「地層が知りたくて……」。先頃報じられた、考古学愛好家の男が、宮内庁が管理する西殿塚古墳(奈良県天理市)を掘り返していて、お縄になった事件。男の供述が、これである。 単なる古墳でも盗掘は許されるものではないが、この古墳は現在も宮内庁が継体天皇の皇后・手白香皇女の陵墓として管理している古墳。つまり、宮内庁としては現在も祀られている皇族の墓という扱いなのだ。 宮内庁が陵墓として管理する古墳は、北は山形県から南は鹿児島県まで、1都2府30県に存在する。そのうち歴代の天皇陵が112、皇后陵が76にもなる。これらは、現在も機能している墓であり、考古学の研究目的でも発掘が許可されることはまずあり得ない。また、中に立ち入るのももってのほかだ。そんな古墳を、大ざっぱにシャベルで掘り返そうとしたのだから、もはや「なんかのテロか?」と思われても仕方のないレベルの犯罪行為だ。そもそも、通常の発掘調査では、同じ時代の地面が露出するように、一枚ずつ皮をめくっていくように地面を削っていくのがセオリーである。今回の事件のような行為は、まさに墓泥棒、そのものである。 さて、真面目な発掘現場でも、泥棒やトンデモない行為をする人は出るものである。長年、遺跡発掘に携わっている、ある地方自治体の人物は語る。 「日本で行われる発掘調査の大半は工事に伴って行われるので、パッと見は工事現場と区別がつきません。それに、発掘調査が終わったところから工事が始まっている場合も多々あります。そのため、工事現場で起こる窃盗事件もけっこうあるんです」 工事現場では、朝現場に来てみたら備品がなくなっていた、なんてことも起こる。さすがに、重機が消えるほどの大事件はまれだが、夜の間に備品が盗まれているということは多いという。 「冬の発掘現場なんですが、ある朝、現場にある休憩所に使っているテントのところがやけに寒かったんです。“今日は寒い日だなあ……”と思っていたら、石油ストーブがなくなっていました」 吹きっさらしの冬の発掘調査の現場は寒いのが当たり前。そのため、昼頃まで誰も気づかなかったのだとか。ほかにも、ある現場では仮設トイレが丸ごと姿を消していたこともあったという。このように備品が盗まれる例は後を絶たないが、発掘現場から出土した土器や石器が盗まれることはまれだという。 「発掘現場では、ブルーシートを敷いて養生するんです。時々、夜中に誰かがシートをめくった跡があることもありますが、出土した遺物がなくなることはまずありませんね。さすがに土器のカケラなんかに価値はないことは、誰でもわかっているみたいですね」 むしろ、発掘した遺物が行方不明になるのは、発掘作業を終えて整理をしている段階だという。 「土器や石器は、水洗いして番号を記入してから図面に起こしたり記録を取っていくんですが、怖いのは水洗いをして番号を記入するまでの間です。水洗いをして乾かしている時にごちゃまぜになってしまって、どれがどこから出土したものか、わからなくなってしまうこともあります」 東京都の文化財に指定されているある遺跡では、この結果、貴重な遺物がどこから出土したものかわからなくなってしまい、大問題になったこともあるとか。通常の発掘調査で怖いのは、泥棒よりも作業のお粗末さということか。 (取材・文=昼間たかし)西殿塚古墳(Wikipediaより)
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サッカー日本代表主将・長谷部の“戦術批判”はザックジャパン空中分解への序曲か
コンフェデレーションズ杯の3試合で9点、ウルグアイ戦で4点と大量失点を喫し、まさに“守備崩壊”と言っていい危機的状況にあるサッカー日本代表。こうした状況にあっても、アルベルト・ザッケローニ監督や本田圭佑(MF=CSKAモスクワ)といった主力選手らは「自分たちのやり方は正しい」と、あくまでも攻撃的な姿勢を崩そうとしない。 だが、この男の考えは違うようだ。主将の長谷部誠(MF=ヴォルフスブルク)は、ウルグアイ戦後に行われたインタビューで「もはや戦い方を再考すべき」と激白。 「何しろウルグアイ戦は、『チームとしてどれだけ失点を防いで、(相手を)ゼロに抑えられるかが大きなテーマ』と試合に臨んだのにもかかわらず、4失点の惨敗だったわけですから、ショックは大きかったのでしょう」(サッカーライター) インタビューでは「今は、チームとして難しい時期に来ている。世界のトップレベルのチームと対戦して、『(最初は)やれるかな』と思っていたけど、実際に戦ってみると、失点を重ねて勝てなかった。チームとしての戦い方というか、(全体の)バランスをもう一度考えるべき。『自分たちの攻撃的なサッカーを貫こう』とやってきたけど、それをやりすぎてしまうと世界のトップレベルには勝てない」とも。 まさに“弱気の虫”だが、ネット上では長谷部の考えに賛同する書き込みがあった一方で、「これ協会への体制批判じゃないか。長谷部オワタ」「どう戦おうがグループリーグ敗退。次のロシア大会に期待するわ」「戦い方というより長谷部が変わればいいんだけど」「すごくもっともなんだけど、戦い方を変えたら長谷部というパーツは必要なのか?」「本来便利屋の長谷部はベンチ」「川島長谷部遠藤は普通に衰えた」などと、批判が相次いでいる。 「確かにウルグアイ戦では、長谷部はほとんど機能していませんでしたからね。本来、ボランチの彼と遠藤保仁(MF=ガンバ大阪)がフィルター役となって、DF陣の守備を助けなければならなかったのに、それがまったくできていなかった。もっとも、守備意識の低さは、香川真司(MF=マンチェスターU)や本田ら攻撃陣も同様でしたけどね。本当にこのままでは、W杯本番で惨敗を喫してしまいそうです」(同) さらに「問題はもっと根深い」と、このライターは指摘する。 「ここにきて、チームが“一枚岩”でなくなってきていることです。長谷部のように攻撃偏重を憂うメンバーもいれば、何点取られても攻撃的サッカーを貫きたいと考える本田のようなメンバーもいる。まったくもって足並みが乱れています。本田は『4失点したことよりも、3点、4点と取れなかったことが問題』だなんて言っていますが、世界の強豪相手に4点取ることを目指すのは現実的ではありません。なので、長谷部の現状認識は正しいのですが、ザックはW杯出場を決めて“ノルマ達成”とばかりに、本戦で勝つための現実的なチーム作りをしようとしない、本田は本田で自身のビッグクラブへの移籍がうまくいかないせいか、守備をおろそかにして、個人アピールに努めようとしてばかりいます。監督や各選手らがそれぞれバラバラな方向を見ており、チームが空中分解する恐れすらあります」(同) こうした状況は、W杯本戦でチームが分解して大惨敗を喫したジーコジャパンを彷彿とさせるが、本番を迎える前からこんなありさまでは、ザックジャパンの状況はもっと悪いといえるだろう。今回の長谷部の発言は、低迷が続く代表チームにどのような影響を及ぼすのか?『長谷部 誠 カレンダー2013年』(エンスカイ)
実質“クビ”のプロ野球・松坂大輔が極秘で狙う「日本球界復帰」への秘策
メジャーリーグ・インディアンス傘下の3Aに所属していた松坂大輔が日本時間21日、チームとのマイナー契約を解除した。本人の希望に応じた動きで、今後は自由契約選手として全球団と交渉が可能になるが、実は水面下で「日本球界復帰」の秘策を練っているという。 左ワキ腹の故障などもあり、今季は一度もメジャー昇格がなかった松坂。 「前所属球団のレッドソックスには6年所属しましたが、故障と出場機会を求めて移籍。ところが、インディアンスでも3Aでこそ調子を上げていたものの、メジャーでの登板はかなり厳しかった」(MLB担当記者) かつて甲子園を沸かせた“怪物”も、気づけば32歳。今後、メジャーにこだわって動くのもアリだが、現実的には「妻や子どもたちの環境も考えたら、そろそろ日本球界に復帰したほうがいい」という見方も。そんな中、実は松坂自身もそれに向けて動いていたというのだ。 「一部スポーツ紙では来季、ブルワーズに移籍する方向で固まったといわれていますが、実は7月に入ってから、松坂が日本の球界関係者に『来季からそっちでやりたい』という意思表示と相談のためにコンタクトを取った。彼の近しい関係者も、すでに在京セ・リーグの某球団に極秘であいさつに行っているほどです」(別の球界関係者) ただ、本人も「復帰のシナリオ」にはかなり気を使っているようだ。 「要は、力が落ちて出戻りになったという形で、日本球界に復帰したくないようなんです。まぁ実質的にはそうなるでしょうが、メジャー移籍前に日本球界でトップクラスの投手だった松坂からすれば、プライドが許さないでしょう。そうなると、彼とゆかりのある指導者の下やチームがベスト。ただ、古巣の西武は若手投手も多く、割って入るのは厳しいです」 となると、ウルトラCは「指導者とチーム」が合致した場合だ。 「以前から松坂本人が行きたがっているのは、高校時代を過ごした横浜のDeNAベイスターズです。現在は、中畑清監督が率いていますが、今年の成績状況によっては退陣する。そこに、西武時代の恩師・東尾修氏が就任すれば『再び東尾を胴上げしたい!』という名目が立つというシナリオです」 目下、中畑ベイスターズはクライマックスシリーズ出場も決して不可能ではない位置にいるが、もしかしたら松坂だけは“敗退”を望んでいるかも……?『MLB 松坂大輔 ~ボストン・レッドソックス~』(ジェネオン エンタテインメント)
プロゴルフ松山英樹と“主役交代”のハニカミ王子・石川遼、結婚宣言の彼女とはどうなった!?
「完全に主役交代です」。そう語るのはゴルフ雑誌記者だ。“ゴルフ界の寵児”といわれた石川遼(21)に代わって主役に躍り出たのは、同学年の松山英樹だ。 先日行われたニューヨーク州のオークヒルCCで開催された今季メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」最終日では、3オーバーの38位タイからスタートした松山が、6バーディ・2ボギーの66をマークし、通算1アンダーの19位でフィニッシュ。来季の米ツアーシード権獲得を手に入れた。 対する石川は最終日に猛チャージを見せるもシード権を逃し、下部リーグとの入れ替え戦に臨むことになった。 スポーツ紙記者によれば「昨年までは遼くんが一面だったが、今は松山ですよ。松山の一面記事の下で遼くんの記事が小さく載っていることもある」とのこと。若くして“盛者必衰”を味わった石川は、本業とは別の部分でマスコミの関心を集めている。 「結婚宣言した彼女の姿を見ることがないんです」 そう語るのは前出ゴルフ誌記者。石川は昨年末に、長らく交際を続けてきた一般人女性Aさんとの結婚を発表。生活の拠点を米国に移し、Aさんも一緒に暮らしているとみられていたが……。 「それが、どうも違うようなんです。Aさんだけが実家に戻ったという話もある。結婚宣言したものの、一向に入籍したという話も聞かないし、破局したのでは? という声も飛んでいますよ」(同) 一方、別の記者はこうも語る。 「破局はしていないのと思うが、Aさんは家柄的にいろいろワケありらしく、表に出られないそうだ。遼くんもそれをわかっていて、マスコミの前でツーショットで出歩くことはまずないという。入籍が遅れているのも、家柄や両親の問題のようだ」 石川にはプライベートではなく、再び競技成績のほうで世間の耳目を集めてもらいたいものだが……。
Androidアプリに要注意! うかつに入れると、個人情報が漏えいする!?
7月下旬、スマートフォンの電話帳のデータを不正に抜き取ったとして、東京のIT会社社長以下9人が逮捕された。なんと、3700万件ものメールアドレスを収集し、出会い系サイトの勧誘メールを送信した容疑だ。昨年10月には、1000万件の個人情報を盗んだ容疑で会社役員ら5人が逮捕されている。これだけの規模の漏えいが起こるということは、いつ自分が被害者になるかもわからない。また、不正アクセスされると、その端末内の電話帳データが丸ごと盗まれる。電話帳に登録されている友人が多いほど、被害を受ける可能性も高くなるというわけだ。 これは、Android OSの不具合ではなく、悪意のあるアプリが原因。ユーザーが自分でGoogle Playにアクセスし、インストールしているのだ。その際、アプリのアクセス権限を確認する画面が開いているはずだが、無視して許可しているのが問題。ある意味、自業自得といえる。 「the Movie」というアプリは動画アプリに見せかけて、端末の番号や電話帳のデータなどを外部に送信していた。ずる賢いのは、3月21日にアプリを公開し、出回ったことを確認できた4月に不正アクセスを開始している点だ。3700万件の漏えいは、「安心ウイルススキャン」というアプリ。皮肉にもセキュリティを高めようとしている人がターゲットになり、結果、81万人がインストールしてしまった。 アクセス権限を確認しても、限界がある。例えば、フラッシュを光らせるだけのアプリで、システムツールや位置情報、ストレージなどへのアクセスを求めてきたら、変だということがわかる。しかし、電話帳アプリなら電話帳へのアクセスを拒否するわけにはいかない。レビューをよく読んで、ほかの人が問題なく使えているかを確認。アプリ名でGoogle検索し、セキュリティの問題が報告されていないかもチェックしたい。万全を期すなら、シマンテック社の「ノートンモバイルセキュリティ」といったマルウェア対策アプリを購入しよう。価格は1年版で2980円と少々高いが、前出のような怪しい無料アプリでは本末転倒になりかねないので要注意。どちらにせよAndroid端末は、気軽にアプリをインストールして試すという使い方には向いていないといえる。 iOSではこのような問題がほとんど起きていない。これは、App Storeの審査が厳しいため。Appleは怪しいアプリは公開させないし、万一何かあっても即対応してくれる。反面、Androidは審査がない上、Google Play以外の場所からでもアプリをインストールすることができる。このため、なんでもありの無法状態になっているのだ。Androidのほうが「自由」なのは確かだが、個人情報ダダ漏れではスマホとして使うのは怖い。Googleには早急に、根本的な対処をしてほしいところだ。 (文=柳谷智宣)イメージ画像(「足成」より)
「秋田書店だけじゃない!」当選者なんて存在しないのか……雑誌懸賞の知られざる真実
読者プレゼントはすべてフィクションでした――。「週刊少年チャンピオン」などで知られる秋田書店が、雑誌に掲載した読者プレゼントの当選人数を水増しして告知。実際には発送していなかったことが明らかになり、消費者庁が景品表示法違反(有利誤認)に基づく措置命令を出す方針であるという。 消費者庁によれば、問題になったのは「ミステリーボニータ」「プリンセス」などの雑誌で、読者プレゼントの当選者数を2名と告知しながらも実際には1名だったり、50名のはずが3名という事例があったという。 雑誌では必ず見かける読者プレゼントだが、実はかなり厳密なガイドラインが存在する。出版業界には日本雑誌協会が母体の雑誌公正取引協議会があり、「公正競争規約」を定めている。ここには2011年現在で101社が加盟しており、業界自主ルールを守って運用することになっている。 このルールはかなり厳密で、一般的な懸賞の場合では ●景品類の上限額:定価の20倍まで(定価500円の雑誌ならば1万円まで。上限は10万円まで) ●景品類の総額:定価×実売想定部数×2%以内(定価500円で5万部想定なら50万円以内) とされる。また、アンケートやクイズの回答を求める懸賞は「特例懸賞」とされ、この場合は景品類の最高額は3万円などとされる。また、アンケートの項目数は9項目以上、表紙・広告・ネットに載せてはいけない。 しかし、こうしたルールを十分に把握せず、ルール破りをしてしまう事例はたびたび起きている。過去には女性誌が定価の20倍を上回る景品を表示してしまったり、「特例懸賞」なのにインターネットで応募できるようにしてしまった事例がある。 消費者庁や公正取引委員会は、こうした懸賞をかなりチェックしているようで、違反行為を指摘する連絡があって初めて問題に気づく出版社も多いという。 また懸賞の金額だけでなく、読者全員プレゼントで「切手○○円が必要」という表示が小さいという指摘もあるのだとか。 さて、今回の秋田書店の懸賞問題は、こうした規定以前に編集者がモラルのカケラもなかったということができる。しかし、この事例はまだ甘いほうだ。実は、世の中には読者プレゼント自体がすべてフィクションという雑誌もあるのだから。 そんなムチャな行為を行っているのが、エロ本や実話誌だ。ある実話誌の編集部員は語る。 「だいたい読者プレゼントページは、新人編集部員の仕事です。まず、プレゼントする商品の画像をネットから拾ってきて、ラフを書いてデザイナーに渡します。商品なんて最初からあるはずがありませんよ」 こうした雑誌を読んでいると、かなり高額の商品や、人気アイテムが読者プレゼントとして多数掲載されている。それもそのはず、何しろ商品がないのだから、いくらでも掲載し放題である。 「そもそも、500円くらいのエロ本の懸賞でMacBook Airが当たったりするワケないでしょう。本気にしているほうが、どうかしていますよ」(同) とはいえ、エロ本や実話誌でもすべてがウソではない。この編集者も、プレゼントをちゃんと発送したことはあるという。 「AV会社から不良在庫をもらってきて“読者全員AVプレゼント”をやったときです。読者から発送用の切手代を取ってしまったので、ちゃんと送らないとマズいということになって……。すべて発送するのに、半年くらいかかりましたよ。その間、何度も読者から『いつになったら届くんだ!』と怒りの電話がかかってきました」(同) さらに、「読者セックスプレゼント」という、もはや景品表示法うんぬんで終わらない、とんでもない懸賞企画を告知したことも。 「適当に安い企画女優を、モテない男と絡ませればいいやと思っていたんですが、応募してくる男が、みんな封書で手紙に『私は、生まれてから一度も女性と付き合ったことがなく……』とか切実な思いを綴ってくるんです。あまりにもヤバすぎるということで、編集部員が当選者のウソ企画になりました」(同) 懸賞なんて“当たったらお得”程度に考えるのがちょうどいいようだ。 (取材・文=緑林学)秋田書店 公式サイトより
「花火大会事故は暴力団排除条例が一因……」全国の祭りから“テキ屋”が消える日
8月20日現在、3人の死者を出す大惨事となった京都府福知山市の花火大会で発生した露店爆発事故では、露店の店主が、火元近くでガソリン缶を開けるという、初歩的な安全管理を怠ったことが事故の原因とされている。また、主催者や消防など、安全確保に当たる機関が、こうした危険行為に対する措置を講じていなかったことも明らかになった。 さらに事故を起こした露店はベビーカステラを販売していたが、大会を主管する福知山商工会議所に、営業実態と異なる「たこ焼き店」として出店許可申請書を提出。負傷したアルバイト女性についても、住所氏名や連絡先が空欄のままだったにもかかわらず、商工会議所は出店許可を出していた。 出店者と運営側、双方のずさんさが際立つ今回の事件について、「少なくとも俺が現役の頃は、火元の近くでガソリン缶を開けるようなヤツはいなかったね」と話すのは、元テキ屋の60代男性、Y氏だ。 過去40年にわたり、全国の祭や行事にりんご飴やお好み焼きなどの露店を出店してきたというY氏は、2年前に現役を退いた。原因は、全国の都道府県で施行された暴力団排除条例だ。 もともと、任侠の世界と密接なつながりのあるこの業界に長年身を置いていた彼の周囲には、暴力団と関わりのある者も少なくなく、Y氏自身、密接交際者として認定された。これにより、暴力団排除を進める全国の祭や行事に、出店することができなくなったのだ。 「条例で、俺みたいな古株には、商売ができなくなったヤツが多い。そこに代わりに業界に入ってきたのが、テキ屋の経験がなく、火の扱いもマトモにできないような素人。ショバ代を取り立てるヤクザは、俺だって好きじゃない。でも、この商売一本でやってきたテキ屋を排除して、その後の安全管理ができていないのでは、ヤクザに笑われるよ」 全国的に見ても、こうした“テキ屋排除”の傾向は進んできており、先日、尼崎市内の夏祭りで例年なら数十軒も建つ露店が3店しか建たなかった例も報道された。かつての“夏の風物詩”が完全に姿を消し、日本の祭りの風景が一変する日も遠くなさそうだ。 (文=牧野源)イメージ画像(「足成」より)
見本誌チェックを怠ったツケか? 台湾の大手同人誌即売会で18禁サークルが現行犯逮捕
これは無秩序の結果なのか? 先月28日、台湾で開催された同人誌即売会「ファンシーフロンティア(FF)」の会場で、エロマンガを販売していた現地の同人サークルのメンバーが逮捕される事件が発生した。 逮捕されたサークルは、ホームページで無修正の見本ページを掲載。これをプライベートな事情で争っている個人が現地警察に通報したため、当日、現行犯逮捕されてしまったという。メンバーが連行された後も、ほかのサークルメンバーは、ブースに「作者が逮捕されたため新刊はありません。18禁で何が悪い」というPOPを掲示。参加者にはドン引きされる始末だったという。 多くの日本マンガ愛好者がおり、同人文化も盛んな台湾だが、性表現に対する規制は日本よりも厳しい。しかし、これまで同人のレベルでは、修正を入れ、18禁を表示するなどの配慮がなされていれば、黙認という形で性表現を扱う同人誌も摘発されることはなかった。今回の件は、そうした配慮を行っていなかったことが原因であり、現地でも同情の声はまったく聞かれないという。 しかし、なぜこのような同人誌が堂々と頒布を企図される結果になってしまったのか? 現地の事情に詳しい人物は語る。 「日本のコミックマーケットなどでは、表現の自由には配慮が伴うことを事細かに記しています。ところが、『FF』は“法律に従う”ことを記している程度で、あまり明確に書いていない。それは“創作表現の自由を守る”といったお題目があるからです。そのため、日本のように見本誌を集めてチェックするということもやっていないのです。日本の同人誌即売会に比べて、対応が幼稚だと言わざるを得ないでしょう」 「FF」はこれまで、性表現を扱う同人誌に対しては、性器の修正や18禁表示、袋に入れるなどの指示は行っていたものの、参加者に対して、性表現を行う上で描き手自身も配慮を徹底しなければならないことを周知するのを怠ってきた。その結果が、今回の事態であると考えることができる。 いまや、日本のエロマンガも海外に多くの読者を抱える時代。来るべき児童ポルノ法問題に、こうした事例はどのように影響するのだろうか? (取材・文=昼間たかし)ファンシーフロンティア公式サイトより
日本領事館も注意喚起! インフレ中国で流行する「タクシー毒ガス強盗」
日本で「タクシー強盗」といえば、乗客が運転手を襲うものと相場が決まっているが、所変わればなんとやら。中国では、運転手が客を襲う「逆タクシー強盗」も頻発している。 そんな中、在広州日本国総領事館もホームページに掲載された、在留邦人からのある被害報告が、現地日本人社会を不安に陥れている。 「本年4月頃(夕方)、東莞市内から東莞総駅に向かうタクシーに乗車したところ、車内に煙のようなものが漂っており、異臭を感じた後、意識が朦朧としてきた。降車する際、運転手の言われるままの金額を支払ってしまった。その後、本年7月に中国人の友人が同様の被害に遭った旨を聞いた」 ぼったくり程度ならまだしも、毒ガス攻撃となると穏やかではない。同市に隣接する、広東省深セン市在住の日系企業勤務の男性も、あわや同様の手口による被害者となりかけたという。 「夕方、深セン市の鉄道駅から帰宅するためにタクシーを拾ったんです。乗り込んで行き先を運転手に告げている際に、座席の下から白い煙のようなものが上がっていることに気がついたんです。臭いなどは感じませんでしたが、息を吸い込むと頭がクラクラしました。中国では車の爆発事故も頻発しているので身の危険を感じた私は、『煙が出ているぞ』と運転手に伝え、車を降りました。しかしそのタクシーは、そのまま立ち去った。今思えば、まさに領事館が注意喚起している手口だったんです。白タクに乗って犯罪に巻き込まれる話はよく聞きますが、その時私が乗ったのは正規のタクシーでした」 広東省ブロック紙の社会部記者は、タクシー運転手による犯罪が増加している背景についてこう話す。 「最近中国では、インフレの進行などにより、副業としてモグリでタクシー運転手になる者が激増している。タクシーの車内に掲げられている運転手のIDの写真と、実際の運転手の顔が違うことがよくあるが、これは、正規の運転手が会社から支給された車両をモグリの運転手に又貸ししているから。そんななか、白タクだけでなく、モグリのタクシー運転手による強盗事件も多発しているんです」 中国でタクシーにご乗車の際は、防毒マスクが必須アイテム!? (文=牧野源)イメージ画像(「足成」より)
判断基準は「児ポ法の条文と判決」──国会図書館が「児童ポルノ」閲覧制限措置に関する文書を開示
判断基準は「児ポ法の条文と判決」──国会図書館が「児童ポルノ」閲覧制限措置に関する文書を開示
8月5日、国立国会図書館が「児童ポルノ」にあたるとして、閲覧を禁止・制限している図書の決定に関する文書が交付された。これによれば、国会図書館が閲覧を禁止・制限している図書類は、現在129点にも及ぶことが明らかになった。
この文書は、情報公開請求に基づいて公開されたもので、前記事(参照)でも記した通り、書名や出版社などのデータはすべて非公開として、黒塗りになっている。
開示された資料によれば、閲覧を禁止・制限するために行われた会議は、2005年4月から06年7月まで5回にわたって行われた「児童ポルノに該当するおそれのある資料に関する検討委員会」、09年と12年に行われている「児童ポルノに該当するおそれのある資料に関する再検討委員会」、08年の第70回利用制限等申出資料取り扱い委員会、12年の第79回利用制限等申出資料取り扱い委員会。その各配布資料が開示されたのである。
これらの資料によれば、国会図書館では、収集部が05年10月の利用制限等申出資料取扱委員会懇談会で委員と幹事に意見を聴取。同年、11~12月にかけて3回にわたって、憲法学・刑事法学・行政法学の専門家から意見を聴取、同年11月には日本雑誌協会及び、日本書籍出版協会より聞き取りを行った上で、06年2月に法務省刑事局より意見を聴取し、同年2月の利用制限申出資料取り扱い委員会懇談会で修正の上で、方針を決めたことがわかる。
06年2月24日付けの収集部が作成した「児童ポルノに該当するおそれのある資料の取扱いについて」によれば「児童ポルノに該当するおそれのある資料について」次のように記す。
「(現行の内規を継続すれば)被写体となった児童の人権侵害をさらに拡大し、国内法のみならず国際条約で厳しく禁じられている行為に館が加担する結果にもなりかねないと考えられる。この点で、他の利用制限措置の事由とは事情が異なることは明らかであるため、確定判決等の確認がなくとも、館の判断に基づき非提供資料へ区分し、一般公衆等に対する資料の提供を行わないこととする。」
そして、閲覧制限を設けなければならない理由として、「児童ポルノ禁止法の規定によれば、仮に館において児童ポルノに該当する資料を利用に供すれば、館の提供行為が処罰の対象となる。(中略)裁判において確定したり、起訴されたりしてないからといって、児童ポルノに該当しないとは限らない。このため、現行のままでは、児童ポルノの提供を館が回避できない事態が懸念される。」とする。
その上で、国会図書館が「児童ポルノ」あるいは、そのおそれがあるものとして判断する基準も示している。その判断基準とは「児童ポルノ禁止法の条文及び裁判所の判決を基準として判断する。」の一文が記されているのみだ。
つまり、開示された文書からは、国会図書館が「児童ポルノ」を提供したとして逮捕されることを防ぐために措置が必要とされたこと。しかし、判断基準は極めて曖昧なものであることが明らかなのである。
また、資料からはよく知られている通り、検索システムからは除外することが記されているものの、図書館での保存、納入された場合の書誌情報の作成は行われていることもわかる。
つまり、国会図書館内部では「児童ポルノ」に該当、あるいはおそれのある図書が保存され、書誌データも存在する。しかし、国民はそれらを知ることもできず、それらの図書の存在は、知ることができないというわけだ。
この上で、国会図書館は閲覧禁止、あるいは制限を行うために「児童ポルノに該当するおそれのある資料についての国利国会図書館資料利用制限措置等に関する内規の特例に関する内規」を定めて閲覧の禁止・制限を行っている。この内規の二条によれば
「児童ポルノ法第二条第三項に規定する児童ポルノ(以下単に「児童ポルノ」という)に該当するおそれのある資料は、利用制限内規第四条の利用制限措置を採ることができる資料とする。」
と定められている。そして、第三条では調査審議のために検討会を開くことを、第四条では、3年を超えない範囲で再審議を行うことも記されている。
実情としては「再検討委員会」のたびに、既存の禁止・制限は継続の判断を下されるとともに、新たに追加される図書も増加し、合計130点に及ぶ(利用制限とは、雑誌で合本して保存しているために丸ごと禁止にできないもの。付録DVDのみの利用を禁止するものなどが該当する)。
開示された資料では、検討委員会では審議資料としてタイトルごとに「児○○」と整理番号をふり、書名と出版社などのデータを記し「児童ポルノ」にあたるおそれのある理由を記している。また2回目以降は、第1回検討委員会、及び過去の再検討委員会の審議結果も記されている。
このうち、制作者が逮捕されるなど事件となったものについては、理由の部分が詳細に綴られる。その一方で、判断があくまで主観にたよっているものも、多数見受けられるのだ。理由の部分について、抜粋してみよう。
児4:著者が児童ポルノ法制定時に児童ポルノと認識し、廃棄したという(=黒塗り=)からの平成12年3月28日付け文書による)。
児12:全96p中35pが全裸及び全裸に等しい写真。半裸の写真又は着衣だが不自然な死体の写真が相当数ある。局部に線を入れる等局部を強調した写真がある。被写体について、表紙に「少女」との記載がある。
児46:平成17年6月20日、館から出版者に照会したところ、児童ポルノ法制定時に、本=黒塗り=については、児童ポルノに該当し、その製造・販売が処罰の対象になると判断したため、以後一切関与しないこととしたとの回答を得た。
児130:=黒塗り=(参考資料)によると、平成=黒塗り=年=黒塗り=月ころ、当時=黒塗り=歳だった女子高校生のわいせつな映像を本資料の附属DVDに使用し児童ポルノを製造・販売したとして、=黒塗り=と当時=黒塗り=だった男性が児童ポルノ禁止法違反の容疑で平成=黒塗り=年=黒塗り=月=黒塗り=日に書類送検された。(中略)平成19年6月13日、発行者である=黒塗り=に電話にて確認したところ、女子高校生の映像は、本体冊子「=黒塗り=」の「=黒塗り=」(p32)及び附属DVD(全180分)の「=黒塗り=」の「=黒塗り=」(約22分)で使用されており、本資料はすべて警察に押収されたため、発行者の手元にはないとのことであった。発行者は、本資料について利用制限措置が採られても、やむを得ないと考える旨を表明している。なお、本資料は=黒塗り=を最後に廃刊された。
これらの文書からは、とにかく少女がハダカになっているものは「児童ポルノ」に該当する方針で決定がなされていることが伺える。しかも、開示された文書が配付資料であることからも明らかなように議事録が作成されているわけではなく、決定過程は極めて曖昧だ。
図書館における閲覧制限に関しては、1976年に名古屋市立図書館で「童話“ピノキオ”に障害者差別の表現が含まれているので排除して欲しい」と障害者団体が要望があった時に生まれた「検討の三原則」というものがある。
これは「職制判断を避け全職員で検討する」「広く市民の意見を聞く」「当事者の意見を聞く」からなるものだ。名古屋市立図書館ではいったんは書架から外す措置を行ったものの3年あまりに及ぶ検討の末に、通常通り自由に利用できるようになった。ところが「児童ポルノ」に関する国会図書館の措置は、特殊な事情を楯に、こうした経験を無にしているように感じられる。
国会図書館に対しては、今後もさまざまな形でアプローチを行っていく予定だ。
(取材・文=昼間たかし)







