天理市メガソーラー入札不正 市議の自殺は「他殺」? 高市早苗総務大臣との関係は……

「天理市役所を捜索 市議に現金授受の疑い」(奈良テレビチャンネル/YouTubeより)
 奈良県天理市のメガソーラー事業をめぐる入札不正疑惑が持たれていた男性市議が8月10日に亡くなった件で、他殺説が浮上している。  長女の自宅浴室で、胸や腹など複数箇所から血を流して倒れているのが見つかり、近くには血のついたカッターナイフが落ちていたということで、警察は自殺の可能性が高いとしているが、関係者からは「殺されたに違いない」といった話が聞かれる。 「10年前ぐらいになるけど、前にこの付近で大阪府議の秘書が不審死したことがあって、そのときもカッターで不自然に切りつけた感じだと聞いた。警察はそれを自殺としたけど、状況的に不自然だった。あれとそっくりなんだよ」  こう話すのは、亡くなった市議とも顔見知りの元市役所職員。亡くなった66歳の天理市議は実名での発表こそないものの、89年初当選のベテラン議員、佐々岡典雅氏と見られ、この元職員も「間違いない」と断言。実際に佐々岡氏の名前を出してほかで取材してみても、否定する関係者はひとりもいなかった。  佐々岡氏が疑われていたのは、3年前に行われた天理市のメガソーラー事業をめぐる入札で、大阪地検から官製談合防止法違反の疑いで捜索されていた。同事業は、もともと市が工業団地用に22億円も使って取得しながら計画が頓挫していたところ、東日本大震災を機に年間4,300万円でメガソーラー用地として貸し出すプランに転化したものだった。 「でも、事業者として応募した2社のうち選ばれた大阪のメガソーラー・ジャパンって会社は、従業員わずか3名でその手の実績ゼロ。かなりうさん臭い業者で、怪しいって、ある声が市議のブログなんかでも書かれていた」と元職員。  そこで暗躍していたと見られるのが、7期目の自民党市議、佐々岡氏だった。地元紙では事前に情報漏えいして業者の受注を後押しした見返りに、選挙資金600万円が謝礼として支払われたとの証言も伝えられていた。  さらにこの事業に関しては、周辺の土地買収や工事名目などで100億円以上の予算が計上されており、佐々岡市議は地上げなどにたくさんの業者を噛ませていたことでトラブルになっていたという。その中で大物政治家や暴力団の関与も浮上、高市早苗総務相や山口組系倉本組の河内敏之組長の名前が関係者証言で飛び出し、一大スキャンダルに発展しそうな状況になっていた。そんな中、昨年10月に渦中の河内組長が拳銃自殺。疑惑の目は佐々岡氏に集中していたようだ。  ただ、渦中の佐々岡氏の“自殺”という推察には、同じ天理市議からも異論が出ている。 「佐々岡さん、自殺するようなタマじゃないですよ。ヤクザとの付き合いだって隠さず言っちゃうぐらい肝のすわった人で、何かあったら『そういう世界でずっとやってきた慣習的なもんやから、しゃあないやろ』って開き直るタイプでした。少し前にテレビの取材が来ていろいろ追及されたときも『なんで俺だけが悪者か』って怒ってましたからね。万一にも死ぬとしたって70歳近い人がカッターで自分を切り刻むなんて、女子高生みたいなことやるわけない。車で突っ込んで交通事故を装うなり、ビルから飛び降りるなり、不審死に思われないようにしますよ。大きな声では言えないけど、もしかして、これ高市さんとか守るために殺されたんじゃないのかね」  実際、佐々岡氏は生前、記者の取材を受け、かたくなに関与を否定。地元紙記者の質問には「メガソーラー? なんのことか知らない」と、事業自体を一切関知しないとすっとぼけていた。その取材テープを聞かせてもらったが、たしかに神経が図太そうな様子だった。 「かつては市長がワイロを受け取って職員採用していたことが発覚したり、代々の市長が土地転がしを指示していたとの疑惑もあるなど、汚職の横行する地域で、その辺を面倒見ているのが天理教にも寄付をしている高市さんってウワサ」と元職員。  佐々岡氏が汚職に絡んでいたとしても、ひとり得をして終わるような小さな話ではなかったことは事業規模を見ればわかる。天理市は高市総務相の地盤であり、先ごろ市の産業振興館がオープンした際も都内から中継で参加。佐々岡氏は生前「高市組」という言葉を使って、高市総務相の“子分”を自慢していたというだけに、その死の背景に自民党の中枢が関係している疑いもあるが、この不審死でそれも解明は難しくなりそうだ。これではなお口止めの「他殺説」がささやかれてもおかしくはない。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

解約料20万円請求の「PCデポ」まだまだあった“押し付け”販売! 高齢者に「使えないあなたが悪い」と……

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PC DEPOT公式サイトより
 大手パソコンショップ「PC DEPOT」(以下、PCデポ)での高齢者に対するサポート契約が「悪徳商法」だと騒がれている問題で、一部パソコンユーザーからは「この問題が起きなくても、PCデポはパソコンショップとして5つ星で評価して星1~2つ」と厳しい声が上がっている。 「識者の間では、もともと低評価だったんです。会社が急成長していたからか、横柄な態度の店員が多く、詐欺まがいの売り方も目立っていました。たとえば1TBの外付けハードディスクを5,000円程度で売るのに、表記を5TBとし、但し書きには『ネット上のスペースを4TB利用できるクラウド付き』として、翌年から年間1万3,000円の追加費用がかかるものだったり、パソコンに詳しくない人をだますような商売が見て取れます」(パソコン歴32年のゲーム制作者)  これはあくまで個人の見解としても、PCデポが先ごろ騒がれた問題は悪質だ。80代の「独居老人」がノートパソコンの修理ため店舗に足を運んだところ、「ファミリーワイドプラン」というサポート契約を結ばされた。その上、iPad Airなどさまざまなオプションを付けられて、月々1万5,000円を支払わされていたという。解約を申し出ると、解除料として20万円を求められ、最終的に10万円を支払うことになったというもの。被害者の息子が、証拠のレシート画像も合わせてTwitterで告発したところ、ネット上で大騒ぎとなり、PCデポ側は16日、「改善策を検討」との声明を出したが、契約についての不当は認めず、騒ぎは拡大した。  5年前にPCデポの商法ついて問題提起の記事を書いているジャーナリストの片岡亮氏によると、ほかでも「客の要望に合わない不人気な製品を売りつけた事象があって、二度にわたって質問状を送ったが、返答なし。当該店舗を取材すると、店員が開き直った対応で驚いた」と、まるで客を欺くような強引な商法があったという。  片岡氏によると、68歳の男性がPCデポ幕張店を訪れて「余分な機能は要らないから、操作の簡単なパソコンとDVDレコーダーが欲しい」と店員に相談。勧められた商品を購入したところ、DVDレコーダーは要望とは真逆の、操作が複雑なタイプの機種で、パソコンに至っては関連機器や部品の購入が難しい海外製品、それも生産中止直前のものだったという。 「この男性はDVDレコーダーがうまく使えず、購入わずか1カ月後に『話が違う』と苦情を言ったところ、なんと店員は『使えないあなたが悪い』と開き直り、仕方なく別の電気店で下取りをしてもらい、買い換えたほどでした。パソコンは使用半年ほどで電源コードに不具合が出て、PCデポに相談すると、『生産中止で代わりのものはない』と言われ、代用品についても『わからない』の一点張りで、新しいパソコン購入を勧められたというんです。こちらも別の電気店では、あっさり代用品を教えてくれたそうです。これはひどいと、僕自身が店に出向いて話を聞いたんですが、店員は『売れない製品をさばくのは、ショップとして当たり前』と返答。これに驚いて店長を呼んだのですが、こちらも同様。仕方なく、この件をメールに詳しく書いてPCデポ本社の広報に見解を聞いてみましたが、返答なし。男性も苦情メールを入れたんですが、同じく返事がないままだったそうです。多くの一般企業はお詫びの返答ぐらいするものですが、そういう感覚すらない業者と言えます。急な売り上げ増で注目されていても、その実態は強引な押し付け販売というわけです」(同)  PCデポは17日になって、公式サイトで改善策を発表。「お客様の使用状況にそぐわないサービス提供があった」としたが、改善策は70歳以上の客に対しては、新規契約の際に家族や第三者の確認をしてもらい、75歳以上の契約者には、加入期間にかかわらず契約の変更や解除を無償で行うとした。だが、高額な解除料の部分に変更は見られず、ネット上ではこれに対する厳しい意見が飛び交っている。いずれにせよ、騒ぎになり、株価が下落してからの慌てた事後対応という流れは、世間のイメージダウンから逃れられなさそうだ。 (文=李銀珠)

全国に「彼氏いません」とまでアピール……「過激なテロ集団」中核派がやたらテレビに出る理由

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フジテレビ系『みんなのニュース』番組サイトより
「過激派」「テロ集団」とも呼ばれる新左翼党派・中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)の一般メディアへの露出が増加している。  昨年12月にはテレビ東京系列では中核派の若手メンバーに焦点をあてたドキュメンタリー番組『追跡!ニッポンの過激派 革命戦士になったオレ』を放送。これに続きこの9日にはフジテレビ系列の夕方の情報番組『みんなのニュース』内で『<シュザイブ>「暴力は必要だ」“過激派”中核派の今』が、放送されたのである。  フジテレビの報道内容を参照すれば、中核派は文字通りの過激派。過去には「東京・赤坂の迎賓館に向けてロケット弾を発射するなど数々のテロ行為」を行い「鉄パイプや火炎瓶などで警察を撲・焼殺したこともある」組織だ。  しかし、批判者から向けられる「悪の秘密結社」のごときイメージとは裏腹に、昨今の中核派はメディアに対しては妙にオープン。というのも、テレビ番組で中核派が取り上げられる際には、江戸川区にある公然拠点・前進社でのロケが当たり前。頑丈そうな鉄扉の向こうを開くシーンと、警察による家宅捜索のたびに焼き切られている鉄板(なお、横に扉があるので焼き切らなくても入れる)や、設置されている監視カメラの説明を受けるのが定番になっているのだ。  前述の『みんなのニュース』では、そうした定番シーンを押さえた上で、さらに若手活動家たちに深く斬り込んでいる。同派の若手活動家のトップである齋藤郁真・中核派全学連委員長に「SEALDsは絶対に現場で戦わない人たち。皆の行動すべきだという思いを単なるお祭りに変えてしまう」と政治的主張を語らせるだけではない。若手活動家の吉田悠クンの実家を訪問するシーンでは「学生時代からアニメ制作が趣味」だと説明。さらに、巷では中核派三大美女のひとりとも称される洞口朋子サンに「彼氏はいるのか?」と質問し「今はいないですね」「そろそろいい人見つかったら、いいな」とまでと回答させているのである。  ここまで突っ込む取材陣にも脱帽だが「過激派」とは思えない妙にオープンな対応に多くの視聴者が驚いたに違いない。国家権力の側から「過激派」と目される組織は数多いが、こんなにもオープンなのは中核派だけである。筆者も過去、週刊誌などの取材でさまざまな党派に取材を試みたが、ほぼ電話しただけでNGを喰らう。革マル派は鼻で笑ってNG。2派ある解放派のうち赤砦社派は、理由を語ってNG。現代社派は誰も電話に出なかった……。  唯一、中核派は「企画書を送っていただいた上で検討を~」という対応。  このメディアに対する妙な対応のよさは、なんなのか? 筆者の疑問に答えてくれたのは、齋藤全学連委員長だ。 「2006年の“党の革命”以降はオープンにしていこうという方針になっています。この2年あまりは、ちゃんとアポを取ってくれれば取材は受け入れていますよ」  齋藤委員長の語る「党の革命」とは(外部での情報を総合すれば)運動方針をめぐる組織内部での路線対立とその後の変革のこと。これ以降、中核派は労働運動を重視した運動方針を立てているとされるが、それにともなってメディアへの対応も大きく変化したようだ。  とはいえ、メディアでの取り上げられ方は、彼らにコントロールできるものではない。とりわけテレビ番組では、説明パートで過去の数々の闘争を示し「危険なテロ集団」と語るし「暴力革命」を肯定する思想に対しては否定的なコメントも流れる。そんなネガティブな取り上げられかたをされることに、不満はないのだろうか? 「どんな内容でもテレビ番組で取り上げられるのは、我々の組織では絶対にできない宣伝じゃないですか。むしろネガティブな取り上げられ方をすればするほど、本気でなにかやりたいと考えている視聴者は“もしかしたら、彼らの主張は正しいのではないか”ときちんと判断してくれると思っていますよ。実際、自分たちの主張を聞いて運動に参加する労働者も出てきています。もし番組を見て参加したいと思ったら9月には全学連の全国大会がありますし、いつでもメールを送ってください」  ちゃんと自派のアピールも忘れない斎藤委員長。最後に「彼氏がいない洞口サンと付き合いたい場合には、どこに連絡すればよいのか、やっぱり活動家にならないとダメなのか?」と聞いてみると。 「それについては個人のことなのでノーコメントです!」  とピシャリ。なんで、そこだけ組織防衛するんだよぉ! (文=ルポライター/昼間たかし http://t-hiruma.jp/

国内初の業務停止命令も、数カ月で営業再開――「猫カフェ」をめぐる行政の盲点

neko0812.jpgイメージ画像(足成より)
ペット業界を知り尽くしたライターが業界の内側に迫る、短期集中連載。  某CMが発端となり、白いチワワがもてはやされた時代がありました。ちょうどその頃、私は店頭で犬を売る側の仕事に就いていました。とかくはやりもの(命ある商品もしかり)を欲しがる客層は偏りがちで、来る客来る客に同じ質問をされ、同じ回答を繰り返し、辟易した思い出があります。  時代が変わり、現在は空前の猫ブームが到来し、猫の飼育率が犬を凌駕する勢いだそうです。「ネコノミクス」という言葉がマスコミを騒がせ、ペット業界でも猫を意識したサービスや商材へのシフトが進みつつあります。  店頭で犬や猫を売っている、いわゆる生体販売の現場では、展示ケースの中は犬より猫のほうが多くなり、ペットフードやグッズのメーカーでは、猫商材のラインナップが進んでいます。サービス業では、猫専用もしくは猫対応のペットホテルが目立ち始め、犬主体であったトリミングでも猫向けのサービスが続々と出てきています。また、さまざまな種類の猫と触れ合いながら、至福のひと時を過ごせる「猫カフェ」も人気を博していますね。  カフェと銘打っていますが、猫カフェは飲食より猫とのふれあいがメインとなる店が大半で、業種的には「動物取扱業」の展示の分類となります。同じカフェと銘打った「ドッグカフェ」は、愛犬と一緒に利用できるカフェですので、飲食業の部類に入ります。当然、猫カフェに在籍している猫たちは、カフェ側で飼養している猫ということになります。  この飼養の形態によって、猫カフェもいくつかの種類に分類されます。経営者の趣味で飼養する複数種の猫たちと純粋に触れ合うことが目的の「癒やしメイン型の猫カフェ」。繁殖用の猫を展示し、ふれあいを通して子猫の販売を目的とする「生体販売型猫カフェ」。行政や地域からの保護猫を展示し、新しい飼い主を探すことが目的の「保護シェルター型猫カフェ」などが挙げられます。  猫たちの現状を見てみると、平成26年の飼育数は、犬は約1,034万6,000匹、猫は約995万9,000匹で、飼育率でも世帯数の15.1%が犬を、2.2%が猫を飼っているという統計となっています。同年度の環境省統計、犬猫の収容数と殺処分数を見ると、犬の引き取り(狂犬病予防法等に基づく捕獲収容を含む)5万3,173匹、猫の引き取り9万7,922匹、合計15万1,095匹。殺処分は、犬2万1,593匹、猫7万9,745匹、合計10万1,338匹となっています。  冒頭のテレビCMが話題となり、チワワが普及した平成16年の数字を見てみると、引き取り数で犬は18万1,167匹、猫が23万7,246匹。殺処分数は犬で15万5,670匹、猫で23万8,929匹となっています。  この10年で行政での収容数は犬で約3分の1に、猫で半数以下と減少しており、それに伴い、殺処分数も犬で約7分の1、猫で3分の1と減少傾向にあります。平成25年に施行された改正動物愛護法により、繁殖業者や明確な理由のない飼い主から犬猫の引き取りを拒むことができるようになったため、この年からの引き取り数は、さらに減少する傾向にあると考えられます。とはいえ、統計を見ると、いまだに毎年15万匹以上の犬猫が収容されており、10万匹が殺処分の必要な状況であることに変わりありません。  行政での収容数・処分数は見かけ上、減少傾向にありますが、その分、動物保護団体に収容される犬猫、特に猫の数が増えています。行政が引き取った個体の多くを保護団体に譲渡することで、その管理数を減らしているのです。いろいろな見方ができますが、殺処分を蔑視する風潮が引き起こした事態でもあり、本当の意味で“無駄な命”を作り出さない仕組みを確立しない限り、この現象は続くでしょう。 ■野放しにされる、悪質猫カフェ  またブームに乗って、猫の乱繁殖を行う業者も増えているようです。一例として、少し前に話題になった東京の生体販売型猫カフェは、まともな健康・衛生管理ができず、業務の取り消し処分を受けました。業務として店舗運営するためには、「第一種動物取扱業」の届け出が必要ですが、これを取り消される国内初の事例となりました。その後、この業者は保護施設を有する保護団体向けの「第二種動物取扱業」を届け出ることにより、「保護シェルターカフェ」として営業を再開するという“離れワザ”を披露してくれました。環境も施設も変わらず、蔓延した病気を罹患した猫たちが生み出されています。これを許した管理自治体もどうかと思いますが、現行の法制度では合法であり、自治体担当者も歯ぎしりをする結果となっています。  犬は狂犬病予防法や動物愛護法によって、ある程度の実態数(販売数・野良の捕獲数・飼育数など)は読み取ることができます。ところが、猫の場合、個体数を把握するための法整備がなされていないため、飼い主のいない猫の数は把握できていません。また、野良猫を捕獲して処分するための制度もありません。そのため、野良を含む飼い主のいない猫の数は、公表されている数字の何倍もいると予想されています。これだけあふれ返っている猫がいる中でのブームです。需要に応じてこの猫たちを供給できれば、大きな無駄を省く効果があるのですが……。  ブームとはにわか景気。過去に何度もペットに対するブームが起こり、そのブームによって多くの命が不当に放棄されてきた歴史があります。単なる商品であれば、飽きて捨てることも、リサイクルショップで換金することも可能でしょう。命ある商品は健全に生き続けることに価値があります。「飽きたから」「要らないから」といって、簡単に処分できる類の商品ではありません。  誰かが、どこかだけが間違っていると言い切ることができる事態ではありません。このブームを先導し、煽り、衝動に駆られたすべての人間、飼い主には飼い主の責任が、販売する側、生み出させる側、管理する側にはそれ以上に命に対する責任があります。このブームを猫たちのためと考えるのであれば、いま猫たちが置かれている現実に目を向け、何ができるかを考えてみてください。もちろん、善良な人間として。 「この世でどうネコに接するかが、天国でのステータスを決める」ロバート・A・ハインライン (文=成田司) ●なりた・つかさ ペットビジネスライター。動物福祉の発想に基づく日本版ティアハイム設立を目指す「Giraf Project」を主宰。共著に『ペット市場の現状と展望2013-2014』(JPR)がある。

相模原障害者施設大量殺傷事件「植松はヒーロー」とツイートした人物の“生の声”を聞いた

「『2月くらいから考えていた』相模原19人“刺殺”(16/08/03)」(ANNnewsCH /YouTube)より
 神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で、19名が殺害された大量殺人事件の植松聖容疑者をヒーロー視する声が後を絶たない。神奈川県警には「いつ植松に面会できますか?」という問い合わせが重なっており、その中に「労いの言葉をかけたい」とか「応援してるので、差し入れしたい」といったことを述べる者がいたというのだ。  事件は、就寝中の重度障害者を次々に刺し殺すという残忍極まりない犯行だが、ネット上でも植松容疑者をたたえる声は見られた。Twitterでは「よくやった」などと信じがたいつぶやきが続出、「遺族は自分で面倒見きれないから、金を払って施設に押し付けてたんだろ。殺してくれた植松に感謝すべき」「人に危害を加える重度障害者に、人権なんて与えなくていい。犯人はよくやったと思う」「植松はぶっちゃけ、障害者という税金食い潰すだけのやつらを殺処分した英雄」と、目も覆いたくなる発言があった。  このあたりは匿名をいいことに無責任に書く幼稚な言動とも思えるが、植松容疑者は事件前、心身障害者20万人を殺害したとされるアドルフ・ヒトラーの思想に共感すると発言していたことが伝えられており、これが同様に短絡的な思考の持ち主の共感を呼んでしまったのだろうか?  ただ、中には「知的障害者による犯罪被害者」で、心情の深い部分で植松容疑者を支持してしまう人もいる。数年前、重度の知的障害者に顔面をカッターで傷つけられ、いまも鼻の下からアゴにかけて傷跡が残る20代女性は「心情的に、どうしても植松容疑者を支持してしまう」と語っている。  女性は通勤途中に知的障害者の男性が泣きながら歩いているのを見かねて声をかけたところ、カッターで顔を切られた。しかし、男性は「心神喪失者の行為は、罰しない」などと規定される刑法39条に沿った刑事責任能力の喪失と判断され、無罪になったというのだ。 「せめて医療刑務所で教育を受けさせるとかにはなると思っていましたが、IQ30前後の重度で行動制御能力がないって判断でした。さらに裁判官には、私が声をかけたことで感情を興奮させ、攻撃的衝動につながったとまで言われてしまいました……」  女性は女優の中越典子にも似た美人だが、顔に大きな傷を負ったことから「コンプレックスになって仕事も辞め、恋愛もできず引きこもりになってしまい、知的障害者を憎むようになった」という。  知的障害者による犯罪で責任能力が争われた裁判では、殺人、放火、強盗、強姦など重大犯罪が多いためか、女性の事件は小さなローカルニュースでしか取り上げられなかったことも「同情の声が届いたりすることもないから、孤独感が増した」と女性。  その被害はあまりに気の毒なのだが、だからといって植松容疑者のような凶行を肯定するのは極論すぎる話だ。 「それはわかってます。わかってはいるんですけど、本音がどうしても『知的障害者を殺してくれてよかった』って思っちゃうんです」(同)  女性は今でも、街中で知的障害者を見かけると「怖くて逃げ出してしまう」というが、その反動からかTwitterでは「植松はヒーロー」と書いてしまった。  大事件の犯罪者が英雄視される傾向はほかでもあり、海外では30年代にアメリカで強盗や殺人など無法の限りを尽くしたボニーとクライドがダークヒーローとなり、のちに何度も映画化されているのは有名で、現代は多くの犯罪者をヒーローに祭り上げるサイトが存在。日本でも酒鬼薔薇聖斗や秋葉原無差別殺傷事件の加藤智大らをカリスマと呼ぶネットの声が散見され、収監中の凶悪犯にラブレターを出すような者もいる。  ただ、植松容疑者の場合は病院の精神科に強制的に措置入院した経緯があり、本人もまた精神疾患を疑われている。ほぼ神奈川県の最低賃金(時給905円)で重労働の介護職に就いていたことで精神を病んでしまったのではないかと同情する声もあり、こちらも刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置の実施が検討されている。メンタルカウンセラーの野村高一氏は「事件前の言動は正気とは思えないものが多々あり、さらに大麻の陽性反応が検出されていたことなどから犯行時の精神状態が慎重に判断されることになるでしょうが、正常者と変わらない会話自体が成立し、日常生活も送れていたのなら責任能力がないとまでは判断されないのでは」と話している。  いずれにせよ、この事件を語る上では、容疑者を英雄視する人々などといった安易なテーマではなく、知的障害者をめぐるさまざまな視点から議論されるべきかもしれない。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)

『障害者殺しの思想』から考える、植松聖容疑者が主張する「正義」とマスコミが助長した障害者差別の歴史

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『障害者殺しの思想』(現代書館)
「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です」  相模原の障害者施設「津久井やまゆり園」で19人の入所者を殺害した植松聖容疑者は、今年2月、衆議院議長に宛てて、このような手紙を書いている。障害者が「安楽死できる」という勝手極まりない発想だけでも身の毛がよだつが、犯行後の供述では「重複障害者が生きていくのは不幸だ。不幸を減らすためにやった」と、自らの「正義」を語っている。障害者に対する冷酷なまでのその発想は、ナチスドイツによる障害者の安楽死政策「T4作戦」にも影響を受けたとみられている。  そんな植松容疑者の「正義」を、誰もが「あり得ない」と思うだろう。けれども、信じられないことに、少し前の日本では、彼のような正義を語る人は少なくなかった。脳性マヒ者の組織「青い芝の会」会長を務め、自らも脳性マヒの障害を背負いながら社会に対して当事者としての言葉を発信し続けた、横田弘による著作『障害者殺しの思想』(1979年刊行。2015年に現代書館から復刊)から見てみよう。   本書は、78年2月9日に起こった母親による脳性マヒを患った障害児殺しの記述から始まる。自らの子どもを殺し、自殺を遂げた母親に対し、「献身の母、看病に疲れ? 身障の息子絞殺」(毎日新聞)、「雨の街 一夜さすらい 母親、後追い自殺 身障の愛児殺し」(読売新聞)などの見出しで事件を報道するマスコミ。その目は、明らかに殺された子どもに対してではなく、母親への同情的に向けられていた。そんな世間に対して、憤りを隠さない横田。脳性マヒの当事者である彼は、重い筆致で「障害者児は生きてはいけないのである。障害者児は殺されなければならないのである」とつづる。そして、この事件の原因を、母親の介護疲れではなく、障害者やその家庭を取り巻く社会の差別に見ている。 「勤君は、母親によって殺されたのではない。地域の人々によって、養護学校によって、路線バスの労働者によって、あらゆる分野のマスコミによって、権力によって殺されていったのである」  48年に施行された「優生保護法」は、「優生学上不良な子孫の出生を防止し、母体の健康を保護する」、つまり「不良」である障害児の出生や障害者の出産を防止する法律だった。96年、「母体保護法」と改名され、優生思想は排除されているが、わずか20年前まで、先天性の障害者は「不良」と見なされていたのだから驚くばかり。そんな時代を反映するかのように、社会的な地位のある人間すらも、今では考えられないような差別的発言を行っていた。元衆議院議員、日本安楽死協会初代理事長の太田典礼は、「週刊朝日」(朝日新聞出版)72年10月27日号の記事において、こう語っている。 「植物人間は、人格のある人間だとは思っていません。無用のものは社会から消えるべきなんだ。社会の幸福、文明の進歩のために努力している人と、発展に貢献できる能力を持った人だけが優先性を持っているのであって、重症障害者やコウコツの老人(編注:認知症の高齢者)から『われわれを大事にしろ』などといわれては、たまったものではない」(原文ママ)  さらに、『飢餓海峡』(同)、『金閣炎上』(新潮社)などで知られる直木賞作家の水上勉も、「婦人公論」(中央公論新社)63年2月号の座談会で、こんな発言をしている。 「今の日本では奇形児が生まれた場合、病院は白いシーツに包んでその子をすぐ、きれいな花園に持って行ってくれればいい。その奇形の児を太陽に向ける施設があればいいが、そんなものは日本にない。今の日本では生かしておいたら辛い。親も子も……」  彼ら知識人の言葉と、19人を殺害した殺人鬼の「正義」は、驚くほど似通っている。その背景には「障害を抱えた人間は、社会においても役に立たず、本人も不幸である」といった偏見が横たわっているのだ。  では、現代において、障害者差別は根絶されているのだろうか?  今回の事件を受けて、神奈川県警は被害者の実名を発表していない。その理由は「被害者が障害者であることと、ご遺族の意思」とされている。犯罪被害者をめぐる実名報道の是非には議論があるものの、少なくとも、今回の事件が「健常者」をターゲットにした事件であれば、実名も、顔写真も、そしてプロフィールも飛び交っているはず。この報道の仕方に、健常者と障害者とをはっきりと区別する思想が見て取れはしないだろうか? なぜ、遺族は匿名を求めるのだろうか? なぜ、障害者であることが警察に匿名発表を選ばせたのだろうか? 報道発表で、被害者たちは女性(19)、男性(66)などと書かれている。被害者遺族をメディアスクラムの犠牲者にすべきではないが、このような発表では、被害者の姿をイメージすることは難しいだろう。  79年に執筆された本書には、エレベータがないために車いすでは地下鉄に乗れない、バスに乗車拒否されるといった今では考えられない差別的な状況がつづられている。現在では、エレベータやノンステップバスも整備され、状況は改善されつつある。太田や水上のような発言を、愚かであると断罪できるほどには、日本から差別意識は減少しているだろう。しかし、現代でも、まだ障害者をめぐる状況は「平等」ではない。今回の事件に対するメディアや社会のリアクションは、いまだ残る障害者差別の一端を垣間見せているのではないか。 (文=萩原雄太[かもめマシーン])

『シン・ゴジラ』上映中に虫が……! TOHOシネマズ渋谷“神対応”の裏側を本社に聞いてみた

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『シン・ゴジラ』公式サイトより
 先月29日の公開後、絶賛の声が止まない『シン・ゴジラ』。人気アニメ『エヴァンゲリオン』シリーズでカルト的な人気の庵野秀明監督が、自身のエヴァンゲリオンの劇場版新作の制作をストップさせてまで挑んだ意欲作だ。  その『シン・ゴジラ』の上映で、不測の事態に際したTOHOシネマズ渋谷の対応が話題になっている。  物語も中盤に差し掛かったところ、スクリーンに小さな黒い点が。言われないと気がつかないほどの小ささだったが、どうやらそれはカナブンが張り付いていたことが判明。上映終了後、パリッとしたスーツを着た支配人と思われる男性が現れるや「多数のお客様から、スクリーンに虫が張り付いているとのご指摘がありましたが、交通機関の時間もありそのまま上映させていただきました。お詫びとして特別御入場券をお持ち帰りください」と“神対応”を披露。  配布されたのは、TOHOシネマズ渋谷でのみ使える「TCチケット 特別御入場券」。任意の映画を無償で一本鑑賞できるというものだ。  ネットでは、その“神対応”に「TOHOシネマズ渋谷はすげぇ」「ファーストデイで1100円だったからゴジラ観てさらに700円もらったも同然」などの称賛の声が多く見られ、ピンチをうまく利用して、来場者の心を掴んだようだ。  TOHOシネマズ本社に問い合わせたところ、担当者は「さまざまな原因で“不完全な状態の鑑賞”が認められた場合、今回のような対応をさせていただいております」とのこと。映写機の不良、音響設備、今回の虫にいたるまで同社では細かくルールと対応が決められているという。過去には、劇場に鳥が突入してきたこともあるとか。流行りのライブビューイングも、同社の苦労が。ライブビューイングは、天候に左右されやすく中継がうまくいかないこともあり、当然こちらも“不完全状態の鑑賞”となる。  2015年には、お盆休みと同社が毎月14日に設けている1,100円で鑑賞できるTOHOシネマズデイが重なり、発券管理システムがダウン。急遽手書きの入場券を作成して対応したほか、トム・クルーズがシリーズ史上一番危険なスタントに挑戦した『ミンション:インポッシブル/ローグ・ネイション』のチケット表記が、なぜか“ミッション:インポ”となり話題になったが、すぐに“ミッション:イン”に修正するなど、神対応っぷりに磨きがかかっている模様。  業界では、こういったトラブルはよくある話なのだそう。普段親しみやすい映画館にも、スタッフの徹底した気配りが行き届いているのだ。

熊本地震で浮き彫りとなった、ペット「同行避難」と「同伴避難」のあいまいさ

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イメージ画像(Thinkstockより)
ペット業界を知り尽くしたライターが業界の内側に迫る、短期集中連載。  報道番組で自然災害のニュースが流れるたび、ペットの救助シーンや避難所での様子が報じられるようになりました。ペットが “かけがえのない命”として認識され、災害時になされた「ペットも一緒に避難しましょう」という呼びかけの賜物だと思います。  1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災をきっかけに、災害時にペットと一緒に避難する対策を講じるための組織づくりが検討され、96年「全国緊急災害時動物救援本部」(どうぶつ救援本部)が公益4団体により組織されました。以降発生した自然災害時には、災害地域の自治体より依頼を受け、フードなどの支援、避難時のペット一時預かり施設の設置、迷子動物の保護と治療、里親募集など、被災飼い主に対する支援を主体的に行い、2011年3月11日の東日本大震災でも発生から約1カ月後、支援を開始しました。  まだ進行形ではありますが、16年4月14日に発生した熊本地震では、新体制となったペット災害対策推進協会が、現地動物救護本部の設置を見越し、いち早く募金活動を開始。後方支援を始めました。その後、同28日付で熊本地震ペット救護本部(構成団体:熊本県、熊本市、熊本県獣医師会)が設置され、災害地域での飼い主支援を進めています。  しかし、被災地ではいまだ復旧が進んでおらず、当初ペットの同伴が可能だった公共の避難所でも、ペットの受け入れを一切行わない事態となっています。一部の避難所では、敷地内に飼育施設を作り、飼い主はその施設内でペットの面倒を見ていますが、ペット連れの被災者の多くはいまだ車中泊や、NGOなどが運営するペット同伴可の施設で避難生活を送っています。  この時期になってようやく仮設住宅も建設され、入居者の募集を開始していますが、ペット同伴可かどうか不明な場所も少なくあいません。自治体でペットの一時預かりを行う活動も進めているようですが、収容数が多くなりすぎて、地域を超えた引き取りによってその数を減らさざるを得ない状況となっているようです。  いったいなぜ、このような事態となっているのでしょうか?  各都道府県では、地域防災計画により、災害時のペットに対する措置について地域の獣医師会と協定を結んでいる自治体が多いのですが、協定の内容にはペットの一時預かりと応急処置などの項目はあるものの、避難所にペットと一緒に避難するために必要な項目(ペット飼養施設の設置・同伴できる部屋割りの方法・同伴の基準など)はありません。避難所は、その施設の長(例えば、学校であれば校長)にどこまで受け入れるかの権限があるのが実情です。緊急時に多くの判断を強いられる立場ですので、その判断は優先させるべきものと理解できます。そもそも人間の避難所に動物を連れ込むことの是非は、いまだに決着していない争点です。  熊本地震では、ペットとの「同行避難」と「同伴避難」という2つの言葉の曖昧さが浮き彫りになりました。国として推奨しているのは同行避難。これは、災害時にはペットを連れて、一緒に避難しましょうというもの。しかし、被災した飼い主が期待しているのは同伴避難(同じ部屋や施設で、ペットと一緒に避難生活を行うこと)です。家族であるペットの命を安全に保護できない限り、被災者は安心して避難生活を送れないのです。  実は今回、自治体に「すべての避難所でペットを受け入れない」という判断をさせた原因があります。それは、自己中心的な動物愛護団体を名乗る人間からのクレームでした。こともあろうに、地震発生後、被災者の救護・復旧活動で混乱している自治体に電話をかけ、執拗に全避難所でペットの同伴を受け入れるよう訴えてきたのです。前述のように、緊急時、避難所での受け入れ範囲は、施設の長が決定します。初動では地域で避難者の状況を判断し、ペット同伴を認めていた施設もありましたが、クレームを受けた自治体の長には、全施設受け入れの命令を出す権限はありませんので、時間と労力を被災者対応に使うため、全避難所でのペットの受け入れを断るという判断をせざるを得なかったようです。このクレームがなかったなら、同伴を続けることができた避難所もあったのですが、状況を顧みない自分勝手な行動が、保護するべき動物たちに残念な結果をもたらしたのです。  いまや、犬猫の飼育率は4世帯に1頭となっています。災害時にペットをどう守るかの問題は、災害が起こるたびに議論されています。災害現場での“かけがえのない命”の存在は、行政や政治家も無視できない存在となりました。そろそろ共通の認識として、災害時のペット同伴避難、避難所での動物の扱い、支援受け入れの時期と方法、などは自治体の災害マニュアルに盛り込むべきです。  また飼い主は、ペットに対する最低限のしつけや健康管理は必須なことはもちろん、支援を行う団体も自治体やほかの団体と連携できるよう、お互いの価値観をすり合わせておく必要があります。多くの災害を経験し、すでにその準備期間は十分なはずです。 (文=成田司) ●なりた・つかさ ペットビジネスライター。動物福祉の発想に基づく日本版ティアハイム設立を目指す「Giraf Project」を主宰。共著に『ペット市場の現状と展望2013-2014』(JPR)がある。

相模原障害者施設大量殺傷事件・植松聖容疑者を変えた? “大麻中毒”ヘルス嬢の存在

「『ナイフで刺した』26歳男 障害者施設で44人殺傷(16/07/26)」(ANNnewsCH/YouTube)より
 相模原市の大量殺人事件で逮捕された植松聖容疑者に、交際相手とみられるひとつ年下の風俗嬢の存在が浮上している。この女性は、植松容疑者と「大麻」と「入れ墨」の共通点があるという。 「4年ぐらい前に付き合っていた女性がいて、顔は若い頃の鈴木京香さんに似た感じでした。彼女がキャバクラに勤務していて、その店で知り合ったそうですが、そのあとで植松が『横浜のヘルスで働いてる』と、風俗嬢になったことを明かしていました」  こう話すのは植松容疑者の元友人で、のちに「貸したものを返さない」ということがあって絶縁したという。ただ、それまでは植松容疑者のことを「ウエッチ」と呼び、何度も一緒に遊んだと話している。その付き合いの中で紹介されたのが問題の女性だが、会ってびっくり。平然と「大麻にハマってる」という話をしていたのだという。 「ハワイ旅行したときにナンパしてきた男に誘われ大麻を初体験して、それからずっと吸っていると言ってました。『違法だからヤバいんじゃないか』って植松に言ったんですけど、笑って真剣に聞いてくれなかったんです。それと、女性は背中や足に、蝶とかの入れ墨があったんですよ。そのとき植松は入れ墨なんかしてませんでしたから、彼女の影響で大麻と入れ墨をやったかもしれない」(前出の元友人)  この元友人によると、当時の植松容疑者はよく恋人を替えていたというが、問題の女性は「少しワガママで、植松を振り回しているようにも見えた」という。 「彼女は『不良っぽい男が好き』と言ってたんですが、そのころ植松がやけに不良っぽい振る舞いをしているように見えたんですよ。テレビでは少し前に路上で通行人とケンカして書類送検されたってやってましたけど、僕と遊んでいるときはそんな奴じゃなかったですから」(同)  植松容疑者が犯行に及んだきっかけの一因には、「勤務先で入れ墨の発覚」や「大麻」が指摘されており、さらに不良っぽくなった振る舞いが攻撃性に結び付いたと推察すれば、問題の交際女性の悪影響があったと言えなくもない。 「ほかに大麻を売買するような悪い仲間はいなかったと思うので、その女から大麻をもらった可能性は高い気がする」と元友人。ただ、女性と最近まで交際が続いていたのかは「絶縁してたからわからない」と話す。  この交際女性の存在について、捜査中の神奈川県警に聞いてみたところ、「答えるかどうか検討しますので、時間をください」と回答は保留だった。今年2月、植松容疑者を措置入院させていた市の精神保健福祉課にも聞いてみたが「入院前後の交際相手の存在は知りません。3月2日に入院が解除となったときは、本人が書いた書類に『市外への居住』とあったので、以後の動向も掌握していませんでした」との回答だった。  問題の交際女性の行方を追ってみてはいるが、過去に勤務したとされるキャバクラ店はすでに閉店しており、手がかりはほとんどないままだ。 (文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)

相模原の知的障害者大量殺傷事件「神のお告げ」発言で揺れるテレビ局 匿名報道に切り替え検討も

「『重複障害者を救った』供述 相模原“19人刺殺”(16/07/27)」(ANNnewsCH/YouTube)より
「もしかすると、早いうちに実名報道ができなくなるかも……」  神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の大量殺傷事件で逮捕された植松聖容疑者に精神疾患の疑いがあり、ある情報番組のテレビディレクターは慎重な対応を検討しているという。 「局のガイドラインでは、心神喪失者の事件は匿名報道が原則です。実際には、裁判で認定されてから匿名に切り替えることが多いですが、ルール上は法律的に心神喪失とされなくても、精神障害による犯行と推定できるような場合は匿名報道にするよう定められているんですよ。これは、他局も同じような決まりになっています。今回の場合、容疑者が2月に緊急入院していて大麻精神病や妄想性障害の診断がされているので、早めに匿名に切り替える選択も視野に入れています」  植松容疑者は事件前、クリスチャンでもないのに「神のお告げ」という言葉を乱用していたという話だ。今年2月に会ったという高校時代の友人男性は「朝の5時ぐらいに半年ぶりぐらいに電話してきて、『神のお告げで人生変わった』という話を一方的にされた。翌日の朝も、また同じ内容の電話をしてきて、気味が悪かった」と言っている。 「福祉関係の仕事をしているとは聞いていたけど、卒業後は付き合いが減っていたので詳しいことは知らなかったです。学生時代はアニメキャラのモノマネでみんなを笑わせたり、明るく活発。それが電話では口調が暗くて、学生時代とはまったく違う別人のようでした。まさか殺人事件を起こすとは思わなかったけど、病んでいるような感じはしましたね」(同)  この男性によると、同じ大学に通っていた別の友人からは「1年ぐらい前、植松がLINEの輪から黙って抜けていった。電話で理由を聞いたら『神のお告げ』と言っていた」との話を聞いたという。  植松容疑者は事件現場の「やまゆり園」から徒歩圏内にひとりで暮らし、12年12月から働いていたが、入所者への暴力や「障害者を抹殺すべき」といった言動が重なり、今年2月に自主退職となった。その際、精神保健福祉法に基づいて措置入院が取られている。これは、指定医2名以上が「加害の恐れ」を判断したもので、定期診察の末、入院12日後の退院が認められた。短期間ながら、精神疾患が認められたという事実ではある。  心神喪失者の犯罪では、児童8人が殺害された同じ大量殺人、01年6月の大阪・池田小事件をきっかけに、「心神喪失者等医療観察法」が成立。重大事件を起こした心神喪失者が無罪や不起訴となった場合、強制的な入院や治療を行うことになった。「植松容疑者がもしそうなれば、どんなに危険な人物であってもメディア的には匿名報道の原則で、人権問題などもあるので、はなから取り扱わないNG案件になる」と前出のディレクター。  しかし、その腫れ物に触るような状態が、結果的に逆効果を引き起こすケースもあるという。メンタルカウンセラーの野村高一氏は「過剰な保護は、むしろ異常な性質が保たれやすいという見解もある」と話す。 「たとえば神戸連続児童殺傷事件の犯人は、反社会性パーソナリティ障害とされ、事件後に医療少年院に入院した少年犯罪であったため、メディアでも匿名が堅く守られました。しかし、過度に保護した結果、大きな人格の変革が期待できなくなり、実際に日常生活に戻っても著書やホームページで被害者を愚弄するような、おかしな言動を見せました。もし、植松容疑者が精神疾患などで減刑された場合、人権に配慮しすぎて、その後どんな回復の道をたどるのか見えにくくなり、異常性が保持されたままになってしまう可能性もあるんです。犯罪者には厳しくとも、少年や精神疾患であると極端に逆の方向に向かいすぎるのは危ない」(同)  植松容疑者は事件直前、近隣の草刈りを自主的に行っていた一方、2月に衆議院議長に宛てた手紙で、事件の起きた施設の実名を記して犯行を予告し、犯行後の「金銭的支援5億円」を要求するなど、不可解な行動を取っていた。 「コメンテーターもその行動が理解できず、戸惑った内容しか言えていなかった。事件前の容疑者の様子を聞けば聞くほど、心神喪失の疑いが濃くなっているので、将来的な匿名報道は避けられないかも」(同)  いずれにせよ、措置入院から退院して間もない凶行という部分については、さまざまな見解が飛び交いそうだ。 (文=片岡亮/NEWSIDER Tokyo)