも」と言っているが、それ以前に運営会社の経営が明るくなければ実現は難しいだろう。行き場のなくなった高齢者が増えれば、介護保険財政も苦しくなると思われるのだが。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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高額クラブ出現で激化するスポーツクラブ生き残り戦線「老人が歩けなくなる……」

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インスパ洗足池公式サイトより
「このままでは歩けなくなって、寝たきりになってしまう」  脚力維持のリハビリをしていた80代の男性は、悲痛な面持ちでこう語った。  東京都大田区の閑静な住宅街にあるフィットネスクラブ「インスパ洗足池」が先ごろ「賃貸借契約期間の満了」を理由に、6月末での閉店を発表。同所は2009年からの営業だったが、それ以前もスポーツクラブではあった。  もとは1980年代に流行したラケットボールやエアロビクスのスタジオだったが、ブームが去った2002年からは女優の釈由美子がイメージキャラクターを務めた「ワウディー」に代わった。  しかし、運営会社ワークアウトワールド・ジャパンは、08年に約32億円の負債を抱えて破産。クラブは別会社が引き継いだが、これまた倒産。現在は株式会社ロックスが運営。10年以上も長く通ってきた前出の男性会員は「運営会社の変更は会員に詳しく告知されないので、自分が支払っている会費がどこへいっているか、よくわからなかった」と話している。  今回の閉鎖はクラブ運営の問題ではなく、老朽化したビル側が建物を解体して新築マンションを建設するということだが、移転するほどの体力はなかったようだ。  問題は、運営はコロコロと変わっても変わらずにクラブに通い続けてきた常連たち。会員は60代以降の高齢者となっている者が多く、中には90代もいる。同クラブで体を動かすことが日常生活のサイクルになっていたため、閉店による運動不足には不安が大きいと話す。 「顔見知りの会員はみんな言ってますよ。足腰が弱って歩けなくなり、寝たきりになっちゃうんじゃないかって。近くに手ごろなクラブはないので、どうしたものか。このクラブは定年退職した我々高齢者の社交場としての機能もあったんですよ。運動だけでなく、地域の情報を共有したり、孤独な老人を減らす効果もあったんですけどね。仲間との会話があれば認知症にもなりにくかったんじゃないかと思ってましたし」(同)  住宅街にポツンとそびえ建つフィットネスクラブは、ちょうど丘の谷間にあって、他のクラブに行くためには大きな坂を越えなければならず、高齢者が自転車や徒歩で行くのは難しいという。  実は似たような問題は全国で起こっている。千葉県でフィットネスクラブを経営する男性によると「ライザップのような高額クラブも話題になって健康ブームとなっていても、純利益は減少しているのがこの業界」というのだ。 「一部の高額クラブが出てきたのには理由があって、近年のクラブは大手各社が一様に値下げする傾向があったんです。入会金無料や数カ月割引といった広告で人集めをしてきましたが、それは巨大な設備投資と維持費、人件費は客が何人でもかかるという固定費の問題があったからです。でも、値下げ競争をすると質が落ちてしまい、まるで牛丼とかハンバーガー業界のような悪循環に陥りました。それで逆に高額クラブが出現しているという次第です。一般のクラブにとっては、高額クラブより質が悪いようなイメージもついてしまい、値下げでは客集めもできなくなってしまった。先行きが暗いので、閉鎖する店舗も少なくありません」  あるクラブ関係者は「医師や看護師が常駐するデイケア風クラブとか、ゲートボールコート併設などの高齢化社会に向けたクラブが必要になってくるかも」と言っているが、それ以前に運営会社の経営が明るくなければ実現は難しいだろう。行き場のなくなった高齢者が増えれば、介護保険財政も苦しくなると思われるのだが。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)
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【熊本地震】被災したプロレスラー・幸村ケンシロウが明かす現在「役所としての機能がない」

yukimura0420
プロレスリング求道軍公式サイトより
 余震も続き被害が広がる熊本地震では、壊れたインフラにより支援物資も届かない非常事態となっている。八代市の避難所である小学校の体育館には、プロレスラーの幸村ケンシロウ(51)がいたが、救援の負担を軽減する意味もあって、雨がやんだのを見計らい、自力で親族宅へと移った。 「14日、最初の余震がきたときはだいぶ揺れましたが、大丈夫でした。ところが2度目の本震は大きく、家のモルタルが剥がれ落ちました。現在、市内の約2万人に避難警告が出て、家族と共に避難したんです」  同市は14日21時ごろの前震が震度5弱だったが、16日未明に6弱のさらに強い揺れに襲われた。市役所も庁舎が損壊し、九州道をつなぐインターチェンジ周辺も不通で、支援物資の到着も遅れている。  同市出身・在住の幸村は1990年代から西日本プロレスで九州のプロレス人気を担った後、2009年からは、子どもたちにプロレスを通じての社会教育「教育プロレス」を推進してきた。それだけに、行政の動きを心配する。 「断層が南北にあって、震源が熊本市からこの八代市方面へと南下しているようで、予断を許さない状況です。ただ、避難には水、食糧の不足や衛生面の問題があり、体調不良や病気の問題も発生しています。まずは冷静な判断と迅速な行動が重要ですが、市役所が崩壊しかけていて、役所としての機能がなくなっていることも不安が大きいです」(同)  その市役所に取材してみたところ、職員自身も自宅を失っていた。 「前震で家屋が損壊して部屋がグチャグチャになり、2度目の本震では破損が広がって、屋根の瓦も落ちて雨にずぶ濡れ。外壁も壊れてしまいました。現在、備蓄の飲食料が底をついてきています。支援物資があっても、空港の閉鎖や阿蘇大橋の崩壊などで避難所への物資の配送ルートが遮断された状況。行政としても、いま誰がどこに避難していて、何が必要なのかも把握しきれてないです」(職員)  県は、災害時に支援物資を受け入れる地域防災計画として、熊本市のパークドーム熊本など3カ所を広域防災活動拠点と定めていたが、今回の地震ではその3カ所とも被害を受け、物資の受け入れができなくなってしまった。熊本県は急遽、県庁などで受け入れを始めたが、インフラの復旧がないため大量の物資を抱え込んだままだ。さらに水道、電気、ガスのライフライン復旧も余震が多発している中では行えず、地震活動の今後も「予測できない」とされている中では、かなり長期的な被害となっていきそうだ。  そんな中、避難所の人々からは「残念なことに、身を呈して動いている人々がいるのに、エゴ丸出しで文句を言う被災者もいました」という声もあった。諸々の問題は東日本大震災で学んだことではあったが、その教訓も現実のパニックの中では生かすのは難しいのかもしれない。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

【熊本地震】被災したプロレスラー・幸村ケンシロウが明かす現在「役所としての機能がない」

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プロレスリング求道軍公式サイトより
 余震も続き被害が広がる熊本地震では、壊れたインフラにより支援物資も届かない非常事態となっている。八代市の避難所である小学校の体育館には、プロレスラーの幸村ケンシロウ(51)がいたが、救援の負担を軽減する意味もあって、雨がやんだのを見計らい、自力で親族宅へと移った。 「14日、最初の余震がきたときはだいぶ揺れましたが、大丈夫でした。ところが2度目の本震は大きく、家のモルタルが剥がれ落ちました。現在、市内の約2万人に避難警告が出て、家族と共に避難したんです」  同市は14日21時ごろの前震が震度5弱だったが、16日未明に6弱のさらに強い揺れに襲われた。市役所も庁舎が損壊し、九州道をつなぐインターチェンジ周辺も不通で、支援物資の到着も遅れている。  同市出身・在住の幸村は1990年代から西日本プロレスで九州のプロレス人気を担った後、2009年からは、子どもたちにプロレスを通じての社会教育「教育プロレス」を推進してきた。それだけに、行政の動きを心配する。 「断層が南北にあって、震源が熊本市からこの八代市方面へと南下しているようで、予断を許さない状況です。ただ、避難には水、食糧の不足や衛生面の問題があり、体調不良や病気の問題も発生しています。まずは冷静な判断と迅速な行動が重要ですが、市役所が崩壊しかけていて、役所としての機能がなくなっていることも不安が大きいです」(同)  その市役所に取材してみたところ、職員自身も自宅を失っていた。 「前震で家屋が損壊して部屋がグチャグチャになり、2度目の本震では破損が広がって、屋根の瓦も落ちて雨にずぶ濡れ。外壁も壊れてしまいました。現在、備蓄の飲食料が底をついてきています。支援物資があっても、空港の閉鎖や阿蘇大橋の崩壊などで避難所への物資の配送ルートが遮断された状況。行政としても、いま誰がどこに避難していて、何が必要なのかも把握しきれてないです」(職員)  県は、災害時に支援物資を受け入れる地域防災計画として、熊本市のパークドーム熊本など3カ所を広域防災活動拠点と定めていたが、今回の地震ではその3カ所とも被害を受け、物資の受け入れができなくなってしまった。熊本県は急遽、県庁などで受け入れを始めたが、インフラの復旧がないため大量の物資を抱え込んだままだ。さらに水道、電気、ガスのライフライン復旧も余震が多発している中では行えず、地震活動の今後も「予測できない」とされている中では、かなり長期的な被害となっていきそうだ。  そんな中、避難所の人々からは「残念なことに、身を呈して動いている人々がいるのに、エゴ丸出しで文句を言う被災者もいました」という声もあった。諸々の問題は東日本大震災で学んだことではあったが、その教訓も現実のパニックの中では生かすのは難しいのかもしれない。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

元航空幕僚長・田母神俊雄容疑者逮捕で女性タレント戦々恐々「迷惑しています……」

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 2014年の東京都知事選で約61万票を獲得した元航空幕僚長・田母神俊雄容疑者が4月14日、東京地検特捜部に運動員買収の公職選挙法違反容疑で逮捕された。  困惑しているのはその支持者で、「田母神ガール」と呼ばれた一部の女性タレントは、プロフィールからその経歴を削除。匿名を条件に取材に応じた女性タレントは「田母神ガールズの一員だった経歴を削ったのは、最近は田母神さんと活動していないから」と、容疑者の逮捕と無関係を強調。「信条で共感できるところがあったのは事実ですけど、もともと知人からの依頼で応援していたもの。今回の事件には関係ないのに、私を共犯みたいに思う人がいて迷惑してます」と明かした。  ただ、選挙活動中の応援で報酬を受け取っていたかどうかについては「ノーコメント」(同)。一部では、別の女性タレントに高価な衣類などが与えられていたとする報道もあったが、これも「個人的なことだから答える義務はありません」(同)と突っぱねた。  田母神容疑者は航空幕僚長だった08年、「日本は侵略国家であったのか」と過去の歴史見解に異を唱えた論文が、政府見解と異なる主張だとして問題となり、同職を解任。直後に定年退職して政治活動を開始すると、その論文に共感する支持者が集まっていた。  その勢いで14年の都知事選に立候補したが、16人中4位で落選。同年、次世代の党公認で東京都第12区に出た衆院選は、有力候補の太田昭宏国土交通相が所属する公明党に対し「公明党は景気が悪い方がいい。(支持母体の)創価学会の信者が増えるから」という批判演説でアピールしたが、約3万9,000票の最下位落選だった。  昨年2月、田母神容疑者は資金管理団体に約3,000万円の使途不明金があることを自ら公表していたが、選挙対策本部長らが田母神容疑者に対して政治資金の着服を告発、今年3月に特捜部に家宅捜索されていた。壇上で未入籍の交際女性を紹介することもあった田母神容疑者だが、一部ではその女性に高額なプレゼントをしていたとも伝えられた。田母神容疑者は一連の容疑に「冤罪だ」と否定してきたが、選挙運動員らに現金を配布したことを示す報酬リストやビデオテープなどがあり、関与の疑いが強まっていた。  リストには、20~400万円まで、貢献度によって配布額が分けられ、計2,000万円の予算が計上されていたという。実際に「20万円を受け取った」と話す警備担当者もいて、ある元キックボクサーも、記者に「受け取った金を返さないと、自分も逮捕されるのか?」と問い合わせていた。これらに田母神容疑者が直接関与していたかは、これからの捜査次第だが、公職選挙法では金品や接待を受けた人も対象とされており、支持者の間でも戦々恐々とする者が続出中だ。  前出の女性タレントは「今後、田母神さんと関係することはないと思うので、取材はこれで最後にしてください」と突っぱねていたが、その表情はどこか不安げだった。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

【再掲】災害現場の困ったちゃん!? ボランティアに求められる自己責任の大原則

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イメージ画像(「Thinkstock」より)
※当記事は、熊本地震の発生にあたり、サイゾーの過去の記事から再掲載しています。  台風18号が2009年10月8日早朝、愛知県に上陸。各地を暴風雨に巻き込みながら日本列島を北上した。愛知県の国道ではトラック4台が横転し、和歌山県では倒木に新聞配達中の男性がバイクで衝突して死亡。気象庁によれば、「昭和34年に東海地方などを襲い、死者・行方不明者5,098人を出した伊勢湾台風に匹敵する」としている。  アジアモンスーン地帯に位置する日本列島は、元々が台風の常襲地帯。地形も急峻で断層や破砕帯が散在するなど、地理的にも地形的にも災害が発生しやすい自然条件にある。このため、毎年のように台風や地震等の自然災害に見舞われている。  そして、こうした災害復旧に欠かせないのが民間の「災害ボランティア」だ。全国の自治体が立案している「市町村災害復旧計画」も民間ボランティアの参加を大前提にしており、今や我が国の災害対策は彼ら抜きには語れないのが実情だ。しかし、そんなありがたいはずのボランティアが、とても迷惑な存在になってしまう場合があるという。  災害ボランティアの大原則は「自己責任」だ。現地への交通費や宿泊費、食費などの必要経費は、いうまでもなく自分負担。ところが現実には、「フラっとやってきて、『寝る場所はどこですか』とあたりまえに聞いてくる人が多い」(中部地方の某町役場職員)のも現実だ。災害対策本部(市町村役場の総務課などに設置される場合が多い)に電話をかけてきて、「安い民宿を紹介してくれ」と宿の斡旋を求める人もいる。徹夜で業務に追わることもある現地の役場職員が、全国からの宿の斡旋に対応していたらそれだけで業務はパンクしてしまう。各自で確保するように説明する職員に「手伝いに行ってやるのになんという冷たい対応だ! だから役人はダメなんだ!」と逆ギレして周囲を呆れさせる例も少なくない。  また、ボランティア志願者はどうしても土日に集中するため、必然的にこの二日間は人手が余りがち。その結果、土日のボランティアセンターでは大勢の人がテントで待機する光景がしばしば見うけられる。すると「貴重な休みをさいてやって来たのにいつまで待たせるのか」と怒り出す困った人が現れる。復旧作業を遊園地のアトラクションと勘違いしているのだろうか。仕事量と人手がちょうどよくかみ合う日ばかりではない。「待つのもボランティアの仕事ということでご理解を......。もう少しお待ち下さい」となぜかお詫びをしているスタッフさえもいる。  ちなみに筆者は北陸のある被災地へボランティアに行った際、ボランティアセンターの職員が、長時間待機する人たちに、即席の「方言講座」を開いて必死になだめている場面に遭遇。「そんな話を聞きにきたんじゃない!」と声を荒げる男に頭を下げるスタッフの姿は、実に痛々しかった。  また、若い層に多く見られるのが異様なまでの頑張り屋さんだ。体力に自信があるのか使命感が強いのか、とにかく全身全霊で作業を続け、「疲れた」「きつい」を連呼しながら頑張り続け、自らのブログに「意識が朦朧として更新もつらいがガンバルしかない」と悲壮な覚悟を綴るストイック(?)な人たちもいる。その結果、熱中症で倒れて救急車のお世話になり、かえって現場に迷惑をかけてしまう例も。疲労がたまれば休みも必要。意識が朦朧とするほど疲れているなら一日くらい休めばいい。どうしても休みたくなければ睡眠をたっぷりとり、たまには午後から"出勤"する方法もある。健康面での自己管理もボランティアに求められる重要な要素の一つだ。  支援物資も大きな問題。実は「救援物資は第二の災害」といわれるほど、現地にとっては厄介な存在なのだ。全国から怒涛の如く送られてくる物資の整理は自治体職員らが人海戦術で行うしかなく、しかも利用価値がない物も大量に含まれている。1993年北海道南西沖地震の被災地・奥尻島では、救援物資 5,000トンの保管のために1000平米の仮設倉庫を3,700万円かけて建築。さらに仕分の結果、衣類を中心とする1200トンが不要と判断され、カビや腐敗など衛生面の問題から焼却処分となり、これに560万円の予算が投入された。 「とりあえず何か送ろう」という安易な支援ほど現地にとって迷惑なことはなく、実際に京都府災害ボランティアセンターのように「救援物資は現地の復旧作業の妨げになる場合があるので送らないように」とサイトではっきりと呼びかけている例もあるほどだ。  とはいっても、被災地で人助けをしたいという気持ちそのものは非常に尊いもの。先にも述べたように、無償で貢献してくれるボランティアの存在なくして災害復旧が成り立たないのも事実だ。最近では各ボランティアセンターともサイト上でかなりの情報を提供してくれる。まずはネットや電話で被災地の情報を収集し、危険度や必要な経費も考慮に入れながら行くかどうかを判断したい。自己管理が原理原則の大切さを理解したうえで、その時自分ができると思う範囲で参加することが、災害ボランティアのあるべき姿といえるだろう。 (文=浮島さとし/本記事は「日刊サイゾー」2009年10月8日掲載のものです)

【再掲】地震や洪水のとき、愛犬はどうなるの? 地震大国日本でペットを守るための絶対ルール

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イメージ画像(「足成」より)
※当記事は、熊本地震の発生にあたり、サイゾーの過去の記事から再掲載しています。  阪神・淡路大震災(1995年)、三宅島の噴火(00年)、新潟県中越地震(04年)など、過去に起きた災害時には、人間だけではなく多くの動物たちも被災した。だが、実際にいざ自分が被災し当事者になったら、自分の飼っているペットはどうしたらよいのか、具体的な対応策を知っている人は少ないのではないだろうか。ただでさえパニックになりがちな災害時において、飼い主である人間は、正しい行動が取れるのだろうか──。  そこで、前述の災害時などで動物の救済活動に携わってきたひとり、獣医師の山口千津子氏(社団法人日本動物福祉協会)に「災害時のペット」の現状と防災対策について話を伺った。 「私たちは、阪神・淡路大震災以降、『緊急災害時動物救援本部』(日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会、日本動物保護管理協会、日本獣医師会によって組織)の被災地における動物救護本部設置の手伝いをはじめとする動物の救援活動をしてきました。これは、行政、獣医師会、動物愛護団体が一緒になって行われているもので、この取り組みの積み重ねにより、最近になってようやく、災害時のペット避難対策を具体的に検討する自治体が増えてきました。ペットの同行避難に対する理解も広がってきており、私たちは、まず、災害時には飼い主によるペットの同行避難を呼びかけています」  災害に巻き込まれたペットは、被災地に置き去りにされたり、飼い主不明のまま保護される迷子も少なくない。迷子になれば、火災や事故に遭う危険性も出てくる。 「とにかく同行避難さえしていれば、餌の支給、物資援助、獣医師協力もあり、ペットの受け入れができない避難所の場合でも、一時的な預りを行う上記の救護本部などに依頼すれば、安全を確保することができます。ですが、もし、同行避難せずペットを置き去りにした場合、たとえ後日迎えに帰るつもりだったとしても、その地域が立ち入り禁止地区になったら、迅速な救助が困難となります。有珠山の噴火の時(00年)は、危険地域に置き去りにされた動物たちのために、自衛隊や警察・消防などに協力を要請し、飼い主に代わって餌やりや保護活動を行いました」(同)  もっとも、同行避難後も、大きなダメージとストレスに加え、プライバシーのない避難所での共同生活では、隣人への配慮が必要不可欠だ。動物の無駄吠え、かみつきなどの問題行動は、隣人トラブルの原因となる。また、不十分な健康管理やワクチン不接種の動物を持ち込むことで、感染症などの新たな問題も起こしかねない。 「家族の一員であるペットの命を守ることができるのは、飼い主だけです。このことを自覚し、正しい知識と責任を持って、日頃からしつけや健康管理などを行うことが何よりも大切です。また、それが飼い主自身の心の支えにもなります」(同)  災害時に限らず、一番必要なのは、「ペットのしつけ」ではなく、「飼い主のしつけ」なのだ。最後に、ペットの防災対策に有効なポイントを簡単にまとめてみたので、飼い主のみなさんはぜひ実践していただきたい。   [ペットの防災対策] 【1】健康管理(=ワクチン接種、定期健康診断、病気の治療) 【2】しつけ(=人間社会への適応) 【3】避妊・去勢(=みだりな繁殖や問題行動の防止) 【4】鑑札や迷子札、マイクロチップ(動物の個体間識別を可能にする電子標識器具)の装着(=飼い主の所在明示による迷子の防止) 【5】同行避難時の非常袋(フード、水、薬、リードなど)の準備 【6】飼い主の情報、ペットの健康状態、病歴などをまとめた情報手帳の携帯 (文=小林未央/本記事は「サイゾー」2008年9月号掲載のものを再構成したものです)

「パナマ文書」流出も関係ない!? 経済ヤクザとブローカー化した弁護士の“暗躍”ぶり

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 イギリスのデーヴィッド・キャメロン首相までが窮地に立たされている「パナマ文書」。これはタックスヘイブン(租税回避地)の利用実態が暴かれたもので、政治家や大手企業の役員など富裕層の課税逃れがあらわになりつつある。リストにはキャメロン首相だけでなく、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や中国の習近平主席を含む共産党トップの親族、関係者など大国指導者も絡んでおり、ここに日本の大物政治家の名前があるとのウワサから、疑惑と糾弾の輪が広がりつつある。  専門家からは『タックスヘイブン』はパナマだけではなく、今回の問題は氷山の一角。世界経済のグローバル化に伴って、課税回避の巧みな手法が日本でも横行している」という話も聞かれるが、やましいところがあるのか、政府自体が調査に後ろ向きのため、日本の政治家や企業、金融機関の関与は具体的に確認されていないまま。  ただ、かねてから日本の闇社会によるパナマでの会社設立が知られていたという。ヤクザの動きに強い実話誌編集者によると「その筋の人たちの間でよく知られているヤクザのフロント企業には、パナマやドミニカ、モナコなどに支社を持っているところが多い」という。 「経済ヤクザとして芸能界に隠然たる影響力を持つ大物暴力団組長のフロント企業も、パナマに関連会社があります。表向きは人材派遣会社ですが、その実態はヤクザの資産管理をしているといわれていて、犯罪で得たアングラマネーなんかが、かなり流れているとみられています」(編集者)  また、暴力団以外でも半グレと呼ばれる不良集団もまた、中南米に会社を持つことがパターン化しているという。 「スペイン語を使える日本人弁護士が、そういった連中の手助けを始めた途端、それまでやっていた通常の弁護士業務をやめてしまうほどですから、半グレ相手のビジネスだけで、かなり潤っているということ。特殊詐欺や闇金、裏風俗など表に出せない金を、日本以外で運用させてマネーロンダリング。弁護士がブローカー化しているんです」(同)  この編集者によると、今回の問題で日本の政治家や企業役員に“二次被害”が出る可能性もあるという。 「タックスヘイブンを利用している闇社会の連中は今回、同じことをしている日本人の顧客リストを公開前に手に入れて、それをネタに当人たちを脅してくることも考えられます。本来、違法性のない節税ですが、その情報は道義的に見て都合が悪いもの。当然、闇社会の面々は自分たちがバレても平気なので、その立ち位置を利用して、政治家や企業役員に揺さぶりをかけてくる可能性があります」(同)  政界では与野党の区別なくこうしたものを運用してきたといわれるため、「互いに追及をタブーとしてきた」と編集者。実際に菅義偉官房長官は早々に、日本政府として調査をしない意向を示していた。 「海外のメディア関係者からは、アイドルビジネスで儲けた日本の有名な作詞家が数十億円を運用したなんて話もある」というが、それが事実でも罪になるわけではない。銀行口座とのひも付けで個人所得を把握しやすくしたマイナンバー制度でも、この海外資産の把握は困難であり、結局のところタックスヘイブンは利用したもん勝ちとなっている。 (文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)
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