いよいよコンサバ文化が動く? 「HERS」にも押し寄せてきた辛口の波

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「HERS」2012年7月号(光文社)

 女性誌において、モノを通して自分を語る時代は終わったと感じることが多いのですが、「HERS」はまだまだ「良いものは自分の価値を高めてくれる!」という価値観が誌面からにじみ出てきます。以前も断捨離特集かと思ったら、新しいマンションを売って古いアパートを買い直してリノベーションするという、「結局モノ捨てて新しく買い直してるだけやないかーい!」状態でしたし、今月の萬田久子さんの連載コラム「萬50+4ダッ」のページにも、ある宝石店のパーティでジュエリーを身に着けた気分を「この“ぽっ”と心が躍る気分は、ちょっと恋ににているから。恋もジュエリーも女子を美しくさせるための媚薬だもの、どっちも欲しいわよ、ね!(笑) さあ、大人の女性の皆さん、輝きを手に入れるために、頑張りましょ!」とつづられていました。ま、人の価値観なんてそう変えられるもんではありませんし、まだまだ消費にも恋愛にも積極的な「HERS」の姿勢は、毎度のことながら頼もしいかぎりです。

読モが増えて個性が埋没!? 「I LOVE mama」カルチャーが一般化

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「I LOVE mama」2012年7月号
(インフォレスト)

 「モテ」企画の解禁、付録の封入と、ここ半年あまりで大きな変化をとげている「I LOVE mama」。現在「おしゃれブロガー」として人気上昇中のママモ・孫きょうちゃんを初めて表紙に据えるなど、読者モデルたちの新陳代謝も何やら活発な様子です。かつて「ラブモ神3」と言えば、デカ目の女王・日菜あこちゃん(27歳)、歌手デビューも果たした大工原里美ちゃん(25歳)、そしてクールな料理上手・木口千佳ちゃん(28歳)でしたが、孫きょうちゃん(22歳)をはじめとしたラブママ第2世代の波がじわじわ。孫きょうちゃんといえば、ファッションよりもメイクが重視されていたラブママに現在「オシャM(オシャレなママ)」というムーブメントを起こしている中心人物。ギャルママと一般人との差異を明確にしていたあこちゃんのデカ目メイクとは異なり、「オシャM」の流れはギャルママの「フツーにオシャレ」化を促進しているようです。果たしてラブママのアイデンティティーはどこに向かおうとしているのか、今月も心してレビューします。

<トピックス>
◎美ママたちのヤセ伝説!!
◎人気ラブママブロガー6人による誌上コメ返
◎ママ&ちびコふたりで5000円 安カワ夏おソロコレクション2012

“母として・女としての洗顔”、「Grazia」のセンスが「Domani」寄りに!

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「Grazia」2012年7月号(講談社)

 今月号の「Grazia」の表紙は、永作博美。長年、エイジレスの権化として君臨してきた永作も、一昨年に第一子を出産し、「Grazia」読者と同じくワーキングウーマンに。インタビューでは「何ひとつ無駄なものはないと思っているので。日々起こっているすべてのことが、私になってる」と語っています。カッチョエー!! ま、この手のインタビューなんて誰が出てもカッコイイことしか言えない雰囲気なのでいいのですが、スタイリングがルイ・ヴィトンの25万円のドレスやグッチの真っ白なスリーピースなど、いかにも「Grazia」が好みそうな「強くて、かっこいいワーキングマザー」をイメージさせる格好をしているんですよね。せっかくナチュラル大臣・永作を出すなら、もっと肩ひじ張らないスタイリングでもいいんじゃないかと。毎日フォーマルな服装で働いている人は、井脇ノブ子以外は思いつきません。まあ、彼女はワーキングマザーではないし、あれをフォーマルと言っていいのかも不明瞭ですが……。

<トピック>
◎子どもと一緒の時を刻む名品時計
◎美肌を育むクレンジング&洗顔術 母として洗う日 女として洗う日
◎“総合こども園”ってどーなるの!? リレー激論

母親の自己肯定が染み出る育児誌「Neem」にナチュラル系の神UAが登場

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「Neem」vol.3(徳間書店)

 「ポリシーあるママのライフスタイルマガジン」と銘打って今年創刊された「Neem(ニーム)」(徳間書店)。毎号、表紙には一色紗英を起用するという、2012年の今では独特すぎるポリシーを貫く異色の育児雑誌です! 登場するママには、田辺あゆみやhitomi、カヒミカリィなど、ルーズソックス世代に多大な影響を与えた“渋谷系”モデルやアーティストたちをラインナップ。彼女たちが行う「ナチュラル」で「私らしい」出産や育児を惜しみなく公開しています!

 しかし通販サイト「amazon」のレビューでは、「一般人の読者が置き去りにされている」「芸能人のライフスタイルなんて参考にならない」「他のママ雑誌のおこぼれモデルではなく、普通に頑張っているお母さんがみたい」など、パンピー(一般ピープル)層の読者から信じられないほど叩かれまくっているのです!  育児雑誌でここまで低評価を受けてるものなんてほかにないですよ! 「Neem」、一体どんなポリシーママの世界が繰り広げられているんでしょうか!? 生後3カ月の娘を持つ新米ママライターが読んでいきます!

<トピック>
◎UAさんを訪ねて沖縄 やんばるへ
◎ママたちの素敵なつながり
◎ママたちのポットラックパーティー!

子ども、夫、おしゃれな暮らし……無欲に見えて高望みな「LEE」読者の日常

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「LEE」2012年7月号(集英社)

 ここ数カ月、広告出稿が順調であまり攻め入った企画がなく、いまいち「らしさ」が表層化しなかった「LEE」。ところが今月は読みどころ満載。モデル雅姫×SHIHO「私たち、これからは『ママ友付き合い』始めます!」という対談は、げに恐ろしいですよ。なんでも2人は17年来の友人なんですって。

 同じ「ママ」でも、若い頃にママになった雅姫は「私のころはまだ女の人が、専業主婦か働く女性化、どっちかに分かれていた気がするな。子供をシッターさんに預けることもちょっと後ろめたかった」と先輩風を吹かせているのにも関わらず、SHIHOは終始「そうそう!」「そうなの~!」と受け流しながら、「私は今、娘がかわいくてかわいくて、家にいるなんでもない時間が至福なの」と自分の話に持って行く逞しさを見せています。言葉の端々から“相手を褒めることによって、余裕も幸せもある自分を演出したい”という無意識の思惑が伝わり、まさにハッピー頂上合戦。ハッピーかめはめ波に、ハッピー元気玉で応戦する様相を呈しています。「ママ」で「子どもがかわいい」と思うことは共通しているようだし、誰も傷つけていないから、それはそれでいっか。とりあえず、「幸せ」「幸せ」と2人のツバがペッペと飛んできそうな対談だけは読むことをおススメしますよ。そのツバを頭に浴びたら、あなたも幸せになれるかも!(適当!)

なんとなく恋して仕事して悩んでいたい。「steady.」を覆うボヤっとした空気

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「steady.」2012年7月号(宝島社)

 「steady.」の女性誌レビューを始めた時は、男性にこびこびで計算高い内容の雑誌なのかと思っていましたが、よく読んでみると「会社で嫌われなければいいなー」「彼氏もできたらいいなー」と受け身で、読者があまりアグレッシブではないことが見えてきました。特集も「みんなが買った」「みんなと一緒」というテーマが多い。「なんとなく仕事をして、なんとなく恋愛したくて、なんとなく女友達もいて、でもなんとなく悩みもあって……」という女性は想像以上に多いんだなということを、この雑誌から知りました。

<トピック>
◎フェミカジOL・みっこと、シンプル上手OL・夏希のプチプラ3カ月着回し
◎1万人OLがリアルに買ったものランキング
◎馬場園さんのからあげ(ハート)エブリディ

妻だけは抱けない!? 「VERY」で赤裸々告白した「妻だけED」イケダンたち

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「VERY」 2012年7月号(光文社)

 今月号の「VERY」は「美味しいごはんに放射能フリーの知恵」「しのびよる『妻だけED』の真実!」などネタが満載すぎて、毎号ヒリヒリするような読後感を持つ小島慶子さんのコラムさえもおとなしく感じてしまうほどです。今月の小島さんのコラムは、眼鏡を初めて買った息子さんの話題が中心です。眼鏡をかけた息子さんがAKB48のPVを見ているのを横目に、「それは大人がよってたかって『男の子が見たい女の子』を映像にしたものだから、本当の女の子とは違うんだぞ」「AKBを真似る女の子はいるが、それは男子の見たい女の子を演じている、女子という君には全く想像もつかない生き物だぞ、注意しろ!」という解説を加えたという話は、ほのぼのとしていながらも本質を突いていて、今回も胸のつっかえがとれたような気持ちになりました。

<トピック>
◎コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?
◎しのびよる「妻だけED」の真実!
◎美味しいごはんに放射能フリーの知恵

妻だけは抱けない!? 「VERY」で赤裸々告白した「妻だけED」イケダンたち

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「VERY」 2012年7月号(光文社)

 今月号の「VERY」は「美味しいごはんに放射能フリーの知恵」「しのびよる『妻だけED』の真実!」などネタが満載すぎて、毎号ヒリヒリするような読後感を持つ小島慶子さんのコラムさえもおとなしく感じてしまうほどです。今月の小島さんのコラムは、眼鏡を初めて買った息子さんの話題が中心です。眼鏡をかけた息子さんがAKB48のPVを見ているのを横目に、「それは大人がよってたかって『男の子が見たい女の子』を映像にしたものだから、本当の女の子とは違うんだぞ」「AKBを真似る女の子はいるが、それは男子の見たい女の子を演じている、女子という君には全く想像もつかない生き物だぞ、注意しろ!」という解説を加えたという話は、ほのぼのとしていながらも本質を突いていて、今回も胸のつっかえがとれたような気持ちになりました。

<トピック>
◎コ・ジ・マ・メ・セ・ンのもしかしてVERY失格!?
◎しのびよる「妻だけED」の真実!
◎美味しいごはんに放射能フリーの知恵

ガリガリ君のコスプレも披露!? 10代の不安と潔さが交差する「Popteen」

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「Popteen」(角川春樹事務所)
2012年07月号

 女性誌レビューに、ティーン・ギャル系ファッション誌「Popteen」が初登場です! サイ女のみなさんの中には、「懐かしい~」「高校生の頃に読んでた!」という方もいるはず。あまり馴染みがない人も、益若つばさ、小森純、ローラ、鈴木奈々などを輩出したファッション誌と聞けば、なんとなくイメージがつくのではないでしょうか。そう、一見おバカだけれど、抜群の愛嬌とノリで、芸能界をサバイブしている面々です。

 「ブスって言われたから整形した」と告白したり、「彼氏は私がピンクの下着を履くとものすごく興奮する」と惚気たり、「OK! んふふ~♪」だけで一気に売れっ子になったり……そんな、生きたいように生きる彼女たち。雑誌のつくり自体も、まさに「生きたいように生きている」という一言に尽きると思います。なんてったって、第1特集のタイトルが「魔界からやってきたぴかりん取扱説明書!」ですからね! サイ女の皆さんは、水木しげる先生監修「妖怪大百科」の1ページと間違えてしまうのでは。いきなり置いて行かれそうになりましたが、そのPOPな生き様を見させていただきましょう!

<トピック>
◎魔界からやってきたぴかりん取扱説明書!
◎コスプレ探偵ぴかりんの「萌っえ萌えにしてやんよ!」
◎ビバ!! ティーンズ

受刑者同士の介護、仕事ができて疎まれるパート……「婦人公論」が放つ真実

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「婦人公論」(中央公論新社)2012年
6月22日号

 「婦人公論」6月22日号の特集は、「太らない、倒れない体をつくる正しいダイエット」。その中で、ベストセラーとなった『「空腹」が人を健康にする』(サンマーク出版)の著者であるの南雲吉則氏がこう語っていました。「意識して空腹の時間を作ることで、自分の体が何をどれだけ必要としているのか、体の真の声を聞くことができます」。南雲氏は、お腹がグーッと鳴って本当の空腹を感じた時だけ、体にいいおいしいものを食べるのだそうです。

 フーンと思いながら「婦人公論」を読み進めて、ふと、これは“情報”にも同じことが言えるのではないかと思いました。スイーツやジャンクな情報があふれかえっている現代、お腹は空いてなくてもつい手が伸びて摂取して贅肉を貯め込みがち、自分が何を必要としているのか真の声が聞こえない。自分が本当に聞くべき声も聞こえない。声がデカいやつが勝ち、吠えまくったやつが勝ち、気の利いたことを言ったやつが勝ちの世の中、喧噪にかき消されてしまった声、叫びはきっとあるはずだと思うのです。今回は、「婦人公論」に掲載されているそういった声をご紹介します。

<トピック>
◎特集「太らない、倒れない体をつくる正しいダイエット」
◎ルポ「女子刑務所――知られざる世界」
◎「パート人生相談 溜息とホンネ渦巻く職場から」