「国立大学入試の二次試験は学力検査ではなく、面接を導入する」──前代未聞の提案で注目を集める、政府の教育再生実行会議。この組織は、2013年1月に発足した、第二次安部内閣における教育政策の提言を行う「私的」諮問機関である。 位置付けとしては、首相の「私的」な機関とされているが、実態は安倍内閣を構成する要素のひとつ。連絡先の「内閣官房教育再生実行会議担当室」の電話番号は文部科学省につながるわけで、実質上は政府機関のひとつと考えても問題ない。 この組織では、各界から有識者を招き、教育政策が話し合われている。ところが、そのメンバーの中に、かつてカネで学位を販売する組織として注目された「イオンド大学」の学歴を有する人物がいることが発覚し、注目を集めている。 その人物とは、有識者の一人で学習塾などを運営する「成基コミュニティグループ」の代表・佐々木喜一氏だ。グループ内の佐々木氏の経歴には「イオンド大学」の記述がない。ところが、氏が理事を務める日本ライフキャリア協会というNPO法人のサイトには「2003年教育分野に於ける業績により米国イオンド大学より名誉博士号を授与される」と記されている(現在、このページは削除されている)。 「イオンド大学」は、かつてアメリカのハワイ州にあったとされる非認定大学。大学と称してはいるが、実態はディプロマミルと称されるものであった。ごく簡単に述べるならば、金を払えば学位を購入でき教授にも就任できるという、「学位」を販売する組織だったのである。 かつては数多くのディプロマミルが存在し、小金を貯めた実業家から実際に大学で教鞭を執る大学教員まで、学位をカネで買っているという事例が見られた。その中でもイオンド大学は、アヤシゲなものを愛好する人々から注目される存在だった。というのも、矢追純一氏が「未知現象研究学部」なる学部の教授として宣伝されていたこと、某ラーメン店チェーンや宗教団体とも一体の組織とみられていたことが理由だ。そうした経緯もあって、90年代のネット文化黎明期からインターネット親しんできた人々にとっては、懐かしさも感じながら「まだ、騙されている人がいたのか」という反応も多い。 イオンド大学は、ある時期より学位の販売をやめ、「イオンド大学名誉博士号推薦委員会」などの名称で頼んでもないのに「名誉博士号を差し上げたい」とする旨の手紙を送りつけ、いざ連絡すると「名誉博士号やるので、寄付金をくれ」と迫るという方向にビジネスを転換したという証言もある。いずれにしても、教育を語る「有識者」が、こんなインチキに気づかないとは一大事。そもそも、ディプロマミルで取得した学位の利用は、文部科学省でも問題として取り上げているところ。なぜ、そのような「学位」を見逃してしまったのか。 文部科学省の中にある「内閣官房教育再生実行会議担当室」の担当者は、選ばれた有識者の学歴などを調査することはないと語る。 「会議の有識者は、基本的に首相と文部科学大臣が選ぶことになっています。申告してもらうのは、基本的には生年月日、卒業学部、現在の職業くらい。それを調べることはしません」 さらには、この担当者、ディプロマミルというものを、知っているかと聞いてみたところ「知りません」という。ここ、ホントに文部科学省なのか……? なお、佐々木喜一氏に対して取材を申し込んだところ「成基カスタマーセンター」から「日本ライフキャリア協会のHPにおいて“イオンド大学名誉博士号を授与される”とありましたのは、プロフィールとして誤った記載であり、佐々木の最終学歴は同志社大学文学部卒となります。プロフィールとして認識しておりませんので、それ以上のご質問には回答しかねます」との回答があった。 (取材・文=昼間たかし)
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これも『半沢』人気の影響!? 中国で上司への逆恨み的「100倍返し」が横行中
ドラマ『半沢直樹』が人気だという中国で、上司にキレた部下による陰惨な「倍返し」行為が相次いでいる。 10月17日の「広州日報」によると、広東省中山市で、会社社長が部下に刃物で刺され、重症を追うという事件が発生した。犯人の動機は、200元(約3200円)の日給を300元(4800)円に増やすよう打診したものの、社長に断られたことが原因だという。 また、9月10日の「武漢晩報」は、 湖北省襄陽市のガス販売会社に勤める52歳の男がガスタンクの口を開け放ち、一晩で14トン分、額にして150万円分の液化ガスが漏出させたと報じた。動機は、あれこれ理由を付けて給与の一部を天引きする社長に、男が不満を募らせたことだったという。 一方、9月7日には福建省福州市で、たびたび残業を命じられることに不満を募らせた会社社員の男が、女性上司のiPhone5を盗み、川に捨てるという事件も起きている(「新浪網」)。さらに、9月6日付けの「人民網」によれば、美容院の女性店長に年齢を口外されたことに腹を立てた24歳の女性従業員が、その報復に美容院で薬品や化粧品など、2万元(約32万円)相当を盗み出している。 いずれも『半沢直樹』とは似ても似つかない、逆恨み的犯行だが、広東省ブロック紙の社会部記者によると「職場での部下から上司への報復行為が続発している」という。 「ここ数年の労働争議ブームで、中国では労働者の権利意識が高まった。そうした中、かつては賃金に関するものに共通していた労働者の不満は、多様化してきている。不満が共通しなければ、団結して争議を起こすこともできないので、個人による報復により権利を主張しようとする労働者が続出している」 香港では、『半沢直樹』のリメイクの話も持ち上がっているというが、日本式の勧善懲悪に乗っ取った「正義のための倍返し」は、中国流にアレンジする必要があるかもしれない……。 (文=牧野源)日曜劇場『半沢直樹』|TBSテレビ
代理投稿“復讐サイト”の暗躍も……「リベンジポルノ」高まる法規制への要望
日本でも「リベンジポルノ」規制を推す声が高まる中、古屋圭司国家公安委員長は24日の参院予算委員会で「現行法で対処する」と発言し、話題になっている。 9月8日、三鷹で起きた女子高生殺人事件では、元交際相手の池永チャールストーマス容疑者が犯行前、振られた腹いせに被害者の全裸写真や動画などをサイトに投稿していたことで、世間は騒然となった。 画像は被害者である私立高校3年でタレントの鈴木沙彩さんが自ら撮影したものと思われるが、おそらく交際中に池永容疑者の手に渡ったのだろう。70枚近くの下着姿などの写ったものが海外の動画サイトに投稿されていた。しかし、現状では日本の警察は殺人については捜査しているものの、わいせつ動画の流布について追う気配はまったくない。 岡田基志弁護士によると「残念ながら今の法律では、わいせつ物の頒布として罪に問うことは難しい。名誉毀損としても女性は故人で、問題にするとしても親族が賠償請求するような形になってしまう」という。 今回の事件にとどまらず、別れ話のもつれから故意に写真や動画を流出させられたといった警察への被害届は、年々急増中だという。過去に、恋人男性にヌード画像を投稿され、損害賠償請求を勝ち取った23歳女性は「結局、それで受け取ったのは30万程度だった」と嘆いている。また、「復讐サイト」と呼ばれる類いのサイトも存在し、数万円を払えば海外のサーバー経由で代理投稿してくれるヤミ業者までが横行。これには当の警察関係者から「法整備をして、確実に取り締まれるようにしてもらわないと」という声が聞かれる。 そんな中、アメリカではカリフォルニア州で10月からリベンジポルノが非合法化された。同法案は嫌がらせ目的で個人的な写真や動画を流出させた場合、最高で禁錮6カ月または1,000ドル(約10万円)の罰金刑となる。ここでは「男女間で同意して撮影した」というのは、言い訳にはならないという。 日本でも同様に厳しい法律を作るべきと主張するのは、ストーカー被害者を支援する団体の関係者だ。 「ストーカー被害は、危害を加えられないと警察が腰を上げないことが、長年問題になっている。写真や動画の嫌がらせも、事前に防止するには規制するルール作りが必要」 三鷹の事件では、捜査関係者から「池永容疑者は、過去に交際した女性にも嫌がらせ投稿を行ったことがあるようだ」という話も聞かれる。リベンジポルノがちまたで安易な嫌がらせ手段となっている以上、なんらかの対策は必要だろう。 (文=ハイセーヤスダ)イメージ画像(「足成」より)
「報道の自由」や「取材の自由」など保障されているわけではない──特定秘密保護法案にみる、姑息なまやかし
国家機密の情報漏えいを防ぐという目的で制定を目指している特定秘密保護法案の修正協議について、最終的な調整が進められている。去る17日には、公明党が修正案を了承。22日には自民党総務会、公明党政調全体会議でそれぞれ正式了承され、25日には閣議決定して臨時国会に提出される運びとなっている。
特定秘密保護法案については、国民のいわゆる「知る権利」を制限する可能性が指摘されている。「秘密」と規定されてしまったものについては、情報開示の対象から除外され、公開されることなく破棄されてしまうと定められているからである。
そして先日、公明党が修正案を了承した際に注目されたのが、同法案の政府原案の第20条として記された報道の自由に関する扱いである。以下にその全文を掲げる。
<【第6章 雑則】第20条
この法律の適用に当たっては、報道の自由に十分に配慮するとともに、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならない>
一見すると、報道の自由についての配慮を感じられる表現になっている。拡大解釈についても言及されているわけだから、同法案が成立しても、報道の自由や知る権利は法のもとに保護されると感じた人も多いことだろう。
「それは違います。これは不誠実極まりない、とんでもないまやかしです」
そう指摘するのは、関東学院大学法学部教授の足立昌勝氏である。同法政府原案の第20条について、足立氏は強い語調で批判する。
「この文章をよく読んでもらえればわかりますが、単に『配慮する』と言っているにすぎません」
確かに強い調子のように感じられるかもしれないが、内容的には非常に抽象的である。「配慮する」というが、では具体的にどのような策を講じるのかなどは何ひとつ書かれていない。考えようによっては、「十分に配慮した」と前置きされて、報道や取材が制限されることも多分に考えられる。つまり、本来ならば「報道の自由は、これを侵害してはならない」とでも表現されなければならないはずである。
「この法案を推し進めようとしている人々にとって、報道ならびに取材の自由といったものは、その程度にしか認識されていないということです」(足立氏)
この件について、自民党のプロジェクトチーム座長を務める元官房長官の町村信孝氏は、19日放送のテレビ番組の中で、「まっとうな取材をしている記者は法律の適用外。逮捕されることはない」と述べた。しかし、いったい「まっとうな取材」とはなんだろうか? 逆をいえば、「まっとうな取材ではない」と決めつけられてしまったら、逮捕や拘束などの事態もあるということではなかろうか。
この法案の行方から、まだまだ目が離せないことは間違いない。
(文=橋本玉泉)
ネットショップ市場、ゲーム市場、携帯電話市場を一網打尽に狙う孫正義氏の豪腕ぶり
8月31日から9月29日までの1カ月間、ヘビーTwitterユーザーである孫正義氏のツイートが止まった。その間、9月11日のiPhone 5c/5sの発表イベントに加えて、20日の発売日にも姿を見せなかった。ドコモがiPhoneに参入し、起死回生の予想外プランを練っているかと思いきや、結局なし。auとほぼ横並びのプランになった。マスコミがソフトバンク批判を繰り返す中、それでも反論なし。もはや孫氏はiPhoneに飽きたのか? と思ってしまうほどだった。とはいえ、フタを開けてみると、市場の予想に反してソフトバンクの接続率や通信速度はauより少し低く、ドコモよりは明らかに上。自信があったから放っておいたようだ。 9月31日にスマホ冬モデルの発表に関して発言し、ツイート再開。しばらくは業務連絡だったが、ここ数日は冗談や信念を語るなど、元のペースが戻ってきている。行方不明の1カ月間、孫氏は何をしていたのだろうか? 実はその間、3つの市場を一網打尽にするべく暗躍していたのだ。 10月7日、「Yahoo!ショッピング」の出店者イベントに、珍しく孫氏が登場。なんと、ストア出店料と売り上げロイヤルティを10月から完全無料化するという。これは、ネットショップを持つユーザーにとっては朗報。楽天市場の流通規模は2012年が1兆4460億円、Yahoo!ショッピングが3082億円。店舗数は楽天が約4万、Yahoo!ショッピングが約2万となる。孫氏は、2019年までに状況を逆転すると明言。国内最大のECサイトを目指すという。Yahoo!は広告収入のビジネスモデルに転換できるが、楽天市場は難しい。すでにYahoo!ショッピングには申し込みが殺到しているという。Yahoo! BBやソフトバンクモバイルでの手腕を見るまでもなく、成功する可能性は高い。「不毛な値下げ競争が始まった」との批判にも、「不毛ではない。まだ少し残っている」(8日のTwitter)と冗談で返す余裕ぶりだ。 続く15日、ソフトバンクと孫氏の実弟が会長を務めるガンホーは、フィンランドのゲーム会社スーパーセルを1515億円で買収した。孫氏はスーパーセルの取締役に就く予定だ。スーパーセルは2010年に設立された新興ゲーム会社だが、「クラッシュ・オブ・クランズ」や「ヘイ・デイ」といったタイトルのブレークにより一気に勢いづいた。「クラッシュ・オブ・クランズ」は18日現在でも、 Appのゲームカテゴリーのトップセールスで上位5位に入っている。そして、ガンホーは知らない者はいないメガヒットゲーム「パズル&ドラゴンズ」を提供している。この2つのキラーコンテンツを武器に、世界のゲーム市場に打って出るというわけだ。 16日、ソフトバンクはウワサに上っている米ブライトスターの買収に関して「協議中」と公表した。米ブライトスターは、スマートフォンの世界最大の卸売り事業者。新聞記事やニュースなどによると、ソフトバンクはブライトスターを1000億円ほどで買収するとのこと。7月に買収したアメリカ第3位の通信キャリアであるスプリントとの相乗効果を狙い、端末を調達する力を増やそうと考えているようだ。まだ正式には協議中のようだが、これが実現すると、とんでもない未来も見える。ブライトスターが傘下に入れば、Android端末が安価で調達できるようになり、数の不安もない。拮抗状態に入った国内のiPhone市場に見切りをつけ、今度はAndroidスマホを押してくるのではないだろうか。まだAndroid端末はiPhoneのレベルに達していないが、冬モデルには魅力的な端末もあり、来年にはiPhoneキラーとなる機種がお目見えする可能性も考えられる。そのタイミングでソフトバンクが手のひらを返し、激安端末と格安プランで攻めたら面白いことになる。 ネットショップ市場とゲーム市場、携帯電話市場を一気に狙う孫正義氏のバイタリティはすごい。今後の動向からも目を離せない。 (文=柳谷智宣)孫正義 (masason) on Twitter
保険に入っておけばよかったのに……ボウケンジャー俳優の父遭難で注目された、高額救助費用への対策とは?
数年前から続く登山ブームに伴って、登山者は増加の一途をたどっている。特に「名山」といわれる山々では、経験の浅い登山客も増えている。長野県山岳総合センターが今年7~9月に行った調査では、北・中央・南アプルスでは入山した人の3割が登山歴2年未満という調査結果も出ている。また、今年世界遺産に認定された富士山ではピーク期に入山料を徴収する施策を行ったが、登山客は前年比の135%増と、大勢の登山客で混雑した。 これに比例して、山岳遭難の発生件数も過去最悪を毎年更新している。登山のメッカともいえる長野県では、10月時点で遭難件数が257件と、前年の254件を早くも超えており、新たな対策が検討されている。 遭難の時にやはり問題になるのが、捜索・救助費用である。警察などの行政機関による捜索や、ヘリコプターで救助された場合には、料金は無料。しかし、各地の県警が山岳救助のために準備している人数では、手が回らない。そのため、民間の山岳遭難防止対策協議会などの団体に協力を要請することになる。これらの組織は、地元の登山家や山小屋従業員など、地域の山や気象に詳しい人々で構成されている。ただし、この部分は有料。しかも、遭難救助は危険が伴う作業なので、高額な日当が設定されている。一人当たりの日当は夏山でも3万円あまり。冬山だと5万円あまりになる(もっとも、二重遭難の可能性も高い冬山でも5万円で駆けつけるのだから、むしろ安い)。 さらに、状況によっては民間のヘリコプターによる救助が必要となるが、こちらはさらに高額で「1分当たり1万円」が相場だとされている。 つまり、一度遭難すると、場合によっては数百万円の費用がかかってしまうこともあるのだ。無事に救助されて、自分で支払うのもキツいが、最悪の場合には遺族に多大な負担を強いてしまうことにある。 楽しい登山が最悪の状況になってしまうのを防ぐ方法は、登山保険に加入することだ。 登山ブームに伴って、山岳保険の数は増えている。例えば、アウトドアメーカーのモンベルでは、ハイキングやトレッキングなどの軽い登山から、本格的な登山まで各種の保険を販売している。また日本山岳会でも、入会すれば会員向けの山岳保険に加入できる。この保険は「おおむね6000メートルまでの山およびトレッキングの場合は、死亡・後遺障害および入・通院保険金は支払いの対象」と、カバーしている範囲は広い。 ただ、こうした本格的な登山を前提とした登山保険の保険料は、値段も高い。ハイキングからスタートして、ちょっと高い山も目指してみようと考えている登山者は、加入に躊躇することもあるだろう。 そうした場合に考えたいのが、日本山岳救助機構が行っている会員制度。これは、国内の山に限定して、捜索・救助費用を会員の分担でまかなうというシステムである。保障の上限額は330万円と定められていて、相当ひどい遭難をしなければ、カバーできる。おまけに、年会費も2,000円+事後負担金(前年にかかった費用に応じて600~900円程度)と、極めて安い。筆者もこの会員になっているのだが、毎年更新時期になると、案内と共に費用を負担した救助の事故状況と結果のリストが送られてくる。このリスト、淡々と事故状況と結果が書かれているのだが、中には当然「死亡」と記されているものも。いくら、遺族に負担をかけないとしても、わざわざ救助に来てもらって、助からないと救助してくれた人にも悪い……。 山に行くなら、まず遭難対策は当然だね。イメージ画像(「足成」より)
欧州遠征大惨敗のザック・ジャパン“最大の不安要素”マンU・香川真司に「移籍のススメ」
欧州遠征のセルビア、ベラルーシ戦とノーゴールで連敗を喫したサッカー日本代表。
ここのところのふがいない戦いぶりに、代表監督のアルベルト・ザッケローニの進退を問う声も多い。だが、ザッケローニ同様、日本代表の“不安要素”となっているのが、MFの香川真司(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)だ。ベラルーシ戦でもミスを連発し、不用意なボールロストからカウンターを何度も食らった。マンチェスターUという世界屈指のメガクラブに所属し、本来なら日本のエースであるべきはずの男に何が起きているのか?
「香川も試合後の会見で『やっぱり試合に出なきゃいけないというのを、この2試合であらためて感じた』と認めた通り、所属のマンチェスターUで出場機会に恵まれないために、試合勘が鈍っていることです。前所属のボルシア・ドルトムント(ドイツ)時代だったら冷静に決めていたはずのGKと1対1の場面も、焦ってゴールを外してしまう。状態は相当深刻だと思いますよ」(サッカーライター)
昨シーズン、鳴り物入りでマンチェスターUに入団した香川だったが、今シーズンは監督交代のあおりを受けて、ここまでリーグ戦の出場は6試合で45分のみ。これでは、試合勘が鈍っても仕方がないだろう。
「現状では、デイビッド・モイーズ監督の構想から外れているといっていい。そもそもモイーズ監督は、中盤には香川のようなテクニシャンではなく、フィジカルに優れた選手を起用したがるタイプですからね。シーズン前にコンフェデレーションズ杯など、代表の試合に出場してコンディションが整わないままリーグ戦開幕を迎えてしまったという香川側の事情もありますが、コンディションが上がってもリーグ戦やカップ戦でコンスタントに起用される可能性は低いでしょうね」(同)
ブラジルW杯開幕まで1年を切った現在、エースが所属チームで出場機会に恵まれないのは、日本代表にとって大きなデメリット。冬の移籍マーケットでチームを替わることも考えるべきなのかもしれない。実際、この夏もスペインのアトレチコ・マドリードからレンタル移籍の打診もあったし、古巣のドルトムントにも香川を呼び戻そうとする動きがあるという。
「本人は残留してポジション争いに臨む意向みたいですね。日本人選手はナイーブで、こうした苦難を乗り越えてこそ選手としての成長があるのだ、と考えがち。しかし、海外の選手はもっとドライで現実的です。ドイツ代表のエースで、メスト・エジルというMFがいます。彼は名門レアル・マドリードでトップ下のレギュラーだったのですが、この夏あっさりとイングランドのアーセナルに移籍してしまいました。理由は、イングランドのトッテナム・ホットスパーからガレス・ベイルというウェールズ代表MFが、史上最高額の1億ユーロ(約130億4,000万円)もの移籍金でレアルに加入したから。ベイルが加入したからといって、エジルがポジションを失うとは限らなかったし、むしろレギュラーと目されていました。しかし、それでもポジション争いは激化せざるを得ない。W杯を控え、そうしたリスクを嫌って、より確実に出場機会が得られるアーセナルに移籍したわけです。実際、アーセナルではすでに主力として大活躍しており、気分よくW杯を迎えられそうですから、代表チームとしては心強いばかりでしょう。香川にも、こうした割り切りが望まれます」(同)
もっとも、香川が所属チームで出場機会を得て、試合勘を取り戻したとしても問題が残っているという。
「ポジションの問題です。香川の本来のポジションはトップ下ですが、代表では左ウィング。そのため、どうしても中央に入り込んでしまい、サイド攻撃が機能しなくなってしまいがち。こうした状況が続くなら香川を外して、よりサイドで機能する清武弘嗣(ニュルンベルク/ドイツ)や乾貴士(アイントラハト・フランクフルト/ドイツ)を起用することも考えるべき。いずれにせよ、ポジション問題についてはザックと香川が一度ちゃんと話し合うべきでしょう。香川をどう扱うかによって、チームの戦力もガラリと変わりますからね」(同)
ザッケローニの進退もさることながら、より喫緊の課題は“エース香川”の再生なのかもしれない。
「PLの先輩・清原和博が激怒も……」“ミスター中日”立浪和義が監督になれなかったワケ
12日に放送されたTBS系のスポーツ番組『S☆1』で、野球解説者の清原和博氏が中日の人事について激怒し、話題になっている。 プロ野球・中日ドラゴンズは9日、来季から谷繁元信捕手が選手兼任監督になると発表。同時に球団初のゼネラルマネジャー(GM)に、元中日監督の落合博満氏が就任することが決まった。 その一方で悔しい思いをしているのが、中日生え抜きのOB・立浪和義氏。番組内で清原氏は「僕は、立浪がなるのが順当だと思う」「ファンを無視している」など、PL学園高校の後輩でもある立浪氏を猛然とプッシュ。新体制を批判した。 だが今回、立浪氏が監督を見送られた裏には、深い事情があったのだという。落合&谷繁体制が決まる数日前に、こんなニュースがスポーツ紙を騒がせた。 <高木守道監督の後任について、白井文吾オーナーは今季最終戦の5日まで凍結することをフロントに指示していた。これまで候補はOBの立浪和義氏、落合博満前監督=ともに野球評論家=の両氏に絞り込まれていた。だがチームは世代交代を進める過渡期。関係者によると、若く、生え抜きのスターでもある立浪氏には将来的に指揮を託したいとの考えから、見送られることが濃厚となった> 文面通りに捉えれば、今回は時期尚早であっただけで、立浪氏の将来的な監督就任は既定路線のように見えるが、実際は違う。 「これは、球団フロントの頭の中に立浪氏の名前はないということを宣言しているのと同じ。彼の監督就任は、少なくとも向こう5年はないでしょうね」(中日担当記者) 立浪が敬遠される理由もある。 「女性問題ですよ。プレイヤーとしては一流でしたが、グラウンド外の醜聞が多すぎた。梅宮アンナさんとの泥沼不倫や、古閑美保さんとの浮気疑惑、ある週刊誌では愛人のインタビューも掲載されましたよね。これに中日の白井オーナーが激怒。『俺の目が黒いうちは、絶対に監督にしない!』と宣言していたそうです」(同) 加えて、落合氏と立浪氏はソリが合わないことで有名。清原氏が待望する「立浪新監督」までの道のりは、思いのほか厳しいようだ。『立浪和義―立浪和義引退さらばミスタードラゴンズ』(日刊スポーツ出版社)
親善試合、まさかの連続完封負け! ザッケローニ監督に求められる世界基準の「監督力」
危惧していたことが現実となった。 イタリアのクラブを最長3年で退任してきたザッケローニ監督の経歴を考えると、ある意味で中長期的にチームを構築できないといえる。硬い采配が原因でチームに化学反応が起きず、ブレークするような選手も出てこない。 それは、この欧州遠征での2試合に如実に表れた。11日のセルビア戦は、スタンコヴィッチの引退試合も兼ねており、特殊な試合だったということを考慮できるが、昨日のベラルーシ戦にエクスキューズはない。確かに、ベラルーシ戦の立ち上がりは悪くなかったが、ベラルーシ相手に「立ち上がりは悪くなかった」とかばうのも、いかがなものか。 そんなベラルーシ戦で、ザック・ジャパンに変化を与えるのは「3-4-3」というフォーメーションであると明白になったが、現状、うまくいっていない。 いったいザッケローニ監督は、W杯に向け日本代表を進歩させるために、どのようなビジョンを持っているのか? 「3-4-3」ならば、一か八か感は否めない。2010年に岡田武史監督が掲げた“接近、連続、展開”以上にカオスなのが現状だ。それよりも、選手の成長、それに伴うスターティングメンバーの入れ替えが現実的だろう。だが、長きにわたり同じメンバーでチームを構築してきたこともあり、ニューフェイスの筆頭となっている柿谷曜一朗ですら、いまだチームにフィットしていない。さらにいえば、選手の成長での強化だけを望むならば、ザッケローニ監督である必要もない。 とはいえ、今すぐザッケローニ監督を解任すべきという話ではない。その半面、「W杯はザッケローニ監督で決定」というような空気には違和感を覚える。是々非々の議論なく、「ほかに監督がいない」一辺倒では、今までの失敗を繰り返すだけである。日本サッカー協会技術委員会が今回の結果をフィードバックしなければ、W杯での成功はない。そもそも、2010年南アフリカW杯とは違うプロセスでW杯に臨むために、ザッケローニ監督を招聘したはずだ。 歯に衣を着せぬ解説をしてくれる清水秀彦氏は、ザッケローニ監督について、こう指摘している。 「イタリアにいて、トップレベルに接していたら、世界との適切な距離感をつかめていたと思いますよ。それが、アジアでW杯予選を戦い、アジア以外の名前のあるチームとの試合は日本での親善試合のみ。いつの間にか、世界との距離感を測れなくなったんじゃないか」 つまり、世界基準を知っているということで招聘した監督が、いつの間にかアジア基準で物事を見るようになってしまったということだ。 実は、ザッケローニ監督自身も、連敗を喫したベラルーシ戦後に、こう語っている。 「我々はアジアを出ると、自分たちの戦いができなくなる。実際にアジアの内と外とで内容の差が出てしまうことについては私の責任だと思う。では、どうしたら、この課題を修正できるのか、解消できるのか。自分が先頭に立ってやっていかないといけないという気持ちだ」 まさに清水氏の指摘通りだ。W杯で勝ち上がるために、世界基準の「監督力」は絶対に欠かせない。史実を振り返っても、「監督力」なきチームはグループリーグで敗退している。日本同様にチームが停滞気味となったオーストラリアは先日、強豪国のフランスとブラジルに大敗したことを受け、オジェック監督を解任している。 それは、ザッケローニ監督も例外ではないはずだ。11月のオランダ戦を、ザッケローニ監督へ、「あなたのテストの場です」と通告すべきではないか。そういった空気を作れるのは、世論である。 (文=石井紘人@FBRJ_JP)『ザッケローニ 新たなる挑戦』(宝島社)
CSあっさり敗退──ポストシーズン“最弱”阪神のベンチ裏に渦巻く「闇」
プロ野球・阪神タイガースは、クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージで、広島カープ相手に連敗を喫し、最短の2日間で“終戦”。勢いやファンの多さで「イケイケ」のカープに押されまくっただけではない、敗因の舞台裏を一挙公開する。 まずは今季、シーズン最多安打(173本)を放ちながら、シリーズでヒット1本しか放てなかった4番のマット・マートンから。 「今年はシーズン中も浮き沈みが激しく、記者の間では『躁鬱が激しすぎる』と、よく言われていました。実は9月下旬からマートンはテンションが高い状態が続いていた。基本的に、その時期は結果があまり伴わず、ボールを引っかけてゴロアウトになることが多い。ものの見事にデータ通りになりました」(スポーツ紙野球担当記者) CS初戦、スポーツ紙や評論家諸氏の大方の予想を覆し、先発でマウンドに上がったのは、エースの能見篤史ではなくルーキーの藤浪晋太郎だった。 「俗に言う“奇襲”を仕掛けたんですが、普通は下位チームである広島がやるもの。しかも、いくらカープ打線に長打を打たれてなくて成績もいいからといって、藤浪に絶対に落とせない試合をいきなり任せるのは、あまりにもひどすぎた。『2位チームがやることじゃないし、奇襲なら最後までやり通さないと。中継ぎもシーズン通りのタイミングでつぎ込んだから、全部が後手に回った』と嘆くOB諸氏も多かったですね」 スタメンに目をやると、初戦の5番には福留孝介がセンター、カープ先発の前田健太をよく打っていた今成亮太がライトに。 「ただ、この2人こそが記録に残らない守備のミスを連発。大量失点の根源にもなった。この2人が揃って同じ守備位置で先発出場したのは、シーズン最終戦の10月8日(対DeNA戦)だけ。これで“見切り発車”したもんだから、『お粗末な外野陣ですよね……』とあざ笑う広島のチーム関係者もいたほです」 敗因、いや「戦犯」としてヤリ玉に挙がっている人物は、ほかにもいた。そう、風邪で練習を欠席した「アノ人」だ。 「ルーキー藤浪・オールスターの合間にクルーザーでドンチャン騒ぎ!」 こんな見出しが写真誌に躍ったのは7月下旬のこと。オールスターゲームに出場した藤浪が高校の先輩・西岡剛主催のクルーザーパーティに呼び出され、中田翔や既婚者の鳥谷敬らと共に過ごした、という内容だった。8月上旬、甲子園での試合前の練習に姿を見せなかったのは、ほかでもない西岡だった。 「チームの空気を変えてくれて、引っ張っていけるパワーがあるのも西岡でしたが、同時に素行の悪さはロッテ時代と何ら変わらなかった。試合後にも大阪・北新地にわざわざ普段と違う車で行ったり、遠征先では朝方ではなく、昼前に酔っ払って宿舎に戻ることもしばしば。それでも、勝ってたからよかったが、負けが込みだすと『西岡批判』がチーム内外から噴出したのは事実です」(スポーツ紙プロ野球デスク) 過去にロッテで2度のCS出場経験があり、うち1回は“下剋上”と称された「3位→日本一」の貴重な経験を持つ。それだけに、だ。 「CS直前こそ、背中でチームを引っ張っていってほしかった。なのに、試合2日前に行われたチームの決起集会後に、スポンサーになっている某中堅芸人らと夜な夜な飲み倒し、翌日は練習を欠席。球団はメディアに高熱が出たと説明したが、完全に“サボり”です。もっとも、その芸人も翌日、レギュラー出演する朝の生番組を大幅に遅刻。思わぬ形でウソが現場のマスコミにバレたんです」(同) 極めつきは、やはり指揮官・和田豊だろう。 「とにかく、チグハグな采配が多すぎて、特に若手選手からの信頼を集められなかった。また、金本知憲や前田智徳らを育てた水谷実雄チーフ打撃コーチをナインが事実上ナメていたのも、トップがしっかりせず正せなかったからと言われている。シーズンで2位になったことから、ひとまず来季も指揮は執りますが、オフの間に襟を正しておかないと、来季はもっとトンデモないことになりかねません」(同) 今季で引退を決めている桧山進次郎の感動的な最終打席ホームランでシーズンを“ハッピーエンド”で終えた雰囲気もある阪神ベンチに、果たして来季、改革は訪れるのだろうか?阪神タイガース公式サイトより







